説明

遊技機及び遊技台

【課題】 遊技店における設置作業や保守作業を容易にすることができるとともに、遊技機の上部の空間を十分に活用し、遊技者の身体や身体の状態に対応した位置に遊技機を位置づけることができる遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技機支持体に対して遊技機本体を移動させる移動方向と移動させる移動距離との少なくとも一方の情報を含む移動指示信号に応じて駆動電力を生成し、駆動電力に応じて、遊技機本体を遊技機支持体に対して移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
位置を調整することができる遊技機及び遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、
(1) 複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、
(2) 遊技メダルやコイン等(以下、メダル等)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、
(3) 複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、
(4) 複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、
(5) スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
【0003】
さらに、従来の遊技機では、ホールなどの遊技店に遊技機を設置したときに、一定の高さに固定されていたために、遊技者の各々に適した高さにならない場合があった。このように、遊技機が遊技者に適した高さになっていない場合には、遊技者は、遊技しにくくなるだけでなく、無理な姿勢を遊技者に強いるものであった。
【0004】
このような問題を解決するために、遊技者の身長や座高に合せて高さを調整することができる遊技機も提案されている。この従来の遊技機は、遊技機の上部に設けられたプーリーを介して、遊技機と、遊技機とほぼ同じ重さを有する錘とのバランスを図りつつ、遊技機を上下動できるように構成されたものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、上述した従来の遊技機は、手動によって、遊技機を上下動させるものであった。すなわち、錘は、遊技機とほぼ同じ重さを有するので、従来の遊技機は、遊技者が手動で遊技機を動かしたとしても、遊技機の重さを感じさせにくくして、容易に遊技機を動かすことができるようにしたものである。
【0006】
また、このように、従来の遊技機は、遊技者が手動で上下移動できるようにしたものであるが故に、遊技者が遊技機に触れることで、遊技機の位置が不安定になる場合があり、遊技の進行させるために支障が生ずることもあり得る。このため、従来の遊技機には、一定の位置で遊技機を位置づけることができるようにするために、ロックピンを用いて遊技機を保持するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−79914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来の遊技機は、手動で上下方向に移動できるようにしたものであった。しかし、遊技機を単に上下に移動できるようにしただけでは、遊技者は、遊技機の重さに対抗する力を加えなければならなかった。このため、僅かな力で遊技機を動かすことができるようにすべく、遊技機とほぼ同じ重さを有する錘が必要となった。しかしながら、このように構成した場合には、錘を含めると、装置全体で、遊技機の2倍の重さとなるため、遊技店における設置作業や保守作業が困難になったり煩雑になったりせざるを得なかった。
【0009】
また、遊技機と錘とのバランスを図るために、遊技機の上部にプーリーなどの部材を設ける必要があった。このため、遊技機の上部の空間を十分に活用することができなかった。
【0010】
さらに、ロックピンを用いて遊技機を保持するようにしていたが、ロックピンによる保持も遊技者による手動で行うものであったため、遊技者がロックすることを忘れた場合には、遊技機の位置が不安定になることで、遊技の進行を妨げる可能性があった。
【0011】
さらにまた、ロックピンによる保持は、遊技機の下部に予め形成された複数の孔の1つにロックピンを挿入して行うものであった。このため、複数の孔のうちの一つを選択してロックピンを挿入する必要があったので、遊技機の位置は、形成された孔の位置によって定められてしまい、遊技者が所望する任意の位置に位置づけることができるものではなかった。このため、従来の遊技機は、遊技者の身体や身体の状態に対応した位置に遊技機を位置づけることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技店における設置作業や保守作業を容易にすることができるとともに、遊技機の上部の空間を十分に活用し、遊技者の身体や身体の状態に対応した位置に遊技機を位置づけることができる遊技機を提供することにある。
【0013】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
【0014】
(1) 遊技機本体(例えば、後述するC1−1やパチスロ10)と、前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1やパチスロ10)を移動可能に支持する遊技機支持体(例えば、後述するC1−2やパチスロ支持体300など)とを有する遊技機であって、
前記遊技機支持体(例えば、後述するC1−2やパチスロ支持体300など)に対して前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1やパチスロ10)を移動させる移動方向と移動させる移動距離との少なくとも一方の情報を含む移動指示信号を発する信号出力手段(例えば、後述するC1−3や操作パネル330など)と、
前記信号出力手段(例えば、後述するC1−3や操作パネル330など)から発せられた前記移動指示信号に応じた駆動電力を生成して出力する制御手段(例えば、後述するC1−4や上下移動制御回路340など)と、
前記駆動電力が供給され、前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1やパチスロ10)を前記遊技機支持体(例えば、後述するC1−2やパチスロ支持体300など)に対して移動させる駆動手段(例えば、後述するC1−5や電動モータ316など)と、を有することを特徴とする遊技機。
【0015】
(1)記載の遊技機によれば、駆動電力が供給されることで遊技機本体を移動させる駆動手段を有するので、遊技者は、自己の力を用いることなく、駆動手段によって、容易にかつ所望する位置に遊技機本体を移動させて位置づけることができる。また、バランスを図るための錘を不要にでき、軽量化を図ることができ、遊技店における設置作業や保守作業を容易にすることができる。
【0016】
(2) 前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)は、互いに向かい合うように形成された第1の側面(例えば、後述するC2−1や、右側面136Rなど)及び第2の側面(例えば、後述するC2−2や、左側面136Lなど)と、前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)の底部を形成する底面(例えば、後述するC2−3や、底面136Bなど)とを有し、
前記遊技機支持体(例えば、後述するC1−2や、パチスロ支持体300など)は、前記第1の側面(例えば、後述するC2−1や、右側面136Rなど)に面した第1の保持側面(例えば、後述するC2−4や、支持側面602Rなど)と、前記第2の側面(例えば、後述するC2−2や、左側面136Lなど)に面した第2の保持側面(例えば、後述するC2−5や、支持側面602Lなど)と、前記底面(例えば、後述するC2−3や、底面136Bなど)に面した保持底面(例えば、後述するC2−6や、支持底面602Bなど)と、を有する可動支持部材(例えば、後述するC2−7や、可動支持部材600など)を備え、
前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)は、前記保持底面(例えば、後述するC2−6や、支持底面602Bなど)上に載置されて前記保持底面(例えば、後述するC2−6や、支持底面602Bなど)によって支持され、かつ、前記第1の保持側面(例えば、後述するC2−4や、支持側面602Rなど)と前記第2の保持側面(例えば、後述するC2−5や、支持側面602Lなど)とによって挟持されることで、前記可動支持部材(例えば、後述するC2−7や、可動支持部材600など)によって保持され、
前記駆動手段(例えば、後述するC1−5や、電動モータ316など)は、前記第1の保持側面(例えば、後述するC2−4や、支持側面602Rなど)を支持しつつ移動させる第1の駆動手段(例えば、後述するC2−8や、右側板状体302Rの電動モータ316など)と、前記第2の保持側面(例えば、後述するC2−5や、支持側面602Lなど)を支持しつつ移動させる第2の駆動手段(例えば、後述するC2−9や、左側板状体302Lの電動モータ316など)と、を有し、
前記制御手段(例えば、後述するC1−4や、上下移動制御回路340など)は、前記移動指示信号に応じて、前記第1の駆動手段(例えば、後述するC2−8や、右側板状体302Rの電動モータ316など)に供給する第1駆動電力と、前記第2の駆動手段(例えば、後述するC2−9や、左側板状体302Lの電動モータ316など)に供給する第2駆動電力と、を生成することを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
【0017】
(2)記載の遊技機によれば、駆動手段は、遊技機本体の側部に設けられているので、遊技機本体の上部や下部に空間を確保することができる。このため、確保した空間を遊技者に開放することで、荷物などの遊技者の所有物を載置する場所として、遊技者に提供することができる。
【0018】
また、支持底面によって支持され、かつ、第1の支持側面と第2の支持側面とによって挟持されるので、遊技機本体を、安定して保持しつつ移動させることができる。
【0019】
なお、前記遊技機本体は、
略直方体状の形状を有し、
遊技者によって操作されることができ、遊技を進行するための遊技操作部が設けられた前面と、
前記前面に対して略垂直に形成され、かつ、互いに向かい合うように形成された第1の側面及び第2の側面と、
前記遊技機本体の底部を形成する底面と、
前記遊技機本体の天部を形成する天面と、を有するものが好ましい。
【0020】
このようにしたことで、第1の側面と第1の支持側面との間で接触する領域を大きくでき、第2の側面と第2の支持側面との間で接触する領域を大きくでき、さらに、底面と支持底面との間で接触する領域を大きくすることができるので、遊技機本体を可動支持部材によって的確に保持することができるともに、遊技機本体を安定させて移動させることができる。
【0021】
特に、第1の側面と第1の支持側面との間で略平行になる領域が大きくなるように、第2の側面と第2の支持側面との間で略平行になる領域が大きくなるように、底面と支持底面との間で略平行になる領域が大きくなるように、これらの面を形成するのが好ましい。このようにすることで、接触する領域をさらに大きくし、さらに、安定性を高めることができる。
【0022】
また、
前記第1の支持側面と、前記第2の支持側面とは、互いに向かい合い、
前記支持底面は、第1の支持底面端部と第2の支持底面端部とを有し、
前記第1の支持側面は、前記第1の支持底面端部から略垂直に延出し、前記第2の支持側面は、前記第2の支持底面端部から略垂直にかつ前記第1の支持側面と同じ方向に延出したものが好ましい。
【0023】
このようにしたことで、第1の側面と第1の支持側面との間で略平行になる領域を大きくでき、第2の側面と第2の支持側面との間で略平行になる領域を大きくでき、さらに、底面と支持底面との間で略平行になる領域を大きくできるともに、接触する領域をさらに大きくできるので、遊技機本体を移動させるときにおける安定性を高めることができる。
【0024】
さらに、
前記第1の側面及び前記第1の支持側面の間に生じ得る第1の間隙と、前記第2の側面及び前記第2の支持側面の間に生じ得る第2の間隙との少なくとも一方の間隙に、間隙保持手段が設けられているものが好ましい。
【0025】
このようにしたことで、第1の側面と第1の支持側面との間に間隙が生じた場合や、第2の側面と第2の支持側面との間に間隙が生じた場合などであっても、間隙保持手段によって遊技機本体を可動支持部材に対して的確に保持することができ、遊技機本体を安定させて移動させることができる。例えば、間隙保持手段は、第1の側面や第2の側面に向かって突出して接触し、第1の側面や第2の側面を圧して押さえつける(押圧する)押圧手段を有するものが好ましい。
【0026】
(3) 前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)は、
遊技者によって操作されることができ、遊技を進行するための遊技操作部(例えば、後述するC3−1や、スタートレバー110やストップボタン112L、112C又は112Rなど)であって、前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)の前面に設けられた遊技操作部(例えば、後述するC3−1や、スタートレバー110やストップボタン112L、112C又は112Rなど)と、
前記遊技機本体の底部を形成する底面(例えば、上述したC2−3や、底面136Bなど)と、
前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)の天部を形成する天面(例えば、後述するC3−2や、天面136Tなど)と、を有し、
前記遊技機支持体(例えば、後述するC1−2や、パチスロ支持体300など)は、
前記底面(例えば、後述するC2−3や、底面136Bなど)に向かい合うように形成された支持底面(例えば、後述するC3−3や、底部板状体302Bなど)と、
前記天面(例えば、後述するC3−2や、天面136Tなど)に向かい合うように形成された支持天面(例えば、後述するC3−4や、天部板状体302Tなど)と、を有し、
前記底面(例えば、後述するC2−3や、底面136Bなど)及び前記支持底面(例えば、後述するC3−3や、底部板状体302Bなど)の間の下部空間(例えば、後述するC3−5や、下部空間326Dなど)と、前記天面(例えば、後述するC3−2や、天面136Tなど)及び前記支持天面(例えば、後述するC3−4や、天部板状体302Tなど)の間の上部空間(例えば、後述するC3−6や、上部空間326Uなど)との少なくとも一方の空間が形成され、
前記下部空間(例えば、後述するC3−5や、下部空間326Dなど)が形成された場合には、下部空間(例えば、後述するC3−5や、下部空間326Dなど)を覆う下部被覆体(例えば、後述するC3−7や、下部シャッター360D、下部シャッター460D、下部シャッター560Dなど)が、前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)の前面の下部に着脱可能に設けられ、
前記上部空間(例えば、後述するC3−6や、上部空間326Uなど)が形成された場合には、上部空間(例えば、後述するC3−6や、上部空間326Uなど)を覆う上部被覆体(例えば、後述するC3−8や、上部シャッター360U、上部シャッター460U、上部シャッター560Uなど)が、前記遊技機本体(例えば、後述するC1−1や、パチスロ10など)の前面の上部に着脱可能に設けられたことを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
【0027】
(3)記載の遊技機によれば、下部空間が形成された場合には、下部被覆体を設け、上部空間が形成された場合には、上部被覆体を設けたので、遊技機の上部や下部に空間が形成されたような場合であっても、上部被覆体や下部被覆体によって、これらの空間を覆うことができ、遊技機の外観を向上させることができる。また、上部空間や下部空間を、遊技者の荷物などの所有物を収納する収納空間として使用する場合には、上部被覆体や下部被覆体で覆うことによって、簡易ロッカーとして機能させることができる。
【0028】
特に、
前記上部被覆体を前記遊技機本体又は前記天面に係止する上部係止手段と、
前記下部被覆体を前記遊技機本体又は前記底面に係止する下部係止手段と、を有するものが好ましい。
【0029】
このようにしたことで、上部被覆体を遊技機本体又は天面に対してロックすることができるとともに、下部被覆体を遊技機本体又は底面に対してロックすることができるので、遊技者が休憩などで遊技機から離れる場合であっても、安心して所有物を置いたままにすることができる。さらに、このように、簡易ロッカーとして機能させることができるので、遊技店が遊技者の荷物を預かることを不要にでき、遊技者に対するサービスを低下させることなく、遊技店の負担を軽くすることができる。
【0030】
また、上部被覆体や下部被覆体を着脱可能に設けたので、上部被覆体や下部被覆体を必要としない遊技者に対しても対応することができる。例えば、足の不自由な遊技者が遊技をする場合には、下部被覆体を取り外すことによって、下部空間を開放することで、遊技者の足を下部空間に入れることができ、足の安全を確保したり、遊技者に無理な姿勢をさせたりすることなく、遊技を楽しませることができる。
【発明の効果】
【0031】
遊技店における設置作業や保守作業を容易にすることができるとともに、遊技機の上部の空間を十分に活用し、遊技者の身体や身体の状態に対応した位置に遊技機を位置づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の機能フローの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の内部の概略を示す正面図である。
【図4】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の主制御回路150の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の副制御回路250の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の図柄配置テーブルを示す図である。
【図7】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の図柄組合せテーブルを示す図である。
【図8】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のボーナス作動時テーブルを示す図である。
【図9】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図10】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のRB作動中用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図11】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図12】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図13】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の内部当籤役(表示役)格納領域を示す図である。
【図14】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の持越役格納領域を示す図である。
【図15】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の作動中フラグ格納領域を示す図である。
【図16】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154の制御によるメインフローチャートである。
【図17】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行される内部抽籤処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるリール停止制御処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154の制御による割込処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。
【図24】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により行われる演出登録タスクを示すフローチャートである。
【図25】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明による遊技機100を遊技店に設置した状態を示す斜視図である。
【図27】パチスロ支持体300の概略を示す斜視図である。
【図28】駆動部の詳細を示す正面図(a)と断面図(b)とである。
【図29】上下移動制御回路340の構成を示すブロック図である。
【図30】上述した上下移動制御回路340の移動制御CPU342によって実行される処理を示すサブルーチンである。
【図31】上部シャッター360U及び下部シャッター360Dを示す正面図である。
【図32】上部シャッター360U及び下部シャッター360Dを示す断面図である。
【図33】上部シャッター360Uを開閉させている過程の状態を示す正面図(a)と、断面図(b)とである。
【図34】下部シャッター360Dを開閉させている過程の状態を示す正面図(a)と、断面図(b)とである。
【図35】遊技機100から下部シャッター360Dを取り外したときの状態を示す斜視図である。
【図36】安定保持部材380の構造を示す断面図(a)と、安定保持部材380が牽引された状態を示す断面図(b)と、安定保持部材380が突出した状態を示す断面図(c)とである。
【図37】安定保持部材380によってパチスロ10を保持した状態の概略を示す正面図である。
【図38】上部シャッター460Uを示す正面図(a)と断面図(b)とである。
【図39】第2の実施の形態による上部シャッター560Uを開閉させている過程の状態を示す正面図(a)と、断面図(b)とである。
【図40】第3の実施の形態によるパチスロ10と可動支持部材600とを示す斜視図である。
【図41】第3の実施の形態によるパチスロ10を可動支持部材600に取り付け、パチスロ10が取り付けられた可動支持部材600をパチスロ支持体300に取り付けた状態を示す正面図である。
【図42】第4の実施の形態における副制御回路250の構成を示すブロック図である。
【図43】副制御回路250のサブCPU252で実行される演出登録の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0034】
<<<<第1の実施の形態>>>>
この第1の実施の形態による遊技機は、遊技機本体と遊技機支持体とからなる。この遊技機本体は、後述するパチスロ10に対応し、遊技機支持体は、後述するパチスロ支持体300に対応する。
【0035】
[パチスロ10の機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機100(以下、パチスロ10と称する。)の機能フローについて説明する。
【0036】
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー110(操作手段、開始操作手段)が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0037】
内部抽籤手段(内部当籤役決定手段)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述する入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示を行うことを許可する図柄(識別情報)の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0038】
続いて、複数のリール120L、120C及び120R(識別情報表示手段)の回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン112L、112C及び112R(操作手段、停止操作手段)が押されると、単位遊技制御手段(遊技制御手段)は、内部当籤役とストップボタン112L、112C及び112Rが押されたタイミングとに基づいて、リール停止制御手段に対して該当するリールの回転を停止するための制御を行い、単位遊技の進行を制御する。なお、単位遊技については、後述する。
