説明

部品実装機

【課題】テープフィーダから排出される空テープがテープガイド通路のガイドカバーの上面側へはみ出していることを検出できるようにする。
【解決手段】テープフィーダ12の先端から排出される空テープ15が導入されるテープガイド通路16の上面カバーであるガイドカバー21の上面のうちの空テープ15のはみ出し方向に位置する検査エリアに画像認識可能な画像認識部22が設けられている。ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを検査する際に、部品実装機のカメラをガイドカバー21の上面のうちの画像認識部22が位置する検査エリアの上方へ移動させて該検査エリアを上方からカメラ19で撮像し、画像処理により該検査エリアの画像内に画像認識部22を認識できたか否かを判定し、その結果、画像認識部22を認識できない場合は、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープフィーダから排出される空テープ(キャリアテープ)を下方へ湾曲させて案内するテープガイド通路をその上方から覆うガイドカバーを備えた部品実装機に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来より、部品実装機は、例えば特許文献1(特開平7−226599号公報)に記載されているように、テープフィーダをフィーダセット台に着脱可能にセットして該テープフィーダで部品供給テープを部品吸着位置へ送り、該部品吸着位置の手前で該部品供給テープの上面からトップテープを剥離させて露出させたキャリアテープ内の部品を部品実装機の吸着ノズルで吸着して回路基板に実装すると共に、テープフィーダの先端から排出される空のキャリアテープ(以下「空テープ」という)をテープガイド通路によって下方へ湾曲させて案内して空テープ回収ボックス内に回収するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−226599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、部品実装機のフィーダセット台にテープフィーダをセットする際に、テープフィーダの先端から突き出した空テープがテープガイド通路の上面カバーであるガイドカバーの上面側へはみ出した状態にセットされたり、或は、テープフィーダのセット後にテープ送り動作により空テープがガイドカバーの上面側へはみ出した状態になることがある。このような状態で、部品実装機を稼働させ続けると、ガイドカバーの上面側へはみ出した空テープの塊が次第に大きくなって、部品実装機のカメラや吸着ノズルが移動する際にカメラや吸着ノズル等の可動部分に空テープが絡み付いて、画像処理エラー、部品吸着不良、部品実装不良等が発生する可能性があった。一般に、ガイドカバーは部品実装機内の奥方に位置するため、作業者の目視では、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを発見することは困難である。
【0005】
従って、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを自動的に検出する機能を部品実装機に持たせることが望ましいが、このような空テープのはみ出し検出機能は未だ開発されておらず、本発明者らが行った先行技術文献の調査結果でも、空テープのはみ出し検出機能を記載した先行技術文献は発見できなかった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを自動的に検出する機能を備えた部品実装機を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、フィーダセット台に着脱可能にセットしたテープフィーダと、このテープフィーダから排出される空テープを下方へ湾曲させて案内するテープガイド通路をその上方から覆うガイドカバーとを備えた部品実装機において、前記ガイドカバーの上方から撮像可能なカメラと、前記ガイドカバーの上面のうちの空テープのはみ出し方向に位置する検査エリアに設けられた画像認識可能な画像認識部と、前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを検査する際に前記検査エリアを上方から前記カメラで撮像して得られた画像内に前記画像認識部を認識できない場合は前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると判定する検査手段とを備えた構成としたものである。ここで、画像認識部は、ガイドカバーの上面を背景として画像認識可能なものであれば、どのような形状や色のものであっても良く、例えば、ガイドカバーの上面の色と識別可能な色で着色されたマーク、文字、記号等を画像認識部として用いれば良い。
【0008】
この構成では、ガイドカバーの上面のうちの空テープのはみ出し方向に位置する検査エリアに画像認識部が設けられているため、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると、その空テープがガイドカバー上面の画像認識部上に被さって画像認識部が空テープで隠された状態となる。このような状態になると、検査エリアを上方からカメラで撮像して、その画像を処理しても画像認識部を認識できない。このような関係から、検査エリアの画像内に画像認識部を認識できない場合は、空テープがガイドカバーの上面側へはみ出していると判定するものであり、これにより、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを自動的に検出できる。
