運転評価装置
【課題】より容易にエコ運転のスキルを向上させることができる装置を提供する。
【解決手段】エコ運転学習装置は、開始/終了ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、燃料噴射量,エンジン回転数等といった車両状態の測定値の収集を開始し(S220)、燃費等といったエコ運転度を計測する(S225,S230)。そして、開始/終了ボタンが再度押され、該ボタンがOFF状態となると、該ボタンがON状態であった計測期間全体のエコ運転度と、前回,前々回に計測されたエコ運転度を表示する(S260)。また、計測期間中に中断/再開ボタンが押されると(S210:Yes)、該ボタンが再度押されるまでの中断期間は車両状態の測定値の収集を一時的に中断し、計測期間から中断期間を除いた計測実施期間全体のエコ運転度を計測する。
【解決手段】エコ運転学習装置は、開始/終了ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、燃料噴射量,エンジン回転数等といった車両状態の測定値の収集を開始し(S220)、燃費等といったエコ運転度を計測する(S225,S230)。そして、開始/終了ボタンが再度押され、該ボタンがOFF状態となると、該ボタンがON状態であった計測期間全体のエコ運転度と、前回,前々回に計測されたエコ運転度を表示する(S260)。また、計測期間中に中断/再開ボタンが押されると(S210:Yes)、該ボタンが再度押されるまでの中断期間は車両状態の測定値の収集を一時的に中断し、計測期間から中断期間を除いた計測実施期間全体のエコ運転度を計測する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の運転についての評価を行う運転評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排気ガスの排出や、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転がどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測し、ドライバに通知する装置が知られている。このような装置を用いることにより、ドライバに対し自分の運転のエコ運転度を把握させることができ、エコ運転のスキルを向上させることや、エコ運転の実施を促すことができる。
【0003】
ところで、エコ運転のスキルを向上させるためには、ドライバは、エコ運転度と、該エコ運転度の評価がなされた運転態様とを把握し、エコ運転度の高い運転態様がどのようなものであるかを学習する必要がある。また、例えば、複数の評価期間を対象としてエコ運転の評価を行い、各評価期間におけるエコ運転度及び運転態様を互いに比較するといったことも、エコ運転度の高い運転態様を学習するうえで有効な方法であると考えられる。
【0004】
また、車両の運転においては、一定の速度で走行する一定速走行(図13(a)参照)や、発進或いは停車(図13(b)参照)等といった、様々な走行状態が存在する。また、これ以外にも、先行車に追従して走行する状態(図14(a)参照)や、下り坂を走行する状態(図14(b)参照)や、郊外を走行する状態(図15参照)や、市街地を走行する状態(図16参照)等を、車両の走行状態の一つとして捉えることもできる。そして、各走行状態においては、運転態様は互いに異なるものとなり、ドライバは、走行状態に応じてエコ運転度の高い運転態様を学習することが望ましい。
【0005】
ここで、特許文献1には、アクセル開度やエアコンの使用の有無や燃費等といった複数の観点からエコ運転度を総合的に評価し、過去1分間におけるエコ運転度や、1トリップ(運転開始時点から現在までの期間)におけるエコ運転度をドライバに提示する車載装置について記載されている。
【0006】
しかしながら、過去1分間のエコ運転度が提示されるといっても、該エコ運転度の評価期間が明示されないため、ドライバは該評価期間を正確に認識することはできず、該エコ運転度の評価がなされた運転態様を正確に把握することは困難である。また、1トリップのエコ運転度が提示されるといっても、運転時間が長時間にわたる場合等には、ドライバが1トリップにおける運転態様を全て正確に把握することは非常に困難である。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の車載装置では、過去1分間或いは1トリップのエコ運転度が常時表示され、運転時間の経過と共に随時更新されるという構成であるため、ドライバが過去の所定期間におけるエコ運転度を把握することは非常に困難である。このため、複数の評価期間におけるエコ運転度及び運転態様を互いに比較するといったことを、容易に行うことはできない。
【0008】
また、エコ運転度の一つとして車両の燃費を挙げることができるが、特許文献2には、アクセル操作やブレーキ操作等といった特定の運転操作が行われた際の自車両の燃費を表示する車載装置について記載されている。
【0009】
しかしながら、運転時間が長時間にわたる場合や、特定の運転操作が多くの回数にわたり行われた場合等には、該運転操作をどのように行ったかをドライバが全て記憶しておくことは非常に困難であるため、どのようにして特定の運転操作を行えばエコ運転度が向上するかを学習することは容易ではない。
【0010】
さらに、特許文献1,2に記載の車載装置では、走行状態を考慮することなくエコ運転の評価がなされ、ドライバは、特定の走行状態となった時のエコ運転度を把握することができない。このため、特許文献1,2に記載の車載装置を用いたとしても、特定の走行状態に応じたエコ運転度の高い運転態様を学習することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−38647号公報
【特許文献2】特開2010−83276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、特許文献1,2に記載の車載装置を用いたとしても、容易且つ効率的にエコ運転度の高い運転態様について学習することはできず、エコ運転のスキルを向上させることは困難であった。
【0013】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、より容易にエコ運転のスキルを向上させることができる運転評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の運転評価装置は、排気ガスの排出、或いは、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転が、自車両においてどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測する。そして、エコ運転度の計測を指示する開始指示と、エコ運転度の計測を終了させる終了指示とを受け付ける受付手段と、運転中における自車両の状態である車両状態を検知する検知手段と、受付手段を介して開始指示を受け付けた時点から、終了指示を受け付けた時点までの計測期間を、エコ運転度の計測を行う評価期間とし、該評価期間において検知手段により検知された車両状態に基づき、エコ運転度を計測する計測手段と、計測手段により計測されたエコ運転度を報知するエコ運転度報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、エコ運転の評価を行う評価期間を自由に設定することができるため、ドライバは、該評価期間を正確に把握し易くなり、また、自身の記憶力等に応じて評価期間の長さを適切に設定することも可能となる。このため、ドライバは、評価期間における運転態様をより正確に把握することが可能となると共に、複数の評価期間におけるエコ運転度を容易に知ることができ、各評価期間における評価結果と運転態様とを互いに比較するといったことを容易に行うことができる。したがって、ドライバは、エコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0016】
また、上述の構成によれば、特定の走行状態となる期間をエコ運転の評価期間とすることもできる。そして、このようにして評価期間を設定することで、特定の走行状態となったときのエコ運転度を容易に把握することができ、特定の走行状態においてのエコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0017】
ここで、エコ運転度を燃費、運転態様を自車両の車速、アクセル操作、或いはブレーキ操作として、上述の構成により、特定の走行状態におけるエコ運転度の高い運転態様を容易且つ効率的に学習することが可能となることについて、具体例を挙げて説明する。
【0018】
例えば、ドライバは、自車両が一定の車速で走行する走行状態である一定速走行となった期間のエコ運転度(燃費)を把握することで、一定速走行の際に燃費が良くなる車速を学習することが可能となる(図13(a)参照)。また、例えば、停車や発進といった走行状態に関しても、同様に、停車或いは発進を行う期間の燃費を計測することで、燃費の良い状態で自車両を停車させるアクセルオフタイミングを学習することや、燃費の良い状態で自車両を発進させるアクセル操作を学習することが可能となる(図13(b)参照)。
【0019】
また、これ以外にも、ドライバは、例えば、先行車に追従して走行する走行状態である先行車追従となったときの燃費を把握することで、先行車追従の際、燃費を良好に保ちつつ、先行車との間に適切な車間距離を保持することができるアクセル操作やブレーキ操作を学習することが可能となる(図14(a)参照)。また、ドライバは、例えば、下り坂を走行する走行状態である下り坂走行となったときの燃費を把握することで、下り坂走行の際に燃費が良くなるアクセル操作やブレーキ操作を学習することが可能となる(図14(b)参照)。また、ドライバは、例えば、郊外走行の際や市街地走行の際の燃費を把握することで、これらの走行状態となった際の平均車速と燃費との相関関係を把握することができ、燃費の良い平均車速を学習することが可能となる(図15,16参照)。
【0020】
このように、請求項1に記載の運転評価装置を用いてエコ運転の評価を行うことで、容易且つ効率的にエコ運転度の高い運転態様について学習することが可能となり、これにより、より容易にエコ運転のスキルを向上させることができる。
【0021】
なお、運転評価装置は、例えば、車両状態が検知された瞬間のエコ運転度を計測して表示しても良いが、請求項2に記載されているように、評価期間において検知手段により複数回にわたり検知された車両状態に基づき、該評価期間全体におけるエコ運転度を計測して表示しても良い。これにより、ドライバは、評価期間におけるエコ運転度を把握し易くなる。
【0022】
また、例えば、特定の走行状態についてのエコ運転度を計測している最中に、該走行状態が一時的に中断されるという場合が想定される。
そこで、請求項3に記載の運転評価装置は、受付手段は、計測期間において、エコ運転度の計測を中断させる中断指示と、中断されたエコ運転度の計測を再開させる再開指示とをさらに受け付け、計測手段は、計測期間において、受付手段を介して中断指示を受け付けると共に、該中断指示を受け付けた後に再開指示を受け付けた場合には、該中断指示を受け付けた時点から該再開指示を受け付けた時点までの期間を中断期間とし、計測期間から中断期間を除いた計測実施期間を評価期間として前記エコ運転度を計測する。
【0023】
こうすることにより、特定の走行状態についてのエコ運転度の計測中に該走行状態が一時的に中断された場合であっても、これに応じてエコ運転度の計測を中断,再開することができ、特定の走行状態についてのエコ運転度の計測をより容易に行うことができる。
【0024】
また、請求項4に記載されているように、運転評価装置は、現時点が計測期間かどうかを報知する計測期間報知手段をさらに備えても良いし、請求項5に記載されているように、現時点が計測実施期間かどうかを報知すると共に、現時点が中断期間かどうかを報知する計測実施期間報知手段をさらに備えても良い。
【0025】
こうすることにより、ドライバは、エコ運転度の計測が行われているかどうかを容易に判別することができる。このため、エコ運転の評価期間をより容易に把握することができ、運転評価装置の使い勝手を向上させることができる。
【0026】
なお、エコ運転度とは、請求項6に記載されているように、計測手段により計測される評価期間全体におけるエコ運転度とは、該評価期間全体における自車両の燃費であっても良い。
【0027】
また、請求項7に記載の運転評価装置のように、検知手段は、車両状態として、自車両の速度と、自車両のアクセルの操作量とを検知し、計測手段は、評価期間において複数回にわたり検知された速度と操作量についての標準偏差をそれぞれ算出し、これらの標準偏差の比を、エコ運転度として計測しても良い。
【0028】
また、請求項8に記載の運転評価装置のように、検知手段は、自車両の加速度を検知し、計測手段は、検知手段により検知された加速度に基づき、評価期間において発生した自車両の急加速の回数を、エコ運転度として計測しても良い。また、請求項9に記載の運転評価装置のように、計測手段は、検知手段により検知された加速度に基づき、評価期間において発生した自車両の急減速の回数を、エコ運転度として計測しても良い。
【0029】
このような計測値をエコ運転度としてドライバに提示することで、ドライバのエコ運転のスキルを向上させることが可能となる。
ところで、複数の評価期間におけるエコ運転度の比較を容易化するため、運転評価装置は次のような構成を有していても良い。
【0030】
すなわち、請求項10に記載されているように、エコ運転度報知手段は、計測手段により計測された最新の評価期間におけるエコ運転度を表示すると共に、該最新の評価期間の一つ前の評価期間を含む連続した1以上の評価期間におけるエコ運転度を表示しても良い。
【0031】
このような構成によれば、最新のエコ運転度の計測結果と、直近に行われた1または複数の評価期間におけるエコ運転度とを容易に比較することができ、エコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0032】
また、既に述べたように、郊外を走行する状態や市街地を走行する状態等、車両には様々な走行状態が存在するが、各走行状態の運転態様は互いに異なるものとなり、ドライバは、走行状態に応じてエコ運転度の高い運転態様を学習することが望ましい。
【0033】
そこで、請求項11に記載の運転評価装置は、評価期間における自車両の走行経路を検出する走行経路検出手段と、エコ運転度報知手段によりエコ運転度が報知される際に、該エコ運転度に係る評価期間における自車両の走行経路を表示する走行経路表示手段と、をさらに備える。
【0034】
このような構成によれば、エコ運転度の報知と共に、該エコ運転度が計測された際の自車両の走行経路が表示され、この走行経路からは自車両の走行状態を把握することが可能である。このため、ドライバは、走行状態と、該走行状態におけるエコ運転度とを対応付けて把握することができ、走行状態に応じたエコ運転度の高い運転態様をより容易に学習することが可能となる。
【0035】
また、エコ運転度の報知方法として、エコ運転度の計測結果を画像により報知することが考えられるが、走行状態等によっては、ドライバがエコ運転度の計測結果を視認することが困難となる場合も想定される。
【0036】
そこで、請求項12に記載の運転評価装置は、自車両を運転するドライバの視線方向を検出する視線方向検出手段をさらに備え、エコ運転度報知手段は、画像によりエコ運転度を報知すると共に、該画像による報知を行った後、視線方向検出手段により検出されたドライバの視線方向に基づき該ドライバが該画像を視認したか否かを判定し、否定判定が得られた場合には、さらに、音声により該エコ運転度を報知する。
【0037】
こうすることにより、ドライバに対し、より確実にエコ運転度の計測結果を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第一実施形態におけるエコ運転学習装置等の構成を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態におけるエコ運転度の計測結果の表示画面の説明図と、初期化処理のフローチャートである。
【図3】第一実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図4】第一実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図5】第二実施形態におけるエコ運転度の計測結果の表示画面の説明図と、初期化処理のフローチャートである。
