説明

遊技機およびシミュレーションプログラム

【課題】大当り信頼度を報知する遊技機であって、大当り信頼度の報知によって遊技に対する興趣を高めることのできる遊技機およびシミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】表示手段9と、大当り制御手段と、識別情報が特定の表示結果となり得るリーチ状態から大当り遊技状態に発展する大当り信頼度を決定する大当り信頼度決定手段と、表示制御手段とを備える遊技機であって、固有の識別情報を記憶した識別情報記憶媒体14の受入れ手段10と、受け入れられた識別情報記憶媒体14から固有の識別情報を読み取る情報読み取り手段とを備え、前記表示制御手段は、大当り信頼度決定手段によって決定された大当り信頼度と読み取った識別情報とにもとづいてキャラクタを決定するキャラクタ決定手段と、決定されたキャラクタを前記表示手段9に表示させるキャラクタ表示制御手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大当り信頼度表示をするようにした遊技機およびシミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技盤の遊技領域に打ち出された遊技球が始動入賞口に入賞することにより、抽選が行なわれ、その抽選の結果に基づいて、図柄表示装置に変動表示された図柄が特定の表示結果となった場合には、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態に移行する遊技機が周知である。
遊技機が前記大当り遊技状態に移行すると、遊技球が入賞する確率が高くなって多量の賞球を得ることが可能となる。
【0003】
そして、このような遊技機において、特定の図柄があと一つ並ぶと大当りになるという状態(いわゆるリーチ状態)になった場合には、前記表示装置の表示が通常の表示動作と異なる変動をすることによって、遊技者に大当りが近づいていることを認識させて遊技者に大当りへの期待感を付与する演出(いわゆるリーチアクション)が行われている。
しかし、このようなリーチアクションが行なわれたとしても常に大当りに移行するとは限らず、リーチアクションの後、ハズレとなることもあるので、遊技者はリーチ状態から大当り遊技状態に発展するか否かに大きな関心を持って遊技を続けることとなる。
【0004】
このように、リーチアクションが出れば大当りとなる可能性が高くなるため、このリーチアクションがどの程度の割合で大当り遊技状態へと発展するのかは、遊技者にとって最も関心の高い情報の一つである。そこで、前記リーチ状態において、リーチ状態から大当り遊技状態に発展する割合を大当り信頼度として遊技者に報知をすることによって、遊技者が、さらに遊技に熱中して興趣を感じるようにしている先行技術が知られている。
このような遊技機の先行技術として、例えば、特許文献1は、次のような遊技機を開示する。
特許文献1による遊技機は、リーチ状態のときに操作が有効なボタンスイッチを備え、リーチ状態のときに遊技者がそのボタンスイッチをおすことによって、リーチ状態が大当り遊技状態に発展する信頼度を、予め遊技機に定められている大当り信頼度に応じたキャラクタ、例えば、「大当り信頼度10%」に相当するキャラクタを表示装置に表示することで報知している。
【特許文献1】特開2004−275450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の遊技機では、大当り信頼度が大当り信頼度に応じたキャラクタで報知表示されるものの、同じ大当り信頼度の報知が表示されるたびに同じキャラクタ(遊技機に予め定められている固定のキャラクタ)が出現するのみであって、前記報知の演出や報知時に表示されるキャラクタが変化することもない。従って、遊技者には前記大当り信頼度の報知に対する慣れが生じて徐々に大当り信頼度の報知に対する興味を損なってしまうので、大当り信頼度の報知によって遊技に対する興趣を高めることは難しくなってしまう問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的とするところは、大当り信頼度をキャラクタで報知する遊技機であって、大当り信頼度の報知によって遊技者の興味を高めることにより遊技に対する興趣を高めることのできる遊技機およびシミュレーションプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、第1の発明による遊技機は、複数種類の識別情報の変動表示が可能な表示手段(例えば、表示装置9)と、前記識別情報の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に遊技機を制御する大当り制御手段と、前記識別情報が特定の表示結果となり得るリーチ状態から大当り遊技状態に発展する大当り信頼度を決定する大当り信頼度決定手段と、前記表示手段に所定の演出を表示させる表示制御手段とを備える遊技機であって、前記遊技機に設けられ、固有の識別情報を記憶した識別情報記憶媒体14を受け入れる識別情報記憶媒体の受入れ手段10と、前記識別情報記憶媒体の受入れ手段10に受け入れられた識別情報記憶媒体14から固有の識別情報を読み取る情報読み取り手段(例えば、ICチップ15の認証回路48)とを備え、前記表示制御手段は、前記大当り信頼度決定手段によって決定された大当り信頼度と前記固有の識別情報とに基づいてキャラクタを決定するキャラクタ決定手段と、前記キャラクタ決定手段で決定されたキャラクタを表示させるキャラクタ表示制御手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、固有の識別情報が記憶された識別情報記憶媒体14が受け入れられた場合には、前記キャラクタ決定手段によって決定された固有の識別情報に対応するキャラクタが、大当り信頼度の報知として表示装置9に出現されることとなる。
従って、識別情報記憶媒体14が受け入れられている時に遊技機の遊技状態がリーチ状態となれば、前記のように識別情報記憶媒体14の固有の識別情報に対応するキャラクタで大当り信頼度が報知されるため、この報知された大当り信頼度によって、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0009】
第2の発明による遊技機は、前記第1の発明による遊技機において、識別情報記憶媒体の受入れ手段10は、識別情報記憶媒体14を載置可能な凹部10aを有する載置台10であることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、識別情報記憶媒体14を載置可能な凹部10aを有する載置台10が配設され、その載置台10の凹部10aに前記識別情報記憶媒体14を搭載することができる。
このような構成によれば、遊技者は、識別情報記憶媒体14を容易かつ確実に載置台10に搭載することができる。
【0011】
第3の発明による遊技機は、前記第1または第2の発明による遊技機において、識別情報記憶媒体14には、固有の識別情報を記憶したICチップ15が備えられており、情報読み取り手段は、前記識別情報記憶媒体14が前記識別情報記憶媒体の受入れ手段10に接触したときのみに、前記識別情報記憶媒体14のICチップ15から固有の識別情報を読み出すことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、識別情報記憶媒体14に固有の識別情報を記憶したICチップ15を備え、遊技機は、そのICチップ15から固有の識別情報を読み出すことができる。
さらに、前記識別情報記憶媒体14が前記識別情報記憶媒体の受入れ手段10に接触したときのみに、前記識別情報記憶媒体の前記ICチップ15から固有の識別情報を読み出すことができるので、情報読み取り手段による誤検出が防止できる。
【0013】
第4の発明による遊技機は、前記第1乃至第3のいずれかの発明による遊技機において、キャラクタ決定手段は、大当り信頼度と前記固有の識別情報に基づいて複数のキャラクタを決定し、前記複数のキャラクタは一連の関連性を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、キャラクタ決定手段は、大当り信頼度と識別情報記憶媒体14の固有の識別情報に基づいて一連の関連性、例えばストーリー性を有する複数のキャラクタが決定され、その複数のキャラクタが大当り信頼度の報知に出現することによって、遊技に対する興趣を強くすることができる。
【0015】
第5の発明によるシミュレーションプログラムは、コンピュータ102を、前記識別情報の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御する大当り制御手段と、前記識別情報が特定の表示結果となり得るリーチ状態から大当り遊技状態に発展する大当り信頼度を決定する大当り信頼度決定手段と、所定の演出を表示手段103に表示させる表示制御手段として機能させるためのシミュレーションプログラムであって、識別情報記憶媒体14に記憶された固有の識別情報を読み取る情報読み取り手段101を備え、前記表示制御手段は、前記大当り信頼度決定手段によって決定された大当り信頼度と前記固有の情報とに基づいてキャラクタを決定するキャラクタ決定手段と、前記キャラクタ決定手段で決定されたキャラクタを表示させるキャラクタ表示制御手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
