説明

部分的に中和された酸により被覆された食品グレード粒子

本発明は、被覆された食品グレード粒子、好ましくは被覆された食品グレード酸及び/又はそれらの塩に関し、ここで該粒子は、部分的に中和されたポリカルボン酸を含むコーティングにより被覆された食品グレードコアである。本発明はさらに、該被覆された食品グレード粒子を製造する方法および食物適用におけるこれの使用方法に関する。本発明は、特定の部分的に中和されたポリカルボン酸、特にはリンゴ酸水素ナトリウム及び/又はカリウムのコーティング剤としての使用方法を包含する。さらに、本発明は、部分的に中和されたポリカルボン酸により被覆された食品グレード粒子を含む食物及び飲料製品に向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆された食品グレード(food-grade)粒子、特には被覆された食品グレード酸及び/又はその塩に関し、ここで該粒子は部分的に中和されたポリカルボン酸により被覆される。本発明は、該部分的に中和されたポリカルボン酸のコーティング剤としての使用方法にも向けられる。
【0002】
本発明はさらに、上述の被覆された粒子を製造する方法及び部分的に中和されたポリカルボン酸により被覆された該食品グレード粒子を含む食物製品又は飲料製品に関する。
【背景技術】
【0003】
食品グレード酸は、種々の理由の為に被覆され又はカプセル化される。最もしばしばカプセル化され又は被覆される酸は、食物適用における該酸の制御された放出の為に用いられる。次に、例えば、コーティング層又はカプセル化層と水との接触、熱の適用、又はpHの変化によるような制御可能な出来事に起因して該酸は放出される。
【0004】
さらに、コーティング層又はカプセル化層は、環境から該酸を保護する為に用いられる。例えば、吸湿性の酸は、貯蔵の間にねばつくようになる傾向にあり及び、しばしば、味及びテクスチャーにおける損失が観察される。該酸はそれらの機能を失い、及び結果として、これらの酸を含む食物製品は、味及び/又はテクスチャーにおいて悪影響を及ぼされる。該酸の周囲のコーティング層又はカプセル化層の適用は、この問題を解決し、及び、該酸の貯蔵寿命及び該被覆された酸を含む食物製品の貯蔵寿命を延長する。
【0005】
食物及び/若しくは飲料の適用に依存して並びに/又は該酸の制御された放出の為に用いられる機構に依存して、種々のコーティング層又はカプセル化層が可能である。熱処理に付される食物適用は、脂又は油組成物によりしばしば被覆された食品グレード酸を含むことがよく知られている。水と接触することになる食物適用は、例えばグリセリド又は水素化油などの(部分的に)水溶性のコーティングを要求する。いくつかのコーティングは、被覆された又はカプセル化された酸の放出の為に、pHの変化を要求する。
【0006】
国際公開第2004/012534号パンフレットに記載されるとおり、他のよく知られたカプセル化材料又はコーティング材料は、ワックス、炭水化物、タンパク質、ポリマー、及び/又はこれらの混合物を含みうる。国際公開第2004/012534号パンフレット及びその対応米国特許出願公開第2004/115315号明細書は、該材料による結晶性乳酸の該カプセル化に向けられる。
【0007】
米国特許第4,713,251号明細書は、リン酸などの液体酸のカプセル化のための噴出方法を記載する。ここに、水溶性の膜形成性又はマトリックス形成性の剤が適用される。非タンパク質ベースの材料(例えば、加工デンプン)、天然ゴム、水溶性セルロース化合物、多糖類、タンパク質(カゼイン、ゼラチン、グルテン)のような剤、及びポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン又はカルボキシル化スチレンのような合成の膜形成性剤が記載される。これらの剤は、該最終製品の特定の融合された又はガラス状の硬い外観又はテクスチャーを得る為に、リン酸、クエン酸、酒石酸、炭酸のアルカリ金属塩又はカルシウム塩又はその水和物などの非常に水溶性の塩と混合されうる。該塩又はマトリックス形成性成分は、カプセル化されるべき該酸と混合され、その後該混合物は押出される。これは、例えば該酸と上述の塩とが分散される例えばデンプンなどのマトリックスを結果する。
【0008】
