説明

遊技システム

【課題】 島一括で関連性のある演出を行うことができる遊技システムを提供する。
【解決手段】 2秒遅延用ディップスイッチ25がOFF状態のとき、タイマー33の計時が基準時間に達すると、CPU30は図柄表示制御装置40に2秒演出開始信号を入力する。2秒遅延用ディップスイッチ25がON状態のとき、タイマー33の計時が、2秒遅延用ディップスイッチ25によって設定された基準時間よりも遅延した時間に到達すると、CPU30は図柄表示制御装置40に2秒演出開始信号を入力する。2秒演出開始信号が入力されると、図柄表示制御装置40は、液晶パネル19から第2演出表示を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機を複数組み合わせて構成される遊技システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本明細書中ではパチンコ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてパチンコ球を用いて説明するが、遊技媒体としてはメダルなどの他の媒体も含む。また、遊技盤の遊技盤面9aに設けられた入賞口にパチンコ球が入ることを入賞とする。
【0003】
パチンコ店などの遊技場で使用されるパチンコ機は、パチンコ球に一定の価値が与えられ、遊技を行って獲得したパチンコ球を種々の景品に交換することができる。このため、遊技者はパチンコ球を大量に獲得するということを主な目的とし、短期間のうちに大量のパチンコ球を獲得できる遊技モードでの遊技を行うことが楽しみの一つとなっている。
【0004】
遊技場では、複数台のパチンコ機が連なるように並べて設置することを可能にする、いわゆる、島設備が設けられており、この島設備に設置されたパチンコ機のまとまりが島と呼ばれている。そして、一般に、パチンコ機は島ごとに同機種のものが設置されており、遊技者は、島で同機種の複数台のパチンコ機のうちのいずれかを選択して遊技を行う。このように、島ごとに同機種のパチンコ機を並べて設置することによって各島ごとに統一感を持たせている。
【0005】
上記のようなパチンコ機では、一般に、通常モードの遊技で始動入賞口11にパチンコ球が
入賞したことが検知されると当たり決定抽選が行われ、遊技盤のほぼ中央に設けられている液晶表示(LCD)パネル等の図柄表示装置で図柄の変動表示及び停止表示が行われる。当たり決定抽選では、当たりモードに移行する権利を付与する当たり又は当たりモードに移行する権利を付与しないハズレのいずれかが決定される。そして、図柄表示装置で停止表示された図柄の種類や図柄の組み合わせによって、当たり決定抽選で当たりに当選したことを示す当たり表示又は当たり決定抽選でハズレであることを示すハズレ表示のいずれかが表示される。
【0006】
当たりモードでは、特定の入賞口を閉じる閉じ位置と特定の入賞口を開放する開放位置とで回動自在なアタッカ(回動扉)が回動して、通常モードで閉じられている特定の入賞口が開放される。特定の入賞口の1回の開放、すなわち1ラウンドは、例えば特定の入賞口が30秒開放されるか又は特定の入賞口にパチンコ球が10個入賞したことを検知するまで開放され続ける。当たりモードは、例えば15ラウンド実行されると終了する。当たりモードでは特定の入賞口が開放されるため、通常モードよりも多くのパチンコ球を獲得することができる。
【0007】
ところで、図柄表示装置では当たり表示やハズレ表示を行うだけではなく、当たり表示やハズレ表示が行われている最中やその前後において様々な演出表示が行われる。そしてその演出表示はパチンコ機の遊技状況に応じて変化する。例えば、当たりモードに移行した際には通常モードよりも派手な演出表示が行われる。また、パチンコ機にはランプやスピーカが組み込まれており、図柄表示装置の演出表示と同様にランプから発せられる光やスピーカから発せられる音も遊技状況に応じて様々に変化する。このようにパチンコ機では、図柄表示装置、ランプ、スピーカなどの演出を行う際に作動される各種装置が組み込まれており、これらの装置によって遊技者の高揚感を高めるような多種多様の演出が行われる。また、このような演出が島を構成している各パチンコ機で行われることによって島全体を華やかにすることができる。これにより人の注意を島に引き付け、さらにその島に設置されているパチンコ機に対して興味を持たせることができるようになる。このように島全体を華やかにすることは集客を行うための重要な要素の1つとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の島では、各パチンコ機で行われる演出の態様が、そのパチンコ機の遊技状況によって多様に変化するため、例えば、当たりモードに移行したパチンコ機では派手な演出が行われるが、通常モードのパチンコ機では当たりモードに移行したパチンコ機のような派手な演出が行われないといったように各パチンコ機によって異なった演出が行われてしまい、島全体で統一感のある演出を行うことができなかった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、島一括で関連性のある演出を行うことができる遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の遊技システムは、特定のセンサによって遊技球が検知された場合に、当たり又はハズレのいずれかを抽選を行って決定する当たり決定手段と、前記当たり決定手段での抽選結果に応じた第1演出表示を行う演出表示手段を備えた遊技機を複数設置して構成したものであり、前記遊技機は、計時を開始することを示す計時開始信号の入力に応答して計時を開始する計時手段と、前記演出表示手段で、前記第1演出表示とは異なる特定態様による第2演出表示を行うための第2演出表示用データ49が格納された演出表示データ記憶手段と、前記計時手段で計時された時間が、予め定められた時間に達したことを契機に、前記演出表示データ記憶手段から前記第2演出表示用データ49を読み出して、前記演出表示手段で前記第2演出表示を行わせる演出表示制御手段と、前記第2演出表示を開始させる時間の調整設定をする入力手段と、を備え、複数の前記遊技機における複数の前記演出表示手段を用いて一連の演出表示が行われることを特徴とする。
【0011】
前記演出表示データ記憶手段に、前記演出表示手段で前記第1、第2演出表示とは異なる態様の第3演出表示を行うための第3演出表示用データ50を格納し、前記演出表示制御手段は、前記演出表示手段で前記第2演出表示の実行中に、特定のセンサによって遊技球が検知された場合に、前記演出表示データ記憶手段から前記第3演出表示用データ50を読み出して、前記演出表示手段で前記第3演出表示を行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の遊技システムは、各遊技機ごとに操作手段により演出開始時間を決定し、その演出開始時間に達したことを契機に、演出表示手段で特定態様による演出表示を行わせ、複数の遊技機における複数の演出表示手段で一連の演出表示を行うようにしたので、複数の遊技機を用いて関連性のある演出を行うことができ、これにより遊技機で現在遊技を行っている者の遊技に対する興趣をより一層高めることができる。また、集客力を高めることができる。例えば、本発明の遊技システムを用いた島の周辺にいて遊技を行っていない人、あるいは未だに遊技を行ったことのない初心者などの注意を本発明の遊技システムの実行によって引き付けることができる。これにより他機種との差別化が図られ、本発明の遊技システムを用いた島の周辺にいる人などに遊技機に対して強い興味や関心を持たせることができる。
