説明

運行状況記憶装置および閾値設定方法

【課題】重要度の高い画像データを選別して記憶装置に記憶させることが可能な運行状況記憶装置および画像データ記憶方法を提供することである。
【解決手段】運行状況記憶装置は、車両Vに設置されるカメラ1と、車両Vの加速度Gx,Gyを検出する加速度検出手段2と、検出される加速度Gx,Gyの絶対値が閾値α,βを超えることを条件として上記カメラ1が上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含む画像データを記憶する記憶手段34とを備え、車両Vの位置を検出する位置検出手段4と、車両の位置に基づいて地理条件を判断する地理条件判断手段35とを備え、上記閾値は地理条件に基づいて設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運行状況を記憶する運行状況記憶装置および運行状況記憶装置における閾値設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種運行状況記憶装置にあっては、たとえば、車両に設置されるカメラと、車両の加速度を検出する加速度センサと、カメラが撮影した画像を常時記憶する第1の記憶手段と、加速度データが閾値を一定時間以上継続して超える場合にこれを条件(トリガ)とし、第1の記憶手段に記憶していた画像を読み込んでトリガ検出前後の画像を記憶する第2の記憶手段を備えて構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記した従来の運行状況記憶装置では、RAM等の記憶装置に常時画像データ等を蓄積しておき、加速度センサで検出する加速度が閾値を超える場合にこれをトリガとしてRAM等の記憶装置に記憶させていた画像データを他のメモリに記憶させる方式を採用し、車両事故発生時の画像データおよび加速度データを運行履歴データとして記憶することができる。
【0004】
また、車両事故を未然に防ぐことを目的として、車両事故に至らずとも車両事故を招く恐れのある運転状況を把握したい要望があり、特に、運行履歴データをタクシーや鉄道等の事業用車両等の運行管理に役立てたいといったニーズもあるので、上記閾値を車両事故時に見込まれる加速度の値より低い値とし、上記運行履歴は、車両事故発生時のみ取得されるのではなく、車両が事故に遭遇するか否かに関わらず、多数の運行履歴が記憶装置内に記憶されることになる。
【0005】
したがって、この運行状況記憶装置は、車両事故発生時の運行履歴データ、すなわち、画像や衝撃等のデータ以外にも、旋回時のスピードの出しすぎや事故に到らないまでも急ブレーキをしたときに検出される加速度も上記閾値を超えるようにしておいて、運転中にヒヤッとしたりハッとしたりする運転状況、いわゆるヒヤリハットの画像データも記憶装置内に記憶するようにし、車両事故の当事者や目撃者の証言に加えて事故発生当時の画像や衝撃等のデータから客観的に事故原因を究明といった本来の目的に加えて運行管理に役立つようにしている。
【特許文献1】特開2005−165805号公報(段落番号0020〜0033,図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このように、上記閾値を低い一定値に設定すると、高速道路、曲線路、登降板路等の車両が走行する地理の条件(地理条件)に違いよって、特に走行状況に問題が無い場合にあってもトリガが検出されるような事態となって、記憶装置内に記憶される画像データ等が膨大な量となってしまいかねず、記憶装置の記憶容量によっては、事故時の画像データを記憶する前に記憶容量をオーバーして肝心の事故時の画像データを記憶させることができなくなってしまう場合がある。
【0007】
また、運行履歴を参照したり解析したりする運行管理作業等を行う際には、運行履歴データの中でも、特に、運行状況記憶装置のユーザは、車両事故につながる可能性のある運行履歴データを解析、参照したいが、上記したように、運行履歴データが膨大となってしまうため、注目すべき運行履歴データにいち早くアクセスすることが困難となり、さらには、いちいち一つずつ運行履歴データの中身を確認しなくてはならないので、上記運行履歴データ参照・解析作業や運行管理作業が非常に煩雑となってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、重要度の高い画像データを選別して記憶装置に記憶させることが可能な運行状況記憶装置および画像データ記憶方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題解決手段における運行状況記憶装置は、車両に設置されるカメラと、車両の加速度を検出する加速度検出手段と、検出される加速度の絶対値が閾値を超えることを条件として上記カメラが上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含む画像データを記憶する記憶手段とを備えた運行状況記憶装置において、車両の位置を検出する位置検出手段と、車両の位置に基づいて地理条件を判断する地理条件判断手段とを備え、上記閾値は地理条件に基づいて設定されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の課題解決手段における閾値設定方法は、車両に設置されるカメラと、車両の加速度を検出する加速度検