説明

遠赤外線領域の共鳴電磁波の発振及び転写装置

【課題】近年、遠赤外線を利用した商品や技術がたくさん開発されているが、効果の安定性や均一性に問題があるものがほとんどである。その主な理由として遠赤外線の発生源や周波数が特定されておらず、また現在の技術レベルで解析することが難しいためと考えられる。本発明では効果が明確で、持続性のある遠赤外線発振材を安価で提供することを目的としている。
【解決手段】地球の表面積の70%が水に覆われ、人体の60%以上が水で構成されていることに着目し、水に共鳴共振する遠赤外線領域の共鳴電磁波を発振する物体を研究し、一つの方法として、40℃〜250℃で1気圧〜10気圧の加熱圧縮空気や複数のカルボキシル基を配位子とするナトリューム錯体や加熱処理された金属やセラミックから適当と思われる電磁波が放射されていることを見出し、その電磁波を一定温度下で他の材料に転写することにより、遠赤外線効果を得られる基材が安価で大量に提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波を発振する天然石、金属、セラミック、加熱圧縮空気、金属錯体等から発振される電磁波を、アルミニュームや銅のような自由電子の多い高伝導素材やガラスのように非晶質または結晶構造の不安定な物質や水素結合を含む分子構造を有する物質や炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物に照射することにより当該電磁波の受振体として、自らを共鳴電磁波の発振源とする5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波の発振及び転写装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠赤外線を利用した商品や技術がたくさん開発されているが、効果の安定性や均一性に問題があるものがほとんどである。その主な理由として遠赤外線の発生源や周波数が特定されておらず、また現在の技術レベルで解析することが難しいためと考えられる。
【0003】
また一方で、生命体やDNA二重螺旋構造、超伝導エネルギーギャップ、固体中の電子の散乱等の重要な現象に遠赤外線領域の電磁波が深い関係を持っているとされているが、電子デバイスとしての上限周波数以上であり、水への吸収性が大きい事から利用困難な未開拓領域とされてきた。近年になり、100ギガヘルツから100テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波を利用した各種製品や装置が提案され始めている。(例えば特願2006−298315号参照)
【特許文献1】特開2006−298315
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遠赤外線領域や放射線領域の共鳴電磁波を利用した発振及び転写装置では、水分子と共振しないため効果の持続が困難であった。また共鳴電磁波発生機材も高価なものが多く汎用性に問題があった。
【0005】
また、規定の温度及び圧力の加熱圧縮空気で遠赤外線領域の共鳴電磁波を発生させ空気及び水を活性化する装置も開発され、遠赤外線領域の共鳴電磁波の効果を発揮している物もあるが、装置が大型で高価なためと遠赤外線領域の電磁波の発振源が高温空気であるため転写装置としての汎用性に問題があった。
【0006】
また、金属イオンに配位子と呼ばれる分子やイオンを結合している金属錯体の中には、機能錯体と呼ばれて、電磁波を吸収または発振するものもあるが、対象物体に含浸または塗布する必要があり、物体種類が限定されたり、処理工程が複雑化したり、安定して持続的に共鳴電磁波を発振することに問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために本発明者は、地球の表面積の70%が水に覆われ、人体の60%以上が水で構成されていることに着目し、水に共鳴共振する遠赤外線領域の共鳴電磁波を発振する物体を研究した。一つの方法として、40℃〜250℃で1気圧〜10気圧の加熱圧縮空気で水を曝気したところ、当該空気から発振される電磁波で水が活性化され、PHが2ポイント程度上昇し、酸化還元電位が還元側になり、溶存酸素が増えることを見出し、本発明をなすに至った。また、複数のカルボキシル基を配位子とするナトリューム錯体水溶液を含浸した布を空気取り入れ口に取り付けた送風機から排出される空気で曝気した水でも前述の加熱圧縮空気と同じ効果が得られることも発見した。
【0008】
