説明

遠隔読影システム

【課題】読影医の状態情報、質的評価を考慮して、検査内容に応じた適切な読影医を効率的に選択する遠隔読影システムを提供する。
【解決手段】遠隔読影システム1に登録する読影医7は、読影センタ3に専門などの情報を含む読影医基本情報29を登録する。また読影医7は常時、状態情報(ステータス33)を読影センタ3に送る。読影依頼元である診療所5は、モダリティ11で取得した画像データ25に読影条件23(緊急性優先、内容優先、分野等)をつけて読影センタ3に読影を依頼する。読影センタ3は、判断用基本情報31、ステータス33等の条件を加味して、読影条件23に合致する読影医7を選定する。読影医7の読影レポート37は、読影センタ3を介して依頼元の診療所5に送られる。診療所5はレポート37の評価43を読影センタ3に送り、評価43は判断用基本情報31の更新に反映される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療画像等を読影する専門医を欠く医療機関に、医療画像の遠隔読影を提供する遠隔読影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CT(Computed Tomography)等の医用画像を扱うモダリティが普及しており、大規模病院等ではPACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管流通システム)が構築されている。PACSは、医用画像の保管、通信、表示等を行い、医療従事者(医師等)の診断業務を支援するシステムである。
【0003】
また、CT等のモダリティは、検診車や診療所、中小病院等にも導入されていきているが、CT画像を読影することのできる医師が常駐しているとは限らない。そこで、読影の仲介を行う読影センタを置き、読影センタは、読影依頼されたCT画像等をネットワークを介して読影専門の医師に送信して読影を依頼し、その読影結果を得て依頼元(検診車や診療所、中小病院等)に送るというシステムがある。
【0004】
読影を院外の読影医に依頼する場合には、読影センタは、登録している各読影医のスケジュールを手作業で参照の上、最適な読影医を決定し配信する作業を行っていた。
【0005】
しかしながら、この読影医決定作業が繁雑であることから、読影センタが各読影医が通信回線を介して自己申告したスケジュールを管理し、自動的に適切な読影医の割り当てを行うシステムとして、例えば特許文献1がある。
【0006】
【特許文献1】特開2002−329190号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1によるシステムでは、読影医のスケジュール管理は行われるものの、随時変化する読影医の経験値、又割り込み業務等による読影医の不在情報等が考慮されない問題点があった。従って、緊急時の読影医選定に対応しきれないという問題を抱えていた。
【0008】
更に、検査内容に応じた分野を専門とする最適な読影医の選定、読影医の質的な評価(読影経験、読影力量)、及び前述の読影医の状態情報、を考慮した効率的な遠隔読影の運用管理が行われていないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、読影医の状態情報、質的評価を考慮して、検査内容に応じた適切な読影医を効率的に選択する遠隔読影システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するための第1の発明は、医療機関に属する少なくとも1つの第1の端末装置と、読影医に属する少なくとも1つの第2の端末装置と、センタとがネットワークで接続されている遠隔読影システムであって、前記センタは、前記第2の端末装置から送られる前記読影医の基本情報を登録する基本情報登録手段と、前記第2の端末装置から随時送られる前記読影医の状態情報を保持する状態情報保持手段と、前記第1の端末装置によって入力された読影医の選択条件と、前記状態情報保持手段によって保持された状態情報と、前記基本情報登録手段によって登録された基本情報とを基に、読影医を選択する読影医選択手段と、前記読影医選択手段によって選択された読影医による読影結果情報を、前記第1の端末装置に提供する読影結果情報提供手段とを、具備することを特徴とする遠隔読影システムである。
【0011】
医療機関は、センタを介して医用画像データの読影を外部機関に依頼する依頼元であり、診療所、検診車、中小病院等を想定する。
読影医の基本情報とは、読影医のIDや氏名、住所等の個人情報の他、専門分野や読影履歴等の情報を含む。
基本情報登録手段は、読影医の基本情報に、読影結果の評価情報を加味した情報であることが望ましい。
読影医の状態情報とは、読影医が読影作業を行うことができる状態にあるかどうかを示す情報である。例えば、読影医が、「読影中」、「読影終了(読影レポートを送信中)」、「待機中(読影可能な状態である)」、「休止(読影は不可)」等の情報が随時把握できることが望ましい。
【0012】
第1の発明による遠隔読影システムは、センタが読影医の基本情報を登録し、医療機関の端末装置から送られる読影条件と、読影医の端末装置から送られる読影医の状態情報と、基本情報とを基に、適切な読影医を選択する。
【0013】
また、センタは選択された読影医による読影結果情報(読影レポート等)を依頼元の端末装置に提供する。
【0014】
望ましくは、前記センタは、前記第1の端末装置から送られる前記読影結果情報に対する評価情報を保持する評価情報保持手段と、前記評価情報を基に前記登録した基本情報を更新する基本情報更新手段とを、更に具備する。
即ち、センタは、依頼元から送られる評価情報を基に、登録した基本情報を更新する。
