説明

遊技機

【課題】遊技機に不正基板が外付けされたり正規の制御基板が交換される等の不正を早期に発見することができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、遊技を制御する複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、受信した制御コマンドに基づいて演出を制御する演出制御部とを備える。主制御部と演出制御部は共通の識別コードを有し、演出制御部は、遊技開始コマンドと共に識別コードを受信したか否かを判定する(S91)。識別コードを受信した場合には、識別コードが一致するか否かを判定し(S92)、識別コードを受信しない場合又は識別コードが一致しない場合には、遊技開始コマンドが正当でないと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴式遊技機に代表される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機には、遊技機を監視する遊技状態情報収集装置を備えたものがある。この遊技状態情報収集装置は、遊技機に対し所定のタイミングで演算処理装置(CPU)の固有IDを要求し、これが正常であるか否かを判断する(特許文献1、図5)。
【0003】
そして、固有IDが正常でないと判断された場合には、遊技機に対し発射停止要求を出力することで不正な遊技を防止し、セキュリティの高い遊技機を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4244240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の遊技機では、演算処理装置の固有IDが取得された場合には、その固有IDを記憶させた不正基板により不正行為が行われることがある。この不正基板を用いると、たとえ定期的に固有IDを確認したとしても、不正を発見できず、遊技店が被害を受ける可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊技中に主制御基板から演出制御基板に送信される特定のコマンドに遊技機固有の識別コードを付加することで、そのコマンドの正当性を判定し、不正による被害を抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明は、種々の図柄を並べた複数の図柄列を変動表示する図柄変動表示装置と、前記図柄変動表示装置を用いた遊技の進行に応じて演出を行う演出装置と、前記遊技を制御する複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、受信した前記制御コマンドに基づいて前記演出装置による演出を制御する演出制御部とを備えた遊技機において、前記主制御部と前記演出制御部は共通の遊技機固有の識別コードを有し、前記主制御部は、前記複数種類の制御コマンドのうち特定の制御コマンドと共に該主制御部が有する前記識別コードを前記演出制御部に送信し、前記演出制御部は、前記特定の制御コマンドと共に受信した前記識別コードと該受信時に該演出制御部が有する識別コードとが異なる場合、または該特定の制御コマンドと共に前記識別コードが受信されない場合には、該特定の制御コマンドを正当でないと判定することを特徴とする。
【0008】
第2発明は、第1発明の遊技機において、前記主制御部は、前記遊技機の電源投入時に前記遊技機固有の識別コードを決定し、該識別コードを前記演出制御部へ送信し、前記演出制御部は、前記主制御部から受信した前記識別コードを格納し、該識別コードと前記特定の制御コマンドと共に受信した識別コードとを比較することで該特定の制御コマンドの正当性を判定することを特徴とする。
【0009】
第3発明は、第1発明または第2発明の遊技機において、前記主制御部は、遊技中所定のタイミングで取得された乱数値を抽選値テーブルに記憶された抽選値と対比し、その結果により遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かを決定する抽選手段を備え、該抽選手段による抽選結果を含む制御コマンドを前記特定の制御コマンドとして前記演出制御部に送信し、前記演出制御部は、受信した前記抽選結果を含む制御コマンドを正当でないと判定した場合には、前記抽選結果に関わらず遊技者に有利な遊技状態に移行させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技機に不正基板が外付けされたり正規の制御基板が交換される等の不正を早期に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態の回胴式遊技機の外観を示す正面側の斜視図。
【図2】実施形態の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図。
【図3】図2に示す制御装置の主制御基板および演出制御基板の回路構成を示すブロック図。
【図4】制御コマンドの送受信の内容を示す説明図。
【図5】通常遊技抽選値テーブルの内容を示す説明図。
【図6】電源投入処理の内容を示すフローチャート。
【図7】主制御側のメイン処理の内容を示すフローチャート。
【図8】図7の遊技開始コマンド設定処理の内容を示すフローチャート。
【図9】図8の送信データ設定処理の内容を示すフローチャート。
【図10A】図7の入賞判定処理の内容を示すフローチャート(前半)。
【図10B】図7の入賞判定処理の内容を示すフローチャート(後半)。
【図11】図10Bの入賞情報コマンド設定処理の内容を示すフローチャート。
【図12】主制御側のタイマ割込み処理の内容を示すフローチャート。
【図13】図12の送信データ出力処理の内容を示すフローチャート。
【図14】演出制御側のメイン処理の内容を示すフローチャート。
【図15】演出制御側のコマンド受信割込み処理の内容を示すフローチャート。
【図16】演出制御側のタイマ割込み処理の内容を示すフローチャート。
【図17】図16の受信データ判定処理の内容を示すフローチャート。
【図18】図17の遊技開始コマンド受信時処理の内容を示すフローチャート。
【図19】図17の入賞情報コマンド受信時処理の内容を示すフローチャート。
【図20】図19の通常遊技状態遊技管理処理の内容を示すフローチャート。
【図21】図19のAT遊技状態遊技管理処理の内容を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、実施形態の遊技機の概要について説明する。
【0013】
本実施形態の遊技機は、種々の図柄を並べた複数の図柄列を変動表示する図柄変動表示装置と、前記図柄変動表示装置を用いた遊技の進行に応じて演出を行う演出装置と、前記遊技を制御する複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、受信した前記制御コマンドに基づいて前記演出装置による演出を制御する演出制御部とを備えた遊技機において、前記主制御部と前記演出制御部は共通の遊技機固有の識別コードを有し、前記主制御部は、前記複数種類の制御コマンドのうち特定の制御コマンドと共に該主制御部が有する前記識別コードを前記演出制御部に送信し、前記演出制御部は、前記特定の制御コマンドと共に受信した前記識別コードと該受信時に該演出制御部が有する識別コードとが異なる場合、または該特定の制御コマンドと共に前記識別コードが受信されない場合には、該特定の制御コマンドを正当でないと判定することを特徴とする。
【0014】
かかる遊技機によれば、主制御部は、遊技を制御する複数種類の制御コマンドを送信するが、そのうちの特定の制御コマンドについては、遊技機固有の識別コードと共に演出制御部へ送信する。なお、遊技機には、回胴式遊技機の他、弾球遊技機、アレンジボール、雀球式遊技機、パロット機等が含まれる。
【0015】
「識別コード」とは、いわゆる遊技機固有のIDであるが、必ずしも唯一のIDである必要はない。識別コードは、複数の中から1つを抽選で決定してもよいし、所定時間毎に変更して使用してもよい。
【0016】
不正行為や他の異常がない限り、主制御部と演出制御部の識別コードは共通しているので、演出制御部は、両識別コードが異なる場合に前記制御コマンドを正当でないと判定する。このとき、遊技機は適宜の報知手段によりその旨を報知することができる。
【0017】
なお、識別コードは、複数ビットで構成される場合、それらのビットのうち一部でも一致していれば、すなわち完全に同一でなくとも、正当と判定するようにしてもよい。
【0018】
また、不正基板から送信された特定の制御コマンドには、そもそも識別コードが付いていない可能性が高い。演出制御部は、このような場合にも、単独で送信された制御コマンドを正当でないと判定する。
【0019】
特定の制御コマンドは、遊技を制御するため遊技中に送信されるものであるから、上記の判定を行うことで、正当でないコマンドを即座に発見することができ、不正行為による被害の防止にも役立つ。
【0020】
また、本実施形態の遊技機において、主制御部は、遊技機の電源投入時に遊技機固有の識別コードを決定し、該識別コードを演出制御部へ送信し、前記演出制御部は、前記主制御部から受信した前記識別コードを格納し、該識別コードと前記特定の制御コマンドと共に受信した識別コードとを比較することで、特定の制御コマンドの正当性を判定することが好ましい。
【0021】
識別コードは、主制御部が遊技機の電源起動時に決定し、演出制御部へ送信するようにする。演出制御部は、その後送信された識別コードをRAM等に格納しておくので、主制御部と演出制御部の識別コードは共通することになる。
【0022】
また、演出制御部は、特定の制御コマンドが送信された場合には、前記制御コマンドと共に送信された識別コードと、RAM等に格納している識別コードの2つを比較し、その制御コマンドの正当性を判定する。
【0023】
このような制御により、識別コードは遊技機の電源投入時に決定され、その後はその識別コードを使用して、特定の制御コマンドが送信される度に正当性の判定をすることが可能となる。
【0024】
また、上記実施形態の遊技機において、主制御部は、遊技中所定のタイミングで取得された乱数値を抽選値テーブルに記憶された抽選値と対比し、その結果により遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かを決定する抽選手段を備え、該抽選手段による抽選結果を含む制御コマンドを前記特定の制御コマンドとして演出制御部に送信する。前記演出制御部は、受信した前記抽選結果を含む制御コマンドを正当でないと判定した場合には、前記抽選結果に関わらず遊技者に有利な遊技状態に移行させないこととすることができる。
【0025】
ここで、主制御部が送信する特定の制御コマンドは、抽選手段による抽選結果を含むものである。このような特定の制御コマンドも、識別コードと共に演出制御部に送信され、演出制御部によりその正当性が判定される。
【0026】
演出制御部は、その制御コマンドを正当でないと判定した場合には、遊技者に有利な遊技状態に移行させないので、たとえ不正基板等から制御コマンドを送信して利益を得ようとしても、それは不可能である。
【0027】
ここで、「遊技者に有利な遊技状態」としては、遊技者が内部当選した役を取りこぼすことなく獲得できるように、演出装置により操作手順等を指示するアシストタイム遊技状態があるが、その他にリプレイタイム遊技状態、アシストリプレイタイム遊技状態、チャレンジタイム遊技状態等であってもよい。
【0028】
このような制御により、不正な制御コマンドによって利益を得ようとする行為を防止することが可能となる。
【0029】
以下、本実施形態の遊技機を構成する回胴式遊技機について説明する。
【0030】
<1.機械的構成>
図1は、本実施形態の回胴式遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。図1に示すように、回胴式遊技機は、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備える。
【0031】
前扉2には、そのほぼ中央に回胴視認部3が設けられており、その上側に液晶画面視認部4が設けられている。
【0032】
回胴視認部3には、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5cが、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。回胴装置210は、本発明の図柄変動表示装置に相当する。
【0033】
この回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図示省略)を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の上記図柄の組み合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。
【0034】
図柄配列帯については、既に種々の図柄配列帯が公知であるのでその詳細な説明は省略するが、図柄配列帯には、各当選役を構成するための図柄が表示されており、本実施形態では回転方向に21コマの図柄が配置されている。図柄には、たとえば「7」、「ベル」、「オレンジ」、「チェリー」、「JAC」、「BAR」、「人物」、「動物」、「魚」、「乗り物」等、特に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。
【0035】
この回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図2参照)により回転駆動されるように構成され、各回胴5a、5b、5cが回転することにより、上記図柄が変動表示可能となっている。
【0036】
なお、回胴5a、5b、5cは、本実施形態のように、回胴駆動モータ211a、211b、211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転または停止が行われる機械式の回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であってもよい。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個等、何個配設されていてもよい。
【0037】
回胴視認部3には、これを横方向および斜め方向に横断する形で、計5本の入賞ライン3aが施されている。これら入賞ライン3aは、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダルの投入枚数に応じて有効として扱われる入賞ライン数が変化する。
【0038】
この有効となった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)3a上で、3つの回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組み合わせの表示態様(入賞役)が、内部抽選で当選した当選役と一致した場合に入賞が確定し、上記停止図柄の組み合わせに応じた遊技価値が遊技者に付与される。