【図6】第二実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図7】第三実施形態におけるエコ運転学習装置等の構成を示すブロック図と、初期化処理のフローチャートである。
【図8】第三実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図9】開始/終了ボタン等の操作状態や車速等の変化を示すタイミングチャートと、エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図10】エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図11】開始/終了ボタン等の操作状態や車速等の変化を示すタイミングチャートと、エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図12】エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図13】走行状態(一定速走行,停車,発進)についての説明図である。
【図14】走行状態(先行車追従,下り坂走行)についての説明図である。
【図15】走行状態(郊外走行)についての説明図である。
【図16】走行状態(市街地走行)についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0040】
[第一実施形態]
[構成の説明]
まず、車両に搭載され、排気ガスの排出、或いは、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転を学習するために用いられる第一実施形態のエコ運転学習装置の構成について、図1(a)に記載のブロック図を用いて説明する。
【0041】
図1(a)に記載されているように、エコ運転学習装置10は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、ROMに記憶されたプログラムに従い当該エコ運転学習装置10を統括制御する制御部11と、液晶ディスプレイ等から構成される表示部12と、ドライバから各種操作を受け付ける操作部13とを有している。
【0042】
制御部11は、自車両のエンジンにおいて1回の開弁により噴射される燃料の量である燃料噴射量(mm3),エンジン回転数(rpm),車速(km/h),アクセルの操作量であるアクセル踏み量(%),加速度センサ(図示なし)により検知された前後方向の加速度である前後加速度(m/s2)(以後、これらをまとめて車両状態とも記載)の測定値を収集するよう構成されている。これらの測定値は、例えば、他の装置(図示なし)にて測定され、車内LAN(図示なし)等を介して取得されたものであっても良いし、エコ運転学習装置10が備えるセンサ(図示なし)からの信号に基づき測定されたものであっても良い。
【0043】
なお、エコ運転学習装置10は、ナビゲーション装置と一体に構成されており、制御部11は、図示しない記憶装置に記憶されている地図データ等に基づき、表示部12を介して経路案内等を行う。
【0044】
また、操作部13は、エコ運転学習装置10に対し、エコ運転がどの程度行われたかを示すエコ運転度の計測の開始または終了を指示するための開始/終了ボタン13aと、エコ運転度の計測を一時的に中断させるための中断/再開ボタン13bとを備える。図1(b)に記載されているように、これらのボタンは、自車両のハンドル20に設けられている。そして、これらのボタンは、ON状態とOFF状態の二つの状態を有しており、当該ボタンが押されることで、ON状態とOFF状態が切り替わるよう構成されている。
【0045】
[動作の説明]
次に、第一実施形態のエコ運転学習装置10の動作について説明する。
(1)概要について
第一実施形態のエコ運転学習装置10は、ドライバにより設定された評価期間に得られた車両状態の測定値に基づき、該評価期間においてエコ運転がどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測し、ドライバに提示する。
【0046】
具体的には、エコ運転学習装置10は、ドライバにより開始/終了ボタン13aが押され、該ボタンがON状態となると、車両状態の測定値の収集を開始すると共に、開始/終了ボタン13aが再度押され、該ボタンがOFF状態となると、車両状態の測定値の収集を終了する。そして、開始/終了ボタン13aがON状態となった後から、該ボタンがOFF状態となるまでの計測期間を評価期間とし、評価期間に収集された測定値に基づき、該評価期間全体におけるエコ運転度を算出して表示部12に表示するのである。
【0047】
また、計測期間中に中断/再開ボタン13bが押され、該ボタンがON状態となった場合には、車両状態の測定値の収集を中断し、その後、中断/再開ボタン13bが再度押され、該ボタンがOFF状態となった際に、車両状態の測定値の収集を再開する。そして、中断/再開ボタン13bがON状態である期間を中断期間とすると共に、計測期間から中断期間を除いた計測実施期間を評価期間とし、該評価期間に収集された車両状態の測定値に基づき、該評価期間全体におけるエコ運転度を算出して表示部12に表示するのである。
【0048】
また、エコ運転度を表示する際には、最新の評価期間におけるエコ運転度と共に、前回の評価期間と、前々回の評価期間におけるエコ運転度が表示される(図2(a)参照)。なお、前回或いは前々回の評価期間が存在しないという場合には、対応する表示領域に“−”が表示される(図2(b)参照)。
【0049】
また、第一実施形態では、エコ運転度として、評価期間における燃費と、評価期間における車速の測定値の標準偏差をアクセル踏み量の測定値の標準偏差で除算した値(標準偏差比とも記載)と、評価期間において発生した急加速の回数及び急減速の回数とが計測される。なお、標準偏差比とは、アクセルの操作量に応じてどの程度車速が変化したかを示す値であり、この値が小さくなるにつれ、アクセルの操作に応じた車速の変化が発生しない度合いが高くなる。すなわち、この値が小さい程、エコ運転に適わない無駄なアクセル操作がより多く行われたことを示し、エコ運転度は低くなる。また、エコ運転度の具体的内容はこれらに限定されることは無く、エコ運転学習装置10は、上述したもの以外にも、様々な態様のエコ運転度を計測しても良い。
【0050】
以下では、エコ運転学習装置10にて行われるエコ運転度を計測するための処理について、具体的に説明する。
(2)初期化処理について
まず、エコ運転度の計測に用いられる各種変数を初期化する初期化処理について、図2(c)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転が開始される際等に実行される処理である。
【0051】
S105では、エコ運転学習装置10の制御部11は、自車両の燃費,車速の測定値の標準偏差,アクセル踏み量の測定値の標準偏差,急加速の発生回数,急減速の発生回数を示す各変数に0を設定し、これらの変数を初期化する。そして、S110に処理を移行する。
【0052】
S110では、制御部11は、車両状態の測定値を収集する時間であるサンプリング時間(上述の評価時間に相当),急加速及び急減速の発生回数を計測するために用いられる加速継続時間及び減速継続時間,エコ運転度の表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定し、これらの変数を初期化する。また、開始/終了ボタン13aの状態を示す変数(前回の開始/終了ボタン)をオン状態に設定し、該変数を初期化する。また、最新のエコ運転度の計測結果を示す今回のエコ運転度と、最新のエコ運転度の評価期間の一つ前の回に計測されたエコ運転度の計測結果を示す前回のエコ運転度と、前回のエコ運転度の評価期間の一つ前の回に計測された前々回のエコ運転度を示す各変数に0を設定することでこれらの変数を初期化し、本処理を終了する。
【0053】
(3)エコ運転度計測処理について
次に、エコ運転度を計測する処理であるエコ運転度計測処理について、図3,4に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、周期的(例えば100ms)に実行される処理である。
【0054】
S205では、エコ運転学習装置10の制御部11は、開始/終了ボタン13aがON状態かどうかを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S235に処理を移行する。
【0055】
S210では、制御部11は、中断/再開ボタン13bがON状態かどうかを判定する。そして、否定判定の場合には(S210:No)、S215に処理を移行し、肯定判定の場合には(S210:Yes)、図4のS360に処理を移行する。
【0056】
S215では、制御部11は、サンプリング時間に当該エコ運転度計測処理の実行周期であるΔTs(例えば100ms)を加算することで該サンプリング時間を更新し、S220に処理を移行する。
【0057】
S220では、制御部11は、車両状態(燃料噴射量,エンジン回転数,車速,アクセル踏み量,前後加速度)の測定値を取得し、S225に処理を移行する。
S225では、制御部11は、サンプリング時間内において収集された車両状態の測定値に基づき、サンプリング時間内における燃料噴射量の積算値,車両の移動距離を算出し、これらに基づきサンプリング時間内における燃費を算出する。また、サンプリング時間内の車速の測定値,アクセル踏み量の測定値から、車速の測定値の標準偏差,アクセル踏み量の測定値の標準偏差を算出し、S230に処理を移行する。
【0058】
S230では、制御部11は、車速の測定値の標準偏差をアクセル踏み量の測定値の標準偏差で除算した値(標準偏差比)を算出し、図4のS305に処理を移行する。
図4のS305では、制御部11は、最新の前後加速度の測定値が閾値Gp(例えば4m/s2)を超えるかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S305:Yes)、S310に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S305:No)、S325に処理を移行する。
【0059】
S310では、制御部11は、閾値Gpを超える加速が継続した時間を示す加速継続時間にΔTsを加算することで該加速継続時間を更新し、S315に処理を移行する。
S315では、制御部11は、加速継続時間が閾値Tgp(例えば2s)を超えたかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S315:Yes)、S320に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S315:No)、S330に処理を移行する。
【0060】
S320では、制御部11は、サンプリング時間において、閾値Gpを超える加速が発生した回数である急加速回数に1を加算し、S330に処理を移行する。なお、このとき、加速継続時間に0を設定し、加速継続時間を初期化しても良い。
【0061】
S305にて最新の前後加速度の測定値がGp以下であると判定された場合に移行するS325では、制御部11は、加速継続時間に0を設定して加速継続時間を初期化し、S330に処理を移行する。
【0062】
S330では、制御部11は、最新の前後加速度の測定値が閾値Gn(例えば−5m/s2)を下回るかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S330:Yes)、S335に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S330:No)、S350に処理を移行する。
【0063】
S335では、制御部11は、閾値Gnを下回る減速が継続した時間を示す減速継続時間にΔTsを加算することで該減速継続時間を更新し、S340に処理を移行する。
S340では、制御部11は、減速継続時間が閾値Tgn(例えば2s)を超えたかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S340:Yes)、S345に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S340:No)、S355に処理を移行する。
【0064】
S345では、制御部11は、サンプリング時間において、閾値Gnを下回る減速が発生した回数である急減速回数に1を加算し、S355に処理を移行する。なお、このとき、減速継続時間に0を設定し、減速継続時間を初期化しても良い。
【0065】
S330にて最新の前後加速度の測定値がGn以上であると判定された場合に移行するS350では、制御部11は、減速継続時間に0を設定して減速継続時間を初期化し、S355に処理を移行する。
【0066】
S355では、制御部11は、エコ運転度の計測中である旨を表示部12に表示し、S295に処理を移行する。
S210にて中断/再開ボタン13bがON状態であると判定された場合に移行するS360では、制御部11は、エコ運転度の計測を中断している旨を表示部12に表示し、S295に処理を移行する。
【0067】
S295では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオン状態に設定し、本処理を終了する。
また、S205にて開始/終了ボタン13aがOFF状態であると判定された場合に移行するS235では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンがオン状態か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S235:Yes)、S240に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S235:No)、S245に処理を移行する。
【0068】
S240では、制御部11は、前回のエコ運転度を前々回のエコ運転度を示す変数に設定すると共に、今回のエコ運転度を前回のエコ運転度を示す変数に設定する。また、計測した最新のエコ運転度を今回のエコ運転度を示す変数に設定し、S245に処理を移行する。なお、このとき、評価期間における燃費,標準偏差比,急加速の回数,急減速の回数の全てのエコ運転度を設定しても良いし、ドライバにより選択されたエコ運転度を設定しても良い。
【0069】
S245では、制御部11は、サンプリング時間が閾値Ts(例えば2s)を超えるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S245:Yes)、S250に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S245:No)、S265に処理を移行する。
【0070】
S250では、制御部11は、エコ運転度の表示時間が閾値Td(例えば10s)を超えるか否かを判定し、否定判定が得られた場合には(S250:No)、S255に処理を移行すると共に、肯定判定が得られた場合には(S250:Yes)、S275に処理を移行する。
【0071】
S255では、制御部11は、表示時間に当該エコ運転度計測処理の実行周期であるΔTsを加算することで、該表示時間を更新し、S260に処理を移行する。
S260では、制御部11は、前々回のエコ運転度と、前回のエコ運転度と、今回のエコ運転度を表示部12に表示する。このとき、評価期間における燃費,標準偏差比,急加速の回数,急減速の回数の全てのエコ運転度を表示しても良いし、ドライバにより選択されたエコ運転度を表示しても良い。そして、制御部11は、S285に処理を移行する。
【0072】
S245にてサンプリング時間がTs以下であると判定された場合に移行するS265では、制御部11は、サンプリング時間が0であるかどうかを判定する。そして、否定判定の場合には(S265:No)、制御部11は、表示部12にサンプリング時間が短い旨を伝えるメッセージを表示した後に(S270)、S275に処理を移行する。一方、肯定判定の場合には(S265:Yes)、制御部11は、S275に処理を移行する。
【0073】
S275では、制御部11は、自車両の燃費,車速の測定値の標準偏差,アクセル踏み量の測定値の標準偏差,急加速の発生回数,急減速の発生回数を示す各変数に0を設定することでこれらの変数を初期化し、S280に処理を移行する。
【0074】
S280では、制御部11は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,エコ運転度の表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定することでこれらの変数を初期化し、S285に処理を移行する。
