説明

遊技機

【課題】変動する識別情報に対して遊技者の技術介入性を持たせるのに当たり、動体視力の差異に拘わらず全ての遊技者に遊技に対する意欲を持たせる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技盤14の遊技領域15の始動口25を遊技球が通過することで回転される、遊技領域15の中央部に配置した回転リール装置500を、所定の条件が満たされた場合に、遊技者の操作ボタン80の押下により停止させることができるようにする。所定の停止態様で回転リール装置500が停止した場合に、大当たりの当選確率が高確率状態か低確率状態かを報知する画面を、一定ゲームに亘って液晶表示装置32に表示させる。遊技者の発射ハンドル26と発射停止ボタン27の操作により増減される回転リール装置500の回転速度に応じて、確率状態の報知画面を表示させるゲーム数を増減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、特に、表示手段にて変動及び停止表示させる識別情報を用いて、本来は存在しない遊技者の技術介入性を新たに追加した遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機では、始動口に遊技球が入球すると、大当たり抽選が行われ、この抽選結果に応じて、特別図柄の変動表示及び停止表示が行われる。特別図柄の停止表示に対しては、遊技者が関与することができないため、特定の特別図柄で停止表示して大当たりとならない通常遊技が長時間継続して行われると、遊技者は徐々に遊技に対する意欲が低下していく。
【0003】
そこで、特開2004−81556号公報(特許文献1)には、変動表示されている図柄に対して、遊技者が停止操作を行うようにし、停止操作の結果、特定の図柄が揃った場合に、有利な遊技状態に移行させることにより、遊技者による技術介入性を持たせ、遊技の単調さを解消することが記載されている。
【0004】
また、特開2004−208879号公報(特許文献2)には、特別図柄が表示されたタイミングと、目押しボタンが押されたタイミングとが一致したときに、リーチを発生させることにより、動体視力の優れた遊技者にとって、特別図柄が停止された際の配列に対する期待をいち早く抱かせることが記載されている。
【特許文献1】特開2004−81556号公報
【特許文献2】特開2004−208879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、遊技者が変動する識別情報(特別図柄など)に対して、技術的に関与させ、利益を提供することで、遊技に対する意欲を高めさせる遊技機が提案されている。
【0006】
このような従来の遊技機では、識別情報が予め定められた速度で変動表示されるので、遊技者が目押しを行うことにより、所望する図柄で停止表示させようとした場合に、動体視力に優れている遊技者と動体視力に劣る遊技者との間で、結果に差異が付くことになる。
【0007】
この場合、動体視力に優れた遊技者にとっては実質的な技術介入性をもたらすことができても、動体視力に優れていない遊技者にとっては技術介入性を実質的にはもたらすことができないようでは、動体視力に優れていない遊技者の遊技に対する意欲を高めることができない。
【0008】
かといって、動体視力に優れていない遊技者にも動体視力に優れた遊技者と全く同じ技術介入性をもたらすことができるようにすると、動体視力に優れた遊技者にとっては、自らの能力に見合った優位性を遊技中に感じることができず、別の意味で遊技に対する意欲を阻害することになりかねない。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、動体視力に差異のある全ての遊技者に、遊技に対する相応の意欲を持たせることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の遊技機は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、所定の条件が満たされた際に、識別情報の変動表示及び停止表示が行われる表示手段と、前記表示手段に変動表示された識別情報を、遊技者の操作によって停止表示させる制御を行う停止操作手段と、前記表示手段に変動表示される識別情報の変動速度を変化させるために遊技者によって操作される変動速度操作手段と、前記変動速度操作手段の遊技者による操作に応じて、前記識別情報の変動速度を変化させる制御を行う変動速度変化制御手段と、前記停止操作手段の遊技者による操作に応じて、前記表示手段に前記識別情報が所定の停止態様で停止表示されたときに、所定の利益を遊技者に提供する制御を行う利益提供手段と、前記表示手段に変動表示される前記識別情報の変動速度に応じて、前記利益提供手段が遊技者に提供する前記所定の利益の程度を変更する制御を行う利益程度変更制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載した本発明の遊技機によれば、変動速度操作手段の遊技者による操作入力に応じて変動速度変化制御手段が識別情報の変動速度を相対的に高く変化させた場合と相対的に低く変化させた場合とでは、停止操作手段の遊技者による操作に応じて識別情報が表示手段に所定の停止態様で停止表示されたときに利益提供手段が遊技者に提供する所定の利益の程度が、利益程度変更制御手段の制御によって異なるものとされることになる。
【0012】
このため、動体視力に優れた遊技者が、相対的に高い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合と、動体視力に優れていない遊技者が、相対的に低い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合とでは、利益提供手段により遊技者に提供される所定の利益の程度が、利益程度変更制御手段の制御によって異なるものとされるようにして、動体視力に優れた遊技者とそうでない遊技者との双方に、遊技に対する相応の意欲をそれぞれ持たせることができる。
【0013】
請求項2に記載した本発明の遊技機は、前記利益程度変更制御手段は、前記表示手段に変動表示される前記識別情報の変動速度が高いほど、前記利益提供手段が遊技者に提供する前記所定の利益の程度を大きくする制御を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載した本発明の遊技機によれば、動体視力に優れた遊技者が、相対的に高い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合には、利益提供手段により遊技者に提供される所定の利益が利益程度変更制御手段の制御によって程度の大きいものとされる。一方、動体視力に優れていない遊技者が、相対的に低い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合には、利益提供手段により遊技者に提供される所定の利益が利益程度変更制御手段の制御によって程度の小さいものとされる。
【0015】
このため、動体視力に自信のある遊技者が相対的に高い変動速度で変動させていた識別情報を、停止操作手段の操作によって表示手段に所定の識別態様で停止表示させた場合には、動体視力に自信のない遊技者が相対的に低い変動速度で変動させていた識別情報を、停止操作手段の操作によって表示手段に所定の識別態様で停止表示させた場合よりも、程度の大きい所定の利益を得られるようにして、動体視力に優れた遊技者のそうでない遊技者に対する優位性を確保し、動体視力に優れた遊技者に遊技に対する相応の意欲を持ち続けさせることができる。
【0016】
請求項3に記載した本発明の遊技機は、所定の条件を満たすことによって、遊技者にとって有利な特別遊技に移行するか否かの抽選を、該特別遊技の当選確率が高い確変状態を含む複数の当選確率状態で実行する特別遊技抽選手段と、該特別遊技抽選手段による前記抽選に当選したときに前記特別遊技を実行する制御を行う特別遊技実行制御手段と、前記当選確率状態を遊技者に報知するための確率状態報知手段とをさらに備えており、前記利益提供手段は、前記確率状態報知手段により前記当選確率状態を遊技者に報知する制御を、前記所定の利益を遊技者に提供する制御として実行し、前記利益程度変更制御手段は、前記当選確率状態を前記確率状態報知手段により遊技者に報知する期間を変更する制御を、前記所定の利益の程度を変更する制御として行うことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載した本発明の遊技機によれば、動体視力に優れた遊技者が、相対的に高い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合と、動体視力に優れていない遊技者が、相対的に低い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合とでは、利益提供手段により所定の利益として遊技者に提供される特別遊技の抽選の当選確率状態に関する報知の期間が、利益程度変更制御手段の制御によって異なるものとされることになる。
【0018】
このため、識別情報の変動速度が相対的に高い場合に、所定の停止態様で識別情報を表示手段に停止表示させたときの当選確率状態の報知期間が長くなるようにして、動体視力に優れた遊技者に対する優位性を担保したり、反対に、識別情報の変動速度が相対的に低い場合に、所定の停止態様で識別情報を表示手段に停止表示させたときの当選確率状態の報知期間が長くなるようにして、動体視力に優れていない遊技者に対する救済性を優先させるようにする等、停止操作手段の操作により遊技者が停止表示させる識別情報の変動速度について、特別遊技の抽選の当選確率状態との関係で幅広い意味合いを持たせることができる。
【0019】
請求項4に記載した本発明の遊技機は、前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を捕捉可能な開放状態と捕捉困難な閉鎖状態とに移行可能である第1入賞装置と、前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を捕捉可能な開放状態と捕捉困難な閉鎖状態とに移行可能である第2入賞装置と、所定の条件を満たすことによって、前記第1入賞装置又は前記第2入賞装置を前記開放状態にするか否かの抽選を行う開放状態抽選手段と、前記抽選の結果が第1の当選の場合に、前記第1入賞装置を前記開放状態に移行して第1遊技を実行する制御を行う第1入賞装置実行制御手段と、前記第1の当選とは抽選の結果が異なる第2の当選の場合に、前記第2入賞装置を前記開放状態に移行して、前記第1遊技とは異なる第2遊技を実行する制御を行う第2入賞装置実行制御手段と、前記開放状態抽選手段による前記第2の当選の当選確率を変更する制御を行うための当選確率変更手段とをさらに備えており、前記利益提供手段は、前記第2の当選の抽選を前記開放状態抽選手段により行う制御を、前記所定の利益を遊技者に提供する制御として実行し、前記利益程度変更制御手段は、前記第2の当選の当選確率を前記当選確率変更手段により変更する制御を、前記所定の利益の程度を変更する制御として行うことを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載した本発明の遊技機によれば、動体視力に優れた遊技者が、相対的に高い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合と、動体視力に優れていない遊技者が、相対的に低い変動速度で変動する識別情報を停止操作手段の操作により所定の停止態様で停止表示させた場合とでは、利益提供手段により所定の利益として遊技者に提供される第2の当選の当選確率が、利益程度変更制御手段の制御によって異なるものとされることになる。
【0021】
このため、識別情報の変動速度が相対的に高い場合に、所定の停止態様で識別情報を表示手段に停止表示させた後の第2の当選の当選確率が高くなるようにして、動体視力に優れた遊技者に対する優位性を担保したり、反対に、識別情報の変動速度が相対的に低い場合に、所定の停止態様で識別情報を表示手段に停止表示させた後の第2の当選の当選確率が高くなるようにして、動体視力に優れていない遊技者に対する救済性を優先させるようにする等、停止操作手段の操作により遊技者が停止表示させる識別情報の変動速度について、第2遊技を実行するきっかけとなる第2の抽選の当選確率との関係で幅広い意味合いを持たせることができる。
【0022】
請求項5に記載した本発明の遊技機は、前記変動速度操作手段の遊技者による操作によって、遊技者が所望する前記所定の利益の程度が指定され、前記変動速度変化制御手段は、指定された前記所定の利益の程度に応じた変動速度に前記識別情報の変動速度を変化させる制御を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載した本発明の遊技機によれば、停止操作手段の遊技者による操作に応じて識別情報を表示手段に停止表示させる際に、遊技者が変動速度操作手段の操作によって指定する所定の利益の程度が異なると、変動速度変化制御手段の制御によって識別情報の変動速度が、指定した所定の利益の程度に応じた変動速度に変更されることになる。
【0024】
このため、遊技者が所望する所定の利益の程度を基準にして識別情報の変動速度を遊技者が選択できるようにして、停止操作手段の遊技者による操作に応じて識別情報を表示手段に停止表示させる遊技に対する意欲を、遊技者に持たせることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、動体視力に優れた遊技者にもそうでない遊技者にも、それぞれの遊技者の動体視力に関する能力に応じた所定の利益を得る可能性を持たせるようにして、全ての遊技者の遊技に対する意欲をそれぞれ高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明に好適な実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0027】
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図1〜図4を用いて説明する。なお、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を「デジパチ」とも称されるパチンコ遊技機に適用した場合を示す。
【0028】
パチンコ遊技機10には、図1〜図2に示すように、遊技盤14が装着される本体枠12がヒンジを介して島設備に固定される木製のベース枠18に回動可能に取り付けられている。すなわち、本体枠12は、本体枠12の一方端を回動支点として支持されてそのベース枠18に開閉自在に装着される。これら本体枠12及びベース枠18で遊技機本体が構成されている。本体枠12における開口12aの内部には各種の部品が配設され、本体枠12には前方に開閉自在に扉11が、軸着されている。この扉11は、図2に示すように、本体枠12を前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26などが配設されている。
【0029】
本体枠12の開口12a内部には、後ろ側から順に回転リール装置500、遊技盤14、液晶表示装置32などが配設されている。なお、図2における遊技盤14、スペーサー31、回転リール装置500、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
【0030】
遊技盤14は、背後に回転リール装置500が配置される中央部に窓部14aを設けた板形状の不透明樹脂によって形成されている。具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などの材質を遊技盤14に用いることができる。なお、遊技盤14は、その窓部14aが透過性を有し、その周辺部が透過性を有していない板形状の樹脂によって形成することもできる。具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の透過性を有する材質の部材を基板とし、この部材の窓部14aを除く部分をキャラクタ等の装飾画像によって着色して不透明としたもので構成することができる。あるいは、遊技盤14は、不透明樹脂の中央部に透過性の樹脂部材を嵌め込み成形又は多色成形して窓部14aを形成した板状部材によって構成することもできる。このようにして構成される遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には後述の図3に示す外レール30a)に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には、複数の遊技釘13が打ちこまれている。
【0031】
液晶表示装置32は、長辺が長い矩形の2枚の液晶パネルを上下に、長辺が短い矩形の2枚の液晶パネルを左右に配設してなる一枚の平板状の液晶パネルである。液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、前面側から重なるように配設される。言い換えると、この表示領域32aは、少なくとも、遊技盤14における遊技領域15の全部又は一部と重なるように遊技盤14の前方に配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の前方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。更に、液晶表示装置32の後方には遊技盤14が配設されており、この遊技盤14の透過性を有する中央部の背後には回転リール装置500が配設されている。このため、液晶表示装置32が白色を表示するための信号により実質的に透明状態とされている状態では、液晶表示装置32正面(前面)視した場合、遊技盤14の透過性を有する中央部を介して回転リール装置500が視認可能となる。
【0032】
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設され、その背後の本体枠12との間に、遊技球の流路となる空間を構成している。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されている。なお、本実施形態においてスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。
【0033】
扉11には、透過性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で、液晶表示装置32の前面に対面するように配設されている。
【0034】
発射ハンドル26は本体枠12に対して左側下方に回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。更に、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。この発射停止ボタン27が遊技者によりタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者の左手によって握持され、かつ、反時計回り方向へ所定角度以上回動操作されたときには、発射ソレノイド(図示せず)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。また、発射ハンドル26の周縁部には、発射停止ボタン27が設けられている。この発射停止ボタン27が遊技者により押圧操作されている間は、発射ハンドル26が遊技者により反時計回り方向へ所定角度以上回動操作されていても、発射ソレノイドによる遊技球の順次発射が中断される。これらの発射ハンドル26、発射ソレノイド(図示せず)、タッチセンサ(図示せず)、発射停止ボタン27などから構成される発射装置130(図7参照)が遊技盤14に対して左側下方に設置されている。また、下皿22の右側には、喫煙しながら遊技を行う遊技者の便宜を図る灰皿28が設けられている。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、従来の多くの遊技機とは異なり、発射ハンドル26が向かって左側に、灰皿28が向かって右側に、つまり左右が反対に設けられている。また、本体枠12における発射ハンドル26の近傍には、発射パワー増加ボタン82(図4参照)と、発射パワー減少ボタン84(図4参照)が設けられており、例えば、遊技者の左手人差し指による発射パワー増加ボタン82の押下によって、発射される遊技球の勢いが強くなり、発射パワー減少ボタン84の押下によって、発射される遊技球の勢いが弱くなる。すなわち、発射パワー増加ボタン82(図4参照)及び発射パワー減少ボタン84の操作により、発射される遊技球の勢いが調節される。
【0035】
また、上皿20の前面には、遊技者による操作が可能な操作ボタン80が備えられている。この操作ボタン80は、左図柄停止ボタン(以下、「左ボタン」と称する)80a、中図柄停止ボタン(以下、「中ボタン」と称する)80b及び右図柄停止ボタン(以下、「右ボタン」と称する)80cの3つからなり、相互に水平方向に並設されている。この操作ボタン80は、回転リール装置500による変動表示を停止させることに用いられる。
【0036】
図3に示されるように、遊技盤14の左下方には、特別図柄表示器35、普通図柄表示器33、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。
【0037】
特別図柄表示器35は、複数の7セグメントLEDで構成されている。この7セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLEDの点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄(第1識別情報ともいう)として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“12”、“50”、又は“64”などの数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技から遊技者に有利な状態である大当たり遊技に遊技状態が移行する。この大当たり遊技となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球を受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
【0038】
特別図柄表示器35の下方には、普通図柄表示器33が設けられている。普通図柄表示器33は、例えば、赤色LEDと緑色LEDの二つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返し、普通図柄として変動表示される。
