説明

遊技機

【課題】 図柄を目立たせることができる光による演出を行うことができるとともに、組み立てや配線作業など作業を容易にすることができ、光源の放熱を十分にできる遊技機を提供する。
【解決手段】 識別情報が設けられた単位識別情報部位は、識別情報が存在する識別情報存在領域と、識別情報が存在しない識別情報非存在領域とを有するとともに、識別情報非存在領域の少なくとも一部に、光源から発せられた光を発散させて射出する発散領域を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
光を発して演出を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、
(1) 複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、
(2) 遊技メダルやコイン等(以下、メダル等)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、
(3) 複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、
(4) 複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、
(5) スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
【0003】
さらに、従来から、バックライトを用いて、リールを背面から照明する遊技機も存在した(例えば、特許文献1参照)。このような遊技機は、内部抽籤処理の結果や遊技の結果など応じて色などを異ならしめて照明していたが、バックライトによる照明は、図柄を背面から全体的に照らすものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−178520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の遊技機は、内部抽籤処理の結果や遊技の結果など応じて色などを異ならしめて照明するものであった。しかしながら、このように、バックライトによる照明は、図柄を背面から全体的に照らすものであったため、点灯時における印象と消灯時における印象との違いを明確にすることができず、何らかの情報を示すための演出を行うことはできても、図柄自体を目立たせて遊技者に刺激を与えるには不十分な演出になっていた。特に、所定の一の図柄や所定の一群の図柄が、他の図柄とは異なる意味を有することを示すための演出が不十分になりやすかった。
【0006】
また、バックライトは、回転するリールの内側に配置する必要があるため、リールを回転させるためのモータの近くに配置せざるを得ず、組み立てや配線作業などが煩雑になったり、熱がこもりやすい構造にならざるを得なかったりしていた。
【0007】
さらにまた、初心者に対して店員が目押しをするサービスをする遊技店などもあるが、平日の夕方や、休日の昼間などの混雑している時間帯には、通常のサービスをするのが限度で、目押しをするようなサービスを十分に提供することができない場合もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、図柄を目立たせることができる光による演出を行うことができるとともに、組み立てや配線作業など作業を容易にすることができ、光源の放熱を十分にできる遊技機を提供することにある。
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
【0010】
(1) 遊技者の操作に基づいて、単位遊技を繰り返し実行することができる遊技機であって、
内部抽籤処理によって単位遊技ごとに内部当籤役(例えば、後述する特別役や小役など)を決定する内部当籤役決定手段(例えば、後述するC1−1や、主制御回路150など)と、
前記内部抽籤処理の結果に基づいて、識別情報(例えば、後述する図柄など)を停止表示する識別情報表示手段(例えば、後述するC1−2や、リール120L、120C、120Rなど)と、
光を発する光源(例えば、後述するC1−3や、リール用光源320、320R及び320Lや、リール用光源521、521R及び521Lや、LED322T、322C及び322Bなど)と、を有し、
前記識別情報表示手段は、前記識別情報が設けられた単位識別情報部位(例えば、後述するC1−4や、単位識別情報部位310や単位識別情報体410など)を有し、
前記単位識別情報部位は、前記識別情報が存在する識別情報存在領域(例えば、後述するC1−5や、識別情報存在領域318a及び418aなど)と、前記識別情報が存在しない識別情報非存在領域(例えば、後述するC1−6や、識別情報非存在領域318b及び418bなど)と、を有し、
前記識別情報非存在領域の少なくとも一部には、前記光源から発せられた光を発散させて射出する発散領域(例えば、後述するC1−7や、発散部308、408a、408b及び408cなど)が形成されていることを特徴とする遊技機。
【0011】
(1)記載の遊技機によれば、単位識別情報部位における識別情報が存在しない領域を明るく光らせることで、識別情報を目立たせるような態様で識別情報を示すことができ、演出に広がりを持たせることができる。
【0012】
(2) 前記単位識別情報部位は、正面視で略矩形となる板状の形状を有し、
前記発散領域は、前記識別情報を示す面における領域であって、前記単位識別情報部位の側端部に位置する領域に形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の遊技機。
【0013】
(2)記載の遊技機によれば、発散領域は側端部に形成されているので、単位識別情報部位の外周部の少なくとも一部を明るく光らせることができ、演出に広がりを持たせることができる。
【0014】
(3) 前記単位識別情報部位は、前記識別情報を示す面に対して略垂直に形成され、かつ、前記識別情報存在領域と前記識別情報非存在領域とを挟む側面(例えば、後述するC3−1や、側面314R及び314L並びに側面414R及び414Lなど)を有し、
前記側面は、前記光源から発せられた光が入射され、
前記単位識別情報部位は、前記側面に入射された光を内部で導き、前記発散領域に案内する導光性を有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の遊技機。
【0015】
(3)記載の遊技機によれば、側面に光を入射させるので、光源に妨げられることなく、組み立てや配線作業など作業を容易にすることができ、光源からの放熱を十分にできる。
【発明の効果】
【0016】
図柄を目立たせることができる光による演出を行うことができるとともに、組み立てや配線作業など作業を容易にすることができ、光源の放熱を十分にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の機能フローの概略を示すブロック図である。
【図2】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の外観を示す斜視図である。
【図3】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の内部の概略を示す正面図である。
【図4】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の主制御回路150の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の副制御回路250の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の図柄配置テーブルを示す図である。
【図7】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の図柄組合せテーブルを示す図である。
【図8】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のボーナス作動時テーブルを示す図である。
【図9】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図10】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のRB作動中用内部抽籤テーブルを示す図である。
【図11】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図12】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
【図13】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の内部当籤役(表示役)格納領域を示す図である。
【図14】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の持越役格納領域を示す図である。
【図15】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の作動中フラグ格納領域を示す図である。
【図16】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154の制御によるメインフローチャートである。
【図17】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行される内部抽籤処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるリール停止制御処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154の制御による割込処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。
【図24】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により行われる演出登録タスクを示すフローチャートである。
【図25】本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明による遊技機で用いる3つのリール120L、120C及び120Rの第1の態様による構成を示す概略図である。
【図27】本発明による遊技機で用いる3つのリール120L、120C及び120Rを照明するリール用光源320の配置を示す概略図(a)と、単位識別情報部位310を示す斜視図(b)と、リール用光源320及び単位識別情報部位310の断面図(c)とである。
【図28】本発明による遊技機で用いる光源の構成を示す概略図である。
【図29】本発明による遊技機で用いる3つのリール120L、120C及び120Rの第2の態様による構成を示す概略図(a)と、単位識別情報体410を示す斜視図(b)である。
【図30】本発明による遊技機で用いる3つのリール120L、120C及び120Rの第3の態様による構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0019】
[パチスロ10の機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ10と称する。)の機能フローについて説明する。
【0020】
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー110(操作手段、開始操作手段)が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0021】
内部抽籤手段(内部当籤役決定手段C1−1)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述する入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示を行うことを許可する図柄(識別情報)の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0022】
続いて、複数のリール120L、120C及び120R(識別情報表示手段C1−2)の回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン112L、112C及び112R(操作手段、停止操作手段)が押されると、単位遊技制御手段(遊技制御手段)は、内部当籤役とストップボタン112L、112C及び112Rが押されたタイミングとに基づいて、リール停止制御手段に対して該当するリールの回転を停止するための制御を行い、単位遊技の進行を制御する。なお、単位遊技については、後述する。
【0023】
ここで、パチスロ10では、基本的に、ストップボタン112L、112C及び112Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0024】
リール停止制御手段は、単位遊技制御手段(遊技制御手段)による制御に応じて、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ライン126a〜126eに沿って極力表示されるようにリール120L、120C又は120Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示されることがないようにリール120L、120C又は120Rの回転を停止する。
【0025】
こうして、複数のリール120L、120C及び120R(識別情報表示手段C1−2)の回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ10における1回の遊技として行われる。
【0026】
また、パチスロ10では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置210(演出実行手段)により行う映像の表示、各種ランプ212(演出実行手段)により行う光の出力、スピーカ214(演出実行手段)により行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
【0027】
遊技者によりスタートレバー110が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(演出制御手段)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
【0028】
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール120L、120C及び120Rの回転が開始されるとき、各リール120L、120C及び120Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ10では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
【0029】
(パチスロ10の概略)
このパチスロ10は、投入された遊技媒体がベットされたことに基づいて単位遊技を開始する。この単位遊技が行われた結果、所定の内部抽籤役に入賞したときには、その入賞の態様に基づいて遊技媒体(例えば、上述したメダル)が払い出される遊技機である。図1に示すように、パチスロ10は、ストップボタン112L、112C及び112R(操作手段、停止操作手段)と、スタートレバー110(操作手段、開始操作手段)とを有する。
【0030】
ストップボタン112L、112C及び112Rは、遊技者が操作することができるものであるとともに、単位遊技を進行させるための操作信号を遊技者の操作に基づいて発する。単位遊技は、上述したように、パチスロ10(遊技機)に投入された遊技媒体がベットされたことに基づいて開始される。
【0031】
遊技媒体は、例えば、上述したメダルに相当する。この遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためにパチスロ10に投入すべき媒体である。例えば、略円板状のコインやメダルやチップのほか、略球状の遊技球等もある。遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためのものであればよく、具体的な物体や物品に限られず、パチスロ10とアクセスできる磁気カードのような記憶媒体に記憶された記憶媒体情報や、携帯電話のような情報端末装置に記憶された記憶媒体情報が示す値や内容でもよい。なお、このような記憶媒体情報を用いるときには、記憶媒体情報を現実の物体や物品に換算したり変換したりできるように構成するのが好ましい。
【0032】
また、遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためのものであればよく、遊技媒体が単に投入されただけでは、単位遊技が始まるわけではなく、遊技媒体が投入され、さらに、投入された遊技媒体を少なくとも一部をベットの対象とする操作(ベット操作)を経て、単位遊技が開始される。なお、後述するように、再遊技役に入賞させることができたときには、遊技媒体をベットの対象とすることなく、単位遊技を開始することができる。本実施の形態では、この一の単位遊技におけるベット操作によって、ベットの対象とされた遊技媒体の数をベット数と称する。
【0033】
上述した単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技であり、一般には、遊技者によってスタートレバー110が操作されたことに基づいて開始され、ストップボタン112L、112C及び112Rが操作されたことに基づいて終了する遊技である。さらに、単位遊技の開始を、後述するベットボタン132(図2参照)が遊技者によって操作(ベット操作)されたことに基づいて定めてもよい。
【0034】
いずれにしても、単位遊技は、遊技者の操作に基づいて開始されるものであればよい。なお、これは、遊技者の操作があったときに、単位遊技を直ちに開始することを意味するものではない。すなわち、遊技者によってスタートレバー110の操作があったタイミングや、遊技者によってベットボタン132の操作があったタイミングから、所定の時間遅延した後に、単位遊技が始まるようにすることができる。この単位遊技が実際に始まるタイミングは、後述する識別情報表示手段において識別情報の変動が開始されたときのタイミングにするのが好ましい。
