説明

遠隔通信装置の間の見通し線(LOS)距離を判定する方法

【課題】送受信器の間の距離を正確に判定する。
【解決手段】遠隔装置から到着信号を受信するように構成された超再生受信器と、到着信号に基づいて遠隔装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成された回路と、を含む無線通信装置を開示する。超再生受信器は、比較的高い感度で、距離測定回路が到着信号の見通し線(LOS)部分をその非LOS部分から識別することを可能にするように構成される。この回路は、到着信号のLOS部分の時刻を使用して、遠隔装置までの距離をより正確に判定することができる。この回路は、信号を遠隔装置に送信し、遠隔装置から応答信号を受信することによって、信号の送信および受信の各々の時刻から遠隔装置までの距離を判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して通信システムに関し、特に遠隔無線通信装置の間のおおよその見通し線(line-of-sight(LOS))距離を判定するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの通信用途において、2つの通信する遠隔通信装置の間の距離を判定する必要がある場合がある。この距離を知る理由の1つは、セキュリティ目的である。例えば、遠隔通信装置への距離が、定義された閾値を超える場合に、遠隔装置がネットワークの一部ではない、またはネットワーク装置と通信することが許可されないと判定されうる。従って、その場合には、遠隔装置は、ネットワーク装置と通信することを許可されない。2つの遠隔通信装置の間の距離を判定するもう1つの理由は、人を追跡するためである。例えば、親が、親の持つ通信装置と通信する通信装置を子供に与えることができる。親の装置によって、子供の装置までの距離が、定義された閾値を超えていると判定されると、親の装置は、子供が安全な距離を超えて迷っていることを親に警告することができる。2つの遠隔通信装置の間の距離を判定する、多数の他の理由がありうる。
【0003】
2つの遠隔通信装置の間の距離を判定するのに使用される1つの方法は、第1装置が第2装置に信号を送信し、その後、第2装置が第1装置にその信号を送り返すことである。第1通信装置は、それが第2通信装置に信号を送信した時刻t1および第2通信装置からその信号を受信した時刻t2を使用することによって、第2通信装置までの距離を計算することができる。距離は、次式によって与えられる。
距離=(t2−t1−tprocessing)×c/2 式1
ここで、cは光速に等しく、tprocessingは較正することが可能な既知の処理遅延である。例示を簡単にするために、本開示ではtprocessingが0に等しいと仮定するが、これが0より大きい値を有することがありうることを理解されたい。この距離測定手法に関する1つの欠点は、通信装置によって受信される信号が、ある装置から別の装置まで直線で移動したと仮定することである。次の例示的なシナリオを参照して以下で説明するように、そうではない場合がある。
【0004】
図1Aに、ある装置から別の装置へ伝搬する際に信号がたどることがありうる例示的な複数の経路を示す図を示す。この例では、通信装置の送受信器A 102は、別の通信装置の送受信器B 106に信号を送信している。また、この例では、障害物152、154、および156など、送受信器A 102から送受信器B 106への移動中に信号を妨害することがある複数の物体が存在しうる。
【0005】
これらの障害物が、送受信器A 102から送受信器B 106への異なる信号経路を生じさせうる。例えば、信号経路1は、障害物154を通過する、送受信器A 102から送受信器B 106への直接経路をたどる。送受信器の間の直接信号経路を、一般に、見通し線(LOS)経路と称する。もう1つの信号経路2は、障害物152から反射することによって、送受信器A 102から送受信器B 106への間接経路をとる。もう1つの信号経路3も、障害物156から反射することによって、送受信器A 102から送受信器B 106への間接経路をとる。送受信器の間のこれらの間接信号経路を、一般に、非LOS経路と称する。送受信器B 106で受信される信号は、以下でさらに説明するように、LOS経路および1つまたは複数の非LOS経路を介して信号を受信した結果である。
【0006】
図1Bに、多重経路のシナリオにおいて、送受信器A 102によって送信される例示的な信号および送受信器B 106によって受信される対応する信号の電力のグラフを示す。グラフに示されているように、送受信器A 102によって送信される信号は、定義された波形を有する。この例では、定義された波形は、図示のように全周期(full-period)パルスである。信号が送受信器Bに到達する際に複数の経路をたどるので、信号は、複数回受信される。というのは、LOS経路が非LOS経路より短いからである。従って、元の信号の電力は、図示のように受信する送受信器B 106で経時的に広がる。受信信号は、LOS信号経路1に起因する部分1、非LOS信号経路2に起因する部分2、および非LOS信号経路3に起因する部分3を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
送受信器の間の距離を正確に判定するためには、受信信号のうちでLOS経路1に起因する部分を使用することが望ましい。というのは、この経路が、最短であり、送受信器の間の直接経路であるからである。非LOS経路2および3の使用は、これらの経路が一般にLOS経路1より長いので、いくらかの誤差をもたらすであろう。しかし、障害物154などの障害物がLOS信号部分の電力レベルを実質的に減衰させる場合があるので、過去において、ノイズフロアおよび非LOS信号部分からのLOS信号部分の識別は難しかった。一例として、この例に示されているように、LOS信号部分の電力レベルは、非LOS部分2および3の電力レベルと比較して、相対的に小さい。
【0008】
信号受信の非コヒーレント技術を使用する以前の受信器は、LOS信号部分がしばしばノイズフロアに埋もれるので、非LOS部分からLOS信号部分を識別することにおいてそれほど有効ではなかった。コヒーレント技術を使用する他の以前の受信器は、非LOS信号部分からのLOS信号部分の識別においてよりよいが、この作業を実行する際に望ましくないことに大量の電力を消費する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、遠隔装置から到着信号を受信するように構成された超再生受信器と、到着信号に基づいて遠隔装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成された第1回路と、を含む無線通信装置に関する。もう1つの態様では、超再生受信器は、1つまたは複数の超再生増幅器を含むことが可能である。もう1つの態様では、超再生受信器は、並列に結合された複数の超再生増幅器を含み、この増幅器は、それぞれ別個の周波数帯域に同調される。もう1つの態様では、超再生増幅器の個数、増幅器の各々のQ値(Quality factor)(Q)、および、別個の周波数帯域の各々の中心周波数(fc)は、定義された最小利得、定義された利得リップル、または、定義された帯域幅にわたる定義された周波数応答を与えるように構成される。もう1つの態様では、別個の周波数帯域のうちの1つまたは複数は、別個の周波数帯域のうちの少なくとも他の1つまたは複数と重なり合うことが可能である。
【0010】
本開示のもう1つの態様では、無線通信装置は、到着信号のほぼ見通し線(LOS)部分を判定するように構成された第2回路をさらに含むことが可能であり、第1回路は、到着信号のほぼLOS部分から遠隔装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成される。もう1つの態様では、第2回路は、到着信号の電力レベルに関する第1応答を生成するように構成された電力検出器と、周囲のノイズの電力レベルに関する第2応答を生成するように構成されたノイズレベル検出器と、第1応答と第2応答との比較に基づいて出力を生成するように構成された比較器とを含む。
【0011】
本開示の他の態様では、到着信号は、1つまたは複数のパルスを含むことが可能である。第1回路は、到着信号の受信のおおよその時刻に基づいて遠隔装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成することが可能である。さらに、もう1つの態様では、無線通信装置は、送出信号を遠隔装置に送信するように構成された送信器をさらに含むことが可能であり、第1回路は、遠隔装置への送出信号の送信のおおよその時刻および遠隔装置からの到着信号の受信のおおよその時刻に基づいて遠隔装置までの距離を判定する。
【0012】
本開示のもう1つの態様では、無線通信装置は、送出信号を遠隔装置に送信するように構成された送信器をさらに含むことが可能であり、第1回路は、到着信号の受信および処理に応答して送信器に送出信号を送信させることによって、遠隔装置までの距離を部分的に判定するように構成される。他の態様では、装置は、超再生受信器の出力にジャム信号が存在するかどうかを判定する第2回路と、超再生受信器の出力からジャム信号を減少させるか除去するために超再生受信器の一部をディスエーブル(disable)する第3回路とをさらに含むことが可能である。もう1つの態様では、超再生受信器は、20%程度以上の比帯域、または、500MHz程度以上の帯域幅、または、20%程度以上の比帯域かつ500MHz程度以上の帯域幅を有する、定義された超広帯域(UWB)チャネル内の到着信号を受信するために同調される。
【0013】
本開示の他の態様、利点、および、新規な特徴は、添付図面と共に検討されるときに本開示の続く詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】ある装置から別の装置へ伝搬する際に信号がたどることがありうる例示的な複数の経路を示す図である。
【図1B】多重経路のシナリオにおいて、ある通信装置によって送信される例示的な信号と別の通信装置によって受信される例示的な信号とを示すグラフである。
【図2A】本開示の態様による例示的な通信装置を示すブロック図である。
【図2B】例示的な送信信号、例示的な受信信号、および本開示の態様による超再生受信器によって処理された例示的な受信信号を示すグラフである。
【図3A】本開示のもう1つの態様による2つの送受信器の間のおおよその距離を判定する例示的な方法を示す流れ図である。
【図3B】例示的な受信信号および本開示のもう1つの態様による超再生受信器によって処理された例示的な受信信号を示すグラフである。
【図4A】本開示のもう1つの態様による例示的な通信装置を示すブロック図である。
【図4B】本開示のもう1つの態様による、通信装置が動作する例示的なモードを示すタイミング図である。
【図5A】本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)装置を示すブロック図である。
【図5B】本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)増幅器を示すブロック図である。