【0075】
S285では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオフ状態に設定し、本処理を終了する。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のエコ運転学習装置について説明する。第二実施形態のエコ運転学習装置は、第一実施形態と同様に構成されているが、エコ運転度の計測結果の報知方法が異なっている。以下では、この相違点を中心に説明する。
【0076】
[動作の説明]
第二実施形態のエコ運転学習装置10では、第一実施形態と同様にしてエコ運転度の計測が行われるが、図5(a)に記載の説明図が示すように、エコ運転度の計測結果と共に、該エコ運転度を計測する際に自車両が走行した評価区間400が表示される。第二実施形態のエコ運転学習装置10は、この点で第一実施形態と相違しており、以下では、第二実施形態における初期化処理とエコ運転度計測処理について説明する。
【0077】
(1)初期化処理について
まず、エコ運転度の計測に用いられる各種変数を初期化する初期化処理について、図5(b)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転が開始される際等に実行される処理である。
【0078】
S405では、エコ運転学習装置10の制御部11は、第一実施形態の初期化処理のS105と同様の処理を行い、S410に処理を移行する。
S410では、制御部11は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定すると共に、前回の開始/終了ボタンをオン状態に設定することでこれらの変数を初期化し、本処理を終了する。
【0079】
(2)エコ運転度計測処理について
次に、エコ運転度を計測する処理であるエコ運転度計測処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、第二実施形態のエコ運転度計測処理では、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS305〜S360が実行されるが、これらのステップに対応するフローチャートについては、図4を参照されたい。また、本処理は、周期的(例えば100ms)に実行される処理である。
【0080】
S502では、エコ運転学習装置10の制御部11は、開始/終了ボタン13aがON状態かどうかを判定する。そして、肯定判定の場合には(S502:Yes)、S504に処理を移行し、否定判定の場合には(S502:No)、S518に処理を移行する。
【0081】
S504では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンがオン状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S504:Yes)、S508に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S504:No)、S506に処理を移行する。
【0082】
S506では、制御部11は、エコ運転度の計測中に自車両が走行した経路である評価区間の検出を開始し、S508に処理を移行する。具体的には、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星から受信した信号により車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信器や、ジャイロスコープや、車両の前後方向の加速度等から走行距離を検出する距離センサ等から構成された位置検出器(図示なし)や地図データ(図示なし)により自車両の現在地を定期的に測定することで、評価区間を検出する。
【0083】
S508では、制御部11は、中断/再開ボタン13bがON状態かどうかを判定し、否定判定の場合には(S508:No)、S510に処理を移行すると共に、肯定判定の場合には(S508:Yes)、図4のS360に処理を移行する。なお、S360の実行後には、S542に処理が移行される。
【0084】
なお、S510〜S516の各ステップは、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS215〜S230の各ステップと同一であるため説明を省略する。また、第一実施形態のエコ運転度計測処理と同様、S516の実行後は、S305〜S355の各ステップが順次実行される。そして、S355の実行後は、S542に処理が移行される。
【0085】
S542では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオン状態に設定し、本処理を終了する。
また、S502にて開始/終了ボタン13aがOFF状態であると判定された場合に移行するS518では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンがオン状態か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S518:Yes)、S520に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S518:No)、S522に処理を移行する。
【0086】
S520では、制御部11は、評価区間の検出を終了し、S522に処理を移行する。
なお、S522〜S526,S534〜S540の各ステップは、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS245〜S255,S265〜S280の各ステップと同一であるため、説明を省略する。また、S526の実行後はS528に処理が移行されると共に、S540の実行後はS532に処理が移行される。
【0087】
S528では、制御部11は、計測したエコ運転度を表示部12に表示し、S530に処理を移行する。
S530では、制御部11は、検出した計測区間を表示部12に表示し、S532に処理を移行する。
【0088】
S532では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオフ状態に設定し、本処理を終了する。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のエコ運転学習装置について説明する。第三実施形態のエコ運転学習装置もまた、エコ運転度の計測結果の報知方法において、第一,第二実施形態のエコ運転学習装置と異なっている。以下では、この相違点を中心に説明する。
【0089】
[構成の説明]
まず、第三実施形態のエコ運転学習装置30の構成について、図7(a)に記載のブロック図を用いて説明する。
【0090】
図7(a)に記載されているように、エコ運転学習装置30は、第一実施形態と同様の制御部31,表示部32,操作部34を備えると共に、これらに加え、音声を出力するための音声発生部33を備える。
【0091】
また、第一実施形態と同様、制御部31では、他の装置やセンサ等により、燃料噴射量(mm3),エンジン回転数(rpm),車速(km/h),アクセル踏み量(%),前後加速度(m/s2)等の車両状態が収集される。
【0092】
また、これらに加え、ドライバ監視装置(図示なし)から、車両の正面方向を基準としたドライバの視線の左右方向の角度である視線左右角度(deg)と、水平方向を基準としたドライバの視線の上下方向の角度である視線上下角度(deg)が入力される。
【0093】
なお、ドライバ監視装置では、カメラ(図示なし)によりドライバの顔が撮影されると共に、周知の方法によりドライバの顔画像データが解析され、ドライバの視線左右角度や視線上下角度が検出される。
【0094】
[動作の説明]
第三実施形態のエコ運転学習装置30では、第一,第二実施形態と同様にしてエコ運転度の計測が行われるが、エコ運転度を表示した後、ドライバにより該エコ運転度が視認されなかった場合には、音声によりエコ運転度が通知される。以下では、第三実施形態における初期化処理とエコ運転度計測処理について説明する。
【0095】
(1)初期化処理について
まず、エコ運転度の計測に用いられる各種変数を初期化する初期化処理について、図7(b)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転が開始される際等に実行される処理である。
【0096】
S605では、エコ運転学習装置30の制御部31は、第一実施形態の初期化処理のS105と同様の処理を行い、S610に処理を移行する。
S610では、制御部31は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定することで、これらの変数を初期化する。また、ドライバがエコ運転学習装置30に表示されたエコ運転度を視認したことを示すディスプレイ視認フラグに0を設定することで該フラグを初期化し、本処理を終了する。
【0097】
(2)エコ運転度計測処理について
次に、エコ運転度を計測する処理であるエコ運転度計測処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、第三実施形態のエコ運転度計測処理では、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS305〜S360が実行されるが、これらのステップに対応するフローチャートについては、図4を参照されたい。また、本処理は、周期的(例えば100ms)に実行される処理である。
【0098】
S705では、エコ運転学習装置30の制御部31は、開始/終了ボタンがON状態かどうかを判定する。そして、肯定判定の場合には(S705:Yes)、S710に処理を移行し、否定判定の場合には(S705:No)、S735に処理を移行する。
【0099】
なお、S710〜S730の各ステップは、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS210〜S230の各ステップと同一であるため説明を省略する。また、第一実施形態のエコ運転度計測処理と同様、S730の実行後は、S305〜S355のステップが順次実行されると共に、S710で肯定判定が得られた場合(S710:Yes)には、S360が実行され、S355やS360の実行後に、本処理は終了する。
【0100】
また、S705にて開始/終了ボタンがOFF状態であると判定された場合に移行するS735では、制御部31は、サンプリング時間が閾値Ts(例えば2s)を超えるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S735:Yes)、S740に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S735:No)、S775に処理を移行する。
【0101】
S740では、制御部31は、エコ運転度の表示時間が閾値Td(例えば10s)を超えるか否かを判定し、否定判定が得られた場合には(S740:No)、S745に処理を移行すると共に、肯定判定が得られた場合には(S740:Yes)、S765に処理を移行する。
【0102】
S745では、制御部31は、第一実施形態のエコ運転度計測処理のS255と同様の処理を行い、S750に処理を移行する。
S750では、制御部31は、計測したエコ運転度を表示部32に表示し、S755に処理を移行する。
【0103】
S755では、制御部31は、視線左右角度(deg)と視線上下角度(deg)とにより、ドライバの視線方向がエコ運転学習装置30の表示部32の配置位置に向いているか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S755:Yes)、ドライバが表示部32に表示されたエコ運転度を視認したものとみなし、S760に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S755:No)、本処理を終了する。
【0104】
S760では、制御部31は、ディスプレイ視認フラグに1を設定し、本処理を終了する。
一方、S740にて否定判定が得られた場合に移行するS765では、制御部31は、ディスプレイ視認フラグが1であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S765:Yes)、S785に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S765:No)、S770に処理を移行する。
【0105】
S770では、制御部31は、音声発生部33を介して、音声によりドライバにエコ運転度を通知し、S785に処理を移行する。
また、S735にてサンプリング時間がTs以下であると判定された場合に移行するS775では、制御部31は、サンプリング時間が0であるかどうかを判定する。そして、否定判定の場合には(S775:No)、制御部31は、表示部32にサンプリング時間が短い旨を伝えるメッセージを表示した後に(S780)、S785に処理を移行する。一方、肯定判定の場合には(S775:Yes)、制御部31は、S785に処理を移行する。
【0106】
S785では、制御部31は、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS275と同様の処理を実行し、S790に処理を移行する。
S790では、制御部11は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,エコ運転度の表示時間を示す各変数と、ディスプレイ視認フラグにそれぞれ0を設定することでこれらの変数を初期化し、本処理を終了する。
【0107】
[具体例について]
次に、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置を用いて行われたエコ運転度の計測の具体例について説明する。なお、既に述べたように、車両の運転においては、一定の速度で走行する一定速走行(図13(a)参照)や、発進或いは停車(図13(b)参照)等といった、様々な走行状態が存在する。また、これ以外にも、先行車に追従して走行する状態(図14(a)参照)や、下り坂を走行する状態(図14(b)参照)や、郊外を走行する状態(図15)や、市街地を走行する状態(図16)等を、車両の走行状態の一つとして捉えることもできる。ここでは、自車両の発進と、一定速走行におけるエコ運転度の計測の具体例について説明する。
【0108】
(1)発進におけるエコ運転度の計測の一例
まず、図9,10に記載の説明図を用いて、自車両の発進におけるエコ運転度の計測の一例を説明する。図9(a)には、開始/終了ボタン及び中断/再開ボタンの操作状態の変化と、自車両のアクセル踏み量及び車速の変化を示すタイミングチャートが記載されている。以下では、このタイミングチャートにおける(1)〜(5)の各時期にエコ運転学習装置にて行われる処理や、表示部に表示される画像について説明する。
【0109】
上記タイミングチャートにおける(1)の時期に関して、該時期ではエコ運転度の計測が開始されておらず、エコ運転学習装置の表示部には、自車両の現在地を示す地図画像が表示される(図9(b−1)参照)。
【0110】
そして、自車両が交差点で停止した後、上記タイミングチャートにおけるToの時点で開始/終了ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、エコ運転学習装置によるエコ運転度の計測が開始され、エコ運転の評価期間(上記タイミングチャートの(2)の時期)となる。このとき、図9(b−2)の説明図が示すように、表示部にはエコ運転度の計測が行われていることを示すアイコンが表示される。また、既に説明したように、この評価期間には、エコ運転学習装置では周期的にアクセル踏み量や車速等の測定値が収集され、新たな測定値が収集される度にエコ運転度が更新される。
【0111】
その後、開始/終了ボタンが押され、該ボタンがOFF状態となると(上記タイミングチャートの(3)の時期)、エコ運転の評価期間が終了し、表示部には、エコ運転度の計測が終了した旨を示すアイコンが表示される(図10(a)参照)。そして、評価期間終了から10s間(上記タイミングチャートの(4)の時期)、該評価期間全体のエコ運転度を示すアイコンが表示部に表示され(図10(b)参照)、その後(上記タイミングチャートの(5)の時期)、該アイコンが消去される(図10(c)参照)。
【0112】