【0039】
ここで、パチスロ10では、基本的に、ストップボタン112L、112C及び112Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0040】
リール停止制御手段は、単位遊技制御手段(遊技制御手段)による制御に応じて、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ライン126a〜126eに沿って極力表示されるようにリール120L、120C又は120Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示されることがないようにリール120L、120C又は120Rの回転を停止する。
【0041】
こうして、複数のリール120L、120C及び120R(識別情報表示手段)の回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ10における1回の遊技として行われる。
【0042】
また、パチスロ10では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置210(演出実行手段)により行う映像の表示、各種ランプ212(演出実行手段)により行う光の出力、スピーカ214(演出実行手段)により行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
【0043】
遊技者によりスタートレバー110が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(演出制御手段)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
【0044】
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール120L、120C及び120Rの回転が開始されるとき、各リール120L、120C及び120Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ10では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
【0045】
(パチスロ10の概略)
このパチスロ10は、投入された遊技媒体がベットされたことに基づいて単位遊技を開始する。この単位遊技が行われた結果、所定の内部抽籤役に入賞したときには、その入賞の態様に基づいて遊技媒体(例えば、上述したメダル)が払い出される遊技機である。図1に示すように、パチスロ10は、ストップボタン112L、112C及び112R(操作手段、停止操作手段)と、スタートレバー110(操作手段、開始操作手段)とを有する。
【0046】
ストップボタン112L、112C及び112Rは、遊技者が操作することができるものであるとともに、単位遊技を進行させるための操作信号を遊技者の操作に基づいて発する。単位遊技は、上述したように、パチスロ10(遊技機)に投入された遊技媒体がベットされたことに基づいて開始される。
【0047】
遊技媒体は、例えば、上述したメダルに相当する。この遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためにパチスロ10に投入すべき媒体である。例えば、略円板状のコインやメダルやチップのほか、略球状の遊技球等もある。遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためのものであればよく、具体的な物体や物品に限られず、パチスロ10とアクセスできる磁気カードのような記憶媒体に記憶された記憶媒体情報や、携帯電話のような情報端末装置に記憶された記憶媒体情報が示す値や内容でもよい。なお、このような記憶媒体情報を用いるときには、記憶媒体情報を現実の物体や物品に換算したり変換したりできるように構成するのが好ましい。
【0048】
また、遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためのものであればよく、遊技媒体が単に投入されただけでは、単位遊技が始まるわけではなく、遊技媒体が投入され、さらに、投入された遊技媒体を少なくとも一部をベットの対象とする操作(ベット操作)を経て、単位遊技が開始される。なお、後述するように、再遊技役に入賞させることができたときには、遊技媒体をベットの対象とすることなく、単位遊技を開始することができる。本実施の形態では、この一の単位遊技におけるベット操作によって、ベットの対象とされた遊技媒体の数をベット数と称する。
【0049】
上述した単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技であり、一般には、遊技者によってスタートレバー110が操作されたことに基づいて開始され、ストップボタン112L、112C及び112Rが操作されたことに基づいて終了する遊技である。さらに、単位遊技の開始を、後述するベットボタン132(図2参照)が遊技者によって操作(ベット操作)されたことに基づいて定めてもよい。
【0050】
いずれにしても、単位遊技は、遊技者の操作に基づいて開始されるものであればよい。なお、これは、遊技者の操作があったときに、単位遊技を直ちに開始することを意味するものではない。すなわち、遊技者によってスタートレバー110の操作があったタイミングや、遊技者によってベットボタン132の操作があったタイミングから、所定の時間遅延した後に、単位遊技が始まるようにすることができる。この単位遊技が実際に始まるタイミングは、後述する変動表示手段において識別情報の変動が開始されたときのタイミングにするのが好ましい。
【0051】
遊技者によってメダル等の遊技媒体が投入されると、その遊技媒体は、単位遊技を行うための賭けの対象とされる。なお、規定数以上の遊技媒体が投入された場合には、遊技媒体計数手段(メダルカウンタ(図示せず))によって、投入された遊技媒体の数が計数され、その計数値はクレジット数として遊技媒体計数値記憶手段(図示せず)に記憶される。遊技者によってベットボタン132が操作されてベット操作が行われたりすると、投入されている遊技媒体や、クレジット数が記憶されている遊技媒体のうちの所定の数のものが賭けの対象とされる。すなわち、この所定の数の遊技媒体が、その単位遊技を行うための賭けの対象とされる。
【0052】
次いで、遊技者によって、スタートレバー110が操作されると、乱数発生手段と乱数抽出手段によって、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。すなわち、乱数発生手段は、所定の正の整数の範囲(例えば10進法で0〜65535)の整数値を所定のタイミング毎に1つずつ発生させ続けている。乱数抽出手段は、スタートレバー110が遊技者によって操作されたときのタイミングで乱数発生手段から発生された整数値を乱数(ハードウェア乱数等)として抽出する。
【0053】
次に、内部抽籤手段は、上述した乱数抽出手段によって抽出された乱数値に基づいて、役の当籤の有無や当籤役が判定される。この内部抽籤手段によって、「内部抽籤処理」が行われる。この「内部抽籤処理」は、遊技についての「当り」又は「外れ」(ハズレ)を定める抽籤処理である。なお、「当り」は、いずれかの役に当籤したことを意味し、「外れ」は、いずれの役にも当籤しなかったことを意味する。
【0054】
内部抽籤手段は、乱数判定手段を有する。乱数判定手段は、内部抽籤テーブル記憶手段を有する。乱数判定手段は、乱数抽出手段によって抽出された乱数値を、内部抽籤テーブル記憶手段に記憶された内部抽籤テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。内部抽籤テーブル記憶手段には、複数の遊技状態と役の種類とに応じて、内部抽籤テーブルが記憶されている。
【0055】
単位遊技の遊技状態は、例えば、一般遊技状態やRB遊技状態やBB遊技状態等がある。内部抽籤テーブルは、これらの遊技状態の各々と、その遊技状態で抽籤される役とに対応して構成されている。上述したように、乱数抽出手段が抽出した乱数値を、内部抽籤テーブルと照合することにより、役に当籤したか否かを判定したり、当籤したときには、その当籤役が判定したりする。
【0056】
上述したように、遊技者によって、スタートレバー110が操作されたことに基づいて、内部抽籤手段により内部抽籤処理が行われる。その後、リール120L、120C及び120Rの回転制御及び停止制御が行われる。パチスロ10は、リール駆動制御手段(リール制御手段)を有する。リール駆動制御手段は、リール回転制御手段とリール停止制御手段とを有する。このリール120L、120C及び120Rの回転制御によって、識別情報の「移動表示」が行われ、停止制御によって、識別情報の「停止表示」が行われる。
【0057】
リール回転制御手段は、遊技者によってスタートレバー110が操作されたときに、3つのリール120L、120C及び120Rを回転駆動するためのステッピングモータに電力を供給して、3つのリール120L、120C及び120Rを回転させる。一方、リール停止制御手段は、ストップボタン112L、112C又は112Rが遊技者によって操作されたときに、操作されたストップボタンに対応したリールを駆動するステッピングモータの電力を制御して、そのリールを停止させる。後述するように、ストップボタン112Lは、リール120Lに対応し、ストップボタン112Cは、リール120Cに対応し、ストップボタン112Rは、リール120Rに対応している。このリール停止制御手段は、内部抽籤手段(内部当籤役決定手段C1−1)の内部抽籤処理の結果と、ストップボタン112L、112C又は112Rが操作されたタイミングとに応じて、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。
【0058】
内部抽籤手段の内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合(成立した場合)には、リール停止制御手段は、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。具体的には、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲(最大滑りコマ数や滑りコマ数、例えば、4コマ)に含まれている場合には、その図柄が、有効化された入賞判定ライン上に位置するように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。このように、当籤した所定の役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うようにリールの停止制御を行うことを「引き込み制御」と称する。このように、当籤した所定の役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることによって、当籤した所定の役に「入賞」させることができる。
【0059】
また、内部抽籤手段の内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合であっても、リール停止制御手段は、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲に含まれていない場合には、上述した「引き込み制御」によって、当籤した役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることができない。このような場合には、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。このように、当籤した役に対応する図柄の並びが揃わないようにリールの停止制御を行うことを「蹴飛ばし制御」と称する。このように、「蹴飛ばし制御」をすることによって、当籤した所定の役に「入賞」させることはできず、「非入賞」となる。
【0060】
一方、内部抽籤手段の内部抽籤処理によっていずれの役にも当籤しなかった場合、すなわち、外れた場合には、リール停止制御手段は、役に対応した図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないように3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。この場合も上述した「蹴飛ばし制御」によって、リールの停止制御を行う。このようにすることで、に対応した図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないようにリールの停止制御を行うことができる。このように、「蹴飛ばし制御」をすることによって、いかなる役にも「入賞」させることはできず、「非入賞」することになる。
【0061】
単位遊技制御手段(遊技制御手段)は、停止識別情報抽出手段を有する。リール停止制御手段によって、3つのリール120L、120C及び120Rの全てが停止したときには、停止識別情報抽出手段によって、入賞判定ライン上に並んだ図柄を検出する。このようにすることで、3つのリール120L、120C及び120Rの全てが停止したときに、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄の並びが、内部抽籤処理の結果に対応したものになっているかを判断することができる。
【0062】
上述したように、停止識別情報抽出手段によって、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄が内部抽籤処理に対応したものになっているか否かを判断した後、入賞処理を実行する。すなわち、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄が、当籤した役に対応したものであるときには、当籤した役に応じた入賞処理、例えば、所定の数の遊技媒体を払い出す処理をしたり、別の遊技状態に移行させる処理をしたりする。また、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄が外れのものであった場合には、直ちに次の単位遊技を開始するための処理に移行する。
【0063】
<<遊技機の構成>>
上述したように、第1の実施の形態による遊技機は、遊技機本体と遊技機支持体とからなる。この遊技機本体はパチスロ10に対応し、遊技機支持体は、パチスロ支持体300に対応する。遊技機支持体は、遊技機本体を移動可能に支持する。
【0064】
さらに、遊技機は、信号出力手段と制御手段と駆動手段とを有する。
【0065】
信号出力手段は、移動指示信号を発する。移動指示信号は、遊技機本体を移動させる移動の方向と、遊技機本体を移動させる移動の距離との少なくとも一方の情報を含む信号である。この遊技機本体の移動は、遊技機本体を遊技機支持体に対して移動させるものである。
【0066】
制御手段は、駆動電力を生成して出力する。駆動電力は、上述した信号出力手段から発せられた移動指示信号に応じた電力である。例えば、遊技機本体を移動させる移動の方向や、遊技機本体を移動させる移動の距離に応じて決定された電力である。
【0067】
駆動手段は、制御手段から供給された駆動電力に応じて、遊技機本体を遊技機支持体に対して移動させる。
【0068】
遊技機本体は、例えば、上述した遊技機本体C1−1や、後述するパチスロ10に対応する。遊技機支持体は、例えば、上述したC1−2や、後述するパチスロ支持体300に対応する。信号出力手段は、例えば、上述したC1−3や、後述する操作パネル330に対応する。制御手段は、例えば、上述したC1−4や、後述する上下移動制御回路340に対応する。駆動手段は、例えば、上述したC1−5や、後述する電動モータ316に対応する。
【0069】
このようにしたことで、駆動電力が供給されることで遊技機本体を移動させる駆動手段を有するので、遊技者は、自己の力を用いることなく、駆動手段によって、容易にかつ所望する位置に遊技機本体を移動させて位置づけることができる。また、バランスを図るための錘を不要にでき、軽量化を図ることができ、遊技店における設置作業や保守作業を容易にすることができる。
【0070】
なお、前記信号出力手段は、
遊技者によって操作されることができ、遊技者の操作に応じた操作信号を発する被操作部と、
前記操作信号に応じて前記移動指示信号を生成する移動指示信号生成と、を有するものが好ましい。
【0071】
このように、被操作部と移動指示信号生成とを有する構成にしたことで、遊技者の意思を反映させて、遊技者が所望する位置に遊技機を移動させて位置づけることができる。
【0072】
さらに、上述した遊技機本体は、第1の側面及び第2の側面と、底面とを有する。第1の側面及び第2の側面は、遊技機本体の側面を構成する面であり、互いに向かい合うように形成されている面である。また、底面は、遊技機本体の底部を形成する面である。
【0073】
遊技機支持体は、可動支持部材を有する。この可動支持部材は、遊技機支持体に対して移動できるように構成されている。さらに、この可動支持部材には、後述するように、遊技機支持体が置かれる(載置される)。
【0074】
可動支持部材は、第1の保持側面と第2の保持側面と保持底面とを有する。第1の保持側面は、可動支持部材に遊技機支持体が載置されたときに、上述した第1の側面に面する面である。第2の保持側面は、可動支持部材に遊技機支持体が載置されたときに、上述した第2の側面に面する面である。保持底面、可動支持部材に遊技機支持体が載置されたときに、上述した底面に面する面である。
【0075】
遊技機本体は、可動支持部材の保持底面上に載置されたときに、保持底面によって支持される。さらに、遊技機本体は、可動支持部材の保持底面上に載置されたときには、第1の保持側面と第2の保持側面とによって挟まれた状態で支持される(挟持される)。このように、保持底面による支持と、第1の保持側面及び第2の保持側面による挟持とにより、遊技機本体は、可動支持部材によって保持される。
【0076】
上述した駆動手段は、第1の駆動手段と第2の駆動手段とを有する。第1の駆動手段は、第1の保持側面を支持しつつ移動させる。同様に、第2の駆動手段は、第2の保持側面を支持しつつ移動させる。
【0077】
さらに、上述した制御手段は、第1駆動電力と第2駆動電力とを生成する。第1駆動電力は、第1の駆動手段に供給する電力であり、移動指示信号に応じて生成される。第2駆動電力は、第2の駆動手段に供給する電力であり、移動指示信号に応じて生成される。
【0078】
第1の側面は、例えば、上述した第1の側面C2−1や、後述する右側面136Rに対応する。第2の側面は、例えば、上述した第2の側面C2−2や、後述する左側面136Lに対応する。底面は、例えば、上述した底面C2−3や、後述する底面136Bに対応する。第1の保持側面は、例えば、上述した第1の保持側面C2−4や、後述する支持側面602Rに対応する。第2の保持側面は、例えば、上述した第2の保持側面C2−5や、後述する支持側面602Lに対応する。保持底面は、例えば、上述した保持底面C2−6や、後述する支持底面602Bに対応する。
【0079】
可動支持部材は、例えば、上述した可動支持部材C2−7や、後述する可動支持部材600に対応する。第1の駆動手段は、例えば、上述した第1の駆動手段C2−8や、後述する右側板状体302Rの電動モータ316に対応する。第2の駆動手段は、例えば、上述した第2の駆動手段C2−9や、後述する左側板状体302Lの電動モータ316に対応する。
【0080】
このようにしたことにより、駆動手段は、遊技機本体の側部に設けられているので、遊技機本体の上部や下部に空間を確保することができる。このため、確保した空間を遊技者に開放することで、荷物などの遊技者の所有物を載置する場所として、遊技者に提供することができる。
【0081】
また、支持底面によって支持され、かつ、第1の支持側面と第2の支持側面とによって挟持されるので、遊技機本体を、安定して保持しつつ移動させることができる。
【0082】
なお、前記遊技機本体は、
略直方体状の形状を有し、
遊技者によって操作されることができ、遊技を進行するための遊技操作部が設けられた前面と、
前記前面に対して略垂直に形成され、かつ、互いに向かい合うように形成された第1の側面及び第2の側面と、
前記遊技機本体の底部を形成する底面と、
前記遊技機本体の天部を形成する天面と、を有するものが好ましい。
【0083】
このようにしたことで、第1の側面と第1の支持側面との間で接触する領域を大きくでき、第2の側面と第2の支持側面との間で接触する領域を大きくでき、さらに、底面と支持底面との間で接触する領域を大きくすることができるので、遊技機本体を可動支持部材によって的確に保持することができるとともに、遊技機本体を安定させて移動させることができる。
【0084】
特に、第1の側面と第1の支持側面との間で略平行になる領域が大きくなるように、第2の側面と第2の支持側面との間で略平行になる領域が大きくなるように、底面と支持底面との間で略平行になる領域が大きくなるように、これらの面を形成するのが好ましい。このようにすることで、接触する領域をさらに大きくし、さらに、安定性を高めることができる。
【0085】
また、
前記第1の支持側面と、前記第2の支持側面とは、互いに向かい合い、
前記支持底面は、第1の支持底面端部と第2の支持底面端部とを有し、
前記第1の支持側面は、前記第1の支持底面端部から略垂直に延出し、前記第2の支持側面は、前記第2の支持底面端部から略垂直にかつ前記第1の支持側面と同じ方向に延出したものが好ましい。
【0086】
このようにしたことで、第1の側面と第1の支持側面との間で略平行になる領域を大きくでき、第2の側面と第2の支持側面との間で略平行になる領域を大きくでき、さらに、底面と支持底面との間で略平行になる領域を大きくできるので、接触する領域をさらに大きくできるとともに、遊技機本体を移動させるときにおける安定性を高めることができる。
【0087】
さらに、
前記第1の側面及び前記第1の支持側面の間に生じ得る第1の間隙と、前記第2の側面及び前記第2の支持側面の間に生じ得る第2の間隙との少なくとも一方の間隙に、間隙保持手段が設けられているものが好ましい。
【0088】
このようにしたことで、第1の側面と第1の支持側面との間に間隙が生じた場合や、第2の側面と第2の支持側面との間に間隙が生じた場合などであっても、間隙保持手段によって遊技機本体を可動支持部材に対して的確に保持することができ、遊技機本体を安定させて移動させることができる。例えば、間隙保持手段は、第1の側面や第2の側面に向かって突出して接触し、第1の側面や第2の側面を押圧する押圧手段を有するものが好ましい。
【0089】
遊技機本体は、遊技操作部と底面と天面とを有する。
【0090】
遊技操作部は、遊技者によって操作されることができものであり、遊技者の操作により遊技を進行させるためのものである。遊技操作部は、遊技機本体の前面に設けられている。また、底面は、遊技機本体の底部を形成する面であり、天面は、遊技機本体の天部を形成する面である。
【0091】
さらに、遊技機支持体は、支持底面と支持天面とを有する。支持底面は、底面に向かい合うように形成されている。また、支持天面は、天面に向かい合うように形成されている。
【0092】
底面と支持底面との間には下部空間が形成される場合がある。また、天面と支持天面との間には上部空間が形成される場合がある。下部空間の形成や上部空間の形成は、遊技機支持体に対する遊技機本体の位置に応じて定まる。すなわち、遊技機本体が遊技機支持体に対して最下部まで移動させたときには、下部空間が形成されない場合がある。また、遊技機本体が遊技機支持体に対して最上部まで移動させたときには、上部空間が形成されない場合がある。なお、最下部や最上部の定め方によっては、遊技機本体が最下部に位置する場合でも、下部空間が形成される場合があり、遊技機本体が最上部に位置する場合でも、上部空間が形成される場合がある。いずれにしても、下部空間と上部空間とのうちの少なくとも一方の空間は形成される。
【0093】
さらに、下部空間が形成された場合には、下部空間を覆うための下部被覆体を遊技機本体に取り付けることができる。この下部被覆体は、遊技機本体の前面の下部に着脱可能に設けられる。また、上部空間が形成された場合には、上部空間を覆うための上部被覆体を遊技機本体に取り付けることができる。この上部被覆体は、遊技機本体の前面の上部に着脱可能に設けられる。
【0094】
