説明

配線回路基板及びその形成方法並びに電子部品

【課題】 ほぼ直角に近い位置関係にある2面以上の平面を有する立体絶縁基板に、フリップチップなどの高密度実装に耐える微細配線回路を解像度良く形成し、高密度実装された電子部品を提供する。
【解決手段】 少なくともほぼ直角に近い位置関係をなす2平面を有する絶縁基板表面の境界部分近傍の表面粗さ(Ra)を2〜3μmに選択的に粗面化して、連続した配線回路を形成する。絶縁基板の粗面化は、所定部分を粗面化した金型を使用して樹脂を射出成形することにより行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体的なプリント配線回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチック成形品の表面に電気回路のパターンを形成した射出成形回路基板が、電子部品の小型軽量化及び製造工程の減少をもたらすものと期待されている。これは、立体面を有するプラスチック成形品に金属パターンを形成するものであり、従来のプリント基板のように平板に限定されず、種々の形状に対応できるのが特徴である。例えば、磁気センサーなどでは平面的なX−Y方向に限らず、三次元方向であるZ方向に向けてセンサーを取り付けるための、立体的な配線回路を設けることにより、立体的なセンシングが可能となる。
【0003】
従来、立体的な配線回路を設ける方法としては、ほぼ水平な面及びほぼ垂直な面の全面に導電膜を形成した後、最初に電着レジスト等を用いて全面にレジスト膜を形成し、次いで概略水平な面のみを対象として、露光用平面パターンマスクを用いて平行光による投影露光を行い、その後、ほぼ垂直な面を対象として露光用平面パターンマスクを用いて散乱光による投影露光を行い、現像処理して配線回路を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、別の方法として上記のように導電膜とレジスト膜を形成した後、投影露光対象となる複数の方向を持った面に対して、複数の方向から複数回投影露光する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平08−204133号公報
【特許文献2】特開平07−286280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような方法ではある一つの面、例えば水平面を投影露光する際に乱反射が起こり、その結果投影露光用マスクで遮蔽している筈の別の面、例えば隣り合った垂直面にも光が当たり、解像度に悪影響を及ぼす難点がある。
この問題は遮蔽している面と投影露光している面とのなす角度が大きいほど、すなわち両者の角度が90度に近くなるほど顕著になる傾向にある。また、遮蔽している面と投影露光している面との距離が近いほど、すなわち両者の境界線に近いほど顕著になる傾向にある。さらに、高解像度の配線パターンを形成するためには、プラスチック基材表面の表面粗度をできるだけ小さくすることが求められるが、表面粗度が小さくなるほど露出光の乱反射は顕著になる。
露出光の乱反射が起こると解像度が悪化して微細配線回路を得ることができず、電子部品の高密度実装が行えないばかりか、電子部品の小型化にも支障を来す結果となる。
【0005】
本発明は上記課題を解決し、ほぼ直角に近い位置関係にある2平面を含む複数の面を有する立体絶縁基板に、フリップチップなどの高密度実装に耐える微細配線回路を、解像度良く形成することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、上記本発明の微細配線回路を具備した立体的な配線回路基板を使用して、高密度実装された小型の電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明の配線回路基板は、少なくともほぼ直角に近い位置関係をなす2平面を含む絶縁基板表面に連続した配線回路を有する配線回路基板であって、該2平面の境界部分近傍の前記絶縁基板の表面粗さ(Ra)が2〜3μmである配線回路基板とした。
本発明の配線回路基板は、前記2平面の絶縁基板の境界部分が少なくとも1面以上の斜面から構成された配線回路基板であってもよいし、前記2平面の絶縁基板の境界部分が、曲面から構成された配線回路基板であってもよい。
【0007】
本発明の配線回路基板においては、前記2平面の境界部分近傍の粗面化された領域が、各平面の境界部分から各平面方向に向かって0.5mm以内の範囲まで及んでいることが好ましい。
また、本発明の配線回路基板は、前記絶縁基板として樹脂基板を使用することができる。
