説明

酵素カクテルの配合方法、卵系及び草系の染み及び/又は汚れ除去のための酵素カクテル類、同カクテル類を含む組成物及び製品

標的染み及び/又は汚れ中の酵素加水分解可能な成分の存在に基づく酵素カクテル類の配合方法。より具体的には、標的とする染み及び/又は汚れ中の各成分に特異的な酵素を含む酵素カクテルの配合であって、所望により、各酵素は前記標的染み及び/又は汚れ中の酵素加水分解可能な成分の濃度に応じた量で組み込まれる。さらに、卵系及び草系の汚れを除去するための酵素カクテル類であって、所望により本明細書に開示される方法に従って配合される前記酵素カクテル類。さらに、本明細書に開示される酵素カクテル類を含む組成物及び製品並びに同組成物及び製品の使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酵素カクテル類の配合方法に関する。特に、本発明の酵素カクテルは、標的とする染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に特異的な酵素を包含するように配合され、所望により各酵素は前記標的染み及び/又は汚れ中の酵素加水分解可能な成分の濃度に応じた量で組み込まれる。本発明はさらに、卵系及び草系の染み及び/又は汚れを除去するための、本方法に従って配合された酵素カクテル、並びに同カクテルを含む組成物及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素技術分野は、多数の多様化した製品(その各々が目的を達成するために1以上の酵素類を組み込んでいる)の導入によって証明されるように、発展し続けている。実際に、酵素類は現在、布地ケア、ホームケア(例えば、食器類ケア、硬質面ケア)、美容ケア等の一般分野で広く採用されている。この分野での継続的研究開発の結果として、新規ヌクレオチド配列に関連する酵素の数が減少した。その結果、当業者の多くは現在、標的とする染み及び/又は汚れに対する相乗的(及び新規)加水分解効果を達成するための酵素カクテル類、すなわち2つ以上の酵素類の組み合わせの特定にその努力の焦点を合わせている。このようなカクテル類に採用される個々の酵素は、一般的に既知である。
【0003】
酵素カクテル類の部門での新たにされた研究は、それに関連するいくつかの特性の確認につながった。例えば、2つ以上のプロテアーゼ類の使用は、同じ標的染み及び/又は汚れに対して同濃度で組み込まれた単一のプロテアーゼの使用に関して、増大された性能効果を提供することが当該技術分野において過去に開示されている。当業者は一般に、現代の酵素カクテル類が、類似の濃度で組み込まれた単一酵素類に関して等しいか又はより大きい性能効果を送達する能力を、その組み合わせによって示される幾らかの相乗作用によるものとしている。しかし、当業者は、認識されるどのような相乗作用も帰せられる厳密な根拠をこれから明らかにしなければならない。
【0004】
実際には、主題酵素カクテルに包含するための候補酵素類の特定において、当業者は一般に比較的無差別の発見技法を用いる。すなわち、酵素技術者らは一般に、酵素加水分解による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れを最初に特定することによって酵素カクテル類の配合に携わる。技術者らは続いて、検討中の標的染み及び/又は汚れに対して幾らかの加水分解効果をもたらすと考えられる既知の酵素類をすべて特定する。続いて、単一で使用した時に標的染み及び/又は汚れに対して加水分解効果をもたらすと考えられている単一酵素類の組み合わせを、標的染み及び/又は汚れに対して試験し、前記単一酵素類が組み合わせて使用した時に相乗効果を示すか否かを明らかにする。多数の酵素の組み合わせを配合及び試験した後、研究者は、検討中の標的染み及び/又は汚れの各々に対して最も有効な酵素の組み合わせに関して幾らかの結論を導き出すことができることが多い。
【0005】
それにもかかわらず、酵素カクテル配合への現代的アプローチの使用には数点の欠点が存在する。第1に、従来のアプローチを使用した好適な酵素の組み合わせの特定は、標的染み及び/又は汚れに対して加水分解効果をもたらすと考えられる単一の候補酵素類の最初の選択に直接関連し、及びそれによって制限される。それ故、標的染み及び/又は汚れにおける特定の(及びことによると豊富な)成分を加水分解するよう適応された単一酵素が最初の選択工程に包含されない場合、前記酵素は所望のカクテルから不当に除外され、それによって、得られるカクテルのいずれでも性能効果に悪影響を及ぼす。さらに、酵素カクテルを配合する現今のアプローチの使用は、費用及び時間がかかることが多い。実際には、相乗効果の存在を判断するため、各酵素カクテルについて(たいていは各酵素について)大量の試験を実施しなければならない。技術者らはその後、各試験の結果を総覧し、標的染み及び/又は汚れに対する所与の酵素カクテルの使用と前記カクテルを含む酵素の個別の使用との間でいかなる観察可能な差異も相関づけようと試みる。最後に、相当の研究及び試験を実施した後、技術者らは、個々の酵素及び/又は既知の酵素カクテルを同一の染み及び/又は汚れに使用した場合よりも、どの酵素の組み合わせが著しく優れた加水分解効果を標的染み及び/又は汚れに対して提供するかを特定できないことが多い。
【0006】
それ故、当該技術分野において従来用いられた非体系的な検討方式でなく、標的染み及び/又は汚れ中の酵素加水分解可能な成分の実際の組成により密接に基づく酵素カクテルの配合方法を特定する実質的な必要性が当該技術分野においてなお存在する。このような方法は、相乗作用を特定する試みにおいて、複数の酵素類及び組み合わせ類を試験する必要性を少なくとも部分的に軽減する。さらに、標的染み及び/又は汚れ中の酵素加水分解可能な成分の組成により密接に基づく酵素カクテルの配合方法は、検討中の標的染み及び/又は汚れを加水分解するようより良く適応された酵素カクテルの配合につながる可能性が高い。概念的には、標的染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分のための、所望により各成分に応じた濃度で組み込まれた、特定の酵素を含む酵素カクテルは、他のいかなる酵素の組み合わせよりも優れた性能効果を前記標的染み及び/又は汚れに対して提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さらに、特に厄介な染み又は汚れの除去のための酵素カクテル類を特定及び配置する実質的な必要性が、当該技術分野において依然として存在する。例えば、卵系の染み及び/又は汚れは、酵素技術者及び消費者等にとって重大なジレンマを呈し続ける。卵系の染み又は汚れを除去するように適応されたとされる多数のカクテル類が開示及び/又は商業化されているにもかかわらず、消費者はこのような染み又は汚れを食器類、布地、硬質面等から一掃するために苦心し続けている。草系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテル類の配合及び使用において、多数のこのようなカクテル類が特定及び/又は商業化されたという事実にもかかわらず、類似の困難が経験されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、新規酵素カクテルの発見及び配合への現代的アプローチに関連する苦境のすべてに対処しそれらを解決する。実際には、本発明は、個別に用いた時に標的染み及び/又は汚れに対して加水分解効果をもたらすと考えられる酵素を含む酵素カクテル類を大量に試験するのでなく、標的染み及び/又は汚れにおける実際の組成により密接に基づく酵素カクテルを配合する方法に関する。
