説明

遊技台

【課題】メダルがメダル補助収納ケースから溢れることなく、メダル補助収納ケース内のメダルが一定量に達したことを検知することができる。
【解決手段】メダル補助収納ケース240は、上下方向に移動自在に構成され、収納されたメダルの重量に応じて底板が下降する昇降式底板2420を備えており、昇降式底板2420がオーバーフローセンサ2440の位置まで下降し、昇降式底板2420の下面に付設された導電性部材2425がオーバーフローセンサ2440に接触した場合には、遊技台100は、メダル補助収納ケースに収納されたメダルが特定量に達したことを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)に代表される遊技台に関し、特に遊技台のメダル補助収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技台(例えば、スロットマシン)は、メダルを投入してスタートレバーを操作することでリールを回転させるとともに、内部抽選によって役を内部決定し、ストップボタンを操作することでリールを停止させた時に、図柄表示窓上に内部決定に応じて予め定められた図柄の組合せが表示されると役が成立するように構成されている。そして、メダルの払出を伴う役が成立した場合には、遊技台の内部に設けられたメダル払出装置が駆動して、規定数のメダルが払い出されるようになっている。
【0003】
遊技台は、一般に、メダル払出口から規定数のメダルを払い出すメダル払出装置(ホッパ)と、このメダル払出装置に隣接して設けられ、メダル払出装置から溢れたメダルを収容するメダル補助収納ケースと、を具備している。そして、メダル補助収納ケース内には、オーバーフローセンサの一対の接触端子が挿入されている。オーバーフローセンサは、メダルが一定量堆積して、メダルが一対の接触端子に接触することにより、メダル補助収納ケースが満杯になったことを検知するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−212282号公報(明細書[0094]〜[0098])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メダル払出装置から溢れたメダルは、メダル補助収納ケースの底に堆積していくが、その際、メダルはメダル落下位置に山状に堆積しやすくなる。特に、手垢等の汚れが多く付着し、表面の摩擦抵抗が高いメダルが堆積すると、山の起伏が激しくなる場合がある。
【0006】
このようにメダル補助収納ケースにメダルが山状に堆積した場合には、メダル落下位置に堆積したメダルの高さと、オーバーフローセンサ周辺に堆積したメダルの高さに相違が生じるので、オーバーフローセンサの一対の接触端子がメダルに接触する前に、他の場所(例えば、メダル落下位置)のメダルがメダル補助収納ケースの側壁の高さを超えて、メダル補助収納ケースの外に溢れ落ちるおそれがある。すなわち、オーバーフローセンサが検知する前にメダルがメダル補助収納ケースの外に溢れてしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、メダルがメダル補助収納ケースから溢れることなく、メダル補助収納ケース内のメダルが一定量に達したことを検知することができる遊技台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る遊技台は、その一態様として、メダルタンクに貯蔵されたメダルを排出するメダル払出装置と、上方を開口させて、前記メダル払出装置に隣接して配置され、前記メダルタンクから溢れ落ちるメダルを収納するメダル補助収納ケースと、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが特定量に達したか否かを検知する検知手段と、を備えた遊技台であって、前記メダル補助収納ケースは、上下方向に移動自在に構成され、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルの重量に応じて底板が下降する昇降式底板部を備え、前記昇降式底板部は、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量になった場合には、第1の位置まで下降し、前記検知手段は、前記昇降式底板部が前記第1の位置まで下降したことを検知することにより、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量に達したことを判断する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技台によれば、メダルをメダル補助収納ケースから溢れさせることなく、メダル補助収納ケース内のメダルが一定量に達したことを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの前面扉を開放した状態の正面図である。
【図3】(a)は、本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル払出装置の外観斜視図、(b)は、メダル払出装置の一部を欠截した断面斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル補助収納ケースの外観斜視図(内部透視図)である。
【図5】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル補助収納ケースの分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル払出装置の排出口からメダル補助収納ケースに排出されるメダルの動作を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル補助収納ケースの昇降式底板の動作を説明する図である。
【図8】従来のメダル補助収納ケースにメダルが収納される様子を説明する図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの制御部の回路ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル補助収納ケースの外観斜視図(内部透視図)である(第1変形例)。
【図13】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル補助収納ケースの昇降式底板の動作を説明する図である(第1変形例)。
【図14】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル補助収納ケースの外観斜視図(内部透視図)である(第2変形例)。