【0015】
前記読影医選択手段は、前記状態情報または前記登録した基本情報の少なくともいずれかに対して、前記読影条件に応じた所定の重み付けを行った上で、前記読影医を選択する。
即ち、読影医選択手段は、状態情報または登録した基本情報の少なくともいずれかに対して、読影条件に応じた所定の重み付けを行った結果に応じて読影医を選択する。センタは、読影条件として、緊急性優先(読影医の状態情報に係る)、または内容優先(登録した基本情報のうち、読影医の専門分野、読影経験、読影経験値等に係る)かにより所定の算出式に所定の重み付けを行い、読影医ごとの優先度を算出する。センタは、当該優先度を比較して、最適な読影医を選択する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、読影医の状態情報、質的評価を考慮して、検査内容に応じた適切な読影医を効率的に選択する遠隔読影システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る遠隔読影システム1の構成を示す図である。
【0018】
(1.遠隔読影システム1の構成)
本実施の形態では、一例として、医療画像の読影医を欠く診療所5が、読影センタ3を介して適切な読影医7に医療画像の読影を依頼し読影結果を得るシステムを説明する。遠隔読影システム1は、少なくとも1の診療所5と、読影センタ3と、少なくとも1の読影医7とからなり、それぞれのコンピュータ等の端末装置が専用高速回線、或いは暗号化の可能なインターネット等のネットワークで接続されている。
【0019】
尚、診療所5は、医用画像を出力するモダリティ11を備えてはいるが、読影医を欠く機関であり、他に中小病院や検診車等を想定する。或いは、読影医がいたとしても、他の機関にセカンドオピニオンを求める場合に本実施の形態は適用することができる。
【0020】
診療所5は、モダリティ11と、当該モダリティ11に接続されネットワークに接続可能なコンピュータ9等を備える。モダリティ11とは、医用画像を発生する、CT、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、DSA(Digital Subtraction Angiography)、超音波診断装置等の医療機器である。モダリティ11は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格を準拠している場合が多い。
【0021】
尚、DICOM規格の医用画像を導入することで、院内外で異なる製造業者の異なる種類のモダリティの医用画像データを、ネットワーク経由で、或いは画像記憶媒体で相互に接続して、患者の画像検査情報のやりとりや画像データの伝送が可能となる。
【0022】
コンピュータ9は、モダリティ11が出力した医用画像データを取得して、当該画像データを登録、或いは加工、或いはネットワークを介して送信することが可能である。詳細については後述するが、コンピュータ9は、読影条件23とデータ25を、読影センタ3のデータサーバ13(後述する)に送る。また、コンピュータ9は読影センタ3のレポートサーバ19(後述する)からデータ25の読影レポート37を受信し、読影センタ3の情報管理サーバ17(後述する)にレポート37に対する評価43を送信する。
【0023】
読影医7はコンピュータ21等の端末装置を備える。コンピュータ21は、読影医基本情報29を読影センタ3の情報管理サーバ17(後述する)に送る。読影医基本情報29とは、読影医7のIDや氏名、住所等の個人情報、読影医7の専門分野、読影履歴等の情報である。
【0024】
また、読影医7のコンピュータ21は、随時読影医7のステータス33を読影センタ3のレポートマネージャ15(後述する)に送信する。或いはレポートマネージャ15(後述する)からリクエストのあったときにステータス33を送信するようにしても良い。尚、ステータス33とは、読影医7の状態情報であり、読影が可能な状態であるかどうかに関する情報を読影センタ3のレポートマネージャ15(後述する)に通知する。
【0025】
また、読影医7のコンピュータ21は、読影センタ3のレポートマネージャ15(後述する)から読影依頼データ35を提供され、読影を依頼される。尚、読影依頼データ35等の詳細については後述する。
尚、読影医7は、読影センタ3に所属していても良いし、読影専門医として独立した形態であっても良い。
【0026】
次に、本実施の形態では、読影センタ3は、データサーバ13、レポートマネージャ15、情報管理サーバ17、及びレポートサーバ19等から構成される。尚、データサーバ13、レポートマネージャ15、情報管理サーバ17、及びレポートサーバ19は、コンピュータ等の情報処理端末であり、それぞれが独立したコンピュータであっても良いし、単一のコンピュータであっても良い。或いは幾つかのコンピュータをまとめて構成することも可能である。しかしながら、本実施の形態のようにそれぞれ担う機能を分散させて複数のコンピュータで読影センタ3を構成することで、緊急時(故障など)のリスクを分散させる効果がある。
【0027】
尚、読影センタ3は、物理的に1箇所に設置する必要はなく、ネットワーク等で接続された環境であれば、データサーバ13、レポートマネージャ15、情報管理サーバ17、及びレポートサーバ19はそれぞれ異なる場所に設置しても良い。
【0028】
データサーバ13は、診療所5のコンピュータ9から読影条件23と読影対象となるデータ25を受信し、作成したデータリスト27をレポートマネージャ15に送る。
【0029】