【0013】
また、第2演出表示の実行中に、特定のセンサによって遊技球が検知された場合に、演出表示手段で第3演出表示を行うようにしたので、遊技の興趣をより一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に本発明を実施した遊技システム1の構成を示す。遊技システム1は、3台のパチンコ機2と、集中管理装置3と、通信線4とから構成される。パチンコ機2は、同機種のものが3台横並びに設置され、これにより、遊技場内で島5を形成している。集中管理装置3は、一般にホールコンピュータと呼ばれるものであって、通信線4を介して各パチンコ機2での制御の履歴の情報収集や電源のオン/オフ等を行う。また、集中管理装置3は、電源投入時刻設定部3a及びタイマー3bを備えている。電源投入時間設定部3aでは各パチンコ機2の電源を一斉に投入する時間が設定される。電源投入時間設定部3aによって時間が設定されるとタイマー3bが作動され、タイマー3bが計時した時間が設定された時間に達すると、一括電源投入信号が各パチンコ機2に入力される。
【0015】
図2にパチンコ機2の外観を示し、先ず、パチンコ機2の遊技の流れの概略を説明する。パチンコ機2では、通常モード、当たりモードの2つの遊技モードが設けられている。後述する始動入賞口11にパチンコ球が入賞したことが検知されると、当たりモードに移行する権利のみを付与する当たり又はハズレのいずれかを抽選により決定する当たり決定抽選が行われる。当たり決定抽選で当たりに当選すると通常モードから当たりモードに移行される。当たりモードでは、通常モードで閉じられた状態となっている大入賞口16が開放される。1回の当たりモードでは大入賞口16を閉鎖していたアタッカ13(回動扉)を開放する動作を15回(所定の上限回数)行うこととなっており、大入賞口16は1回の開放につき例えば30秒経過するまで又はパチンコ球が10個入賞するまで開放される。なお、本実施形態では、大入賞口16が開放される期間を「ラウンド」と称し、1回目の大入賞口16の開放期間を「1ラウンド」、2回目の大入賞口16の開放期間を「2ラウンド」・・15回目の大入賞口16の開放期間を「15ラウンド」と称する。このため、当たりモードは15ラウンドで終了すると言い換えることができる。
【0016】
次に、パチンコ機2の構成を説明する。パチンコ機2の遊技盤9の遊技盤面9aには図柄表示装置10が組み込まれている。また、遊技盤面9aには、始動入賞口11、通常入賞口12、アタッカ13、アウト口14が設けられ、さらに図示は省略してあるが、障害釘や風車などが設けられている。
【0017】
また、パチンコ機2には発射ハンドル15が設けられており、発射ハンドル15が操作されると、パチンコ球は発射制御装置67(図4参照)によって一個ずつ遊技盤面9a上の遊技領域に打ち出され、始動入賞口11又は通常入賞口12のいずれかに入賞するか、あるいは、ハズレ扱いとなるアウト口14に入る。
【0018】
アタッカ13の奥には大入賞口16が設けられており、アタッカ13は大入賞口16を開放する開放位置と大入賞口16を閉じる閉じ位置との間で回動自在に取り付けられている。通常モードでは、アタッカ13は閉じ位置に位置しており、当たりモードに移行されると、アタッカ13が開放位置に回動して大入賞口16が開放される。
【0019】
始動入賞口11、通常入賞口12、大入賞口16にパチンコ球が入賞すると、入賞した入賞口ごとに割り当てられた個数のパチンコ球が払い出し口17から受け皿18に払い出される。
【0020】
図柄表示装置10には液晶パネル(演出表示手段)19が組み込まれている。液晶パネル19には3個の図柄が並列に並べて表示されている。1列ごとの図柄は、数字の「0」〜「9」を示す10種類の図柄(所定の複数種類の図柄)からなり、始動入賞口11にパチンコ球が入賞すると各列の図柄の変動表示が開始される。そして、変動表示されている図柄が停止表示されたときの図柄の組み合わせによって、当たり決定抽選の結果が報知され、当たり決定抽選の結果が当たりであることを示す当たり表示、当たり決定抽選の結果がハズレであることを示すハズレ表示のいずれかが表示される。本実施形態では当たりの場合、図8の左、中、右と3つ並んでいる液晶パネル19のうち、中の液晶パネル19に示すように、3個の図柄が揃って停止表示され、ハズレの場合、図8の左、中、右と3つ並んでいる液晶パネル19のうち、右の液晶パネル19に示すように、3個の図柄が不揃いの状態で停止表示される。
【0021】
なお、液晶パネル19からは、当たり決定抽選の抽選結果に応じた第1演出表示が表示される。第1演出表示とは、当たり表示、ハズレ表示の他に、始動入賞口11にパチンコ球が入賞されてから当たり表示またはハズレ表示に至るまでの間に行われる全ての演出表示を示す。具体的には、本実施形態における第1演出表示は、当たり表示、ハズレ表示、始動入賞口11にパチンコ球が入賞してから当たり表示またはハズレ表示が表示されるまで行う左、中、右の図柄の変動表示の演出、例えば、該変動表示中に左、中、右の図柄を個々に停止表示させる際に生じるリーチ状態であることを示すリーチ表示の演出を含むように構成される。
【0022】
本実施形態におけるリーチ状態とは、図8の左、中、右と3つ並んでいる液晶パネル19のうち、左の液晶パネル19に示すように、最後に停止される図柄の変動表示中で、残りの図柄が停止表示されているときに、変動表示中の図柄が停止表示されると特定図柄の組み合わせとなって当たり表示が表示される可能性のある状態のこという。なお、図8、10〜12に示す矢印は、図柄の変動表示の様子を示すために便宜的に示したものであり、実際に表示されるものではない。
【0023】
なお、本実施形態では、液晶パネル19から当たり表示が表示された場合には、当たりモードとなって15ラウンドが終了した後も、始動入賞口11にパチンコ球が入賞しない限り、当たり表示が継続して表示され、液晶パネル19からハズレ表示が表示された場合には、始動入賞口11にパチンコ球が入賞しない限り、ハズレ表示が継続して表示され、後述する第2演出表示または第3演出表示が表示されるとき以外は液晶パネル19からは第1演出表示における図柄の変動表示及び当否の結果の表示がされているものとする。
【0024】
なお、始動入賞口11にパチンコ球が入賞しない状態が予め定められた時間続いた場合には、液晶パネル19における表示をデモンストレーション用の表示に切り替えるようにしても良い。
【0025】