【図15】本発明の一実施形態に係るスロットマシンのメダル補助収納ケースの昇降式底板の動作を説明する図である(第2変形例)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
【0013】
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0014】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0015】
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
【0016】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
【0017】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0018】
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0019】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
【0020】
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0021】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型の押下スイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0022】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0023】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
【0024】
音孔191はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には 音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0025】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
<筐体内部の構成>
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面を開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板(後述する主制御部300を実装する基板)を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に第1副制御基板(後述する第1制御部400を実装する基板)を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
【0027】
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
【0028】
メダル払出装置180の右側には、メダル払出装置180から溢れたメダルを収容するメダル補助収納ケース240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
【0029】
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、およびこの演出装置160を制御する第2制御基板(図示省略:後述する第2制御部500を実装する基板)、上部スピーカ272を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダルの受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔191に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
【0030】
<メダル払出装置>
次に、図3を参照して、メダル払出装置180の構成について説明する。ここで、図3(a)は、メダル払出装置180の外観斜視図であり、図3(b)は、メダル払出装置180の一部を欠截した断面斜視図である。
【0031】
メダル払出装置180の概略は、メダルを蓄積するメダルタンク181と、メダルをメダル払出口1811へ導く案内手段と、この案内手段を駆動させる駆動手段と、を備えている。
【0032】
すなわち、メダル払出装置180が備えるメダルを蓄積するメダルタンク181は、上方が開口すると共に、底面1812が傾斜する箱状であって、底面1812にはメダルを案内手段へ導く導出口(図示せず)を有している。また、メダルをメダル払出口1811へ導く案内手段は、メダルが一枚ずつ嵌入する嵌入孔1823を備えるディスク1821であって、このディスク1821がモータ1831を駆動源として回転することにより、嵌入孔1823に嵌入しているメダルを、メダル払出口1811から排出させる。
【0033】
更に、メダルタンク181の側面には、当該メダルタンク181に収容しきれなくなったメダルを、メダル補助収納ケース240に排出するための排出口1813が開設してある。なお、モータ1831やディスク1821はフレーム1814に組み付けられており、ディスク1821を回転可能に支持している払出装置本体182も、傾斜状に位置しており、ディスク1821もまた傾斜面において回転するように構成してある。もちろん、ディスク1821を水平面において回転するように構成してもよい。また、メダルが一枚ずつ嵌入する嵌入孔1823は、切欠部であってもよい。
【0034】
<メダル補助収納ケース>
次に、図4〜図7を用いて、メダル補助収納ケース240の構成及び作用について説明する。本実施形態のメダル補助収納ケース240は、上下に移動可能な昇降式底板2420を備えており、昇降式底板2420は、メダル補助収納ケースに収納されたメダルの重量に応じて徐々に下降するように構成されている。
【0035】
ここで、図4は、メダル補助収納ケース240の外観斜視図(内部透視図)であり、メダル補助収納ケース240の外枠2410を点線で示し、内部を実線で示している。図5は、メダル補助収納ケース240の分解斜視図、図6は、メダル払出装置180及びメダル補助収納ケース240を右側から見たときの側面図であり、メダル払出装置180の排出口1813からメダル補助収納ケース240に排出されるメダルの動作を説明する図、図7は、メダル補助収納ケース240の昇降式底板2420の動作を説明する図である。
【0036】
メダル補助収納ケース240は、概略、上方が開口する箱体である外枠2410と、外枠2410内を上下に移動する昇降式底板2420と、昇降式底板2420を移動自在に支持するバネ2430と、を備えている。