遊技操作部は、例えば、上述した遊技操作部C3−1や、後述するスタートレバー110やストップボタン112L、112C又は112Rに対応する。底面は、例えば、上述した底面C2−3や、後述する底面136Bに対応する。天面は、例えば、上述した天面C3−2や、後述する天面136Tに対応する。支持底面は、例えば、上述した支持底面C3−3や、後述する底部板状体302Bに対応する。支持天面は、例えば、上述した支持天面C3−4や、後述する天部板状体302Tに対応する。下部空間は、例えば、上述した下部空間C3−5や、後述する下部空間326Dに対応する。上部空間は、例えば、上述した上部空間C3−6や、後述する上部空間326Uに対応する。下部被覆体は、例えば、上述した下部被覆体C3−7や、後述する下部シャッター360D、下部シャッター460D、下部シャッター560Dに対応する。上部被覆体は、例えば、上述した上部被覆体C3−8や、後述する上部シャッター360U、上部シャッター460U、上部シャッター560Uに対応する。また、遊技機本体の前面は、後述する前面136Fに対応する。
【0095】
このようにしたことにより、下部空間が形成された場合には、下部被覆体を設け、上部空間が形成された場合には、上部被覆体を設けたので、遊技機の上部や下部に空間が形成されたような場合であっても、上部被覆体や下部被覆体によって、これらの空間を覆うことができ、遊技機の外観を向上させることができる。また、上部空間や下部空間を、遊技者の荷物などの所有物を収納する収納空間として使用する場合には、上部被覆体や下部被覆体で覆うことによって、簡易ロッカーとして機能させることができる。
【0096】
特に、
前記上部被覆体を前記遊技機本体又は前記天面に係止する上部係止手段と、
前記下部被覆体を前記遊技機本体又は前記底面に係止する下部係止手段と、を有するものが好ましい。
【0097】
ここで、係止とは、係り合って止まることをいう。
【0098】
このようにしたことで、上部被覆体を遊技機本体又は天面に対してロックすることができるとともに、下部被覆体を遊技機本体又は底面に対してロックすることができるので、遊技者が休憩などで遊技機から離れる場合であっても、安心して所有物を置いたままにすることができる。さらに、このように、簡易ロッカーとして機能させることができるので、遊技店が遊技者の荷物を預かることを不要にでき、遊技者に対するサービスを低下させることなく、遊技店の負担を軽くすることができる。
【0099】
また、上部被覆体や下部被覆体を着脱可能に設けたので、上部被覆体や下部被覆体を必要としない遊技者に対しても対応することができる。例えば、足の不自由な遊技者が遊技をする場合には、下部被覆体を取り外すことによって、下部空間を開放することで、遊技者の足を下部空間に入れることができ、足の安全を確保したり、遊技者に無理な姿勢をさせたりすることなく、遊技を楽しませることができる。
【0100】
[パチスロ10の構造]
パチスロ10の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10の構造について説明する。
【0101】
<パチスロ10の外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ10の外部構造を示す。
【0102】
(リール120L、120C及び120Rと表示窓122L、122C及び122R)
パチスロ10は、リール120L、120C及び120Rや主制御回路150や副制御回路250等を収容するキャビネット20と、キャビネット20に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア30とを備える。キャビネット20の内部には、3つのリール120L、120C及び120Rが横並びに設けられている。各リール120L、120C及び120Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
【0103】
フロントドア30の中央には、液晶表示装置210が設けられている。液晶表示装置210は、図柄表示領域122L、122C及び122Rを含む表示画面124を備え、正面から見て3つのリール120L、120C及び120Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域122L、122C及び122Rは、3つのリール120L、120C及び120Rのそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rを透過することが可能な構成を備えている。
【0104】
つまり、図柄表示領域122L、122C及び122Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域122L、122C及び122Rを含めた表示画面124の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0105】
図柄表示領域122L、122C及び122R(以下、表示窓122L、122C及び122Rと称する。)は、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rの回転が停止されたとき、リール120L、120C及び120Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓122L、122C及び122Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン126(入賞判定ライン126a〜126e)として定義する。
【0106】
本実施の形態では、各表示窓122L、122C及び122Rの上段を組合せてなるトップライン126a、各表示窓122L、122C及び122Rの中段を組合せてなるセンターライン126b、各表示窓122L、122C及び122Rの下段を組合せてなるボトムライン126c、左表示窓122Lの上段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン126d、左表示窓122Lの下段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの上段を組合せてなるクロスアップライン126eの5つを入賞判定ライン126として設けている。
【0107】
(操作装置)
フロントドア30には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口40は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口40に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ10の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0108】
ベットボタン132は、パチスロ10の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン134は、パチスロ10の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0109】
スタートレバー110は、全てのリール120L、120C及び120Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン112L、112C及び112Rは、3つのリール120L、120C及び120Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。
【0110】
(その他装置)
7セグ表示器114は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロの10の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
【0111】
ランプ(LED等)212は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ214は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口42は、後述のメダル払出装置46の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口42から排出されたメダルは、メダル受皿44に貯められる。
【0112】
<パチスロ10の内部構造>
図3は、本実施の形態におけるパチスロ10の内部構造を示す。フロントドア30が開放され、フロントドア30の裏面側の構造及びキャビネット20の内部の構造が現れた状態が示されている。
【0113】
キャビネット20の内部の上方には、主制御回路150を構成する基板(以下、主基板150と称する。)が設けられている。主制御回路150は、内部当籤役の決定、リール120L、120C及び120Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ10における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路150の具体的な構成は後述する。
【0114】
キャビネット20の内部の中央には、3つのリール120L、120C及び120Rが設けられている。各リール120L、120C及び120Rのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ130L、130C及び130Rが接続されている。
【0115】
3つのリール120L、120C及び120Rの左側には、副制御回路250を構成する基板(以下、副基板250と称する。)が設けられている。副制御回路250は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路250の具体的な構成は後述する。
【0116】
キャビネット20の内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置46(以下、ホッパー46と称する。)が設けられている。ホッパー46の左側には、パチスロ10が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置50が設けられている。
【0117】
フロントドア30の裏側の中央で、表示窓122L、122C及び122Rの下方には、セレクタ48が設けられている。セレクタ48は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口40に受け入れられた適正なメダルをホッパー46へ案内する。尚、セレクタ48内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ174が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
【0118】
[パチスロ10が備える回路の構成]
パチスロ10の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ10は、主制御回路150、副制御回路250及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0119】
<主制御回路150>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ10の主制御回路150の構成を示す。
【0120】
(マイクロコンピュータ152)
主制御回路150は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ152を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ152は、CPU154(以下、メインCPU154と称する。)、ROM156(以下、メインROM156と称する。)及びRAM158(以下、メインRAM158と称する。)により構成される。
【0121】
メインROM156には、メインCPU154により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路250に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM158には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0122】
(乱数発生器等)
メインCPU154には、クロックパルス発生回路160、分周器162、乱数発生器164及びサンプリング回路166が接続されている。クロックパルス発生回路160及び分周器162は、クロックパルスを発生させる。メインCPU154は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器164は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路166は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0123】
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ152の入力ポート(図示せず)には、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等が接続されている。メインCPU154は、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等の入力を受けて、ステッピングモータ130L、130C及び130R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ170L、170C及び170Rは、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ172は、スタートレバー110が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
【0124】
メダルセンサ174は、メダル投入口40に受け入れられたメダルが前述のセレクタ48内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ176は、ベットボタン132が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ178は、精算ボタン134が遊技者により押されたことを検出する。
【0125】
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ152により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ130L、130C及び130R、7セグ表示器114及びホッパー46がある。また、マイクロコンピュータ152の出力ポート(図示せず)には、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0126】
モータ駆動回路180は、各リール120L、120C及び120Rに対応して設けられたステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動を制御する。リール位置検出回路182は、発光部と受光部とを有する光センサ(図示せず)により、リール120L、120C及び120Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール120L、120C及び120Rに応じて検出する。
【0127】
ステッピングモータ130L、130C及び130Rは、移動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール120L、120C及び120Rに伝達される。ステッピングモータ130L、130C及び130Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール120L、120C及び120Rは一定の角度で回転する。
【0128】
メインCPU154は、リールインデックス(図示せず)を検出してからステッピングモータ130L、130C及び130Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール120L、120C及び120Rの回転角度(主に、リール120L、120C及び120Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール120L、120C及び120Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0129】
表示部駆動回路184は、7セグ表示器114の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路186は、ホッパー46の動作を制御する。また、払出完了信号回路188は、ホッパー46に設けられたメダル検出部190が行うメダルの検出を管理し、ホッパー46から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0130】
なお、本実施の形態では、遊技者がスタートレバー110を操作したときを単位遊技の開始の基準にしたが、その他に、ベットボタン132が遊技者によって操作されてベットスイッチ176から検出信号が発せられたときを単位遊技の開始の基準にしてもよい。このように、単位遊技の開始の基準は、遊技が進んでいるか否かを判断できるような信号の有無を検出することによって定めればよい。
【0131】
<副制御回路250>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ10の副制御回路250の構成を示す。
【0132】
副制御回路250は、主制御回路150と電気的に接続されており、主制御回路150から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路250は、基本的に、CPU252(以下、サブCPU252と称する。)、ROM254(以下、サブROM254と称する。)、RAM256(以下、サブRAM256と称する。)、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260、ドライバ262、DSP264(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM266及びA/D変換器268及びアンプ270を含んで構成されている。
【0133】
サブCPU252は、主制御回路150から送信されたコマンドに応じて、サブROM254に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM256は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路150から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM254は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0134】
プログラム記憶領域には、サブCPU252が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路150との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置210による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ212による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ214による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
【0135】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0136】
また、副制御回路250には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置210、スピーカ214及びランプ212が接続されている。
【0137】
サブCPU252、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260(フレームバッファを含む)及びドライバ262は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置210により表示する。
【0138】
また、サブCPU252、DSP264、オーディオRAM266、A/D変換器268及びアンプ270は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ214により出力する。また、サブCPU252は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ212の点灯及び消灯を行う。
【0139】
[図柄配置テーブル]
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール120L、120C及び120Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
【0140】
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール120L、120C及び120Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
【0141】
[図柄組合せテーブル]
図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ラインに沿って各リール120L、120C及び120Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
【0142】
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
【0143】
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール120L、120C及び120Rの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
【0144】
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
【0145】
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
【0146】
[ボーナス作動時テーブル]
図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM158に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
【0147】
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
【0148】
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
【0149】
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
【0150】
[内部抽籤テーブル]・[内部当籤役決定テーブル]
【0151】
[内部抽籤テーブル]
図9及び図10を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
【0152】
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
【0153】
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
【0154】
図9は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図10は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
【0155】
[内部当籤役決定テーブル]
図11及び図12を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
【0156】
内部当籤役は、入賞判定ラインに沿って表示を許可する各リール120L、120C及び120Rの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
【0157】
図11は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図12は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