【0039】
普通図柄表示器33の下方には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。例えば、特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプ34aが点灯する。
【0040】
普通図柄表示器33の下方には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留ランプ50aが点灯する。
【0041】
特別図柄表示器35の左側には、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。このラウンド数表示器51a〜51dは、大当たり遊技の実行中において最大ラウンド数を表示する。なお、このラウンド数表示器51a〜51dは、4つのドットLEDから構成されており、ドットLED毎に点灯と消灯の2つのパターンがあるので、少なくとも16パターンの表示が可能である(2の4乗パターン)。なお、ラウンド数表示器51は、複数の7セグメントLED、液晶表示部、透過性を有する液晶表示部などから構成される場合もある。
【0042】
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、特別図柄表示器35において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
【0043】
例えば、特別図柄表示器35で表示される特別図柄の変動表示中においては、回転リール装置500において、数字や記号などからなる識別図柄が変動表示される。また、特別図柄表示器35において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、回転リール装置500でも演出用としての複数の識別図柄からなる識別情報が停止表示される。このように、回転リール装置500は、所定の条件を満たしたときに、識別情報の変動表示及び停止表示が行われる表示手段の一例である。
【0044】
また、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当たりであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、回転リール装置500において表示される演出用の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列において全て同じ図柄が揃った状態で停止表示される態様)となり、更に、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、「大当たり!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が表示される。
【0045】
図3に示すように、二つのガイドレール30(30a及び30b)、ステージ55、通過ゲート54a、54b、ステージ57、始動口25、シャッタ40、大入賞口39、普通電動役物48、一般入賞口56a、56b、56c、56dなどの遊技部材が遊技盤14上に設けられている。更に、扉11の上部には、スピーカ46a、46b(図1参照)が設けられている。
【0046】
遊技盤14の上部にはステージ55が設けられ、遊技盤14の略中央にはステージ57が設けられている。
【0047】
遊技盤14の左側に設けられているガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、前述した複数の遊技釘13、遊技盤14上に設けられたステージ55、57などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
【0048】
また、ステージ55の左端部には、ワープ口24が形成されている。このワープ口24に遊技球が入球すると、遊技盤14の背後において、第1ワープ経路47を経由し、ステージ57の背後に導かれる。ステージ57の背後に導かれた遊技球は、ステージ57に囲まれた排出口(図示せず)から遊技盤14の表側に排出され、当該遊技盤14へと流下する。
【0049】
前述した始動口25には、普通電動役物(略して、普通電役と称する場合もある)が設けられている。この普通電動役物48は、一対の対向する羽根部材と、この羽根部材を開閉させる普通電動役物ソレノイド118(図7参照)とを備えている。羽根部材が閉鎖状態の場合には、羽根部材の上方からのみ始動口25への入球が可能となり、開放状態の場合には、羽根部材の上方及び左右から始動口25への入球が可能となり、始動口25に遊技球が入りやすくなるようになる。普通電動役物ソレノイド118(図7参照)は、詳細は後述するが、メインCPU66によって駆動制御される。
【0050】
前述した始動口25内には入賞領域が設けられている。この入賞領域には始動入賞球センサ116(図7参照)を備える。遊技球などの遊技媒体が、始動入賞球センサ116で検出された場合、遊技球が入賞したと判定される。遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示器35による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の変動表示が保留される。このように、遊技盤14は、遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤の一例である。
【0051】
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
【0052】
遊技盤14の略中央の左右両側には通過ゲート54a、54bが設けられている。この通過ゲート54a、54bには、通過球センサ114、115(図7参照)が設けられている。通過球センサ114、115は、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したことを検出する。そして、通過球センサ114、115によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器33において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、赤色LEDや緑色LEDの発光表示である。
【0053】
この普通図柄が所定の発光表示、例えば赤色LEDとして停止表示されたときには、始動口25に設けられている普通電動役物48の羽根部材が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
【0054】
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54a、54bを遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート54a、54bへの遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
【0055】
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が大当たり遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
【0056】
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントセンサ104(図7参照)を有する一般領域(図示せず)があり、一般領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンドなどのラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
【0057】
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は、所定のインターバル時間の経過後、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームの終了後、所定のインターバル時間が経過すると、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。
【0058】
大当たり遊技の実行中において、最初のラウンド数から最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、停止表示された特別図柄によって異なる。例えば、本実施形態において、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が64の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が21の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が50の場合は、最大継続ラウンド数は2ラウンドとなる。なお、最大継続ラウンド数は2ラウンド又は15ラウンドに限定されない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(メインCPU66を含む主制御回路60、図7参照)による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるようにしてもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、大当たり遊技として、15R通常大当たり遊技と、2R確変大当たり遊技、及び15R確変大当たり遊技の3種類を設定している。そして、上記の3種類の大当たり遊技が実行される場合には、大入賞口39に設けられたシャッタ40を、所定時間可動させる制御が行われる。
【0060】
ここで、15R通常大当たり遊技は、大入賞口39に設けられたシャッタ40を一定時間だけ開放した後、閉鎖する開閉する動作を、第1ラウンドから第15ラウンドまでの最大15回のラウンド遊技を繰り返し、且つ、1回のラウンド遊技で最高10個の遊技球の入球を受け付ける。そして、大当たり遊技の終了後は、通常モードとなる。
【0061】
また、15R確変大当たり遊技は、上記した15R通常大当たり遊技と同様に、大入賞口39に設けられたシャッタ40を開閉する動作を、第1ラウンドから第15ラウンドまでの最大15回のラウンド遊技を繰り返し、且つ、1回のラウンド遊技で最高10個の遊技球の入球を受け付ける。そして、大当たり遊技の終了後は、上記した通常モードよりも第1種大当たり遊技へ移行する確率が相対的に高く設定された確変モードとなる。
【0062】
更に、2R確変大当たり遊技は、シャッタ40を開閉する動作を第1ラウンド、及び第2ラウンドの2ラウンド実行し、且つ、1回のラウンド遊技で最高2個の遊技球の入球を受け付ける。そして、大当たり遊技の終了後は、確変モードとなる。
【0063】
なお、15R確変大当たり遊技や2R確変大当たり遊技の終了後に突入する確変モードは、15R確変大当たり遊技や2R確変大当たり遊技の終了後に周期的に実行される転落抽選に当選した時点で通常モードに変更される。
【0064】
また、前述した一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22(図2参照)に払い出される。
【0065】
また、前述した始動口25において入賞と判定されたときには、予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22(図2参照)に払い出される。
【0066】
なお、遊技盤14が透明である本実施形態では、液晶表示装置32の表示領域32aが遊技盤14を通して視認可能に配置されている。また、液晶表示装置32にかえて、例えばプラズマティスプレイ等を用いることもできる。
【0067】
[回転リール装置の構成及び配置]
図5は回転リール装置の概略構成を示す説明図であり、図5(a)は斜視図、図5(b)は側面図である。回転リール装置500は、複数種類の識別図柄からなる識別情報が配列された3種類の回転リール510a、510b、510c、回転リール510a、510b、510cを回転可能に並列させて軸支する回転軸520、回転リール510a、510b、510cを回転駆動させるステッピングモータからなる駆動モータ540a、540b、540cを備えている。
【0068】
駆動モータ540a、540b、540cには、筒状の中心軸と、この中心軸に対して周方向に回転する回転子が備えられており、筒状の中心軸を介して駆動モータ540a、540b、540cが回転軸520に固定される。また、回転子が回転リール510a、510b、510cに連結される。このため、駆動モータ540a、540b、540cに電源が供給されることにより、回転子が回転駆動され、回転リール510a、510b、510cが回転するようになる。
【0069】
回転リール510a、510b、510cは、円筒体の側面に識別情報として複数の識別図柄を並べて形成したものである。識別情報は、7、BAR、スイカ、ベル、チェリー、プラムといった複数の識別図柄から構成されている。
【0070】
図6は回転リール装置の配置を示す説明図であり、回転リール装置500の表示態様の一部が窓部14aに対向している。また、遊技盤14は、少なくとも窓部14aに対向する部位に透過性を持たせており、この透過性を有する部位を介して、回転リール装置500の表示態様視認可能になる。
【0071】
窓部14aの領域には、1つの回転リールにつき、連続した3つの識別図柄が対向するように配置されているため、遊技者には3×3のマトリクス状に識別図柄が配置されるように視認される。また、駆動モータ540a、540b、540cをそれぞれ独立して回転制御することにより、回転リール510a、510b、510cが下から上に向かって回転する。更に駆動モータ540a、540b、540cを停止制御することにより、回転リール510a、510b、510の識別図柄の組合せが表示される。すなわち、識別図柄は横方向に並ぶように配置された左図柄、中図柄、右図柄の3列の図柄からなり、それぞれ上から下に向かって回転するように変動表示され、3×3のマトリクス状に識別図柄が配置されるように停止表示される。なお、説明の便宜上、回転リール510aの識別図柄を左図柄、左図柄の図柄列を左列、回転リール510bの識別図柄を中図柄、中図柄の図柄列を中列、回転リール510cの識別図柄の配列を右図柄、右図柄の図柄列を右列と称する。
【0072】
操作ボタン80における左ボタン80a(図4参照)が左図柄(左列)、中ボタン80bが中図柄(中列)、右ボタン80cが右図柄(右列)にそれぞれ対応し、例えば、左図柄が変動中に左ボタン80a(図4参照)が押下されると駆動モータ540aが停止して左図柄が停止表示される。他の図柄についても同様である。
【0073】
これら左ボタン80a、中ボタン80b及び右ボタン80cは、後述するサブCPU206に電気的に接続されている。そして、左ボタン80aが押下されると左図柄停止信号が、中ボタン80bが押下されると中図柄停止信号が、右ボタン80cが押下されると右図柄停止信号がそれぞれサブCPU206に入力されるようになっている。
【0074】
なお、左図柄停止信号とは、回転リール装置500にて可変表示中の識別図柄の図柄列のうち、左図柄を停止表示させるための信号である。本実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図7参照)により、回転リール装置500にて変動表示中の図柄列のうち、左図柄を停止表示させるための制御が行われる。つまり、左ボタン80aは左図柄と対応しており、左ボタン80aか押下されると左図柄が停止表示されるようになっている。
【0075】
また、中図柄停止信号とは、回転リール装置500にて可変表示中の識別図柄の図柄列のうち、中図柄を停止表示させるための信号である。本実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図7参照)により、回転リール装置500にて変動表示中の図柄列のうち、中図柄を停止表示させるための制御が行われる。つまり、中ボタン80bは中図柄と対応しており、中ボタン80bが押下されると中図柄が停止表示されるようになっている。
【0076】
また、右図柄停止信号とは、回転リール装置500にて可変表示中の識別図柄の図柄列のうち、右図柄を停止表示させるための信号である。本実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図7参照)により、回転リール装置500にて変動表示中の図柄列のうち、右図柄を停止表示させるための制御が行われる。つまり、右ボタン80cは右図柄と対応しており、右ボタン80cが押下されると右図柄が停止表示されるようになっている。
【0077】
すなわち、左ボタン80a、中ボタン80b及び右ボタン80cは、変動表示される識別図柄(つまり、左図柄、中図柄及び右図柄)をそれぞれ停止させる機能を有している。このように、操作ボタン80は、表示手段(回転リール装置500)に変動表示された識別情報(7、BAR、スイカ、ベル、チェリー等)を、遊技者の変動停止操作によって停止表示させる停止操作手段の一例である。
【0078】
前述のように、発射ハンドル26が向かって左側に設けられていることから、本実施形態のパチンコ遊技機10では、左手で発射ハンドル26の操作を行いながら、右手は上皿20の手前の縁に載置しておき、所望のタイミングで左ボタン80a、中ボタン80b及び右ボタン80cを押下することにより変動中の識別図柄の停止操作を行う。
【0079】
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
【0080】
遊技の進行を制御する主制御回路60は、図7に示すように、メインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。
【0081】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70などが接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、特別遊技抽選手段、特別遊技実行制御手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0082】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり遊技へ移行するか否か判定をする際に参照される特別図柄決定テーブルなどの各種のテーブルも記憶されている。
【0083】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
【0084】
メインRAM70には、制御状態フラグ、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、リーチパターン選択用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄に関する保留個数を示すデータ、普通図柄に関する保留個数を示すデータ、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数などが位置付けられている。
【0085】
制御状態フラグは、特別図柄ゲームや普通図柄ゲームの制御状態を示すものである。なお、以下の説明において、単に制御状態フラグと称する場合には特別図柄ゲームの制御状態を示すものとし、普通制御状態フラグと称する場合には普通図柄ゲームの制御状態を示すものとする。
【0086】
大当たり判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定するためのものである。大当たり図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定した場合に、停止表示される特別図柄を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当たりではない場合に停止表示する特別図柄を決定するためのものである。リーチパターン選択用乱数カウンタは、リーチを行うか否かを決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、演出用の変動パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。
【0087】
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期をとるためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。なお、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPUなど自体がタイマを備えていてもよい。
【0088】
大入賞口開放回数カウンタは、大当たり遊技状態における大入賞口の開放回数(所謂ラウンド数)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口に入賞し、カウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。更に、特別図柄に関する保留個数を示すデータは、始動口25へ遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、特別図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている特別図柄ゲームの保留回数を示すものである。更に、普通図柄に関する保留個数を示すデータは、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、普通図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている普通図柄ゲームの保留回数を示すものである。
【0089】
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてシステムリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
【0090】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図7に示すように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、発射停止スイッチ122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
【0091】
カウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0092】
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0093】
通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bにそれぞれ設けられている。この通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bをそれぞれ遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0094】
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して始動口25に設けられる普通電動役物48の羽根部材に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0095】
大入賞口ソレノイド120は、図4に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0096】
発射停止スイッチ122は、図4に示す発射停止ボタン27の操作によってオン、オフされる。すなわち、発射停止ボタン27の押下していない状態では、発射停止スイッチ122がオフになり、発射停止ボタン27を押下することにより、発射停止スイッチ122がオンになる。また、発射停止スイッチ122は、発射停止ボタン27の操作に応じた検知信号を主制御回路60に供給する。
【0097】
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時などにおけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0098】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードに記憶された情報を読み取るカードユニット150が接続されている。
【0099】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
【0100】
また、発射装置130には、前述した発射ハンドル26、発射停止ボタン27、発射ソレノイド(図示せず)、タッチセンサ(図示せず)などの遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、反時計回り方向へ回動操作されたときには、発射パワー増加ボタン82及び発射パワー減少ボタン84によって調整した発射強度基づいて発射ソレノイド(図示せず)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイド(図示せず)により遊技盤14に順次発射される。また、発射ハンドル26を回動させた状態であっても、発射停止ボタン27が押下された場合には、発射ソレノイド(図示せず)への電力供給が停止され、遊技球の発射が停止される。また、発射停止ボタン27を短時間押下した場合には、回転リール510a、510b、510c(図5参照)の回転速度を発射ハンドル26の回動により変更できる状態となる。そして、回転速度を変更した後に、再度発射停止ボタン27を短時間押下すると、発射ハンドル26の回動により遊技球が発射される通常の状態に復帰する。
【0101】
更に、主制御回路60には、ランプ74が接続されている。主制御回路60は、ランプ74に対してランプ(LED)制御信号を供給する。なお、ランプ74には、白熱電球、LEDなど、具体的には、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図3参照)、普通図柄保留ランプ50a〜50d(図3参照)、特別図柄表示器35(7セグメントLED、図3参照)、普通図柄表示器33(表示用ランプ、図3参照)などが含まれる。
【0102】
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、回転リール装置500における駆動制御、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、ランプ132の制御などを行う。なお、ランプ132には、白熱電球、LEDなど、具体的には、遊技盤14上を明暗表示する装飾ランプ(図示せず)などが含まれる。
【0103】
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0104】
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御手段としての表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、回転リール装置500の制御、ランプ132や演出用の可動役物に関する制御を行う駆動回路240を備える。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0105】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210などが接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。更に、サブCPU206には、発射装置130と接続されており、発射ハンドル26の回動量のデータや発射停止ボタン27の操作内容を示すデータが発射装置130から副制御回路200に送信される。
【0106】
発射装置130から送信されるデータを用いてサブCPU206が行う制御によって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、発射停止ボタン27を短時間押下した場合には、発射ハンドル26を回動させることにより、発射ハンドル26の回動量に応じて回転リール510a、510b、510c(図5参照)の回転速度を変更することが可能になる。そして、回転速度を変更した後に、再度発射停止ボタン27を短時間押下することによって、遊技球の発射が再開するとともに、新たに設定された回転速度で回転リール510a、510b、510c(図5参照)が回転するようになる。したがって、回転リール510a、510b、510cの回転速度を変えることにより、識別情報の変動速度が変えられる。このように、サブCPU206は、発射停止部(発射停止ボタン27)の操作によって発射停止状態となっているときに行われる発射操作部(発射ハンドル26)の回転操作量に応じて、前記表示手段に変動表示される識別情報の変動速度を変化させる変動速度変化制御手段の一例である。
【0107】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されている。
【0108】
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に関するものである。その他にも、プログラムROM208には、複数種類の大当たり遊技の実行中の演出パターンが記憶されている。この大当たり遊技の実行中の演出パターンは、大当たり遊技におけるラウンドゲームに関連して実行される演出表示の進行に関するものである。
【0109】
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブルなどを記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジなどの記憶媒体に、プログラム、テーブルなどが記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM208の代替としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210などに記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0110】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、識別情報の停止表示態様を決定するための停止表示態様決定用乱数カウンタ、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタなど、各種の変数などが位置付けられている。更に、ワークRAM210は、回転リール装置500の回転速度を設定するための設定値を記憶する領域を有し、この領域に記憶される設定値を変化させることにより、回転リール装置500の回転速度が変化するようになる。
【0111】
なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0112】
駆動回路240は、ドライブ回路242と、装飾データROM244とを備え、サブCPU206に接続されている。ドライブ回路242を介して、回転リール装置500の駆動モータ540a、540b、540cを駆動制御するとともに、ランプ132の発光を制御する。
【0113】
表示制御回路250は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
【0114】
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データROM216、D/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
【0115】
このVDP212は、所謂スプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路などの回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
【0116】
画像データROM216には、特別画像データ、背景画像データ、演出画像データなどの各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
【0117】
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、背景画像データ、演出画像データなど、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
【0118】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、BGMをはじめとする各種の演出効果音の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する)などから構成されている。
【0119】
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
【0120】
[主制御メイン処理]
図8を用いて、主制御メイン処理を説明する。
【0121】
ステップS9においては、初期化設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、電源投入に応じて、メインROM68から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM70に記憶されるフラグなどを初期化し、又は電源遮断前の状態に復帰する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS10に処理を移行する。
【0122】
ステップS10においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移行する。
【0123】
ステップS11において、メインCPU66は、システムタイマ監視タイマ値が3であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3である場合には、ステップS12に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3でない場合には、ステップS10に処理を移行する。
【0124】
ステップS12においては、システムタイマ監視タイマリセット処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマをリセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS13に処理を移行する。
【0125】
ステップS13においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移行する。
【0126】
ステップS14においては、特別図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御処理を行う。特別図柄制御処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移行する。
【0127】
ステップS15においては、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選が当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移行する。
【0128】
ステップS16においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS14、ステップS15でメインRAM70に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示器35と、普通図柄表示器33と、ラウンド数表示器51とを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。メインCPU66は、後述するステップS19にて制御信号を特別図柄表示器35に制御信号を送信する。特別図柄表示器35は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示器33は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合には、ステップS17に処理を移行する。
【0129】
ステップS17においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、台コンピュータ又はホールコンピュータ(図示せず)に送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS18に処理を移行する。
【0130】
ステップS18においては、図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、後述するシステムタイマ割込処理におけるスイッチ入力検出処理(図16、ステップS46)にて検出される始動入賞球センサ116及び通過球センサ114、115からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM70に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、特別図柄保留ランプ34a〜34d及び普通図柄保留ランプ50a〜50dを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS19に処理を移行する。
【0131】
ステップS19においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、上記のステップなどでメインRAM70に記憶される制御信号を各ポートに出力する処理を行う。具体的には、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図5参照)、特別図柄表示器35(8セグメントLED、図5参照)、普通図柄表示器33(表示LED、図5参照)にLED点灯のためのLED電源(コモン信号)やソレノイド駆動のためのソレノイド電源を供給する。この処理が終了した場合には、ステップS20に処理を移行する。
【0132】
ステップS20においては、記憶・遊技状態コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされているか判定し、確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされていると判定した場合、確変状態コマンド、時短状態コマンドを生成し、副制御回路200に送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS21に処理を移行する。
【0133】
ステップS21においては、演出制御コマンド出力制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、演出制御コマンドや大当たり後の抽選回数のデータを副制御回路200への出力制御処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS22に処理を移行する。
【0134】
ステップS22においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39、始動口25、一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路126に送信する。本実施形態においては、大入賞口39に入賞した場合には賞球として15個の遊技球、始動口25に入賞した場合には賞球として5個の遊技球、一般入賞口56a〜56dに入賞した場合には賞球として10個の遊技球が、遊技者に払い出される。この処理が終了した場合には、ステップS12に処理を移行する。
【0135】
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU66は、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生させ、これに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。図9を用いて、システムタイマ割込処理を説明する。
【0136】
ステップS41においては、各レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS42に処理を移行する。
【0137】
ステップS42においては、システムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理など)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移行する。
【0138】
ステップS43においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される大当たり判定用乱数カウンタなどの乱数値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移行する。
【0139】
ステップS44においては、入力ポート読込処理を行う。この処理において、メインCPU66は、各ポートからの検知信号を読み込む処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS46に処理を移行する。
【0140】
ステップS46においては、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、始動入賞球センサ116など各スイッチからの検知信号を検出する処理を行う。スイッチ入力検出処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移行する。
【0141】
ステップS47においては、各レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS42で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移行する。
【0142】
ステップS49においては、割込み許可処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰させる。
【0143】
[スイッチ入力検出処理]
図10を用いて、スイッチ入力検出処理を以下に説明する。
【0144】
ステップS50において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106,108,110,112、始動入賞球センサ116からの検知信号を受信したか否かをチェックし、検知信号を受信した場合に、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106,108,110,112、始動入賞球センサ116に対応する賞球カウンタに1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS52に処理を移行する。
【0145】
ステップS52において、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、始動入賞球センサ116からの検知信号を受信したか否かをチェックする処理を行う。始動入賞球センサ116からの検知信号を受信した場合に、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、特別図柄ゲームの大当たり判定用乱数値と、大当たり図柄決定用乱数値とを抽出し、メインRAM70の特別図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS54に処理を移行する。
【0146】
ステップS54において、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114,115からの検知信号を受信したか否かをチェックする処理を行う。更に、通過球センサ114,115からの検知信号を受信した場合に、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、普通図柄ゲームの当たり判定用乱数値を抽出し、メインRAM70の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS56に処理を移行する。
【0147】
ステップS56において、発射停止スイッチチェック処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS58に処理を移行する。
【0148】
ステップS58において、その他のスイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、その他のスイッチチェック(例えば、下皿22が遊技球で満たされた場合にオンとなる満タンスイッチ、エラー検出用のスイッチなど)をチェックする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0149】