このような構成により、本発明に係るシミュレーションプログラムは、シミュレーションプログラムをROMカートリッジ、CD−ROM、DVDなどの記憶媒体に記憶させて、あるいは、通信衛星、インターネットなどの電気通信回線を利用して配布することにより、パーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機などのコンピュータにおいて、上述した遊技機と同様に、情報読み取り手段101によって読み取られた前記識別情報記憶媒体14に記憶された固有の識別情報に対応するキャラクタを大当り信頼度の報知として出現させる。
遊技状態がリーチ状態となって、前記キャラクタで大当り信頼度が報知されると、この報知された大当り信頼度によって、遊技に対する興趣を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、大当り信頼度をキャラクタで報知する遊技機であって、大当り信頼度とともに遊技機に受け入れられた識別情報記憶媒体に記憶された固有の識別情報に対応するキャラクタを出現させることによって、遊技に対する興趣を高めることのできる遊技機およびシミュレーションプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎずなんらこれに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
【実施例1】
【0019】
図1は本発明を適用した遊技機の一例の外観を示す概略斜視図であり、図4および図5はその正面図を示す。遊技機は、遊技盤18と、該遊技盤18の裏側に備えた遊技に関する表示を行なうための表示装置(表示手段)9とで構成されている。
【0020】
遊技機は、遊技場に設けられる遊技島に取り付けるための外枠1の前面に内枠(ベースドア)2が回動自在に軸支され、該内枠2の背後には前記表示装置9が嵌装されているとともに、該内枠2の前面には、遊技盤ベース19に種々の遊技部材20を備えて構成した遊技盤18が着脱自在に装着されている。
そして該内枠2の前面には、ガラス板4を嵌めたフロント扉3が回動自在に軸支されている。
【0021】
また、前記内枠2の前面下部には、貸球および賞球を受け止める上皿5、上皿5満杯時に球出口の内方で溢れた球を受け止める下皿6、そして発射装置のハンドル7が備えられ、前記内枠2の前面上部には音による演出を行なうスピーカ8が備えられる。
【0022】
そして前記ハンドル7のレバー7aを時計回り方向に回転させることにより、例えば内蔵する発射ソレノイドを作動させて遊技球を表側の遊技領域に打ち出すことができる。
【0023】
遊技盤ベース19には、例えば本実施例では、遊技部材20を固定でき、かつ、容易に変形しない(曲がらない)又は変質しない程度の硬度・強度等を有した材質のものを選択することが好ましい。具体的には、アクリル樹脂材、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂などが任意に選択される。なお、その遊技盤ベース全体を透光性部材(透明部材)で形成して裏側が視認可能な形態としても良い。
【0024】
遊技部材20は、パチンコ遊技機において遊技に必要な全ての部材を言い、本実施例では一部を除き図示を省略するが、例えば、表側の遊技領域を区画すると共に、該表側の遊技領域に発射ソレノイドから打ち出される遊技球を導くガイドレール、大当たりとするか否かの抽選処理を起動する始動口12、大当たり時に大入賞口13を開放するアタッカと称する特別電動役物、前記始動口12に備わるチューリップ式の羽根部材12aを開放状態とするか否かの抽選処理を起動する通過ゲート、一般入賞口となる左右の入賞口、遊技領域での入賞を逃したアウト球を排出するアウト口、遊技盤ベースに打たれている多数の遊技釘、遊技盤ベース19の表側の遊技領域を転動流下する遊技球を裏側へと転動案内し、該案内された遊技球を遊技盤ベース19の裏側の遊技領域で転動させた後に遊技盤ベース19の表側の遊技領域に排出するワープユニットなどが一例として挙げられる。
【0025】
表示装置9としては、例えば、正面から見て、横方向の三列にわたって数字、記号等の識別情報からなる特別図柄(左特別図柄・中特別図柄・右特別図柄)を変動表示させたり、特別図柄の変動表示に併せて所定のキャラクタ画像や背景画像による演出表示等を行なったりする液晶表示装置(LCD:Liquid Cristal Display)や、投影機からの動画または静止画を、反射板で屈折して表示させる投影型画像表示装置も対象で、特に限定されず種々の表示装置が適用される。なお、表示装置の大きさなど特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0026】
表示装置9には、始動口12に遊技球が入賞すると、複数種類の図柄(識別情報)が変動表示される。
表示装置9に表示される図柄は、例えば左右に3列に並んで区別されており、各図柄の列毎に複数の図柄が変動表示される。そして停止表示された図柄の表示結果が特定の組み合わせ、例えば、「7」「7」「7」となった場合には、遊技機は、大当り制御手段によって遊技者にとって通常遊技と比較して有利な条件の遊技状態(大当り遊技状態)に移行制御される。
【0027】
なお、表示装置9の大きさなど特に限定はされないが、本実施例では、20インチの大型LCDを用いており、透光性部材からなる本実施例の遊技盤ベース19を介して広く液晶表示による演出表示が可能であり、遊技性・装飾性などを向上させるものとしている。
また、これらの表示装置9に表示される演出表示は表示制御手段によって制御される。前記表示制御手段は後述する遊技機の副制御回路40のサブCPU42で実行され、サブCPU42が表示制御手段として機能する。
【0028】
このような表示装置9では、特定の図柄があと一つ並ぶと大当りになる状態(いわゆるリーチ状態)になった場合には、表示装置9の表示が通常の表示動作と異なる変動をすることによって、遊技者に大当りが近づいていることを認識させて、遊技者の興趣を向上させるためにリーチ変動パターンを前記表示装置9に表示する演出(いわゆるリーチアクション)が行われている。なお、前記リーチアクションは、大当りとするか否かの抽選に当選して大当りとされる場合に行なわれるが、前記大当りとするか否かの抽選に漏れてハズレとされる場合であっても、リーチ状態としてからハズレ図柄を表示する演出(いわゆるハズレリーチ)をすると決定された場合にも行なわれる。従って、遊技者はリーチアクションが行われたという事実だけではリーチ状態が大当りに発展するか否かの判別ができない。
【0029】
そこで、前記リーチ状態から大当り遊技状態に発展する大当り信頼度を大当り信頼度決定手段によって決定し、前記リーチアクション中に、決定された大当り信頼の割合に応じて文言とともに、遊技機に予め定められている固定のキャラクタを表示する演出(いわゆる大当り信頼度報知)が行なわれている。また、その大当り信頼度報知は、所定の割合で行なうことによって、リーチアクションになった場合に行なわれたり行われなかったりするので、前記大当り信頼度報知が遊技者に飽きを生じさせない工夫がされている。
前記大当り信頼度決定手段は後述する遊技機の副制御回路40のサブCPU42で前記表示制御手段の一部として実行され、サブCPU42が大当り信頼度決定手段として機能する。
【0030】
さらに、本発明による遊技機は、その特有の構成として、前記遊技機に設けられた識別情報記憶媒体14の受入れ手段10と、前記識別情報記憶媒体の受入れ手段10に受け入れられた識別情報記憶媒体から固有の識別情報を読み取る情報読み取り手段を備える。
【0031】
前記識別情報記憶媒体の受入れ手段10として、本実施例では、例えば、内枠2の前面の正面視左下部に備えた載置台が一例として採用される。載置台10は、前記内枠2の前面から前方(遊技者側)に突設されて識別情報記憶媒体14を受入れ可能に構成されており、該載置台10は、情報読み取り手段に接続されている。なお、本実施例では、識別情報記憶媒体の受入れ手段10の一例として前記載置台を採用するため、以下載置台にも同一符号を付して説明する。
【0032】
次に、前記載置台10の構成の一例について以下に説明する。
図2(a)は前記載置台10の概略断面図であり、図2(b)は前記載置台10の概略平面図である。図2(a)および(b)に示すように、載置台10の外形は、正面視手前側に丸みを帯びた略矩形形状であって、その上部には、識別情報記憶媒体14を載置可能な凹部10aが備えられている。
その凹部10aの縁部10bは、前記載置台10の外形形状に沿って、正面視手前側に丸みを帯びた略矩形形状をしている。
載置台10の前記凹部10aの内底部中央には凸部10cが備えられ、その凸部10cは、前記凹部10aよりも小径の円筒形状であって前記凹部10aの縁部10b位置よりも低い高さ(図2(a)中の深さh1参照)に形成されている。
凹部10aは、前記凸部10cの外壁面との間に設けられた所定の幅を有する円筒状の周溝10dと、前記周溝10dの上端から水平方向に延設した該周溝10dよりも大径の段差10eとを備える。その段差10eは、図2(a)に示すように前記凸部10cの頂面の深さh1よりも浅い深さh2で形成されている。
