遠隔管理システム、遠隔管理装置、機器管理装置、監視間隔制御方法、監視間隔制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体
【課題】機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができる遠隔管理システム、遠隔管理装置、機器管理装置、監視間隔制御方法、監視間隔制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】遠隔管理システム1は、機器200を監視する機器管理装置100と、機器管理装置100を介して機器200を遠隔管理する遠隔管理装置400とが接続されるシステムであって、機器管理装置100が、遠隔管理装置400に監視間隔調整値の算出を要求し、遠隔管理装置400が、算出要求に応じて算出した監視間隔調整値を機器管理装置100に応答し、機器管理装置100が、算出結果として応答された監視間隔調整値から監視間隔を制御する制御データを更新し、更新された制御データ基づいた調整後の監視間隔に従って機器200から機器情報51nを取得することを特徴とする。
【解決手段】遠隔管理システム1は、機器200を監視する機器管理装置100と、機器管理装置100を介して機器200を遠隔管理する遠隔管理装置400とが接続されるシステムであって、機器管理装置100が、遠隔管理装置400に監視間隔調整値の算出を要求し、遠隔管理装置400が、算出要求に応じて算出した監視間隔調整値を機器管理装置100に応答し、機器管理装置100が、算出結果として応答された監視間隔調整値から監視間隔を制御する制御データを更新し、更新された制御データ基づいた調整後の監視間隔に従って機器200から機器情報51nを取得することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークなどのデータ伝送路を介して接続される少なくとも1台以上の機器を管理する管理システムに関し、特に、状態情報を含む機器に関する情報を各機器から取得するとき(各機器を監視するとき)の監視間隔を制御(調整)する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク通信などを含む情報処理技術の高度化に伴い、例えば、ローカルエリアなどの特定エリア内に構築された内部システムを、外部システムから遠隔管理する技術は、すでに知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、少なくとも1つ以上の管理対象システムと、インターネット接続を利用して管理対象システムを遠隔管理する遠隔管理システムとが併用されるシステム環境下において、上記管理対象システムに接続される機器のステータス(状態)に関する情報(状態情報)に基づき動作異常を検知するだけでなく、機器内で動作している各種プロセスに関する情報(プロセス情報)に基づき、動作異常になる傾向(異常プロセス)を検知し、該当プロセスを再起動するなどの異常回避処理を行い、障害発生の防止やダウンタイムの短縮を図ることができるシステムが提案されている。
【0004】
上記管理対象システムは、例えば、LAN(Local Area Network)などの所定のデータ伝送路を介して複合機(MFP:Multifunction Peripheral)やプリンタと言った画像処理装置などの状態を監視する機器管理システムなどが一例として挙げられ、このようなシステムを導入することで、ユーザは管理対象の複数の機器(以下、「管理対象機器」と言う。)に自ら出向くことなく、管理対象機器の異常を検知する(知る)ことが可能となる(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
このように、遠隔管理システムでは、上記機器管理システムを管理対象システムとした場合、機器管理システムに接続される管理対象機器を遠隔管理することができる。これにより、システムを提供するメーカでは、例えば、顧客先(ユーザ先)に導入された複数の機器管理システム及びこれらのシステムに接続される管理対象機器に関する各種情報の収集や動作異常への対応などを遠隔で行うことができ、運用・保守と言った顧客へのサポートサービスの充実を図ることができる。
【特許文献1】特開2008−35444号公報
【特許文献2】特開2005−182701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記に挙げる従来の遠隔管理システムでは、各機器管理システムにおいてサーバ機能を有する機器管理装置により、同システムに接続される管理対象機器に対して同じ間隔で監視を行っている。これでは、頻繁に利用される(利用頻度が高い)ことにより異常が多発する管理対象機器に対して、発生した異常を検知するまでに時間がかかってしまい、監視性能の低下に繋がる。
【0007】
例えば、管理対象機器に印刷性能の異なる2台のプリンタAとBが接続され、プリンタAの印刷性能は10(ppm)、一方、プリンタBの印刷性能は60(ppm)とする。この条件において、両プリンタで6分間に60枚の印刷が行われた場合、プリンタAは、プリンタBと異なり連続印刷されたことになる。
【0008】
このように、管理対象機器は、機器仕様が異なることにより、ユーザの利用状況や機器の運用状況にばらつきが生じる。そのため、機器仕様、利用状況、及び運用状況を総合的に考慮して適切な間隔で機器を監視し、機器管理を行う必要がある。
【0009】
そこで、管理対象機器から収集した印刷枚数(カウンタ値)に基づき、機器ごとの利用状況を把握し、監視間隔を制御(調整)する方法が考えられる。しかし、印刷枚数のような単純な情報(単数の情報)では、大まかな利用状況しか判断できない。
【0010】
そのため、上記方法では、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じて適切な間隔で監視を行うと言う点において、十分な情報に基づいた監視間隔の制御を行っていることにならない。
【0011】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができる遠隔管理システム、遠隔管理装置、機器管理装置、監視間隔制御方法、監視間隔制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明にあっては、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、前記機器管理装置が、前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有し、前記遠隔管理装置が、前記要求手段による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを要旨としている。
【0013】
このような構成によって、本発明に係る遠隔管理システムは、機器管理装置により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、機器管理装置から遠隔管理装置へ管理対象機器の機器情報が送信され調整値の算出が要求される。遠隔管理装置は、要求に応じて、要求時に取得した機器情報(最新の機器情報)と、これまでに収集した機器情報(過去の機器情報)とに基づく統計情報を用いて、所定の計算式により調整値を算出し、算出した調整値を、要求元の機器管理装置へ応答する。その結果、機器管理装置は、遠隔管理装置からの調整値に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器を監視する。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、前記要求手段による算出要求時に前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出する。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、前記機器情報に含まれる機器の機種を識別する機種識別情報に基づき、機種ごとに生成された前記統計情報の中から、該当する統計情報を特定し、特定した統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出する。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとを、前記所定の計算式のパラメータとして設定し、前記監視間隔調整値を算出する。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、基準間隔時間に従って前記監視間隔を制御するときに想定される基準印刷速度、基準使用年数、基準故障頻度、及び基準使用率の各データに対して、前記機種仕様データ及び前記機種統計データの比率を算出し、算出した比率で前記基準間隔時間を除算する計算式により、前記監視間隔調整値を算出する。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、異なる計算式により、前記機器の異なる利用頻度に対応する複数の監視間隔調整値を算出する。
【0019】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記機器管理装置が、前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、前記要求手段は、前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求する。
【0020】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記調整要否判定手段が、閾値として予め設定しておいた所定の印刷枚数データと、前記機器情報に含まれる印刷枚数を表す印刷枚数データとを比較し、前記機器情報に含まれる印刷枚数が前記閾値を超過した場合に、前記監視間隔の調整が必要と判定する。
【0021】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記機器管理装置が、前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、前記取得手段は、前記調整値切換手段により切り換えられた監視間隔調整値に基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記調整値切換手段が、現在時刻を表す時刻データと、前記機器情報に含まれる前記機器の利用頻度が高い使用時間帯を表す時間帯データとに基づき、前記現在時刻が前記使用時間帯の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に基づき前記監視間隔調整値を切り換える。
【0023】
これにより、本発明に係る遠隔管理システムは、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができる。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理装置は、第1のデータ伝送路で接続される機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置であって、前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により監視間隔調整値を算出する算出手段と、前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを特徴とする。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明に係る機器管理装置は、当該機器管理装置を介して収集した機器情報を基に機器を遠隔管理する遠隔管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、所定の監視間隔に従って、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の前記機器を監視する機器管理装置であって、前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明にあっては、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、前記遠隔管理装置が、前記機器管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段、を有し、前記機器管理装置が、前記要求手段による前記遠隔管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを要旨としている。
【0027】
このような構成によって、本発明に係る遠隔管理システムは、遠隔管理装置により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、遠隔管理装置から機器管理装置へ、機器管理装置から取得した機器情報に基づく統計情報が算出用パラメータとして設定される監視間隔の調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)が送信され、調整値の算出が要求される。機器管理装置は、要求に応じて、要求時に受信した計算モジュールを実行し、調整値を算出する。その結果、機器管理装置は、算出された調整値に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器を監視する。
【0028】
これにより、本発明に係る遠隔管理システムは、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができ、さらに監視間隔の調整値を複数の機器管理装置において分散処理し、システム全体にかかる負荷を軽減することができる。
【0029】
上記目的を達成するため、本発明に係る監視間隔制御方法は、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムにおける遠隔監視制御方法であって、前記機器管理装置から前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手順と、前記要求手順による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、前記遠隔管理装置が、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手順と、前記算出手順による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手順と、前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、前記機器管理装置が、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手順と、前記更新手順により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手順と、を有することを特徴とする。
【0030】
このような手順によって、本発明に係る監視間隔制御方法は、管理対象システムである各機器管理システムを介して収集した管理対象機器の機器情報(例えば「印刷枚数」や「異常発生履歴」など)に加え、これまでに収集した機器情報に基づく統計情報(例えば「平均使用率」や「平均故障頻度」など)を用いて、所定の計算式により監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器を監視すると言う動作を実現する。
【0031】
これにより、本発明に係る監視間隔制御方法は、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、管理対象システムである各機器管理システムを介して収集した管理対象機器の機器情報に加え、収集した機器情報に基づく統計情報を用いて算出した監視間隔の調整値に基づき管理対象機器の監視を制御するようにしたことにより、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0034】
[第1の実施形態]
<システム構成>
では、本実施形態に係る遠隔管理システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理システム1の構成例を示す図である。
【0035】
図1に示すように、遠隔管理システム1は、インターネットなどの外部ネットワークIを介して、遠隔管理装置400に、少なくとも1つ以上の遠隔管理対象である機器管理システムA〜Cが接続されている。
【0036】
機器管理システムA〜Cは、例えば顧客先に導入され特定エリア(ローカル)に構築されたシステムであり、一方、遠隔管理装置400は、メーカ側に配置されたサーバ機能を有する機器で、この遠隔管理装置400が、外部ネットワークIを介して、各顧客先に導入された機器管理システムA〜Cを遠隔管理する。また、一般的に、機器管理システムA〜Cと外部ネットワークIとの間には、機器管理システムA〜Cの機密性を確保するため、ファイアウォール(非図示)が設置されている。
【0037】
機器管理システムA〜Cは、LP(Laser Printer)2001やMFP2002と言った少なくとも1台以上の管理対象機器200と、少なくとも1台以上のクライアントPC(Personal Computer)300(以下、単に「PC」と言う。)と、機器管理装置100とが、LANなどの内部ネットワーク90で相互に接続されている。
【0038】
各機器管理システムA、B、又はCでは、機器管理装置100により、当該装置において動作する機器管理機能によって、管理対象機器200から各種情報(例えば、「状態情報」や「ジョブ履歴情報」などの機器情報。)を取得し、機器の状態が監視される。また、PC300に対しては、機器管理装置100から管理対象機器200の機器情報が提供される。
【0039】
これにより、遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400が、外部ネットワークIを介して機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100と接続されていることから、機器管理装置100を介して管理対象機器200の機器情報を取得し、取得した機器情報に基づき、所定期間における平均使用率や平均故障率と言った統計情報を生成できる。さらには、機器管理装置100に対して、管理対象機器200の動作条件設定の変更や再起動と言った各種設定と動作指示を行うこともでき、機器管理システムA〜Cを一括管理できる。
【0040】
なお、上記には、機器管理装置100と外部ネットワークIとの間に、ファイアウォールを設置する構成について説明を行ったが、機器管理装置100が、ファイアウォールの機能を有している構成であってもよい。
【0041】
<ハードウェア構成>
次に、機器管理システムA〜Cを遠隔管理する遠隔管理装置400と、管理対象機器200を管理する機器管理装置100とのハードウェア構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置400及び機器管理装置100のハードウェア構成例を示す図である。なお、遠隔管理装置400と管理対象機器100は、ともにPCなどの情報処理装置であることから、以下の説明では、両装置を代表して機器管理装置100を例に説明する。
【0042】
機器管理装置100は、入力装置101と、表示装置102と、ドライブ装置103と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read Only Memory)105と、CPU(Central Processing Unit)106と、インタフェース装置107と、HDD(Hard Disk Drive)108とから構成され、それぞれがバスで相互に接続されている。
【0043】
入力装置101は、キーボードやマウスなどで構成され、機器管理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどで構成され、機器管理装置100による処理結果(例えば「管理対象機器200から取得した機器情報」)などを表示する。
【0044】
インタフェース装置107は、機器管理装置100をネットワーク(内部・外部の両ネットワークを含む)に接続するインタフェースである。上述したように、機器管理装置100は、インタフェース装置107を介して、管理対象機器200やPC300、また遠隔管理装置400などの複数の機器とのデータ通信を行う。
【0045】
HDD108は、機器管理装置100全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(登録商標)」や「UNIX(登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))を提供するプログラムやデータ、及び情報処理システム上において動作し、各種機能(例えば「機器管理機能」や「データ通信機能」)を提供するプログラムやデータ(例えば「アプリケーションプログラム」や「アプリケーションデータ」)などを格納している不揮発性の記憶装置である。また、HDD108は、格納している上記プログラムやデータを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0046】