【0035】
遊技者によってメダル等の遊技媒体が投入されると、その遊技媒体は、単位遊技を行うための賭けの対象とされる。なお、規定数以上の遊技媒体が投入された場合には、遊技媒体計数手段(メダルカウンタ(図示せず))によって、投入された遊技媒体の数が計数され、その計数値はクレジット数として遊技媒体計数値記憶手段(図示せず)に記憶される。遊技者によってベットボタン132が操作されてベット操作が行われたりすると、投入されている遊技媒体や、クレジット数が記憶されている遊技媒体のうちの所定の数のものが賭けの対象とされる。すなわち、この所定の数の遊技媒体が、その単位遊技を行うための賭けの対象とされる。
【0036】
次いで、遊技者によって、スタートレバー110が操作されると、乱数発生手段と乱数抽出手段によって、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。すなわち、乱数発生手段は、所定の正の整数の範囲(例えば10進法で0〜65535)の整数値を所定のタイミング毎に1つずつ発生させ続けている。乱数抽出手段は、スタートレバー110が遊技者によって操作されたときのタイミングで乱数発生手段から発生された整数値を乱数(ハードウェア乱数等)として抽出する。
【0037】
次に、内部抽籤手段は、上述した乱数抽出手段によって抽出された乱数値に基づいて、役の当籤の有無や当籤役が判定される。この内部抽籤手段によって、「内部抽籤処理」が行われる。この「内部抽籤処理」は、遊技についての「当り」又は「外れ」(ハズレ)を定める抽籤処理である。なお、「当り」は、いずれかの役に当籤したことを意味し、「外れ」は、いずれの役にも当籤しなかったことを意味する。
【0038】
内部抽籤手段は、乱数判定手段を有する。乱数判定手段は、内部抽籤テーブル記憶手段を有する。乱数判定手段は、乱数抽出手段によって抽出された乱数値を、内部抽籤テーブル記憶手段に記憶された内部抽籤テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。内部抽籤テーブル記憶手段には、複数の遊技状態と役の種類とに応じて、内部抽籤テーブルが記憶されている。
【0039】
単位遊技の遊技状態は、例えば、一般遊技状態やRB遊技状態やBB遊技状態等がある。内部抽籤テーブルは、これらの遊技状態の各々と、その遊技状態で抽籤される役とに対応して構成されている。上述したように、乱数抽出手段が抽出した乱数値を、内部抽籤テーブルと照合することにより、役に当籤したか否かを判定したり、当籤したときには、その当籤役が判定したりする。
【0040】
上述したように、遊技者によって、スタートレバー110が操作されたことに基づいて、内部抽籤手段により内部抽籤処理が行われる。その後、リール120L、120C及び120Rの回転制御及び停止制御が行われる。パチスロ10は、リール駆動制御手段(リール制御手段)を有する。リール駆動制御手段は、リール回転制御手段とリール停止制御手段とを有する。このリール120L、120C及び120Rの回転制御によって、識別情報の「移動表示」が行われ、停止制御によって、識別情報の「停止表示」が行われる。
【0041】
リール回転制御手段は、遊技者によってスタートレバー110が操作されたときに、3つのリール120L、120C及び120Rを回転駆動するためのステッピングモータに電力を供給して、3つのリール120L、120C及び120Rを回転させる。一方、リール停止制御手段は、ストップボタン112L、112C又は112Rが遊技者によって操作されたときに、操作されたストップボタンに対応したリールを駆動するステッピングモータの電力を制御して、そのリールを停止させる。後述するように、ストップボタン112Lは、リール120Lに対応し、ストップボタン112Cは、リール120Cに対応し、ストップボタン112Rは、リール120Rに対応している。このリール停止制御手段は、内部抽籤手段(内部当籤役決定手段C1−1)の内部抽籤処理の結果と、ストップボタン112L、112C又は112Rが操作されたタイミングとに応じて、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。
【0042】
内部抽籤手段の内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合(成立した場合)には、リール停止制御手段は、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。具体的には、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲(最大滑りコマ数や滑りコマ数、例えば、4コマ)に含まれている場合には、その図柄が、有効化された入賞判定ライン上に位置するように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。このように、当籤した所定の役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うようにリールの停止制御を行うことを「引き込み制御」と称する。このように、当籤した所定の役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることによって、当籤した所定の役に「入賞」させることができる。
【0043】
また、内部抽籤手段の内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合であっても、リール停止制御手段は、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲に含まれていない場合には、上述した「引き込み制御」によって、当籤した役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることができない。このような場合には、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。このように、当籤した役に対応する図柄の並びが揃わないようにリールの停止制御を行うことを「蹴飛ばし制御」と称する。このように、「蹴飛ばし制御」をすることによって、当籤した所定の役に「入賞」させることはできず、「非入賞」となる。
【0044】
一方、内部抽籤手段の内部抽籤処理によっていずれの役にも当籤しなかった場合、すなわち、外れた場合には、リール停止制御手段は、役に対応した図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないように3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。この場合も上述した「蹴飛ばし制御」によって、リールの停止制御を行う。このようにすることで、に対応した図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないようにリールの停止制御を行うことができる。このように、「蹴飛ばし制御」をすることによって、いかなる役にも「入賞」させることはできず、「非入賞」することになる。
【0045】
単位遊技制御手段(遊技制御手段)は、停止識別情報抽出手段を有する。リール停止制御手段によって、3つのリール120L、120C及び120Rの全てが停止したときには、停止識別情報抽出手段によって、入賞判定ライン上に並んだ図柄を検出する。このようにすることで、3つのリール120L、120C及び120Rの全てが停止したときに、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄の並びが、内部抽籤処理の結果に対応したものになっているかを判断することができる。
【0046】
上述したように、停止識別情報抽出手段によって、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄が内部抽籤処理に対応したものになっているか否かを判断した後、入賞処理を実行する。すなわち、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄が、当籤した役に対応したものであるときには、当籤した役に応じた入賞処理、例えば、所定の数の遊技媒体を払い出す処理をしたり、別の遊技状態に移行させる処理をしたりする。また、有効化された入賞判定ライン上に並んだ図柄が外れのものであった場合には、直ちに次の単位遊技を開始するための処理に移行する。
【0047】
<<遊技機の構成>>
さらに、本発明によるパチスロ10(遊技機)は、下記の構成を有する。
【0048】
本発明によるパチスロ10(遊技機)は、遊技者の操作に基づいて、単位遊技を繰り返し実行することができる遊技機である。このパチスロ10(遊技機)は、上述した内部当籤役決定手段(例えば、後述するC1−1や、主制御回路150など)と、識別情報表示手段(例えば、後述するC1−2や、リール120L、120C、120Rなど)と、のほかに光源を有する。
【0049】
内部当籤役決定手段は、内部抽籤処理によって単位遊技ごとに内部当籤役(例えば、後述する特別役や小役など)を決定する。また。識別情報表示手段は、内部抽籤処理の結果に基づいて、識別情報を停止表示する。ここで、停止表示とは、識別情報を停止させた態様で表示することであり、識別情報が停止していると遊技者が視認できるように表示することを意味する。なお、識別情報表示手段は、識別情報を停止表示させるだけでなく、識別情報を移動表示させるものでもよい。具体的には、まず、識別情報を移動表示させて、遊技者による停止操作に基づいて、識別情報を停止表示させるものが好ましい。
【0050】
光源は、所定の波長の光を発する。例えば、可視光の波長の光を発するものが好ましい。このような光を発するようにすることで、波長を変換することなく、遊技者に視認させることができる光の演出をすることができる。この光源が、例えば、後述するリール用光源320、320R及び320Lや、リール用光源521、521R及び521Lや、LED322T、322C及び322Bなどに相当する。
【0051】
本発明によるパチスロ10(遊技機)の識別情報表示手段は、上述した識別情報が設けられた単位識別情報部位を有する。単位識別情報部位が、例えば、後述する単位識別情報部位310や単位識別情報体410などに相当する。ここで、「単位識別情報部位」とは、例えば、1つの図柄を示すためのリール上の領域であって、1つの図柄によって占められる領域を意味する。なお、1つの図柄を示すための領域でなくても、複数の図柄を示すためのある程度広い領域でもよい。また、「部位」とは、部材として、独立していなかったり、別体になったりしていなくても、識別情報が付された一定の領域を特定できるものも含む。
【0052】
さらに、単位識別情報部位は、識別情報存在領域と識別情報非存在領域とを有する。識別情報存在領域は、識別情報が存在する領域であり、例えば、後述する識別情報存在領域318a及び418aなどに相当する。識別情報非存在領域が、識別情報が存在しない領域であり、例えば、後述する識別情報非存在領域318b及び418bなどに相当する。
【0053】
上述した識別情報非存在領域の少なくとも一部に、発散領域が形成されている。発散領域が、例えば、後述する発散部308、408a、408b及び408cなどが相当する。この発散領域は、光源から発せられた光を発散させて射出する領域である。ここで、「発散」とは、点光源から発せられた光のように、射出された光の波面が拡がっていくことをいう。
【0054】
この発散には、拡散や散乱などが含まれる。拡散は、発散領域に当たった光、又は発散領域(射出面)を通過する光を、あらゆる方向から来た光のようにするための光線の散乱状態をいう。この拡散は、導光体をマット加工したマット面からの反射や、若しくは、導光体がガラスである場合には、摺りガラスや乳白色ガラスを通しての透過などを使用して起きる。拡散が完全である場合には、拡散が生じた箇所は、あらゆる方向に均一に光を射出する平均的に広範囲な光源として機能する。さらに、散乱とは、発散領域に当たった光が、発散領域を構成する媒質の表面などと衝突したり、又は発散領域を構成する媒質と相互作用したりすることで、波長が変化することなく、光の進行方向や空間的な分布などを変化させることをいう。
【0055】
発散領域をこのように形成することで、識別情報が存在しない領域の少なくとも一部を明るく光らせることができる。このように、単位識別情報部位における識別情報が存在しない領域を明るく光らせることで、識別情報を目立たせるような態様で識別情報を示すことができ、演出に広がりを持たせることができる。
【0056】
さらに、本発明によるパチスロ10(遊技機)の単位識別情報部位は、正面視で略矩形となる板状の形状を有する。また、発散領域は、前記識別情報を示す面における領域であって、前記単位識別情報部位の側端部に位置する領域に形成されている。
【0057】
ここで、「正面視」とは、単位識別情報部位の最も広く形成された面を正面として視認することをいう。また、「板状」とは、単なる平坦な板のみでなく、湾曲したものも含む。さらに、「識別情報を示す面」とは、単位識別情報部位において識別情報を遊技者に示すために形成された面であり、単位識別情報部位の最も広く形成された面を意味する。また、「側端部」とは、単位識別情報部位の側や縁などの端部を意味し、単位識別情報部位の外周部の少なくとも一部を意味する。さらに、側端部は、前記単位識別情報部位の前記識別情報を示す面において、前記識別情報を挟んで互いに離隔して並んだ部位が好ましい。
【0058】
このように、発散領域を側端部に形成することで、発散領域は、識別情報を挟んで互いに離隔して並設する。ここで、並設とは、少なくとも2つの発散領域が、単位識別情報部位において並んで設けられていることをいう。例えば、少なくとも2つの発散領域が、単位識別情報部位において、同じ方向に向いて同列に位置することをいう。具体的には、少なくとも2つの発散領域の各々が長尺な形状を有する場合に、少なくとも2つの発散領域が、単位識別情報部位において、発散領域の各々の長手方向が同じ方向に向くように位置づけられることをいう。
【0059】
発散領域は側端部に形成されているので、単位識別情報部位の外周部の少なくとも一部を明るく光らせることができ、演出に広がりを持たせることができる。
【0060】
さらにまた、本発明によるパチスロ10(遊技機)の単位識別情報部位は、識別情報を示す面に対して略垂直に形成されている。さらに、単位識別情報部位は、識別情報存在領域と識別情報非存在領域とを挟む側面を有する。この側面が、例えば、後述する側面314R及び314L並びに側面414R及び414Lなどに相当する。
【0061】
上述した側面には、光源から発せられた光が入射される。さらに、単位識別情報部位は、側面に入射された光を内部で導き、前記発散領域に案内する導光性を有する。
【0062】
ここで、「識別情報を示す面」とは、単位識別情報部位において識別情報を遊技者に示すために形成された面であり、単位識別情報部位の最も広く形成された面を意味する。また、「側面」は、識別情報を示す面に対して略垂直に形成された面であるので、単位識別情報部位の厚さ方向に略平行に形成された面となる。
【0063】
このように、側面に光を入射させるので、バックライトを用いる必要がなくなり、単位識別情報部位の外周部の少なくとも一部を明るく光らせることができるとともに、バックライトなどの光源に妨げられることなく、組み立てや配線作業など作業を容易にすることができ、光源からの放熱を十分にできる。
【0064】
さらに、前記光源は、前記側面に設けられているものが好ましい。特に、前記光源を前記側面に密着させて設けたものがより好ましい。このようにすることで、光源から発せられた光を側面に的確に入射させることができる。また、密着させて設けることで、光源から発せられた光を、その強度を減衰させることなく、側面に入射させることができる。
【0065】
さらにまた、前記光源は、前記側面から離隔した位置に設けられているものが好ましい。このようにすることで、識別情報表示手段に設けられた光源に給電する必要がなくなるので、配線や導体などを省くことができ、識別情報表示手段の構成を簡素にできる。
【0066】
また、前記発散領域は、前記識別情報を示す面における領域であって、前記識別情報を周回する領域であるものが好ましい。このようにすることで、発散領域は前記識別情報を周回する領域であるので、識別情報を囲むようにして明るく光らせることができ、識別情報がさらに目立つように光らせることができる。
【0067】
さらに、前記発散領域は、前記識別情報を示す面における領域であって、前記識別情報の外形に沿った領域であるものが好ましい。ここで、前記識別情報の外形は、前記識別情報の輪郭を示す。このようにすることで、発散領域は前記識別情報の外形に沿った領域であるので、識別情報を囲むようにして明るく光らせることができ、識別情報が目立つように光らせることができる。さらに、このようにすることで、赤7や青7などの識別情報の色を変更することができる。例えば、識別情報「7」の色を、所定の条件を満たしたときには、「7」の外形に沿って形成された発散領域を赤い色で光らせることで、赤7として視認させて処理することができ、他の条件を満たしたときには、「7」の外形に沿って形成された発散領域を青い色で光らせることで、青7として視認させて処理することができる。
【0068】
さらにまた、
前記識別情報表示手段は、回転可能であり、
前記識別情報表示手段に沿って設けられ、かつ、前記光源と電気的に接続された第1の導電体と、
前記第1の導電体に電気的に接続され、かつ、前記第1の導電体から前記識別情報表示手段の中心に向かって設けられた第2の導電体と、
前記識別情報表示手段が停止している状態と回転している状態との双方の状態で、前記第2の導電体と電気的接続を形成し、前記第1の導電体と前記第2の導電体とを介して、前記光源に電源からの電力を供給する電気的接続形成手段と、を有するものが好ましい。
【0069】
このようにすることで、識別情報表示手段が回転している状態であっても、識別情報表示手段の光源に的確に給電することができる。
【0070】