米国特許第6,416,799号明細書はカプセル化組成物の形成に向けられ、そこでは例えば香味剤などの被カプセル化物(encapsulate)が、室温でガラス状態で安定であるマトリックス中にカプセル化される。ここに、米国特許第6,416,799号明細書において、多量のマルトデキストリンを含むガラス状マトリックスが用いられる。マルトデキストリンマトリックス中の緩衝系を用いることにより、室温でガラス状態で安定であり且つさらにpH感受性香味成分のカプセル化に適当であるマトリックスが得られる。80〜95重量%のマルトデキストリン、1〜15重量%の有機酸の塩、及び0〜15重量%の有機酸を含むマトリックスが記載されており、後者の2つはpH感受性香味成分の為の該緩衝系を形成する。適当な有機酸の塩として、1以上の酸性プロトンが、カチオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、及びアンモニウム、例えば酸一ナトリウム塩(mono-sodium acid salt)などと置換されている塩もまた言及されている。
【0009】
該カプセル化は押出方法を通じて実施され、及び、その最終産物は、押出を通じて、少量の有機酸の塩及び/又は有機酸を有するマルトデキストリンのマトリックスによってカプセル化された香味剤である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
当技術分野の上述の状態において、化学的に複雑であり且つしばしば高価である材料が、コーティング剤又はカプセル化剤として用いられる(例えばグリセリド及び水素化油)。多くの一般に用いられるコーティング剤は、これらのコーティング剤を含む該食物製品の味、テクスチャー及び/又は外観に悪影響を及ぼすことが知られている。ときどき、これは、該被覆された成分上の該コーティング剤の直接の影響に起因し、及び/又は、ときどき、それは該食物製品中に存在する他の成分に対する該コーティング剤の影響に起因する。
【0011】
例えばデンプン及び炭水化物のような、用いられる該コーティング剤の多くは、例えば吸湿性に関して不安定であり、それにより、貯蔵の間に、該被覆された製品及び/又は該被覆された製品を含む該食物製品の味、テクスチャー、及び外観も変えうる。最もしばしば、該コーティング剤は該被覆された製品の該機能に影響し、及び/又は、該コーティング剤に起因して、適用されることができる該被覆された成分の濃度が最小化される。
【0012】
さらに、該コーティング剤のいくつか、例えば油などは、該カプセル化された成分を放出する為の複雑な機構を要求し、及び/又は、該機能的成分の放出が実際に達成されるまでに相当量の時間を要求する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記で言及された不利点を打破する為の溶液を提供する。本発明は、いくつかの機能を有する、化学的に簡単であり且つ安定であるコーティング剤の使用方法に関し、これはさらに該カプセル化された又は被覆された成分に悪影響を及ぼさず、且つ、該成分の貯蔵寿命を延ばす。本発明はさらに、味、テクスチャー及び/又は外観の劣化無しで増加された貯蔵寿命を有する食物製品に関する。さらに、本発明は、消化の間の即時且つ長期の酸味感覚を有する食物製品に向けられる。
【0014】
本発明により提供される他の利点は、該コーティングが酸などに直接に適用されることができるので、酸などの該被覆された機能的成分の含有量が非常に高くできる。例えば、マトリックス形成剤が要求される、押出を通じたマトリックス中の該活性成分のカプセル化とは対照的に、補助的な材料は要求されない。
【0015】
本発明はさらに、簡単に且つ信頼性良く製造する方法に関する。
【0016】
ここに、本発明は、コア及びコーティングを有する食品グレード粒子に向けられ、ここで該コーティングは少なくとも1つの層を含み、該層のそれぞれが少なくとも50重量%(重量に基づく)の部分的に中和されたポリカルボン酸を含む組成物から作られる。好ましくは、該部分的に中和されたポリカルボン酸は、全部のコーティング組成物に基づき、重量ベースの濃度で70重量%以上である。
【0017】
上記で言及された先行文献の押出方法は、該活性成分が、該マトリックス形成剤及び/又は他の追加の成分又は剤により囲まれている粒子を産出する。該方法は、コアが該活性成分を含み且つコーティングがシェルを形成するコア−コーティング構成(「コア−シェル構造」とも呼ばれる)を有する被覆された粒子を産出しない。本発明の粒子は、このコア−コーティング構成を有する。
【0018】
該コア−コーティング構成の目的は、1つの粒子内に種々の機能を作り出し及び例えば外観、テクスチャー、密度、流動性、溶出速度などの点における種々の物理的特性を該粒子に与え、それを種々の適用の為に非常に適当なものにし且つ該粒子の取扱い及び貯蔵において適当なものにすることである。コアとコーティングとが、組成において、存在する成分のタイプの点で又は存在する成分の濃度で異なること、及び/又は、物理的特性において、例えばテクスチャー又は密度の点で異なることは言うまでもない。
【0019】
本発明の食品グレード粒子の該コアは、非結晶性又は結晶性でありうる単独の粒子を含み、及び/又はいくつかの粒子の凝集体を含む。すなわち、該粒子は、円形の粒子から不規則な形の粒子に及ぶ種々の形を有しうる。