なお、上記プログラムやデータは、例えばCD(Compact Disk)などの記録媒体103aによって機器管理装置100に提供されるか、ネットワークなどのデータ伝送路からインタフェース装置107を介してダウンロードされる。例えば、記録媒体103aから提供される場合は、記録媒体103aを読み取り可能なドライブ装置103を介してHDD108にインストールされる。
【0047】
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、機器管理装置100が起動されるときに実行されるBIOS(Basic Input/Output System)や、機器管理装置100のシステム設定やネットワーク関連の設定などのデータが格納されている。
【0048】
RAM104は、上記各種記憶装置から読み出されたプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリであり、CPU106は、このRAM104上に読み出したプログラムを実行することにより、機器管理装置100の全体制御や機器管理装置100が搭載する各種機能を動作させる。
【0049】
このようなハードウェア構成により、機器管理装置100は、HDD108からRAM104上に読み出した機器監視機能を実現するためのプログラムをCPU106により実行し、管理対象機器200の機器情報の収集、状態監視、並びにPC300への情報提供や遠隔管理装置400への情報送信などを行ったりすることができる。
【0050】
また、遠隔管理装置400の場合には、HDD108からRAM104上に読み出した遠隔管理機能を実現するためのプログラムをCPU106により実行し、機器管理装置100からの機器情報の取得、機器情報に基づき統計情報の生成、並びに機器管理装置100への動作指示などを行ったりすることができる。
【0051】
<機器監視機能>
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、上述した遠隔管理装置400と機器管理装置100それぞれにおいて動作する各機能の連携動作により、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器200の遠隔管理を実現する。
【0052】
そのため、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器管理装置100により監視間隔の調整が必要と判断すると、機器管理装置100から遠隔管理装置400へ管理対象機器200の機器情報が送信され調整値の算出が要求される。続いて、要求に応じて遠隔管理装置400により、要求時に取得した機器情報(最新の機器情報)と、これまでに収集した機器情報(過去の機器情報)とに基づく統計情報を用いて、所定の計算式により調整値が算出され、算出された調整値を要求元の機器管理装置100へ応答される。その結果、機器管理装置100により、遠隔管理装置400からの調整値に基づいて監視間隔が制御され、管理対象機器200を監視する。このような機器監視機能を有している。
【0053】
すなわち、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器監視機能において、各機器管理システムA〜Cを介して収集した管理対象機器200の機器情報(例えば「印刷枚数」や「ジョブ履歴」など)に加え、これまでに収集した機器情報に基づき生成された統計情報(例えば「平均使用率」や「平均故障率」など)を用いて、機器特性や利用状況を考慮した監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200の監視を制御する。
【0054】
では、上記機器監視機能の構成とその動作について説明する。
【0055】
《機能構成》
図3は、本発明の第1の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【0056】
本実施形態に係る機器監視機能は、主に、遠隔管理装置400と機器管理装置100に搭載(インストール)される各管理コンポーネント(アプリケーション)の機器監視機能に関するプログラムが実行されることにより実現される機能である。
【0057】
図3に示すように、機器監視機能を構成する各機能部は、遠隔管理装置400が有する機能部と、機器管理装置100が有する機能部とに大別される。
【0058】
(遠隔管理装置側)
遠隔管理装置400は、機器管理装置100からの要求に従って監視間隔の調整値を算出する算出部21と、要求元の機器管理装置100へ算出結果を応答する応答部22と、を有している。
【0059】
算出部21は、要求時に機器管理装置100から送信される最新の機器情報51と、これまでに収集した過去の機器情報51とに基づき生成された統計情報や、機種の固有情報を含む機器マスター情報31を用いて、所定の計算式により、監視間隔の調整値を算出する。
【0060】
後述するが、機器情報51や機器マスター情報31には、機器仕様、利用状況、及び運用状況を示す各種データが含まれており、これらのデータを用いて調整値を算出する。
【0061】
算出部21が行う監視間隔の調整値算出方法については、後述する「監視間隔の調整値算出」で詳しく説明する。
【0062】
次に、応答部22は、算出部21により算出された調整値を機器管理装置100へ送信し、要求元へと応答する。
【0063】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100からの要求に従って、遠隔管理装置400が監視間隔の調整値を算出し、算出結果を要求元へ返す構成となっている。
【0064】
(機器管理装置側)
一方、機器管理装置100は、上述したように遠隔管理装置400に対して監視間隔の調整値の算出を要求する要求部41と、遠隔管理装置400からの応答により、監視間隔を制御する制御データを更新する更新部42と、調整後の監視間隔に従って管理対象機器200から機器情報51を取得する取得部43と、を有している。
【0065】
要求部41は、遠隔管理装置400に対して、取得部43により取得した機器情報51を送信し、監視間隔の調整値の算出を要求する。また、要求部41は、取得部43が有する調整要否判定部431による判定結果に基づき、監視間隔の調整値の算出を要求する。
【0066】
次に、更新部42は、遠隔管理装置400からの応答により取得した調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する。具体的には、調整値として受け取った新たな監視間隔の時間データによって、過去の監視処理において用いた監視間隔の時間データを上書きすることで更新する。つまり、更新部42により監視間隔の間隔時間を調整している。
【0067】
なお、上記時間データ(制御データ)は、HDD108内の記憶領域に構築されたDBやファイルシステムにより管理され、決められた記憶領域に格納されている。
【0068】
次に、取得部43は、更新部42により更新された最新の監視間隔の時間データを参照し、調整後の監視間隔に従って、内部ネットワーク90を介して管理対象機器200から機器情報51を取得する。
【0069】
また、取得部43は、機器情報51を取得した管理対象機器200に対して、監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定部431と、管理対象機器200の利用頻度に応じて適切な監視間隔の調整値に切り換える調整値切換部432と、を有している。
【0070】
調整要否判定部431は、取得した機器情報51に含まれる印刷枚数(カウンタ値)に基づき監視間隔の調整が必要と判定された場合に、要求部41に対して監視間隔の調整値算出を要求する。また、調整値切換部432は、利用頻度の高い時間帯とそれ以外の時間帯とで異なる監視間隔の調整値を動的に選択し切り換える。これら各機能による調整要否判定と調整値切り換えについては、後述する「監視間隔調整の要否判定」と「調整値の切換制御」で詳しく説明する。
【0071】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、遠隔管理装置400へ監視間隔の調整値の算出を要求し、遠隔管理装置400から応答された調整値に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器200を監視する構成となっている。
【0072】
(データ構成)
次に、本実施形態に係る機器監視機能を実現するために用いる機器マスター情報31と機器情報51それぞれについて説明する。
【0073】
・機器マスター情報
図4は、本発明の第1の実施形態に係る機器マスター情報31のデータ例を示す図である。機器マスター情報31は、上述したように、遠隔管理装置400が有する情報であって、例えば、遠隔管理装置400が備えるHDD108の所定の記憶領域に格納されている。
【0074】
また、機器マスター情報31は、HDD108内の記憶領域に構築されたDBやファイルシステムにより機種ごとに分けられて管理され、決められた記憶領域に格納される。よって、複数機種に対応する場合には、対応する機種と同数の機器マスター情報311〜n(以降、「機器マスター情報31n」として表現する。)を保持し、後述する機器情報51に含まれる機種識別情報(例えば「機種ID」など)に基づき、機種に対応する機器マスター情報31nを特定できる。
【0075】
このような機器マスター情報31nは、図4に示すように、例えば、1分間の印刷枚数により印刷速度を表す「PPM(Pages per minutes)」と、後述する機器情報51に基づき生成される(算出可能な)統計情報である「平均使用年数」、「平均使用時間」、「平均故障頻度」、及び「平均使用率」などの複数個のデータ項目から構成され、各データ項目に対応するデータ(実値)が含まれる。
【0076】
PPMは、機種ごとの固有情報であり、統計情報は、機種ごとの可変情報である。統計情報は、例えば、メーカ側で、顧客先導入後の管理対象機器200の利用状況や運用状況などを分析し、機器管理を行うために用いられる。
【0077】
また、統計情報の「平均使用年数」、「平均使用時間」、「平均故障頻度」、及び「平均使用率」は、同機種における管理対象機器200の使用年数、使用時間、故障頻度、使用率の各合計値を台数で除算することにより求められる平均値である。
【0078】
使用年数と使用時間は、管理対象機器200から取得した機器情報51に含まれている値である。
【0079】
また、故障頻度は、一定期間に発生した動作異常の件数を表し、取得した機器情報51に含まれる異常発生履歴を基に所定の計算式を用いて求められる値であり、使用率は、一定期間に管理対象機器200が使用された割合、すなわち利用頻度を表し、取得した機器情報51に含まれる使用時間とPPMを基に所定の計算式を用いて求められる値である。
【0080】
このように、遠隔管理装置400では、機器管理装置100を介して取得した管理対象機器200の機器情報51を単に記録しておくのではなく、機器情報51に基づき、機器管理に用いる統計情報が生成され、記録される。つまり、機器マスター情報31nに含まれる統計情報の各データは、機器管理装置100から機器情報51を取得したタイミングで、動的に生成されデータが更新される仕組みとなっている。
【0081】
なお、上述した内容は、機器マスター情報31nにおけるデータ構成の一例を示すもので、情報を構成するデータ項目についてはこの限りでない。
【0082】
・機器情報
図5は、本発明の第1の実施形態に係る機器情報51のデータ例を示す図である。機器情報51は、上述したように、機器管理装置100が有する情報であって、取得部43により管理対象機器200から取得され、例えば、機器管理装置100が備えるHDD108の所定の記憶領域に格納される。
【0083】
また、機器情報51は、HDD108内の記憶領域に構築されたDBやファイルシステムにより機器ごとに分けられて管理され、決められた記憶領域に格納される。よって、機器情報51を複数機器から取得した場合には、対応する機器と同数の機器情報511〜n(以降、「機器情報51n」として表現する。)を保持する。
【0084】
このような機器情報51nは、図5に示すように、例えば、「印刷枚数」、「使用年数」、「使用時間帯」、及び「異常発生履歴」などの複数個のデータ項目から構成され、各データ項目に対応するデータ(実値)が含まれる。
【0085】
印刷枚数は、年間枚数、月間枚数、日間枚数、及び現在までの総枚数などの各期間の印刷枚数を表す値であり、使用年数は、管理対象機器200が顧客先に導入から現在までの経過年数を表す値である。
【0086】
また、使用時間帯は、管理対象機器200をユーザが利用する主な時間帯を表す値であり、異常発生履歴は、導入から現在までに発生した動作異常を記録したイベントログ(例えば「プロセスID」や「プロセスステータス」などで構成されるログ)である。
【0087】
さらに、図中には示していないが、機器情報51nには、上記データ項目以外にも、管理対象機器200を特定する情報(機器特定情報)である「シリアル番号」、機種を識別する情報(機種識別情報)である「機種ID」、機器名称を表す情報(機器名称情報)である「機器名」、及び管理対象機器200の状態を表す情報(状態情報)などが含まれる。
【0088】
このように、機器管理装置100では、管理対象機器200から取得した機器情報51nを記録し、記録した機器情報51nを、遠隔管理装置400へ送信している。また、遠隔管理装置400への機器情報51nの送信は、遠隔管理装置400と自装置との間の外部ネットワークIの通信負荷を軽減するために、自装置で管理する管理対象機器200全てから機器情報51nを取得後に一括送信するなどの方法をとっている。
【0089】
なお、上述した内容は、機器情報51nにおけるデータ構成の一例を示すもので、情報を構成するデータ項目についてはこの限りでない。
【0090】
ここからは、本実施形態に係る機器監視機能において、上述した各機能部が動作することにより実現される処理について説明する。
【0091】
《監視間隔調整の要否判定》
監視間隔の調整を行う場合には、機器監視機能の動作において、どのタイミングで行うのかを制御する必要がある。
【0092】
そのため、本実施形態では、機器管理装置100が有する調整要否判定部431により、機器情報51nを取得した管理対象機器200に対して、監視間隔の調整が必要か否かを判定し、必要と判定された場合に、要求部41へ調整値算出の要求を発行するように依頼する。
【0093】
このとき、調整要否判定部431は、監視間隔の調整要否判定を、取得した機器情報51nに含まれる印刷枚数に基づいて行う。
【0094】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る特定機種における故障頻度と印刷枚数との関係を示す図である。
【0095】
図6に示すように、管理対象機器200が複合機2002やLP2001と言った印刷機能を有する画像形成装置であった場合には、印刷枚数が増加するにつれて、故障頻度が高くなる特性がある。
【0096】
この特性は、画像形成装置において印刷機能が動作した場合、装置全体が動作することから、印刷枚数が増えると、装置全体の動作回数も増えることに起因するものであり、機種ごとに異なる。
【0097】
よって、監視間隔の調整は、機器管理の観点から考えると、印刷枚数に依存して変化する故障頻度が、ユーザの使用感に影響を及ぼさない範囲(以下、「許容範囲」と言う。)で最大(例えば「動作異常が多発することが予想される機器状態」)となったタイミングで行うのが適切である。
【0098】
これにより、故障頻度が許容範囲内の最大となった場合には、監視間隔を現在の間隔より短く調整し、一定時間内の監視回数を増やすことで、動作異常が発生した場合における故障対応までのダウンタイムの軽減を図る。
【0099】
そこで、調整要否判定部431では、運用状況から予め決定しておいた、許容範囲内の最大の故障頻度に対応する印刷枚数を所定の閾値として、閾値を超える印刷枚数となった場合に、監視間隔を調整する必要があると判断している。
【0100】
例えば、図6に示す特性では、月間印刷枚数が11200(枚/月)から14000(枚/月)に増加した場合に、年間故障頻度が急激に増加し、月間印刷枚数が14000(枚/月)を超えてからは、年間故障頻度が1(件/年)を超過した状態が継続している。
【0101】
このような特性を有する管理対象機器200において、年間故障頻度1(件/年)が、許容範囲内の最大の故障頻度(故障頻度の許容範囲内)だった場合には、月間印刷枚数が14000(枚/月)、又は1ヶ月の機器稼働日数を20日とした場合の日間印刷枚数700(枚/日)を閾値として、監視間隔の調整要否を判定する。つまり、月間印刷枚数が14000(枚/月)を超えた場合、又は日間印刷枚数700(枚/日)を超えた場合に、監視間隔を調整する必要があると判断する。
【0102】
以上のように、調整要否判定部431は、運用状況から予め決定しておいた調整要否判定基準値(閾値)を、管理対象機器200から取得した判定用の可変値(印刷枚数)が超過したか否かを判定することにより、監視間隔の調整タイミングを制御している。
【0103】
なお、上述したように、印刷機能による特性は、印刷速度などの性能に起因して機種ごとに異なる。そのため、調整要否判定部431は、機器情報51nに含まれる機種IDを基に、管理対象機器200の機種を識別し、機種ごとに予め決定しておいた複数の閾値のうち、対応する機種の閾値を用いて、監視間隔の調整要否判定を行う。
【0104】
また、印刷機能による特性は、使用年数(導入後の経過年数)にも依存し、例えば、同じ故障頻度であっても、使用年数が1年未満と3年とでは、管理対象装置200の劣化度合いが異なることから、使用年数3年の方が、1年未満に比べて、故障頻度に対応する印刷枚数が少ないことが考えられる。よって、調整要否判定部431は、機器情報51nに含まれる使用年数を基に、使用年数に対応して予め決定しておいた複数の閾値のうち、対応する年数の閾値を用いるようにしてもよい。
【0105】
さらに、上述したような、故障頻度と印刷枚数との関係は、遠隔管理装置400において、機器マスター情報31nに含まれる平均故障頻度と、取得した機器情報51nに含まれる印刷枚数とに基づき、統計情報の1つとして生成可能である。よって、遠隔管理装置400により生成された、故障頻度と印刷枚数との関係を示す統計情報から、関係の変化に応じた閾値を決定し、この決定に基づき、機器管理装置100が保持する調整要否判定基準値を動的に更新するようにしてもよい。
【0106】
このように、調整要否判定基準値を動的に更新する構成であれば、実際の運用状況が反映された閾値により調整要否判定を行うことができ、より適切なタイミングで監視間隔の調整を行える。
【0107】
《監視間隔の調整値算出》
監視間隔の調整値は、遠隔管理装置400が有する算出部21により算出され、応答部22により算出結果として機器管理装置100に送信される。
【0108】
その算出方法は、更新された機器マスター情報31nに含まれる最新の統計情報と機種の固有情報との各データを用いて、所定の計算式により監視間隔の調整値を算出する。
【0109】
具体的には、機器マスター情報31nに含まれるPPM、平均使用年数、平均故障頻度、及び平均使用率を用いて、以下の計算式[式1]により算出する。
【0110】
(調整値の計算式)
X = St / (Yam1/2 × Eam× PPMm × Uam)・・・[式1]
(算出値)
X:監視間隔の調整値
(各パラメータ)
St:基準間隔,
Yam:機種平均使用年数/基準使用年数,Eam:機種平均故障頻度/基準故障頻度,
PPMm:機種PPM/基準PPM,Uam:機種平均使用率/基準使用率
基準間隔とは、監視間隔を調整するにあたり基準とする時間間隔であり、所定の基準条件における監視間隔である。また、所定の基準条件とは、基準使用年数、基準故障頻度、基準PPM、及び基準使用率である。
【0111】
このように、算出部21は、まず、基準使用年数、基準故障頻度、基準PPM、及び基準使用率の各基準条件値[A]に対して、各基準条件に対応する平均使用年数、平均故障頻度、PPM、及び平均使用率の各機種対応値[B]の比率[B/A]を算出する。続いて、算出した比率で基準間隔Stを除算[St/(B/A)]することで、機種に対応した間隔時間(機種用の調整値)を求めている。
【0112】
なお、使用率とは、管理対象機器200における1ヶ月の稼働日数を20日間とした場合のPPMの値に基づく最大印刷性能から想定される月間印刷枚数に対して、同期間内で実際に印刷された月間印刷枚数の比率である。具体的には、以下の計算式[式2]により算出する。
【0113】
(使用率の計算式)
U = P / (20 × T × 60 × PPM)・・・[式2]
(算出値)
U:使用率(月間)
(各パラメータ)