また、前記識別情報表示手段は、回転可能なリールフレームと、前記リールフレームの外周に設けられたリール帯と、を有するものが好ましい。このように、リールフレームとリール帯とを別体にしたので、リール帯の交換を容易にでき、他の遊技機の仕様に適合させやすくできる。
【0071】
さらに、
前記リール帯は、長尺な形状を有し、かつ、長手方向に沿って形成された縁部を有し、
前記リールフレームは、前記リール帯を支持する支持枠を有し、
前記支持枠は、
前記リール帯の長手方向が前記リールフレームの回転方向に沿うように前記リール帯の前記縁部を保持するための保持部と、
前記保持部よりも外側に形成された外周部と、を有し、
前記光源は、前記リールフレームの側面に設けられたものが好ましい。
【0072】
リールフレームとリール帯とを別体にした構成であっても、リール帯をリールフレームに的確に設けることができる。リールフレームの側面に光源を設けたので、光源に邪魔されることなく、リール帯の交換をすることができる。
【0073】
さらにまた、
単位遊技を繰り返し実行可能に制御する遊技制御手段と、
遊技者が操作することができ、かつ、単位遊技を進行させるための操作信号を遊技者の操作に基づいて発する操作手段と、
前記操作信号が発せられたことに基づいて内部抽籤処理を実行して、単位遊技ごとに内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
前記内部抽籤処理の結果に基づいて、前記光源から発する光の発光態様を決定する発光制御手段と、を有し、
前記発光制御手段は、前記内部抽籤処理の結果と、前記内部抽籤処理の結果に対応する識別情報の種類とに応じて、前記発光態様を決定するものが好ましい。
【0074】
このようにすることで、遊技者に遊技の進行状態を報知したり示唆したりすることができる。
【0075】
また、隣り合う前記単位識別情報部位の境界に沿って遮光部材が設けられたものが好ましい。このようにすることで、一の単位識別情報部位に入射された光が、一の単位識別情報部位と隣り合う他の単位識別情報部位に導かれることを防止でき、一の単位識別情報部位に入射された光は、一の単位識別情報部位の発散領域のみを光らせることができ、識別情報の誤認を防止させることができる。また、隣り合う遮光部材によって挟まれた領域を一の単位識別情報部位として画定することができ、識別情報を視認しやすくできる。
【0076】
さらに、光を反射させる反射部材が、隣り合う前記単位識別情報部位の境界に沿って設けられたものが好ましい。ここで、「反射部材」が、例えば、ミラーのような部材に相当する。このようにすることで、一の単位識別情報部位に入射された光を反射させることができるので、一の単位識別情報部位と隣り合う他の単位識別情報部位に導かれることを防止できるとともに、一の単位識別情報部位の発散領域に導かれる光を多くして、一の単位識別情報部位の発散領域をより明るく光らせることができ、また、光源に供給する電力を下げても、発散領域の明るさを維持することができるので、消費電力を低くすることができるとともに、光源からの発熱を抑えることができる。
【0077】
さらにまた、
前記単位識別情報部位は、識別情報が付された別体の複数の識別情報体からなり、
前記識別情報表示手段は、前記識別情報体を周回するように並べて略円筒状に形成されたものが好ましい。
【0078】
このように、複数の識別情報体は、別体に形成されているので、発散領域や遮光部材や反射部材の形成を容易にすることができる。また、識別情報表示手段の移動方向(例えば、回転方向)に沿った識別情報の並びや順番を容易に組み合わせることができるので、新たな遊技の仕様に容易に適合させることができる。さらに、このように構成した場合には、識別情報表示手段はリールフレームやハーネスを要しないので、識別情報表示手段の構成を簡素化することもできる。
【0079】
[パチスロ10の構造]
パチスロ10の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10の構造について説明する。
【0080】
<パチスロ10の外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ10の外部構造を示す。
【0081】
(リール120L、120C及び120Rと表示窓122L、122C及び122R)
パチスロ10は、リール120L、120C及び120Rや主制御回路150や副制御回路250等を収容するキャビネット20と、キャビネット20に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア30とを備える。キャビネット20の内部には、3つのリール120L、120C及び120Rが横並びに設けられている。各リール120L、120C及び120Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。なお、後述するように、複数の単位識別情報体410を円筒状に並べて配置することによって、3つのリール120L、120C及び120Rを構成してもよい。
【0082】
フロントドア30の上部には、液晶表示装置210が設けられている。液晶表示装置210は、手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域122L、122C及び122Rは、3つのリール120L、120C及び120Rのそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rを透過することが可能な構成を備えている。
【0083】
つまり、図柄表示領域122L、122C及び122Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域122L、122C及び122Rを含めた表示画面124の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0084】
図柄表示領域122L、122C及び122R(以下、表示窓122L、122C及び122Rと称する。)は、その背後に設けられたリール120L、120C及び120Rの回転が停止されたとき、リール120L、120C及び120Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓122L、122C及び122Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン126(入賞判定ライン126a〜126e)として定義する。
【0085】
本実施の形態では、各表示窓122L、122C及び122Rの上段を組合せてなるトップライン126a、各表示窓122L、122C及び122Rの中段を組合せてなるセンターライン126b、各表示窓122L、122C及び122Rの下段を組合せてなるボトムライン126c、左表示窓122Lの上段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン126d、左表示窓122Lの下段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの上段を組合せてなるクロスアップライン126eの5つを入賞判定ライン126として設けている。
【0086】
(操作装置)
フロントドア30には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口40は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口40に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ10の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0087】
ベットボタン132は、パチスロ10の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン134は、パチスロ10の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0088】
スタートレバー110は、全てのリール120L、120C及び120Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン112L、112C及び112Rは、3つのリール120L、120C及び120Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。
【0089】
(その他装置)
7セグ表示器114は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロの10の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
【0090】
ランプ(LED等)212は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ214は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口42は、後述のメダル払出装置46の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口42から排出されたメダルは、メダル受皿44に貯められる。
【0091】
遊技店においては、パチスロ10は、パチスロ10の前面136(図2参照)が、遊技者に向くように配置される。ここで、パチスロ10の前面136とは、パチスロ10において、遊技者が操作をすることができるスタートレバー110やストップボタン112L、112C及び112Rが設けられている面をいう。
【0092】
<パチスロ10の内部構造>
図3は、本実施の形態におけるパチスロ10の内部構造を示す。フロントドア30が開放され、フロントドア30の裏面側の構造及びキャビネット20の内部の構造が現れた状態が示されている。
【0093】
キャビネット20の内部の上方には、主制御回路150を構成する基板(以下、主基板150と称する。)が設けられている。主制御回路150は、内部当籤役の決定、リール120L、120C及び120Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ10における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路150の具体的な構成は後述する。
【0094】
キャビネット20の内部の中央には、3つのリール120L、120C及び120Rが設けられている。各リール120L、120C及び120Rのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ130L、130C及び130Rが接続されている。
【0095】
3つのリール120L、120C及び120Rの左側には、副制御回路250を構成する基板(以下、副基板250と称する。)が設けられている。副制御回路250は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路250の具体的な構成は後述する。
【0096】
キャビネット20の内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置46(以下、ホッパー46と称する。)が設けられている。ホッパー46の左側には、パチスロ10が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置50が設けられている。
【0097】
フロントドア30の裏側の中央で、表示窓122L、122C及び122Rの下方には、セレクタ48が設けられている。セレクタ48は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口40に受け入れられた適正なメダルをホッパー46へ案内する。尚、セレクタ48内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ174が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
【0098】
[パチスロ10が備える回路の構成]
パチスロ10の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ10は、主制御回路150、副制御回路250及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0099】
<主制御回路150>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ10の主制御回路150の構成を示す。
【0100】
(マイクロコンピュータ152)
主制御回路150は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ152を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ152は、CPU154(以下、メインCPU154と称する。)、ROM156(以下、メインROM156と称する。)及びRAM158(以下、メインRAM158と称する。)により構成される。
【0101】
メインROM156には、メインCPU154により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路250に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM158には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0102】
(乱数発生器等)
メインCPU154には、クロックパルス発生回路160、分周器162、乱数発生器164及びサンプリング回路166が接続されている。クロックパルス発生回路160及び分周器162は、クロックパルスを発生させる。メインCPU154は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器164は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路166は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
【0103】
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ152の入力ポート(図示せず)には、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等が接続されている。メインCPU154は、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等の入力を受けて、ステッピングモータ130L、130C及び130R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ170L、170C及び170Rは、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ172は、スタートレバー110が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
【0104】
メダルセンサ174は、メダル投入口40に受け入れられたメダルが前述のセレクタ48内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ176は、ベットボタン132が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ178は、精算ボタン134が遊技者により押されたことを検出する。
【0105】
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ152により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ130L、130C及び130R、7セグ表示器114及びホッパー46がある。また、マイクロコンピュータ152の出力ポート(図示せず)には、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0106】
モータ駆動回路180は、各リール120L、120C及び120Rに対応して設けられたステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動を制御する。リール位置検出回路182は、発光部と受光部とを有する光センサ(図示せず)により、リール120L、120C及び120Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール120L、120C及び120Rに応じて検出する。
【0107】
ステッピングモータ130L、130C及び130Rは、移動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール120L、120C及び120Rに伝達される。ステッピングモータ130L、130C及び130Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール120L、120C及び120Rは一定の角度で回転する。
【0108】
メインCPU154は、リールインデックス(図示せず)を検出してからステッピングモータ130L、130C及び130Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール120L、120C及び120Rの回転角度(主に、リール120L、120C及び120Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール120L、120C及び120Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0109】
表示部駆動回路184は、7セグ表示器114の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路186は、ホッパー46の動作を制御する。また、払出完了信号回路188は、ホッパー46に設けられたメダル検出部190が行うメダルの検出を管理し、ホッパー46から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0110】