【0009】
それ故、本発明の第一の態様に従って、標的染み及び/又は汚れにおける酵素加水分解可能な組成に基づく酵素カクテル類を配合する方法が開示される。前記方法は、一般に、酵素加水分解による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れを特定する工程と、標的染み及び/又は汚れにおける各成分を加水分解するよう適応された1以上の酵素類を特定する工程と、及び対応する標的染み及び/又は汚れのにおける成分を加水分解するように適応された1以上の酵素類を組み込む工程とを含む。本発明の別の態様では、酵素類は、標的染み及び/又は汚れ中の特定の酵素加水分解可能な成分の濃度に応じた量で主題酵素カクテルに組み込まれる。本発明の別の態様では、前記染み及び/又は汚れを加水分解するために酵素カクテルが適応される濃度を決定するために、得られる酵素カクテルが標的染み及び/又は汚れに対して試験される。本発明のさらに別の態様では、検討中のカクテルと現代的な酵素製剤とのいずれもが同一の染み及び/又は汚れに応じた量で搬送される際に、本明細書に開示される方法に従って配合された酵素カクテルの性能が、同一の標的染み及び/又は汚れに対する個々の酵素類の使用又は過去に開示された酵素カクテル類の使用と対照して比較される。
【0010】
本発明の別の態様に従い、酵素カクテル類は開示され及び請求される。本発明の1つの態様では、前記カクテルが、本明細書に開示される酵素カクテルの配合方法に従って配合される。本発明の別の態様では、卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルが開示され及び請求される。前記カクテルは一般に、典型的な卵系の染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対して特異な酵素を、所望により前記卵系の染み及び/又は汚れ中に前記酵素加水分解可能な成分が存在する濃度に応じた量で組み込む。本発明の別の態様では、草系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルが開示され及び請求される。前記カクテルも、一般に、検討中の草系の染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対して特異な酵素を、所望により前記草系の染み及び/又は汚れ中に前記酵素加水分解可能な成分が存在する濃度に応じた量で用いる。
【0011】
本発明のさらに他の態様では、本明細書に開示される酵素カクテルは、1以上の組成物及び/又は製品に組み込まれる。本発明の1つの態様では、卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルが洗剤組成物に組み込まれ、卵系の染みを、例えば食器類、硬質面及び/又は布地から除去するように適応される。本発明の別の態様では、草系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルが洗剤組成物に組み込まれ、草系の染み及び/又は汚れを、例えば布地、硬質面等から除去するように適応される。本発明のさらに別の態様では、本明細書に開示される方法に従って配合された酵素カクテル類が、製品、消費者又はその他に、所望により1以上の補助的な酵素加水分解効果を提供するために組み込まれる。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、本明細書に開示される酵素カクテルの使用方法、同カクテルを含む組成物及び/又は同カクテルを含む製品が開示され及び請求される。前記方法は一般に、酵素加水分解による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れへの酵素カクテルの送達及び/又は適用、並びに所望により、前記酵素カクテルの放出後の除去を含む。各方法の精密な工程は、酵素加水分解による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れを含む基材の性質、主題酵素カクテルに使用される酵素(類)の性質並びに配合者の必要性及び/又は能力が挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存するであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
用語「カクテル」又は句「酵素カクテル」は、前記用語によって説明される混合物が2以上の酵素類を含むことを意図する。
【0014】
語句「加水分解するよう適応された」は、前記語句によって説明される酵素及び/又は酵素カクテルが、標準酵素類の少なくとも約0.1%の以下の割合で標的染み及び/又は汚れにおける酵素加水分解可能な成分を1つ以上加水分解できることを意味する:プロテアーゼについてはサビナーゼ(Savinase)(登録商標)、リパーゼについてはリポラーゼ(Lipolase)(登録商標)、ホスホリパーゼについてはホスホリパーゼ(Phospholipase)A1(登録商標)、A2(登録商標)、B(登録商標)、C(登録商標)、及び/又はD(登録商標)、ペクチナーゼについてはペクチナーゼ(Pectinase)(登録商標)、ヘミセルラーゼについてはキシログルカナーゼ(Xyloglucanase)(登録商標)、並びにセルラーゼについてはケアザイム(Carezyme)(登録商標)。
【0015】
用語「プロテアーゼ(Protease)A」は、米国再発行特許第34,606号で図1A、1B、及び7、並びに11列、11〜37行に記載されている酵素配列を指すことを意図し、その関連部分を本明細書に参考として組み込む。プロテアーゼ(Protease)Aは米国特許第5,441,882号にさらに記載されており、これを本明細書に参考として組み込む。
【0016】
用語「プロテアーゼ(Protease)B」は、米国特許第5,955,340号及び第5,700,676号で図1A、1B及び5、並びに表1に記載されている酵素配列を指すことを意図し、これを本明細書に参考として組み込む。プロテアーゼ(Protease)Bは米国特許第5,310,675号、再発行特許第34,606号及び第5,441,882号にさらに記載されており、そのすべてを本明細書に参考として組み込む。
【0017】
用語「プロテアーゼ(Protease)C」は、米国特許第6,312,936号及び第6,482,628号で図1〜3[SEQ ID3]、並びに25列、12行に記載されている酵素配列を指すことを意図する。プロテアーゼ(Protease)Cは米国特許第5,955,340号、第5,310,675号、再発行特許第34,606号及び第5,700,676号にさらに記載されており、そのすべてを本明細書に参考として組み込む。