また、本実施例では、前記載置台10の凸部10cの外径面には端子が露出して備えられ、その端子は後述する情報読み取り手段へと延設されている。
【0033】
次に、前記識別情報記憶媒体14の一例について以下に説明する。
図3(a)は前記識別情報記憶媒体14の概略正面図であり、図3(b)は前記識別情報記憶媒体14の概略底面図であり、図3(c)は前記識別情報記憶媒体14を前記載置台10にはめ込んだ状態を示す要部概略断面図である。
前記識別情報記憶媒体14は、本実施例では、例えば、キャラクタ人形形態14aにICチップを内蔵した識別情報記憶媒体を採用している。
具体的には、図3(a)に示すように、前記載置台10の凹部10aよりも僅かに小形の相似形状の台座部14bと、その台座部14bの上部に備えられたキャラクタ人形形態14aと、その台座部14bの下部に設けられ、下方に向けて開口する凹部14eを備えた円筒部14dで構成されている。
その円筒部14dの凹部14eの内径は、前記載置台10の凸部10cの外径より僅かに大径で、その円筒部14dの外径は、前記載置台10の周溝10dの外壁10fの径よりも僅かに小径である。なお、本実施例では、前記キャラクタ人形形態14aは、大当り信頼度報知の際に表示装置9に出現するキャラクタに対応した形態を有するものとしている。
従って、本実施例の識別情報記憶媒体14は、図3(c)に示すように、その凹部14e内に載置台10の凸部10cが挿入された状態で円筒部14dが載置台10の周溝10d内に挿入されると共に、台座部14bの裏面側が載置台10の段差10eに当接し、前記台座部14bと円筒部14dが載置台10の凹部10a内に収容され、キャラクタ人形形態14a部分が載置台10から立ち上がった状態で搭載される。このような載置台10と識別情報記憶媒体14の構成により、遊技者は識別情報記憶媒体14を容易かつ確実に搭載することができる。
【0034】
さらに、前記識別情報記憶媒体14はその内部にICチップ15を備え、そのICチップ15から延設された端子が前記円筒部14dの凹部14eの内面側に露出して備えられる。なお、そのICチップ15は、大当り信頼度報知の際に表示装置9に出現するキャラクタに対応する固有の識別情報が記憶されている。
【0035】
前記載置台10は、前記識別情報記憶媒体14の受入れ手段として機能する。
さらに、載置台10は情報読み取り手段を備える。図3(c)、図5に示すように、前記識別情報記憶媒体14が前記載置台10に嵌め込んで載置された場合には、前記載置台10の凸部10cの外径面に備えられた端子と、前記識別情報記憶媒体14の前記円筒部14dの内径側に備えられた端子とが接触することによって回路が形成されて、識別情報記憶媒体14に記憶された固有の識別情報が前記情報読み取り手段によって読み取られる。
【0036】
前記情報読み取り手段は、副制御回路40に備えられる前記識別情報記憶媒体14のICチップ15の認証回路(図6符号48)であって、本実施例ではICチップリーダを採用する。
なお、本実施例では、前記固有の識別情報の記憶手段としてICチップ15を採用するが、前記固有の識別情報が記憶され、且つ、情報読み取り手段によって前記固有の識別情報を読み出すことが可能な限りにおいて他の記憶手段を採用することも本発明の範囲である。例えば、前記固有の方法の記憶手段としてIDカード等の磁気カード等を採用し、前記情報読み取り手段として磁気カードリーダを採用するものであっても良く、さらに、接触型の読み取り方式のみならず、電波等による非接触型の読み取り方式を採用しても良い。
【0037】
このようにして、遊技機の載置台10に識別情報記憶媒体14が載置されていない場合には、表示手段9には遊技機に予め記憶されているキャラクタで大当り信頼度が表示され(図4参照)、遊技機の載置台10に識別情報記憶媒体14が載置されている場合には、前記識別情報記憶媒体14に記憶されている固有の識別情報に対応するキャラクタで大当り信頼度が表示される(図5参照)。
【0038】
(ブロック図)
なお、図6は、本実施例による遊技機の制御系のブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路30は、制御手段であるメインCPU32、メインROM(読み出し専用メモリ)33、メインRAM(読み書き可能メモリ)34及びI/O31を備えている。この主制御回路30は、遊技の進行の制御を行なう。
メインCPU32には、メインROM33、メインRAM34等が接続されており、このメインROM33に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU32には、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM33には、メインCPU32により遊技機の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
【0039】
なお、本実施例では、プログラム・テーブル等を記憶する媒体としてメインROM33を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジなどの記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM34等に記録されるものでもよい。さらに、プログラムの夫々が別々の記憶媒体に記録されていても良い。また、本実施例においては、メインCPU32、メインROM33及びメインRAM34を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用しても良い。
【0040】
メインRAM34は、メインCPU32の一時記憶領域として種々のフラグ、カウンタ、タイマ、データの値を記憶する機能を有する。
また、この主制御回路30は、後述する副制御回路40に対してコマンドを供給するためのコマンド出力ポート35を備えている。また、コマンド出力ポート35は、メインCPU32に接続されている。なお、このコマンド出力ポート35は、各種のコマンドを副制御回路40(副制御回路40に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
【0041】
また、主制御回路30には、I/O31を有しており、I/O31には各種の装置が接続されている。例えば、V・カウントスイッチ28S、カウントスイッチ29S、一般入賞口スイッチ16S、通過ゲートスイッチ7S、始動入賞口スイッチ6S、始動口ソレノイド6a、大入賞口ソレノイド8a、シーソーソレノイド8b、バックアップクリアスイッチ5Sが接続されている。
【0042】
V・カウントスイッチ28Sは、遊技盤ベース19上に備えられた大入賞口13における特定領域に設けられている。このV・カウントスイッチ28Sは、大入賞口13における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路30に供給する。
【0043】
カウントスイッチ29Sは、大入賞口13における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントスイッチ29Sは、大入賞口13における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路30に供給する。
【0044】
一般入賞口スイッチ16Sは、遊技盤ベース19上に備えられた一般入賞口(図示省略)に設けられている。この一般入賞口スイッチ16Sは、各一般入賞口を遊技球が通過した場合に所定の検知信号を主制御回路30に供給する。
【0045】
通過ゲートスイッチ7Sは、遊技盤ベース19上に備えられた通過ゲート(図示省略)に設けられている。この通過ゲートスイッチ7Sは、通過ゲートを遊技球が通過した場合に所定の検知信号を主制御回路30に供給する。
【0046】
始動入賞口スイッチ6Sは、遊技盤ベース19上に備えられた始動口12に設けられている。この始動入賞口スイッチ6Sは、始動口12に遊技球が入賞した場合に所定の検知信号を主制御回路30に供給する。
【0047】
始動口ソレノイド6aは、リンク部材を介して始動口12に設けられた羽根部材12a,12aに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、羽根部材12a,12aを駆動させ、始動口12を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0048】
大入賞口ソレノイド8aは、シャッタ(扉)に接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、シャッタを駆動させ、大入賞口13を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0049】
シーソーソレノイド8bは、板状体でシャッタ内部に設けられているシーソーに接続されており、メインCPU32から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、大入賞口13内の特定領域を通過し易くなるように、又は一般領域を通過し易くなるように切り替えることとなる。
【0050】
バックアップクリアスイッチ5Sは、遊技機の前面側に備えられるとともに、I/O31を介してメインCPU32に接続されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0051】