出手段と、検出される加速度の絶対値が閾値を超えることを条件として上記カメラが上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含む画像データを記憶する記憶手段とを備えた運行状況記憶装置における閾値設定方法において、車両の位置に基づいて地理条件を判断する地理条件判断ステップと、地理条件に基づいて閾値を設定する閾値設定ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の運行状況記憶装置および画像データ記憶方法によれば、加速度に対応する閾値を車両の位置における地理条件に基づいて設定するので、車両が危険な状態に無い場合にも、頻繁に事故あるいはヒヤリハットとして判断してしまうということが防止され、記憶手段に不必要な画像データを記憶させる不具合を解消することが可能となる。
【0012】
したがって、記憶手段内に記憶される画像データ等が膨大な量となってしまうようなことが回避され、事故時の画像データを記憶する前に記憶容量をオーバーして肝心の事故時の画像データを記憶させることができなくなってしまうことがない。
【0013】
また、記憶手段に記憶動作させる機会が従来装置より少なくなるから、記憶手段の寿命を長寿命化することができるとともに、記憶動作に消費する電力も少なくなり、運行状況記憶装置を省電力化することが可能となる。
【0014】
そしてさらに、記憶手段に蓄積される画像データが含まれる運行履歴データは特に重要と思しきデータのみとなるから、後に運行履歴データの参照等を行うユーザは、不要なデータを参照する手間が省け、運行履歴データを必要なものと不要なものとに選別する無駄か無くなることになるので、運行履歴データ参照・解析作業や運行管理作業が容易となりユーザの負担を軽減することが可能である。
【0015】
また、不要なデータが記憶手段に記憶されることが防止されることになるから、複数の運行履歴データから特に重要度が高い運行履歴データのピックアップも容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における運行状況記憶装置を車両に搭載した図である。図2は、一実施の形態における運行状況記憶装置のシステム構成を示す図である。図3は、地理条件区分と閾値との関係の一例を示す表である。図4は、地理条件区分と閾値との関係の他の例を示す表である。図5は、位置検出手段で検出する位置とその誤差範囲を示す図である。図6は、一実施の形態における運行状況記憶装置のハードウェア資源の構成を示す図である。図7は、運行状況記憶装置における閾値設定方法および画像データ記憶方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0017】
図1に示すように、一実施の形態における運行状況記憶装置は、車両Vに設置されるカメラ1と、車両Vに作用する加速度を検出する加速度検出手段2と、車両Vの位置を検出する位置検出手段4と、記憶手段を備えた制御部3とを備えて構成されている。
【0018】
以下、詳細に説明すると、カメラ1は、CCD(電荷結合素子、図示せず)とレンズ(図示せず)を備えており、CCDカメラとして構成され、車両Vの前方を撮影可能なように車両Vに設置されている。なお、カメラ1は、たとえば、車両Vの前方以外にも後方や側方を撮影可能なように、車両Vに複数設置されるようにしてもよい。
【0019】
そして、このカメラ1は、車両Vの前方である撮影範囲を常時撮影し続け、この撮影した画像を電気信号に変換して制御部3へ出力するようになっている。なお、画像については広義に解釈しており、画像には、静止画像の他、動画も含まれる。また、カメラ1はCCDカメラとして構成される以外にもCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を利用したカメラを使用することが可能である。
【0020】
また、加速度検出手段2は、具体的には加速度センサとされており、基本的には、車両Vの前後左右の2軸の加速度Gx,Gyを検知することができるものであればよく、より多くの運行データを得たい場合には、車両Vの上下方向の加速度を検知できる3軸の加速度センサを用いるようにしてもよい。また、加速度検出手段2には、具体的には、たとえば、圧電式、半導体ピアゾ抵抗式、静電容量式、その他の種々の加速度センサを用いることが可能である。
【0021】
そして、この加速度検出手段2は、所定のサンプリング周期、たとえば、10ms(ミリ秒)の周期で車両Vの前後左右の2軸の加速度Gx,Gyを検出して、アナログの電圧信号である加速度信号を出力し、この加速度信号はデジタル信号に変換されて制御部3へ入力される。
【0022】
さらに、この実施の形態では、車両Vの速度を検出する速度検出手段5が設けられており、この速度検出手段5は、具体的には、速度センサとされている。この速度センサは、ロータリエンコーダ等とされ、速度に応じたパルス信号(車速パルス)を制御部3に出力するようになっている。
【0023】
さらに、位置検出手段4は、車両Vの現在位置(緯度および経度)を検出することが可能であり、具体的には、たとえば、複数のGPS衛星からの測位データを含む電波を受信し、上記複数のGPS衛星から送られてくる電波の時間差で車両の位置を検出することができるGPS(Global Positioning System)受信装置とされている。そして、この位置検出手段4で得られる車両Vの絶対位置データは制御部3に入力されるようになっている。