[発射停止スイッチチェック処理]
図11を用いて、発射停止スイッチチェック処理を説明する。
【0150】
ステップS61において、メインCPU66は、発射停止スイッチ122から送信される検知信号に基づいて発射停止スイッチ122がオンであるか否かを判定し、発射停止スイッチ122がオンであると判定した場合にはステップS62に処理を移行する。オンであると判定しない(オフである)場合には本サブルーチンを終了する。
【0151】
ステップS62において、発射停止処理を行う。この処理において、メインCPU66は、遊技球の発射を停止させる発射停止コマンドを、払出・発射制御回路126へ送信するための送信バッファに記憶する処理を行う。発射停止コマンドは、図8のステップS19の処理によって払出・発射制御回路126に送信される。コマンドを受信した払出・発射制御回路126は、発射装置130の発射ソレノイド(図示せず)を停止させる処理を行うようになる。この処理が終了した場合には、ステップS63に処理を移行する。
【0152】
ステップS63において、発射停止スイッチタイマを始動させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の発射停止スイッチタイマの計時を開始し、発射停止スイッチタイマがオンの時間を計る処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS64に処理を移行する。
【0153】
ステップS64において、メインCPU66は、発射停止スイッチ122から送信される検知信号に基づいて発射停止スイッチ122がオフであるか否かを判定し、発射停止スイッチ122がオフであると判定した場合には、発射停止スイッチタイマを停止させた後に、ステップS65に処理を移行する。オフであると判定しない(オンである)場合にはステップS63に処理を移行する。
【0154】
ステップS65において、メインCPU66は、発射停止スイッチタイマの計測時間が所定時間(例えば、2秒)を越えた否かを判定し、所定時間を越えたと判定した場合には、ステップS69に処理を移行する。所定時間を越えたと判定しない場合にはステップS66に処理を移行する。
【0155】
ステップS66において、メインCPU66は、発射停止コマンドを送信バッファに記憶する処理を行う。送信バッファに記憶された発射停止コマンドは、図8のステップS19の処理によって副制御回路200に送信される。この処理が終了した場合には、ステップS67に処理を移行する。
【0156】
ステップS67において、メインCPU66は、発射停止スイッチ122から送信される検知信号に基づいて発射停止スイッチ122が押下されたか(オン・オフされたか)否かを判定し、発射停止スイッチ122が押下されたと判定した場合には、ステップS68に処理を移行する。発射停止スイッチ122が押下されたと判定しない場合にはステップS67に処理を移行する。
【0157】
ステップS68において、メインCPU66は、発射開始コマンドを送信バッファに記憶する処理を行う。送信バッファに記憶された発射開始コマンドは、図8のステップS19の処理によって副制御回路200に送信される。この処理が終了した場合には、ステップS69に処理を移行する。
【0158】
ステップS69において、メインCPU66は、発射停止スイッチタイマをリセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS70に処理を移行する。
【0159】
ステップS70において、発射開始処理を行う。この処理において、メインCPU66は、遊技球の発射を開始させる発射開始コマンドを、払出・発射制御回路126へ送信するための送信バッファに記憶する処理を行う。発射開始コマンドは、図8のステップS19の処理によって払出・発射制御回路126に送信される。コマンドを受信した払出・発射制御回路126は、発射装置130の発射ソレノイド(図示せず)を開始させる処理を行うようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0160】
すなわち、本実施形態によれば、発射停止ボタン27を長押しした場合には、発射停止ボタン27を長押ししている間において発射停止状態となり、発射停止ボタン27の長押しを解除(発射停止ボタン27から指を離す)した時に、遊技球の発射を再開する。発射停止ボタン27を短押しした場合には発射停止状態となり、再度、発射停止ボタン27を短押しした時に、遊技球の発射を再開する。
【0161】
[特別図柄制御処理]
図8のステップS14において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。なお、図12において、ステップS72からステップS81の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
【0162】
最初に、図12に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移行する。
【0163】
なお、後述するステップS72からステップS81において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS81における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0164】
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは後述する。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移行する。
【0165】
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移行する。
【0166】
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、特別遊技状態へ移行する抽選に当選したか否かを判断する。メインCPU66は、当選である場合に、特別遊技開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、特別遊技開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、特別遊技開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、当選ではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移行する。
【0167】
ステップS75においては、特別遊技開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別遊技開始インターバル管理を示す値(03)であり、その特別遊技開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM68から読み出された大入賞口39を開放させるためのデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図8のステップS19の処理において、メインRAM70に記憶された大入賞口39を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口39が遊技球を受け入れやすい開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを複数回繰り返し行う可能性がある特別遊技が実行されることになる。
【0168】
更に、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。更に、メインCPU66は、メインRAM70内のラウンド数表示カウンタに、所定の数字(例えば、“15”)を代入する。更に、メインCPU66は、メインRAM70内の特別遊技実行時間タイマを使用して特別遊技の実行時間の計測を開始する。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移行する。このように、メインCPU66は、特別遊技抽選手段による抽選に当選したときに遊技者にとって有利な特別遊技を実行する制御を行う特別遊技実行制御手段の一例である。
【0169】
ステップS77においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移行する。
【0170】
ステップS78においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移行する。
【0171】
ステップS79においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39に対応するカウントセンサ104を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが所定数以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、特別遊技終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、特別遊技終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、特別遊技終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。
【0172】
一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。更に、メインCPU66は、メインRAM70内部に記憶されているラウンド数表示カウンタに“1”を減算するように記憶更新する。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移行する。
【0173】
ステップS80においては、特別遊技終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別遊技終了インターバルを示す値(07)であり、特別遊技終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。
【0174】
ステップS81においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、今回の特別図柄ゲームに関連した特別図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。また、メインCPU66は、始動記憶情報が“1”減少する旨の始動記憶数指定コマンドを示すデータを、メインRAM70における所定の記憶領域にセットする。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。
【0175】
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図12に示すように、特別遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図12に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS81の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、特別遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図12に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技状態への制御を実行することになる。更には、メインCPU66は、特別遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図12に示すステップS78、ステップS79、ステップS77の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を実行することとなる。なお、大当たり遊技の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図12に示すステップS78からステップS81の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を終了することになる。また、本実施形態においては、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(パンク、本実施形態においては、特別遊技中に大入賞口39へ1球も遊技球が入らなかったこと)、最大継続ラウンド数(本実施形態においては、大当たり“15”ラウンド、又は“2”ラウンド)のラウンドゲームが終了することも特別遊技終了条件である。
【0176】
[特別図柄記憶チェック処理]
図12のステップS72において実行されるサブルーチンについて、図13を用いて説明する。
【0177】
最初に、図13に示すように、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを判断する(ステップS101)。制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判断した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0178】
ステップS102において、メインCPU66は、始動記憶数データにおける特別図柄に関する保留個数がいずれも“0”であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される始動記憶数データにおける特別図柄に関する保留個数がいずれも“0”であると判断した場合には、ステップS112に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”でないと判断した場合には、ステップS104に処理を移行する。
【0179】
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移行する。
【0180】
ステップS105においては、大当たり判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、図14の特別図柄決定テーブルに記憶されている大当たり判定値と、始動入賞時に抽出された乱数値とを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当たり遊技状態とするか否かの判定を行うことになる。ここで、大当たり判定値には、大当たり遊技の終了後に、大当たり抽選の当選確率が通常よりも高い確変モードに移行する15R確変大当たり遊技及び2R確変大当たり遊技と、大当たり遊技の終了後に上記の確変モードに移行せず、大当たり抽選の当選確率が通常のままである通常モードのままとなる15R通常大当たり遊技とが含まれている。このため、大当たり判断処理において、始動入賞時に抽出された乱数値と、大当たり判定値とを参照した結果、大当たり、はずれのいずれであるかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移行する。このように、メインCPU66は、遊技者にとって有利な特別遊技に移行するか否かの抽選を、特別遊技の当選確率が高い確変状態を含む複数の当選確率状態で実行する特別遊技抽選手段の一例である。
【0181】
ステップS106においては、図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS105において大当たりと判定された場合には、始動入賞時に抽出された大当たり図柄決定用乱数値を抽出し、その大当たり図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。なお、大当たりと判定されなかった場合(はずれ)には、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄をはずれ図柄に決定した特別図柄を示すデータをメインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移行する。
【0182】
なお、ステップS106の処理によってメインRAM70の所定領域に記憶された図柄指定コマンドは、図8のステップS21の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に停止図柄指定コマンドとして供給される。
【0183】
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS106により決定された特別図柄に基づいて、メインROM68に記憶される変動パターンテーブルから特別図柄変動パターンコマンドを選択する。具体的には、ステップS106により決定された特別図柄に応じた特別図柄変動パターンコマンドが選択され、メインRAM70の所定領域に記憶する。
【0184】
このように記憶された演出用の特別図柄変動パターンコマンドは、図6のステップS21の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することになる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移行する。
【0185】
ステップS110においては、決定した演出用の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された演出用の変動パターンに対応する変動時間をテーブルより読み出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた大当たり判定用乱数値などが記憶された記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0186】
ステップS112においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0187】
[特別図柄決定テーブル]
図14は、メインROM68に記憶される特別図柄決定テーブルを示す。なお、特別図柄ゲームの抽選を特図抽選と以下略称する。以下、特別図柄決定テーブルの内容を、低確率状態の場合と高確率状態の場合とに分けて説明する。
【0188】
まず、低確率状態の場合について説明する。
【0189】
大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が0のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドz0が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R確変大当たり)。
【0190】
また、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が1のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドz0が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R確変大当たり)。
【0191】
更に、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が2、3のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドz0が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R確変大当たり)。
【0192】
また、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が4のとき、大当たり図柄の左図柄が5、右図柄が0、図柄指定コマンドz1が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が2R、開放時間が0.5秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる2R確変大当たり)。
【0193】
更に、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が5のとき、大当たり図柄の左図柄が5、右図柄が0、図柄指定コマンドz1が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が2R、開放時間が0.5秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる2R確変大当たり)。
【0194】
また、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が6のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドz2が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)、特図抽選が低確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R通常大当たり)。
【0195】
更に、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が7のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドz2が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、特図抽選が低確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R通常大当たり)。
【0196】
また、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が8、9のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドz2が選択され、内容は大当たり、特図抽選が低確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R通常大当たり)。
【0197】
更に、大当たり乱数値が39のとき、大当たり図柄の左図柄が0、右図柄が7、図柄指定コマンドz5が選択され、内容ははずれ(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)を示している。