パチンコ機2で行われる遊技は大きく分けて、液晶パネル19から第1演出表示が表示される遊技と、液晶パネル19から第1演出表示とは異なる特定態様による第2演出表示が表示される遊技と、液晶パネル19から第1、第2演出表示とは異なる態様の第3演出表示が表示される遊技とから構成される。
【0026】
第2演出表示は、パチンコ機2の電源41(図4参照)がONされてパチンコ機2の作動時間が予め設定された演出開始時間(例えば600秒)に達してから予め設定された演出終了時間(例えば602秒)に達するまでの2秒間の間に行われる演出表示であり、具体的には、図9の左、中、右と3つ並んでいる液晶パネル19のうち、左の液晶パネル19に示すように、液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜ける態様が表示される。電源41がONされてから一度第2演出表示が行われた後は、演出終了時間が終了してから600秒経過すると液晶パネル19に再び第2演出表示が表示される。なお、600秒が経過するまでの期間、すなわち、第2演出表示が行われている期間以外の期間は、始動入賞口11にパチンコ球の入賞があった場合に液晶パネル19において第1演出表示の変動表示が開始される。
【0027】
第3演出表示は、第2演出表示が行われている間に始動入賞口11にパチンコ球が入賞すると行われる演出表示であり、具体的には、図12の左、中、右と3つ並んでいるそれぞれのパチンコ機2の液晶パネル19のうち、右の液晶パネル19に示すように、液晶パネル19から第2演出表示が表示されるシステム作動中に始動入賞口11にパチンコ球が入賞したことを条件にして、キャラクター20が割り込んで表示される演出表示から構成される。
【0028】
図柄表示装置10の上方には保留球表示部21が設けられている。図柄表示装置10が作動され、液晶パネル19で図柄の変動表示が行われている間にパチンコ球が始動入賞口11に入賞した場合には、所定個数(例えば4回)の入賞を限度に保留球として所定抽選情報が記憶され、保留球表示部21により保留球の個数が表示される。図柄表示装置10の作動が終了した時点で保留球表示部21により保留球が表示されている場合には、保留球表示が1つ消灯されるとともに記憶された所定抽選情報に基づいて再び図柄表示装置10が作動され、図柄の変動表示が開始される。
【0029】
図3に示すように、パチンコ機2の背面にはパチンコ機2における遊技の基本となる動作を生成して各種制御を行うための主制御基板22を収容した基板収納ケース23が組み付けられている。基板収納ケース23の下方には各種設定を行う際に操作される設定操作部24が設けられている。この設定操作部24は、第2演出表示を開始する演出開始時間の調整設定を行う際に操作される2秒遅延用ディップスイッチ(入力手段)25及び5秒遅延用ディップスイッチ(入力手段)26、2秒遅延用ディップスイッチ25と5秒遅延用ディップスイッチ26とのいずれを使用するかを決定する際に操作される切り替え用ディップスイッチ27を備えている。
【0030】
図4に示すように、パチンコ機2は主制御基板22と副制御基板28とから構成されている。主制御基板22には主制御装置29が設けられている。パチンコ機2は主制御装置29に設けられたCPU30によって管制される。主制御装置29にはCPU30の他、当たり決定部(当たり決定手段)31、停止図柄決定部32、タイマー33、メモリ34、演出抽選部35が設けられている。CPU30はメモリ34のROM領域に格納されたシーケンスプログラムにしたがってパチンコ機2の動作を制御し、各遊技モードでの遊技を実行させる。
【0031】
CPU30には、入力インターフェイス(不図示)を介して始動入賞口入賞球検出センサ(特定のセンサ)36、大入賞口入賞球検出センサ37、通常入賞口入賞球検出センサ38、払出口払出球検出センサ39、電源41、2秒演出用ディップスイッチ25、5秒演出用ディップスイッチ26、切り替え用ディップスイッチ27が接続されており、出力インターフェイス(不図示)を介して図柄表示制御装置40、ランプ制御装置42、音声制御装置43、払出制御装置44、可動物制御装置45が接続されている。
【0032】
始動入賞口入賞球検出センサ36は始動入賞口11、大入賞口入賞球検出センサ37は大入賞口16、通常入賞口入賞球検出センサ38は通常入賞口12にパチンコ球が入賞されたか否かを検出し、払出口払出球検出センサ39は払い出し口17からパチンコ球が払い出されたか否かを検出する。
【0033】
始動入賞口入賞球検出センサ36によりパチンコ球の入賞が検出されると、CPU30にスタート信号が入力される。CPU30はスタート信号に応答して当たり決定部31を作動させる。
【0034】
当たり決定部31は乱数発生器、乱数サンプリング回路、当たりか否かを決定するための当たり決定テーブルを備えており、始動入賞口入賞球検出センサ40がパチンコ球の入賞を検出するたびに乱数値をサンプリングする。サンプリングされた乱数値は当たり決定テーブルと照合され、当たり又はハズレのいずれかが抽選により決定される。
【0035】
当たり決定テーブルでは、乱数値のサンプリングを行う際に発生する全乱数値のうち、当たりとする乱数値が割り当てられている。そして、サンプリングされた乱数値が当たり決定テーブルに割り当てられた乱数値と一致するか否かを判定することによって、ハズレ及び当たりのいずれかにするかが決定される。なお、本実施形態では、当たりの種類を1種類としているが、例えば当たりを本実施形態と同様に当たりモードにのみ移行される通常当たりと、当たりモード終了後に通常モードよりも当たりに当選する確率が高くなる確率変動モードに移行される確変当たりとの2種類で構成するなど、当たりの種類は適宜に設定してよい。また、当たり又はハズレは、例えば乱数値のサンプリングを行う際に発生する全乱数値を予め2つの数値範囲に区切って、当たり決定テーブルでは、それぞれの数値範囲にハズレ及び当たりを割り当てておき、サンプリングされた乱数値がいずれの数値範囲に属する値であるかによって当たり又はハズレを決定するなど、適宜の方法により決定してよい。
【0036】
停止図柄決定部32では、液晶パネル19から停止表示させる図柄の組み合わせが決定される。停止図柄決定部32は、乱数発生器、乱数サンプリング回路、停止図柄テーブルを備えており、当たり決定部31での抽選が行われた後に作動される。停止図柄テーブルは、ハズレ用のテーブル及び当たり用のテーブルの2種類のテーブルから構成されている。いずれのテーブルを用いて抽選を行うかは当たり決定部31での抽選結果に基づいて選択される。そして、乱数サンプリング回路によってサンプリングされた乱数値が選択されたテーブルと照合されると、液晶パネル19で停止表示させる図柄の組み合わせが決定される。停止図柄決定部32での抽選が終了し、液晶パネル19から停止表示させる図柄の組み合わせが決定されると、決定された図柄の組み合わせを示す信号がCPU30から図柄表示制御装置40に入力される。
【0037】
演出抽選部35は、乱数発生器及び乱数サンプリング回路を備えている。演出抽選部35は、始動入賞口11にパチンコ球が入賞し、当たり又はハズレが決定されると作動される。演出抽選部35は、決定された当たり又はハズレに応じた第1及び第2演出態様抽選テーブル35a,35bを用いて抽選を行うことによって、演出表示データ記憶部47(図5参照)に格納されている第1演出表示を行わせるための複数の第1演出表示用データ48のうちのいずれを読み出すかを決定する。これにより、第1演出表示の種類が決定される。