なお、図10(b)では、一例として燃費が表示されているが、ドライバに選択された他のエコ運転度を表示しても良いし、計測された全てのエコ運転度を表示しても良い。
また、図10(b)では、一例として最新のエコ運転度の計測結果のみが表示されているが、仮に第一実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、前回のエコ運転度と、前々回のエコ運転度とが表示される。
【0113】
また、第二実施形態のエコ運転度学習装置であれば、最新のエコ運転度と共に、該エコ運転度の計測区間が表示され、第三実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、音声により計測されたエコ運転度が通知される場合がある。
【0114】
(2)一定速走行におけるエコ運転度の計測の一例
次に、図11,12に記載の説明図を用いて、一定速走行におけるエコ運転度の計測の一例を説明する。図11(a)には、開始/終了ボタン及び中断/再開ボタンの操作状態の変化と、自車両のアクセル踏み量及び車速の変化を示すタイミングチャートが記載されている。以下では、このタイミングチャートにおける(1)〜(9)の各時点でエコ運転学習装置にて行われる処理や、表示部に表示される画像について説明する。
【0115】
まず、上記タイミングチャートにおける(1)の時期に関して、該時期ではエコ運転度の計測が開始されておらず、エコ運転学習装置の表示部には、自車両の現在地を示す地図画像が表示される(図11(b−1)参照)。
【0116】
その後、上記タイミングチャートにおけるToの時点で開始/終了ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、エコ運転学習装置によるエコ運転度の計測が開始され、エコ運転の評価期間(上記タイミングチャートの(2)の時期)となる。このとき、図11(b−2)の説明図が示すように、表示部には、エコ運転度の計測が行われていること示すアイコンが表示される。また、既に説明したように、この評価期間には、エコ運転学習装置では周期的にアクセル踏み量や車速等の測定値が収集され、新たな測定値が収集される度にエコ運転度が更新される。
【0117】
そして、例えば、自車両が交差点で停止する直前に中断/再開ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、中断期間となり(上記タイミングチャートの(3)の時期)、エコ運転度の計測が中断される。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が中断されている旨を示すアイコンが表示される(図11(b−3)参照)。
【0118】
その後、中断/再開ボタンが再び押され、該ボタンがOFF状態となると、中断期間が終了し、エコ運転度の計測が再開される(上記タイミングチャートの(4)の時期)。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が行われている旨を示すアイコンが再び表示される(図12(a)参照)。
【0119】
また、中断/再開ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、再び中断期間となり(上記タイミングチャートの(5)の時期)、エコ運転度の計測が中断される。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が中断されている旨を示すアイコンが表示される(図12(b)参照)。
【0120】
その後、中断/再開ボタンが再び押され、該ボタンがOFF状態となると、中断期間が終了し、エコ運転度の計測が再開される(上記タイミングチャートの(6)の時期)。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が行われている旨を示すアイコンが再び表示される(図12(c)参照)。
【0121】
その後、開始/終了ボタンが押され、該ボタンがOFF状態となると(上記タイミングチャートの(7)の時期)、エコ運転度の評価期間が終了し、表示部には、エコ運転度の計測が終了した旨を示すアイコンが表示される(図12(d)参照)。そして、評価期間終了から10s間(上記タイミングチャートの(8)の時期)、該評価期間全体のエコ運転度を示すアイコンが表示部に表示され(図12(e)参照)、その後(上記タイミングチャートの(9)の時期)、該アイコンが消去される(図12(f)参照)。
【0122】
また、図12(e)においても、仮に第一実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、前回のエコ運転度と、前々回のエコ運転度とが表示される。また、第二実施形態のエコ運転度学習装置であれば、最新のエコ運転度と共に、該エコ運転度の計測区間が表示され、第三実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、音声により計測されたエコ運転度が通知される場合がある。
【0123】
[効果]
第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置によれば、エコ運転の評価を行う評価期間を自由に設定することができるため、ドライバは、該評価期間を正確に把握し易くなり、また、自身の記憶力等に応じて評価期間の長さを適切に調整することも可能となる。このため、ドライバは、評価期間における運転態様をより正確に把握することが可能となると共に、複数の評価期間におけるエコ運転度を容易に知ることができ、各評価期間における評価結果と運転態様とを互いに比較するといったことを容易に行うことができる。したがって、エコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0124】
また、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置によれば、特定の走行状態となる期間を選択してエコ運転の評価期間とすることもできる。そして、このようにして評価期間を設定することで、特定の走行状態となったときのエコ運転度を容易に把握することができ、特定の走行状態においてのエコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0125】
このように、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置を用いてエコ運転の評価を行うことで、容易且つ効率的にエコ運転度の高い運転態様について学習することが可能となり、これにより、より容易にエコ運転のスキルを向上させることができる。
【0126】
[他の実施形態]
(1)第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置では、エコ運転の評価期間中は、車両状態の測定値が収集される度にサンプリング時間におけるエコ運転度が計測され、評価期間が終了した後に計測されたエコ運転度が表示されるという構成になっている。しかしながら、これに限定されることは無く、評価期間中においてもエコ運転度を常時表示しても良い。また、車両状態の測定値が得られる度に、該測定値が得られた時点を含む所定期間(例えば10s間)のエコ運転度を計測して表示し、評価期間中のエコ運転度をリアルタイムに表示しても良い。このような場合であっても、ドライバは、評価期間中のエコ運転度を把握することができ、エコ運転のスキルを向上させることができる。
【0127】
(2)また、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置は、ナビゲーション装置と一体に構成されているが、これに限定されることは無く、ナビゲーション装置以外の他の装置と一体に構成されていても良いし、単独の装置として構成されていても良い。
【0128】
なお、仮に第二実施形態のエコ運転学習装置が、ナビゲーション装置と別の装置として構成されている場合であれば、エコ運転学習装置は、エコ運転度を計測する際には、車内LAN等を介してナビゲーション装置と通信を行い、該ナビゲーション装置に評価区間を検出させることが考えられる。そして、ナビゲーション装置に対し、地図画像上に評価区間を表示させると共に、計測されたエコ運転度を表示させることが考えられる。
【0129】
また、第一〜第三実施形態では、経路案内等に用いられる液晶ディスプレイとして構成された表示部にエコ運転度等が表示される。しかしながら、このような液晶ディスプレイに限らず、メータ等として用いられる表示装置や、ヘッドアップディスプレイ等にエコ運転度を表示しても良い。また、音声によりエコ運転度をドライバに通知しても良い。
【0130】
(3)また、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置は、指定された評価期間において計測したエコ運転度を図示しない記憶装置に記憶し、ドライバからの指示に応じて該エコ運転度を表示部に表示しても良い。こうすることにより、複数の評価期間における評価結果と運転態様とを互いに比較するといったことをより容易に行うことが可能となる。
【0131】
(4)また、第一実施形態のエコ運転学習装置では、最新のエコ運転度に加え、前回,前々回のエコ運転度が表示されるが、これに限定されること無く、最新のエコ運転度に加え、前回のエコ運転度のみを表示しても良い。また、前々回のエコ運転度よりも前に計測されたエコ運転度と、この後に計測された全てのエコ運転度を表示しても良い。
【0132】
また、第二実施形態のエコ運転学習装置において、最新のエコ運転度に加え、前回,前々回に計測されたエコ運転度を表示し、さらに、各エコ運転度に対応する評価区間を表示しても良い。
【0133】
また、第一,第二実施形態のエコ運転学習装置においても、第三実施形態と同様にしてドライバが表示部に表示されたエコ運転度を視認したか否かを判定し、表示時間が経過した時点でドライバによりエコ運転度が視認されなかった場合には、音声により最新のエコ運転度や、前回,前々回のエコ運転度を通知しても良い。
【0134】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0135】
第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置10,30が運転評価装置に、操作部13,34が受付手段に、表示部12が計測期間報知手段,計測実施期間報知手段に相当する。
また、第一〜第三実施形態のエコ運転度計測処理のS220,S512,S720が検知手段に、S225,S230,S305〜S350,S514,S516,S725,S730が計測手段に、S260,S528,S750〜S770がエコ運転度報知手段に相当する。
【0136】
また、第二実施形態のエコ運転度計測処理のS506,S520が走行経路検出手段に、S530が、走行経路表示手段に相当する。
また、第三実施形態のエコ運転度計測処理のS755が、視線方向検出手段に相当する。
【0137】
また、開始/終了ボタンをON状態とする操作が開始指示に、開始/終了ボタンをOFF状態とする操作が終了指示に、中断/再開ボタンをON状態とする操作が中断指示に、中断/再開ボタンをOFF状態とする操作が再開指示に相当する。
【0138】
また、評価区間が、エコ運転度の評価期間における自車両の走行経路に相当する。
【符号の説明】
【0139】
10…エコ運転学習装置、11…制御部、12…表示部、13…操作部、13a…開始/終了ボタン、13b…中断/再開ボタン、20…ハンドル、30…エコ運転学習装置、31…制御部、32…表示部、33…音声発生部、34…操作部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の運転についての評価を行う運転評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
排気ガスの排出や、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転がどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測し、ドライバに通知する装置が知られている。このような装置を用いることにより、ドライバに対し自分の運転のエコ運転度を把握させることができ、エコ運転のスキルを向上させることや、エコ運転の実施を促すことができる。
【0003】
ところで、エコ運転のスキルを向上させるためには、ドライバは、エコ運転度と、該エコ運転度の評価がなされた運転態様とを把握し、エコ運転度の高い運転態様がどのようなものであるかを学習する必要がある。また、例えば、複数の評価期間を対象としてエコ運転の評価を行い、各評価期間におけるエコ運転度及び運転態様を互いに比較するといったことも、エコ運転度の高い運転態様を学習するうえで有効な方法であると考えられる。
【0004】
また、車両の運転においては、一定の速度で走行する一定速走行(図13(a)参照)や、発進或いは停車(図13(b)参照)等といった、様々な走行状態が存在する。また、これ以外にも、先行車に追従して走行する状態(図14(a)参照)や、下り坂を走行する状態(図14(b)参照)や、郊外を走行する状態(図15参照)や、市街地を走行する状態(図16参照)等を、車両の走行状態の一つとして捉えることもできる。そして、各走行状態においては、運転態様は互いに異なるものとなり、ドライバは、走行状態に応じてエコ運転度の高い運転態様を学習することが望ましい。
【0005】
ここで、特許文献1には、アクセル開度やエアコンの使用の有無や燃費等といった複数の観点からエコ運転度を総合的に評価し、過去1分間におけるエコ運転度や、1トリップ(運転開始時点から現在までの期間)におけるエコ運転度をドライバに提示する車載装置について記載されている。
【0006】
しかしながら、過去1分間のエコ運転度が提示されるといっても、該エコ運転度の評価期間が明示されないため、ドライバは該評価期間を正確に認識することはできず、該エコ運転度の評価がなされた運転態様を正確に把握することは困難である。また、1トリップのエコ運転度が提示されるといっても、運転時間が長時間にわたる場合等には、ドライバが1トリップにおける運転態様を全て正確に把握することは非常に困難である。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の車載装置では、過去1分間或いは1トリップのエコ運転度が常時表示され、運転時間の経過と共に随時更新されるという構成であるため、ドライバが過去の所定期間におけるエコ運転度を把握することは非常に困難である。このため、複数の評価期間におけるエコ運転度及び運転態様を互いに比較するといったことを、容易に行うことはできない。
【0008】
また、エコ運転度の一つとして車両の燃費を挙げることができるが、特許文献2には、アクセル操作やブレーキ操作等といった特定の運転操作が行われた際の自車両の燃費を表示する車載装置について記載されている。
【0009】
しかしながら、運転時間が長時間にわたる場合や、特定の運転操作が多くの回数にわたり行われた場合等には、該運転操作をどのように行ったかをドライバが全て記憶しておくことは非常に困難であるため、どのようにして特定の運転操作を行えばエコ運転度が向上するかを学習することは容易ではない。
【0010】
さらに、特許文献1,2に記載の車載装置では、走行状態を考慮することなくエコ運転の評価がなされ、ドライバは、特定の走行状態となった時のエコ運転度を把握することができない。このため、特許文献1,2に記載の車載装置を用いたとしても、特定の走行状態に応じたエコ運転度の高い運転態様を学習することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−38647号公報
【特許文献2】特開2010−83276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、特許文献1,2に記載の車載装置を用いたとしても、容易且つ効率的にエコ運転度の高い運転態様について学習することはできず、エコ運転のスキルを向上させることは困難であった。