【0018】
(第1の態様:酵素カクテルの配合方法)
このように、本発明の第1の態様に従って、酵素カクテルの配合方法が開示され請求される。本発明の1つの態様において、前記方法は、酵素加水分解による除去が求められる標的染み及び/又は汚れを特定する工程と、前記標的染み及び/又は汚れを調査し、その中に各酵素加水分解可能な成分が存在する濃度を決定する工程と、前記標的染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対してどの個別の酵素が最も高い活性を示すかを決定するために1以上の酵素をスクリーニングする工程と、前記標的染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対して最も高い活性を示す1以上の酵素を、所望により、前記標的染み及び/又は汚れ中の前記酵素加水分解可能な成分の存在濃度に応じた量で、前記カクテルに組み込む工程を含む。
【0019】
酵素加水分解による除去が求められる標的染みの特定及び調査は、本明細書に開示される配合方法の特に重要な態様を示す。当然ながら、検討中の標的染み及び/又は汚れは、本明細書に開示される方法及びカクテル類を使用した除去に適応されるべき好適な比率の酵素加水分解可能な成分を含まなければならない。理論に束縛されるものではないが、本明細書に開示される方法及びカクテル類を使用した除去に好適な標的染み及び/又は汚れは、前記標的染み及び/又は汚れの総パーセントに基づいて、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、より好ましくは少なくとも約20%の酵素加水分解可能な成分を含むと考えられる。標的染み及び/又は汚れにおける組成分析で、前記染み及び/又は汚れ中の基本的な酵素加水分解可能な成分の各々の存在及び特徴に関しておおよその決定が得られるべきである。理論に束縛されるものではないが、前記染み及び/又は汚れ中の基本的な各酵素加水分解可能な成分の除去は、標的染み及び/又は汚れ全体の除去を促進すると考えられる。主要成分の加水分解時に、主題カクテルに組み込まれた他の酵素類はその後、標的染み及び/又は汚れ全体の除去を完了してもよい。あるいは、理論に束縛されるものではないが、標的染み及び/又は汚れ中の主要成分の酵素加水分解は、該対象内の他の非酵素成分によって生じる障害を最少にし、したがって、検討中の標的染み及び/又は汚れ全体の除去における界面活性剤及びその他の洗浄補助剤の使用をより良く促進すると考えられる。
【0020】
本発明の方法に従う標的染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分の特徴及び/又はパーセント含有量の決定に基づき、1つ以上の酵素を前記標的中の主な酵素加水分解可能な成分の各々に対してスクリーニングできる。本明細書に開示されている方法の実務者は、続いて、標的染み及び/又は汚れ中の主な酵素加水分解可能な成分の各々に対して最高水準の加水分解を示す個々の酵素類を特定してもよい。本発明の別の態様では、標的染み及び/又は汚れ中の酵素加水分解可能な成分に対して使用するために2つ以上の酵素が選択されてもよい。個々の酵素類の選択を、標的染み及び/又は汚れ中の主な酵素加水分解可能な成分の各々に対して最高水準の加水分解を示す酵素類に狭めるのに基づき、実務者はその後、前記選択に従って酵素カクテルを配合してもよい。本発明のさらに別の態様において、本発明に従って配合された酵素カクテル類に組み込まれた個々の酵素は、標的染み及び/又は汚れ中の主な酵素加水分解可能な成分の各々が存在する濃度に応じた濃度で主題酵素カクテルに用いられる。
【0021】
本明細書に開示されている方法に従った酵素カクテルの配合に基づき、実務者はその後、酵素加水分解による除去が望まれる標的染み及び/又は汚れに対して主題カクテルを試験してもよい。本発明の別の態様では、このような試験の結果は、その後、本明細書に開示される方法に従って配合されたカクテル類が同じ標的染み及び/又は汚れに対して、従来の酵素類及び/又は酵素カクテル類と比較してより優れた酵素加水分解効果を示すことを確認するため、配合されたカクテルの量に応じた量で組み込まれた他の個々の酵素類及び/又は酵素カクテル類の使用と比較されてもよい。
【0022】
(卵系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテル)
本発明の別の態様では、卵系の染み及び/又は汚れを除去するように適応された2つ以上の酵素を含む酵素カクテルが開示される。本発明の1つの態様では、卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテル類が、本明細書に開示される酵素カクテル配合方法に従って配合される。すなわち、本発明の1つの態様では、卵系の染みを除去するための酵素カクテルが、酵素加水分解による除去が望ましい卵系の染み及び/又は汚れを調査することによって配合される。このような調査の結果、前記標的染み及び/又は汚れ中の主な酵素加水分解可能な成分の各々が特定される。続いて、個々に及び組み合わせて用いられる複数の酵素を、前記標的染み及び/又は汚れ中の主な酵素加水分解可能な成分の各々に対して試験することができる。前記卵系の染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対してどの酵素が最高水準の加水分解を示すかの決定に基づき、その後、主題酵素を、所望により前記卵系の染み及び/又は汚れ中の所与の酵素加水分解可能な成分の濃度に応じた量で、カクテルに組み込んでもよい。本発明の1つの態様において、単一酵素が、前記標的染み及び/又は汚れ中の特定の酵素加水分解可能な成分に向けた酵素カクテルに、前記酵素加水分解可能な成分が前記標的染み及び/又は汚れ中に存在する濃度に応じた量で組み込まれる。本発明のさらに別の態様では、単一の酵素加水分解可能な成分に向けた2つ以上の酵素が主題酵素カクテルに組み込まれる。
【0023】
天然の卵は一般に2つの主要構成成分、すなわち、卵白及び卵黄を含むことを理解することは重要である。卵白及び卵黄の両方が一般的に及び主にタンパク質で構成されることが明らかになっている。理論に束縛されるものではないが、卵白は以下のタンパク質で構成されると考えられている(卵白中に存在するおよその濃度):オボアルブミン(全卵白タンパク質組成物のおよそ54%);コンアルブミン(全卵白タンパク質組成物のおよそ13%);オボムコイド(全卵白タンパク質組成物のおよそ11%);リゾチーム(全卵白タンパク質組成物のおよそ3.5%);グロブリン(globulmin)(全卵白タンパク質組成物のおよそ8%);及びオボムチン(全卵白タンパク質組成物のおよそ1.5%)。上記の組成物濃度は概算されており、本発明の範囲を制限することを意図するものではないことが注意され理解されるべきである。その他の雑多な成分、タンパク質系及びその他は、天然卵白の残りの9%を構成すると考えられている。
【0024】
