説明

部品実装装置、および、部品実装方法

【課題】複数箇所に存在する細長い像を高解像度で一度に撮像する。
【解決手段】基板200に部品を実装するための部品実装装置100であって、撮像領域120が矩形である撮像手段150と、撮像領域120の長手方向に沿って入射する第一光301の第一光路111を撮像領域120の短手方向に分割される第一領域121を通過する第一撮像光路131に変更する第一反射部材101と、撮像領域120の長手方向に沿い第一光301と反対向きに入射する第二光302の第二光路112を第一領域121と短手方向に並ぶ撮像領域120内の第二領域122を通過する第二撮像光路132に変更する第二反射部材102とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、基板にはんだペーストを印刷する印刷装置や、部品を基板に装着するマウンタ、基板表面の状態を検査する検査装置など、基板に部品を実装するための部品実装装置に関し、特に、部品などの対象物の像を撮像し、当該像に基づき実装を実施するための部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、部品実装装置において、ガラス基板に貼り付けられた細長い帯状のACF (anisotropic conductive film:異方性導電フィルム)の一端部と他端部との貼り付け状態(めくれてないか否か)を一度に検出したい場合や、比較的大型の部品の対角にある位置特定用のマークを一度に認識したい場合など、1台のカメラの撮像領域では納められない程度に離れた2箇所を一度に撮像したい場合がある。
【0003】
上記の要求を満たす技術としては、例えば、二台のカメラを用いてそれぞれの箇所を撮像する技術を挙示することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、部品実装装置に2台のカメラを設けると、部品実装装置の構造がより複雑となり、装置が大型化する等の問題が発生し、またコストも必要となる。
【0005】
そこで、1台のカメラの撮像領域を分割し、異なる箇所の像を分割されたそれぞれの領域に導くことで、異なる複数箇所の像を一度に撮像する技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献2においては、光ファイバを用いて異なる2箇所(視点の異なる2箇所)の像を1箇所に集めると共に、撮像領域内に反射方向の異なるプリズムを配置して撮像領域を分割し、分割されたそれぞれの領域に異なる2箇所の像を導くことで、離れた場所にある二つの像を1台のカメラで一度に撮像する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−201932号公報
【特許文献2】実開昭60−142555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、光ファイバを用いて平面的な像を高画質な状態で任意の方向に導くのは困難である。また、光ファイバによって1箇所に導かれ、プリズムに入射する光の入射方向に撮像領域が分割(光の入射方向に対して、分割される撮像領域の境界が垂直に交差)されているため、撮像領域を有効に利用した状態で当該入射方向に延びる長い二つの像を一度に撮像することが困難である。
【0009】
本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、撮像領域を分割して異なる複数箇所の像を一度に撮像する場合においても、撮像領域全体に広がった像を用いることで解像度の高い像を撮像し、当該撮像結果に基づいて部品の実装を行うことができる部品実装装置、および、部品実装方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる部品実装装置は、基板に部品を実装するための部品実装装置であって、撮像領域が矩形である撮像手段と、前記撮像領域の長手方向に沿って入射する第一光の第一光路を前記撮像領域の短手方向に分割される第一領域を通過する第一撮像光路に変更する第一反射部材と、前記撮像領域の長手方向に沿い前記第一光と反対向きに入射する第二光の第二光路を前記第一領域と短手方向に並ぶ前記撮像領域内の第二領域を通過する第二撮像光路に変更する第二反射部材とを備えることを特徴とする。
【0011】
これによれば、二つの反射部材で撮像手段の矩形の撮像領域を短手方向に分割し、撮像対象の二つの像を撮像手段で一度に撮像領域の長手方向に撮像することが可能となる。従って、第一光路と第一撮像光路を含む面に沿って延びる細長い矩形領域に含まれる第一像、および、第二光路と第二撮像光路を含む面に沿って延びる細長い矩形領域に含まれる第二像を撮像領域を有効に活用して高い解像度で撮像することが可能となる。
