配線・配管材固定具
【課題】 配線・配管材を構築面上に容易かつ確実に固定することができる配線・配管材固定具を提供する。
【解決手段】 配線・配管材固定具3は、構築面1に接着固定される基体4と、基体4に取り付けられる固定具本体5とを備える。ここで、基体4は、固定具本体5が取り付けられる取付部4aと、構築面1に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとを有する。この貼付部4bは、湾曲可能に形成される。そして、固定具本体5は、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する。この保持部5aは、配線・配管材2の外形に対応した形状を備え、固定具本体5は、その保持部5aの形状を維持する剛性を有する。
【解決手段】 配線・配管材固定具3は、構築面1に接着固定される基体4と、基体4に取り付けられる固定具本体5とを備える。ここで、基体4は、固定具本体5が取り付けられる取付部4aと、構築面1に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとを有する。この貼付部4bは、湾曲可能に形成される。そして、固定具本体5は、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する。この保持部5aは、配線・配管材2の外形に対応した形状を備え、固定具本体5は、その保持部5aの形状を維持する剛性を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、構築面上に配線・配管材を固定する、配線・配管材固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根にパイプ(配管材)を固定する固定具として、屋根に釘で取付け固定されるパイプ止め金具があった(例えば、特許文献1参照)。このパイプ止め金具は、帯状金属板を曲げて形成されるものであって、円弧状のパイプ押え部と、釘を通す挿通孔が設けられた平坦な被取付部とを備えていた。そこで、屋根にパイプを固定するにあたっては、このパイプ止め金具の二つを向き合わせて、パイプ押え部でパイプを挟んだ状態で、釘を被取付部の挿通孔から屋根の瓦の小孔を通して下地部分に打ち込んだ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−45370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のパイプ押え金具にあっては、釘を用いるために、瓦に小孔をあけたときとか、釘を打ち込んだときに、瓦が割れて損傷する虞があった。このため、釘を打ち込む際に、瓦が損傷しないように細心の注意を払わなければならず、その作業が厄介だった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配線・配管材を構築面上に容易かつ確実に固定することができる、配線・配管材固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材固定具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、構築面上に配線・配管材を固定するための、配線・配管材固定具である。この配線・配管材固定具は、前記構築面に接着固定される基体と、その基体とは分離別体であって、前記配線・配管材を保持する保持部を有して前記基体に取り付けられる固定具本体とを、備える。ここで、前記保持部は、前記配線・配管材の外形に対応した形状を備え、前記固定具本体は、その保持部の形状を維持する剛性を有する。前記基体は、前記固定具本体が取り付けられる取付部と、前記構築面に接着材により貼り付けられる貼付部とを有する。そして、前記貼付部は、湾曲可能に形成される。
【0007】
この配線・配管材固定具によると、構築面へは、基体が接着材により固定され、このため、釘打ちの場合とは異なり構築面が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具は、この基体と、配線・配管材を保持する保持部を有する固定具本体とに分離されている。このため、配線・配管材を構築面上に固定するにあたって、基体の貼付部を構築面に接着材により貼り付け、その接着材が固化後、固定具本体を、その保持部で配線・配管材を保持するように、基体の取付部に取り付けることができる。こうして、接着材が固化した後に、固定具本体を、保持部で配線・配管材を保持するように、基体に取り付けることで、基体の貼付部は、保持部が配線・配管材の長手形状のくせで押されたりしても、構築面に対してずれることがない。しかも、基体の貼付部は、湾曲可能に形成されているため、構築面が湾曲する場合であっても、貼付部を、構築面の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体を、構築面に強固に固定することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項1に記載の配線・配管材固定具において、前記貼付部は、塑性変形可能に形成される。こうして、貼付部が、塑性変形可能であると、その貼付部を湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部を構築面に貼り付けることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項2に記載の配線・配管材固定具において、前記基体は、金属製である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項2または3に記載の配線・配管材固定具において、前記貼付部には、複数のスリットが形成されて、前記貼付部は、それらスリットによって、区分けされる。こうして、貼付部を、複数のスリットにより区分けすることで、貼付部は、容易に湾曲する。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材固定具において、前記基体は、前記構築面となる屋根材の上面に接着固定され、前記貼付部は、前記屋根材の上面の湾曲に合わせて湾曲可能である。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る配線・配管材固定具によれば、配線・配管材固定具を、基体と、配線・配管材の保持部を有する固定具本体とに分離し、基体の貼付部を構築面に接着材により貼り付け、その接着材が固化した後に、固定具本体を、保持部で配線・配管材を保持するように、基体に取り付けることで、構築面が損傷することも基体の貼付部がずれることもなく、配線・配管材を構築面上に容易かつ確実に固定することができる。しかも、構築面が湾曲する場合であっても、貼付部を、構築面の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体を、構築面に強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の第一の実施の形態の、構築面上に配線・配管材を固定した状態の断面図である。
【図2】同じく、図1におけるA矢視図である。
【図3】同じく、基体を構築面に接着固定した状態の断面図である。
【図4】同じく、図3におけるB矢視図である。
【図5】同じく、基体の正面図である。
【図6】同じく、基体の平面図である。
【図7】同じく、図6におけるC−C線による断面図である。
【図8】この発明の第二の実施の形態の、構築面上に配線・配管材を固定した状態の断面図である。
【図9】同じく、図8におけるD矢視図である。
【図10】同じく、基体を構築面に接着固定した状態の断面図である。
【図11】同じく、図10におけるE矢視図である。
【図12】同じく、基体の正面図である。
【図13】同じく、基体の平面図である。
【図14】同じく、基体の左側面図である。
【図15】同じく、図13におけるF−F線による断面図である。
【図16】同じく、基体を屋根における瓦の上面の凸部に接着固定した状態を示す概略図である。
【図17】同じく、基体を屋根における瓦の上面の凹部に接着固定した状態を示す概略図である。
【図18】この発明の第三の実施の形態の、配線・配管材固定具の斜視図である。
【図19】同じく、配線・配管材固定具の分解斜視図である。
【図20】同じく、構築面上に配線・配管材を固定した状態の断面図である。
【図21】同じく、図20における、一部を破断したG矢視図である。
【図22】同じく、基体を構築面に接着固定した状態の断面図である。
【図23】同じく、図22におけるH矢視図である。
【図24】同じく、基体の正面図である。
【図25】同じく、基体の平面図である。
【図26】同じく、基体の底面図である。
【図27】同じく、基体の左側面図である。
【図28】同じく、図25におけるI−I線による断面図である。
【図29】同じく、図25におけるJ−J線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明に係る配線・配管材固定具を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図7は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、構築面である。2は、配線・配管材(配線材または配管材)であって、太陽光発電用の太陽電池に接続される電気ケーブル(配線材)、その電気ケーブルを収容保護する保護管(配管材)、太陽光温水器に接続される通水管(配管材)、その他の配線・配管材からなる。3は、構築面1上に配線・配管材2を固定するための、配線・配管材固定具である。
【0016】
ここで、配線・配管材固定具3は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着固定される基体4と、その基体4とは分離別体であって、配線・配管材2を保持する保持部5aを有して基体4に取り付けられる固定具本体5とを、備える。基体4は、固定具本体5が取り付けられる取付部4aと、構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとを有する。ここにおいて、取付部4aは、変形しないように形成されている。そして、貼付部4bは、湾曲可能に形成されている。すなわち、貼付部4bは、構築面1(屋根材の上面1a)の湾曲に合わせて湾曲可能となっている。また、保持部5aは、配線・配管材2の外形に対応した形状を備え、固定具本体5は、その保持部5aの形状を維持する剛性を有する。
【0017】
そして、取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、基体4は、配線・配管材2が載る載置部4cを有し、その載置部4cは、構築面1との間に空間7を形成するよう構築面1から離れて位置する。そこで、固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0018】