すなわち、本発明では、5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の電磁波を発振する加熱圧縮空気やナトリューム錯体水溶液や天然石の周辺に、アルミニュームや銅のような自由電子の多い高伝導素材やガラスのように非晶質または結晶構造の不安定な物質や水素結合を含む分子構造を有する物質や炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物質を配し、30℃〜250℃の範囲で周辺温度を制御することにより、当該物質に5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の電磁波を転写し、当該物質自身から5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の電磁波を発振する共鳴電磁波の発振体が得られる。
【0009】
上記のように5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の電磁波を転写された上記物質から放射される共鳴電磁波を水に2〜4時間照射すると、当該物質から放射された共鳴電磁波で水の水素結合の電子が励起され水中に放出され水の酸化還元電位を還元側になることが確認された。また水中に放出された電子は、空気中にも放出され、空気中の窒素の外郭に取り込まれ、その結果、窒素がマイナスイオン化して活性化される。
【0010】
また、5〜50テラヘルツの遠赤外線の共鳴電磁波で水素結合を切り離された単分子化した水は、水分子間の空隙が微細化され、水分子間に安定して、大量に酸素が溶存されることが確認されている。
【0011】
さらに、5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波で励起された電子を受け取ることによりマイナスイオン化した窒素は水素結合が分離して空気中に存在する水素イオンと結合しアミノ基(NH基)となり、水に溶解して水のPHを上昇させることが確認されている。
【0012】
以上のように、本発明によれば、効果の安定性や均一性に問題のあった遠赤外線を放射する製品や装置を、水を媒体としてPHや溶存酸素量や酸化還元電位を測定することにより一定品質で製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、効果が明確で持続性の高い5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波を放射する装置を低コストで提供できる。
【0014】
また本発明の遠赤外線領域の共鳴電磁波の発振及び転写装置により、5〜50テラヘルツの固有振動数を有するアルミニュームや銅のような自由電子の多い高伝導素材やガラスのように非晶質または結晶構造の不安定な物質や水素結合を含む分子構造を有する物質や炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物質を低コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】は、遠赤外線領域の電磁波を転写する方式の概念を示す。
【図2】は、遠赤外線領域の電磁波を転写する装置の概念の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、遠赤外線領域の電磁波を転写する方式の概念を示す。
図2は、遠赤外線領域の電磁波を転写する装置の概念の断面を示す。
【0017】
図1に示すように、遠赤外線領域の電磁波を転写する方式において、5〜50テラヘルツの電磁波2を発振する発振源1とし、30℃〜250℃で1〜10気圧の加熱圧縮空気や複数のカルボキシル基を配位子とするナトリューム錯体や30℃〜250℃で処理された高伝導金属や天然石に、加熱圧縮空気或いはナトリューム錯体或いは天然石のような第1次発振源1から発振される5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の第1次遠赤外線電磁波2を、第1次受振及び第2次共鳴電磁波発振体3に2〜4時間程度照射する。
【0018】
当該電磁波2を照射された当該第1次受振及び第2共鳴電磁波次発振体3から5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の第2次共鳴電磁波4が放射される。
【0019】
当該第2次共鳴電磁波4を第2次受振及び第3次共鳴電磁波発振体5に、2〜4時間照射することにより、5〜50テラヘルツの固有振動数を有するアルミニュームや銅のような自由電子の多い高伝導素材やガラスのように非晶質または結晶構造の不安定な物質や水素結合を含む分子構造を有する物質や炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物質の共鳴電磁波発振材5から5〜50テラヘルツの第3次共鳴電磁波6が放射され、様々な遠赤外線効果を発揮するようになる。