【図6A】本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器を示すブロック図である。
【図6B】本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器に関する例示的な周波数応答を示すグラフである。
【図7A】本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器を示すブロック図である。
【図7B】本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器の出力から帯域内のジャム信号を減少させ、かつ/または、除去する例示的な方法を示す流れ図である。
【図8】本開示のもう1つの態様による例示的な通信装置を示すブロック図である。
【図9A】本開示のもう1つの態様による様々なパルス変調技術を示すタイミング図である。
【図9B】本開示のもう1つの態様による様々なパルス変調技術を示すタイミング図である。
【図9C】本開示のもう1つの態様による様々なパルス変調技術を示すタイミング図である。
【図9D】本開示のもう1つの態様による様々なパルス変調技術を示すタイミング図である。
【図10】本開示のもう1つの態様による様々なチャネルを介して互いに通信する様々な通信装置を示すブロック図である。
【図11】本開示のもう1つの態様による例示的な送受信器を含む例示的な通信装置を示すブロック図である。
【図12】本開示のもう1つの態様による例示的な受信器を含む例示的な通信装置を示すブロック図である。
【図13】本開示のもう1つの態様による例示的な送受信器を含む例示的な通信装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の様々な態様を、以下で説明する。本明細書の教示を様々な形で実施できることと、本明細書で開示される任意の特定の構造、機能、またはその両方が単に代表例であることは、明白である。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本明細書で開示される態様を任意の他の態様と独立に実現できること、および、これらの態様のうちの複数を様々な形で組み合わせることができることを理解するであろう。例えば、本明細書に示される任意の数の態様を使用して、装置を実現することができ、あるいは方法を実行することができる。さらに、本明細書に示される態様のうちの1つまたは複数に加えて、または、本明細書に示される以外の、他の構造、機能、または、構造および機能を使用して、そのような装置を実現することができ、あるいはそのような方法を実行することができる。
【0016】
上記の概念の一部の例として、いくつかの態様で、装置は、遠隔装置から到着信号を受信するように構成された超再生受信器と、到着信号に基づいて遠隔装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成された回路とを含むことが可能である。超再生受信器および距離判定回路を、1つまたは複数の集積回路として、1つまたは複数の別個の構成要素として、あるいは1つまたは複数の集積回路および1つまたは複数の別個の構成要素の組み合せとして構成することができる。超再生受信器および距離判定回路は、本明細書で説明されるその各々の機能を達成するためにプロセッサまたは他のプログラム可能な装置を含むことが可能である。そのようなプロセッサまたはプログラム可能な装置を、実行可能コードの使用によって動作させることができる。
【0017】
図2Aに、本開示の態様による例示的な通信装置200のブロック図を示す。一般に、通信装置200は、特に、別の通信装置から受信される信号の見通し線(LOS)部分を検出するように構成される。背景技術の欄で述べたように、これは、通信装置の間の距離をより正確に判定するのに有用である。これを達成するために、通信装置200は、LOS信号検出のための格別に高い感度を有すると同時に、許容可能な量の電力を消費する、超再生受信器フロントエンドを含む。
【0018】
より具体的に言うと、通信装置200は、超再生受信器202および距離測定回路204を含む。超再生受信器202は、遠隔通信装置から到着信号を受信し、そのLOS部分の検出のために到着信号を処理するように構成される。距離測定回路204は、超再生受信器によって処理された受信信号のLOS部分を使用して、通信装置200と遠隔通信装置との間の距離を少なくとも部分的に判定する。
【0019】
通信装置200が、遠隔通信装置までの距離を判定する場合には、距離測定回路204は、時刻t1に遠隔通信装置に信号を送信し、時刻t2に遠隔通信装置から信号のLOS部分を受信し、その後、上記で与えた式1のような、時刻t1およびt2に依存する式を使用して距離を判定する(例えば、距離=(t2−t1)×c/2)ことによって、距離を判定する。通信装置200が、遠隔通信装置が距離を判定するのを補助する(例えば、距離を部分的に判定する)場合には、距離測定回路204は、遠隔装置から信号を受信することに応答して、遠隔通信装置に信号を送信する。
【0020】
図2Bに、例示的な送信信号、例示的な受信信号、および本開示のもう1つの態様による超再生受信器によって処理された例示的な受信信号のグラフを示す。一番上のグラフは、遠隔通信装置からの送信信号を示す。この例では、送信信号は、全周期パルスなどの定義された波形を有する。しかし、他の定義された波形を提供できることを理解されたい。
【0021】
中央のグラフは、通信装置200の入力における受信信号を示す。異なる経路を介して伝搬する信号の部分の受信により、受信信号は経時的に広がりを有する。言及したように、受信信号のうち番号「1」で示す部分は、遠隔通信装置から通信装置200への直進的な経路内を伝搬する見通し線(LOS)部分である。受信信号のうち番号「2」および「3」で示す部分は、受信信号の非LOS部分である。
【0022】
下側のグラフは、超再生受信器202の出力における信号を示す。言及したように、超再生受信器202の出力の信号は、サンプリングされ増幅された受信信号の電力レベルを示す複数の「スパイク」を含む。やはり言及したように、最初の数個のスパイクは、受信信号のLOS部分に対応し、残りのスパイクは、受信信号の非LOS部分に対応する。超再生受信器202を、比較的高い感度を有するように構成することができるので、受信器202は、距離測定回路204がノイズフロアおよび非LOS部分から受信信号のLOS部分をより簡単に識別することを可能にする出力を生成することができる。下記でより詳細に説明するように、通信装置200は、信号対雑音比(SNR)を高めるために、複数のシンボルのLOS電力の非コヒーレント結合を実行することもできる。高い感度および非コヒーレント結合は、非LOS部分ではなくLOS部分が距離計算のために信号の受信の時刻と対応付けられるので、通信装置200と遠隔通信装置との間の距離を正確に判定するのに有用でありうる。
【0023】
図3Aに、本開示のもう1つの態様による2つの送受信器AとBの間のおおよその距離を判定する例示的な方法300の流れ図を示す。方法300によれば、送受信器Aは、送受信器AとBの間のおおよその距離を判定するためにレンジングモードで動作するコマンド302を送受信器Bに送信する。それに応答して、送受信器Bは、それ自身をレンジングモードに設定し、全ての信号の送信を止める(ブロック304)。次に、送受信器Bがレンジングモードになるために十分な所定の期間の後に、送受信器Aは、送受信器BにN個の定義されたシンボル306を送信する。シンボルを、時刻t=0、tp、2×tp、3×tp...(N−1)×tpにおいて送信することができ、ここで、tpはシンボルの送信に関する周期である。しかし、シンボルは、周期的な形で送信される必要はなく、非周期的な形で送信することが可能である。送受信器Bは、シンボルからシンボルへのタイミングの関係とともに、N個の定義されたシンボル306の事前の知識を有することが可能である。各シンボルは1つまたは複数のパルスとして構成することが可能である。
【0024】
その超再生受信器202および距離測定回路204を使用して、送受信器Bは、N個の定義されたシンボル306の到着のLOS時刻を検出する(ブロック308)。次に、送受信器Bの距離測定回路204は、N個の定義されたシンボル306を受信したかどうかを判定する(ブロック310)。送受信器Bが、N個の定義されたシンボル306を受信していないと判定する場合に、送受信器Bは、N個の定義されたシンボル306を受信していないことを示すメッセージ312を送受信器Aに送信する。メッセージ312に応答して、送受信器Aは、送受信器Bに再送信されるシンボル306の個数Nを増やすことができる(ブロック319)。下記でより詳細に述べるように、送信されるシンボルの個数が多いと、送受信器Bの入力での信号対雑音比(SNR)を改善することができ、これは、送受信器BがN個のシンボルの受信に成功し、より高いSNRにより、N個のシンボル306の到着のLOS時刻を検出する尤度を改善する。次に、送受信器Aは、コマンド302を送信することによって、再び、レンジングモード動作を再開始することができ、あるいは、この時に、N個の定義されたシンボル306を再送信することができる。その一方で、送受信器Bが、N個の定義されたシンボル306を受信したと判定する場合には、送受信器Bは、M個の定義されたシンボル314を送受信器Aに送信する。送受信器Bは、M個の定義されたシンボル314の送信を時刻N×tp+tdに開始することができ、ここで、tdは、送受信器Aから送受信器Bへの各シンボルのLOS経路に沿った伝搬遅延である。従って、M=Nの場合に、送受信器Aは、それぞれ時刻t=N×tp+2×td、(N+1)×tp+2×td、(N+2)×tp+2×td...(2×N−1)×tp+2×tdにおいてシンボルを受信することができる。送受信器Aは、M個の定義されたシンボル314の事前の知識を有することが可能である。M個の定義されたシンボル314は、N個の定義されたシンボル306と同一とすることができ、あるいは異なるものとすることができる。さらに、シンボル314の個数Mを、シンボル306の個数Nに関係させる(例えば、比例する)ことが可能である。
【0025】
その超再生受信器202および距離測定回路204を使用して、送受信器Aは、M個の定義されたシンボル314の到着のLOS時刻を検出する。次に、送受信器Aの距離測定回路204は、M個の定義されたシンボル314を受信したかどうかを判定し、あるいは、M個の定義されたシンボルの到着の時刻を判定できないと判定する(ブロック318)。送受信器Aが、M個の定義されたシンボル314を受信していない、またはM個の定義されたシンボル314の到着の時刻を判定できないと判定する場合には、送受信器Aは、送受信器Bに再送信されるシンボル306の個数Nを増やすことができる(ブロック319)。上述したように、MをNに関係させる(例えば、比例する)ことができるので、送受信器AがNを増やすことによって、送受信器BはMを増やす。これは、送受信器Aが、M個のシンボルの到着のLOS時刻をよりよく検出し、送受信器BからM個のシンボル314を受信することができる尤度をも改善する。
【0026】