さらに、脂質が天然の卵黄におよそ30%含まれることに注意することは重要である。さらに、前記脂質は、約66%のトリグリセリド類と約28%のリン脂質とを含む。理論に束縛されるものではないが、卵黄も一般にタンパク質類、すなわち、ビテロゲニンI、ビテロゲニンII、ビテロゲニンIIIを含む。実際には、卵黄の主要タンパク質構成成分であるビテロゲニンIIは、リポビテリンI、リポビテリンII、ホスビチン及びYGP40に処理されるとさらに想定される。繰り返して述べると、前述した組成的特徴は、本発明の範囲を制限することを意図するものでは決してないことが強調されるべきである。天然卵白類及び卵黄類のいずれも、厳密な内容物は、検討中の卵の供給源、卵がおかれる物理的及び/又は化学的条件、及び問題の卵の組成調査に使用される計器類が挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存することは認められるべきである。さらに、上記の概算は、典型的な天然の卵の基本的な、酵素加水分解可能な成分を構成すると考えられている。
【0025】
当業者は、卵系の染みの厳密な組成は、従来の卵系食品類で卵に添加される他の成分の考慮に依存することを容易に認識するであろう。一般的に、乳は、例えば炒り卵を作るために使用される。それ故、炒り卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルの配合においては、乳の種々の、酵素加水分解可能な成分の組成を考慮しなければならない。理論に束縛されるものではないが、乳は以下のタンパク質を含むと考えられている(その概算濃度):α−S1カゼイン(全乳タンパク質組成のおよそ30.6%);α−S2カゼイン(全乳タンパク質組成のおよそ8%)、βカゼイン(全乳タンパク質組成のおよそ30.8%);k−カゼイン(全乳タンパク質組成のおよそ10.1%);a−ラクトアルブミン乳清タンパク質(全乳タンパク質組成のおよそ3.7%);b−ラクトグロブリン乳清タンパク質(全乳タンパク質組成のおよそ9.8%);血清アルブミン乳清タンパク質(全乳タンパク質組成のおよそ1.2%);免疫グロブリン乳清タンパク質(全乳タンパク質組成のおよそ2.1%);雑多な乳清タンパク質類(全乳タンパク質組成のおよそ2.4%);及び脂肪球皮膜タンパク質(全乳タンパク質組成のおよそ1.2%)。繰り返して述べると、上記の乳タンパク質組成の概算濃度は、本発明の範囲を制限することを決して意図しないことが注意され強調されるべきである。当業者は、乳中に存在する酵素加水分解可能な成分の厳密な組成は、乳の脂肪分(例えば、無脂肪、脂肪1%、脂肪2%、脂肪10%)、乳がおかれる物理的及び/又は化学的条件(すなわち熱)等が挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存することを容易に認識するであろう。上記の概算は、本方法の実務者、及び本カクテル類の配合者が、卵系の染み及び/又は汚れ中の基本的な各酵素加水分解可能な成分(これは、炒り卵の場合乳の酵素加水分解可能な成分を包含してもよい)を適切な濃度で組み込むことを可能にすることを意図するにすぎない。
【0026】
卵及び乳(炒り卵の成分であってもよい)のいずれも、豊富な酵素加水分解可能な成分がタンパク質から成ることは明白である。それ故、本明細書に開示される卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテル類は一般に、1以上のプロテアーゼ類の組み合わせの使用に関し、その各々が標的とする卵系の染み及び/又は汚れ中の特定のタンパク質を1つ以上加水分解するよう適応され及び向けられる。それ故、本発明の1つの態様に従って、卵系の染み又は汚れを除去するためのプロテアーゼカクテルが開示される。前記カクテルは、(a)酵素標準の少なくとも0.1%のタンパク質分解活性、好ましくは少なくとも約1%のレベル、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でカゼインを加水分解するよう適応された前記酵素カクテルの総重量に基づいて、約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%のプロテアーゼの純活性タンパク質を含む。本発明の1つの態様においては、ノボザイム(Novozyme)の市販のサビナーゼ(Savinase)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記プロテアーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、カゼインを加水分解すると考えられているいかなるプロテアーゼのタンパク質分解活性もこれと対照して測定される。
【0027】
本発明のさらに別の態様においては、卵系の染み及び/又は汚れを除去するための本明細書に開示されている酵素カクテルはさらに、酵素標準の少なくとも約0.1%のタンパク質分解活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でホスビチン及び/又はリポビテリンを加水分解するよう適応された前記酵素カクテルの総重量に基づいて、約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%のプロテアーゼの純活性タンパク質を含む。本発明の1つの態様においては、ノボザイムズ(Novozymes)の市販のサビナーゼ(SAVINASE)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記プロテアーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、ホスビチン及び/又はリポビテリンを加水分解すると考えられているいかなるプロテアーゼのタンパク質分解活性もこれと対照して測定される。
【0028】
本発明のさらに別の態様においては、卵系の染み及び/又は汚れを除去するための本明細書に開示されている酵素カクテルはさらに、酵素標準の少なくとも約0.1%のタンパク質分解活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でオボアルブミンを加水分解するよう適応された前記酵素カクテルの総重量に基づいて、約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%のプロテアーゼの純活性タンパク質を含む。本発明の1つの態様においては、ノボザイムズ(Novozymes)の市販のサビナーゼ(Savinase)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記プロテアーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、オボアルブミンを加水分解すると考えられているいかなるプロテアーゼのタンパク質分解活性もこれと対照して測定される。
【0029】