【0013】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、より容易にエコ運転のスキルを向上させることができる運転評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の運転評価装置は、排気ガスの排出、或いは、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転が、自車両においてどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測する。そして、エコ運転度の計測を指示する開始指示と、エコ運転度の計測を終了させる終了指示とを受け付ける受付手段と、運転中における自車両の状態である車両状態を検知する検知手段と、受付手段を介して開始指示を受け付けた時点から、終了指示を受け付けた時点までの計測期間を、エコ運転度の計測を行う評価期間とし、該評価期間において検知手段により検知された車両状態に基づき、エコ運転度を計測する計測手段と、計測手段により計測されたエコ運転度を報知するエコ運転度報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、エコ運転の評価を行う評価期間を自由に設定することができるため、ドライバは、該評価期間を正確に把握し易くなり、また、自身の記憶力等に応じて評価期間の長さを適切に設定することも可能となる。このため、ドライバは、評価期間における運転態様をより正確に把握することが可能となると共に、複数の評価期間におけるエコ運転度を容易に知ることができ、各評価期間における評価結果と運転態様とを互いに比較するといったことを容易に行うことができる。したがって、ドライバは、エコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0016】
また、上述の構成によれば、特定の走行状態となる期間をエコ運転の評価期間とすることもできる。そして、このようにして評価期間を設定することで、特定の走行状態となったときのエコ運転度を容易に把握することができ、特定の走行状態においてのエコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0017】
ここで、エコ運転度を燃費、運転態様を自車両の車速、アクセル操作、或いはブレーキ操作として、上述の構成により、特定の走行状態におけるエコ運転度の高い運転態様を容易且つ効率的に学習することが可能となることについて、具体例を挙げて説明する。
【0018】
例えば、ドライバは、自車両が一定の車速で走行する走行状態である一定速走行となった期間のエコ運転度(燃費)を把握することで、一定速走行の際に燃費が良くなる車速を学習することが可能となる(図13(a)参照)。また、例えば、停車や発進といった走行状態に関しても、同様に、停車或いは発進を行う期間の燃費を計測することで、燃費の良い状態で自車両を停車させるアクセルオフタイミングを学習することや、燃費の良い状態で自車両を発進させるアクセル操作を学習することが可能となる(図13(b)参照)。
【0019】
また、これ以外にも、ドライバは、例えば、先行車に追従して走行する走行状態である先行車追従となったときの燃費を把握することで、先行車追従の際、燃費を良好に保ちつつ、先行車との間に適切な車間距離を保持することができるアクセル操作やブレーキ操作を学習することが可能となる(図14(a)参照)。また、ドライバは、例えば、下り坂を走行する走行状態である下り坂走行となったときの燃費を把握することで、下り坂走行の際に燃費が良くなるアクセル操作やブレーキ操作を学習することが可能となる(図14(b)参照)。また、ドライバは、例えば、郊外走行の際や市街地走行の際の燃費を把握することで、これらの走行状態となった際の平均車速と燃費との相関関係を把握することができ、燃費の良い平均車速を学習することが可能となる(図15,16参照)。
【0020】
このように、請求項1に記載の運転評価装置を用いてエコ運転の評価を行うことで、容易且つ効率的にエコ運転度の高い運転態様について学習することが可能となり、これにより、より容易にエコ運転のスキルを向上させることができる。
【0021】
なお、運転評価装置は、例えば、車両状態が検知された瞬間のエコ運転度を計測して表示しても良いが、請求項2に記載されているように、評価期間において検知手段により複数回にわたり検知された車両状態に基づき、該評価期間全体におけるエコ運転度を計測して表示しても良い。これにより、ドライバは、評価期間におけるエコ運転度を把握し易くなる。
【0022】
また、例えば、特定の走行状態についてのエコ運転度を計測している最中に、該走行状態が一時的に中断されるという場合が想定される。
そこで、請求項3に記載の運転評価装置は、受付手段は、計測期間において、エコ運転度の計測を中断させる中断指示と、中断されたエコ運転度の計測を再開させる再開指示とをさらに受け付け、計測手段は、計測期間において、受付手段を介して中断指示を受け付けると共に、該中断指示を受け付けた後に再開指示を受け付けた場合には、該中断指示を受け付けた時点から該再開指示を受け付けた時点までの期間を中断期間とし、計測期間から中断期間を除いた計測実施期間を評価期間として前記エコ運転度を計測する。
【0023】
こうすることにより、特定の走行状態についてのエコ運転度の計測中に該走行状態が一時的に中断された場合であっても、これに応じてエコ運転度の計測を中断,再開することができ、特定の走行状態についてのエコ運転度の計測をより容易に行うことができる。
【0024】
また、請求項4に記載されているように、運転評価装置は、現時点が計測期間かどうかを報知する計測期間報知手段をさらに備えても良いし、請求項5に記載されているように、現時点が計測実施期間かどうかを報知すると共に、現時点が中断期間かどうかを報知する計測実施期間報知手段をさらに備えても良い。
【0025】
こうすることにより、ドライバは、エコ運転度の計測が行われているかどうかを容易に判別することができる。このため、エコ運転の評価期間をより容易に把握することができ、運転評価装置の使い勝手を向上させることができる。
【0026】
なお、エコ運転度とは、請求項6に記載されているように、計測手段により計測される評価期間全体におけるエコ運転度とは、該評価期間全体における自車両の燃費であっても良い。
【0027】
また、請求項7に記載の運転評価装置のように、検知手段は、車両状態として、自車両の速度と、自車両のアクセルの操作量とを検知し、計測手段は、評価期間において複数回にわたり検知された速度と操作量についての標準偏差をそれぞれ算出し、これらの標準偏差の比を、エコ運転度として計測しても良い。
【0028】
また、請求項8に記載の運転評価装置のように、検知手段は、自車両の加速度を検知し、計測手段は、検知手段により検知された加速度に基づき、評価期間において発生した自車両の急加速の回数を、エコ運転度として計測しても良い。また、請求項9に記載の運転評価装置のように、計測手段は、検知手段により検知された加速度に基づき、評価期間において発生した自車両の急減速の回数を、エコ運転度として計測しても良い。
【0029】
このような計測値をエコ運転度としてドライバに提示することで、ドライバのエコ運転のスキルを向上させることが可能となる。
ところで、複数の評価期間におけるエコ運転度の比較を容易化するため、運転評価装置は次のような構成を有していても良い。
【0030】
すなわち、請求項10に記載されているように、エコ運転度報知手段は、計測手段により計測された最新の評価期間におけるエコ運転度を表示すると共に、該最新の評価期間の一つ前の評価期間を含む連続した1以上の評価期間におけるエコ運転度を表示しても良い。
【0031】
このような構成によれば、最新のエコ運転度の計測結果と、直近に行われた1または複数の評価期間におけるエコ運転度とを容易に比較することができ、エコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0032】
また、既に述べたように、郊外を走行する状態や市街地を走行する状態等、車両には様々な走行状態が存在するが、各走行状態の運転態様は互いに異なるものとなり、ドライバは、走行状態に応じてエコ運転度の高い運転態様を学習することが望ましい。
【0033】
そこで、請求項11に記載の運転評価装置は、評価期間における自車両の走行経路を検出する走行経路検出手段と、エコ運転度報知手段によりエコ運転度が報知される際に、該エコ運転度に係る評価期間における自車両の走行経路を表示する走行経路表示手段と、をさらに備える。
【0034】
このような構成によれば、エコ運転度の報知と共に、該エコ運転度が計測された際の自車両の走行経路が表示され、この走行経路からは自車両の走行状態を把握することが可能である。このため、ドライバは、走行状態と、該走行状態におけるエコ運転度とを対応付けて把握することができ、走行状態に応じたエコ運転度の高い運転態様をより容易に学習することが可能となる。
【0035】
また、エコ運転度の報知方法として、エコ運転度の計測結果を画像により報知することが考えられるが、走行状態等によっては、ドライバがエコ運転度の計測結果を視認することが困難となる場合も想定される。
【0036】
そこで、請求項12に記載の運転評価装置は、自車両を運転するドライバの視線方向を検出する視線方向検出手段をさらに備え、エコ運転度報知手段は、画像によりエコ運転度を報知すると共に、該画像による報知を行った後、視線方向検出手段により検出されたドライバの視線方向に基づき該ドライバが該画像を視認したか否かを判定し、否定判定が得られた場合には、さらに、音声により該エコ運転度を報知する。
【0037】
こうすることにより、ドライバに対し、より確実にエコ運転度の計測結果を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第一実施形態におけるエコ運転学習装置等の構成を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態におけるエコ運転度の計測結果の表示画面の説明図と、初期化処理のフローチャートである。
【図3】第一実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図4】第一実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図5】第二実施形態におけるエコ運転度の計測結果の表示画面の説明図と、初期化処理のフローチャートである。
【図6】第二実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図7】第三実施形態におけるエコ運転学習装置等の構成を示すブロック図と、初期化処理のフローチャートである。
【図8】第三実施形態におけるエコ運転度計測処理のフローチャートである。
【図9】開始/終了ボタン等の操作状態や車速等の変化を示すタイミングチャートと、エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図10】エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図11】開始/終了ボタン等の操作状態や車速等の変化を示すタイミングチャートと、エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図12】エコ運転度の計測中にエコ運転学習装置に表示される画像の説明図である。
【図13】走行状態(一定速走行,停車,発進)についての説明図である。
【図14】走行状態(先行車追従,下り坂走行)についての説明図である。
【図15】走行状態(郊外走行)についての説明図である。
【図16】走行状態(市街地走行)についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0040】
[第一実施形態]
[構成の説明]
まず、車両に搭載され、排気ガスの排出、或いは、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転を学習するために用いられる第一実施形態のエコ運転学習装置の構成について、図1(a)に記載のブロック図を用いて説明する。
【0041】
図1(a)に記載されているように、エコ運転学習装置10は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、ROMに記憶されたプログラムに従い当該エコ運転学習装置10を統括制御する制御部11と、液晶ディスプレイ等から構成される表示部12と、ドライバから各種操作を受け付ける操作部13とを有している。
【0042】
制御部11は、自車両のエンジンにおいて1回の開弁により噴射される燃料の量である燃料噴射量(mm3),エンジン回転数(rpm),車速(km/h),アクセルの操作量であるアクセル踏み量(%),加速度センサ(図示なし)により検知された前後方向の加速度である前後加速度(m/s2)(以後、これらをまとめて車両状態とも記載)の測定値を収集するよう構成されている。これらの測定値は、例えば、他の装置(図示なし)にて測定され、車内LAN(図示なし)等を介して取得されたものであっても良いし、エコ運転学習装置10が備えるセンサ(図示なし)からの信号に基づき測定されたものであっても良い。
【0043】
なお、エコ運転学習装置10は、ナビゲーション装置と一体に構成されており、制御部11は、図示しない記憶装置に記憶されている地図データ等に基づき、表示部12を介して経路案内等を行う。
【0044】
また、操作部13は、エコ運転学習装置10に対し、エコ運転がどの程度行われたかを示すエコ運転度の計測の開始または終了を指示するための開始/終了ボタン13aと、エコ運転度の計測を一時的に中断させるための中断/再開ボタン13bとを備える。図1(b)に記載されているように、これらのボタンは、自車両のハンドル20に設けられている。そして、これらのボタンは、ON状態とOFF状態の二つの状態を有しており、当該ボタンが押されることで、ON状態とOFF状態が切り替わるよう構成されている。
【0045】
[動作の説明]
次に、第一実施形態のエコ運転学習装置10の動作について説明する。
(1)概要について
第一実施形態のエコ運転学習装置10は、ドライバにより設定された評価期間に得られた車両状態の測定値に基づき、該評価期間においてエコ運転がどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測し、ドライバに提示する。
【0046】
具体的には、エコ運転学習装置10は、ドライバにより開始/終了ボタン13aが押され、該ボタンがON状態となると、車両状態の測定値の収集を開始すると共に、開始/終了ボタン13aが再度押され、該ボタンがOFF状態となると、車両状態の測定値の収集を終了する。そして、開始/終了ボタン13aがON状態となった後から、該ボタンがOFF状態となるまでの計測期間を評価期間とし、評価期間に収集された測定値に基づき、該評価期間全体におけるエコ運転度を算出して表示部12に表示するのである。
【0047】
また、計測期間中に中断/再開ボタン13bが押され、該ボタンがON状態となった場合には、車両状態の測定値の収集を中断し、その後、中断/再開ボタン13bが再度押され、該ボタンがOFF状態となった際に、車両状態の測定値の収集を再開する。そして、中断/再開ボタン13bがON状態である期間を中断期間とすると共に、計測期間から中断期間を除いた計測実施期間を評価期間とし、該評価期間に収集された車両状態の測定値に基づき、該評価期間全体におけるエコ運転度を算出して表示部12に表示するのである。
【0048】
また、エコ運転度を表示する際には、最新の評価期間におけるエコ運転度と共に、前回の評価期間と、前々回の評価期間におけるエコ運転度が表示される(図2(a)参照)。なお、前回或いは前々回の評価期間が存在しないという場合には、対応する表示領域に“−”が表示される(図2(b)参照)。
【0049】
また、第一実施形態では、エコ運転度として、評価期間における燃費と、評価期間における車速の測定値の標準偏差をアクセル踏み量の測定値の標準偏差で除算した値(標準偏差比とも記載)と、評価期間において発生した急加速の回数及び急減速の回数とが計測される。なお、標準偏差比とは、アクセルの操作量に応じてどの程度車速が変化したかを示す値であり、この値が小さくなるにつれ、アクセルの操作に応じた車速の変化が発生しない度合いが高くなる。すなわち、この値が小さい程、エコ運転に適わない無駄なアクセル操作がより多く行われたことを示し、エコ運転度は低くなる。また、エコ運転度の具体的内容はこれらに限定されることは無く、エコ運転学習装置10は、上述したもの以外にも、様々な態様のエコ運転度を計測しても良い。
【0050】
以下では、エコ運転学習装置10にて行われるエコ運転度を計測するための処理について、具体的に説明する。
(2)初期化処理について
まず、エコ運転度の計測に用いられる各種変数を初期化する初期化処理について、図2(c)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転が開始される際等に実行される処理である。
