説明

部品供給装置および部品供給方法

【課題】簡易な構成で部品をヘッドに効率よく供給できる技術を提供する。
【解決手段】複数の部品20が載置されたチップトレイ6を移動するシャフトモータおよびXYステージ3が、ヘッド2への部品20の供給時に、供給対象の部品20が上方の待機位置WPと下方の実装位置MPとの間に予め設定された部品供給位置SPに配置されるようにチップトレイ6を移動し、ヘッド20への部品20の非供給時に、少なくとも基板22に部品20を実装する際のヘッド2の待機位置WPと実装位置MPとの間における移動に干渉しないような位置にチップトレイ6を移動する。したがって、チップトレイ6の最短距離の移動により、ヘッド2へ部品20を供給できるため非常に効率がよい。また、チップトレイ6を移動するシャフトモータおよびXYステージ3の簡易な構成のみでヘッド2へ部品20を供給できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドに部品を効率よく供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上下方向の移動により部品を基板の所定の位置に実装するヘッドに部品を供給する技術として、ステージに保持された基板側方のステージ上に複数の部品が載置されたチップトレイを配置する技術が知られている(例えば、特許文献1)。このような構成とすれば、ヘッドへの部品供給時に、チップトレイがヘッドの下方に配置されるようにステージを移動した後にヘッドを下降することで、部品をヘッドに供給できる。また、チップトレイから部品搬送ロボットを利用してヘッドに部品を供給する技術も知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2008−85322号公報([0050]〜[0060]、[0075]〜[0084]、図2,3,5,6参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した、ステージに保持された基板の側方にチップトレイを配置する構成では、部品のヘッドへの供給時毎に、ステージの位置が、ヘッドの下方に基板が配置される部品実装時の位置から、ヘッドの下方にチップトレイが配置される部品供給時の位置となるように、ステージを大きく移動する必要があり効率が悪い。また、近年、顧客ごとの要望に応じた製品を少量生産することが要求されている。ところが、部品搬送ロボットによりチップトレイからヘッドに部品を供給する構成では、部品をヘッドに供給する際に部品を反転する反転機構などが必要で、搬送ロボットの構成および動作が複雑であるとともに、製品ごとに搬送ロボットの部品保持機構を交換する必要があり効率が悪かった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で部品をヘッドに効率よく供給できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するため、本発明にかかる部品供給装置は、上方の待機位置と下方の実装位置との間における移動により、部品を基板の所定の位置に実装するヘッドに前記部品を供給する部品供給装置において、複数の前記部品が載置されたチップトレイを移動するチップトレイ移動手段と、前記ヘッドへの前記部品の供給時に、供給対象の前記部品が前記待機位置と前記実装位置との間に予め設定された部品供給位置に配置されるように前記チップトレイを移動し、前記ヘッドへの前記部品の非供給時に、少なくとも前記基板に前記部品を実装する際の前記ヘッドの移動に干渉しない位置に前記チップトレイを移動するように、前記チップトレイ移動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴としている(請求項1)。
【0007】
また、前記チップトレイ移動手段に新たな前記チップトレイを供給するチップトレイ供給手段と、前記チップトレイ移動手段から前記部品の供給を終えた前記チップトレイを回収するチップトレイ回収手段とをさらに備える構成でもよい(請求項2)。
【0008】
また、前記チップトレイ移動手段は、上面に前記基板が載置されて、前記ヘッドの下方に設けられて前記上下方向にほぼ直交する水平面内を移動するステージと、前記ステージ上の前記基板の両側にほぼ平行に設けられた2本のガイドと、前記両ガイドのそれぞれに、前記ガイドに沿って移動可能に設けられた移動部と、前記ステージ上の前記基板の上方に前記チップトレイを保持可能に前記両移動部に載架されたトレイホルダと、前記制御手段により制御されて前記両移動部を前記両ガイドに沿って移動する駆動部とを備える構成でもよい(請求項3)。
【0009】