具体的には、基体4は、金属製であって、帯状の板材からなる。そして、基体4は、その長手方向の中間部分に前記取付部4aが設けられ、両側に前記貼付部4b、4bが設けられている。取付部4aは、固定具本体5の後述する基部5bが載る取付座部4xと前記載置部4cとで構成される中間部4dと、その中間部4dが貼付部4b、4bよりも上方に位置するように貼付部4b、4bから起立して中間部4dに達する起立部4e、4eとを有している。そして、両起立部4e、4e間に、載置部4cと構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)との間の前記空間7が設けられるが、この実施の形態においては、載置部4cと取付座部4xとが同一高さにあるため、取付座部4xと構築面1との間にも、空間8が設けられることとなる。また、取付部4a(詳しくは、取付座部4x)には、固定具本体5を取り付けるための取付孔4fがあけられており、この取付孔4fには、固着具としてのビス9が挿入される。詳細には、この取付孔4fは、ビス9が螺合する螺合孔からなる。
【0019】
貼付部4bは、前述のように湾曲可能であって、さらに、その湾曲状態を維持するように塑性変形可能に形成されている。詳細には、この貼付部4bには、複数のスリット4g、4gが形成されて、貼付部4bは、それらスリット4g、4gによって、区分けされる。より詳細には、スリット4gは、基体4の長手方向と直交する幅方向に細長孔状に延びて、前記長手方向に複数並ぶことで、貼付部4bを前記長手方向において区分けしている。これらスリット4g、4gは、貼付部4bにおける、前記幅方向の中間位置において貫通するように設けられる。そして、図示実施の形態においては、貼付部4bには、スリット4gの各端から延長するようにして貼付部4bの縁に達する溝4hが設けられている。こうして、貼付部4bは、スリット4gに溝4hが加わって区分けされ、それらスリット4gおよび溝4hの部分で折り曲げ可能となることで、基体4の長手方向において、湾曲可能かつ塑性変形可能となっている。また、この貼付部4bの幅(つまりは、基体4の幅)は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)の湾曲の影響を受けないように、言い換えれば、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)の湾曲に沿わせて湾曲させなくても済むように、幅狭に形成されている。
【0020】
固定具本体5は、金属製であって、帯状の板材からなる。そして、固定具本体5は、長手方向の一方側に前記保持部5aを有し、他方側に基部5bを有する。この固定具本体5は、サドル形状をしており、前記保持部5aは、逆U字状に曲げられて、その内側に配線・配管材2が保持される。つまり、保持部5aを配線・配管材2に掛けたり保持部5aに配線・配管材2を通したりすることで、配線・配管材2は保持される。図示実施の形態においては、固定具本体5は、その保持部5aで載置部4cの上に載った状態の配線・配管材2を保持するようになっている。基部5bは、平板形状をして、その板面を貫通する孔5cを有する。そこで、基部5bすなわち固定具本体5は、孔5cを通って前記取付孔4fにねじ込まれる固着具としてのビス9により、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に着脱可能に取り付けられる。
【0021】
次に、この配線・配管材固定具3を用いた配線・配管材2の固定方法について説明する。この固定方法は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)上に配線・配管材2を配線・配管材固定具3により固定する固定方法であって、複数の基体4、4が、配線・配管材2の配線・配管経路に沿って間隔をおいて並ぶように、それら基体4、4の貼付部4bを構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付ける(図3、図4参照)。そして、その接着材6が固化後、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることで、配線・配管材2を構築面1上に固定する(図1、図2参照)。なお、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付けるにあたっては、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させる。そして、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、前述したように、固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を基体4の載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0022】
次に、この第一の実施の形態に示す配線・配管材固定具3の作用効果について説明する。この配線・配管材固定具3によると、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)へは、基体4が接着材6により固定される。このため、釘打ちの場合とは異なり構築面1が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具3は、この基体4と、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する固定具本体5とに分離されている。これにより、配線・配管材2を構築面1上に固定するにあたって、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け(図3、図4参照)、その接着材6が固化後、固定具本体5を、その保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることができる(図1、図2参照)。こうして、接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、基体4の貼付部4bは、保持部5aが配線・配管材2の長手形状のくせで押されたりしても、構築面1に対してずれることがない。すなわち、配線・配管材固定具3を、基体4と、配線・配管材2の保持部5aを有する固定具本体5とに分離し、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け、その接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、構築面1が損傷することも基体4の貼付部4bがずれることもなく、配線・配管材2を構築面1上に容易かつ確実に固定することができる。
【0023】
しかも、基体4の貼付部4bは、湾曲可能に形成されているため、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)が湾曲する場合であっても、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体4を、構築面1に強固に固定することができる。その上、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されているため、その貼付部4bを湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部4bを構築面1に貼り付けることができる。さらに、貼付部4bを、複数のスリット4g、4gにより区分けすることで、貼付部4bは、容易に湾曲する。
【0024】
さらには、配線・配管材固定具3において、基体4は、湾曲するのは貼付部4bのみであって、取付部4aは変形しないように形成され、固定具本体5は、保持部5aの形状を維持する剛性を有して変形しないように形成されているため、配線・配管材2を確実に保持することができる。
【0025】
また、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)から浮いた状態に保持する。こうして、配線・配管材2が構築面1から浮くことで、構築面1の熱が配線・配管材2に伝わり難くなる。しかも、この際、配線・配管材2が載る載置部4cと構築面1との間に空間7が形成されることで、構築面1の熱は、配線・配管材2に一層伝わり難くなる。
【0026】
図8〜図15は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、配線・配管材固定具3における基体4の形状が異なるが、他はほぼ同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
【0027】
配線・配管材固定具3は、第一の実施の形態と同様に、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着固定される基体4と、その基体4とは分離別体であって、配線・配管材2を保持する保持部5aを有して基体4に取り付けられる固定具本体5とを、備える。
【0028】
基体4は、金属製であって、板材からなる。この基体4は、略矩形形状をしており、その一方側を除く幅の中間部分に、固定具本体5が取り付けられる取付部4aを有している。この取付部4aは、変形しないように形成されている。詳細には、取付部4aは、上方に膨出形成されて、前記一方側とは反対側の端部が開口し、その開口が、固定具本体5の基部5bが取付部4a内に進入する進入口4iとなっている。そして、取付部4aには、固定具本体5を取り付けるための取付孔4fがあけられている。この取付孔4fは、取付部4aの上面から取付部4a内に貫通するように設けられる。そして、この取付孔4fには、進入口4iから取付部4a内に進入した固定具本体5の基部5bを止めるための固着具としてのビス9が挿入される。図示実施の形態においては、取付孔4fは、ビス9が螺合する螺合孔からなって、取付孔4fに螺合するビス9の先端側が、固定具本体5の基部5bに設けられた孔5cに挿入されることで、固定具本体5は、基体4の取付部4aに着脱可能に取り付けられる。
【0029】
そして、基体4は、この取付部4aをコ字状に取り囲む周囲部分が、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとなっている。この貼付部4bは、湾曲可能に形成されている。すなわち、貼付部4bは、構築面1の湾曲に合わせて湾曲可能となっている。また、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されている。詳細には、この貼付部4bには、複数のスリット4g、4gが形成されて、貼付部4bは、それらスリット4g、4gによって、区分けされる。そこで、貼付部4bは、スリット4gの切り込みによって区分けされた各部分が、取付部4aとか区分けされた隣りの部分とかに対して折り曲げ可能となることで、湾曲可能かつ塑性変形可能となっている。
【0030】