なお、本実施の形態では、遊技者がスタートレバー110を操作したときを単位遊技の開始の基準にしたが、その他に、ベットボタン132が遊技者によって操作されてベットスイッチ176から検出信号が発せられたときを単位遊技の開始の基準にしてもよい。このように、単位遊技の開始の基準は、遊技が進んでいるか否かを判断できるような信号の有無を検出することによって定めればよい。
【0111】
<副制御回路250>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ10の副制御回路250の構成を示す。
【0112】
副制御回路250は、主制御回路150と電気的に接続されており、主制御回路150から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路250は、基本的に、CPU252(以下、サブCPU252と称する。)、ROM254(以下、サブROM254と称する。)、RAM256(以下、サブRAM256と称する。)、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260、ドライバ262、DSP264(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM266及びA/D変換器268及びアンプ270を含んで構成されている。
【0113】
サブCPU252は、主制御回路150から送信されたコマンドに応じて、サブROM254に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM256は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路150から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM254は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0114】
プログラム記憶領域には、サブCPU252が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路150との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置210による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ212による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ214による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
【0115】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0116】
また、副制御回路250には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置210、スピーカ214及びランプ212が接続されている。
【0117】
サブCPU252、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260(フレームバッファを含む)及びドライバ262は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置210により表示する。
【0118】
また、サブCPU252、DSP264、オーディオRAM266、A/D変換器268及びアンプ270は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ214により出力する。また、サブCPU252は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ212の点灯及び消灯を行う。
【0119】
さらに、サブCPU252には、LED駆動回路280が電気的に接続され、LED駆動回路280には、3つのLED322T、322C及び322Bが電気的に接続されている。サブCPU252は、主制御回路150から送信された内部抽籤処理の結果などに応じて、3つのLED322T、322C及び322Bの点灯や消灯や点滅を制御するための制御信号を生成し、LED駆動回路280に供給する。LED駆動回路280は、供給された制御信号に応じて駆動信号を生成し、3つのLED322T、322C及び322Bの各々に供給する。このようにして、内部抽籤処理の結果などに応じた態様で、3つのLED322T、322C及び322Bは、点灯したり、消灯したり、点滅したりする。
【0120】
[図柄配置テーブル]
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール120L、120C及び120Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
【0121】
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール120L、120C及び120Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
【0122】
[図柄組合せテーブル]
図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ラインに沿って各リール120L、120C及び120Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
【0123】
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
【0124】
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール120L、120C及び120Rの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
【0125】
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
【0126】
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
【0127】
[ボーナス作動時テーブル]
図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM158に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
【0128】
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
【0129】
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
【0130】
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
【0131】
[内部抽籤テーブル]・[内部当籤役決定テーブル]
【0132】
[内部抽籤テーブル]
図9及び図10を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
【0133】
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
【0134】
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
【0135】
図9は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図10は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
【0136】
[内部当籤役決定テーブル]
図11及び図12を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
【0137】
内部当籤役は、入賞判定ラインに沿って表示を許可する各リール120L、120C及び120Rの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
【0138】
図11は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図12は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
【0139】
[メインRAM158に設けられる格納領域の構成]
メインROM156に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図13〜図15を参照して、メインRAM158に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
[内部当籤役格納領域]・[持越役格納領域]
【0140】
[内部当籤役格納領域]
図13を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
【0141】
尚、メインRAM158には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されたことになる。
【0142】
[持越役格納領域]
図14を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
【0143】
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
【0144】
[作動中フラグ格納領域]
図15を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
【0145】
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
【0146】
[主制御回路150のメインCPU154の制御によるメインフローチャート]
まず、図16を参照して、メインCPU154の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ10に電源が投入されると、はじめに、メインCPU154は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU154は、メインRAM158における指定格納領域のクリアを行う(S2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
【0147】
次に、メインCPU154は、後で図17を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ174やスタートスイッチ172の入力のチェック等が行われる。
【0148】
次に、メインCPU154は、乱数値を抽出し、メインRAM158に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU154は、後で図18を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU154は、スタートコマンドを副制御回路250に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0149】
次に、メインCPU154は、全リール120L、120C及び120Rの回転開始を要求する(S7)。尚、全リール120L、120C及び120Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図22)によってステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御され、各リール120L、120C及び120Rの回転が開始される。
【0150】
次に、メインCPU154は、後で図19を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170Rの入力のチェックが行われ、ストップボタン112L、112C及び112Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
【0151】
次に、メインCPU154は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU154は、表示コマンドを副制御回路250に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
【0152】
次に、メインCPU154は、メダル払出処理を行う(S11)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー46の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU154は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
【0153】
次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図21を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
【0154】
メインCPU154は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図20を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S15)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
【0155】
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図17を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、自動投入カウンタが0であるか否かを判別する(S31)。自動投入カウンタが0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S32)。セレクタ48のソレノイド(図示せず)の駆動が行われ、セレクタ48内のメダルの通過が促される。
【0156】
メインCPU154は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPU154は、自動投入カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
【0157】
メインCPU154は、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(S37)。例えば、最大値が2に変更される。
【0158】
メインCPU154は、S37の後、又は、S36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPU154は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPU154は、有効ラインカウンタに5を格納する(S41)。次に、メインCPU154は、メダル投入コマンドを副制御回路250に対して送信する(S42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
【0159】
メインCPU154は、S39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S43)。メインCPU154は、S43の後、S42の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ176のチェックを行う(S44)。ベットボタン132に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
【0160】
次に、メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、S38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ172はオンであるか否かを判別する(S46)。
【0161】
メインCPU154は、スタートスイッチ172はオンではないと判別したときには、S39に移る一方で、スタートスイッチ172はオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S47)。セレクタ48のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
【0162】
[内部抽籤処理]
次に、図18を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(S61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
【0163】
次に、メインCPU154は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S62)。次に、メインCPU154は、当籤番号の初期値として1をセットする(S63)。
【0164】
次に、メインCPU154は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S64)。次に、メインCPU154は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S65)。次に、メインCPU154は、桁かりが行われたか否かを判別する(S66)。メインCPU154は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S67)。
【0165】
次に、メインCPU154は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S68)。メインCPU154は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S69)。