P:月間印刷枚数,T:使用時間,PPM:PPM
(具体的な算出例)
以下に、上述した算出方法の具体的な例を、図3に示した機器マスター情報31nの各データを用いて説明する。
【0114】
なお、基準間隔は、基準使用年数を1(年)、基準故障頻度を1(件/年)、基準PPMを25(ppm)、及び基準使用率を4(%)とする各基準条件において、10(秒)と仮定する。また、上記基準使用率は、実際の月間印刷枚数を9600(枚/月)、基準使用時間を8(時間)、PPMを25(ppm)として、上記[式2]により算出した値とする。
【0115】
図3には、機種平均使用年数3.3(年)、機種平均故障頻度0.8(件/年)、機種PPM32(ppm)、及び機種平均使用率4(%)の各機種対応値を含む機器マスター情報31nが示されている。
【0116】
このような各データを用いて、上記[式1]の各パラメータを算出すると、St[10],Yam[3.3],Eam[0.8],PPMm[1.28],Uam[1]となる。
【0117】
よって、上記[式1]にこれらの各パラメータを設定(代入)すると、調整値[5.38]が算出され、監視間隔は「約5分23秒」となる。
【0118】
このように、機器マスター情報31nに対応する機種の管理対象機器200は、基準条件で想定される基準機器に比べて、使用年数が長く、かつ印刷速度が速い(PPMが大きい)ことから、動作異常が多発することが予想される。そのため、基準機器において想定している監視間隔(基準間隔)より間隔が短くなるような調整値を算出する。
【0119】
以上のように、算出部21は、機器マスター情報31nや機器情報51nに基づき、機器仕様を表すPPMのデータ、利用状況を表す使用率のデータ、運用状況を表す使用年数と故障頻度の各データを用いて監視間隔の調整値を算出する。これにより、監視間隔を、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じて制御することができる。
【0120】
なお、上記では、機種単位で監視間隔の調整値を算出したが、機器単位においても調整値を算出することができる。
【0121】
具体的には、基準使用年数、基準故障頻度、基準PPM、及び基準使用率の各基準条件値[A]に対して、各基準条件に対応する使用年数、故障頻度、PPM、及び使用率の各機器対応値[C]の比率[C/A]を算出し、算出した比率で基準間隔Stを除算[St/(C/A)]する。
【0122】
また、上記では、監視間隔の調整値は、同機種全体の平均使用年数を用いて算出したが、これに限らず、使用年数を幾つかの期間に分類し、それぞれの期間における平均故障頻度と平均使用率とを用いて算出してもよい。
【0123】
例えば、使用年数を1年未満、1以上から3年未満、及び3年以上の3つの期間に分けて、取得した機器情報51nに含まれる故障頻度と使用率を、使用年数に基づき分類する。続いて、分類された故障頻度と使用率とのそれぞれの合計値を、期間ごとの管理対象機器200の台数で除算する。これにより、3つの期間における平均故障頻度と平均使用率とを求めて、これらのデータを用いて調整値を算出する。
【0124】
このように、使用年数に基づき、同機種における平均故障頻度と平均使用率とを細分化することで、監視間隔の制御が、同機種全体の平均値から求めた調整値に従って行った場合に比べて、さらに管理対象機器200の利用状況や運用状況に即した制御となる。
【0125】
(利用頻度の異なる使用期間に対応した複数の調整値)
また、上記監視間隔の調整値は、機器情報51nに含まれる使用時間帯に示す、比較的利用頻度の高い期間に行う機器監視処理において用いられる値である。
【0126】
一方、管理対象機器200には、利用頻度が低く、あまり使用されない期間も存在する。この期間に行う機器監視処理の監視間隔は、あまり使用されていない期間であることから、極力期間内の監視回数を減らし、遠隔管理装置400と機器管理装置100の間の外部ネットワークIにおける通信負荷を軽減させることが望ましい。
【0127】
そこで、算出部21では、あまり使用されない期間に行う機器監視処理において用いる調整値も算出する。具体的には、現在の監視間隔の時間に、主に使用される期間に行う機器監視処理において用いられる監視間隔(調整値)と基準時間との差分時間を加算する。また、単純に現在の監視間隔の時間を2倍する方法であってもよい。
【0128】
このように、あまり使用されない期間に行う機器監視処理において用いる調整値の算出では、現在の監視間隔の時間が延長されるような調整値が算出されればよい。
【0129】
《調整値の切換制御》
遠隔管理装置400から算出結果として受け取った、異なる利用頻度に対応して算出された複数の調整値は、機器管理装置100が有する調整値切換部432により切り換え制御される。具体的には、現在時刻が、機器情報51nに含まれる使用時間帯の範囲内か否かの判定結果に基づき、使用時間帯とそれ以外の時間帯とに対応する2つの調整値を動的に選択し、どちらか一方の調整値を、機器監視処理における監視間隔の制御値とする。
【0130】
《機能動作》
ここからは、上述した各機能部による機器監視機能の動作について説明する。機器監視機能は、上記各機能部が連携動作することにより機能し、遠隔管理装置400と機器管理装置100それぞれに搭載される機器監視機能を実現するためのプログラム(ソフトウェア部品)が、CPU106により格納先(例えば「ROM105」など)からRAM104に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0131】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置400と機器管理装置100との連携動作の一例を示す図である。
【0132】
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400と機器管理装置100との間で、図7に示すような連係動作が行われる。具体的には、以下の通りである。
【0133】
(1)機器管理装置100が、調整要否判定部431により、監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、要求部41から遠隔管理装置400に対して調整値の算出を要求する。
【0134】
(2)遠隔管理装置400は、要求に応じて算出部21により調整値を算出し、算出した調整値を、応答部22により要求元の機器管理装置100へ応答する。
【0135】
(3)機器管理装置100は、遠隔管理装置400からの調整値を更新部42により記録し、取得部43が、記録した調整値に基づいた監視間隔に従って、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0136】
上記(1)〜(3)における詳細な処理手順については、以下の通りである。
【0137】
(処理手順)
図8は、本発明の第1の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【0138】
図8に示すように、遠隔管理システム1では、機器管理装置100が、取得部43により、自装置が管理する機器管理システムA、B、又はCに接続される各管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS101n)。このとき、取得部43が有する調整要否判定部431が、運用状況から予め決定しておいた、許容範囲内の最大の故障頻度に対応する印刷枚数を所定の閾値(日間700枚)として、機器情報51nに含まれる印刷枚数が所定の閾値を超えたか否かを判定し、監視間隔調整の要否判定を行う(ステップS102)。
【0139】
なお、ステップS101nでは、ステップS102の判定により、監視間隔の調整を行う必要がないと判断し(印刷枚数が日間700枚未満)、基準間隔10分に基づき、各管理対象機器200の監視間隔を制御している。
【0140】
一方、ステップS102において、監視間隔の調整を行う必要があると判断した場合(印刷枚数が日間700枚以上)、取得部43が、自装置が有する要求部41に対して、監視間隔調整値の取得を要求する(ステップS103)。
【0141】
要求部41は、調整値の取得要求に応じて、遠隔管理装置400が有する算出部21へ、監視間隔調整値の算出を要求する(ステップS104)。このとき、要求部41は、取得部43が取得した機器情報51nを遠隔管理装置400へ送信し、算出要求を行う。
【0142】
遠隔管理装置400は、算出要求に応じて、算出部21により、機器管理装置100から取得した最新の機器情報51nにより更新された機器マスター情報31nに含まれる、機器仕様を表すPPMのデータ、利用状況を表す使用率のデータ、運用状況を表す使用年数と故障頻度の各データ(最新の機器情報51nが反映された統計情報)を用いて、監視間隔の調整値を算出する(ステップS105)。このとき、算出部21は、管理対象機器200における異なる利用頻度に対応した複数の調整値を算出する。具体的には、比較的利用頻度の高い期間(使用時間帯)と、あまり使用されていない期間(使用時間帯以外)の2つの期間に対応する調整値を算出する。
【0143】
算出部21は、調整値を算出すると、自装置が有する応答部22に対して、要求元の機器管理装置100へ算出結果の応答を要求する(ステップS106)。このとき、算出部21は、算出結果である調整値を応答部22に渡し、応答要求を行う。
【0144】
応答部22は、応答要求に応じて、機器管理装置100が有する要求部41(要求元)へ算出結果を応答する(ステップS107)。このとき、応答部22は、算出結果である調整値を、機器管理装置100へ送信し、応答を行う。
【0145】
要求部41は、遠隔管理装置400から受け取った調整値に基づき、自装置が有する更新部42に対して、監視間隔の更新を要求する(ステップS108)。つまり、自装置が備えるHDD108に保持する現在の監視間隔の時間データの更新を要求する。またこのとき、要求部41は、受け取った調整値を更新部42へ送信し、更新要求を行う。
【0146】
更新部42は、更新要求に応じて、調整値を基に、上記記憶装置の所定の記憶領域に格納される監視間隔の時間データを更新する(ステップS109)。このとき、更新部42は、調整値で現在の時間データを上書きし、監視間隔を調整する。
【0147】
後に更新部42は、取得部43に対して、ステップS109により調整された監視間隔にて再び機器情報51nの取得を要求する(ステップS110)。
【0148】
取得部43は、自身が有する調整値切換部432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯の範囲内か否かを判定し、判定結果に基づき使用時間帯とそれ以外の時間帯とに対応する2つの調整値を動的に選択する(ステップS111)。
【0149】
調整値切換部現432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯(例えば「12時−18時」)に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「5分23秒」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS112n)。
【0150】
一方、現在時刻が使用時間帯以外の時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯以外の時間帯に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「15分」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0151】
<まとめ>
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、本実施形態に係る遠隔管理システム1は、管理対象システムである各機器管理システムA〜Cを介して取得した管理対象機器200の機器情報51nに加え、これまでに収集した機器情報51nに基づく統計情報を用いて、所定の計算式により監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200を監視する。
【0152】
これによって、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器200を遠隔管理することができる。
【0153】
[第2の実施形態]
第1の実施形態に係る遠隔管理システムでは、遠隔管理装置により、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔の調整値を算出し、機器管理装置が、算出された調整値に基づき各管理対象機器を監視し、遠隔管理を実現している。
【0154】
このような構成では、遠隔管理装置が管理する機器管理システムが多い場合や、機器管理装置が管理する管理対象機器が多い場合など、遠隔管理装置に、監視間隔の調整値算出処理が集中し、その算出処理に負荷がかかる。
【0155】
そこで、本実施形態では、上記算出処理を分散させ、負荷を軽減可能なシステムを提案する。
【0156】
具体的は、本実施形態に係る遠隔管理システムでは、遠隔管理装置により監視間隔の調整が必要と判断すると、遠隔管理装置から機器管理装置へ、監視間隔調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)が送信され監視間隔の調整値の算出が要求される。機器管理装置は、要求に応じて、要求時に受信した計算モジュールを実行し調整値を算出し、算出した調整値に基づいて監視間隔が制御され、管理対象機器を監視する機器監視機能を有している。
【0157】
では、本実施形態に係る機器監視機能の構成とその動作について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明を行い、同様の点は便宜省略する。
【0158】
<機器監視機能>
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、第1の実施形態と同様に、機器監視機能において、各機器管理システムA〜Cを介して取得した管理対象機器200の機器情報51nに加え、これまでに収集した機器情報51nに基づく統計情報を用いて、機器特性や利用状況を考慮した監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200の監視を制御する。さらにその中で、上記監視間隔の調整値算出処理を、遠隔管理装置400において一括処理するのではなく、各機器管理装置100において分散処理する構成となっている。
【0159】
《機能構成》
図9は、本発明の第2の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【0160】
本実施形態に係る機器監視機能は、主に、遠隔管理装置400と機器管理装置100に搭載(インストール)される各管理コンポーネント(アプリケーション)の機器監視機能に関するプログラムが実行されることにより実現される機能である。
【0161】
図9に示すように、機器監視機能を構成する各機能部は、遠隔管理装置400が有する機能部と、機器管理装置100が有する機能部とに大別される。
【0162】
(遠隔管理装置側)
遠隔管理装置400は、機器情報51nを取得した管理対象機器200に対して、監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定部23と、機器管理装置100に対して監視間隔の調整値の算出を要求する要求部24と、を有している。
【0163】
要求部24は、監視間隔の調整値算出の要求を行う際に、まず、機器管理装置100から送信される機器情報51nと、自装置が保持する機器マスター情報31nとに基づいて、調整値を算出するため各パラメータ(算出用パラメータ)を計算モジュールに設定する。続いて、算出用パラメータを設定した計算モジュールを、機器管理装置100へ送信する。これにより、監視間隔の調整値算出を要求する。
【0164】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400が、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100から取得した機器情報51nと統計情報を含む機器マスター情報31nとに基づき、算出用パラメータが設定された監視間隔の調整値を算出する計算モジュールを機器管理装置100へ送信し、調整値の算出を要求する構成となっている。
【0165】
(機器管理装置側)
一方、機器管理装置100は、自装置により算出した算出結果に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新部42と、調整後の監視間隔に従って管理対象機器200から機器情報51nを取得する取得部43と、管理対象機器200から取得した機器情報51nを遠隔管理装置400へ送信する送信部44と、遠隔管理装置400からの要求に応じて監視間隔の調整値を算出する算出部45と、を有している。
【0166】
算出部45は、要求時に遠隔管理装置400から送信される監視間隔の調整値を算出する計算モジュールを実行し、計算モジュールに設定された算出用パラメータに基づき、監視間隔の調整値を算出する。また、算出結果(調整値)は、更新部42へと渡される。
【0167】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400により監視間隔の調整が必要と判断された場合に、遠隔管理装置400から機器管理装置100へ監視間隔の調整値の算出する計算モジュールが送信され、各機器管理装置100が調整値を算出し、算出結果に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器200を監視する構成となっている。
【0168】
なお、上記では、遠隔管理装置400が、計算モジュールを各管理対象機器100に送信し、算出処理を機器管理装置100により行う構成について説明を行ったが、この限りではない。例えば、遠隔管理装置400が、算出用パラメータとなる機器マスター情報31nや機器情報51nを機器管理装置100に送信し、各機器管理装置100が保持する計算モジュールにより監視間隔の調整値を算出する構成であってもよい。この場合、計算モジュールは、機器管理装置100が備えるHDD108などの記憶装置に保持されている。
【0169】
《機能動作》
ここからは、上述した各機能部による機器監視機能の動作について説明する。機器監視機能は、上記各機能部が連携動作することにより機能し、遠隔管理装置400と機器管理装置100それぞれに搭載される機器監視機能を実現するためのプログラム(ソフトウェア部品)が、CPU106により格納先(例えば「ROM105」など)からRAM104に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0170】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る遠隔管理装置400と機器管理装置100との連携動作の一例を示す図である。
【0171】
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400と機器管理装置100との間で、図10に示すような連係動作が行われる。具体的には、以下の通りである。
【0172】
(1)遠隔管理装置400が、調整要否判定部23により、監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、要求部24から機器管理装置100に対して調整値の算出を要求する。
【0173】
(2)機器管理装置100は、要求に応じて算出部45により調整値を算出し、算出した調整値を更新部42により記録する。
【0174】
(3)機器管理装置100は、記録した調整値に基づいて、取得部43により監視間隔に従って、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0175】
上記(1)〜(3)における詳細な処理手順については、以下の通りである。
【0176】
(処理手順)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【0177】
図11に示すように、遠隔管理システム1では、機器管理装置100が、取得部43により、自装置が管理する機器管理システムA、B、又はCに接続される各管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS201)。
【0178】
取得部43は、取得した機器情報51nを、自装置が有する送信部44へ渡し(ステップS202)、送信部44が、機器情報51nを遠隔管理装置400が有する調整要否判定部23へと送信する(ステップS203)。
【0179】
遠隔管理装置400は、調整要否判定部23が、運用状況から予め決定しておいた、許容範囲内の最大の故障頻度に対応する印刷枚数を所定の閾値(日間700枚)として、機器情報51nに含まれる印刷枚数が所定の閾値を超えたか否かを判定し、監視間隔調整の要否判定を行う(ステップS204)。