【0009】
本発明は、ガイドカバーの上面に画像認識部を設ける構成に限定されず、画像認識部を設けない場合は、請求項2のように、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが無い状態のときにガイドカバーの上面のうちの空テープのはみ出し方向に位置する検査エリアを上方からカメラで撮像した画像を基準画像として記憶手段に記憶しておき、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを検査する際に、検査エリアを上方からカメラで撮像してその画像を前記記憶手段から読み出した前記基準画像と比較して両者が一致しない場合は前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると判定するようにしても良い。要するに、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが無い状態を撮像した基準画像には、空テープが写っていないが、空テープのはみ出しが有る状態を撮像した画像には、空テープが写っているため、撮像した画像が基準画像と一致すれば、空テープのはみ出しが無いと判定し、撮像した画像が基準画像と一致しなければ、空テープのはみ出しが有ると判定するものである。これにより、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを自動的に検出できる。
【0010】
或は、請求項3のように、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを検査する際に、ガイドカバーの上面のうちの空テープのはみ出し方向に位置する検査エリアを上方からカメラで撮像し、撮像した検査エリアの画像の平均輝度を平均輝度演算手段により演算し、その検査エリアの画像の平均輝度を前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが無い場合の検査エリアの画像の平均輝度に基づいて設定された判定しきい値と比較して両者が所定値以上異なる場合はガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると判定するようにしても良い。要するに、ガイドカバーの上面の検査エリアへの空テープのはみ出しの有無によって、該検査エリアの画像の平均輝度が変化するため、撮像した検査エリアの画像の平均輝度を空テープのはみ出しが無い場合の検査エリアの画像の平均輝度に基づいて設定された判定しきい値と比較して両者が所定値以上異なる場合は、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると判定するものである。これにより、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを自動的に検出できる。
【0011】
上述した請求項1〜3に係る発明で使用するカメラは、専用のカメラを新たに設けても良いが、部品実装機の構造上、ガイドカバーの上方に専用のカメラを設置することがスペース的に困難であったり、コストアップする問題があり、省スペース化・低コスト化の要求を満たすことが困難である。
【0012】
そこで、請求項4のように、ガイドカバーの上方から撮像するカメラとしては、テープフィーダにより供給される部品を実装する回路基板の基準位置マーク(フィデューシャルマーク)を撮像するカメラを用いるようにすると良い。一般に、回路基板の基準位置マークを撮像するカメラは、部品実装機に標準装備され、X−Y−Z方向に移動できるようになっているため、このカメラをガイドカバーの上方に移動させてガイドカバーの上面の検査エリアを撮像するようにすれば良い。このようにすれば、専用のカメラを新たに設ける必要がなく、省スペース化・低コスト化の要求を満たすことができる。
【0013】
また、請求項5のように、検査手段によりガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが検出されたときに、警報手段により警報するようにしても良い。この警報は、例えば、部品実装機のモニタ画面に警報表示したり、警報灯を点灯又は点滅させたり、警報音を発生したりすれば良い。このようにすれば、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが検出されたときに、それを警報により作業者に知らせて、部品実装機を停止させたり、空テープのはみ出しが発生したテープフィーダを取り外して、はみ出した空テープを切除して該テープフィーダを再セットするように作業者に促すことができる。
【0014】
また、請求項6のように、検査手段によりガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが検出されたときに、異常停止手段により部品実装機を停止させるようにしても良い。このようにすれば、ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが検出されたときに、部品実装機を自動的に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の実施例1における部品実装機の主要部の構成を概略的に示す側面図である。
