説明

避難誘導システム

【課題】 避難経路の混雑を抑制することができる避難誘導システムを提供する。
【解決手段】 避難経路となり得る経路P0〜P4には、それぞれ照明器具が設置されている。各照明器具は、それぞれ、周囲の人の数を検出して制御装置に送信する機能と、制御装置から指定された避難経路を示す光信号を送信する機能とを有する。それぞれ避難経路として選択され得る2個の経路P1,P2の分岐点に設けられた照明器具に対して制御装置から指定される避難経路は、2個の経路P1,P2のうち検出された人の数がより少ない一方とされる。各経路P1,P2に避難者が分散することにより、避難経路となる各経路P1,P2における混雑を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難誘導システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、照明器具の光を用いた可視光通信によって災害時の避難誘導を行う避難誘導システムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、避難者は照明器具から送信され避難場所等を示す光信号を例えば携帯電話機のような携帯通信端末によって受信すれば、該携帯通信端末において上記避難場所等を示す表示等が行われ、これによって適切な避難経路を知ることができるのである。
【0003】
上記のように可視光通信を用いた避難誘導システムによれば、一般的な案内板や誘導灯のような固定的な避難誘導手段とは異なり、火災等の災害の発生箇所に応じて適切な誘導が可能であるという利点がある。
【特許文献1】特開2006−135859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の避難誘導システムにおいて、特定の避難経路に誘導される避難者の数が多すぎた場合、避難に遅れが生じる上に、将棋倒し等の二次災害が発生するリスクも高くなる。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、避難経路の混雑を抑制することができる避難誘導システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、複数個の照明器具と、災害の発生を示すトリガが外部から入力されたとき、送信元の照明器具の位置と該位置からの避難経路とを示す非常信号を光信号として送信するように指示する指示信号を各照明器具にそれぞれ送信する制御装置と、避難者によって携行され、照明器具から送信された光信号を受信して該光信号に示された位置と避難経路とを避難者に報知する携帯通信端末とを備える避難誘導システムにおいて、非常信号において避難経路として示されうる複数個の経路の少なくとも1個ずつに対応付けて設けられ、それぞれ対応付けられた経路の混雑の程度を示す混雑通知信号を制御装置に送信する少なくとも1個の混雑検出装置を備え、携帯通信端末は、各照明器具からそれぞれ送信される光信号を受信する光受信部と、該携帯通信端末を携行する避難者に対して光受信部に受信された光信号に示された位置と避難経路とをそれぞれ報知する報知部とを有し、各照明器具は、それぞれ、制御装置との通信用の通信部と、照明器具毎に予め割り当てられた識別情報が格納された記憶部と、光源と、光源を点灯させる点灯部と、指示信号が通信部に受信されたときには自身の位置と該指示信号に示された避難経路とを示す非常信号が光源の光を媒体とした光信号として送信されるように点灯部を制御する制御部とを有し、各混雑検出装置は、それぞれ、制御装置との通信用の通信部と、対応付けられた経路を示す経路情報が格納された記憶部と、該経路の混雑の程度を検出する混雑検出部と、混雑検出部によって検出された混雑の程度と経路情報とを示す混雑通知信号を制御装置に送信するように通信部を制御する制御部とを有し、制御装置は、各照明器具及び各混雑検出装置との通信用の通信部と、各照明器具に関してそれぞれ識別情報と位置との対応関係が格納された記憶部と、災害の発生を示すトリガが入力されるトリガ入力部と、トリガ入力部にトリガが入力されたときに記憶部に格納された対応関係と混雑検出装置から受信される混雑通知信号に示された混雑の程度とに基いて特定の経路の過度の混雑を避けるように選択された避難経路を示す指示信号を各照明器具にそれぞれ送信するように通信部を制御する制御部とを有することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、混雑検出装置によって検出された混雑の程度が避難経路の選択に用いられることにより、特定の経路への避難者