説明

選択的アンドロゲン受容体モジュレーターとしての2−置換ベンズイミダゾール誘導体

本発明は、新規2−置換ベンズイミダゾール誘導体、それらを含む製薬学的組成物、およびアンドロゲン受容体によりモジュレートされる障害および状態の処置におけるそれらの使用を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な2−置換ベンズイミダゾール誘導体、それらを含有する製薬学的組成物、およびアンドロゲン受容体によりモジュレートされる障害および状態の処置におけるそれらの使用を対象とする。より詳細には、本発明の化合物は例えば前立腺癌、良性前立腺過形成(BPH)、多毛症、脱毛症、神経性食欲不振、乳癌、にきび、エイズ、悪液質、男性更年期、骨減少症、骨粗鬆症、女性の性的機能不全、男性の性的機能不全の処置に、性欲増強剤として、男性避妊薬として、男性機能の増強剤として、および/または火傷の回復における筋肉置換のために有用である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アンドロゲンは動物の同化ステロイドホルモンであり、これは筋肉および骨格の質量、生殖器官の成熟、二次性徴の発達および男性における受精率の維持を調節する。女性の場合、大部分の標的組織の中でテストステロンはエストロゲンに変化するが、アンドロゲン自体は正常な女性生理、例えば脳内での役割を果たし得る。血清中に存在する主なアンドロゲンはテストステロンであり、これは組織、例えば精巣および下垂体などの中に存在する有効な化合物である。テストステロンは前立腺および皮膚の中で5α−還元酵素の作用により5α−ジヒドロテストステロン(DHT)に変化する。DHTはアンドロゲン受容体にテストステロンよりも強く結合するので、テストステロンより効力のあるアンドロゲンである。
【0003】
アンドロゲンは、あらゆるステロイドホルモンと同様に、標的組織中の細胞中に存在する特異的受容体(この場合にはアンドロゲン受容体)に結合する。これは核内受容体転写因子ファミリーの一員である。それはアンドロゲンがその受容体と結合することにより活性化され、そして標的遺伝子に近接して位置するDNA結合部位に結合する。そこから受容体はコアクチベータータンパク質および塩基性転写因子と相互作用して遺伝子の発現を調節する。このようにアンドロゲンはその受容体を介して細胞における遺伝子発現を変化させる。そのような変化により、最終的に目的組織中の生理で明らかになる細胞の代謝出量(metabolic output)、分化または増殖が影響を受ける。
【0004】
アンドロゲン受容体機能のモジュレーターは時には臨床的に用いられてきたが、ステロイド系(非特許文献1、2)および非ステロイド系(非特許文献3)の化合物の両方とも薬理学的パラメーターに関連する重大な欠点を有し、それらには、女性化乳房、乳房の圧痛および肝臓毒が含まれる。加えて、クマリンを用いた抗凝血治療を受けている患者に薬剤と薬剤の相互作用が観察された。最後に、アニリン感受性を示す患者は非ステロイド系抗アンドロゲンの代謝産物により危険にさらされる恐れがある。
【0005】
アンドロゲン受容体の非ステロイド系アゴニストおよびアンタゴニストは様々な障害および病気の治療に有用である。より詳細には、アンドロゲン受容体のアンタゴニストは前立腺癌、良性前立腺過形成、女性における多毛症、脱毛症、神経性食欲不振、乳癌およびにきびの治療で使用可能である。アンドロゲン受容体のアゴニストは男性の避妊、男性の機能強化ばかりでなく癌、エイズ、悪液質および他の障害の治療でも使用可能である。さらにアンドロゲン受容体のアゴニストは、火傷の回復を促進する(非特許文献4)。
【0006】
それにも拘らず、アンドロゲン受容体の低分子非ステロイド系アンタゴニストの必要性が存在する。我々は、今、アンドロゲン受容体モジュレーターとして有用な新規な一連の2−置換ベンズイミダゾール誘導体を記載する。
【非特許文献1】Basaria,S.、Wahlstrom,J.T.、Dobs,A.S.、J.Clin Endocrinol Metab(2001),pp86、pp5108−5117
【非特許文献2】Shahidi,N.T.、Clin Therapeutics、(2001),23,pp1355−1390
【非特許文献3】Newling,D.W.,Br.J.Urol.,1996、77(6),pp776−784
【非特許文献4】Murphy,K.D.,Suchmore,T.,Micak,R.P.,Chinkes,D.L.,Klein,G.L.,Herndon.D.N.,重度の火傷をした小児における長期オキサンドロロン投与の効果(Effects of long−term oxandrolone administration in severely burned children.Surgery,(2004),136(2),pp219−224
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
本発明は式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
は、水素、低級アルキル、−(CH)−(C2−4アルケニル)、−(CH)−(C2−4アルキニル)、弗化低級アルキル、−(低級アルキル)−CN、−(CH)−ヘテロアリール、−(CH)−アリール、−SO−(低級アルキル)、−SO−(フェニル)、−SO−(トリル)、−(CH)−(弗化低級アルキル)、−(低級アルキル)−C(O)−O−(低級アルキル)、−(低級アルキル)−O−(低級アルキル)、−(低級アルキル)−S(O)0−2−(低級アルキル)および−(低級アルキル)−O−Si(CH(t−ブチル)からなる群から選択され;
およびRは、各々が独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、−C(O)−(低級アルキル)、−C(O)−(低級アルコキシ)、−C(O)−NR、−S(O)0−2−(低級アルキル)、−SO−NR、−N(R)C(O)−(低級アルキル)および−N(R)−C(O)−(ハロゲン置換低級アルキル)からなる群から選択され;
ここで各RおよびRは独立して水素または低級アルキルから選択され;
はアルケニル、アルキニル、アリール、−(C2−4アルキル)−アリール、ヘテロアリールおよび−(C2−4アルキル)−ヘテロアリールからなる群から選択され;
ここでアルケニルまたはアルキニルは場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、NR、NR−C(O)−低級アルキルおよびフェニルからなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基で置換されてもよく;ここでRおよびRは各々が独立して水素または低級アルキルから選択され;そしてここでフェニル(アルケニルまたはアルキニル上の置換基)は場合によりハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、(低級アルキル)アミノおよびジ(低級アルキル)アミノからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されてもよく;
ここでアリールまたはヘテロアリールは、単独または置換基の一部であっても場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、弗化低級アルキル、弗化低級アルコキシ、フェノキシ、シアノ、ニトロ、NRおよび−(低級アルキル)−NR、−C(O)−(低級アルキル)、−C(O)−(低級アルコキシ)、−C(O)−NR、−N(R)−C(O)−(低級アルキル)、−N(R)−C(O)−(ハロゲン置換低級アルキル)、−S(O)0−2−(低級アルキル)および−SO−NRからなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基で置換されてもよく;ここで各RおよびRは独立して水素または低級アルキルから選択され;
はORであり;ここでRは水素、低級アルキルおよび−C(O)−(低級アルキル)からなる群から選択されるか;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−ピロリジニル、2−テトラヒドロ−フラニル、2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル)、2−(2,5−ジヒドロ−フラニル)、2−イミダゾリジニル、2−オキサゾリジニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−ピペリジニル、6−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−テトラヒドロピラニル、6−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(ヘキサヒドロ−ピリミジニル)、2−[1,3]オキサジナニルおよび2−[1,3]ジオキサニルからなる群から選択される環構造を形成し;
ここで環構造は場合により低級アルキル、−(低級アルキル)−OHおよび−(低級アルキル)−(ハロゲン)からなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基で置換されてもよい]
の化合物およびその製薬学的に許容され得る塩を対象とする。
【0010】
本発明の具体的説明は、製薬学的に許容され得る担体および本明細書に記載する化合物を含んで成る製薬学的組成物である。本発明の具体的説明は、本明細書に記載する化合物と製薬学的に許容され得る担体を混合することで作られる製薬学的組成物である。本発明の具体的説明は、本明細書に記載する化合物と製薬学的に許容され得る担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物の作成方法である。
【0011】
本発明の例示は、アンドロゲン受容体によりモジュレートされる障害および状態を処置する方法であって、この方法は処置が必要な個体に本明細書に記載の化合物または製薬学的組成物を治療に有効な量で投与することを含んで成る。
【0012】
本発明の例は、前立腺癌、良性前立腺過形成(BPH)、多毛症、脱毛症、神経性食欲不振、乳癌、にきび、エイズ(後天的免疫不全症候群)、悪液質、男性更年期、骨減少症、骨粗鬆症、女性の性的機能不全、男性の性的機能不全、性的衝動の減退、男性避妊、男性機能の強化または火傷の回復における筋肉置換から成る群から選択されるアンドロゲン受容体がモジュレートする障害を処置する方法であって、処置が必要な個体に治療に有効な量の本明細書に記載の化合物または製薬学的組成物を投与することを含んで成る。
【0013】
本発明の別の例は、前立腺癌、BPH、多毛症、脱毛症、乳癌、にきびおよび男性の避妊から成る群から選択されるアンドロゲン受容体がモジュレートする障害を処置する方法であって、この方法は処置が必要な個体に治療に有効な量の本明細書に記載の化合物または製薬学的組成物を投与することを含んで成る。
【0014】
本発明の別の例は、食欲不振、エイズ、悪液質、男性更年期、骨減少症、骨粗鬆症、女性の性的機能不全、男性の性的機能不全、性的衝動の減退、男性機能の強化または火傷の回復における筋肉置換から成る群から選択されるアンドロゲン受容体がモジュレートする障害を処置する方法であって、この方法は処置が必要な個体に治療に有効な量の本明細書に記載の化合物または製薬学的組成物を投与することを含んで成る。
【0015】
本発明の別の例は、処置が必要な個体における(a)前立腺癌、(b)良性前立腺過形成(BPH)、(c)多毛症、(d)脱毛症、(e)神経性食欲不振、(f)乳癌、(g)にきび、(h)エイズ、(i)悪液質、(j)男性更年期、(k)骨減少症、(l)骨粗鬆症、(m)女性の性的機能不全、(n)男性の性的機能不全、(o)性的衝動の減退を処置するための、(p)男性避妊の、(q)男性機能強化の、または(r)火傷の回復における筋肉の置換のための薬剤の調製における本明細書に記載する化合物の使用である。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、式(I)
【0017】
【化2】