【0037】
昇降式底板2420は、外枠2410の開口面に内接する矩形状の浅底板であり、バネ2430を介して外枠2410の底板2411と連結されている。詳しくは、昇降式底板2420は、メダルが載置される底板部2421と、外枠2410の内壁と接する側壁部2422で構成されている。
【0038】
底板部2421の下面四隅には、バネ2430の一端を底板部2421に係止する係止部材2424がそれぞれ配設されている。なお、バネ2430の他端は、底板2411の上面四隅それぞれに配設されている係止部材2414により底板2411に接続されている。この結果、昇降式底板2420は、底板部2421に蓄積されたメダルの重量に応じて徐々に下降するようになっている。すなわち、昇降式底板2420は、付勢部材であるバネ2430によって、上下に移動可能に支持されている。
【0039】
長手方向の側壁部2422には、外側に突出したガイド片2423が形成されている。本実施形態では、ガイド片2423は、2対の対向位置にそれぞれ設けられており、各ガイド片2423は、外枠2410の長手方向の側壁2412に上下方向に形成された案内溝2413に沿って摺動するようになっている。
【0040】
また、底板部2421の長手方向の一端(本体101の背面板242に対向する側;以下、奥側という)の下面には、導電性部材2425が付着されている。一方、外枠2410の奥側の側壁2412の下端には、2つの開口2415が形成されており、開口2415には、オーバーフローセンサ2440の1対の端子(オーバーフロー端子2441、2442)が挿入されている。すなわち、オーバーフローセンサ2440の1対の端子2441、2442は、側壁2412からメダル補助収納ケース240内に突出している。本実施形態においては、オーバーフローセンサ2440は、接触型のセンサであり、1対の端子それぞれが導電性部材2425と接触することにより、メダル補助収納ケース240内のメダル満杯状態を検知するようになっている。以下、オーバーフローセンサ2440を導通センサ2440とも称する。
【0041】
次に、メダル補助収納ケース240の昇降式底板2420の作用、及び導通センサ2440によるオーバーフローの検知について説明する。
【0042】
図6に示すように、メダル払出装置180のメダルタンク181のメダルが所定量に達すると、メダル排出口1813からメダルがメダル補助収納ケース240内に落下してくる。このとき、落下したメダルはメダル補助収納ケース240の昇降式底板2420上に蓄積されていくので、図7に示すように、昇降式底板2420上に蓄積されたメダルの重量が大きくなるに従って、バネ2430は大きく縮み、昇降式底板2420は徐々に下降していく。そして、昇降式底板2420の導電性部材2425が導電センサ2440の1対の端子2441及び2442と接触する位置(以下、オーバーフロー検知位置という)まで下降していくと、導電性部材2425と1対の端子2441及び2442の導通により、導電センサ2440は検知信号を出力するので、主制御部300は、メダル補助収納ケース240内のメダル量が特定量であることを把握することができる。
【0043】
ここで、特定量とは、図7に示すように、メダルが偏って山状に堆積したとしても、メダルの山の高さL1が外枠2410の高さL2を超えない量であることが好ましい。すなわち、導電センサ2440の1対の端子2441及び2442が配設されているオーバーフロー検知位置は、上記特定量分のメダル重量により昇降式底板2420が位置付けられる位置に設定されている。
【0044】
このように、本実施形態のオーバーフローセンサ2440は、従来のようにメダルに直接に触れて所定量を検知するのではなく、メダルの重量により所定量を検知するので、メダルの蓄積に偏りが生じたとしても、メダルがメダル補助収納ケース240から溢れることなく、メダル補助収納ケース内のメダルが特定量に達したことを確実に検知することができる。
【0045】
従来においては、オーバーフローセンサがメダル補助収納ケースに蓄積したメダルに直接接触することにより、所定量を検知する構成となっていたので、蓄積したメダルの偏りにより検知が左右されるという問題があった。例えば、図8(a)に示すように、メダルがオーバーフローセンサの配設位置と反対側に山状が形成される場合には、オーバーフローセンサがオーバーフローを検知していない状態でもメダルがメダル補助収納ケースから溢れてしまっていた。また、図8(b)に示すように、メダルがオーバーフローセンサの配設位置側に山状が形成される場合には、メダルがメダル補助収納ケース内のメダルが満杯でなくても、オーバーフローセンサがオーバーフローを検知してしまっていた。しかしながら、本実施形態のメダル補助収納ケース240は、このような不具合が解消されたものであり、メダルの蓄積に偏りが生じたとしても、常に一定量を検知することができるものである。
【0046】
また、本実施形態のオーバーフローセンサ2440は、メダルに直接触れることがないので、メダルに帯電する静電気が電子機器に及ぼす悪影響を回避することができるという効果もある。
【0047】
<制御部の回路構成>
次に、図9を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
【0048】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0049】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0050】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0051】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、オーバーフローセンサ2440等)の状態を監視している。
【0052】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0053】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0054】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0055】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0056】
オーバーフローセンサ2440は、メダル補助収納ケース240内に設置されており、メダル補助収納ケース240のメダルの満杯状態を検知する。
【0057】
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