この配線・配管材固定具3においては、基体4は、配線・配管材2が載る載置部4cを有せず、配線・配管材2は、構築面1に載せられる。したがって、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持するのではなく、保持部5aで構築面1に当接した状態に保持するものとなっている。
【0031】
次に、この配線・配管材固定具3を用いた配線・配管材2の固定方法について説明する。この固定方法は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)上に配線・配管材2を配線・配管材固定具3により固定する固定方法であって、複数の基体4、4が、配線・配管材2の配線・配管経路に沿って間隔をおいて並ぶように、それら基体4、4の貼付部4bを構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付ける(図10、図11参照)。そして、その接着材6が固化後、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることで、配線・配管材2を構築面1上に固定する(図8、図9参照)。なお、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付けるにあたっては、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させる。なお、図16および図17は、基体4を、屋根材としての瓦(詳しくは、桟瓦)の上面1aに接着固定した状態を示し、図16においては、瓦の上面1aの凸部1bに基体4が貼り付けられ、図17においては、瓦の上面1aの凹部1cに基体4が貼り付けられている。
【0032】
次に、この第二の実施の形態に示す配線・配管材固定具3の作用効果について説明する。この配線・配管材固定具3によると、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)へは、基体4が接着材6により固定される。このため、釘打ちの場合とは異なり構築面1が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具3は、この基体4と、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する固定具本体5とに分離されている。これにより、配線・配管材2を構築面1上に固定するにあたって、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け(図10、図11参照)、その接着材6が固化後、固定具本体5を、その保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることができる(図8、図9参照)。こうして、接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、基体4の貼付部4bは、保持部5aが配線・配管材2の長手形状のくせで押されたりしても、構築面1に対してずれることがない。すなわち、配線・配管材固定具3を、基体4と、配線・配管材2の保持部5aを有する固定具本体5とに分離し、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け、その接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、構築面1が損傷することも基体4の貼付部4bがずれることもなく、配線・配管材2を構築面1上に容易かつ確実に固定することができる。
【0033】
しかも、基体4の貼付部4bは、湾曲可能に形成されているため、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)が湾曲する場合であっても、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体4を、構築面1に強固に固定することができる。その上、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されているため、その貼付部4bを湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部4bを構築面1に貼り付けることができる。さらに、貼付部4bを、複数のスリット4g、4gにより区分けすることで、貼付部4bは、容易に湾曲する。
【0034】
さらには、この配線・配管材固定具3では、基体4は、湾曲するのは貼付部4bのみであって、取付部4aは変形しないように形成され、固定具本体5は、保持部5aの形状を維持する剛性を有して変形しないように形成されているため、配線・配管材2を確実に保持することができる。
【0035】
図18〜図29は、本発明の第三の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、配線・配管材固定具3における基体4および固定具本体5の形状が異なるが、他はほぼ同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
【0036】
配線・配管材固定具3は、第一の実施の形態と同様に、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着固定される基体4と、その基体4とは分離別体であって、配線・配管材2を保持する保持部5aを有して基体4に取り付けられる固定具本体5とを、備える。また、保持部5aは、配線・配管材2の外形に対応した形状を備え、固定具本体5は、その保持部5aの形状を維持する剛性を有する。基体4は、固定具本体5が取り付けられる取付部4aと、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとを有する。そして、取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、基体4は、配線・配管材2が載る載置部4cを有し、その載置部4cは、構築面1との間に空間7を形成するよう構築面1から離れて位置する。そこで、固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0037】
具体的には、基体4は、金属製であって、略矩形形状の板材からなる。そして、基体4は、その幅の中間部分に、固定具本体5が取り付けられる取付部4aが設けられ、その取付部4aの両側に、構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bが設けられている。この取付部4aは、変形しないように形成されている。また、取付部4aは、第一の実施の形態と同様に、固定具本体5の基部5bが載る取付座部4xと前記載置部4cとで構成される中間部4dと、その中間部4dが貼付部4b、4bよりも上方に位置するように貼付部4b、4bから起立して中間部4dに達する起立部4e、4eとを有している。図示実施の形態においては、両起立部4e、4eは、貼付部4b、4bから互いに近づくように斜めに起立している。そして、第一の実施の形態と同様に、両起立部4e、4e間に、載置部4cと構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)との間の前記空間7が設けられ、かつ、載置部4cと取付座部4xとが同一高さにあることから、取付座部4xと構築面1との間にも空間8が設けられる。
【0038】
また、取付部4a(詳しくは、取付座部4x)には、固定具本体5を取り付けるための取付孔4fがあけられており、この取付孔4fには、固着具としてのビス9が挿入される。詳細には、取付部4aは、取付座部4xの下面から下向きに突出したボス部4jを備えており、取付座部4xおよびボス部4jを上下に貫通するようにして、取付孔4fが設けられている。この取付孔4fは、ビス9が螺合する螺合孔からなる。
【0039】
貼付部4bは、湾曲可能に形成されている。すなわち、貼付部4bは、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)の湾曲に合わせて湾曲可能となっている。また、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されている。詳細には、この貼付部4bには、複数のスリット4g、4gが形成されて、貼付部4bは、それらスリット4g、4gによって、区分けされる。より詳細には、スリット4gは、基体4の中間部4dの長手方向と直交する幅方向に延びて、前記長手方向に複数並ぶことで、貼付部4bを前記長手方向において区分けしている。そこで、貼付部4bは、スリット4gの切り込みによって区分けされた各部分が、取付部4aに対して折り曲げ可能となることで、湾曲可能かつ塑性変形可能となっている。また、図示実施の形態においては、接着材充填部として、区分けされた貼付部4bの各部分の中央部に、表裏に貫通する貫通孔4kが設けられ、また、区分けされた貼付部4bの各部分の裏面四隅に、円形状の凹み4m、4mが設けられている(図25、図26参照)。
【0040】
固定具本体5は、第一および第二の実施の形態と同様に、金属製であって、帯状の板材からなる。そして、固定具本体5は、サドル形状をしており、長手方向の一方側に、逆U字状に曲げられて、その内側に配線・配管材2が保持される前記保持部5aを有し、他方側に、平板形状をした基部5bを有する。図示実施の形態においては、基部5bは、その中央部分に、外側に膨出する膨出部5dが形成されており、この膨出部5dに、板面を貫通する孔5cが設けられている。そこで、基部5bすなわち固定具本体5は、孔5cを通って前記取付孔4fにねじ込まれる固着具としてのビス9により、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に着脱可能に取り付けられる。なお、図示実施の形態においては、保持部5aにおいても、固定具本体5の長手方向と直交する幅方向の中間部分が、外側に膨出するように形成されている。また、固定具本体5は、第一の実施の形態と同様に、保持部5aで、載置部4cの上に載った状態の配線・配管材2を保持する。
【0041】
さらに、この配線・配管材固定具3は、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)を位置決めするための位置決め手段を有する。詳細には、前記位置決め手段は、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)の外面に突き出るように設けられた位置決め突起4nを備える。具体的には、位置決め突起4nは、取付孔4fを中央に挟むようにして、貼付部4b、4b側方向の両側に設けられた、平面視略長方形形状の第一位置決め突起4p、4pと、それら第一位置決め突起4p、4pと所要の間隔をあけて、互いに平行位置するように設けられた、平面視細長の長方形形状の第二位置決め突起4q、4qとからなる(図25参照)。これら第一位置決め突起4pおよび第二位置決め突起4qは、外側に膨出するように形成されている。そして、固定具本体5の基部5bの両側部分(詳しくは、固定具本体5の長手方向と直交する幅方向における、平板状の両側部分)が、それぞれ、第一位置決め突起4p、4pと第二位置決め突起4qとの間に位置するように、固定具本体5(詳しくは、基部5b)を基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に載置することによって、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)が位置決めされる(図21参照)。