【0024】
また、この位置検出手段4におけるGPS受信装置を車速検出手段5および車両の旋回角速度を検出する角速度センサに接続し、これらから送られる各データに基づいて車両位置検出精度の向上を図ってもよい。なお、上述したところでは、速度検出手段5が、車速パルスを検出する速度センサとしているが、位置検出手段4としてGPS受信装置を備えている場合には、このGPS受信装置から得られる位置データから速度を得るようにして、これを速度検出手段5としてもよい。
【0025】
そして、制御部3は、図2に示すように、カメラ1が撮影した画像を処理する画像処理部31と、画像処理部31が出力する画像データと加速度検出手段2が検出する車両Vの前後方向の前後加速度データおよび車両Vの横方向の横方向加速度データ、さらには、速度検出手段4が検出する速度データを常時記憶する副記憶手段32と、副記憶手段32内に蓄積された画像データから所定の画像データを抽出して記憶する記憶手段34と、加速度検出手段2が検出した前後加速度データと横加速度データを処理して画像データを記憶手段34に記憶させるか否かを判断する判断部33と、判断部33の判断に必要となる閾値を設定する閾値設定部35とを備えて構成されている。
【0026】
画像処理部31は、常時作動のカメラ1が撮影した画像を動画として取り込み、この動画から所定のフレームレートで静止画像を切り取り、この静止画像を所定の圧縮形式、たとえば、JPEGやGIF等の圧縮形式の画像データを生成する。なお、フレームレートを大きくしすぎると、1秒間に生成される画像データの容量が大きくなりすぎて、大容量の記憶装置が必要となることから、車両事故時の検証に画像データが不足することにならない程度、具体的にはたとえば、5〜10フレーム毎秒程度に設定されている。
【0027】
つづいて、副記憶手段32は、画像処理部31が出力する画像データと、同画像データが得られた時刻における加速度データと速度データと車両Vの位置データである緯度と経度とを記憶するが、記憶する際には、画像データと、画像データが得られた時点の加速度データ、速度データおよび位置データとが対応可能なように関連付けを行って記憶する。
【0028】
具体的には、この画像データ、加速度データ、速度データおよび位置データは、副記憶手段32に記憶される際に、それぞれ日付と時刻に関連付けられて記憶される。なお、副記憶手段32に記憶される上記画像データ、前後加速度および横加速度のデータ、速度データおよび位置データは、一定量蓄積されると古いデータから順に削除されるか一括して削除されて、新しいデータに更新されるようになっている。
【0029】
そして、判断部33は、加速度検出手段2が検出した前後加速度Gxおよび横加速度Gyを取り込み、前後加速度Gxの絶対値が前後加速度Gxに対する閾値である前後加速度閾値αを超えることおよび横加速度Gyの絶対値が横加速度Gyに対する閾値である横加速度閾値βを超えることのいずれか一方を満たすことを条件として、この条件を満たしているか否かを判断し、条件を満たしている場合には、副記憶手段32が記憶している画像データのうちカメラ1が上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含み加速度データ等と関連付けられた画像データを抽出してこれを一纏まりの運行履歴データとして記憶手段34に記憶させ、逆に、満たしていない場合には、記憶手段34に画像データを記憶させない。
【0030】
すなわち、判断部33は、前後加速度Gxの絶対値が前後加速度閾値αを超えても、横加速度Gyの絶対値が横加速度閾値βを超えても、記憶手段34にカメラ1が上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含む画像データである運行履歴データを記憶させることになる。
【0031】
したがって、上記した条件を満たすか否かの判断においては、車両Vの前後方向の前後加速度Gxの絶対値と前後加速度閾値αの比較と、車両Vの横方向の横加速度Gyの絶対値と横加速度閾値βの比較を行うことになる。
【0032】
そして、上記判断に必要となる前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βは、互いに独立した値であり、基本的には、旋回時のスピードの出しすぎや事故に到らないまでも急発進、急停車、急旋回や横滑り等の車両事故を招く恐れがある運転状況と判断されうる状況で車両Vに作用すると想定される加速度の絶対値、すなわち、運転中にヒヤッとしたりハッとしたりする運転状況にある場合に車両Vに作用すると想定される加速度の絶対値に設定される。
【0033】
ここで、車両Vが平坦な直線道路を走行している場合に比較して曲線路を走行している場合では車両Vは旋回状態となるので加速度検出手段2で検出する加速度のうち横加速度Gyが大きくなる傾向となるほか、登降板路では前後加速度Gxが大きくなる傾向となり、さらには、高速道路では車両Vの速度が大きく僅かな操舵でも横加速度Gyが大きくなる傾向となるなど、検出される前後加速度Gxおよび横加速度Gyに車両Vが走行中である位置における地理条件に依存する傾向が現れることになる。なお、地理条件は、車両Vが走行する道の形状、起伏、勾配、曲率半径、周辺状況や法的規制等といった車両Vが走行する位置における地理的条件のことであり、たとえば、条件の種類としては高速道路、曲線路、登降板路、市街地内道路、山岳地内道路等がある。