【0020】
該コーティング層又はカプセル化層は、該コアの周囲の層又はシェルを含み、ここで該層は種々の厚さを有してよい。該コーティング層はさらに、いくつかの層からなってよい。該カプセル化層又はコーティング層は、それが用いられる適用に依存して、完全に又は部分的に閉じられてよい。
【0021】
該コーティング層は、全粒子の、最小で20重量%(重量に基づく)であり、及び好ましくは約40〜80重量%又は40〜80重量%である。特に、全粒子の約50〜70重量%及び最も好ましくは65〜70重量%のコーティングが適用される。
【0022】
該粒子は、種々のサイズを有する種々の形を有してよい。該食物適用に依存して、該平均粒子サイズ(当技術分野の当業者が知るとおり粒子サイズ分布のD50値としてもいわれる)は、例えば最大で300マイクロメーターのより低い範囲に、又は、例えば500〜1000マイクロメーター、より好ましくは500〜750マイクロメーターのより高い範囲に維持されるであろう。食物適用の大部分にとって、200〜500マイクロメーターの平均粒子サイズは非常に適当であるとわかった。
【0023】
本発明に従う表現「部分的に中和されたポリカルボン酸」は、酸の形の少なくとも1つのカルボキシル基と塩の形の少なくとも1つのカルボキシル基とを有する酸を意味する。該塩の形のカルボキシル基は、中和されたカルボン酸基である。その例は、リンゴ酸水素一ナトリウムである。該部分的に中和されたポリカルボン酸は、2より多いカルボキシル基を有する産であって、該カルボキシル基の1以上が中和されている酸でもありうる。例は、中和された1つのカルボキシル基と酸の形の2つのカルボキシル基とを有するクエン酸二水素一ナトリウム、及び、中和された2つのカルボキシル基と1つの酸性基とを有するクエン酸水素二ナトリウムである。
【0024】
そのような部分的に中和されたポリカルボン酸はいくつかの機能を有する:該酸性基は、一方で酸味を与え、他方で該中和された酸性基は例えば、減じられた吸湿性の点で該酸を安定化する。
【0025】
該部分的に中和されたポリカルボン酸が、コーティング目的のために非常によく用いられうることが分かった。その結果は、コーティングが多機能的であるところの、コアとコーティングとを有する食品グレード粒子である:該コーティングが該粒子に酸味を導入し、且つ、該部分的に中和された酸の存在の故に増加された安定性を有し、且つ、さらにコーティングとして働き、すなわち該コアを保護し且つそれにより増加された安定性と貯蔵寿命とを有する被覆された食品グレード粒子を提供する。
【0026】
米国特許第3370956号明細書は、ヒドロキシカルボン酸及び/又はその金属塩、例えばカリウム塩及びナトリウム塩などを有するフマル酸結晶のコーティングを記載する。該塩の追加の実施例は与えられていない。該特許は、部分的に中和されたポリカルボン酸を明確に用いることの可能性を記載も示唆もしない。
【0027】
加国特許第2530216号明細書は、そのような部分的に中和されたポリカルボン酸、例えばリンゴ酸水素ナトリウム、クエン酸二水素カリウムなどの使用方法、及び、食物製品及び飲料製品における適用を含む種々の目的についての他のものを記載する。記載された種々の適用において、該部分的に中和された酸は、活性成分として用いられており、コーティング剤として用いられていない。該加国特許は、そのような部分的に中和された酸が、コーティング剤としての適用にとって非常に適することを開示も示唆もしない。この特許はさらに、被覆され又はカプセル化されるべき該成分を環境的影響から保護すること及びそれにより、種々の味覚を導入することによって又は酸味感覚を延長することなどによって、該成分又はそれが適用されるべき食物製品又は飲料製品に悪影響を及ぼすこと無く該成分の貯蔵寿命を増すことに関する上記で記載されたとおりの利点を開示しない。
【0028】
本発明の被覆された粒子において、好ましくは、部分的に中和されたポリカルボン酸を含むコーティングが用いられ、該酸はリンゴ酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、酒石酸、及び/又はこれらの混合物から選ばれる。リンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウム、クエン酸二水素一ナトリウム又は一カリウム、又はクエン酸水素二ナトリウム又は二カリウムを含むコーティングが、非常に良い酸味感覚と一緒に非常に安定なコーティングを提供すると分かる;最も好ましいものはリンゴ酸水素ナトリウム又はカリウムを含むコーティングである。
【0029】
本発明に従うコーティングは、例えばリンゴ酸水素一ナトリウムとクエン酸水素二ナトリウムとの混合物のような、種々の部分的に中和されたポリカルボン酸の組合せも含みうる。上記で言及された部分的に中和されたポリカルボン酸の全ての組合せが可能である。