【0039】
液晶画面視認部4は、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の液晶画面6aに対応して、たとえば回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者はこの液晶画面視認部4を介して液晶画面6aを前側から視認可能となっている。
【0040】
この液晶画面6aには、遊技に伴う演出が画像により表示される。液晶表示装置6は、AT(アシストタイム)遊技状態において、当選役獲得のための操作手順等を遊技者に報知する主たる手段として働く。よって、液晶表示装置6は、本発明の演出装置に相当する。
【0041】
なお、本実施形態では、液晶表示装置6を設けているが、これに限らず、電子ペーパを用いた画像表示装置、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等であってもよく、回転式ドラムによる演出表示装置、7セグによる演出表示装置、またはこれらを組合せたものであってもよい。
【0042】
回胴視認部3の左右両側には、LEDを内蔵し、発光色の種類や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。上記装飾ランプ部13は、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順等を遊技者に報知する手段の一例でもある。よって、装飾ランプ部13は、本発明の演出装置に相当する。
【0043】
回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技媒体としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダルまたは入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法によって記憶可能とする機能を備えた装置)に貯留された範囲、すなわちクレジットされた範囲内で、遊技メダルを最大枚数賭けで一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8とが設けられている。
【0044】
また、押した回数に応じて最大賭け枚数まで加算的に擬似投入し得る貯留メダル投入ボタン9、クレジットされた遊技メダルの精算を行う貯留メダル精算ボタン10が設けられている。
【0045】
回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて回胴回転停止ボタンを総称して、単に「回胴回転停止ボタン12」と称する)が設けられている。
【0046】
また、上記ボタンやレバーには、その内部に、操作が有効であることを遊技者に報知するための発光手段(LED)を設けており、このLEDの発光態様(発光色、点灯、点滅、消灯など)により操作の有効、無効を報知するように構成されている。
【0047】
本実施形態では、上記操作手段として、各回胴回転停止ボタン12a、12b、12cとMAXBETボタン8を利用することとしているので、これらボタンの内部にLEDを設けて、通常遊技や操作型遊技において、上記各ボタン操作の有効、無効を、当該LEDの発光態様により遊技者に報知するようにしている。
【0048】
上述のMAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cには、それぞれ、これらが操作された際に操作検出情報を生成するスイッチ(8a、9a、10a、11a、12a’、12b’、12c’:図2参照)が備えられている。
【0049】
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施された装飾パネル部17が設けられている。また、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、遊技メダル払出装置から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出ロ19が開口している。
【0050】
前扉2の前扉上部両側および前扉下部両側には、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。スピーカ16は、AT遊技状態において当選役獲得のための操作手順等を遊技者に報知する手段の一例でもある。よって、スピーカ16は、本発明の演出装置に相当する。
【0051】
なお、本実施形態において、AT遊技状態が発生している間、上記操作手順等を遊技者に報知する演出装置は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができるものであれば、いかなる装置も採用することができる。
【0052】
<2.回路構成>
(2−1.全体構成)
次に、本発明に係る回胴式遊技機の回路構成について説明する。
【0053】
図2は、本実施形態の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400と、主制御基板400から制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御を行う副制御部410と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440とを中心に構成される。
【0054】
副制御部410は、具体的には、演出装置を制御するための演出制御基板420と、液晶制御基板460とで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。
【0055】
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8aと、貯留メダル投入ボタン9の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、停止スイッチ基板360とが接続されており、これらからの信号が入力される。
【0056】
また、停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や各回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの内部に設けられるLEDが搭載されている。
【0057】
また、主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cおよび回胴位置検出センサ(各回胴に設けられているセンサであって、図柄の基準となる位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続されている。
【0058】
主制御基板400は、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して、各回胴5a、5b、5cの回転動作および目的とする位置への各回胴5a、5b、5cを停止させる停止動作を実現している。
【0059】
主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500が接続されている。ホッパーユニット500には、払出制御基板450、メダル払出センサ520およびホッパーモータ510が配置されている。
【0060】
払出制御基板450は、主制御基板400から送信された遊技メダルの払い出しに関する払出制御コマンドに基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、目的とする枚数の遊技メダルを払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520によって検出される。
【0061】
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介して満杯検知センサ600が接続されている。これは、メダル貯留部(図示省略)に取り付けられたセンサであり、メダルが満杯となり、これ以上受け入れできなくなったときに、満杯検知信号を出力するものである。
【0062】
さらに、主制御基板400には、外部集中端子基板310が接続されている。外部集中端子基板310は、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCに所定の遊技情報を送信する。
【0063】
また、さらに主制御基板400には、回胴設定基板430が接続されている。回胴設定基板430は、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ、上記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出王率に変化をもたらす「設定」を変更したり遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ等が設けられている。回胴設定基板430は、上記各スイッチの操作を検出して、その信号を出力する。
【0064】
主制御基板400には、演出I/F基板340を介して接続された演出制御基板420と液晶制御基板460とが接続されている。演出制御基板420は、主制御基板400からの制御コマンドを受けて、スピーカ16やLED基板380の制御を中心的に司る制御基板であって、主制御基板400から送信される制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶コマンドを液晶制御基板460に送信する。
【0065】
液晶制御基板460は、演出制御基板420からの液晶コマンドを受けて、液晶表示装置6を駆動制御し、演出内容に沿った画像を表示して画像による演出を実現している。この液晶制御基板460は、図示しない液晶制御CPU、液晶制御RAM、液晶制御ROM、画像ROM、ビデオRAM、画像IC等を備えている。
【0066】
液晶制御CPUは、液晶コマンドに基づいて、液晶制御ROMに記憶された画像制御プログラムに従い、液晶表示装置6に表示する演出内容を決定する。液晶制御RAMは、液晶制御CPUによる画像制御プログラムの実行の際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
【0067】
画像ICは、液晶制御CPUで決定された演出に沿った画像データを画像ROMから読み出し画像を形成し、液晶表示装置6に出力する。ビデオRAMは、画像ICが画像を形成する際に発生するデータを一時的に記憶する作業領域として利用される。
【0068】
なお、本実施形態では、演出制御基板420と液晶制御基板460とを別個の基板で遊技機に設けているが、これらの基板が担う機能を備えた演出部として一体的に構成し、1つの基板に搭載してもよい。
【0069】
(2−2.主制御基板)
次に、図3を参照して、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、回胴式遊技機の遊技動作全般の制御を司る制御基板であり、本発明の主制御部に相当する。
【0070】
主制御基板400は、1チップマイクロコンピュータ401を中心に、主制御基板400に接続された各基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するI/F(インターフェース)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を備えている。
【0071】
回胴式遊技機における遊技の動作制御は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として、各上記回路が連携し合って行われている、1チップマイクロコンピュータ401は、遊技の動作を制御する制御信号(制御コマンドを含む)を周辺基板に送信して遊技動作全般を制御している。
【0072】
また、1チップマイクロコンピュータ401は、メインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cを備えている。さらに、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC(Counter Timer Circuit)401d、メインCPU401cに割込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
【0073】
メインROM401aには、遊技動作制御プログラム(回胴式遊技機全体をどのように動作させるかが記憶されているプログラム)の他、回胴の停止制御の際に用いられる複数種類の停止制御用の停止制御テーブル(図示省略)、抽選により当選役を決定する際に用いられる抽選値テーブル、有効入賞ライン3a上に停止した図柄の確認や払い出し枚数を決定するための入賞払出判定テーブル(図示省略)が記憶されている。
【0074】
メインRAM401bは、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
【0075】
メインCPU401cは、CTC401dを利用して計時機能等を発揮し、メインROM401aに記憶された上記遊技動作制御プログラムを実行して遊技の進行に係る全般的な処理を行う。
【0076】
カウンタ回路403は、図示していないが、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている。
【0077】
メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。この内部抽選用乱数値は、主に当選役の抽選に利用される。上記当選役の抽選は、主制御基板400のメインCPU401cで行われるため、メインCPU401cは、本発明の抽選手段に相当する。
【0078】
各回胴5a、5b、5cの回転による単位遊技の実行ごとに、ハズレ役を含む複数の当選役の抽選を行う。より具体的には、1または複数の当選役若しくはハズレ役に対応付けられた当選領域を遊技状態ごとに定めた抽選領域を対象として抽選を実行し、その抽選結果を示す抽選結果情報を生成する。この抽選手段による抽選は、抽選値テーブルに基づき行われる。抽選値テーブルの詳細については後述する。
【0079】
I/F回路として、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
【0080】
また、モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御する制御信号を回胴中継基板330に出力する。
【0081】
各回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成している。
【0082】
次に、上記停止制御装置による回胴5a、5b、5cの回転制御について説明する。モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cに駆動パルス信号を出力する。
【0083】