【0034】
そして、地理条件によって検出される前後加速度Gxおよび横加速度Gyは、車両Vが走行中である位置における地理条件に依存する傾向があるにもかかわらず、前後加速度閾値αや横加速度閾値βが一定であると、特に走行上何ら問題が無い状況であるにも拘らず、前後加速度Gxの絶対値が前後加速度閾値αを超えるか、横加速度Gyの絶対値が横加速度閾値βを超えるかして、上記した条件を満たして記憶手段34に画像データが記憶させられることになってしまう。
【0035】
そこで、本発明では、位置検出手段4で検出した車両Vの現在位置と地理データとに基づいて前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βを設定する閾値設定部35を備えている。
【0036】
この閾値設定部35は、位置検出手段4で検出した車両Vの現在位置のデータである緯度と経度とに基づいて、地理データを参照して、車両Vが走行中である位置の地理条件を判断する地理条件判断手段として機能すると共に、このようにして判断された地理条件に基づいて前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βを設定する。
【0037】
なお、地理データは、地図データと、この地図データに関連付けられる道路の属性、個性、法的規制および周辺状況の各種データとで構成されており、閾値設定部35は、位置検出手段4で検出した車両Vの現在位置のデータである緯度と経度から上記地理データを参照して、車両Vが現在いかなる地理条件の道を走行中かを判断して認識することが可能とされている。
【0038】
また、閾値設定部35は、位置検出手段4が検出する位置データの経過から車両Vの進行方向を認識できるようになっており、たとえば、地理条件が登降板路である場合、車両Vが登坂しているのか降板しているのをも判断して認識できるようになっている。また、進行方向の認識により、異なる地理条件の道の境に車両Vが位置する場合に、これから異なる地理条件の道に突入するのか否かを認識することが可能となる。
【0039】
そして、閾値設定部35は、このように車両Vの走行中の地理条件を認識して、前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βをその地理条件にマッチした最適な値に設定する。具体的にはたとえば、地理条件が曲線路である場合には、横加速度閾値βについては直線平坦路を走行する際の閾値の値より大きくなるように設定し、地理条件が登降板路である場合には、前後加速度閾値αについては直線平坦路を走行する際の閾値の値より大きくなるように設定するようにする。
【0040】
したがって、各閾値α,βは、具体的にはたとえば、図3に示すように、閾値判定部35は、地理条件である種類である曲線路、登降板路、市街地内道路等の区分に応じて予め各閾値α,βを決定して作成した区分表に準じて設定されることになる。なお、地理条件が複数区分に跨る場合、たとえば、曲線路の区分でかつ登坂路の区分に該当するというような場合には、優先される区分を予め決めておき、優先される区分によって、各閾値α,βを決定するか、また、図4に示すように、区分をマトリックス表として、複数区分に跨る場合の各閾値α,βを予め決定しておくようしてもよい。さらに、曲線路でも曲率半径が異なる場合には、曲率半径の大きさによって曲線路の区分を細かく細分化して、細分化された区分によって各閾値α,βを決定してもよく、登降板路の区分にあっても勾配に大きさによって同様に細分化するようにしてもよい。なお、各閾値α,βの単位は、重力加速度としてある。
【0041】
そして、このように、各閾値α,βを地理条件に対応させて変更するので、地理条件に依存した傾向を示す各加速度Gx,Gyによって、車両Vの走行上全く問題が無く事故やヒヤリハット時以外の状況でも頻繁にこれを事故あるいはヒヤリハットとして判断してしまうということが防止され、記憶手段34に不必要な画像データを記憶させる不具合を解消することが可能となる。
【0042】
したがって、記憶手段34内に記憶される画像データ等が膨大な量となってしまうようなことが回避され、事故時の画像データを記憶する前に記憶容量をオーバーして肝心の事故時の画像データを記憶させることができなくなってしまうことがない。さらに、地理条件によって各閾値α,βを最適な値に設定することが可能であるから、加速度検出手段2が出力するノイズによっても記憶手段34へ画像データを記憶させる条件が満たされてしまうような事態も回避される。
【0043】
また、記憶手段34に記憶動作させる機会が従来装置より少なくなるから、記憶手段の寿命を長寿命化することができるとともに、記憶動作に消費する電力も少なくなり、運行状況記憶装置を省電力化することが可能となる。
【0044】
そしてさらに、記憶手段34に蓄積される画像データを含む運行履歴データは特に重要と思しきデータのみとなるから、後に運行履歴データの参照等を行うユーザは、不要なデータを参照する手間が省け、運行履歴データを必要なものと不要なものとに選別する無駄か無くなることになるので、運行履歴データ参照・解析作業や運行管理作業が容易となりユーザの負担を軽減することが可能である。
【0045】