次に、送受信器Aは、コマンド302を送信することによって、再び、レンジングモード動作を再開始することができ、あるいは、この時に、N個の定義されたシンボル306を再送信することができる。その一方で、送受信器AがM個の定義されたシンボル314を受信したと判定する場合には、送受信器Aは送受信器AとBの間の距離を判定する(ブロック320)。次に、送受信器Aは距離情報322を送受信器Bに送信することができる。このシナリオでは、送受信器Aは距離の判定を行い、送受信器Bは、距離の判定を補助し、または、距離を部分的に判定している。
【0027】
図3Bに、送受信器Aの入力における例示的な受信信号と、本開示のもう1つの態様による送受信器Aの超再生受信器202によって処理された例示的な受信信号のグラフを示す。この例では、送受信器Bから受信された定義されたシンボル314の個数Mは、定義されたシンボル306の個数Nと同一である。上側のグラフは、送受信器Aの入力における受信信号を示す。受信信号は、送受信器Bから受信されたN個の定義されたシンボルを含む。前述したように、送受信器AおよびBによって送信される各シンボルは、1つまたは複数のパルスを含むことが可能である。さらに、シンボルは、tpと表される周期を伴って送信される。図示されているように、送受信器Aによって受信される各シンボルは、送受信器Bから送受信器Aへの異なる長さの複数の経路を介して伝搬する信号により経時的に広がっている。
【0028】
下側のグラフは、送受信器Aの超再生受信器202によって処理された受信信号を示す。前述したように、超再生受信器202は、受信信号をサンプリングし、増幅する。従って、各シンボルは、受信信号の増幅されたサンプルを示す複数のスパイクを含む。前述したように、各シンボルの最初の複数のスパイクは、受信信号のLOS部分に関係し、各シンボルの残りのスパイクは、受信信号の非LOS部分に関係する。言及したように、第1シンボルのLOS部分は、時刻Ntp+2tdに受信され、第2シンボルのLOS部分は、時刻(N+1)tp+2tdに受信され、最後から2番目のシンボルのLOS部分は、時刻(2N−2)tp+2tdに受信され、最後のシンボルのLOS部分は、時刻(2N−1)tp+2tdに受信された。時刻は、送受信器Aが最初のシンボルを送受信器Bに送信した時刻から参照される。前述したように、tpはシンボルの送信の周期であり、tdは送受信器から送受信器への信号の一方向LOS伝搬遅延である。
【0029】
従って、受信信号のLOS部分の到着の時刻ttotalを測定することによって、送受信器Aは、次の式によって送受信器Bまでの距離を判定することができる。
距離=(ttotal−(2N−1)×tp/2)×c 式2
ここで、cは光速である。シンボルの到着の時刻の不確かさは、超再生受信器202のクエンチサイクルによって決定することができる。クエンチサイクルはGHzの範囲とすることが可能であるので、シンボルの到着の時刻の不確かさは比較的少ない。例えば、超再生受信器202のクエンチサイクルが4GHzである場合に、距離測定の不確かさをc/4GHzによって与えることができ、これは7.5cmにほぼ等しい。これは、送受信器がお互いから数メートル以上離れているときに、比較的小さいか、無視することさえできる。
【0030】
図3Bに示されているように、各シンボルのLOS部分は、各シンボルの非LOS部分と比較して、比較的低い電力である。また、各シンボルのLOS部分は、周囲のノイズフロアに非常に近い。前述したように、超再生受信器202の相対的に高い感度のゆえに、各シンボルのLOS部分を、ノイズフロアからより簡単に識別可能とすることができる。さらに、複数のシンボルが送信されるので、ノイズを平均し、それによって信号対雑音比(SNR)を改善するために、距離測定回路204はシンボルのLOS部分の非コヒーレント結合を実行することができる。これは、ノイズフロアからのシンボルのLOS部分の検出をさらに改善する。
【0031】
図4Aに、本発明のもう1つの態様による例示的な通信装置400のブロック図を示す。例示的な通信装置400は、本開示のもう1つの態様による距離測定用に構成された通信装置のより詳細な実施形態とすることができる。通信装置400は、アンテナ402、送信/受信(Tx/Rx)分離装置404、超再生受信器406、電力検出器408、ノイズレベル検出器410、比較器412、シンボル復号化器414、プロセッサ416、メモリ418、入出力(I/O)装置420、パルス位置変調器422、および送信器424を含む。
【0032】
アンテナ402は、無線媒体を介して、遠隔通信装置から信号を受信し、遠隔通信装置に信号を送信する役割を果たす。Tx/Rx分離装置404は、超再生受信器406の入力を送信器424の出力から分離する役割を果たす。超再生受信器406は、受信信号のLOS部分をノイズフロアから識別するために、相対的に高感度で遠隔通信装置から受信される信号を受信し、増幅する役割を果たす。電力検出器408は、超再生受信器406の出力における電力レベルを示す信号を生成する役割を果たす。ノイズレベル検出器410は、周囲のノイズの電力レベルを示す信号を生成する役割を果たす。比較器412は、超再生受信器406の出力における電力レベルと周囲のノイズの電力レベルとの比較に対応付けられる出力を生成する役割を果たす。例えば、比較器412は、受信器出力の電力レベルが周囲のノイズの電力レベルを定義された閾値(例えば、2dBまたは3dB)だけ超えることを示す信号を生成することが可能である。
【0033】
シンボル復号化器414は、受信されたシンボルの特性を判定するように構成される。例えば、シンボル復号化器414は、受信された信号が論理1または論理0であることを判定することが可能である。I/O装置420は、比較器412およびシンボル復号化器414の出力からの信号をプロセッサ416に中継し、プロセッサ416からの信号を超再生受信器406、ノイズレベル検出器410、およびパルス位置変調器422に中継する役割を果たす。メモリ418は、以下でさらに述べるように、様々な動作を実行する際にプロセッサ416を制御するために使用される1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび様々な機能を実行する際にプロセッサ416によって操作されるデータを格納する役割を果たす。パルス位置変調器422は、プロセッサ416に応答して遠隔通信装置に信号を送信する際に送信器424を制御する役割を果たす。送信器424は、パルス位置変調器422に応答して遠隔通信装置に信号を送信する役割を果たす。
【0034】
通信装置400を、複数のモードにおいて構成することが可能である。具体的には、低電力モードにおいて、装置が遠隔通信装置から信号を受信しておらず、遠隔通信装置に信号を送信していない時間の間、消費する電力の量を減少させるように通信装置400を構成することが可能である。また、ジャム検出モードにおいて、定義された受信帯域幅内の1つまたは複数のジャム信号の存在を検出し、検出されたジャム信号を除去するか減少させるように通信装置400を構成することが可能である。さらに、ノイズレベル較正モードにおいて、周囲のノイズの電力レベルを判定するように通信装置400を構成することが可能である。さらに、レンジングモードにおいて、遠隔通信装置までの距離の判定またはその判定を補助するように通信装置400を構成することが可能である。さらに、受信モードにおいて、遠隔通信装置から信号を受信するように通信装置400を構成することが可能である。また、送信モードにおいて、遠隔通信装置に信号を送信するように通信装置400を構成することが可能である。
【0035】
低電力モードでは、プロセッサ416は、通信装置400の構成要素のうちの1つまたは複数をディスエーブルするか低電力モードにすることが可能である。例えば、プロセッサ416は、I/O装置420を介して超再生受信器406にコマンドを送信して、通信装置400によって消費される電力の量を減少させるために超再生受信器406の1つまたは複数の増幅器をディスエーブルすることができる。また、プロセッサ416は、通信装置400の他の構成要素を低電力に設定することが可能である。従って、通信装置400が送信または受信を行っていないときに、それ自身を低電力モードに設定してバッテリ源から供給される電力などの電力を節約できるので、これは通信装置400を電力効率のよいものにすることができる。
【0036】
ジャム検出モードでは、プロセッサ416は、定義された受信帯域幅内にジャム信号が存在するかを検査する。これは、図7A〜Bに示された例示的な実施形態を参照して、よりよく説明される。要約すると、通信装置400が遠隔通信装置と通信していない時間の間、プロセッサ416は、SR Amp Enable信号を使用して、I/O装置420を介して超再生受信器406のN個の増幅器の全てをディスエーブルする。次に、プロセッサ416は、一度にN個の増幅器のうちの1つだけをイネーブル(enable)し、I/O装置420を介して比較器412の出力を監視する。比較器412の出力が、電力検出器408の出力がノイズレベル検出器410によって生成される周囲のノイズ信号より定義された閾値だけ大きいことを示す場合には、プロセッサ416は、ジャム信号が存在すると判定し、その結果、I/O装置420を介して対応する増幅器をディスエーブルすることが可能である。次に、プロセッサ416は、次の超再生増幅器について同一のテストを実行し、N個全ての増幅器を検査し終えるまで継続する。
【0037】
ノイズレベル較正モードでは、プロセッサ416は、周囲のノイズの電力レベルを示す信号を生成するようにノイズレベル検出器410を較正する。これは、受信信号の電力レベルが周囲のノイズの電力レベルを定義された閾値だけ超えるときなど、比較器412が、受信信号が存在するときを正確に示すことができるようにするために実行される。ノイズレベル較正モードでは、プロセッサ416は、超再生受信器406の入力を、例えば50Ω終端に結合することが可能である。これは、超再生受信器406および電力検出器408が、受信信号から生じる出力を生成するのではなく、環境雑音から生じる出力だけを生成するようにするために行われる。次に、プロセッサ416は、I/O装置420を介してノイズレベル検出器410にコマンド(例えば、NL Test Enableコマンド)を送信して、電力検出器408の出力を測定し、その測定値を使用して、周囲のノイズの電力レベルを示す信号を較正する。その代わりに、プロセッサ416は、周囲のノイズの電力レベルを示す信号を較正するために、ノイズレベル検出器410に温度センサ(図示せず)の出力を使用させることができる。
【0038】
レンジングモードでは、通信装置400は、図3Aを参照して前に説明した方法300の送受信器Aのような、距離測定プロセスのイニシエータとしての役割を果たすことが可能である。これに関して、プロセッサ416は、前述した送受信器Aの動作を実行するように構成される。具体的には、プロセッサは、レンジングモードコマンド302を生成し、I/O装置420、パルス位置変調器422、送信器424、およびアンテナ402などの信号を送信する構成要素を介してそのコマンドを遠隔通信装置に送信するように構成される。プロセッサ416は、信号を送信するのと同一の構成要素を介して遠隔通信装置にN個の定義されたシンボル306を送信するようにさらに構成される。プロセッサ416は、アンテナ402、超再生受信器406、電力検出器408、比較器412、シンボル復号化器414、およびI/O装置420など、信号を受信する構成要素を介して遠隔通信装置からのN個の定義されたシンボル306を受信していないことを示すメッセージを受け取るようにさらに構成される。