の集中を避け、これによって避難経路の混雑を抑制することができる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、混雑検出部は、対応付けられた経路を撮影するカメラと、カメラによって撮影された映像を画像処理して混雑の程度を判定する混雑判定部とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、携帯通信端末は、避難経路の報知を他の動作よりも優先して行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、混雑検出装置によって検出された混雑の程度が避難経路の選択に用いられることにより、特定の経路への避難者の集中を避け、これによって避難経路の混雑を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態は、図2に示すように、それぞれ災害を検出する災害検出部15(図3参照)を有する複数個の照明器具1と、各照明器具1にそれぞれ接続されていずれかの照明器具1において災害が検出されたときに避難経路を指示する非常信号を光信号として送信するように指示する指示信号を各照明器具1にそれぞれ送信する制御装置2と、使用者によって携行され照明器具1から送信された光信号を受信して該光信号から得られた避難経路を使用者に報知する携帯通信端末3とを備える。各照明器具1は、それぞれ、避難経路となり得る例えば廊下のような経路の天井や壁に、光信号の到達範囲間に重なりが生じない程度であってなるべく小さい間隔で配設されている。
【0013】
詳しく説明すると、各照明器具1は、それぞれ、図3に示すように、光源10と、信号線SLを介して制御装置2に接続される通信部11と、光源10を点灯させる点灯部12と、不揮発性メモリからなり自己(照明器具1)の位置を示す位置情報が格納された記憶部13と、記憶部13に格納された位置情報が含まれる光信号である位置信号が光源10の光を媒体として送信されるように点灯部12を制御する制御部14とを備える。光源10としては例えば放電灯や発光ダイオードを用いることができ、点灯部12としては例えば周知のインバータ回路や直流電源回路を用いることができる。また、光源10と点灯部12とを複数組用いてもよい。光源10の光は、例えば人間の目に認識できない程度に高い周波数の搬送波を用いた周波数変調によって光信号となる。例えば、光源10としての放電灯と点灯部12としてのインバータ回路とを組み合わせて用いる場合、上記の周波数変調はインバータ回路が放電灯に供給する交流電力の周波数の制御によって実現可能である。また、照明器具1の電源としては、商用電源を用いるほか、電池(図示せず)を備え、停電時には電池を電源として動作可能とすることが望ましい。さらに、記憶部13に位置情報を格納する手段としては、位置情報の入力操作を受け付ける操作部(図示せず)を設けてもよいし、位置情報の入力用の装置を接続するための端子(図示せず)を設けてもよい。
【0014】
携帯通信端末3は例えば光信号の受信機能を有する携帯電話機であって、図4に示すように、使用者による操作入力を受け付ける操作部31と、照明器具1から送信された光信号を受信する光受信部32と、プログラムが格納される記憶部33と、例えば液晶パネルからなる表示部34と、操作部31に受け付けられた操作入力と光受信部32に受信された光信号と記憶部33に格納されたプログラムとに従って表示部34を制御する制御部35とを備える。操作部31は、例えば複数個の押釦スイッチやタッチパネルによって構成される。また、光受信部32は、入射した照明器具1の光を電気信号に変換する受光素子32aと、受光素子32aの出力を増幅する増幅回路32bと、増幅回路32bの出力からノイズを除去するBPF(Band Pass Filter)32cと、BPF32cの出力を復調してデジタル信号を得て制御部35に入力する復調回路32dとからなる。受光素子32aとしては、例えばフォトダイオードや太陽電池を用いることができる。さらに、受光素子32aにおいて照明器具1の光が入射する受光面を、照明器具1の光源10の光とは波長が異なる光を選択的に減衰させるような光学フィルタで覆ってもよい。
【0015】
携帯通信端末3において、制御部35は、光受信部32に受信された位置信号に基いて表示部34を制御し、携帯通信端末3の現在位置(厳密には位置信号を送信した照明器具1の位置)を示す表示を行わせることができる。この表示は、具体的には、現在位置を示すマークを地図上に表示するものである。地図の表示に用いられる地図データとしては、予め携帯通信端末3の記憶部33に格納される構成としてもよいし、照明器具1からの光信号に含まれる構成としてもよい。また、制御部35は、操作部31に受け付けられた操作入力に応じて、上記の地図の拡大・縮小を行うように表示部34を制御する。