また、不要なデータが記憶手段34に記憶されることが防止されることになるから、複数の運行履歴データから特に重要度が高い運行履歴データのピックアップも容易となる。
【0046】
さらに、本実施の形態における運行状況記憶装置にあっては、車両Vの走行位置における地理条件によって各閾値α,βを設定するようにしているので、各閾値α,βを小さい値に設定しなければならない状況では各閾値α,βを小さく設定することができ、不必要な画像データの記憶を防止することに加えて、事故やヒヤリハットを検出できなくなる不具合もない。
【0047】
また、上述のように、本実施の形態における運行状況記憶装置によれば、車両Vの進行方向を認識することが出来るので、この進行方向の認識により車両Vが異なる地理条件の道に突入するのか否かを判断することが出来る。つまり、たとえば、現在、車両Vが直線路を進行中であるが、その進行方向からこれから曲線路がある方向へ向かって走行しているのか否かを判断することが出来る。したがって、車両Vが異なる地理条件の道に突入する際には、各閾値α,βを突入前に予め最適な値に設定することが可能となる。
【0048】
これにより、地理条件が変化する初期から各閾値α,βを地理条件に対応させて適切な値に設定することができるので、地理条件に左右される各加速度Gx,Gyおよびノイズによって車両Vの走行上全く問題が無く事故やヒヤリハット時以外の状況でも事故あるいはヒヤリハットとして判断してしまうということが確実に防止され、記憶手段34に不必要な画像データを記憶させる不具合をより確実に解消することができる。
【0049】
さらに、本実施の形態における運行状況記憶装置によれば、速度検出手段5を搭載しているので、上記車両Vの進行方向の認識と、検出される速度とから、閾値設定部35が異なる地理条件に突入するタイミングを認識させるようにしておき、各閾値α,βを車両Vが異なる地理条件突入するタイミングで最適な値に設定することも可能である。
【0050】
したがって、この場合には、地理条件の変化と各閾値α,βの変化のタイミングを一致させることが可能であるので、各閾値α,βを車両Vが走行する現在位置における地理条件に最適な値に確実にマッチさせることができ、車両Vの走行上全く問題が無い場合に、地理条件の変化と各閾値α,βの変化のタイミングのずれによって記憶手段34へ画像データを記憶させる条件が整ってしまう虞を確実に阻止することが可能となる。
【0051】
また、上述したように、本実施の形態における運行状況記憶装置にあっては、前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βの設定につき、基本的には、車両Vの位置から地理データを参照して、車両Vが走行する位置に最適となる各閾値α,βを設定するようにしているので、地理データが完全であれば、問題の無い走行状況では記憶手段34へ画像データを記憶させる条件が整うような事態を回避することが出来るのであるが、そのような地理データを運行状況記憶装置に搭載する場合には、地理データを格納しておく大容量の記憶装置や記憶媒体が必要となり、装置も高価となってしまう。
【0052】
そこで、車両Vの走行位置における路面の粗さやパワースペクトル密度、段差の有無といったデータについては地理データに含めずとも、各閾値α,βを最適な値に設定するため、運行状況記憶装置が搭載される車両Vの位置と、当該位置における画像データを記憶させる条件の成就の回数をカウントして、たとえば、条件成就回数に対して設定される回数閾値を超える場合には、前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βに所定値だけ加算するなどして、当該走行位置における前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βを補正する。
【0053】
なお、位置検出手段4で車両Vの位置に誤差が認められる場合には、ある位置における条件成就の回数をカウントする際には、図5に示すように、当該ある位置aを基準として誤差範囲L内におけるそれぞれの位置での条件成就の回数をカウントする。
【0054】
このように前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βを補正するので、上記地理データから漏れてしまう地理条件によって記憶手段34へ画像データを記憶させる条件が整ってしまうようなことも防止することが出来、さらには、地理データを完全なものとするべく地理データが大容量となってしまう不具合も解消することも可能となり、運行状況記憶装置を安価なものとすることが可能となる。
【0055】
戻って、この実施の形態の場合、上記記憶手段34に記憶される画像データは、上記条件を満足した時刻を含んで所定範囲の時間内に撮影された画像データとされ、さらには、記憶手段34は、記憶すべき画像データに関連付けられる該所定範囲の時間内に検出された前後加速度Gxおよび横加速度Gyのデータ、および、速度データとともに、これらを一つの運行履歴データとして記憶するようになっている。すなわち、記憶手段34には、上記した条件を満足した時刻の画像データのみならず、その時刻の前後の画像データを記憶しておくことができ、事故時やヒヤリハット時の状況の一部始終を記憶しておくことができる。
【0056】
なお、所定範囲の時間は、具体的にはたとえば、条件満足時刻の前20秒と後10秒の合計で30秒程度とされており、この程度の運行履歴データを記憶しておくことによって、事故時やヒヤリハット時の状況の一部始終を記憶しておくことができる。