主制御回路30には、払出・発射制御回路80が接続されている。この払出・発射制御回路80には、遊技球の払出を行なう払出装置81、遊技球の発射を行なう発射装置82が接続されている。また、払出・発射制御回路80はカードユニット24と接続されており、払出・発射制御回路80とカードユニット24は、カードユニットに挿入されたCRカードに係るデータを送受信し、球貸し操作パネル21の操作によって遊技球を貸し出す。
【0052】
この払出・発射制御回路80は、主制御回路30から供給される賞球制御コマンドを受け取り、払出装置81に対して所定の信号を送信することにより、払出装置81に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路80は、発射装置82に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行なう。なお、払出装置81は、発射(投入)された遊技球が所定の領域を通過することにより賞球を払い出す払出手段の一例として採用されている。
【0053】
また、発射装置82には、上述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル7が遊技者によって握持され、かつ時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤に順次発射される。なお、このような発射装置82は、遊技者の操作に応じて遊技球を発射(投入)する発射手段の一例として採用されている。
【0054】
さらに、コマンド出力ポート35には、副制御回路40が接続されている。この副制御回路40は、主制御回路30から供給される各種のコマンドに応じて、表示装置9における表示制御、スピーカ8から発生させる音声に関する制御、装飾ランプの制御等を行なう。
【0055】
なお、本実施例においては、主制御回路30から副制御回路40に対してコマンドを供給すると共に、副制御回路40から主制御回路30に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路40から主制御回路30に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0056】
演出制御手段としての副制御回路40は、演出表示制御手段、音制御手段、及び、発光制御手段としてのサブCPU42、記憶手段としてのプログラムROM43、ワークRAM44、表示装置9(液晶表示装置:LCD)における表示制御を行なうための画像制御回路45、スピーカ8から発生させる音に関する制御を行なう音制御回路46、装飾ランプ・LED(図示せず)を含むランプ11の制御を行なうランプ制御回路47、ICチップ15を備えた識別情報記憶媒体14から固有の識別情報を読み込む認証回路48(ICチップリーダ)、主制御回路30のコマンド出力ポート35からの信号を入力するためのコマンド入力ポート41から構成されている。
副制御回路40は、主制御回路30からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0057】
サブCPU42は、プログラムROM43、ワークRAM44等が接続されている。サブCPU42は、このプログラムROM43に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU42は、主制御回路30から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路40の制御を行なう。サブCPU42は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0058】
プログラムROM43には、サブCPU42により遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行なうためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
また、プログラムROM43には、演出パターンが複数種類記憶されている。この演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。演出表示は、識別情報の変動表示に応じて実行されるものである。
なお、本実施例においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM43を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えばハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記憶されていても良い。もちろん、記憶手段としてメインROM33を用いても良い。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM44等に記録されるものでもよい。さらに、プログラムの夫々が別々の記憶媒体に記録されていても良い。
【0059】
また、本実施例において、メインCPU32及びメインROM33を含む主制御回路30と、サブCPU42及びプログラムROM43を含む副制御回路40と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU32及びメインROM33を含む主制御回路30のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM43に記憶されているプログラムをメインROM33に記憶させ、メインCPU32により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU42及びプログラムROM43を含む副制御回路40のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM33に記憶されているプログラムをプログラムROM43に記憶させ、サブCPU42により実行されるように構成してもよい。
【0060】
ワークRAM44は、サブCPU42の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
【0061】
(遊技機の動作)
次に、本発明による遊技機の一実施形態の動作について、主制御回路の動作と副制御回路の動作とに分けて説明する。
〔主制御回路の動作〕
以下において、本発明の一実施形態に係る主制御回路30のメインCPU32の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0062】
[主制御回路メイン処理]
図7は、本発明の一実施例に係るメインCPU32の動作の一部であるメイン処理を示すフロー図である。ステップ10(S10)において、メインCPU32は、メインRAM34に記憶された各種設定を前回電源断となったときの設定に復帰する(又は、メインRAM34に記憶された各種設定を初期化する)。
【0063】
ステップ20(S20)において、メインCPU32は、後述するシステム割込処理の実行を許可する状態にセットする。
【0064】
ステップ30(S30)において、メインCPU32は、表示装置9に識別情報を変動表示する特別図柄制御処理を行なう。具体的には、メインCPU32は、遊技状態を大当り状態に移行させるか否かの判定(大当り判定)、変動表示時間の管理、大当り状態におけるラウンド制御等を行なう。
【0065】
ステップ40(S40)において、メインCPU32は、遊技盤18の図示しないゲートを遊技球が通過した場合に行なわれる普通図柄制御処理を行なう。具体的には、メインCPU32は、始動口を開放状態とするか否かの判定(普通図柄当り判定)、始動口に設けられた1対の羽根部材12a,12aを駆動するための制御等を行なう。
【0066】
ステップ50(S50)において、メインCPU32は、後述するシステム割込処理の実行を禁止する状態にセットする。
【0067】
ステップ60(S60)において、メインCPU32は、変動表示パターンを決定するために用いられる変動表示パターン選択用乱数等を更新する。
【0068】
ステップ70(S70)において、メインCPU32は、後述するシステム割込処理の実行を許可する状態にセットする。
【0069】
なお、メインCPU32は、上述のステップ30からステップ70までの処理を繰り返すものとする。
【0070】
[システムタイマ割込処理]
図8は、本発明の一実施例に係るメインCPU32の動作の一部であるシステムタイマ割込処理を示すフロー図である。システムタイマ割込処理は、メイン処理の実行中において、所定時間毎に割り込んで実行される処理である。ステップ100(S100)において、メインCPU32は、レジスタに格納されている情報を退避させる。
【0071】
ステップ110(S110)において、メインCPU32は、大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数などの値を更新する。
【0072】