レポートマネージャ15は、情報管理サーバ17から提供される判断用基本情報31と、読影医7のコンピュータ21から送られるステータス33と、データリスト27に含まれる読影条件23とを基に、最適な読影医7を選択し、当該選択した読影医7に読影依頼データ35を送信する。
【0030】
情報管理サーバ17は、読影医7のコンピュータ21から送られる読影医基本情報29と、レポートサーバ19から送られる読影の成果41と、診療所5のコンピュータ9から送られる評価43を基に、判断用基本情報31を生成し、レポートマネージャ15のリクエストに応じて当該判断用基本情報31をレポートマネージャ15に提供する。
【0031】
レポートサーバ19は、読影医7のコンピュータ21から送られるレポート37を保管し、依頼元である診療所5のコンピュータ9からのリクエストに応じて、当該レポート37をコンピュータ9に送る。また、レポートサーバ19は、読影のレポート37に必要な項目(後述するが、例えば読影医ID、レポート依頼日時、レポート受信日時等)を付加して成果41として登録し、情報管理サーバ17に送る。
【0032】
図2から図7は、診療所5(図2)、読影センタ3のデータサーバ13(図3)、レポートマネージャ15(図4)、情報管理サーバ17(図5)、レポートサーバ19(図6)、読影医7のコンピュータ21(図7)の構成を示す図である。
【0033】
図2に示す診療所5は、モダリティ11、コンピュータ9、及びデータベース61−1等の設備を備え、それぞれがシステムバス59−1で接続されている。コンピュータ9は、中央処理装置等の制御部45−1と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶部57−1と、フレキシブルディスクやCD−ROM等のメディアの読み込み書き込みを行うメディア入出力部47−1と、ネットワークに接続するモデムやLANボード等の通信部49−1と、キーボード、マウス又はマイク等の入力部51−1と、プリンタ等の印刷部53−1と、CRTや液晶表示装置等の表示部55−1とから構成され、それぞれがシステムバス59−1で接続されている。
【0034】
尚、モダリティ11は前述したように、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格の医用画像を発生する、CT等の医療機器であり、コンピュータ9の制御部45−1は、モダリティ11が出力する患者の医用画像データを、データベース61−1にデータ25として格納する。また、制御部45−1は、医用画像データの加工、追加などの処理を行うことも可能である。データベース61−1には、後述するが、レポートサーバ19から送られるレポート37を格納するようにしても良い。
【0035】
図3は、読影センタ3のデータサーバ13及びデータサーバ13のデータを格納するデータベース61−2を示す。データサーバ13は、コンピュータ等の端末装置であり、制御部45−2、記憶部57−2、メディア入出力部47−2、通信部49−2、入力部51−2、印刷部53−2、表示部55−2とから構成され、それぞれがシステムバス59−2で接続されている。
【0036】
データサーバ13の制御部45−2は、データベース61−2に、診療所5のコンピュータ9から送信された読影条件23とデータ13等を格納する。
【0037】
図4は、読影センタ3のレポートマネージャ15及びレポートマネージャ15のデータを格納するデータベース61−3を示す。レポートマネージャ15は、コンピュータ等の端末装置であり、制御部45−3、記憶部57−3、メディア入出力部47−3、通信部49−3、入力部51−3、印刷部53−3、表示部55−3とから構成され、それぞれがシステムバス59−3で接続されている。
【0038】
レポートマネージャ15の制御部45−3は、データベース61−3に、データサーバ13から送られるデータリスト27等を格納する。
【0039】
図5は、読影センタ3の情報管理サーバ17及び情報管理サーバ17のデータを格納するデータベース61−4を示す。情報管理サーバ17は、コンピュータ等の端末装置であり、制御部45−4、記憶部57−4、メディア入出力部47−4、通信部49−4、入力部51−4、印刷部53−4、表示部55−4とから構成され、それぞれがシステムバス59−4で接続されている。
【0040】
情報管理サーバ17の制御部45−4は、データベース61−4に、読影医7のコンピュータ21から送られる読影医基本情報29と、レポートサーバ19から送られる成果41と、診療所5のコンピュータ9から送られる評価43と、制御部45−4が生成する判断用基本情報31等を格納する。
【0041】
図6は、読影センタ3のレポートサーバ19及びレポートサーバ19のデータを格納するデータベース61−5を示す。レポートサーバ19は、コンピュータ等の端末装置であり、制御部45−5、記憶部57−5、メディア入出力部47−5、通信部49−5、入力部51−5、印刷部53−5、表示部55−5とから構成され、それぞれがシステムバス59−5で接続されている。
【0042】
レポートサーバ19の制御部45−5は、データベース61−5に読影医7のコンピュータ21から送られるレポート37等を格納する。
【0043】
図7は、読影医7のコンピュータ21及びコンピュータ21のデータを格納するデータベース61−6を示す。コンピュータ21は、制御部45−6、記憶部57−6、メディア入出力部47−6、通信部49−6、入力部51−6、印刷部53−6、表示部55−6とから構成され、それぞれがシステムバス59−6で接続されている。
【0044】
コンピュータ21の制御部45−6は、データベース61−6に、読影センタ3のレポートマネージャ15から送られる読影依頼データ35と、作成したレポート37等を格納する。
【0045】
(2.データ構造)