モータ駆動回路407は、回胴5a、5b、5cを1回転させるために必要な上記駆動パルス信号として、1−2相励磁方式で1回転させるために出力相パターンを504回(1図柄のステップ数を24カウントとし、図柄を1コマ進める位置が21箇所あるため)出力し、回胴5a、5b、5cの回転を制御している。
【0084】
また、1チップマイクロコンピュータ401には、各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号が入力される。各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号は、各回胴5a、5b、5cの基準位置を示すリセット信号として1チップマイクロコンピュータ401に入力される。
【0085】
1チップマイクロコンピュータ401は、上記リセット信号が入力されたときに各回胴駆動モータ211a、211b、211cに供給する上記出力相パターンの出力回数を計数している回胴励磁出力カウンタをクリアし、回胴励磁出力カウンタを順次更新しながら、モータ駆動回路407を制御して各回胴5a、5b、5cの回転動作を実現している。
【0086】
1チップマイクロコンピュータ401は、回胴ごとの回胴励磁出力カウンタのカウント値を監視することで上記基準位置からの図柄ステップ数を把握し、基準位置(本実施形態では、枠内下段位置)にどの図柄が移動してきているのかを識別する。
【0087】
次に、回胴5a、5b、5cの停止制御について説明する。1チップマイクロコンピュータ401は、上記抽選手段による抽選結果と抽選結果に対応する停止制御パターンを定めた停止制御テーブル(図示省略)とを参照し、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されるごとに有効入賞ライン3a上に停止させる図柄の種類を決定する。
【0088】
そして、決定した図柄を所定の引き込みコマ数範囲内で有効入賞ライン3a上に停止させるように回胴駆動モータ211a、211b、211cへの出力相パターン信号を制御して、目的とする位置に回胴5a、5b、5cの停止動作を実現している。
【0089】
具体的には、各回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されたタイミングで、このときに基準位置に存在する図柄情報(停止操作図柄番号)を取得し、この停止操作図柄番号と上記抽選結果に対応する停止制御テーブルとに基づいて、図柄の引き込みコマ数を決定し、回胴を停止させる。
【0090】
当選役を構成可能な図柄と上記停止操作図柄番号との差が所定の引き込みコマ数(本実施形態では、最大引きコマ数は4コマ)範囲内であれば、上記当選役を構成可能な図柄を所定の有効入賞ライン3a上に引き込む形態で、回胴の停止制御が行われることになる。
【0091】
なお、有効入賞ライン3a上に停止した図柄は、上記基準位置にどの図柄が停止したかで自然と定まるので、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン3a上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
【0092】
このように、本実施形態では、遊技者による回胴の停止操作のタイミングに従い、当選役を有効入賞ライン3a上で極力一致させるべく、最大引き込みコマ数範囲内で各回胴5a、5b、5cの停止制御が行われる。
【0093】
(2−3.演出制御基板)
次に、副制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、スピーカ16、LED基板380等を制御する制御基板であり、本発明の演出制御部に相当する。
【0094】
演出制御基板420は、1チップマイクロコンピュータ421を中心に、演出制御基板420に接続された演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路403と同様の機能を有するカウンタ回路423を備えている。
【0095】
1チップマイクロコンピュータ421は、サブROM421a、サブRAM421b、およびサブCPU421cを備え、その他、周期的な割込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC421d、およびサブCPU421cに割込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
【0096】
上記1チップマイクロコンピュータ421は、主制御基板400からの上記制御コマンドに基づいて、上記演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを選択して、選択した演出パターンを現出するに必要なLED制御用の発光コマンド、スピーカ16制御用の音声コマンド、液晶コマンドなどを出力する。
【0097】
サブROM421aには、演出制御プログラム(液晶表示装置6等の演出装置をどのように動作させるかが記述されているプログラム)の他、遊技に伴う演出内容を定めた演出パターンテーブル(図示省略)が記憶されている。
【0098】
また、サブRAM421bは、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際、一時的にデータを記憶する作業領域として利用される。
【0099】
サブCPU421cは、メインCPU401cと同様に、CTC421dを利用して計時機能やタイマ割込み機能を発揮し、サブROM421aに記憶された上記演出制御プログラムを実行して、これら演出装置を制御したり、液晶制御基板460に対して液晶コマンドを送信したりする。
【0100】
カウンタ回路423は、図示していないが、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを備えている。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを決定するために利用される。
【0101】
<3.制御コマンドの送受信>
(3−1.制御コマンドの送受信回路)
次に、図3を参照して、主制御基板400のメインCPU401cと演出制御基板420のサブCPU421cとのインターフェース部および制御コマンドの送受信について説明する。
【0102】
主制御基板400のメインCPU401cは、処理状態を特定可能な制御情報としての各種制御コマンド(詳細は後述する)を出力する。この出力した制御コマンドは、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。
【0103】
主制御基板400の出力バッファ回路404aは、メインCPU401c側の信号を外部に対して出力することを許可する一方、メインCPU401c側の内部に対して信号が入力されることを禁止するように機能している。
【0104】
したがって、メインCPU401c側は、一方向通信における出力側としてのみ機能している。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御基板420を介してメインCPU401cに入力されることを防止するためである。
【0105】
主制御基板400から送信された上記制御コマンドは、演出I/F基板340における入力バッファ回路340aを通じてI/Oポート回路422を介して演出制御基板420のサブCPU421cに入力される。
【0106】
また主制御基板400からのストローブ信号は、演出I/F基板340を通じ、I/Oポート回路422を介してサブCPU421cの割込み信号として入力される。
【0107】
I/F回路(図示省略)の入力バッファ回路340aは、メインCPU401c側の信号が入力されることを許可する一方、メインCPU401c側の内部に対して信号が出力されることを禁止するように機能している。したがって、サブCPU421c側は、一方向通信における入力側としてのみ機能している。
【0108】
(3−2.制御コマンドの種類)
次に、主制御基板400が各遊技動作の実行時に演出制御基板420に対して送信する各種制御コマンドについて説明する。
【0109】
主制御基板400が送信する制御コマンドは多数種類あるが、以下では、そのうちの一部の制御コマンドについて説明する。なお、コマンド名は、発生時期または送信時期に着目して命名されており、その命名の内容の実行を促すものではない。
【0110】
まず、遊技メダル1枚を投入するごとに発生する「メダル投入コマンド」、回胴回転始動レバー11の操作時発生する「遊技開始コマンド」、回胴回転始動レバー11操作後、回胴回転開始時に発生する「回胴回転開始コマンド」がある。
【0111】
「遊技開始コマンド」は、抽選結果情報や遊技状態情報を含む16ビットの符号からなる制御コマンドである。このうち一部のビットがそれぞれ、当選役に関する抽選結果情報、遊技開始コマンドであることを示すステータス情報、その時点での遊技状態を示す遊技状態情報に割り当てられている。また、固定ビットも含まれている。
【0112】
なお、「遊技開始コマンド」は、主制御基板400から演出制御基板420に送信される場合に、後述する「識別コード」と共に送信される特定の制御コマンドである。
【0113】
次に、回胴回転停止ボタン12aの操作時(左停止操作時)、回胴回転停止ボタン12bの操作時(中停止操作時)、回胴回転停止ボタン12cの操作時(右停止操作時)にそれぞれ発生する「回胴停止コマンド」や、引き込み制御後の左回胴停止時、中回胴停止時、右回胴停止時に発生する「回胴停止位置コマンド」がある。
【0114】
回胴回転停止ボタン12のうち1番目に操作された回胴回転停止ボタンであることは、押し順の情報から知ることができる。よって、「第1回胴停止コマンド」は、演出制御基板420が1番目停止時に回胴停止時の演出を実行するために利用される。
【0115】
同様にして、2番目、3番目に操作された回胴回転停止ボタンであることも、押し順の情報から知ることができ、「第2回胴停止コマンド」、「第3回胴停止コマンド」として演出制御基板420に送信され、利用される。
【0116】
「第1〜第3回胴停止コマンド」も、16ビットの符号からなるデータであり、そのうち一部のビットがそれぞれ、順押し、逆押し、ハサミ押し等の停止操作順情報、回胴の停止要求位置情報、回胴停止コマンドであることを示すステータス情報、その時点での遊技状態を示す遊技状態情報に割り当てられている。
【0117】
次に、3番目に回胴回転停止ボタンを離した時に発生する「入賞情報コマンド(全回胴停止コマンド)」がある。回胴5a、5b、5cの引き込み制御中に停止ボタンから指を離した場合、3番目の回胴の引き込み制御後の回胴停止時に発生する。また、遊技状態がボーナス中であった場合のメダル獲得枚数に関する「ボーナス中獲得枚数情報コマンド」がある。
【0118】
「入賞情報コマンド」は、16ビットの符号からなるデータであり、そのうち一部のビットがそれぞれ、有効入賞ライン3a上に揃った入賞役の種類を示す入賞役データ(入賞ラインデータを含む)、入賞情報コマンドであることを示すステータス情報、その時点での遊技状態を示す遊技状態情報に割り当てられている。なお、残りビットには、未使用ビットや固定ビットも含まれる。
【0119】
上述の「遊技開始コマンド」に含まれる「当選役」の情報は、実際に揃う図柄が未確定であるのに対し、この「入賞情報コマンド」に含まれる「入賞役」のデータは、取りこぼしなく実際に揃った図柄を示す情報である点で異なる。演出制御基板420では、この入賞役データに基づいて全回胴が停止して入賞の当否が確定した後に現出すべき演出内容を決定している。
【0120】
なお、この「入賞情報コマンド」も、主制御基板400から演出制御基板420に送信される場合に、「識別コード」と共に送信される特定の制御コマンドである。
【0121】
(3−3.制御コマンドの送受信の例)
次に、図4を参照して、制御コマンドの送受信の例について説明する。図4は、主制御基板400から演出制御基板420に特定の制御コマンドである「遊技開始コマンド」が送信された様子を示した図である。なお、主制御基板400、演出制御基板420の内部構成は、制御コマンドの送受信に必要な構成のみを抽出したものとなっている。
【0122】
遊技開始コマンドは、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401にて生成され、出力データバッファであるメインRAM401bに一時格納される。そして、遊技開始コマンドは、I/Oポート回路402を経由し、I/F回路404の出力バッファ回路404aから送信される。
【0123】
遊技開始コマンドは、2バイトで構成されており、遊技開始コマンドの上位8ビットは、コマンド上位であることを示す1固定のビット(1ビット)と、現在の遊技状態を表す遊技状態情報(3ビット)と、この出力コマンドが遊技開始コマンドであることを示すステータス情報(4ビット)とからなる。また、遊技開始コマンドの下位8ビットは、コマンド下位であることを示す0固定のビット(1ビット)と、遊技結果情報(7ビット)とからなる。
【0124】
図4に示すように、「遊技開始コマンド(2バイト)」は、後述する「識別コード(2バイト)」と共に(以下、両方を合わせて送信データと呼ぶ)、主制御基板400から演出制御基板420に送信される。
【0125】
この送信データは、演出I/F基板340の入力バッファ回路340aを経由して、演出制御基板420のI/Oポート回路422に到達する。さらに、I/Oポート回路422を経由して、1チップマイクロコンピュータ421の入力データバッファであるサブRAM421bに一時格納される。
【0126】
ここで、「識別コード」とは、その回胴式遊技機固有のIDという位置づけであり(図4中では「識別コード」を「ID」と表記している)、演出制御基板420は、この識別コードに基づいて遊技開始コマンドが不正基板から送信されたものでないか否かを確認する。
【0127】
「識別コード」は、回胴式遊技機の電源投入時に決定され、メインRAM401bに一時格納される。その決定方法は、メインROM401a(図示省略)に候補となるIDが予め用意されており、その中から1つを決定するものである。
【0128】
「識別コード」は、2バイトで構成されており、「識別コード」のコマンドの上位8ビットは、コマンド上位であることを示す1固定のビット(1ビット)と、現在の遊技状態を表す遊技状態情報(3ビット)と、これが識別コードであることを示すステータス情報(4ビット)とからなる。
【0129】
また、識別コードの下位8ビットは、コマンド下位であることを示す0固定のビット(1ビット)と、未使用ビット(3ビット)と、識別情報(4ビット)からなる。
【0130】
この回胴式遊技機では、主制御基板400が電源投入時に識別コードを決定し、識別コード単独で演出制御基板420に送信する。このとき、演出制御基板420は、受信した識別コードをサブRAM421bに格納する。これにより、主制御基板400と演出制御基板420は、共通する識別コードを備えることになる。
【0131】
演出制御基板420は、遊技中に遊技開始コマンドと共に識別コードを受信すると、その識別コードと回胴式遊技機の電源投入直後に受信して格納した識別コードとを比較し、遊技開始コマンドの正当性を判定する。