【0020】
具体的には、図2に示すように、遠赤外線領域電磁波転写箱10には5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波の転写装置として最適な間隔である5〜30cmの間隔で棚11が設けられている。
【0021】
当該棚11の上には30℃〜250℃の温度調節が可能な面ヒーター12が設けられていて、当該面ヒーター2の上に第2次共鳴電磁波発振体13が設置されている。第2次共鳴電磁波発振体13の基材として5〜50テラヘルツの固有振動数を有するアルミニュームや銅のような自由電子の多い高伝導素材やガラスのように非晶質または結晶構造の不安定な物質や水素結合を含む分子構造を有する物質や炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物質が考えられるが、本発明では、コストや使いやすさを配慮して主にアルミ蒸着シートを使用している。
【0022】
当該第2次共鳴電磁波発振体13の上に、5〜50テラヘルツの固有振動数を有するアルミニュームや銅のような自由電子の多い高伝導素材やガラスのように非晶質または結晶構造の不安定な物質や水素結合を含む分子構造を有する物質や炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物質からなる第3次共鳴電磁波発振体15を配置し、面ヒーター12の温度を材質や大きさに合わせて調節して第2次共鳴電磁波発振体13から発振される5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波14を2〜4時間照射する。
【0023】
当該共鳴電磁波14を照射された当該第3次共鳴電磁波発振体15は、自らが第3次共鳴電磁波6の発振源となり、様々な産業分野で、様々な効果を発揮する。
【0024】
本実施形態に係わる5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の電磁波15を発振する第3次共鳴電磁波発振体15を使用した効果は、当該電磁波15が水を活性化することを応用して、以下のように作用することで立証できる。
【0025】
本発明に係わる第3次共鳴電磁波発振体15を水に接触または、水の周辺に配置することにより当該発振体15から放出される5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波6により、水中の水分子の水素結合が共振励起され、当該水素結合が分離され、水分子の回転運動を励起され、水のクラスターが微細化される。
【0026】
そして水素結合の分離により放出される電子を空気中の窒素の外殻に取り込むことで活性窒素となり、NH基を結合する。そして結合されたNH基が水溶し、水酸基OH−を発生し、水のPHが上昇し、酸化還元電位が低くなる。この事は、遠赤外線領域の電磁波を放射された水のpHが、長期間に渡り、通常水より1〜1.5ポイント上昇することと酸化還元電位が還元側電位となることで証明される。
【0027】
この5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の電磁波により水の水素結合も前述と同様に切り離され、水のクラスターが微細化し、小さくなった隙にナノバブル化された酸素が安定して溶存される。この事は、遠赤外線領域の電磁波を放射された水の溶存酸素が、長期間に渡り、通常水の2倍以上の数値を示すことで証明されている。
【実施例】
【0028】
本発明を実施した場合、下記の5要素が単独または組み合わされて効果を発揮することが証明されている。
(1)本発明の第3次共鳴電磁波発振体が5〜50テラヘルツの遠赤外線領域の共鳴電磁波を発振し、当該発振体の周辺の物質を構成する分子や原子の電子を励起し、軌道上から高速で放出することにより、衝突エネルギーを発生させ、当該エネルギーを蓄積し、当該物質の内部エネルギーを増加させる。(TH効果)
(2)本発明の第3次共鳴電磁波発振体周辺の空気中の窒素が活性化されている。(N−効果)
(3)本発明の第3次共鳴電磁波発振体周辺の空気を水に散気したり、接しさせることにより当該水の水素結合が分離されクラスターの小さい、界面活性能力の大きな水になる。(H+効果)
(4)本発明の第3次共鳴電磁波発振体により活性化された空気で水を曝気することにより、水のPHが上昇する。(PH効果)
(5)本発明の第3次共鳴電磁波発振体により活性化された空気で水を曝気することにより、ナノバブル化された溶存酸素の多い水になる。(DO効果)
