説明

部品実装システム及び部品実装方法

【課題】オペレータがシャフト部材に対する緩衝機能が低下している吸着ノズルを的確に把握して適切な処置を迅速に施すことができるようにした部品実装システム及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】装着ヘッド24が装着した基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量を算出した後(ST15)、その算出した基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量と予め定められた基板2上の各部品4に関する吸着ノズル34の識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する(ST16)。そして算出した吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品4の目標装着位置P0の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定し(ST17)その特定した吸着ノズル34の識別子を報知する(ST19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下方に延びるシャフト部材の下端に摺動部材を介して取り付けられた吸着ノズルによって部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを備えた部品実装システム及び部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板上に電子部品を装着して実装基板の生産を行う部品実装システムは、吸着ノズルによってテープフィーダ等の部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを備えている。吸着ノズルは装着ヘッドから下方に延びて設けられたシャフト部材の下端に摺動部材を介して取り付けられており、摺動部材は、部品の基板上への装着時にシャフト部材に対して摺動することで、部品が過剰な力で基板に押し付けられることが防止される(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような部品実装システムでは、通常、装着ヘッドによって基板上に装着された各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を求める検査が行われる。この検査によって基板上の目標装着位置に対する位置ずれ量が過大になっている部品がある場合にはこれを発見することができ、その原因を除去することで部品の位置ずれ量を正常な範囲内に戻すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−220836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板の目標装着位置に対する位置ずれが過大となる原因のひとつとして、摺動部材とシャフト部材との間のわずかな隙間に微小な異物が入り込んだために、シャフト部材に対する摺動部材の滑らかな摺動が妨げられ、これによって部品の基板への装着時にシャフト部材から部品に伝達される力が通常時よりも増大して、吸着ノズルが部品の中心からずれた位置を吸着した状態で平坦でないクリーム半田上に装着した場合に部品を横方向にずらす力が発生し、部品が横方向に押し遣られてしまったケースが挙げられる。シャフト部材に対する摺動部材の摺動状態は、シャフト部材と摺動部材との間の隙間への異物の入り込み量が多くなるに従って悪くなっていくが、これに伴ってシャフト部材と吸着ノズルとの間の緩衝機能は低下し、部品の目標装着位置に対する位置ずれ量も大きくなっていく。
【0006】
この場合、オペレータはシャフト部材から摺動部材を取り外して摺動部材とシャフト部材との間に入り込んだ異物を除去するメンテナンス作業を行う必要があるが、吸着ノズルとシャフト部材との間に異物が入り込んだ状態を吸着ノズルの外側から観察することはできないことから、部品実装システムのオペレータは、シャフト部材と摺動部材との間の異物による摺動部材の摺動状態が悪化しているかどうかの判断を行うことはできず、そのために必要な処置を施すのが遅れてその分実装基板の生産効率が低下するおそれがあるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、オペレータがシャフト部材に対する緩衝機能が低下している吸着ノズルを的確に把握して適切な処置を迅速に施すことができるようにした部品実装システム及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の部品実装システムは、下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に摺動部材を介して取り付けられた吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、摺動部材は、部品の基板への装着時にシャフト部材に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムであって、装着ヘッドによって装着された基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段と、位置ずれ量算出手段が算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する位置ずれ量推移算出手段と、位置ずれ量推移算出手段が算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定するノズル特定手段と、ノズル特定手段が特定した吸着ノズルの識別子を報知する報知手段とを備えた。
【0009】