【図2】図2はガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが無い場合の状態を示す主要部の斜視図である。
【図3】図3はガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有る場合の状態を示す主要部の斜視図である。
【図4】図4は実施例1の空テープはみ出し検査プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は実施例2の空テープはみ出し検査プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は実施例3の空テープはみ出し検査プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した3つの実施例1〜3を説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて部品実装機10の構成を概略的に説明する。
部品実装機10のフィーダセット台11には、複数のテープフィーダ12が横並びにセットされている。このテープフィーダ12には、部品供給テープ13を巻回したテープリール14がセットされ、該テープリール14から部品供給テープ13を部品吸着位置へ送り、該部品吸着位置の手前で部品供給テープ13の上面からトップテープ(図示せず)を剥離させてキャリアテープ15(図2参照)を露出させ、該部品吸着位置で該キャリアテープ15内の部品を部品実装機10の吸着ノズル(図示せず)で吸着して回路基板に実装する。
【0018】
テープフィーダ12の先端から排出される空のキャリアテープ15(以下「空テープ」という)は、テープガイド通路16によって下方へ湾曲させて案内され、テープ切断機構(図示せず)で切断されてシュート17を滑落して空テープ回収ボックス18内に回収される。
【0019】
部品実装機10には、部品を実装する回路基板の基準位置マーク(フィデューシャルマーク)をその上方から撮像するカメラ19が装備され、このカメラ19がカメラ移動装置(図示せず)によってX−Y−Z方向に移動できるようになっている。
【0020】
一方、テープフィーダ12の上面のうちの部品吸着位置の近傍には、基準位置マーク20が該部品吸着位置と一定の位置関係で設けられている。部品実装機10のフィーダセット台11にテープフィーダ12をセットした後、部品実装動作を開始する前に、部品実装機10のカメラ19をテープフィーダ12の基準位置マーク20の上方へ移動させて該基準位置マーク20を撮像して該基準位置マーク20の位置を画像処理により認識し、該基準位置マーク20の位置を基準にしてテープフィーダ12の部品吸着位置を確認するようにしている。
【0021】
通常は、図2に示すように、テープフィーダ12の先端から排出される空テープ15はテープガイド通路16内に導入されるが、部品実装機10のフィーダセット台11にテープフィーダ12をセットする際に、図3に示すように、テープフィーダ12の先端から突き出した空テープ15がテープガイド通路16の上面カバーであるガイドカバー21の上面側へはみ出した状態にセットされたり、或は、テープフィーダ12のセット後にテープ送り動作により空テープ15がガイドカバー21の上面側へはみ出した状態になることがある。このような状態で、部品実装機10を稼働させ続けると、ガイドカバー21の上面側へはみ出した空テープ15の塊が次第に大きくなって、部品実装機10のカメラ19や吸着ノズルが移動する際にカメラ19や吸着ノズル等の可動部分に空テープが絡み付いて、画像処理エラー、部品吸着不良、部品実装不良等が発生する可能性がある。図1に示すように、ガイドカバー21は部品実装機10内の奥方に位置するため、作業者の目視では、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを発見することは困難である。
【0022】
そこで、本実施例1では、部品実装機10に、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを検査する機能を搭載している。以下、この空テープ15のはみ出し検査機能について説明する。
【0023】
ガイドカバー21の上面のうちの空テープ15のはみ出し方向に位置する検査エリアに画像認識可能な画像認識部22が設けられている。この画像認識部22は、ガイドカバー21の上面を背景として画像認識可能なものであれば、どのような形状や色のものであっても良く、例えば、ガイドカバー21の上面の色と識別可能な色で着色されたマーク、文字、記号等を画像認識部22として用いれば良い。画像認識部22の位置(検査エリアの位置)は、テープフィーダ12に近い位置(ガイドカバー21のテープフィーダ12側の端縁部に近い位置)が望ましい。
【0024】
ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを検査する際に、部品実装機10のカメラ19をガイドカバー21の上面のうちの画像認識部22が位置する検査エリアの上方へ移動させて該検査エリアを撮像し、画像処理により該検査エリアの画像内に画像認識部22を認識できたか否かを判定し、その結果、画像認識部22を認識できない場合は、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定する。
【0025】