【0058】
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0059】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
【0060】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
【0061】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0062】
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0063】
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
【0064】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0065】
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
【0066】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0067】
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0068】
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
【0069】
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0070】
<主制御部メイン処理>
次に、図10を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
【0072】
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0073】
ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
【0074】
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
【0075】
ステップS104では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
【0076】
ステップS105では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。また、このステップS105では、入賞役内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、スイカに内部当選した場合には、スイカに内部当選したことを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(役の非当選)の場合には、ハズレを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
【0077】
ステップS106では、内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0078】
ステップS107では全リール110〜112の回転を開始させる。また、このステップS107では、全リール110〜112が回転開始したことを示す回胴回転開始コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
【0079】
ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。また、このステップS108では、第1停止操作を受け付けたときには、第1停止ボタン受付コマンド、第2停止操作を受け付けたときには、第2停止ボタン受付コマンド、第3停止操作を受け付けたときには、第3停止ボタン受付コマンドをそれぞれ第1副制御部400に対して送信する。なお、第1〜3停止ボタン受付コマンドは、停止操作された回胴番号(左リール110、中リール111または右リール112のいずれかを示す)及び停止図柄位置(上段基準)に関する情報を含んでいる。全リール110〜112が停止するとステップS109へ進む。
【0080】
ステップS109では、入賞判定(表示判定)を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、このステップS109では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
【0081】
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0082】
ステップS111では、遊技状態制御処理(詳しくは後述する)を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には次回からBB遊技を開始できるよう準備する。また、このステップS111では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
【0083】
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0084】
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のタイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【0085】
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0086】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
【0087】
ステップS202では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.5msに1回)リスタートを行う。
【0088】
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
【0089】
ステップS204では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
【0090】
ステップS205では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
【0091】
ステップS206では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(例えば、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