【0042】
次に、この配線・配管材固定具3を用いた配線・配管材2の固定方法について説明する。この固定方法は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)上に配線・配管材2を配線・配管材固定具3により固定する固定方法であって、複数の基体4、4が、配線・配管材2の配線・配管経路に沿って間隔をおいて並ぶように、それら基体4、4の貼付部4bを構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付ける(図22、図23参照)。ここで、流動性を有してなる接着材6を用いて、基体4の貼付部4bを構築面1に貼り付ける場合には、接着材6の一部が、貼付部4bの貫通孔4kおよび凹み4m、4mに充填され、また、その貫通孔4kから流出することとなる。そして、その接着材6が固化後、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることで、配線・配管材2を構築面1上に固定する(図20、図21参照)。なお、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付けるにあたっては、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させる。また、図示実施の形態においては、構築面1(屋根材の上面1a)は、第一の実施の形態に比して、上方に大きく突き出るように湾曲しており、構築面1の一部が取付部4aの内側に入り込んでいる(図21、図23参照)。すなわち、基体4は、その幅の中間部分の全体が、内側に上向きの凹みを備えるように形成されて、取付部4aとなっている。したがって、上方に大きく突き出るように湾曲する構築面1の一部を、取付部4aの内側に入り込ませるとともに、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させることで、取付部4aの、構築面1からの浮き上がりが抑えられる。(なお、第一の実施の形態においても、基体4は、その長手方向の中間部分の全体が、内側に上向きの凹みを備えるように形成されて、取付部4aとなっているので、上方に大きく突き出るように湾曲する構築面については、その構築面の一部を、取付部4aの内側に入り込ませるとともに、貼付部4bを、構築面の湾曲に合わせて湾曲させることで、取付部4aの、構築面からの浮き上がりが抑えられることとなる。)そして、第一の実施の形態と同様に、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、前述したように、固定具本体5は、保持部5aで、配線・配管材2を基体4の載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0043】
次に、この第三の実施の形態に示す配線・配管材固定具3の作用効果について説明する。この配線・配管材固定具3によると、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)へは、基体4が接着材6により固定される。このため、釘打ちの場合とは異なり構築面1が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具3は、この基体4と、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する固定具本体5とに分離されている。これにより、配線・配管材2を構築面1上に固定するにあたって、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け(図22、図23参照)、その接着材6が固化後、固定具本体5を、その保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることができる(図20、図21参照)。こうして、接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、基体4の貼付部4bは、保持部5aが配線・配管材2の長手形状のくせで押されたりしても、構築面1に対してずれることがない。すなわち、配線・配管材固定具3を、基体4と、配線・配管材2の保持部5aを有する固定具本体5とに分離し、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け、その接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、構築面1が損傷することも基体4の貼付部4bがずれることもなく、配線・配管材2を構築面1上に容易かつ確実に固定することができる。
【0044】
しかも、基体4の貼付部4bは、湾曲可能に形成されているため、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)が湾曲する場合であっても、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体4を、構築面1に強固に固定することができる。その上、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されているため、その貼付部4bを湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部4bを構築面1に貼り付けることができる。さらに、貼付部4bを、複数のスリット4g、4gにより区分けすることで、貼付部4bは、容易に湾曲する。
【0045】
さらには、配線・配管材固定具3において、基体4は、湾曲するのは貼付部4bのみであって、取付部4aは変形しないように形成され、固定具本体5は、保持部5aの形状を維持する剛性を有して変形しないように形成されているため、配線・配管材2を確実に保持することができる。
【0046】
また、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)から浮いた状態に保持する。こうして、配線・配管材2が構築面1から浮くことで、構築面1の熱が配線・配管材2に伝わり難くなる。しかも、この際、配線・配管材2が載る載置部4cと構築面1との間に空間7が形成されることで、構築面1の熱は、配線・配管材2に一層伝わり難くなる。
【0047】
また、基体4の貼付部4bには、貫通孔4kおよび凹み4m、4mが設けられているため、流動性を有してなる接着材6を用いて、貼付部4bを構築面1に貼り付ける場合には、接着材6の一部が、貫通孔4kおよび凹み4m、4mに充填され、また、その貫通孔4kから流出することになる。これにより、構築面1と基体4との固定が強固になり、配線・配管材2を構築面1上に、より一層確実に固定することができる。また、この配線・配管材固定具3は、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)を位置決めするための位置決め手段(詳細には、位置決め突起4n)を有するため、固定具本体5を、基体4の取付部4aに容易に位置決めして、その取付部4aに取り付けることができる。
【0048】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、構築面1は、屋根材の上面1a(つまり、屋根面)からならなくとも、壁材の上面(つまり、壁面)、電柱などの柱の外周面等、その他の面からなってもよい。また、配線・配管材2は、太陽光発電用の太陽電池とか太陽光温水器とかに関連したものでなくとも、外部から引き込まれる電力線(配線材)とか、給水管(配管材)等からなってもよい。
【0049】
また、基体4の貼付部4bは、湾曲可能であれば、スリット4gとか溝4hが設けられなくともよく、また、塑性変形可能に形成されなくともよい。さらには、取付部4aは、必ずしも変形しないように形成されなくてもよく、例えば、取付部4aは、その一部あるいは全体が湾曲可能となるように形成されても構わない。
【0050】
また、基体4とか固定具本体5は、金属製でなくとも、例えば合成樹脂製であってもよい。
【0051】
また、第一の実施の形態において、貼付部4bの幅(つまりは、基体4の幅)は、幅狭に形成されているが、幅広に形成されても構わない。そして、この場合には、貼付部4bは、例えば長手方向に加えて幅方向をスリットとか溝とかで区分けすることで、その幅方向において、湾曲可能(または、湾曲可能かつその湾曲状態を維持するように塑性変形可能)に形成されるのが望ましい。
【0052】
また、第二の実施の形態において、固定具本体5は、その基部5bが基体4の取付部4aの進入口4iから内部に進入した状態で、その取付部4aにビス9を用いて取り付けられなくとも、取付部4aの上面に、ビス9等の固着具を用いて取り付けられてもよい。また、第一および第二の実施の形態において、ビス9等の固着具を用いることなく、基部5bが取付部4aに嵌合したり係止されたりして取り付けられてもよい。
【0053】
また、第三の実施の形態においても、ビス9等の固着具を用いることなく、基部5bが取付部4aに嵌合したり係止されたりして取り付けられてもよい。また、第三の実施の形態において、貼付部4bに貫通孔4kとか凹み4m、4mが設けられなくてもよいし、さらには、配線・配管材固定具3が、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)を位置決めするための位置決め手段(詳細には、位置決め突起4n)を有していなくてもよい。反対に、第一および第二の実施の形態において、貼付部4bに貫通孔4kとか凹み4m、4mが設けられたり、あるいは、配線・配管材固定具3が前記位置決め手段を有していても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1 構築面
1a 屋根材の上面
2 配線・配管材
3 配線・配管材固定具
4 基体
4a 取付部
4b 貼付部
4g スリット
5 固定具本体
5a 保持部
6 接着材
【技術分野】
【0001】