図8乃至図18は、本実施の形態の遠隔読影システム1に関係する各種データの構造について説明する図であり、順次説明する。
【0046】
図8、図9は、診療所5のコンピュータ9から読影センタ3のデータサーバ13に送られる読影条件23を示す。読影条件23は、ユーザID63、緊急度65、診断内容67、分野69、優先条件70等の項目を備える。ユーザID63とは、読影を依頼する依頼元のIDであり、例えば診療所5に付与されたIDである。
【0047】
緊急度65は、読影データの診断にどの程度の緊急性があるかを依頼元(ここでは診療所5)が指定する項目であり、例えば図9(a)に緊急度65とその内容とを示す。例えば緊急度65が「R1」に指定されていれば、「1時間以内の診断」が要求されていることがわかる。
【0048】
診断内容67は、読影の内容を示す。図9(b)に診断内容67とその内容とを示す。例えば、診断内容67が「C1」とは、「存在診断」を示す。「存在診断」とは何か目的物(例えば腫瘍等)の存在を診断することである。「C2」の「鑑別診断」とはデータを見分ける診断であり、「C3」の「精密診断」とは精密検査等の診断である。
【0049】
分野69は、読影の部位を示す。図9(c)に分野69とその内容とを示す。例えば、「F1」は「肺野」、即ち肺等の部位であり、「F2」は「乳房」、「F3」は「頭部」を示す。
【0050】
優先条件70は、読影の際に重視する条件を指定する項目であり、例えば図9(d)に内容を示す。例えば「緊急性」を優先する場合には、「R」、「内容」を優先する場合は「C」、指定しない場合には「O」が入力される。尚、緊急度65が例えば「R1」ならば自動的に優先条件70が「R」に設定されるようにしても良い。また、「C:内容」は、後述するが、読影医7の専門分野、読影医7の経験等を考慮し、読影内容を優先する場合である。
【0051】
以上、緊急度65、診断内容67、分野69、優先条件70の項目は、診療所5の医療従事者が状況に応じて指定して入力する。
【0052】
図10は、診療所5のコンピュータ9から読影センタ3のデータサーバ13に送られるデータ25を示す。データ25は、モダリティ11が出力した画像データ73(患者ID、データ取得日時等を含む)にユニークなデータID71を付加したものである。尚、この画像データ73はDICOM規格のデータであることを想定している。
【0053】
また、画像データ73は、単一の画像データであっても良いし、複数の画像データをセットにしたものであっても良い。
【0054】
図11は、データサーバ13が作成し、レポートマネージャ15に送るデータリスト27を示す。即ちデータサーバ13は、複数の遠隔読影依頼元(診療所5のコンピュータ9等)から送られる読影条件23(図8)と、データ25(図10)とを統合して図11に示すデータリスト27を生成する。また、レポートマネージャ15は、当該データリスト27をデータベース61−3に登録する(図4参照)。
【0055】
図12は、読影医7のコンピュータ21が、随時レポートマネージャ15に対して送信するステータス33を示す。ステータス33は、読影医の状態を示すデータであり、読影医ID75、日時77、ステータス内容79などの項目を有する。
【0056】
ステータス内容79とは、例えば読影医の状態を示す、「読影中」、「読影終了」、「待機中」、「休止中」等の情報である。「読影中」とは、現在読影依頼を受け、未だ読影レポートを提出していない状態を示すステータス内容79である。レポート未提出の件数情報を付加し、「読影中:3レポート未提出」としても良い。「読影終了」は、読影結果のレポートを送信中であることを示すステータス内容79である。「待機中」は、読影医が読影可能な状態にあることを示すステータス内容79である。「休止中」は、読影医が不在、他の業務を遂行中、休憩中などの理由で読影が不可能な状態にあることを示すステータス内容79である。
【0057】
尚、ステータス33は、随時読影医7のコンピュータ21がレポートマネージャ15に送信しても良いし、レポートマネージャ15からリクエストがあったときに、読影医7のコンピュータ21がレポートマネージャ15に送信するようにしても良い。
【0058】
図13は、レポートマネージャ15が、読影医7のコンピュータ21に対して送信する読影依頼データ35を示す。読影依頼データ35は、レポートマネージャ15がデータベース61−3に登録するデータリスト27の1レコードであり、項目としては、データID71、データ(患者ID、日時、取得画像データ等)73と、読影条件23とを備える。読影医7のコンピュータ21は、データベース61−6に受信した当該読影依頼データ35を登録する。
【0059】
図14は、読影医7が遠隔読影システム1に読影医として登録する際に、読影医7のコンピュータ21から情報管理サーバ17に送信する読影医基本情報29を示す。読影医基本情報29は、読影医ID75、専門分野81、読影履歴83等の項目を有する。尚、図示していないが、他に読影医7の氏名、年齢、住所、電話番号、メールアドレス等の項目等も含まれる。読影医ID75は、例えば情報管理サーバ17から読影医7に付与される識別IDである。専門分野81は、読影医7が専門とする分野、例えば「肺野」、「乳房」、「頭部」等である。読影履歴83は、当該読影医7が読影を行ってきた経験年数である。尚、専門分野81に、複数の分野の登録を行うようにしても良い。情報管理サーバ17は、読影医基本情報29をデータベース61−4に登録する。
【0060】