【0180】
なお、ステップS201では、ステップS204の判定により、監視間隔の調整を行う必要がないと判断し(印刷枚数が日間700枚未満)、基準間隔10分に基づき、各管理対象機器200の監視間隔を制御している。
【0181】
一方、ステップS204において、監視間隔の調整を行う必要があると判断した場合(印刷枚数が日間700枚以上)、調整要求判定部23が、自装置が有する要求部24に対して、監視間隔調整値の取得を要求する(ステップS205)。
【0182】
要求部24は、調整値の取得要求に応じて、遠隔管理装置400が有する算出部45へ、監視間隔調整値の算出を要求する(ステップS206)。このとき、要求部24は、監視間隔調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)を、遠隔管理装置400へ送信し、算出要求を行う。また、計算モジュールは、取得部43により取得した最新の機器情報51nにより更新された機器マスター情報31nに含まれる、機器仕様を表すPPMのデータ、利用状況を表す使用率のデータ、運用状況を表す使用年数と故障頻度の各データ(最新の機器情報51nが反映された統計情報)を算出用パラメータとして設定し送信される。
【0183】
機器管理装置100は、算出要求に応じて、算出部45により、受け取った計算モジュールを実行し、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じて監視間隔の調整値を算出する(ステップS207)。このとき、算出部45は、管理対象機器200における異なる利用頻度に対応した複数の調整値を算出する。具体的には、比較的利用頻度の高い期間(使用時間帯)と、あまり使用されていない期間(使用時間帯以外)の2つの期間に対応する調整値を算出する。また、遠隔管理装置400から機器管理装置100へ、計算モジュールが送信されるため、調整値算出処理が、各機器管理装置100において分散処理される。
【0184】
算出部45は、調整値を算出すると、自装置が有する更新部42に対して、監視間隔の更新を要求する(ステップS208)。つまり、自装置が備えるHDD108に保持する現在の監視間隔の時間データの更新を要求する。このとき、要求部41は、受け取った調整値を更新部42へ送信し、更新要求を行う。
【0185】
更新部42は、更新要求に応じて、調整値を基に、上記記憶装置の所定の記憶領域に格納される監視間隔の時間データを更新する(ステップS209)。このとき、更新部42は、調整値で現在の時間データを上書きし、監視間隔を調整する。
【0186】
後に更新部42は、取得部43に対して、ステップS209により調整された監視間隔にて再び機器情報51nの取得を要求する(ステップS210)。
【0187】
取得部43は、自身が有する調整値切換部432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯の範囲内か否かを判定し、使用時間帯とそれ以外の時間帯とに対応する2つの調整値を動的に選択する(ステップS211)。
【0188】
調整値切換部432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯(例えば「12時−18時」)に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「5分23秒」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS212n)。
【0189】
一方、現在時刻が使用時間帯以外の時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯以外の時間帯に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「15分」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0190】
<まとめ>
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、本実施形態に係る遠隔管理システム1は、機器管理装置100から取得した最新の機器情報51nと、これまでに収集された過去の機器情報51nとに基づく統計情報(機器マスター情報31n)が算出用パラメータとして設定された監視間隔の調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)が、遠隔管理装置400が有する要求部24から機器管理装置100に送信され、調整値の算出が要求される。
【0191】
その結果、機器管理装置100は、算出部45により、受信した計算モジュールを実行することで調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200を監視する。
【0192】
これにより、本実施家形態に係る遠隔管理システム1では、第1の実施形態で述べた効果に加え、監視間隔の調整値を複数の機器管理装置100において分散処理し、システム全体にかかる負荷を軽減することができる。
【0193】
ここまで、上記各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態に係る遠隔管理システム1が有する「機器監視機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、遠隔管理装置400や機器管理装置100の動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムとしてCPU106により実行することで実現される。よって、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103aに格納することができる。
【0194】
また、上記プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体103aに記憶させることによって、これらの記録媒体103aを読み取り可能なドライブ装置103を介して遠隔管理装置400や機器管理装置100にインストールすることができる。また、遠隔管理装置400と機器管理装置100は、インタフェース装置107を備えていることから、インターネットなどの電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0195】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理システムと機器管理システム(遠隔管理対象システム)との構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置及び機器管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る機器マスター情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る機器情報のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る特定機種における故障頻度と印刷枚数との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置と機器管理装置との連携動作の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る遠隔管理装置と機器管理装置との連携動作の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0197】
1 遠隔管理システム
21 算出部(遠隔管理装置側)
22 応答部
23 調整要否判定部(遠隔管理装置側)
24 要求部(遠隔管理装置側)
31 機器マスター情報
41 要求部(機器管理装置側)
42 更新部
43 取得部
431 調整要否判定部(機器管理装置側)
432 調整値切換部
44 送信部
45 算出部(機器管理装置側:計算モジュール実行部)
51 機器情報
90 内部ネットワーク(LAN)
100 機器管理装置
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置(a:記録媒体)
104 RAM(揮発性の半導体メモリ)
105 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
106 CPU(中央処理装置)
107 インタフェース装置(NIC:Network I/F Card)
108 HDD(不揮発性の記憶装置)
200 管理対象機器(画像処理装置)
300 クライアントPC(情報処理装置)
400 遠隔管理装置(情報処理装置)
A〜C 機器管理システム(遠隔管理対象システムA〜C)
I 外部ネットワーク(インターネット)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークなどのデータ伝送路を介して接続される少なくとも1台以上の機器を管理する管理システムに関し、特に、状態情報を含む機器に関する情報を各機器から取得するとき(各機器を監視するとき)の監視間隔を制御(調整)する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク通信などを含む情報処理技術の高度化に伴い、例えば、ローカルエリアなどの特定エリア内に構築された内部システムを、外部システムから遠隔管理する技術は、すでに知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、少なくとも1つ以上の管理対象システムと、インターネット接続を利用して管理対象システムを遠隔管理する遠隔管理システムとが併用されるシステム環境下において、上記管理対象システムに接続される機器のステータス(状態)に関する情報(状態情報)に基づき動作異常を検知するだけでなく、機器内で動作している各種プロセスに関する情報(プロセス情報)に基づき、動作異常になる傾向(異常プロセス)を検知し、該当プロセスを再起動するなどの異常回避処理を行い、障害発生の防止やダウンタイムの短縮を図ることができるシステムが提案されている。
【0004】
上記管理対象システムは、例えば、LAN(Local Area Network)などの所定のデータ伝送路を介して複合機(MFP:Multifunction Peripheral)やプリンタと言った画像処理装置などの状態を監視する機器管理システムなどが一例として挙げられ、このようなシステムを導入することで、ユーザは管理対象の複数の機器(以下、「管理対象機器」と言う。)に自ら出向くことなく、管理対象機器の異常を検知する(知る)ことが可能となる(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
このように、遠隔管理システムでは、上記機器管理システムを管理対象システムとした場合、機器管理システムに接続される管理対象機器を遠隔管理することができる。これにより、システムを提供するメーカでは、例えば、顧客先(ユーザ先)に導入された複数の機器管理システム及びこれらのシステムに接続される管理対象機器に関する各種情報の収集や動作異常への対応などを遠隔で行うことができ、運用・保守と言った顧客へのサポートサービスの充実を図ることができる。
【特許文献1】特開2008−35444号公報
【特許文献2】特開2005−182701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記に挙げる従来の遠隔管理システムでは、各機器管理システムにおいてサーバ機能を有する機器管理装置により、同システムに接続される管理対象機器に対して同じ間隔で監視を行っている。これでは、頻繁に利用される(利用頻度が高い)ことにより異常が多発する管理対象機器に対して、発生した異常を検知するまでに時間がかかってしまい、監視性能の低下に繋がる。
【0007】
例えば、管理対象機器に印刷性能の異なる2台のプリンタAとBが接続され、プリンタAの印刷性能は10(ppm)、一方、プリンタBの印刷性能は60(ppm)とする。この条件において、両プリンタで6分間に60枚の印刷が行われた場合、プリンタAは、プリンタBと異なり連続印刷されたことになる。
【0008】
このように、管理対象機器は、機器仕様が異なることにより、ユーザの利用状況や機器の運用状況にばらつきが生じる。そのため、機器仕様、利用状況、及び運用状況を総合的に考慮して適切な間隔で機器を監視し、機器管理を行う必要がある。
【0009】
そこで、管理対象機器から収集した印刷枚数(カウンタ値)に基づき、機器ごとの利用状況を把握し、監視間隔を制御(調整)する方法が考えられる。しかし、印刷枚数のような単純な情報(単数の情報)では、大まかな利用状況しか判断できない。
【0010】
そのため、上記方法では、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じて適切な間隔で監視を行うと言う点において、十分な情報に基づいた監視間隔の制御を行っていることにならない。
【0011】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができる遠隔管理システム、遠隔管理装置、機器管理装置、監視間隔制御方法、監視間隔制御プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明にあっては、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、前記機器管理装置が、前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有し、前記遠隔管理装置が、前記要求手段による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを要旨としている。
【0013】
このような構成によって、本発明に係る遠隔管理システムは、機器管理装置により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、機器管理装置から遠隔管理装置へ管理対象機器の機器情報が送信され調整値の算出が要求される。遠隔管理装置は、要求に応じて、要求時に取得した機器情報(最新の機器情報)と、これまでに収集した機器情報(過去の機器情報)とに基づく統計情報を用いて、所定の計算式により調整値を算出し、算出した調整値を、要求元の機器管理装置へ応答する。その結果、機器管理装置は、遠隔管理装置からの調整値に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器を監視する。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、前記要求手段による算出要求時に前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出する。
【0015】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、前記機器情報に含まれる機器の機種を識別する機種識別情報に基づき、機種ごとに生成された前記統計情報の中から、該当する統計情報を特定し、特定した統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出する。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとを、前記所定の計算式のパラメータとして設定し、前記監視間隔調整値を算出する。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、基準間隔時間に従って前記監視間隔を制御するときに想定される基準印刷速度、基準使用年数、基準故障頻度、及び基準使用率の各データに対して、前記機種仕様データ及び前記機種統計データの比率を算出し、算出した比率で前記基準間隔時間を除算する計算式により、前記監視間隔調整値を算出する。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記算出手段が、異なる計算式により、前記機器の異なる利用頻度に対応する複数の監視間隔調整値を算出する。
【0019】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記機器管理装置が、前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、前記要求手段は、前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求する。
【0020】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記調整要否判定手段が、閾値として予め設定しておいた所定の印刷枚数データと、前記機器情報に含まれる印刷枚数を表す印刷枚数データとを比較し、前記機器情報に含まれる印刷枚数が前記閾値を超過した場合に、前記監視間隔の調整が必要と判定する。
【0021】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記機器管理装置が、前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、前記取得手段は、前記調整値切換手段により切り換えられた監視間隔調整値に基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理システムは、前記調整値切換手段が、現在時刻を表す時刻データと、前記機器情報に含まれる前記機器の利用頻度が高い使用時間帯を表す時間帯データとに基づき、前記現在時刻が前記使用時間帯の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に基づき前記監視間隔調整値を切り換える。
【0023】
これにより、本発明に係る遠隔管理システムは、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができる。
【0024】
上記目的を達成するため、本発明に係る遠隔管理装置は、第1のデータ伝送路で接続される機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置であって、前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により監視間隔調整値を算出する算出手段と、前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを特徴とする。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明に係る機器管理装置は、当該機器管理装置を介して収集した機器情報を基に機器を遠隔管理する遠隔管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、所定の監視間隔に従って、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の前記機器を監視する機器管理装置であって、前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明にあっては、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、前記遠隔管理装置が、前記機器管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段、を有し、前記機器管理装置が、前記要求手段による前記遠隔管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを要旨としている。
【0027】
このような構成によって、本発明に係る遠隔管理システムは、遠隔管理装置により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、遠隔管理装置から機器管理装置へ、機器管理装置から取得した機器情報に基づく統計情報が算出用パラメータとして設定される監視間隔の調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)が送信され、調整値の算出が要求される。機器管理装置は、要求に応じて、要求時に受信した計算モジュールを実行し、調整値を算出する。その結果、機器管理装置は、算出された調整値に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器を監視する。
【0028】
これにより、本発明に係る遠隔管理システムは、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができ、さらに監視間隔の調整値を複数の機器管理装置において分散処理し、システム全体にかかる負荷を軽減することができる。
【0029】