【0008】
本発明の配線回路基板の製造方法は、少なくともほぼ直角に近い位置関係をなす2平面を含む絶縁基板に連続した配線回路を形成する方法であって、該2平面の境界部分近傍が選択的に粗面化された絶縁基板の表面をプラズマ改質した後に導電膜を形成し、該導電膜表面にレジスト膜を形成し、次いでマスクパターンを使用して一方の平面に垂直に所定の回路パターンを投影露光し、さらに別のマスクパターンを使用してもう一方の平面に垂直に所定の回路パターンを投影露光し、しかる後現像処理して不要な導電膜をエッチング除去して配線回路を形成する配線回路の形成方法とした。
【0009】
本発明の配線回路基板の製造方法においては、前記絶縁基板は、前記境界部分を選択的に粗面化した金型を使用して樹脂を射出成形して得たものを使用することができる。その際、前記金型はサンドブラスト処理して粗面化したものを用いることができる。
【0010】
本発明の配線回路基板の製造方法においては、前記回路パターンを投影露光するに際し、先ず一方の平面の全面と境界部の斜面または曲面の半分の幅とを投影露光し、次いで他方の平面の全面と境界部の斜面または曲面の半分の幅とを投影露光する方法を採用することが好ましい。両露光領域は、多少オーバーラップしてもかまわない。
【0011】
本発明の電子部品は、上述の配線回路基板の製造方法によって得られた本発明の配線回路基板上に機能素子を実装した電子部品である。
本発明の電子部品としては、例えば磁気センサーが挙げられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、投影露光の乱反射強度が最も強い2平面の境界近傍の基板表面が粗面化されているため、乱反射による影響を排除して精細な配線回路を形成することができる。さらに表面が粗面化されている部分が2平面の境界近傍に限定されていて他の部分は平滑面となっているため、基板表面全面にわたって高解像度の微細配線回路を形成することが可能となる。
これにより例えば高解像度配線パターンが必要なフリップチップ実装ICを、水平面及び垂直面の両面に実装するような電子部品の設計が可能となり、モジュール型電子部品や電子機器のさらなる小型化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、本発明の電子部品の一例を外観斜視図で示す。本発明の電子部品10は互いにほぼ直角をなす平面からなる絶縁基板2,3により構成された立体的な配線回路基板1の表面に、連続した配線回路5が形成されており、該配線回路5の上にフリップチップタイプの機能素子11a、11b、11c及びICチップ12が載置されている。電子素子11a、11bと電子素子11cは互いに直角をなす平面上に載置されている。
【0014】
図2は、図1に示した電子部品10から機能素子及びICチップを取り除いた、配線回路基板の外観斜視図である。
本発明の配線回路基板1は、ほぼ直角に近い位置関係をなす2平面からなる絶縁基板2,3の表面に、連続した配線回路5が形成されている。図2の例ではほぼ直角をなす絶縁基板2,3の間は、1面の斜面4で接続されており、この斜面4にも連続した配線回路5が形成されている。図中7,8は補強のためのリブである。
図2では互いにほぼ直角をなす2面からなる絶縁基板2,3の間を1面の斜面4で接続しているが、絶縁基板2,3の間の接続方法は1平面に限らず、複数の平面であっても良いし、曲面であっても良い。図3に、本発明の回路配線基板の断面例を示す。図3(a)は、2面の絶縁基板2,3の間を1面の斜面4で接続した例を示し、図3(b)は、2面の絶縁基板2,3の間を2面の斜面4a,4bで接続した例を示し、さらに図3(c)は、2面からなる絶縁基板2,3の間を曲面4cで接続した例を示している。このように本発明の配線回路基板は互いにほぼ直角をなす2面からなる絶縁基板2,3の間を斜面あるいは曲面で接続した立体的な構造をなしている。そしてこれら斜面や曲面を含む絶縁基板表面に、連続した配線回路が形成されている。
【0015】
本発明の配線回路基板は、2平面の境界部分近傍の絶縁基板の表面が表面粗さ(Ra)が2〜3μmに選択的に粗面化されている。境界部分近傍を除く平面部分は表面粗さ(Ra)が0.3μm程度に平滑に仕上げてある。すなわち、図3(a)〜(c)の各図において、平面をなす2面の絶縁基板2,3の一部及びそれら2面の間をつなぐ斜面4a,4bまたは曲面4cの表面には粗面化領域6が形成されており、この粗面化領域6の上に連続した配線回路5が形成されている。粗面化領域6の表面粗さ(Ra)は2〜3μmであり、2μm未満では投影露光する際に乱反射が起こりやすくなり、3μmを越えると微細な配線回路の形成が困難となる。絶縁基板2,3の表面の主たる部分は、微細な配線回路を形成できるように表面粗さ(Ra)を0.3μm程度以下に平滑に仕上げてある。