図15は、依頼された読影依頼データ35に対して、読影医7が読影した結果として作成したレポート37を示す。レポート37は、読影医ID75、データID71、レポート内容85とからなる。レポート内容85とは、読影センタ3から依頼された画像データを、読影条件23の中の診断内容67に基づいて読影した結果を示す。例えば、診断内容67が「存在診断」ならば、レポート内容85は、腫瘍等の存在の判断結果や、その他所見である。
【0061】
読影医7は作成したレポート37をデータベース61−6に保存し、読影センタ3のレポートサーバ19に送信する。レポートサーバ19の制御部45−5は受信したレポート37をデータベース61−5に保存する。また、レポートサーバ19の制御部45−5は、診療所5のコンピュータ9からのリクエストに応じて、当該レポート37をコンピュータ9に送信する。
【0062】
図16は、レポートサーバ19が、情報管理サーバ17に送る成果41を示す。成果41は、読影医ID75、レポート依頼日時87、レポート受信日時89、診断内容67、分野69、データID71、レポート内容85等から構成される。即ち、成果41は、依頼した読影医7の情報(読影医ID75)、依頼日程管理情報(レポート依頼日時87、レポート受信日時89)、読影内容(診断内容67、分野69、データID71)、及びレポート内容85等で構成される。情報管理サーバ17の制御部45−4は、受信した成果41をデータベース61−4に登録する。
【0063】
図17は、診療所5のコンピュータ9が、読影センタ3の情報管理サーバ17に送る評価43を示す。評価43は、診療所5の医療従事者が、受理したレポート37を評価した内容であり、その構成は、読影データを識別するためのデータID71、及び評価内容87とから成る。評価内容87は、受理したレポート37に対して、例えば「優」、「良」、「可」、「不可」等の評価をつけたものである。或いは評価内容87は、レポート37の内容に応じて、5段階などの数値で評価しても良い。また、満点を100点として評価内容87に点数をつけても良い。情報管理サーバ17の制御部45−4は、評価43をデータベース61−4に登録する。尚、前述の成果41と評価43を統合して、登録するようにしても良い。
【0064】
図18は、情報管理サーバ17の制御部45−4が生成し、データベース61−4に登録する、判断用基本情報31の構成を示す。判断用基本情報31は、読影医ごとに1レコード分が生成され、1レコードは読影医ID75、専門分野81、読影履歴83、読影経験値89等から成る。読影医ID75、専門分野81、読影履歴83は、図14に示す読影医基本情報29の項目と同一である。読影経験値89は、後述するが、診療所5等から受信した評価43の評価内容87を点数化して累積した値を示す。従って、情報管理サーバ17は、診療所5から評価43を受信するたびに、読影経験値89を更新、即ち判断用基本情報31を更新する。情報管理サーバ17の制御部45−4は、レポートマネージャ15からのリクエストに応じて、判断用基本情報31をレポートマネージャ15に送信する。
【0065】
(3.遠隔読影システム1のフローチャート)
次に、図19により、遠隔読影システム1のフローチャートを説明する。尚、図1乃至図18を適宜用いて説明する。
【0066】
まず、読影医7は遠隔読影システム1の読影医としての登録作業を行う。即ち、コンピュータ21(読影医7)の制御部45−6は、読影医7の個人情報を含む読影医基本情報29(図14参照)を読影センタ3の情報管理サーバ17に送る(ステップ1001)。
【0067】
情報管理サーバ17の制御部45−4は、受信した読影医基本情報29(図14参照)をデータベース61−4に登録する(ステップ1002)。次に情報管理サーバ17の制御部45−4は、読影医基本情報29(図14参照)を基に、読影経験値89の項目を空欄(或いは「読影経験値89」=「0」)とした判断用基本情報31(図18参照)を生成する(ステップ1003)。尚、判断用基本情報31の読影経験値89は、当該読影医7の読影レポート37に対する評価43が、情報管理サーバ17に送られる都度、累積されて更新される。
【0068】
このように、本実施の形態の遠隔読影システム1は、少なくとも1の読影医7の登録がなされており、読影医ごとに識別コードとして読影医ID75(図14参照)が付与されている。尚、読影医7は、任意の病院に所属していても良いし、読影を専門とするSOHO(Small Office Home Office)の形態であっても良いし、読影センタ3に所属していても良い。
【0069】
次に、本実施の形態の遠隔読影システム1には、少なくとも1の診療所5等の読影依頼元の登録がなされており、読影依頼元ごとに識別コードとしてユーザID63(図8参照)が付与されている。読影依頼元とは、医用画像データを出力するモダリティ11の設備を有する、診療所、中小病院、検診車等であり、モダリティ11を備えていても、画像データの読影を行う医師がいない、又は専門外である、又は外部の読影医のセカンドオピニオンを希望する場合に該当する。
【0070】
診療所5に、事故患者が搬送されたものと想定する。診療所5の医療従事者は、事故患者のCT撮影を行い、画像データを取得する(ステップ1004)。即ち、モダリティ11であるCT装置が事故患者のCT画像データを出力すると、コンピュータ9の制御部45−1は、当該画像データ73(患者ID、日時を含む)にデータID71を付与したデータ25を生成して(図10参照)、データベース61−1に登録する(図2参照)。
【0071】
また、診療所5の医療従事者は、取得した画像データを読影する読影条件23を作成する。読影条件23(図8、図9参照)は、前述したように、ユーザID63、緊急度65、診断内容67、分野69、優先条件70等の項目から成る。
【0072】
コンピュータ9の制御部45−1は、読影条件23(図8参照)と、データ25(図10参照)とを、読影センタ3のデータサーバ13に送る(ステップ1005)。