【0198】
また、大当たり乱数値が41のとき、大当たり図柄の左図柄が3、右図柄が3、図柄指定コマンドz5が選択され、内容ははずれ(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)を示している。
【0199】
なお、大当たり乱数値が上記以外の場合、図柄指定コマンドz3が選択され、内容ははずれを示している。
【0200】
次に、高確率状態の場合について説明する。
【0201】
まず、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が0のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドz0が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R確変大当たり)。
【0202】
また、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が1のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドz0が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R確変大当たり)。
【0203】
更に、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が2、3のとき、大当たり図柄の左図柄が6、右図柄が4、図柄指定コマンドz0が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R確変大当たり)。
【0204】
また、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が4のとき、大当たり図柄の左図柄が5、右図柄が0、図柄指定コマンドz1が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が2R、開放時間が0.5秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる2R確変大当たり)。
【0205】
更に、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が5のとき、大当たり図柄の左図柄が5、右図柄が0、図柄指定コマンドz1が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンド数が2R、開放時間が0.5秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる2R確変大当たり)。
【0206】
また、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が6のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドz2が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)、特図抽選が低確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R通常大当たり)。
【0207】
更に、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が7のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドz2が選択され、内容は大当たり(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、特図抽選が低確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R通常大当たり)。
【0208】
また、大当たり乱数値が3、5、7、11、13で、大当たり図柄乱数値が8、9のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が1、図柄指定コマンドz2が選択され、内容は大当たり、特図抽選が低確率状態、ラウンド数が15R、開放時間が30秒であり、大入賞口39が開放することを示している(いわゆる15R通常大当たり)。
【0209】
更に、大当たり乱数値が39のとき、大当たり図柄の左図柄が0、右図柄が7、図柄指定コマンドz5が選択され、内容ははずれ(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)を示している。
【0210】
また、大当たり乱数値が41のとき、大当たり図柄の左図柄が3、右図柄が3、図柄指定コマンドz5が選択され、内容ははずれ(但し、後述する回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)を示している。
【0211】
なお、大当たり乱数値が上記以外の場合、図柄指定コマンドz3が選択され、内容ははずれを示している。
【0212】
本実施形態における特別図柄決定テーブルは他の態様であっても良い。例えば、大当たり図柄の左図柄や、右図柄において指定される図柄の組合せは他の組合せであっても良い。
【0213】
副制御回路200は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
【0214】
[サブ制御メイン処理]
図15を用いて、サブ制御メイン処理を説明する。
【0215】
ステップS1810においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU206は、電源投入に応じて、プログラムROM208から起動プログラムを読み込むとともに、ワークRAM210に記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1820に処理を移行する。
【0216】
ステップS1820においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1830に処理を移行する。
【0217】
ステップS1830においては、コマンド解析制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析制御処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1835に処理を移行する。
【0218】
ステップS1835においては、回転リール制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール装置500において表示を行うためのデータを駆動回路240に送信する処理を行う。回転リール制御処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1840に処理を移行する。
【0219】
ステップS1840においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32において表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データ、変動速度設定用画像データなど、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。表示制御処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1850に処理を移行する。
【0220】
ステップS1850においては、音制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、音を出力するためのデータを音声制御回路230に送信する。音声制御回路230は、サブCPU206からの音を出力するためのデータに基づいて、音声データROM234から曲データ、効果音データ、声データなどの、各種音データを読み出し、音を重ね合わせ、AMP236で増幅し、スピーカ46から出力する。この処理が終了した場合には、ステップS1860に処理を移行する。
【0221】
ステップS1860においては、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、この処理において、サブCPU206は、ランプを点灯するためのデータを駆動回路240に送信する。駆動回路240は、サブCPU206からのランプを点灯するためのデータに基づいて、装飾データROM244から各種の点灯パターンデータを読み出し、ランプ132を点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS1820に処理を移行する。
【0222】
[サブ制御コマンド受信割込処理]
図16を用いて、サブ制御コマンド受信割込処理を説明する。
【0223】
ステップS1910においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1920に処理を移行する。
【0224】
ステップS1920においては、入力されたコマンドを受信バッファへ格納する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、入力されたコマンドをワークRAM210の受信バッファ領域へ格納する処理を行う。この処理において、格納されたコマンドは、図15のステップS1830の処理で解析される。この処理が終了した場合には、ステップS1930に処理を移行する。
【0225】
ステップS1930においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1910で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0226】
[コマンド解析制御処理]
図17を用いて、図15のステップS1380におけるコマンド解析制御処理を説明する。
【0227】
ステップS2010においては、演出制御コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206が演出制御コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS2020に処理を移し、演出制御コマンドを受信したと判定しない場合には、ステップS2030に処理を移す。
【0228】
ステップS2020においては、演出内容決定処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS2010において受信した演出制御コマンドに基づき、大当たり遊技やハズレの通常遊技、確変状態の報知の有無を含む演出表示の内容を決定する処理を行う。演出内容決定処理については、特に、確変状態の報知の有無を決定する部分を抜粋して後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンは終了する。
【0229】
ステップS2030においては、その他、受信したコマンドに対応する処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、その他の受信したコマンドに対応する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0230】
図18を用いて、図17のステップS2020における演出内容決定処理の、特に、確変状態の報知の有無を決定する部分を抜粋して説明する。
【0231】
ステップS2050においては、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に利益提供フラグがセットされているか判定し、利益提供フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS2055に処理を移行する。利益提供フラグがセットされていると判定しない場合には、ステップS2090に処理を移行する。
【0232】
ステップS2055においては、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に設けられた識別図柄変動表示回数をカウントする回数カウンタのカウント値M(初期的にはM=0)を「1」をインクリメントする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2060に処理を移行する。
【0233】
ステップS2060においては、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に記憶された回転リール510a、510b、510cの回転速度の設定値が、高速度域、中速度域、低速度域のいずれに属するかを判定する。高速度域に属する場合には、ステップS2065に処理を移行する。中速度域に属する場合には、ステップS2070に処理を移行する。低速度域に属する場合には、ステップS2075に処理を移行する。
【0234】
ステップS2065においては、サブCPU206は、回数カウンタのカウント値Mが50を超えたか否かを判定する処理を行う。カウント値Mが50を超えたと判断した場合には、ステップS2080に処理を移行する。カウント値Mが50を超えたと判断しない場合には、ステップS2095に処理を移行する。
【0235】
ステップS2070においては、サブCPU206は、回数カウンタのカウント値Mが30を超えたか否かを判定する処理を行う。カウント値Mが30を超えたと判断した場合には、ステップS2080に処理を移行する。カウント値Mが30を超えたと判断しない場合には、ステップS2095に処理を移行する。
【0236】
ステップS2075においては、サブCPU206は、回数カウンタのカウント値Mが10を超えたか否かを判定する処理を行う。カウント値Mが10を超えたと判断した場合には、ステップS2080に処理を移行する。カウント値Mが30を超えたと判断しない場合には、ステップS2095に処理を移行する。
【0237】
ステップS2080においては、サブCPU206は、ワークRAM210の回数カウンタのカウント値Mをゼロリセットする。この処理が終了した場合には、サブCPU206は、ステップS2085において、ワークRAM210の利益提供フラグをリセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、サブCPU206は、ステップS2090において、回転リール装置500による識別情報の変動表示中に液晶表示装置32に表示させる演出表示用の画像を、現在の確率状態が通常モードであるか確変モードであるかの報知を画面中で行わない通常の演出画像とする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0238】
ステップS2095においては、サブCPU206は、回転リール装置500による識別情報の変動表示中に液晶表示装置32に表示させる演出表示用の画像を、現在の確率状態が通常モードであるか確変モードであるかの報知を画面中で行う確率状態報知用の演出画像とする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0239】
[演出画像の表示例]
図25、図26は、確率状態報知用の演出画像の表示例を示す説明図である。本実施形態では、現在の確率状態が通常モードであるか、或いは確変モードであるかを遊技者に報知するために、図25、図26に示す如くの演出画像を表示する。即ち、液晶表示装置32は、現在の当選確率状態を遊技者に報知するための報知手段として機能する。
【0240】
図25は、液晶表示装置32によって、遊技盤14の遊技領域15の左下に花火師が腕を組んで左側を向いた画像P1が表示されている。この画像は現在の確率状態が、確変モードであることを報知する画像である。
【0241】
図26は、液晶表示装置32によって、遊技盤14の遊技領域15の左下に女の子が左側を向いた画像P2が表示されている。この画像は現在の確率状態が、通常モードであることを報知する画像である。
【0242】
なお、現在の確率状態が通常モードであるか確変モードであるかの報知を画面中で行わない通常の演出画像においては、図25の花火師の画像P1や図26の女の子の画像P2は表示されない。
【0243】
[回転リール制御処理]
図19を用いて、図15のステップS1835における回転リール制御処理を説明する。
【0244】
ステップS2100においては、変動表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60からコマンドに基づいて回転リール装置500の回転を開始させる処理を行う。変動表示処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2110に処理を移行する。
【0245】
ステップS2110において、サブCPU206は、図15のステップS1830におけるコマンド解析制御処理において、主制御回路60から大当たりコマンドを受信した否かを判定する処理を行う。大当たりコマンドを受信したと判定した場合にはステップS2120に処理を移行する。大当たりコマンドを受信したと判定しない場合にはステップS2130に処理を移行する。
【0246】
ステップS2120において、大当たり停止表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール装置500の回転リール510a、510b、510cの識別図柄が大当たり停止態様(例えば、7−7−7、BAR−BAR−BAR)となるように、回転リール装置500を制御する処理を行う。大当たり停止表示処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2140に処理を移行する。
【0247】
ステップS2130において、はずれ停止表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール装置500の回転リール510a、510b、510cの識別図柄が大当たり停止態様(例えば、7−7−7、BAR−BAR−BAR)以外のはずれ停止態様となるように、回転リール装置500を制御する処理を行う。はずれ停止表示処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2140に処理を移行する。
【0248】
ステップS2140において、待機処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技者による操作ボタン80の操作によって回転リール510a、510b、510cを停止させた時点で、図17のステップS2020で決定された演出内容の演出時間が残っている場合に、演出時間が経過するまで回転リール510a、510b、510cの停止態様を維持するとともに微小の揺れ表示を行いながら待機させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0249】
[変動表示処理]
図20を用いて、図19のステップS2100における変動表示処理を説明する。
【0250】
ステップS2150において、サブCPU206は、ステップS2010において主制御回路60から受信したコマンドに基づいて、メインCPU66が図14の特別図柄決定テーブルを参照して行った特図抽選の結果が、回転リール装置500を用いた停止ゲーム付のものであるか否かを判定する処理を行う。停止ゲーム付のものでない場合には、ステップS2190に処理を移行する。停止ゲーム付のものである場合には、ステップS2155に処理を移行する。
【0251】
ステップS2155において、サブCPU206は、ステップS2010において主制御回路60から受信したコマンドに基づいて、メインCPU66が図14の特別図柄決定テーブルを参照して行った特図抽選の結果が、回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付のものであるか否かを判定する処理を行う。変動表示速度調整付のものでない場合には、本サブルーチンを終了する。変動表示速度調整付のものである場合にはステップS2160に処理を移行する。
【0252】
ステップS2160において、サブCPU206は、発射停止ボタン27の操作によって発射停止状態とされたか否かを判定する処理を行う。発射停止状態とされたと判定した場合にはステップS2170に処理を移行する。発射停止状態とされたと判定しない場合にはステップS2165に処理を移行する。
【0253】
ステップS2165において、サブCPU206は、変動表示処理を開始してからの時間が制限時間内であるか否かを判定する処理を行う。制限時間内であると判定した場合にはステップS2160に処理を移行する。制限時間内であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0254】
ステップS2170において、サブCPU206は、変動速度変更処理を行う。この処理において、サブCPU206は、発射装置130から送信される発射ハンドル26の回動量のデータに基づいて、発射ハンドル26の回動量に対応するように、回転リール510a、510b、510cの回転速度を変化させる処理を行う。例えば、サブCPU206は、発射ハンドル26を大きく回動させた場合には、回転リール510a、510b、510cの回転速度が高くなるように変化させる。この処理が終了した場合には、ステップS2175に処理を移行する。このように、サブCPU206は、発射停止部(発射停止ボタン27)の操作によって発射停止状態となっているときに行われる発射操作部(発射ハンドル26)の発射操作量に応じて、前記表示手段に変動表示される識別情報の変動速度を変化させる変動速度変化制御手段の一例である。
【0255】
ステップS2175において、サブCPU206は、発射停止ボタン27の操作によって発射開始状態とされたか否かを判定する処理を行う。発射開始状態とされたと判定した場合にはステップS2185に処理を移行する。発射開始状態とされたと判定しない場合にはステップS2180に処理を移行する。
【0256】
ステップS2180において、サブCPU206は、変動表示処理を開始してからの時間が制限時間内であるか否かを判定する処理を行う。制限時間内であると判定した場合にはステップS2160に処理を移行する。制限時間内であると判定しない場合にはステップS2185に処理を移行する。
【0257】
ステップS2185において、サブCPU206は、変動速度決定処理を行う。この処理において、サブCPU206は、発射装置130から送信される発射ハンドル26の回動量のデータに基づいて、発射ハンドル26の回動量に対応する回転リール510a、510b、510cの回転速度の設定値(初期的には設定値の設定可能範囲内の中間値)を、ワークRAM210の所定領域に記憶させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2190に処理を移行する。