ステップ120(S120)において、メインCPU32は、始動口検出時処理(ゲート通過検出時処理)と、各スイッチ(始動入賞口スイッチ6S、通過ゲートスイッチ7S、一般入賞口スイッチ16S、V・カウントスイッチ28S及びカウントスイッチ29S)からの信号がI/031に入力されたか否か判定する。また、メインCPU32は、I/031に入力された信号がある場合には、入力された信号に応じた処理を行なう。なお、スイッチ入力検出処理の詳細については後述する。
【0073】
ステップ130(S130)において、メインCPU32は、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ等の値を更新する。
【0074】
なお、待ち時間タイマとは、特別図柄制御処理の各処理において、メインCPU32が次の処理に移るまでの待ち時間がセットされるタイマである。また、大入賞口開放時間タイマとは、1ラウンド内において、大入賞口13が開放状態とされる最大時間(大入賞口開放時間)がセットされるタイマである。
【0075】
なお、本実施形態では、上述した各タイマは、該タイマにセットされた時間をカウントダウンするように構成されているものとするが、これに限定されるものではなく、時間をカウントアップするように構成されていてもよい。
【0076】
ステップ140(S140)において、メインCPU32は、賞球として払い出された遊技球の数、遊技状態が大当り状態となっていることなどの遊技情報を、遊技場に設置されているホールコンピュータに出力する。
【0077】
ステップ150(S150)において、メインCPU32は、始動口12に設けられた1対の羽根部材12a,12aを駆動するように始動口ソレノイド6aを制御するための信号、及び、大入賞口13の扉体を駆動するように大入賞口ソレノイド8aを制御するための信号を出力する。
【0078】
ステップ160(S160)において、メインCPU32は、セットされたコマンド(特別図柄制御処理に伴う変動パターン指定コマンド)を副制御回路40に出力する。
【0079】
ステップ170(S170)において、メインCPU32は、遊技球が入球した入賞口の種類(始動口12、大入賞口13及び図示しない一般入賞口)に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出すことを指示する賞球制御コマンドを払出・発射制御回路80に出力する。
【0080】
ステップ180(S180)において、メインCPU32は、ステップ100で退避した情報をレジスタに復帰させる。
【0081】
ステップ190(S190)において、システムタイマ割込処理の実行を許可する状態にセットする。
【0082】
システムタイマ割込処理は、以上のステップを処理した後に、割り込み発生前のアドレスに復帰させる。
【0083】
[特別図柄制御処理]
以下に、上述したメイン処理のステップ30(S30)(図7参照)において実行される特別図柄制御処理について説明する。
特別図柄制御処理は、図9に示すように、ステップ30-1(S30-1)において、メインCPU32は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。なお、制御状態フラグとは、特別図柄ゲームにおける遊技の状態を示すフラグであり、メインCPU32は、この制御状態フラグに基づいて、ステップ30-2(S30-2)〜ステップ30-10(S30-10)における各処理を実行するか否か判別する。
【0084】
ステップ30-2(S30-2)において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)であり、特別図柄保留記憶数データの数が"1"以上である場合に、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否か判定する(大当り判定)。また、メインCPU32は、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致する場合には、大当り図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定するとともに、変動表示パターン選択用乱数値に基づいて、変動表示パターンを決定する。一方、メインCPU32は、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致しない場合には、ハズレ図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄のハズレ図柄を決定するとともに、変動表示パターン選択用乱数値に基づいて、変動表示パターンを決定する。
【0085】
また、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)を制御状態フラグにセットするとともに、決定した変動表示パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。
【0086】
ステップ30-3(S30-3)において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)であり、変動表示時間がセットされた待ち時間タイマの値が"0"である場合に、特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)を制御状態フラグにセットするとともに、確定後待ち時間タイマにセットする。
【0087】
ステップ30-4(S30-4)において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02)であり、確定後待ち時間がセットされた待ち時間タイマの値が"0"である場合に、以下の処理を行なう。
【0088】
すなわち、メインCPU32は、大当り判定において大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致すると判定された場合には、大当り開始インターバル管理処理を示す値(03)を制御状態フラグにセットするとともに、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。
また、メインCPU32は、高確率フラグをオフにする。なお、高確率フラグとは、遊技状態が確変状態であるか否か判定するためのフラグである。
【0089】
一方、メインCPU32は、大当り判定において大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致しないと判定された場合には、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。
【0090】
ステップ30-5(S30-5)において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(03)であり、大当り開始インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマの値が"0"である場合には、大入賞口13を開放状態とするように大入賞口ソレノイド8aを制御する。また、メインCPU32は、大入賞口開放中処理を示す値(05)を制御状態フラグにセットするとともに、1ラウンド内において大入賞口13が開放状態とされる最大時間(大入賞口開放時間)を大入賞口開放時間タイマにセットする。
【0091】
ステップ30-6(S30-6)において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(04)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマの値が"0"である場合には、大入賞口開放回数カウンタの値に"1"を加算する。また、メインCPU32は、大入賞口開放中処理を示す値(05)を制御状態フラグにセットするとともに、大入賞口開放時間を大入賞口開放時間タイマにセットする。
【0092】
ステップ30-7(S30-7)において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(05)である場合に、大入賞口開放時間がセットされた大入賞口開放時間タイマの値が"0"であるという条件、又は、大入賞口カウンタの値が所定値(例えば、"10"以上)となったという条件のうち、いずれかの条件が成立しているか否か判定する。
【0093】
また、メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれかの条件が成立している場合には、大入賞口13を閉鎖状態とするように大入賞口ソレノイド8aを制御する。さらに、メインCPU32は、大入賞口内残留球監視処理を示す値(06)を制御状態フラグにセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。
【0094】
ステップ30-8(S30-8)において、メインCPU32は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(06)であり、大入賞口内残留球監視時間がセットされた待ち時間タイマの値が"0"である場合には、大入賞口13内に設けられた特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、又は、大入賞口開放回数カウンタの値が所定値(例えば"15"以上)であるという条件(ラウンド数が最終ラウンドであるという条件)のうち、いずれかの条件が成立しているか否か判定する。なお、大入賞口開放回数カウンタとは、大当り状態におけるラウンド数をカウントするためのカウンタである。