請求項2に記載の部品実装システムは、下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に取り付けられた本体部及び本体部に対して摺動自在な先端部から成る吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、先端部は、部品の基板への装着時に本体部に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムであって、装着ヘッドによって装着された基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段と、位置ずれ量算出手段が算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する位置ずれ量推移算出手段と、位置ずれ量推移算出手段が算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定するノズル特定手段と、ノズル特定手段が特定した吸着ノズルの識別子を報知する報知手段とを備えた。
【0010】
請求項3に記載の部品実装方法は、下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に摺動部材を介して取り付けられた吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、摺動部材は、部品の基板への装着時にシャフト部材に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムによる部品実装方法であって、装着ヘッドが装着した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する工程と、算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する工程と、算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定する工程と、特定した吸着ノズルの識別子を報知する工程とを含む。
【0011】
請求項4に記載の部品実装方法は、下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に取り付けられた本体部及び本体部に対して摺動自在な先端部から成る吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、先端部は、部品の基板への装着時に本体部に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムによる部品実装方法であって、装着ヘッドが装着した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する工程と、算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する工程と、算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定する工程と、特定した吸着ノズルの識別子を報知する工程とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定してその吸着ノズルの識別子を報知するようになっているので、オペレータは報知された吸着ノズルの識別子から、シャフト部材に対する緩衝機能が低下している吸着ノズルを的確に把握することができ、適切な処置を迅速に施して実装基板の生産効率が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態における部品実装システムの構成図
【図2】本発明の一実施の形態における部品実装システムを構成する部品装着機の要部斜視図
【図3】本発明の一実施の形態における部品装着機が備える装着ヘッドの斜視図
【図4】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品装着機が備える吸着ノズル近傍の拡大断面図
【図5】本発明の一実施の形態におけるNCプログラムの一例を示す図
【図6】本発明の一実施の形態における基板の一例の平面図
【図7】本発明の一実施の形態における部品装着機が実行する部品装着作業の手順を示すフローチャート
【図8】本発明の一実施の形態における基板に装着された部品の目標装着位置からの位置ずれ量を説明する図
【図9】本発明の一実施の形態における部品実装システムを構成する検査機の要部斜視図
【図10】本発明の一実施の形態における位置ずれ量一覧テーブルの一例を示す図
【図11】本発明の一実施の形態における検査機により算出された吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の推移を示すテーブルの一例を示す図
【図12】(a)(b)(c)(d)本発明の一実施の形態における検査機により算出された吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の推移をディスプレイ装置に表示した場合の画像の一例を示す図
【図13】本発明の一実施の形態における検査機が実行する検査作業の実行手順を示すフローチャート
【図14】本発明の一実施の形態における部品装着機が備える吸着ヘッドの別の構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示す部品実装システム1は、基板2上に設けられた電極部3を目標装着位置として部品4を装着して実装基板の生産を行うものであり、印刷機11、部品装着機12及び検査機13が上流工程側からこの順で配置された構成となっている。これら印刷機11、部品装着機12及び検査機13はそれぞれホストコンピュータ14を介して相互に繋がっており、互いにデータのやりとりを行うことができるようになっている。