要するに、本実施例1では、ガイドカバー21の上面のうちの空テープ15のはみ出し方向に位置する検査エリアに画像認識部22が設けられているため、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると、その空テープ15がガイドカバー21の上面の画像認識部22上に被さって画像認識部22が空テープ15で隠された状態となる。このような状態になると、検査エリアを上方からカメラ19で撮像して、その画像を処理しても画像認識部22を認識できない。このような関係から、検査エリアの画像内に画像認識部22を認識できない場合は、空テープ15がガイドカバー21の上面側へはみ出していると判定するものである。
【0026】
以上説明した本実施例1の空テープ15のはみ出し検査は、部品実装機10の制御装置(図示せず)によって図4の空テープはみ出し検査プログラムに従って次のように実行される。図4の空テープはみ出し検査プログラムは、部品実装機10の制御装置の電源オン中に繰り返して実行され、特許請求の範囲でいう検査手段としての役割を果たす。
【0027】
本プログラムが起動されると、まず、ステップ100で、空テープはみ出し検査の実行タイミングであるか否かを判定する。ここで、空テープはみ出し検査の実行タイミングは、例えば、次の(1) 〜(3) のいずれかである。
【0028】
(1) フィーダセット台11にテープフィーダ12をセットした直後
(2) カメラ19でテープフィーダ12の基準位置マーク20を撮像する動作の直前又は直後
(3) 部品実装機10の部品実装動作の停止期間中(部品実装動作を妨げない時間帯)で、前回の空テープはみ出し検査の実行から所定時間経過したとき
【0029】
これら(1) 〜(3) のいずれにも該当しなければ、空テープはみ出し検査の実行タイミングではないと判定され、(1) 〜(3) のいずれかに該当すれば、空テープはみ出し検査の実行タイミングであると判定される。
【0030】
上記ステップ100で、空テープはみ出し検査の実行タイミングでないと判定されれば、空テープはみ出し検査の実行タイミングになるまで待機する。その後、空テープはみ出し検査の実行タイミングになった時点で、ステップ100からステップ101に進み、部品実装機10のカメラ19をガイドカバー21の上面のうちの画像認識部22が位置する検査エリアの上方へ移動させた後、ステップ102に進み、検査エリアを上方からカメラ19で撮像する。
【0031】
この後、ステップ103に進み、撮像した検査エリアの画像を画像処理した後、ステップ104に進み、検査エリアの画像内に画像認識部22を認識できたか否かを判定する。その結果、画像認識部22を認識できたと判定されれば、ステップ105に進み、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが無いと判定して、本プログラムを終了する。
【0032】
これに対し、上記ステップ104で、画像認識部22を認識できないと判定されれば、ステップ106に進み、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定し、次のステップ107で、空テープ15のはみ出しを警報して作業者に知らせる。この警報は、例えば、部品実装機のモニタ画面に警報表示したり、警報灯を点灯又は点滅させたり、警報音を発生したりすれば良い。このステップ107の処理が特許請求の範囲でいう警報手段としての役割を果たす。更に、次のステップ108で、部品実装機を強制的に停止させて、本プログラムを終了する。このステップ108の処理が特許請求の範囲でいう異常停止手段としての役割を果たす。
【0033】
以上説明した本実施例1では、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを検査する際に、部品実装機10のカメラ19をガイドカバー21の上面のうちの画像認識部22が位置する検査エリアの上方へ移動させて、該検査エリアを上方からカメラ19で撮像し、画像処理により該検査エリアの画像内に画像認識部22を認識できない場合は、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定するようにしたので、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを自動的に検出できる。
【0034】
しかも、本実施例1では、空テープ15のはみ出し検査に用いるカメラとして、回路基板の基準位置マークを撮像するカメラ19を用いるようにしたので、専用のカメラを新たに設ける必要がなく、省スペース化・低コスト化の要求を満たすことができる。
【0035】
但し、本発明は、空テープ15のはみ出し検査に用いる専用のカメラを新たに設けるようにしても良く、この場合でも、本発明の所期の目的を達成できる。
【実施例2】
【0036】
上記実施例1では、ガイドカバー21の上面に画像認識部22を設けたが、図5に示す本発明の実施例2では、ガイドカバー21の上面に画像認識部22を設けずに、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを検査するようにしている。
【0037】