上記目的を達成するため、本発明に係る監視間隔制御方法は、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムにおける遠隔監視制御方法であって、前記機器管理装置から前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手順と、前記要求手順による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、前記遠隔管理装置が、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手順と、前記算出手順による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手順と、前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、前記機器管理装置が、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手順と、前記更新手順により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手順と、を有することを特徴とする。
【0030】
このような手順によって、本発明に係る監視間隔制御方法は、管理対象システムである各機器管理システムを介して収集した管理対象機器の機器情報(例えば「印刷枚数」や「異常発生履歴」など)に加え、これまでに収集した機器情報に基づく統計情報(例えば「平均使用率」や「平均故障頻度」など)を用いて、所定の計算式により監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器を監視すると言う動作を実現する。
【0031】
これにより、本発明に係る監視間隔制御方法は、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、管理対象システムである各機器管理システムを介して収集した管理対象機器の機器情報に加え、収集した機器情報に基づく統計情報を用いて算出した監視間隔の調整値に基づき管理対象機器の監視を制御するようにしたことにより、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器を遠隔管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、「実施形態」という。)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0034】
[第1の実施形態]
<システム構成>
では、本実施形態に係る遠隔管理システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理システム1の構成例を示す図である。
【0035】
図1に示すように、遠隔管理システム1は、インターネットなどの外部ネットワークIを介して、遠隔管理装置400に、少なくとも1つ以上の遠隔管理対象である機器管理システムA〜Cが接続されている。
【0036】
機器管理システムA〜Cは、例えば顧客先に導入され特定エリア(ローカル)に構築されたシステムであり、一方、遠隔管理装置400は、メーカ側に配置されたサーバ機能を有する機器で、この遠隔管理装置400が、外部ネットワークIを介して、各顧客先に導入された機器管理システムA〜Cを遠隔管理する。また、一般的に、機器管理システムA〜Cと外部ネットワークIとの間には、機器管理システムA〜Cの機密性を確保するため、ファイアウォール(非図示)が設置されている。
【0037】
機器管理システムA〜Cは、LP(Laser Printer)2001やMFP2002と言った少なくとも1台以上の管理対象機器200と、少なくとも1台以上のクライアントPC(Personal Computer)300(以下、単に「PC」と言う。)と、機器管理装置100とが、LANなどの内部ネットワーク90で相互に接続されている。
【0038】
各機器管理システムA、B、又はCでは、機器管理装置100により、当該装置において動作する機器管理機能によって、管理対象機器200から各種情報(例えば、「状態情報」や「ジョブ履歴情報」などの機器情報。)を取得し、機器の状態が監視される。また、PC300に対しては、機器管理装置100から管理対象機器200の機器情報が提供される。
【0039】
これにより、遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400が、外部ネットワークIを介して機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100と接続されていることから、機器管理装置100を介して管理対象機器200の機器情報を取得し、取得した機器情報に基づき、所定期間における平均使用率や平均故障率と言った統計情報を生成できる。さらには、機器管理装置100に対して、管理対象機器200の動作条件設定の変更や再起動と言った各種設定と動作指示を行うこともでき、機器管理システムA〜Cを一括管理できる。
【0040】
なお、上記には、機器管理装置100と外部ネットワークIとの間に、ファイアウォールを設置する構成について説明を行ったが、機器管理装置100が、ファイアウォールの機能を有している構成であってもよい。
【0041】
<ハードウェア構成>
次に、機器管理システムA〜Cを遠隔管理する遠隔管理装置400と、管理対象機器200を管理する機器管理装置100とのハードウェア構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置400及び機器管理装置100のハードウェア構成例を示す図である。なお、遠隔管理装置400と管理対象機器100は、ともにPCなどの情報処理装置であることから、以下の説明では、両装置を代表して機器管理装置100を例に説明する。
【0042】
機器管理装置100は、入力装置101と、表示装置102と、ドライブ装置103と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read Only Memory)105と、CPU(Central Processing Unit)106と、インタフェース装置107と、HDD(Hard Disk Drive)108とから構成され、それぞれがバスで相互に接続されている。
【0043】
入力装置101は、キーボードやマウスなどで構成され、機器管理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどで構成され、機器管理装置100による処理結果(例えば「管理対象機器200から取得した機器情報」)などを表示する。
【0044】
インタフェース装置107は、機器管理装置100をネットワーク(内部・外部の両ネットワークを含む)に接続するインタフェースである。上述したように、機器管理装置100は、インタフェース装置107を介して、管理対象機器200やPC300、また遠隔管理装置400などの複数の機器とのデータ通信を行う。
【0045】
HDD108は、機器管理装置100全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(登録商標)」や「UNIX(登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System))を提供するプログラムやデータ、及び情報処理システム上において動作し、各種機能(例えば「機器管理機能」や「データ通信機能」)を提供するプログラムやデータ(例えば「アプリケーションプログラム」や「アプリケーションデータ」)などを格納している不揮発性の記憶装置である。また、HDD108は、格納している上記プログラムやデータを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
【0046】
なお、上記プログラムやデータは、例えばCD(Compact Disk)などの記録媒体103aによって機器管理装置100に提供されるか、ネットワークなどのデータ伝送路からインタフェース装置107を介してダウンロードされる。例えば、記録媒体103aから提供される場合は、記録媒体103aを読み取り可能なドライブ装置103を介してHDD108にインストールされる。
【0047】
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、機器管理装置100が起動されるときに実行されるBIOS(Basic Input/Output System)や、機器管理装置100のシステム設定やネットワーク関連の設定などのデータが格納されている。
【0048】
RAM104は、上記各種記憶装置から読み出されたプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリであり、CPU106は、このRAM104上に読み出したプログラムを実行することにより、機器管理装置100の全体制御や機器管理装置100が搭載する各種機能を動作させる。
【0049】
このようなハードウェア構成により、機器管理装置100は、HDD108からRAM104上に読み出した機器監視機能を実現するためのプログラムをCPU106により実行し、管理対象機器200の機器情報の収集、状態監視、並びにPC300への情報提供や遠隔管理装置400への情報送信などを行ったりすることができる。
【0050】
また、遠隔管理装置400の場合には、HDD108からRAM104上に読み出した遠隔管理機能を実現するためのプログラムをCPU106により実行し、機器管理装置100からの機器情報の取得、機器情報に基づき統計情報の生成、並びに機器管理装置100への動作指示などを行ったりすることができる。
【0051】
<機器監視機能>
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、上述した遠隔管理装置400と機器管理装置100それぞれにおいて動作する各機能の連携動作により、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器200の遠隔管理を実現する。
【0052】
そのため、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器管理装置100により監視間隔の調整が必要と判断すると、機器管理装置100から遠隔管理装置400へ管理対象機器200の機器情報が送信され調整値の算出が要求される。続いて、要求に応じて遠隔管理装置400により、要求時に取得した機器情報(最新の機器情報)と、これまでに収集した機器情報(過去の機器情報)とに基づく統計情報を用いて、所定の計算式により調整値が算出され、算出された調整値を要求元の機器管理装置100へ応答される。その結果、機器管理装置100により、遠隔管理装置400からの調整値に基づいて監視間隔が制御され、管理対象機器200を監視する。このような機器監視機能を有している。
【0053】
すなわち、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器監視機能において、各機器管理システムA〜Cを介して収集した管理対象機器200の機器情報(例えば「印刷枚数」や「ジョブ履歴」など)に加え、これまでに収集した機器情報に基づき生成された統計情報(例えば「平均使用率」や「平均故障率」など)を用いて、機器特性や利用状況を考慮した監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200の監視を制御する。
【0054】
では、上記機器監視機能の構成とその動作について説明する。
【0055】
《機能構成》
図3は、本発明の第1の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【0056】
本実施形態に係る機器監視機能は、主に、遠隔管理装置400と機器管理装置100に搭載(インストール)される各管理コンポーネント(アプリケーション)の機器監視機能に関するプログラムが実行されることにより実現される機能である。
【0057】
図3に示すように、機器監視機能を構成する各機能部は、遠隔管理装置400が有する機能部と、機器管理装置100が有する機能部とに大別される。
【0058】
(遠隔管理装置側)
遠隔管理装置400は、機器管理装置100からの要求に従って監視間隔の調整値を算出する算出部21と、要求元の機器管理装置100へ算出結果を応答する応答部22と、を有している。
【0059】
算出部21は、要求時に機器管理装置100から送信される最新の機器情報51と、これまでに収集した過去の機器情報51とに基づき生成された統計情報や、機種の固有情報を含む機器マスター情報31を用いて、所定の計算式により、監視間隔の調整値を算出する。
【0060】
後述するが、機器情報51や機器マスター情報31には、機器仕様、利用状況、及び運用状況を示す各種データが含まれており、これらのデータを用いて調整値を算出する。
【0061】
算出部21が行う監視間隔の調整値算出方法については、後述する「監視間隔の調整値算出」で詳しく説明する。
【0062】
次に、応答部22は、算出部21により算出された調整値を機器管理装置100へ送信し、要求元へと応答する。
【0063】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100からの要求に従って、遠隔管理装置400が監視間隔の調整値を算出し、算出結果を要求元へ返す構成となっている。
【0064】
(機器管理装置側)
一方、機器管理装置100は、上述したように遠隔管理装置400に対して監視間隔の調整値の算出を要求する要求部41と、遠隔管理装置400からの応答により、監視間隔を制御する制御データを更新する更新部42と、調整後の監視間隔に従って管理対象機器200から機器情報51を取得する取得部43と、を有している。
【0065】
要求部41は、遠隔管理装置400に対して、取得部43により取得した機器情報51を送信し、監視間隔の調整値の算出を要求する。また、要求部41は、取得部43が有する調整要否判定部431による判定結果に基づき、監視間隔の調整値の算出を要求する。
【0066】
次に、更新部42は、遠隔管理装置400からの応答により取得した調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する。具体的には、調整値として受け取った新たな監視間隔の時間データによって、過去の監視処理において用いた監視間隔の時間データを上書きすることで更新する。つまり、更新部42により監視間隔の間隔時間を調整している。
【0067】
なお、上記時間データ(制御データ)は、HDD108内の記憶領域に構築されたDBやファイルシステムにより管理され、決められた記憶領域に格納されている。
【0068】
次に、取得部43は、更新部42により更新された最新の監視間隔の時間データを参照し、調整後の監視間隔に従って、内部ネットワーク90を介して管理対象機器200から機器情報51を取得する。
【0069】
また、取得部43は、機器情報51を取得した管理対象機器200に対して、監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定部431と、管理対象機器200の利用頻度に応じて適切な監視間隔の調整値に切り換える調整値切換部432と、を有している。
【0070】
調整要否判定部431は、取得した機器情報51に含まれる印刷枚数(カウンタ値)に基づき監視間隔の調整が必要と判定された場合に、要求部41に対して監視間隔の調整値算出を要求する。また、調整値切換部432は、利用頻度の高い時間帯とそれ以外の時間帯とで異なる監視間隔の調整値を動的に選択し切り換える。これら各機能による調整要否判定と調整値切り換えについては、後述する「監視間隔調整の要否判定」と「調整値の切換制御」で詳しく説明する。
【0071】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、遠隔管理装置400へ監視間隔の調整値の算出を要求し、遠隔管理装置400から応答された調整値に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器200を監視する構成となっている。
【0072】
(データ構成)
次に、本実施形態に係る機器監視機能を実現するために用いる機器マスター情報31と機器情報51それぞれについて説明する。
【0073】
・機器マスター情報
図4は、本発明の第1の実施形態に係る機器マスター情報31のデータ例を示す図である。機器マスター情報31は、上述したように、遠隔管理装置400が有する情報であって、例えば、遠隔管理装置400が備えるHDD108の所定の記憶領域に格納されている。
【0074】
また、機器マスター情報31は、HDD108内の記憶領域に構築されたDBやファイルシステムにより機種ごとに分けられて管理され、決められた記憶領域に格納される。よって、複数機種に対応する場合には、対応する機種と同数の機器マスター情報311〜n(以降、「機器マスター情報31n」として表現する。)を保持し、後述する機器情報51に含まれる機種識別情報(例えば「機種ID」など)に基づき、機種に対応する機器マスター情報31nを特定できる。
【0075】
このような機器マスター情報31nは、図4に示すように、例えば、1分間の印刷枚数により印刷速度を表す「PPM(Pages per minutes)」と、後述する機器情報51に基づき生成される(算出可能な)統計情報である「平均使用年数」、「平均使用時間」、「平均故障頻度」、及び「平均使用率」などの複数個のデータ項目から構成され、各データ項目に対応するデータ(実値)が含まれる。
【0076】
PPMは、機種ごとの固有情報であり、統計情報は、機種ごとの可変情報である。統計情報は、例えば、メーカ側で、顧客先導入後の管理対象機器200の利用状況や運用状況などを分析し、機器管理を行うために用いられる。
【0077】
また、統計情報の「平均使用年数」、「平均使用時間」、「平均故障頻度」、及び「平均使用率」は、同機種における管理対象機器200の使用年数、使用時間、故障頻度、使用率の各合計値を台数で除算することにより求められる平均値である。
【0078】
使用年数と使用時間は、管理対象機器200から取得した機器情報51に含まれている値である。
【0079】
また、故障頻度は、一定期間に発生した動作異常の件数を表し、取得した機器情報51に含まれる異常発生履歴を基に所定の計算式を用いて求められる値であり、使用率は、一定期間に管理対象機器200が使用された割合、すなわち利用頻度を表し、取得した機器情報51に含まれる使用時間とPPMを基に所定の計算式を用いて求められる値である。
【0080】
このように、遠隔管理装置400では、機器管理装置100を介して取得した管理対象機器200の機器情報51を単に記録しておくのではなく、機器情報51に基づき、機器管理に用いる統計情報が生成され、記録される。つまり、機器マスター情報31nに含まれる統計情報の各データは、機器管理装置100から機器情報51を取得したタイミングで、動的に生成されデータが更新される仕組みとなっている。
【0081】
なお、上述した内容は、機器マスター情報31nにおけるデータ構成の一例を示すもので、情報を構成するデータ項目についてはこの限りでない。
【0082】
・機器情報
図5は、本発明の第1の実施形態に係る機器情報51のデータ例を示す図である。機器情報51は、上述したように、機器管理装置100が有する情報であって、取得部43により管理対象機器200から取得され、例えば、機器管理装置100が備えるHDD108の所定の記憶領域に格納される。
【0083】
また、機器情報51は、HDD108内の記憶領域に構築されたDBやファイルシステムにより機器ごとに分けられて管理され、決められた記憶領域に格納される。よって、機器情報51を複数機器から取得した場合には、対応する機器と同数の機器情報511〜n(以降、「機器情報51n」として表現する。)を保持する。
【0084】
このような機器情報51nは、図5に示すように、例えば、「印刷枚数」、「使用年数」、「使用時間帯」、及び「異常発生履歴」などの複数個のデータ項目から構成され、各データ項目に対応するデータ(実値)が含まれる。
【0085】
印刷枚数は、年間枚数、月間枚数、日間枚数、及び現在までの総枚数などの各期間の印刷枚数を表す値であり、使用年数は、管理対象機器200が顧客先に導入から現在までの経過年数を表す値である。
【0086】
また、使用時間帯は、管理対象機器200をユーザが利用する主な時間帯を表す値であり、異常発生履歴は、導入から現在までに発生した動作異常を記録したイベントログ(例えば「プロセスID」や「プロセスステータス」などで構成されるログ)である。
【0087】
さらに、図中には示していないが、機器情報51nには、上記データ項目以外にも、管理対象機器200を特定する情報(機器特定情報)である「シリアル番号」、機種を識別する情報(機種識別情報)である「機種ID」、機器名称を表す情報(機器名称情報)である「機器名」、及び管理対象機器200の状態を表す情報(状態情報)などが含まれる。
【0088】