【0095】
メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれかの条件が成立している場合には、大当り終了インターバル管理処理を示す値(07)を制御状態フラグにセットするとともに、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。一方、メインCPU32は、上述した条件のうち、いずれの条件も成立していない場合には、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、ラウンドインターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。
【0096】
ステップ30-9(S30-9)において、メインCPU32は、制御状態フラグが大当り終了インターバル管理処理を示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間がセットされた待ち時間タイマの値が"0"である場合には、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU32は、液晶表示装置9上に停止表示されている大当り図柄が特定図柄(確変図柄)である場合には、高確率フラグ(77)をセットする。
【0097】
ステップ30-10(S30-10)において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(08)である場合に、特別図柄保留記憶数データから1を減算するとともに、特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)を制御状態フラグにセットする。
【0098】
[特別図柄記憶チェック処理]
以下に、上述した特別図柄制御処理のステップ30-2(S30-2)(図9参照)において実行される特別図柄記憶チェック処理について説明する。
特別図柄記憶チェック処理は、図10に示すように、ステップ30-2-1(S30-2-1)において、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)であるか否か判定する。また、メインCPU32は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)である場合には、ステップ30-2-2(S30-2-2)の処理に移り、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(00)でない場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
【0099】
ステップ30-2-2(S30-2-2)において、メインCPU32は、メインRAM34に記憶されている特別図柄保留記憶数データの値が"0"であるか否か判定する。
また、メインCPU32は、特別図柄保留記憶数データの値が"0"である場合には、ステップ30-2-3(S30-2-3)の処理に移り、特別図柄保留記憶数データの値が"1"以上である場合には、ステップ30-2-4(S30-2-4)の処理に移る。
【0100】
ステップ30-2-3(S30-2-3)において、メインCPU32は、所定のデモンストレーションを表示装置9に表示するように指示するコマンド(デモ表示コマンド)をセットする。なお、所定のデモンストレーションとは、表示装置9に特別図柄が変動表示されていないときに、遊技者を飽きさせないようにするための動作である。
【0101】
ステップ30-2-4(S30-2-4)において、メインCPU32は、特別図柄変動時間管理処理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする。
【0102】
ステップ30-2-5(S30-2-5)において、メインCPU32は、特別図柄の変動表示が実行された後に、遊技状態を大当り状態に移行させるか否か判定する(大当り判定)。具体的には、メインCPU32は、高確率フラグがオンである場合には、大当り判定テーブル(確変用)を参照し、大当り判定テーブル(確変用)に記憶されている大当り判定値と、始動記憶データに含まれる大当り判定用乱数値とが一致するか否か判定する。一方、メインCPU32は、高確率フラグがオフである場合には、大当り判定テーブル(通常用)を参照し、大当り判定テーブル(通常用)に記憶されている大当り判定値と、始動記憶データに含まれる大当り判定用乱数値とが一致するか否か判定する。
【0103】
ステップ30-2-6(S30-2-6)において、メインCPU32は、大当り判定を行った結果、遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か確認する。また、メインCPU32は、遊技状態を大当り状態に移行させると判定した場合には、ステップ30-2-8(S30-2-8)の処理に移り、遊技状態を大当り状態に移行させないと判定した場合には、ステップ30-2-7(S30-2-7)の処理に移る。
【0104】
ステップ30-2-7(S30-2-7)において、メインCPU32は、ハズレ図柄決定用乱数値に基づいて、表示装置9上で特別図柄の変動表示が実行された結果、該表示装置9上に停止表示させるハズレ図柄を決定する。
【0105】
ステップ30-2-8(S30-2-8)において、メインCPU32は、始動記憶データに含まれる大当り図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄の変動表示が実行された結果、停止表示させる大当り図柄を決定する。具体的には、メインCPU32は、大当り図柄決定用乱数値と確変判定値と一致する場合には、確変図柄を大当り図柄として決定する。一方、メインCPU32は、大当り図柄決定用乱数値と確変判定値と一致しない場合には、通常図柄を大当り図柄として決定する。
【0106】
ステップ30-2-9(S30-2-9)において、メインCPU32は、ステップ30-2-6(S30-2-6)で遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か、及び、高確率フラグがオンであるか否か(遊技状態が確変状態であるか否か)に基づいて、変動パターンを決定するとともに、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドをセットする。
【0107】
具体的には、メインCPU32は、遊技状態を大当り状態に移行させると判定したか否か、及び、高確率フラグがオンであるか否か(遊技状態が確変状態であるか否か)に基づいて、変動パターン選択テーブル群の中から、該当する変動パターン選択テーブルを選択する。また、メインCPU32は、選択した変動パターン選択テーブルを参照し、変動パターン選択用乱数値に基づいて、変動パターンを選択するとともに、選択した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドをセットする。
【0108】
ステップ30-2-10(S30-2-10)において、メインCPU32は、選択した変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンド、大当り信頼度コマンドをセットする。
【0109】
ステップ30-2-11(S30-2-11)において、メインCPU32は、選択した変動パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。
【0110】
ステップ30-2-12(S30-2-12)において、メインCPU32は、今回の変動に用いられた記憶領域をクリアする。
【0111】
[変動パターン決定処理]
変動パターン決定処理は、遊技球が前記始動口に入賞して、前記大当り制御手段によって大当たりとするか否かの抽選処理が実行された結果、大当りにすると決定された場合、若しくはハズレにするがリーチ変動パターンを表示するハズレリーチと決定された場合に、リーチ状態でリーチアクションを表示装置9に表示する際のリーチ変動パターンを決定する処理であって、主制御回路30のメインCPU32で実行される大当り制御手段の一部として実行される。
図11に示すように、ステップ30-2-9-1(S30-2-9-1)において、メインCPU32は、大当りであるか否かを判定する。大当りである場合には、メインCPU32は、ステップ30-2-9-3(S30-2-9-3)の処理に移り、大当りでない場合には、メインCPU32は、ステップ30-2-9-2(S30-2-9-2)の処理に移る。
【0112】
ステップ30-2-9-2(S30-2-9-2)において、メインCPU32はハズレリーチを選択されているか否かを判定する。ハズレリーチを選択している場合には、メインCPU32は、ステップ30-2-9-3(S30-2-9-3)の処理に移り、ハズレリーチを選択していない場合には、メインCPU32は処理を終了する。
【0113】
ステップ30-2-9-3(S30-2-9-3)において、メインCPU32は、変動パターンを決定する処理を行なう。
【0114】