具体的には、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが無い状態のときに、ガイドカバー21の上面のうちの空テープ15のはみ出し方向に位置する検査エリアを上方からカメラ19で撮像した画像を基準画像として記憶装置(記憶手段)に記憶しておき、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを検査する際に、検査エリアを上方からカメラ19で撮像してその画像を上記記憶装置から読み出した基準画像と比較して両者が一致しない場合はガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定する。要するに、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが無い状態を撮像した基準画像には、空テープ15が写っていないが、空テープ15のはみ出しが有る状態を撮像した画像には、空テープ15が写っているため、撮像した画像が基準画像と一致すれば、空テープ15のはみ出しが無いと判定し、撮像した画像が基準画像と一致しなければ、空テープ15のはみ出しが有ると判定するものである。その他の事項は、前記実施例1と同じである。
【0038】
本実施例2で実行する図5の空テープはみ出し検査プログラムは、前記実施例1で説明した図4の空テープはみ出し検査プログラムのステップ103とステップ104の処理をステップ103aとステップ104aに変更しただけであり、他のステップの処理は同じである。
【0039】
図5の空テープはみ出し検査プログラムでは、ステップ100〜102の処理により、空テープはみ出し検査の実行タイミングで、部品実装機10のカメラ19をガイドカバー21上面の検査エリアの上方へ移動させて、該検査エリアを上方からカメラ19で撮像する。
【0040】
この後、ステップ103aに進み、記憶装置から基準画像を読み込み、次のステップ104aで、撮像した検査エリアの画像を基準画像と比較して両者が一致するか否かを判定し、両者が一致すると判定されれば、ステップ105に進み、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが無いと判定する。
【0041】
これに対し、上記ステップ104aで、撮像した検査エリアの画像が基準画像と一致しないと判定されれば、ステップ106に進み、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定し、それを警報して作業者に知らせて(ステップ107)、部品実装機10を強制的に停止させる(ステップ108)。
【0042】
以上説明した本実施例2でも、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを自動的に検出できる。
【実施例3】
【0043】
図6に示す本発明の実施例3でも、ガイドカバー21の上面に画像認識部22を設けずに、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを検査するようにしている。具体的には、ガイドカバー21上面側への空テープ15はみ出しを検査する際に、ガイドカバー21の上面のうちの空テープ15のはみ出し方向に位置する検査エリアを上方からカメラ19で撮像し、撮像した検査エリアの画像の平均輝度を演算し、その検査エリアの画像の平均輝度を判定しきい値と比較して両者が所定値以上異なる場合は、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定する。ここで、判定しきい値は、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが無い場合の検査エリアの画像の平均輝度に基づいて設定すれば良い。
【0044】
要するに、ガイドカバー21の上面の検査エリアへの空テープ15のはみ出しの有無によって、該検査エリアの画像の平均輝度が変化するため、撮像した検査エリアの画像の平均輝度を空テープ15のはみ出しが無い場合の検査エリアの画像の平均輝度に基づいて設定された判定しきい値と比較して両者が所定値以上異なる場合は、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定するものである。その他の事項は、前記実施例1と同じである。
【0045】
本実施例3で実行する図6の空テープはみ出し検査プログラムは、前記実施例1で説明した図4の空テープはみ出し検査プログラムのステップ103とステップ104の処理をステップ103bとステップ104bに変更しただけであり、他のステップの処理は同じである。
【0046】
図6の空テープはみ出し検査プログラムでは、ステップ100〜102の処理により、空テープはみ出し検査の実行タイミングで、部品実装機10のカメラ19をガイドカバー21上面の検査エリアの上方へ移動させて、該検査エリアを上方からカメラ19で撮像する。
【0047】
この後、ステップ103bに進み、撮像した検査エリアの画像の各画素の輝度を検出して、全ての画素の輝度を積算した値を画素数で割り算して該検査エリアの画像の平均輝度を求める。
【0048】
次のステップ104bで、検査エリアの画像の平均輝度と判定しきい値との差が所定値以内であるか否かを判定し、当該差が所定値以内であると判定されれば、ステップ105に進み、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが無いと判定する。
【0049】
これに対し、上記ステップ104bで、検査エリアの画像の平均輝度と判定しきい値との差が所定値以内ではないと判定されれば、ステップ106に進み、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが有ると判定し、それを警報して作業者に知らせて(ステップ107)、部品実装機10を強制的に停止させる(ステップ108)。