【0051】
S105では、エコ運転学習装置10の制御部11は、自車両の燃費,車速の測定値の標準偏差,アクセル踏み量の測定値の標準偏差,急加速の発生回数,急減速の発生回数を示す各変数に0を設定し、これらの変数を初期化する。そして、S110に処理を移行する。
【0052】
S110では、制御部11は、車両状態の測定値を収集する時間であるサンプリング時間(上述の評価時間に相当),急加速及び急減速の発生回数を計測するために用いられる加速継続時間及び減速継続時間,エコ運転度の表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定し、これらの変数を初期化する。また、開始/終了ボタン13aの状態を示す変数(前回の開始/終了ボタン)をオン状態に設定し、該変数を初期化する。また、最新のエコ運転度の計測結果を示す今回のエコ運転度と、最新のエコ運転度の評価期間の一つ前の回に計測されたエコ運転度の計測結果を示す前回のエコ運転度と、前回のエコ運転度の評価期間の一つ前の回に計測された前々回のエコ運転度を示す各変数に0を設定することでこれらの変数を初期化し、本処理を終了する。
【0053】
(3)エコ運転度計測処理について
次に、エコ運転度を計測する処理であるエコ運転度計測処理について、図3,4に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、周期的(例えば100ms)に実行される処理である。
【0054】
S205では、エコ運転学習装置10の制御部11は、開始/終了ボタン13aがON状態かどうかを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S235に処理を移行する。
【0055】
S210では、制御部11は、中断/再開ボタン13bがON状態かどうかを判定する。そして、否定判定の場合には(S210:No)、S215に処理を移行し、肯定判定の場合には(S210:Yes)、図4のS360に処理を移行する。
【0056】
S215では、制御部11は、サンプリング時間に当該エコ運転度計測処理の実行周期であるΔTs(例えば100ms)を加算することで該サンプリング時間を更新し、S220に処理を移行する。
【0057】
S220では、制御部11は、車両状態(燃料噴射量,エンジン回転数,車速,アクセル踏み量,前後加速度)の測定値を取得し、S225に処理を移行する。
S225では、制御部11は、サンプリング時間内において収集された車両状態の測定値に基づき、サンプリング時間内における燃料噴射量の積算値,車両の移動距離を算出し、これらに基づきサンプリング時間内における燃費を算出する。また、サンプリング時間内の車速の測定値,アクセル踏み量の測定値から、車速の測定値の標準偏差,アクセル踏み量の測定値の標準偏差を算出し、S230に処理を移行する。
【0058】
S230では、制御部11は、車速の測定値の標準偏差をアクセル踏み量の測定値の標準偏差で除算した値(標準偏差比)を算出し、図4のS305に処理を移行する。
図4のS305では、制御部11は、最新の前後加速度の測定値が閾値Gp(例えば4m/s2)を超えるかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S305:Yes)、S310に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S305:No)、S325に処理を移行する。
【0059】
S310では、制御部11は、閾値Gpを超える加速が継続した時間を示す加速継続時間にΔTsを加算することで該加速継続時間を更新し、S315に処理を移行する。
S315では、制御部11は、加速継続時間が閾値Tgp(例えば2s)を超えたかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S315:Yes)、S320に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S315:No)、S330に処理を移行する。
【0060】
S320では、制御部11は、サンプリング時間において、閾値Gpを超える加速が発生した回数である急加速回数に1を加算し、S330に処理を移行する。なお、このとき、加速継続時間に0を設定し、加速継続時間を初期化しても良い。
【0061】
S305にて最新の前後加速度の測定値がGp以下であると判定された場合に移行するS325では、制御部11は、加速継続時間に0を設定して加速継続時間を初期化し、S330に処理を移行する。
【0062】
S330では、制御部11は、最新の前後加速度の測定値が閾値Gn(例えば−5m/s2)を下回るかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S330:Yes)、S335に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S330:No)、S350に処理を移行する。
【0063】
S335では、制御部11は、閾値Gnを下回る減速が継続した時間を示す減速継続時間にΔTsを加算することで該減速継続時間を更新し、S340に処理を移行する。
S340では、制御部11は、減速継続時間が閾値Tgn(例えば2s)を超えたかどうかを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S340:Yes)、S345に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S340:No)、S355に処理を移行する。
【0064】
S345では、制御部11は、サンプリング時間において、閾値Gnを下回る減速が発生した回数である急減速回数に1を加算し、S355に処理を移行する。なお、このとき、減速継続時間に0を設定し、減速継続時間を初期化しても良い。
【0065】
S330にて最新の前後加速度の測定値がGn以上であると判定された場合に移行するS350では、制御部11は、減速継続時間に0を設定して減速継続時間を初期化し、S355に処理を移行する。
【0066】
S355では、制御部11は、エコ運転度の計測中である旨を表示部12に表示し、S295に処理を移行する。
S210にて中断/再開ボタン13bがON状態であると判定された場合に移行するS360では、制御部11は、エコ運転度の計測を中断している旨を表示部12に表示し、S295に処理を移行する。
【0067】
S295では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオン状態に設定し、本処理を終了する。
また、S205にて開始/終了ボタン13aがOFF状態であると判定された場合に移行するS235では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンがオン状態か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S235:Yes)、S240に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S235:No)、S245に処理を移行する。
【0068】
S240では、制御部11は、前回のエコ運転度を前々回のエコ運転度を示す変数に設定すると共に、今回のエコ運転度を前回のエコ運転度を示す変数に設定する。また、計測した最新のエコ運転度を今回のエコ運転度を示す変数に設定し、S245に処理を移行する。なお、このとき、評価期間における燃費,標準偏差比,急加速の回数,急減速の回数の全てのエコ運転度を設定しても良いし、ドライバにより選択されたエコ運転度を設定しても良い。
【0069】
S245では、制御部11は、サンプリング時間が閾値Ts(例えば2s)を超えるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S245:Yes)、S250に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S245:No)、S265に処理を移行する。
【0070】
S250では、制御部11は、エコ運転度の表示時間が閾値Td(例えば10s)を超えるか否かを判定し、否定判定が得られた場合には(S250:No)、S255に処理を移行すると共に、肯定判定が得られた場合には(S250:Yes)、S275に処理を移行する。
【0071】
S255では、制御部11は、表示時間に当該エコ運転度計測処理の実行周期であるΔTsを加算することで、該表示時間を更新し、S260に処理を移行する。
S260では、制御部11は、前々回のエコ運転度と、前回のエコ運転度と、今回のエコ運転度を表示部12に表示する。このとき、評価期間における燃費,標準偏差比,急加速の回数,急減速の回数の全てのエコ運転度を表示しても良いし、ドライバにより選択されたエコ運転度を表示しても良い。そして、制御部11は、S285に処理を移行する。
【0072】
S245にてサンプリング時間がTs以下であると判定された場合に移行するS265では、制御部11は、サンプリング時間が0であるかどうかを判定する。そして、否定判定の場合には(S265:No)、制御部11は、表示部12にサンプリング時間が短い旨を伝えるメッセージを表示した後に(S270)、S275に処理を移行する。一方、肯定判定の場合には(S265:Yes)、制御部11は、S275に処理を移行する。
【0073】
S275では、制御部11は、自車両の燃費,車速の測定値の標準偏差,アクセル踏み量の測定値の標準偏差,急加速の発生回数,急減速の発生回数を示す各変数に0を設定することでこれらの変数を初期化し、S280に処理を移行する。
【0074】
S280では、制御部11は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,エコ運転度の表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定することでこれらの変数を初期化し、S285に処理を移行する。
【0075】
S285では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオフ状態に設定し、本処理を終了する。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のエコ運転学習装置について説明する。第二実施形態のエコ運転学習装置は、第一実施形態と同様に構成されているが、エコ運転度の計測結果の報知方法が異なっている。以下では、この相違点を中心に説明する。
【0076】
[動作の説明]
第二実施形態のエコ運転学習装置10では、第一実施形態と同様にしてエコ運転度の計測が行われるが、図5(a)に記載の説明図が示すように、エコ運転度の計測結果と共に、該エコ運転度を計測する際に自車両が走行した評価区間400が表示される。第二実施形態のエコ運転学習装置10は、この点で第一実施形態と相違しており、以下では、第二実施形態における初期化処理とエコ運転度計測処理について説明する。
【0077】
(1)初期化処理について
まず、エコ運転度の計測に用いられる各種変数を初期化する初期化処理について、図5(b)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転が開始される際等に実行される処理である。
【0078】
S405では、エコ運転学習装置10の制御部11は、第一実施形態の初期化処理のS105と同様の処理を行い、S410に処理を移行する。
S410では、制御部11は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定すると共に、前回の開始/終了ボタンをオン状態に設定することでこれらの変数を初期化し、本処理を終了する。
【0079】
(2)エコ運転度計測処理について
次に、エコ運転度を計測する処理であるエコ運転度計測処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、第二実施形態のエコ運転度計測処理では、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS305〜S360が実行されるが、これらのステップに対応するフローチャートについては、図4を参照されたい。また、本処理は、周期的(例えば100ms)に実行される処理である。
【0080】
S502では、エコ運転学習装置10の制御部11は、開始/終了ボタン13aがON状態かどうかを判定する。そして、肯定判定の場合には(S502:Yes)、S504に処理を移行し、否定判定の場合には(S502:No)、S518に処理を移行する。
【0081】
S504では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンがオン状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S504:Yes)、S508に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S504:No)、S506に処理を移行する。
【0082】
S506では、制御部11は、エコ運転度の計測中に自車両が走行した経路である評価区間の検出を開始し、S508に処理を移行する。具体的には、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星から受信した信号により車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信器や、ジャイロスコープや、車両の前後方向の加速度等から走行距離を検出する距離センサ等から構成された位置検出器(図示なし)や地図データ(図示なし)により自車両の現在地を定期的に測定することで、評価区間を検出する。
【0083】
S508では、制御部11は、中断/再開ボタン13bがON状態かどうかを判定し、否定判定の場合には(S508:No)、S510に処理を移行すると共に、肯定判定の場合には(S508:Yes)、図4のS360に処理を移行する。なお、S360の実行後には、S542に処理が移行される。
【0084】
なお、S510〜S516の各ステップは、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS215〜S230の各ステップと同一であるため説明を省略する。また、第一実施形態のエコ運転度計測処理と同様、S516の実行後は、S305〜S355の各ステップが順次実行される。そして、S355の実行後は、S542に処理が移行される。
【0085】
S542では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオン状態に設定し、本処理を終了する。
また、S502にて開始/終了ボタン13aがOFF状態であると判定された場合に移行するS518では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンがオン状態か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S518:Yes)、S520に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S518:No)、S522に処理を移行する。
【0086】
S520では、制御部11は、評価区間の検出を終了し、S522に処理を移行する。
なお、S522〜S526,S534〜S540の各ステップは、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS245〜S255,S265〜S280の各ステップと同一であるため、説明を省略する。また、S526の実行後はS528に処理が移行されると共に、S540の実行後はS532に処理が移行される。
【0087】
S528では、制御部11は、計測したエコ運転度を表示部12に表示し、S530に処理を移行する。
S530では、制御部11は、検出した計測区間を表示部12に表示し、S532に処理を移行する。
【0088】
S532では、制御部11は、前回の開始/終了ボタンをオフ状態に設定し、本処理を終了する。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のエコ運転学習装置について説明する。第三実施形態のエコ運転学習装置もまた、エコ運転度の計測結果の報知方法において、第一,第二実施形態のエコ運転学習装置と異なっている。以下では、この相違点を中心に説明する。
【0089】
[構成の説明]