【0132】
例えば、識別コードが一致しなかった場合には、演出制御基板420は、この識別コードと共に送信された遊技開始コマンドが、回胴式遊技機の電源投入時とは異なる不正基板から送信されたおそれがあると判定する。
【0133】
また、そもそも識別コードを持たない不正基板から遊技開始コマンドが送信されるおそれもある。以上の場合には、演出制御基板420は、遊技開始コマンドの遊技結果情報に関わらず、AT遊技状態に移行させない、またはその移行のための抽選を行わないようにしている。
【0134】
また、主制御基板400のメインRAM401bにある識別コードは、電源投入から所定時間経過する毎に変更することが可能である。この場合にも、識別コードは、間もなく演出制御基板420に送信され、サブRAM421bに格納される。すなわち、識別コードは、主制御基板400と演出制御基板420とで同期して変化する。
【0135】
これにより、仮に、識別コードのうちの1つが不正に取得され、これと共に不正な制御コマンドが送信されたとしても、識別コードが主制御基板400と演出制御基板420とで一致していない場合には、演出制御基板420は、その制御コマンドを正当でないと判定することができる。
【0136】
<4.当選役と通常遊技抽選値テーブル>
次に、図5を参照して、本実施形態の回胴式遊技機の当選役と通常遊技抽選値テーブルについて説明する。この通常遊技抽選値テーブルは、抽選処理により抽選される当選役の種類と、当選役ごとの当選確率とを定めたものである。
【0137】
(4−1.当選役の種類)
まず、当選役について説明する。本実施形態における当選役の種別としては、図5に示す通り、リプレイ役、特殊リプレイ役、チェリー役、特殊チェリー役、ベル役、スイカ役、ミドルボーナス(以下、MBと省略することがある)役などが設定されている。各当選役に対応する停止図柄の組み合わせは図示されていないが、特に制限はなく、図柄配列帯に施される図柄の種種によりその構成を適宜変更することができる。
【0138】
リプレイ役は、入賞が確定した場合に今回のゲームで投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を擬似的に付与して次回のゲームを開始可能とする再遊技を遊技者に付与する役である。すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回のゲームを開始可能とする役である。
【0139】
リプレイ役は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが実行可能になるという点で、遊技メダルと同様に価値を有する当選役といえる。
【0140】
チェリー役、ベル役、スイカ役は、入賞が確定した場合、所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う当選役であり、いわゆる小役と称されるものである。本実施形態では、チェリー役は2枚、ベル役は9枚、スイカ役は15枚の遊技メダルの配当が得られる。
【0141】
ベル役のうち左押ベル役、中押ベル役、右押ベル役の3種類は、押し順に応じて有効入賞ライン3a上に停止する図柄の組み合わせが異なる、いわゆるAT役である。これらのAT役は押し順が規定され、その押し順が一致した場合、“ベル図柄”が有効入賞ライン3a上に停止し、所定枚数の遊技メダルの配当が得られるようになっている。
【0142】
具体的には、左押ベル役の場合は左回胴5aを第1停止、中押ベル役の場合は中回胴5bを第1停止、右押ベル役の場合は右回胴5cを第1停止させると、それぞれ“ベル図柄”が有効入賞ライン3a上に停止し、それぞれ9枚の配当が得られるようになっている。
【0143】
規定された押し順以外の押し順で回胴を停止させた場合には、配当を得ることのできない図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上に停止し、いわゆる役の取りこぼしが発生する。
【0144】
AT遊技状態では、液晶表示装置6等の演出装置により成立したAT役、3つの回胴5a、5b、5cの押し順を遊技者に対し指示する。遊技者は、この指示に従うことで、AT役を取りこぼすことなくゲームを進めることができる。
【0145】
押し順不問ベル役は、上記の左押ベル役、中押ベル役、右押ベル役とは異なり、押し順および停止操作タイミングに係わらず、“ベル図柄”が有効入賞ライン3a上に停止するようになっている。
【0146】
MB役は、いわゆるボーナス役と称される特別当選役である。このMB役に当選し、有効入賞ライン3a上に入賞した場合には、次回以降のゲームからボーナス遊技と称される特別遊技状態に移行する。本実施形態のボーナス遊技では、いわゆるレギュラーボーナスを連続的に作動させ、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができる。
【0147】
このボーナス遊技は、所定の終了条件、たとえば所定枚数の遊技メダルが払い出されたことを条件に終了するようになっている。上記MB役は、大量の遊技メダルを獲得することが可能であり、全当選役のうちで最も高い遊技価値を有する当選役として位置付けられている。
【0148】
特殊リプレイ役はリプレイ役とMB役が、また特殊チェリー役はチェリー役とMB役が重複して当選するいわゆる、重複当選役である。また本実施形態の「特殊リプレイ役」はリプレイ役、「特殊チェリー役」はチェリー役と同じ図柄の組み合わせで構成される。
【0149】
この重複当選役に当選した場合、どの当選役を優先的に有効入賞ライン3aに引き込むかは、所定の優先順位に基づいて行われる。本実施形態では、「リプレイ役>小役>MB役」の順位で引き込み制御が行われるように、優先順位に関し定められている。これにより、重複当選したゲームでは、上記優先順位に基づき停止制御が行われることになる。
【0150】
リプレイ役、チェリー役、ベル役、スイカ役は、当選したそのゲームで対応する図柄の組み合わせが有効入賞ライン3a上に停止しなかった場合、当該当選が無効となり、当選権利を次回以降のゲームに持ち越すことができない役である。
【0151】
これに対し、MB役は、当選したそのゲームで有効入賞ライン3a上に対応する図柄の組み合わせが停止させることができなかった場合でも、当該当選が無効とされることなく、当選権利を次回以降のゲームに持ち越すことができる役として設定されている。
【0152】
(4−2.通常遊技抽選値テーブル)
次に、図5のうち当選領域および当選確率について説明する。本実施形態における通常遊技抽選値テーブルの抽選領域の大きさは65536となっており、この範囲で各当選役の当選領域が定められている。
【0153】
図5の「当選確率」の欄は、「当選領域/全当選領域(抽選領域)」により算出した概算値を示している。例えば、リプレイ役は、9078/65536≒1/7.219であり、約7.2ゲームに1回の割合で、リプレイ役に当選するという意味である。
【0154】
また、図5は通常遊技中の抽選値テーブルを示しているが、抽選値テーブルには各遊技状態(通常遊技、ボーナス遊技等)に対応するものが用意されており、上記抽選手段は、各遊技状態に応じた抽選値テーブルを選択し、当選役の抽選を行っている。
【0155】
<5.主制御部の処理>
次に、主制御基板400で行われる主制御側の処理内容について説明する。以下の処理は、具体的には主制御基板400のメインCPU401c(図3参照)により実行されるものであるが、以下、主制御基板400が処理を実行する主体として説明する。
【0156】
(5−1.電源投入処理)
まず、本実施形態の主制御基板400が行う電源投入処理の内容について説明する。図6は、電源投入処理の内容を示すフローチャートである。
【0157】
遊技機の外部から交流電圧(AC24V)が投入されると、電源基板440は、これを直流電圧に変換し、各基板に供給する。そして、主制御基板400に電源が投入された旨の電源投入信号が送信されると、図6の電源投入処理が開始される。
【0158】
まず、主制御基板400は、割込みを禁止状態にセットする(ステップS01)。これにより、主制御側のタイマ割込み処理は、電源投入処理の期間は行われない。その後、ステップS02に進む。
【0159】
ステップS02では、主制御基板400は、CTCおよび内蔵レジスタの設定処理を行う。ここでは、上記のCTC401dおよびメインCPU401cの内蔵レジスタの初期設定を行う。その後、ステップS03に進む。
【0160】
次に、主制御基板400は、電源異常信号がONしたか否かを判定する(ステップS03)。電源異常信号がONした場合、「YES」の判定となり、ステップS01にリターンしてステップS01、ステップS02の処理を再度行う。
【0161】
また、ステップS03で電源異常信号がONしなかった場合、すなわち正常である場合には、「NO」の判定となり、ステップS04に進む。
【0162】
次に、主制御基板400は、ドア開放中か否かを判定する(ステップS04)。現在、前扉2の開放中であれば、「YES」の判定となり、ステップS05に進む。また、前扉2の開放中でなければ、「NO」の判定となり、ステップS06に進む。
【0163】
ステップS04の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、設定キースイッチがONか否かを判定する(ステップS05)。設定キースイッチがONの場合は、「YES」の判定となり、ステップS15に進む。一方、設定キースイッチがONでない場合は、「NO」の判定となり、ステップS06に進む。
【0164】
まず、ステップS05の判定で「NO」となった場合について説明する。ステップS06では、主制御基板400は、正常な電源断であったか否かを判定する。正常な電源断であった場合、「YES」の判定となり、ステップS07に進む。一方、正常な電源断でない場合、「NO」の判定となり、ステップS19に進む。
【0165】
ステップS07では、主制御基板400は、スタックポインタが正常であるか否かを判定する。スタックポインタが正常である場合、「YES」の判定となり、ステップS08に進む。一方、スタックポインタが正常でない場合、「NO」の判定となり、ステップS19に進む。
【0166】
ステップS19では、主制御基板400は、液晶表示装置6にエラーの内容を表示するエラー表示処理を行う。ここでは、エラー表示処理の終了条件が成立するまで、エラー内容の表示を継続する。終了条件とは、例えば、エラーが解消されるか、或いは遊技店の店員によりリセットボタンが操作されることである。終了条件が成立したとき、エラー表示が終了する。
【0167】
次に、主制御基板400は、自動精算及び打止め情報の設定を行う(ステップS08)。これは、特別遊技の終了時等に、貯留メダル精算ボタン10を操作しなくてもクレジットが自動的に精算されるように設定することである。その後、ステップS09に進む。
【0168】
ステップS09では、スタックポインタの復帰処理を行う。これは、スタックポインタを電源断前の状態に復帰させる処理である。その後、ステップS10に進む。
【0169】
ステップS10では、入力ポートの初期化処理を行う。正確には、入力ポートバッファを初期化する処理である。その後、ステップS11に進む。
【0170】
次に、主制御基板400は、識別コードの決定を行う(ステップS11)。識別コードは、上述の通りその回胴式遊技機に固有のIDであり、この識別コードにより演出制御基板420に送信された制御コマンドの正当性を判定する。その後、ステップS12に進む。
【0171】
ステップS12では、回胴情報の初期化処理を行う。これは、回胴5a、5b、5cの回転状態を初期化する処理である。その後、ステップS13及びS14の処理を行う。
【0172】
ステップS13では、出力ポートの復帰処理を行う。これは、出力ポートを電源断前の状態に復帰させる処理である。また、ステップS14では、レジスタの復帰処理を行う。これは、レジスタを電源断前の状態に復帰させる処理である。
【0173】
以上のように、電源断が正常に行われてスタックポインタが正常である場合には、主制御基板400は、ステップS08〜S14の処理を経て、電源断前の状態に戻る。これにより、遊技が再開可能となる。
【0174】
最後に、ステップS05の判定で「YES」となった場合の設定キースイッチON時の処理について説明する。
【0175】
まず、主制御基板400は、RAM初期化処理を行う(ステップS15)。設定変更時には、設定値および後述する自動精算等の設定を除いたRAM領域を全て0クリアする。その後、ステップS16に進む。
【0176】
ステップS16では、主制御基板400は、自動精算及び打止め情報の設定を行う。これは、ステップS08と同じ処理であるが、設定キースイッチON時の処理でも同様に行っている。その後、ステップS17に進む。
【0177】
ステップS17では、主制御基板400は、6段階確率設定処理を行う。本実施形態の回胴式遊技機では、この処理により出玉率を予め定められた6段階中の1つに設定する。なお、設定1が最も出玉率の低い設定であり、設定が上昇するに従い、出玉率も上昇するようになっている。その後、ステップS18に進む。
【0178】
次に、主制御基板400は、識別コードの決定を行う(ステップS18)。これは、ステップS11と同じ処理であるが、設定キースイッチON時の処理でも同様に行っている。この処理が終了すると、主制御側メイン処理(図7参照)に進む。
【0179】
なお、識別コードの決定(ステップS18)は、このフロー順に限られず、例えば、6段階確率設定処理(ステップS17)の前段階で行ってもよい。同様に、識別コードの決定(ステップS11)もこのフロー順に限られない。
【0180】
(5−2.主制御側メイン処理)
次に、本実施形態の主制御基板400が実行する主制御側のメイン処理の内容について説明する。図7は、遊技動作制御プログラムに従い主制御基板400が行う主制御側のメイン処理を示すフローチャートである。
【0181】
主制御基板400は、上記電源投入処理が正常に終了した場合に、以下に説明するステップS21〜ステップS37の処理を行う。
【0182】
まず、主制御基板400は、RAM初期化処理を行う(ステップS21)。これは、所定のワーク領域をクリアし、次回の遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保するためである。その後、ステップS22に進む。
【0183】
ステップS22では、主制御基板400は、遊技状態フラグ生成処理を行う。これは、遊技状態の移行を管理制御するための処理である。すなわち、遊技状態に応じたフラグとして、遊技状態ステータス、作動中フラグ、ボーナス間フラグ、一般遊技フラグ、MB作動中フラグなどを設定する。その後、ステップS23に進む。
【0184】
ステップS23では、主制御基板400は、メダル投入処理を行う。ここでは、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、投入された遊技メダルの枚数を計数、クレジットされた遊技メダルの精算に関する処理が行われる。このメダル投入処理では、投入枚数が1インクリメントされる毎に「メダル投入コマンド」を設定する。その後、ステップS24に進む。