【0092】
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0093】
ステップS207では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
【0094】
ステップS208では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。例えば、オーバーフローセンサ2440の信号状態から、メダル補助収納ケース240内のメダルのオーバーフロー状態を検出した場合には、オーバーフローエラー処理を実行する。具体的には、液晶表示装置157または7セグメント(SEG)表示器を用いて、オーバーフローに関するエラー表示を行う。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
【0095】
ステップS209では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS220に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS210に進む。
【0096】
ステップS210では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図10に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0097】
一方、ステップS220では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図10に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0098】
<その他の構成>
図12及び図13は、第1変形例のメダル補助収納ケース280の構成を示している。図12は、メダル補助収納ケース280の外観斜視図(内部透視図)、図13は、メダル補助収納ケース280の昇降式底板2820の動作を説明する図である。
【0099】
メダル補助収納ケース280では、昇降式底板2820が垂直方向に下降するのではなく、メダルの重量に応じて傾斜しつつ下降するようになっている。つまり、昇降式底板2820の一端は、短手側の側壁2813に設けられたヒンジ部2822により係止されているとともに、昇降式底板2820の中央部は、底板2811に接続されているバネ2430により支持されているので、昇降式底板2820は、ヒンジ部2822を中心に、昇降式底板2820に蓄積されたメダルの重量に応じて、回動支持されるようになっている。
【0100】
ここで、第1変形例においては、図13に示すように、メダル払出装置180のメダル排出口1813は、中央寄り奥側に配設されている。そのため、メダル払出装置180から排出されるメダルは、メダル補助収納ケース280の奥側(導電センサ2440の端子が突出している側)に落下していくので、メダルがメダル補助収納ケース280に蓄積していくに従って、昇降式底板2820は、ヒンジ部2822を中心に回動し、昇降式底板2820は傾斜下降するようになっている。そして、昇降式底板2820の導電性部材2425が導電センサ2440の端子と接触する位置(オーバーフロー検知位置)まで傾斜下降していくと、昇降式底板2820の奥側下面に付設された導電性部材2425と導電センサ2440の端子が導通し、導電センサ2440は検知信号を出力するので、主制御部300は、メダル補助収納ケース240内のメダル量が特定量であることを把握することができるようになっている。
【0101】
このように、昇降式底板は垂直に降下するのではなく、傾斜して降下するように構成してもよい。メダル補助収納ケース280においては、傾斜した昇降式底板2820上にメダルが蓄積していくので、図13に示すように、山状の偏りは発生し難く、メダルは一定の高さを保ちつつ収容されるという効果がある。
【0102】
図14及び図15は、第2変形例のメダル補助収納ケース290の構成を示している。図14は、メダル補助収納ケース290の外観斜視図(内部透視図)、図15は、メダル補助収納ケース290の昇降式底板2420の動作を説明する図である。
【0103】
第2変形例では、上記実施形態とセンサの構成が異なっているだけである。具体的には、外枠2410の奥側の側壁2412に2つのフォトセンサ2911及び2912をオーバーフローセンサ2910として設置している。本変形例では、高さが異なる位置にフォトセンサ2911及び2912を設置していることから、2つの検知位置を備えている。すなわち、図15(a)に示すように、フォトセンサ2911により検知される第1検知位置と、図15(b)に示すように、フォトセンサ2912により検知される第2検知位置(オーバーフロー検知位置)を備えている。
【0104】
詳しくは、フォトセンサ2911及び2912は、投光部と受光部からなる透過型光センサであり、昇降式底板2420の底板部2421の奥側下面に付着された検知片(図示せず)が投光部から出射された光を遮光することにより、上記第1検知位置及び第2検知位置を検出し、第1検知位置及び第2検知位置に応じた一定量のメダルを検知する。
【0105】
このように、オーバーフローセンサは、導電センサのほか、フォトセンサとしてもよく、また、昇降式底板の降下位置を検知できるのであれば、いずれのセンサとしてもよい。
【0106】
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、本発明の実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100など)によれば、メダルタンクに貯蔵されたメダルを排出するメダル払出装置(例えば、メダル払出装置180)と、上方を開口させて、前記メダル払出装置に隣接して配置され、前記メダルタンクから溢れ落ちるメダルを収納するメダル補助収納ケース(例えば、メダル補助収納ケース240など)と、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが特定量に達したか否かを検知する検知手段(例えば、オーバーフローセンサ2440、主制御部100など)と、を備えた遊技台であって、前記メダル補助収納ケースは、上下方向に移動自在に構成され、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルの重量に応じて底板が下降する昇降式底板部(例えば、昇降式底板2420など)を備え、前記昇降式底板部は、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量になった場合には、第1の位置まで下降し、前記検知手段は、前記昇降式底板部が前記第1の位置まで下降したことを検知することにより、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量に達したことを判断する。