【0038】
第1演出態様抽選テーブル35a及び第2演出態様抽選テーブル35bでは、乱数発生器で発生する全乱数値のそれぞれに第1演出表示用データ48の種類が割り当てられており、サンプリングされた乱数値が第1及び第2演出態様抽選テーブル37a,37bでのいずれの第1演出表示用データ48に属するかを判定することによって、読み出す第1演出表示用データ48の種類が決定される。第1演出態様抽選テーブル35aは当たり決定抽選でハズレだった場合に用いられ、第2演出態様抽選テーブル35bは当たり決定抽選で当たりに当選した場合に用いられる。演出抽選部35での抽選が終了すると、決定された第1演出表示用データ48の種類を示す特徴量データが付加された第1演出表示を開始することを示す第1演出表示開始信号が図柄表示制御装置40に入力される。
【0039】
タイマー(計時手段)33は、パチンコ機2の電源41がオンされて後述する電源投入信号が入力されるとCPU30によって作動され、パチンコ機2の作動時間を計時する。CPU30は、タイマー33によって計時されている作動時間を常時監視している。
【0040】
電源41は、図示しない電源スイッチが操作されてパチンコ機2の電源41がオンされた場合又は集中管理装置3から一括電源投入信号が入力された場合に、CPU30に電源投入信号(計時開始信号)を入力する。
【0041】
図5に示すように、図柄表示制御装置40には表示制御CPU(演出表示制御手段)46が設けられており、表示制御CPU46には演出表示データ記憶部(演出表示データ記憶手段)47が接続されている。表示制御CPU46には、遊技の状態に応じた信号などがCPU30から入力される。表示制御CPU46は入力された信号に応答し演出表示データ記憶部47から動作プログラムを読み出して図柄表示制御装置40及び液晶パネル19の動作を管制する。
【0042】
演出表示データ記憶部47には、第1演出表示用データ48、第2演出表示用データ49、第3演出表示用データ50が格納されている。第1演出表示用データ48は、液晶パネル19から第1演出表示を表示させるためのグラフィックデータであり、演出表示データ記憶部47に複数種類格納されている。
【0043】
CPU30から図柄表示制御装置40に第1演出表示開始信号が入力されると、表示制御CPU46は、演出表示データ記憶部47から図柄の変動表示を行うための第1演出表示用データ48を読み出し、液晶パネル19から図柄の変動表示を開始させる。そして、表示制御CPU46は、液晶パネル19で表示される図柄ごとに割り当てられた先頭アドレスを監視することにより、どの図柄が液晶パネル19から表示されているかを識別し、図柄の変動表示を行うとともに、停止図柄決定部32で決定された種類の図柄が表示されるように図柄の停止表示を行う。
【0044】
第2演出表示用データ49は、液晶パネル19から第2演出表示を表示させるためのグラフィックデータであり、液晶パネル19から第2演出表示を2秒間表示させる2秒間演出用データ49aと、5秒間表示させる5秒間演出用データ49bとの2種類から構成される。この2種類のデータのうちのいずれかを後述する切り替え用ディップスイッチ27の操作により決定する。
【0045】
第3演出表示用データ50は、液晶パネル19から第3演出表示を行うためのグラフィックデータである。液晶パネル19で第2演出表示が表示されている最中に、CPU30にスタート信号が入力された場合、CPU30から図柄表示制御装置40に第3演出表示を開始することを示す第3演出表示開始信号が入力される。CPU30から第3演出表示開始信号が入力されると、表示制御CPU46は、第3演出表示用データ50を読み出し、液晶パネル19から第3演出表示用データ50に基づいた表示を行う。なお、第3演出表示は第2演出表示が表示されている最中に表示されるものであり、第2演出表示の表示が終了すると同時に中止されるように表示制御CPU46は液晶パネル19を制御する。
【0046】
2秒遅延用ディップスイッチ25及び5秒遅延用ディップスイッチ26は、液晶パネル19から第2演出表示を表示させるタイミングを設定するためのものである。切り替え用ディップスイッチ27は、第2演出表示用データ49において、2秒演出用データと5秒演出用データのいずれを用いるかを決定する際に操作されるものである。図6に示すように、2秒遅延用ディップスイッチ25、5秒遅延用ディップスイッチ26、及び切り替え用ディップスイッチ27はいずれもスライドタイプのディップスイッチとなっている。
【0047】
切り替え用ディップスイッチ27には、2秒演出用データを用いて液晶パネル19から第2演出表示を表示させることを示す2秒演出位置と、5秒演出用データを用いて液晶パネル19から第2演出表示を表示させることを示す5秒演出位置との間でスライド自在となっている摘み27aが設けられている。
【0048】
CPU30は、切り替え用ディップスイッチ27の状態を常時監視している。切り替え用ディップスイッチ27の摘みが2秒演出位置にセットされると、CPU30は2秒遅延用ディップスイッチ25を使用可能な状態に制御するとともに、5秒遅延用ディップスイッチ26を使用不能な状態に制御する。切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aが5秒演出位置にセットされると、CPU30は5秒遅延用ディップスイッチ26を使用可能な状態に制御するとともに、2秒遅延用ディップスイッチ25を使用不能な状態に制御する。
【0049】
図6に示すように、2秒遅延用ディップスイッチ25は、上下方向に6つ形成された横長の溝51a〜56aと、溝51a〜56aのそれぞれに、溝51a〜56aの左端のON位置と右端のOFF位置との間でスライド自在となるように設けられた摘み51b〜56bとから構成されている。
【0050】
切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aが2秒演出位置にセットされると、CPU30は2秒遅延用ディップスイッチ25のON/OFF状態を点検する。つまり、摘み51b〜56bのON/OFFの識別を行う。摘み51b〜56bが全てOFF位置にある場合、タイマー33がメモリ34に記憶されている基準時間(予め定められた時間)である600秒に到達すると、CPU30は2秒間演出用データ49aを用いた第2演出表示を開始することを示す2秒演出開始信号を図柄表示制御装置40に出力する。摘み51b〜56bが順にON位置にセットされていくと、これに伴って2秒演出開始信号の出力される時間が600秒を基準にして2秒ずつ遅延される。
【0051】