【0185】
次に、主制御基板400は、始動レバーがONされたか否かを判定する(ステップS24)。これは、遊技者により回胴回転始動レバー11が操作されたか否かの判定であり、具体的には、回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を受信したか否かを監視している。
【0186】
始動レバーがONされた場合、「YES」の判定となり、ステップS25に進む。一方、始動レバーがONされていない場合、「NO」の判定となり、ステップS23に戻る。すなわち、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS25の処理には移行されない。
【0187】
ステップS25では、主制御基板400は、内部抽選用の乱数取得処理を行う。主制御基板400は、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する。その後、ステップS26に進む。
【0188】
ステップS26では、主制御基板400は、ステップS25で抽出した内部抽選用乱数値に基づき、当選役に関する内部抽選処理を行う。これは、上記内部抽選用乱数値と抽選値テーブルとに基づき、当選役を決定し、その抽選結果情報(どの役に当選したのかを示す情報をいい、例えば内部当選フラグが該当する)を生成する処理である。
【0189】
この内部抽選処理では、抽選結果情報がメインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は毎ゲームごとにクリアされるが、MB役の当選情報に限り、これらの入賞が確定するまで、その情報は次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。その後、ステップS27に進む。
【0190】
次いで、主制御基板400は、遊技開始コマンドの設定処理を行う(ステップS27)。これは、ステップS26の内部抽選処理に基づいて上述の「遊技開始コマンド」をセットする処理である。遊技開始コマンド設定処理(図8)の詳細は後述する。その後、ステップS28に進む。
【0191】
ステップS28では、主制御基板400は、回胴回転開始設定処理を行う。ここでは、各回胴5a、5b、5cの回転を開始させる回胴回転始動時の設定を行う。その後、ステップS29に進む。
【0192】
ステップS29では、主制御基板400は、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作された場合、各回胴回転停止ボタンに対応する回胴を停止させる回胴停止処理を行う。
【0193】
ここでは、上記抽選結果情報と回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作タイミングと操作順序に基づいて、停止制御用テーブル(図示省略)が参照され、当選役に対応する図柄を停止させるための停止制御データ(引き込みコマ数等)が生成される。
【0194】
また、この生成されたデータに基づいて、回胴の停止制御が行われる。この回胴停止処理では、回胴回転停止ボタン12を操作したときの回胴位置に関する「回胴停止コマンド」と、回胴の停止位置に関する「停止結果情報コマンド」を設定する。その後、ステップS30に進む。
【0195】
次に、主制御基板400は入賞判定処理を行う(ステップS30)。ここでは、入賞ラインデータを元に当り図柄フラグを作成する処理や、入賞確定時における遊技メダルの払い出しの枚数を設定する処理を行う。入賞判定処理(図10A,B)の詳細は後述する。その後、ステップS31に進む。
【0196】
ステップS31では、主制御基板400は、遊技メダル払出処理を行う。ここでは、上記入賞判定処理(ステップS30)で設定される払い出し枚数に基づき、クレジットの加算、ホッパーユニット500を駆動制御して遊技メダルを払い出す等の処理を行う。また、この遊技メダル払出処理においては「払出コマンド」が設定される。その後、ステップS32に進む。
【0197】
次に、主制御基板400は、有効入賞ライン3a上に成立した入賞役が、リプレイ図柄なのか、ボーナス図柄なのかを判断し、さらにはボーナス遊技中であるか否かを判断していく(ステップS32、ステップS34、ステップS36)。
【0198】
まず、主制御基板400は、リプレイ図柄が停止しているか否かを判定する(ステップS32)。入賞役がリプレイ図柄である場合、「YES」の判定となり、ステップS33に進む。一方、入賞役がリプレイ図柄でない場合、「NO」の判定となり、ステップS34に進む。
【0199】
ステップS32の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、再遊技作動開始設定処理を行う(ステップS33)。これは、再遊技(リプレイ遊技)の作動開始を設定する処理である。この処理の後、RAM初期化処理(ステップS21)に戻る。
【0200】
ステップS32の判定が「NO」である場合、主制御基板400は、遊技状態フラグがボーナス遊技中に設定されているか否かを判定する(ステップS34)。ボーナス遊技中の状態である場合、「YES」の判定となり、ステップS35に進む。一方、ボーナス遊技中の状態でない場合、「NO」の判定となり、ステップS36に進む。
【0201】
ステップS34の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS35)。これは、ボーナス遊技を継続、または終了するための処理である。この処理の後、RAM初期化処理(ステップS21)に戻る。
【0202】
ステップS34の判定が「NO」である場合、主制御基板400は、停止した入賞役がボーナス図柄(ここではMB図柄)であるか否かを判定する(ステップS36)。入賞役がボーナス図柄であった場合、「YES」の判定となり、ステップS37に進む。一方、入賞役がボーナス図柄でなかった場合、「NO」の判定となり、RAM初期化処理(ステップS21)に戻る。
【0203】
ステップS36の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、ボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS37)。これは、ボーナス遊技の作動を開始する処理である。この処理の後、RAM初期化処理(ステップS21)に戻る。
【0204】
(5−3.遊技開始コマンド設定処理)
次に、遊技開始コマンド設定処理の内容について説明する。図8は、図7中の遊技開始コマンド設定処理(S27)の詳細を示すフローチャートである。
【0205】
上述の通り、「遊技開始コマンド」は16ビットデータであり、同じく16ビットデータの「識別コード」と共に主制御基板400から送信される。この遊技開始コマンド設定処理は、データ送信のための準備処理であり、まず、遊技開始コマンドのデータ設定を行い、その後に、識別コードのデータ設定を行う。
【0206】
まず、主制御基板400は、「遊技開始コマンド」のフラグをセットする(ステップS271)。これは、次ステップの送信データ設定処理(ステップS272)に備えて、「遊技開始コマンド」のフラグをセットするものである。その後、ステップS272に進む。
【0207】
次に、主制御基板400は、送信データ設定処理を行う(ステップS272)。送信データ設定処理は、送信するデータ(制御コマンドまたは識別コード)を割り当てられた出力データバッファ(メインRAM401bの作業領域)に書き込む処理である。
【0208】
出力データバッファは、32バイトの容量が割り当てられており、最大16個のデータが書き込み可能となっている。送信データ設定処理(図9)の詳細は後述する。その後、ステップS273に進む。
【0209】
ステップS273では、主制御基板400は、「識別コード」のフラグをセットする。これは、次ステップの送信データ設定処理(ステップS274)に備えて、識別コードのフラグをセットするものである。その後、ステップS274に進む。
【0210】
次に、主制御基板400は、送信データ設定処理を行う(ステップS274)。今回は、「識別コード」を出力データバッファに格納する処理となるが、その内容は「遊技開始コマンド」の場合の送信データ設定処理と同じであるため、詳細は省略する。
【0211】
(5−4.送信データ設定処理)
次に、送信データ設定処理の内容について説明する。図9は、図8中の送信データ設定処理(ステップS272、ステップS274)の詳細を示すフローチャートである。
【0212】
まず、主制御基板400は、出力データバッファ(メインRAM401bの作業領域)に空き領域があるか判定する(ステップS41)。空きがある場合には、「YES」の判定となり、ステップS42に進む。一方、空きがない場合には「NO」の判定となり、この処理を終了する。
【0213】
ステップS41の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、データ送信タイマを2インクリメントする(ステップS42)。これは、制御コマンドまたは識別コードの上位バイトの送信時間、下位バイトの送信時間がそれぞれ1割込み分の時間(約1.5ms)を必要とするため、合計の送信時間に相当するタイマをセットする処理である。なお、このデータ送信タイマは、送信データ出力処理(図13)にて使用する。その後、ステップS43に進む。
【0214】
ステップS43では、主制御基板400は、遊技状態情報等をデータ上位バイトにセットする。すなわち、データの上位バイトに遊技状態情報が含まれた制御コマンド、または識別コードをセットする。その後、ステップS44に進む。
【0215】
ステップS44では、主制御基板400は、出力データバッファにおいてライトポインタを1インクリメントする。その後、ステップS45に進む。
【0216】
ステップS45では、主制御基板400は、そのライトポインタが示す領域にデータ上位バイトを格納する。その後、ステップ46に進む。
【0217】
ステップS46では、主制御基板400は、出力データバッファにおいてライトポインタを1インクリメントする。すなわち、ライトポインタを1インクリメントすることで、データ上位バイトとデータ下位バイトとを異なる領域に格納している。その後、ステップS47に進む。
【0218】
ステップS47では、主制御基板400は、データ上位バイトと対を成すデータ下位バイトを、そのライトポインタが示す領域に格納する。その後、この処理を終了する。
【0219】
なお、回胴式遊技機の電源投入時には、識別コードを単独で主制御基板400から演出制御基板420へ送信するが、この場合にも上記送信データ設定処理により識別コードのデータ設定を行う。
【0220】
(5−5.入賞判定処理)
次に、入賞判定処理の内容について説明する。図10A及び図10Bは、図7中の入賞判定処理(ステップS30)の詳細を示すフローチャートである。
【0221】
まず図10Aにおいて、主制御基板400は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグを作成し、これらをメインRAM401bの所定の領域に格納する(ステップS301)。その後、ステップS302に進む。
【0222】
ステップS302では、主制御基板400は、配当表に相当する入賞払出判定テーブル(図示省略)を参照し、当り図柄フラグに基づき、遊技メダルの払出枚数を算出する。その後、ステップS303に進む。
【0223】
次に、主制御基板400は、全ての有効入賞ラインについて払出枚数の算出が終了したか否かを判定する(ステップS303)。全ライン終了した場合は、「YES」の判定となり、ステップS304に進む。
【0224】
一方、払出枚数の算出が全ライン終了していなければ、「NO」の判定となり、ステップS302の処理に戻り、全ての有効入賞ライン3aで払出枚数の算出が終了するまでループする。
【0225】
ステップS304では、主制御基板400は、ステップS302で算出した払出枚数をセットする。その後、図10BのステップS305に進む。
【0226】
次に、図10Bは、入賞判定処理(図10A)の続きのフローチャートであるが、その内容は誤入賞の判定処理である。
【0227】
まず、主制御基板400は、当選フラグをビット反転する(ステップS305)。ここで、当選フラグは、8ビットのデータである。その後、ステップS306に進む。
【0228】
ステップS306では、主制御基板400は、当選フラグの反転値と当り図柄フラグのAND演算を行う。その後、ステップS307に進む。
【0229】
ステップS307では、主制御基板400は、AND演算の結果が0であるか、すなわち入賞が正常であるか否かを判定する。AND演算結果が0(「00000000B」)であれば、「YES(正常)」の判定となり、ステップS308に進む。一方、これ以外のビットパターンとなった場合、「NO(誤入賞)」の判定となり、ステップS309以降の処理を行う。
【0230】
ステップS307の判定で「YES(正常)」と判断された場合、主制御基板400は、当選フラグ数のループが終了したか否か判定する(ステップS308)。これは、重複当選役に当選した場合、当選フラグの数に相当する誤入賞判定を繰り返すための処理である。なお、ループとは、ステップS305〜ステップS308までの処理をいう。
【0231】
フラグ数分のループが終了した場合「YES」の判定となり、ステップS312に進む。一方、当選フラグ数のループが終了していない場合、「NO」の判定となり、ステップS305に戻り、終了するまでループする。
【0232】
ステップS307の判定で「NO(誤入賞)」と判断された場合、主制御基板400は、当り図柄フラグと払出枚数をクリアする。払出枚数をクリアする処理は、図10AのステップS304でセットされた遊技メダルの払出枚数を無効とする処理である。その後、ステップS310に進む。
【0233】
ステップS310では、主制御基板400は、エラーの表示を行う。主制御基板400は、演出制御基板420へエラー表示の実行指示情報を含む「エラー表示コマンド」を送信する。その後、ステップS311に進む。
【0234】
ステップ311では、主制御基板400は、所定のエラー処理を行う。このエラー処理は、演出制御基板420が上記エラー表示コマンドを受信した場合に、液晶表示装置6等の演出装置によりエラーが生じた旨を報知する処理である。そして、エラー状態から復帰した後、ステップS312に進む。
【0235】
次に、主制御基板400は、入賞情報コマンド設定処理を行う(ステップS312)。入賞情報コマンド設定処理(図11)の詳細は後述する。その後、ステップS313に進む。
【0236】
ステップS313では、主制御基板400は、ボーナス遊技中であるか否かを判定する。現在、ボーナス遊技中であれば、「YES」の判定となり、ステップS314に進む。一方、現在、ボーナス遊技中でなければ、「NO」の判定となり、この処理を終了する。
【0237】
ステップS314では、主制御基板400は、「ボーナス中獲得枚数情報コマンド」をセットする。その後、この処理を終了する。