変動パターン決定処理で実行されるリーチ変動パターンを決定する処理の具体的な位置実施例を以下に説明する。なお、以下の具体例では、リーチ変動パターンとしてリーチ1、リーチ2、リーチ3、リーチ4、リーチ5の5パターンのうちから1パターンが選択決定されるものとする。
【0115】
例えば、遊技機には、予め、図12に示すようなリーチ選択テーブルがセットされており、リーチ1、リーチ2、リーチ3、リーチ4、リーチ5に区分されたいずれかのリーチ変動パターンが決定される。そして各リーチ変動パターンに対応して夫々大当り乱数の乱数値とハズレ乱数値および大当り信頼度が割り当てられる。前記リーチ選択テーブルでは、リーチ1には大当り乱数の乱数値0〜19、ハズレ乱数の乱数値0〜9、大当り信頼度10%が対応し、リーチ2には大当り乱数の乱数値20〜39、ハズレ乱数の乱数値10〜19、大当り信頼度33%が対応し、リーチ3には大当り乱数の乱数値40〜59、ハズレ乱数の乱数値20〜39、大当り信頼度50%が対応し、リーチ4には大当り乱数の乱数値60〜79、ハズレ乱数の乱数値40〜69、大当り信頼度66%が対応し、そして、リーチ5には大当り乱数の乱数値80〜99、ハズレ乱数の乱数値70〜99、大当り信頼度100%が夫々対応している。
【0116】
前記変動パターン決定処理は、このようなリーチ選択テーブルを参照し、大当りとするか否かの抽選において大当りとすると決定されている場合には、前記リーチ選択テーブルの大当り乱数によって抽選を行ない、例えば、抽選で抽出された値が70であれば、その値は前記大当り乱数の60〜79の範囲に含まれるので、リーチ変動パターンはリーチ4のパターンを使用し、その場合の大当り信頼度66%が確定する。
また、前記大当りとするか否かの抽選においてハズレリーチとすると決定されている場合には、前記リーチ選択テーブルのハズレ乱数によって抽選を行ない、例えば、抽選で抽出された値が30であれば、その値は前記ハズレ乱数の20〜39の範囲に含まれるので、リーチ変動パターンはリーチ3のパターンを使用し、その場合の大当り信頼度50%が確定する。
【0117】
〔副制御回路の動作〕
以下において、本実施例に係る副制御回路40におけるサブCPU42の動作(メイン処理)について、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施例に係るサブCPU42の動作(メイン処理)を示すフロー図である。
[副制御回路メイン処理]
【0118】
ステップ200(S200)において、サブCPU42は、ワークRAM44に記憶された各種設定を前回電源断となったときの設定に復帰する。(又は、ワークRAM44に記憶された各種設定を初期化する。)
【0119】
ステップ210(S210)において、サブCPU42は、予告決定用乱数などの値を更新する。なお、予告決定用乱数は、変動表示パターン指定コマンドに応じて予告画面を決定する際に用いられる。
【0120】
ステップ220(S220)において、サブCPU42は、コマンド解析処理でセットしたデータに応じて、画像制御回路45を制御する。具体的には、サブCPU42は、画像制御回路45を制御することによって、表示装置9上に予告画像や背景画像等を表示する表示制御処理を行なう。
なお、この表示制御処理では、大当り信頼度を報知するか否かを決定する処理も行なう。遊技機の載置台10に識別情報記憶媒体14が載置されている場合には、識別情報記憶媒体14から固有の識別情報を読み取って、その固有の識別情報にもとづくキャラクタを大当り信頼度とともに表示する。
【0121】
ステップ230(S230)において、サブCPU42は、コマンド受信処理でセットしたデータに応じて、音声制御回路46を制御する。具体的には、サブCPU42は、音声制御回路46を制御することによってスピーカ8から効果音や音声等を出力する。
【0122】
ステップ240(S240)において、サブCPU42は、コマンド受信処理でセットしたデータに応じて、ランプ制御回路47を制御する。具体的には、サブCPU42は、ランプ制御回路47を制御することによって、ランプ11を所定のパターンで点灯・消灯する。
【0123】
[副制御回路コマンド受信処理]
副制御回路コマンド受信処理は、主制御回路30からのコマンド受信を契機として前記副制御回路40のメイン処理(図13参照)に割り込むように実行され、副制御回路40が受信したコマンドをコマンドの種類によって各制御にあてて振り分ける処理を行なう。
例えば、大当り制御手段は、コマンドに確定したリーチ変動パターンと大当り信頼度を示すコマンドをセットして、副制御回路へ渡し、コマンド受信処理においてコマンドが振り分けられる。
図14に示すように、ステップ300(S300)において、サブCPU42はコマンドがデモ表示コマンドであるか否かを判定する。コマンドがデモ表示コマンドである場合には、サブCPU42はステップ330(S330)の処理に移り、コマンドがデモ表示コマンドでない場合には、サブCPU42はステップ310(S310)の処理に移る。
【0124】
ステップ310(S310)において、サブCPU42はコマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判定する。コマンドが変動パターンコマンドである場合には、サブCPU42はステップ340(S340)の処理に移り、コマンドが変動パターンコマンドでない場合には、サブCPU42はステップ320(S320)の処理に移る。
【0125】
ステップ320(S320)において、サブCPU42はコマンドが大当り信頼度コマンドであるか否かを判定する。コマンドが大当り信頼度コマンドである場合には、サブCPU42はステップ360(S360)の処理に移り、コマンドが大当り信頼度のコマンドでない場合には、サブCPU42はステップ370(S370)の処理に移る。
【0126】
ステップステップ330(S330))において、サブCPU42は、コマンドのデモ表示中を示す箇所にフラグ(1)を付加して、デモ中であることを表示するとともにコマンドにデモ演出データをセットする。
【0127】
ステップ340(S340)において、サブCPU42は、コマンドのデモ表示中を示す箇所にフラグ(0)を付加する。
【0128】
ステップ350(S350)において、サブCPU42は、変動パターンコマンドに対応する制御データをコマンドにセットする。
【0129】
ステップ360(S360)において、サブCPU42は、大当り信頼度報知コマンドに対応する制御データをコマンドにセットする。
【0130】
ステップ370(S370)において、サブCPU42は、その他の受信コマンドに対応する制御データをコマンドにセットする。
【0131】
[大当り信頼度表示決定処理]
大当り信頼度報知決定処理は、大当りの信頼度を報知する制御であって、前記副制御回路メイン処理(図13参照)で実行される表示制御処理(ステップ220(S220))において実行される。
図15に示すように、ステップ220−1(S220−1)において、サブCPU42は大当り信頼度を報知するか否かを判定する。具体的には、乱数による抽選を行ない、抽出した値が当選しているか否かを判定する。その結果、大当り信頼度を報知するとされた場合には、サブCPU42はステップ220−2(S220−2)の処理に移り、大当り信頼度を報知しないとされた場合には、サブCPU42は処理を終了する。
【0132】
ステップ220−2(S220−2)において、サブCPU42は識別情報記憶媒体14が載置台10に載置されたか否かを判定する。識別情報記憶媒体14が載置台10に載置されている場合には、サブCPU42はステップ220−3(S220−3)の処理に移り、識別情報記憶媒体14が載置台10に載置されていない場合には、サブCPU42は処理を終了する。
【0133】
ステップ220−3(S220−3)において、サブCPU42は、識別情報記憶媒体15の固有の識別情報を読み取る処理を実行する。具体的には、前記読み取り手段が前記載置台10に載置された識別情報記憶媒体14に備えられたICチップ15から固有の識別情報を読み取る。
なお、前記情報読み取り手段による識別情報記憶媒体14から個別の識別情報を読み取る処理は、遊技機の載置台10に識別情報記憶媒体14が載置されて、前記載置台10と識別情報記憶媒体14が接触したときのみに実行されるので、情報読み取り手段による誤検出が防止される。
【0134】
ステップ220−4(S220−4)において、サブCPU42は、受信した大当り信頼度に応じて、固有の識別情報に基づいたキャラクタを表示することを決定し、所定の変動パターンに追加する処理を行なう。
【0135】
大当り信頼度報知に表示するキャラクタはキャラクタ決定手段によって決定され、キャラクタ決定手段は、前記識別情報記憶媒体14に記憶された固有の識別情報が読み取られると、その読み取られた固有の識別情報をもとに、遊技機に予め記憶されている図示しないキャラクタのデータを参照して、固有の識別情報に対応したキャラクタを決定して、遊技機に予め定められている固定のキャラクタと置き換える処理を行なう。
【0136】
さらに、大当り信頼度報知で前記表示手段9に表示される固有の識別情報に基づいたキャラクタは、識別情報記憶媒体14に記憶されている固有の識別情報に基づいて一連の関連性、例えばストーリー性を有する複数のキャラクタが決定される。
【0137】