本発明の状況での使用に好適なプロテアーゼ類としては、ノボザイムズ(Novozymes)より入手可能なもの(例えばサビナーゼ(Savinase)(登録商標)、アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、オボザイム(Ovozyme)(登録商標)、エバーラーゼ(Everlase)(登録商標)、ニュートラーゼ(Neutrase)(登録商標)、デュラザイム(Durazyme)(登録商標)、ピラーゼ(Pyrase)(登録商標)、フラボザイム(Flavourzyme)(登録商標));ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)より入手可能なもの(例えばプロパナーゼ(Propernase)(登録商標)、プロテアーゼ(Protease)A、プロテアーゼ(Protease)B、プロテアーゼ(Protease)C);シグマ(Sigma)より入手可能なもの(例えばエラスターゼ(Elastase)(登録商標)、プロテアーゼ(Protease)V8(登録商標)、ペプシン(Pepsin)(登録商標)、パパイン(Papain)(登録商標)、ブロメライン(Bromelain)(登録商標)、プロテイナーゼ(Proteinase)K(登録商標));バイオザイム・ラボラトリーズ(Biozyme Laboratories)より入手可能なもの(例えばエラスターゼ(Elastase)(登録商標));及びいかなるその他の入手可能な金属、酸性、中性及び/又はアルカリ性プロテアーゼが挙げられるがもちろんこれらに限定されない。
【0030】
本発明のさらに別の態様では、リパーゼが、卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルにさらに組み込まれる。前記カクテルは、(b)酵素標準の少なくとも約0.1%の加水分解活性、好ましくは少なくとも約1%の割合、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でトリグリセリド類及び/又はジグリセリド類を加水分解するよう適応された酵素カクテルの総重量に基づいて、約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%のリパーゼの純活性タンパク質を含む。本発明の1つの態様においては、ノボザイムズ(Novozymes)の市販のリポラーゼ(Lipolase)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記リパーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、トリグリセリド類及び/又はジグリセリド類を加水分解すると考えられているいかなるリパーゼの活性もこれと対照して測定される。本発明の状況での使用に好適なリパーゼ類(及び/又はエステラーゼ類)としては、ノボザイムズ(Novozymes)より入手可能なもの(例えばリパーゼ(Lipase)(登録商標)、リポラーゼ(Lipolase)(登録商標)、リポラーゼウルトラ(Lipolase Ultra)(登録商標)、リペックス(Lipex)(登録商標)、パラターゼ(Palatase)(登録商標))及びその他のいかなる入手可能な中性及び/又はアルカリ性リパーゼが挙げられるがもちろんこれらに限定されない。
【0031】
本発明のさらに別の態様では、ホスホリパーゼが、卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルにさらに組み込まれる。前記カクテルは、酵素標準の少なくとも約0.1%の加水分解活性(好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でホスファチジルコリン及び/又はリゾホスファチジルコリンを加水分解するよう適応された酵素カクテルの総重量に基づいて、約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%のホスホリパーゼの純活性タンパク質を含む。本発明の1つの態様においては、ノボザイムズ(Novozymes)の市販のホスホリパーゼ(Phospholipase)A1(登録商標)、A2(登録商標)、B(登録商標)、C(登録商標)及び/又はD(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記ホスホリパーゼが本酵素カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、ホスファチジルコリン及び/又はリゾホスファリジルコリンを加水分解すると考えられているホスホリパーゼの活性がこれと対照して測定される。本発明の状況での使用に好適なホスホリパーゼ類としては、ノボザイムズ(Novozymes)より入手可能なもの(例えばホスホリパーゼ);ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)より入手可能なもの(例えばホスホリパーゼ)(登録商標)、シグマ(Sigma)より入手可能なもの(例えばホスホリパーゼ(Phospholipase)A(登録商標)、ホスホリパーゼ(Phospholipase)C(登録商標));及びその他のいかなる入手可能な中性及び/又はアルカリ性ホスホリパーゼが挙げられる。本発明のさらに別の態様では、前記酵素のいかなる2つの間の比も、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約500:1〜約1:500、より好ましくは約100:1〜約100:1、最も好ましくは約50:1〜約1:50である。
【0032】
当業者は、本明細書に開示される酵素カクテル類の厳密な組成は、標的とする卵系の染み及び/又は汚れの厳密な組成;標的とする卵系の染み及び/又は汚れがおかれる物理的及び/又は化学的条件;本酵素カクテル類が標的染み及び/又は汚れに送達される際に通ると想定される媒質;並びに配合者の必要性及び/又は能力が挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存することを容易に認識するであろう。それ故、本発明はさらに、標的とする卵系の染み又は汚れを除去するための、所望により本明細書に開示される方法に従って配合された酵素カクテル類を包含しようとし、その厳密な酵素内容物は所与の卵系の染み及び/又は汚れの組成に依存して変わってもよい。
【0033】
(草系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテル)
本発明のさらに別の態様では、草系の標的染み及び/又は汚れを除去するための2つ以上の酵素を含む酵素カクテルが開示され及び請求される。本発明の1つの態様では、草系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルが、本明細書に開示される配合方法の使用によって配合される。すなわち、1つの態様において、酵素カクテルは草系の標的染み及び/又は汚れ中の主な酵素加水分解可能な成分の各々の性質及び含有量に基づいて配合される。理論に束縛されるものではないが、草系の染み及び/又は汚れは一般にクロロフィル、タンパク質、炭水化物類及び脂質類を含むと考えられている。
【0034】