【0238】
(5−6.入賞情報コマンド設定処理)
次に、入賞情報コマンド設定処理の内容について説明する。図11は、図10B中の入賞情報コマンド設定処理(ステップS312)の詳細を示すフローチャートである。
【0239】
上述の通り、「入賞情報コマンド」は16ビットデータであり、同じく16ビットデータの「識別コード」と共に主制御基板400から送信される。これは、データ送信のための準備処理であり、まず、「入賞情報コマンド」のデータ設定を行い、その後、「識別コード」のデータ設定を行う。
【0240】
まず、主制御基板400は、「入賞情報コマンド」のフラグをセットする(ステップS3121)。これは、次ステップである送信データ設定処理(ステップS3122)に備えて、「入賞情報コマンド」のフラグをセットするものである。
【0241】
次に、主制御基板400は、送信データ設定処理を行う(ステップS3122)。送信データ設定処理は、送信するコマンドを割り当てられた出力データバッファに書き込む処理であるが、その内容は図9の説明と同じであるため省略する。その後、ステップS3123に進む。
【0242】
ステップS3123では、主制御基板400は、識別コードのフラグをセットする。これは、次ステップである送信データ設定処理(ステップS3124)に備えて、識別コードのフラグをセットするものである。その後、ステップS3124に進む。
【0243】
次に、主制御基板400は、送信データ設定処理を行い(ステップS3124)、この処理を終了する。今回は、「識別コード」を出力データバッファに格納する処理となるが、その内容は図9の説明と同じであるため省略する。
【0244】
(5−7.主制御側タイマ割込み処理)
次に、主制御側のタイマ割込み処理の内容について説明する。図12は、CTC401dからの一定時間ごとの割込みで起動される主制御側のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【0245】
本実施形態に係る回胴式遊技機では、1チップマイクロコンピュータ401が備えるCTC401dの時間定数レジスタに1.5msに相当する値が設定されている。前述した主制御側のメイン処理(図7参照)の実行中にも、1.5msごとにタイマ割込みが発生するようになっている。なお、このタイマ割込み処理は、CTC401d内部からのマスク可能な割込み(maskable interrupt)信号に基づいて実行される。
【0246】
まず、主制御基板400は、タイマ割込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS51)。その後、ステップS52に進む。
【0247】
ステップS52では、主制御基板400は、ポート入力処理を行う。この処理は、回胴式遊技機に配置された各種スイッチや各種センサから入力された信号を確認して、入力された信号を管理するデータの作成を行い、作成した入力データを割込みごとに記憶更新する処理である。その後、ステップS53に進む。
【0248】
ステップS53では、主制御基板400は、各回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行うための回胴回転制御処理を行う。この処理は、上述の各回胴5a、5b、5cの回転開始制御および停止制御に関する処理(図7参照)を行うための処理である。
【0249】
各回胴5a、5b、5cの現在位置を把握するために回胴位置検出センサ212a、212b、212cの検出信号のタイミングと各回胴駆動モータ211a、211b、211cに供給した上記出力相パターンの出力回数を計数する回胴励磁出力カウンタ(駆動パルスの個数)により上記現在位置が把握される。
【0250】
また、この回胴回転制御処理では、各回胴の回転開始後、各回胴がそれぞれ一定の回転速度になったか否かの検出も行われている。また、本処理において、メイン処理での回胴停止状態に入った際には、停止制御パターンに基づいて停止位置を確認して、回胴を停止させるための励磁パターン信号を出力して目的とする位置に停止させる。その後、ステップS54に進む。
【0251】
ステップS54では、主制御基板400は、定期更新処理を行う。この処理は、各種遊技動作に必要なタイマを割込みごとに更新したり、1チップマイクロコンピュータ401に内蔵されているウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする処理である。その後、ステップS55に進む。
【0252】
次に、主制御基板400は、送信データ出力処理を行う(ステップS55)。この送信データ出力処理(図13)の詳細は後述するが、遊技の進行状況に応じて、制御コマンドを演出制御基板420に送信する処理である。演出制御基板420は、この制御コマンドを受けて所定の演出処理を行う。その後、ステップS56に進む。
【0253】
ステップS56では、主制御基板400は、メダル情報出力処理を行う。この処理は、遊技メダルが投入された旨のメダル投入信号や遊技メダルが払い出された旨のメダル払出信号等を出力する処理である。
【0254】
上記各信号は、外部集中端子基板310を介して、ホールコンピュータHCに送信される。ホールコンピュータHCは、上記メダル投入信号や上記メダル払出信号等に基づき、遊技島に設置されている各遊技機に投入された遊技メダルの枚数や払い出された遊技メダルの枚数を管理する。その後、ステップS57に進む。
【0255】
ステップS57では、主制御基板400は、表示出力処理を行う。この処理は、遊技機本体に配置されたLEDの発光を制御するために、発光制御信号を出力する処理である。その後、ステップS58に進む。
【0256】
ステップS58では、主制御基板400は、異常監視処理を行う。この処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、遊技機の異常を監視する。その後、ステップS59に進む。
【0257】
ステップS59では、主制御基板400は、退避したレジスタの内容を復帰させる。その後、ステップS60に進む。
【0258】
ステップS60では、主制御基板400は、メインCPU401cを割込み許可状態にセットして、この処理を終了する。
【0259】
(5−8.送信データ出力処理)
次に、送信データ出力処理の内容について説明する。図13は、図12中の送信データ出力処理(ステップS55)の詳細を示すフローチャートである。
【0260】
この送信データ出力処理は、メインRAM401bの作業領域に格納された制御コマンドを読み出して、演出制御基板420へ出力する処理である。
【0261】
まず、主制御基板400は、データ送信タイマが0であるか否か判定する(ステップS551)。データ送信タイマが0でない場合、すなわち、未送信のコマンドがある場合は、「NO」の判定となり、ステップS552に進む。一方、データ送信タイマが0である場合は、「YES」の判定となり、この処理を終了する。
【0262】
なお、送信データ設定処理(図9のステップS42)では、1つの制御コマンド、または識別コードに対して、データ送信タイマの値を増加(+2)しているので、特定の制御コマンドと共に識別コードがメインRAM401bにセットされていた場合には、データ送信タイマの値は4となっている。
【0263】
ステップS551の判定が「NO」である場合、主制御基板400は、リードポインタが示す領域の送信データを取得する(ステップS552)。ここで、取得可能な送信データは、制御コマンド、または識別コードの上位バイト、または下位バイト(1バイト分)である。その後、ステップS553に進む。
【0264】
次に、主制御基板400は、その送信データを出力し(ステップS553)、さらに、ストローブ信号を出力する(ステップS554)。その後、ステップS555に進む。
【0265】
ステップS555では、主制御基板400は、リードポインタが示す領域の送信データをクリアする。これは、リードポインタが示す領域の送信データ出力後に、その領域のデータを消去する処理である。その後、ステップS556に進む。
【0266】
ステップS556では、主制御基板400は、リードポインタを1インクリメントする。これは、例えば、制御コマンドの上位バイトのリードが完了した場合に、リードポインタを1インクリメントして制御コマンドの下位バイトのリード準備をする処理である。その後、ステップS557に進む。
【0267】
ステップS557では、主制御基板400は、コマンド送信タイマを1デクリメントする。これは、データ送信タイマを1デクリメントすることで、データの送信時間(1バイト分)が経過したことを示すカウント処理である。その後、この処理を終了する。
【0268】
なお、回胴式遊技機の電源投入時には、識別コードを単独で主制御基板400から演出制御基板420へ送信するが、この場合にも上記送信データ出力処理により識別コードの出力を行う。
【0269】
<6.演出制御部の処理>
次に、副制御部410で行われる演出制御側の処理内容について説明する。以下の処理は、具体的には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板460のCPU(図示省略)により実行されるものであるが、以下では、演出制御基板420が処理を実行する主体として説明する。
【0270】
(6−1.演出制御側メイン処理)
まず、本実施形態の演出制御基板420が行う演出制御側のメイン処理について説明する。図14は、演出制御プログラムに従い演出制御基板420が行う演出制御側のメイン処理を示すフローチャートである。
【0271】
まず、遊技機の外部から交流電圧が投入されると、電源基板440は、演出制御基板420に電源投入信号を送信する。そして、電源投入信号を受信した演出制御基板420は、図14に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
【0272】
まず、演出制御基板420は、電源の投入が行われてから最初の処理として、遊技動作開始前に必要な初期設定を行う(ステップS61)。その後、ステップS62に進む。
【0273】
ステップS62では、演出制御基板420は、正常動作時の処理として演出用乱数更新処理を行う。この処理では、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新する。その後、ステップS63に進む。
【0274】
ステップS63では、演出制御基板420は、割込みを許可状態にセットする。ここでは、後述するコマンド受信割込み(図15)、演出制御側タイマ割込み(図16)、外部INT等の割込み処理を受入れ許可の状態とする。その後、ステップS64に進む。
【0275】
ステップS64では、演出制御基板420は、割込みを禁止状態にセットする。ここでは、再び、割込み処理を受入れ禁止の状態とする。その後、ステップS65に進む。
【0276】
最後に、演出制御基板420は、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS65)、電断が発生しない限り、ステップS62からステップS65の処理を繰り返し実行する。
【0277】
(6−2.コマンド受信割込み処理)
次に、演出制御基板420が実行する演出制御側のメイン処理において、主制御基板400からの制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割込み処理について説明する。図15は、演出制御側のコマンド受信割込み処理を示すフローチャートである。
【0278】
コマンド受信割込み処理は、演出制御基板420が、主制御基板400から制御コマンドを受信した場合に発生する。演出制御基板420は、この処理により、制御コマンドを受信した時点でそれを格納する。なお、このコマンド受信割込み処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込み処理よりも優先して行われる。
【0279】
まず、演出制御基板420は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる(ステップS71)。その後、ステップS72に進む。
【0280】
ステップS72では、演出制御基板420は、制御コマンドを入力データバッファ(サブRAM421bの作業領域)に格納する。その後、ステップS73に進む。
【0281】
なお、特定の制御コマンドと共に送信される「識別コード」は、後述する受信データ判定処理(図17)において入力データバッファに格納される。
【0282】
ステップS73では、演出制御基板420は、レジスタを復帰させ、この処理を終了する。
【0283】
(6−3.演出制御側タイマ割込み処理)
次に、演出制御側のメイン処理に対して、約2msごとに実行される演出制御側タイマ割込み処理について説明する。図16は、演出制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0284】
まず、演出制御基板420は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を行う(ステップS81)。その後、ステップS82に進む。
【0285】
ステップS82では、演出制御基板420は、定期更新処理を行う。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出抽選用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を割込みごとに更新する。
【0286】
上記タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。このタイマにより遊技中の演出において、その遊技進行の時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出装置である装飾ランプ部13やスピーカ16や液晶表示装置6などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが管理される。その後、ステップS83に進む。
【0287】
次に、演出制御基板420は、受信データ判定処理を行う(ステップS83)。この受信データ判定処理では、上記入力データバッファに受信したデータが格納されているか否かを割込み毎に監視し、受信データの種別を判定する。受信データ判定処理(図17)の詳細は後述する。その後、ステップS84に進む。
【0288】
ステップS84では、演出制御基板420は、演出シナリオ更新処理を行う。これは、演出シナリオを更新させて演出を進行させる処理である。その後、ステップS85に進む。
【0289】
ステップS85では、演出制御基板420は、出力処理を行う。これは、演出の進行に伴って液晶表示装置6に演出内容を映像で表示させると共に、装飾ランプ部13やスピーカ16に発光や音声を出力させるための処理である。その後、ステップS86に進む。
【0290】
ステップS86では、演出制御基板420は、退避したレジスタの内容を復帰して、この処理を終了する。
【0291】
(6−4.受信データ判定処理)