【0166】
メインCPU154は、S66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S70)。メインCPU154は、S70又はS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S71)。
【0167】
次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S72)。次に、メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S73)。メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S74)。次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S75)。
【0168】
メインCPU154は、S75の後、又は、S73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
【0169】
[リール停止制御処理]
次に、図19を参照して、リール停止制御処理について説明する。
【0170】
最初に、メインCPU154は、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのうち有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S101)。メインCPU154は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
【0171】
メインCPU154は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当ストップボタンの操作を無効化する(S102)。各ストップボタン112L、112C及び112Rの有効及び無効の状態は、メインRAM158に設けられた所定の格納領域において管理される。
【0172】
次に、メインCPU154は、チェック回数として5をセットする(S103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
【0173】
次に、メインCPU154は、内部当籤役に基づいて、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ラインに沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
【0174】
次に、メインCPU154は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(S105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU154は、停止予定位置待ちへ移行する(S106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リールの回転が停止される。
【0175】
なお、上述したステップS102〜S106の処理が実行されるメインCPU154によって、「リール停止制御手段」が構成される。また、メインCPU154によって実行されるステップS102〜S106の処理により、「リール停止制御処理」が構成される。以下では、このリール停止制御について説明する。
【0176】
上述したリール停止制御手段やリール停止制御処理は、図16に示したステップS5の内部抽籤処理の結果と、ストップボタン112L、112C又は112Rが遊技者によって操作されたタイミングとに応じて、3つのリール120L、120C及び120Rを停止させる制御を行うものである。リール停止制御は、内部抽籤処理の結果が、所定の役に当籤した場合と、ハズレになった場合とで異なる処理を実行する。
【0177】
まず、内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合(成立した場合)には、リール停止制御手段やリール停止制御処理は、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。具体的には、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲(最大滑りコマ数や滑りコマ数、例えば、4コマ)に含まれている場合には、その図柄が、有効化された入賞判定ライン上に位置するように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う(上述したステップS102〜S106)。
【0178】
本明細書では、当籤した所定の役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に積極的に揃うようにリールの停止制御を行うことを、「引き込み制御」と称する。上述したように、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲に含まれている場合には、「引き込み制御」によって、当籤した所定の役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃うように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御が行われる。
【0179】
したがって、熟練した遊技者は、3つのリール120L、120C及び120Rが回転している状態で、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれるタイミングを見計らって、ストップボタンを操作することによって、「引き込み制御」させて、当籤した所定の役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることができる。また、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれるタイミングで、ストップボタンを操作することを、本明細書では「目押し操作」と称する。このように、当籤した所定の役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えることで、当籤した所定の役に「入賞」させることができる。すなわち、そのときの単位遊技の結果は、当籤した所定の役への「入賞」となる。
【0180】
また、内部抽籤処理によって所定の役に当籤した場合であっても、遊技者がストップボタンを操作したときに、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれていない場合には、リール停止制御手段は、上述した「引き込み制御」によって、当籤した役に対応する図柄の並びを、有効化された入賞判定ライン上に揃えない。すなわち、当籤した役に対応する図柄が、制御可能範囲に含まれていないタイミングで、遊技者がストップボタンを操作した場合には、「引き込み制御」は行われず、当籤した役に対応する図柄の並びは、有効化された入賞判定ライン上に揃わない。この場合には、当籤した所定の役に「入賞」させることはできずに、「非入賞」となる。
【0181】
このような場合には、当籤した役に対応する図柄の並びが、有効化された入賞判定ライン上に揃わないように、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御を行う。本明細書では、当籤した役に対応する図柄の並びが揃わないようにリールの停止制御を行うことを「蹴飛ばし制御」と称する。例えば、遊技に不慣れな初心者などの遊技者は、上述した「目押し操作」が上手でない場合が多い。すなわち、遊技に不慣れな遊技者は、3つのリール120L、120C及び120Rが回転している状態では、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれている状態であるか否かを判断し難い。このため、遊技に不慣れな遊技者は、当籤した役に対応する図柄が制御可能範囲に含まれていないタイミングで、ストップボタンを操作する可能性がある。このような場合には、上述した「引き込み制御」は行われず、「蹴飛ばし制御」によって、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御が行われることになる。この「蹴飛ばし制御」が行われることにより、そのときの単位遊技の結果は、内部抽籤処理によって所定の役に当籤している状態であるにも拘わらず、当籤した所定の役に「入賞」できずに、「非入賞」となる。
【0182】
上述したように、内部抽籤処理によって所定の役に当籤している場合であっても、「蹴飛ばし制御」により、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御をしたときには、その当籤した所定の役に「入賞」させることはできない。言い換えれば、この場合には、所定の役に対応した図柄の並び(識別情報)とは異なる図柄の並び(以下、役非対応図柄の並び(非対応識別情報)と称する。)が、有効化された入賞判定ライン上に停止表示される。この役非対応図柄の並びは、そのときに当籤している役に対応した図柄の並びとは異なる図柄の並びだけでなく、役に対応した図柄の並びとは異なる図柄の並びである。このようにすることで、「蹴飛ばし制御」によって、3つのリール120L、120C及び120Rの停止制御をしたときには、当籤している役だけでなく、他のいかなる役にも入賞することはない。
【0183】
次に、メインCPU154は、リール停止コマンドを副制御回路250に対して送信する(S107)。リール停止コマンドは、停止したリールの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
【0184】
次に、メインCPU154は、3つのストップボタン112L、112C及び112Rのうち、操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(S108)。つまり、まだ回転中のリールがあるか否かが判別される。メインCPU154は、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、S101に移る一方で、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
【0185】
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図20を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、表示役はBBであるか否かを判別する(S121)。メインCPU154は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(S122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
【0186】
次に、メインCPU154は、持越役格納領域をクリアする(S123)。次に、メインCPU154は、ボーナス開始コマンドを副制御回路250に対して送信する(S124)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0187】
メインCPU154は、S121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S125)。メインCPU154は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写する(S126)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0188】
メインCPU154は、S125において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S127)。メインCPU154は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S128)。
【0189】
メインCPU154は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(S129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
【0190】
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図21を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S141)。メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(S142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU154は、ボーナス終了コマンドを副制御回路250に対して送信する(S143)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0191】
メインCPU154は、S141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(S144)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S145)。
【0192】
メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
【0193】
[メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)]
次に、図22を参照して、メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU154は、レジスタの退避を行う(S161)。次に、メインCPU154は、入力ポートチェック処理を行う(S162)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170R等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
【0194】
次に、メインCPU154は、リール制御処理を行う(S163)。この処理では、全リール120L、120C及び120Rの回転開始が要求されたときに、各リール120L、120C及び120Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リールの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ130L、130C及び130Rの駆動が制御される。
【0195】
次に、メインCPU154は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S164)。メインCPU154は、レジスタの復帰を行う(S165)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
【0196】
[副制御回路250のサブCPU252によって実行されるプログラムフロー]
【0197】
主制御回路150のメインCPU154により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図23〜図25を参照して、副制御回路250のサブCPU252により実行されるプログラムの内容について説明する。
【0198】
[主基板通信タスク]
図23を参照して、サブCPU252により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、主制御回路150から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S301)。次に、サブCPU252は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S302)。
【0199】
次に、サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S303)。サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S304)、S301に移る。
【0200】
[演出登録タスク]
次に、図24を参照して、サブCPU252により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S311)。次に、サブCPU252は、メッセージは有るか否かを判別する(S312)。サブCPU252は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAM256に設けられた格納領域に複写される。
【0201】
次に、サブCPU252は、後で図25を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
【0202】
サブCPU252は、S314の後、又は、S312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(S315)。次に、サブCPU252は、サウンドデータの登録を行う(S316)。次に、サブCPU252は、ランプデータの登録を行う(S317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、S311に移る。
【0203】
上述したステップS317の処理により、登録されたランプデータによって、図2に示した各種のランプ212の点灯や消灯や点滅などの制御だけでなく、後述するリール用光源320、320R及び320Lや、リール用光源521、521R及び521Lの点灯や消灯や点滅などの制御もされる。このようにすることで、後述する単位識別情報部位310や単位識別情報体410における識別情報が存在しない領域や、発散部308、408a、408b及び408cなどを明るく光らせることで、識別情報を目立たせるような態様で識別情報を示すことができ、演出に広がりを持たせることができる。
【0204】