【0015】
図1において、印刷機11は、基板2を基板搬送路11aによって搬入して位置決めし、基板2の上面に基板2上の各電極部3に対応して設けられた多数の開口を有したマスク(図示せず)を接触させ、マスク上にクリーム半田(図示せず)を供給したうえで、マスク上でスキージ(図示せず)を摺動させることによって基板2の電極部3上にクリーム半田を転写させる。
【0016】
図1及び図2において、部品装着機12は一対のベルトコンベア21aから成るコンベア機構21、部品供給手段としての複数のテープフィーダ22、XYロボットから成るヘッド移動ロボット23によってコンベア機構21の上方を移動自在に設けられた装着ヘッド24、装着ヘッド24に取り付けられた基板カメラ25、コンベア機構21とテープフィーダ22との間に設けられた部品カメラ26及びこれら各部の作動制御を行う装着機制御装置27を備えている。
【0017】
図3及び図4(a),(b)において、装着ヘッド24には下方に延びた中空の複数のアウターシャフト31が設けられており、各アウターシャフト31の内部には上下方向に延びた吸着管路32aを備えた中空のインナーシャフト32すなわちシャフト部材がアウターシャフト31すなわち装着ヘッド24に対して上下動自在及び上下軸回りに回転自在に設けられている。
【0018】
インナーシャフト32の下端には摺動部材としてのノズルホルダ33がインナーシャフト32に対して着脱自在かつ摺動自在に設けられている。ノズルホルダ33は内部に円筒状の内部空間33aを有しており、この内部空間33a内にインナーシャフト32が上方から入り込んでいる。ノズルホルダ33の内部空間33aの内径はインナーシャフト32の外径よりもわずかに大きく、このためにノズルホルダ33はインナーシャフト32の外周面に沿って(すなわち上下方向に)摺動自在になっている。
【0019】
ノズルホルダ33の下端には下方に延びた吸着ノズル34が取り付けられている。吸着ノズル34はノズルホルダ33の下端に外嵌される外嵌部34aの下部に円盤状の鍔部34bを有している。吸着ノズル34の内部には上下方向に延びたノズル内管路34cが設けられており、吸着ノズル34の外嵌部34aがノズルホルダ33の下端に外嵌された状態では、吸着ノズル34のノズル内管路34cはノズルホルダ33の内部空間33aを介してインナーシャフト32の内部の吸着管路32aと連通する。このため、吸着ノズル34がノズルホルダ33に取り付けられた状態でインナーシャフト32の吸着管路32a内に真空圧が供給されると、吸着ノズル34のノズル内管路34c内にも真空圧が供給され、この状態で吸着ノズル34の下端に部品4を接触(或いは近接)させると、部品4が吸着ノズル34の下端に吸着される。また、吸着ノズル34の下端に部品4が吸着されている状態でインナーシャフト32の吸着管路32a内への真空圧の供給を停止して大気開放すると、部品4は吸着ノズル34の下端から離脱する。
【0020】
インナーシャフト32の外周面には下方に開口した筒状のばね収容部材35が取り付けられており、ばね収容部材35内に収容された圧縮ばね36によってノズルホルダ33はインナーシャフト32に対して下方に付勢された状態となっている。ここで、図4(a)に示すように、ノズルホルダ33から側方に延びた突起部33bはばね収容部材35の側面の一部に上下方向に延びて設けられた突起部移動溝35a内で上下方向への移動ができるようになっているので、吸着ノズル34の下端に上方への押圧力が作用していない状態では、ノズルホルダ33は突起部33bの下端をばね収容部材35の突起部移動溝35aの下縁に上方から当接した状態となっているが、吸着ノズル34の下端に上方への押圧力が作用すると、図4(b)に示すように、その押圧力によってノズルホルダ33は圧縮ばね36の付勢力に抗して上動する。但し、ノズルホルダ33の上動の上限は、突起部33bが突起部移動溝35aの上縁に下方から当接するところで制限される。
【0021】
図2において、基板カメラ25は撮像視野を下方に向けた状態で設けられており、部品カメラ26は撮像視野を上方に向けた状態で設けられている。
【0022】
コンベア機構21による基板2の搬送及び位置決め動作は、装着機制御装置27がコンベア機構21を構成する一対のベルトコンベア21aの図示しないアクチュエータの作動制御を行うことによってなされる。
【0023】
各テープフィーダ22は装着ヘッド24によって基板2に装着される部品4を部品供給口22aに供給する。各テープフィーダ22による部品4の部品供給口22aへの供給動作は、装着機制御装置27が各テープフィーダ22内のアクチュエータ(図示せず)の作動制御を行うことによってなされる。
【0024】
装着ヘッド24の移動動作は装着機制御装置27が前述のヘッド移動ロボット23の作動制御を行うことによってなされる。また、装着ヘッド24による吸着ノズル34を介した部品4の吸着動作は装着機制御装置27が図示しないアクチュエータ等から成る吸着機構41の作動制御を行うことによってなされ、各インナーシャフト32の装着ヘッド24に対する昇降及び回転動作は、装着機制御装置27が図示しないアクチュエータ等から成る吸着ノズル駆動機構42の作動制御を行うことによってなされる。装着機制御装置27は、部品4を吸着させた吸着ノズル34を装着ヘッド24に対して上下軸回りに回転させることにより、電極部3の配置に応じた任意の回転角度で部品4を基板2上に装着させることができる。
【0025】
基板カメラ25による撮像動作の制御と部品カメラ26による撮像動作の制御は装着機制御装置27によってなされ、基板カメラ25の撮像動作によって得られた画像データと部品カメラ26の撮像動作によって得られた画像データは装着機制御装置27に送信されて画像認識処理がなされる。
【0026】
装着機制御装置27はプログラム記憶部27aを備えており、このプログラム記憶部27aには、部品装着機12の自動運転時の動作を規定するNCプログラム、テープフィーダ22の配置を指定する配列プログラム、部品4に関するデータをまとめた部品ライブラリ、基板2の情報をまとめた基板データ等から成る実装プログラムが記憶されている。