【0107】
このような構成により、本実施形態においては、メダルがメダル補助収納ケースから溢れることなく、メダル補助収納ケース内のメダルが一定量に達したことを確実に検知することができる。
【0108】
一例としては、前記メダル補助収納ケースの底板と前記昇降式底板部の底板の間に接続され、前記昇降式底板部を上下方向に伸縮自在に支持する付勢部材(例えば、バネ2430)を備え、前記付勢部材は、前記昇降式底板部に蓄積したメダルの重量に応じて縮むように構成されている。
【0109】
このような構成により、昇降式底板部は、昇降式底板部に蓄積したメダルの重量に応じて円滑に下降するので、メダル補助収納ケース内のメダルが一定量に達したことを確実に検知することができる。
【0110】
また、一例としては、前記昇降式底板部の底板には、被検出部材(例えば、導電性部材2425)が配設され、前記検知手段の検出部材(例えば、オーバーフロー端子2441、2442など)は、前記第1の位置に配設され、前記検知手段は、前記検出部材と前記被検出部材が接触することにより、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量に達したことを判断する。
【0111】
このような構成により、昇降式底板部にメダルが偏って蓄積したとしても、メダル補助収納ケースに収納されたメダルが特定量に達したことを確実に検知することができる。
【0112】
なお、本実施形態の遊技台は、好適には、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、遊技媒体(例えば、メダル)が投入されていることを条件に前記複数のリールの回転開始を指示するスタートスイッチ(例えば、スタートレバー135)と、前記スタートスイッチの操作に基づいて、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理)と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ(例えば、ストップボタン137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果及び前記ストップスイッチの停止操作に基づいて、前記リールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御処理)と、前記停止制御手段による停止制御により、表示窓(例えば、図柄表示窓113)上の予め定められた有効ライン上に停止表示された図柄組合せが、前記抽選手段により内部当選した役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段(例えば、主制御部300、表示判定処理)と、前記判定手段による判定により、配当を伴う役に入賞した場合には、前記遊技媒体を配当として払い出す払出手段(例えば、主制御部300、メダル払出処理、メダル払出装置180)と、遊技に関する情報を報知するための報知ユニット(例えば、液晶表示装置157、各種ランプ338、7セグ表示器、スピーカ272、277など)と、
前記報知ユニットが報知する報知態様を決定する報知制御手段(例えば、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備えた遊技台である。
【0113】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0114】
100 スロットマシン
110、111、112 リール
113 図柄表示窓
114 入賞ライン
130、131、132 メダル投入ボタン
135 スタートレバー
137、138、139 ストップボタン
180 メダル払出装置
181 メダルタンク
240,280,290 メダル補助収納ケース
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
157 液晶表示装置
272,277 スピーカ
2410,2810 外枠
2420,2820 昇降式底板
2425 導電性部材
2430 バネ(付勢部材)
2440,2910 オーバーフローセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルタンクに貯蔵されたメダルを排出するメダル払出装置と、
上方を開口させて、前記メダル払出装置に隣接して配置され、前記メダルタンクから溢れ落ちるメダルを収納するメダル補助収納ケースと、
前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが特定量に達したか否かを検知する検知手段と、を備えた遊技台であって、
前記メダル補助収納ケースは、
上下方向に移動自在に構成され、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルの重量に応じて底板が下降する昇降式底板部を備え、
前記昇降式底板部は、
前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量になった場合には、第1の位置まで下降し、
前記検知手段は、
前記昇降式底板部が前記第1の位置まで下降したことを検知することにより、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量に達したことを判断する遊技台。
【請求項2】
前記メダル補助収納ケースの底板と前記昇降式底板部の底板の間に接続され、前記昇降式底板部を上下方向に伸縮自在に支持する付勢部材を備え、
前記付勢部材は、前記昇降式底板部に蓄積したメダルの重量に応じて縮む請求項1記載の遊技台。
【請求項3】
前記昇降式底板部の底板には、被検出部材が配設され、
前記検知手段の検出部材は、前記第1の位置に配設され、
前記検知手段は、前記検出部材と前記被検出部材が接触することにより、前記メダル補助収納ケースに収納されたメダルが前記特定量に達したことを判断する請求項1又は2記載の遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−239909(P2011−239909A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113914(P2010−113914)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】