このように、機器管理装置100では、管理対象機器200から取得した機器情報51nを記録し、記録した機器情報51nを、遠隔管理装置400へ送信している。また、遠隔管理装置400への機器情報51nの送信は、遠隔管理装置400と自装置との間の外部ネットワークIの通信負荷を軽減するために、自装置で管理する管理対象機器200全てから機器情報51nを取得後に一括送信するなどの方法をとっている。
【0089】
なお、上述した内容は、機器情報51nにおけるデータ構成の一例を示すもので、情報を構成するデータ項目についてはこの限りでない。
【0090】
ここからは、本実施形態に係る機器監視機能において、上述した各機能部が動作することにより実現される処理について説明する。
【0091】
《監視間隔調整の要否判定》
監視間隔の調整を行う場合には、機器監視機能の動作において、どのタイミングで行うのかを制御する必要がある。
【0092】
そのため、本実施形態では、機器管理装置100が有する調整要否判定部431により、機器情報51nを取得した管理対象機器200に対して、監視間隔の調整が必要か否かを判定し、必要と判定された場合に、要求部41へ調整値算出の要求を発行するように依頼する。
【0093】
このとき、調整要否判定部431は、監視間隔の調整要否判定を、取得した機器情報51nに含まれる印刷枚数に基づいて行う。
【0094】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る特定機種における故障頻度と印刷枚数との関係を示す図である。
【0095】
図6に示すように、管理対象機器200が複合機2002やLP2001と言った印刷機能を有する画像形成装置であった場合には、印刷枚数が増加するにつれて、故障頻度が高くなる特性がある。
【0096】
この特性は、画像形成装置において印刷機能が動作した場合、装置全体が動作することから、印刷枚数が増えると、装置全体の動作回数も増えることに起因するものであり、機種ごとに異なる。
【0097】
よって、監視間隔の調整は、機器管理の観点から考えると、印刷枚数に依存して変化する故障頻度が、ユーザの使用感に影響を及ぼさない範囲(以下、「許容範囲」と言う。)で最大(例えば「動作異常が多発することが予想される機器状態」)となったタイミングで行うのが適切である。
【0098】
これにより、故障頻度が許容範囲内の最大となった場合には、監視間隔を現在の間隔より短く調整し、一定時間内の監視回数を増やすことで、動作異常が発生した場合における故障対応までのダウンタイムの軽減を図る。
【0099】
そこで、調整要否判定部431では、運用状況から予め決定しておいた、許容範囲内の最大の故障頻度に対応する印刷枚数を所定の閾値として、閾値を超える印刷枚数となった場合に、監視間隔を調整する必要があると判断している。
【0100】
例えば、図6に示す特性では、月間印刷枚数が11200(枚/月)から14000(枚/月)に増加した場合に、年間故障頻度が急激に増加し、月間印刷枚数が14000(枚/月)を超えてからは、年間故障頻度が1(件/年)を超過した状態が継続している。
【0101】
このような特性を有する管理対象機器200において、年間故障頻度1(件/年)が、許容範囲内の最大の故障頻度(故障頻度の許容範囲内)だった場合には、月間印刷枚数が14000(枚/月)、又は1ヶ月の機器稼働日数を20日とした場合の日間印刷枚数700(枚/日)を閾値として、監視間隔の調整要否を判定する。つまり、月間印刷枚数が14000(枚/月)を超えた場合、又は日間印刷枚数700(枚/日)を超えた場合に、監視間隔を調整する必要があると判断する。
【0102】
以上のように、調整要否判定部431は、運用状況から予め決定しておいた調整要否判定基準値(閾値)を、管理対象機器200から取得した判定用の可変値(印刷枚数)が超過したか否かを判定することにより、監視間隔の調整タイミングを制御している。
【0103】
なお、上述したように、印刷機能による特性は、印刷速度などの性能に起因して機種ごとに異なる。そのため、調整要否判定部431は、機器情報51nに含まれる機種IDを基に、管理対象機器200の機種を識別し、機種ごとに予め決定しておいた複数の閾値のうち、対応する機種の閾値を用いて、監視間隔の調整要否判定を行う。
【0104】
また、印刷機能による特性は、使用年数(導入後の経過年数)にも依存し、例えば、同じ故障頻度であっても、使用年数が1年未満と3年とでは、管理対象装置200の劣化度合いが異なることから、使用年数3年の方が、1年未満に比べて、故障頻度に対応する印刷枚数が少ないことが考えられる。よって、調整要否判定部431は、機器情報51nに含まれる使用年数を基に、使用年数に対応して予め決定しておいた複数の閾値のうち、対応する年数の閾値を用いるようにしてもよい。
【0105】
さらに、上述したような、故障頻度と印刷枚数との関係は、遠隔管理装置400において、機器マスター情報31nに含まれる平均故障頻度と、取得した機器情報51nに含まれる印刷枚数とに基づき、統計情報の1つとして生成可能である。よって、遠隔管理装置400により生成された、故障頻度と印刷枚数との関係を示す統計情報から、関係の変化に応じた閾値を決定し、この決定に基づき、機器管理装置100が保持する調整要否判定基準値を動的に更新するようにしてもよい。
【0106】
このように、調整要否判定基準値を動的に更新する構成であれば、実際の運用状況が反映された閾値により調整要否判定を行うことができ、より適切なタイミングで監視間隔の調整を行える。
【0107】
《監視間隔の調整値算出》
監視間隔の調整値は、遠隔管理装置400が有する算出部21により算出され、応答部22により算出結果として機器管理装置100に送信される。
【0108】
その算出方法は、更新された機器マスター情報31nに含まれる最新の統計情報と機種の固有情報との各データを用いて、所定の計算式により監視間隔の調整値を算出する。
【0109】
具体的には、機器マスター情報31nに含まれるPPM、平均使用年数、平均故障頻度、及び平均使用率を用いて、以下の計算式[式1]により算出する。
【0110】
(調整値の計算式)
X = St / (Yam1/2 × Eam× PPMm × Uam)・・・[式1]
(算出値)
X:監視間隔の調整値
(各パラメータ)
St:基準間隔,
Yam:機種平均使用年数/基準使用年数,Eam:機種平均故障頻度/基準故障頻度,
PPMm:機種PPM/基準PPM,Uam:機種平均使用率/基準使用率
基準間隔とは、監視間隔を調整するにあたり基準とする時間間隔であり、所定の基準条件における監視間隔である。また、所定の基準条件とは、基準使用年数、基準故障頻度、基準PPM、及び基準使用率である。
【0111】
このように、算出部21は、まず、基準使用年数、基準故障頻度、基準PPM、及び基準使用率の各基準条件値[A]に対して、各基準条件に対応する平均使用年数、平均故障頻度、PPM、及び平均使用率の各機種対応値[B]の比率[B/A]を算出する。続いて、算出した比率で基準間隔Stを除算[St/(B/A)]することで、機種に対応した間隔時間(機種用の調整値)を求めている。
【0112】
なお、使用率とは、管理対象機器200における1ヶ月の稼働日数を20日間とした場合のPPMの値に基づく最大印刷性能から想定される月間印刷枚数に対して、同期間内で実際に印刷された月間印刷枚数の比率である。具体的には、以下の計算式[式2]により算出する。
【0113】
(使用率の計算式)
U = P / (20 × T × 60 × PPM)・・・[式2]
(算出値)
U:使用率(月間)
(各パラメータ)
P:月間印刷枚数,T:使用時間,PPM:PPM
(具体的な算出例)
以下に、上述した算出方法の具体的な例を、図3に示した機器マスター情報31nの各データを用いて説明する。
【0114】
なお、基準間隔は、基準使用年数を1(年)、基準故障頻度を1(件/年)、基準PPMを25(ppm)、及び基準使用率を4(%)とする各基準条件において、10(秒)と仮定する。また、上記基準使用率は、実際の月間印刷枚数を9600(枚/月)、基準使用時間を8(時間)、PPMを25(ppm)として、上記[式2]により算出した値とする。
【0115】
図3には、機種平均使用年数3.3(年)、機種平均故障頻度0.8(件/年)、機種PPM32(ppm)、及び機種平均使用率4(%)の各機種対応値を含む機器マスター情報31nが示されている。
【0116】
このような各データを用いて、上記[式1]の各パラメータを算出すると、St[10],Yam[3.3],Eam[0.8],PPMm[1.28],Uam[1]となる。
【0117】
よって、上記[式1]にこれらの各パラメータを設定(代入)すると、調整値[5.38]が算出され、監視間隔は「約5分23秒」となる。
【0118】
このように、機器マスター情報31nに対応する機種の管理対象機器200は、基準条件で想定される基準機器に比べて、使用年数が長く、かつ印刷速度が速い(PPMが大きい)ことから、動作異常が多発することが予想される。そのため、基準機器において想定している監視間隔(基準間隔)より間隔が短くなるような調整値を算出する。
【0119】
以上のように、算出部21は、機器マスター情報31nや機器情報51nに基づき、機器仕様を表すPPMのデータ、利用状況を表す使用率のデータ、運用状況を表す使用年数と故障頻度の各データを用いて監視間隔の調整値を算出する。これにより、監視間隔を、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じて制御することができる。
【0120】
なお、上記では、機種単位で監視間隔の調整値を算出したが、機器単位においても調整値を算出することができる。
【0121】
具体的には、基準使用年数、基準故障頻度、基準PPM、及び基準使用率の各基準条件値[A]に対して、各基準条件に対応する使用年数、故障頻度、PPM、及び使用率の各機器対応値[C]の比率[C/A]を算出し、算出した比率で基準間隔Stを除算[St/(C/A)]する。
【0122】
また、上記では、監視間隔の調整値は、同機種全体の平均使用年数を用いて算出したが、これに限らず、使用年数を幾つかの期間に分類し、それぞれの期間における平均故障頻度と平均使用率とを用いて算出してもよい。
【0123】
例えば、使用年数を1年未満、1以上から3年未満、及び3年以上の3つの期間に分けて、取得した機器情報51nに含まれる故障頻度と使用率を、使用年数に基づき分類する。続いて、分類された故障頻度と使用率とのそれぞれの合計値を、期間ごとの管理対象機器200の台数で除算する。これにより、3つの期間における平均故障頻度と平均使用率とを求めて、これらのデータを用いて調整値を算出する。
【0124】
このように、使用年数に基づき、同機種における平均故障頻度と平均使用率とを細分化することで、監視間隔の制御が、同機種全体の平均値から求めた調整値に従って行った場合に比べて、さらに管理対象機器200の利用状況や運用状況に即した制御となる。
【0125】
(利用頻度の異なる使用期間に対応した複数の調整値)
また、上記監視間隔の調整値は、機器情報51nに含まれる使用時間帯に示す、比較的利用頻度の高い期間に行う機器監視処理において用いられる値である。
【0126】
一方、管理対象機器200には、利用頻度が低く、あまり使用されない期間も存在する。この期間に行う機器監視処理の監視間隔は、あまり使用されていない期間であることから、極力期間内の監視回数を減らし、遠隔管理装置400と機器管理装置100の間の外部ネットワークIにおける通信負荷を軽減させることが望ましい。
【0127】
そこで、算出部21では、あまり使用されない期間に行う機器監視処理において用いる調整値も算出する。具体的には、現在の監視間隔の時間に、主に使用される期間に行う機器監視処理において用いられる監視間隔(調整値)と基準時間との差分時間を加算する。また、単純に現在の監視間隔の時間を2倍する方法であってもよい。
【0128】
このように、あまり使用されない期間に行う機器監視処理において用いる調整値の算出では、現在の監視間隔の時間が延長されるような調整値が算出されればよい。
【0129】
《調整値の切換制御》
遠隔管理装置400から算出結果として受け取った、異なる利用頻度に対応して算出された複数の調整値は、機器管理装置100が有する調整値切換部432により切り換え制御される。具体的には、現在時刻が、機器情報51nに含まれる使用時間帯の範囲内か否かの判定結果に基づき、使用時間帯とそれ以外の時間帯とに対応する2つの調整値を動的に選択し、どちらか一方の調整値を、機器監視処理における監視間隔の制御値とする。
【0130】
《機能動作》
ここからは、上述した各機能部による機器監視機能の動作について説明する。機器監視機能は、上記各機能部が連携動作することにより機能し、遠隔管理装置400と機器管理装置100それぞれに搭載される機器監視機能を実現するためのプログラム(ソフトウェア部品)が、CPU106により格納先(例えば「ROM105」など)からRAM104に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0131】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置400と機器管理装置100との連携動作の一例を示す図である。
【0132】
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400と機器管理装置100との間で、図7に示すような連係動作が行われる。具体的には、以下の通りである。
【0133】
(1)機器管理装置100が、調整要否判定部431により、監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、要求部41から遠隔管理装置400に対して調整値の算出を要求する。
【0134】
(2)遠隔管理装置400は、要求に応じて算出部21により調整値を算出し、算出した調整値を、応答部22により要求元の機器管理装置100へ応答する。
【0135】
(3)機器管理装置100は、遠隔管理装置400からの調整値を更新部42により記録し、取得部43が、記録した調整値に基づいた監視間隔に従って、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0136】
上記(1)〜(3)における詳細な処理手順については、以下の通りである。
【0137】
(処理手順)
図8は、本発明の第1の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【0138】
図8に示すように、遠隔管理システム1では、機器管理装置100が、取得部43により、自装置が管理する機器管理システムA、B、又はCに接続される各管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS101n)。このとき、取得部43が有する調整要否判定部431が、運用状況から予め決定しておいた、許容範囲内の最大の故障頻度に対応する印刷枚数を所定の閾値(日間700枚)として、機器情報51nに含まれる印刷枚数が所定の閾値を超えたか否かを判定し、監視間隔調整の要否判定を行う(ステップS102)。
【0139】
なお、ステップS101nでは、ステップS102の判定により、監視間隔の調整を行う必要がないと判断し(印刷枚数が日間700枚未満)、基準間隔10分に基づき、各管理対象機器200の監視間隔を制御している。
【0140】
一方、ステップS102において、監視間隔の調整を行う必要があると判断した場合(印刷枚数が日間700枚以上)、取得部43が、自装置が有する要求部41に対して、監視間隔調整値の取得を要求する(ステップS103)。
【0141】
要求部41は、調整値の取得要求に応じて、遠隔管理装置400が有する算出部21へ、監視間隔調整値の算出を要求する(ステップS104)。このとき、要求部41は、取得部43が取得した機器情報51nを遠隔管理装置400へ送信し、算出要求を行う。
【0142】
遠隔管理装置400は、算出要求に応じて、算出部21により、機器管理装置100から取得した最新の機器情報51nにより更新された機器マスター情報31nに含まれる、機器仕様を表すPPMのデータ、利用状況を表す使用率のデータ、運用状況を表す使用年数と故障頻度の各データ(最新の機器情報51nが反映された統計情報)を用いて、監視間隔の調整値を算出する(ステップS105)。このとき、算出部21は、管理対象機器200における異なる利用頻度に対応した複数の調整値を算出する。具体的には、比較的利用頻度の高い期間(使用時間帯)と、あまり使用されていない期間(使用時間帯以外)の2つの期間に対応する調整値を算出する。
【0143】
算出部21は、調整値を算出すると、自装置が有する応答部22に対して、要求元の機器管理装置100へ算出結果の応答を要求する(ステップS106)。このとき、算出部21は、算出結果である調整値を応答部22に渡し、応答要求を行う。
【0144】
応答部22は、応答要求に応じて、機器管理装置100が有する要求部41(要求元)へ算出結果を応答する(ステップS107)。このとき、応答部22は、算出結果である調整値を、機器管理装置100へ送信し、応答を行う。
【0145】
要求部41は、遠隔管理装置400から受け取った調整値に基づき、自装置が有する更新部42に対して、監視間隔の更新を要求する(ステップS108)。つまり、自装置が備えるHDD108に保持する現在の監視間隔の時間データの更新を要求する。またこのとき、要求部41は、受け取った調整値を更新部42へ送信し、更新要求を行う。
【0146】
更新部42は、更新要求に応じて、調整値を基に、上記記憶装置の所定の記憶領域に格納される監視間隔の時間データを更新する(ステップS109)。このとき、更新部42は、調整値で現在の時間データを上書きし、監視間隔を調整する。
【0147】
後に更新部42は、取得部43に対して、ステップS109により調整された監視間隔にて再び機器情報51nの取得を要求する(ステップS110)。
【0148】
取得部43は、自身が有する調整値切換部432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯の範囲内か否かを判定し、判定結果に基づき使用時間帯とそれ以外の時間帯とに対応する2つの調整値を動的に選択する(ステップS111)。
【0149】
調整値切換部現432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯(例えば「12時−18時」)に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「5分23秒」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS112n)。
【0150】
一方、現在時刻が使用時間帯以外の時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯以外の時間帯に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「15分」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0151】
<まとめ>
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、本実施形態に係る遠隔管理システム1は、管理対象システムである各機器管理システムA〜Cを介して取得した管理対象機器200の機器情報51nに加え、これまでに収集した機器情報51nに基づく統計情報を用いて、所定の計算式により監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200を監視する。
【0152】
これによって、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔で各管理対象機器200を遠隔管理することができる。
【0153】
[第2の実施形態]
第1の実施形態に係る遠隔管理システムでは、遠隔管理装置により、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じた適切な監視間隔の調整値を算出し、機器管理装置が、算出された調整値に基づき各管理対象機器を監視し、遠隔管理を実現している。
【0154】
このような構成では、遠隔管理装置が管理する機器管理システムが多い場合や、機器管理装置が管理する管理対象機器が多い場合など、遠隔管理装置に、監視間隔の調整値算出処理が集中し、その算出処理に負荷がかかる。
【0155】
そこで、本実施形態では、上記算出処理を分散させ、負荷を軽減可能なシステムを提案する。
【0156】
具体的は、本実施形態に係る遠隔管理システムでは、遠隔管理装置により監視間隔の調整が必要と判断すると、遠隔管理装置から機器管理装置へ、監視間隔調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)が送信され監視間隔の調整値の算出が要求される。機器管理装置は、要求に応じて、要求時に受信した計算モジュールを実行し調整値を算出し、算出した調整値に基づいて監視間隔が制御され、管理対象機器を監視する機器監視機能を有している。
【0157】
では、本実施形態に係る機器監視機能の構成とその動作について説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明を行い、同様の点は便宜省略する。