【0158】
[メインRAM158に設けられる格納領域の構成]
メインROM156に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図13〜図15を参照して、メインRAM158に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
[内部当籤役格納領域]・[持越役格納領域]
【0159】
[内部当籤役格納領域]
図13を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
【0160】
尚、メインRAM158には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されたことになる。
【0161】
[持越役格納領域]
図14を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
【0162】
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
【0163】
[作動中フラグ格納領域]
図15を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
【0164】
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
【0165】
[主制御回路150のメインCPU154の制御によるメインフローチャート]
まず、図16を参照して、メインCPU154の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ10に電源が投入されると、はじめに、メインCPU154は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU154は、メインRAM158における指定格納領域のクリアを行う(S2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
【0166】
次に、メインCPU154は、後で図17を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ174やスタートスイッチ172の入力のチェック等が行われる。
【0167】
次に、メインCPU154は、乱数値を抽出し、メインRAM158に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU154は、後で図18を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU154は、スタートコマンドを副制御回路250に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0168】
次に、メインCPU154は、全リール120L、120C及び120Rの回転開始を要求する(S7)。尚、全リール120L、120C及び120Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図22)によってステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御され、各リール120L、120C及び120Rの回転が開始される。
【0169】
次に、メインCPU154は、後で図19を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170Rの入力のチェックが行われ、ストップボタン112L、112C及び112Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0170】
次に、メインCPU154は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU154は、表示コマンドを副制御回路250に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0171】
次に、メインCPU154は、メダル払出処理を行う(S11)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー46の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU154は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
【0172】
次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図21を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
【0173】
メインCPU154は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図20を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S15)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
【0174】
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図17を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、自動投入カウンタが0であるか否かを判別する(S31)。自動投入カウンタが0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S32)。セレクタ48のソレノイド(図示せず)の駆動が行われ、セレクタ48内のメダルの通過が促される。
【0175】
メインCPU154は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPU154は、自動投入カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
【0176】
メインCPU154は、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(S37)。例えば、最大値が2に変更される。
【0177】
メインCPU154は、S37の後、又は、S36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPU154は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPU154は、有効ラインカウンタに5を格納する(S41)。次に、メインCPU154は、メダル投入コマンドを副制御回路250に対して送信する(S42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
【0178】
メインCPU154は、S39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S43)。メインCPU154は、S43の後、S42の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ176のチェックを行う(S44)。ベットボタン132に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
【0179】
次に、メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、S38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ172はオンであるか否かを判別する(S46)。
【0180】
メインCPU154は、スタートスイッチ172はオンではないと判別したときには、S39に移る一方で、スタートスイッチ172はオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S47)。セレクタ48のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
【0181】
[内部抽籤処理]
次に、図18を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(S61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
【0182】
次に、メインCPU154は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S62)。次に、メインCPU154は、当籤番号の初期値として1をセットする(S63)。
【0183】
次に、メインCPU154は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S64)。次に、メインCPU154は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S65)。次に、メインCPU154は、桁かりが行われたか否かを判別する(S66)。メインCPU154は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S67)。
【0184】
次に、メインCPU154は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S68)。メインCPU154は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S69)。
【0185】
メインCPU154は、S66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S70)。メインCPU154は、S70又はS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S71)。
【0186】
次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S72)。次に、メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S73)。メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S74)。次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S75)。
【0187】
メインCPU154は、S75の後、又は、S73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
【0188】
[リール停止制御処理]
次に、図19を参照して、リール停止制御処理について説明する。
【0189】
最初に、メインCPU154は、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのうち有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S101)。メインCPU154は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
【0190】
メインCPU154は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当ストップボタンの操作を無効化する(S102)。各ストップボタン112L、112C及び112Rの有効及び無効の状態は、メインRAM158に設けられた所定の格納領域において管理される。
【0191】
次に、メインCPU154は、チェック回数として5をセットする(S103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
【0192】
次に、メインCPU154は、内部当籤役に基づいて、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ラインに沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
【0193】
次に、メインCPU154は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(S105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU154は、停止予定位置待ちへ移行する(S106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リールの回転が停止される。
【0194】
なお、上述したステップS102〜S106の処理が実行されるメインCPU154によって、「リール停止制御手段」が構成される。また、メインCPU154によって実行されるステップS102〜S106の処理により、「リール停止制御処理」が構成される。以下では、このリール停止制御について説明する。
【0195】
上述したリール停止制御手段やリール停止制御処理は、図16に示したステップS5の内部抽籤処理の結果と、ストップボタン112L、112C又は112Rが遊技者によって操作されたタイミングとに応じて、3つのリール120L、120C及び120Rを停止させる制御を行うものである。リール停止制御は、内部抽籤処理の結果が、所定の役に当籤した場合と、ハズレになった場合とで異なる処理を実行する。
【0196】
まず、内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合(成立した場合)には、リール停止制御手段やリール停止制御処理は、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。具体的には、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲(最大滑りコマ数や滑りコマ数、例えば、4コマ)に含まれている場合には、その図柄が、有効化された入賞判定ライン上に位置するように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う(上述したステップS102〜S106)。
【0197】
本明細書では、当籤した所定の役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うようにリールの停止制御を行うことを、「引き込み制御」と称する。上述したように、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲に含まれている場合には、「引き込み制御」によって、当籤した所定の役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃うように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御が行われる。
【0198】
したがって、熟練した遊技者は、3つのリール120L、120C及び120Rが回転している状態で、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれるタイミングを見計らって、ストップボタンを操作することによって、「引き込み制御」させて、当籤した所定の役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることができる。また、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれるタイミングで、ストップボタンを操作することを、本明細書では「目押し操作」と称する。このように、当籤した所定の役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることで、当籤した所定の役に「入賞」させることができる。すなわち、そのときの単位遊技の結果は、当籤した所定の役への「入賞」となる。
【0199】
また、内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合であっても、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれていない場合には、リール停止制御手段は、上述した「引き込み制御」によって、当籤した役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えない。すなわち、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲に含まれていないタイミングで、遊技者がストップボタンを操作した場合には、「引き込み制御」は行われず、当籤した役に対応する図柄の並びは、有効化された入賞判定ライン上に揃わない。この場合には、当籤した所定の役に「入賞」させることはできずに、「非入賞」となる。
【0200】
このような場合には、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。本明細書では、当籤した役に対応する図柄の並びが揃わないようにリールの停止制御を行うことを「蹴飛ばし制御」と称する。例えば、遊技に不慣れな初心者などの遊技者は、上述した「目押し操作」が上手でない場合が多い。すなわち、遊技に不慣れな遊技者は、3つのリール120L、120C及び120Rが回転している状態では、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれている状態であるか否かを判断し難い。このため、遊技に不慣れな遊技者は、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれていないタイミングで、ストップボタンを操作する可能性がある。このような場合には、上述した「引き込み制御」は行われず、「蹴飛ばし制御」によって、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御が行われることになる。この「蹴飛ばし制御」が行われることにより、そのときの単位遊技の結果は、内部抽籤処理によって所定の役に当籤している状態であるにも拘わらず、当籤した所定の役に「入賞」できずに、「非入賞」となる。
【0201】
上述したように、内部抽籤処理によって所定の役に当籤している場合であっても、「蹴飛ばし制御」により、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御をしたときには、その当籤した所定の役に「入賞」させることはできない。言い換えれば、この場合には、所定の役に対応した図柄の並び(識別情報)とは異なる図柄の並び(以下、役非対応図柄の並び(非対応識別情報)と称する。)が、有効化された入賞判定ライン上に停止表示される。この役非対応図柄の並びは、そのときに当籤している役に対応した図柄の並びとは異なる図柄の並びだけでなく、役に対応した図柄の並びとは異なる図柄の並びである。このようにすることで、「蹴飛ばし制御」によって、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御をしたときには、当籤している役だけでなく、他のいかなる役にも入賞することはない。
【0202】
次に、メインCPU154は、リール停止コマンドを副制御回路250に対して送信する(S107)。リール停止コマンドは、停止したリールの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
【0203】
次に、メインCPU154は、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのうち、操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(S108)。つまり、まだ回転中のリールがあるか否かが判別される。メインCPU154は、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、S101に移る一方で、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
【0204】
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図20を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、表示役はBBであるか否かを判別する(S121)。メインCPU154は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(S122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
【0205】
次に、メインCPU154は、持越役格納領域をクリアする(S123)。次に、メインCPU154は、ボーナス開始コマンドを副制御回路250に対して送信する(S124)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0206】
メインCPU154は、S121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S125)。メインCPU154は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写する(S126)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0207】
メインCPU154は、S125において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S127)。メインCPU154は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S128)。
【0208】
メインCPU154は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(S129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0209】
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図21を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S141)。メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(S142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU154は、ボーナス終了コマンドを副制御回路250に対して送信する(S143)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0210】
メインCPU154は、S141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(S144)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S145)。
【0211】
メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0212】
[メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)]
次に、図22を参照して、メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU154は、レジスタの退避を行う(S161)。次に、メインCPU154は、入力ポートチェック処理を行う(S162)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170R等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
【0213】
次に、メインCPU154は、リール制御処理を行う(S163)。この処理では、全リール120L、120C及び120Rの回転開始が要求されたときに、各リール120L、120C及び120Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リールの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御される。
【0214】