【0027】
図5に示すNCプログラムには、どの種類の部品4を、どのテープフィーダ22から、どの吸着ノズル34によって、どのような順序で吸着して、基板2のどの目標装着位置P0に、どのような装着角度で装着するか等が定められている。
【0028】
図6に示すように、基板2上の目標装着位置P0は、基板2の面内方向に設定した直交する2軸であるX軸及びY軸を基準とした座標(x,y)によって表し、部品4の装着角度は、基板2に定めたX軸及びY軸の一方の軸(ここではX軸)からの角度θによって表す。また、どのテープフィーダ22から部品4を供給するかについては、テープフィーダ22の取り付け位置ごとに定めた識別子を用いて表し、どの吸着ノズル34によって部品4を吸着するかについては、吸着ノズル34の取り付け位置であるインナーシャフト32ごとに定めた識別子を用いて表す。
【0029】
部品装着機12が基板2上の各電極部3を目標装着位置P0として部品4を装着する部品装着作業を行うには、先ず、装着機制御装置27は、コンベア機構21を作動させて部品装着機12の上流工程側の印刷機11から送られてきた基板2を搬入し、所定の作業位置に静止させて基板2の位置決めを行う(図7に示すステップST1)。
【0030】
装着機制御装置27は、基板2の位置決めを行ったら、装着ヘッド24を移動させて基板カメラ25を基板2の上方に位置させ、基板カメラ25により基板2上の一対の基板マーク2m(図2)を撮像して画像認識する。そして、得られた一対の基板マーク2mの位置を予め設定された基準の位置と比較することによって、基板2の基準の位置からの位置ずれを求める(図7に示すステップST2)。
【0031】
装着機制御装置27は、基板2の基準の位置からの位置ずれを求めたら、テープフィーダ22の作動制御を行って部品供給口22aに部品4を供給させるとともに、装着ヘッド24をテープフィーダ22の上方に位置させることによって装着ヘッド24が備える吸着ノズル34に部品4を吸着させる(図7に示すステップST3)。そして、装着ヘッド24を移動させて吸着ノズル34に吸着させた部品4が部品カメラ26の上方を通過するようにして部品カメラ26により部品4を撮像して画像認識し(図7に示すステップST4)、吸着ノズル34に対する部品4の位置ずれを算出したうえで(図7に示すステップST5)、装着ヘッド24を基板2の上方に位置させ、吸着ノズル34に吸着させた部品4を基板2上の目標装着位置P0に装着する(図7に示すステップST6)。
【0032】
装着機制御装置27は、基板2上に装着される部品4ごとに予め定められた吸着ノズル34の識別子と装着順序とに基づいて装着ヘッド24を作動させて基板2上への部品4の装着を行い、部品4を基板2に装着するときは、基板カメラ25による基板マーク2mの撮像によって得られた基板2の位置ずれと、部品カメラ26による部品4の撮像によって得られた吸着ノズル34に対する部品4の位置ずれがキャンセルされるように吸着ノズル34の位置及び回転方向の補正を行う。
【0033】
このように、本実施の形態において、部品装着機12は、下方に延びる複数のインナーシャフト32(シャフト部材)のそれぞれの下端にノズルホルダ33(摺動部材)を介して取り付けられた吸着ノズル34によってテープフィーダ22(部品供給手段)により供給される部品4を吸着して基板2上の目標装着位置P0に装着するものとなっている。
【0034】
上記のように吸着ノズル34に吸着させた部品4を基板2に装着させる際、装着機制御装置27は、装着ヘッド24に対してインナーシャフト32を下降させ、吸着ノズル34に吸着させた部品4が基板2の電極部3上に押し付けられるようにするが、図4(a),(b)に示すように、このとき吸着ノズル34の下端には基板2からの反力が作用し、ノズルホルダ33は圧縮ばね36の付勢力に抗してインナーシャフト32に対して上方に摺動する。このノズルホルダ33のインナーシャフト32に対する摺動は、インナーシャフト32と吸着ノズル34との間の緩衝機能を果たし、インナーシャフト32から部品4に伝達される力が軽減されるので、部品4が過剰な力で基板2に押し付けられることが防止される。
【0035】
ここで、ノズルホルダ33とインナーシャフト32との間のわずかな隙間S(図4(a),(b))に微小な異物が入り込むと、インナーシャフト32に対するノズルホルダ33の滑らかな摺動が妨げられ、これによって部品4の基板2への装着時にインナーシャフト32から部品4に伝達される力が通常時よりも増大して、吸着ノズルが部品の中心からずれた位置を吸着した状態で平坦でないクリーム半田上に装着した場合に部品を横方向にずらす力が発生し、部品が横方向に押し遣られてしまう場合があり、このような場合には、図8に示すように、目標装着位置P0に対する部品4の中心位置PのXY面内方向の位置ずれ(Δx,Δy)や、基板2と直交する軸回りの回転方向の部品4の位置ずれΔθが発生することになる。このため、部品実装システム1のオペレータOP(図1)は、定期的にインナーシャフト32からノズルホルダ33を取り外してインナーシャフト32とノズルホルダ33との間或いはノズルホルダ33とばね収容部材35との間の異物を除去する等のメンテナンス作業を行う必要がある。
【0036】
装着機制御装置27は、上記ステップST6において基板2に対する部品4の装着が終了したら、基板2に装着すべき全ての部品4の装着が終了したか否かの判断を行う(図7に示すステップST7)。そして、その結果、基板2に装着すべき全ての部品4の装着が終了していなかったときにはステップST3に戻って吸着ノズル34による次の部品4の吸着を行い、基板2に装着すべき全ての部品4の装着が終了していたときには、コンベア機構21を作動させて基板2を部品装着機12から搬出する(図7に示すステップST8)。
【0037】