【0016】
さらに、各照明器具1は、それぞれ災害の発生を検出する災害検出部15を備える。災害検出部15としては、例えば煙や熱を検出することによって災害としての火災を検出する周知の火災検出器を用いることができる。制御部14は、災害検出部15によって災害が検出されたとき、通信部11を制御して制御装置2に対し災害の発生を通知する災害発生信号を送信させる。ここで、各照明器具1において、記憶部13には、照明器具1毎に予め割り当てられた識別情報が格納されており、各照明器具1から制御装置2に送信される災害発生信号等の信号には識別情報が含まれる。
【0017】
また、制御装置2は、図5に示すように、信号線SLを介して各照明器具1に接続された第1通信部21と、ネットワークNWを介してサーバ4に接続された第2通信部22と、各照明器具1の識別情報と位置情報との対応関係や避難経路の情報といったデータが格納された記憶部23と、各通信部21,22をそれぞれ制御する制御部24とを備える。記憶部23に格納される上記データは、例えば第2通信部22とネットワークNWとを介してサーバ4からダウンロードされる。第1通信部21に災害発生信号が受信されると、制御部24は、災害発生信号に含まれる識別情報と、記憶部23に格納されたデータとから、災害が検出された位置(以下、「災害発生位置」と呼ぶ。)を特定し、各照明器具1について、それぞれ、照明器具1の位置において選択されるべき避難経路を決定するとともに、第1通信部21を制御して該避難経路と災害発生位置との情報を含み非常信号の送信を指示する指示信号を送信させる。つまり、第1通信部21が請求項におけるトリガ入力部である。
【0018】
各照明器具1では、それぞれ、通信部11に指示信号が受信されると、制御部14は、点灯部12を制御し、該指示信号に含まれる避難経路と災害発生位置との情報を位置信号に加えた光信号である非常信号を送信させる。
【0019】
携帯通信端末3では、照明器具1から送信された非常信号が光受信部32に受信されると、制御部35は、表示部34を制御し、非常信号に示された避難経路を例えば地図上に現在位置を起点とする矢印として表示させるとともに、非常信号に示された災害発生位置が地図の表示範囲内にある場合には地図上における災害発生位置にマークを表示する。つまり、表示部34が請求項における報知部である。さらに、災害発生位置からの距離や、避難経路の先にある非常口までの道のりの長さが併せて表示されるようにしてもよい。ここで、携帯通信端末3は、インターネットへの接続機能やゲーム機としての機能といった他の機能を有していてもよいが、非常信号が光受信部32に受信されたときには非常信号に基いた避難経路の表示動作が上記他の機能の動作よりも優先されることが望ましい。
【0020】
ここで、本実施形態は、制御装置2において、指示信号に避難経路として示す経路を決定するに当り、指示信号の送信先となる照明器具1の位置や災害発生位置だけでなく、経路の混雑の程度が加味されることを特徴とする。以下、具体的に説明する。
【0021】
各照明器具1には、それぞれ、経路の混雑の程度を検出する混雑検出部16が設けられている。混雑検出部16は、例えばCCD(Charge Coupled Device)のような周知の撮像素子を用いて経路を撮影するカメラ16aと、カメラ16aによって撮影された画像を画像処理してカメラ16aの撮影範囲内に存在する人の数(混雑の程度)を判定する混雑判定部16bとからなる。より具体的には、混雑判定部16bは、例えば、画像から人の顔を抽出するとともに、抽出された人の顔の数を計数することにより、カメラ16aの撮影範囲内の人の数を得る。このような混雑検出部16は周知技術で実現可能であるので、詳細な説明は省略する。
【0022】
制御装置2では、第1通信部21に災害発生信号が受信されると、制御部24は、災害発生信号を送信した照明器具1の位置から、避難経路として選択され得る経路を決定する。ここで、避難経路として選択され得る経路とは、例えば、災害発生位置から離れる方向であっていずれかの非常口へ到達する経路である。そして、選択された経路から複数個の経路が分岐していた場合、第1通信部21を制御し、分岐後の経路のいずれかにおける混雑の程度を混雑検出部16によって検出する(つまり分岐後の経路上に配置された)各照明器具1に対し、それぞれ混雑の程度の通知を要求する通知要求信号を送信する。
【0023】