[演出内容決定処理]
次に、図25を参照して、サブCPU252により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。
【0205】
最初に、サブCPU252は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S321)。サブCPU252は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(S322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
【0206】
次に、サブCPU252は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(S323)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。これらの処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0207】
次に、サブCPU252は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S324)。サブCPU252は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタンの種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(S325)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0208】
次に、サブCPU252は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S326)。サブCPU252は、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(S327)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0209】
次に、サブCPU252は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S328)。サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(S329)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0210】
次に、サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S330)。サブCPU252は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(S331)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
【0211】
<<<第1の態様による3つのリール120L、120C及び120R>>>
<<3つのリール120L、120C及び120Rの構造>>
図26は、本発明による遊技機で用いる3つのリール120L、120C及び120Rの第1の態様による構成を示す概略図である。なお、3つのリール120L、120C及び120Rの各々は、いずれも同じ構成を有し、図26に示した構成は、3つのリール120L、120C及び120Rのいずれにも共通する。
【0212】
第1の態様の3つのリール120L、120C及び120Rは、上述した図2で説明したように、円筒状のフレーム(以下では、リールフレーム300と称する。)と、
帯状のシート(以下では、リール帯302と称する。)とからなる。
【0213】
<リール帯302>
図26(a)に示すように、リール帯302は、可撓性を有する材料からなり、幅wで長尺で薄いフィルム状の形状を有する。リール帯302には、リール帯302の長手方向に沿って、複数の図柄、例えば、21個の図柄が印刷などの処理によって配置されている。なお、リール帯302の幅wとは、リール帯302の長手方向に対して略垂直な方向(いわゆる短手方向)の長さである。
【0214】
<リールフレーム300>
また、図26(b)に示すように、リールフレーム300は、アクリルやプラスチック等の樹脂によって成形され、半径R、幅W、厚さtの略円筒状の一定の形状を保つように構成されている。リールフレーム300の幅Wとは、リールフレーム300の回転方向(3つのリール120L、120C及び120Rの回転)に対して略垂直な方向に沿った長さである。また、リールフレーム300の回転方向は、略円筒状の形状の円周に沿った方向である。このリールフレーム300は、略円筒状の形状を有するので、円周に沿って周回する周回面304を有する。このリールフレーム300の周回面304は、リール帯302が配置される面(捲回される面(捲きつけられる面))である。
【0215】
リールフレーム300を形成するアクリルやプラスチック等の樹脂は導光性を有する。上述したように、リールフレーム300は、厚さtの略円筒状の形状を有する。したがって、リールフレーム300の厚さ部分からリールフレーム300の内部に向かって光を入射させることができる。以下では、リールフレーム300の略円筒状の厚さ部分を構成する外面を、リールフレーム300の側面314と称する。なお、リールフレーム300は、右側に位置する側面314Rと左側に位置する側面314Lとを有するが、以下で、区別する必要がないときには、単に側面314と称する。
【0216】
上述したように、リールフレーム300を形成する樹脂は導光性を有するので、リールフレーム300の側面314に光を入射させ、入射させた光をリールフレーム300の内部で伝播させることができる。具体的には、リールフレーム300を構成する内壁によって、入射させた光を反射させることで、伝播させることができる。すなわち、リールフレーム300の内部に入射した光が、リールフレーム300の外側に射出されないように、リールフレーム300の内部で全反射するような条件を満たすのが好ましい。なお、リールフレーム300への入射については後述する。また、リールフレーム300は、導光性を有すればよく、アクリルやプラスチック等の樹脂だけでなく、ガラスなどによって形成してもよい。
【0217】
リールフレーム300は、2つの側端部306R及び306Lを有する。側端部306Rは、リールフレーム300の正面視で、リールフレーム300の右側に位置する側端部であり、側端部306Lは、リールフレーム300の正面視で、リールフレーム300の左側に位置する側端部である。正面視とは、この場合、パチスロ10で遊技を行う遊技者の位置からリールフレーム300を見ることをいう。この「側端部」とは、リールフレーム300の側や縁などの端部を意味する。2つの側端部306R及び306Lは、リールフレーム300の端部であるので、半径R、幅D、厚さtの略円筒状の形状を有する(図26(b)参照)。この2つの側端部306R及び306Lの全体には、光を発散させるための発散部308が形成されている。なお、発散部308は、リールフレーム300の表面に、すなわち、周回面304側に形成されている。なお、図26(b)では、発散部308を明確にするために、斜線を付して示した。2つの側端部306R及び306Lの全体に発散部308が形成されているので、発散部308も、半径R、幅D、厚さtの略円筒状の形状を有する。
【0218】
上述したように、リールフレーム300は導光性を有し、リールフレーム300の内部を伝播する光は、発散部308に導かれる。発散部308に導かれた光は、発散部308によって拡散されたり散乱されたりして、発散部308から射出する。このようにして、発散部308から射出された光は射出光線となる。ここで、射出光線とは、入射した光に対して媒質(導光体であるリールフレーム300)から離れていく光線をいう。
【0219】
ここで、拡散とは、発散部308の表面に当たった光、又は発散部308(射出面)を通過する光を、あらゆる方向から来た光のようにするための光線の散乱状態をいう。拡散は、導光体であるリールフレーム300をマット加工したマット面からの反射や、若しくは、リールフレーム300がガラスで構成されている場合には、摺りガラスや乳白色ガラスを通しての透過などを使用して起きる。拡散が完全である場合には、拡散が生じた箇所は、あらゆる方向に均一に光を射出する平均的に広範囲な光源として機能する。
【0220】
さらに、散乱とは、発散部308の表面に当たった光が、発散部308を構成する媒質の表面などと衝突したり、又は発散部308を構成する媒質と相互作用したりすることで、波長が変化することなく、光の進行方向や空間的な分布などを変化させることをいう。さらにまた、発散とは、点光源から発せられた光のように、射出された光の波面が拡がっていくことをいう。
【0221】
上述したように、発散部308は、2つの側端部306R及び306Lの全体に形成されており、リールフレーム300と一体になるように形成されている。このように、発散部308が、リールフレーム300と一体になるように形成することで、適切に拡散させたり散乱させたりすることができ、あらゆる方向にまんべんなく光を向かわせることができ、特定の方向のみに光が向かってしまうことを防止できる。
【0222】
リールフレーム300の幅Wは、リール帯302の幅wよりも広く(長く)なるように形成されている。具体的には、リールフレーム300の幅Wは、リール帯302の幅wと、発散部308の幅Dを2倍したものとの和よりも長くなるように形成されている。すなわち、W≧w+2×Dとなるように、リールフレーム300の幅Wや、リール帯302の幅wや、発散部308の幅Dは定められている。上述したように、リールフレーム300の幅Wとは、リールフレーム300の回転方向(3つのリール120L、120C及び120Rの回転)に対して略垂直な方向である。また、リール帯302の幅wは、リール帯302の長手方向に対して略垂直な方向(短手方向)である。
【0223】
リールフレーム300の円周方向に沿って、リール帯302を周回面304に巻きつけて貼り付けることによって、3つのリール120L、120C及び120Rを構成することができる(図27(a)参照)。また、上述したように、リールフレーム300の幅Wが、リール帯302の幅wと、発散部308の幅Dを2倍したものとの和よりも長くなるように形成したので、リール帯302を周回面304に貼り付けたときでも、リールフレーム300の2つの側端部306R及び306Lに形成された発散部308が、リール帯302によって覆われないようにでき、発散部308を明るく光らせたときに、リール帯302の両側を明るく光らせるようにすることができる。
【0224】
また、リールフレーム300には、後述する複数の単位識別情報部位310、例えば、21個の単位識別情報部位310を画定することができる。図26(b)には、隣り合う単位識別情報部位310の境界部312を、明確に示すために実線で示した。境界部312は、リールフレーム300上に水平方向(リールフレーム300の回転方向に対して略垂直な方向)に延びて存在する(延在する)。また、後述するように、この境界部312の位置に、光の進行を妨げる遮光部材330や、光を反射させる反射部材340を設けるのが好ましい。なお、これらの遮光部材330や、反射部材340の機能については後述する。
【0225】
上述したように、リールフレーム300には、複数の単位識別情報部位310が形成されている。例えば、リール帯302に21個の図柄を配置した場合には、リールフレーム300にも、21個の単位識別情報部位310を形成するのが好ましい。一の単位識別情報部位310に一の図柄が含まれるように、リール帯302をリールフレーム300に貼り付ける。特に、一の単位識別情報部位310の領域の略中央の位置に、一の図柄が位置するように、リール帯302をリールフレーム300に貼り付けるのが好ましい。
【0226】
このようにすることで、一の単位識別情報部位310を明るくしたり暗くしたりする制御をすることによって、その一の単位識別情報部位310に配置された図柄を明るくしたり暗くしたりすることができる。なお、一の単位識別情報部位310を明るくしたり暗くしたりする制御は、後述するリール用光源320の点灯、消灯又は点滅を制御することによって行うことができる。
【0227】
なお、一の単位識別情報部位310に複数の図柄が含まれるように配置してもよい。このようにした場合には、一の単位識別情報部位310を明るくしたり暗くしたりする制御をすることによって、その一の単位識別情報部位310に配置された複数の図柄の全てを明るくしたり暗くしたりすることができる。
【0228】
<<リール用光源320の配置>>
図27(a)は、本発明による遊技機で用いる3つのリール120L、120C及び120Rの各々を照明するリール用光源320の配置を示す概略図である。リール用光源320は、リール120L用のものと、リール120C用のものと、リール120R用のものとの3つの組からなる。上述したように、3つのリール120L、120C及び120Rの各々は、いずれも同じ構成を有し、3つのリール用光源320も、同様の構成を有し、3つのリール120L、120C及び120Rの各々に対して、同様に配置されている。このように、リール用光源320は、3つのリール120L、120C及び120Rに対応して、3つからなるが、図27(a)に示すように、そのうちの1つを代表して説明する。
【0229】
リール用光源320は、3つのリール120L、120C及び120Rの右側に配置されるリール用光源320Rと、左側に配置されるリール用光源320Lとからなる。さらに、リール用光源320R及び320Lの各々は、3つのLED322T、322C及び322Bからなる。
【0230】
3つのLED322T、322C及び322Bは、リール用光源320R及び320Lの各々において、上下方向に沿って配置されている。3つのLED322T、322C及び322Bは、リール120が停止したときに位置づけられる図柄の位置に対応するように配置される。具体的には、LED322Tは、トップライン126aに対応するように、LED322Cは、センターライン126bに対応するように、LED322Bは、ボトムライン126cに対応するように、配置されている。このようにすることで、リール120が停止したときに、トップライン126aに位置した図柄をLED322Tによって照明することができ、センターライン126bに位置した図柄をLED322Cによって照明することができ、ボトムライン126cに位置した図柄をLED322Bによって照明することができる。
【0231】
3つのLED322T、322C及び322Bは、単色の光を発するものでも、多色の光を発するものでもよい。特に、副制御回路250によって、発する光の色を制御できるものが好ましい。このようにすることで、内部抽籤処理の結果や入賞の結果などの遊技の進行に応じて色を異ならしめて、3つのLED322T、322C及び322Bから光を発することができる。
【0232】
<<リール用光源320の構成>>
図28は、本発明による遊技機で用いるリール用光源320の構成を示す概略図である。図28(a)は、リール用光源320の断面が上下方向に沿って略矩形状の形状を有するものであり、図28(b)は、リール用光源320の断面が上下方向に沿って屈曲した形状を有するものである。図28(a)及び(b)のいずれも、リール120が停止している状態を示し、トップライン126a、センターライン126b及びボトムライン126cの各々のライン上に図柄が停止表示されているものとする。なお、図28(a)及び(b)では、トップライン126aに対応する単位識別情報部位310を単位識別情報部位310Tとし、センターライン126bに対応する単位識別情報部位310を単位識別情報部位310Cとし、ボトムライン126cに対応する単位識別情報部位310を単位識別情報部位310Bとする。
【0233】
上述したように、リールフレーム300は、略円筒状の形状を有しているので、リールフレーム300は湾曲している。図28(a)及び(b)のいずれの場合も、3つのLED322T、322C及び322Bは、この湾曲したリール120(リールフレーム300)の形状に応じた位置に配置されている。このようにしたことで、3つのリール120L、120C及び120Rが停止したときには、トップライン126aに位置した単位識別情報部位310Tの側面314に、LED322Tから発せられた光を入射させることができ、センターライン126bに位置した単位識別情報部位310Cの側面314に、LED322Cから発せられた光を入射させることができ、ボトムライン126cに位置した単位識別情報部位310Bの側面314に、LED322Bから発せられた光を入射させることができる。なお、単位識別情報部位310の側面314については後述する。
【0234】
<<単位識別情報部位310>>
図27(b)は、一の単位識別情報部位310を示す斜視図である。上述したように、リールフレーム300は、複数の単位識別情報部位310、例えば、21個の単位識別情報部位310を有する。図27(b)は、これらの単位識別情報部位310のうちの1つを代表としてしたものである。この単位識別情報部位310は、一の図柄が配置された範囲を画定するための領域である。ここで、「部位」とは、部材として、独立していなかったり、別体になったりしていなくても、識別情報(図柄)が付された一定の領域を特定できるものも含む。すなわち、図27(b)に示した単位識別情報部位310は、リールフレーム300とリール帯302との一部を仮想的に抽出した領域であり、識別情報(図柄)が付された一定の領域を特定できる領域である。なお、図27(b)では、一の単位識別情報部位310を画定するための境界部312を省略した。
【0235】
単位識別情報部位310は、正面視で略矩形となる板状の形状を有する。ここで、「正面視」とは、単位識別情報部位310の最も広く形成された面316を正面として視認することをいう。また、この「板状」とは、単なる平坦な板のみでなく、湾曲したものも含む。図27(b)に示すように、単位識別情報部位310の最も広く形成された面は、遊技者に図柄を示すための面であり、「識別情報を示す面」に対応する。すなわち、「識別情報を示す面」は、単位識別情報部位310において識別情報(図柄)を遊技者に示すために形成された面であり、単位識別情報部位310の最も広く形成された面を意味する。「識別情報を示す面」は、識別情報(図柄)を遊技者に示すことができる面であればよく、「識別情報を示す面」に識別情報(図柄)が、直接印刷されたり貼付されたりする必要はなく、例えば、光を透過することができる材料でリールフレーム300を構成し、リールフレーム300の裏面に、識別情報(図柄)を印刷したり貼付したりして、リールフレーム300の裏面から表面に向かって、識別情報(図柄)を視認できるようにした場合であっても、リールフレーム300の表面は、「識別情報を示す面」となる。