【0057】
なお、上記したところでは、車両Vの前後方向と横方向のみの加速度Gx,Gyについて、上記判断を行うようにしているが、加速度検出手段2が3軸加速度センサである場合には、車両Vの上下方向の加速度に対しても車両Vの前後左右方向の加速度の処理と同様に、上下方向の加速度に対する閾値を設けて上下加速度が当該閾値を超える場合にも記憶手段34に画像データを記憶させるようにしてもよい。そして、このような場合には、上下加速度に対して設定される閾値を上記したところと同様に地理条件に応じて適切な値となるように設定するようにしてもよい。
【0058】
また、運行履歴データには、前後加速度Gxあるいは横加速度Gyが条件を満たした時刻を含む所定範囲の時間内に検出された画像データが含まれるので、各加速度Gx,Gyの絶対値がそれぞれ対応する各閾値α,βを超える状況に至る前と至った後を確認することができ、車両事故や乱暴運転等の原因の究明が容易となり、また、前後加速度Gxあるいは横加速度Gyのデータが含まれるので、車両Vの制動や操舵状況をも把握することができ、さらに、速度データが含まれるので、より精緻に車両事故や乱暴運転等の原因を究明することが可能となり、また、すべてのデータから正確な運行状況を把握することが可能である。
【0059】
つづき、本実施の形態における運行状況記憶装置のハードウェア資源の構成について説明すると、この運行状況記憶装置は、図6に示すように、ハードウェアとしてはカメラ1、加速度検出手段2、車両Vの位置を検出する位置検出手段たるGPS受信装置40および速度検出手段5以外に、カメラ1の画像データをデコードするビデオデコーダ20と、加速度検出手段2が出力するアナログの電圧でなる加速度信号をデジタル信号に変換するA/D変換器21と、速度検出手段4が出力するアナログのパルス信号をデジタル信号に変換するA/D変換器22と、ビデオデコーダ20および各A/D変換器21,22を介して画像信号、加速度信号、速度信号およびGPS受信装置40から入力される位置データを取り込み、上記した制御部3の処理を実行するCPU(Central Prossesing Unit)23と、上記CPU23に記憶領域を提供するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)24と、運行履歴データが記憶されるフラッシュメモリ25と、制御部3の処理を行うためCPUが実行するアプリケーションやオペレーティングシステム等のプログラムを格納するROM(Read Only Memory)26と、地理データを格納するハードディスクドライブ等の地理データ格納装置27とを備えて構成されており、制御部3の各部における構成は、CPU23が制御部3の処理を行うためアプリケーションプログラムを実行することで実現することができる。なお、地理データ格納装置27の代わりに、地理データを格納した光ディスク等の記憶媒体からデータを読み込むことが可能なドライブ装置を設けるようにしてもよく、さらには、ホストコンピュータから送られる地理データを受信可能な無線通信装置を設けるようにしてもよい。
【0060】
そして、具体的には、画像処理部31は、画像データを取り込んだCPU23が画像データを圧縮することで実現され、判断部33は、前後加速度Gxおよび横加速度Gyのデータを取り込んだCPU23がSDRAM24から記憶領域の提供を受けつつ前後加速度Gxおよび横加速度Gyのデータの絶対値がそれぞれが対応する前後加速度閾値αと横加速度閾値βを超えるか否かの判断する演算を行うことで実現され、副記憶手段32は、圧縮された画像データ、加速度データおよび速度データをSDRAM24に書き込んでSDRAM24にこれらデータを記憶させることで実現され、記憶手段34は、CPU23がSDRAM24から上記条件成就時前後の所定範囲の時間内の画像データ、加速度データおよび速度データを抽出して読み込んで、該画像データを含む運行履歴データファイルを生成してフラッシュメモリ25内に記憶させることで実現され、閾値設定部35は、CPU23が、GPS受信装置40から取り込んだ車両Vの経度および緯度の位置データに基づき、地理データ格納装置27に格納された地理データを参照して上記した前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βを設定することで実現されることになる。
【0061】
つづいて、制御部3における各閾値α,βの設定ならびに上述した記憶手段34に画像データを含む運行履歴データを記憶させるまでの処理手順、すなわち、閾値設定方法および画像データ記憶方法の手順を具体的に説明する。この制御部3の処理は、図7に示す手順の一例に従って実行される。なお、この手順は、上述のように、予めROM26に格納されている。
【0062】
ステップF1では、制御部3は、加速度検出手段2が検出した車両Vの前後方向および横方向の加速度Gx,Gyを読み込む。
【0063】
つづいて、ステップF2に移行して、制御部3は、速度検出手段4が検出した車両Vの速度、GPS受信装置40で検出した車両Vの位置データを読み込む。
【0064】
さらに、ステップF3では、制御部3は、ステップF2で読み込んだ車両Vの速度、車両Vの位置データに基づいて、地理データを参照し、現在の車両Vの走行位置における地理条件を判断し、地理条件に基づいて区分表を参照して当該地理条件に最適となる前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βを設定する。