また、本発明にかかる部品供給方法は、上方の待機位置と下方の実装位置との間における移動により、部品を基板の所定の位置に実装するヘッドに前記部品を供給する部品供給方法において、前記ヘッドへの前記部品の供給時に、供給対象の前記部品が前記待機位置と前記実装位置との間に予め設定された部品供給位置に配置されるように複数の前記部品が載置されたチップトレイを移動し、前記ヘッドへの前記部品の非供給時に、少なくとも前記基板に前記部品を実装する際の前記ヘッドの移動に干渉しないように前記チップトレイを移動することを特徴としている(請求項4)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、4に記載の発明によれば、複数の部品が載置されたチップトレイを移動するチップトレイ移動手段が、ヘッドへの部品の供給時に、供給対象の部品が上方の待機位置と下方の実装位置との間に予め設定された部品供給位置に配置されるようにチップトレイを移動し、ヘッドへの部品の非供給時に、基板に部品を実装する際のヘッドの待機位置と実装位置との間における移動と干渉しないような位置にチップトレイを移動する。したがって、チップトレイの最短距離の移動により、ヘッドへ部品を供給できるため非常に効率がよい。また、チップトレイを移動するチップトレイ移動手段の簡易な構成のみでヘッドへ部品を供給できる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、部品の供給を終えたチップトレイをチップトレイ回収手段により回収し、チップトレイ供給手段により新たなチップトレイをチップトレイ移動手段に供給することができる。したがって、例えば、顧客ごとの要望に応じた製品を少量生産するときに、種類の異なる部品が載置されたチップトレイを交換するのみで、顧客ごとの要望に応じた製品を生産できるため、非常に効率がよい。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ステージ上の基板の両側にほぼ平行に設けられた2本のガイドのそれぞれに、ガイドに沿って移動可能に移動部が設けられ、ステージ上の基板の上方にチップトレイを保持可能に両移動部にトレイホルダが載架される。したがって、ヘッドへの部品供給後に、駆動部が移動部をガイドに沿って移動してトレイホルダをガイドの長手方向に移動することで、容易に基板への部品実装時のヘッドの移動に干渉しない位置にチップトレイを移動できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の一実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1はこの発明の一実施形態たる部品供給装置100を備える実装装置1を示す図である。図2は部品供給動作の一例を示す図であり、図1の実装装置の正面からの模式図である。図3は図1の実装装置1の他の状態を示す図である。図1に示す実装装置1は、部品供給装置100によりチップトレイ6からヘッド2に供給された部品20を、上方の待機位置WPと下方の実装位置MPとの間におけるヘッド2の移動により、基板22の所定の位置に実装するように構成されている(図2参照)。
【0014】
図1に示すように、実装装置1は、ヘッド2と、上面に基板22が載置されて、ヘッド2の下方に設けられてヘッド2の上下への移動方向にほぼ直交する水平面内を移動するXYステージ3と、ヘッド2に部品20を供給する部品供給装置100とを備えている。
また、ヘッド2、XYステージ3および部品供給装置100を駆動制御する制御装置8(本発明の「制御手段」に相当)を備えている。また、ヘッド2は、図示省略した静電チャックや真空吸着機構などの部品保持機構を備えており、部品20を保持可能に構成されている。また、ヘッド2は、制御装置8に駆動制御されることにより、矢印Z方向(上下方向)に移動可能であって、矢印θ方向(回転方向)に回転可能に構成されている。
【0015】
また、XYステージ3は、X軸を有する基台31と、Y軸を有しX軸に沿って矢印Xの方向に移動可能な第1移動テーブル32と、Y軸に沿って矢印Yの方向に移動可能な第2移動テーブル33とを備え、制御装置8により制御して、第2移動テーブル33の上面に載置された基板22をヘッド2の下方の水平面内でX−Y方向に移動可能に構成されている。そして、制御装置8は、図示省略されたカメラなどにより構成されるアライメントマーク認識手段により認識したアライメントマーク20a,22aの位置情報を照合し、この照合結果に基づいてヘッド2とXYステージ3とを移動して、部品20と基板22との相対位置調整を行なうように構成されている。
【0016】
また、図1に示すように、実装装置1は、第2移動テーブル33上の基板22の両側に、ほぼ平行に2本のシャフトモータ110を備えている。シャフトモータ110は、マグネットモータシャフトからなる2本のガイド4と、2本のガイド4のそれぞれに、ガイド4に沿って移動可能に設けられた筒状のモータコイルからなる移動部5と、第2移動テーブル33上の基板22の上方にチップトレイ6を保持可能に両移動部5に載架されたトレイホルダ7とを備えている。
【0017】