【0018】
[式中、
、R、R、RおよびRは、本明細書に定義する通りである]
の化合物の調製法を対象とする。本発明の化合物は前立腺癌、良性前立腺過形成(BPH)、多毛症、脱毛症、神経性食欲不振、乳癌、にきび、エイズ、悪液質、男性更年期、骨減少症、骨粗鬆症、女性の性的機能不全、男性の性的機能不全および性的衝動の減退からなる群から選択される少なくとも1つのアンドロゲン受容体により媒介される障害を処置するために、あるいは男性避妊に、男性機能強化に、または火傷の回復における筋肉の置換に選択的アンドロゲン受容体モジュレーターとして有用である。
【0019】
好ましくは少なくとも1つのアンドロゲン受容体によりモジュレートされる障害は、悪液質、男性更年期、骨減少症、骨粗鬆症および火傷の回復における筋肉の置換からなる群から選択され、より好ましくは少なくとも1つのアンドロゲン受容体によりモジュレートされる障害は悪液質、男性更年期、骨粗鬆症および骨減少症からなる群から選択される。
【0020】
別の態様では、本発明はアンドロゲン受容体のアンタゴニストである式(I)の化合物を対象とする。別の態様では、本発明はアンドロゲン受容体のアゴニストである式(I)の化合物を対象とする。別の態様では本発明はアンドロゲン受容体の組織選択的作用性および拮抗作用を表す式(I)の化合物を対象とする。
【0021】
1つの態様では、本発明は前立腺癌、良性前立腺過形成、女性の多毛症、脱毛症、神経性食欲不振、乳癌およびにきびの処置に有用な式(I)の化合物を対象とする。別の態様では、本発明は男性避妊、男性機能強化、および/またはガン、エイズ、悪液質の処置に、および/または火傷の回復における筋肉の置換の促進に有用な式(I)の化合物を対象とする。
【0022】
本発明の1つの態様では、Rが水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−CN、−(CH)−(C2−4アルケニル)、−(CH)−(C2−4アルキニル)、弗化低級アルキル、−(CH)−ヘテロアリール、−(CH)−アリール、−(CH)−(弗化低級アルキル)、−(低級アルキル)−C(O)−O−(低級アルキル)、−(低級アルキル)−O−(低級アルキル)および−(低級アルキル)−O−Si(CH(t−ブチル)からなる群から選択される。
【0023】
本発明の別の態様では、Rが水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−CN、−(CH)−ヘテロアリール、−(CH)−(C2−4アルケニル)、−(CH)−(C2−4アルキニル)、−(低級アルキル)−C(O)−O−(低級アルキル)および−(低級アルキル)−O−Si(CH(t−ブチル)からなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rが水素、メチル、エチル、シアノ−メチル−、2−ピリジル−メチル−、アリル、1−プロピン−3−イル、メトキシ−カルボニル−メチル−およびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシ−エチル−から成る群から選択される。
【0024】
本発明の別の態様では、Rは水素、メチル、エチル、シアノ−メチル、2−ピリジル−メチル−、アリル、1−プロピン−3−イル、メトキシ−カルボニル−メチルおよびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシ−エチル−から成る群から選択される。本発明の別の態様では、Rは水素、エチル、シアノ−メチル−、アリルおよび1−プロピン−3−イルから成る群から選択される。
【0025】
本発明の別の態様では、Rは水素および低級アルキルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rは水素およびメチルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rは水素である。
【0026】
本発明の1つの態様では、RおよびRは、各々が独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、−C(O)−(低級アルキル)、−C(O)−(低級アルコキシ)、−C(O)−NR、−N(R)C(O)−(低級アルキル)および−N(R)−C(O)−(ハロゲン置換低級アルキル)からなる群から選択され;ここで各RおよびRは独立して水素、メチルまたはエチルから選択される。
【0027】
本発明の別の態様では、RおよびRは、各々が独立してハロゲン、シアノおよびハロゲン置換低級アルキルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、RおよびRは、各々が独立してクロロ、トリフルオロメチルおよびシアノからなる群から選択される。本発明の別の態様では、RおよびRは各々がクロロである。
【0028】
本発明の別の態様では、RおよびRは、各々が独立してハロゲンおよびハロゲン置換低級アルキルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、RおよびRは、各々が独立してクロロおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される。
【0029】
本発明の態様では、Rはクロロおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される。本発明の態様では、Rはクロロおよびシアノからなる群から選択される。本発明の態様では、Rはクロロである。
【0030】
本発明の1つの態様では、Rはアルケニル、アルキニル、アリール、−(C2−4アルキル)−アリール、ヘテロアリールおよび−(C2−4アルキル)−ヘテロアリールからなる群から選択され;ここでアルケニルまたはアルキニルは場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、NR、NR−C(O)−低級アルキルおよびフェニルからなる群から独立して選択される1もしくは2個(好ましくは1個)の置換基で置換されてもよく;ここでRおよびRは各々が独立して水素または低級アルキルから選択され;そしてここでフェニルは場合によりハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、(低級アルキル)アミノおよびジ(低級アルキル)アミノからなる群から独立して選択される1〜2個(好ましくは1個)の置換基で置換されてもよく;そしてここでアリールまたはヘテロアリールは、単独または置換基の一部であっても場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、弗化低級アルキル、弗化低級アルコキシ、フェノキシ、シアノ、ニトロ、NR、−(低級アルキル)−NR、−C(O)−(低級アルキル)および−(CO)−(低級アルコキシ)からなる群から独立して選択される1もしくは2個(好ましくは1個)の置換基で場合により置換されてもよく;そしてここで各RおよびRは独立して水素または低級アルキルから選択される。本発明の別の態様では、Rはアルケニル、アルキニルおよびアリールからなる群から選択され;ここでアリールは場合により本明細書に定めるように置換される。本発明の別の態様では、Rはアルケニルおよびアルキニルからなる群から選択される。
【0031】
本発明の別の態様では、Rはビニル、(+)−ビニル、(−)−ビニル、アリル、(+)−アリル、(−)−アリル、2−メチル−アリル、2−プロペン−3−イル、Z−2−プロペン−3−イル、E−2−プロペン−3−イル、3−メチル−1−プロペン−3−イル、2−カルボキシ−1−プロペン−3−イル、3−フェニル−1−プロペン−3−イル、3,3−ジメチル−1−プロペン−3−イル、2,3−ジメチル−2−プロペン−3−イル、2−メチル−2−プロペン−3−イル)、イソプロペニル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−メチル−1−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−エチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル)、1−ブテン−4−イル、1−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イル、(−)−1−プロピン−3−イル、2−プロピン−3−イル、1−ヒドロキシ−2−プロピン−3−イル、1−フェニル−1−プロピン−3−イル、2−ブチン−4−イルおよびフェニルからなる群から選択される。
【0032】
本発明の別の態様では、Rはビニル、アリル、(+)−アリル、(−)−アリル、2−メチル−アリル、2−プロペン−3−イル、Z−2−プロペン−3−イル、E−2−プロペン−3−イル、3−メチル−1−プロペン−3−イル、3−フェニル−1−プロペン−3−イル、3,3−ジメチル−1−プロペン−3−イル、2,3−ジメチル−2−プロペン−3−イル、2−メチル−2−プロペン−3−イル、イソプロペニル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−メチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−エチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、1−ブテン−4−イル−、1−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イル、(−)−1−プロピン−3−イル、2−プロピン−3−イルおよびフェニルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rはビニル、(+)−ビニル、アリル、Z−2−プロペン−3−イル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、1−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イルおよび(−)−1−プロピン−3−イルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、Rはイソプロペニル、Z−2−プロペン−3−イルおよび(+)−ビニルからなる群から選択される。
【0033】
本発明の態様では、Rはアルケニル、アルキニルおよびアリールからなる群から選択され;ここでアルケニルは場合によりヒドロキシ、カルボキシおよびフェニルからなる群から選択される置換基で置換されてもよい。
【0034】
本発明の別の態様では、Rはビニル、(+)−ビニル、(−)−ビニル、アリル、(+)−アリル、(−)−アリル、2−メチル−アリル、2−プロペン−3−イル、Z−2−プロペン−3−イル、E−2−プロペン−3−イル、3−メチル−1−プロペン−3−イル、2−カルボキシ−1−プロペン−3−イル、3−フェニル−1−プロペン−3−イル、3,3−ジメチル−1−プロペン−3−イル、2,3−ジメチル−2−プロペン−3−イル、2−メチル−2−プロペン−3−イル)、イソプロペニル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−メチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−エチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、1−ブテン−4−イル−、1−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イル、(−)−1−プロピン−3−イル、1−ヒドロキシ−2−プロピン−3−イル、1−フェニル−1−プロピン−3−イル、2−ブチン−4−イルおよびフェニルからなる群から選択される。
【0035】
本発明の別の態様では、Rはイソプロペニル、Z−2−プロペン−3−イルおよび(+)−ビニルからなる群から選択される。
【0036】
本発明の別の態様では、RはORであり;ここでRは水素、メチル、エチル、−C(O)−メチルおよび−C(O)−エチルからなる群から選択される。本発明の別の態様では、RはOHである。
【0037】
本発明の別の態様では、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−ピロリジニル、2−テトラヒドロ−フラニル、2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル)、2−(2,5−ジヒドロ−フラニル)、2−イミダゾリジニル、2−オキサゾリジニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−ピペリジニル、6−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−テトラヒドロピラニル、6−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(ヘキサヒドロ−ピリミジニル)、2−[1,3]オキサジナニルおよび2−[1,3]ジオキサニルからなる群から選択される環構造を形成し;ここで環構造は場合によりC1−2アルキル、−(C1−2アルキル)−OHおよび−(C1−2アルキル)−(ハロゲン)からなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基(好ましくは1もしくは2個、より好ましくは1個のの置換基)で置換されてもよい。
【0038】
本発明の別の態様では、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成し;ここで環構造は場合によりメチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルおよび−(C1−2アルキル)−ハロゲンからなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基(好ましくは1もしくは2個、さらに好ましくは1個の置換基)で置換されてもよい。
【0039】
本発明の別の態様では、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−(4−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサラニル)、2−(4−クロロメチル−[1,3]−ジオキサラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成する。
【0040】
本発明の別の態様では、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−(4−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサラニル)、2−(4−クロロメチル−[1,3]−ジオキサラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成する。
【0041】
本発明の別の態様では、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニルおよび2−テトラヒドロフラニルからなる群から選択される環構造を形成する。本発明を別の態様では、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって2−[1,3]ジオキサラニルを形成する。
【0042】
本発明のさらなる態様には、本明細書に定義する1もしくは複数の変項(すなわちR、R、R、R、R、R)について選択される置換基が、本明細書に定義する完全なリストから選択される任意の個別の置換基または置換基のサブセットとなるように独立して選択されるものを含む。
【0043】
本発明のさらなる態様には、以下の表1〜2に列挙する代表的化合物から選択される単一の化合物または化合物のサブセットを含む。
【0044】
本発明の代表的化合物を、以下の表1〜2に列挙する。特に言及しない限り、立体中心が列挙する化合物中に提示され、化合物は立体配置の混合物として調製された。立体中心が存在する場合、(+)および(−)の表示は中心の正確な立体配置は決定されなかったが、旋光度の方向は測定したことを示すものとする。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
本明細書で使用する「ハロゲン」は、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味する。
【0049】
本明細書で使用する用語「アルキル」は、単独または置換基の一部として使用する場合でも、直鎖もしくは分枝鎖を含む。例えばアルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル等を含む。他に注記しない限り、アルキルで「低級」を使用する場合、1〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味する。
【0050】
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、単独または置換基の一部として使用する場合でも、直鎖もしくは分枝炭素鎖を含み、ここで炭素鎖は少なくとも1個の、好ましくは1〜2個の、より好ましくは1個の2重結合を有する。例えばアルケニル基には限定するわけではないが、アリル、1−プロペン−3−イル、1−ブテン−4−イル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル等を含む。他に注記しない限り、アルケニルで「低級」を使用する場合、2〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味する。
【0051】
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、単独または置換基の一部として使用する場合でも、直鎖もしくは分枝炭素鎖を含み、ここで炭素鎖は少なくとも1個の、好ましくは1〜2個の、より好ましくは1個の3重結合を有する。例えばアルキニル基には限定するわけではないが、ビニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル等を含む。他に注記しない限り、アルキニルで「低級」を使用する場合、2〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味する。
【0052】
本明細書で使用するように、他に注記しない限り用語「ハロゲン置換アルキル」または「ハロゲン置換低級アルキル」とは、F、Cl、BrまたはI、好ましくはF、ClまたはBr、より好ましくはFまたはCl、最も好ましくはFからなる群から選択される少なくとも1個のハロゲン原子で置換された上記定義のアルキルまたは低級アルキル基を意味する。同様に他に注記しない限り本明細書で使用する用語「弗化アルキル」または「弗化低級アルキル」は、少なくとも1個の弗素原子により置換された上記定義のアルキルまたは低級アルキルを意味する。適切な例には、限定するわけではないが−CF、−CH−CF、−CF−CF−CF−CF等を含む。好ましくは弗化アルキルまたは弗化低級アルキルは−CFである。
【0053】
本明細書で使用するように、他に注記しない限り「アルコキシ」は上記直鎖もしくは分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を表す。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ等。
【0054】
本明細書で使用するように、他に注記しない限り用語「ハロゲン置換アルコキシ」または「ハロゲン置換低級アルコキシ」とは、F、Cl、BrまたはI、好ましくはF、ClまたはBr、より好ましくはFまたはCl、最も好ましくはFからなる群から選択される少なくとも1個のハロゲン原子で置換された上記定義のアルキルまたは低級アルキル基を意味する。同様に他に注記しない限り本明細書で使用する用語「弗化アルコキシ」または「弗化低級アルコキシ」は、少なくとも1個の弗素原子により置換された上記定義のアルコキシまたは低級アルコキシ基を意味する。適切な例には、限定するわけではないが−OCF、−OCH−CF、−OCF−CF−CF−CF等を含む。好ましくは弗化アルコキシまたは弗化低級アルコキシは−OCFである。
【0055】
本明細書で使用するように、他に注記しない限り「アリール」はフェニル、ナフチル等のような非置換の炭素環式芳香族基を指す。
【0056】
本明細書で使用するように、他に注記しない限り「ヘテロアリール」は、O、NおよびSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、場合によりO、NおよびSからなる群から独立して選択されるさらに1〜3個のヘテロ原子を含有してもよい5もしくは6員の単環式芳香族環構造;あるいはO、NおよびSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、場合によりO、NおよびSからなる群から独立して選択されるさらに1〜4個のヘテロ原子を含有してもよい9もしくは10員の二環式芳香族環構造を表す。ヘテロアリール基は、結果が適切な構造となるように環の任意のヘテロ原子または炭素原子に結合することができる。
【0057】
適切なヘテロアリール基の例には、限定するわけではないがピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、プラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、フラザニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリニル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル等を含む。
【0058】
本明細書で使用する標記“★”は、立体中心が存在することを表す。
【0059】
特定の基が「置換されている」場合(例えばアルケニル、アリール、ヘテロアリール等)、その基は置換基の一覧表から独立して選択される1もしくは複数の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を有することができる。
【0060】
置換基に関して、用語「独立して」は、1より多くのそのような置換基が可能である場合、そのような置換基が互いに同じでも異なってもよいことを意味する。
【0061】
説明をより簡潔にする目的で、本明細書に示す量的表現のいくつかには用語「約」による制限を受けさせていない。用語「約」を明確に用いるか否かに拘わらず、本明細書に示す量は全てが所定の実際の値を指すことを意味し、そしてまた前記所定値の近似値(当該技術分野の通常の技術を基にして妥当であると推測される)には実験および/または測定条件による前記所定値の近似値を包含することを意味すると理解される。
【0062】
本明細書で用いる用語「窒素保護基」は、特に明記しない限り、窒素原子が反応に参加しないようにそれを保護する目的でその窒素原子と結合させることができ、そして反応後に容易に除去することができる基を意味する。適切な窒素保護基には、限定するわけではないが、カルバメート(式−C(O)O−R[式中、Rは、例えばメチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH=CH−CH−等である]の基);アミド(式−C(O)−R’[式中、R’は、例えばメチル、フェニル、トリフルオロメチル等である]の基);N−スルホニル誘導体(式−SO−R”[式中、R”は、例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼン等である]の基)が含まれる。他の適切な窒素保護基を教科書、例えばT.W.Greene&P.G.M.Wuts、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、John Wiley & Sons、1991などに見い出だすことができる。
【0063】
本開示の全体を通して用いる標準的命名法の下では、表示する側鎖の末端部分を最初に記述し、その後、それに隣接する官能性を結合点に向かって記述する。従って、例えば「フェニル(C−Cアルキル)−アミノカルボニル(C−Cアルキル)」置換基は、式
【0064】
【化3】