【0065】
そして、ステップF4では、制御部3は、ステップF3で設定した前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βの補正が必要か否かを判断して、補正が必要な場合には、前後加速度閾値αおよび横加速度閾値βを補正する。つまり、ステップF2で読み込んだ車両Vの位置における条件成就回数が回数閾値以上である場合には、上記補正を実行することになる。
【0066】
続き、ステップF5では、制御部3は、前後加速度Gxの絶対値が前後加速度閾値αを超えているか否かを判断し、前後加速度Gxの絶対値が前後加速度閾値αを超える場合には、ステップF7に移行する。
【0067】
ステップF6では、横加速度Gyの絶対値が横加速度閾値βを超えているか否かを判断し、横加速度Gyの絶対値が横加速度閾値βを超える場合には、ステップF7に移行する。
【0068】
ステップF7では、記憶手段34に画像データを記憶させる条件が成就しているので、制御部3は、副記憶装置32であるところのSDRAM24から前後加速度Gxが条件を満たした時刻あるいは横加速度Gyが条件を満たした時刻を含む所定範囲の時間内に撮影、検出された画像データとこれに関連付けられている前後方向および横方向加速度データおよび速度データを読み込んで、これらを運行履歴データとして一纏めにしたファイルを作成する。
【0069】
つづき、ステップF8に移行して、制御部3は、上記ステップF6で作成された運行履歴データファイルをフラッシュメモリ25に記憶させる。
【0070】
なお、上記ステップF5,F6の判断で、いずれの条件をも満たさないと判断される場合には、その後何ら処理を行わず、ステップF1の処理に戻ることになる。
【0071】
以上、一連の判断処理が終了すると、引き続き、繰り返して同じ処理が実行されることになり、このようにして、条件を満たした時刻に撮影された画像データを含む運行履歴データが記憶手段34としてのフラッシュメモリ25に記憶されることになるのである。
【0072】
なお、上記したところでは、判断部33における記憶手段34に画像データを記憶させる条件が成就しているか否かの判断にあたり、ステップF5とステップF6の二つのステップを経るようにしているが、これに換えて、たとえば、前後加速度Gxの絶対値から前後加速度閾値αを引算した値の符合が正である場合に前後側判断結果を1として負である場合に前後側判断結果を0とし、前後加速度Gyの絶対値から横加速度閾値βを引算した値の符合が正である場合に横側判断結果を1として負である場合に横側判断結果を0とし、前後側判断結果と横側判断結果の論理和が1である場合には、条件を成就していると判断するようにして一つのステップで条件成就の判断を行うようにしてもよい。
【0073】
このように、この運行状況記憶装置および画像データ記憶方法によれば、重要性の高い画像データを高精度に判断して記憶手段34のハードウェア資源であるフラッシュメモリ25に上記条件を満たした時刻に撮影された画像データを含む運行履歴データを記憶させるようにしているので、確実に重要な運行履歴データを保存しておくことが可能であり、フラッシュメモリ25の記憶領域を無駄に消費することがなく、また、車両事故が発生した直後には、副記憶手段32のハードウェア資源であるSDRAM24にも画像データや加速度データが残っていることになり、重要なデータを二つの記憶手段32,34で保存した状態としておけるので運行状況記憶装置の信頼性が向上する。
【0074】
さらに、上記した各処理手順は、一例であるので、運行状況記憶装置の仕様等によって最適となるようにこれを変更することが可能である。
【0075】
また、上記した各実施の形態にあっては、運行状況記憶装置を自動車に適用した例を用いて説明したが、車両は自動車に限られず、鉄道車両、二輪車等にも運行状況記憶装置を適用することができる。
【0076】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】一実施の形態における運行状況記憶装置を車両に搭載した図である。
【図2】一実施の形態における運行状況記憶装置のシステム構成を示す図である。
【図3】地理条件区分と閾値との関係の一例を示す表である。
【図4】地理条件区分と閾値との関係の他の例を示す表である。
【図5】位置検出手段で検出する位置とその誤差範囲を示す図である。
【図6】一実施の形態における運行状況記憶装置のハードウェア資源の構成を示す図である。
【図7】運行状況記憶装置における閾値設定方法および画像データ記憶方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1 カメラ
2 加速度検出手段
3 制御部
4 位置検出手段
5 速度検出手段
20 ビデオデコーダ
21,22 A/D変換器
23 CPU
24 SDRAM
25 フラッシュメモリ
26 ROM
27 地理データ格納装置
31 画像処理部
32 副記憶手段
33 判断部
34 記憶手段
35 閾値設定部
40 GPS受信装置