また、ガイド4は、円筒状のステンレス筒内に磁石が配設されて成り、移動部5のモータコイルに制御装置8の制御による3相交流が通電されることにより、両移動部5が両ガイド4に沿って移動するように構成されている。また、シャフトモータ110は、移動部5のガイド4に対する相対的な位置を検出する位置センサ(図示省略)を備え、制御装置8は、位置センサの検出信号に基づいて、移動部5のモータコイルに通電することによりシャフトモータ110を制御して移動部を矢印Yの方向に駆動するように構成されている。
【0018】
このように構成すると、制御装置8によりXYステージ3およびシャフトモータ110を適宜駆動制御することにより、トレイホルダ7をヘッド2に対して相対的に移動してチップトレイ6を任意の位置に移動できる。以上のように、移動部5のモータコイルにより本発明の「駆動部」が構成されており、シャフトモータ110、トレイホルダ7およびXYステージ3により、複数の部品20が載置されたチップトレイ6を移動する本発明の「チップトレイ移動手段」が構成されている。なお、シャフトモータ110に代えて、ボールねじを用いたサーボ機構などによりトレイホルダ7を移動する構成としてもよい。
【0019】
また、実装装置1は、トレイホルダ7に新たなチップトレイ6を供給するチップトレイ供給手段9と、部品20の供給を終えたチップトレイ6を回収するチップトレイ回収手段10とを備えている。また、図1に示すように、チップトレイ供給手段9およびチップトレイ回収手段10はXYステージ3に隣接して、矢印Yの方向に並設されている。したがって、シャフトモータ110を駆動制御してトレイホルダ7をチップトレイ供給手段9の開口9aの正面に配置し、チップトレイ供給手段9内に格納されたチップトレイ6を図示省略した移動レールなどの移動手段により移動することで、トレイホルダ7に新たなチップトレイ6を供給できる(図1参照)。
【0020】
また、シャフトモータ110を駆動制御することによりトレイホルダ7をチップトレイ回収手段10の開口10aの正面に配置して、トレイホルダ7に載置された部品20の供給を終えたチップトレイ6を図示省略した移動レールなどの移動手段により移動することで、チップトレイ回収手段10にチップトレイ6を回収できる(図3参照)。
【0021】
なお、実装装置1による基板22への部品20の実装が完了し、ヘッド2への部品20の供給を終えたときにチップトレイ6に部品が20が残っている状態であっても、このチップトレイ6をチップトレイ回収手段10により回収し、チップトレイ供給手段9により新たなチップトレイ6をトレイホルダ7に供給することで、容易に基板22に実装する部品20の種類を変更できる。また、トレイホルダ7にチップトレイ6を供給する手段、およびトレイホルダ7からチップトレイ6を回収する手段については、上記したチップトレイ供給手段9およびチップトレイ回収手段10に限られず、搬送ロボットなど、どのような手段であっても構わない。
【0022】
以上のように構成された実装装置1において、制御装置8は、ヘッド2への部品20の供給時に、供給対象の部品20が待機位置WPと実装位置MPとの間に予め設定された部品供給位置SPに配置されるようにチップトレイ6を移動するようにXYステージ3およびシャフトモータ110を制御する。そして、制御装置8は、ヘッド2への部品20の非供給時に、基板22に部品20を実装する際のヘッド2の移動に干渉しない位置にチップトレイ6が移動するように、XYステージ3およびシャフトモータ110を制御するように構成されている。
【0023】
このとき、図1に示すように、チップトレイ6は部品20を矢印Xの方向に並べて載置するように構成されている。したがって、制御装置8は、ヘッド2への部品20の非供給時に、およそ部品20の幅の分、矢印Yの方向にチップトレイ6を移動するだけで、基板22に部品20を実装する際のヘッド2の移動に干渉しない位置にチップトレイ6を移動できる。このように、チップトレイ6の移動方向(矢印Yの方向)とほぼ直交する方向(矢印Xの方向)に部品20を載置するようにチップトレイ6を構成すれば、基板22に部品20を実装する際のヘッド2の移動に干渉しない位置にチップトレイ6を移動するためのチップトレイ6の矢印Yの方向への移動量を小さいものとすることができる。したがって、ヘッド2への部品20の供給、および、ヘッド2による基板22への部品20の実装を効率よく行うことができ、基板22への部品20の実装時間の短縮を図ることができる。
【0024】
また、トレイホルダ7に保持されたチップトレイ6に載置された部品20をヘッド2に供給するように構成されているため、例えば、ダイシングされたウェハから直接チップをヘッド2に供給するダイマウンタなどの構成に比べ、ウェハからチップを分離するためにウェハの下方からダイシングされたチップを上方に突き上げする突上手段などが必要なく、非常に簡易な構成とすることができる。また、この突上手段などを設ける必要がないため、図1に示すように、チップトレイ6と基板22とを重なる配置としても、部品20の基板22へ実装する際のヘッド2の矢印Z方向への移動量を小さくすることができる。
【0025】