まず、第三実施形態のエコ運転学習装置30の構成について、図7(a)に記載のブロック図を用いて説明する。
【0090】
図7(a)に記載されているように、エコ運転学習装置30は、第一実施形態と同様の制御部31,表示部32,操作部34を備えると共に、これらに加え、音声を出力するための音声発生部33を備える。
【0091】
また、第一実施形態と同様、制御部31では、他の装置やセンサ等により、燃料噴射量(mm3),エンジン回転数(rpm),車速(km/h),アクセル踏み量(%),前後加速度(m/s2)等の車両状態が収集される。
【0092】
また、これらに加え、ドライバ監視装置(図示なし)から、車両の正面方向を基準としたドライバの視線の左右方向の角度である視線左右角度(deg)と、水平方向を基準としたドライバの視線の上下方向の角度である視線上下角度(deg)が入力される。
【0093】
なお、ドライバ監視装置では、カメラ(図示なし)によりドライバの顔が撮影されると共に、周知の方法によりドライバの顔画像データが解析され、ドライバの視線左右角度や視線上下角度が検出される。
【0094】
[動作の説明]
第三実施形態のエコ運転学習装置30では、第一,第二実施形態と同様にしてエコ運転度の計測が行われるが、エコ運転度を表示した後、ドライバにより該エコ運転度が視認されなかった場合には、音声によりエコ運転度が通知される。以下では、第三実施形態における初期化処理とエコ運転度計測処理について説明する。
【0095】
(1)初期化処理について
まず、エコ運転度の計測に用いられる各種変数を初期化する初期化処理について、図7(b)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、自車両の運転が開始される際等に実行される処理である。
【0096】
S605では、エコ運転学習装置30の制御部31は、第一実施形態の初期化処理のS105と同様の処理を行い、S610に処理を移行する。
S610では、制御部31は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,表示時間を示す各変数にそれぞれ0を設定することで、これらの変数を初期化する。また、ドライバがエコ運転学習装置30に表示されたエコ運転度を視認したことを示すディスプレイ視認フラグに0を設定することで該フラグを初期化し、本処理を終了する。
【0097】
(2)エコ運転度計測処理について
次に、エコ運転度を計測する処理であるエコ運転度計測処理について、図8に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、第三実施形態のエコ運転度計測処理では、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS305〜S360が実行されるが、これらのステップに対応するフローチャートについては、図4を参照されたい。また、本処理は、周期的(例えば100ms)に実行される処理である。
【0098】
S705では、エコ運転学習装置30の制御部31は、開始/終了ボタンがON状態かどうかを判定する。そして、肯定判定の場合には(S705:Yes)、S710に処理を移行し、否定判定の場合には(S705:No)、S735に処理を移行する。
【0099】
なお、S710〜S730の各ステップは、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS210〜S230の各ステップと同一であるため説明を省略する。また、第一実施形態のエコ運転度計測処理と同様、S730の実行後は、S305〜S355のステップが順次実行されると共に、S710で肯定判定が得られた場合(S710:Yes)には、S360が実行され、S355やS360の実行後に、本処理は終了する。
【0100】
また、S705にて開始/終了ボタンがOFF状態であると判定された場合に移行するS735では、制御部31は、サンプリング時間が閾値Ts(例えば2s)を超えるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S735:Yes)、S740に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S735:No)、S775に処理を移行する。
【0101】
S740では、制御部31は、エコ運転度の表示時間が閾値Td(例えば10s)を超えるか否かを判定し、否定判定が得られた場合には(S740:No)、S745に処理を移行すると共に、肯定判定が得られた場合には(S740:Yes)、S765に処理を移行する。
【0102】
S745では、制御部31は、第一実施形態のエコ運転度計測処理のS255と同様の処理を行い、S750に処理を移行する。
S750では、制御部31は、計測したエコ運転度を表示部32に表示し、S755に処理を移行する。
【0103】
S755では、制御部31は、視線左右角度(deg)と視線上下角度(deg)とにより、ドライバの視線方向がエコ運転学習装置30の表示部32の配置位置に向いているか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S755:Yes)、ドライバが表示部32に表示されたエコ運転度を視認したものとみなし、S760に処理を移行し、否定判定が得られた場合には(S755:No)、本処理を終了する。
【0104】
S760では、制御部31は、ディスプレイ視認フラグに1を設定し、本処理を終了する。
一方、S740にて否定判定が得られた場合に移行するS765では、制御部31は、ディスプレイ視認フラグが1であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S765:Yes)、S785に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S765:No)、S770に処理を移行する。
【0105】
S770では、制御部31は、音声発生部33を介して、音声によりドライバにエコ運転度を通知し、S785に処理を移行する。
また、S735にてサンプリング時間がTs以下であると判定された場合に移行するS775では、制御部31は、サンプリング時間が0であるかどうかを判定する。そして、否定判定の場合には(S775:No)、制御部31は、表示部32にサンプリング時間が短い旨を伝えるメッセージを表示した後に(S780)、S785に処理を移行する。一方、肯定判定の場合には(S775:Yes)、制御部31は、S785に処理を移行する。
【0106】
S785では、制御部31は、第一実施形態のエコ運転度計測処理におけるS275と同様の処理を実行し、S790に処理を移行する。
S790では、制御部11は、サンプリング時間,加速継続時間及び減速継続時間,エコ運転度の表示時間を示す各変数と、ディスプレイ視認フラグにそれぞれ0を設定することでこれらの変数を初期化し、本処理を終了する。
【0107】
[具体例について]
次に、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置を用いて行われたエコ運転度の計測の具体例について説明する。なお、既に述べたように、車両の運転においては、一定の速度で走行する一定速走行(図13(a)参照)や、発進或いは停車(図13(b)参照)等といった、様々な走行状態が存在する。また、これ以外にも、先行車に追従して走行する状態(図14(a)参照)や、下り坂を走行する状態(図14(b)参照)や、郊外を走行する状態(図15)や、市街地を走行する状態(図16)等を、車両の走行状態の一つとして捉えることもできる。ここでは、自車両の発進と、一定速走行におけるエコ運転度の計測の具体例について説明する。
【0108】
(1)発進におけるエコ運転度の計測の一例
まず、図9,10に記載の説明図を用いて、自車両の発進におけるエコ運転度の計測の一例を説明する。図9(a)には、開始/終了ボタン及び中断/再開ボタンの操作状態の変化と、自車両のアクセル踏み量及び車速の変化を示すタイミングチャートが記載されている。以下では、このタイミングチャートにおける(1)〜(5)の各時期にエコ運転学習装置にて行われる処理や、表示部に表示される画像について説明する。
【0109】
上記タイミングチャートにおける(1)の時期に関して、該時期ではエコ運転度の計測が開始されておらず、エコ運転学習装置の表示部には、自車両の現在地を示す地図画像が表示される(図9(b−1)参照)。
【0110】
そして、自車両が交差点で停止した後、上記タイミングチャートにおけるToの時点で開始/終了ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、エコ運転学習装置によるエコ運転度の計測が開始され、エコ運転の評価期間(上記タイミングチャートの(2)の時期)となる。このとき、図9(b−2)の説明図が示すように、表示部にはエコ運転度の計測が行われていることを示すアイコンが表示される。また、既に説明したように、この評価期間には、エコ運転学習装置では周期的にアクセル踏み量や車速等の測定値が収集され、新たな測定値が収集される度にエコ運転度が更新される。
【0111】
その後、開始/終了ボタンが押され、該ボタンがOFF状態となると(上記タイミングチャートの(3)の時期)、エコ運転の評価期間が終了し、表示部には、エコ運転度の計測が終了した旨を示すアイコンが表示される(図10(a)参照)。そして、評価期間終了から10s間(上記タイミングチャートの(4)の時期)、該評価期間全体のエコ運転度を示すアイコンが表示部に表示され(図10(b)参照)、その後(上記タイミングチャートの(5)の時期)、該アイコンが消去される(図10(c)参照)。
【0112】
なお、図10(b)では、一例として燃費が表示されているが、ドライバに選択された他のエコ運転度を表示しても良いし、計測された全てのエコ運転度を表示しても良い。
また、図10(b)では、一例として最新のエコ運転度の計測結果のみが表示されているが、仮に第一実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、前回のエコ運転度と、前々回のエコ運転度とが表示される。
【0113】
また、第二実施形態のエコ運転度学習装置であれば、最新のエコ運転度と共に、該エコ運転度の計測区間が表示され、第三実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、音声により計測されたエコ運転度が通知される場合がある。
【0114】
(2)一定速走行におけるエコ運転度の計測の一例
次に、図11,12に記載の説明図を用いて、一定速走行におけるエコ運転度の計測の一例を説明する。図11(a)には、開始/終了ボタン及び中断/再開ボタンの操作状態の変化と、自車両のアクセル踏み量及び車速の変化を示すタイミングチャートが記載されている。以下では、このタイミングチャートにおける(1)〜(9)の各時点でエコ運転学習装置にて行われる処理や、表示部に表示される画像について説明する。
【0115】
まず、上記タイミングチャートにおける(1)の時期に関して、該時期ではエコ運転度の計測が開始されておらず、エコ運転学習装置の表示部には、自車両の現在地を示す地図画像が表示される(図11(b−1)参照)。
【0116】
その後、上記タイミングチャートにおけるToの時点で開始/終了ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、エコ運転学習装置によるエコ運転度の計測が開始され、エコ運転の評価期間(上記タイミングチャートの(2)の時期)となる。このとき、図11(b−2)の説明図が示すように、表示部には、エコ運転度の計測が行われていること示すアイコンが表示される。また、既に説明したように、この評価期間には、エコ運転学習装置では周期的にアクセル踏み量や車速等の測定値が収集され、新たな測定値が収集される度にエコ運転度が更新される。
【0117】
そして、例えば、自車両が交差点で停止する直前に中断/再開ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、中断期間となり(上記タイミングチャートの(3)の時期)、エコ運転度の計測が中断される。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が中断されている旨を示すアイコンが表示される(図11(b−3)参照)。
【0118】
その後、中断/再開ボタンが再び押され、該ボタンがOFF状態となると、中断期間が終了し、エコ運転度の計測が再開される(上記タイミングチャートの(4)の時期)。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が行われている旨を示すアイコンが再び表示される(図12(a)参照)。
【0119】
また、中断/再開ボタンが押され、該ボタンがON状態となると、再び中断期間となり(上記タイミングチャートの(5)の時期)、エコ運転度の計測が中断される。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が中断されている旨を示すアイコンが表示される(図12(b)参照)。
【0120】
その後、中断/再開ボタンが再び押され、該ボタンがOFF状態となると、中断期間が終了し、エコ運転度の計測が再開される(上記タイミングチャートの(6)の時期)。このとき、表示部には、エコ運転度の計測が行われている旨を示すアイコンが再び表示される(図12(c)参照)。
【0121】
その後、開始/終了ボタンが押され、該ボタンがOFF状態となると(上記タイミングチャートの(7)の時期)、エコ運転度の評価期間が終了し、表示部には、エコ運転度の計測が終了した旨を示すアイコンが表示される(図12(d)参照)。そして、評価期間終了から10s間(上記タイミングチャートの(8)の時期)、該評価期間全体のエコ運転度を示すアイコンが表示部に表示され(図12(e)参照)、その後(上記タイミングチャートの(9)の時期)、該アイコンが消去される(図12(f)参照)。
【0122】
また、図12(e)においても、仮に第一実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、前回のエコ運転度と、前々回のエコ運転度とが表示される。また、第二実施形態のエコ運転度学習装置であれば、最新のエコ運転度と共に、該エコ運転度の計測区間が表示され、第三実施形態のエコ運転度学習装置であれば、さらに、音声により計測されたエコ運転度が通知される場合がある。
【0123】
[効果]
第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置によれば、エコ運転の評価を行う評価期間を自由に設定することができるため、ドライバは、該評価期間を正確に把握し易くなり、また、自身の記憶力等に応じて評価期間の長さを適切に調整することも可能となる。このため、ドライバは、評価期間における運転態様をより正確に把握することが可能となると共に、複数の評価期間におけるエコ運転度を容易に知ることができ、各評価期間における評価結果と運転態様とを互いに比較するといったことを容易に行うことができる。したがって、エコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0124】
また、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置によれば、特定の走行状態となる期間を選択してエコ運転の評価期間とすることもできる。そして、このようにして評価期間を設定することで、特定の走行状態となったときのエコ運転度を容易に把握することができ、特定の走行状態においてのエコ運転度の高い運転態様について、容易且つ効率的に学習することが可能となる。
【0125】
このように、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置を用いてエコ運転の評価を行うことで、容易且つ効率的にエコ運転度の高い運転態様について学習することが可能となり、これにより、より容易にエコ運転のスキルを向上させることができる。
【0126】
[他の実施形態]
(1)第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置では、エコ運転の評価期間中は、車両状態の測定値が収集される度にサンプリング時間におけるエコ運転度が計測され、評価期間が終了した後に計測されたエコ運転度が表示されるという構成になっている。しかしながら、これに限定されることは無く、評価期間中においてもエコ運転度を常時表示しても良い。また、車両状態の測定値が得られる度に、該測定値が得られた時点を含む所定期間(例えば10s間)のエコ運転度を計測して表示し、評価期間中のエコ運転度をリアルタイムに表示しても良い。このような場合であっても、ドライバは、評価期間中のエコ運転度を把握することができ、エコ運転のスキルを向上させることができる。