V 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置されるカメラと、車両の加速度を検出する加速度検出手段と、検出される加速度の絶対値が閾値を超えることを条件として上記カメラが上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含む画像データを記憶する記憶手段とを備えた運行状況記憶装置において、車両の位置を検出する位置検出手段と、車両の位置に基づいて地理条件を判断する地理条件判断手段とを備え、上記閾値は地理条件に基づいて設定されることを特徴とする運行状況記憶装置。
【請求項2】
地理条件判断手段は、地理データを保有し、車両の位置と地理データに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項1に記載の運行状況記憶装置。
【請求項3】
地理条件判断手段は、車両の位置の変化から車両の進行方向を判断し、車両の位置と進行方向とに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項1に記載の運行状況記憶装置。
【請求項4】
地理条件判断手段は、地理データを保有し、車両の位置の変化から車両の進行方向を判断し、車両の位置と車両の進行方向と地理データに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項1に記載の運行状況記憶装置。
【請求項5】
車両の速度を検出する速度検出手段を備え、地理条件判断手段は、地理データを保有し、車両の位置の変化から車両の進行方向を判断し、車両の位置と車両の進行方向と速度と地理データに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項1に記載の運行状況記憶装置。
【請求項6】
車両が同じ位置を通過する際における加速度が閾値を超えた回数に基づいて閾値を変更することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の運行状況記憶装置。
【請求項7】
加速度検出手段は、車両の前後加速度と横加速度をそれぞれ検出し、前後加速度の絶対値および横加速度の絶対値に対し、それぞれ、閾値を設定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の運行状況記憶装置。
【請求項8】
カメラが撮影した画像データを記憶する副記憶手段を備え、副記憶手段に蓄えた画像データからのうちカメラが上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含む画像データを抽出して記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の運行状況記憶装置。
【請求項9】
記憶手段は、画像データに関連付けられる加速度データをも記憶することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の運行状況記憶装置。
【請求項10】
車両に設置されるカメラと、車両の加速度を検出する加速度検出手段と、検出される加速度の絶対値が閾値を超えることを条件として上記カメラが上記条件を満たした時刻に撮影した画像データを含む画像データを記憶する記憶手段とを備えた運行状況記憶装置における閾値設定方法において、車両の位置に基づいて地理条件を判断する地理条件判断ステップと、地理条件に基づいて閾値を設定する閾値設定ステップとを含むことを特徴とする閾値設定方法。
【請求項11】
地理条件判断ステップでは、車両の位置と地理データに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項10に記載の閾値設定方法。
【請求項12】
地理条件判断ステップでは、車両の位置の変化から車両の進行方向を判断し、車両の位置と進行方向とに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項10に記載の閾値設定方法。
【請求項13】
地理条件判断ステップでは、車両の位置の変化から車両の進行方向を判断し、車両の位置と車両の進行方向と地理データに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項10に記載の閾値設定方法。
【請求項14】
地理条件判断ステップでは、車両の位置の変化から車両の進行方向を判断し、車両の位置と車両の進行方向と速度と地理データに基づいて地理条件を判断することを特徴とする請求項10に記載の閾値設定方法。
【請求項15】
車両が同じ位置を通過する際における加速度が閾値を超えた回数に基づいて閾値を変更する閾値変更ステップを含むことを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の閾値設定方法。
【請求項16】
前後加速度の絶対値および横加速度の絶対値に対し、それぞれ、閾値を設定することを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の閾値設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−65362(P2008−65362A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239117(P2006−239117)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】