【0258】
ステップS2190において、サブCPU206は、ステップS2185においてワークRAM210の所定領域に記憶させた設定値の回転速度で、回転リール510a、510b、510cの回転を開始させる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、サブCPU206は、発射停止部(発射停止ボタン27)の発射停止操作が解除されたときに、変動速度を設定する変動速度変化制御手段の一例である。また、サブCPU206は、複数回の発射停止部(発射停止ボタン27)の操作によって発射停止状態を解除する制御を行う変動速度変化制御手段の一例である。
【0259】
すなわち、本実施形態によれば、発射停止ボタン27の操作により発射停止状態とされた場合に、発射ハンドル26の操作により回転リール510a、510b、510cの回転速度を変えることが可能になる。つまり、図11の発射停止スイッチチェック処理において、発射停止ボタン27(図4参照)を短押しした場合にのみ(ステップS65のNO)回転速度を変えることが可能になる。そして、発射停止ボタン27を短押して発射停止状態になっている時に発射ハンドル26を操作し、回転速度を速くする場合には回動量を大きく、回転速度を遅くする場合には回動量を小さくし、回転速度が決定した後に発射停止ボタン27を操作することによって、新たに設定した回転速度で回転リール装置500の識別図柄を変動させることができる。
【0260】
[変動速度変更画面の表示例]
図24を用いて、変動速度が変更可能な場合における表示画面について説明をする。発射停止ボタン27(図4参照)を短押し操作すると、液晶表示装置32の表示領域に変動速度設定用のゲージ画像90が表示される。このゲージ画像90は、発射ハンドル26(図4参照)の回転量に応じて、遊技球の発射強度に対応する棒グラフ状の画像が変化する。具体的には、発射ハンドル26を手放している場合には、棒グラフが一番下の位置にあり、この状態で再度、発射停止ボタン27(図4参照)を短押し操作すると、回転リール510a、510b、510cの回転速度が最も遅くなるように設定される。逆に、発射ハンドル26を最大に回動させている場合には、棒グラフが一番上の位置にあり、この状態で再度、発射停止ボタン27(図4参照)を短押し操作すると、回転リール510a、510b、510cの回転速度が最も速くなるように設定される。このように遊技者は、ゲージ画像90を見ながら、発射ハンドル26を操作し、回転速度が決定した場合には発射ハンドル26の回動量を維持しながら発射停止ボタン27(図4参照)を操作することにより、回転リール510a、510b、510cの回転速度が設定される。本実施形態においては、最も速い回転速度として、回動式遊技機(所謂、パチスロ遊技機)の回転リールの回転速度と同等に設定されている。このため、遊技者は、回動式遊技機(所謂、パチスロ遊技機)と同じような感じで遊技を行いたい場合には、回転速度を最大にし、目押しを楽しみたい場合には回転速度を遅くする、といった設定に変更することが可能になる。
【0261】
[大当たり停止表示処理]
図21を用いて、図19のステップS2120における大当たり停止表示処理を説明する。
【0262】
ステップS2200において、サブCPU206は、ステップS2010において主制御回路60から受信したコマンドに基づいて、メインCPU66が図14の特別図柄決定テーブルを参照して行った特図抽選の結果が、回転リール装置500を用いた停止ゲーム付のものであるか否かを判定する処理を行う。停止ゲーム付のものでない場合にはステップS2280に処理を移行する。停止ゲーム付のものである場合にはステップS2205に処理を移行する。
【0263】
ステップS2205において、サブCPU206は、操作ボタン80が操作されたか否かを判定する処理を行う。操作ボタン80が操作されたと判定した場合にはステップS2210に処理を移行する。操作ボタン80が操作されたと判定しない場合にはステップS2220に処理を移行する。
【0264】
ステップS2210において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、左ボタン80aが押下された場合には、回転リール510aを、中ボタン80bが押下された場合には、回転リール510bを、右ボタン80cが押下された場合には、回転リール510cを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2220に処理を移行する。
【0265】
ステップS2220において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの中で回転中のリールがあるか否かを判定する処理を行う。回転中のリールがあると判定した場合にはステップS2240に処理を移行する。回転中のリールがあると判定しない場合にはステップS2230に処理を移行する。
【0266】
ステップS2230において、待機処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS2240で監視している制限時間前に回転リール510a、510b、510cが全て停止した場合に、制限時間に到達するまで回転リール510a、510b、510cによる停止態様を維持しながら待機する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2260に処理を移行する。
【0267】
ステップS2240において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの回転を開始してからの時間が制限時間内であるか否かを判定する処理を行う。制限時間内であると判定した場合にはステップS2205に処理を移行する。制限時間内であると判定しない場合にはステップS2250に処理を移行する。
【0268】
ステップS2250において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの中で回転中のリールがあれば、全て停止させる処理を行う。なお、回転リール510a、510b、510cが全て回転している状態で制限時間を越えた場合には、大当たり停止態様で停止させてもよい。この処理が終了した場合には、ステップS2260に処理を移行する。
【0269】
ステップS2260において、サブCPU206は、回転リール装置500の停止表示態様が大当たり停止態様であるか否かを判定する処理を行う。大当たり停止態様であると判定した場合には、本サブルーチンを終了する。大当たり停止態様であると判定しない場合にはステップS2270に処理を移行する。
【0270】
ステップS2270において、再変動処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cを再度回転させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2280に処理を移行する。
【0271】
ステップS2280において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの停止態様が大当たり停止態様となるように、回転リール510a、510b、510cを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0272】
すなわち、本実施形態によれば、主制御回路60における大当たり抽選に当選している場合において、遊技者による操作ボタン80の操作によって、回転リール510a、510b、510cを大当たり停止態様となるように停止できなかった場合には、再変動して自動的に大当たり停止態様となるように駆動制御される。
【0273】
なお、本実施形態では、回転リール510a、510b、510cの停止態様が、15R確変大当たりの場合に7−7−7となり、15R通常大当たりの場合にBAR−BAR−BARとなる。2R確変大当たりの場合は、特定の停止態様を取らない。
【0274】
[はずれ停止表示処理]
図22を用いて、図19のステップS2130におけるはずれ停止表示処理を説明する。
【0275】
ステップS2300において、サブCPU206は、ステップS2010において主制御回路60から受信したコマンドに基づいて、メインCPU66が図14の特別図柄決定テーブルを参照して行った特図抽選の結果が、回転リール装置500を用いた停止ゲーム付のものであるか否かを判定する処理を行う。停止ゲーム付のものでない場合にはステップS2390に処理を移行する。停止ゲーム付のものである場合にはステップS2305に処理を移行する。
【0276】
ステップS2305において、サブCPU206は、操作ボタン80が操作されたか否かを判定する処理を行う。操作ボタン80が操作されたと判定した場合にはステップS2310に処理を移行する。操作ボタン80が操作されたと判定しない場合にはステップS2320に処理を移行する。
【0277】
ステップS2310において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、左ボタン80aが押下された場合には、回転リール510aを、中ボタン80bが押下された場合には、回転リール510bを、右ボタン80cが押下された場合には、回転リール510cを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2320に処理を移行する。
【0278】
ステップS2320において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの中で回転中のリールがあるか否かを判定する処理を行う。回転中のリールがあると判定した場合にはステップS2330に処理を移行する。回転中のリールがあると判定しない場合(全て停止している場合)には、ステップS2400に処理を移行する。
【0279】
ステップS2330において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの中で2つ回転リールの停止態様が、最後の1つの回転リールが所定の識別情報(例えば、7、BAR)が所定の位置で停止すれば大当たりとなるリーチ状態の停止態様であるか否かを判定する処理を行う。リーチ状態の停止態様であると判定した場合にはステップS2340に処理を移行する。リーチ状態の停止態様であると判定しない場合には、ステップS2380に処理を移行する。
【0280】
ステップS2340において、サブCPU206は、操作ボタン80が操作されたか否か、言い換えれば回転している最後の回転リールを停止する操作を行ったか否かを判定する処理を行う。操作ボタン80が操作されたと判定した場合にはステップS2350に処理を移行する。操作ボタン80が操作されたと判定しない場合にはステップS2380に処理を移行する。
【0281】
ステップS2350において、サブCPU206は、リーチ状態において最後の1つの回転リールを停止させる停止操作が、大当たり停止態様となるタイミングで操作されたか否かを判定する処理を行う。大当たり停止態様となるタイミングで操作されたと判定した場合にはステップS2360に処理を移行する。大当たり停止態様となるタイミングで操作されたと判定しない場合には、ステップS2400に処理を移行する。
【0282】
ステップS2360において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cが停止した場合の識別情報の組合せが大当たり停止態様とならないように、最後の1つの回転リールを停止させる識別情報を1コマずらして停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2370に処理を移行する。
【0283】
ステップS2370において、待機処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS2380で監視している制限時間前に、回転リール510a、510b、510cが全て停止した場合に、制限時間に到達するまで回転リール510a、510b、510cによる停止態様を維持しながら待機する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2400に処理を移行する。
【0284】
ステップS2380において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの回転を開始してからの時間が制限時間内であるか否かを判定する処理を行う。制限時間内であると判定した場合にはステップS2305に処理を移行する。制限時間内であると判定しない場合にはステップS2390に処理を移行する。
【0285】
ステップS2390において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの中で回転中のリールがあれば、全て停止させる処理を行う。なお、回転リール510a、510b、510cの停止態様がはずれ停止態様となるように全回転リールを停止させる。この処理が終了した場合には、ステップS2400に処理を移行する。
【0286】
ステップS2400において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの停止態様が、大当たり停止態様である7やBAR以外の、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄(例えばANY−ANY−チェリー:ANYは任意の図柄)であるか否かを判定する処理を行う。該当する図柄であると判定した場合にはステップS2410に処理を移行する。該当する図柄であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0287】
ステップS2410において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に設けた利益提供フラグをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0288】
すなわち、本実施形態によれば、主制御回路60における大当たり抽選に当選していないにもかかわらず、遊技者による操作ボタン80の操作によって、回転リール510a、510b、510cが大当たり停止態様となるタイミングで操作ボタンが操作された場合に、強制的にはずれ停止態様となるように回転中の最後の回転リールが駆動制御される。
【0289】
[表示制御処理]
図23を用いて、図15のステップS1840における表示制御処理を説明する。
【0290】
ステップS2510においては、演出表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、図17のステップS2020で決定された演出内容に基づく演出表示を行うように、表示制御回路250にデータを送信する処理を行う。表示制御回路250は、サブCPU206からのデータに基づいて、画像データROM216(図7参照)から各種の画像データを読み出し、重ね合わせることで画像データを生成し、液晶表示装置32に画像を表示させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2520に処理を移行する。
【0291】
ステップS2520において、サブCPU206は、図20のステップS2150に基づく、回転リール装置500の変動速度の変更中である否かを判定する処理を行う。変動速度の変更中であると判定した場合にはステップS2530に処理を移行する。変動速度の変更中であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0292】
ステップS2530においては、変動速度調整画面表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、変動速度調整画面の表示を行うように、表示制御回路250に、データを送信する処理を行う。このデータには、変動速度調整画面を表示させるデータが含まれている。表示制御回路250は、サブCPU206からのデータに基づいて、画像データROM216(図7参照)から各種の画像データを読み出し、重ね合わせることで画像データを生成し、液晶表示装置32に変動速度調整画面を表示させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2540に処理を移行する。
【0293】
ステップS2540において、サブCPU206は、図20のステップS2150に基づく、回転リール装置500の変動速度の変更が終了したか否かを判定する処理を行う。変動速度の変更が終了した判定した場合にはステップS2560に処理を移行する。変動速度の変更中であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0294】
ステップS2560においては、変動速度調整画面表示終了処理を行う。この処理において、サブCPU206は、変動速度調整画面の表示を終了させるように、表示制御回路250にデータを送信する処理を行う。このデータには、変動速度調整画面を表示させるデータが含まれていない。表示制御回路250は、サブCPU206からのデータに基づいて、画像データROM216(図7参照)から各種の画像データを読み出し、重ね合わせることで画像データを生成し、液晶表示装置32に変動速度調整画面の表示を消去させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0295】
[遊技機の動作]
本実施形態のパチンコ遊技機10では、始動口25への遊技球の入賞に伴う特別図柄表示器35での特別図柄の変動表示に連動して行われる、回転リール装置500での識別図柄の変動表示と停止表示が、内部抽選の結果次第で、一部、操作ボタン80を遊技者が操作することで停止表示させる停止ゲーム付のものとなる。しかも、停止ゲームの一部が、内部抽選の結果次第で変動表示速度調整付となり、遊技者による発射ハンドル26や発射停止ボタン27の通常とは異なる操作によって回転リール510a、510b、510cの回転速度を増減変化させることができるようになる。
【0296】
そして、停止ゲームにおいて停止表示させた回転リール装置500の回転リール510a、510b、510cの停止態様が、大当たり停止態様である7やBAR以外の、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄(例えばANY−ANY−チェリー:ANYは任意の図柄)になると、その後、所定回数の間、回転リール装置500で識別図柄の変動表示が行われる度に、液晶表示装置32に、現在の確率状態が通常モードであるか確変モードであるかの報知を画面中で行う、確率状態報知用の演出画像(図25、図26参照)が表示される。
【0297】
回転リール装置500での識別図柄の変動表示の際に、確率状態報知用の演出画像が液晶表示装置32に表示される期間(変動表示回数)は、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された停止ゲームにおける、回転リール510a、510b、510cの回転速度によって変化する。
【0298】
この回転速度は、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された停止ゲームが、回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付の停止ゲームであった場合は、その停止ゲームの開始時点において、遊技者による発射ハンドル26や発射停止ボタン27の通常とは異なる操作によって設定されたものとなる。
【0299】
一方、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された停止ゲームが、回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付の停止ゲームでなかった場合は、それ以前の一番最近に行われた、回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付の停止ゲームにおいて、遊技者による発射ハンドル26や発射停止ボタン27の通常とは異なる操作によって設定された回転速度によって、確率状態報知用の演出画像が液晶表示装置32に表示される期間(変動表示回数)が定まることになる。
【0300】
即ち、停止ゲームにおいて、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された場合に、所定の利益として提供される確率状態報知用の演出画像の、程度としての表示期間は、その停止ゲーム又はそれ以前の停止ゲームにおいて、遊技者による発射ハンドル26や発射停止ボタン27の通常とは異なる操作によって設定された回転速度によって、定まることになる。
【0301】
つまり、所定の利益の程度は、所定の利益を提供する所定の停止態様で識別情報が停止表示されたときの停止ゲームであるか否かを問わず、その時点で遊技者により設定されていた識別情報の変動表示速度のみに依存して定まることになる。よって、識別情報を停止表示させる停止ゲームの結果は、提供する所定の利益の程度の決定プロセスに直接関与しない。
【0302】
そして、本実施形態の場合は、回転リール510a、510b、510cの回転速度が高速度域であった場合は50回となり、中速度域であった場合は30回となり、低速度域であった場合は10回で終了する。
【0303】
したがって、変動表示速度調整付の停止ゲームを実行する機会に恵まれた際に遊技者は、自身の動体視力が優れているか否か等を基準に、回転リール510a、510b、510cの回転速度を適切な速度に設定して停止ゲームを行うことができる。
【0304】
また、停止ゲームにおいて、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が停止表示されると、以後の回転リール装置500における識別図柄の変動表示の際に、液晶表示装置32に現在の確率状態を報知する演出画像が表示されるので、動体視力が優れているか否かに拘わらず、全ての遊技者に停止ゲームに対する興味と意欲を持たせることができる。
【0305】
しかも、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された停止ゲームにおける、回転リール510a、510b、510cの回転速度が高いほど、液晶表示装置32に現在の確率状態を報知する演出画像が表示される期間(識別図柄の変動表示回数)が長くなるので、動体視力に優れた遊技者に対する優位性を担保して、そのような遊技者の興味をより一層喚起することができる。