【0158】
<機器監視機能>
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、第1の実施形態と同様に、機器監視機能において、各機器管理システムA〜Cを介して取得した管理対象機器200の機器情報51nに加え、これまでに収集した機器情報51nに基づく統計情報を用いて、機器特性や利用状況を考慮した監視間隔の調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200の監視を制御する。さらにその中で、上記監視間隔の調整値算出処理を、遠隔管理装置400において一括処理するのではなく、各機器管理装置100において分散処理する構成となっている。
【0159】
《機能構成》
図9は、本発明の第2の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【0160】
本実施形態に係る機器監視機能は、主に、遠隔管理装置400と機器管理装置100に搭載(インストール)される各管理コンポーネント(アプリケーション)の機器監視機能に関するプログラムが実行されることにより実現される機能である。
【0161】
図9に示すように、機器監視機能を構成する各機能部は、遠隔管理装置400が有する機能部と、機器管理装置100が有する機能部とに大別される。
【0162】
(遠隔管理装置側)
遠隔管理装置400は、機器情報51nを取得した管理対象機器200に対して、監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定部23と、機器管理装置100に対して監視間隔の調整値の算出を要求する要求部24と、を有している。
【0163】
要求部24は、監視間隔の調整値算出の要求を行う際に、まず、機器管理装置100から送信される機器情報51nと、自装置が保持する機器マスター情報31nとに基づいて、調整値を算出するため各パラメータ(算出用パラメータ)を計算モジュールに設定する。続いて、算出用パラメータを設定した計算モジュールを、機器管理装置100へ送信する。これにより、監視間隔の調整値算出を要求する。
【0164】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400が、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100により監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、機器管理システムA〜Cの各機器管理装置100から取得した機器情報51nと統計情報を含む機器マスター情報31nとに基づき、算出用パラメータが設定された監視間隔の調整値を算出する計算モジュールを機器管理装置100へ送信し、調整値の算出を要求する構成となっている。
【0165】
(機器管理装置側)
一方、機器管理装置100は、自装置により算出した算出結果に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新部42と、調整後の監視間隔に従って管理対象機器200から機器情報51nを取得する取得部43と、管理対象機器200から取得した機器情報51nを遠隔管理装置400へ送信する送信部44と、遠隔管理装置400からの要求に応じて監視間隔の調整値を算出する算出部45と、を有している。
【0166】
算出部45は、要求時に遠隔管理装置400から送信される監視間隔の調整値を算出する計算モジュールを実行し、計算モジュールに設定された算出用パラメータに基づき、監視間隔の調整値を算出する。また、算出結果(調整値)は、更新部42へと渡される。
【0167】
このように、本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400により監視間隔の調整が必要と判断された場合に、遠隔管理装置400から機器管理装置100へ監視間隔の調整値の算出する計算モジュールが送信され、各機器管理装置100が調整値を算出し、算出結果に基づいて監視間隔を制御し、管理対象機器200を監視する構成となっている。
【0168】
なお、上記では、遠隔管理装置400が、計算モジュールを各管理対象機器100に送信し、算出処理を機器管理装置100により行う構成について説明を行ったが、この限りではない。例えば、遠隔管理装置400が、算出用パラメータとなる機器マスター情報31nや機器情報51nを機器管理装置100に送信し、各機器管理装置100が保持する計算モジュールにより監視間隔の調整値を算出する構成であってもよい。この場合、計算モジュールは、機器管理装置100が備えるHDD108などの記憶装置に保持されている。
【0169】
《機能動作》
ここからは、上述した各機能部による機器監視機能の動作について説明する。機器監視機能は、上記各機能部が連携動作することにより機能し、遠隔管理装置400と機器管理装置100それぞれに搭載される機器監視機能を実現するためのプログラム(ソフトウェア部品)が、CPU106により格納先(例えば「ROM105」など)からRAM104に読み出され、以下の処理が実行されることで実現される。
【0170】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る遠隔管理装置400と機器管理装置100との連携動作の一例を示す図である。
【0171】
本実施形態に係る遠隔管理システム1では、遠隔管理装置400と機器管理装置100との間で、図10に示すような連係動作が行われる。具体的には、以下の通りである。
【0172】
(1)遠隔管理装置400が、調整要否判定部23により、監視間隔の調整が必要か否かを判断し、必要な場合に、要求部24から機器管理装置100に対して調整値の算出を要求する。
【0173】
(2)機器管理装置100は、要求に応じて算出部45により調整値を算出し、算出した調整値を更新部42により記録する。
【0174】
(3)機器管理装置100は、記録した調整値に基づいて、取得部43により監視間隔に従って、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0175】
上記(1)〜(3)における詳細な処理手順については、以下の通りである。
【0176】
(処理手順)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【0177】
図11に示すように、遠隔管理システム1では、機器管理装置100が、取得部43により、自装置が管理する機器管理システムA、B、又はCに接続される各管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS201)。
【0178】
取得部43は、取得した機器情報51nを、自装置が有する送信部44へ渡し(ステップS202)、送信部44が、機器情報51nを遠隔管理装置400が有する調整要否判定部23へと送信する(ステップS203)。
【0179】
遠隔管理装置400は、調整要否判定部23が、運用状況から予め決定しておいた、許容範囲内の最大の故障頻度に対応する印刷枚数を所定の閾値(日間700枚)として、機器情報51nに含まれる印刷枚数が所定の閾値を超えたか否かを判定し、監視間隔調整の要否判定を行う(ステップS204)。
【0180】
なお、ステップS201では、ステップS204の判定により、監視間隔の調整を行う必要がないと判断し(印刷枚数が日間700枚未満)、基準間隔10分に基づき、各管理対象機器200の監視間隔を制御している。
【0181】
一方、ステップS204において、監視間隔の調整を行う必要があると判断した場合(印刷枚数が日間700枚以上)、調整要求判定部23が、自装置が有する要求部24に対して、監視間隔調整値の取得を要求する(ステップS205)。
【0182】
要求部24は、調整値の取得要求に応じて、遠隔管理装置400が有する算出部45へ、監視間隔調整値の算出を要求する(ステップS206)。このとき、要求部24は、監視間隔調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)を、遠隔管理装置400へ送信し、算出要求を行う。また、計算モジュールは、取得部43により取得した最新の機器情報51nにより更新された機器マスター情報31nに含まれる、機器仕様を表すPPMのデータ、利用状況を表す使用率のデータ、運用状況を表す使用年数と故障頻度の各データ(最新の機器情報51nが反映された統計情報)を算出用パラメータとして設定し送信される。
【0183】
機器管理装置100は、算出要求に応じて、算出部45により、受け取った計算モジュールを実行し、機器仕様、利用状況、及び運用状況に応じて監視間隔の調整値を算出する(ステップS207)。このとき、算出部45は、管理対象機器200における異なる利用頻度に対応した複数の調整値を算出する。具体的には、比較的利用頻度の高い期間(使用時間帯)と、あまり使用されていない期間(使用時間帯以外)の2つの期間に対応する調整値を算出する。また、遠隔管理装置400から機器管理装置100へ、計算モジュールが送信されるため、調整値算出処理が、各機器管理装置100において分散処理される。
【0184】
算出部45は、調整値を算出すると、自装置が有する更新部42に対して、監視間隔の更新を要求する(ステップS208)。つまり、自装置が備えるHDD108に保持する現在の監視間隔の時間データの更新を要求する。このとき、要求部41は、受け取った調整値を更新部42へ送信し、更新要求を行う。
【0185】
更新部42は、更新要求に応じて、調整値を基に、上記記憶装置の所定の記憶領域に格納される監視間隔の時間データを更新する(ステップS209)。このとき、更新部42は、調整値で現在の時間データを上書きし、監視間隔を調整する。
【0186】
後に更新部42は、取得部43に対して、ステップS209により調整された監視間隔にて再び機器情報51nの取得を要求する(ステップS210)。
【0187】
取得部43は、自身が有する調整値切換部432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯の範囲内か否かを判定し、使用時間帯とそれ以外の時間帯とに対応する2つの調整値を動的に選択する(ステップS211)。
【0188】
調整値切換部432により、現在時刻が管理対象機器200の使用時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯(例えば「12時−18時」)に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「5分23秒」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する(ステップS212n)。
【0189】
一方、現在時刻が使用時間帯以外の時間帯であると判定された場合には、取得部43が、使用時間帯以外の時間帯に対応する調整後の監視間隔の時間データ(例えば「15分」)に基づき、管理対象機器200から機器情報51nを取得する。
【0190】
<まとめ>
以上のように、本発明の第2の実施形態によれば、本実施形態に係る遠隔管理システム1は、機器管理装置100から取得した最新の機器情報51nと、これまでに収集された過去の機器情報51nとに基づく統計情報(機器マスター情報31n)が算出用パラメータとして設定された監視間隔の調整値を算出する計算モジュール(ソフトウェア部品)が、遠隔管理装置400が有する要求部24から機器管理装置100に送信され、調整値の算出が要求される。
【0191】
その結果、機器管理装置100は、算出部45により、受信した計算モジュールを実行することで調整値を算出し、算出した調整値に基づき管理対象機器200を監視する。
【0192】
これにより、本実施家形態に係る遠隔管理システム1では、第1の実施形態で述べた効果に加え、監視間隔の調整値を複数の機器管理装置100において分散処理し、システム全体にかかる負荷を軽減することができる。
【0193】
ここまで、上記各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態に係る遠隔管理システム1が有する「機器監視機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、遠隔管理装置400や機器管理装置100の動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムとしてCPU106により実行することで実現される。よって、上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103aに格納することができる。
【0194】
また、上記プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体103aに記憶させることによって、これらの記録媒体103aを読み取り可能なドライブ装置103を介して遠隔管理装置400や機器管理装置100にインストールすることができる。また、遠隔管理装置400と機器管理装置100は、インタフェース装置107を備えていることから、インターネットなどの電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
【0195】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理システムと機器管理システム(遠隔管理対象システム)との構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置及び機器管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る機器マスター情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る機器情報のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る特定機種における故障頻度と印刷枚数との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る遠隔管理装置と機器管理装置との連携動作の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る機器監視機能の構成例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る遠隔管理装置と機器管理装置との連携動作の一例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る機器の監視間隔調整の処理手順例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0197】
1 遠隔管理システム
21 算出部(遠隔管理装置側)
22 応答部
23 調整要否判定部(遠隔管理装置側)
24 要求部(遠隔管理装置側)
31 機器マスター情報
41 要求部(機器管理装置側)
42 更新部
43 取得部
431 調整要否判定部(機器管理装置側)
432 調整値切換部
44 送信部
45 算出部(機器管理装置側:計算モジュール実行部)
51 機器情報
90 内部ネットワーク(LAN)
100 機器管理装置
101 入力装置
102 表示装置
103 ドライブ装置(a:記録媒体)
104 RAM(揮発性の半導体メモリ)
105 ROM(不揮発性の半導体メモリ)
106 CPU(中央処理装置)
107 インタフェース装置(NIC:Network I/F Card)
108 HDD(不揮発性の記憶装置)
200 管理対象機器(画像処理装置)
300 クライアントPC(情報処理装置)
400 遠隔管理装置(情報処理装置)
A〜C 機器管理システム(遠隔管理対象システムA〜C)
I 外部ネットワーク(インターネット)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、
前記機器管理装置が、
前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有し、
前記遠隔管理装置が、
前記要求手段による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項2】
前記算出手段は、
前記要求手段による算出要求時に前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項1に記載の遠隔管理システム。
【請求項3】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる機器の機種を識別する機種識別情報に基づき、機種ごとに生成された前記統計情報の中から、該当する統計情報を特定し、特定した統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項2に記載の遠隔管理システム。
【請求項4】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとを、前記所定の計算式のパラメータとして設定し、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項5】
前記算出手段は、
基準間隔時間に従って前記監視間隔を制御するときに想定される基準印刷速度、基準使用年数、基準故障頻度、及び基準使用率の各データに対して、前記機種仕様データ及び前記機種統計データの比率を算出し、算出した比率で前記基準間隔時間を除算する計算式により、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項4に記載の遠隔管理システム。
【請求項6】
前記算出手段は、
異なる計算式により、前記機器の異なる利用頻度に対応する複数の監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項7】
前記機器管理装置が、
前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、
前記要求手段は、
前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項8】
前記調整要否判定手段は、
閾値として予め設定しておいた所定の印刷枚数データと、前記機器情報に含まれる印刷枚数を表す印刷枚数データとを比較し、前記機器情報に含まれる印刷枚数が前記閾値を超過した場合に、前記監視間隔の調整が必要と判定することを特徴とする請求項7に記載の遠隔管理システム。
【請求項9】
前記機器管理装置が、
前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、
前記取得手段は、
前記調整値切換手段により切り換えられた監視間隔調整値に基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項10】
前記調整値切換手段は、
現在時刻を表す時刻データと、前記機器情報に含まれる前記機器の利用頻度が高い使用時間帯を表す時間帯データとに基づき、前記現在時刻が前記使用時間帯の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に基づき前記監視間隔調整値を切り換えることを特徴とする請求項9に記載の遠隔管理システム。
【請求項11】
第1のデータ伝送路で接続される機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置であって、
前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを特徴とする遠隔管理装置。
【請求項12】
前記算出手段は、
前記要求手段による算出要求時に前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項11に記載の遠隔管理装置。
【請求項13】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる機器の機種を識別する機種識別情報に基づき、機種ごとに生成された前記統計情報の中から、該当する統計情報を特定し、特定した統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項12に記載の遠隔管理装置。
【請求項14】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとを、前記所定の計算式のパラメータとして設定し、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項11ないし13のいずれか一項に記載の遠隔管理装置。
【請求項15】
前記算出手段は、
基準間隔時間に従って前記監視間隔を制御するときに想定される基準印刷速度、基準使用年数、基準故障頻度、及び基準使用率の各データに対して、前記機種仕様データ及び前記機種統計データの比率を算出し、算出した比率で前記基準間隔時間を除算する計算式により、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項14に記載の遠隔管理装置。