【0016】
ここで、粗面化領域6は、平面をなす絶縁基板2,3の境界部分から各平面方向に向かって0.5mm以内の範囲であることが好ましい。すなわち、図3(a)〜(c)の各図において、絶縁基板2,3の表面に形成された粗面化領域6の幅(L)は0.5mm以内とするのが好ましい。これは平面をなす2面の絶縁基板の境界近傍で投影露光の乱反射が起こるので、2面の絶縁基板の境界近傍のみ表面を粗面化しておけば、投影露光の乱反射を防ぐことができるからである。
絶縁基板表面の粗面化した部分は微細な配線回路を形成し難くなるため、その領域に形成されるパターンは相応に太く設計する必要がある。しかし、その領域面積は限られており、目標とするモジュール型電子部品のさらなる小型化への影響は僅かであって、投影露光の散乱を防止できる効果の方がはるかに大きい。
【0017】
本発明の配線回路基板は、絶縁基板として樹脂基板を使用することができる。樹脂を使用すれば、少なくともほぼ直角に近い位置関係をなす2平面を有する立体的な絶縁基板を容易に得ることができる。しかも射出成型用の金型の必要部分をあらかじめ粗面化しておけば、大部分が平滑で必要部分のみ選択的に粗面化した立体的な絶縁基板を簡単に量産することができる。金型の粗面化にはサンドブラスト処理が効果的である。金型の2平面の境界部分近傍のみ露出させ、他の部分を遮蔽材で被覆してサンドブラスト処理を行えば、境界部分のみを選択的に粗面化した金型が得られる。表面粗さは使用する研掃材の粒度を選択することで、任意に調整することができる。
樹脂の射出成形を利用すれば、ランナーとゲートを使用して多数の樹脂基板を連結して1回の成型で複数の樹脂基板を得ることがで、安価に供給することが可能となる。
使用する樹脂には特に制限はないが、PPS樹脂や液晶ポリマー樹脂など、寸法安定性や、ハンダ付けも可能な耐熱性を有するものが望ましい。
【0018】
本発明の配線回路基板の形成方法は、上記のようにして得た少なくともほぼ直角に近い位置関係をなす2平面を有する絶縁基板を使用して、先ず絶縁基板の表面をプラズマ改質した後に導電膜を形成し、該導電膜表面にレジスト膜を形成し、次いでマスクパターンを使用して一方の平面に垂直に所定の回路パターンを投影露光し、さらにマスクパターンを使用してもう一方の平面に垂直に所定の回路パターンを投影露光し、しかる後現像処理して不要な導電膜をエッチング除去して配線回路を形成する。
【0019】
回路パターンを投影露光するに際し、先ず一方の平面の全面と境界部の斜面または曲面の半分の幅とを投影露光し、次いで他方の平面の全面と境界部の斜面または曲面の半分の幅とを投影露光する。このような投影露光方法を採用しても、2平面の境界部で投影露光の乱反射は起こらないので、微細高精度の配線回路を容易に形成することができる。
図4に投影露光工程の手順を説明する。図において平面をなす絶縁基板2,3とこれらを繋ぐ斜面4の表面には、図示省略の導電膜とレジスト膜が形成されている。フォトリソグラフィー技術を使用して、レジスト膜に所望の配線回路パターンを投影露光した後、現像処理して不要部分の導電膜を除去して配線回路を形成する。
このようにして形成した配線回路表面に、さらに銅やニッケル等の導電性金属をメッキ等の手段を利用して形成し、厚く強固な配線回路としても良い。
【0020】
先ず、図4(a)に示すように、所望の配線回路パターンを形成した露光マスク21を通して平面をなしている絶縁基板2に垂直に光を照射して、絶縁基板2表面に所定の配線回路パターンを投影露光する。この際、同時に斜面4の幅の半分部分まで投影露光する。図中22は遮光マスクであり、不要な部分を投影露光しないように遮蔽しておく。
次いで、図4(b)に示すように、所望の配線回路パターンを形成した露光マスク23を通して平面をなしている絶縁基板3に垂直に光を照射して、絶縁基板3表面に所定の配線回路パターンを投影露光する。この際、同時に斜面4の幅の残り半分の部分まで投影露光する。図中24は遮光マスクである。図4(b)に示す例では光を水平方向に照射しているが、基板を90度回転させて垂直方向に照射してもかまわない。
斜面4の中央部では2回の投影露光でオーバーラップ露光される領域が発生するが、配線回路がずれないようにオーバー露光になることを考慮したマスク設計が施されている。
【0021】