実際には、典型的な草系の染み及び/又は汚れの調査により、クロロフィル、β−カロチン及びその他の色素が、草細胞内でクロロフィル結合タンパク質類(例えばCP47、43、29、27、24))との複合体として存在することが明らかとなっている。種々の酵素加水分解可能な成分の約4つの層がさらに前記複合体を包む。すなわち、クロロフィルは、セルロース、ヘミセルロース、キシラン類、キシログルカン類、ペクチン類、リグニン類及びタンパク質類を含む細胞壁によって覆われている。草系の染み又は汚れのクロロフィルは、脂質類(ステロール及びステロールの対応するエステル類)及びタンパク質類を含む葉緑体膜によってさらに覆われている。草系の染み又は汚れのクロロフィルは、ストロマにも覆われている。ストロマは、草細胞のCO固定及びタンパク質合成の部位である。草細胞のストロマは一般に、リボソーム類、ATPシンターゼ、金属イオン類、ホスホグルコース、デンプン及びタンパク質を含む。最後に、糖脂質類、リン脂質類、トリグリセリド類、脂肪酸類及びタンパク質類を含むチラコイド膜が、クロロフィル及びその他の色素類を包む。
【0035】
草細胞の酵素加水分解可能な成分の全合計に基づき、天然草細胞は、およそ80%の炭水化物類、およそ10%のタンパク質類及びおよそ3%の脂質類を含むと考えられる。繰り返して述べると、本方法及び/又はカクテル類が、上記の草細胞類の組成の概算によって制限されることを意図しない。むしろ、前述した概算は、実務者が本発明に従って草系の標的染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルの配合に携わる際の基盤となることを意図する。
【0036】
それ故、本発明の1つの態様において、草系の染み及び/又は汚れを除去するためのプロテアーゼカクテルが開示される。本発明の1つの態様では、前記プロテアーゼカクテルは以下を含む:酵素標準の少なくとも約0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でD−リブロース1,5−二リン酸カルボキシラーゼを加水分解するように適応されたプロテアーゼ;酵素標準の少なくとも約0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合で1以上のクロロフィル結合タンパク質を加水分解するように適応されたプロテアーゼ;及び酵素標準の少なくとも約0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でATPシンターゼを加水分解するように適応されたプロテアーゼ。本発明の1つの態様においては、ノボザイム(Novozyme)の市販のサビナーゼ(Savinase)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記プロテアーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、草系の染み及び/又は汚れにおける成分を加水分解すると考えられているプロテアーゼのタンパク質分解活性がこれと対照して測定される。本発明のさらにまた別の態様では、前述したプロテアーゼのいずれの2つの間の比も、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約500:1〜約1:500、より好ましくは約100:1〜約100:1、最も好ましくは約50:1〜約1:50である。本発明のさらに別の態様では、上記のカクテルを目的とするクロロフィル結合タンパク質類は、CP47、CP43、CP29、CP27、CP24及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0037】
本発明の別の態様では、草系の染み及び/又は汚れを除去するよう適応された酵素カクテルが開示される。本発明の1つの態様では、前記カクテルは以下を含む:酵素標準の少なくとも約0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でトリグリセリド及び/又はジグリセリドを加水分解するように適応されたリパーゼと酵素標準の少なくとも約0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でポリ−D−ガラクツロン酸メチルエステルを加水分解するように適応されたペクチナーゼと酵素標準の少なくとも約0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でヘミセルロース、キシログルカン類、キシラン類及びその組み合わせを加水分解するように適応されたヘミセルラーゼ;酵素標準の少なくとも約0.1%活の性タンパク質1mg当たりの活性、好ましくは少なくとも約1%、より好ましくは少なくとも約5%、最も好ましくは少なくとも約10%の割合でセルロース及び/又はカルボキシメチルセルロースを加水分解するように適応されたセルラーゼ。本発明の1つの態様においては、ノボザイム(Novozyme)の市販のリポラーゼ(Lipolase)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記リパーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、草系の染み及び/又は汚れにおける成分を加水分解すると考えられているリパーゼの酵素活性がこれと対照して測定される。本発明の別の態様においては、ノボザイム(Novozyme)の市販のペクチナーゼ(Pectinase)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記ペクチナーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、草系の染み及び/又は汚れにおける成分を加水分解すると考えられているペクチナーゼの活性がこれと対照して測定される。本発明の別の態様においては、ノボザイム(Novozyme)の市販のキシログルカナーゼ(Xyloglucanse)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記ヘミセルラーゼが本カクテル類への包含に適するか否かを決定するため、草系の染み及び/又は汚れにおける成分の1つ以上を加水分解すると考えられているヘミセルラーゼの活性がこれと対照して測定される。本発明のさらに別の態様においては、ノボザイム(Novozyme)の市販のケアザイム(Carezyme)(登録商標)が酵素標準として用いられ、前記セルラーゼが本明細書への包含に適するか否かを決定するため、草系の染み及び/又は汚れにおける成分の1つ以上を加水分解すると考えられているセルラーゼの活性がこれと対照して測定される。本発明のさらに別の態様では、本段落に記載されているカクテルは、草系の染み及び/又は汚れを除去するための、前段落に従うプロテアーゼカクテルをさらに含む。
【0038】