【0030】
該組合せは、1つのコーティング層において、又は、例えば該食品グレードコアを部分的に又は完全に囲むクエン酸一ナトリウムの内部コーティング層の上に、リンゴ酸水素一ナトリウムを含む外側コーティング層を有する粒子をもたらすいくつかのコーティング層において適用されうる。
【0031】
本発明の粒子のコアは、例えば香味剤、保存料、抗微生物剤、抗菌剤、及び/又は食品強化剤のような1以上の機能的成分を含みうる。
【0032】
本発明の被覆された粒子のコアは種々の形態を有してよく:それは例えば粒子の混合物であってよく、それは押出された粒子又は部分的に若しくは完全に被覆された粒子又は多層にされた粒子などであってよい。
【0033】
該コアは、食品グレード酸及び/又は部分的に若しくは完全に中和された食品グレード有機酸の塩、例えば乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、リンゴ酸水素一ナトリウム及びリンゴ酸二ナトリウムなどを含む。該コアは、存在する成分の点で及び該存在する成分の濃度の点で、該コーティングと異なる組成を有しうる。
【0034】
食品グレード酸を含むコアは、本発明に従う部分的に中和されたポリカルボン酸を有するコーティングにとって非常に適当であると分かった。大抵の食品グレード酸が、吸湿性の点で非常に不安定であることがよく知られている。本発明の得られた被覆された酸粒子は、非常に安定であり、該被覆された粒子の味、テクスチャー及び/又は外観における有意な変化無く、該被覆された酸粒子の延長された貯蔵寿命を結果すると分かった。さらに、該被覆された酸粒子は、任意的にpHの変化を伴う、例えば唾液などの、湿気との接触による酸放出の為の即時且つ比較的容易な機構を有する。当技術分野において知られるとおり有意により長くかかる脂を含むコーティング層の溶解とは対照的に、本発明に従う被覆された酸は、該コーティング中の該部分的に中和されたポリカルボン酸の即時の溶解に起因して、数秒でその酸を放出する。
【0035】
本発明に従う被覆された酸粒子は、さらに、第1に溶解する該部分的に酸性のコーティング層に起因して及び第2に該酸含有性コア中の該酸の放出に起因して、長期且つ薄まらない酸味感覚を提供すると分かる。これは、該被覆された酸粒子を、例えばそのような強力であり且つ長期間継続する酸味プロファイルが望まれる菓子製品などの適用にとって非常に適当なものにする。
【0036】
被覆されるべき該食品グレード酸、又は該コアは、無機又は有機の酸粒子を含みうる。それらの特徴及び所望の酸プロファイルに起因して、好ましくはリンゴ酸、乳酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、酒石酸、及び/又はそれらの組合せなどの有機酸が用いられる。コア−コーティング構成を有する粒子が得られるように該コーティング及びコアが組成及び/又は物理的特性において異なる限り、これらの酸は、該コアの該組成物のために又は、乳酸及び酢酸を除き、該コーティング組成物中の該部分的に中和されたポリカルボン酸として、用いられうる。本発明の粒子の例は、リンゴ酸水素ナトリウムのコーティング及びリンゴ酸水素ナトリウムとリンゴ酸とのコアを有する粒子である。
【0037】
該コア中の該酸と該コーティング中の部分的に中和されたポリカルボン酸として用いられる酸とは必ずしも同じでない。異なる酸味プロファイルを有する酸を組み合わせることにより、消化の間に変化する酸味感覚を有する粒子が作られうる。リンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウムコアを有する、乳酸及びリンゴ酸のコーティングの両方により、非常に良い結果が得られた。該コアは、乳酸及びリンゴ酸の組合せ、及び/又はこれらの塩も含みうる。
【0038】
変化し且つ長期間継続する酸味感覚を有する該粒子は、例えば菓子製品における適用にとって非常に適当であると分かった。上記で述べられた食品グレード酸の、コアとして及び/又はコーティングとしての全ての組合せが可能である。
【0039】