次に、メインCPU154は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S164)。メインCPU154は、レジスタの復帰を行う(S165)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
【0215】
[副制御回路250のサブCPU252によって実行されるプログラムフロー]
【0216】
主制御回路150のメインCPU154により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図23〜図25を参照して、副制御回路250のサブCPU252により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0217】
[主基板通信タスク]
図23を参照して、サブCPU252により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、主制御回路150から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S301)。次に、サブCPU252は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S302)。
【0218】
次に、サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S303)。サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S304)、S301に移る。
【0219】
[演出登録タスク]
次に、図24を参照して、サブCPU252により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S311)。次に、サブCPU252は、メッセージは有るか否かを判別する(S312)。サブCPU252は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAM256に設けられた格納領域に複写される。
【0220】
次に、サブCPU252は、後で図25を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
【0221】
サブCPU252は、S314の後、又は、S312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(S315)。次に、サブCPU252は、サウンドデータの登録を行う(S316)。次に、サブCPU252は、ランプデータの登録を行う(S317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、S311に移る。
【0222】
[演出内容決定処理]
次に、図25を参照して、サブCPU252により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。
【0223】
最初に、サブCPU252は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S321)。サブCPU252は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(S322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
【0224】
次に、サブCPU252は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(S323)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。これらの処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0225】
次に、サブCPU252は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S324)。サブCPU252は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタンの種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(S325)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0226】
次に、サブCPU252は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S326)。サブCPU252は、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(S327)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0227】
次に、サブCPU252は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S328)。サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(S329)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0228】
次に、サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S330)。サブCPU252は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(S331)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0229】
<<<遊技機100(遊技機本体C1−1、遊技機支持体C1−2)>>>
以下では、第1の実施の形態による遊技機100についてさらに説明する。
【0230】
図26(a)及び(b)は、第1の実施の形態による遊技機100を遊技店に設置した状態を示す斜視図である。図26(a)及び(b)に示すように、この第1の実施の形態では、遊技機100は、パチスロ10とパチスロ支持体300とからなる。パチスロ10が、上述した遊技機本体C1−1に対応し、パチスロ支持体300が、上述した遊技機支持体C1−2に対応する。すなわち、第1の実施の形態における遊技機100は、遊技店の床に直接設置できるものである。このように構成したことにより、遊技店では、遊技機本体C1−1であるパチスロ10を載置するための台を別個に準備することなく、遊技機100を遊技店の床に設置することができる。したがって、パチスロ10を載置するための台を別個に用意することなく、遊技機100を設置するだけで、遊技島を形成することができる。
【0231】
図26(a)及び(b)に示すように、パチスロ10は、パチスロ10の前面136F(図2参照)が、遊技者に向くように、パチスロ支持体300に収納されている。ここで、パチスロ10の前面136Fとは、パチスロ10において、遊技者が操作をすることができるスタートレバー110やストップボタン112L、112C及び112Rが設けられている面をいう。
【0232】
遊技機100の前方には、遊技者が座るための椅子400が位置づけられている。椅子400は、脚部402と座部404とからなる。座部404は、遊技者が座るためのものであり、所定の厚さを有する略円板状の形状を有する。座部404の下面の略中央部には、脚部402が取り付けられている。脚部402は、略円柱状の形状を有するとともに、脚部402の長さを変更できる機構(図示せず)が設けられている。この脚部402の長さを変更できる機構によって、遊技者が所望する高さに椅子400の高さを調整することができる(図26(b)の黒矢印参照)。
【0233】
また、遊技店においては、遊技機100の前方の床には、所定の深さを有する孔が形成されている。孔の直径は、脚部402の直径よりも若干大きく形成されている。この遊技店の床に形成された孔に、脚部402の先端を挿入することで、椅子400を遊技機100の前方に配置することができる。
【0234】
なお、遊技店では、図26(a)に示したように、複数台の遊技機100が並置され、一群の遊技機100によって遊技島が形成される。
【0235】
<<パチスロ10(遊技機本体C1−1)の構造>>
パチスロ10は、右側面136Rと左側面136Lと底面136Bと天面136Tと前面136Fを有する(図2参照)。上述したように、本明細書において、パチスロ10の前面136Fとは、遊技者と向かい合う面であり、遊技者が操作することができるスタートレバー110やストップボタン112L、112C及び112Rが設けられている面をいう。これらのスタートレバー110やストップボタン112L、112C及び112Rが、「遊技操作部」に対応する。
【0236】
<右側面136R及び左側面136L>
パチスロ10は、右側面136R(図2参照)と左側面136Lとを有する。右側面136Rは、パチスロ10の前面136Fを正面にしたときに、右側に位置する側面である。同様に、左側面136Lは、パチスロ10の前面136Fを正面にしたときに、左側に位置する側面である。パチスロ10においては、右側面136Rと左側面136Lとが略平行になるように形成されている。このように形成したことで、右側面136Rと左側面136Lとが、互いに向かい合うようにすることができる。この右側面136Rが、「第1の側面」に対応し、左側面136Lが、「第2の側面」に対応する。
【0237】
<右側被支持杆137R及び左側被支持杆137L>
右側面136Rの略中央部には、右側被支持杆137R(図2参照)が固着されている。同様に、左側面136Lの略中央部には、左側被支持杆137Lが固着されている。これらの右側被支持杆137R及び左側被支持杆137Lは、後述するように、パチスロ10をパチスロ支持体300に移動可能に取り付けるためのものである。
【0238】
右側被支持杆137R及び左側被支持杆137Lは、アルミや鉄などの金属や、強化プラスチックなどの樹脂で形成されている。このような材質を用いることで、パチスロ支持体300の右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片138Lに堅牢に取り付けることができる。
【0239】
右側被支持杆137Rは、右側面136Rに対して略垂直に、かつ、右側面136Rの略中央部から離隔するように、右側面136Rに設けられている。同様に、左側被支持杆137Lは、左側面136Lに対して略垂直に、かつ、左側面136Lの略中央部から離隔するように、左側面136Lに設けられている。このように、右側被支持杆137R及び左側被支持杆137Lを、パチスロ10に設けたことにより、右側被支持杆137R及び左側被支持杆137Lは、略水平に延在することになる。
【0240】
<右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片138L>
さらに、パチスロ10の右側面136Rには、2本の右側案内用突出片138Rが、所定の距離を隔てた位置に設けられ(図2参照)、パチスロ10の左側面136Lには、2本の左側案内用突出片138Lが、所定の距離を隔てた位置に設けられている。右側案内用突出片138Rは、後述するパチスロ支持体300の右側板状体302Rの案内溝304に、移動可能に挿入され、左側案内用突出片138Lは、パチスロ支持体300の左側板状体302Lの案内溝304に、移動可能に挿入される。
【0241】
右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片138Lは、アルミや鉄などの金属や、強化プラスチックなどの樹脂で形成されている。このような材質を用いることで、案内溝304で接触して摺り動いても(摺動しても)磨耗させにくくすることができる。
【0242】
2本の右側案内用突出片138Rの双方は、右側面136Rに対して略垂直に、かつ、右側面136Rの略中央部から離隔するように、右側面136Rに設けられている。同様に、2本の左側案内用突出片138Lの双方は、左側面136Lに対して略垂直に、かつ、左側面136Lの略中央部から離隔するように、左側面136Lに設けられている。このように、右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片138Lを、パチスロ10に設けたことにより、右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片138Lは、略水平に延在することになる。
【0243】
このように右側案内用突出片138Rと左側案内用突出片138Lとを設けたことによって、パチスロ10が前側や奥側に傾くことなく、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させることができる。
【0244】
<底面136B及び天面136T>
また、パチスロ10は、パチスロ10の底部を形成する底面136B(図2参照)を有する。さらに、パチスロ10は、パチスロ10の天部を形成する天面136T(図2参照)を有する。これらの底面136Bと天面136Tとは、略平行になるように、形成されている。
【0245】
<<パチスロ支持体300(遊技機支持体C1−2)の構造>>
図27は、パチスロ支持体300の概略を示す斜視図である。パチスロ支持体300は、パチスロ10を上下方向に移動可能に支持して収納するための支持体である。
【0246】
パチスロ支持体300は、所定の厚さを有する5つの板状体、すなわち、右側板状体302Rと左側板状体302Lと天部板状体302Tと底部板状体302Bと背部板状体302Kとを有する。このように、5つの右側板状体302Rと左側板状体302Lと天部板状体302Tと底部板状体302Bと背部板状体302Kとによってパチスロ支持体300を形成したことにより、パチスロ支持体300は、板状体が存在しない1つの開放面302Oが画定される。この開放面302Oがパチスロ支持体300の前面となり、パチスロ10の前面136Fが、開放面302Oに位置するように、パチスロ10はパチスロ支持体300に収納される。
【0247】
<右側板状体302R、左側板状体302L、天部板状体302T、底部板状体302B、背部板状体302K>
パチスロ支持体300は、右側板状体302Rと左側板状体302Lとを有する。右側板状体302Rは、パチスロ支持体300の開放面302Oを正面にしたときに、右側に位置する板状体である。同様に、左側板状体302Lは、パチスロ支持体300の開放面302Oを正面にしたときに、左側に位置する板状体である。パチスロ支持体300においては、右側板状体302Rと左側板状体302Lとが略平行になるように形成されている。このように形成したことで、右側板状体302Rと左側板状体302Lとが、互いに向かい合うようにすることができる。
【0248】
パチスロ支持体300は、パチスロ支持体300の底部を形成する底部板状体302Bを有する。さらに、パチスロ支持体300は、パチスロ支持体300の天部を形成する天部板状体302Tを有する。これらの底部板状体302Bと天部板状体302Tとは、これらが略平行になるように、形成されている。さらにまた、パチスロ支持体300は、背部板状体302Kを有する。背部板状体302Kは、パチスロ支持体300の奥側に形成された面であり、上述した開放面302Oよりも奥側に位置する面である。
【0249】
このように構成したことにより、パチスロ10がパチスロ支持体300に収納されたときには、パチスロ10の右側面136Rは、パチスロ支持体300の右側板状体302Rと向かい合い、パチスロ10の左側面136Lは、パチスロ支持体300の左側板状体302Lと向かい合う。同様に、パチスロ10の底面136Bは、パチスロ支持体300の底部板状体302Bと向かい合い、パチスロ10の天面136Tは、パチスロ支持体300の天部板状体302Tと向かい合う。
【0250】
また、上述した5つの右側板状体302Rと左側板状体302Lと天部板状体302Tと底部板状体302Bと背部板状体302Kと、開放面302Oとによって、略直方体の空間が確定される。この略直方体の空間が、パチスロ10を配置することできる空間となる。
【0251】
上述したように、5つの右側板状体302Rと左側板状体302Lと天部板状体302Tと底部板状体302Bと背部板状体302Kとは、所定の厚さを有する。3つの天部板状体302Tと底部板状体302Bと背部板状体302Kとは、パチスロ10を収納して移動させるときに、パチスロ支持体300の強度を確保できる厚さを有するものであればよい。
【0252】
2つの右側板状体302Rと左側板状体302Lとの各々の内部には、所定の大きさの空間が形成されている。この内部空間には、後述するように、駆動部310が配置されている。また、左側板状体302Lの前面側(正面側)には、操作パネル330が設けられている。駆動部310と操作パネル330とについては、後で詳述する。
【0253】
<案内溝304>
上述した右側板状体302Rと左側板状体302Lとの各々の、パチスロ10と向かい合う面には、略上下方向に沿って延在する2本の案内溝304が形成されている(図27参照)。2本の案内溝304の各々は、上下方向に沿って延びて存在するように形成されている。これらの2本の案内溝304は、所定の深さを有する。上述したように、2本の案内溝304は、上下方向に沿って形成されているので、ここでの深さ方向は、図27や図28における略水平方向となる。また、2本の案内溝304の各々は、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させる移動距離に応じた長さを有する。
【0254】
上述したように、パチスロ10の右側面136Rには、2つの右側案内用突出片138Rが形成され、パチスロ10の左側面136Lには、2つの左側案内用突出片138Lが形成されている。パチスロ10をパチスロ支持体300に取り付けたときには、2つの右側案内用突出片138Rは、右側板状体302Rに形成された2本の案内溝304に挿入され、2つの左側案内用突出片138Lは、左側板状体302Lに形成された2本の案内溝304に挿入される。案内溝304の幅は、2つの右側案内用突出片138Rや2つの左側案内用突出片138Lの直径よりも若干大きいように形成されている。このため、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させたときには、2つの右側案内用突出片138Rや2つの左側案内用突出片138Lは、案内溝304に案内されつつ移動することができる。
【0255】
このように、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させたときに、2つの右側案内用突出片138Rや2つの左側案内用突出片138Lは、2つの案内溝304に支持されているので、パチスロ10の姿勢を水平方向に維持することができ、パチスロ10が前面側や奥側に傾いたり、パチスロ10がパチスロ支持体300から飛び出したりすることなく、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させることができる。
【0256】
上述した例では、パチスロ10の右側面136Rには、2つの右側案内用突出片138Rが水平方向に並置するように設け、パチスロ10の左側面136Lには、2つの左側案内用突出片138Lが水平方向に並置するように設けたが、さらに、3つ以上の案内用突出片を設けてもよい。例えば、一対の案内用突出片は、水平方向に並置するように、他の一対の案内用突出片は、垂直方向に並置するように設けて、これらの全ての案内用突出片が、2つの案内溝304に挿入されて、案内されるようにしてもよい。このようにすることで、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させたときの安定性を高めることができる。
【0257】
<駆動部開口306>
上述した右側板状体302Rと左側板状体302Lとの各々の、パチスロ10と向かい合う面には、略上下方向に沿って延在する1本の駆動部開口306が形成されている(図27参照)。この駆動部開口306は、上述したパチスロ10の右側被支持杆137Rと左側被支持杆137Lとを駆動部310の保持部318に連結し、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させるためのものである。
【0258】
駆動部開口306は、上述した2本の案内溝304の間の略中央に、かつ、2本の案内溝304に対して平行になるように形成されている。駆動部開口306は、長尺な形状を有する。駆動部開口306の長さ(駆動部開口306の長手方向の長さ)は、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させる移動距離に応じた長さである。また、駆動部開口306の幅(駆動部開口306の短手方向の長さ)は、パチスロ10の右側被支持杆137Rと左側被支持杆137Lとの幅よりも大きくなるように形成されている。このようにしたことで、右側被支持杆137Rと左側被支持杆137Lとが駆動部開口306に挿入された状態を維持して上下方向に移動することができる。
【0259】
<安定保持用開口308>
さらに、右側板状体302Rと左側板状体302Lとの各々の、パチスロ10と向かい合う面には、2本の案内溝304の各々に沿うように、上下に2つの安定保持用開口308が4つ形成されている。これらの4つの安定保持用開口308は、後述する安定保持部材380を突出させるためのものである。
【0260】
このようにしたことで、パチスロ10が静止しているときには、右側板状体302Rに形成された安定保持用開口308から4つの安定保持部材380(図36参照)を突出させて、パチスロ10の右側面136Rに4つの安定保持部材380(図36参照)を押圧させる。同様に、左側板状体302Lに形成された安定保持用開口308から4つの安定保持部材380を突出させ、パチスロ10の左側面136Lに4つの安定保持部材380を押圧させる。このように、パチスロ10の右側面136Rと左側面136Lとの双方を安定保持部材380によって押圧するようにすることで、8つの安定保持部材380によりパチスロ10を挟持することができる。パチスロ10を静止させた状態を安定して維持することができる。
【0261】
<駆動部310>
図28は、駆動部の詳細を示す正面図(a)と断面図(b)とである。
【0262】
図28に示すように、駆動部310は、2つのプーリー312と、ベルト314と、電動モータ316と、保持部318からなる。
【0263】
図28(a)及び(b)に示すように、2つのプーリー312の各々は、上下方向に互いに離隔して配置されている。2つのプーリー312の各々は、同じ半径で所定の厚さを有する円板状の形状を有し、かつ、回転軸を有する。2つのプーリー312の各々の回転軸が互いに平行になるように、かつ、回転軸の回りに回転可能に、2つのプーリー312は配置されている。
【0264】
ベルト314は、長尺な帯状の形状を有し、長手方向に沿って無端状になるように予め成形されている。また、ベルト314は、幅(ベルト314の短手方向の長さ)及び厚さが略一定になるように形成されている。
【0265】
ベルト314は、可撓性(撓むことができる性質、フレキシビリティ)を有する部材、例えば、ゴムなどで形成されており、2つのプーリー312に亘って掛け渡されて、2つのプーリー312と係り合っている(係合している)。ベルト314は、2つのプーリー312と接触する箇所では、プーリー312の外形に沿って変形でき、プーリー312の表面と密着するようになされている。このようにすることで、プーリー312とベルト314との間の滑りを防止して、プーリー312の動作をベルト314に伝達することができる。また、2つのプーリー312の間では、一方(往路)を形成する箇所と、他方(復路)を形成する箇所との双方は、略直線状の形状になり、これらが略平行になる。このようにすることで、ベルト314を2つのプーリー312を周回するように配置することができる。なお、後述する電動モータ316の回転方向が、逆になれば、往路を形成する箇所と、復路を形成する箇所とは入れ替わることになる。
【0266】
2つのプーリー312のうちの下側のもの回転軸には、電動モータ316が連結されている。電動モータ316は、後述する上下移動制御回路340によって、回転角度、回転速度、回転角度が制御されて、回転することができる。電動モータ316が回転することによって、電動モータ316の回転動作は、電動モータ316に連結されている下側のプーリー312に伝達される。下側のプーリー312が回転することによって、プーリー312と係合しているベルト314に、下側のプーリー312の動作が伝達される。これにより、電動モータ316の回転運動を、ベルト314の直線運動に変換することができる。