具体的には、摘み51bがON位置で、摘み52b〜56bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が602秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力する。摘み51b、52bがON位置で、摘み53b〜56bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が604秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力する。摘み51b〜53bがON位置で、摘み54b〜56bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が606秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力する。摘み51b〜54bがON位置で、摘み55b、56bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が608秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力する。摘み51b〜55bがON位置で、摘み56bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が610秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力する。摘み51b〜56bの全てがON位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が612秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力する。
【0052】
このようにしてCPU30から図柄表示制御装置40に2秒演出開始信号が入力されると、表示制御CPU46は、演出表示データ記憶部47から2秒間演出用データ49aを読み出すとともに、液晶パネル19から第2演出表示を開始させる。なお、液晶パネル19から図柄が変動表示されている場合には、第2演出表示を割り込ませて開始させる。
【0053】
これにより、液晶パネル19から第2演出表示が2秒間表示される。なお、表示制御CPU46は、液晶パネル19から第2演出表示を2秒間表示させるまで、実行中の第1演出表示を切り替えさせ、その後、再表示しても良い。
【0054】
図6に示すように、5秒遅延用ディップスイッチ26は、上下方向に6つ形成された横長の溝61a〜66aと、溝61a〜66aのそれぞれに、溝61a〜66aの左端のON位置と右端のOFF位置との間でスライド自在となるように設けられた摘み61b〜66bとから構成されている。
【0055】
切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aが5秒演出位置にセットされると、CPU30は5秒遅延用ディップスイッチ26のON/OFF状態を点検する。つまり、摘み61b〜66bのON/OFFの識別を行う。摘み61b〜66bが全てOFF位置にある場合、タイマー33がメモリ34に記憶されている予め設定された時間である600秒に到達すると、CPU30は5秒間演出用データ49bを用いた第2演出表示を開始することを示す5秒演出開始信号を図柄表示制御装置40に出力する。摘み61b〜66bが順にON位置にセットされていくと、これに伴って5秒演出開始信号の出力される時間が600秒を基準にして5秒ずつ遅延される。
【0056】
具体的には、摘み61bがON位置で、摘み62b〜66bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が605秒に到達したときに5秒演出開始信号を出力する。摘み61b、62bがON位置で、摘み63b〜66bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が610秒に到達したときに5秒演出開始信号を出力する。摘み61b〜63bがON位置で、摘み64b〜66bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が615秒に到達したときに5秒演出開始信号を出力する。摘み61b〜64bがON位置で、摘み65b、66bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が620秒に到達したときに5秒演出開始信号を出力する。摘み61b〜65bがON位置で、摘み66bがOFF位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が625秒に到達したときに5秒演出開始信号を出力する。摘み61b〜66bの全てがON位置にセットされると、CPU30は、タイマー33による計時が630秒に到達したときに5秒演出開始信号を出力する。
【0057】
このようにしてCPU30から図柄表示制御装置40に5秒演出開始信号が入力されると、表示制御CPU46は、演出表示データ記憶部47から5秒間演出用データ49bを読み出すとともに、液晶パネル19から第2演出表示を開始させる。なお、液晶パネル19から図柄が変動表示されている場合には、第2演出表示を割り込ませて開始させる。
【0058】
これにより、液晶パネル19から第2演出表示が5秒間表示される。なお、表示制御CPU46は、液晶パネル19から第2演出表示を5秒間表示させるまで、実行中の第1演出表示を切り替えさせ、その後、再表示しても良い。
【0059】
なお、タイマー33は、CPU30が2秒演出開始信号を出力してから2秒後、またはCPU30が5秒演出開始信号を出力してから5秒後にリセットされ、再び計時を開始する。つまり、タイマー33は、液晶パネル19から表示される第2演出表示が終了すると同時にリセットされる。
【0060】
ランプ制御装置42では、遊技盤面9a上のランプやパチンコ機2の枠に設けられたランプ、保留球表示部21の奥に組み込まれたランプなど、パチンコ機2に設けられた各種ランプの点灯制御が行われる。
【0061】
音声制御装置43はサウンドメモリを備えており、第1演出表示における図柄の変動表示を行っているときや当たりモードへ移行したときなどに、音楽や音声をプログラム化したサウンドプログラムをサウンドメモリから読み出し、サウンドプロセッサを介してスピーカから音楽や音声などを出力させる。
【0062】
払出制御装置44は、始動入賞口入賞球検出センサ36、大入賞口入賞球検出センサ37、通常入賞口入賞球検出センサ38のいずれかのセンサによってパチンコ球が入賞したことが検出されると作動される。払出制御装置44はメモリを備えており、このメモリは各入賞口ごとのパチンコ球1個の入賞に対する配当球の個数を記憶している。いずれかの入賞口で入賞が発生すると払出制御装置44は払い出し用のパチンコ球が貯留されている貯留装置を駆動し、入賞口の種類に応じた個数のパチンコ球の払い出しを行わせる。
【0063】
可動物制御装置45はアタッカ13に連結されており、CPU30によって作動されると、アタッカ13を大入賞口16を開放する位置と大入賞口16を閉じる位置との間で回動させる。また、可動物制御装置45は、遊技盤9の遊技盤面9a上に設けられた可動物の可動を制御する。
【0064】