【0039】
プロセッサ416は、信号を受信するのと同一の構成要素を介して遠隔通信装置からM個の定義されたシンボル314を受信するようにさらに構成される。プロセッサ416は、M個の定義されたシンボル314の事前の知識を、この情報をメモリ418に格納することによって有することが可能である。この情報を使用して、プロセッサ416は、M個の定義されたシンボル314を受信したかどうかを判定するようにさらに構成される。プロセッサ416は、遠隔通信装置からM個の定義されたシンボル314を受信しなかったと判定した場合に、レンジングモードコマンド302および/またはN個の定義されたシンボル306を再送信するようにさらに構成される。プロセッサ416は、比較器412の出力が各シンボルの受信中の信号の存在を初めて示す時を監視することによって、M個の定義されたシンボル314の到着のLOS時刻を検出するようにさらに構成される。前述したように、プロセッサ416は、N個の定義されたシンボル306の送信に関する時刻およびM個の定義されたシンボル314のLOS部分の受信に関する時刻を使用して、遠隔通信装置までの距離を判定する。プロセッサ416は、信号を送信するのと同一の構成要素を介して遠隔通信装置に距離情報を送信するようにさらに構成される。
【0040】
レンジングモードでは、通信装置400は、単に、図3Aを参照して前に説明した方法300の送受信器Bのように、遠隔通信装置が距離を判定するのを補助している(例えば、距離を部分的に判定する)場合がある。これに関して、プロセッサ416は、前述した送受信器Bの動作を実行するように構成される。具体的には、プロセッサ416は、信号を受信するのと同一の構成要素を介して遠隔通信装置からレンジングモードコマンド302を受信するように構成される。プロセッサ416は、プロセッサ416自身をレンジングモードに設定するようにさらに構成され、このモードでは、プロセッサ416は、信号の送信を止め、遠隔通信装置が装置の間の距離を判定するのに必要な機能を実行する。プロセッサ416は、比較器412の出力が各シンボルの受信中の信号の存在を初めて示す時を監視することによって、N個の定義されたシンボル306の到着のLOS時刻を検出するようにさらに構成される。
【0041】
プロセッサ416は、N個の定義されたシンボル306の事前の知識を、この情報をメモリ418に格納させることによって有することができる。この情報を使用して、プロセッサ416は、N個の定義されたシンボル306を受信したかどうかを判定するようにさらに構成される。プロセッサ416は、N個の定義されたシンボル306を受信しなかったと判定した場合に、信号を送信する構成要素を介して遠隔通信装置にN個のシンボルを受信していないことのメッセージ312を送信するようにさらに構成される。プロセッサ416は、N個の定義されたシンボル306を受信したと判定した場合に、信号を送信する構成要素を介して遠隔通信装置にM個の定義されたシンボル314を送信するようにさらに構成される。プロセッサ416は、信号を受信するための構成要素を介して遠隔通信装置から距離情報322を受信するようにさらに構成される。
【0042】
受信モードにおいて、プロセッサ416は、信号を受信するための構成要素を介して遠隔通信装置から情報を受信するように構成される。送信モードでは、プロセッサ416は、信号を送信するための構成要素を介して遠隔通信装置に信号を送信するように構成される。
【0043】
図4Bに、本開示のもう1つの態様による、通信装置400が遠隔通信装置から信号を受信する際に動作する例示的なモードのタイミング図を示す。このグラフに示された時刻0の前に、遠隔通信装置から情報を受信する前にノイズレベル検出器410を較正するために、通信装置400をノイズレベル較正モードで動作させることが可能である。時刻0において、通信装置400は、それが信号を受信も送信もしていない時間の間、バッテリ電力を節約するために、低電力モードに入ることが可能である。信号受信ウィンドウに入る前のある時間間隔において、定義された受信帯域幅内のジャム信号の存在について検出し、受信器406の出力でジャム信号を減少させるか除去するために超再生受信器406のN個の増幅器のうちの1つまたは複数をディスエーブルするために、通信装置400はジャム検出モードに入ることが可能である。これは、ジャム信号からの受信情報の誤検出を除去するか減少させるために、信号受信ウィンドウの前に実行される。
【0044】
次に、通信装置400は時刻t1−Δにおいて第1信号受信ウィンドウに入ることが可能である。通信装置400がパルス位置復調技術を使用する場合に、(第2信号受信ウィンドウ内ではなく)第1信号受信ウィンドウ内で受信される信号は、受信されるデータが、例えば論理0であることを意味する場合がある。第1信号受信ウィンドウの後に、通信装置400は、バッテリ電力を節約するために低電力モードに入ることが可能である。低電力モードの後に、通信装置400は、もう1つの信号受信ウィンドウに入る前に1つまたは複数の帯域内ジャム信号の存在について検出するために、ジャム検出モードに入る。次に、通信装置400は、時刻t1+Δにおいて第2信号受信ウィンドウに入る。通信装置400が、(第1信号受信ウィンドウ内ではなく)第2信号受信ウィンドウ内で信号を受信する場合に、これは、受信されるデータが、例えば論理1であることを意味する場合がある。
【0045】
次に、通信装置400は、この装置が受信も送信もしていないときのバッテリ電力を節約するために、再び、低電力モードに入る。次に、通信装置400は、遠隔通信装置からの情報の受信のために、続く時間間隔について同一の一連のモードを繰り返す。グラフに示されているように、この時間間隔は中央時刻2t1に対応する。遠隔通信装置からデータを受信するために、他の全ての残りの時間間隔について、この処理は続く。
【0046】
図5Aに、本開示の態様による例示的な超再生(SR)装置500のブロック図を示す。SR装置500は、入力を介して信号を受け取り、それぞれ別個の周波数帯域に同調された複数の並列のSR増幅器を介して信号を増幅し、出力において増幅された信号を生成することができる。その最も典型的な応用例で、有線または無線の通信装置の一部としての受信器としてSR装置500を使用することが可能である。しかし、SR装置500を、送受信器の一部として使用することも可能であることを理解されたい。下記でより詳細に述べるように、SR装置500は、帯域外ジャム信号ならびに帯域内ジャム信号を効果的に扱うことができる。
【0047】
より具体的には、SR装置500は、入力と出力との間に並列に結合された複数のSR増幅器502-1から502-Nを含む。この例では、SR装置500は、N個のSR増幅器を有する。SR増幅器のそれぞれは、別個の周波数帯域に同調される。例えば、SR増幅器502-1は、f1と表される中心周波数を有する周波数帯域に同調され、SR増幅器502-2は、f2と表される中心周波数を有する周波数帯域に同調され、SR増幅器502-Nは、fNと表される中心周波数を有する周波数帯域に同調される。
【0048】
一般に、別個の周波数帯域は、超広帯域(UWB)チャネルなど、定義された帯域幅の中に存在しうる。例えば、超広帯域(UWB)チャネルを、20%程度以上の比帯域、または、500MHz程度以上の帯域幅、または、20%程度以上の比帯域かつ500MHz程度以上の帯域幅を有するものとして定義することが可能である。SR増幅器の個数N、SR増幅器の各々のQ値(Q)、および、別個の周波数帯域の各々の中心周波数f1からfNを、定義された最小利得、定義された利得リップル、または、定義された帯域幅にわたる定義された周波数応答を与えるように構成することが可能である。
【0049】
下記でより詳細に述べるように、SR装置500は、帯域外ジャム信号ならびに帯域内ジャム信号の除去または減少に有用でありうる。例えば、各SR増幅器、具体的にはSR増幅器502-1および502-Nのような定義された帯域幅の両端のSR増幅器を、比較的高いQ値(Q)を有するように構成することが可能である。従って、SR増幅器は、その中心周波数付近の比較的高い利得と、その中心周波数から相対的に離れた周波数に関する高い減衰とを有する。従って、SR増幅器は、固有に、定義された帯域幅の外に存在し得るジャム信号を減衰させることができ、これによって、帯域外ジャム信号の実質的な排除または除去をもたらす。
【0050】
帯域内ジャム信号に関して、SR装置500を、比較的多数のN個のSR増幅器を用いて構成することができる。その場合に、各SR増幅器は、定義された帯域幅内の比較的小さいサブバンド内の信号だけを増幅することができる。従って、ジャム信号がサブバンドの1つの中に存在する場合に、対応するSR増幅器をオフに切り替えるかディスエーブルして、SR装置500の出力においてジャム信号が存在することを防止するか減少させることができる。上述したように、サブバンドは、定義された帯域幅と比較して相対的に小さいものとすることができるので、ジャム信号に対応するSR増幅器をオフにすることまたはディスエーブルすることの影響は、SR装置500によって受信され、増幅されるブロードバンド(例えば、UWB)信号に対して、無視できるか最小限とすることができる。
【0051】
図5Bに、本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)増幅器550-Kのブロック図を示す。SR増幅器550-Kは、本明細書で説明する全てのSR増幅器の詳細な例となりうる。SR増幅器550-Kは、共振器552-Kおよびクエンチ発振器554-Kを含む。共振器552-Kは、タンク回路、saw共振器、または他の種類の共振器を含む。各共振器を、手動で、または、アナログ回路もしくはプロセッサなどのデジタル回路によるなど電子的に、同調させることができる。クエンチ発振器554-Kを、周期的にクエンチすることができる。クエンチ周波数は、SR装置がカバーするように設計される定義された帯域幅の少なくとも2倍の帯域幅とすることが可能である。従って、定義された帯域幅がfaとfbの間である場合には、クエンチ周波数は、少なくとも2×(fb−fa)とすることが可能である。
【0052】
図6Aに、本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器600のブロック図を示す。SR受信器600は、上述したSR装置500の詳細な実施形態の一例でありうる。この例では、SR受信器600は、アンテナ610、帯域通過フィルタ(BPF)608、複数の入力絶縁増幅器604-1から604-N、複数のSR増幅器602-1から602-N、複数の出力絶縁増幅器606-1から606-N、および加算器612を含む。
【0053】
より詳細には、帯域通過フィルタ(BPF)608は、アンテナ610と複数の入力絶縁増幅器604-1から604-Nの入力との間に結合される。入力絶縁増幅器604-1から604-Nの出力は、それぞれ、SR増幅器602-1から602-Nの入力に結合される。SR増幅器602-1から602-Nの出力は、それぞれ、出力絶縁増幅器606-1から606-Nの入力に結合される。出力絶縁増幅器606-1から606-Nの出力は、加算器612の入力に結合される。