【0267】
ベルト314の所定の位置には、保持部318が固着されている。保持部318は、ベルト314に螺子やボルトなどの締結部材324によって固定的に取り付けられている。上述したように、電動モータ316の回転動作は、プーリー312によって、ベルト314の直線運動に変換されるので、保持部318は上下方向に移動することができる。保持部318は、駆動部開口306の上端部320U又は下端部320Dまで移動させることができる。この上端部320Uと下端部320Dとの間の距離が、パチスロ10を上下方向に移動させることができる移動距離に対応する。
【0268】
上述した上端部320Uには、上限リミットセンサ322Uが取り付けられている(図示せず)。同様に、下端部320Dには、下限リミットセンサ322Dが取り付けられている(図示せず)。保持部318が、上限リミットセンサ322Uに到達したときには、リミット信号が、上限リミットセンサ322Uから発せられる。保持部318が、下限リミットセンサ322Dに到達したときには、リミット信号が、下限リミットセンサ322Dから発せられる。これらのリミット信号は、後述する上下移動制御回路340に供給される。上下移動制御回路340は、リミット信号を受信したときには、電動モータ316への駆動電力の供給を中止して電動モータ316を停止させる。このようにすることで、保持部318が、上限リミットセンサ322Uや下限リミットセンサ322Dに到達したときには、直ちに、電動モータ316を停止させることで、保持部318を停止させることができる。
【0269】
<パチスロ10の取り付け>
図28(b)は、パチスロ10をパチスロ支持体300に設けた状態を示す図である。
【0270】
上述したように、パチスロ10の右側面136Rには、右側被支持杆137Rが取り付けられ、パチスロ10の左側面136Lには、左側被支持杆137Lが取り付けられている。この右側被支持杆137Rは、右側板状体302Rに設けられた駆動部310の保持部318に取り付けられ、また、左側被支持杆137Lは、左側板状体302Lに設けられた駆動部310の保持部318に取り付けられている。
【0271】
上述したように、右側板状体302Rの保持部318は、右側板状体302Rの電動モータ316によって上下方向に移動される。同様に、左側板状体302Lの保持部318は、左側板状体302Lの電動モータ316によって上下方向に移動される。このようにすることで、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して上下方向に移動させることができる。保持部318が上限リミットセンサ322Uや下限リミットセンサ322Dに到達するまで、パチスロ10を上下方向に移動させることができる。
【0272】
<操作パネル330>
左側板状体302Lの前面側(正面側)には、操作パネル330が設けられている。操作パネル330は、遊技者によって操作することができる2つの操作ボタンを有する。一方のボタン(上方ボタン)は、パチスロ10を上方向に移動させるための操作ボタンであり、他方のボタン(下方ボタン)は、パチスロ10を下方向に移動させるための操作ボタンである。遊技者が、これらの上方ボタンや下方ボタンを押動することによって、パチスロ10を上方向又は下方向に移動させることができる。
【0273】
遊技者が、2つの操作ボタン(上方ボタンや下方ボタン)を押動操作したときには、操作信号が、2つの操作ボタンから発せられる。発せられた操作信号は、後述する上下移動制御回路340に供給される。上下移動制御回路340は、上方ボタンから発せられた操作信号を受信したときには、パチスロ10を上方向に移動するように、電動モータ316を第1の方向に回転させる。また、上下移動制御回路340は、下方ボタンから発せられた操作信号を受信したときには、パチスロ10を下方向に移動するように、第1の方向とは逆の第2の方向に電動モータ316を回転させる。
【0274】
<上下移動制御回路340>
図29は、上下移動制御回路340の構成を示すブロック図である。
【0275】
上下移動制御回路340は、操作パネル330から送信された操作信号に応じて、駆動部310の電動モータ316に駆動するための駆動信号を生成して発する。上下移動制御回路340は、CPU342(以下、移動制御CPU342と称する。)、ROM344(以下、移動制御ROM344と称する。)、RAM346(以下、移動制御RAM346と称する。)、モータドライバ348、ソレノイドドライバ350を有する。
【0276】
移動制御CPU342は、操作パネル330から送信された操作信号に応じて、移動制御ROM344に記憶されている制御プログラムに従って電動モータ316の制御を行う。移動制御RAM346は、移動制御ROM344に記憶されている制御プログラムを展開したり、制御プログラムで用いる変数の値などを記憶したりする記憶領域が設けられている。
【0277】
移動制御CPU342には、操作パネル330が電気的に接続されている。上述したように、操作パネル330には、上方ボタンと下方ボタンとが設けられており、遊技者によって上方ボタンが操作されたときには、上方ボタンから上方操作信号が発せられ、移動制御CPU342に供給される。また、遊技者によって下方ボタンが操作されたときには、下方ボタンから下方操作信号が発せられ、移動制御CPU342に供給される。
【0278】
移動制御CPU342には、モータドライバ348が電気的に接続されている。移動制御CPU342は、遊技者によって上方ボタンが操作され、上方操作信号が移動制御CPU342に供給されたときには、電動モータ316を第1の回転方向で回転させるための第1の制御信号をモータドライバ348に発する。モータドライバ348は、移動制御CPU342から発せられた第1の制御信号を受信したときには、電動モータ316を第1の回転方向で回転させるための第1の駆動電力を電動モータ316に発する。また、移動制御CPU342は、遊技者によって下方ボタンが操作され、下方操作信号が移動制御CPU342に供給されたときには、第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向で電動モータ316を回転させるための第2の制御信号をモータドライバ348に発する。モータドライバ348は、移動制御CPU342から発せられた第2の制御信号を受信したときには、第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向で電動モータ316を回転させるための第2の駆動電力を電動モータ316に発する。
【0279】
上述したように、右側板状体302Rと左側板状体302Lとの双方に、駆動部310が設けられている。したがって、右側板状体302Rと左側板状体302Lとの双方に、電動モータ316が設けられているので、モータドライバ348は、右側板状体302Rの電動モータ316と、左側板状体302Lの電動モータ316との双方に、同時に、第1の駆動電力や第2の駆動電力を供給することによって、右側板状体302Rの保持部318の高さと、左側板状体302Lの保持部318の高さとが常に同じになるように維持しつつ、右側板状体302Rの保持部318と、左側板状体302Lの保持部318とを移動させることができる。このようにすることで、保持部318に連結されたパチスロ10の右側被支持杆137R及び左側被支持杆137Lを介して、水平方向に対するパチスロ10の姿勢を維持しつつ、パチスロ10を上下方向に移動させることができる。
【0280】
移動制御CPU342には、右側板状体302Rの上限リミットセンサ322U及び下限リミットセンサ322Dと、左側板状体302Lの上限リミットセンサ322U及び下限リミットセンサ322Dとが、増幅器352を介して、電気的に接続されている。上述したように、保持部318が、上限リミットセンサ322Uに到達したときには、リミット信号が、上限リミットセンサ322Uから発せられる。保持部318が、下限リミットセンサ322Dに到達したときには、リミット信号が、下限リミットセンサ322Dから発せられる。これらのリミット信号は、増幅器352によって、所定の電圧信号に変換されて、上下移動制御回路340に供給される。上下移動制御回路340は、リミット信号を受信したときには、電動モータ316への第1の駆動電力や第2の駆動電力の供給を中止して電動モータ316の回転動作を中断する。このようにすることで、保持部318が、上限リミットセンサ322Uや下限リミットセンサ322Dに到達したときには、直ちに、パチスロ10を停止させることができる。
【0281】
移動制御CPU342には、ソレノイドドライバ350を介して保持ソレノイド390が電気的に接続されている。保持ソレノイド390は、後述する安定保持部材380を往復駆動するためのものである。移動制御CPU342は、パチスロ10を移動させると判別したときには、保持ソレノイド390に所定の電力を供給して、安定保持部材380を、右側板状体302Rや左側板状体302Lに牽引する。一方、移動制御CPU342は、パチスロ10を停止させると判別したときには、電動モータ316への第1の駆動電力や第2の駆動電力の供給を中止した後、保持ソレノイド390への電力の供給を中止して、安定保持部材380を、右側板状体302Rや左側板状体302Lから突出させる。安定保持部材380の動作については後述する。
【0282】
<上下移動制御処理>
図30は、上述した上下移動制御回路340の移動制御CPU342によって実行される処理を示すサブルーチンである。
【0283】
最初に、遊技者によって、操作パネル330に設けられた操作ボタン(上方ボタン又は下方ボタン)が操作されたか否かを判断する(ステップS410)。この判断は、遊技者によって、上方ボタン又は下方ボタンのいずれか一方が操作されたか否かを判断する処理である。
【0284】
遊技者によって、操作ボタンが操作されたと判別したとき(YES)には、操作ボタンが操作されている時間が、所定時間以上、例えば、1秒以上であるか否かを判断する(ステップS412)。操作ボタンが操作されている時間が、所定時間未満であると判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。この場合は、遊技者がパチスロ10を移動させる意思のない場合、例えば、不注意で操作ボタンに触れた場合などであり、そのような場合を的確に判別して、パチスロ10を移動させないようにすることができる。
【0285】
操作ボタンが操作されている時間が、所定時間以上であると判別したとき(YES)には、保持ソレノイド390への電力の供給を開始する(ステップS414)。保持ソレノイド390に電力を供給することによって、安定保持部材380は、右側板状体302Rや左側板状体302Lに牽引される。右側板状体302Rや左側板状体302Lに安定保持部材380を牽引することで、パチスロ10と安定保持部材380との間の係止を維持的に解除することができ、パチスロ10を円滑に移動させることができる状態にできる。
【0286】
次いで、遊技者によって、操作ボタンのうちの上方ボタンが操作されているか否かを判断する(ステップS416)。遊技者によって、上方ボタンが操作されていると判別したとき(YES)には、第1の回転方向で回転させるための第1の制御信号をモータドライバ348に発し(ステップS418)、本サブルーチンを終了する。例えば、電動モータ316がステッピングモータやパルスモーターである場合には、この第1の制御信号は、所定のパルス数でかつ所定の周波数のパルス信号である。
【0287】
上述したステップS416の判断処理で、遊技者によって、上方ボタンが操作されていないと判別したとき(NO)、すなわち、遊技者によって、下方ボタンが操作されていると判別したときには、第1の回転方向とは逆方向の第2の回転方向で回転させるための第2の制御信号をモータドライバ348に発し(ステップS420)、本サブルーチンを終了する。この第2の制御信号も、例えば、電動モータ316がステッピングモータやパルスモーターである場合には、所定のパルス数でかつ所定の周波数のパルス信号である。
【0288】
上述したステップS410の判断処理で、遊技者によって、操作ボタンが操作されていないと判別したとき(NO)には、操作ボタンが操作されていない時間が、所定時間以上、例えば、1秒以上であるか否かを判断する(ステップS422)。操作ボタンが操作されていない時間が、所定時間未満であると判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。この場合は、遊技者がパチスロ10を移動させる意思があるにもかかわらず、操作ボタンから不用意に指を離したような場合などであり、そのような場合を的確に判別して、パチスロ10を移動させ続けるようにできる。
【0289】
上述したステップS422の判断処理で、操作ボタンが操作されていない時間が、所定時間以上であると判別したとき(YES)には、保持ソレノイド390への電力の供給を中止する(ステップS424)。保持ソレノイド390に電力を遮断することによって、安定保持部材380は、右側板状体302Rや左側板状体302Lから突出する。右側板状体302Rや左側板状体302Lから安定保持部材380を突出させることによって、安定保持部材380をパチスロ10に押圧させて、パチスロ10をパチスロ支持体300に係止させることができ、パチスロ10を的確に保持することができる状態にできる。
【0290】
上述した処理を実行することによって、遊技者の意思を反映させて、パチスロ10を遊技者が所望する位置にパチスロ10を移動させて位置づけることができる。また、安定保持部材380をパチスロ10に係止させることによって、パチスロ10を遊技者が所望する一定の位置に保持させることができる。また、パチスロ10を移動させるときには、安定保持部材380とパチスロ10との係止を解除するので、パチスロ10を円滑に移動させることができる。
【0291】
また、上述したステップS418によって、第1の制御信号をモータドライバ348に発するので、パチスロ10は上方向に移動する。一方、ステップS420によって、第2の制御信号をモータドライバ348に発するので、パチスロ10は下方向に移動する。このように、ステップS418やS420の処理を実行しているときには、パチスロ10は移動し続けることになる。
【0292】
上述したように、保持部318が、上限リミットセンサ322Uに到達したときには、リミット信号が、上限リミットセンサ322Uから発せられる。保持部318が、下限リミットセンサ322Dに到達したときには、リミット信号が、下限リミットセンサ322Dから発せられる。これらのリミット信号は、上下移動制御回路340に供給される。上下移動制御回路340は、ステップS418やS420の処理を実行しているときには、リミット信号が発せられたか否かを、移動制御CPU342の割り込み処理によって常に監視し、リミット信号が発せられたと判別したときには、上述したステップS418やS420の処理を直ちに終了して、電動モータ316への駆動電力の供給を中断することによって、パチスロ10を停止させる。このようにすることで、パチスロ10が最上端や最下端に到達したときには、遊技者による操作の処理よりも優先させて、パチスロ10を停止させることができる。
【0293】
さらに、パチスロ10が移動することができる領域に、少なくとも1つの障害物検出センサ、例えば、光センサやフォトセンサなどを配置するのが好ましい。ここで、障害物は、例えば、遊技者の荷物などの物体であり、パチスロ10を移動させるときに、パチスロ10の移動の障害になり得る物体である。障害物検出センサは、障害物の有無を検出し、障害物が存在するときには、障害物存在信号を発する。
【0294】
上述した移動制御CPU342は、障害物検出センサも電気的に接続されており、障害物が存在するときに発せられる障害物存在信号は、障害物検出センサに供給される。移動制御CPU342は、障害物存在信号を受信することによって、パチスロ10が移動することができる領域に何らかの障害物が存在することを判別することができる。
【0295】
リミット信号の場合と同様に、上下移動制御回路340は、ステップS418やS420の処理を実行しているときには、障害物存在信号が発せられたか否かを、移動制御CPU342の割り込み処理によって常に監視し、障害物存在信号が発せられたと判別したときには、上述したステップS418やS420の処理を直ちに終了して、電動モータ316への駆動電力の供給を中断することによって、パチスロ10を停止させる。このようにすることで、パチスロ10が移動できる領域に何らかの障害物が存在すると判別したときには、遊技者による操作の処理よりも優先させて、パチスロ10を停止させることができる。
【0296】
このように処理をすることによって、パチスロ10が移動することができる領域に、遊技者の荷物などの障害物が存在するような場合には、パチスロ10が所有物と干渉することを未然に防止することができ、パチスロ10や障害物が破損することを防止できる。
【0297】
<上部シャッター360U及び下部シャッター360D>
図31は、上部シャッター360U及び下部シャッター360Dを示す正面図であり、図32は、上部シャッター360U及び下部シャッター360Dを示す断面図である。
【0298】
上述したように、パチスロ10の底面136Bは、パチスロ支持体300の底部板状体302Bと向かい合い、パチスロ10の天面136Tは、パチスロ支持体300の天部板状体302Tと向かい合う。このパチスロ10の底面136Bが、「底面」に対応し、パチスロ10の天面136Tが、「天面」に対応し、パチスロ支持体300の底部板状体302Bが、「支持底面」に対応し、パチスロ支持体300の天部板状体302Tが、「支持天面」に対応する。
【0299】
また、向かい合ったパチスロ10の底面136Bと、パチスロ支持体300の底部板状体302Bとの間に間隙が生じた場合には、その間隙によって画定される空間326D(以下、下部空間326Dと称する。)が、「下部空間」である。さらに、向かい合ったパチスロ10の天面136Tと、パチスロ支持体300の天部板状体302Tとの間に間隙が生じた場合には、その間隙によって画定される空間326U(以下、上部空間326Uと称する。)が、「上部空間」である。
【0300】
上部シャッター360Uは、向かい合ったパチスロ10の天面136Tと、パチスロ支持体300の天部板状体302Tとの間に間隙が生じた場合、すなわち、「上部空間326U」が生じた場合に、この上部空間326Uを覆うためのものである。同様に、下部シャッター360Dは、向かい合ったパチスロ10の底面136Bと、パチスロ支持体300の底部板状体302Bとの間に間隙が生じた場合、すなわち、「下部空間326D」が生じた場合に、この下部空間326Dを覆うためのものである。この上部シャッター360Uが、「上部被覆体」に対応し、下部シャッター360Dが、「下部被覆体」に対応する。
【0301】
図31(a)は、スロットマシン10が下方に位置するときにおける上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとの状態を示す正面図である。図31(b)は、スロットマシン10が上方に位置するときにおける上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとの状態を示す正面図である。図31(a)及び(b)に示した例では、いずれも、上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとが閉じられた状態(閉鎖状態)となっている。このように、スロットマシン10の位置によることなく、上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとは閉じることができる。
【0302】
上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとの双方は、上方向に移動させることで閉じることができ、下方向に移動させることで開けることができる。図32に示すように、上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとの双方は、複数枚のパネルからなる。パネルの各々は、薄くかつ長尺な板状形状を有する。複数枚のパネルを並列に配置して、隣り合うパネルを回転可能に連結することで、複数枚のパネルからなる上部シャッター360Uと下部シャッター360Dを構成することができる。このように構成したことで、上部シャッター360Uと下部シャッター360Dの移動に応じて、隣り合うパネルが連結された連結部で折れ曲げることができる。
【0303】
図32は、上部シャッター360Uが閉じられた状態(閉鎖状態)では、上部シャッター360Uの一部分(前側の一部分)は、パチスロ支持体300の開放面302Oに沿って略垂直に配置され、上部シャッター360Uの他の部分(後側の一部分)は、パチスロ10の天面136Tに沿って略水平に配置される。上述したように、上部シャッター360Uは、隣り合うパネルが連結された連結部で折れ曲げることができるので、パチスロ支持体300の開放面302Oとパチスロ10の天面136Tとが交差する位置では、略直角に向きを変えることができる。
【0304】
図33は、上部シャッター360Uを開閉させている過程の状態を示す正面図(a)と、断面図(b)とである。
【0305】
パチスロ支持体300の右側板状体302Rと左側板状体302Lとの双方の前面の裏側の各々には、上部シャッター360Uを案内するための案内部364Uが形成されている。案内部364Uは、上部シャッター360Uの端部を案内するためのものであり、所定の幅を有する間隙からなる。案内部364Uの間隙の幅が、上部シャッター360Uを構成するパネルの厚さよりも大きくなるように、案内部364Uは形成されている。このような案内部364Uを形成したことによって、パチスロ支持体300の開放面302Oに沿って略垂直に、上部シャッター360Uを円滑に移動させることができる。
【0306】
パチスロ10の天面136Tの上方には、棚板366Uが設けられている。棚板366Uと天面136Tとの間が、上部シャッター360Uを構成するパネルの厚さよりも大きくなるように、棚板366Uは設けられている。このように、棚板366Uを形成したことによって、パチスロ10の天面136Tに沿って略水平に、上部シャッター360Uを円滑に移動させることができる。また、パチスロ10の天面136Tと棚板366Uとの間に、上部シャッター360Uの収納部を形成することができ、上部シャッター360Uを使用しないときいは、遊技者の邪魔にならないように、上部シャッター360Uを収納することができる。
【0307】
棚板366Uは、遊技者の荷物などの所有物を載置するための台とするものである。上述したように、棚板366Uと天面136Tとの間が、上部シャッター360Uを構成するパネルの厚さよりも大きくなるように構成したので、棚板366Uに遊技者の所有物が載置されている場合であっても、上部シャッター360Uを移動させて開閉させることができる。
【0308】
上部シャッター360Uの前面側の端部の背面には、例えば、フックやマグネットなどからなる係止部362Uが取り付けられている。一方、パチスロ支持体300の天部板状体302Tの前面の端部の下面には、フックやマグネットなどからなる被係止部368Uが取り付けられている。上部シャッター360Uを最上部まで引き上げたときには、上部シャッター360Uの係止部362Uを、天部板状体302Tの被係止部368Uに係止させることができ、上部シャッター360Uを閉じた状態を維持することができる。
【0309】
パチスロ10の天面136Tの奥側には、コイルバネ370Uが設けられている。コイルバネ370Uは、2つの端部を有し、第1の端部は、パチスロ10の天面136Tの最奥部に固定され、第2の端部は、上部シャッター360Uの奥側の端部に着脱可能に係止されている。コイルバネ370Uは、上部シャッター360Uに対して付勢力を加えて、上部シャッター360Uを、パチスロ10やパチスロ支持体300の奥方向に、常に引き込むようにする。コイルバネ370Uの長さやバネ定数などは、このように、パチスロ10やパチスロ支持体300の奥方向に、上部シャッター360Uを常に引き込むことができるものを適宜選択すればよい。なお、本実施の形態では、上部シャッター360Uに対して付勢力を加える部材として、コイルバネ370Uを用いたが、上部シャッター360Uを常に奥側に引き込む付勢力を加えるものであればよい。
【0310】