次に、演出制御側タイマ割込み処理の中で行われる受信コマンド判定処理について説明する。図17は、図16中の受信データ判定処理(ステップS83)の詳細を示すフローチャートである。
【0292】
受信データ判定処理は、演出制御基板420が入力データバッファに受信したデータが格納されていることを確認した場合に、そのデータの種別を判定し、その種別に基づいて各種制御コマンドの受信時処理を行うものである。
【0293】
まず、演出制御基板420は、識別コードを受信したか否かを判定する(ステップS831)。識別コードを受信した場合、「YES」の判定となり、ステップS832に進む。一方、識別コードを受信していない場合、「NO」の判定となり、ステップS833に進む。
【0294】
ステップS831の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、識別コードを入力データバッファ(サブRAM421bの作業領域)に格納する(ステップS832)。その後、受信データ判定処理を終了する。
【0295】
この処理にて格納される「識別コード」には、回胴式遊技機の電源投入時に主制御基板400で決定され(図6参照)、その直後の主制御側タイマ割込み処理(図12参照)にて単独で送信された「識別コード」も含まれる。
【0296】
ステップS831の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、「遊技開始コマンド」を受信したか否かを判定する(ステップS833)。「遊技開始コマンド」を受信した場合、「YES」の判定となり、ステップS834に進む。一方、「遊技開始コマンド」を受信しなかった場合、「NO」の判定となり、ステップS835に進む。
【0297】
ステップS833の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、遊技開始コマンド受信時処理を行う(ステップS834)。これは、演出制御基板420が、「遊技開始コマンド」を受信した場合の処理である。遊技開始コマンド受信時処理(図18)の詳細は後述する。その後、受信データ判定処理を終了する。
【0298】
ステップS833の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、「回胴停止コマンド」を受信したか否かを判定する(ステップS835)。「回胴停止コマンド」を受信した場合、「YES」の判定となり、ステップS836に進む。一方、「回胴停止コマンド」を受信していない場合、「NO」の判定となり、ステップS837に進む。
【0299】
ステップS835の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、回胴停止コマンド受信時処理を行う(ステップS836)。これは、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの各操作により発生する「(第1〜第3)回胴停止コマンド」を演出制御基板420が受信した場合の処理である。
【0300】
この処理の詳細は省略するが、「(第1〜第3)回胴停止コマンド」も「識別コード」と共に送信される特定の制御コマンドとしてもよい。その後、受信データ判定処理を終了する。
【0301】
ステップS835の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、「入賞情報コマンド」を受信したか否かを判定する(ステップS837)。「入賞情報コマンド」を受信した場合、「YES」の判定となり、ステップS838に進む。一方、「入賞情報コマンド」を受信しなかった場合、「NO」の判定となり、ステップS839に進む。
【0302】
ステップS837の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、入賞情報コマンド受信時処理を行う(ステップS838)。これは、演出制御基板420が、「入賞情報コマンド」を受信した場合の処理である。入賞情報コマンド受信時処理(図19)の詳細は後述する。その後、受信データ判定処理を終了する。
【0303】
ステップS837の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、その他のコマンド受信時処理を行う(ステップS839)。ステップS839で受信の対象となる「その他のコマンド」は、図17の上記以外の制御コマンドである。その後、この処理を終了する。
【0304】
(6−5.遊技開始コマンド受信時処理)
次に、遊技開始コマンド受信時処理の内容について説明する。図18は、図17の遊技開始コマンド受信時処理(ステップS834)の詳細を示すフローチャートである。
【0305】
遊技開始コマンド受信時処理は、演出制御基板420が「遊技開始コマンド」を受信した場合に、このコマンドが正当であるか否かを判定して、正当であった場合には、遊技状態に応じた演出等を行う処理である。
【0306】
仮に、「遊技開始コマンド」が、不正基板等から送信された不正なコマンドであると判定された場合には、演出制御基板420は、エラーとして報知し、遊技状態に応じた演出、抽選を行わない。
【0307】
まず、演出制御基板420は、遊技開始コマンドと共に識別コードを受信したか否かを判定する(ステップS91)。遊技開始コマンドと共に識別コードを受信した場合、「YES」の判定となり、ステップS92に進む。一方、遊技開始コマンドと共に識別コードを受信しなかった場合、「NO」の判定となり、ステップS93に進む。
【0308】
ステップS91の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、識別コードが一致するか否かを判定する(ステップS92)。すなわち、遊技開始コマンドと共に受信した識別コードと、その受信時に演出制御基板420が有する識別コードとが一致するか否かを判定する。一致していればステップS95に進み、一致していなければステップS93に進む。
【0309】
遊技開始コマンドと共に演出制御基板420が「受信した識別コード」と、その受信時に演出制御基板420が「有する識別コード」は、共に16ビットのデータである。このため、それらが一致するか否かは、例えば、両識別コードのAND演算を行うことで判定することができる。
【0310】
ステップS93以降は、識別コードが受信されないか(ステップS91;NO)、または識別コードが一致しない(ステップS92;NO)ため、制御コマンドが正当でないと判定された場合の処理である。
【0311】
例えば、いわゆる「ぶら下がり基板」から送信されたコマンドには、そもそも識別コードが付いていないか、或いは識別コードが送信されたとしても、それは本来の(正しい)識別コードではない可能性が高い。このような場合、ステップS93以降の処理を行う。その場合、演出制御基板420は、後述のAT抽選処理(ステップS104)へ進むことはないので、AT遊技状態への移行もない。
【0312】
ステップS93では、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16等の演出装置を介して、エラーが生じた旨が報知される。その後、ステップS94に進む。
【0313】
ステップS94では、演出制御基板420は、遊技を停止する。具体的には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を無効にすることで、遊技が続行できない状態となる。
【0314】
演出制御基板420は、遊技停止の解除条件が成立するまでは、エラーの報知を維持したまま待機する。解除条件とは、例えば、エラーが解消されるか、或いは遊技店の店員によりリセットボタンが操作されることである。解除条件が成立した場合には、遊技停止状態が解除される。これにより、遊技は打ち切りとなり、遊技開始前の状態に戻る。
【0315】
ステップS92の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、現在の遊技状態を取得する(ステップS95)。その後、ステップS96に進む。
【0316】
次に、演出制御基板420は、現在の遊技状態がAT中か否かを判定する(ステップS96)。遊技状態がAT中である場合、「YES」の判定となり、ステップS97に進む。一方、遊技状態がAT中でない場合、「NO」の判定となり、ステップS98に進む。
【0317】
ステップS96の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、AT中の演出抽選値テーブルを選択する(ステップS97)。その後、ステップS99に進む。
【0318】
ステップS96の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、その他の遊技状態に応じた演出抽選値テーブルを選択する(ステップS98)。例えば、現在、通常遊技状態であれば、通常遊技状態の演出抽選値テーブル(図5参照)を選択する。その後、ステップS99に進む。
【0319】
ステップS99では、演出制御基板420は、ステップS97またはステップS98にて選択された演出抽選値テーブルを参照して演出を決定する。その後、ステップS100に進む。
【0320】
次に、演出制御基板420は、遊技状態がAT中か否かを判定する(ステップS100)。ステップS96では、演出抽選値テーブルを選択するため遊技状態がAT中か否か判定したが、今回は、遊技状態に応じて演出等を実行するため、この判定を行っている。
【0321】
遊技状態がAT中である場合、「YES」の判定となり、ステップS101に進む。一方、遊技状態がAT中でない場合、「NO」の判定となり、ステップS104に進む。
【0322】
ステップS100の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、AT役に当選したか否かを判定する(ステップS101)。AT役に当選した場合、「YES」の判定となり、ステップS102に進む。一方、AT役に当選しなかった場合、「NO」の判定となり、ステップS103に進む。
【0323】
ステップS101の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、当選したAT役に応じた停止操作順序を報知する(ステップS102)。これは、当選役が「右押しベル役」のようなAT役であるため、液晶表示装置6等の演出装置により、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの停止操作の順序を報知し、取りこぼしが生じないようにするものである。その後、この処理を終了する。
【0324】
ステップS101の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、その他の当選役に応じた演出を実行する(ステップS103)。その後、この処理を終了する。
【0325】
最後に、ステップS100の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、AT抽選処理を行う(ステップS104)。AT遊技状態は、通常時に特定の役が入賞することで移行する遊技状態であるが、これがその抽選処理に該当する。その後、ステップS105に進む。
【0326】
ステップS105では、演出制御基板420は、AT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選に当選した場合、「YES」の判定となり、ステップS106に進む。一方、AT抽選に当選しなかった場合、「NO」の判定となり、この処理を終了する。
【0327】
ステップS105の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、遊技状態をATにセットする(ステップS106)。これは、AT抽選に当選したため、遊技状態をAT遊技状態に移行させるための設定である。その後、この処理を終了する。
【0328】
(6−6.入賞情報コマンド受信時処理)
次に、入賞情報コマンド受信時処理の内容について説明する。図19は、図17の入賞情報コマンド受信時処理(ステップS838)の詳細を示すフローチャートである。
【0329】
入賞情報コマンド受信時処理は、演出制御基板420が「入賞情報コマンド」を受信した場合、このコマンドが正当であるか否かを判定して、正当であった場合には、各遊技状態に応じた遊技を管理する処理である。
【0330】
遊技開始コマンド受信時処理と同様に、仮に、送信された「入賞情報コマンド」が不正なコマンドであると判定された場合には、エラーとして報知し、遊技状態に応じた遊技の管理処理を行わない。
【0331】
まず、演出制御基板420は、受信した入賞情報コマンドと共に識別コードを受信したか否かを判定する(ステップS111)。ステップS111の判定が「YES」である場合、ステップS112に進み、この判定が「NO」である場合、ステップS113に進む。
【0332】
ステップS111の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、「識別コード」が一致するか否かを判定する(ステップS112)。すなわち、入賞情報コマンドと共に受信した識別コードと、その受信時に演出制御基板420が備えていた識別コードが一致するか否かを判定する。一致していればステップS115に進み、一致していなければステップS113に進む。
【0333】
ステップS113以降は、識別コードが受信されないか(ステップS111;NO)、または識別コードが一致しない(ステップS112;NO)ため、制御コマンドが不当と判定された場合の処理である。
【0334】
ステップS113では、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16等の演出装置を介して、エラーが生じた旨が報知される。その後、ステップS114に進む。
【0335】
ステップS114では、演出制御基板420は、遊技を停止する。ここでの遊技停止は、具体的には、当選役が入賞した場合にも払出しが行われなくなることである。
【0336】
演出制御基板420は、遊技停止の解除条件が成立するまでは、エラーの報知を維持したまま待機する。解除条件は、例えば、エラーが解消されるか、或いは店員によりリセットボタンが操作されることである。解除条件が成立した場合には、遊技停止状態が解除される。これにより、遊技は打ち切りとなり、遊技開始前の状態に戻る。
【0337】
ステップS112の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、入賞役種別情報を取得する(ステップS115)。これは、回胴装置210の有効入賞ライン3a上に揃った入賞役の種別情報を取得する処理である。その後、ステップS116に進む。
【0338】
ステップS116では、演出制御基板420は、現在の遊技状態を取得する。その後、ステップS117に進む。
【0339】
次に、演出制御基板420は、遊技状態が通常中であるか否かを判定する(ステップS117)。遊技状態が通常中である場合、「YES」の判定となり、ステップS118に進む。一方、遊技状態が通常中でない場合、「NO」の判定となり、ステップS119に進む。