さらに、特には乳酸結晶が、非常に吸湿性であると知られている。目下の当技術分野の状態のように、該結晶を脂により被覆することはこの特定の問題を解決するが、例えば、脂がくさくなる故に、味に対しての及び食品安全性局面に対してさえの悪影響に関する他の問題をもたらす。抗劣化剤が、該脂品質の劣化の防止の為に添加される必要がある。リンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウムを含む溶液により該乳酸含有性コアを被覆することは、該吸湿性乳酸コアを安定化し、且つ、該脂の使用を回避する。乳酸含有性コアとリンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウムを含むコーティングとを有する粒子は、該被覆された粒子の味、外観及びテクスチャーに関して、有意に増加した貯蔵寿命を有すると分かった。上記で言及されたリンゴ酸塩により被覆された乳酸粒子を含む食物製品もまた、増加した貯蔵寿命を有すると分かった。リンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウムを含むコーティング組成物との組合せにおける、乳酸の塩、例えば乳酸ナトリウム又は乳酸カリウムなど、又は乳酸とその塩との混合物を含むコアを有する粒子について、並びにこれらの粒子を含む食物製品について、同じ結果が見られた。本発明のさらなる例及び好ましい実施態様は、リンゴ酸水素ナトリウム又はカリウムのコーティング及び、リンゴ酸とリンゴ酸水素ナトリウム又はカリウムとの混合物を含むコアを含む粒子を含む。該コアは、最大で約60重量%のリンゴ酸を含みうる。好ましくは、該コアは、5〜55重量%のリンゴ酸及び90〜45重量%のリンゴ酸水素ナトリウム又はカリウムを含み;さらにより好ましくは該コアは、30〜54重量%のリンゴ酸及び70〜46重量%のリンゴ酸水素ナトリウム又はカリウムを含む。これらの粒子が、即時の且つ長く続く酸味感覚の故に最も楽しまれることが分かった。該粒子はさらに、外観及び味において非常に安定であると分かり且つ延長された貯蔵寿命を示した。
【0040】
本発明の被覆された酸粒子は、種々の食物及び飲料適用における使用にとって非常に適する。本発明に従う被覆された酸粒子を含む食物及び飲料製品は、増加した貯蔵寿命、不変の外観及び、該製品の味及びテクスチャーにおける有意な損失又は変化がないことにより、非常に安定であると分かる。
【0041】
食物及び/又は飲料製品の例は、スープ及びソース、ドレッシング、香辛料混合物、ベーカリー製品、(粉末化)飲料、及び特には、糖若しくは酸をまぶされた若しくは糖若しくは酸により被覆されたハード及び/又はソフトキャンディー、チューイングガム並びにロリポップのような(粉末をかけられた)菓子製品の全ての種類である。
【0042】
本発明の被覆された酸粒子は特に、菓子製品の、糖及び/又は酸のサンディング(sanding)、コーティング又はパンニングの為に用いられうる。本発明は、該菓子製品の貯蔵寿命を有意に増加する。キャンディーのような菓子製品及び/又は菓子製品中に用いられる該食品グレード酸は通常、脂の小さな層により被覆される。コーティングとしての部分的に中和されたポリカルボン酸は、脂のコーティングと比べてはるかに速く溶解し、該キャンディーを口内にもたらしたときのより即時の酸味感覚を結果する。さらに、脂の存在は、健康の観点から又は味に対する悪影響の故に、ときどき望ましくない。
【0043】
本発明は、該被覆された酸の放出及び該部分的に中和された酸コーティングの放出の故に、強力且つ長期の酸味感覚を有する、ロリポップ及びチューイングガムを含むハード及びソフトキャンディーを結果する。
【0044】
本発明に従う被覆された酸粒子を含むコーティング層又はサンディング層を有するハードキャンディーは、湿気の吸収が防止されるので、貯蔵の間に粘着性にならない。本発明に従う被覆された酸粒子を含むコーティング層又はサンディング層を有するソフトキャンディー、特にはゼラチン又はデンプンに基づくソフトキャンディーは、貯蔵の間の湿気の有意により少ない吸収を示し、且つさらに、該ソフトキャンディー中へのより少ない酸の移動を示し、それにより口内へ該キャンディーをもたらしたときの即時の酸味感覚の該損失を最小化する。
【0045】
チューイングガムを含むハード及びソフトキャンディーのような菓子製品のサンディング、パンニング又はコーティングの為のリンゴ酸水素一ナトリウム又はリンゴ酸水素一カリウムを含むコーティング組成物との組合せで、リンゴ酸若しくは乳酸若しくはそれらの混合物を含むコアを有する粒子により、特に良い結果が発見された。さらに、上記で述べられた粒子は、例えば乳酸及び乳酸カルシウムを含むコア又は乳酸とリンゴ酸水素一ナトリウムとを含むコア又はリンゴ酸と乳酸塩又はリンゴ酸塩とを含むコアのような、乳酸及び/又はリンゴ酸の塩との組合せでリンゴ酸又は乳酸を含むコアを有しうる。全ての組合せが可能である。
【0046】
該コーティング組成物中のポリカルボン酸のカルボキシル末端基の中和の為に用いられる対イオンに依存して、本発明に従う被覆された食品グレード粒子はまた、食物強化目的の為、例えばカルシウム富化の為などにも用いられうる。
【0047】