【0306】
なお、本実施形態では、停止ゲームにおいて、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が停止表示されると、所定の利益として、液晶表示装置32に現在の確率状態を報知する演出画像が一定期間表示される場合について説明した。しかし、所定の利益はこれに限らず任意であり、例えば、大当たり遊技の他に小当たり遊技があるパチンコ遊技機において、所定の利益として、小当たりの当選確率を通常よりも高くするように構成することもできる。
【0307】
以下、この内容を踏まえた本発明の他の実施形態に係るパチンコ遊技機を説明する。
【0308】
[他実施形態の遊技機の構成]
本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄表示器35に、特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“12”、“50”、“64”、“78”、“41”又は“29”などの数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である特別遊技状態に遊技状態が移行する。
【0309】
本実施形態においては特別遊技として、大当たりと小当たりが用意されており、特定の数字図柄(例えば、“12”、“50”、“64”などの数字図柄)が停止表示された場合は、大当たりであることが報知される。
【0310】
また、特定の数字図柄(例えば、“78”、“41”、“29”などの数字図柄)が停止表示された場合は、小当たりであることが報知される。特別遊技状態となった場合には、大当たりの場合には、シャッタ40(図4参照)が長時間(例えば最大30秒)開放状態に制御され、大入賞口39(図4参照)に遊技球が受け入れ可能な大当たり遊技状態となる。小当たりの場合には、シャッタ40が短時間(例えば5秒)開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ可能な小当たり遊技状態となる。したがって、本実施形態では、大入賞口39が、請求項中の第1入賞装置と第2入賞装置とを兼ねている。
【0311】
[他実施形態の特別図柄決定テーブル]
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、メインCPU66が、図14に示す特別図柄決定テーブルに加えて、メインROM68に記憶される第1〜第3の特別図柄決定テーブルを使い分ける。図27〜図29は、メインROM68に記憶される第1〜第3の特別図柄決定テーブルを示す。
【0312】
[第1特別図柄決定テーブル]
まず、図27に示す第1の特別図柄決定テーブルは、図14に示す特別図柄決定テーブルに、小当たりと、所定の利益を遊技者に提供する特典付きのハズレとが、加えて設定されている。
【0313】
具体的には、低確率状態と高確率状態の双方とも、大当たり乱数値が15のとき、大当たり図柄の左図柄が7、右図柄が8、図柄指定コマンドz6が選択され、内容は小当たり(但し、回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0314】
また、大当たり乱数値が17のとき、大当たり図柄の左図柄が4、右図柄が1、図柄指定コマンドz6が選択され、内容は小当たり(但し、回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0315】
更に、大当たり乱数値が19のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が9、図柄指定コマンドz6が選択され、内容は小当たり、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0316】
また、大当たり乱数値が33のとき、大当たり図柄の左図柄が9、右図柄が3、図柄指定コマンドz4が選択され、内容ははずれ(但し、所定の利益の提供+回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)を示している。
【0317】
更に、大当たり乱数値が35のとき、大当たり図柄の左図柄が8、右図柄が5、図柄指定コマンドz4が選択され、内容ははずれ(但し、所定の利益の提供+回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)を示している。
【0318】
[第2特別図柄決定テーブル]
次に、図28に示す第2の特別図柄決定テーブルは、図27に示す第1の特別図柄決定テーブルに、小当たりの別パターンが、加えて設定されている。
【0319】
具体的には、低確率状態と高確率状態の双方とも、大当たり乱数値が21のとき、大当たり図柄の左図柄が9、右図柄が8、図柄指定コマンドz7が選択され、内容は小当たり(但し、回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0320】
また、大当たり乱数値が23のとき、大当たり図柄の左図柄が4、右図柄が7、図柄指定コマンドz7が選択され、内容は小当たり(但し、回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0321】
更に、大当たり乱数値が25のとき、大当たり図柄の左図柄が7、右図柄が5、図柄指定コマンドz7が選択され、内容は小当たり、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0322】
[第3特別図柄決定テーブル]
続いて、図29に示す第3の特別図柄決定テーブルは、図28に示す第2の特別図柄決定テーブルに、小当たりの更に別パターンが、加えて設定されている。
【0323】
具体的には、低確率状態と高確率状態の双方とも、大当たり乱数値が27のとき、大当たり図柄の左図柄が8、右図柄が1、図柄指定コマンドz8が選択され、内容は小当たり(但し、回転リール装置500を用いた停止ゲーム+回転リール510a、510b、510cの変動表示速度調整付)、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0324】
また、大当たり乱数値が29のとき、大当たり図柄の左図柄が0、右図柄が9、図柄指定コマンドz8が選択され、内容は小当たり(但し、回転リール装置500を用いた停止ゲーム付)、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0325】
更に、大当たり乱数値が31のとき、大当たり図柄の左図柄が2、右図柄が6、図柄指定コマンドz8が選択され、内容は小当たり、ラウンド数が2R、開放時間が5秒であり、大入賞口39が開放することを示している。
【0326】
[他実施形態の特別図柄記憶チェック処理]
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、メインCPU66が図12のステップS72において実行する特別図柄記憶チェック処理のサブルーチンの内容が、図13の内容とは若干異なり、図30のフローチャートに示す内容に変更されている。
【0327】
具体的には、図13のステップS102において、メインCPU66が、メインRAM70に記憶される始動記憶数データにおける特別図柄に関する保留個数を示すデータが“0”でないと判断した場合に、図30に示すように、ステップS103において、メインCPU66が、特別図柄決定テーブル設定処理を行うようにしている。この処理において、メインCPU66は、所定の条件を満たした場合に、特別遊技状態に移行するか否かを決定することに用いられる特別図柄決定テーブルを切り替える処理を行う。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、図13のフローチャートと同様に、ステップS104に処理を移すことになる。
【0328】
即ち、図30のフローチャートは、図13のフローチャートのステップS102とステップS104との間にステップS103を追加した点を除くと、図13のフローチャートと基本的に同じ内容である。
【0329】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図13のステップS105において実行される当たり判断処理において、メインCPU66が、図14、図27〜図29のいずれかに示す特別図柄決定テーブルに記憶されている大当たり判定値を選択する。ここで、初期的に選択する特別図柄決定テーブルは図14のテーブルであり、その後、回転リール510a、510b、510cの停止態様が、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄(例えばANY−ANY−チェリー:ANYは任意の図柄)となると、図30のステップS103の処理において、選択する特別図柄決定テーブルが、図27〜図29のうちいずれかの特別図柄決定テーブルに切り換えられる。
【0330】
そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された乱数値と、大当たり判定値とを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な特別遊技状態とするか否かの判定を行うことになる。ここで、大当たり判定値には、遊技者に有利な大当たり遊技(15ラウンド大当たり、2ラウンド確変大当たり)、遊技者に有利な遊技ではあるが大当たりよりも条件が悪い小当たり(2ラウンド大当たり)が含まれている。このため、当たり判断処理において、始動入賞時に抽出された乱数値と、大当たり判定値とを参照した結果、大当たり、小当たり、はずれのいずれであるかを判断する。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
【0331】
また、ステップS106の図柄決定処理において、メインCPU66は、ステップS105において大当たりと判定された場合には、始動入賞時に抽出された大当たり図柄決定用乱数値を抽出し、その大当たり図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。また、ステップS105において小当たりと判定された場合には、予め定められた特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄を設定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。なお、大当たり又は小当たりと判定されなかった場合(はずれ)には、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄をはずれ図柄に決定した特別図柄を示すデータをメインRAM70に記憶する。
【0332】
[特別図柄テーブル設定処理]
図30のステップS103において実行されるサブルーチンについて、図31を用いて説明する。
【0333】
メインCPU66は、まずステップS181において、前回の図13のステップS106においてはずれ(但し、所定の利益の提供付)の図柄指定コマンドであるz4を、副制御回路200のサブCPU206に停止図柄指定コマンドとして供給したか否かを判定する。供給したと判定した場合には、処理をステップS182に移行する。供給したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
【0334】
ステップS182においては、メインCPU66は、送信バッファに、図11のステップS66において記憶された発射停止コマンドが存在するか否かを判定する処理を行う。発射停止コマンドが送信バッファに存在すると判定した場合には、処理をステップS183に移行する。発射停止コマンドが送信バッファに存在すると判定しない場合には、ステップS182の処理を繰り返す。
【0335】
ステップS183においては、メインCPU66は、発射ハンドル26の回転操作位置を検出する。続いて、ステップS184において、メインCPU66は、図11のステップS68の処理による発射開始コマンドが送信バッファに記憶されたか否かを判定する。発射開始コマンドが送信バッファに記憶されたと判定した場合には、処理をステップS185に移行する。発射停止コマンドが送信バッファに記憶されたと判定しない場合には、処理をステップS183に移行する。
【0336】
ステップS185においては、メインCPU66は、ステップS183において最後に検出した発射ハンドル26の回転操作位置を基に、回転リール装置500の回転リール510a、510b、510cの回転速度として設定された値が高速度域、中速度域、低速度域のいずれに属するかを判定する。高速度域に属する場合には、ステップS186において、メインCPU66は、第3特別図柄決定テーブルを抽選に用いるように設定する処理を行う。中速度域に属する場合には、ステップS187において、メインCPU66は、第2特別図柄決定テーブルを抽選に用いるように設定する処理を行う。低速度域に属する場合には、ステップS188において、メインCPU66は、第1特別図柄決定テーブルを抽選に用いるように設定する処理を行う。これらの処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0337】
[他実施形態の回転リール制御処理]
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、メインCPU66が図15のステップS1835において実行する回転リール制御処理のサブルーチンの内容が、図19の内容とは若干異なり、図32のフローチャートに示す内容に変更されている。
【0338】
具体的には、図19のステップS2110において、メインCPU66が、大当たりコマンドを受信したと判定しない場合に、図32に示すように、ステップS2125において、メインCPU66が、図15のステップS1830におけるコマンド解析制御処理において、主制御回路60から小当たりコマンドを受信した否かを判定する処理を行う。小当たりコマンドを受信したと判定した場合にはステップS2135に処理を移行する。小当たりコマンドを受信したと判定しない場合にはステップS2130に処理を移行する。
【0339】
ステップS2130においては、メインCPU66が、図19のフローチャートと同様に、はずれ停止表示処理を行う。また、ステップS2135においては、メインCPU66が、小当たり停止表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール装置500の回転リール510a、510b、510cの識別図柄が小当たり停止態様(例えば、スイカ−スイカ−スイカ)となるように、回転リール装置500を制御する処理を行う。小当たり停止表示処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2140に処理を移行することになる。
【0340】
即ち、図32のフローチャートは、図19のフローチャートのステップS2110とステップS2130との間にステップS2125の判定ステップを追加し、さらに、ステップS2125の一方の判定結果に応じて実行する、図19のフローチャートと同じ内容のステップS2130に加えて、ステップS2125の他方の判定結果に応じて実行するステップS2135を追加した点を除くと、図19のフローチャートと基本的に同じ内容である。
【0341】
[小当たり停止表示処理]
図33を用いて、図32のステップS2135における大当たり停止表示処理を説明する。
【0342】
ステップS2420において、サブCPU206は、ステップS2010において主制御回路60から受信したコマンドに基づいて、メインCPU66が図27〜図29のうちいずれかの特別図柄決定テーブルを参照して行った特図抽選の結果が、回転リール装置500を用いた停止ゲーム付のものであるか否かを判定する処理を行う。停止ゲーム付のものでない場合にはステップS2465に処理を移行する。停止ゲーム付のものである場合にはステップS2425に処理を移行する。
【0343】
ステップS2425において、サブCPU206は、操作ボタン80が操作されたか否かを判定する処理を行う。操作ボタン80が操作されたと判定した場合にはステップS2430に処理を移行する。操作ボタン80が操作されたと判定しない場合にはステップS2435に処理を移行する。
【0344】
ステップS2430において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、左ボタン80aが押下された場合には、回転リール510aを、中ボタン80bが押下された場合には、回転リール510bを、右ボタン80cが押下された場合には、回転リール510cを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2435に処理を移行する。
【0345】
ステップS2435において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの中で回転中のリールがあるか否かを判定する処理を行う。回転中のリールがあると判定した場合にはステップS2445に処理を移行する。回転中のリールがあると判定しない場合にはステップS2440に処理を移行する。
【0346】
ステップS2440において、待機処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS2445で監視している制限時間前に回転リール510a、510b、510cが全て停止した場合に、制限時間に到達するまで回転リール510a、510b、510cによる停止態様を維持しながら待機する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2455に処理を移行する。
【0347】
ステップS2445において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの回転を開始してからの時間が制限時間内であるか否かを判定する処理を行う。制限時間内であると判定した場合にはステップS2425に処理を移行する。制限時間内であると判定しない場合にはステップS2450に処理を移行する。
【0348】
ステップS2450において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの中で回転中のリールがあれば、全て停止させる処理を行う。なお、回転リール510a、510b、510cが全て回転している状態で制限時間を越えた場合には、小当たり停止態様で停止させてもよい。この処理が終了した場合には、ステップS2455に処理を移行する。
【0349】
ステップS2455において、サブCPU206は、回転リール装置500の停止表示態様が小当たり停止態様であるか否かを判定する処理を行う。小当たり停止態様であると判定した場合には、本サブルーチンを終了する。小当たり停止態様であると判定しない場合にはステップS2460に処理を移行する。
【0350】
ステップS2460において、再変動処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cを再度回転させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2465に処理を移行する。
【0351】
ステップS2465において、回転リール停止処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール510a、510b、510cの停止態様が小当たり停止態様となるように、回転リール510a、510b、510cを停止させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0352】
すなわち、本実施形態によれば、主制御回路60における小当たり抽選に当選している場合において、遊技者による操作ボタン80の操作によって、回転リール510a、510b、510cを小当たり停止態様となるように停止できなかった場合には、再変動して自動的に小当たり停止態様となるように駆動制御される。
【0353】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、メインCPU66が、請求項中の第1入賞装置実行制御手段、第2入賞装置実行制御手段、開放状態抽選手段、当選確率変更手段の一例となる。
【0354】
[他実施形態の遊技機の動作]
本実施形態のパチンコ遊技機10でも、始動口25への遊技球の入賞に伴う特別図柄表示器35での特別図柄の変動表示に連動して行われる、回転リール装置500での識別図柄の変動表示と停止表示が、内部抽選の結果次第で、一部、操作ボタン80を遊技者が操作することで停止表示させる停止ゲーム付のものとなる。しかも、停止ゲームの一部が、内部抽選の結果次第で変動表示速度調整付となり、遊技者による発射ハンドル26や発射停止ボタン27の通常とは異なる操作によって回転リール510a、510b、510cの回転速度を増減変化させることができるようになる。
【0355】
そして、停止ゲームにおいて停止表示させた回転リール装置500の回転リール510a、510b、510cの停止態様が、大当たり停止態様である7やBAR以外の、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄(例えばANY−ANY−チェリー:ANYは任意の図柄)になると、それまでの回転リール装置500における識別図柄の変動表示ゲームでは発生しなかった小当たりが、以後のゲームでは、停止ゲームであるか否かに拘わらず、所定の確率で発生するようになる。
【0356】
ここで、回転リール装置500における識別図柄の変動表示によって、小当たりが発生する確率は、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された停止ゲームにおける、回転リール510a、510b、510cの回転速度によって変化する。
【0357】
即ち、本実施形態の場合は、回転リール510a、510b、510cの回転速度が高速度域であった場合に、小当たりの当選確率が最も高確率となる図29の第3の特別図柄決定テーブルが当たり判定に用いられ、中速度域であった場合は、小当たりの当選確率が第3の特別図柄決定テーブルよりも低い図28の第2の特別図柄決定テーブルが、当たり判定に用いられ、低速度域であった場合は、小当たりの当選確率が最も低い図27の第1の特別図柄決定テーブルが、当たり判定に用いられる。
【0358】