【0073】
データサーバ13の制御部45−2は、受信した読影条件23(図8参照)と、データ25(図10参照)とをデータベース61−2に登録し、読影条件23とデータ25を基にデータリスト27(図11参照)を生成する(ステップ1006)。データリスト27は、複数の遠隔読影依頼元(診療所5等)から送られる読影条件23(図8参照)と、データ25(図10参照)とを統合したリストである。
【0074】
次に、データサーバ13の制御部45−2は、データリスト27(図11参照)を読影センタ3のレポートマネージャ15に送る(ステップ1007)。レポートマネージャ15の制御部45−3は、データリスト27をデータベース61−3に登録する。
【0075】
次に、レポートマネージャ15の制御部45−3は、データリスト27について1レコード(読影依頼案件)ごとに、読影を依頼する読影医を割り当てるステップに移る。ここでは、データリスト27の1レコード目(図11において、ユーザID63「U0000011」、データID71「D0000101」)の読影依頼の処理について説明する。
【0076】
情報処理サーバ17の制御部45−4は、レポートマネージャ15のリクエストに応じてレポートマネージャ15に判断用基本情報31(図18参照)を送信する(ステップ1008)。尚、判断用基本情報31は遠隔読影システム1に登録されている全ての読影医の読影医基本情報29と読影経験値89とを示したものである。また、レポートマネージャ15は、遠隔読影システム1に登録している全ての読影医から随時送信されているステータス33を取得する。尚、読影医7のコンピュータ21から送られているステータス33は「待機中」であるとする(ステップ1009)。
【0077】
レポートマネージャ15の制御部45−3は、データリスト27の読影条件に関する項目、即ち、緊急度65、診断内容67、分野69、優先条件70と、全ての読影医に関する判断用基本情報31(図18参照)と、全ての読影医のステータス33(図12参照)とを基にして、最適な読影医7を決定する(ステップ1010)。読影医7の決定方法については後で詳細に説明する。
【0078】
レポートマネージャ15の制御部45−3は、読影依頼が決定した読影医7のコンピュータ21に読影依頼データ35(図13)を送信する(ステップ1011)。この時の、読影医7のコンピュータ21からレポートマネージャ15に随時送られるステータス33は「読影中」となる(ステップ1012)。
【0079】
コンピュータ21の制御部45−6は受信した読影依頼データ35(図13)をデータベース61−6に登録する。読影医7はデータ73と読影条件23を基に画像データの読影を行い、レポート37を作成してデータベース61−6に登録する(ステップ1013)。
【0080】
コンピュータ21の制御部45−6は、作成したレポート37をレポートサーバ19に送信する(ステップ1015)と同時に、ステータス33「読影終了」をレポートマネージャ15に送信する(ステップ1014)。尚、レポート37の送信が終了した時点で、随時レポートマネージャ15に送信するステータス33は「待機中」或いは「休止」となる。
【0081】
次に、レポートサーバ19の制御部45−5は、受信したレポート37をデータベース61−5に保存する(ステップ1016)。またレポートサーバ19の制御部45−5は、読影のレポート内容85を含む成果41(図16参照)を情報管理サーバ17に送る(ステップ1017)。情報管理サーバ17の制御部45−4は、受信した成果41(図16参照)をデータベース61−4に登録する。尚、情報管理サーバ17の制御部45−4は、成果41の項目のうちレポート依頼日時87とレポート受信日時89とを参照すると、読影医7が読影処理に実際に要した時間を管理することが可能である。
【0082】
診療所5のコンピュータ9の制御部45−1は、依頼したデータ25の読影結果のレポート37をレポートサーバ19にリクエストする(ステップ1018)。制御部45−1は、レポート37をリクエストする際は、例えばデータ25のデータID71を指定するものとする。レポートサーバ19の制御部45−5は、リクエストされたデータID71を含むレポート37がデータベース61−5に保存されているかどうかを確認し、当該レポート37が保存されていなければ、未だ読影が終了していない旨を診療所5のコンピュータ9に送信する(図示していない)。
【0083】
レポートサーバ19の制御部45−5は、リクエストされたデータID71を含むレポート37がデータベース61−5に保存されていれば、当該レポート37を診療所5のコンピュータ9に配信する(ステップ1019)。尚、レポートサーバ19の制御部45−5は、レポート37が読影医7から届き次第、依頼元である診療所5のコンピュータ9にレポート37を送信するようにしても良い。
【0084】
コンピュータ9の制御部45−1は、受信したレポート37をデータベース61−1に保存する。診療所5の医療従事者は、画像データ25及びレポート37を参照して、事故患者の診断や治療を行う(ステップ1020)。また、医療従事者は、当該レポート37に対する評価を行って、評価内容87にデータID71を対応させて評価43(図17参照)を生成し、情報管理サーバ17に送る(ステップ1021)。
【0085】
情報管理サーバ17の制御部45−4は、受信した評価43をデータベース61−4に登録する。また、情報管理サーバ17の制御部45−4は、当該評価43の評価内容87を点数化して読影経験値89(図18参照)を更新、即ち判断用基本情報31の該当する読影医7のレコードを修正・更新する(ステップ1022)。
【0086】