本発明のさらに別の態様では、草系の標的染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルが開示される。1つの態様においては、カクテルは、(a)カルボヒドラーゼの純活性タンパク質の濃度が前記酵素カクテルの総重量に基づいて約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%の、炭水化物を加水分解するための1以上の酵素;(b)プロテアーゼの純活性タンパク質の濃度が前記酵素カクテルの総重量に基づいて約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%の、タンパク質を加水分解するための1以上の酵素;及び(c)リパーゼの純活性タンパク質の濃度が前記酵素カクテルの総重量に基づいて0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.1重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.03重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%の、脂質を加水分解するための1以上の酵素を含む。
【0039】
本発明の状況での使用に好適なカルボヒドラーゼ類としては、ノボザイムズ(Novozymes)より入手可能なもの(例えばアミラーゼ(Amylase)(登録商標)、ターマミル(Termamyl)(登録商標)、デュラミル(Duramyl)(登録商標)、ナタラーゼ(Natalase)(登録商標)、キシログルカナーゼ(Xyloglucanase)(登録商標)、ペクターテリアーゼ(Pectate Lyase)(登録商標)、デキストラナーゼ(Dextranase)(登録商標)、キシロナーゼ(Xylonase)(登録商標)、β−グルカナーゼ(β−Glucanase)(登録商標)、マンナウェイ(Mannaway)(登録商標)、ヘミセルローシズ(Hemicelluloses)(登録商標)、セルラーゼ(Cellulase)(登録商標));ジェネンコア(Genencor)より入手可能なもの(例えばアミラーゼ(Amylase)(登録商標)、ヘミセルローシズ(Hemicelluloses)(登録商標)、セルラーゼ(Cellulase)(登録商標));及びその他の入手可能なカルボヒドラーゼ類が挙げられる。本発明の状況での使用に好適なプロテアーゼとしては、ノボザイムズ(Novozymes)より入手可能なもの(例えばサビナーゼ(Savinase)(登録商標)、アルカラーゼ(Alcalase)(登録商標)、エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)、オボザイム(Ovozyme)(登録商標)、エバーラーゼ(Everlase)(登録商標)、ニュートラーゼ(Neutrase)(登録商標)、デュラザイム(Durazyme)(登録商標)、ピラーゼ(Pyrase)(登録商標)、フラボザイム(Flavourzyme)(登録商標));ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)より入手可能なもの(例えばプロパナーゼ(Propernase)(登録商標)、ピュアフェクト(Purafect)(登録商標)、プロテアーゼ(Protease)A、プロテアーゼ(Protease)B、プロテアーゼ(Protease)C、ピュアフェクト(Purafect)(登録商標));シグマ(Sigma)より入手可能なもの(例えばエラスターゼ(Elastase)(登録商標)、プロテアーゼ(Protease)V8(登録商標)、ペプシン(Pepsin)(登録商標)、パパイン(Papain)(登録商標)、ブロメライン(Bromelain)(登録商標)、プロテイナーゼ(Proteinase)K(登録商標));バイオザイム・ラボラトリーズ(Biozyme Laboratories)(例えばエラスターゼ(Elastase)(登録商標));及びいかなるその他の入手可能な金属、酸性、中性及び/又はアルカリ性プロテアーゼが挙げられる。本発明の状況での使用に好適なリパーゼ類(又はエステラーゼ)としては、ノボザイムズ(Novozymes)より入手可能なもの(例えばリパーゼ(Lipase)(登録商標)、リポラーゼ(Lipolase)(登録商標)、リポラーゼウルトラ(Lipolase Ultra)(登録商標)、リペックス(Lipex)(登録商標)、パラターゼ(Palatase)(登録商標))及びその他のいかなる入手可能な中性及び/又はアルカリ性リパーゼが挙げられる。本発明のさらに別の態様では、前述した酵素のいずれの2つの間の比も、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約500:1〜約1:500、より好ましくは約100:1〜約100:1、最も好ましくは約50:1〜約1:50である。
【0040】
当業者は、草系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテルの組成が、検討中の標的とする草の染み及び/又は汚れの厳密な組成、標的とする草系の染み及び/又は汚れがおかれる物理的及び/又は化学的条件;本酵素カクテル類が標的とする草系の染み及び/又は汚れに送達される際に通ると想定される媒質;並びに配合者の必要性及び/又は能力が挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存することを容易に認識するであろう。それ故、本発明はさらに、標的とする草系の染み又は汚れを除去するための、本明細書に開示される方法に従って配合された酵素カクテル類を包含しようとし、その厳密な酵素内容物は所与の草系の染み及び/又は汚れの組成に依存して変わってもよい。
【0041】
(酵素カクテル配合)
本発明に関係する当業者は、本発明への組み込みに適した酵素類を特定するプロセスが完了した後、本酵素カクテル類を配合するための方法が数種類存在することをさらに認識するであろう。実際には、本発明の1つの態様では、卵系及び/又は草系の染み及び/又は汚れを除去するように適応された酵素カクテル類が、補酵素顆粒及び/又は液体処方の標準的方法を用いて配合されてもよい。酵素カクテル類の補酵素顆粒及び/又は液体処方に関連する工程の説明は、「産業用酵素及びその利用」(Industrial Enzymes and Their Application)、ヘルムート・ユーリッヒ(Helmut Uhlig)博士著、ジョン・ウイリー&サンズ社(JOHN WILEY & SONS,INC.)、1998年の372頁〜374頁、「粒子状の酵素の調製」(Preparation of enzymes in particulate from)、エイガーマンズ(Eygermans),P.J.、米国特許第3,801,463号;ウエーバー・マイヤー(Weber-Meyer),M、「安定化された酵素:プロテアーゼを含有する液体洗浄組成物」(Liquid cleaning composition containing stabilized enzymes:Protease)、米国特許第4,169,817号;ウィン(Win),M.H.、デサルボ(Desalvo),W.A.及びケニー(Kenney),E.J.、「酵素洗剤」(Enzymatic detergents)、米国特許第3,858,854号、及びデ・ロジヤー(De Rosier),T.A.、「酵素の安定化のための方法及び処方」(Method and Formulation for Stabilization of Enzymes)、PCT国際公開特許WO9800530、に見出され、その関連部分を本明細書に参考として組み込む。