次に、検査機13について説明する。図9において、検査機13は一対のベルトコンベア51aから成るコンベア機構51、XYロボットから成るカメラ移動ロボット52によってコンベア機構51の上方を移動自在に設けられた検査カメラ53、ディスプレイ装置54及びこれら各部の作動制御を行う検査機制御装置55を備えている。
【0038】
コンベア機構51による基板2の搬送及び位置決めは、検査機制御装置55がコンベア機構51を構成する一対のベルトコンベア51aの図示しないアクチュエータの作動制御を行うことによってなされる。
【0039】
検査カメラ53は撮像視野を下方に向けて設けられている。検査カメラ53の移動動作は検査機制御装置55がカメラ移動ロボット52の作動制御を行うことによってなされる。
【0040】
検査カメラ53による撮像動作の制御は検査機制御装置55によってなされ、検査カメラ53の撮像動作によって得られた画像データは検査機制御装置55に送信されて検査機制御装置55が備える画像認識処理部55aにおいて画像認識処理がなされる。
【0041】
検査機制御装置55は上記画像認識処理部55aのほか、位置ずれ量算出部55b、位置ずれ量推移算出部55c、ノズル特定部55d及び報知制御部55eを備えている。
【0042】
位置ずれ量算出部55bは、装着ヘッド24によって装着された基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量(Δx,Δy,Δθ)を算出する。そして、その算出した基板2上の各部品4の目標装着位置P0からのずれ量(Δx,Δy,Δθ)を、例えば、図5のNCプログラムをベースにして作成した位置ずれ量一覧テーブル(図10)に書き込んで保存する。
【0043】
位置ずれ量推移算出部55cは、位置ずれ量算出部55bが算出した各基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量と、部品装着機12より転送された実装プログラム(図1参照)に規定されている各基板2上の各部品4に関する吸着ノズル34の識別子、装着順序及び該当する基板2の生産時期(或いは生産順)に基づいて、吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する。
【0044】
この吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移は、例えば、図11に示すように、位置ずれ量算出部55bが作成した前述の位置ずれ量一覧テーブル(図10)から抜粋したテーブルを作成することによっても得られる。また、このテーブルを元にすれば、吸着ノズル34によって装着された各部品4のXY面内方向の位置ずれ量をXY座標にプロットすることができ、このプロットを一定の装着数のまとまりごとに行うことで、図12に示すように部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移を視覚的に表現することもできる。
【0045】
図12は、或るひとつの吸着ノズル34によって装着された部品4の位置ずれ量の時系列的な推移を(a)→(b)→(c)→(d)の時間的順序で示すものであり、図12(a)、第1〜第20回目の装着における位置ずれ量をプロットしたもの、図12(b)は第21〜第40回目の装着における位置ずれ量をプロットしたもの、図12(c)は第41〜60回目の装着における位置ずれ量をプロットしたもの、図12(d)は第61〜第80回目の装着における位置ずれ量をプロットしたものである。
【0046】
ノズル特定部55dは、位置ずれ量推移算出部55cが算出した吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量が漸増している吸着ノズル34を特定する。
【0047】
ここで、部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量が漸増しているか否かの判断は、例えば、X軸方向、Y軸方向及びθ軸方向それぞれの位置ずれ量の成分のうちの少なくともひとつが漸増しているか否かで判断する。そして、ここでいう漸増とは、少なくともひとつの成分の位置ずれ量が全体として漸増していることを意味し、或る連続した2つの装着動作の間で位置ずれ量が減少する場合があったとしても、全体的にみて位置ずれ量が増加していれば漸増していると捉える。
【0048】
また、一定の装着回数に達した時点でそれまでの位置ずれ量の平均値を求めてこれが漸増しているかどうかを調べてもよい。前述の図12の例では、XY面内方向の位置ずれ量の平均値が(a)→(b)→(c)→(d)の順で漸増していることが直観的に分かる。
【0049】
報知制御部55eは、ノズル特定部55dが特定した吸着ノズル34の識別子を、ディスプレイ装置54を介して報知する。この報知は、例えば、報知制御部55eが、ディスプレイ装置54に、「警告 向かって左から2番目奥の吸着ノズルが取り付けられているノズルホルダを取り外してメンテナンスを行って下さい。」等の警告文書をディスプレイ装置54に表示させることによって行う。また、メンテナンスを行うべき吸着ノズル34の位置が視覚的にオペレータOPに分かるように吸着ノズル34の図を併せてディスプレイ装置54に表示するようにしてもよい。
【0050】
オペレータOPは、ディスプレイ装置54に部品4の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズル34が表示されたら、その表示された吸着ノズル34が取り付けられているノズルホルダ33をインナーシャフト32から取り外し、そのインナーシャフト32の外周面とノズルホルダ33の内部空間33aの内周面から異物を除去するメンテナンス作業を実行する。これによりインナーシャフト32に対するノズルホルダ33の摺動状態は良好になり、インナーシャフト32とノズルホルダ33の間に異物が入り込んだことに起因して生じる部品4の目標装着位置P0からの位置ずれは大幅に解消される。