【0012】
さらに、前記第一光の第三光路を前記第一光路に変更する第三反射部材と、前記第三光路に沿って進む前記第二光の第四光路を前記第二光路に変更する第四反射部材とを備えることが好ましい。
【0013】
これによれば、同一平面内に存在し、撮像対象の長手方向が揃う(平行な)ように存在する二つの細長い矩形領域における撮像対象の第一像と第二像とを一度に撮像することが可能となる。
【0014】
また、前記第三反射部材は、前記第三光路と前記第四光路とを仮想的に含む面である仮想面において前記第一光路が交差するように配置され、前記第四反射部材は、前記第二光路が前記第一光路と平行となるように配置されるものであってもよい。
【0015】
これによれば、同一平面内に存在し、直線上に存在し、直線の方向と撮像対象の長手方向とが揃う(平行な)撮像対象の二つの矩形領域における第一像と第二像とを一度に撮像することが可能となる。
【0016】
さらに、前記第一撮像光路と前記第二撮像光路とに沿い前記第一撮像光路と前記第二撮像光路との中間に仮想的に延びて配置される回転軸を中心として、前記第一反射部材と前記第二反射部材と前記第三反射部材と前記第四反射部材との位置関係を維持したまま、前記第一反射部材と前記第二反射部材と前記第三反射部材と前記第四反射部材とを回転させる回転手段を備えてもかまわない。
【0017】
これによれば、矩形領域の対角に存在する第一像と第二像とを一度に撮像する場合などにおいて、前記矩形領域の大きさや縦横比が異なっても回転によって柔軟に対応することが可能となる。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本願発明に係る部品実装方法は、撮像領域が矩形である撮像手段を備え、基板に部品を実装するための部品実装装置に適用される部品実装方法であって、前記撮像領域の長手方向に沿って入射する第一光の第一光路を前記撮像領域の短手方向に分割される第一領域を通過する第一撮像光路に第一反射部材を用いて変更する第一反射ステップと、前記撮像領域の長手方向に沿い前記第一光と反対向きに入射する第二光の第二光路を前記第一領域と短手方向に並ぶ前記撮像領域内の第二領域を通過する第二撮像光路に第二反射部材を用いて変更する第二反射ステップとを含むことを特徴としている。
【0019】
これによれば、二つの反射部材で撮像手段の矩形の撮像領域(矩形領域)を短手方向に分割し、撮像対象の二つの像(第一像、第二像)を撮像手段で一度に撮像領域の長手方向に撮像することが可能となる。従って、第一光路と第一撮像光路を含む面に沿って延びる細長い矩形領域に含まれる第一像、および、第二光路と第二撮像光路を含む面に沿って延びる細長い矩形領域に含まれる第二像を撮像領域を有効に活用して高い解像度で撮像することが可能となる。
【0020】
なお、前記部品実装方法が含む各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを実施することも本願発明の実施に該当する。無論、そのプログラムが記録された記録媒体を実施することも本願発明の実施に該当する。
【発明の効果】
【0021】
本願発明によれば、比較的細長い領域に存在する第一像と、前記領域と異なる場所にある細長い領域に存在する第二像とを高い解像度で一度に撮像することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本願発明に係る部品実装装置の一部を示す斜示図である。
【図2】図2は、撮像手段を省略して部品実装装置の一部を上方から示す平面図である。
【図3】図3は、部品実装装置を側方(X方向)から示す側面図である。
【図4】図4は、撮像手段により撮像された撮像結果(撮像領域)を示す図である。
【図5】図5は、本願発明に係る部品実装装置の一部(撮像構成の要部)を示す斜示図である。
【図6】図6は、他の半導体素子を検出する部品実装装置の一部(撮像構成の要部)を示す斜示図である。
【図7】図7は、撮像手段により撮像された撮像結果を示す図である。
【図8】図8は、撮像手段により撮像された撮像結果を示す図である。
【図9】図9は、撮像手段を省略して他の部品実装装置の一部(撮像構成の要部)を上方から示す平面図である。
【図10】図10は、部品実装装置のバリエーションの一つを示す斜示図である。
【図11】図11は、部品実装装置のバリエーションの他の一つを示す斜示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本願発明に係る部品実装装置100の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本願発明に係る部品実装装置の一部を示す斜示図である。