上部シャッター360Uの背面側の端部の背面には、例えば、フックやマグネットなどからなる係止部372Uが取り付けられている。また、コイルバネ370Uの第2の端部には、例えば、フックやマグネットなどからなる被係止部374Uが取り付けられている。このように構成したことで、上述したように、コイルバネ370Uの第2の端部を、上部シャッター360Uの奥側の端部に係止することができる。このように、コイルバネ370Uの第2の端部を、上部シャッター360Uの奥側の端部に係止したときには、コイルバネ370Uによって、上部シャッター360Uに対して付勢力を加え、上部シャッター360Uが開きやすい状態にすることができる。このため、コイルバネ370Uの第2の端部と上部シャッター360Uの奥側の端部との係止を維持した状態で、上部シャッター360Uの係止部362Uと天部板状体302Tの被係止部368Uとの係止を解除したときには、コイルバネ370Uの付勢力によって上部シャッター360Uは奥側に向かって引き込まれやすい状態になり、上部シャッター360Uを容易に開くことができる。
【0311】
また、コイルバネ370Uの第2の端部と上部シャッター360Uの奥側の端部との係止(第1の係止)を維持するとともに、上部シャッター360Uの係止部362Uと天部板状体302Tの被係止部368Uとの係止(第2の係止)を維持して、パチスロ支持体300に対してパチスロ10を移動させたときには、これらの第1の係止と第2の係止とによって、上部シャッター360Uの閉鎖状態を維持しつつ、パチスロ10を移動させることができる。遊技者が棚板366Uに遊技者の所有物が載置している場合であっても、上部シャッター360Uを開放することなく、パチスロ10を移動させることができるので、パチスロ10の移動を簡便にすることができる。
【0312】
また、上部シャッター360Uを開けたときには、上部シャッター360Uの全てが、棚板366Uと天面136Tとの間に入らないように、上部シャッター360Uの係止部362Uを棚板366Uに係止させるようにするものが好ましい。例えば、上述した被係止部368Uと同様の被係止部を、棚板366Uの前部に設けることによって、上部シャッター360Uの係止部362Uを棚板366Uの前部に係止(第3の係止)することができ、上部シャッター360Uの全てが、棚板366Uと天面136Tとの間に入ることを防止することができる。このような第3の係止と、上述した第1の係止とによって、上部シャッター360Uの開放状態を維持しつつ、パチスロ10を移動させることができる。このようにすることで、パチスロ10の移動を簡便にすることができる。
【0313】
上述した第1の係止と第2の係止とによって、上部シャッター360Uの閉鎖状態を維持しつつパチスロ10を移動することができ、第1の係止と第3の係止とによって、上部シャッター360Uの開放状態を維持しつつパチスロ10を移動することができる。
【0314】
図34は、下部シャッター360Dを開閉させている過程の状態を示す正面図(a)と、断面図(b)とである。下部シャッター360Dは、上述した上部シャッター360Uと同様の構成を有する。
【0315】
パチスロ支持体300の右側板状体302Rと左側板状体302Lとの双方の前面の裏側の各々には、下部シャッター360Dを案内するための案内部364Dが形成されている。案内部364Dを形成したことによって、パチスロ支持体300の開放面302Oに沿って略垂直に、下部シャッター360Dを円滑に移動させることができる。
【0316】
パチスロ支持体300の底部板状体302Bの上方には、棚板366Dが設けられている。棚板366Dと底部板状体302Bとの間が、下部シャッター360Dを構成するパネルの厚さよりも大きくなるように、棚板366Dは設けられている。このように、棚板366Dを形成したことによって、パチスロ支持体300の底部板状体302Bに沿って略水平に、下部シャッター360Dを円滑に移動させることができる。また、パチスロ支持体300の底部板状体302Bと棚板366Dとの間に、下部シャッター360Dの収納部を形成することができ、下部シャッター360Dを使用しないときいは、遊技者の邪魔にならないように、下部シャッター360Dを収納することができる。
【0317】
棚板366Dは、遊技者の荷物などの所有物を載置するための台とするものである。上述したように、棚板366Dと底部板状体302Bとの間が、下部シャッター360Dを構成するパネルの厚さよりも大きくなるように構成したので、棚板366Dに遊技者の所有物が載置されている場合であっても、下部シャッター360Dを移動させて開閉させることができる。
【0318】
下部シャッター360Dの前面側の端部の背面には、例えば、フックやマグネットなどからなる係止部362Dが取り付けられている。一方、パチスロ10の底面136Bの前面の端部の下面には、フックやマグネットなどからなる被係止部368Dが取り付けられている。下部シャッター360Dを最上部まで引き上げたときには、下部シャッター360Dの係止部362Dを、底面136Bの被係止部368Dに係止させることができ、下部シャッター360Dを閉じた状態を維持することができる。
【0319】
パチスロ支持体300の底部板状体302Bの奥側には、コイルバネ370Dが設けられている。コイルバネ370Dは、2つの端部を有し、第1の端部は、パチスロ支持体300の底部板状体302Bの最奥部に固定され、第2の端部は、下部シャッター360Dの奥側の端部に着脱可能に係止されている。コイルバネ370Dは、下部シャッター360Dに対して付勢力を加えて、下部シャッター360Dを、パチスロ10やパチスロ支持体300の奥方向に、常に引き込むようにする。コイルバネ370Dの長さやバネ定数などは、このように、パチスロ10やパチスロ支持体300の奥方向に、下部シャッター360Dを常に引き込むことができるものを適宜選択すればよい。なお、本実施の形態では、下部シャッター360Dに対して付勢力を加える部材として、コイルバネ370Dを用いたが、下部シャッター360Dを常に奥側に引き込む付勢力を加えるものであればよい。
【0320】
下部シャッター360Dの背面側の端部の背面には、例えば、フックやマグネットなどからなる係止部372Dが取り付けられている。また、コイルバネ370Dの第2の端部には、例えば、フックやマグネットなどからなる被係止部374Dが取り付けられている。このように構成したことで、上述したように、コイルバネ370Dの第2の端部を、下部シャッター360Dの奥側の端部に係止することができる。このように、コイルバネ370Dの第2の端部を、下部シャッター360Dの奥側の端部に係止したときには、コイルバネ370Dによって、下部シャッター360Dに対して付勢力を加え、下部シャッター360Dが開きやすい状態にすることができる。このため、コイルバネ370Dの第2の端部と下部シャッター360Dの奥側の端部との係止を維持した状態で、下部シャッター360Dの係止部362Dと底面136Bの被係止部368Dとの係止を解除したときには、コイルバネ370Uの付勢力によって下部シャッター360Dは奥側に向かって引き込まれやすい状態になり、下部シャッター360Dを容易に開くことができる。
【0321】
また、コイルバネ370Dの第2の端部と下部シャッター360Dの奥側の端部との係止(第4の係止)を維持するとともに、下部シャッター360Dの係止部362Dと底面136Bの被係止部368Dとの係止(第5の係止)を維持して、パチスロ支持体300に対してパチスロ10を移動させたときには、これらの第4の係止と第5の係止とによって、下部シャッター360Dの閉鎖状態を維持しつつ、パチスロ10を移動させることができる。遊技者が棚板366Dに遊技者の所有物が載置している場合であっても、下部シャッター360Dを開放することなく、パチスロ10を移動させることができるので、パチスロ10の移動を簡便にすることができる。
【0322】
また、下部シャッター360Dを開けたときには、下部シャッター360Dの全てが、棚板366Dと底部板状体302Bとの間に入らないように、下部シャッター360Dの係止部362Dを棚板366Dに係止させるようにするものが好ましい。例えば、上述した被係止部368Dと同様の被係止部を、棚板366Dの前部に設けることによって、下部シャッター360Dの係止部362Dを棚板366Dの前部に係止(第6の係止)することができ、下部シャッター360Dの全てが、棚板366Dと底部板状体302Bとの間に入ることを防止することができる。このような第6の係止と、上述した第1の係止とによって、下部シャッター360Dの開放状態を維持しつつ、パチスロ10を移動させることができる。このようにすることで、パチスロ10の移動を簡便にすることができる。
【0323】
上述した第4の係止と第5の係止とによって、下部シャッター360Dの閉鎖状態を維持しつつパチスロ10を移動することができ、第4の係止と第6の係止とによって、下部シャッター360Dの開放状態を維持しつつパチスロ10を移動することができる。
【0324】
上述したように、上述した第1の係止と第2の係止とによって、上部シャッター360Uの閉鎖状態を維持しつつパチスロ10を移動することができ、第4の係止と第5の係止とによって、下部シャッター360Dの閉鎖状態を維持しつつパチスロ10を移動することができる。すなわち、上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとの双方が閉鎖状態であるときに、パチスロ10を下方に移動した場合(図31(a))でも、パチスロ10を上方に移動した場合(図31(b))でも、上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとの双方の閉鎖状態を維持しつつパチスロ10を移動することができる
【0325】
<上部シャッター360U及び下部シャッター360Dの取り外し>
図35は、遊技機100から下部シャッター360Dを取り外したときの状態を示す斜視図である。
【0326】
上述したように、上部シャッター360Uは、コイルバネ370Uの第2の端部と着脱可能に係止されている。同様に、下部シャッター360Dは、コイルバネ370Dの第2の端部と着脱可能に係止されている。このように、上部シャッター360Uと下部シャッター360Dとは、着脱可能に係止されているので、この係止を解除することによって、上部シャッター360Uをコイルバネ370Uから取り外し、下部シャッター360Dをコイルバネ370Dから取り外すことができる。
【0327】
下部シャッター360Dを外すことで、パチスロ10の底面136Bと、パチスロ支持体300の底部板状体302Bとの間に形成された下部空間326Dを常に開放状態にすることができる。また、上部シャッター360Uを外すことで、パチスロ10の天面136Tと、パチスロ支持体300の天部板状体302Tとの間に形成された上部空間326Uを常に開放状態にすることができる。特に、下部シャッター360Dを外して、開放された下部空間326Dを提供することによって、足を曲げることが困難な遊技者、例えば、足の不自由な遊技者は、開放された下部空間326Dに足を伸ばした状態を維持して椅子400に座ることができ、無理な姿勢を強いることがなくなり、サービスを向上させることができる。
【0328】
<安定保持部材380>
図36は、安定保持部材380の構造を示す断面図(a)と、安定保持部材380が牽引された状態を示す断面図(b)と、安定保持部材380が突出した状態を示す断面図(c)とである。
【0329】
安定保持部材380は、保持端部382と、保持接続部384と、保持ロッド386と、保持ソレノイド390と、保持バネ部材392と、保持支持体394とを含む。
【0330】
後述するように、安定保持部材380が突出したときに、保持端部382は、パチスロ10の右側面136Rと左側面136Lとに接触するとともに押圧される。保持端部382は、ゴムなど弾性体からなる。保持端部382は、押圧部382aと埋入部382bとからなり、押圧部382aと埋入部382bとが一体になって形成されている。保持端部382の押圧部382aは、パチスロ10の右側面136Rと左側面136Lとに押圧されるものであり、略半球状の形状を有する。埋入部382bは、略円柱状の形状を有し、後述する保持接続部384に取り付けるために保持接続部384に埋め込められる(埋入される)。
【0331】
保持端部382をゴムなど弾性体によって構成することにより、パチスロ10の右側面136Rと左側面136Lとに押圧されるときに、押圧部382aが弾性変形して右側面136Rと左側面136Lとの接触面積を広げることができ、パチスロ10を安定して保持することができる。安定保持部材380は、ゴムに限られず、右側面136Rと左側面136Lとに押圧されたときに、弾性変形して接触面積を広げることができる樹脂などであればよい。
【0332】
保持端部382の埋入部382bは、保持接続部384を介して保持ロッド386に接続されている。保持接続部384は、略円筒状の形状を有し、保持接続部384は、保持端部382の埋入部382bを収納するため凹部(図示せず)を有する。保持接続部384の外側の側面から、半径方向に沿って凹部に到達する少なくとも1つのネジ孔が形成されている。保持端部382の埋入部382bを凹部に収納し、ネジやボルトやピンなどの締結部材388を、ネジ孔を介して締結することによって、保持端部382を保持接続部384に固定した状態に設けられる、すなわち、固設することができる。
【0333】
保持ロッド386は、略円柱状の長尺な形状を有する。保持ロッド386は、鉄などの金属材料からなる磁性体によって構成されている。上述したように、保持ロッド386には、保持接続部384を介して保持端部382が設けられている。保持ロッド386は、保持ソレノイド390に形成されている間隙内を円滑に移動できるようにされている。
【0334】
保持ソレノイド390と保持接続部384との間には、保持バネ部材392が設けられている。コイルバネ392は、保持ロッド386を保持ソレノイド390から引き出すように付勢力を保持接続部384に加える。
【0335】
保持ソレノイド390は、コイル(図示せず)を有する。コイルは、上述したソレノイドドライバ350に電気的に接続されており、上下移動制御回路340のCPU342の制御によって、コイルに電力が供給されたり(図30のステップS414)、コイルへの電力が遮断されたり(図30のステップS424)する。コイルに電力が供給されたときには、コイルから磁場を発生させて、保持ロッド386に磁力を印加することができる。発生させた磁場による磁力は、保持バネ部材392の付勢力に抗して、保持ロッド386を保持ソレノイド390に向かって牽引できる程度の大きさである。このように、図30のステップS414の処理によって、コイルに電力を供給することで、保持ロッド386に磁力を加えて、保持ロッド386を保持ソレノイド390側に牽引することができる。したがって、コイルに電力を供給することで、保持ロッド386を保持ソレノイド390側に移動させる(引き込む)ことができる(図36(b)参照)。
【0336】
また、図30のステップS424の処理によって、保持ソレノイド390のコイルへの電力を遮断したときには、磁場は消滅するので、保持ロッド386に磁力は印加されず、保持バネ部材392からの付勢力のみが保持ロッド386に加えられる。保持バネ部材392からの付勢力によって、保持ロッド386を保持ソレノイド390から引き出すように移動させることができる(図36(c)参照)。
【0337】
保持ソレノイド390は、保持支持体394によって、左側板状体302Lに固定されている。上述したように、左側板状体302Lには、安定保持用開口308が形成されている。保持ソレノイド390のコイルへの電力を遮断したときには、保持ロッド386を保持ソレノイド390から引き出すように移動される。このとき、保持ロッド386に接続されている保持端部382(押圧部382a)は、安定保持用開口308から突出する図36(c)参照。安定保持用開口308から突出した押圧部382aは、左側面136Lに接触するとともに押圧される。押圧部382aがパチスロ10の左側面136Lに押圧されることによって、押圧部382aが弾性変形して左側面136Lとの接触面積が広がる。このようにすることで、安定保持部材380によってパチスロ10を安定して保持することができる。
【0338】
上述した説明では、パチスロ10の左側面136Lに関するものであったが、パチスロ支持体300の右側板状体302Rにも安定保持部材380は設けられており、右側板状体302Rの安定保持部材380の保持端部382(押圧部382a)も、安定保持用開口308から突出して、パチスロ10の右側面136Rを押圧する(図37参照)。図27に示したように、本実施の形態では、パチスロ支持体300の左側板状体302Lには、4つの安定保持部材380が設けられ(なお、図27では、4つの安定保持用開口308を示した。)、同様に、パチスロ支持体300の右側板状体302Rにも、4つの安定保持部材380が設けられている。このようにすることで、パチスロ10の右側面136Rを4つの安定保持部材380によって押圧し、パチスロ10の左側面136Lを4つの安定保持部材380によって押圧する(図37参照)。すなわち、複数の安定保持部材380によって、パチスロ10を挟持することができるので、パチスロ10を停止させた状態を安定して維持することができる。
【0339】
なお、図37は、明確に示すために、安定保持部材380の保持端部382のみを示し、安定保持部材380の残りの部材については略した。
【0340】
<上部シャッター460U及び下部シャッター460D>
図38は、上部シャッター460Uを示す正面図(a)と、上部シャッター460Uを示す断面図(b)とである。
【0341】
上述した上部シャッター360Uは、上部シャッター360Uを上方に引き上げることで閉鎖状態にし、上部シャッター360Uを下方に引き下げることで開放状態にするものであった。これに対して、上部シャッター460Uは、上部シャッター460Uを上方に引き上げることで開放状態にし、上部シャッター460Uを下方に引き下げることで閉鎖状態にするものである。
【0342】
上部シャッター360Uと同様に、上部シャッター460Uを案内するための案内部464Uが形成されている。案内部464Uを形成したことによって、パチスロ支持体300の開放面302Oに沿って略垂直に、上部シャッター460Uを円滑に移動させることができる。
【0343】
また、上部シャッター460Uを水平に方向に支持する支持部466Uが設けられている。支持部466Uは、右支持部466U−Rと左支持部466U−Lとからなる。右支持部466U−Rと左支持部466U−Lとは別個に独立したものである。右支持部466U−Rは、右側板状体302Rに取り付けられて、上部シャッター460Uの右側板状体302R側の端部を支持する。左支持部466U−Lは、左側板状体302Lに取り付けられて、上部シャッター460Uの左側板状体302L側の端部を支持する。
【0344】
上述した棚板366Uは、棚板366Uの幅が、右側板状体302R側の端部と左側板状体302Lとの間の距離と略同じになるように形成され、右側板状体302R側の端部と左側板状体302Lとの間の全体に渡るように形成されている。これに対して、右支持部466U−Rと左支持部466U−Lとの幅が、右側板状体302R側の端部と左側板状体302Lとの間の距離よりも小さくなるように、右支持部466U−Rと左支持部466U−Lとは形成されている。このようにしたことにより、支持部466Uは、上部シャッター460Uの右側板状体302R側の端部のみを支持する右支持部466U−Rと、上部シャッター460Uの左側板状体302L側の端部のみを支持する右支持部466U−Lとからなり、上部シャッター460Uと接触する面積を小さくできるので、上部シャッター460Uの移動を円滑にすることができるとともに、構成を簡素にすることができる。
【0345】
上部シャッター460Uの前面側の端部の背面には、例えば、フックやマグネットなどからなる係止部462Uが取り付けられている。一方、パチスロ10の天面136Tの前面の端部の下面には、フックやマグネットなどからなる被係止部468Uが取り付けられている。上部シャッター460Uを最下部まで引き下げたときには、上部シャッター460Uの係止部462Uを、パチスロ10の天面136Tの被係止部468Uに係止させることができ、上部シャッター460Uを閉じた状態を維持することができる。
【0346】
パチスロ支持体300の天部板状体302Tの奥側には、コイルバネ470Uが設けられている。コイルバネ470Uは、2つの端部を有し、第1の端部は、パチスロ支持体300の天部板状体302Tの最奥部に固定され、第2の端部は、上部シャッター460Uの奥側の端部に着脱可能に係止されている。コイルバネ470Uは、上部シャッター460Uに対して付勢力を加えて、上部シャッター460Uを、パチスロ10やパチスロ支持体300の奥方向に、常に引き込むようにする。コイルバネ470Uの長さやバネ定数などは、このように、パチスロ10やパチスロ支持体300の奥方向に、上部シャッター460Uを常に引き込むことができるものを適宜選択すればよい。なお、本実施の形態では、上部シャッター460Uに対して付勢力を加える部材として、コイルバネ470Uを用いたが、上部シャッター460Uを常に奥側に引き込む付勢力を加えるものであればよい。
【0347】
上部シャッター460Uの背面側の端部の背面には、例えば、フックやマグネットなどからなる係止部472Uが取り付けられている。また、コイルバネ470Uの第2の端部には、例えば、フックやマグネットなどからなる被係止部474Uが取り付けられている。このように構成したことで、上述したように、コイルバネ470Uの第2の端部を、上部シャッター460Uの奥側の端部に係止することができる。このように、コイルバネ470Uの第2の端部を、上部シャッター460Uの奥側の端部に係止したときには、コイルバネ470Uによって、上部シャッター460Uに対して付勢力を加え、上部シャッター460Uが開きやすい状態にすることができる。このため、コイルバネ470Uの第2の端部と上部シャッター460Uの奥側の端部との係止を維持した状態で、上部シャッター460Uの係止部462Uとパチスロ10の天面136Tの被係止部468Uとの係止を解除したときには、コイルバネ470Uの付勢力によって上部シャッター460Uは奥側に向かって引き込まれやすい状態になり、上部シャッター460Uを容易に開くことができる。
【0348】
また、コイルバネ470Uの第2の端部と上部シャッター460Uの奥側の端部との係止(第7の係止)を維持するとともに、上部シャッター460Uの係止部462Uとパチスロ10の天面136Tの被係止部468Uとの係止(第8の係止)を維持して、パチスロ支持体300に対してパチスロ10を移動させたときには、これらの第1の係止と第2の係止とによって、上部シャッター460Uの閉鎖状態を維持しつつ、パチスロ10を移動させることができる。このように、上部シャッター460Uを開放することなく、パチスロ10を移動させることができるので、パチスロ10の移動を簡便にすることができる。
【0349】
上述した第1の係止と第2の係止とによって、上部シャッター460Uの閉鎖状態を維持しつつパチスロ10を移動することができる。上述したように、上方に引き上げることで開放状態にし、下方に引き下げることで閉鎖状態にする上部シャッター460Uを用いることによって、棚板366Uを省くことができるので、構成を簡素にすることができる。
【0350】
上述した図38では、上部シャッター460Uについてのみ説明したが、下部シャッター460Dも同様に構成することができる。この上部シャッター460Uが、「上部被覆体」に対応し、下部シャッター460Dが、「下部被覆体」に対応する。
【0351】
<スプロケット(チェーンホイール)及びチェーン>
上述した例では、駆動部310は、2つのプーリー312と、ベルト314とを含む構成であったが、2つのプーリー312の代わりに、2つのスプロケット(チェーンホイール)にし、ベルト314の代わりに、チェーンにしてもよい。このようにすることで、プーリーとベルトとの間に生じ得る滑りを防止することができ、的確に動作を伝達することができる。
【0352】
<ラック・アンド・ピニオン>
また、2つのプーリー312と、ベルト314との代わりに、ラック・アンド・ピニオンの構成にしてもよい。例えば、上述した駆動部310の電動モータ316にピニオンを連結するとともに、パチスロ10の右側面136Rと左側面136Lとの双方にラックを取り付ける。上述したように、駆動部310は、右側板状体302Rと左側板状体302Lとの双方に設けられているので、ピニオンも右側板状体302Rと左側板状体302Lとの双方に設けられている。ラックは、その長手方向が垂直になるように、右側面136Rと左側面136Lとに取り付ける。
【0353】