【0050】
以上説明した本実施例3でも、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しを自動的に検出できる。
尚、本発明は、上記各実施例1〜3に限定されず、例えば、ガイドカバー21の上面側への空テープ15のはみ出しが検出されて、警報が発せられたときに、作業者が手動操作で部品実装機を停止させるようにしても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
【符号の説明】
【0051】
10…部品実装機、11…フィーダセット台、12…テープフィーダ、13…部品供給テープ、14…テープリール、15…空テープ(空のキャリアテープ)、16…テープガイド通路、17…シュート、18…空テープ回収ボックス、19…カメラ、20…基準位置マーク、21…ガイドカバー、22…画像認識部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーダセット台に着脱可能にセットしたテープフィーダと、このテープフィーダから排出される空テープを下方へ湾曲させて案内するテープガイド通路をその上方から覆うガイドカバーとを備えた部品実装機において、
前記ガイドカバーの上方から撮像可能なカメラと、
前記ガイドカバーの上面のうちの空テープのはみ出し方向に位置する検査エリアに設けられた画像認識可能な画像認識部と、
前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを検査する際に前記検査エリアを上方から前記カメラで撮像して得られた画像内に前記画像認識部を認識できない場合は前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると判定する検査手段と
を備えていることを特徴とする部品実装機。
【請求項2】
フィーダセット台に着脱可能にセットしたテープフィーダと、このテープフィーダから排出される空テープを下方へ湾曲させて案内するテープガイド通路をその上方から覆うガイドカバーとを備えた部品実装機において、
前記ガイドカバーの上方から撮像可能なカメラと、
前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが無い状態のときに前記ガイドカバーの上面のうちの空テープのはみ出し方向に位置する検査エリアを上方から前記カメラで撮像した画像を基準画像として記憶した記憶手段と、
前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを検査する際に前記検査エリアを上方から前記カメラで撮像してその画像を前記記憶手段から読み出した前記基準画像と比較して両者が一致しない場合は前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると判定する画像処理手段と
を備えていることを特徴とする部品実装機。
【請求項3】
フィーダセット台に着脱可能にセットしたテープフィーダと、このテープフィーダから排出される空テープを下方へ湾曲させて案内するテープガイド通路をその上方から覆うガイドカバーとを備えた部品実装機において、
前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しを検査する際に前記ガイドカバーの上面のうちの空テープのはみ出し方向に位置する検査エリアを上方から撮像するカメラと、
前記カメラで撮像した前記検査エリアの画像の平均輝度を演算する平均輝度演算手段と、
前記平均輝度演算手段で演算した前記検査エリアの画像の平均輝度を前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが無い場合の前記検査エリアの画像の平均輝度に基づいて設定された判定しきい値と比較して両者が所定値以上異なる場合は前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが有ると判定する検査手段と
を備えていることを特徴とする部品実装機。
【請求項4】
前記カメラは、前記テープフィーダにより供給される部品を実装する回路基板の基準位置マークを撮像するカメラが用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品実装機。
【請求項5】
前記検査手段により前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが検出されたときに警報動作する警報手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の部品実装機。
【請求項6】
前記検査手段により前記ガイドカバーの上面側への空テープのはみ出しが検出されたときに部品実装機の稼働を停止させる異常停止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の部品実装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−98452(P2013−98452A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241911(P2011−241911)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】