【請求項16】
前記算出手段は、
異なる計算式により、前記機器の異なる利用頻度に対応する複数の監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項11ないし15のいずれか一項に記載の遠隔管理装置。
【請求項17】
当該機器管理装置を介して収集した機器情報を基に機器を遠隔管理する遠隔管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、所定の監視間隔に従って、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の前記機器を監視する機器管理装置であって、
前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを特徴とする機器管理装置。
【請求項18】
当該機器管理装置が、
前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、
前記要求手段は、
前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求することを特徴とする請求項17に記載の機器管理装置。
【請求項19】
前記調整要否判定手段は、
閾値として予め設定しておいた所定の印刷枚数データと、前記機器情報に含まれる印刷枚数を表す印刷枚数データとを比較し、前記機器情報に含まれる印刷枚数が前記閾値を超過した場合に、前記監視間隔の調整が必要と判定することを特徴とする請求項18に記載の機器管理装置。
【請求項20】
当該機器管理装置が、
前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、
前記取得手段は、
前記調整値切換手段により切り換えられた監視間隔調整値に基づき、前記機器から前記機器情報を取得することを特徴とする請求項17ないし19のいずれか一項に記載の機器管理装置。
【請求項21】
前記調整値切換手段は、
現在時刻を表す時刻データと、前記機器情報に含まれる前記機器の利用頻度が高い使用時間帯を表す時間帯データとに基づき、前記現在時刻が前記使用時間帯の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に基づき前記監視間隔調整値を切り換えることを特徴とする請求項20に記載の機器管理装置。
【請求項22】
第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、
前記遠隔管理装置が、
前記機器管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段、を有し、
前記機器管理装置が、
前記要求手段による前記遠隔管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項23】
前記遠隔管理装置が、
前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、
前記要求手段は、
前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求することを特徴とする請求項22に記載の遠隔管理システム。
【請求項24】
前記要求手段は、
前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出する計算モジュールであるソフトウェア部品を、前記機器管理装置へ送信し、算出要求を行うことを特徴とする請求項22又は23に記載の遠隔管理システム。
【請求項25】
前記要求手段は、
前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとが、算出用パラメータとして設定された前記計算モジュールを送信することを特徴とする請求項24に記載の遠隔管理システム。
【請求項26】
前記算出手段は、
前記要求手段による算出要求時に前記遠隔管理装置から取得した前記計算モジュールを実行し、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項24又は25のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項27】
前記機器管理装置が、
前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔を制御するときの制御データである前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、
前記取得手段は、
前記調整値切換手段により切り換えられた前記監視間隔調整値に基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得することを特徴とする請求項22ないし26のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項28】
第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムにおける遠隔監視制御方法であって、
前記機器管理装置から前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手順と、
前記要求手順による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、前記遠隔管理装置が、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手順と、
前記算出手順による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手順と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、前記機器管理装置が、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手順と、
前記更新手順により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手順と、を有することを特徴とする監視間隔制御方法。
【請求項29】
第1のデータ伝送路で接続される機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、前記機器管理装置を介して、前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置における監視間隔制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段として機能させる監視間隔制御プログラム。
【請求項30】
当該機器管理装置を介して収集した機器情報を基に機器を遠隔管理する遠隔管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、所定の監視間隔に従って、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を監視する機器管理装置における監視間隔制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段として機能させる監視間隔制御プログラム。
【請求項31】
請求項29及び/又は請求項30に記載のプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、
前記機器管理装置が、
前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有し、
前記遠隔管理装置が、
前記要求手段による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項2】
前記算出手段は、
前記要求手段による算出要求時に前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項1に記載の遠隔管理システム。
【請求項3】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる機器の機種を識別する機種識別情報に基づき、機種ごとに生成された前記統計情報の中から、該当する統計情報を特定し、特定した統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項2に記載の遠隔管理システム。
【請求項4】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとを、前記所定の計算式のパラメータとして設定し、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項5】
前記算出手段は、
基準間隔時間に従って前記監視間隔を制御するときに想定される基準印刷速度、基準使用年数、基準故障頻度、及び基準使用率の各データに対して、前記機種仕様データ及び前記機種統計データの比率を算出し、算出した比率で前記基準間隔時間を除算する計算式により、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項4に記載の遠隔管理システム。
【請求項6】
前記算出手段は、
異なる計算式により、前記機器の異なる利用頻度に対応する複数の監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項7】
前記機器管理装置が、
前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、
前記要求手段は、
前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項8】
前記調整要否判定手段は、
閾値として予め設定しておいた所定の印刷枚数データと、前記機器情報に含まれる印刷枚数を表す印刷枚数データとを比較し、前記機器情報に含まれる印刷枚数が前記閾値を超過した場合に、前記監視間隔の調整が必要と判定することを特徴とする請求項7に記載の遠隔管理システム。
【請求項9】
前記機器管理装置が、
前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、
前記取得手段は、
前記調整値切換手段により切り換えられた監視間隔調整値に基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項10】
前記調整値切換手段は、
現在時刻を表す時刻データと、前記機器情報に含まれる前記機器の利用頻度が高い使用時間帯を表す時間帯データとに基づき、前記現在時刻が前記使用時間帯の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に基づき前記監視間隔調整値を切り換えることを特徴とする請求項9に記載の遠隔管理システム。
【請求項11】
第1のデータ伝送路で接続される機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置であって、
前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段と、を有することを特徴とする遠隔管理装置。
【請求項12】
前記算出手段は、
前記要求手段による算出要求時に前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項11に記載の遠隔管理装置。
【請求項13】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる機器の機種を識別する機種識別情報に基づき、機種ごとに生成された前記統計情報の中から、該当する統計情報を特定し、特定した統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項12に記載の遠隔管理装置。
【請求項14】
前記算出手段は、
前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとを、前記所定の計算式のパラメータとして設定し、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項11ないし13のいずれか一項に記載の遠隔管理装置。
【請求項15】
前記算出手段は、
基準間隔時間に従って前記監視間隔を制御するときに想定される基準印刷速度、基準使用年数、基準故障頻度、及び基準使用率の各データに対して、前記機種仕様データ及び前記機種統計データの比率を算出し、算出した比率で前記基準間隔時間を除算する計算式により、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項14に記載の遠隔管理装置。
【請求項16】
前記算出手段は、
異なる計算式により、前記機器の異なる利用頻度に対応する複数の監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項11ないし15のいずれか一項に記載の遠隔管理装置。
【請求項17】
当該機器管理装置を介して収集した機器情報を基に機器を遠隔管理する遠隔管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、所定の監視間隔に従って、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の前記機器を監視する機器管理装置であって、
前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを特徴とする機器管理装置。
【請求項18】
当該機器管理装置が、
前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、
前記要求手段は、
前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求することを特徴とする請求項17に記載の機器管理装置。
【請求項19】
前記調整要否判定手段は、
閾値として予め設定しておいた所定の印刷枚数データと、前記機器情報に含まれる印刷枚数を表す印刷枚数データとを比較し、前記機器情報に含まれる印刷枚数が前記閾値を超過した場合に、前記監視間隔の調整が必要と判定することを特徴とする請求項18に記載の機器管理装置。
【請求項20】
当該機器管理装置が、
前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、
前記取得手段は、
前記調整値切換手段により切り換えられた監視間隔調整値に基づき、前記機器から前記機器情報を取得することを特徴とする請求項17ないし19のいずれか一項に記載の機器管理装置。
【請求項21】
前記調整値切換手段は、
現在時刻を表す時刻データと、前記機器情報に含まれる前記機器の利用頻度が高い使用時間帯を表す時間帯データとに基づき、前記現在時刻が前記使用時間帯の範囲内であるか否かを判定し、判定結果に基づき前記監視間隔調整値を切り換えることを特徴とする請求項20に記載の機器管理装置。
【請求項22】
第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムであって、
前記遠隔管理装置が、
前記機器管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段、を有し、
前記機器管理装置が、
前記要求手段による前記遠隔管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段と、を有することを特徴とする遠隔管理システム。
【請求項23】
前記遠隔管理装置が、
前記機器に対して監視間隔の調整が必要か否かを判定する調整要否判定手段を有し、
前記要求手段は、
前記調整要否判定手段による判定結果に基づき、前記監視間隔調整値の算出を要求することを特徴とする請求項22に記載の遠隔管理システム。
【請求項24】
前記要求手段は、
前記機器管理装置から取得した最新の機器情報と、これまでに前記機器管理装置から収集された過去の機器情報とに基づき生成された、前記機器の利用状況や運用状況を表す統計情報を用いて、前記監視間隔調整値を算出する計算モジュールであるソフトウェア部品を、前記機器管理装置へ送信し、算出要求を行うことを特徴とする請求項22又は23に記載の遠隔管理システム。
【請求項25】
前記要求手段は、
前記機器情報に含まれる印刷速度を表す機種仕様データと、前記統計情報に含まれる機器の使用年数、故障頻度、及び使用率を機種単位で平均した各機種統計データとが、算出用パラメータとして設定された前記計算モジュールを送信することを特徴とする請求項24に記載の遠隔管理システム。
【請求項26】
前記算出手段は、
前記要求手段による算出要求時に前記遠隔管理装置から取得した前記計算モジュールを実行し、前記監視間隔調整値を算出することを特徴とする請求項24又は25のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項27】
前記機器管理装置が、
前記機器の使用時間帯に応じて、前記監視間隔を制御するときの制御データである前記監視間隔調整値を切り換える調整値切換手段を有し、
前記取得手段は、
前記調整値切換手段により切り換えられた前記監視間隔調整値に基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得することを特徴とする請求項22ないし26のいずれか一項に記載の遠隔管理システム。
【請求項28】
第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と、前記機器管理装置を介して前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置とが、第2のデータ伝送路により接続される遠隔管理システムにおける遠隔監視制御方法であって、
前記機器管理装置から前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手順と、
前記要求手順による前記機器管理装置からの算出要求に応じて、前記遠隔管理装置が、所定の計算式により前記監視間隔調整値を算出する算出手順と、
前記算出手順による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手順と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、前記機器管理装置が、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手順と、
前記更新手順により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手順と、を有することを特徴とする監視間隔制御方法。
【請求項29】
第1のデータ伝送路で接続される機器を所定の監視間隔に従って監視する1台以上の機器管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、前記機器管理装置を介して、前記機器の機器情報を収集し、収集した機器情報を基に前記機器を遠隔管理する遠隔管理装置における監視間隔制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記機器管理装置からの算出要求に応じて、所定の計算式により監視間隔調整値を算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果を、要求元の前記機器管理装置へ応答する応答手段として機能させる監視間隔制御プログラム。
【請求項30】
当該機器管理装置を介して収集した機器情報を基に機器を遠隔管理する遠隔管理装置と第2のデータ伝送路により接続され、所定の監視間隔に従って、第1のデータ伝送路で接続される1台以上の機器を監視する機器管理装置における監視間隔制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記遠隔管理装置に監視間隔調整値の算出を要求する要求手段と、
前記遠隔管理装置から算出結果として応答された監視間隔調整値に基づき、監視間隔を制御する制御データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された制御データに基づき、調整後の監視間隔に従って前記機器から前記機器情報を取得する取得手段として機能させる監視間隔制御プログラム。
【請求項31】
請求項29及び/又は請求項30に記載のプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−134645(P2010−134645A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308959(P2008−308959)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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