この発明は、構築面上に配線・配管材を固定する、配線・配管材固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根にパイプ(配管材)を固定する固定具として、屋根に釘で取付け固定されるパイプ止め金具があった(例えば、特許文献1参照)。このパイプ止め金具は、帯状金属板を曲げて形成されるものであって、円弧状のパイプ押え部と、釘を通す挿通孔が設けられた平坦な被取付部とを備えていた。そこで、屋根にパイプを固定するにあたっては、このパイプ止め金具の二つを向き合わせて、パイプ押え部でパイプを挟んだ状態で、釘を被取付部の挿通孔から屋根の瓦の小孔を通して下地部分に打ち込んだ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−45370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のパイプ押え金具にあっては、釘を用いるために、瓦に小孔をあけたときとか、釘を打ち込んだときに、瓦が割れて損傷する虞があった。このため、釘を打ち込む際に、瓦が損傷しないように細心の注意を払わなければならず、その作業が厄介だった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配線・配管材を構築面上に容易かつ確実に固定することができる、配線・配管材固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材固定具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、構築面上に配線・配管材を固定するための、配線・配管材固定具である。この配線・配管材固定具は、前記構築面に接着固定される基体と、その基体とは分離別体であって、前記配線・配管材を保持する保持部を有して前記基体に取り付けられる固定具本体とを、備える。ここで、前記保持部は、前記配線・配管材の外形に対応した形状を備え、前記固定具本体は、その保持部の形状を維持する剛性を有する。前記基体は、前記固定具本体が取り付けられる取付部と、前記構築面に接着材により貼り付けられる貼付部とを有する。そして、前記貼付部は、湾曲可能に形成される。
【0007】
この配線・配管材固定具によると、構築面へは、基体が接着材により固定され、このため、釘打ちの場合とは異なり構築面が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具は、この基体と、配線・配管材を保持する保持部を有する固定具本体とに分離されている。このため、配線・配管材を構築面上に固定するにあたって、基体の貼付部を構築面に接着材により貼り付け、その接着材が固化後、固定具本体を、その保持部で配線・配管材を保持するように、基体の取付部に取り付けることができる。こうして、接着材が固化した後に、固定具本体を、保持部で配線・配管材を保持するように、基体に取り付けることで、基体の貼付部は、保持部が配線・配管材の長手形状のくせで押されたりしても、構築面に対してずれることがない。しかも、基体の貼付部は、湾曲可能に形成されているため、構築面が湾曲する場合であっても、貼付部を、構築面の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体を、構築面に強固に固定することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項1に記載の配線・配管材固定具において、前記貼付部は、塑性変形可能に形成される。こうして、貼付部が、塑性変形可能であると、その貼付部を湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部を構築面に貼り付けることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項2に記載の配線・配管材固定具において、前記基体は、金属製である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項2または3に記載の配線・配管材固定具において、前記貼付部には、複数のスリットが形成されて、前記貼付部は、それらスリットによって、区分けされる。こうして、貼付部を、複数のスリットにより区分けすることで、貼付部は、容易に湾曲する。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材固定具は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材固定具において、前記基体は、前記構築面となる屋根材の上面に接着固定され、前記貼付部は、前記屋根材の上面の湾曲に合わせて湾曲可能である。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る配線・配管材固定具によれば、配線・配管材固定具を、基体と、配線・配管材の保持部を有する固定具本体とに分離し、基体の貼付部を構築面に接着材により貼り付け、その接着材が固化した後に、固定具本体を、保持部で配線・配管材を保持するように、基体に取り付けることで、構築面が損傷することも基体の貼付部がずれることもなく、配線・配管材を構築面上に容易かつ確実に固定することができる。しかも、構築面が湾曲する場合であっても、貼付部を、構築面の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体を、構築面に強固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の第一の実施の形態の、構築面上に配線・配管材を固定した状態の断面図である。
【図2】同じく、図1におけるA矢視図である。
【図3】同じく、基体を構築面に接着固定した状態の断面図である。
【図4】同じく、図3におけるB矢視図である。
【図5】同じく、基体の正面図である。
【図6】同じく、基体の平面図である。
【図7】同じく、図6におけるC−C線による断面図である。
【図8】この発明の第二の実施の形態の、構築面上に配線・配管材を固定した状態の断面図である。
【図9】同じく、図8におけるD矢視図である。
【図10】同じく、基体を構築面に接着固定した状態の断面図である。
【図11】同じく、図10におけるE矢視図である。
【図12】同じく、基体の正面図である。
【図13】同じく、基体の平面図である。
【図14】同じく、基体の左側面図である。
【図15】同じく、図13におけるF−F線による断面図である。
【図16】同じく、基体を屋根における瓦の上面の凸部に接着固定した状態を示す概略図である。
【図17】同じく、基体を屋根における瓦の上面の凹部に接着固定した状態を示す概略図である。
【図18】この発明の第三の実施の形態の、配線・配管材固定具の斜視図である。
【図19】同じく、配線・配管材固定具の分解斜視図である。
【図20】同じく、構築面上に配線・配管材を固定した状態の断面図である。
【図21】同じく、図20における、一部を破断したG矢視図である。
【図22】同じく、基体を構築面に接着固定した状態の断面図である。
【図23】同じく、図22におけるH矢視図である。
【図24】同じく、基体の正面図である。
【図25】同じく、基体の平面図である。
【図26】同じく、基体の底面図である。
【図27】同じく、基体の左側面図である。
【図28】同じく、図25におけるI−I線による断面図である。
【図29】同じく、図25におけるJ−J線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明に係る配線・配管材固定具を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図7は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、構築面である。2は、配線・配管材(配線材または配管材)であって、太陽光発電用の太陽電池に接続される電気ケーブル(配線材)、その電気ケーブルを収容保護する保護管(配管材)、太陽光温水器に接続される通水管(配管材)、その他の配線・配管材からなる。3は、構築面1上に配線・配管材2を固定するための、配線・配管材固定具である。
【0016】
ここで、配線・配管材固定具3は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着固定される基体4と、その基体4とは分離別体であって、配線・配管材2を保持する保持部5aを有して基体4に取り付けられる固定具本体5とを、備える。基体4は、固定具本体5が取り付けられる取付部4aと、構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとを有する。ここにおいて、取付部4aは、変形しないように形成されている。そして、貼付部4bは、湾曲可能に形成されている。すなわち、貼付部4bは、構築面1(屋根材の上面1a)の湾曲に合わせて湾曲可能となっている。また、保持部5aは、配線・配管材2の外形に対応した形状を備え、固定具本体5は、その保持部5aの形状を維持する剛性を有する。
【0017】
そして、取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、基体4は、配線・配管材2が載る載置部4cを有し、その載置部4cは、構築面1との間に空間7を形成するよう構築面1から離れて位置する。そこで、固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0018】
具体的には、基体4は、金属製であって、帯状の板材からなる。そして、基体4は、その長手方向の中間部分に前記取付部4aが設けられ、両側に前記貼付部4b、4bが設けられている。取付部4aは、固定具本体5の後述する基部5bが載る取付座部4xと前記載置部4cとで構成される中間部4dと、その中間部4dが貼付部4b、4bよりも上方に位置するように貼付部4b、4bから起立して中間部4dに達する起立部4e、4eとを有している。そして、両起立部4e、4e間に、載置部4cと構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)との間の前記空間7が設けられるが、この実施の形態においては、載置部4cと取付座部4xとが同一高さにあるため、取付座部4xと構築面1との間にも、空間8が設けられることとなる。また、取付部4a(詳しくは、取付座部4x)には、固定具本体5を取り付けるための取付孔4fがあけられており、この取付孔4fには、固着具としてのビス9が挿入される。詳細には、この取付孔4fは、ビス9が螺合する螺合孔からなる。
【0019】
貼付部4bは、前述のように湾曲可能であって、さらに、その湾曲状態を維持するように塑性変形可能に形成されている。詳細には、この貼付部4bには、複数のスリット4g、4gが形成されて、貼付部4bは、それらスリット4g、4gによって、区分けされる。より詳細には、スリット4gは、基体4の長手方向と直交する幅方向に細長孔状に延びて、前記長手方向に複数並ぶことで、貼付部4bを前記長手方向において区分けしている。これらスリット4g、4gは、貼付部4bにおける、前記幅方向の中間位置において貫通するように設けられる。そして、図示実施の形態においては、貼付部4bには、スリット4gの各端から延長するようにして貼付部4bの縁に達する溝4hが設けられている。こうして、貼付部4bは、スリット4gに溝4hが加わって区分けされ、それらスリット4gおよび溝4hの部分で折り曲げ可能となることで、基体4の長手方向において、湾曲可能かつ塑性変形可能となっている。また、この貼付部4bの幅(つまりは、基体4の幅)は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)の湾曲の影響を受けないように、言い換えれば、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)の湾曲に沿わせて湾曲させなくても済むように、幅狭に形成されている。