【0051】
検査機13によって基板2に装着された各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量を求める検査作業を行う場合には、検査機制御装置55は先ず、部品装着機12から送られてきた基板2をコンベア機構51によって搬入し(図13に示すステップST11)、所定の作業位置に静止させて基板2の位置決めを行う(図13に示すステップST12)。そして、検査機制御装置55は、検査カメラ53を基板2の上方に移動させて検査カメラ53により基板2上の一対の基板マーク2mを撮像して画像認識し、一対の基板マーク2mの位置を予め設定された基準の位置と比較することによって、基板2の基準の位置からの位置ずれ量を算出する(図13に示すステップST13)。
【0052】
検査機制御装置55は、位置決めした基板2上の各部品4の目標装着位置P0の近傍領域を検査カメラ53により撮像して画像認識する(図13に示すステップST14)。なお、このステップST14での検査カメラ53による基板2上の各部品4の目標装着位置P0の近傍領域の撮像は、ステップST3で求めた基板2の基準の位置からの位置ずれ量を用いて各目標装着位置P0の座標値(x,y)の補正を行いつつ実行する。
【0053】
検査機制御装置55は、基板2上の各部品4の目標装着位置P0の近傍領域を検査カメラ53によって撮像して画像認識したら、その画像認識結果に基づいて、位置ずれ量算出部55bにより、基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量を算出し(図13に示すステップST15)、その結果を前述の位置ずれ量一覧テーブル(図10)に書き込んで保存する。
【0054】
検査機制御装置55の位置ずれ量算出部55bが、基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量を算出してその結果を記憶したら、検査機制御装置55の位置ずれ量推移算出部55cは、位置ずれ量算出部55bが算出した各基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量と、実装プログラムに記載された各基板2上の各部品4に関する吸着ノズル34の識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する(図13に示すステップST16)。
【0055】
検査機制御装置55の位置ずれ量推移算出部55cが、吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出したら、その算出した吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、検査機制御装置55のノズル特定部55dが、部品4の目標装着位置P0の位置ずれ量が漸増している吸着ノズル34を特定する(図13に示すステップST17)。
【0056】
検査機制御装置55の報知制御部55eは、上記のステップST17において、部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量が漸増している吸着ノズル34があってこれをノズル特定部55dが特定した場合には、その特定した吸着ノズル34の識別子をディスプレイ装置54に表示してオペレータOPに報知する(図13に示すステップST18及びステップST19)。
【0057】
このように、本実施の形態における部品実装システム1では、装着ヘッド24によって装着された基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量を算出する検査機制御装置55の位置ずれ量算出部55b(位置ずれ量算出手段)、位置ずれ量算出部55bが算出した基板2上の各部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量と予め定められた基板2上の各部品4に関する吸着ノズル34の識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する検査機制御装置55の位置ずれ量推移算出部55c(位置ずれ量推移算出手段)、位置ずれ量推移算出部55cが算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズル34を特定する検査機制御装置55のノズル特定部55d(ノズル特定手段)及びノズル特定部55dが特定した吸着ノズル34の識別子を報知する検査機制御装置55の報知制御部55e及びディスプレイ装置54(報知手段)を備え、吸着ノズル34ごとの部品4の目標装着位置P0からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品4の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズル34を特定してその吸着ノズル34の識別子を報知するようになっているので、オペレータOPは報知された吸着ノズル34の識別子から、インナーシャフト32に対する緩衝機能が低下している吸着ノズル34を的確に把握することができ、適切な処置を迅速に施して実装基板の生産効率が低下することを防止することができる。
【0058】
なお、本発明は、図14に示すように、吸着ノズル34がインナーシャフト32の下端に取り付けられた本体部34p及び本体部34pに対して摺動自在な先端部34qから成るとともに、先端部34qが、部品4の基板への装着時に本体部34pに対して摺動することでインナーシャフト32から部品4に伝達される力を軽減するようになっている場合においても、上述の場合と同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