本発明はさらに、本発明に従う食品グレード粒子の調製の方法に関し、ここで食品グレードコアは、部分的に中和されたポリカルボン酸を含む溶液と接触させることにより該コアが被覆される。例えば所望の厚さの部分的に又は完全に閉じるコーティング層が得られるまで、該食品グレードコア上に該部分的に中和されたポリカルボン酸含有性溶液をスプレーすること又は振りかけることを通じて該接触が行われうる。該コアは、部分的に中和されたポリカルボン酸を含む溶液中に浸され又は沈められてもよく、その後該粒子は、該溶液から再度離される。該方法は、バッチ式で又は連続的に実施されうる。それは、流動層乾燥機、スプレー乾燥機、スプレー造粒機、又は当技術分野の当業者によく知られる同様の装置において行われてよく、ここで該コアは、部分的に中和されたポリカルボン酸含有性溶液と接触されながら、例えば当該溶液をスプレーされながら又は当該溶液中に浸されながら、流動化され又は他の手段により混合される。該被覆された粒子は、放置されて乾燥し、又は代わりに、当技術分野の当業者によく知られた任意の乾燥手段により積極的に、同時に又は続いて乾燥されうる。該粒子は任意的に、種々の別の部分的に中和されたポリカルボン酸又は種々の部分的に中和されたポリカルボン酸の組合せを含むいくつかのコーティング層を得る為に、スプレープロセス又は浸漬プロセスに再度付されうる。粒子サイズは50〜1000マイクロメーターの間で変わりうる。好ましくは、粒子は、200〜500マイクロメーターの平均粒子サイズ(D50)で作られる。なぜなら、この粒子サイズは、食物適用の大部分に適するからであり、且つ本発明に従う調製方法により非常によく作られうるからである。
【0048】
上記で記載された方法は、リンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウムを含むコーティングと、リンゴ酸及び/又はリンゴ酸塩を含むコア、又は乳酸及び/又は乳酸塩を含むコア又は乳酸、リンゴ酸及び/又はそれらの塩の任意の組合せを含むコアとを有する食品グレード粒子の調製に非常に適当であると分かった。
【0049】
さらに、該方法はまた、リンゴ酸水素一ナトリウムを含む溶液によりリンゴ酸水素一ナトリウムを含むコアが1回又は数回被覆されるところの、(多層の)リンゴ酸水素一ナトリウムの調製の為に首尾よく適用された。リンゴ酸水素一ナトリウムを含む該コアは、市販入手可能なリンゴ酸水素一ナトリウムにより得られてよく、又は、リンゴ酸と水酸化ナトリウムとの反応に続くリンゴ酸水素一ナトリウムの結晶化により作成されてもよい。結晶化は、リンゴ酸水素一ナトリウムの合成の為に一般に適用される方法である。本発明に従う該方法の利点は、さらなる処理を必要とする母液がないことであり、これはさらにより高い収率を与える。なぜなら、該母液の除去は常に、そこに含まれる或る量のリンゴ酸水素ナトリウムの除去も含むからである。さらに、本発明に従う方法は、非常に効率的に制御されることができ、及びすなわち、該粒子サイズが制御されることができる。結晶化は制御可能でなく、及び、不規則なサイズ及び形の粒子をもたらす。さらに、結晶化は、追加の乾燥ステップを要求し、これは、追加の設備において実施される必要がある。本方法は、1つの装置において実施されることができ、及び、追加の高価な処理ステップを要求しない。
【0050】
本発明の方法により得られたリンゴ酸水素ナトリウム粒子は、コア−コーティング構成を有し、結果として、結晶化を通じて作られたリンゴ酸水素ナトリウムと比べて、異なる外観及び異なる物理的特性を有する。本発明のリンゴ酸水素ナトリウム粒子は、よく成形され、且つ制御された粒子サイズを有し、これはこれらの粒子を、該リンゴ酸水素ナトリウム粒子の外観が重要であるところの適用、例えばキャンディーの酸−サンディングにおける適用などにとってより適当なものにする。さらに、本発明のリンゴ酸水素ナトリウム粒子は、より良い流動性を示し、且つ、よりほこりっぽくなく且つより粘着性でなく、これはそれらを取り扱い及び加工するのを非常に容易にする。
【0051】
さらに、本発明のリンゴ酸水素ナトリウム粒子は、より速く溶解する。これは、或る適用へ該粒子を導入する為により少ない時間が必要とされるので有利であるだけでなく、それらが口内でより速く溶解し且つ従ってリンゴ酸水素ナトリウムの特徴的な味がほとんど直接的に感じられるので有利でもある。
【0052】
同じ方法が、リンゴ酸水素カリウムのコアとリンゴ酸水素カリウムのコーティング、又はリンゴ酸水素カリウムのコアとリンゴ酸水素ナトリウムのコーティング又はその逆を有する粒子の製造の為に用いられうる。
【0053】
以下の非限定的な実施例が本発明を説明する。
【実施例1】
【0054】
部分的に中和されたポリカルボン酸を含むコーティングを有する被覆された酸粒子の調製方法。
【0055】
リンゴ酸水素一ナトリウムの溶液は以下のとおりに作られた:
リンゴ酸(約5.3kg)と脱塩水(約10.0kg)との溶液が、スターラーを有する二重壁容器(約60リットル)中で調製された。該溶液の温度は、30〜35℃であった。約50%(重量%)の水酸化ナトリウム(約3.2kg)が、該リンゴ酸溶液に添加された。該溶液の温度は、発熱反応の故に、最大で70〜80℃に増加された。該溶液は透明であり且つわずかに黄色であった。該溶液の温度は、該容器内での結晶化を防ぐ為に、約80℃で維持された。該溶液の最終濃度は、33.6重量%のリンゴ酸水素一ナトリウムであった。
【0056】
リンゴ酸水素一ナトリウム溶液が、市販入手可能な流動層乾燥機システムであるGPC−3 pilot GLATT(商標)の流動層スプレーノズルへと、チューブポンプを用いて供給された。該チューブポンプは、35〜40g/分の平均速度を有する。pilotGLATT(商標)流動層乾燥機のバスケットが、1.0kgのリンゴ酸及び1.0kgのリンゴ酸水素一ナトリウムにより充填された。該出発物質が、該産物の流動化の間、最大で60℃に加熱された。空気流速度は100m/hに設定された。リンゴ酸水素一ナトリウムをスプレーすることは、60℃に達するときに開始された。数分後、該空気流が約130m/hに設定された。空気流入温度は95℃に設定された。35g/分の平均スプレー速度が用いられ、そしてスプレー圧力は3barであった。リンゴ酸水素一ナトリウムをスプレーすることは、60分後に停止された。該産物は、約45分間で、30℃に冷却された。該産物はプラスチックバッグ中に集められた。
【0057】
SEM画像は、該得られた産物が、リンゴ酸水素一ナトリウムにより被覆されたリンゴ酸粒子と、リンゴ酸水素一ナトリウムにより被覆されたリンゴ酸水素一ナトリウム粒子と、リンゴ酸水素一ナトリウムにより被覆されたリンゴ酸及びリンゴ酸水素一ナトリウムの凝集体との混合物であることを示す。
【0058】
表1は、この最終産物から作られたDVSの結果を示す。表1はさらに、種々の他の被覆された又は被覆されていないよく知られた食品グレード酸、例えばクエン酸一水和物(Merck(商標)から得られる(4007))、DL−リンゴ酸99%(Acros(商標から(4016))、被覆されたクエン酸95%(Bartek(商標)(S−153))、及び被覆されたリンゴ酸95%(Bartek(商標)(S−121)、部分的に水素化された植物油により被覆されている)のDVS等温線を示す。
【0059】
表1:DVS(動的水蒸気吸着)等温線
(R.H.は相対湿度である)。

【0060】
上の表1は、部分的に水素化された植物油を含む通常のコーティング材料により被覆されたクエン酸及びリンゴ酸である食品グレード酸と比較して、本発明に従う被覆された最終産物の、有意に減少された吸着挙動を示す。
【実施例2】
【0061】
ソフトキャンディーへの酸の移動が、酸−サンディングが振りまかれたゼラチンベースのゲル中における、時間内の酸の移動の測定により、定性的に模倣される。
【0062】
ゲルは、80℃のウォーターバス中で、84グラムのゼラチン(250ブルーム)を156グラムの水に溶解することにより作られた。342グラムの砂糖及び512.4グラムのグルコースシロップ42DEの混合物が、105.6グラムの水に添加され、そして、116℃でのホットプレート上の鍋中で混同された。混合後、該混合物が、80℃へと放置されて冷却された。該混合物が該ゼラチン溶液に添加され、そして混合後、0.6グラムのメチルレッド標識が添加され、そして、混合が継続された。
【0063】
約50グラムの得られた混合物が、ガラスチューブ(直径3cm)中に置かれ、その後、該チューブは、キャップにより密封され、そして、該混合物は、室温で1日間放置されて乾燥した。
【0064】
1日後、0.4グラムの酸−サンディング混合物が、該ゲルの上に振りまかれた。以下の組成物の酸−サンディング混合物が用いられた:
1.最終産物(前の実施例にいおいて記載された実験方法により作られた)
2.Balchem(商標)からのカプセル化リンゴ酸95%(S−121)、コーティングは部分的に水素化されたパーム油からなる
3.Balchem(商標)からのカプセル化クエン酸95%(S−167)
【0065】
該酸−サンディング組成物を該ゲルの上に振りまいた後で、該チューブが、ゴムキャップにより閉じられた。該酸−サンディングゲルは、35℃/70%R.H.(相対湿度)で貯蔵された。
【0066】
該酸移動は、(高いpHでの)黄から(低いpHでの)赤への、ゲル中に存在するメチルレッド標識の色の変化の視覚的観察により追跡された。該移動は、異なる貯蔵条件で、数日の該ゲルの貯蔵の間追跡され、そして、その結果は以下表2に示される。
【0067】
表2:ゼラチンゲル中の酸移動(mm)
(該ゲルのAw(20℃での水の活量)は0.69である、貯蔵条件35℃/70%(R.H.))