【0020】
固定具本体5は、金属製であって、帯状の板材からなる。そして、固定具本体5は、長手方向の一方側に前記保持部5aを有し、他方側に基部5bを有する。この固定具本体5は、サドル形状をしており、前記保持部5aは、逆U字状に曲げられて、その内側に配線・配管材2が保持される。つまり、保持部5aを配線・配管材2に掛けたり保持部5aに配線・配管材2を通したりすることで、配線・配管材2は保持される。図示実施の形態においては、固定具本体5は、その保持部5aで載置部4cの上に載った状態の配線・配管材2を保持するようになっている。基部5bは、平板形状をして、その板面を貫通する孔5cを有する。そこで、基部5bすなわち固定具本体5は、孔5cを通って前記取付孔4fにねじ込まれる固着具としてのビス9により、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に着脱可能に取り付けられる。
【0021】
次に、この配線・配管材固定具3を用いた配線・配管材2の固定方法について説明する。この固定方法は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)上に配線・配管材2を配線・配管材固定具3により固定する固定方法であって、複数の基体4、4が、配線・配管材2の配線・配管経路に沿って間隔をおいて並ぶように、それら基体4、4の貼付部4bを構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付ける(図3、図4参照)。そして、その接着材6が固化後、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることで、配線・配管材2を構築面1上に固定する(図1、図2参照)。なお、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付けるにあたっては、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させる。そして、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、前述したように、固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を基体4の載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0022】
次に、この第一の実施の形態に示す配線・配管材固定具3の作用効果について説明する。この配線・配管材固定具3によると、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)へは、基体4が接着材6により固定される。このため、釘打ちの場合とは異なり構築面1が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具3は、この基体4と、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する固定具本体5とに分離されている。これにより、配線・配管材2を構築面1上に固定するにあたって、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け(図3、図4参照)、その接着材6が固化後、固定具本体5を、その保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることができる(図1、図2参照)。こうして、接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、基体4の貼付部4bは、保持部5aが配線・配管材2の長手形状のくせで押されたりしても、構築面1に対してずれることがない。すなわち、配線・配管材固定具3を、基体4と、配線・配管材2の保持部5aを有する固定具本体5とに分離し、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け、その接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、構築面1が損傷することも基体4の貼付部4bがずれることもなく、配線・配管材2を構築面1上に容易かつ確実に固定することができる。
【0023】
しかも、基体4の貼付部4bは、湾曲可能に形成されているため、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)が湾曲する場合であっても、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体4を、構築面1に強固に固定することができる。その上、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されているため、その貼付部4bを湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部4bを構築面1に貼り付けることができる。さらに、貼付部4bを、複数のスリット4g、4gにより区分けすることで、貼付部4bは、容易に湾曲する。
【0024】
さらには、配線・配管材固定具3において、基体4は、湾曲するのは貼付部4bのみであって、取付部4aは変形しないように形成され、固定具本体5は、保持部5aの形状を維持する剛性を有して変形しないように形成されているため、配線・配管材2を確実に保持することができる。
【0025】
また、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)から浮いた状態に保持する。こうして、配線・配管材2が構築面1から浮くことで、構築面1の熱が配線・配管材2に伝わり難くなる。しかも、この際、配線・配管材2が載る載置部4cと構築面1との間に空間7が形成されることで、構築面1の熱は、配線・配管材2に一層伝わり難くなる。
【0026】
図8〜図15は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、配線・配管材固定具3における基体4の形状が異なるが、他はほぼ同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
【0027】
配線・配管材固定具3は、第一の実施の形態と同様に、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着固定される基体4と、その基体4とは分離別体であって、配線・配管材2を保持する保持部5aを有して基体4に取り付けられる固定具本体5とを、備える。
【0028】
基体4は、金属製であって、板材からなる。この基体4は、略矩形形状をしており、その一方側を除く幅の中間部分に、固定具本体5が取り付けられる取付部4aを有している。この取付部4aは、変形しないように形成されている。詳細には、取付部4aは、上方に膨出形成されて、前記一方側とは反対側の端部が開口し、その開口が、固定具本体5の基部5bが取付部4a内に進入する進入口4iとなっている。そして、取付部4aには、固定具本体5を取り付けるための取付孔4fがあけられている。この取付孔4fは、取付部4aの上面から取付部4a内に貫通するように設けられる。そして、この取付孔4fには、進入口4iから取付部4a内に進入した固定具本体5の基部5bを止めるための固着具としてのビス9が挿入される。図示実施の形態においては、取付孔4fは、ビス9が螺合する螺合孔からなって、取付孔4fに螺合するビス9の先端側が、固定具本体5の基部5bに設けられた孔5cに挿入されることで、固定具本体5は、基体4の取付部4aに着脱可能に取り付けられる。
【0029】
そして、基体4は、この取付部4aをコ字状に取り囲む周囲部分が、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとなっている。この貼付部4bは、湾曲可能に形成されている。すなわち、貼付部4bは、構築面1の湾曲に合わせて湾曲可能となっている。また、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されている。詳細には、この貼付部4bには、複数のスリット4g、4gが形成されて、貼付部4bは、それらスリット4g、4gによって、区分けされる。そこで、貼付部4bは、スリット4gの切り込みによって区分けされた各部分が、取付部4aとか区分けされた隣りの部分とかに対して折り曲げ可能となることで、湾曲可能かつ塑性変形可能となっている。
【0030】
この配線・配管材固定具3においては、基体4は、配線・配管材2が載る載置部4cを有せず、配線・配管材2は、構築面1に載せられる。したがって、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持するのではなく、保持部5aで構築面1に当接した状態に保持するものとなっている。
【0031】
次に、この配線・配管材固定具3を用いた配線・配管材2の固定方法について説明する。この固定方法は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)上に配線・配管材2を配線・配管材固定具3により固定する固定方法であって、複数の基体4、4が、配線・配管材2の配線・配管経路に沿って間隔をおいて並ぶように、それら基体4、4の貼付部4bを構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付ける(図10、図11参照)。そして、その接着材6が固化後、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることで、配線・配管材2を構築面1上に固定する(図8、図9参照)。なお、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付けるにあたっては、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させる。なお、図16および図17は、基体4を、屋根材としての瓦(詳しくは、桟瓦)の上面1aに接着固定した状態を示し、図16においては、瓦の上面1aの凸部1bに基体4が貼り付けられ、図17においては、瓦の上面1aの凹部1cに基体4が貼り付けられている。
【0032】