各照明器具1において、通信部11に通知要求信号が受信されると、制御部14は、混雑検出部16によって検出された混雑の程度を示す混雑通知信号を送信させる。照明器具1から制御装置2へ送信される他の信号と同様に、混雑通知信号にも、送信元の照明器具1の識別情報が含まれており、これが請求項における経路情報に相当する。
【0024】
制御装置2では、各照明器具1から送信されて第1通信部21に受信された混雑通知信号から、分岐後の各経路について、それぞれ、例えば経路上の各照明器具1からの混雑通知信号に示された人数を合計することにより、存在する人の数を算出する。そして、経路の分岐点の照明器具へ送信される指示信号に示す避難経路とする経路を選択するに当っては、分岐後の各経路に対してそれぞれ経路の幅等に応じた許容量を超える人数が誘導されることを避けるように、避難経路とする経路を選択する。例えば、分岐後の各経路がそれぞれ同程度の面積である場合には、上記避難経路として、最も人が少ない経路を選択することにより、誘導される避難者の密度を分岐後の各経路でそれぞれ同程度とする。
【0025】
上記の通知要求信号や混雑通知信号の送信、並びに、混雑通知信号に基いた指示信号の生成及び送信は、災害発生信号が受信され続ける限りにおいて定期的に行われる。つまり、経路の上記分岐点に配置された照明器具1では、分岐後の各経路の混雑の程度の変動に合わせて、送信される非常信号の内容が適宜切り換わる。
【0026】
例えば、図1に示すように、東西に2個ずつ計4個の非常口E1〜E4が存在するエリアにおいて、エリアの中央部P0から西側の2個の非常口E1,E2に向かう経路P1,P2同士と東側の2個の非常口E3,E4に向かう経路P3,P4同士とはそれぞれ互いに分岐していて、災害発生位置DSが東側の一方の非常口E3に向かう経路P3上である場合を考える。この場合、エリアの中央部P0に対しては、東側の他方の非常口E4に向かう経路P4は災害発生位置DSに近づく方向であるので、避難経路としては矢印A0で示すように西方向の経路P1,P2のみが選択され得る。通知要求信号は、西側の2個の非常口E1,E2への分岐後の経路P1,P2上に位置する各照明器具1に対して送信される。そして、経路P1,P2の分岐点に設けられた照明器具1に対して送信される指示信号は、一方の経路P2に存在する人の数が他方の経路P1に存在する人の数よりも多い場合には矢印A1で示すように上記他方の経路P1を避難経路として示すものとなり、逆に上記他方の経路P1に存在する人の数がより多い場合には矢印A2で示すように上記一方の経路P2を避難経路として示すものとなる。
【0027】
上記構成によれば、避難経路となり得る経路P1,P2のうちの1個(特定の経路)に避難者が集中することによる避難経路の混雑を避けることができる。
【0028】
なお、混雑通知信号を用いた避難経路の選択の動作は上記に限られず、例えば、災害発生位置DSから離れる方向にある非常口E1,E2のうち最も近い非常口E2への経路P2を基本的には避難経路として選択し、該経路P2において混雑通知信号から得られた人の数が所定の閾値以上であった場合には次に近い非常口E1への経路P1を避難経路として選択するというように、混雑の程度を示す数値が所定の閾値以上である経路と災害発生位置に近づく経路とを除外した上で最も近い非常口への経路が避難経路として選択される動作としてもよい。
【0029】
また、災害検出部15は上記のような火災検出器に限られず、例えば有毒ガスなどの危険物質の漏洩を検出するものであってもよい。さらに、地震のように一般に広域に及ぶ災害を検出の対象とする場合には、災害検出部15は必ずしも全ての照明器具1に設ける必要はない。また、災害検出部15と記憶部13と通信部11とを有して信号線SLを介して制御装置2に接続され災害の検出時に災害発生信号を制御装置2に送信する災害検出装置(図示せず)を、照明器具1とは別に設けてもよい。
【0030】
さらに、本実施形態では照明器具1が請求項における混雑検出装置としても機能しているが、混雑検出部16と記憶部13と通信部11とを有して信号線SLを介して制御装置2に接続され制御装置2からの通知要求信号に応じて混雑通知信号を制御装置2に送信する混雑検出装置(図示せず)を、照明器具1とは別に設けてもよい。この場合、混雑検出部16としては、周知の人感センサや、床面に敷設された圧電素子を用いた感圧装置などを用いることができる。
【0031】