【0065】
で表される基を指す。
【0066】
本明細書、特にスキームおよび実施例で用いる省略形は下記の通りである:
AIDS=後天性免疫不全症候群
AR=アンドロゲン受容体
BPH=良性前立腺過形成
n−BuLi=n−ブチルリチウム
DCM=ジクロロメタン
DHT=5α−ジヒドロテストステロン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキサイド
EtO=ジエチルエーテル
EtOAc=酢酸エチル
HPLC=高性能液体クロマトグラフィー
NMR=核磁気共鳴
PPTS=ピリジニウムp−トルエンスルホネート
pTsOH=p−トルエンスルホン酸
TBAHSまたはBuNHSO=テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩
TEMPO=2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フリーラジカル
THF=テトラヒドロフラン
【0067】
本明細書で使用するように、特に明記しない限り用語「アンドロゲンモジュレーター」は組織選択的アゴニスとおよび/またはアンタゴニスト活性を表す任意の化合物を意味する。例えばアンドロゲンモジュレーターは筋肉組織でアゴニスト活性を、そして前立腺組織でアンタゴニスト活性を表す化合物であることができる(例えば悪液質の処置に)。さらにアンドロゲンモジュレーターは組織の種類に依存して変動するアゴニストまたはアンタゴニスト活性の量を表す化合物であることができる。
【0068】
本明細書で使用する用語「個体」は、処置、観察または実験の対象となった動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0069】
本明細書で使用する用語「治療に有効な量」は、処置する疾患または障害の症状の緩和を含め、研究者、獣医師、医師または他の臨床技術者により調査される組織系、動物またはヒトにおける生物学的または医学的応答を誘導する活性化合物または薬剤の量を意味する。
【0070】
本明細書で使用する用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含んでなる生成物、ならびに特定量の特定成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図する。
【0071】
本発明の化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらはしかるべきエナンチオマーとして存在することができる。化合物が2以上のキラル中心を有する場合、それらはさらにジアステレオマーとして存在することができる。すべてのそのような異性体およびその混合物は、本発明の範囲内に包含されると理解される。さらに化合物の結晶形の中には同質異像として存在し得るものもあり、そしてそれも本発明に含まれるものとする。加えて、化合物の中には水(すなわち水和物)との、または通常の有機溶媒との溶媒和物を形成できるものもあり、そのような溶媒和物も本発明の範囲に含むものとする。
【0072】
が水素であり、RがOHである式(I)の化合物は、スキーム1に概説する工程に従い調製することができる。
【0073】
【化4】

【0074】
したがって適当に置換された式(X)の化合物(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)を、Aが低級アルキルである式(XI)の適切に置換された化合物(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)と、AlCl(CHCH、Al(CH、TiCl等のようなルイス酸存在下、トルエン、キシレン等のような有機溶媒中でおよそ室温より高い温度、好ましくは約80℃の温度、より好ましくはおよそ還流温度で反応させて、対応する式(Ia)の化合物を得る。
【0075】
あるいは式(I)の化合物(式中、Rは水素であり、そしてRはOHである)は、以下のスキーム2に概略する工程に従い調製することができる。
【0076】
【化5】

【0077】
したがって適当に置換された式(X)の化合物(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)を、適当に置換された式(XII)の化合物と、HCl、HSO、HBr等のような酸の存在下、水中で;あるいはポリリン酸(PPA)の存在下、そのままで(すなわちさらに溶媒を加えずに):およそ室温より高い温度、好ましくはおよそ還流温度で反応させて、対応する式(XIII)の化合物を得る。
【0078】
式(XIII)の化合物を適切に選択された酸化剤と反応させて、対応する式(XIV)の化合物を得る。例えば式(XIII)の化合物は、ブリーチとTEMPOとの混合物と、TBAHSのような相間移動触媒の存在下で、KBrのような塩の存在下、水と有機溶媒(酢酸エチル、DCM等のような)との2−相混合物中で反応させて、対応する式(XIV)の化合物を得る。あるいは式(XIII)の化合物は、CrOとHSOとの混合物と、水、DCM等のような溶媒中で反応させて、対応する式(XIV)の化合物を得ることができる。あるいはさらに、式(XIII)の化合物をデス−マーチンのペルヨージナンと、DCM、ベンゼン等のような溶媒中で反応させて対応する式(XIV)の化合物を得ることができる。
【0079】
好ましくは式(XIV)の化合物を乾燥させて、水和した水/水和成分を除去する。
【0080】
式(XIV)の化合物を、適当に置換された式(XV)の化合物(式中、MはMgCl、MgBr、MgIまたはLiである)(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)と反応させて、対応する式(Ia)の化合物を得る。
【0081】
例えば、ここで式(XV)の化合物でMがMgCl、MgBr、MgIまたはLiである場合、式(XIV)の化合物を式(XV)の化合物と、THF、ジエチルエーテル等のような無水有機溶媒中、好ましくはおよそ室温より低い温度、より好ましくは約0℃で反応させて、対応する式(Ia)の化合物を得る。
【0082】
あるいはここで式(XV)の化合物でMがBrである場合、式(XIV)の化合物を式(XV)の化合物と、In金属の存在下、約7〜約4のpH、好ましくは約3〜約4のpHの水溶液と酢酸エチル、DCM等のような有機溶媒との混合物中、好ましくはおよそ室温で反応させて、対応する式(Ia)の化合物を得る。
【0083】
当業者は、式(XIV)の化合物を式(XV)の化合物(式中、MはMgCl、MgBr、MgIまたはLiである)と反応させる場合、式(XIV)の化合物は好ましくは反応前に乾燥させると考えるだろう。
【0084】
好ましくは式(I)の化合物(式中、Rはアルキル、アルケニル、アリール、(C2−4アルキル)−アリール、ヘテロアリールまたは−(低級アルキル)−ヘテロアリールである)を調製するために、式(XIV)の化合物を式(XV)の化合物(式中、MはMgCl、MgBr、MgIまたはLiである)と反応させる。
【0085】
好ましくは式(I)の化合物(式中、Rはアルケニル、−(CH)−アルケニルまたは−(CH)−アルキニルである)を調製するためには、式(XIV)の化合物を、式(XV)の化合物(式中、MはBrである)と反応させる。
【0086】
式(I)の化合物(式中、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、1個のヘテロ原子を含有する環構造を形成する)は、以下のスキーム3に概略される工程に従い調製することができる。
【0087】
【化6】

【0088】
したがって、適切に置換された式(X)の化合物(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)を、適切に置換された式(XVI)の化合物(式中、Aは低級アルキルである)(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)と、AlCl(CHCH、Al(CH、TiCl等のようなルイス酸の存在下、トルエン、キシレン等のような有機溶媒中でおよそ室温より高い温度、好ましくは約80℃の温度、より好ましくはおよそ還流温度で反応させて、対応する式(Ib)の化合物を得る。
【0089】
あるいは式(I)の化合物(式中、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2個のOヘテロ原子を含有する環構造を形成する)は、以下のスキーム4に概略される工程に従い調製することができる。
【0090】
【化7】

【0091】
したがって、適切に置換された式(XVII)の化合物(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)を、適切に置換された式(XVIII)の化合物(式中、Rは水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−OHおよび−(低級アルキル)−(ハロゲン)からなる群から選択される)(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)と、KCO、NaCO、CsXO等のような無機塩基の存在下、DMF、DMSO等ような有機溶媒中で反応させて、対応する式(Ic)の化合物を得る。
【0092】
式(I)の化合物(式中、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2個のNヘテロ原子を含有する環構造を形成する)は、以下のスキーム5に概略される工程に従い調製することができる。
【0093】
【化8】

【0094】
したがって、適切に置換された式(XVII)の化合物(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)を、適切に置換された式(XIX)の化合物(式中、Rは水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−OHおよび−(低級アルキル)−(ハロゲン)からなる群から選択される)(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)と、pTsOH、PPTS等のような触媒の存在で、トルエン、キシレン等のような有機溶媒中で、およそ室温より高い温度、好ましくはおよそ還流温度で反応させて、対応する式(Id)の化合物を得る。
【0095】
あるいは式(I)の化合物(式中、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、1個のOおよびNヘテロ原子を含有する環構造を形成する)は、以下のスキーム6に概略される工程に従い調製することができる。
【0096】
【化9】

【0097】
したがって適切に置換された式(XVII)の化合物は、適切に置換された式(XX)の化合物(式中、Rは水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−OHおよび−(低級アルキル)−(ハロゲン)からなる群から選択される)と、KCO、NaCO、CsCO等のような無機塩基の存在下、DMF、DMSO等のような有機溶媒中で反応させて対応する(Ie)の化合物を得る。
【0098】
あるいは当業者は、式(I)の化合物(式中、RおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって環構造を形成する)は、上記スキーム4、5、および6に概略する工程に従い、適切に置換された式(XXI)
【0099】
【化10】