【0025】
同図に示す部品実装装置100は、他の部品実装装置であるACF貼り付け装置によってガラス製の基板200の表面に貼り付けられたACF201の両端部の像を取得して画像解析により、両端部がめくれているか否かなどを検査する装置であって、貼り付けられたACF201の両端部である第一像211と第二像212とを一度に撮像し、撮像された一画像に基づいてACF201の貼り付け状態を検査する検査装置である。当該部品実装装置100は、第一反射部材101と、第二反射部材102と、第三反射部材103と、第四反射部材104と、撮像手段150とを備えている。
【0026】
図2は、撮像手段を省略して部品実装装置の一部を上方から示す平面図である。
図3は、部品実装装置を側方(X方向)から示す側面図である。
【0027】
第一反射部材101は、撮像手段150の撮像領域120の長手方向(図中Y軸方向)に沿って入射する第一光301の第一光路111を撮像領域120の短手方向(図中X軸方向)に分割される第一領域121を通過する第一撮像光路131に変更する部材である。
【0028】
第一反射部材101は、光路を変更する部材であればよく、ミラー(鏡体)やプリズム等を例示することができる。なお、光路を変更する部材の第二反射部材102、第三反射部材103、第四反射部材104も同様である。
【0029】
本実施の形態の場合、第一反射部材101は、撮像領域120の長手方向(図中Y軸方向)に沿う第一光路111を撮像方向(図中Z軸方向)に沿う第一撮像光路131に反射により変更する部材であり、変更する角度はYZ平面において例えば90度となっている(図3参照)。
【0030】
また、第一反射部材101の第一反射面105は、撮像手段150の撮像領域120の第一領域121と対応する位置に面して配置されており、XY平面においてY軸方向に対してX軸方向マイナス側に若干傾いている第一光路111(図2参照)に対しYZ平面において交差するように配置されている。なお、Y軸方向に対してX軸方向マイナス側に傾く角度は2度以上8度以下が好ましく、本実施の形態の場合は、5度が採用されている。
【0031】
ここで、本願明細書、および、特許請求の範囲に記載される「沿う」の語は、一方の直線に対して他方の直線が平行に配置される場合、および、他方の直線が一方の直線に重なるように配置される場合を含み、さらに、一方の直線と他方の直線とがある程度の角度で交差またはねじれの状態にある場合も含む意味で用いている。また、ある程度の角度とは、本願発明の主旨を逸脱しない範囲である。例えば、Y軸方向(水平面)に対して0度以上45度以下の場合も「沿う」に含まれる。また、好ましくは0度以上40度以下の範囲が「沿う」に含まれる。
【0032】
第二反射部材102は、撮像領域120の長手方向(Y軸方向)に沿い、第一光301と反対向きに入射する第二光302の第二光路112を第一領域121と短手方向(X軸方向)に並ぶ撮像領域120内の第二領域122を通過する第二撮像光路132に変更する部材である。
【0033】
本実施の形態の場合、第二反射部材102は、撮像領域120の長手方向(図中Y軸方向)に沿う第二光路112を撮像方向(図中Z軸方向)に沿う第二撮像光路132に反射により変更する部材であり、変更する角度はYZ平面において例えば90度となっている(図3参照)。
【0034】
また、第二反射部材102の第二反射面106は、撮像手段150の撮像領域120の第二領域122と対応する位置に面して配置されており、XY平面においてY軸方向に対してX軸方向プラス側に若干傾いている第二光路112(図2参照)に対しYZ平面において交差するように配置されている。なお、Y軸方向に対してX軸方向プラス側に傾く角度は2度以上8度以下が好ましく、本実施の形態の場合は、前記第一反射部材101と同様の5度が採用されている。
【0035】
ここで、本願明細書、および、特許請求の範囲に記載される「反対向き」の語は、一方の光の光路と他方の光の光路とが平行または一致している場合における逆向きの場合を含み、さらに、両光路がある程度の角度で交差またはねじれの状態にある場合における逆向きの意味も含んでいる。
【0036】
第一反射部材101と第二反射部材102とは、XY平面においてZ軸を中心とする回転対称に配置されており、撮像手段150の撮像領域120全体を少なくとも占めるように配置されている。また、第一反射面105と第二反射面106とは、YZ平面において交差するように配置されている。
【0037】
これにより第一撮像光路131と第二撮像光路132とは、撮像領域120の短手方向に並んで平行(Z軸方向)となっており、第一反射部材101で反射された第一像211は、第一領域121を通過(に入射)し、第二反射部材102で反射された第二像212は、第二領域122を通過(に入射)するものとなっている。