【0068】
表2は、本発明に従う最終産物が、カプセル化リンゴ酸及びカプセル化クエン酸などのよく知られ且つしばしば用いられる食品グレード酸と比較して、酸移動に関して、より安定であることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア−コーティング構成を有する食品グレード粒子であって、該コーティングが少なくとも1つの層を含み、該層のそれぞれが少なくとも50重量%の部分的に中和されたポリカルボン酸を含む組成物により作られており、該部分的に中和されたポリカルボン酸は、酸の形にある少なくとも1つのカルボキシル基と塩の形にある少なくとも1つのカルボキシル基とを有し、且つ、該コアが少なくとも1つの食品グレード酸又はその塩を含む上記食品グレード粒子。
【請求項2】
該コア及び該コーティングが異なる組成を有する、請求項1の食品グレード粒子。
【請求項3】
該コーティングが、部分的に中和されたポリカルボン酸の混合物を含む、請求項1又は2の食品グレード粒子。
【請求項4】
該部分的に中和されたポリカルボン酸が、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、酒石酸、及びそれらの混合物から選ばれる酸に基づくものである、請求項1、2又は3の食品グレード粒子。
【請求項5】
該部分的に中和されたポリカルボン酸が、リンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウム、クエン酸二水素一ナトリウム又は一カリウム、クエン酸水素二ナトリウム又は二カリウム、及びこれらの混合物から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項の食品グレード粒子。
【請求項6】
該コアが、少なくとも1つの食品グレード有機酸又はその塩を含む、請求項1〜5のいずれか1項の食品グレード粒子。
【請求項7】
該食品グレード有機酸が、リンゴ酸、乳酸、酢酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、酒石酸及びこれらの任意の組合せから選ばれる、請求項6の食品グレード粒子。
【請求項8】
該コーティング組成物がリンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウムを含み、且つ、該コアが乳酸及び/又はその塩を含む、請求項1の食品グレード粒子。
【請求項9】
該コーティング組成物がリンゴ酸水素一ナトリウム又は一カリウムを含み、且つ、該コアがリンゴ酸及び/又はその塩を含む、請求項1の食品グレード粒子。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項の食品グレード粒子を含む、食物又は飲料製品。
【請求項11】
スープ、ソース、ドレッシング、香辛料混合物、ベーカリー製品、飲料、及び、菓子製品から選ばれる、請求項10の食物又は飲料製品。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項の食品グレード粒子の調製の方法であって、食品グレードコアを、部分的に中和されたポリカルボン酸を含む溶液と接触させることにより該コアが被覆される上記方法。
【請求項13】
該食品グレードコアが、該コア上に該溶液をスプレーすること又は振りかけることにより被覆される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
リンゴ酸水素一ナトリウムを含む食品グレードコアを、リンゴ酸水素一ナトリウムを含む溶液と接触させることにより該コアが被覆される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法により得られるリンゴ酸水素ナトリウム粒子。
【請求項16】
部分的に中和されたポリカルボン酸をコーティング剤として使用する方法であって、該部分的に中和されたポリカルボン酸が、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、酒石酸、及びそれらの混合物から選ばれる酸に基づくものである上記方法。
【請求項17】
該部分的に中和されたポリカルボン酸がリンゴ酸水素ナトリウム又はカリウムである、請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2009−542242(P2009−542242A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518897(P2009−518897)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057181
【国際公開番号】WO2008/006878
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(306003419)ピュラック バイオケム ビー.ブイ. (40)
【Fターム(参考)】