パチスロ10をパチスロ支持体300に取り付けたときには、パチスロ10の右側面136Rとパチスロ支持体300の右側板状体302Rとの間で、ラックの歯とピニオンとの歯とが合わさる(歯合する)とともに、パチスロ10の左側面136Lとパチスロ支持体300の左側板状体302Lとの間で、ラックとピニオンとが歯合するようにできる。このようにすることで、右側板状体302Rの電動モータ316によってピニオンを回転させることで、ピニオンの回転動作が、パチスロ10の右側面136Rのラックに伝達される。同様に、左側板状体302Lの電動モータ316によってピニオンを回転させることで、ピニオンの回転動作が、パチスロ10の左側面136Lのラックに伝達される。ラックは、ピニオンの回転動作の方向に応じて、上方向又は下方向に移動する。ラックの長手方向は、パチスロ10の右側面136Rと左側面136Lとの垂直方向になるように、ラックが取り付けられているので、パチスロ10を上方向又は下方向に移動させることができる。
【0354】
<<<<第2の実施の形態>>>>
図39は、第2の実施の形態による上部シャッター560Uを開閉させている過程の状態を示す正面図(a)と、断面図(b)とである。この第2の実施の形態による上部シャッター560Uは、上部シャッター560U自体を巻いて(巻回して)収納するできるものである。上部シャッター560Uを巻回したときには、上部シャッター560Uの開放状態にすることができ、上部シャッター560Uを引き出して下方に下げることによって閉鎖状態にすることができる。
【0355】
図39(b)に示すように、パチスロ支持体300の天部板状体302Tの下面側には、上部シャッター560Uの収納部580が着脱可能に取り付けられている。収納部580には、上部シャッター560Uを巻回することによって、上部シャッター560Uを収納することができる。
【0356】
上部シャッター560Uの前面側の端部の背面には、例えば、フックやマグネットなどからなる係止部562Uが取り付けられている。一方、パチスロ10の天面136Tの前面の端部の下面には、フックやマグネットなどからなる被係止部568Uが取り付けられている。上部シャッター560Uを最下部まで引き下げたときには、上部シャッター560Uの係止部562Uを、パチスロ10の天面136Tの被係止部568Uに係止させることができ、上部シャッター560Uを閉じた状態を維持することができる。
【0357】
収納部580には、上部シャッター560Uを巻き取るための回転可能なシャフト582を有する。シャフト582には、上部シャッター560Uの奥側の端部が連結されている。シャフト582には、シャフト582に付勢力を与えてシャフト582を回転させるためのバネが設けられている。このバネの付勢力によって、シャフト582を回転させることができ、シャフト582の周りに上部シャッター560Uを巻き取ることができる。収納部580のバネは、上部シャッター560Uに対して付勢力を加えて、上部シャッター560Uを、収納部580に、常に巻き取るようにする。収納部580のバネのバネ定数などは、上部シャッター560Uを常に巻き取ることができるものを適宜選択すればよい。なお、バネのみならず、上部シャッター560Uを常に収納部580に巻き取る付勢力を加えるものであればよい。このようにしたことで、上部シャッター560Uの係止部562Uとパチスロ10の天面136Tの被係止部568Uとの係止を解除したときには、収納部580のバネの付勢力によって上部シャッター560Uは収納部580に巻き取られやすい状態になり、上部シャッター560Uを容易に開くことができる。
【0358】
また、上部シャッター560Uの係止部562Uとパチスロ10の天面136Tの被係止部568Uとの係止を維持して、パチスロ支持体300に対してパチスロ10を移動させたときには、この係止によって、上部シャッター560Uの閉鎖状態を維持しつつ、パチスロ10を移動させることができる。このように、上部シャッター560Uを開放することなく、パチスロ10を移動させることができるので、パチスロ10の移動を簡便にすることができる。また、上方に引き上げることで開放状態にし、下方に引き下げることで閉鎖状態にする上部シャッター560Uを用いることによって、棚板を省くことができるので、構成を簡素にすることができる。
【0359】
上述した図39では、上部シャッター560Uについてのみ説明したが、下部シャッター560Dも同様に構成することができる。この上部シャッター560Uが、「上部被覆体」に対応し、下部シャッター560Dが、「下部被覆体」に対応する。
【0360】
また、上述したように、パチスロ支持体300の天部板状体302Tには、収納部580が着脱可能に取り付けられている。収納部580は、天部板状体302Tに対して、ラッチ(かけがね、留めがね、ロック)やフックやマグネットなどによって係止させることにより、着脱可能に取り付けることができる。収納部580を着脱可能にしたことによって、上部シャッター560Uが収納部580に収納された状態にして、外したり取り付けたりすることができるので、作業を容易にかつ簡便にすることができる。
【0361】
特に、下部シャッター560Dの収納部を着脱可能にした場合には、下部シャッター560Dを取り外しやすくして、開放された下部空間326Dを容易かつ簡便な方法で提供することによって、足を曲げることが困難な遊技者、例えば、足の不自由な遊技者は、開放された下部空間326Dに足を伸ばした状態を維持して椅子400に座ることができ、無理な姿勢を強いることがなくなり、サービスを向上させることができる。
【0362】
<<<<第3の実施の形態>>>>
図40は、第3の実施の形態によるパチスロ10と可動支持部材600とを示す斜視図であり、図41は、第3の実施の形態によるパチスロ10を可動支持部材600に取り付け、パチスロ10が取り付けられた可動支持部材600をパチスロ支持体300に取り付けた状態を示す正面図である。
【0363】
パチスロ10は、上述した第1の実施の形態によるものとほぼ同じであるが、図40に示すように、右側被支持杆137R及び左側被支持杆137Lと、右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片138Lとは有さない。これらの代わりに、図40に示すように、この右側被支持杆137R及び左側被支持杆137Lに相当する右側被支持杆637R及び左側被支持杆637Lと、右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片138Lに相当する右側案内用突出片638R及び左側案内用突出片638Lとを、可動支持部材600に取り付けた。
【0364】
なお、パチスロ支持体300は、第1の実施の形態におけるものと同様の構成を有する。
【0365】
<<可動支持部材600>>
<支持側面602R及び支持側面602L並びに支持底面602B>
可動支持部材600は、2つの支持側面602R及び602Lと、支持底面602Bとからなる。2つの支持側面602R及び602Lと支持底面602Bとの各々は、略矩形の板状の形状を有する。支持側面602R及び602Lは、略同じ大きさを有し、所定の距離だけ離隔して略平行に配置されている。また、支持側面602R及び602Lの厚さ方向が水平になるように配置されており、上端部と下端部とを有するように配置されている。2つの支持側面602R及び602Lの各々の下端部には、支持底面602Bが連結されている。支持側面602Rと支持底面602Bとの間の角度が略90度をなすように、かつ、支持側面602Lと支持底面602Bとの間の角度が略90度をなすように形成されている。支持側面602Rは、支持底面602Bの一の辺に沿って設けられ、支持側面602Lは、支持底面602Bの一の辺と向かい合う他の辺に沿って設けられている。このように構成してことで、可動支持部材600は、正面視で、略コの字状の形状を有する(図40又は図41参照)。
【0366】
上述した支持底面602Bの一の辺が、「第1の支持底面端部」に対応し、支持底面602Bの他の辺が、「第2の支持底面端部」に対応する。
【0367】
支持側面602Rが、「第1の支持側面」に対応し、支持側面602Lが、「第2の支持側面」に対応し、支持底面602B、「支持底面」に対応する。
【0368】
上述したように、支持側面602R及び602Lは、所定の距離だけ離隔して略平行に配置されている。この支持側面602Rと602Lとの間の距離は、パチスロ10の幅よりも若干大きく、支持側面602Rと602Lとの間にパチスロ10を配置することができる。
【0369】
パチスロ10は、第1の実施の形態と同様に、右側面136Rと左側面136Lとを有する。右側面136Rは、パチスロ10の前面136Fを正面にしたときに、右側に位置する側面である。同様に、左側面136Lは、パチスロ10の前面136Fを正面にしたときに、左側に位置する側面である。パチスロ10においては、右側面136Rと左側面136Lとが略平行になるように形成されている。このように形成したことで、右側面136Rと左側面136Lとが、互いに向かい合うようにすることができる。この右側面136Rが、「第1の側面」に対応し、左側面136Lが、「第2の側面」に対応する。
【0370】
また、パチスロ10は、第1の実施の形態と同様に、パチスロ10の底部を形成する底面136B(図2参照)を有する。さらに、パチスロ10は、パチスロ10の天部を形成する天面136T(図2参照)を有する。これらの底面136Bと天面136Tとは、略平行になるように、形成されている。この底面136Bが、「底面」に対応する。
【0371】
上述したように、パチスロ10は、支持側面602Rと602Lとの間に配置される。このようにすることで、パチスロ10の右側面136Rは、可動支持部材600の支持側面602Rに向かい合って面し、パチスロ10の左側面136Lは、可動支持部材600の支持側面602Lに向かい合って面し、パチスロ10の底面136Bは、可動支持部材600の支持底面602Bに向かい合って面する。
【0372】
パチスロ10を可動支持部材600に取り付けるときには、ネジやボルトなどの締結部材(図示せず)を用いることで、堅牢に取り付けることができる。なお、パチスロ10の右側面136Rと、可動支持部材600の支持側面602Rとの間や、パチスロ10の左側面136Lと、可動支持部材600の支持側面602Lとの間や、パチスロ10の底面136Bと、可動支持部材600の支持底面602Bとの間に、間隙が生ずる場合もある。このような場合には、生じた間隙に配置されて、向かい合う面同士を押圧する間隙保持部材、例えば、ゴムなどの変形可能な樹脂や、可撓性を有する樹脂などを用いて、向かい合う面を支持するのが好ましい。このようにすることで、間隙によって生ずる振動や変位を防止することができ、パチスロ10を可動支持部材600に、より堅牢に取り付けることができる。
【0373】
<右側被支持杆637R及び左側被支持杆637L>
可動支持部材600の支持側面602Rの略中央部には、右側被支持杆637Rが固着されている。同様に、可動支持部材600の支持側面602Lの略中央部には、左側被支持杆637L(図40参照)が固着されている。これらの右側被支持杆637R及び左側被支持杆637Lは、後述するように、パチスロ10をパチスロ支持体300に移動可能に取り付けるためのものである。
【0374】
右側被支持杆637R及び左側被支持杆637Lは、アルミや鉄などの金属や、強化プラスチックなどの樹脂で形成されている。このような材質を用いることで、パチスロ支持体300の保持部318に堅牢に取り付けることができる。
【0375】
右側被支持杆637Rは、支持側面602Rに対して略垂直に、かつ、支持側面602Rの略中央部から離隔するように、支持側面602Rに設けられている。同様に、左側被支持杆637Lは、支持側面602Lに対して略垂直に、かつ、支持側面602Lの略中央部から離隔するように、支持側面602Lに設けられている。このように、右側被支持杆637R及び左側被支持杆637Lを、パチスロ10に設けたことにより、右側被支持杆637R及び左側被支持杆637Lは、略水平に延在することになる。
【0376】
<パチスロ10の取り付け>
図41は、パチスロ10をパチスロ支持体300に設けた状態を示す図である。
【0377】
上述したように、可動支持部材600の支持側面602Rには、右側被支持杆637Rが取り付けられ、可動支持部材600の支持側面602Lには、左側被支持杆637Lが取り付けられている。図41に示すように、右側被支持杆637Rは、パチスロ支持体300の右側板状体302Rに設けられた駆動部310の保持部318に取り付けられ、また、左側被支持杆637Lは、パチスロ支持体300の左側板状体302Lに設けられた駆動部310の保持部318に取り付けられる。
【0378】
上述したように、右側板状体302Rの保持部318は、右側板状体302Rの電動モータ316によって上下方向に移動される。同様に、左側板状体302Lの保持部318は、左側板状体302Lの電動モータ316によって上下方向に移動される。このようにすることで、可動支持部材600を介して、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して上下方向に移動させることができる。保持部318が上限リミットセンサ322Uや下限リミットセンサ322Dに到達するまで、パチスロ10を上下方向に移動させることができる。
【0379】
<右側案内用突出片638R及び左側案内用突出片638L>
さらに、可動支持部材600の支持側面602Rには、2本の右側案内用突出片638Rが、所定の距離を隔てた位置に設けられ、可動支持部材600の支持側面602Lには、2本の左側案内用突出片638Lが、所定の距離を隔てた位置に設けられている(図40参照)。右側案内用突出片638Rは、後述するパチスロ支持体300の右側板状体302Rの案内溝304に、移動可能に挿入され、左側案内用突出片638Lは、パチスロ支持体300の左側板状体302Lの案内溝304に、移動可能に挿入される。
【0380】
右側案内用突出片638R及び左側案内用突出片638Lは、アルミや鉄などの金属や、強化プラスチックなどの樹脂で形成されている。このような材質を用いることで、案内溝304で摺動しても磨耗させにくくすることができる。
【0381】
2本の右側案内用突出片638Rの双方は、支持側面602Rに対して略垂直に、かつ、支持側面602Rの略中央部から離隔するように、支持側面602Rに設けられている。同様に、2本の左側案内用突出片638Lの双方は、支持側面602Lに対して略垂直に、かつ、支持側面602Lの略中央部から離隔するように、支持側面602Lに設けられている。このように、右側案内用突出片638R及び左側案内用突出片638Lを、パチスロ10に設けたことにより、右側案内用突出片138R及び左側案内用突出片638Lは、略水平に延在することになる。
【0382】
このように右側案内用突出片638Rと左側案内用突出片638Lとを設けたことによって、パチスロ10が前側や奥側に傾くことなく、パチスロ10をパチスロ支持体300に対して移動させることができる。
【0383】
上述した第1の実施の形態〜第2の実施の形態における遊技機100は、遊技店の床に直接設置できるものであった。すなわち、第1の実施の形態では、パチスロ10とパチスロ支持体300とからなるものを遊技機100とした。これに対して、この第3の実施の形態では、パチスロ10のみが遊技機であり、パチスロ支持体300は、遊技機に含まれない。したがって、第3の実施の形態では、パチスロ10が、上述した遊技機本体C1−1に対応し、パチスロ支持体300が、上述した遊技機支持体C1−2に対応する。このように構成したことで、従来と同様の構成を有するパチスロ10を変更したり改良したりする必要がないので、遊技店などで、パチスロ支持体300を予め準備して設置しておけば、パチスロ10のみを交換するだけで、パチスロ支持体300に取り付けることができ、遊技店の経済的な負担を軽くすることができる。
【0384】
<<<<第4の実施の形態>>>>
図42は、第4の実施の形態における副制御回路250の構成を示すブロック図である。図43は、副制御回路250のサブCPU252で実行される演出登録の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0385】
第4の実施の形態における副制御回路250は、上述した上下移動制御回路340に電気的に接続されている。例えば、所定のケーブルを接続するためのコネクタをパチスロ10の背面に設けるとともに、パチスロ支持体300にも、この所定のケーブルを接続するためのコネクタを設ける。パチスロ10の背面に設けられたコネクタを、信号線によって副制御回路250と電気的に接続する。同様に、パチスロ支持体300に設けられたコネクタを、信号線によって上下移動制御回路340と電気的に接続する。さらに、パチスロ10の背面に設けられたコネクタと、パチスロ支持体300に設けられたコネクタとを、所定のケーブルで接続することによって、副制御回路250を上下移動制御回路340に電気的に接続することができる。
【0386】
このようにすることで、副制御回路250から、遊技の進行に関する情報、例えば、内部抽籤処理の結果や、遊技状態や、入賞の状態などの情報を上下移動制御回路340に送信する。上下移動制御回路340では、副制御回路250から送信された遊技の進行に関する情報を受信して、その内容に応じて、電動モータ316を駆動して、パチスロ10を移動させることができる。
【0387】
図43に示すように、演出登録の処理のサブルーチンのステップS318の処理によって、副制御回路250から送信された遊技の進行に関する情報に応じて、上下移動のデータを登録する。例えば、遊技の進行に関する情報に応じて、パチスロ10の上下移動の態様を決定して登録する。具体的には、ビッグボーナスに当籤したときには、パチスロ10を大きく振動させたり、長い時間振動させたりする演出を登録する。また、小役に当籤したときには、パチスロ10を小さく振動させたり、短い時間振動させたりする演出を登録する。このように処理をすることで、副制御回路250から送信された遊技の進行に関する情報に応じて、電動モータ316を制御することによって、パチスロ10全体の移動の態様による演出を実行することができる。
【0388】
さらに、副制御回路250から送信された遊技の進行に関する情報として、スタートレバー110や、ストップボタン112L、112C及び112Rが遊技者によって操作されたことを示す情報(以下、操作情報と称する。)もある。この操作情報を検出することにより、パチスロ10が遊技者によって、遊技が行われている状態であるか、遊技が行われておらず、パチスロ10が空いている状態であるかを判断することができる。例えば、操作情報が、所定時間以上、例えば、10分以上発せられていないときには、遊技が行われていない状態であると判別することができる。このように判別したときには、上下移動制御回路340は、電動モータ316を駆動して、パチスロ10を最上部又は最下部に移動させる。このようにすることで、通常、遊技が行われる位置とは異なる位置にパチスロ10を位置づけるので、遠い位置、例えば、遊技店における遊技島の端の方からパチスロ10を視認したときでも、遊技が行われておらず遊技機が空いている状態であることを明確に遊技者に示すことができる。
【0389】
なお、この第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、上端部320Uには、上限リミットセンサ322Uを取り付け、下端部320Dには、下限リミットセンサ322Dを取り付ける。この上限リミットセンサ322Uからリミット信号が発せられたときが、パチスロ10を位置づけることができる最上部であり、下限リミットセンサ322Dからリミット信号が発せられたときが、パチスロ10を位置づけることができる最下部である。このようにすることで、パチスロ10を最上部又は最下部に的確に位置づけることができる。
【0390】
さらに、この第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、少なくとも1つの障害物検出センサ、例えば、光センサやフォトセンサなどを配置するのが好ましい。ここでも、障害物は、例えば、遊技者の荷物などの物体であり、パチスロ10を移動させるときに、パチスロ10の移動の障害になり得る物体である。障害物検出センサは、障害物の有無を検出し、障害物が存在するときには、障害物存在信号を発する。障害物存在信号が発せられていないことを判別して、パチスロ10を最上部又は最下部に移動させることで、パチスロ10や障害物が破損することを防止できる。
【0391】
上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態においては、パチスロ10などを上下方向に移動させる場合のみを示したが、水平方向に移動させたり、所定の角度範囲内で、回転させたり揺れ動く(揺動する)ようにしたりしてもよい。このようにすることで、遊技者が所望する位置に移動させたり、所望する動作をさせたり、遊技の進行に応じた態様の動作をさせたりすることができる。
【符号の説明】
【0392】
10 パチスロ(遊技機、遊技機本体)
110 スタートレバー(遊技操作部、操作手段)
112L、112C、112R ストップボタン(遊技操作部、操作手段)
120L、120C、120R リール(識別情報表示手段)
136R 右側面(第1の側面)
136L 左側面(第2の側面)
136B 底面(底面)
136T 天面(天面)
150 主制御回路(内部当籤役決定手段)
154 メインCPU(遊技制御手段)
156 メインROM
158 メインRAM
210 液晶表示装置(演出実行手段)
250 副制御回路
252 サブCPU
254 サブROM
256 サブRAM
300 パチスロ支持体(遊技機支持体)
302R 右側板状体(第1の支持側面)
302L 左側板状体(第2の支持側面)
302B 底部板状体(支持底面)
302T 天部板状体(支持天面)
316 電動モータ(駆動手段、第1の駆動手段、第2の駆動手段)
326U 上部空間
326D 下部空間
330 操作パネル(信号出力手段)
340 上下移動制御回路340(制御手段)
360D、460D、560D 下部シャッター(下部被覆体)
360U、460U、560U 上部シャッター(上部被覆体)
600 可動支持部材(可動支持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体と、前記遊技機本体を移動可能に支持する遊技機支持体とを有する遊技機であって、
前記遊技機支持体に対して前記遊技機本体を移動させる移動方向と移動させる移動距離との少なくとも一方の情報を含む移動指示信号を発する信号出力手段と、
前記信号出力手段から発せられた前記移動指示信号に応じた駆動電力を生成して出力する制御手段と、
前記駆動電力が供給され、前記遊技機本体を前記遊技機支持体に対して移動させる駆動手段と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技機本体は、互いに向かい合うように形成された第1の側面及び第2の側面と、前記遊技機本体の底部を形成する底面とを有し、
前記遊技機支持体は、前記第1の側面に面した第1の保持側面と、前記第2の側面に面した第2の保持側面と、前記底面に面した保持底面と、を有する可動支持部材を備え、
前記遊技機本体は、前記保持底面上に載置されて前記保持底面によって支持され、かつ、前記第1の保持側面と前記第2の保持側面とによって挟持されることで、前記可動支持部材によって保持され、
前記駆動手段は、前記第1の保持側面を支持しつつ移動させる第1の駆動手段と、前記第2の保持側面を支持しつつ移動させる第2の駆動手段と、を有し、
前記制御手段は、前記移動指示信号に応じて、前記第1の駆動手段に供給する第1駆動電力と、前記第2の駆動手段に供給する第2駆動電力と、を生成することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技機本体は、
遊技者によって操作されることができ、遊技を進行するための遊技操作部であって、前記遊技機本体の前面に設けられた遊技操作部と、
前記遊技機本体の底部を形成する底面と、
前記遊技機本体の天部を形成する天面と、を有し、
前記遊技機支持体は、
前記底面に向かい合うように形成された支持底面と、
前記天面に向かい合うように形成された支持天面と、を有し、
前記底面及び前記支持底面の間の下部空間と、前記天面及び前記支持天面の間の上部空間との少なくとも一方の空間が形成され、
前記下部空間が形成された場合には、下部空間を覆う下部被覆体が、前記遊技機本体の前面の下部に着脱可能に設けられ、
前記上部空間が形成された場合には、上部空間を覆う上部被覆体が、前記遊技機本体の前面の上部に着脱可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2010−172407(P2010−172407A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16453(P2009−16453)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】