発射制御装置67は発射ハンドル15に連結されており、発射ハンドル15が操作されると、発射ハンドル15で調節されたパチンコ球の打ち出しの強さに応じて、パチンコ球を一定時間ごとに発射する。
【0065】
次に、上記のように構成された遊技システム1の作用について説明する。図7(A)に示すように、遊技場に設定された3台のパチンコ機2の電源41を特定の時間に一斉に投入するには、遊技場の従業員が集中管理装置3の電源投入時間設定部3aを操作して電源41を投入する時間(又は時刻)を設定する。電源投入時間設定部3aが操作されるとタイマー3bが作動される。タイマー3bの計時が設定された時間に達すると、集中管理装置から各パチンコ機2に一括電源投入信号が一斉に入力される。これにより、遊技場に設置されている3台のパチンコ機2の電源41が同時に投入される。
【0066】
図7(B)に示すように、パチンコ機2では、一括電源投入信号が電源41に入力され、電源41はCPU30に電源投入信号を入力し、これに応答して、CPU30は、パチンコ機2の動作を開始させるとともに、タイマー33を作動する。タイマー33はパチンコ機2の作動時間の計時を開始する。
【0067】
遊技者が発射ハンドル15を操作し、遊技盤9の遊技盤面9a上にパチンコ球が打ち出されると、打ち出されたパチンコ球は、始動入賞口11又は通常入賞口12のいずれかに入賞するか、アウト口14に入る。
【0068】
始動入賞口11にパチンコ球が入賞すると、スタート信号がCPU30に入力され、これに応答してCPU30は、当たり決定部31を作動させる。当たり決定部31は、当たり決定抽選を行って当たり又はハズレを決定する。当たり決定抽選が行われると、CPU30は演出抽選部35を作動させる。演出抽選部35は、当たり決定抽選でハズレだった場合には、第1演出態様抽選テーブル35aを用いて抽選を行い、当たり決定抽選で当たりだった場合には、第2演出態様抽選テーブル35bを用いて抽選を行う。これにより、演出表示データ記憶部47から読み出す第1演出表示用データ48の種類が決定される。演出抽選部35での抽選が終了すると、CPU30は図柄表示制御装置40に第1演出表示開始信号を入力する。
【0069】
第1演出表示開始信号が入力されると、CPU30は演出抽選部35での抽選で決定された第1演出表示用データ48を演出表示データ記憶部47から読み出し、液晶パネル19にて図柄の変動表示を行わせる。
【0070】
切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aが2秒演出位置にセットされており、2秒遅延用ディップスイッチ25がOFF状態、つまり、2秒遅延用ディップスイッチ25の摘み51b〜56bがいずれもOFF位置にある場合、タイマー33の計時が基準時間の600秒に達すると、CPU30は図柄表示制御装置40に2秒演出開始信号を入力する。これに応答して、表示制御CPU46は、演出表示データ記憶部47から2秒間演出用データ49aを読み出し、液晶パネル19から第1演出表示に割り込ませて第2演出表示を開始させる。液晶パネル19から第2演出表示が2秒間表示されると、タイマー33がリセットされて再び計時が開始される。そして、表示制御CPU46は、液晶パネル19から第1演出表示を再開させる。
【0071】
切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aが5秒演出位置にセットされており、5秒遅延用ディップスイッチ26がOFF状態、つまり、5秒遅延用ディップスイッチ26の摘み61b〜66bがいずれもOFF位置にある場合、タイマー33の計時が基準時間の600秒に達すると、CPU30は図柄表示制御装置40に5秒演出開始信号を入力する。これに応答して、表示制御CPU46は、演出表示データ記憶部47から5秒間演出用データ49bを読み出し、液晶パネル19から第1演出表示に割り込ませて第2演出表示を開始させる。液晶パネル19から第2演出表示が5秒間表示されると、タイマー33がリセットされて再び計時が開始される。そして、表示制御CPU46は、液晶パネル19から第1演出表示を再開させる。
【0072】
切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aが2秒演出位置にセットされており、2秒遅延用ディップスイッチ25がON状態、つまり、2秒遅延用ディップスイッチ25の摘み51b〜56bのいずれかがON位置にある場合、タイマー33の計時が、2秒遅延用ディップスイッチ25によって設定された基準時間よりも遅延した時間に到達すると、CPU30は図柄表示制御装置40に2秒演出開始信号を入力する。これに応答して、表示制御CPU46は、演出表示データ記憶部47から2秒間演出用データ49aを読み出し、液晶パネル19から第1演出表示に割り込ませて第2演出表示を開始させる。液晶パネル19から第2演出表示が2秒間表示されると、タイマー33がリセットされて再び計時が開始される。そして、表示制御CPU46は、液晶パネル19から第1演出表示を再開させる。
【0073】
切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aが5秒演出位置にセットされており、5秒遅延用ディップスイッチ26がON状態、つまり、5秒遅延用ディップスイッチ26の摘み61b〜66bのいずれかがON位置にある場合、タイマー33の計時が、5秒遅延用ディップスイッチ26によって設定された基準時間よりも遅延した時間に到達すると、CPU30は図柄表示制御装置40に5秒演出開始信号を入力する。これに応答して、表示制御CPU46は、演出表示データ記憶部47から2秒間演出用データ49aを読み出し、液晶パネル19から第1演出表示に割り込ませて第2演出表示を開始させる。液晶パネル19から第2演出表示が5秒間表示されると、タイマー33がリセットされて再び計時が開始される。そして、表示制御CPU46は、液晶パネル19から第1演出表示を再開させる。
【0074】
なお、液晶パネル19から第1演出表示が再開した後、パチンコ機2の電源41がオフされるとタイマー33の作動時間はクリアされ、電源41がオンされたときに再び作動時間の計時が開始される。
【0075】
図8に3台横並びに設置されているパチンコ機2の液晶パネル19を示す。各パチンコ機2の切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aを2秒演出位置にセットする。そして、左、中、右と3つ並んでいる液晶パネル19のうち、左の液晶パネル19を備えたパチンコ機2の2秒演出用ディップスイッチ25の摘み51b〜56bをOFF位置にセットする。左、中、右と3つ並んでいる液晶パネル19のうち、中の液晶パネル19を備えたパチンコ機2の2秒演出用ディップスイッチ25の摘み51bをON位置に、摘み52b〜56bをOFF位置にセットする。左、中、右と3つ並んでいる液晶パネル19のうち、右の液晶パネル19を備えたパチンコ機2の2秒演出用ディップスイッチ25の摘み51b、52bをON位置に、摘み53b〜56bをOFF位置にセットする。
【0076】