次に、この第二の実施の形態に示す配線・配管材固定具3の作用効果について説明する。この配線・配管材固定具3によると、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)へは、基体4が接着材6により固定される。このため、釘打ちの場合とは異なり構築面1が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具3は、この基体4と、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する固定具本体5とに分離されている。これにより、配線・配管材2を構築面1上に固定するにあたって、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け(図10、図11参照)、その接着材6が固化後、固定具本体5を、その保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることができる(図8、図9参照)。こうして、接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、基体4の貼付部4bは、保持部5aが配線・配管材2の長手形状のくせで押されたりしても、構築面1に対してずれることがない。すなわち、配線・配管材固定具3を、基体4と、配線・配管材2の保持部5aを有する固定具本体5とに分離し、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け、その接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、構築面1が損傷することも基体4の貼付部4bがずれることもなく、配線・配管材2を構築面1上に容易かつ確実に固定することができる。
【0033】
しかも、基体4の貼付部4bは、湾曲可能に形成されているため、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)が湾曲する場合であっても、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体4を、構築面1に強固に固定することができる。その上、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されているため、その貼付部4bを湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部4bを構築面1に貼り付けることができる。さらに、貼付部4bを、複数のスリット4g、4gにより区分けすることで、貼付部4bは、容易に湾曲する。
【0034】
さらには、この配線・配管材固定具3では、基体4は、湾曲するのは貼付部4bのみであって、取付部4aは変形しないように形成され、固定具本体5は、保持部5aの形状を維持する剛性を有して変形しないように形成されているため、配線・配管材2を確実に保持することができる。
【0035】
図18〜図29は、本発明の第三の実施の形態を示す。この実施の形態は、第一の実施の形態とは、配線・配管材固定具3における基体4および固定具本体5の形状が異なるが、他はほぼ同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して、異なる部分を主に説明する。
【0036】
配線・配管材固定具3は、第一の実施の形態と同様に、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着固定される基体4と、その基体4とは分離別体であって、配線・配管材2を保持する保持部5aを有して基体4に取り付けられる固定具本体5とを、備える。また、保持部5aは、配線・配管材2の外形に対応した形状を備え、固定具本体5は、その保持部5aの形状を維持する剛性を有する。基体4は、固定具本体5が取り付けられる取付部4aと、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bとを有する。そして、取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、基体4は、配線・配管材2が載る載置部4cを有し、その載置部4cは、構築面1との間に空間7を形成するよう構築面1から離れて位置する。そこで、固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0037】
具体的には、基体4は、金属製であって、略矩形形状の板材からなる。そして、基体4は、その幅の中間部分に、固定具本体5が取り付けられる取付部4aが設けられ、その取付部4aの両側に、構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付けられる貼付部4bが設けられている。この取付部4aは、変形しないように形成されている。また、取付部4aは、第一の実施の形態と同様に、固定具本体5の基部5bが載る取付座部4xと前記載置部4cとで構成される中間部4dと、その中間部4dが貼付部4b、4bよりも上方に位置するように貼付部4b、4bから起立して中間部4dに達する起立部4e、4eとを有している。図示実施の形態においては、両起立部4e、4eは、貼付部4b、4bから互いに近づくように斜めに起立している。そして、第一の実施の形態と同様に、両起立部4e、4e間に、載置部4cと構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)との間の前記空間7が設けられ、かつ、載置部4cと取付座部4xとが同一高さにあることから、取付座部4xと構築面1との間にも空間8が設けられる。
【0038】
また、取付部4a(詳しくは、取付座部4x)には、固定具本体5を取り付けるための取付孔4fがあけられており、この取付孔4fには、固着具としてのビス9が挿入される。詳細には、取付部4aは、取付座部4xの下面から下向きに突出したボス部4jを備えており、取付座部4xおよびボス部4jを上下に貫通するようにして、取付孔4fが設けられている。この取付孔4fは、ビス9が螺合する螺合孔からなる。
【0039】
貼付部4bは、湾曲可能に形成されている。すなわち、貼付部4bは、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)の湾曲に合わせて湾曲可能となっている。また、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されている。詳細には、この貼付部4bには、複数のスリット4g、4gが形成されて、貼付部4bは、それらスリット4g、4gによって、区分けされる。より詳細には、スリット4gは、基体4の中間部4dの長手方向と直交する幅方向に延びて、前記長手方向に複数並ぶことで、貼付部4bを前記長手方向において区分けしている。そこで、貼付部4bは、スリット4gの切り込みによって区分けされた各部分が、取付部4aに対して折り曲げ可能となることで、湾曲可能かつ塑性変形可能となっている。また、図示実施の形態においては、接着材充填部として、区分けされた貼付部4bの各部分の中央部に、表裏に貫通する貫通孔4kが設けられ、また、区分けされた貼付部4bの各部分の裏面四隅に、円形状の凹み4m、4mが設けられている(図25、図26参照)。
【0040】
固定具本体5は、第一および第二の実施の形態と同様に、金属製であって、帯状の板材からなる。そして、固定具本体5は、サドル形状をしており、長手方向の一方側に、逆U字状に曲げられて、その内側に配線・配管材2が保持される前記保持部5aを有し、他方側に、平板形状をした基部5bを有する。図示実施の形態においては、基部5bは、その中央部分に、外側に膨出する膨出部5dが形成されており、この膨出部5dに、板面を貫通する孔5cが設けられている。そこで、基部5bすなわち固定具本体5は、孔5cを通って前記取付孔4fにねじ込まれる固着具としてのビス9により、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に着脱可能に取り付けられる。なお、図示実施の形態においては、保持部5aにおいても、固定具本体5の長手方向と直交する幅方向の中間部分が、外側に膨出するように形成されている。また、固定具本体5は、第一の実施の形態と同様に、保持部5aで、載置部4cの上に載った状態の配線・配管材2を保持する。
【0041】
さらに、この配線・配管材固定具3は、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)を位置決めするための位置決め手段を有する。詳細には、前記位置決め手段は、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)の外面に突き出るように設けられた位置決め突起4nを備える。具体的には、位置決め突起4nは、取付孔4fを中央に挟むようにして、貼付部4b、4b側方向の両側に設けられた、平面視略長方形形状の第一位置決め突起4p、4pと、それら第一位置決め突起4p、4pと所要の間隔をあけて、互いに平行位置するように設けられた、平面視細長の長方形形状の第二位置決め突起4q、4qとからなる(図25参照)。これら第一位置決め突起4pおよび第二位置決め突起4qは、外側に膨出するように形成されている。そして、固定具本体5の基部5bの両側部分(詳しくは、固定具本体5の長手方向と直交する幅方向における、平板状の両側部分)が、それぞれ、第一位置決め突起4p、4pと第二位置決め突起4qとの間に位置するように、固定具本体5(詳しくは、基部5b)を基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に載置することによって、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)が位置決めされる(図21参照)。
【0042】
次に、この配線・配管材固定具3を用いた配線・配管材2の固定方法について説明する。この固定方法は、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)上に配線・配管材2を配線・配管材固定具3により固定する固定方法であって、複数の基体4、4が、配線・配管材2の配線・配管経路に沿って間隔をおいて並ぶように、それら基体4、4の貼付部4bを構築面1(屋根材の上面1a)に接着材6により貼り付ける(図22、図23参照)。ここで、流動性を有してなる接着材6を用いて、基体4の貼付部4bを構築面1に貼り付ける場合には、接着材6の一部が、貼付部4bの貫通孔4kおよび凹み4m、4mに充填され、また、その貫通孔4kから流出することとなる。そして、その接着材6が固化後、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることで、配線・配管材2を構築面1上に固定する(図20、図21参照)。なお、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付けるにあたっては、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させる。また、図示実施の形態においては、構築面1(屋根材の上面1a)は、第一の実施の形態に比して、上方に大きく突き出るように湾曲しており、構築面1の一部が取付部4aの内側に入り込んでいる(図21、図23参照)。すなわち、基体4は、その幅の中間部分の全体が、内側に上向きの凹みを備えるように形成されて、取付部4aとなっている。したがって、上方に大きく突き出るように湾曲する構築面1の一部を、取付部4aの内側に入り込ませるとともに、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させることで、取付部4aの、構築面1からの浮き上がりが抑えられる。(なお、第一の実施の形態においても、基体4は、その長手方向の中間部分の全体が、内側に上向きの凹みを備えるように形成されて、取付部4aとなっているので、上方に大きく突き出るように湾曲する構築面については、その構築面の一部を、取付部4aの内側に入り込ませるとともに、貼付部4bを、構築面の湾曲に合わせて湾曲させることで、取付部4aの、構築面からの浮き上がりが抑えられることとなる。)そして、第一の実施の形態と同様に、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。詳細には、前述したように、固定具本体5は、保持部5aで、配線・配管材2を基体4の載置部4cの上に保持することで、その配線・配管材2を構築面1から浮いた状態に保持する。