【0127】
(2)また、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置は、ナビゲーション装置と一体に構成されているが、これに限定されることは無く、ナビゲーション装置以外の他の装置と一体に構成されていても良いし、単独の装置として構成されていても良い。
【0128】
なお、仮に第二実施形態のエコ運転学習装置が、ナビゲーション装置と別の装置として構成されている場合であれば、エコ運転学習装置は、エコ運転度を計測する際には、車内LAN等を介してナビゲーション装置と通信を行い、該ナビゲーション装置に評価区間を検出させることが考えられる。そして、ナビゲーション装置に対し、地図画像上に評価区間を表示させると共に、計測されたエコ運転度を表示させることが考えられる。
【0129】
また、第一〜第三実施形態では、経路案内等に用いられる液晶ディスプレイとして構成された表示部にエコ運転度等が表示される。しかしながら、このような液晶ディスプレイに限らず、メータ等として用いられる表示装置や、ヘッドアップディスプレイ等にエコ運転度を表示しても良い。また、音声によりエコ運転度をドライバに通知しても良い。
【0130】
(3)また、第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置は、指定された評価期間において計測したエコ運転度を図示しない記憶装置に記憶し、ドライバからの指示に応じて該エコ運転度を表示部に表示しても良い。こうすることにより、複数の評価期間における評価結果と運転態様とを互いに比較するといったことをより容易に行うことが可能となる。
【0131】
(4)また、第一実施形態のエコ運転学習装置では、最新のエコ運転度に加え、前回,前々回のエコ運転度が表示されるが、これに限定されること無く、最新のエコ運転度に加え、前回のエコ運転度のみを表示しても良い。また、前々回のエコ運転度よりも前に計測されたエコ運転度と、この後に計測された全てのエコ運転度を表示しても良い。
【0132】
また、第二実施形態のエコ運転学習装置において、最新のエコ運転度に加え、前回,前々回に計測されたエコ運転度を表示し、さらに、各エコ運転度に対応する評価区間を表示しても良い。
【0133】
また、第一,第二実施形態のエコ運転学習装置においても、第三実施形態と同様にしてドライバが表示部に表示されたエコ運転度を視認したか否かを判定し、表示時間が経過した時点でドライバによりエコ運転度が視認されなかった場合には、音声により最新のエコ運転度や、前回,前々回のエコ運転度を通知しても良い。
【0134】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0135】
第一〜第三実施形態のエコ運転学習装置10,30が運転評価装置に、操作部13,34が受付手段に、表示部12が計測期間報知手段,計測実施期間報知手段に相当する。
また、第一〜第三実施形態のエコ運転度計測処理のS220,S512,S720が検知手段に、S225,S230,S305〜S350,S514,S516,S725,S730が計測手段に、S260,S528,S750〜S770がエコ運転度報知手段に相当する。
【0136】
また、第二実施形態のエコ運転度計測処理のS506,S520が走行経路検出手段に、S530が、走行経路表示手段に相当する。
また、第三実施形態のエコ運転度計測処理のS755が、視線方向検出手段に相当する。
【0137】
また、開始/終了ボタンをON状態とする操作が開始指示に、開始/終了ボタンをOFF状態とする操作が終了指示に、中断/再開ボタンをON状態とする操作が中断指示に、中断/再開ボタンをOFF状態とする操作が再開指示に相当する。
【0138】
また、評価区間が、エコ運転度の評価期間における自車両の走行経路に相当する。
【符号の説明】
【0139】
10…エコ運転学習装置、11…制御部、12…表示部、13…操作部、13a…開始/終了ボタン、13b…中断/再開ボタン、20…ハンドル、30…エコ運転学習装置、31…制御部、32…表示部、33…音声発生部、34…操作部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスの排出、或いは、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転が、自車両においてどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測する運転評価装置であって、
前記エコ運転度の計測を指示する開始指示と、前記エコ運転度の計測を終了させる終了指示とを受け付ける受付手段と、
運転中における自車両の状態である車両状態を検知する検知手段と、
前記受付手段を介して前記開始指示を受け付けた時点から、前記終了指示を受け付けた時点までの計測期間を、前記エコ運転度の計測を行う評価期間とし、該評価期間において前記検知手段により検知された前記車両状態に基づき、前記エコ運転度を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された前記エコ運転度を報知するエコ運転度報知手段と、
を備えることを特徴とする運転評価装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転評価装置において、
前記計測手段は、前記評価期間において前記検知手段により複数回にわたり検知された前記車両状態に基づき、該評価期間全体における前記エコ運転度を計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の運転評価装置において、
前記受付手段は、前記計測期間において、前記エコ運転度の計測を中断させる中断指示と、中断された前記エコ運転度の計測を再開させる再開指示とをさらに受け付け、
前記計測手段は、前記計測期間において、前記受付手段を介して前記中断指示を受け付けると共に、該中断指示を受け付けた後に前記再開指示を受け付けた場合には、該中断指示を受け付けた時点から該再開指示を受け付けた時点までの期間を中断期間とし、前記計測期間から前記中断期間を除いた計測実施期間を前記評価期間として前記エコ運転度を計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
現時点が前記計測期間かどうかを報知する計測期間報知手段をさらに備えること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項5】
請求項3、または、請求項3を引用する請求項4に記載の運転評価装置において、
現時点が前記計測実施期間かどうかを報知すると共に、現時点が前記中断期間かどうかを報知する計測実施期間報知手段をさらに備えること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項6】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記計測手段により計測される前記評価期間全体における前記エコ運転度とは、該評価期間全体における自車両の燃費であること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項7】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記検知手段は、前記車両状態として、自車両の速度と、自車両のアクセルの操作量とを検知し、
前記計測手段は、前記評価期間において複数回にわたり検知された前記速度と前記操作量についての標準偏差をそれぞれ算出し、これらの標準偏差の比を、前記エコ運転度として計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項8】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記検知手段は、自車両の加速度を検知し、
前記計測手段は、前記検知手段により検知された前記加速度に基づき、前記評価期間において発生した自車両の急加速の回数を、前記エコ運転度として計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項9】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記検知手段は、自車両の加速度を検知し、
前記計測手段は、前記検知手段により検知された前記加速度に基づき、前記評価期間において発生した自車両の急減速の回数を、前記エコ運転度として計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記エコ運転度報知手段は、前記計測手段により計測された最新の前記評価期間における前記エコ運転度を表示すると共に、該最新の評価期間の一つ前の前記評価期間を含む連続した1以上の前記評価期間における前記エコ運転度を表示すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記評価期間における自車両の走行経路を検出する走行経路検出手段と、
前記エコ運転度報知手段により前記エコ運転度が報知される際に、該エコ運転度に係る前記評価期間における自車両の前記走行経路を表示する走行経路表示手段と、
をさらに備えることを特徴とする運転評価装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
自車両を運転するドライバの視線方向を検出する視線方向検出手段をさらに備え、
前記エコ運転度報知手段は、画像により前記エコ運転度を報知すると共に、該画像による報知を行った後、前記視線方向検出手段により検出された前記ドライバの視線方向に基づき該ドライバが該画像を視認したか否かを判定し、否定判定が得られた場合には、さらに、音声により該エコ運転度を報知すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項1】
排気ガスの排出、或いは、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転が、自車両においてどの程度行われたかを示すエコ運転度を計測する運転評価装置であって、
前記エコ運転度の計測を指示する開始指示と、前記エコ運転度の計測を終了させる終了指示とを受け付ける受付手段と、
運転中における自車両の状態である車両状態を検知する検知手段と、
前記受付手段を介して前記開始指示を受け付けた時点から、前記終了指示を受け付けた時点までの計測期間を、前記エコ運転度の計測を行う評価期間とし、該評価期間において前記検知手段により検知された前記車両状態に基づき、前記エコ運転度を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された前記エコ運転度を報知するエコ運転度報知手段と、
を備えることを特徴とする運転評価装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転評価装置において、
前記計測手段は、前記評価期間において前記検知手段により複数回にわたり検知された前記車両状態に基づき、該評価期間全体における前記エコ運転度を計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の運転評価装置において、
前記受付手段は、前記計測期間において、前記エコ運転度の計測を中断させる中断指示と、中断された前記エコ運転度の計測を再開させる再開指示とをさらに受け付け、
前記計測手段は、前記計測期間において、前記受付手段を介して前記中断指示を受け付けると共に、該中断指示を受け付けた後に前記再開指示を受け付けた場合には、該中断指示を受け付けた時点から該再開指示を受け付けた時点までの期間を中断期間とし、前記計測期間から前記中断期間を除いた計測実施期間を前記評価期間として前記エコ運転度を計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
現時点が前記計測期間かどうかを報知する計測期間報知手段をさらに備えること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項5】
請求項3、または、請求項3を引用する請求項4に記載の運転評価装置において、
現時点が前記計測実施期間かどうかを報知すると共に、現時点が前記中断期間かどうかを報知する計測実施期間報知手段をさらに備えること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項6】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記計測手段により計測される前記評価期間全体における前記エコ運転度とは、該評価期間全体における自車両の燃費であること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項7】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記検知手段は、前記車両状態として、自車両の速度と、自車両のアクセルの操作量とを検知し、
前記計測手段は、前記評価期間において複数回にわたり検知された前記速度と前記操作量についての標準偏差をそれぞれ算出し、これらの標準偏差の比を、前記エコ運転度として計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項8】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記検知手段は、自車両の加速度を検知し、
前記計測手段は、前記検知手段により検知された前記加速度に基づき、前記評価期間において発生した自車両の急加速の回数を、前記エコ運転度として計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項9】
請求項2、または、請求項2を引用する請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記検知手段は、自車両の加速度を検知し、
前記計測手段は、前記検知手段により検知された前記加速度に基づき、前記評価期間において発生した自車両の急減速の回数を、前記エコ運転度として計測すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記エコ運転度報知手段は、前記計測手段により計測された最新の前記評価期間における前記エコ運転度を表示すると共に、該最新の評価期間の一つ前の前記評価期間を含む連続した1以上の前記評価期間における前記エコ運転度を表示すること、
を特徴とする運転評価装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
前記評価期間における自車両の走行経路を検出する走行経路検出手段と、
前記エコ運転度報知手段により前記エコ運転度が報知される際に、該エコ運転度に係る前記評価期間における自車両の前記走行経路を表示する走行経路表示手段と、
をさらに備えることを特徴とする運転評価装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のうちのいずれか1項に記載の運転評価装置において、
自車両を運転するドライバの視線方向を検出する視線方向検出手段をさらに備え、
前記エコ運転度報知手段は、画像により前記エコ運転度を報知すると共に、該画像による報知を行った後、前記視線方向検出手段により検出された前記ドライバの視線方向に基づき該ドライバが該画像を視認したか否かを判定し、否定判定が得られた場合には、さらに、音声により該エコ運転度を報知すること、
を特徴とする運転評価装置。
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1】
【図2】
【図5】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−118053(P2012−118053A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220482(P2011−220482)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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