図8に示すように、左、中、右の液晶パネル19には第1演出表示が表示されている。タイマー33の計時が基準時間である600秒に到達すると、図9に示すように、左、中、右の液晶パネル19のうち、左の液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜ける態様が表示される。左端から右端へと自動車が走り抜ける時間は2秒間であり、自動車が走り抜けると同時に、図10に示すように、左の液晶パネル19には第1演出表示が再び表示される。
【0077】
タイマー33の計時が602秒に到達すると、左、中、右の液晶パネル19のうち、中の液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜ける態様が表示される。左端から右端へと自動車が走り抜ける時間は2秒間であり、自動車が走り抜けると同時に図11に示すように、中の液晶パネル19には第1演出表示が再び表示される。
【0078】
タイマー33の計時が604秒に到達すると、左、中、右の液晶パネル19のうち、右の液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜ける態様が表示される。液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜ける時間は2秒間であり、この2秒間の間に、始動入賞口11にパチンコ球が入賞し、スタート信号がCPU30に入力されると、CPU30は図柄表示制御装置40に第3演出表示開始信号を入力する。第3演出表示開始信号が入力されると、表示制御CPU46は、第3演出表示用データ50を読み出し、図12に示すように、液晶パネル19からキャラクター20を表示させる。表示制御CPU46は、液晶パネル19から第2演出表示が表示されている最中に、キャラクター20を割り込ませて表示させる。表示制御CPU46は、第2演出表示の表示を終了させると同時にキャラクター20の表示を中止させ、再び第1演出表示を再開させる。第2演出表示が行われている最中に第3演出表示であるキャラクター20を表示させることにより、遊技者に始動入賞口11にパチンコ球が入賞したことを認識させることができる。
【0079】
なお、キャラクター20は第2演出表示が表示されているときに始動入賞口11にパチンコ球が入賞しない限り見ることができないものであることが好ましい。これによりキャラクター20を見ることができた遊技者は、通常の遊技では体験することのできない特別な感覚を味わうことができる。
【0080】
各パチンコ機2の切り替え用ディップスイッチ27の摘み27aを5秒演出位置にセットした場合には、各液晶パネル19から第2演出表示が5秒間ずつ表示される。これにより、例えば、パチンコ店でイベントが開催されるときには液晶パネル19から第2演出表示を5秒間表示させるように切り替え用ディップスイッチ27を5秒演出位置にセットし、通常営業日には液晶パネル19から第2演出表示を2秒間表示させるように切り替え用ディップスイッチ27を2秒演出位置にセットするといったように営業日に応じた演出が可能となる。
【0081】
このように3台横並びに設置されたパチンコ機2の各液晶パネル19において、一定の時間差を付けて第2演出表示を表示させることにより、左の液晶パネル19から右の液晶パネル19へと自動車が走り抜ける態様が表示される。
【0082】
以上のように、複数のパチンコ機2における複数の液晶パネル19を用いて一連の演出表示を行うことにより、島単位で統一感のある演出を行うことができるようになる。
【0083】
上記実施形態では、液晶パネル19を用いて第2演出表示を行ったが、これに限ることなく、ランプやスピーカなどを用いて第2演出表示を行なっても良い。また、それら演出表示の組み合わせであっても良い。なお、第3演出表示についてもランプやスピーカなどを用いた表現が可能であり、表示態様は適宜に変更可能である。
【0084】
上記実施形態では、3台のパチンコ機2から遊技システム1を構成したが、遊技システム1は2台以上のパチンコ機2で構成されていれば良く、遊技システム1を構成するパチンコ機2の台数は適宜変更可能である。
【0085】
上記実施形態では、2秒遅延用ディップスイッチ25と5秒遅延用ディップスイッチ26とを設けたが、これら以外にも第2演出表示の行うタイミングを調整設定するための遅延用ディップスイッチを設けても良い。
【0086】
上記実施形態では、液晶パネル19から第2演出表示を行う時間を決定する際に操作される切り替え用ディップスイッチ27と、2秒遅延用ディップスイッチ25と5秒遅延用ディップスイッチ26とを設け、これらのディップスイッチは全てスライドタイプとしたが、ロータリータイプのディップスイッチであっても良い。また、ディップスイッチに限ることなく、レバー、押圧式スイッチ、ダイヤル式スイッチなどを用いても良い。また、集中管理装置3から各パチンコ機に信号を送出して設定しても良い。あるいは、電波などを用いた非接触式の入力手段を用いても良い。このように、液晶パネル19から第2演出表示を行う時間を決定するための入力手段、及び第2演出表示の行うタイミングを調整設定するための入力手段の形態は適宜に変更可能である。
【0087】
上記実施形態では、液晶パネル19から第2演出表示を表示させるための第2演出表示用データ49として液晶パネル19から第2演出表示を2秒間行わせる2秒間演出用データ49aと、液晶パネル19から第2演出表示を5秒間行わせる5秒間演出用データ49b49bとを用いたが、液晶パネル19から第2演出表示を表示させる時間は適宜に変更可能である。
【0088】
上記実施形態では、キャラクター20による表示は、第2演出表示の表示が終了すると同時に中止されるとしたが、第2演出表示の表示が終了した後も継続してキャラクター20を表示しても良く、液晶パネル19からキャラクター20を表示させておく時間は適宜に変更可能である。
【0089】
上記実施形態では、図9、10に示すように、左、中、右の液晶パネル19のうち、左の液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜けた後に、左、中、右の液晶パネル19のうち、中の液晶パネル19の左端から自動車が表示されるようにしたが、これに限ることなく、図13に示すように、左の液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜ける前に、中の液晶パネル19の左端から自動車が表示されるようにしても良い。
【0090】