【0043】
次に、この第三の実施の形態に示す配線・配管材固定具3の作用効果について説明する。この配線・配管材固定具3によると、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)へは、基体4が接着材6により固定される。このため、釘打ちの場合とは異なり構築面1が損傷することがない。そして、配線・配管材固定具3は、この基体4と、配線・配管材2を保持する保持部5aを有する固定具本体5とに分離されている。これにより、配線・配管材2を構築面1上に固定するにあたって、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け(図22、図23参照)、その接着材6が固化後、固定具本体5を、その保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4の取付部4aに取り付けることができる(図20、図21参照)。こうして、接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、基体4の貼付部4bは、保持部5aが配線・配管材2の長手形状のくせで押されたりしても、構築面1に対してずれることがない。すなわち、配線・配管材固定具3を、基体4と、配線・配管材2の保持部5aを有する固定具本体5とに分離し、基体4の貼付部4bを構築面1に接着材6により貼り付け、その接着材6が固化した後に、固定具本体5を、保持部5aで配線・配管材2を保持するように、基体4に取り付けることで、構築面1が損傷することも基体4の貼付部4bがずれることもなく、配線・配管材2を構築面1上に容易かつ確実に固定することができる。
【0044】
しかも、基体4の貼付部4bは、湾曲可能に形成されているため、構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)が湾曲する場合であっても、貼付部4bを、構築面1の湾曲に合わせて湾曲させ貼り付けることで、基体4を、構築面1に強固に固定することができる。その上、貼付部4bは、塑性変形可能に形成されているため、その貼付部4bを湾曲させた形状に維持することができ、その形状に維持した状態で、貼付部4bを構築面1に貼り付けることができる。さらに、貼付部4bを、複数のスリット4g、4gにより区分けすることで、貼付部4bは、容易に湾曲する。
【0045】
さらには、配線・配管材固定具3において、基体4は、湾曲するのは貼付部4bのみであって、取付部4aは変形しないように形成され、固定具本体5は、保持部5aの形状を維持する剛性を有して変形しないように形成されているため、配線・配管材2を確実に保持することができる。
【0046】
また、基体4の取付部4aに取り付けられた固定具本体5は、保持部5aで配線・配管材2を構築面1(詳しくは、屋根材の上面1a)から浮いた状態に保持する。こうして、配線・配管材2が構築面1から浮くことで、構築面1の熱が配線・配管材2に伝わり難くなる。しかも、この際、配線・配管材2が載る載置部4cと構築面1との間に空間7が形成されることで、構築面1の熱は、配線・配管材2に一層伝わり難くなる。
【0047】
また、基体4の貼付部4bには、貫通孔4kおよび凹み4m、4mが設けられているため、流動性を有してなる接着材6を用いて、貼付部4bを構築面1に貼り付ける場合には、接着材6の一部が、貫通孔4kおよび凹み4m、4mに充填され、また、その貫通孔4kから流出することになる。これにより、構築面1と基体4との固定が強固になり、配線・配管材2を構築面1上に、より一層確実に固定することができる。また、この配線・配管材固定具3は、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)を位置決めするための位置決め手段(詳細には、位置決め突起4n)を有するため、固定具本体5を、基体4の取付部4aに容易に位置決めして、その取付部4aに取り付けることができる。
【0048】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、構築面1は、屋根材の上面1a(つまり、屋根面)からならなくとも、壁材の上面(つまり、壁面)、電柱などの柱の外周面等、その他の面からなってもよい。また、配線・配管材2は、太陽光発電用の太陽電池とか太陽光温水器とかに関連したものでなくとも、外部から引き込まれる電力線(配線材)とか、給水管(配管材)等からなってもよい。
【0049】
また、基体4の貼付部4bは、湾曲可能であれば、スリット4gとか溝4hが設けられなくともよく、また、塑性変形可能に形成されなくともよい。さらには、取付部4aは、必ずしも変形しないように形成されなくてもよく、例えば、取付部4aは、その一部あるいは全体が湾曲可能となるように形成されても構わない。
【0050】
また、基体4とか固定具本体5は、金属製でなくとも、例えば合成樹脂製であってもよい。
【0051】
また、第一の実施の形態において、貼付部4bの幅(つまりは、基体4の幅)は、幅狭に形成されているが、幅広に形成されても構わない。そして、この場合には、貼付部4bは、例えば長手方向に加えて幅方向をスリットとか溝とかで区分けすることで、その幅方向において、湾曲可能(または、湾曲可能かつその湾曲状態を維持するように塑性変形可能)に形成されるのが望ましい。
【0052】
また、第二の実施の形態において、固定具本体5は、その基部5bが基体4の取付部4aの進入口4iから内部に進入した状態で、その取付部4aにビス9を用いて取り付けられなくとも、取付部4aの上面に、ビス9等の固着具を用いて取り付けられてもよい。また、第一および第二の実施の形態において、ビス9等の固着具を用いることなく、基部5bが取付部4aに嵌合したり係止されたりして取り付けられてもよい。
【0053】
また、第三の実施の形態においても、ビス9等の固着具を用いることなく、基部5bが取付部4aに嵌合したり係止されたりして取り付けられてもよい。また、第三の実施の形態において、貼付部4bに貫通孔4kとか凹み4m、4mが設けられなくてもよいし、さらには、配線・配管材固定具3が、基体4の取付部4a(詳しくは、取付座部4x)に対して固定具本体5(詳しくは、基部5b)を位置決めするための位置決め手段(詳細には、位置決め突起4n)を有していなくてもよい。反対に、第一および第二の実施の形態において、貼付部4bに貫通孔4kとか凹み4m、4mが設けられたり、あるいは、配線・配管材固定具3が前記位置決め手段を有していても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1 構築面
1a 屋根材の上面
2 配線・配管材
3 配線・配管材固定具
4 基体
4a 取付部
4b 貼付部
4g スリット
5 固定具本体
5a 保持部
6 接着材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構築面上に配線・配管材を固定するための、配線・配管材固定具であって、
前記構築面に接着固定される基体と、その基体とは分離別体であって、前記配線・配管材を保持する保持部を有して前記基体に取り付けられる固定具本体とを、備え、
前記保持部は、前記配線・配管材の外形に対応した形状を備え、前記固定具本体は、その保持部の形状を維持する剛性を有し、
前記基体は、前記固定具本体が取り付けられる取付部と、前記構築面に接着材により貼り付けられる貼付部とを有し、
前記貼付部は、湾曲可能に形成されていることを特徴とする、配線・配管材固定具。
【請求項2】
前記貼付部は、塑性変形可能に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の配線・配管材固定具。
【請求項3】
前記基体は、金属製であることを特徴とする、請求項2に記載の配線・配管材固定具。
【請求項4】
前記貼付部には、複数のスリットが形成されて、前記貼付部は、それらスリットによって、区分けされることを特徴とする、請求項2または3に記載の配線・配管材固定具。
【請求項5】
前記基体は、前記構築面となる屋根材の上面に接着固定され、前記貼付部は、前記屋根材の上面の湾曲に合わせて湾曲可能であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材固定具。
【請求項1】
構築面上に配線・配管材を固定するための、配線・配管材固定具であって、
前記構築面に接着固定される基体と、その基体とは分離別体であって、前記配線・配管材を保持する保持部を有して前記基体に取り付けられる固定具本体とを、備え、
前記保持部は、前記配線・配管材の外形に対応した形状を備え、前記固定具本体は、その保持部の形状を維持する剛性を有し、
前記基体は、前記固定具本体が取り付けられる取付部と、前記構築面に接着材により貼り付けられる貼付部とを有し、
前記貼付部は、湾曲可能に形成されていることを特徴とする、配線・配管材固定具。
【請求項2】
前記貼付部は、塑性変形可能に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の配線・配管材固定具。
【請求項3】
前記基体は、金属製であることを特徴とする、請求項2に記載の配線・配管材固定具。
【請求項4】
前記貼付部には、複数のスリットが形成されて、前記貼付部は、それらスリットによって、区分けされることを特徴とする、請求項2または3に記載の配線・配管材固定具。
【請求項5】
前記基体は、前記構築面となる屋根材の上面に接着固定され、前記貼付部は、前記屋根材の上面の湾曲に合わせて湾曲可能であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線・配管材固定具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−102863(P2012−102863A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276454(P2010−276454)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
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