【0029】
上記要素が組み合わされて、下記のようにいろいろな用途に応用される。
(1)第3次共鳴電磁波発振体を空調室内機の吸気フィルターに取り付けると冷房設定温度を3〜5℃高く設定しても同等の冷房効果が得られた。
(2)また上記を暖房装置使用した場合、暖房時の設定温度を低くして同等の暖房効果が得られた。
(3)上記を換気装置の吸気フィルターとして上記を使用した場合、タバコやアンモニア臭にたいして消臭効果があった。
(4)上記を換気装置の吸気フィルターとして上記を使用した場合、結露がなくなった。
(5)上記を曝気装置の空気吸い込み側に取り付けることのより、曝気された水のPHが高められた。
(6)上記を曝気装置の空気吸い込み側に取り付けることのより、汚水が浄化されCOD、BODの数値が下がった。
(7)上記を曝気装置の空気吸い込み側に取り付けることのより、循環水の配管へのスケール付着が防止された。
(8)上記を冷凍庫の中に上記を置いただけで庫内の霜の発生が抑えられ、冷凍効率が高められた。
(9)上記を患部に貼ると、肩こりや腰痛や膝の痛みが軽減された。
(10)上記を空気吸い込み側に取り付けた空気送風装置で曝気された水は、健康促進効果や動植物の成長促進効果が確認された。
(11)第3次共鳴電磁波発振体を天然繊維や化学繊維製の衣類とした場合、夏涼しく冬暖かい、疼痛緩和や健康効果の有る繊維製品となることが確認された。
(12)第3次共鳴電磁波発振体をプラスチック製品とすることにより野菜や果実のような生鮮食品の鮮度保持に効果が有ることが確認できた。
(13)第3次共鳴電磁波発振体を太陽電池パネルとすることにより、太陽電池の起電力が20〜30%増えることが確認できた。
(14)第3次共鳴電磁波発振体を炭素やその他電極物質とすることにより、当該電極物質の電気抵抗を20%〜40%程度減少することができることが確認できた。
【産業上の利用可能な分野】
【0030】
本活発明は、前述の5つの要素を組み合わせて得られる効果により、医療・健康美容分野、農水蓄産業分野、環境保全分野、工業分野、食品加工分野に利用できる。
【符号の説明】
【0031】
1 第1次発振源
2 第1次遠赤外線電磁波
3 第1次受振及び第2次共鳴電磁波発振体
4 第2次共鳴電磁波
5 第2次受振及び第3次共鳴電磁波発振体
6 第3次共鳴電磁波
10 遠赤外線領域電磁波転写箱
11 棚
12 面ヒーター
13 第2次共鳴電磁波発振体
14 第2次共鳴電磁波
15 第3次共鳴電磁波発振体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定の周波数の遠赤外線領域の電磁波を放射する特定の物体から発振される電磁波を、一定条件を満たす気体または液体または固体物質に、一定時間、一定温度下で照射することにより、当該気体または液体または固体物質自体が、当該電磁波の発振源となることを特徴とする規定の周波数の遠赤外線領域の共鳴電磁波の発振及び転写装置。
【請求項2】
請求項1に記載の特定の物体を、30℃〜250℃で1〜10気圧の加熱圧縮空気や複数のカルボキシル基を配位子とするナトリューム錯体や30℃〜250℃で処理された高伝導金属や天然石とすることを特徴とする共鳴電磁波の発振及び転写装置。
【請求項3】
請求項1に記載の遠赤外線領域の共鳴電磁波の規定の周波数を5〜50テラヘルツとすることを特徴とする共鳴電磁波の発振及び転写装置。
【請求項4】
請求項1に記載の一定時間を2時間以上とすることを特徴とする共鳴電磁波の発振及び転写装置。
【請求項5】
請求項1に記載の一定温度を30℃〜250℃とすることを特徴とする共鳴電磁波の発振及び転写装置。
【請求項6】
請求項1に記載の一定条件を満たす物質を、天然石、金属、セラミック、加熱圧縮空気、金属錯体等から発振される電磁波を、アルミニュームや銅のような自由電子の多い高伝導素材やガラスのように非晶質または結晶構造の不安定な物質や水素結合を含む分子構造を有する物質や炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物質とすることを特徴とする共鳴電磁波の発振及び転写装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−120854(P2011−120854A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299336(P2009−299336)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(594069993)山菱工業株式会社 (4)
【出願人】(508186037)
【Fターム(参考)】