【0100】
の化合物(既知の化合物または既知の方法により調製した化合物)(例えば本明細書に従い実施例2に記載する例について)に、式(XVII)の化合物を代えることにより調製できると考える。当業者は、式(XXI)の化合物が水の存在下で対応する式(XVII)の化合物と平衡関係にあることを認識している。
【0101】
式(I)の化合物(式中、Rは−ORであり、RはH以外である)は、対応する式(Ia)の化合物から、既知の方法、例えばアルキル化、アシル化に従い適切に置換された式R−Brの化合物と、NaH等の存在下で反応させることにより調製することができる。
【0102】
がH以外である式(I)の化合物は、対応する式(Ia)の化合物から、既知の方法、例えばアルキル化、アシル化、スルホニル化等に従い調製することができる。
【0103】
当業者は、本発明の反応工程が種々の溶媒または溶媒系で行うことができ、該反応工程は適切な溶媒または溶媒系の混合物中でも行うことができると認識するだろう。
【0104】
本発明の化合物の調製法が立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は調製用クロマトグラフィーのような通例の技法により分離することができる。化合物はラセミ形で調製することができ、または個々のエナンチオマーはエナンチオ特異的合成により、または分割によるいずれかで調製することができる。化合物は例えばそれらの成分であるエナンチオマーに、(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/または(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸のような光学的に活性な酸との塩の形成によるジアステレオマー対の形成、続いて分別晶出法および遊離塩基の再生のような標準的技術により分割することができる。また化合物はジアステレオマーエステルまたはアミドの形成、続いてクロマトグラフィー分離およびキラルな補助物質の除去により分割することもできる。あるいは化合物はキラルなHPLCカラムを使用して分割してもよい。
【0105】
本発明の化合物の任意の工程の間に、関心のある分子上の感受性または反応性基を保護することが必要かつ/または望ましいかもしれない。これは有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)J.F.W.McOmic編集、プレナム(Plenum)出版、1973;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & Sons、1991に記載されているような通常の保護基により行うことができる。保護基は当該技術分野で既知の方法を使用して、続く工程で都合よく除去することができる。
【0106】
本発明はその範囲に、本発明の化合物のプロドラッグを含む。一般に、そのようなプロドラッグは、インビボで必要な化合物に容易に転換可能な化合物の機能的誘導体である。すなわち本発明の処置法では、用語「投与する」には具体的に開示した化合物で、または具体的には開示できないが、患者に投与された後にインビボで具体的化合物に転換する化合物を用いて、記載する種々の障害を処置することを包含する。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製に関する通例の手順は、例えば「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」、H.Bundgaard編集、エルセビア(Elsevier)、1985に記載されている。
【0107】
本発明の化合物の塩を薬剤で用いるには、本発明の化合物の塩は無毒の「製薬学的に許容され得る塩」を指す。しかし本発明に従い化合物またはこれらの製薬学的に許容され得る塩を調製する時に他の塩を用いることも有用である。化合物の適切な製薬学的に許容され得る塩には酸付加塩が含まれ、これらは例えば化合物の溶液を製薬学的に許容され得る酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸または燐酸などの溶液と一緒に混合することで形成することができる。さらに本発明の化合物が酸性部分を持つ場合、その適切な製薬学的に許容され得る塩には、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩;および適切な有機リガンドと形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩などが含まれ得る。このように、代表的な製薬学的に許容され得る塩には下記が含まれる:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、燐酸塩/二燐酸塩、ポリガラクツロネート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクラート(teoclate)、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)および吉草酸塩。
【0108】
製薬学的に許容され得る塩を調製する時に使用可能な代表的酸および塩基には下記が含まれる:
酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アシル化アミノ酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、(+)−樟脳酸、樟脳スルホン酸、(+)−(1S)−樟脳−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、D−グルコン酸、D−グルクロン酸、L−グルタミン酸、α−オキソ−グルタル酸、グリコール酸、ヒプリックアシッド(hipuric acid)、臭化水素酸、塩酸、(+)−L−乳酸、(±)−DL−乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、(−)−L−リンゴ酸、マロン酸、(±)−DL−マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、蓚酸、パルミチン酸、パモ酸、燐酸、L−ピログルタミン酸、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)−L−酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸およびウンデシレン酸を包含する酸、ならびに
アンモニア、L−アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、ヒドラバミン、1H−イミダゾール、L−リシン、水酸化マグネシウム、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1−(2−ヒドロキシエチル)−ピロリジン、第二級アミン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミンおよび水酸化亜鉛を包含する塩基。
【0109】
本発明はさらに、1もしくは複数の式(I)の化合物を製薬学的に許容され得る担体と一緒に含有する製薬学的組成物を包含する。本明細書に記述する本発明の1もしくは複数の化合物を有効成分として含有する製薬学的組成物は、本化合物(1もしくは複数)を通常の薬剤配合技術に従って製薬学的担体と一緒に完全に混合することで実施可能である。このような担体は所望の投与経路(例えば経口、非経口)に応じて幅広く多様な形態を取り得る。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などに適切な担体、および添加剤には水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、安定剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセルおよび錠剤などに適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。固体状の経口用製剤に糖のような物質による被コーティングまたは腸溶性コーティングを施して主要な吸収部位を調節することも可能である。非経口投与の場合の担体は一般に滅菌水で構成されるが、溶解性または防腐性を向上させる他の材料を添加することも可能である。また、注射可能な懸濁液または溶液を調製することもでき、この場合には水性担体を適切な添加剤と一緒に用いてもよい。
【0110】
本発明の製薬学的組成物を調製するために、有効成分としての本発明の1もしくは複数の化合物と製薬学的担体を通常の薬剤配合技術に従って完全に混合するが、そのような担体は投与で望まれる製剤の形態、例えば経口または非経口、例えば筋肉内投与などに応じて幅広く多様な形態を取り得る。本組成物を経口投与剤形に調製する場合、通常の製薬学的媒体のいずれも使用可能である。このように、液状の経口用製剤、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液などに適切な担体および添加剤には、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、防腐剤、着色剤などが含まれ、固体状の経口用製剤、例えば粉末、カプセル、カプレット、ゲルカップおよび錠剤などに適切な担体および添加剤には、澱粉、糖、希釈剤、顆粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などが含まれる。投与の容易さから錠剤およびカプセルが最も有利な経口投与単位剤形に相当し、この場合には明らかに固体状の製薬学的担体を用いる。望ましくは、錠剤に糖衣または腸溶性コーティングを標準的な技術で施してもよい。非経口投与には担体は通常、滅菌水を含んで成るが、他の材料を、例えば溶解性を補助するか、または保存の目的などに含有することも可能である。また、注射可能懸濁液を調製することも可能であり、この場合には適切な液状担体、沈殿防止剤などを用いてもよい。本明細書に示す製薬学的組成物では、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、茶サジ1杯等につき上記の有効用量を送達するために必要な有効成分の量を含む。本明細書に示す製薬学的組成物は、投薬単位、例えば錠剤、カプセル、粉末、注射、座薬、茶サジ1杯等につき約0.01〜500mgを含み、そして0.05〜500mg/kg/日、好ましくは約0.05〜10mg/kg/日、さらに好ましくは約0.1〜5.0mg/kg/日、またはその間の任意の範囲の投薬用量で与えることができる。しかしながらこのような投薬用量は当該患者の要求、処置すべき病気の重篤度および用いる化合物に応じて変動し得る。毎日の投与または周期的投与後の投与(post−periodic dosing)のいずれの使用も利用可能である。
【0111】
好ましくはこれら組成物は、例えば経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与または吸入もしくは吹送による投与に適した錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、無菌の非経口用溶液もしくは懸濁液、定量エーロゾルもしくは液体スプレー、ドロップ、アンプル、自動注入デバイスまたは座薬などのような単位剤形である。あるいは組成物を週に1回または月に1回投与するに適した形態で提供することも可能であり、例えば活性化合物の不溶性塩、例えばデカン酸塩などは筋肉内注射用のデポ調製物を提供するために適合させることができる。錠剤などの固体状組成物を調製する場合、主要な有効成分を製薬学的担体、例えば通常の錠剤用材料、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、燐酸ジカルシウムまたはガム等、および他の製薬学的希釈剤、例えば水と混合して本発明の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩の均一な混合物を含有する固体状の予備調合組成物を形成する。このような予備調合組成物が均一であると述べる場合、これはこの組成物が等しく有効な剤形、例えば錠剤、ピルおよびカプセルなどに容易に細分可能となるように、有効成分が組成物全体均一に分散していることを意味する。次に、このような固体状の予備調合組成物を細分して本発明の有効成分を0.1から約500mg含有する前記種類の単位剤形にする。本新規組成物の錠剤またはピルは、長期作用の利点を与える剤形を提供するように、コーティングを施すことができ、または他の様式で配合してもよい。例えば、そのような錠剤またはピルに内部の投薬成分と外側の投薬成分を含んでなり、その後者が前者の上を覆う形態にしてもよい。この2成分を腸溶性層(これは胃中で起こる崩壊に抵抗して内部成分が無傷のまま十二指腸の中に運ばれるか、または放出が遅れるような働きをする)で分離しておいてもよい。そのような腸溶性層または被膜には種々の材料が使用可能であり、そのような材料には数多くのポリマー性酸に加えてシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロース等の材料が含まれる。
【0112】
本発明の新規な組成物を経口または注射で投与する目的で包含することができる液体形態には、水溶液、適切な風味のシロップ、水性または油懸濁液、そして食用油、例えば綿実油、ゴマ油、椰子油または落花生油などが用いられている風味を付けた乳液、ならびにエリキシルおよび同様な製薬学的賦形剤が含まれる。水性懸濁液用の適切な分散もしくは懸濁剤には、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンのような合成および天然のガムが含まれる。
【0113】
また本発明に記述するアンドロゲン受容体によりモジュレートされる障害または状態を治療する方法は、本明細書で定義する化合物のいずれかと製薬学的に許容され得る担体を含んで成る製薬学的組成物を用いることでも実施可能である。この製薬学的組成物は、約0.01mgから500mg、好適には約1から100mgの範囲の化合物を含むことができ、そして選択した投与様式に適した任意の形態に構成してもよい。担体には必要かつ不活性な製薬学的補形剤が含まれ、これにはこれらに限定するものでないが、結合剤、懸濁剤、滑剤、風味剤、甘味剤、保存剤、染料およびコーティングが含まれる。経口投与に適した組成物には、固体形態、例えばピル、錠剤、カプレット、カプセル(各々が瞬時放出、好機放出および徐放性製剤を含む)、顆粒および粉末など、そして液状形態、例えば溶液、シロップ、エリキシル、乳液および懸濁液などが含まれる。非経口投与で用いるために有用な形態には滅菌溶液、乳液および懸濁液が含まれる。
【0114】
本発明の化合物は有利に1日1回の投与で投与可能であるか、あるいは1日当たりの投薬量全体を1日当たり2回、3回または4回に分割した用量で投与することも可能である。さらに本発明の化合物は適切な鼻内賦形剤を局所的に用いることにより鼻内形態で投与するか、あるいは当業者に良く知られた経皮皮膚パッチを用いて投与することも可能である。投与を経皮送達系の形態で行う時には、勿論、そのような投薬投与は投薬計画を通して断続的ではなくむしろ連続的となるだろう。
【0115】
例えば錠剤またはカプセル形態の経口投与の場合には、活性薬剤成分を経口用の無毒で製薬学的に許容され得る不活性な担体、例えばエタノール、グリセロール、水等と合わせてもよい。さらに望まれるかまたは必要な場合には、適切な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤もそのような混合物に包含することが可能である。適切な結合剤には、これらに限定するわけではないが、澱粉、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、コーン甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントなど、またはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、これらに限定するものでないが、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が含まれる。
【0116】
液状形態には適切な風味の沈殿防止剤もしくは分散剤、例えば合成および天然ガム、例えばトラガカント、アカシア、メチル−セルロースなどを含有させてもよい。非経口投与には無菌の懸濁液および溶液が望ましい。静脈内投与が望まれる場合には、一般に適切な保存剤を含む等浸透圧性調整剤を用いる。
【0117】
また、本発明の化合物をリポソーム送達系、例えば小型の単層小胞、大型の単層小胞および多層小胞などの形態で投与することも可能である。リポソームは種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成することができる。
【0118】
本発明の化合物は、本化合物の分子を結合させたモノクローナル抗体を個々の担体として用いることにより送達することも可能である。また本発明の化合物を標的可能な薬剤担体としての可溶性の重合体と結合させることも可能である。そのような重合体には、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタアクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されているポリエチレンオキサイドポリリジンを含むことができる。さらに本発明の化合物を薬剤の放出制御を達成するために有用な種類の生分解性重合体、例えばポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋化または両親媒性ブロック共重合体に結合させておくことも可能である。
【0119】
本発明の化合物は、アンドロゲン受容体がモジュレートする障害または状態の治療が必要とされている時にはいつでも上記組成物のいずれかの状態、そして当該技術分野で確立された投薬療法に従って投与可能である。
【0120】
本製品の1日当たりの投薬量はヒト成人1人当たり0.01から500mgの幅広い範囲に渡り変動することができる。経口投与の場合には、本組成物は、好ましくは処置する患者の症状に応じて投薬量を調整するために、本有効成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250および500ミリグラム含有する錠剤の形態で提供する。通常は、有効量の本薬剤を体重1kg当たり約0.01mg/日から体重1kg当たり約500mg/日の投薬レベルで供給する。この範囲は好適には体重1kg当たり約0.5から約10.0mg/日、最も好適には体重1kg当たり約0.1から約5.0mg/日である。本化合物を1日当たり1から4回の計画で投与してもよい。
【0121】
当業者は投与すべき最適な投薬量を容易に決定することができ、これは使用する具体的化合物、投薬様式、製剤の濃度、投与様式および疾患の状態の進行に伴って変動するであろう。加えて処置する個々の患者に関連した要因の結果として投薬量を調整する必要もあり、そのような要因には、患者の年齢、体重、食事および投与時期が含まれる。
【0122】
以下の実施例は本発明の理解のために説明し、そして添付する特許請求の範囲で説明する本発明を限定することは意図せず、そしてそのように解釈されるべきではない。
【0123】
以下の実施例では、幾つかの合成産物が単離された残渣として列挙されている。当業者は、用語「残渣」は生成物が単離された物理的状態を限定せず、例えば固体、油、泡沫、ガム、シロップ等を含むことができると理解している。
【実施例】
【0124】
実施例1
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノール
【0125】
【化11】

【0126】
熱電対コントローラー、頭上機械撹拌機、冷却器および窒素の入口/出口アダプターを備えた1リットルの4首フラスコに、4,5−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン(71.3g,0.403モル)、トリフルオロ乳酸(87.0g,0.604モル)および4N HCl(340mL)を入れた。反応混合物を18時間、加熱還流した(100℃)。生じた溶液を室温に冷却し、次いでEtOAc(1リットル)およびHO(1リットル)で希釈した。溶液をゆっくりNaHCO(500g)でpH8−9まで処理した。発泡が止まった後、相を分け、そして水性層をEtOAc(3 x 1リットル)で逆抽出した。合わせた有機相をHO(1リットル)およびブライン(1リットル)で洗浄し;MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発乾固して粗残渣を得た。粗残渣はSiO(2kg)および10% EtOAc/CHCl(2リットル)および20% EtOAc/CHCl(32リットル)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして生成物を真空下で18時間、60℃にて乾燥させて表題化合物を茶色がかった固体として得た。
【0127】
実施例2
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
【0128】
【化12】

【0129】
熱電対コントローラー、頭上機械撹拌機、追加の漏斗および窒素の入口/出口アダプターを備えた3リットルの4首フラスコに、1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノール(91.0g,0.32モル)、4−メトキシ−TEMPO(14.3g,0.077モル)およびKBr(4g,0.0336モル)(900mLのTHF中)を入れた。茶色い均一な溶液を−10℃に冷却しながら15分間撹拌した。冷却後、NaOCl(670ml)を30分にわたり滴下した。反応混合物をEtOAc(1.5リットル)およびHO(1.5リットル)で希釈した。発泡が止まった後、相を分け、そして水性層をEtOAc(2リットル)で逆抽出した。合わせた有機相をブライン(2リットル)で洗浄し;NaSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発乾固して粗残渣を得た。粗残渣はSiO(1kg)および40% EtOAc/ヘキサン(24リットル)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして生成物を真空下で18時間、50℃にて乾燥させて1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンを黄色い固体として得た。
【0130】
実施例3
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−エン−2−オール(#1)
【0131】
【化13】

【0132】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.41g;4.99ミリモル)、臭化アリル(0.85mL;10.05ミリモル)およびインジウム(1.15g;10.05ミリモル)をTHF(50mL)および0.01M HCl(150mL)に懸濁し、そして18時間にわたり激しく撹拌した。層を分離し、そして水性相を酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。生じた茶色い粗油はカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20% 酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物を黄褐色の固体として得た。
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.79(s,2H),δ 5.59(m,1H),δ 5.17(d,J=17.1Hz,1H),δ 5.07(d,J=11Hz,1H),δ 3.13(dd,J=6.8,14.3Hz,1H),δ 2.88(dd,J=7.2,14.3Hz,1H)
12ClOに関するMS理論値:325.11
MS測定値:325,327(M+H):323,325(M−1).
【0133】
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−エン−2−オールの(+)エナンチオマー(#23)および 2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−エン−2−オールの(−)−エナンチオマー(#24)
上記手順に従い調製した生成物の一部を、20%イソプロパノール/ヘキサンに溶解し、そしてChiralPak AD 5x50cmカラム(70mL/分の流速、移動相10% イソプロパノール/ヘキサン)を使用してクロマトグラフィーにかけ、(+)−エナンチオマー(#23)が最初に、続いて(−)エナンチオマー(#24)が溶出した。2つの単離された化合物に関するH NMRおよびマススペクトルデータは、上記で単離された化合物#1と同一であった。
【0134】
実施例4
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3,4−ジエン−2−オール(#3)および2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−イン−2−オール(#2)
【0135】
【化14】