この場合、CPU30から図柄表示制御装置40に2秒演出開始信号を出力する時間を基準時間である600秒から1.5秒遅延させるための1.5秒遅延用ディップスイッチ26を各パチンコ機2に設ける。この1.5秒遅延用ディップスイッチ26は2秒遅延用ディップスイッチ25や5秒遅延用ディップスイッチ26と同様の複数の摘みからなり、2秒遅延用ディップスイッチ25や5秒遅延用ディップスイッチ26と同様に、摘みを順次にON位置にセットしていくと、これに伴って2秒演出開始信号が出力される時間が基準時間である600秒から1.5秒ずつ遅延される。左、中、右の液晶パネル19のうち、左の液晶パネル19を備えたパチンコ機2では、タイマー33の計時が、基準時間である600秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力するように1.5秒遅延用ディップスイッチをセットし、左、中、右の液晶パネル19のうち、中の液晶パネル19を備えたパチンコ機2では、タイマー33の計時が、基準時間である600秒よりも1.5秒遅延した時間である601.5秒に到達したときに2秒演出開始信号を出力するように1.5秒遅延用ディップスイッチをセットする。すると、図13に示すように、左、中、右の液晶パネル19のうち、左と中の液晶パネル19から順次に第2演出表示が2秒間表示されるが、この際、左の液晶パネル19の左端から右端へと自動車が走り抜ける前に、中の液晶パネル19の左端から自動車が表示される。
【0091】
上記実施形態では、液晶パネル19から第3演出表示としてキャラクター20を表示するようにしたが、これに限ることなく、例えば、当否に応じて複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択して液晶パネル19から表示する第1演出表示である場合において、ハズレのときに選択されにくく、当たりとなったときに選択され易くなるように設定された、特別な変動パターン(例えば、リーチ)からなる表示を行う第3演出表示とするようにしても良い。すなわち、第2演出表示による電飾ランプの点滅、及び液晶パネル19のキャラクター表示があったときに始動入賞口11にパチンコ球が入賞した場合、当該始動入賞に応じて実行する第1演出表示における変動表示は、特別な変動パターンからなる表示(第3演出表示)となる。
【0092】
上記実施形態では、液晶パネル19から第1演出表示、第2演出表示、第3演出表示のいずれかが表示されており、タイマー33の計時が予め設定された時間に到達した際には、第1演出表示に割り込ませて第2演出表示や第3演出表示を表示させたが、パチンコ機2の電源41がオンされた状態で遊技が行われていないときに、液晶パネル19から当たり決定部31での抽選結果とは無関係なデモンストレーション画面を表示させ、タイマー33の計時が予め設定された時間に到達した際に、液晶パネル19からのデモンストレーション画面を切り替えて第2演出表示や第3演出表示を表示させるようにしても良い。デモンストレーション画面に第2演出表示や第3演出表示を割り込ませて表示させるようにしても良い。
【0093】
ところで、本発明の遊技システムでは、設置された全てのパチンコ機A〜Cにおける2秒、又は5秒の第2演出表示の遅延表示を順次に実行した後、再び、パチンコ機Aから始まる第2演出表示の遅延表示を再開させるループを一定期間行うようにし、第2演出表示の強調、及び見逃し防止を図るようにすると好適である。なお、この場合の第2演出表示の再開させるタイミングは各パチンコ機に設けられた入力手段による設定操作によって調整する。例えば、3台のパチンコ機A〜Cが店に設置され、2秒の遅延表示を設定している場合は、パチンコ機Aは6秒後及び12秒後に、パチンコ機Bは8秒後及び14秒後に、パチンコ機Cは10秒後及び16秒後に再開される設定を入力手段によって行う。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の遊技システムの構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図2】パチンコ機の正面側斜視図である。
【図3】パチンコ機の背面側斜視図である。
【図4】パチンコ機の電気的構成の要部を示す機能ブロック図である。
【図5】図柄表示制御装置の電気的構成の要部を示す機能ブロック図である。
【図6】設定操作部の構成を示す正面図である。
【図7】(A)は集中管理装置から各パチンコ機に一括電源投入信号を一斉に入力する際の処理の流れを示し、(B)はパチンコ機で演出表示を行う際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】3台横並びに設置されているパチンコ機の液晶パネルの正面図を示す。
【図9】3台横並びに設置されているパチンコ機の液晶パネルの正面図を示す。
【図10】3台横並びに設置されているパチンコ機の液晶パネルの正面図を示す。
【図11】3台横並びに設置されているパチンコ機の液晶パネルの正面図を示す。
【図12】3台横並びに設置されているパチンコ機の液晶パネルの正面図を示す。
【図13】3台横並びに設置されているパチンコ機の液晶パネルの正面図を示す。
【符号の説明】
【0095】
1 遊技システム
2 パチンコ機(遊技機)
19 液晶パネル(演出表示手段)
25 2秒遅延用ディップスイッチ(入力手段)
26 5秒遅延用ディップスイッチ(入力手段)
31 当たり決定部(当たり決定手段)
33 タイマー(計時手段)
46 表示制御CPU(演出表示制御手段)
47 演出表示データ記憶部(演出表示データ記憶手段)
49 第2演出表示用データ49
50 第3演出表示用データ50


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のセンサによって遊技球が検知された場合に、当たり又はハズレのいずれかを抽選を行って決定する当たり決定手段と、前記当たり決定手段での抽選結果に応じた第1演出表示を行う演出表示手段を備えた遊技機を複数設置して構成した遊技システムであって、
前記遊技機は、計時を開始することを示す計時開始信号の入力に応答して計時を開始する計時手段と、
前記演出表示手段で、前記第1演出表示とは異なる特定態様による第2演出表示を行うための第2演出表示用データが格納された演出表示データ記憶手段と、
前記計時手段で計時された時間が、予め定められた時間に達したことを契機に、前記演出表示データ記憶手段から前記第2演出表示用データを読み出して、前記演出表示手段で前記第2演出表示を行わせる演出表示制御手段と、
前記第2演出表示を開始させる時間の調整設定をする入力手段と、を備え、
複数の前記遊技機における複数の前記演出表示手段を用いて一連の演出表示が行われることを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記演出表示データ記憶手段に、前記演出表示手段で前記第1、第2演出表示とは異なる態様の第3演出表示を行うための第3演出表示用データを格納し、
前記演出表示制御手段は、前記演出表示手段で前記第2演出表示の実行中に、特定のセンサによって遊技球が検知された場合に、前記演出表示データ記憶手段から前記第3演出表示用データを読み出して、前記演出表示手段で前記第3演出表示を行わせることを特徴とする請求項1記載の遊技システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−43281(P2006−43281A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231185(P2004−231185)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】