次に、ヘッド2への部品20の供給動作の一例について説明する。図1に示すように、制御装置8は、トレイホルダ7をチップトレイ供給手段9の開口9aの正面に配置することにより、チップトレイ供給手段9から新たなチップトレイ6をトレイホルダ7に供給する(図2(a)参照)。次に、図2(b)に示すように、制御装置8からの制御信号により、供給対象の部品20が部品供給位置SPに配置されるようにチップトレイ6を矢印LRの方向に移動する。そして、ヘッド2を待機位置WPから矢印DWの方向に移動することで、部品供給位置SPにおいてヘッド2に部品20を供給する。
【0026】
続いて、図2(c)に示すように、部品20の基板22への実装時のヘッド2の移動に干渉しない位置にチップトレイ6を矢印MRの方向に移動するとともに、ヘッド2を部品供給位置SPから矢印UPの方向の待機位置WPへ移動する。そして、図示省略されたアライメントマーク認識手段により部品20および基板22のアライメントマーク20a,22aを認識することで、認識したアライメントマーク20a,22aの位置情報に基づいて、ヘッド2を矢印θ方向に回転し、XYステージ3を矢印AL方向(X−Y方向)に移動して相対位置調整(アライメント)を実行し、部品20と基板22との相対位置調整を行なう。
【0027】
次に、図2(d)に示すように、ヘッド2を待機位置WPから矢印DWの方向の実装位置MPに移動することにより、部品20を基板22の所定の位置に実装する。最後に、ヘッド2を矢印UPの方向の待機位置WPに移動することで、1回の実装処理が終了する。このような実装処理を繰返し実行することで、所定数の部品20を基板22の実装面の所定の位置に実装することができる。
【0028】
そして、図3に示すように、制御装置8は、トレイホルダ7をチップトレイ回収手段10の開口10aの正面に配置することにより、ヘッド2への部品20の供給を終えたチップトレイ6を回収する。
【0029】
なお、この実施形態では、熱硬化型接着剤を用いて、XYステージ3に内蔵されたヒータ(図示省略)により基板を加熱した状態で部品を実装し、部品20を基板22に接着して仮固定するよにように構成されているが、光硬化型接着剤を用いて、図示省略された紫外線照射手段により紫外光を照射することにで部品20を基板22に接着して仮固定する構成としてもよい。また、はんだにより部品20を基板22に実装してもよいし、所謂、超音波振動接合により部品20を基板22に実装してもよく、部品20の基板22への実装(接合)方法についてはどのような方法であっても構わない。
【0030】
以上のように、この実施形態では、複数の部品20が載置されたチップトレイ6を移動するシャフトモータ110およびXYステージ3が、ヘッド2への部品20の供給時に、供給対象の部品20が上方の待機位置WPと下方の実装位置MPとの間に予め設定された部品供給位置SPに配置されるようにチップトレイ6を移動し、ヘッド2への部品20の非供給時に、少なくとも基板22に部品20を実装する際のヘッド2の待機位置WPと実装位置MPとの間における移動に干渉しないような位置にチップトレイ6を移動する。したがって、チップトレイ6の最短距離の移動により、ヘッド2へ部品20を供給できるため非常に効率がよい。また、チップトレイ6を移動するシャフトモータ110およびXYステージ3の簡易な構成のみでヘッド2へ部品20を供給できる。
【0031】
また、部品20供給を終えたチップトレイ6をチップトレイ回収手段10により回収し、チップトレイ供給手段9により新たなチップトレイ6をトレイホルダ7に供給することができる。したがって、例えば、顧客ごとの要望に応じた製品を少量生産するときに、種類の異なる部品20が載置されたチップトレイ6を交換するのみで、顧客ごとの要望に応じた製品を生産できるため、非常に効率がよい。
【0032】
また、第2移動テーブル33上の基板22の両側にほぼ平行に設けられた2本のガイド4のそれぞれに、ガイドに沿って移動可能に移動部5が設けられ、第2移動テーブル33上の基板22の上方にチップトレイ6を保持可能に両移動部5にトレイホルダ7が載架されている。したがって、ヘッド2への部品供給後に、制御装置8が、モータコイルに通電することにより移動部5をガイド4に沿って移動してトレイホルダ7をガイド4の長手方向に移動することで、基板22への部品20の実装時のヘッド2の移動に干渉しない位置にチップトレイ6を容易に移動できる。
【0033】
また、チップトレイ6の最短距離の移動により、ヘッド2への部品20の供給と、ヘッド2による部品20の基板22への実装とを繰返し実行することができるため、従来の構成に比べ、ヘッド2への部品20の供給に費やす時間を短縮することができ、基板22への部品20の実装処理の処理時間の短縮を図ることができる。
【0034】
また、上記した実施形態では、部品20をヘッド2へ、所謂、フェイスアップ供給しているが、チップトレイ供給手段9に格納されたチップトレイ6に部品20をフェイスダウン状態で載置するだけで、容易に部品20をヘッド2へフェイスダウン供給できる。
【0035】