【0136】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.42g;5.03ミリモル)、臭化プロパルギル(トルエン中の80%;1.10mL;15.4ミリモル)およびインジウム(1.56g;13.6ミリモル)をTHF(50mL)および.01M HCl(150mL)に懸濁し、そして18時間激しく撹拌した。層を分離し、そして水性相を酢酸エチル(3x30mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。生じた茶色い油の粗生成物は、2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3,4−ジエン−2−オールおよび2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−イル−2−オールの混合物であり、これをカラムクロマトグラフィーにより精製した(SiO;20% 酢酸エチル/ヘキサン)。
【0137】
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3,4−ジエン−2−オールが明黄色の固体として単離された。
H NMR(300MHz,CDCN):δ 7.82(s,2H),δ 5.93(t,J=6.7Hz,1H),δ 5.16(d,J=6.6Hz,1H)
12ClOに関するMS理論値:323.10
MS測定値:323,325(M+H);321,323(M−1).
【0138】
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−イン−2−オールがオレンジ−イエロー色の固体として単離された。
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.82(s,2H),δ 3.35(dd,J=2.6,16.8Hz,1H),δ 3.11(dd,J=2.6,17.0Hz,1H),δ 5.59(m,1H),δ 2.18(s,1H)
12ClOに関するMS理論値:323.10
MDS測定値:323,325(M+H);321,323(M−1).
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3,4−ジエン−2−オールの(+)−エナンチオマー(#31)および2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3,4−ジエン−2−オールの(−)−エナンチオマー(#32)
上記の手順に従い調製した化合物#2生成物の単離された一部を20% エタノール/ヘプタンに溶解し、そしてChiralPak AD 5x50cmカラム(70mL/分の流速、移動相20% エタノール/ヘプタン)を使用してクロマトグラフィーにかけ、(+)−エナンチオマー(#31)が最初に、続いて(−)エナンチオマー(#32)が溶出した。2つの単離された化合物に関するH NMRおよびマススペクトルデータは、上記で単離された化合物#2と同一であった。
【0139】
実施例5
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ブタ−3−エン−2−オール(#4)
【0140】
【化15】

【0141】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(326mg)(10mLのTHF中)に、−78℃で臭化ビニルマグネシウム(THF中、1.0Mの2.42mL)を滴下した。生じた混合物を0℃で2時間撹拌した。生じた混合物をHOおよび1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出し、そしてNaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して、黄色いガムを得た。この黄色いガムを最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を明黄色の固体として得た。
【0142】
H NMR(300MHz,d−DMSO):δ 13.03(br s,1H),7.99(s,1H),7.76(s,1H),7.69(s,1H),6.54(dd,1H,J=10.8,17.2Hz),5.71(d,1H,J=17.2Hz),5.59(d,1H,J=10.8Hz)
MS(M−1)=309.
【0143】
実施例6
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−3−メチル−ペンタ−3,4−ジエン−2−オール(#6)
【0144】
【化16】

【0145】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(0.61g;2.2ミリモル)、1−ブロモ−2−ブチン(1.7mL;18.8ミリモル)およびインジウム(2.49g;21.7ミリモル)を、THF(10mL)および.045M HCl(20mL)に懸濁し、そして一晩激しく撹拌した。反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層が分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥した。生じた粗材料をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20% 酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0146】
H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.76(s,2H),δ 5.08(m,2H),δ 1.88(s,3H)
13ClOに関するMS理論値:337.12
MS測定値:337,339(M+H);335,337(M−1).
【0147】
化合物#33(2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ヘキサ−4−イン−2−オール)が上記反応の微量の副産物として調製され、そして残渣として単離された。
【0148】
実施例7
3−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−ブチロニトリル(#7)
【0149】
【化17】

【0150】
乾燥アセトニトリル(0.4mL)の溶液(10mLのTHF中)に、−78℃でn−BuLi(ヘキサン中、2.5Mの2.9mL)を加えた。生じた混合物を45分間、−78℃で撹拌した。次いでこの溶液に、1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(930mg)の溶液(5mLのTHF中)を加えた。生じた混合物を−78℃で1時間撹拌した。この反応をNHCl(aq)でクエンチし、そして生じた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。生じた粗物質は、カラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;0−15% 酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物を黄色い固体として得た。
【0151】
H NMR(300MHz,d−DMSO):δ 13.31(br,1H),8.48(s,1H),8.04(s,1H),7.73(s,1H),3.59(ABq,2H,JAB=16.9Hz,ΔνAB=59Hz).
【0152】
実施例8
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3−イン−2−オール(#8)
【0153】
【化18】

【0154】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(535mg)(10mLのTHF中)に、−78℃で1−プロピニルマグネシウムブロミド(THF中、0.5Mの8mL)を滴下した。次いで生じた混合物を0℃で3時間撹拌した。反応はHOおよび1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して黄色い固体を得た。この黄色い固体を最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を白色固体として得た。
【0155】
H NMR(300MHz,d−DMSO):δ 13.10(br s,1H),8.48(s,1H),8.01(s,1H),7.69(s,1H),1.97(s,3H).
MS(M−1)=321.1
【0156】
実施例9
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−3−メチル−ブタ−3−エン−2−オール(#9)
【0157】
【化19】

【0158】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(793mg)(5mLのTHF中)に、−78℃でイソプロペニルマグネシウムブロミド(THF中、0.5Mの12.3mL)を滴下した。生じた混合物を0℃で5時間撹拌した。反応はHOおよび1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出してオレンジ色のガムを得た。このオレンジ色のガムを最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を桃色の固体として得た。
【0159】
H NMR(400MHz,d−MeOD): δ 7.75(br,2H),5.42(s,1H),5.31(s,1H),1.81(s,3H)、NHおよびOHプロトンは観察されなかった。
【0160】
実施例10
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノール(#10)
【0161】
【化20】

【0162】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(595mg)(5mLのTHF中)に、−78℃でフェニルマグネシウムブロミド(THF中、1Mの4.6mL)を滴下した。生じた混合物を0℃で4時間撹拌した。反応はHOおよび1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して黄色い固体を得た。この黄色い固体を最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を黄褐色の固体として得た。
【0163】
15ClOに関するMS理論値:360.00、測定値:361(M+1).
【0164】
実施例11
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−4−メチル−ペンタ−4−エン−2−オール(#13)
【0165】
【化21】

【0166】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(609mg)(4mLのTHFおよび12mLのHO中)に、室温で3−ブロモ−2−メチル−プロペン(0.31mL)、次いでインジウム粉末(279mg、−100メッシュ)を加えた。次いで生じた混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物はCelite(商標)のパットを通して濾過し、EtOAcですすぎ、層を分離し、水性層をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出してオレンジ色のガムを得た。このオレンジ色のガムを最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物をオレンジ色の固体として得た。
【0167】
H NMR(400MHz,d−MeOD):δ 7.78(br,1H),7.69(br,1H),4.73(s,1H),4.69(s,1H),2.98(ABq,2H,JAB=14.3Hz,ΔνAB=120.4Hz),1.54(s,3H),NHおよびOHプロトンは観察されなかった。
【0168】
実施例12
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−4−メチル−ペンタ−3−エン−2−オール(#14)
【0169】
【化22】

【0170】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(565mg)(5mLのTHF中)に、0℃でグリニャール試薬(これは1−ブロモ−2−メチル−プロペン(0.51mL)、少量のヨウ素フレークおよびマグネシウム粉末(146mg)(THF中の5mL中)から新たに調製した)を加えた。次いで生じた混合物を室温で3時間撹拌した。反応をNHCl(sat.aq)でクエンチし、Celite(商標)のパットを通して濾過し、EtOAcですすぎ、層を分離し、水性層をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して黄色い固体を得た。この黄色い固体を最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を黄色い固体として得た。
【0171】
H NMR(400MHz,d−MeOD):δ 7.73(br,2H),5.91(s,1H),1.84(s,3H),1.46(s,3H),NHおよびOHプロトンは観察されなかった。
【0172】
MS(M+1)=339.0
【0173】
実施例13
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−シス−ペンタ−3−エン−2−オール(#15)
【0174】
【化23】

【0175】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(510mg)(5mLのTHF中)に、0℃でグリニャール試薬(これはシス−1−ブロモ−1−プロペン(1.07mL)、少量のヨウ素フレークおよびマグネシウム粉末(306mg)(THF中の5mL中)から新たに調製した)を加えた。次いで生じた混合物を室温で3時間撹拌した。反応をNHCl(sat.aq)でクエンチし、Celite(商標)のパットを通して濾過し、EtOAcですすぎ、層を分離し、水性層をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して黄色い固体を得た。この黄色い固体を最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を黄色い固体として得た。
【0176】
H NMR(400MHz,d−MeOD):δ 7.77(br,1H),7.72(br,1H),6.07−6.12(m,1H),6.01−6.05(m,1H),1.52(dd,3H,J=1.2,6.9Hz),NHおよびOHプロトンは観察されなかった。
【0177】
MS(M+1)=325.1
【0178】
実施例14
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−トランス−ペンタ−3−エン−2−オール(#16)
【0179】
【化24】

【0180】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(636mg)(5mLのTHF中)に、0℃でグリニャール試薬(これはトランス−1−ブロモ−1−プロペン(1.35mL)、少量のヨウ素フレークおよびマグネシウム粉末(382mg)(THF中の5mL中)から新たに調製した)を加えた。次いで生じた混合物を室温で3時間撹拌した。反応をNHCl(sat.aq)でクエンチし、Celite(商標)のパットを通して濾過し、EtOAcですすぎ、層を分離し、水性層をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して黄色い固体を得た。この黄色い固体を最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を黄色い固体として得た。
【0181】
H NMR(400MHz,d−MeOD):δ 7.79(br,1H),7.71(br,1H),6.13(s,1H),6.11−6.13(m,1H),1.82(見かけのd,3H,J=4.9Hz),NHおよびOHプロトンは観察されなかった。
【0182】
MS(M+1)=325.1.
【0183】
実施例15
4−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−5,5,5−トリフルオロ−ペンタ−2−イン−1,4−ジオール(#17)
【0184】
【化25】

【0185】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(3.2g)(40mLのTHF中)に0℃でリチウム試薬(これはTHF(20mL)中、テトラヒドロピラン−2−プロピニルオキシ(1.6mL)およびn−BuLi(ヘキサン中、2.5Mの4.5mL)から新たに調製した)を加えた(−78℃で2時間撹拌)。次いで生じた混合物を、室温で3時間撹拌した。反応をNHCl(sat.aq)でクエンチし、Celite(商標)のパットを通して濾過し、EtOAcですすぎ、層を分離し、水性層をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40m+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして5%−30% EtOAc/ヘキサンで溶出してオレンジ色の固体を得た。
【0186】
THPエーテルの溶液(2.28g、上記手順を参照のこと)(25mLのメタノール中)にp−トルエンスルホン酸1水和物(2.05g)を加え、そして生じた混合物を室温で2時間撹拌した。次いで反応混合物をNaCO(aq)でクエンチし、EtOAcで抽出し、そしてNaSOで乾燥させて残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして5%−35% EtOAc/ヘキサンで溶出して表題化合物をオレンジ色の固体として得た。
【0187】
H NMR(300MHz,d−DMSO): δ 13.16(br,1H),8.66(br,1H),8.01(s,1H),7.69(s,1H),5.46(t,1H,J=6.1Hz),4.23(d,2H,J=6.0Hz)
MS(M+1)=339.
【0188】
実施例16
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−3,3−ジメチル−ペンタ−4−エン−2−オール(#25)
【0189】
【化26】

【0190】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(0.31g;1.09ミリモル),3,3−ジメチルアリルブロミド(90%;1.40mL;10.8ミリモル)およびインジウム(1.26g;11.0ミリモル)を、THF(10mL)および.02M HCl(15mL)に懸濁し、そして18時間、激しく撹拌した。反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層を分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥させて粗油を得た。この粗油をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20%酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0191】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.88(s,2H),6.18(dd,1H,J=1.3,10.9Hz),5.14(m,2H), 1.19(s,3H),1.17(s,3H)
1413ClOに関するMS理論値:353.17
MS測定値:353,355(M+H);351,353(M−1).
【0192】
実施例17
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−3−メチル−ペンタ−4−エン−2−オール(#26)
【0193】
【化27】

【0194】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(0.31g;1.09ミリモル)、クロチルブロミド(1.2mL;11.8ミリモル)およびインジウム(1.26g;11.0ミリモル)を、THF(10mL)および0.02M HCl(15mL)に懸濁し、そして18時間、激しく撹拌した。反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層が分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥させて粗油を得た。この粗油をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20%酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物を2:1のジアステレオマーの混合物としてオフホワイト色の固体で得た。
【0195】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.88(s,2H),(ジアステレオマーの混合物)δ 5.92およびδ 5.78(m,1H),(ジアステレオマーの混合物)δ 5.26およびδ 4.99(d,J=17.1Hz,1H),(ジアステレオマーの混合物)δ 5.17およびδ 4.92(d,J=10.3Hz,1H),(ジアステレオマーの混合物)δ 3.26およびδ 3.18(m,1H),(ジアステレオマーの混合物)δ 1.16およびδ .86(d,J=6.9Hz,3H)
1311ClOに関するMS理論値:339.14
MS測定値:339,341(M+H);337,339(M−1)
【0196】
実施例18
2−[2−(5,6−ジクロロ−H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−プロピル]−アクリル酸(#27)
【0197】
【化28】