【0054】
アンテナ610は、意図する信号ならびにおそらくは帯域外および/または帯域内のジャム信号を受信する。帯域通過フィルタ(BPF)608は、主に入力絶縁増幅器604-1から604-Nの入力での帯域外ジャム信号を減少させるか除去するために、受信信号の初期フィルタリングを提供する。上述したように、SR増幅器602-1から602-Nは、固有の帯域外排除特性を有するので、帯域通過フィルタ(BPF)608のフィルタリング仕様を緩和することができる。その代わりに、帯域通過フィルタ(BPF)608を全く除去することが可能である。
【0055】
入力絶縁増幅器および出力絶縁増幅器は、SR増幅器を互いから分離する。これは、あるSR増幅器から別のSR増幅器への注入同期を防ぐためである。さらに、入力絶縁増幅器は、SR増幅器からアンテナへの電力漏れを防ぐことを補助する。そうでない場合に、SR増幅器は、望まれない放射を生成する可能性があり、この放射は、電磁放射放出の制御を管理する政府の法律、規則、または、規制に違反する結果となる可能性がある。並列のSR増幅器602-1から602-Nは、それぞれ、別個の周波数帯域内の受信信号の対応する周波数成分を増幅する。加算器612は、出力絶縁増幅器606-1から606-Nの出力からそれぞれ受け取られる対応する周波数成分から増幅された受信信号を再構成する。
【0056】
前の実施形態を参照して上述したように、SR増幅器602-1から602-Nは、f1からfNと表される各々の中心周波数を有する別個の周波数帯域に同調される。別個の周波数帯域は、超広帯域(UWB)チャネルなどの定義された帯域幅の中に存在しうる。SR増幅器の個数N、SR増幅器の各々のQ値(Q)、および、別個の周波数帯域の各々の中心周波数f1からfNを、定義された最小利得、定義された利得リップル、または、定義された帯域幅にわたる定義された周波数応答を与えるように構成することが可能である。これは、図6Bに示された例示的なグラフを参照してよりよく説明される。
【0057】
図6Bに、本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器600に関する例示的な周波数応答のグラフを示す。このグラフのx軸すなわち水平軸は、周波数を表す。y軸すなわち垂直軸は、利得を表す。このグラフに示されているように、定義された帯域幅は、faと表される相対的に低い周波数からfbと表される相対的に高い周波数までの範囲に及ぶ。また、このグラフは、各々のSR増幅器602-1から602-Nの周波数応答を示す。例えば、f1の中心周波数を有する左端の周波数応答はSR増幅器602-1に関する。同様に、f2の中心周波数を有する周波数応答はSR増幅器602-2に関する。同様に、fnの中心周波数を有する周波数応答はSR増幅器602-Nに関する。
【0058】
この例で、SR増幅器の周波数応答が互いに重なり合うことに留意されたい。これは、定義された帯域幅の全体の周波数応答を与えるために行われる。中心周波数は、定義された帯域幅内の個々の周波数応答の位置を支配する。Q値(Q)は、個々の周波数応答の幅を支配する。例えば、Q値(Q)が大きいほど、個々の周波数応答は狭くなる。逆に、Q値(Q)が小さいほど、個々の周波数応答は広くなる。また、SR増幅器の個数Nは、定義された帯域幅の全体的な周波数応答に影響する。上述したように、SR増幅器の個数Nを正しく選択することによって、SR増幅器の各々のQ値(Q)、別個の周波数帯域の各々の中心周波数f1からfN、および、定義された帯域幅についての所望の全体の周波数応答を達成することができ、これは、定義された最小利得および/または定義された利得リップルを含むことが可能である。
【0059】
図7Aに、本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器700のブロック図を示す。SR受信器700は、特に、帯域内ジャム信号を減少させるかほぼ排除するように構成される。前の実施形態600と同様に、SR受信器700は、アンテナ710、帯域通過フィルタ(BPF)708、複数の入力絶縁増幅器704-1から704-N、複数のSR増幅器702-1から702-N、複数の出力絶縁増幅器706-1から706-N、および加算器712を含む。これらの事項は、上記でSR受信器600を参照して詳細に述べた。
【0060】
SR受信器700は、さらに、電力検出器714、信号調整器724、アナログ-デジタル変換器(ADC)722、入出力(I/O)装置720、プロセッサ716、および、メモリ718を含む。電力検出器714は、SR受信器700の出力における電力レベルを示す信号を生成する。信号調整器724は、デジタルフォーマットへの変換のために減少したノイズを有する適当なレベルになるように、電力検出器714からの信号を修正する(例えば、増幅する、フィルタリングするなど)。ADC 722は、調整された信号をデジタルフォーマットに変換し、このデジタルフォーマットは、その後、分析のためにI/O装置720を介してプロセッサ716に送信される。I/O装置720は、ADC 722から信号を受け取り、これをプロセッサ716に渡すとともに、プロセッサ716からのイネーブル/ディスエーブル信号En-1からEn-Nを、それぞれSR増幅器702-1から702-Nに渡す。
【0061】
プロセッサ716は、帯域内ジャム信号を減少させるかほぼ除去するために、本明細書で後述する様々な動作を実行する。メモリ718は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、磁気ディスク、光ディスク、および、その変形形態のような、任意の種類のコンピュータ読み取り可能な媒体とすることができるが、その様々な動作を実行する際にプロセッサ716を制御する1つまたは複数のソフトウェアモジュールを格納する。また、メモリ718は、どのチャネルまたはSR増幅器がイネーブルされているかおよび帯域内ジャム信号を減少させるか除去するためにどのチャネルまたはSR増幅器がディスエーブルされているかに関する情報のようなデータを格納することが可能である。続いて、帯域内ジャム信号を扱うためにプロセッサ716によって実行される例示的な方法を説明する。
【0062】
図7Bに、本開示のもう1つの態様による例示的な超再生(SR)受信器700の出力から帯域内ジャム信号を減少させ、かつ/または、除去する例示的な方法750の流れ図を示す。方法750の実行時に、SR受信器700を含む対応する通信装置は別の装置と通信していないと仮定する。従って、方法750の動作中に、意図する帯域内信号はSR受信器700によってほぼ受信されていない。
【0063】
方法750によれば、プロセッサ716は、SR増幅器702-1から702-Nをディスエーブルする(ブロック752)。プロセッサ716は、それぞれEn-1からEn-Nを介して適当なディスエーブルする信号を送信することによって、SR増幅器702-1から702-Nのディスエーブルを実行することができる。次に、プロセッサ716は、インデックスKを1に設定する(ブロック754)。インデックスKは、帯域内ジャム信号を増幅しているかどうかを判定するために現在検査されるSR増幅器702-Kを識別する。次に、プロセッサ716は、第KのSR増幅器をイネーブルする(ブロック756)。プロセッサ716は、SR増幅器702-Kに適当なイネーブルする信号En-Kを送信することによって、第KのSR増幅器のイネーブルを実行することができる。例えば、Kが1に等しい場合に、プロセッサ716は、SR増幅器702-1をイネーブルする。上述したように、残りのSR増幅器702-2から702-Nは、ディスエーブルされている。
【0064】
次に、方法750によれば、SR増幅器702-Kは、いくつかのクエンチサイクルの間、動作することを可能とされる(ブロック758)。これは、SR増幅器702-Kが、帯域内ジャム信号についてSR受信器700の出力を監視するために、十分に安定することを可能にするためである。次に、プロセッサ716は、SR受信器700の出力における電力レベルを判定する(ブロック760)。上述したように、プロセッサ716は、ADC 722から受け取られる信号を監視することによって、出力電力レベルを判定することができる。次に、プロセッサ716は、受信器出力の電力レベルが定義された閾値より高いかどうかを判定する(ブロック762)。定義された閾値は、周囲のノイズによって作られる電力レベルに関するものとすることが可能である。定義された閾値を決定する1つの方法は、アンテナ710を切断し、従って、50Ω終端を接続することである。その後、ADC 722の出力における対応する値を、定義された閾値として使用することができる。その代わりに、定義された閾値を、温度センサを用いて環境温度を測定すること、および、その後、感知された温度を定義された閾値にマッピングするのにルックアップテーブルを使用することによって決定することができる。プロセッサ716が、受信器出力の電力レベルが定義された閾値より高いと判定する場合に、プロセッサ716は、第Kのチャネルにジャム信号が存在することを認識する(ブロック764)。次に、プロセッサ716は、ブロック766に示すように、SR増幅器702-Kをディスエーブルする。
【0065】
受信器の出力における電力レベルが定義された閾値を下回る場合には、プロセッサ716は、ブロック764をスキップし、SR増幅器702-Kをディスエーブルする(ブロック766)。プロセッサ716は、適切なディスエーブルする信号En-KをSR増幅器702-Kに送信することによって、これを実行することができる。次に、プロセッサ716は、帯域内ジャム信号検査を受けるべき次のSR増幅器を選択するために、インデックスKを増分する(ブロック768)。次に、プロセッサ716は、インデックスKがN+1に等しいかどうかを検査する(ブロック770)。等しい場合には、これは、SR増幅器の全てが帯域内ジャム信号について検査済みであることを意味し、プロセッサ716は、帯域内ジャム信号を有するものとしてブロック764で識別されたものを除いて、全てのSR増幅器をイネーブルする(ブロック772)。ブロック770で、インデックスKがN+1に等しくない場合には、プロセッサ716は、ブロック756に戻って、次のSR増幅器の帯域内ジャム信号検査を実行する。従って、方法750によれば、帯域内ジャム信号がSR受信器700の出力に伝搬するのを防ぐために、帯域内ジャム信号を増幅する全てのSR増幅器がディスエーブルされる。SR増幅器の個数Nが比較的多くなるように選択される場合には、少数のSR増幅器がディスエーブルされることによる全体の周波数応答に対する影響は小さいであろう。
【0066】
図8に、本開示のもう1つの態様による、SR受信器フロントエンドを含む例示的な通信装置800のブロック図を示す。通信装置800は、アンテナ802、送信器/受信器(Tx/Rx)分離装置804、SR受信器フロントエンド806、RF-ベースバンド受信部808、ベースバンドユニット810、ベースバンド-RF送信部812、および送信器814を含む。アンテナ802は、無線媒体を介して他の通信装置から信号を受信し、無線媒体を介して他の通信装置に信号を送信する役割を果たす。Tx/Rx分離装置804は、他の通信装置への信号の送信中に送信器814によって生成される信号の相対的に大きい電力からSR受信器フロントエンド806の入力を分離する役割を果たす。