【0340】
ステップS117の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、通常遊技状態遊技管理処理を行う(ステップS118)。通常遊技状態遊技管理処理(図20)の詳細は後述する。その後、ステップS122に進む。
【0341】
ステップS117の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、遊技状態がAT中であるか否かを判定する(ステップS119)。遊技状態がAT中である場合、「YES」の判定となり、ステップS120に進む。一方、遊技状態がAT中でない場合、「NO」の判定となり、ステップS121に進む。
【0342】
ステップS119の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、AT遊技状態遊技管理処理を行う(ステップS120)。AT遊技状態遊技管理処理(図21)の詳細は後述する。その後、ステップS122に進む。
【0343】
ステップS119の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、ボーナス遊技中の入賞情報コマンド受信時の演出選択処理を行う(ステップS121)。その後、ステップS122に進む。
【0344】
ステップS122では、演出制御基板420は、ステップS118、ステップS120、ステップS121で選択した演出をセットする。すなわち、選択された演出をサブRAM421bの所定領域に格納する。その後、この処理を終了する。
【0345】
(6−7.通常遊技状態遊技管理処理)
次に、通常遊技状態遊技管理処理の内容について説明する。図20は、図19の通常遊技状態遊技管理処理(ステップS118)の詳細を示すフローチャートである。
【0346】
まず、演出制御基板420は、特定役Aが入賞したか否かを判定する(ステップS1181)。ここで、特定役Aとは、例えば、MB役等の当選確率の低い役であり、当選確率の高い役が入賞した場合とは異なる演出が行われるものである。
【0347】
特定役Aが入賞した場合、この判定が「YES」となり、ステップS1182に進む。一方、特定役Aが入賞しなかった場合、この判定が「NO」となり、ステップS1183に進む。
【0348】
ステップS1181の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、特定役Aに応じた演出を決定する(ステップS1182)。その後、この処理を終了する。
【0349】
ステップS1181の判定が「NO」である場合、演出制御基板420は、その他の入賞役に応じた演出を決定する(ステップS1183)。すなわち、特定役A以外の他の入賞役に応じた演出を決定する。その後、この処理を終了する。
【0350】
(6−8.AT遊技状態遊技管理処理)
次に、AT遊技状態遊技管理処理の内容について説明する。図21は、図19のAT遊技状態遊技管理処理(ステップS120)の詳細を示すフローチャートである。
【0351】
AT遊技状態は、通常時に特定の役が入賞することで移行する遊技者に有利な遊技状態であるが、予め設定された例えば50回のゲームが終了すると通常遊技状態に戻ってしまう。しかし、AT遊技状態中も特定の役の抽選をしており、この役が入賞すればAT遊技ゲーム数を現在の残りゲーム数に上乗せし、AT遊技状態が継続していくゲーム性となっている。
【0352】
まず、演出制御基板420は、特定役Bが入賞したか否かを判定する(ステップS1201)。ここでいう特定役Bとは、AT遊技の継続ゲーム数抽選役である。
【0353】
特定役Bが入賞した場合、「YES」の判定となり、ステップS1202に進む。一方、特定役Bが入賞しなかった場合、この判定が「NO」となり、ステップS1204に進む。
【0354】
ステップS1201の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、AT遊技の継続ゲーム数の上乗せ抽選を行う(ステップS1202)。これは、上乗せ(加算)するAT遊技回数を例えば50回、100回、150回の中から抽選する処理である。その後、ステップS1203に進む。
【0355】
ステップ1203では、演出制御基板420は、ステップS1202の抽選結果に基づいて、AT遊技継続ゲーム数を加算する。例えば、ステップS1202にて、加算するAT遊技回数として100回が選択された場合、現在のAT遊技残り回数に対して、100回を加算する。その後、ステップS1204に進む。
【0356】
ステップS1204では、演出制御基板420は、AT遊技継続ゲーム数を1デクリメントする。これは、1回分のAT遊技ゲームが終了したことを意味する。その後、ステップS1205に進む。
【0357】
次に、演出制御基板420は、AT遊技ゲーム数が0となったか否かを判定する(ステップS1205)。これは、AT遊技ゲームの残り回数がなくなったか否かの判定である。AT遊技ゲーム数が0となった場合、「YES」の判定となり、ステップS1206に進む。一方、まだAT遊技ゲーム数が0となっていない場合は、「NO」の判定となり、ステップS1207に進む。
【0358】
ステップS1205の判定が「YES」である場合、演出制御基板420は、通常遊技状態の演出抽選値テーブルを選択する(ステップS1206)。これは、AT遊技状態が終了すると、通常遊技状態に戻ることを意味する。その後、ステップS1207に進む。
【0359】
ステップS1207では、演出制御基板420は、入賞役に応じた演出を決定する。正確には、通常遊技状態の演出抽選値テーブルを参照して入賞役に応じた演出を決定する。例えば、ステップS1201にて特定役Bが入賞した場合、特定役Bに応じた演出を選択する。その後、この処理を終了する。
【0360】
このように、本実施形態では、電源投入時に主制御部が遊技機固有の識別コードを決定し、演出制御部に送信する。このとき、演出制御部は、受信した識別コードを格納しておく。
【0361】
演出制御部には、遊技開始コマンド等の制御コマンドと共に識別コードが送信されるので、演出制御部は、その識別コードと電源投入時に受信した識別コードとを比較し、制御コマンドの正当性を判定する。このような制御により、遊技機に不正基板が取付けられたり正規の制御基板が交換される等の不正を早期に発見することが可能となる。
【0362】
以上、本実施形態の回胴式遊技機の一連の遊技および制御処理について説明したが、上記実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができ、かつ本発明の趣旨を逸脱しない限り、様々な変形例が考えられる。
【0363】
遊技者に有利な遊技状態としてAT(アシストタイム)遊技状態を例示したが、本発明は、これに限られるものではない。遊技者に有利な遊技状態は、リプレイ役の当選確率を高くするRT(リプレイタイム)遊技状態や、AT遊技とRT遊技を組合せたART(アシストリプレイタイム)遊技状態であってもよい。また、少なくとも1つの回胴(リール)について、引き込みコマ数の最大値を「1」または「0」に設定することで、遊技者の技量によりメダル獲得枚数に差をつけるCT(チャレンジタイム)遊技状態であってもよい。
【0364】
上記実施形態の説明では、識別コードの一致によって制御コマンドの正当性を判定しているが(図18、図19)、識別コードの一致とは、完全一致という意味に限られない。例えば、識別コードのうち一部のビットの一致により制御コマンドを正当と判定してもよい。また、識別コードの判定としてAND演算を例示したが、一致・不一致の判定が可能な如何なる演算であってもよい。
【0365】
また、上記実施形態では、識別コード(16ビット)のうち、識別情報は4ビットであったが、未使用ビットも使用して識別情報のパターンを増加させてもよい。このパターンが多くあれば、偶然に識別コードが一致する可能性は低くなるからである。
【0366】
識別コードの決定は、如何なる方法であってもよい。例えば、主制御部がROMに格納された複数の候補の中から抽選によって1つの識別コードを選択してもよい。
【0367】
主制御部は、電源投入時に決定した識別コードを演出制御部に送信することで、主制御部と演出制御部とが共通の識別コードを有するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、所定時間時間経過する毎に識別コードを変更し、その度に主制御部から演出制御部に送信するようにしてもよい。
【0368】
また、比較のための識別コードは、必ずしも電源投入時に主制御部から演出制御部に送信する必要はなく、主制御部および演出制御部のROM等に予め格納された識別コードを所定時間毎、遊技回数毎、遊技者に有利な遊技状態である上記AT、RT、ART等の遊技回数毎に変更することにより、識別コードを共通にしてもよい。すなわち、主制御部と前記演出制御部は共通の識別コードを備えていればよい。
【0369】
これにより、複数ある識別コードの1つが不正に取得され、制御コマンドと共に送信された場合にも、識別コードが一致する可能性が極めて低くなる。
【0370】
識別コードは、特定の制御コマンドと共に主制御部から演出制御部に送信されるが、実際、識別コードが特定の制御コマンドに付随して送信される場合には、全く同時に送信されるわけではない。この場合、特定の制御コマンドと識別コードの送信に時間差(例えば、数ms)が生ずる。或いは、特定の制御コマンドと識別コードを2つの出力ポートから同時に送信するようにしてもよい。
【0371】
いずれにしても、特定の制御コマンドと識別コードがセットになっていることが分かるようになっていればよい。ここで「セット」とは、特定の制御コマンドと識別コードが関連付けられて「組」となっていることを意味する。
【0372】
識別コードと共に演出制御部に送信される特定の制御コマンドは、「遊技開始コマンド」と「入賞情報コマンド」に限られるものではない。例えば、「第1〜第3回胴停止コマンド」を特定の制御コマンドとして扱うようにしてもよい。
【0373】
この場合、演出制御部は、第1〜第3回胴停止コマンドと共に送信された識別コードにより、3回コマンドの正当性を判定する。そして、3回全部、または1回でも正当でないと判定された場合に、エラーとして報知することが可能である。
【0374】
また、「遊技開始コマンド」と、「第1〜第3回胴停止コマンド」と、「入賞情報コマンド」とをワンセットとして、それぞれコマンドの正当性を判定し、全部、または1回でも正当でないと判定された場合に、エラーとして報知することが可能である。
【0375】
以上、回胴式遊技機を例に実施形態を説明したが、本発明は、回胴式遊技機に限られず、弾球遊技機、アレンジボール、雀球式遊技機、パロット機にも適用が可能である。
【符号の説明】
【0376】
1 遊技機筐体
2 前扉
3 表示窓(回胴視認部)
3a 入賞ライン
4 表示窓(液晶画面視認部)
5a、5b、5c 回胴
6 液晶表示装置 (演出装置)
6a 液晶画面
7 メダル投入口
8 MAXBETボタン
9 貯留メダル投入ボタン
10 貯留メダル精算ボタン
11 回胴回転始動レバー
12a、12b、12c 回胴回転停止ボタン
13 装飾ランプ部 (演出装置)
14 操作パネル部
15 返却ボタン
16 スピーカ (演出装置)
17 装飾パネル部
18 メダル受け皿
19 遊技メダル払出口
210 回胴装置 (図柄変動表示装置)
310 外部集中端子基板
330 回胴中継基板
340 演出I/F基板
350 払出中継基板
360 停止スイッチ基板
370 遊技中継基板
380 LED基板
400 主制御基板 (主制御部)
401 1チップマイクロコンピュータ
401a メインROM
401b メインRAM(出力データバッファ)
401c メインCPU (抽選手段)
401d CTC
401e 割り込みコントローラ回路
402 I/Oポート回路
403 カウンタ回路
404、405、406 I/F回路
407 モータ駆動回路
408 スイッチ入力回路
410 副制御部
420 演出制御基板(演出制御部)
421 1チップマイクロコンピュータ
421a サブROM
421b サブRAM(入力データバッファ)
421c サブCPU
421d CTC
421e 割り込みコントローラ回路
422 I/Oポート回路
423 カウンタ回路
430 回胴設定基板
440 電源基板
450 払出制御基板
460 液晶制御基板
500 ホッパーユニット
510 ホッパーモータ
520 メダル払出センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の図柄を並べた複数の図柄列を変動表示する図柄変動表示装置と、
前記図柄変動表示装置を用いた遊技の進行に応じて演出を行う演出装置と、
前記遊技を制御する複数種類の制御コマンドを送信する主制御部と、
受信した前記制御コマンドに基づいて前記演出装置による演出を制御する演出制御部とを備えた遊技機において、
前記主制御部と前記演出制御部は共通の遊技機固有の識別コードを有し、
前記主制御部は、前記複数種類の制御コマンドのうち特定の制御コマンドと共に該主制御部が有する前記識別コードを前記演出制御部に送信し、
前記演出制御部は、前記特定の制御コマンドと共に受信した前記識別コードと該受信時に該演出制御部が有する識別コードとが異なる場合、または該特定の制御コマンドと共に前記識別コードが受信されない場合には、該特定の制御コマンドを正当でないと判定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記主制御部は、前記遊技機の電源投入時に前記遊技機固有の識別コードを決定し、該識別コードを前記演出制御部へ送信し、
前記演出制御部は、前記主制御部から受信した前記識別コードを格納し、該識別コードと前記特定の制御コマンドと共に受信した識別コードとを比較することで該特定の制御コマンドの正当性を判定することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技機において、
前記主制御部は、遊技中所定のタイミングで取得された乱数値を抽選値テーブルに記憶された抽選値と対比し、その結果により遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かを決定する抽選手段を備え、該抽選手段による抽選結果を含む制御コマンドを前記特定の制御コマンドとして前記演出制御部に送信し、
前記演出制御部は、受信した前記抽選結果を含む制御コマンドを正当でないと判定した場合には、前記抽選結果に関わらず遊技者に有利な遊技状態に移行させないことを特徴とする遊技機。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−94479(P2013−94479A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241060(P2011−241060)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】