【0198】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(0.30g;1.05ミリモル),2−(ブロモメチル)アクリル酸(1.80g;10.9ミリモル)およびインジウム(1.23g;10.7ミリモル)をTHF(10mL)および0.02M HCl(15mL)で希釈し、そして18時間、激しく撹拌した。次いで反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層が分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥させて粗物質を得た。この粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;50%酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0199】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.78(s,2H),6.16(s,1H),5.69(s,1H),3.75(d,J=10.4Hz,1H),3.67(d,J=10.3Hz,1H)
13Clに関するMS理論値:369.12
MS測定値;369,371(M+H);367,369(M−1).
【0200】
実施例19
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−3−フェニル−ペンタ−4−エン−2−オール(#28)
【0201】
【化29】

【0202】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(0.30g;1.04ミリモル)、シンナミルブロミド(1.6mL;10.5ミリモル)およびインジウム(1.22g;10.7ミリモル)をTHF(10mL)および0.02M HCl(15mL)に懸濁し、そして18時間、激しく撹拌した。次いで反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層が分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥させて粗油を得た。この粗油をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20%酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0203】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 10.63(br s,1H),7.77(s,1H),7.55(s,1H),7.14(m,2H),7.06(m,3H),6.47(dd,J=10.0,18.7Hz,1H),5.32(m,2H),5.24(dd,J=1.5,10.2Hz,1H),4.35(d,J=9.9Hz,1H)
1813ClOに関するMS理論値:401.21
MS測定値:401,403(M+H);399,401(M−1).
【0204】
実施例20
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−5−フェニル−ペンタ−4−イン−2−オール(#34)
【0205】
【化30】

【0206】
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−イン−2−オール(0.27g;.83ミリモル)、ヨードベンゼン(0.14mL;1.3ミリモル)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(31.7mg;.045ミリモル)、ヨウ化銅(17.8mg;.093ミリモル)およびトリエチルアミン(0.25mL;1.8ミリモル)をTHF(5mL)に懸濁し、そして生じた混合物を一晩、激しく撹拌した。次いで反応混合物を真空下で濃縮し、そして生じた茶色い粗油をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;50%エーテル/CHCl)、表題化合物をオレンジ−黄色の固体として得た。
【0207】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.90(s,1H),7.75(s,1H),7.29(m,3H),7.21(m,2H),3.54(d,J=17.1Hz,1H),3.33(d,J=17.1Hz,1H)
1811ClOに関するMS理論値:399.19
MS測定値:399,401(M+H);397,399(M−1).
【0208】
実施例21
2−(1−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−ブタ−3−エニル)−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(#38)
【0209】
【化31】

【0210】
2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(0.31g;.95ミリモル)、アリルブロミド(0.82mL;9.5ミリモル)およびインジウム(1.09g;9.5ミリモル)をTHF(12mL)および0.03M HCl(10mL)に懸濁し、そして一晩、激しく撹拌した。次いで反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層が分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥させて粗物質を得た。この粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20%酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0211】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 8.25(s,1H),8.12(s,1H),5.58(m,1H),5.17(m,1H),5.07(m,1H),3.17(dd,J=7.1,14.3Hz,1H),2.93(dd,J=7.2,14.3Hz,1H)
14Oに関するMS理論値:349.23
MS測定値:350(M+H);348(M−1).
【0212】
実施例22
2−(1−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−ブタ−3−イニル)−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(#39)
【0213】
【化32】

【0214】
2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(0.31g;.94ミリモル)、臭化プロパルギル(トルエン中80%;1.1mL;12.3ミリモル)およびインジウム(1.08g;9.5ミリモル)を、THF(12mL)および0.03M HCl(10mL)に懸濁し、そして一晩、激しく撹拌した。次いで反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層が分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥させて粗物質を得た。この粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20%酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0215】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 8.29(s,1H),δ 8.15(s,1H),3.39(dd,J=2.6,17.1Hz,1H),3.15(dd,J=2.7,17.1Hz,1H),2.20(t,J=2.7Hz,1H)
14Oに関するMS理論値:347.22
MS測定値:348(M+H);346(M−1)
【0216】
実施例23
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ヘキサ−5−エン−2−オール(#40)
【0217】
【化33】

【0218】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(595mg)(3mLのTHF中)に、−78℃で3−ブテニルマグネシウムブロミド(THF中、0.5Mの7.8mL)を滴下した。生じた混合物を0℃で4時間撹拌した。反応をHOおよび1N HClでクエンチし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して黄色い固体を得た。この黄色い固体を最少量のEtOに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を黄褐色の固体として得た。
【0219】
H NMR(300MHz,d−DMSO):δ 12.95(br s,1H),7.94(s,1H),7.73(s,1H),7.41(s,1H),5.53−5.81(m,1H),4.89−5.00(m,2H),2.36−2.44(m,1H),1.99−2.23(m,2H),1.62−1.72(m,1H)
MS(M+1)=339.0
【0220】
実施例24
2−(1−ヒドロキシ−2−メチル−1−トリフルオロメチル−ブタ−2,3−ジエニル)−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(#41)
【0221】
【化34】

【0222】
2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(0.31g;.94ミリモル),1−ブロモ−2−ブチン(0.85mL;9.4ミリモル)およびインジウム(1.09g;9.5ミリモル)をTHF(12mL)および0.03M HCl(10mL)に懸濁し、そして一晩、激しく撹拌した。次いで反応混合物を水(60mL)および酢酸エチル(40mL)で希釈し、層が分離し、そして水性層を酢酸エチル(3x 20mL)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、そしてNaSOで乾燥させて粗物質を得た。この粗物質をカラムクロマトグラフィーにより精製して(SiO;20%酢酸エチル/ヘキサン)、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0223】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 8.27(s,1H),8.13(s,1H),5.00(dd,J=3.1,6.2Hz,1H),1.71(s,3H)
15Oに関するMS理論値:361.24
MS測定値:362(M+H);360(M−1)
【0224】
実施例25
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−3,4−ジメチル−ペンタ−3−エン−2−オール(#42)
【0225】
【化35】

【0226】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(577mg)(5mLのTHF中)に、0℃でグリニャール試薬(これは2−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(1.73mL)、少量のヨウ素フレークおよびマグネシウム粉末(347mg)(THF中の5mL中)から新たに調製した)を加えた。次いで生じた混合物を室温で3時間撹拌した。反応をNHCl(sat.aq)でクエンチし、Celite(商標)のパットを通して濾過し、EtOAcですすぎ、層を分離し、水性層をEtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。残渣はBiotage40s+カラムでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出して黄色い固体を得た。この黄色い固体を最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0227】
H NMR(400MHz,d−MeOD): δ 7.78(s,1H),7.66(s,1H),1.97(s,3H),1.77(s,3H),1.34(s,3H),NHおよびOHプロトンは観察されなかった。
【0228】
MS(M+1)=353.0
【0229】
実施例26
(+)−2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ブタ−3−エン−2−オール(#43)および(−)−2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ブタ−3−エン−2−オール(#44)
【0230】
【化36】

【0231】
次いで2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ブタ−3−エン−2−オール生成物(285mg)は、(+)および(−)エナンチオマーにHPLCを介してChiralpak AD(5 x 50cm)で、ヘプタン中7%のイソプロパノールを溶出液として使用して分離された(70mL/分)。
【0232】
H NMR(300MHz,d−DMSO):δ 13.03(br s,1H),7.99(s,1H),7.76(s,1H),7.69(s,1H),6.54(dd,1H,J=10.8,17.2Hz),5.71(d,1H,J=17.2Hz),5.59(d,1H,J=10.8Hz)
MS(M−1)=309.
(+)−2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ブタ−3−エン−2−オール(#43)
[α]CHCl=+ 105(c=0.5g/100mL)
(−)−2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ブタ−3−エン−2−オール(#44)
[α]CHCl=−108(c=0.5g/100mL)
【0233】
実施例27
2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ブタ−3−エン酸エチルエステル
【0234】
【化37】

【0235】
エチル3,3,3−トリフルオロピルベート(14.2g)の溶液(200mLのTHF中)に、−78℃で臭化ビニルマグネシウム(THF中、1Mの84mL)を追加の漏斗を介して滴下した。次いで生じた混合物を2時間にわたり周囲温度に暖めた。反応は混合物を氷に注ぐことによりクエンチした。次いで生じた混合物に2N HClを加え、混合物をEtOAcで抽出し、そしてNaSOで乾燥させた。濃縮後、生じた粗物質はシリカゲルのプラグを介して濾過し、50% EtO/ヘキサンですすいだ。生じた混合物を濃縮して表題化合物を金色の油として得た。
【0236】
実施例28
2−アリルオキシ−2−トリフルオロメチル−ブタ−3−エン酸エチルエステル
【0237】
【化38】

【0238】
2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ブタ−3−エン酸エチルエステル(3.6g)の溶液(100mLのTHF中)に、0℃で水素化ナトリウム(油中60%の1.1g)を加え、続いて臭化アリル(2.3mL)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(1.35g)を加えた。生じた混合物を5時間、加熱還流した。反応は慎重にNHCl(aq)でクエンチし、EtOAcで抽出し、そしてNaSOで乾燥した。濃縮後、生じた粗物質をシリカゲルのプラグを介して濾過し、20% CHCl/ヘキサンですすぎ、次いで濃縮して表題化合物を黄色い油として得た。
【0239】
実施例29
2−トリフルオロメチル−2,5−ジヒドロ−フラン−2−カルボン酸エチルエステル
【0240】
【化39】

【0241】
2−アリルオキシ−2−トリフルオロメチル−ブタ−3−エン酸エチルエステル(2.15g,上記参照)の溶液(100mLのCHCl中)に、室温で第2世代のGrubbs触媒(アルドリッチ:Aldrich)(67mg)を加えた。生じた混合物を室温で18時間撹拌した。次いで反応混合物はCelite(商標)およびシリカゲルのプラグを通して濾過し、EtOAcですすぎ、そして濃縮して表題化合物を黄色い油として得た。
【0242】
実施例30
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−2,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(#45)
【0243】
【化40】

【0244】
4,5−ジクロロ−1,2−ジアミン(1.56g)(10mLのトルエン中)に、0℃で生の塩化ジエチルアルミニウム(0.55mL)を加え、そして反応混合物を室温に暖め、次いで1時間撹拌した。生じた紫色のスラリーに0℃で2−トリフルオロメチル−2,5−ジヒドロ−フラン−2−カルボン酸エチルエステル(464mg)を加えた。生じた混合物を室温で1時間撹拌し、次いで110℃に20時間加熱した。反応混合物を6N HClでクエンチし、EtOAcで希釈し、そして6N HClで洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して残渣を得た。この残渣はBiotage 40s+カラムを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして10%−40% EtOAc/ヘキサンで溶出してオレンジ色のガムを得た。このオレンジ色のガムを最少量のCHClに溶解し、そしてヘキサンでトリチュレートして表題化合物を白色粉末として得た。
【0245】
H NMR(300MHz,d−DMSO): δ 13.14(s,1H),7.98(br,1H),7.72(br,1H),6.62(d,1H,J=6.2Hz),6.26(d,1H,J=6.1Hz),4.98(s,2H)
MS(M+1)=323.0
【0246】
実施例31
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−テトラヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(#46)
【0247】
【化41】

【0248】
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−2,5−ジヒドロ−フラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(95mg)(5mLのメタノール中)に、アルミナ担持ロジウム(32mg)を加えた。生じた混合物をH雰囲気下で室温にてバルーンを介して5時間撹拌した。次いで反応混合物は、Celite(商標)のパットを通して濾過し、EtOですすぎ、そして濃縮して表題化合物を黄褐色の固体として得た。
【0249】
H NMR(300MHz,d−DMSO): δ 13.12(br,1H),7.92(br,1H),7.74(br,1H),4.09−4.14(m,2H),2.75−2.84(m,1H),2.54−2.61(m,1H),2.07−2.13(m,1H),1.89−1.99(m,1H)
【0250】
実施例32
2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−3−エチル−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−3,4−ジエン−2−オール(#62)
【0251】
【化42】

【0252】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(2g)、1−ブロモ−2−ペンチン(1.1ml)およびインジウム(983mg)をTHF(15mL)およびHO(45mL)に懸濁し、そして一晩激しく撹拌した。次いで反応混合物を水および酢酸エチルで希釈し、層を分離し、そして水性層を酢酸エチルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、そしてNaSOで乾燥して粗物質を得た。この粗物質をカラムクロマトグラフィー(SiO;5−30% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して表題化合物を桃色の固体として得た。
【0253】
H NMR(300MHz,d−DMSO):δ 12.95(br,1H),7.98(br,1H),7.80(s,1H),7.70(br,1H),5.12(m,2H),1.96−2.09(m,1H),1.66−1.79(m,1H)
MS(M+H)=351
【0254】
実施例33
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(#47)
【0255】
【化43】

【0256】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.14g;4.02ミリモル)、2−クロロエタノール(0.83mL;12.4ミリモル)および炭酸カリウム(1.68g;12.2ミリモル)をDMF(18mL)に溶解した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し(80mL)、水(50mL)およびブライン(2x 50mL)で洗浄した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、明茶色の固体に濃縮し、そして明茶色の固体をカラムクロマトグラフィー(SiO;30% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して表題化合物を黄褐色の固体として得た。
【0257】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.83(s,2H),δ 4.29(m,4H)
11Clに関するMS理論値:327.09
MS測定値:327,329(M+1);325,327(M−H).
【0258】
実施例34
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(#51)
【0259】
【化44】