【0067】
上述したように、SR受信器フロントエンド806は、他の通信装置から受信された信号を受け取り、増幅する。RF-ベースバンド受信部808は、ベースバンドユニット810によるさらなる処理のために、受信信号をRFからベースバンドに変換する。RF-ベースバンド受信部808を、エネルギー検出受信器のような非コヒーレント受信器として構成することが可能である。ベースバンドユニット810は、ベースバンド信号を処理してベースバンド信号内で搬送される情報を確定する。ベースバンドユニット810を、前述したように遠隔通信装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成することが可能である。ベースバンド-RF送信部812は、無線媒体を介する送信のために、ベースバンドユニット810によって生成された送出信号をRFに変換する。送信器814は、無線媒体を介して他の通信装置への送出信号を送信するために、送出信号を(例えば、電力増幅、パルス変調などによって)調整する。
【0068】
図示しないが、パルス分割多元接続(pulse division multiple access、PDMA)、パルス分割多重(pulse division multiplexing、PDM)、または他の種類のパルス変調を使用して受信通信チャネル(例えば、超広帯域(UWB)通信チャネル)を確立するために、受信器806および/または808をパルス変調装置によって制御することができる。図示しないが、PDMA、PDM、または、他の種類のパルス変調を使用して送信通信チャネル(例えば、超広帯域(UWB)通信チャネル)を確立するために、特定の瞬間の信号伝送をパルスによって定義することを可能にするため、送信器812および/または814をパルス変調装置によって制御することができる。送信チャネルおよび受信チャネルは同時に確立することが可能であるが、チャネルを、互いに干渉しないように直交とすることが可能である。送信器および受信器をイネーブルし、ディスエーブルするためにパルス変調技術を使用することによって、通信装置800のための改善された電力効率を達成することができる。例えば、送信器が送信しておらず、受信器が受信していない時間中に、これらの装置を、低電力モードまたは無電力モードで動作させて、バッテリによって供給される電力のような電力を節約することができる。
【0069】
図9Aに、PDMA変調の例として、異なるパルス繰り返し周波数(PRF)を用いて定義される、異なるチャネル(チャネル1および2)を示す。具体的には、チャネル1のパルスは、パルス対パルス遅延期間902に対応するパルス繰り返し周波数(PRF)を有する。一方、チャネル2のパルスは、パルス対パルス遅延期間904に対応するパルス繰り返し周波数(PRF)を有する。従って、この技術は、2つのチャネルの間のパルス衝突の比較的低い尤度を有する擬似直交チャネルを定義するのに使用される。具体的には、パルス衝突の低い尤度は、パルスの低いデューティサイクルの使用によって達成することができる。例えば、パルス繰り返し周波数(PRF)の適当な選択によって、与えられたチャネルのほぼ全てのパルスを、全ての他のチャネルのパルスとは異なる時に送信することができる。
【0070】
与えられたチャネルについて定義されたパルス繰り返し周波数(PRF)は、そのチャネルによってサポートされる1つまたは複数のデータレートに依存しうる。例えば、非常に低いデータレート(例えば、数キロビット毎秒すなわちKbps程度)をサポートするチャネルは、対応する低いパルス繰り返し周波数(PRF)を使用することが可能である。逆に、比較的高いデータレート(例えば、数メガビット毎秒すなわちMbps程度)をサポートするチャネルは、対応するより高いパルス繰り返し周波数(PRF)を使用することが可能である。
【0071】
図9Bに、PDMA変調の例として、異なるパルス位置またはオフセットを用いて定義される、異なるチャネル(チャネル1および2)を示す。チャネル1のパルスは、(例えば、図示しない与えられた時点に関する)第1パルスオフセットに従って、線906によって表される時点において生成される。一方、チャネル2のパルスは、第2パルスオフセットに従って線908によって表される時点において生成される。パルスの間のパルスオフセット差(矢印910によって表される)を与えられれば、この技術を使用して、2つのチャネルの間のパルス衝突の尤度を下げることができる。直交チャネルまたは擬似直交チャネルを提供するために、チャネルについて定義される任意の他のシグナリングパラメータ(例えば、本明細書で述べる)および装置の間のタイミングの精度(例えば、相対的なクロックのドリフト)に応じて、異なるパルスオフセットを使用することが可能である。
【0072】
図9Cに、異なるタイミングホッピングシーケンスを用いて定義される、異なるチャネル(チャネル1および2)を示す。例えば、チャネル1のパルス912を、あるタイムホッピングシーケンスによる時刻に生成することができ、チャネル2のパルス914を、別のタイムホッピングシーケンスによる時刻に生成することができる。直交チャネルまたは擬似直交チャネルを提供するために、装置の間で使用される特定のシーケンスおよびタイミングの精度に応じて、この技術を使用することが可能である。例えば、タイムホッピングされたパルス位置を、隣接チャネルからの繰り返しパルス衝突の可能性を下げるために周期的でないものとすることが可能である。
【0073】
図9Dに、PDM変調の例として異なるタイムスロットを用いて定義される、異なるチャネルを示す。チャネルL1のパルスは、特定の瞬間に生成される。同様に、チャネルL2のパルスは、他の瞬間に生成される。同様に、チャネルL3のパルスは、さらに異なる瞬間に生成される。一般に、異なるチャネルに関係する時点は、様々なチャネルの間の干渉を減少させるか除去するために、一致せず、あるいは直交とすることが可能である。
【0074】
他の技術を使用して、パルス変調方式に従ってチャネルを定義できることを理解されたい。例えば、チャネルを、異なる拡散擬似乱数シーケンスまたは1つもしくは複数の他の適当なパラメータに基づいて定義することができる。さらに、チャネルを、複数のパラメータの組み合せに基づいて定義することができる。
【0075】
図10に、本開示のもう1つの態様による様々なチャネルを介して互いに通信する様々な超広帯域(UWB)通信装置のブロック図を示す。例えば、UWB装置1 1002は、2つの共存するUWBチャネル1および2を介してUWB装置2 1004と通信している。UWB装置1 1002は、単一のチャネル3を介してUWB装置3 1006と通信している。UWB装置3 1006は、単一のチャネル4を介してUWB装置4 1008と通信している。他の構成が可能である。通信装置を、多数の異なる応用に使用することができ、例えば、ヘッドセット、マイクロホン、生物測定センサ、心拍数モニタ、歩数計、EKG装置、腕時計、リモートコントロール、スイッチ、タイヤ空気圧モニタ、または他の通信装置内で実現することができる。
【0076】
図11に、本開示のもう1つの態様による例示的な送受信器を含む例示的な通信装置1100のブロック図を示す。通信装置1100は、特に、他の通信装置との間でデータを送信し、受信するのに適するものとすることが可能である。通信装置1100は、アンテナ1102、Tx/Rx分離装置1104、SR受信器フロントエンド1106、RF-ベースバンド受信部1108、ベースバンドユニット1110、ベースバンド-RF送信部1112、送信器1114、データプロセッサ1116、および、データジェネレータ1118を含む。
【0077】
動作中に、データプロセッサ1116は、他の通信装置からRF信号を受信するアンテナ1102、SR受信器フロントエンド1106に信号を送信するTx/Rx分離装置1104、受信信号を増幅するSR受信器フロントエンド1106、RF信号をベースバンド信号に変換するRF-ベースバンド受信部1108、および受信データを判定するためにベースバンド信号を処理するベースバンドユニット1110を介して、他の通信装置からデータを受信することができる。ベースバンドユニット1110を、前述したように、遠隔通信装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成することができる。次に、データプロセッサ1116は、受信データに基づいて1つまたは複数の定義された動作を実行する。例えば、データプロセッサ1116は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、ディスプレイ、スピーカなどの変換器を含むオーディオ機器、医療機器、データに反応するロボット機器または機械的装置などを含むことが可能である。
【0078】
さらに、動作中に、データジェネレータ1118は、送信のために送出データをベースバンド信号に処理するベースバンドユニット1110、ベースバンド信号をRF信号に変換するベースバンド-RF送信部1112、無線媒体を介した送信のためにRF信号を調整する送信器1114、SR受信器フロントエンド1106への入力を分離しながらアンテナ1102にRF信号をルーティングするTx/Rx分離装置1104、および、RF信号を無線媒体に放射するアンテナ1102を介して別の通信装置へ送信するための送出データを生成することが可能である。データジェネレータ1118は、センサまたは他の種類のデータジェネレータとすることができる。例えば、データジェネレータ1118は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、RISCプロセッサ、キーボード、マウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイス、マイクロホンなどの変換器を含むオーディオ機器、医療機器、データを生成するロボット機器または機械的装置などを含むことが可能である。
【0079】
図12に、本開示のもう1つの態様による例示的な受信器を含む例示的な通信装置1200のブロック図を示す。通信装置1200は、特に、他の通信装置からのデータの受信に適するものとすることが可能である。通信装置1200は、アンテナ1202、SR受信器フロントエンド1204、RF-ベースバンド受信部1206、ベースバンドユニット1208、およびデータプロセッサ1210を含む。
【0080】
動作中に、データプロセッサ1210は、他の通信装置からRF信号を受信するアンテナ1202、受信信号を増幅するSR受信器フロントエンド1204、RF信号をベースバンド信号に変換するRF-ベースバンド受信部1206、および、受信データを判定するためにベースバンド信号を処理するベースバンドユニット1208を介して他の通信装置からデータを受信することができる。ベースバンドユニット1208を、前述したように遠隔通信装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成することができる。次に、データプロセッサ1210は、受信データに基づいて1つまたは複数の定義された動作を実行する。例えば、データプロセッサ1210は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、RISCプロセッサ、ディスプレイ、スピーカなどの変換器を含むオーディオ機器、医療機器、データに反応するロボット機器または機械的装置などを含むことが可能である。