したがって、変動表示速度調整付の停止ゲームを実行する機会に恵まれた際に遊技者は、自身の動体視力が優れているか否か等を基準に、回転リール510a、510b、510cの回転速度を適切な速度に設定して停止ゲームを行うことができる。
【0359】
また、停止ゲームにおいて、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が停止表示されると、以後の回転リール装置500における識別図柄の変動表示ゲームにおいて、それまでは存在しなかった小当たり遊技の当選の可能性が新たに発生するので、動体視力が優れているか否かに拘わらず、全ての遊技者に停止ゲームに対する興味と意欲を持たせることができる。
【0360】
しかも、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された停止ゲームにおける、回転リール510a、510b、510cの回転速度が高いほど、小当たりの当選確率が高くなるので、動体視力に優れた遊技者に対する優位性を担保して、そのような遊技者の興味をより一層喚起することができる。
【0361】
なお、大当たり遊技の際と小当たり遊技の際に共に大入賞口39を開閉させるものとし、請求項における第1入賞装置と第2入賞装置とを兼用することとしたが、例えば、小当たり遊技の際には大入賞口39ではなく別途設けた独自の入賞口を開閉させるものとしても良い。その場合には、この別途設ける独自の入賞口が、請求項中の第2入賞装置に相当するものとなり、大入賞口39は第1入賞装置のみに相当するものとなる。
【0362】
また、上述した各実施形態では、変動表示速度調整付の停止ゲームにおいて回転リール510a、510b、510cの回転速度を遊技者が変更すると、次の機会に遊技者が異なる回転速度に再び変更するまで、常に、変更した回転速度で回転リール510a、510b、510cが回転することになる。しかし、変更後最初の識別画像の変動表示において、変更した回転速度で回転リール510a、510b、510cを回転させた後、次以降の識別画像の変動表示では、デフォルトの回転速度に回転リール510a、510b、510cの回転速度を戻すように構成しても良い。
【0363】
[遊技機の構成の変形例]
図34は本発明の上述した実施形態の変形例によるパチンコ遊技機の構成を示す分解斜視図である。上述した2つの実施形態における図2のパチンコ遊技機では、回転リール装置500を用いて識別情報の変動、停止を行っているが、図34に示す別実施形態のパチンコ遊技機においては、遊技盤14の窓部14aと回転リール510a、510b、510c(図4参照)とを無くし、その代わりに、遊技盤14の無くした窓部14aに対応する液晶表示装置32の中央部に、回転リール510a、510b、510c(図4参照)の画像を液晶表示装置32で表示するものである。その他の構成は、図2に示すパチンコ遊技機と同一であるため、説明は省略する。また、図34に示す別実施形態のパチンコ遊技機においては、回転リール装置500が無いため、図15に示すステップS1835の処理に相当する処理は、ステップS1840で行われる。
【0364】
そして、液晶表示装置32で変動表示される回転リール510a、510b、510c(図4参照)の画像を操作ボタン80の操作によって停止させることにより、遊技者は、大当たり当選か否かを判別することが可能になる。
【0365】
別実施形態においては、液晶表示装置32によって回転リール装置500を画像表示しているため、特定の識別情報を狙って停止表示させることは、図2に示すパチンコ遊技機のような機械式の回転リール装置500よりも難しくなるが、その代わり、変動速度に幅を持たせることが可能になる。例えば、極端に速くしたり、極端に遅くしたりすることが容易に可能となる。
【0366】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述したものに限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、発射停止ボタン27を短押しすることによって、いつでも変動速度を変化させることが可能な状態となるが、それに限らず、変動速度を変化させることが可能な期間を設定してもよい。また、本実施形態においては、左手で発射ハンドル26を操作するが、発射ハンドル26を右側に設け、右手で発射ハンドル26を操作するものであっても本発明は適用可能である。また、本実施形態においては、発射ハンドル26近傍に発射停止ボタン27を設けているが、発射停止ボタン27を右手で操作可能なように、遊技機本体の右側下部に設けてもよい。また、本実施形態においては、遊技球の発射強度を発射パワー増加ボタン82及び発射パワー減少ボタン84の操作によって調整されるが、それに限るものではなく、発射ハンドル26の回動量に応じて遊技球の発射強度を調整する機種にも適用可能である。
【0367】
また、上述した2つの実施形態においては、発射停止ボタン27を短押しすることによって、変動速度を変化させることが可能な状態となるが、それに限らず、発射停止ボタン27を押しながら発射ハンドル26を回動させることで回転リール510a、510b、510cの回転速度を変化させ、発射停止ボタン27の押下を解除することで、回転速度を設定するようにしてもよい。
【0368】
[発射停止スイッチチェック処理(変形例)]
図35を用いて、発射停止スイッチチェック処理の変形例を説明する。
【0369】
ステップS610において、メインCPU66は、発射停止スイッチ122からの検知信号に基づいて発射停止スイッチ122がオンであるか否かを判定し、発射停止スイッチ122がオンであると判定した場合にはステップS620に処理を移行する。オンであると判定しない(オフである)場合には本サブルーチンを終了する。
【0370】
ステップS620において、発射停止処理を行う。この処理において、メインCPU66は、遊技球の発射を停止させる発射停止コマンドを、払出・発射制御回路126へ送信するための送信バッファ、及び副制御回路200に送信するための送信バッファに記憶する処理を行う。発射停止コマンドは、図8のステップS19の処理によって払出・発射制御回路126及び副制御回路200に送信される。コマンドを受信した払出・発射制御回路126は、発射装置130の発射ソレノイド(図示せず)を停止させる処理を行うようになる。また、コマンドを受信した副制御回路200は、回転リール装置500の回転速度を、遊技者による発射ハンドル26の操作によって変更可能にする処理を行うようになる。この処理が終了した場合には、ステップS640に処理を移行する。
【0371】
ステップS640において、メインCPU66は、発射停止スイッチ122からの検知信号に基づいて発射停止スイッチ122がオフであるか否かを判定し、発射停止スイッチ122がオフであると判定した場合には、ステップS650に処理を移行する。オフであると判定しない(オンである)場合にはステップS640に処理を移行する。
【0372】
ステップS650において、メインCPU66は、発射開始コマンドを、副制御回路200に送信するための送信バッファに記憶する処理を行う。送信バッファに記憶された発射開始コマンドは、図8のステップS19の処理によって副制御回路200に送信される。この処理が終了した場合には、ステップS660に処理を移行する。
【0373】
ステップS660において、メインCPU66は、発射停止スイッチ122からの検知信号に基づいて発射停止スイッチ122が押下されたか(オン・オフされたか)否かを判定し、発射停止スイッチ122が押下されたと判定した場合には、ステップS670に処理を移行する。発射停止スイッチ122が押下されたと判定しない場合にはステップS660に処理を移行する。
【0374】
ステップS670において、メインCPU66は、発射開始コマンドを、払出・発射制御回路126へ送信するための送信バッファに記憶する処理を行う。送信バッファに記憶された発射開始コマンドは、図8のステップS19の処理によって払出・発射制御回路126に送信される。コマンドを受信した払出・発射制御回路126は、発射装置130の発射ソレノイド(図示せず)を駆動させる処理を行うようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0375】
すなわち、変形例によれば、発射停止ボタン27を押下し続けている間において発射停止状態となり、発射停止ボタン27の押下を解除(発射停止ボタン27から指を離す)した時には、遊技球の発射を再開せず、もう一度、発射停止ボタン27を押下することにより、遊技球の発射を再開する。一方、副制御回路200は、図20に示すように、発射停止コマンドを受信してから発射開始コマンドを受信するまでの期間において、回転リール装置500の回転速度を変更可能にする処理を行う。このため、発射停止ボタン27を押下し続けながら、発射ハンドル26を回動させることにより、回転リール装置500の回転速度が変更され、発射停止ボタン27の押下を解除(発射停止ボタン27から指を離す)ことにより、回転リール装置500の回転速度が設定される。この時点では、遊技球の発射を再開せず、もう一度、発射停止ボタン27を押下することにより、遊技球の発射を再開するようになる。
【0376】
以上、説明したように本実施形態によれば、発射停止部(発射停止ボタン27)を操作しながら、同時に発射操作部(発射ハンドル26)を操作することにより、発射操作部の操作量に応じた変動速度に設定される。このため、遊技者自身の操作により、遊技者の好みに応じて識別情報の変動速度を変化させることができるので、例えば、目押しが苦手な遊技者は変動速度を低くすることで識別情報を判別しやすくし、目的の識別情報を停止表示させるタイミングで停止操作手段(操作ボタン80)を操作することが可能になる。また、目押しが得意な遊技者は変動速度を高くすることでパチスロ遊技機と似たような感覚で遊技を進めることが可能になる。このように、遊技者の動体視力の優劣に拘らず、遊技者の遊技意欲を高めることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0377】
また、本実施形態によれば、遊技者が、発射停止部(発射停止ボタン27)を操作しながら、同時に発射操作部(発射ハンドル26)を操作し、発射操作部の操作量(発射ハンドル26の回動量)を維持した状態で発射停止操作を解除することにより、発射操作部の操作量に基づく変動速度に設定される。これにより、遊技者自身の発射操作部及び発射停止部の操作によって遊技者の好みに応じて識別情報の変動速度を変化させることができるようになり、遊技者の動体視力の優劣に拘らず、遊技者の遊技意欲を高めることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0378】
また、本実施形態によれば、発射停止部(発射停止ボタン27)を操作しながら、同時に発射操作部(発射ハンドル26)を操作し、発射操作部の操作量を維持した状態で発射停止操作を解除することにより、発射操作部の操作量に基づく変動速度に設定される。この時点ではまだ遊技球は発射されず、再度、発射停止部を操作することにより、遊技球の発射が再開される。これにより、変動速度を設定した後に発射強度を調整してから遊技球を発射させることが可能になるため、変動速度を変化させる操作によって遊技球を無駄に消費することなく、変動速度を変化させることが可能になる。この結果、ように、遊技者自身の発射操作部及び発射停止部の操作が遊技者に不利益となることが防止され、遊技者の好みに応じて識別情報の変動速度を変化させることができるようになる。このように、遊技者の動体視力の優劣に拘らず、遊技者の遊技意欲を高めることが可能な遊技機を提供することが可能になる。
【0379】
なお、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、第1種パチンコ遊技機と、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機との両方を備えたパチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
【0380】
また、上述した実施形態においては、発射ハンドル26と発射停止ボタン27の操作により回転速度の速い遅いを指示して回転リール510a、510b、510cの回転速度を変更するものとしたが、回転リール510a、510b、510cの回転速度に対応する所定の利益を指示して、それに対応する回転速度に回転リール510a、510b、510cの回転速度を変更させるように構成しても良い。
【0381】
その場合には、図24のゲージ画像90として、例えば、棒グラフ状の画像の上下や横に、図24のような「速い」や「遅い」という目安の文字に代えて、確率状態の報知期間の「長い」と「短い」という目安の文字や、或いは、小当たりの当選確率の「高い」と「短い」という目安の文字を表示させるようにすることができる。
【0382】
さらに、上述した実施形態においては、所定の利益を遊技者に提供する場合に該当する図柄が回転リール装置500で停止表示された停止ゲームにおける、回転リール510a、510b、510cの回転速度が高いほど、液晶表示装置32に現在の確率状態を報知する演出画像が表示される期間(識別図柄の変動表示回数)を長くしたり、小当たりの当選確率を高くし、これにより、動体視力に優れた遊技者に対する優位性を担保して、そのような遊技者の興味をより一層喚起することができるようにした。
【0383】
しかし、反対に、回転リール510a、510b、510cの回転速度が低いほど、液晶表示装置32に現在の確率状態を報知する演出画像が表示される期間(識別図柄の変動表示回数)を長くしたり、小当たりの当選確率を高くし、これにより、動体視力に優れた遊技者よりも遊技結果の面で不利な可能性がある、動体視力に優れていない遊技者の救済を図れるようにしても良い。
【0384】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技球が通過可能な所定の入賞領域が設けられた遊技領域を有する遊技盤と、遊技者による発射操作によって遊技領域へ遊技球を発射させる発射手段と、所定の条件を満たしたときに、識別情報の変動表示及び停止表示が行われる表示手段と、当該表示手段に変動表示された識別情報を、遊技者の変動停止操作によって停止表示させる停止操作手段とを備え、前記発射手段は、遊技者の発射操作量に応じて遊技球の発射強度を調整する発射操作部と、遊技者の発射操作時に、遊技者の発射停止操作により遊技球の発射を停止させる発射停止部とを有する一方、当該発射停止部が発射停止操作されているときに行われる前記発射操作部の発射操作量に応じて、前記表示手段に変動表示される識別情報の変動速度を変化させる変動速度変化制御手段を備えたことを特徴とする遊技機であるが、遊技盤、発射手段、表示手段、停止操作手段、発射操作部、発射停止部、変動速度変化制御手段、などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0385】
なお、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0386】
【図1】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤の概観を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における回転リール装置の要部概観を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における回転リール装置の配置を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において参照される特別図柄決定テーブルを示す説明である。
【図15】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における変動速度変更画面の表示例を示す説明図である。
【図25】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における演出画像の表示例を示す説明図である。
【図26】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における演出画像の表示例を示す説明図である。
【図27】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において参照される特別図柄決定テーブルを示す説明である。
【図28】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において参照される特別図柄決定テーブルを示す説明である。
【図29】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において参照される特別図柄決定テーブルを示す説明である。
【図30】本発明の別実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図31】本発明の別実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図32】本発明の別実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図33】本発明の別実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図34】本発明の別実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図35】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0387】
10 パチンコ遊技機
14 遊技盤
25 始動口
26 発射ハンドル
27 発射停止ボタン
32 液晶表示装置
33 普通図柄表示器
34a、34b、34c、34d 特別図柄保留ランプ
35 特別図柄表示器
39 大入賞口
40 シャッタ
48 普通電動役物
60 主制御回路
66 メインCPU
68 メインROM
70 メインRAM
80 操作ボタン
104 カウントセンサ
106、108、110、112 一般入賞球センサ
116 始動入賞球センサ
118 普通電動役物ソレノイド
120 大入賞口ソレノイド
122 発射停止スイッチ
126 発射・払出制御回路
130 発射装置
200 副制御回路
206 サブCPU
208 サブROM
210 サブRAM
240 駆動制御回路
250 表示制御回路
500 回転リール装置
510a、510b、510c 回転リール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、
所定の条件が満たされた際に、識別情報の変動表示及び停止表示が行われる表示手段と、
前記表示手段に変動表示された識別情報を、遊技者の操作によって停止表示させる制御を行う停止操作手段と、
前記表示手段に変動表示される識別情報の変動速度を変化させるために遊技者によって操作される変動速度操作手段と、
前記変動速度操作手段の遊技者による操作に応じて、前記識別情報の変動速度を変化させる制御を行う変動速度変化制御手段と、
前記停止操作手段の遊技者による操作に応じて、前記表示手段に前記識別情報が所定の停止態様で停止表示されたときに、所定の利益を遊技者に提供する制御を行う利益提供手段と、
前記表示手段に変動表示される前記識別情報の変動速度に応じて、前記利益提供手段が遊技者に提供する前記所定の利益の程度を変更する制御を行う利益程度変更制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記利益程度変更制御手段は、前記表示手段に変動表示される前記識別情報の変動速度が高いほど、前記利益提供手段が遊技者に提供する前記所定の利益の程度を大きくする制御を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
所定の条件を満たすことによって、遊技者にとって有利な特別遊技に移行するか否かの抽選を、該特別遊技の当選確率が高い確変状態を含む複数の当選確率状態で実行する特別遊技抽選手段と、該特別遊技抽選手段による前記抽選に当選したときに前記特別遊技を実行する制御を行う特別遊技実行制御手段と、前記当選確率状態を遊技者に報知するための確率状態報知手段とをさらに備えており、前記利益提供手段は、前記確率状態報知手段により前記当選確率状態を遊技者に報知する制御を、前記所定の利益を遊技者に提供する制御として実行し、前記利益程度変更制御手段は、前記当選確率状態を前記確率状態報知手段により遊技者に報知する期間を変更する制御を、前記所定の利益の程度を変更する制御として行うことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を捕捉可能な開放状態と捕捉困難な閉鎖状態とに移行可能である第1入賞装置と、前記遊技盤の遊技領域に設けられ、遊技球を捕捉可能な開放状態と捕捉困難な閉鎖状態とに移行可能である第2入賞装置と、所定の条件を満たすことによって、前記第1入賞装置又は前記第2入賞装置を前記開放状態にするか否かの抽選を行う開放状態抽選手段と、前記抽選の結果が第1の当選の場合に、前記第1入賞装置を前記開放状態に移行して第1遊技を実行する制御を行う第1入賞装置実行制御手段と、前記第1の当選とは抽選の結果が異なる第2の当選の場合に、前記第2入賞装置を前記開放状態に移行して、前記第1遊技とは異なる第2遊技を実行する制御を行う第2入賞装置実行制御手段と、前記開放状態抽選手段による前記第2の当選の当選確率を変更する制御を行うための当選確率変更手段とをさらに備えており、前記利益提供手段は、前記第2の当選の抽選を前記開放状態抽選手段により行う制御を、前記所定の利益を遊技者に提供する制御として実行し、前記利益程度変更制御手段は、前記第2の当選の当選確率を前記当選確率変更手段により変更する制御を、前記所定の利益の程度を変更する制御として行うことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項5】
前記変動速度操作手段の遊技者による操作によって、遊技者が所望する前記所定の利益の程度が指定され、前記変動速度変化制御手段は、指定された前記所定の利益の程度に応じた変動速度に前記識別情報の変動速度を変化させる制御を行うことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2009−5976(P2009−5976A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171162(P2007−171162)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】