【0260】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(2.13g;7.51ミリモル),2−クロロエタノール(1.90mL;22.7ミリモル)および炭酸カリウム(3.13g;22.6ミリモル)をDMF(14mL)に溶解した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し(100mL)、水(80mL)およびブライン(2x 80mL)で洗浄した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、明茶色の固体に濃縮し、そして明茶色の固体をカラムクロマトグラフィー(SiO;20% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して表題化合物を黄明色の固体として得た。
【0261】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.84(s,2H),δ 4.14(m,2H),δ 3.95(m,2H),δ 2.16(m,2H)
12Clに関するMS理論値:341.11
MS測定値:341,343(M+1);339,341(M−H).
【0262】
実施例35
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−イミダゾリジン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(#60)
【0263】
【化45】

【0264】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(1.02g;3.61ミリモル)、エチレンジアミン(0.74mL;11.04ミリモル)およびパラ−トルエンスルホン酸1水和物(0.12g;.603ミリモル)を、トルエン(80mL)に懸濁し、次いでディーン−スタークトラップで3時間、加熱還流した。3時間後、エチレンジアミン(0.74mL;11.04ミリモル)を反応混合物に加え、そして反応混合物をディーン−スタークトラップで18時間還流した。反応物を室温に冷却し、そして真空下で濃縮して茶色い粗残渣を得た。この茶色い粗残渣を酢酸エチル(60mL)に溶解し、水(3x 50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させた。乾燥剤を濾過により除去し、そして濾液を真空下で濃縮して茶色い粗油を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO;50% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して表題化合物を明るいオレンジ色の固体として得た。
【0265】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 7.80(s,2H),δ 3.32(br s,2H),δ 3.06(m,2H)
11Clに関するMS理論値:325.12
MS測定値:325,327(M+1),323,325(M−H).
【0266】
実施例36
5,6−ジクロロ−1−ピリジン−2−イルメチル−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキシン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(#48)
【0267】
【化46】

【0268】
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(0.37g;1.1ミリモル)をDMF(6mL)に溶解し、鉱物油中60%のNaH(9.14g;3.5ミリモル)で処理し、そして窒素雰囲気下で20分間撹拌した。続いて2−(ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミド(0.44g;1.7ミリモル)を反応混合物に加え、そして室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(25mL)およびジエチルエーテル(25mL)で希釈し、水(30mL)およびブライン(3x30mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させた。濃縮した粗物質をカラムクロマトグラフィー(SiO;50% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
【0269】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 8.42(d,J=4.5Hz,1H),δ 7.96(s,1H),δ7.70(d,J=1.6Hz,1H),δ 7.67(s,1H),δ 7.24(m,1H),δ 7.05(d,J=7.9Hz,1H),δ 5.67(s,2H),δ 4.19(t,J=7.0Hz,2H),δ 3.95(m,2H)
1712Clに関するMS理論値:418.20
MS測定値:418,420(M+H).
【0270】
実施例37
6−トリフルオロメチル−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボニトリル(#59)
【0271】
【化47】

【0272】
2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル(0.50g;1.5ミリモル)をDMF(4mL)に溶解し、次いで2−クロロエタノール(0.35mL;5.2ミリモル)および炭酸カリウム(0.73g;5.3ミリモル)で処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで反応混合物を酢酸エチル(40mL)およびジエチルエーテル(40mL)で希釈し、水(50mL)およびブライン(3x30mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させた。反応混合物を濾過し、明茶色の固体に濃縮し、これをカラムクロマトグラフィー(SiO;100% 酢酸エチル)により精製して表題化合物を明黄色の固体として得た。
【0273】
H NMR(400MHz,CDCN):δ 8.31(s,1H),δ 8.17(s,1H),δ 4.36(m,2H),δ 4.30(m,1H)
13に関するMS理論値:351.20
MS測定値:352(M+1),350(M−H).
【0274】
実施例38
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾールのアルキル化に関する一般的手順
NaH(1.25ミリモル)の懸濁液(5mLの乾燥DMF中)に、5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(1.0ミリモル)の溶液(5mLの乾燥DMF中)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後、適切に置換された求核剤(1−10eq)をシリンジを介して滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで水(125mL)に素早く撹拌しながら注いだ。生じた沈殿を濾過により集め、そしてフラッシュクロマトグラフィー(SiO,dcm)により精製して生成物を得た。
【0275】
上記の一般的手順に従い、以下の本発明の化合物が調製された。各化合物名および構造の後に、反応に使用した適切に置換された求電子剤を列挙する。
【0276】
実施例39
5,6−ジクロロ−1−メチル−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(#52)
【0277】
【化48】

【0278】
求電子剤:ヨウ化メチル
Ms(m/z):341(MH+)
【0279】
実施例40
1−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(#58)
【0280】
【化49】

【0281】
求電子剤:(2−ブロモ−エトキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン
Ms(m/z):485(MH+)
【0282】
実施例41
[5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−アセトニトリル(#53)
【0283】
【化50】

【0284】
求電子剤:ブロモアセトニトリル
Ms(m/z):366(MH+)
【0285】
実施例42
[5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−酢酸メチルエステル(#57)
【0286】
【化51】

【0287】
求電子剤:ヨード酢酸メチル
Ms(m/z):399(MH+)
【0288】
実施例43
5,6−ジクロロ−1−エチル−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(#56)
【0289】
【化52】

【0290】
求電子剤:ヨウ化エチル
Ms(m/z):355(MH+)
【0291】
実施例44
1−アリル−5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(#55)
【0292】
【化53】

【0293】
求電子剤:臭化アリル
Ms(m/z):367(MH+)
【0294】
実施例45
5,6−ジクロロ−1−プロパ−2−イニル−2−(2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(#54)
【0295】
【化54】

【0296】
求電子剤:臭化プロパルギル
Ms(m/z):365(MH+)
【0297】
実施例46
5,6−ジクロロ−2−(2−トリフルオロメチル−オキサゾリジン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(#61)
【0298】
【化55】

【0299】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(594mg)、2−ブロモエチルアミン−ヒドロブロミド(860mg)および炭酸カリウム(871mg)を、DMF(5mL)に溶解した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、次いで酢酸エチル(50mL)で希釈し、そして水(50mL)およびブライン(2x 20mL)で洗浄した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(SiO;40% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して表題化合物を黄色い固体として得た。
【0300】
H NMR(400MHz,dDMSO):δ 13.19(s,1H),8.01(br,1H),7.72(br,1H),8.01(br,1H),4.50−4.54(m,1H),4.17−4.21(m,1H),3.75−3.81(m,1H),3.39−3.41(m,1H),3.03−3.08 (m,1H)
11ClOに関するMS理論値:325.00:326(M+1)の測定値。
【0301】
実施例47
[2−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル]−メタノール(#49)
【0302】
【化56】

【0303】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(503mg)、3−クロロ−1,2−プロパン−ジオール(393mg)および炭酸カリウム(491mg)をDMF(5mL)に溶解した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、次いで酢酸エチル(50mL)で希釈し、そして水(50mL)およびブライン(2x 20mL)で洗浄した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(SiO;40% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、続いて固体をCHCl/ヘキサンで洗浄して表題化合物をオフ−ホワイト色の固体として得た。
【0304】
H NMR(300MHz,dDMSO):δ 13.06(br,1H),7.92(br,2H),5.13(br,1H),4.59−4.66(m,1H),4.46(見かけのt,1H,J=7.7Hz),4.10(見かけのt,1H,J=7.3Hz),3.52−3.63(m,2H)
12Clに関するMS理論値:355.99
測定値:357(M+1).
【0305】
実施例48
5,6−ジクロロ−2−(4−クロロメチル−2−トリフルオロメチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(#50)
【0306】
【化57】

【0307】
1−(5,6−ジクロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(611mg)、1,3−ジクロロ−2−プロパニル(557mg)および炭酸カリウム(597mg)をDMF(5mL)に溶解した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、次いで酢酸エチル(50mL)で希釈し、そして水(50mL)およびブライン(2x 20mL)で洗浄した。抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(SiO2;40% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、続いて固体をCHCl/ヘキサンで洗浄して表題化合物をオフ−ホワイト色の固体として得た。
【0308】
H NMR(300MHz,dDMSO):δ 13.40(br,1H0,8.05(br,1H),4.72−4.78(m,1H),4.41−4.46(m,1H),4.09−4.14(m,1H),3.97(dd,1H,J=11.8,4.4Hz),3.86(dd,1H,J=11.0,6.2Hz)
12Clに関する理論値:373.96
375(M+1)の測定値
【0309】
実施例49
2−(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−イン−2−オール(#35)
【0310】
【化58】

【0311】
上記実施例4で調製した化合物#2 (323mg,1ミリモル)の溶液(乾燥DMF中)に、水素化ナトリウム(60mg、1.5ミリモル、鉱物油中60%)を加えた。次いで生じた混合物を室温で30分間撹拌し、0℃に冷却し、そしてヨードメタン(63μL、1ミリモル)で処理した。4時間撹拌した後、TLCは出発材料の消費を示した。水を加え、そして生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を15% LiClそして次にブラインで洗浄した。乾燥後(MgSO)、溶媒を真空下で除去して表題化合物を固体として得た。
MS(m/z):338(M+H)
【0312】
2−(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−イン−2−オール(#36)の(+)−エナンチオマーおよび2−(5,6−ジクロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−ペンタ−4−イン−2−オール(#37)の(−)−エナンチオマー
化合物#36は、上記実施例4で調製した(+)−エナンチオマーである化合物#31から出発して、上記記載の手順に準じて調製した。
化合物#37は、上記実施例4で調製した(−)−エナンチオマーである化合物#32から出発して、上記実施例49に記載の手順に準じて調製した。
【0313】
実施例50
インビボアッセイにおける腹側前立腺および肛門挙筋重量
未成熟ラット
未成熟(約50g)の去勢オスSprague Dawleyラット(チャールズリバー:Charles River)を試験化合物(通常は30%のシクロデキストリンまたは0.5%のメチルセルロース賦形剤中、0.3mLの容量中に40mg/kgを経口で与えた)およびプロピオン酸テストステロン(襟首の所に胡麻油中0.1mLの容量で2mg/kgの皮下注射投与を与えた)で、1日1回、毎日、5日間処置した。6日目にラットを二酸化炭素窒息で安楽死させた。腹側前立腺および肛門挙筋を摘出し、そして湿潤重量を測定した。試験化合物の活性は、テストステロン強化組織重量の阻害パーセントとして測定し、賦形剤で処置した対照群をゼロパーセントとし、そしてテストステロン単独で処置した対照群を100%とした。
【0314】
成熟ラット
成熟(150から200g)し、去勢したオスSprague Dawleyラット(チャールズリバー)を上記手順に従い同様に試験する。ラットには2週間投与し、0.4mg/kgのプロピオン酸テストステロンを陽性対照として使用した。
【0315】
本発明の代表的化合物を上記手順に従い試験し、結果を以下の表3に列挙する。前立腺に対する効果、すなわちアンタゴニストについて、試験化合物はもし重量を調整していない前立腺の重量が40mg以下であるか、または前立腺重量の%阻害が2mg/日の用量で、調整した体重の40%以上ならば表では「活性」とする。肛門挙筋に関する効果、すなわちアゴニストについては、試験化合物はもし重量を調整していない肛門挙筋の重量が40mg以上であるか、または肛門挙筋重量の%刺激が2mg/日の用量で、調整した体重の40%以上ならば表では「活性」とする。
【0316】
表3に列挙する特定の化合物は、前立腺および/または肛門挙筋重量に効果を有することができてもできなくても、それらが上記の特定の基準を満たさなかった場合、本明細書では「不活性」と示すことに留意されたい。
【0317】
【表4】