【0236】
上述したように、リールフレーム300の2つの側端部306R及び306Lの全体に、光を発散させるための発散部308が形成されている。したがって、リールフレーム300の一部分に対応する単位識別情報部位310においても、発散部308は、識別情報を示す面における領域であって、単位識別情報部位310の側端部に位置する領域に形成されている。ここで、「側端部」は、単位識別情報部位310の側や縁などの端部を意味し、単位識別情報部位310の外周部の少なくとも一部を意味する。
【0237】
単位識別情報部位310には、識別情報(図柄)が存在する識別情報存在領域318aと、識別情報(図柄)が存在しない識別情報非存在領域318bとを有する。識別情報存在領域318aは、「識別情報を示す面」において、識別情報(図柄)が存在して識別情報を示す領域をいう。また、識別情報非存在領域318bは、「識別情報を示す面」において、識別情報(図柄)が存在せず識別情報を示すことができない領域をいう。後述する発散部308は、リールフレーム300の2つの側端部306R及び306Lに形成されており、この識別情報非存在領域318bの一部に形成されている。
【0238】
上述したように、単位識別情報部位310は、正面視で略矩形となる板状の形状を有し、2つの側面314Rと314Lとを有する。正面視で右側に位置する側面314を側面314Rと称し、左側に位置する側面314を側面314Lと称する。上述したように、リールフレーム300は、厚さtを有するので、単位識別情報部位310の側面314は、高さtを有する。この高さtの側面314に、リール用光源320から発せられた光が入射される。
【0239】
上述したように、リール用光源320には、3つのLED322T、322C及び322Bが設けられている。3つのリール120L、120C及び120Rが停止したときには、トップライン126aに位置した単位識別情報部位310Tの側面314には、LED322Tから発せられた光が入射され、センターライン126bに位置した単位識別情報部位310Cの側面314には、LED322Cから発せられた光が入射され、ボトムライン126cに位置した単位識別情報部位310Bの側面314には、LED322Bから発せられた光が入射される。
【0240】
<発散部308>
リールフレーム300のの2つの側端部306R及び306Lの全体に、光を発散させるための発散部308が形成されている。発散部308は、単位識別情報部位310(リールフレーム300)の内部を案内された光が、発散するように射出させるためのものである。このようにすることで、発散部308を擬似的な点光源として機能させることができる。
【0241】
この発散部308は、リールフレーム300を機械的又は熱的に加工することで、表面が所定の形状になるように形成されたものや、光散乱ポリマー導光体を付着させたり含有させたりして形成されたものなどがある。表面を所定の形状にすることで、発散部308において様々な方向に光を反射させることができるので、発散部308の表面から発散するように光を射出させることができる。例えば、所定の粗さになるように、発散部308の表面を加工するようなものがある。このように、粗さを調整して表面に凹凸を形成することによって、発散の状態を定めることができる。なお、粗さを定める量として、中心線平均粗さ(Ra)や、最大高さ(Rmax)や、十点平均高さ(Rz)などがある。これらの量が所定の値となるように表面を加工することで、光の発散の状態を定めることができる。
【0242】
また、光散乱ポリマー導光体は、ポリマー内部に、数ミクロン程度の周囲と屈折率が異なる構造(不均一構造)を導入したもので、この不均一構造によって光を散乱させることができる。具体的には、光の吸収を伴わないミクロな不均一構造の相対屈折率と大きさとを制御して、その不均一構造による多重散乱効果を利用することによって、光を減衰させることなく、均一に又は特定の方向に光を拡散させて射出することができる。このような光散乱ポリマー導光体を発散部308として用いることによって、発散部308の表面から発散するように光を射出させることができる。
【0243】
<<発散部308からの発光>>
図27(c)は、リール用光源320Rの3つのLED322T、322C及び322Bから発せられた光が、単位識別情報部位310の側面314Rを入射面として入射され、リール用光源320Lの3つのLED322T、322C及び322Bから発せられた光が、単位識別情報部位310の側面314Lを入射面として入射されたときに、単位識別情報部位310の内部で反射して伝播する光の状態を示す概略図である。
【0244】
図27(c)に示すように、3つのリール120L、120C及び120Rが停止したときには、3つのLED322T、322C及び322Bが単位識別情報部位310の側面314に向かうように配置されている。上述したように、3つのLED322T、322C及び322Bから発せられた光は、単位識別情報部位310の側面314R及び314Lに入射される。リールフレーム300(単位識別情報部位310)を形成する樹脂は、導光性を有するので、単位識別情報部位310の側面314R及び314Lに入射した光は、単位識別情報部位310の内部を反射しつつ伝播して、単位識別情報部位310の側端部306Rや側端部306Lに到達する。
【0245】
側端部306Rや側端部306Lに到達した光は、その発散部308によって、拡散されたり散乱されたりして、側端部306Rや側端部306Lから発散しつつ射出される。これによって、側端部306Rや側端部306Lを明るく光らせることができる。このようにすることで、発散部308において「発光」させることができる。なお、発散部308における「発光」とは、発散部308に光源があるのではなく、発散部308に導かれた光が発散することによって、発散部308が明るく光ることをいう。また、単位識別情報部位310の内部とは、単位識別情報部位310(リールフレーム300)を構成する媒体が存在する領域である。
【0246】
上述した例では、リール用光源320として、3つのLED322T、322C及び322Bを用いる場合を示したが、LEDの数は、これに限られず、演出として必要な明るさや色や入賞判定ラインの数などに応じて、適宜定めればよい。また、光源としてLEDを用いるものを示したが、演出として必要な明るさや色や消費電力や発熱などに応じて、光源の種類を適宜定めればよい。
【0247】
上述したように、副制御回路250は、内部抽籤処理の結果や入賞した結果などに応じて、3つのLED322T、322C及び322Bの点灯、消灯又は点滅を制御する。例えば、内部抽籤処理をした結果、ビッグボーナスなどの特別役や小役に当籤したときには、当籤した役に対応する図柄を示すために、その図柄が停止表示されている場合には、その停止表示されている図柄に対応するLEDを点灯させる。このようにすることで、当籤した役に対応する図柄の単位識別情報部位310の右側の発散部308(側端部306R)と左側の発散部308(側端部306L)とを明るく光らせるようにすることができる。なお、内部抽籤処理をした結果がハズレになった場合であっても、3つのLED322T、322C及び322Bを点灯させたり、点滅させたりするようにしてもよい。このようにすることで、なんらかの役に当籤したかのように遊技者に思わせることができる。
【0248】
<<遮光部材330>>
上述したように、境界部312の位置に、光の進行を妨げる遮光部材330を設けてもよい。リールフレーム300は、アクリルやプラスチック等の導光性を有する樹脂からなる。したがって、一の単位識別情報部位310から入射した光は、一の単位識別情報部位310に隣り合う他の単位識別情報部位310に伝播する場合も想定される。したがって、隣り合う他の単位識別情報部位310の間の境界部312として、遮光部材330を設けるのが好ましい。
【0249】
このように、境界部312として、遮光部材330を設けたことによって、隣り合う他の単位識別情報部位310の間に光が伝播することを防止できるので、一の単位識別情報部位310に対応したLED322T、322C又は322Bは、その一の単位識別情報部位310に隣り合う他の単位識別情報部位310の発散部308を明るく光らせることなく、一の単位識別情報部位310の発散部308のみを明るく光らせることができる。このようにしたことで、図柄の誤認を防止することができるとともに、遮光部材330によって挟まれた領域を一の単位識別情報部位310として明確に画定することができ、図柄を遊技者に視認させやすくできる。
【0250】
<<反射部材340>>
また、境界部312の位置に、光を反射させる反射部材340を設けてもよい。上述したように、リールフレーム300は、導光性を有するので、一の単位識別情報部位310から入射した光が、隣り合う他の単位識別情報部位310に伝播する可能性も想定される。したがって、隣り合う他の単位識別情報部位310の間の境界部312として、反射部材340を設けるのが好ましい。
【0251】
このように、境界部312として、反射部材340を設けたことによって、隣り合う他の単位識別情報部位310の間に光が伝播することを防止できるので、一の単位識別情報部位310に対応したLED322T、322C又は322Bは、その一の単位識別情報部位310に隣り合う他の単位識別情報部位310の発散部308を明るく光らせることなく、一の単位識別情報部位310の発散部308のみを明るく光らせることができる。さらに、一の単位識別情報部位310に入射された光は、隣り合う他の単位識別情報部位310に伝播されることなく、反射部材340によって反射されるので、発散部308に至らしめる光の量を増やすことができ、発散部308をより明るく光らせることができる。また、このようにしたことで、リール用光源320に供給する電力を下げても、発散領域の明るさを維持することができるので、消費電力を低くすることができるとともに、リール用光源320からの発熱を抑えることもできる。
【0252】
<<<第2の態様による3つのリール120L、120C及び120R>>>
図29(a)は、本発明による遊技機で用いる第2の態様の3つのリール120L、120C及び120Rを示す概略図であり、図29(b)は、その単位識別情報体410を示す斜視図である。
【0253】
上述した第1の態様による3つのリール120L、120C及び120Rとして、リール帯302をリールフレーム300に巻きつけて貼り付けたものを用いた。このように、第1の態様では、図柄を示すためのリール帯302と、リール帯302を支持するためのリールフレーム300とを別体にしたものを用いた。これに対して、第2の態様では、図柄を示すための部材を一体にして構成したものである。この図柄を示すための部材が、単位識別情報体410である。
【0254】
<<単位識別情報体410>>
図29(b)に示すように、1つの単位識別情報体410に1つの図柄が含まれるように単位識別情報体410を形成する。特に、単位識別情報体410の領域の略中央の位置に、一の図柄が位置するように単位識別情報体410を形成する。この単位識別情報体410を、複数、例えば21個準備して、円筒状になるように並べることによって、図29(a)に示すように、リール120L、120C又は120Rを構成することができる。
【0255】
例えば、略円柱状又は略円筒状の形状を有する治具を準備する。この治具は、リール120L、120C又は120Rと略同じ形状を有する。次いで、複数の、例えば、21個の単位識別情報体410を治具の側面に並べて隣り合った単位識別情報体410同士を固着させ、最後に、治具を抜き取る、このようにすることで、略円筒状の形状を有するリール120L、120C又は120Rを、複数の単位識別情報体410によって構成することができる(図29(a)参照)。
【0256】
単位識別情報体410は、導光性を有するアクリルやプラスチック等の樹脂によって成形されている。したがって、後述するように、単位識別情報体410の側面414R及び414Lに入射した光は、単位識別情報体410の内部を反射しつつ伝播して、単位識別情報体410の側端部406Rや側端部406Lに到達することができる。なお、単位識別情報体410は、導光性を有すればよく、アクリルやプラスチック等の樹脂だけでなく、ガラスなどによって形成してもよい。
【0257】
1つの単位識別情報体410に1つの図柄を配置するようにすることで、一の単位識別情報体410を明るくしたり暗くしたりする制御をすることによって、その一の単位識別情報体410に配置された図柄を明るくしたり暗くしたりすることができる。なお、一の単位識別情報体410を明るくしたり暗くしたりする制御は、後述するリール用光源320の点灯、消灯又は点滅を制御することによって行うことができる。
【0258】
なお、一の単位識別情報体410に複数の図柄が含まれるように配置してもよい。このようにした場合には、一の単位識別情報体410を明るくしたり暗くしたりする制御をすることによって、その一の単位識別情報体410に配置された複数の図柄の全てを同時に明るくしたり暗くしたりすることができる。
【0259】
図29(b)に示すように、単位識別情報体410は、正面視で略矩形となる厚さtの板状の形状を有する。ここで、「正面視」とは、単位識別情報体410の最も広く形成された面416を正面として視認することをいう。また、この「板状」とは、単なる平坦な板のみでなく、湾曲したものも含む。図29(b)に示すように、単位識別情報体410の最も広く形成された面は、遊技者に図柄を示すための面であり、「識別情報を示す面」に対応する。すなわち、「識別情報を示す面」は、単位識別情報体410において識別情報(図柄)を遊技者に示すために形成された面であり、単位識別情報体410の最も広く形成された面を意味する。「識別情報を示す面」は、識別情報(図柄)を遊技者に示すことができる面であればよく、「識別情報を示す面」に識別情報(図柄)が、直接印刷されたり貼付されたりする必要はなく、例えば、単位識別情報体410の裏面に、識別情報(図柄)を印刷したり貼付したりして、単位識別情報体410の裏面から表面に向かって、識別情報(図柄)を視認できるようにした場合であっても、単位識別情報体410の表面は、「識別情報を示す面」となる。
【0260】
単位識別情報体410の識別情報を示す面における領域であって、単位識別情報体410の側端部に位置する領域に、第1の発散部408aが形成されている。この第1の発散部408aは、第1の態様における発散部308と同様に形成され同様に機能するものである。したがって、「側端部」も同様に、単位識別情報体410の側や縁などの端部を意味し、単位識別情報体410の外周部の少なくとも一部を意味する。
【0261】
単位識別情報体410には、識別情報(図柄)が存在する識別情報存在領域418aと、識別情報(図柄)が存在しない識別情報非存在領域418bとを有する。識別情報存在領域418aは、「識別情報を示す面」において、識別情報(図柄)が存在して識別情報を示す領域をいう。また、識別情報非存在領域418bは、「識別情報を示す面」において、識別情報(図柄)が存在せず識別情報を示すことができない領域をいう。後述する発散部408a及び408cは、この識別情報非存在領域418bの一部に形成されている。
【0262】
上述したように、単位識別情報体410は、正面視で略矩形となる板状の形状を有し、2つの側面414Rと414Lとを有する。正面視で右側に位置する側面414を側面414Rと称し、左側に位置する側面414を側面414Lと称する。単位識別情報体410は厚さtを有し、単位識別情報体410の側面414は高さtを有する。この高さtの側面414に、リール用光源320から発せられた光が入射される。なお、リール用光源320は、後述するように、第1の態様におけるものと同じである。
【0263】
この単位識別情報体410では、第1の発散部408aのほかに、第2の発散部408bも形成されている。上述したように、第1の発散部408aは、その構成や位置などについて、第1の態様の発散部308と同様のもので、同様に機能し、同様の方法で形成することができる。
【0264】
これに対して、第2の発散部408bは、単位識別情報体410の厚さ方向に沿って形成されている。これは、表示する図柄の形の貫通孔を、一旦形成し、次いで、第2の発散部408bを形成し、最後に、表示する図柄を埋めるようにして形成すればよい。
【0265】
例えば、まず、単位識別情報体410を構成するアクリルなどの樹脂で、例えば、図柄の文字「7」の形の貫通孔が形成されるように、孔を開ける加工をする。次に、「7」の字の形状を有する貫通孔を画定する壁部に、発散部を形成する。上述したように、「7」の字の壁部を機械的又は熱的に加工することで、壁部の表面が所定の形状になるように形成したり、「7」の字の壁部に光散乱ポリマー導光体を付着させたり含有させたりして、「7」の字の壁部に沿って発散部を形成することができる。最後に、「7」の字を示すためのアクリルなどの樹脂を貫通孔に埋め込むことで、単位識別情報体410を形成することができる(図29(b)参照)。
【0266】
なお、単位識別情報体410を元々構成していたアクリルなどの樹脂と、図柄の形の貫通孔を埋めるための樹脂とは、同じ材質や同じ色のものでも、異なる材質や異なる色のものでもよい。最終的に、単位識別情報体410として一体的に形成できる者であればよい。
【0267】
上述したようにして形成された発散部が、第2の発散部408bとなる。このようにして形成した第2の発散部408bを明るく光らせることで、図柄の外形や輪郭を明るく光らせることができ、図柄をより目立たせる演出をして、図柄の視認性を高めることができる。
【0268】