オペレータがシャフト部材に対する緩衝機能が低下している吸着ノズルを的確に把握して適切な処置を迅速に施すことができるようにした部品実装システム及び部品実装方法を提供する。
【符号の説明】
【0060】
1 部品実装システム
2 基板
4 部品
22 テープフィーダ(部品供給手段)
24 装着ヘッド
32 インナーシャフト(シャフト部材)
33 ノズルホルダ(摺動部材)
34 吸着ノズル
34p 本体部
34q 先端部
54 ディスプレイ装置(報知手段)
55b 位置ずれ量算出部(位置ずれ算出手段)
55c 位置ずれ量推移算出部(位置ずれ量推移算出手段)
55d ノズル特定部(ノズル特定手段)
55e 報知制御部(報知手段)
P0 目標装着位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に摺動部材を介して取り付けられた吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、摺動部材は、部品の基板への装着時にシャフト部材に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムであって、
装着ヘッドによって装着された基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段と、
位置ずれ量算出手段が算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する位置ずれ量推移算出手段と、
位置ずれ量推移算出手段が算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定するノズル特定手段と、
ノズル特定手段が特定した吸着ノズルの識別子を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする部品実装システム。
【請求項2】
下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に取り付けられた本体部及び本体部に対して摺動自在な先端部から成る吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、先端部は、部品の基板への装着時に本体部に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムであって、
装着ヘッドによって装着された基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出手段と、
位置ずれ量算出手段が算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する位置ずれ量推移算出手段と、
位置ずれ量推移算出手段が算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定するノズル特定手段と、
ノズル特定手段が特定した吸着ノズルの識別子を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする部品実装システム。
【請求項3】
下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に摺動部材を介して取り付けられた吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、摺動部材は、部品の基板への装着時にシャフト部材に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムによる部品実装方法であって、
装着ヘッドが装着した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する工程と、
算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する工程と、
算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定する工程と、
特定した吸着ノズルの識別子を報知する工程とを含むことを特徴とする部品実装方法。
【請求項4】
下方に延びる複数のシャフト部材のそれぞれの下端に取り付けられた本体部及び本体部に対して摺動自在な先端部から成る吸着ノズルによって部品供給手段により供給される部品を吸着して基板上の目標装着位置に装着する装着ヘッドを有し、装着ヘッドは、基板上に装着される部品ごとに予め定められた吸着ノズルの識別子と装着順序とに基づいて基板上への部品の装着を行うように作動され、先端部は、部品の基板への装着時に本体部に対して摺動することでシャフト部材から部品に伝達される力を軽減するようになっている部品実装システムによる部品実装方法であって、
装着ヘッドが装着した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量を算出する工程と、
算出した基板上の各部品の目標装着位置からの位置ずれ量と予め定められた基板上の各部品に関する吸着ノズルの識別子及び装着順序とに基づいて、吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移を算出する工程と、
算出した吸着ノズルごとの部品の目標装着位置からの位置ずれ量の時系列的な推移に基づいて、部品の目標装着位置の位置ずれ量が漸増している吸着ノズルを特定する工程と、
特定した吸着ノズルの識別子を報知する工程とを含むことを特徴とする部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−33791(P2013−33791A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168106(P2011−168106)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】