読影センタ3は、遠隔読影システム1に登録する読影依頼元(例えば診療所5)から依頼があると、ステップ1004からの処理を繰り返す。尚、図19に示す遠隔読影システム1の処理フローチャートは、1つの読影依頼の処理手順について説明したが、本実施の形態の遠隔読影システム1は、読影依頼を受けるデータ25のデータID71をキーにして、複数の件数の読影を同時に処理することができる。
【0087】
(4.読影医7の選択)
図20乃至図23は、レポートマネージャ15の制御部45−3が、読影の優先度αを算出して、読影条件23の優先条件70(図8参照)に指定された優先条件に合う読影医7を選択する手順(図19のステップ1010)を示す。
【0088】
図20は、内容に関する評価関数X91の算出を説明する図である。内容とは、読影医が専門であるか否か、読影医の経験年数、今までの読影評価累計を考慮したものである。評価関数Xは、例えば以下の式で算出する。
X=A+B+C ・・・・・(1)
Aは、専門分野の一致又は不一致を数値化した変数である。即ち、診療所5から送信された読影条件23の分野69(図8参照)と、判断用基本情報31の読影医の専門分野81(図18参照)とが同一、即ち専門が合致していれば、「A=10」とし、合致していなければ、「A=0」とする。
【0089】
Bは、読影医の読影履歴を数値化した値である。例えば読影年数が3年の読影医の場合は、「B=3」となる。
【0090】
Cは、読影医の読影経験を数値化した値であり、該当分野の経験値、即ち依頼元の評価を累積した値とする。例えば依頼元の評価が「優」の時、「C=10」、評価が「良」の時「C=5」、評価が「可」の時「C=0」、評価が「不可」の時「C=―10」とする。
【0091】
図21は、緊急度に関する評価関数Y93の算出を説明する図である。即ち、レポートマネージャ15の制御部45−3は、読影医のステータス33を考慮して、評価関数Y93を算出する。
【0092】
例えば、即時読影可、即ち読影医のステータス33が「待機中」の場合は、「Y=100」とする。待ちあり、即ち、読影医のステータス33が「読影中:待ちレポート3」の場合は、式(2)を用いてYを算出する。
Y=100−(待ちレポート数)*10 ・・・(2)
即ち、ステータス33が「読影中:待ちレポート3」の時、「Y=70」となる。
【0093】
読影不可、即ち読影医のステータス33が「休止」の場合は、「Y=−100」とする。
【0094】
レポートマネージャ15の制御部45−3は、図20に示す内容に関する評価関数X91と、図21に示す緊急度に関する評価関数Y93を、登録されているすべての読影医について算出する。図22は一例として、3名の読影医、読影医A95、読影医B97、読影医C99についての算出結果を示す。
【0095】
次に図23に、レポートマネージャ15の制御部45−3が、図22に示す読影医ごとの評価関数を算出した後に、読影医7を選択するフローチャートを示す(ステップ201)。
【0096】
レポートマネージャ15の制御部45−3は、データリスト27の項目「優先条件70」の内容を参照して、優先度αを算出する(ステップ202)。即ち、優先条件70が、「C:内容」の場合は内容優先の場合の式(3)を用いてαを算出する。
α=0.8X+0.2Y ・・・(3)
優先条件70が、「O:指定なし」の場合は指定なしの場合の式(4)を用いてαを算出する。
α=0.5X+0.5Y ・・・(4)
優先条件70が、「R:緊急性」の場合は緊急性優先の場合の式(5)を用いてαを算出する。
α=0.2X+0.8Y ・・・(5)
尚、式(3)、(4)、(5)において、Xは内容に関する評価関数、Yは緊急度に関する評価関数である。
【0097】
レポートマネージャ15の制御部45−3は、式(3)、(4)、(5)に読影医ごとの評価関数X、評価関数Y(図22に示す)を代入し、優先条件70ごとの優先度αを算出する。例えば、図23のステップ202の右表に示すように、読影医A95は、内容優先の場合「α=44」、指定なしの場合「α=65」、緊急性優先の場合「α=86」と算出される。
【0098】
優先条件70に「C:内容」が指定されている場合(ステップ203のYES)、レポートマネージャ15の制御部45−3は、読影医C99を選択する(ステップ204)。即ち内容優先の場合、読影医A95の優先度α=44、読影医B97の優先度α=70、読影医C99の優先度α=86であるので、制御部45−3は、最も優先度αの高い読影医C99を選択する。
【0099】
優先条件70に「O:指定なし」が指定されている場合(ステップ205のYES)、レポートマネージャ15の制御部45−3は、読影医B97を選択する(ステップ206)。即ち指定なしの場合、読影医A95の優先度α=65、読影医B97の優先度α=70、読影医C99の優先度α=65であるので、制御部45−3は、最も優先度αの高い読影医B97を選択する。
【0100】
優先条件70に「R:緊急性」が指定されている場合(ステップ207のYES)、レポートマネージャ15の制御部45−3は、読影医A95を選択する(ステップ208)。即ち緊急性優先の場合、読影医A95の優先度α=86、読影医B97の優先度α=70、読影医C99の優先度α=44であるので、制御部45−3は、最も優先度αの高い読影医A95を選択する。
【0101】
尚、レポートマネージャ15での読影医7の選択方法は、上記の例に限定されない。また、優先度αの算出方法、内容に関する評価関数X91の算出方法、緊急度に関する評価関数Y93の算出方法も上記の例に限定されない。
【0102】
尚、レポートマネージャ15は、情報管理サーバ17がデータベース61−4に格納する成果41を分析し、例えば過去に読影した事例と同様の依頼に対しては、優先的に経験を有する読影医を割り当てるようにしても良い。