本発明の電子部品は、上述のようにして形成した本発明の配線回路基板上に、磁気素子等の機能素子を実装した電子部品である。機能素子はその1面にハンダバンプ等の外部接続用の端子を設けたフリップチップタイプの素子を用いるのが好ましい。機能素子の外部接続用の端子を本発明の配線回路基板の配線回路上に載置して圧接すれば、電子部品が得られる。本発明の配線回路基板を使用すれば、高度な機能を有する電子部品が簡単な製造工程で得られるので、安価に大量に提供することが可能になる。
【実施例】
【0022】
次に実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例)
図2のような形状に設計されたPPS樹脂製の基材を射出成形により成型した。樹脂製の基材は射出成形時には多数個が横方向にランナー及びゲートを介して連なった成型され、以下の工程でも多数個同時に処理される。2枚の絶縁基板の接合部(図2において斜面4に相当する部分)は曲率半径0.2mmで面取りされている。2枚の絶縁基板は互いに直角に配置されていて、水平に置かれた方の絶縁基板2の寸法は3mm×3mm、垂直に配置された絶縁基板3の高さは1mmと非常に小さな基材である。
【0023】
上記基材を射出成型する金型は、2枚の絶縁基板の接合部近傍に対応する部分の表面のみサンドブラストと処理を施して、表面粗さ(Ra)が1〜2μm程度になるように粗面化したしたものを使用した。粗面化した範囲は2枚の絶縁基板の接合部近傍の面取り部分から0.2mmだけ平面部分に入った領域までとした。2枚の絶縁基板のその他の領域の表面粗さは0.3μm以下に平滑に仕上げた。
【0024】
続いて上記基材をプラズマ処理して表面改質した後、スパッタ法を使用して基材全面に厚さ0.1mmの銅膜を形成した。これらの工程では、基材を図2の状態から45度傾けて処理することにより、必要な全面につき一度に処理することができた。
続いて基材を45度傾けて、スプレー法を使用して銅膜の表面に厚さ10μmのレジスト膜を形成した。レジスト膜はポジ型、ネガ型いずれでも使用可能であるが、ここではポジ型を使用した。
【0025】
次に、図4(a)に示すように、大きな平面が水平になるように基材を置き、露光マスク21を通して絶縁基板2の表面と2枚の絶縁基板の接合部の半分の部分に配線回路パターンを投影露光した。露光マスク21は所望の配線回路パターンを反転させたパターンとなっている。遮光パターン22は、2枚の絶縁基板の接合部の半分と、垂直になった絶縁基板3の部分及び水平に置かれた絶縁基板の配線回路パターン不要部分を遮蔽している。
配線回路パターンは、端子ピッチが60μmのICチップをフリップチップ実装できるように、線幅40μm、間隔20μmの微細パターンとして投影露光した。
【0026】
次に、大きな平面が垂直になるように基材を転倒させ、上記と同様にして露光マスク23を通して絶縁基板3の表面と2枚の絶縁基板の接合部の半分の部分に配線回路パターンを投影露光した。2枚の絶縁基板の接合部では、配線回路を接続させるためのごく簡単な配線回路パターンだけが投影露光される。また、2度の投影露光がオーバーラップする部分が生じるが、パターンのずれが起こらないように設計してある。
【0027】
次に、現像液に浸漬することで露光された部分のレジストが溶解して、銅膜が露出した。本実施例においては、粗面化領域において多少のレジスト膜の剥離が認められたものの、所定の配線回路パターンを得ることができた。これは粗面化領域において光が当たった部分から乱反射して、本来遮光すべき領域に到達する反射光が無くなったことと、到達した光が反射してさらにその部分のレジストを反応させることが減ったことが主な要因であるが、微細化領域に微細な配線回路パターンを配置しなかったことも綺麗な配線回路パターンを得るための要因の一つと考えられる。
【0028】
さらに、この配線回路基板を硫酸銅メッキ浴に浸漬させて電気メッキして、露出した銅膜の表面に厚さ18μmの銅回路パターンを形成した。その後レジストを剥離し、エッチング液に浸漬させて最初に着けたスパッタ銅膜を除去した。さらに触媒処理を行って、銅回路パターン上にニッケルと金を順次無電解メッキした。
【0029】
このようにして得られた配線回路基板に磁気センサーデバイスと信号処理ICチップをフリップチップ実装した。
全体を樹脂で封止した後、基材をゲートから切り離して3軸磁気モジュールを完成させた。この磁気モジュールはフリップチップ実装したため、従来のモジュールに比べて大きさが飛躍的に小型化することができた。
【0030】
(比較例)
樹脂製基材を射出成型するための金型に粗面化するためのサンドブラストと処理を施さなかった以外は実施例と全く同様にして基材を作成し配線回路基板を形成した。射出成型するための金型に粗面化処理を施さなかったために、基材表面は一様に表面粗さ(Ra)が0.3μm未満の平滑面になっていた。