【0081】
図13に、本開示のもう1つの態様による例示的な送受信器を含む例示的な通信装置1300のブロック図を示す。通信装置1300は、特に、他の通信装置にデータを送信するのに適するものとすることが可能である。通信装置1300は、アンテナ1302、SR送受信器フロントエンド1304、ベースバンド-RF送信部1306、ベースバンドユニット1308、およびデータジェネレータ1310を含む。
【0082】
動作中に、データジェネレータ1310は、送信のために送出データをベースバンド信号に処理するベースバンドユニット1308、ベースバンド信号をRF信号に変換するベースバンド-RF送信部1306、無線媒体を介する送信のためにRF信号を調整する送受信器1304、および、無線媒体にRF信号を放射するアンテナ1302を介して別の通信装置へ送信するために送出データを生成することができる。データジェネレータ1310は、センサまたは他の種類のデータジェネレータとすることができる。例えば、データジェネレータ1310は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、RISCプロセッサ、キーボード、マウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイス、マイクロホンなどの変換器を含むオーディオ機器、医療機器、データを生成するロボット機器または機械的装置などを含むことが可能である。ベースバンドユニット1308を、前述したように、遠隔通信装置までの距離を少なくとも部分的に判定するように構成することが可能である。
【0083】
本開示の上記の態様のいずれも、多数の異なる装置内で実現することが可能である。例えば、上述した医療への応用に加えて、本開示の諸態様を、健康およびフィットネスへの応用に適用することができる。さらに、本開示の諸態様を、異なる種類の応用の立場において実現することが可能である。本明細書で説明された本開示の任意の態様を組み込むことができる他の多数の応用が存在する。
【0084】
本開示の様々な態様を上記で説明した。本明細書の教示を様々な形で実施できること、および、本明細書で開示された任意の特定の構造、機能、またはその両方が、単に代表的であることは明らかである。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本明細書で開示された態様を、任意の他の態様と独立に実施できること、および、これらの態様のうちの複数を様々な形で組み合わせることができることを理解するであろう。例えば、任意の数の本明細書に示された諸態様を使用して、装置を実現することができ、あるいは方法を実行することができる。さらに、本明細書に示された諸態様のうちの1つまたは複数に加えて、または、本明細書に示された以外の、他の構造、機能性、または構造および機能性を使用して、そのような装置を実現することができ、あるいはそのような方法を実行することができる。上記の概念の一部の例として、いくつかの態様で、同時チャネルを、パルス繰り返し周波数に基づいて確立することができる。いくつかの態様で、同時チャネルを、パルス位置またはパルスオフセットに基づいて確立することができる。いくつかの態様で、同時チャネルを、タイムホッピングシーケンスに基づいて確立することができる。いくつかの態様で、同時チャネルを、パルス繰り返し周波数、パルス位置またはパルスオフセット、および、タイムホッピングシーケンスに基づいて確立することができる。
【0085】
当業者は、情報および信号を、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体を通じて参照される可能性があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、および、チップを、電圧、電流、電磁波、磁界または磁気粒子、光場または光粒子、あるいはその任意の組み合せによって表すことができる。
【0086】
当業者は、さらに、本明細書で開示される態様に関して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップを、電子ハードウェア(例えば、ソースコーディングまたはある他の技術を使用して設計できる、デジタル実施態様、アナログ実施態様、またはこの2つの組み合せ)、命令を組み込んだ様々な形のプログラムまたは設計コード(本明細書で便宜のために「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と称する場合がある)、あるいはこの両方の組み合せとして実施できることを理解するであろう。ハードウェアおよびソフトウェアの相互交換可能性を明瞭に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では全般的にその機能に関して説明した。そのような機能がハードウェアまたはソフトウェアのどちらで実現されるかは、特定の応用および全体的システムに課せられる設計の制約に依存する。当業者は、説明された機能を各々の特定の応用のために様々な形で実現することができるが、そのような実現の決定が、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈してはならない。
【0087】
本明細書で開示される諸態様に関して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路を、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内で実現し、あるいはこれらによって実行することができる。ICは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲートまたはトランジスタロジック、別個のハードウェア構成要素、電気的構成要素、光学的構成要素、機械的構成要素、あるいは、本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合せを含むことが可能であり、IC内、ICの外部、またはその両方に存在するコードまたは命令を実行することが可能である。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることが可能であるが、その代わりに、プロセッサを、従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることが可能である。プロセッサを、コンピュータ機器の組み合せ、例えば、DPSおよびマイクロプロセッサの組み合せ、複数のマイクロプロセッサ、DPSコアに関する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実現することも可能である。
【0088】
全ての開示されるプロセスのステップの特定の順序または階層が、実例のアプローチの一例であることを理解されたい。設計の好みに基づいて、処理のステップの特定の順序または階層を、本開示の範囲内に留まりながら再配置できることを理解されたい。添付の方法の請求項は、実例の順序での様々なステップの要素を提示し、提示される特定の順序または階層に限定されることは意図されていない。
【0089】
本明細書で開示される諸態様に関して説明される方法またはアルゴリズムのステップを、ハードウェアで直接に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはこの2つの組み合せで実現することが可能である。ソフトウェアモジュール(例えば、実行可能な命令および関連データを含む)および他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または、この技術分野で既知の任意の他の形態のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体のようなデータメモリ内に存在しうる。サンプルの記憶媒体を、例えばコンピュータ/プロセッサ(本明細書では、便宜のために「プロセッサ」と称する場合がある)のような機器に結合することができ、そのようなプロセッサは、記憶媒体から情報(例えば、コード)を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができる。実例の記憶媒体を、プロセッサに一体とすることが可能である。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在することが可能である。ASICはユーザ環境内に存在することが可能である。その代わりに、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ機器内の別個の構成要素として存在することが可能である。さらに、いくつかの態様で、任意の適切なコンピュータプログラム製品は、本開示の態様のうちの1つまたは複数に関するコードを含むコンピュータ読み取り可能な媒体を含むことが可能である。いくつかの態様で、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含みうる。
【0090】
本発明を様々な態様に関して説明したが、本発明はさらなる変更が可能であることを理解されたい。本願は、一般に本発明の原理に従い、本発明が関係する技術内の既知の習慣的な実践に含まれる本開示からの逸脱を含む、本発明の全ての変形、使用、または、適用を含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0091】
102 ・・・ 送受信器A
106 ・・・ 送受信器B
152、154、156 ・・・ 障害物
200 ・・・ 通信装置
202、406、600、700 ・・・ 超再生受信器
204 ・・・ 距離測定回路
400 ・・・ 通信装置
402、610、710 ・・・ アンテナ
404 ・・・ 送信/受信分離装置
408、714 ・・・ 電力検出器
410 ・・・ ノイズレベル検出器
412 ・・・ 比較器
414 ・・・ シンボル復号化器
416、716 ・・・ プロセッサ
418、718 ・・・ メモリ
420、720 ・・・ 入出力装置
422 ・・・ パルス位置変調器
424 ・・・ 送信器
500 ・・・ 超再生装置
502-1〜502-N、550-K、602-1〜602-N、702-1〜702-N ・・・ 超再生増幅器
552-K ・・・ 共振器
554-K ・・・ クエンチ発振器
604-1から604-N、704-1から704-N ・・・ 入力絶縁増幅器
606-1から606-N、706-1から706-N ・・・ 出力絶縁増幅器
608、708 ・・・ 帯域通過フィルタ
612、712 ・・・ 加算器
722 ・・・ アナログ-デジタル変換器
724 ・・・ 信号調整器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔装置から到着信号を受信するように構成された超再生受信器と、
前記遠隔装置から前記超再生受信器において受信された到着信号に基づいて前記遠隔装置までの距離を判定するように構成された第1回路と、
を備え、