【0318】
【表5】

【0319】
実施例51
経口組成物の具体的態様として、上記実施例26に記載したように調製した50mgの化合物#43を十分に細かく分割したラクトースと配合し、総量580〜590mgを提供し、サイズO硬質ゲルカプセルに充填する。
【0320】
前記明細書は、本発明の原理を教示し、実施例は具体的な説明の目的で提供するが、本発明の実施には添付する特許請求の範囲およびそれらと等価の範囲内にあるようなすべての通例の変更、適合および/または修飾を包含すると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
は、水素、低級アルキル、−(CH)−(C2−4アルケニル)、−(CH)−(C2−4アルキニル)、弗化低級アルキル、−(低級アルキル)−CN、−(CH)−ヘテロアリール、−(CH)−アリール、−SO−(低級アルキル)、−SO−(フェニル)、−SO−(トリル)、−(CH)−(弗化低級アルキル)、−(低級アルキル)−C(O)−O−(低級アルキル)、−(低級アルキル)−O−(低級アルキル)、−(低級アルキル)−S(O)0−2−(低級アルキル)および−(低級アルキル)−O−Si(CH(t−ブチル)からなる群から選択され;
およびRは、各々が独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン置換低級アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、−C(O)−(低級アルキル)、−C(O)−(低級アルコキシ)、−C(O)−NR、−S(O)0−2−(低級アルキル)、−SO−NR、−N(R)C(O)−(低級アルキル)および−N(R)−C(O)−(ハロゲン置換低級アルキル)からなる群から選択され;
ここで各RおよびRは独立して水素または低級アルキルから選択され;
はアルケニル、アルキニル、アリール、−(C2−4アルキル)−アリール、ヘテロアリールおよび−(C2−4アルキル)−ヘテロアリールからなる群から選択され;
ここでアルケニルまたはアルキニルは場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、NR、NR−C(O)−低級アルキルおよびフェニルからなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基で置換されてもよく;ここでRおよびRは各々が独立して水素または低級アルキルから選択され;そしてここでフェニルは場合によりハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、(低級アルキル)アミノおよびジ(低級アルキル)アミノからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されてもよく;
ここでアリールまたはヘテロアリールは、単独または置換基の一部であっても場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、弗化低級アルキル、弗化低級アルコキシ、フェノキシ、シアノ、ニトロ、NRおよび−(低級アルキル)−NR、−C(O)−(低級アルキル)、−C(O)−(低級アルコキシ)、−C(O)−NR、−N(R)−C(O)−(低級アルキル)、−N(R)−C(O)−(ハロゲン置換低級アルキル)、−S(O)0−2−(低級アルキル)および−SO−NRからなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基で置換されてもよく;ここで各RおよびRは独立して水素または低級アルキルから選択され;
はORであり;ここでRは水素、低級アルキルおよび−C(O)−(低級アルキル)からなる群から選択さるか;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−ピロリジニル、2−テトラヒドロ−フラニル、2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル)、2−(2,5−ジヒドロ−フラニル)、2−イミダゾリジニル、2−オキサゾリジニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−ピペリジニル、6−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−テトラヒドロピラニル、6−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(ヘキサヒドロ−ピリミジニル)、2−[1,3]オキサジナニルおよび2−[1,3]ジオキサニルからなる群から選択される環構造を形成し;
ここで環構造は場合により低級アルキル、−(低級アルキル)−OHおよび−(低級アルキル)−(ハロゲン)からなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基で置換されてもよい]
の化合物およびその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
が、水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−CN、−(CH)−(C2−4アルケニル)、−(CH)−(C2−4アルキニル)、弗化低級アルキル、−(CH)−ヘテロアリール、−(CH)−アリール、−(CH)−(弗化低級アルキル)、−(低級アルキル)−C(O)−O−(低級アルキル)、−(低級アルキル)−O−(低級アルキル)および−(低級アルキル)−O−Si(CH(t−ブチル)からなる群から選択され;
およびRは、各々が独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級アルキル)アミノ、−C(O)−(低級アルキル)、−C(O)−(低級アルコキシ)、−C(O)−NR、−N(R)−C(O)−(低級アルキル)および−N(R)−C(O)−(ハロゲン置換低級アルキル)からなる群から選択され;
ここで各RおよびRは独立して水素 メチルまたはエチルから選択され;
はアルケニル、アルキニル、アリール、−(C2−4アルキル)−アリール、ヘテロアリールおよび−(C2−4アルキル)−ヘテロアリールからなる群から選択され;
ここでアルケニルまたはアルキニルは場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、NR、NR−C(O)−低級アルキルおよびフェニルからなる群から選択される1個の置換基で置換されてもよく;ここでRおよびRは各々が独立して水素または低級アルキルから選択され;そしてここでフェニルは場合によりハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、(低級アルキル)アミノおよびジ(低級アルキル)アミノからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されてもよく;
ここでアリールまたはヘテロアリールは、単独または置換基の一部であっても場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、弗化低級アルキル、弗化低級アルコキシ、フェノキシ、シアノ、ニトロ、NR、−(低級アルキル)−NR、−C(O)−(低級アルキル)および−C(O)−(低級アルコキシ)からなる群から選択される1〜2個の置換基で置換されてもよく;ここで各RおよびRは独立して水素または低級アルキルから選択され;
はORであり;ここでRは水素、メチル、エチル、−C(O)−メチルおよび−C(O)−エチルからなる群から選択されるか;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−ピロリジニル、2−テトラヒドロ−フラニル、2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル)、2−(2,5−ジヒドロ−フラニル)、2−イミダゾリジニル、2−オキサゾリジニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−ピペリジニル、6−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−(1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジニル)、2−テトラヒドロピラニル、6−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラニル)、2−(ヘキサヒドロ−ピリミジニル)、2−[1,3]オキサジナニルおよび2−[1,3]ジオキサニルからなる群から選択される環構造を形成し;
ここで環構造は場合によりC1−2アルキル、−(C1−2アルキル)−OHおよび−(C1−2アルキル)−ハロゲンからなる群から独立して選択される1もしくは複数の置換基で置換されてもよい、請求項1に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
が、水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−CN、−(CH)−ヘテロアリール、−(CH)−(C2−4アルケニル)、−(CH)−(C2−4アルキニル)、−(低級アルキル)−C(O)O−(低級アルキル)および−(低級アルキル)−O−Si(CH(t−ブチル)からなる群から選択され;
およびRが、各々独立してハロゲン、シアノおよびハロゲン置換低級アルキルからなる群から選択され;
がアルケニル、アルキニルおよびアリールからなる群から選択され;
ここでアルケニルは場合により、ヒドロキシ、カルボキシおよびフェニルからなる群から選択される置換基で置換されてもよく;
がOHであるか;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成し;
ここで環構造は場合によりメチル、エチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルおよび−(C1−2アルキル)−ハロゲンからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されてもよい、請求項2に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
が水素、メチル、エチル、シアノ−メチル−、2−ピリジル−メチル−、アリル、1−プロピン−3−イル、メトキシ−カルボニル−メチル−およびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシ−エチル−から成る群から選択され;
がクロロおよびトリフルオロメチルから成る群から選択され;
がクロロおよびシアノから成る群から選択され;
がビニル、(+)−ビニル、(−)−ビニル、アリル、(+)−アリル、(−)−アリル、2−メチル−アリル、2−プロペン−3−イル、Z−2−プロペン−3−イル、E−2−プロペン−3−イル、3−メチル−1−プロペン−3−イル、2−カルボキシ−1−プロペン−3−イル、3−フェニル−1−プロペン−3−イル、3,3−ジメチル−1−プロペン−3−イル、2,3−ジメチル−2−プロペン−3−イル、2−メチル−2−プロペン−3−イル)、イソプロペニル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−メチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−エチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル)、1−ブテン−4−イル、1−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イル、(−)−1−プロピン−3−イル、2−プロピン−3−イル、1−ヒドロキシ−2−プロピン−3−イル、1−フェニル−1−プロピン−3−イル、2−ブチン−4−イルおよびフェニルからなる群から選択され;RがOHであり;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−(4−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサラニル)、2−(4−クロロメチル−[1,3]−ジオキサラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成する、請求項3に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項5】
が水素、エチル、シアノ−メチル−、アリルおよび1−プロピン−3−イルから成る群から選択され;
がクロロおよびトリフルオロメチルから成る群から選択され;
がクロロおよびシアノから成る群から選択され;
がビニル、アリル、(+)−アリル、(−)−アリル、2−メチル−アリル、2−プロペン−3−イル、Z−2−プロペン−3−イル、E−2−プロペン−3−イル、3−メチル−1−プロペン−3−イル、3−フェニル−1−プロペン−3−イル、3,3−ジメチル−1−プロペン−3−イル、2,3−ジメチル−2−プロペン−3−イル、2−メチル−2−プロペン−3−イル、イソプロペニル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−メチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−エチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、1−ブテン−4−イル−、1−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イル、(−)−1−プロピン−3−イル、2−プロピン−3−イルおよびフェニルからなる群から選択され;
がOHであり;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−(4−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサラニル)、2−(4−クロロメチル−[1,3]ジオキサラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成する、請求項4に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項6】
が水素およびメチルから成る群から選択され;
がクロロおよびトリフルオロメチルから成る群から選択され;
がクロロおよびシアノから成る群から選択され;
がビニル、(+)−ビニル、アリル、Z−2−プロペン−3−イル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、1−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イルおよび(−)−1−プロピン−3−イルからなる群から選択され;
がOHであり;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニルおよび2−テトラヒドロフラニルからなる群から選択される環構造を形成する、請求項4に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項7】
が水素であり:
およびRが各々クロロであり;
がイソプロペニル、Z−2−プロペン−3−イルおよび(+)−ビニルからなる群から選択され;
がOHであり;
あるいはRおよびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−[1,3]ジオキサラニルを形成する、請求項4に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項8】
が水素および低級アルキルから成る群から選択され;
およびRが各々独立してハロゲン、ハロゲン置換低級アルキルおよびシアノから成る群から選択され;
がアルケニル、アルキニルおよびアリールからなる群から選択され;
ここでアルケニルは場合により、ヒドロキシ、カルボキシおよびフェニルからなる群から選択される置換基で置換されてもよく;
がOHである、請求項3に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項9】
が水素およびメチルから成る群から選択され;
がクロロおよびトリフルオロメチルから成る群から選択され;
がクロロおよびシアノから成る群から選択され;
がビニル、(+)−ビニル、(−)−ビニル、アリル、(+)−アリル、(−)−アリル、2−メチル−アリル、2−プロペン−3−イル、Z−2−プロペン−3−イル、E−2−プロペン−3−イル、3−メチル−1−プロペン−3−イル、2−カルボキシ−1−プロペン−3−イル、3−フェニル−1−プロペン−3−イル、3,3−ジメチル−1−プロペン−3−イル、2,3−ジメチル−2−プロペン−3−イル、2−メチル−2−プロペン−3−イル)、イソプロペニル、プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−メチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、3−エチル−プロパ−1,2−ジエン−3−イル、1−ブテン−4−イル、1−プロピン−3−イル、2−プロピン−3−イル、(+)−1−プロピン−3−イル、(−)−1−プロピン−3−イル、1−ヒドロキシ−2−プロピン−3−イル、1−フェニル−1−プロピン−3−イル、2−ブチン−4−イルおよびフェニルからなる群から選択され;
がOHである、請求項8に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項10】
が水素であり;
およびRが各々クロロであり;
がイソプロペニル、Z−2−プロペン−3−イルおよび(+)−ビニルからなる群から選択され;
がOHである、請求項7に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項11】
が、水素、低級アルキル、−(低級アルキル)−CN、−(CH)−ヘテロアリール、−(CH)−(C2−4アルケニル)、−(CH)−(C2−4アルキニル)、−(低級アルキル)−C(O)O−(低級アルキル)および−(低級アルキル)−O−Si(CH(t−ブチル)からなる群から選択され;
およびRが、各々独立してハロゲンおよびハロゲン置換低級アルキルからなる群から選択され;
およびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]ジオキソラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成し;
ここで環構造は場合によりヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルおよび−(C1−2アルキル)−ハロゲンからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されてもよい、請求項3に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項12】
が水素、メチル、エチル、シアノ−メチル−、2−ピリジル−メチル−、アリル、1−プロピン−3−イル、メトキシ−カルボニル−メチル−およびt−ブチル−ジメチル−シリルオキシ−エチルから成る群から選択され;
がクロロおよびトリフルオロメチルから成る群から選択され;
がクロロであり;
およびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2,5−ジヒドロ−フラニル、2−テトラヒドロフラニル、2−[1,3]−ジオキソラニル、2−(4−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサラニル)、2−(4−クロロメチル−[1,3]ジオキサラニル、2−[1,3]ジオキサニル、2−イミダゾリルおよび2−オキサゾリジニルからなる群から選択される環構造を形成する、請求項11に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項13】
が水素であり;
およびRが各々クロロであり;
およびRはそれらが結合している原子と一緒になって、2−[1,3]−ジオキサラニルを形成する、請求項12に記載の化合物またはその製薬学的に許容され得る塩。
【請求項14】
製薬学的に許容され得る担体および請求項1に記載の化合物を含んで成る製薬学的組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物と製薬学的に許容され得る担体を混合することで作られた製薬学的組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物および製薬学的に許容され得る担体を混合することを含んで成る製薬学的組成物の作成方法。
【請求項17】
アンドロゲン受容体が媒介する障害を処置する方法であって、それが必要な個体に治療に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んで成る上記方法。
【請求項18】
アンドロゲン受容体が媒介する障害を処置する方法であって、それが必要な個体に治療に有効な量の請求項14に記載の製薬学的組成物を投与することを含んで成る上記方法。
【請求項19】
アンドロゲン受容体により媒介される障害が、悪液質、骨粗鬆症、骨減少症および男性更年期からなる群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前立腺癌、良性前立腺過形成(BPH)、多毛症、脱毛症、神経性食欲不振、乳癌、にきび、エイズ、悪液質、男性更年期、骨減少症、骨粗鬆症、女性の性的機能不全、男性の性的機能不全、性的衝動の減退、男性の避妊、男性機能および火傷の回復における筋肉置換から成る群から選択される状態を処置する方法であって、処置が必要な個体に治療に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んで成る上記方法。
【請求項21】
処置が必要な個体における(a)前立腺癌、(b)良性前立腺過形成(BPH)、(c)多毛症、(d)脱毛症、(e)神経性食欲不振、(f)乳癌、(g)にきび、(h)エイズ、(i)悪液質、(j)男性更年期、(k)骨減少症、(l)骨粗鬆症、(m)女性の性的機能不全、(n)男性の性的機能不全、(o)性的衝動の減退を処置するために、(p)男性避妊のための、(q)男性機能強化のための、または(r)火傷の回復における筋肉置換のための、薬剤の調製における請求の範囲に記載する化合物の使用。

【公表番号】特表2009−524687(P2009−524687A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552542(P2008−552542)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/060883
【国際公開番号】WO2007/087518
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】