【0038】
第三反射部材103は、第一光301の第三光路113を第一光路111に変更する部材である。
【0039】
本実施の形態の場合、第三光路113は、撮像対象であるACF201の一端部の第一像211が通過する経路であり、第三反射部材103は、第三光路113がZ軸に沿うように配置されている。つまり、ACF201の一端部の直上に第三反射部材103は、配置されている。
【0040】
また、第三反射部材103の第三反射面107は、第一反射部材101の第一反射面105と対向する位置に配置(同じ傾き角度で配置)されており、YZ平面において第一光路111と第三光路113とが垂直に反射するように配置されている。
【0041】
第四反射部材104は、第三光路113に沿って進む第四光路114を第二光路112に変更する部材である。
【0042】
本実施の形態の場合、第四光路114は、撮像対象であるACF201の他端部の第二像212が通過する経路であり、第四反射部材104は、第四光路114がZ軸に沿うように配置されている。つまり、ACF201の他端部の直上に第四反射部材104は、配置されている。
【0043】
また、第四反射部材104の第四反射面108は、第二反射部材102の第二反射面106と対向する位置に配置(同じ傾き角度で配置)されており、YZ平面において第二光路112と第四光路114とが垂直に反射するように配置されている。
【0044】
さらに、第三反射面107は、第三光路113と第四光路114とを仮想的に含む面である仮想面(YZ平面)において、反射後の第一像211が通過する第一光路111が交差するように配置されている(図2参照)。つまり、第三反射面107で反射した第一光が第一反射面105に到達するようにXY平面において第一反射部材101側に(X軸方向マイナス側に)若干傾いて配置されている。
【0045】
一方、第四反射面108は、第二光路112が第一光路111に沿うように配置されている(図2参照)。つまり、第四反射面108で反射した第二光が第二反射面106に到達するようにXY平面において第二反射部材102側に(X軸方向プラス側に)若干傾いて配置されている。
【0046】
本実施の形態の場合、第一光路111と第二光路112とは平行となっており、第二光路112も仮想面(YZ平面)において交差することになる。
【0047】
撮像手段150は、矩形の撮像領域120を通過あるいは入射する像を撮像することができる装置であり、例えば、CCDカメラやCMOSカメラなどのデジタルカメラを例示することができる。なお、本記載は、分子的に像を定着することのできる銀塩カメラ等を排除するものでは無い。
【0048】
図4は、撮像手段により撮像された撮像結果(撮像領域120で撮像された像)を示す図である。
【0049】
同図に示すように、上記構成を採用することにより、直線的で細長いACF201の両端部の第一像211と第二像212とを一度に撮像することが可能となる。しかも、矩形の撮像領域120の短手方向(X軸方向)に並べて分割された第一領域121と第二領域122とにそれぞれ第一像211と第二像212とが撮像されるため、ACF201の端縁から長い領域を広く撮像することができる。
【0050】
従って、撮像手段150に大面積の撮像素子(CCDなど)を設けることなく、ACF201の両端部を広範囲に撮像することが可能となり、撮像手段150の小型化を図ることが可能となる。また、撮像手段150に低倍率のレンズを設けることなく、ACF201の両端部を広範囲に撮像することが可能となる。従って、高い解像度でACF201の両端部を撮像することが可能となる。
【0051】
以上の様に、部品実装装置100の一つである検査装置を採用すれば、ACF201の両端部の状態を一度、かつ、高解像度で撮像することができるため、高速、かつ、高精度にACF201の基板200への貼り付け状態を検査することが可能となる。また例えば、ACF201の張り付け位置がACF201の長さ方向(Y軸方向)に大幅にずれていた場合でも、本願発明によれば、ACF201の端部を撮像できる可能性が高くなり、ACF201のずれ量を正確に把握することも可能となる。
【0052】
なお、検査については、撮像手段150から得られたデータに基づき周知の画像解析の手法を用いて検査するものであるため、その詳細の記述を省略する。
【0053】
また、第一光路111と第二光路112とを平行にすることは、上記作用効果に影響をおよぼさないが、第一光路111と第二光路112とを平行にすれば、第一像211と第二像212とが撮像領域120に平行に現れるため、画像処理が容易に行えるようになるため好ましい。