例えば、図16(a)に示すように、前記載置台10にロボットのフィギュア(識別情報記憶媒体14)が載置された場合には、その識別情報記憶媒体14に記憶されているロボット1に対応する固有の識別情報に基づいて、大当り信頼度報知で出現するキャラクタとしてロボット1、ロボット2、ロボット3、ロボット4、ロボット5が選択される。そして、ロボット1は大当り信頼度が10%の場合に出現し、ロボット2は大当り信頼度が33%の場合に出現し、ロボット3は大当り信頼度が50%の場合に出現し、ロボット4は大当り信頼度が66%の場合に出現し、そして、ロボット5は大当り信頼度が100%の場合に出現するように夫々定められている。
【0138】
また、図16(b)に示すように、前記載置台10に、前記ロボットのフィギュア以外のフィギュア、例えば、ヒーローのフィギュア(識別情報記憶媒体14)が載置された場合には、その識別情報記憶媒体14に記憶されているヒーロー1に対応する固有の識別情報に基づいて、大当り信頼度報知で出現するキャラクタとしてヒーロー1、ヒーロー2、ヒーロー3、ヒーロー4、ヒーロー5が選択される。そして、ヒーロー1は大当り信頼度が10%の場合に出現し、ヒーロー2は大当り信頼度が33%の場合に出現し、ヒーロー3は大当り信頼度が50%の場合に出現し、ヒーロー4は大当り信頼度が66%の場合に出現し、そして、ヒーロー5は大当り信頼度が100%の場合に出現するように夫々定められている。
【0139】
なお、大当り信頼度の報知は、上記、キャラクタの出現に加えて、大当り信頼度の報知として、例えば、大当り信頼度33%と前記変動パターン決定処理で決定された場合には、キャラクタとともに「大当り信頼度33%」と文言を表示装置9に表示させることもできる。また、前記大当り信頼度の報知は、大当り信頼度が遊技者に報知される限りにおいて他の報知手段による報知を併用するものであっても良く、例えば、音声による報知や、表示手段に表示される図形や図形の数による報知をキャラクタとともに表示するものであっても良い。
【0140】
また、前記固有の識別情報に対応するキャラクタのデータは、キャラクタ決定手段が前記固有の識別情報に対応するキャラクタのデータを決定する際に参照することが可能な限りにおいて、遊技機の何処に記憶されていてもよいが、本実施例では、副制御回路40のプログラムROM43に記憶されている。
【実施例2】
【0141】
本実施例では、本発明に係るシミュレーションプログラムの一実施形態を説明する。
図17は、上述した遊技機と同様の遊技仕様を有するシミュレーションゲームプログラムであり、ROMカートリッジ、CD−ROM、DVD等の記録媒体に記憶させたり、通信衛星等のネットワーク環境下、あるいはインターネット等の通信回線を利用して配布されるものである。
【0142】
図17において、本シミュレーションゲームプログラムは、コンピュータ102に、複数の図柄群を表示手段103に変動表示してその変動表示を停止させるようにしたシミュレーションゲームプログラムであって、変動表示にともなって、変動表示に関連した演出を複数の演出から選択して表示を行なう。
【0143】
そして、テレビゲームコントローラやパソコン等のコンピュータ102に大当り信頼度の報知を実行させるものであり、識別情報記憶媒体14に記憶された固有の識別情報を情報読み取り手段101を介してコンピュータ102に読み取らせて、識別情報記憶媒体14の固有の識別情報に対応するキャラクタによって大当り信頼度を報知するとともに、コンピュータ102に接続された表示手段103上に表示装置9、始動口12や大入賞口13を含めた遊技盤18の全体の画像を写し出し、ハンドルに変わるキーボード上に特定キーや専用操作ボタン等からなる操作スイッチ104を操作しながら疑似遊技が楽しめるようになっている。
【0144】
この結果、家庭用ゲーム機等において遊技機と同様に、識別情報記憶媒体14に記憶された固有の識別情報を読み取って、その固有の識別情報に対応するキャラクタによって大当り信頼度を報知表示することができるので、この報知された大当り信頼度によって、遊技に対する興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明による遊技機の一実施例を示す概略斜視図。
【図2】本発明による遊技機に備わる載置台10の説明図で、(a)は載置台10の概略断面図、(b)は概略平面図。
【図3】識別情報記憶媒体の説明図で、(a)は識別情報記憶媒体14の概略正面図、(b)は識別情報記憶媒体14の概略底面図、(c)は識別情報記憶媒体14を載置台10にはめ込んだ状態を示す要部概略断面図。
【図4】識別情報記憶媒体を載置しない場合の大当り信頼度報知の一例を示す説明図。
【図5】識別情報記憶媒体を載置した場合の大当り信頼度報知の一例を示す説明図。
【図6】遊技機の制御系のブロック図。
【図7】本発明による遊技機の制御系のフロー図(主制御回路メイン処理)。
【図8】本発明による遊技機の制御系のフロー図(システムタイマ割り込み処理)。
【図9】本発明による遊技機の制御系のフロー図(特別図柄制御処理)。
【図10】本発明による遊技機の制御系のフロー図(特別図柄記憶チェック処理)。
【図11】本発明による遊技機の制御系のフロー図(変動パターン決定処理)。
【図12】リーチ選択テーブルを示す説明図。
【図13】本発明による遊技機の制御系のフロー図(副制御回路メイン処理)。
【図14】本発明による遊技機の制御系のフロー図(副制御回路コマンド受信処理)。
【図15】本発明による遊技機の制御系のフロー図(大当り信頼度報知決定処理)。
【図16】載置台にフィギュアが載置され場合のキャラクタ選択テーブル。
【図17】本発明の実施例2によるシミュレーションプログラムを示すブロック図。
【符号の説明】
【0146】
9:表示装置(表示手段)
10:載置台(受入れ手段)
48:読み取り手段(ICチップリーダ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の識別情報の変動表示が可能な表示手段と、
前記識別情報の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に遊技機を制御する大当り制御手段と、
前記識別情報が特定の表示結果となり得るリーチ状態から大当り遊技状態に発展する大当り信頼度を決定する大当り信頼度決定手段と、
前記表示手段に所定の演出を表示させる表示制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記遊技機に設けられ、固有の識別情報を記憶した識別情報記憶媒体を受け入れる識別情報記憶媒体の受入れ手段と、
前記識別情報記憶媒体の受入れ手段に受け入れられた識別情報記憶媒体から固有の識別情報を読み取る情報読み取り手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記大当り信頼度決定手段によって決定された大当り信頼度と前記固有の識別情報とに基づいてキャラクタを決定するキャラクタ決定手段と、
前記キャラクタ決定手段で決定されたキャラクタを表示させるキャラクタ表示制御手段とを含むことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
識別情報記憶媒体の受入れ手段は、識別情報記憶媒体を載置可能な凹部を有する載置台であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
識別情報記憶媒体には、固有の識別情報を記憶したICチップが備えられており、
情報読み取り手段は、前記識別情報記憶媒体が前記識別情報記憶媒体の受入れ手段に接触したときのみに、前記識別情報記憶媒体のICチップから固有の識別情報を読み出すことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
キャラクタ決定手段は、大当り信頼度と固有の識別情報に基づいて複数のキャラクタを決定し、前記複数のキャラクタは一連の関連性を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
コンピュータを、
前記識別情報の表示結果が特定の表示結果となったときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御する大当り制御手段と、
前記識別情報が特定の表示結果となり得るリーチ状態から大当り遊技状態に発展する大当り信頼度を決定する大当り信頼度決定手段と、
所定の演出を表示手段に表示させる表示制御手段として機能させるためのシミュレーションプログラムであって、
識別情報記憶媒体に記憶された固有の識別情報を読み取る情報読み取り手段を備え、
前記表示制御手段は、前記大当り信頼度決定手段によって決定された大当り信頼度と前記固有の情報とに基づいてキャラクタを決定するキャラクタ決定手段と、
前記キャラクタ決定手段で決定されたキャラクタを表示させるキャラクタ表示制御手段として機能させるためのシミュレーションプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−181300(P2006−181300A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381447(P2004−381447)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】