前記超再生受信器は並列に結合された複数の超再生増幅器を備え、
前記超再生増幅器は各々の別個の周波数帯域に同調され、
前記到着信号を受信するための時間間隔の前に検出された出力が周囲のノイズを所定の閾値より大きく超える超再生増幅器はディスエーブルされる無線通信装置。
【請求項2】
超再生増幅器の個数(N)、前記超再生増幅器の各々のQ値(Q)、および、前記別個の周波数帯域の各々の中心周波数(fc)は、定義された最小利得、定義された利得リップル、または、定義された帯域幅にわたる定義された周波数応答を与えるように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記別個の周波数帯域のうちの1つまたは複数は、前記1つまたは複数の別個の周波数帯域の他の少なくとも1つと重なり合う請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記到着信号の見通し線(LOS)部分を判定するように構成された第2回路をさらに備え、
前記第1回路は、前記到着信号のほぼLOS部分から前記遠隔装置までの距離を判定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2回路は、
前記到着信号の電力レベルに関する第1応答を生成するように構成された電力検出器と、
周囲のノイズの電力レベルに関する第2応答を生成するように構成されたノイズレベル検出器と、
前記第1応答と前記第2応答との比較に基づいて出力を生成するように構成された比較器と、
を備える請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記到着信号は1つまたは複数のパルスを含む請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1回路は、前記到着信号の受信のおおよその時刻に基づいて前記遠隔装置までの距離を判定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記遠隔装置に送出信号を送信するように構成された送信器をさらに備え、
前記第1回路は、前記遠隔装置への送出信号の送信のおおよその時刻および前記遠隔装置からの到着信号の受信のおおよその時刻に基づいて前記遠隔装置までの距離を判定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記遠隔装置に送出信号を送信するように構成された送信器をさらに備え、
前記第1回路は、前記到着信号を処理し、前記到着信号の処理に基づいて前記送信器に前記送出信号を送信させるように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記超再生受信器の出力にジャム信号が存在するかを判定するように構成された第2回路をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記超再生受信器の出力から前記ジャム信号を減少させるか除去するために前記超再生受信器の一部をディスエーブルするように構成された第3回路をさらに備える請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記超再生受信器は定義されたレートでクエンチされ、
前記第1回路は、光速および前記定義されたレートの関数である精度で前記遠隔装置までの距離を判定するように構成される請求項1に記載の装置。
【請求項13】
並列に結合された複数の超再生増幅器を備える超再生受信器を用いて遠隔装置から到着信号を受信する過程と、
前記遠隔装置から前記超再生受信器において受信された到着信号に基づいて前記遠隔装置までの距離を判定する過程と、
を有し、
前記超再生増幅器は各々の別個の周波数帯域に同調され、
前記到着信号を受信するための時間間隔の前に検出された出力が周囲のノイズを所定の閾値より大きく超える超再生増幅器はディスエーブルされる無線通信方法。
【請求項14】
超再生増幅器の個数(N)を選択する過程と、
前記超再生増幅器の各々のQ値(Q)を選択する過程と、
前記別個の周波数帯域の各々の中心周波数(fc)を選択する過程と、
をさらに有し、
N、前記各々のQおよびfcは、最小利得、定義された利得リップル、または、定義された帯域幅にわたる定義された周波数応答を与えるように選択される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記別個の周波数帯域のうちの1つまたは複数は、前記1つまたは複数の別個の周波数帯域の他の少なくとも1つと重なり合う請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記遠隔装置までの距離を判定する過程は、
前記到着信号の見通し線(LOS)部分を判定する過程と、
前記到着信号のほぼLOS部分から前記遠隔装置までの距離を判定する過程と、
を有する請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記到着信号のLOS部分を判定する過程は、
前記到着信号の電力レベルに関する第1応答を生成する過程と、
周囲のノイズの電力レベルに関する第2応答を生成する過程と、
前記第1応答と前記第2応答との比較に基づいて出力を生成する過程と、
を有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記到着信号は1つまたは複数のパルスを含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記遠隔装置までの距離を判定する過程は、前記到着信号が受信されたおおよその時刻を判定する過程を有する請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記遠隔装置に送出信号を送信する過程と、
前記遠隔装置への送出信号の送信のおおよその時刻および前記遠隔装置からの到着信号の受信のおおよその時刻に基づいて前記遠隔装置までの距離を判定する過程と、
をさらに有する請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記到着信号を処理する過程と、
前記到着信号の処理に基づいて送出信号を送信する過程と、
をさらに有する請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記超再生受信器の出力にジャム信号が存在するかを判定する過程をさらに有する請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記超再生受信器の出力から前記ジャム信号を減少させるか除去するために前記超再生受信器の一部をディスエーブルする過程をさらに有する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記超再生受信器を定義されたレートでクエンチする過程をさらに有し、
前記距離を判定する過程は、光速および前記定義されたレートの関数である精度で前記遠隔装置までの距離を判定する過程を有する請求項13に記載の方法。
【請求項25】
超再生受信器を用いて遠隔装置から到着信号を受信する手段と、
前記遠隔装置から前記超再生受信器において受信された到着信号に基づいて前記遠隔装置までの距離を判定する手段と、
を備え、
前記超再生受信器は並列に結合された複数の超再生増幅器を備え、
前記超再生増幅器は各々の別個の周波数帯域に同調され、
前記到着信号を受信するための時間間隔の前に検出された出力が周囲のノイズを所定の閾値より大きく超える超再生増幅器はディスエーブルされる無線通信装置。
【請求項26】
超再生増幅器の個数(N)、前記超再生増幅器の各々のQ値(Q)、および、前記別個の周波数帯域の各々の中心周波数(fc)は、定義された最小利得、定義された利得リップル、または、定義された帯域幅にわたる定義された周波数応答を与えるように構成される請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記別個の周波数帯域のうちの1つまたは複数は、前記1つまたは複数の別個の周波数帯域の他の少なくとも1つと重なり合う請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記距離を判定する手段は、前記到着信号の見通し線(LOS)部分を判定する手段を備える請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記到着信号のLOS部分を判定する手段は、
前記到着信号の電力レベルに関する第1応答を生成する手段と、
周囲のノイズの電力レベルに関する第2応答を生成する手段と、
前記第1応答と前記第2応答との比較に基づいて出力を生成する手段と、
を備える請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記到着信号は複数のパルスを含む請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記遠隔装置までの距離を判定する手段は、前記到着信号が受信されたおおよその時刻を判定する手段を備える請求項25に記載の装置。
【請求項32】
前記遠隔装置に送出信号を送信する手段をさらに備え、
前記遠隔装置までの距離を判定する手段は、
前記遠隔装置への送出信号の送信のおおよその時刻を判定する手段と、
前記遠隔装置からの到着信号の受信のおおよその時刻を判定する手段と、
を備える請求項25に記載の装置。
【請求項33】
前記遠隔装置に送出信号を送信する手段をさらに備え、
前記遠隔装置までの距離を判定する手段は、
前記到着信号を処理する手段と、
前記到着信号の処理に基づいて前記送信する手段に前記送出信号を送信させる手段と、
を備える請求項25に記載の装置。
【請求項34】
前記超再生受信器の出力にジャム信号が存在するかを判定する手段をさらに備える請求項25に記載の装置。
【請求項35】
前記超再生受信器の出力から前記ジャム信号を減少させるか除去するために前記超再生受信器の一部をディスエーブルする手段をさらに備える請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記超再生受信器は定義されたレートでクエンチされ、
前記距離を判定する手段は、光速および前記定義されたレートの関数である精度で前記遠隔装置までの距離を判定するように構成される請求項25に記載の装置。
【請求項37】
請求項13から24のいずれか一項に記載の過程を実行するように少なくとも1つのコンピュータによって実行可能なコードを含む、遠隔装置までの距離を判定するコンピュータプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−76702(P2013−76702A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−242510(P2012−242510)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【分割の表示】特願2010−516131(P2010−516131)の分割
【原出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】