【0054】
また、第一反射部材101と第二反射部材102とを、第三反射部材103と第四反射部材104との間の中央に配置したが、特に当該位置に限定されるものでは無い。
【0055】
また、図4に示すように、撮像領域120に第一反射部材101や第二反射部材102の長手方向の両端縁が映り込んでいるが、第一反射部材101や第二反射部材102を撮像領域120に対して大きくし、第一反射部材101と第二反射部材102の境界300を除く端縁を映り込まないようにしてもかまわない。この場合、撮像領域120をさらに広く活用することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態の場合では、検査装置として部品実装装置100を説明したが、検査装置を一体に備えるACF貼り付け装置であっても、同様の作用、効果を奏することが可能である。
【0057】
(実施の形態2)
次に、本願発明に係る部品実装装置100の他の実施の形態を説明する。
【0058】
図5は、本願発明に係る部品実装装置の一部(撮像構成の要部)を示す斜示図である。
図6は、他の半導体素子を検出する部品実装装置の一部(撮像構成の要部)を示す斜示図である。
【0059】
これらの図に示す部品実装装置100は、撮像対象である半導体素子202の対角部に設けられるマークを撮像し、半導体素子202の位置や回転状態を検出する位置検出装置であって、第一反射部材101と、第二反射部材102と、第三反射部材103と、第四反射部材104と、撮像手段150と、回転手段160とを備えている。
【0060】
なお、実施の形態1と同じ機能、作用の部材や手段には同じ番号を付し、説明を省略する。
【0061】
回転手段160は、第一撮像光路131と第二撮像光路132とに沿い第一撮像光路131と第二撮像光路132との中間に仮想的に延びて配置される回転軸を中心として、第一反射部材101と第二反射部材102と第三反射部材103と第四反射部材104との位置関係を維持したまま、第一反射部材101と第二反射部材102と第三反射部材103と第四反射部材104とを回転させる装置であり、回転手段160の中心軸を回転軸(図中Z軸)として、第一反射部材101と第二反射部材102と第三反射部材103と第四反射部材104との位置関係を維持したまま、第一反射部材101と第二反射部材102と第三反射部材103と第四反射部材104と、撮像手段150と(以降これらを「撮像装置」と記す)を一体的に回転させる装置である。
【0062】
上記構成によれば、図5に示すように、半導体素子202の対角にそれぞれ設けられるマークの距離が長い場合(L)でも、第一撮像領域151と第二撮像領域152との外側端部を利用して、図7に示すような像を一度に撮像することができる。そして、図6に示すように、半導体素子202の対角にそれぞれ設けられるマークの距離が比較的短い場合(L’)でも、撮像装置を回転させ、第一撮像領域151と第二撮像領域152との内側端部を利用して、図8に示すような像を一度に撮像することができる。
【0063】
以上から、上記撮像装置を備えた部品実装装置100によれば、マーク間距離(L、L’)の異なる半導体素子202がある場合でも、細長い第一領域121と第二領域122とを有効に活用して、マークの像を高い解像度で得ることが可能となる。従って、検出される半導体素子202の位置精度や、検出される回転角の精度を向上させることが可能となる。
【0064】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、特許請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
【0065】
例えば、半導体素子202上のマークではなく、基板200に付されるマークでもよいし、図9に示すように、第一光路111や第二光路112が撮像領域120の長手方向(Y軸方向)と平行であってもかまわない。
【0066】
また、図10に示すように、光路が重ならないように他の反射部材を設け、撮像領域120を短手方向に並ぶ複数の領域に分割して複数箇所の像を一度に撮像するものでもかまわない。このような構成にすることで、多くのACF201の端部を一度に撮像することも可能となる。
【0067】
さらに、図11に示すように、第三反射部材103や第四反射部材104を備えることのない撮像装置を部品実装装置100であって、基板に部品を装着するマウンタに備えることにより、Z軸方向に延びて平行に配置される2本のノズル205の先端部分を一度に撮像するものとしても良い。
【0068】