このレジスト膜を形成した基材を現像処理したところ、2枚の絶縁基板の接合部の面取りされている部分全面と、2枚の絶縁基板の接合部近傍の境界から0.1mmの範囲にわたってレジストが完全に消失してしまう不良が発生した。このため以後の回路配線形成はできなくなった。
解析の結果、平面部分で反射した光の一部が本来遮光されているべき部分に到達し、現像液で完全に溶けるほど露光されてしまっていることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の電子部品の一例を外観斜視図である。
【図2】本発明の配線回路基板の外観斜視図である。
【図3】本発明の回路配線基板の断面例を示す図である。
【図4】本発明の回路配線基板の製造方法の露光工程を説明する図である。
【符号の説明】
【0032】
1・・・・・・配線回路基板、 2,3・・・・・・絶縁基板、 4・・・・・・斜面、 5・・・・・・配線回路、6・・・・・・粗面化領域、10・・・・・・電子部品、11a,11b,11c・・・・・・機能素子、12・・・・・・ICチップ、21,23・・・・・・露光パターン、22,24・・・・・・遮蔽マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともほぼ直角に近い位置関係をなす2平面を含む絶縁基板表面に連続した配線回路を有する配線回路基板であって、該2平面の境界部分近傍の前記絶縁基板の表面粗さ(Ra)が2〜3μmであることを特徴とする配線回路基板。
【請求項2】
前記2平面の絶縁基板の境界部分が、少なくとも1面以上の斜面から構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の配線回路基板。
【請求項3】
前記2平面の絶縁基板の境界部分が、曲面から構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の配線回路基板。
【請求項4】
前記2平面の境界部分近傍の粗面化された領域が、各平面の境界部分から各平面方向に向かって0.5mm以内の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配線回路基板。
【請求項5】
前記絶縁基板が樹脂基板であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配線回路基板。
【請求項6】
少なくともほぼ直角に近い位置関係をなす2平面を含む絶縁基板に連続した配線回路を形成する方法であって、該2平面の境界部分近傍が選択的に粗面化された絶縁基板の表面をプラズマ改質した後に導電膜を形成し、該導電膜表面にレジスト膜を形成し、次いで後マスクパターンを使用して一方の平面に垂直に所定の回路パターンを投影露光し、さらにマスクパターンを使用してもう一方の平面に垂直に所定の回路パターンを投影露光し、しかる後現像処理して不要な導電膜をエッチング除去して配線回路を形成することを特徴とする配線回路の形成方法。
【請求項7】
前記絶縁基板が、前記境界部分を選択的に粗面化した金型を使用して樹脂を射出成形して得たものであることを特徴とする請求項6に記載の配線回路基板の形成方法。
【請求項8】
前記金型がサンドブラスト処理して粗面化したものであることを特徴とする請求項7に記載の配線回路基板の形成方法。
【請求項9】
前記回路パターンを投影露光するに際し、先ず一方の平面の全面と境界部の斜面または曲面の半分の幅とを投影露光し、次いで他方の平面の全面と境界部の斜面または曲面の半分の幅とを投影露光することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の配線回路基板の形成方法。
【請求項10】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配線回路基板上に機能素子を実装してなることを特徴とする電子部品。
【請求項11】
前記電子部品が磁気センサーであることを特徴とする請求項10に記載の電子部品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−156749(P2006−156749A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345847(P2004−345847)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】