ただし、災害検出装置や混雑検出装置を照明器具1とは別に設けた場合には、それらの位置を制御装置2に認識させるために、施工(増設や交換を含む)の際には、識別情報を災害検出装置や混雑検出装置の記憶部13に入力する入力作業や、識別情報と位置情報との対応関係を制御装置2の記憶部23に入力する入力作業が、照明器具1に関する上記入力作業とは別途に必要となる。これに対し、本実施形態では、照明器具1に関する入力作業だけで、制御装置2では災害検出部15や混雑検出部16の位置も同時に認識されることになるから、上記のように災害検出装置や混雑検出装置を別途に設ける場合に比べて施工性や保守性が高いという利点がある。
【0032】
また、本実施形態では制御装置2の第1通信部21が請求項におけるトリガ入力部となっているが、災害の発生を示す信号や災害発生位置DSを示す信号が例えばネットワークNWを介して入力されるようにしてもよい。この場合、第2通信部22が請求項におけるトリガ入力部となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本実施形態の動作を示す説明図である。
【図2】同上を示すブロック図である。
【図3】同上の照明器具を示すブロック図である。
【図4】同上の携帯通信端末を示すブロック図である。
【図5】同上の制御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0034】
1 照明器具
2 制御装置
3 携帯通信端末
10 光源
11 通信部
12 点灯部
13 記憶部
14 制御部
16 混雑検出部
21 第1通信部
22 第2通信部
23 記憶部
24 制御部
32 光受信部
34 表示部(請求項における報知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の照明器具と、
災害の発生を示すトリガが外部から入力されたとき、送信元の照明器具の位置と該位置からの避難経路とを示す非常信号を光信号として送信するように指示する指示信号を各照明器具にそれぞれ送信する制御装置と、
避難者によって携行され、照明器具から送信された光信号を受信して該光信号に示された位置と避難経路とを避難者に報知する携帯通信端末とを備える避難誘導システムにおいて、
非常信号において避難経路として示されうる複数個の経路の少なくとも1個ずつに対応付けて設けられ、それぞれ対応付けられた経路の混雑の程度を示す混雑通知信号を制御装置に送信する少なくとも1個の混雑検出装置を備え、
携帯通信端末は、各照明器具からそれぞれ送信される光信号を受信する光受信部と、該携帯通信端末を携行する避難者に対して光受信部に受信された光信号に示された位置と避難経路とをそれぞれ報知する報知部とを有し、
各照明器具は、それぞれ、制御装置との通信用の通信部と、照明器具毎に予め割り当てられた識別情報が格納された記憶部と、光源と、光源を点灯させる点灯部と、指示信号が通信部に受信されたときには自身の位置と該指示信号に示された避難経路とを示す非常信号が光源の光を媒体とした光信号として送信されるように点灯部を制御する制御部とを有し、
各混雑検出装置は、それぞれ、制御装置との通信用の通信部と、対応付けられた経路を示す経路情報が格納された記憶部と、該経路の混雑の程度を検出する混雑検出部と、混雑検出部によって検出された混雑の程度と経路情報とを示す混雑通知信号を制御装置に送信するように通信部を制御する制御部とを有し、
制御装置は、各照明器具及び各混雑検出装置との通信用の通信部と、各照明器具に関してそれぞれ識別情報と位置との対応関係が格納された記憶部と、災害の発生を示すトリガが入力されるトリガ入力部と、トリガ入力部にトリガが入力されたときに記憶部に格納された対応関係と混雑検出装置から受信される混雑通知信号に示された混雑の程度とに基いて特定の経路の過度の混雑を避けるように選択された避難経路を示す指示信号を各照明器具にそれぞれ送信するように通信部を制御する制御部とを有することを特徴とする避難誘導システム。
【請求項2】
混雑検出部は、対応付けられた経路を撮影するカメラと、カメラによって撮影された映像を画像処理して混雑の程度を判定する混雑判定部とを有することを特徴とする請求項1記載の避難誘導システム。
【請求項3】
携帯通信端末は、避難経路の報知を他の動作よりも優先して行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の避難誘導システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−26148(P2009−26148A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189957(P2007−189957)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】