また、基板200は、表示装置用のガラス基板ばかりでなく、配線がプリントされた樹脂製の基板、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)など任意の基板でかまわない。
【0069】
また、撮像領域120が矩形である撮像手段150と、撮像領域120の長手方向に沿って入射する第一光301の第一光路111を撮像領域120の短手方向に分割される第一領域121を通過する第一撮像光路131に変更する第一反射部材101と、撮像領域120の長手方向に沿い第一光301と反対向きに入射する第二光302の第二光路112を第一領域121と短手方向に並ぶ撮像領域120内の第二領域122を通過する第二撮像光路132に変更する第二反射部材102とを備える撮像装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本願発明は、部品を基板に実装するための部品実装装置、例えば、ACF貼り付け装置や、ドライバICなどを基板に圧着する装置、プリント基板にはんだペーストを印刷する装置、はんだペーストが印刷された基板の表面に電子部品を装着するマウンタ、その他、基板の表面状態を検査する検査装置などに適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
100 部品実装装置
101 第一反射部材
102 第二反射部材
103 第三反射部材
104 第四反射部材
105 第一反射面
106 第二反射面
107 第三反射面
108 第四反射面
111 第一光路
112 第二光路
113 第三光路
114 第四光路
120 撮像領域
121 第一領域
122 第二領域
131 第一撮像光路
132 第二撮像光路
150 撮像手段
151 第一撮像領域
152 第二撮像領域
160 回転手段
200 基板
201 ACF
202 半導体素子
205 ノズル
211 第一像
212 第二像
300 境界
301 第一光
302 第二光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装するための部品実装装置であって、
撮像領域が矩形である撮像手段と、
前記撮像領域の長手方向に沿って入射する第一光の第一光路を前記撮像領域の短手方向に分割される第一領域を通過する第一撮像光路に変更する第一反射部材と、
前記撮像領域の長手方向に沿い前記第一光と反対向きに入射する第二光の第二光路を前記第一領域と短手方向に並ぶ前記撮像領域内の第二領域を通過する第二撮像光路に変更する第二反射部材と
を備える部品実装装置。
【請求項2】
さらに、
前記第一光の第三光路を前記第一光路に変更する第三反射部材と、
前記第三光路に沿って進む前記第二光の第四光路を前記第二光路に変更する第四反射部材と
を備える請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記第三反射部材は、前記第三光路と前記第四光路とを仮想的に含む面である仮想面において前記第一光路が交差するように配置され、
前記第四反射部材は、前記第二光路が前記第一光路と平行となるように配置される
請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
さらに、
前記第一撮像光路と前記第二撮像光路とに沿い前記第一撮像光路と前記第二撮像光路との中間に仮想的に延びて配置される回転軸を中心として、前記第一反射部材と前記第二反射部材と前記第三反射部材と前記第四反射部材との位置関係を維持したまま、前記第一反射部材と前記第二反射部材と前記第三反射部材と前記第四反射部材とを回転させる回転手段を備える
請求項2または請求項3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
撮像領域が矩形である撮像手段を備え、基板に部品を実装するための部品実装装置に適用される部品実装方法であって、
前記撮像領域の長手方向に沿って入射する第一光の第一光路を前記撮像領域の短手方向に分割される第一領域を通過する第一撮像光路に第一反射部材を用いて変更する第一反射ステップと、
前記撮像領域の長手方向に沿い前記第一光と反対向きに入射する第二光の第二光路を前記第一領域と短手方向に並ぶ前記撮像領域内の第二領域を通過する第二撮像光路に第二反射部材を用いて変更する第二反射ステップと
を含む部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−54357(P2012−54357A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194924(P2010−194924)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】