【0103】
尚、依頼元(診療所5)は、読影条件23として、優先条件70の項目に、所定の読影医を指名して読影依頼を行うようにしても良い。
【0104】
(5.効果等)
このように、本実施の形態では、読影医の随時変化する状態情報を正確にチェックしているので、緊急時の画像データ読影依頼にも効率的に最適な読影医を選択し、読影を依頼することができる。
【0105】
また、専門の読影医のいない診療所や検診車などでも、遠隔地の専門の読影医に速やかに読影を効率的に依頼することができる。
【0106】
また、依頼元の読影条件(内容優先、緊急性優先、また専門分野)等に合致する最適な読影医を簡単に選択することができる。
【0107】
また、本実施の形態では、読影医が、読影結果を依頼元から評価されるシステムであるので、読影医のモチベーションをあげることができ、依頼元にすれば高品質の読影レポートを得られる効果がある。
【0108】
尚、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に限られるものではない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本実施の形態における遠隔読影システム1の構成を示す図
【図2】診療所5の構成を示す図
【図3】データサーバ13の構造を示す図
【図4】レポートマネージャ15の構造を示す図
【図5】情報管理サーバ17の構造を示す図
【図6】レポートサーバ19の構造を示す図
【図7】コンピュータ21(読影医)の構造を示す図
【図8】読影条件23の内容を示す図
【図9】読影条件23の内容の詳細を示す図
【図10】データ25の内容を示す図
【図11】データリスト27の内容を示す図
【図12】ステータス33の内容を示す図
【図13】読影依頼データ35の内容を示す図
【図14】読影医基本情報29の内容を示す図
【図15】レポート37の内容を示す図
【図16】成果41の内容を示す図
【図17】評価43の内容を示す図
【図18】判断用基本情報31の内容を示す図
【図19】遠隔読影システム1のフローチャート
【図20】内容に関する評価関数X91を示す図
【図21】緊急度に関する評価関数Y93を示す図
【図22】読影医の内容に関する評価関数Xと緊急度に関する評価関数Y
【図23】読影医7の選択を示す図
【符号の説明】
【0110】
1………遠隔読影システム
3………読影センタ
5………診療所
7………読影医
9、21………コンピュータ
11………モダリティ
13………データサーバ
15………レポートマネージャ
17………情報管理サーバ
19………レポートサーバ
23………読影条件
25………データ
27………データリスト
29………読影医基本情報
31………判断用基本情報
33………ステータス
35………読影依頼データ
37………レポート
41………成果
43………評価
45−1〜45−6………制御部
47−1〜47−6………メディア入出力部
49−1〜49−6………通信部
51−1〜51−6………入力部
53−1〜53−6………印刷部
55−1〜55−6………表示部
57−1、57−6………記憶部
59−1〜59−6………システムバス
61−1〜61−6………データベース
63………ユーザID
65………緊急度
67………診断内容
69………分野
70………優先条件
71………データID
73………データ(患者ID、日時、取得画像データ等)
75………読影医ID
77………日時
79………ステータス内容
81………専門分野
83………読影履歴
85………レポート内容
87………レポート依頼日時
89………レポート受信日時
91………内容に関する評価関数X
93………緊急度に関する評価関数Y
95、97、99………読影医

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関に属する少なくとも1つの第1の端末装置と、読影医に属する少なくとも1つの第2の端末装置と、センタとがネットワークで接続されている遠隔読影システムであって、
前記センタは、
前記第2の端末装置から送られる前記読影医の基本情報を登録する基本情報登録手段と、
前記第2の端末装置から随時送られる前記読影医の状態情報を保持する状態情報保持手段と、
前記第1の端末装置によって入力された読影医の選択条件と、前記状態情報保持手段によって保持された状態情報と、前記基本情報登録手段によって登録された基本情報とを基に、読影医を選択する読影医選択手段と、
前記読影医選択手段によって選択された読影医による読影結果情報を、前記第1の端末装置に提供する読影結果情報提供手段と、
を、具備することを特徴とする遠隔読影システム。
【請求項2】
前記センタは、
前記第1の端末装置から送られる前記読影結果情報に対する評価情報を保持する評価情報保持手段と、
前記評価情報を基に前記登録した基本情報を更新する基本情報更新手段と、
を、更に具備することを特徴とする請求項1記載の遠隔読影システム。
【請求項3】
前記読影医選択手段は、前記状態情報または前記登録した基本情報の少なくともいずれかに対して、前記読影条件に応じた所定の重み付けを行った上で、前記読影医を選択することを特徴とする請求項1記載の遠隔読影システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−268075(P2006−268075A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80997(P2005−80997)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】