さらにまた、単位識別情報体410の識別情報を示す面における領域に第3の発散部408cを形成して、第1の発散部408aと発散部408cとによって、単位識別情報体410における「識別情報を示す面」において、発散部が、識別情報を周回するように形成することができる(図29(a)参照)。このように、識別情報(図柄)を周回する発散部を形成して、発散部を明るく光らせることで、識別情報をより目立たせる演出をすることができる。
【0269】
上述したように、単位識別情報体410には、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cが形成されている。また、単位識別情報体410は、導光性を有するアクリルやプラスチック等の樹脂によって成形されており、単位識別情報体410の側面414R及び414Lに入射した光は伝播して、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cに到達する。第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cは、いずれも、第1の態様の発散部308と同様に、機械的又は熱的に加工することで所定の形状になるように形成されたり、光散乱ポリマー導光体を付着させたり含有させたりして形成されている。
【0270】
したがって、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cに到達した光が、拡散されたり散乱されたりして、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cから発散しつつ射出される。これによって、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cを明るく光らせることができる。言い換えれば、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cにおいて「発光」させることができる。なお、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cにおける「発光」とは、発散部308に光源があるのではなく、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cに導かれた光が発散することによって、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cが明るく光ることをいう。
【0271】
なお、第2の態様の3つのリール120L、120C及び120Rにおけるリール用光源320は、第1の態様のものと同じ構成であり、同じように機能し、同じように配置されている。したがって、リール用光源320は、3つのリール120L、120C及び120Rの右側に配置されるリール用光源320Rと、左側に配置されるリール用光源320Lとからなる。さらに、リール用光源320R及び320Lの各々は、3つのLED322T、322C及び322Bからなる。
【0272】
したがって、LED322Tは、トップライン126aに対応するように、LED322Cは、センターライン126bに対応するように、LED322Bは、ボトムライン126cに対応するように、配置されている。このようにすることで、リール120が停止したときに、トップライン126aに位置した図柄をLED322Tによって照明することができ、センターライン126bに位置した図柄をLED322Cによって照明することができ、ボトムライン126cに位置した図柄をLED322Bによって照明することができる。
【0273】
第1の態様と同様に、3つのリール120L、120C及び120Rが停止したときには、トップライン126aに位置した単位識別情報体410の側面414には、LED322Tから発せられた光が入射され、センターライン126bに位置した単位識別情報体410の側面414には、LED322Cから発せられた光が入射され、ボトムライン126cに位置した単位識別情報体410の側面414には、LED322Bから発せられた光が入射される。上述したように、単位識別情報体410の側面414に入射された光は、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cに導かれ、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cによって発散されて、第1の発散部408a、第2の発散部408b及び第3の発散部408cを明るく光らせる。
【0274】
このようにすることで、第2の態様においても、単位識別情報体410における識別情報(図柄)が存在しない領域を明るく光らせることで、識別情報を目立たせるような態様で識別情報を示すことができ、演出に広がりを持たせることができる。また、第2の態様では、第2の発散部408bが形成されているので、識別情報(図柄)の外形に沿って、識別情報(図柄)を囲むようにして明るく光らせることができ、識別情報が目立つように光らせることができる。
【0275】
さらに、この第2の態様においても、遮光部材430(図示せず)や反射部材440(図示せず)を、隣り合う単位識別情報体410の境界部に形成してもよい。この第2の態様では、別個に形成された複数の単位識別情報体410を並べて、3つのリール120L、120C及び120Rを形成する。したがって、複数の単位識別情報体410は、元々、別個に形成されている。単位識別情報体410が別個になっているときに、遮光部材430や反射部材440を、隣り合う単位識別情報体410と向かい合う面450に形成すれば、遮光部材430や反射部材440を容易に形成することができる。その後、3つのリール120L、120C及び120Rを形成すればよいので、遮光部材430や反射部材440を有する3つのリール120L、120C及び120Rを簡便に製造することができる。
【0276】
遮光部材430を境界部に設けたことにより、隣り合う他の単位識別情報体410の間に光が伝播することを防止でき、所望する一の単位識別情報体410の発散部408a、408b及び408cのみを明るく光らせることができる。このようにしたことで、図柄の誤認を防止することができ、一の単位識別情報体410として明確に画定することができる。
【0277】
また、反射部材440を境界部に設けたことにより、隣り合う他の単位識別情報体410の間に光が伝播することを防止でき、所望する一の単位識別情報体410の発散部408a、408b及び408cのみを明るく光らせることができる。さらに、発散部408a、408b及び408cに至らしめる光の量を増やすことができ、発散部408a、408b及び408cをより明るく光らせることができる。
【0278】
<<<第3の態様による3つのリール520L、520C及び520R>>>
図30は、本発明による遊技機で用いる第3の態様による3つのリール520L、520C及び520Rの構成を示す概略図である。
【0279】
上述した第1の態様及び第2の態様では、3つのリール120L、120C及び120Rと、リール用光源320とが、別体に構成されたものである。これに対して、第3の態様では、3つのリール120L、120C及び120Rと、リール用光源521とが、一体に構成されたものである。なお、この第3の態様で用いる3つのリール120L、120C及び120Rは、上述した第1の態様のものでも第2の態様のものでもよい。いずれの態様のものでも、リール用光源521を一体に構成することができる。以下では、第1の態様や第2の態様の3つのリール120L、120C及び120Rにリール用光源521を一体に構成したリールを3つのリール520L、520C及び520Rと称する。
【0280】
リール用光源521は、右側リール用光源521Rと左側リール用光源521Lとからなる。右側リール用光源521Rは、第1の態様や第2の態様の3つのリール120L、120C及び120Rの右側面522Rに設けられる。左側リール用光源521Lは、第1の態様や第2の態様の3つのリール120L、120C及び120Rの左側面522Lに設けられる。特に、右側リール用光源521Rは、右側面522Rに密着するように、左側リール用光源521Lは、左側面522Lに密着するように設けるのが好ましい。このようにすることで、右側リール用光源521Rや左側リール用光源521Lから発せられた光を、右側面522Rや左側面522Lに的確に入射させることができる。
【0281】
例えば、21個の図柄が、3つのリール120L、120C及び120Rの各々に付されている場合には、第1の態様では、21個の単位識別情報部位310からなり、第2の態様では、21個の単位識別情報体410からなる。これに対応して、右側リール用光源521Rは、21個の右側単位光源からなり、同様に、左側リール用光源521Lは、21個の左側単位光源からなる。第1の態様では、1番目の単位識別情報部位310の右側面522Rには1番目の右側単位光源が設けられ、左側面522Lに1番目の左側単位光源が設けられている。2番目の単位識別情報部位310には、2番目の右側単位光源と左側単位光源とが設けられている。同様に、21個の単位識別情報部位310の各々に、それらに対応した右側単位光源と左側単位光源とが設けられている。このようにすることで、i(=1〜21)番目の単位識別情報部位310に、i(=1〜21)番目の右側単位光源と左側単位光源とから発せられた光を入射させることができ、21個の単位識別情報部位310の各々に対して、別個に光を入射させることができる。
【0282】
3つのリール520L、520C及び520Rの回転とともに、右側リール用光源521R及び左側リール用光源521Lも回転させることができ、3つのリール520L、520C及び520Rが回転している状態であっても、21個の右側単位光源における左側単位光源の点灯、消灯又は点滅を別個に制御することができ、21個の単位識別情報部位310の各々に別個に光を入射させることができる。
【0283】
なお、第2の態様の場合も同様に、21個の単位識別情報体410からなる3つのリール120L、120C及び120Rの右側面522Rに右側リール用光源521R(21個の右側単位光源)を設け、左側面522Lに左側リール用光源521L(21個の左側単位光源)を設ける。このようにすることで、21個の単位識別情報体410の各々に対して、別個に光を入射させることができる。
【0284】
上述したように、3つのリール520L、520C及び520Rには、右側リール用光源521R(21個の右側単位光源)や、左側リール用光源521L(21個の左側単位光源)が、回転可能に設けられている。したがって、右側リール用光源521Rや左側リール用光源521Lに電源を供給する必要がある。このため、3つのリール520L、520C及び520Rの各々は、後述するように、第1の導電線560(図示せず)と第2の導電線562と第3の導電線564と押圧接触体(図示せず)とを有する。3つのリール520L、520C及び520Rの各々は、同様の構成を有し、以下の説明は、3つのリール520L、520C及び520Rの各々について共通であるので、単にリール520と称する。また、右側リール用光源521Rや、左側リール用光源521Lに給電をするためには、正極用の導電路及び負極用の導電路などのように、複数の導電路が必要となるが、以下では、簡略のために、第1の導電線560や第2の導電線562などの説明では、単一の導電路のみについて説明する。
【0285】
第1の導電線560は、リール520の周方向に沿って配設された導電体(図示せず)であり、21個の右側単位光源の各々と、21個の左側単位光源の各々とに電気的に接続されている。第1の導電線560は、21個の右側単位光源の各々と、21個の左側単位光源の各々との給電するためのものである。このため、リール520の裏側に配設するとともに、リールを構成する樹脂などによって保護するようにしたものが好ましい。この第1の導電線560が、「第1の導電体」に対応する。
【0286】
また、第2の導電線562は、リール520の半径方向に沿って配設されて(図30参照)、上述した第1の導電線560と、後述する第3の導電線564とに電気的に接続されている。リール520には、リール520の半径方向に沿ってスポーク部570が形成されている。第2の導電線562は、このスポーク部570に沿って配設するのが好ましい。このようにすることで、振動や衝撃によって、第2の導電線562が断線したり接触が不完全になったりすることを防止できる。特に、第2の導電線562が、スポーク部570を構成する樹脂に埋設するように配設するのが好ましい。このようにすることで、第2の導電線562を樹脂によって保護することができ、断線などの故障や障害の発生をより的確に防止することができる。この第2の導電線562が、「第2の導電体」に対応する。
【0287】
図30に示すように、リール520は、固定されたシャフト572によって、回転可能に支持されている。具体的には、リール520のスポーク部570の中心部のハブ574が、固定されたシャフト572によって回転可能に支持されている。なお、ハブ574にはステッピングモータ130が連結されており(図示せず)、ステッピングモータ130の回転運動がハブ574に伝達されて、リール520を回転させることができる。
【0288】
図30に示すように、シャフト572の周囲には、第3の導電線564が形成されている(図30の斜線部参照)。第3の導電線564は、略環状(略円状、略輪状)の形状を有し、シャフト572と同心状になるように形成されている。第3の導電線564は、押圧接触体(図示せず)によって、上述した第2の導電線562と電気的に接続される。押圧接触体は、導電体からなり、第2の導電線562と電気的接続を常に形成するようにされている。押圧接触体は、バネやゴムなどの弾性体の付勢力によって、第3の導電線564に押圧されている。このように、押圧接触体による第3の導電線564への押圧によって、第2の導電線562と第3の導電線564との間の電気的接続を形成することができる。なお、押圧接触体は、鉄板バネ材料や、ステンレス板バネ材料や、ピアノ線などの金属や、その他の弾性を呈する材質からなる弾性部材によって構成され、この弾性部材によって、第3の導電線564に押圧できるものであればよい。この押圧接触体と第3の導電線564とが、「電気的接続形成手段」を構成する。
【0289】
第3の導電線564は、所定の電力を供給する電源(図示せず)に接続されている。まず、電源からの電力を第3の導電線564に供給することができ、第3の導電線564に供給された電力は、押圧接触体を介して第2の導電線562に伝達され、さらに、第1の導電線560を介して、右側リール用光源521R(21個の右側単位光源)や、左側リール用光源521L(21個の左側単位光源)に伝達される。ステッピングモータ130によってリール520が回転している状態であっても、電源からの電力を右側リール用光源521R(21個の右側単位光源)や、左側リール用光源521L(21個の左側単位光源)に的確に供給することで、右側リール用光源521Rや左側リール用光源521Lを点灯させたり消灯させたりすることができる。
【0290】
上述したような構成にしたことにより、リールが回転している場合であっても、所望する単位識別情報部位310や単位識別情報体410の発散部を明るく光らせることによって、視覚効果を高めることができる。
【0291】
なお、上述した説明では、右側リール用光源521Rや左側リール用光源521Lに給電するための導電線について説明したが、右側リール用光源521Rや左側リール用光源521Lの点灯や消灯や点滅を制御するための制御信号用の配線については省略して示した。
【符号の説明】
【0292】
10 パチスロ(遊技機、遊技機本体)
110 スタートレバー(操作手段)
112L、112C、112R ストップボタン(操作手段)
120L、120C、120R リール(識別情報表示手段)
150 主制御回路(内部当籤役決定手段)
154 メインCPU(遊技制御手段)
210 液晶表示装置(演出実行手段)
250 副制御回路(発光制御手段)
308 発散部(発散領域)
310 単位識別情報部位(単位識別情報部位)
314R、314L 側面
318a 識別情報存在領域
318b 識別情報非存在領域
320、320R、320L リール用光源(光源)
408a、408b及び408c 発散部(発散領域)
410 単位識別情報体(単位識別情報部位)
414R、414L 側面
418a 識別情報存在領域
418b 識別情報非存在領域
521、521R、521L リール用光源(光源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の操作に基づいて、単位遊技を繰り返し実行することができる遊技機であって、
内部抽籤処理によって単位遊技ごとに内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
前記内部抽籤処理の結果に基づいて、識別情報を停止表示する識別情報表示手段と、
光を発する光源と、を有し、
前記識別情報表示手段は、前記識別情報が設けられた単位識別情報部位を有し、
前記単位識別情報部位は、前記識別情報が存在する識別情報存在領域と、前記識別情報が存在しない識別情報非存在領域と、を有し、
前記識別情報非存在領域の少なくとも一部には、前記光源から発せられた光を発散させて射出する発散領域が形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記単位識別情報部位は、正面視で略矩形となる板状の形状を有し、
前記発散領域は、前記識別情報を示す面における領域であって、前記単位識別情報部位の側端部に位置する領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記単位識別情報部位は、前記識別情報を示す面に対して略垂直に形成され、かつ、前記識別情報存在領域と前記識別情報非存在領域とを挟む側面を有し、
前記側面は、前記光源から発せられた光が入射され、
前記単位識別情報部位は、前記側面に入射された光を内部で導き、前記発散領域に案内する導光性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−234936(P2011−234936A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109564(P2010−109564)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】