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態では、ヘッド2とXYステージ3との回転方向における相対位置調整はヘッド2を回転することで実行したが、これをXYステージ3を回転可能に構成し、XYステージ3を回転することで実行してもよい。もちろん、ヘッド2およびXYステージの両方を回転可能に構成することで、ヘッド2およびXYステージ3の両方を回転して回転方向の相対位置調整を行なってもよい。
【0036】
また、ヘッド2が部品20を保持し、XYステージ3が基板22を保持するように構成されているが、部品20としては、電子部品、プリント基板、光素子、光学部品等、基板に実装(接合)されるものであればどのようなものであってもよい。
【0037】
また、部品20を基板22に実装する際に、部品20と基板22とを接合する接合方法については、上記したような光硬化型接着剤を利用したり、部品20および基板22が有する金属電極をプラズマ等で処理し、これらの金属電極どうしを接触することで部品20を基板22に実装することができる。
【0038】
また、部品20および基板22に設けられた配線パターンや金属電極などをアライメントマーク20a,22aとして利用してもよく、カメラなどで構成されたアライメントマーク認識手段で認識して部品20および基板22の位置情報を得ることができるものであれば、アライメントマーク20a,22aはどのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施形態たる部品供給装置を備える実装装置を示す図である。
【図2】部品供給動作の一例を示す図である。
【図3】図1の実装装置の他の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
100…部品供給装置
110…シャフトモータ(チップトレイ移動手段)
2…ヘッド
20…部品
22…基板
3…XYステージ(ステージ、チップトレイ移動手段)
4…ガイド
5…移動部(駆動部)
6…チップトレイ
7…トレイホルダ
8…制御装置(制御手段)
9…チップトレイ供給手段
10…チップトレイ回収手段
WP…待機位置
MP…実装位置
SP…部品供給位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方の待機位置と下方の実装位置との間における移動により、部品を基板の所定の位置に実装するヘッドに前記部品を供給する部品供給装置において、
複数の前記部品が載置されたチップトレイを移動するチップトレイ移動手段と、
前記ヘッドへの前記部品の供給時に、供給対象の前記部品が前記待機位置と前記実装位置との間に予め設定された部品供給位置に配置されるように前記チップトレイを移動し、
前記ヘッドへの前記部品の非供給時に、前記基板に前記部品を実装する際の前記ヘッドの移動に干渉しない位置に前記チップトレイを移動するように、前記チップトレイ移動手段を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記チップトレイ移動手段に新たな前記チップトレイを供給するチップトレイ供給手段と、
前記チップトレイ移動手段から前記部品の供給を終えた前記チップトレイを回収するチップトレイ回収手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記チップトレイ移動手段は、
上面に前記基板が載置されて、前記ヘッドの下方に設けられて前記上下方向にほぼ直交する水平面内を移動するステージと、
前記ステージ上の前記基板の両側にほぼ平行に設けられた2本のガイドと、
前記両ガイドのそれぞれに、前記ガイドに沿って移動可能に設けられた移動部と、
前記ステージ上の前記基板の上方に前記チップトレイを保持可能に前記両移動部に載架されたトレイホルダと、
前記制御手段により制御されて前記両移動部を前記両ガイドに沿って移動する駆動部と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
上方の待機位置と下方の実装位置との間における移動により、部品を基板の所定の位置に実装するヘッドに前記部品を供給する部品供給方法において、
前記ヘッドへの前記部品の供給時に、供給対象の前記部品が前記待機位置と前記実装位置との間に予め設定された部品供給位置に配置されるように複数の前記部品が載置されたチップトレイを移動し、
前記ヘッドへの前記部品の非供給時に、前記基板に前記部品を実装する際の前記ヘッドの移動に干渉しないように前記チップトレイを移動する
ことを特徴とする部品供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−67764(P2010−67764A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232115(P2008−232115)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(307044493)株式会社アドウェルズ (24)
【Fターム(参考)】