【0042】
本発明の別の態様では、本明細書に開示されている卵系及び/又は草系の酵素カクテル類が、単一の酵素顆粒及び/又は液体処方の標準的方法を用いて配合される。酵素カクテル類の単一酵素顆粒及び/又は液体処方に関連する工程の説明は、「産業用酵素及びその利用」(Industrial Enzymes and Their Application)、ヘルムート・ユーリッヒ(Helmut Uhlig)博士著、ジョン・ウイリー&サンズ社(JOHN WILEY & SONS,INC.)、1998年の372頁〜374頁、「粒子状の酵素の調製」(Preparation of enzymes in particulate from)、エイガーマンズ(Eygermans),P.J.、米国特許第3,801,463号;ウエーバー・マイヤー(Weber-Meyer),M、「安定化された酵素:プロテアーゼを含有する液体洗浄組成物」(Liquid cleaning composition containing stabilized enzymes:Protease)、米国特許第4,169,817号;ウィン(Win),M.H.、デサルボ(Desalvo),W.A.及びケニー(Kenney),E.J.、「酵素洗剤」(Enzymatic detergents)、米国特許第3,858,854号、及びデ・ロジヤー(De Rosier,),T.A.、「酵素の安定化のための方法及び処方」(Method and Formulation for Stabilization of Enzymes)、PCT国際公開特許WO9800530、に見出され、その関連部分を本明細書に参考として組み込む。
【0043】
(酵素カクテル類を含む洗剤組成物及び製品)
本発明の別の態様では、本明細書に開示される酵素カクテルを含む洗剤組成物が開示され及び請求される。本発明の1つ態様では、卵系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテルを含む洗剤組成物が開示される。本発明に従って洗剤組成物に組み込まれる時、本明細書に開示される酵素カクテル類は、洗剤組成物の重量に基づいて0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%の酵素の純活性タンパク質の濃度で存在する。
【0044】
本発明のさらに別の態様では、草系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテルを含む洗剤組成物が開示され及び請求される。本発明の1つの態様では、草系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテルが、本出願に開示される配合方法を用いて主題洗剤組成物への組み込みのために配合される。いかなる場合も、本明細書に開示される洗剤組成物は、草系の染み又は汚れを除去するための酵素カクテル類を、洗剤組成物の重量に基づいて約0.00001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.0002重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.001重量%〜約0.05重量%の酵素の純活性タンパク質の濃度で含む。当業者は、草系の染み又は汚れを除去するための本洗剤組成物に組み込まれる酵素カクテルの厳密な濃度が、酵素カクテルの組み込みを意図する洗剤組成物の性質、洗剤組成物への組み込みが望ましい酵素カクテルの厳密な組成物、酵素加水分解による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れ、並びに配合者の必要性及び/又は能力が挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存することを容易に認識するであろう。
【0045】
本発明の別の態様では、本明細書に開示される洗剤組成物は1つ以上の界面活性剤を含み、その非限定例としては、非イオン性、陰イオン性、両性、両染性、双性イオン性、陽イオン性、半極性非イオン性、及びこれらの混合物が挙げられる。そのような界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,707,950号及び同第5,576,282号に開示されており、それらを本明細書に参考として組み込む。これらの界面活性剤の陰イオン性、非イオン性、両性、及び双性イオン性の部類並びに種の典型的なリストは、米国特許第3,664,961号(ノリス(Norris)、1972年5月23日発行)に与えられており、それを本明細書に参考として組み込む。本明細書で有用な界面活性剤の非限定例としては、いわゆる狭ピーク型(narrow peaked)アルキルエトキシレート及びC〜C12アルキルフェノールアルコキシレート類(特にエトキシレート類及びエトキシ/プロポキシ混合物)を含めた、約1〜22のEOを含む通常のC〜C18アルキルエトキシレート類及び/又はアルコールエトキシレート類(AE)、アルキルジアルキルアミンオキシド、アルカノイルグルコースアミド、C11〜C18(線状)アルキルベンゼンスルホネート類(LAS)並びに一級、二級、及びランダムアルキルサルフェート類(AS及び/又はSAS)、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート類(AES)、C10〜C18アルキルポリグリコシド類及びそれらの対応する硫酸化ポリグリコシド類(APG)、C12〜C18α−スルホン化脂肪酸エステル類、C12〜C18アルキル及びアルキルフェノールアルコキシレート類(特にエトキシレート及びエトキシ/プロポキシ混合物)、C12〜C18ベタイン及びスルホベタイン類(「スルタイン類」)、C10〜C18アミンオキシド、αオレフィンスルホネート類(AOS)、アルコールエトキシサルフェート類、パラフィンスルホン酸ナトリウム類、アミドプロピルアミン類、アルキルN−メチルグルカミド類、ニトリロ三酢酸(NTA)、天然脂肪酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。他の従来の有用な界面活性剤は、標準テキストに列挙されている。
【0046】
本発明のさらに他の態様では、本明細書に開示されている酵素カクテルを含む洗剤組成物は、1以上の性能及び/又は審美的効果を伝達するための1つ以上の補助剤成分を組み込む。本発明の目的には必須ではないが、以下で示す幾つかの従来の清浄化補助物質は、本組成物で使用するのに適しており、例えば、清浄化性能を補助若しくは向上させるために、清浄化すべき基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などの場合のように本組成物の審美性を変化させるために、本発明の好ましい実施形態に望ましくは組み込んでよい。これら追加構成成分の精密な性質及びその組み込み濃度は、組成物の物理形態並びにその使用が意図される清浄化操作の性質によって決まる。
【0047】
本発明の酵素カクテルを含む洗剤組成物に組み込むのに適した補助剤としては、決してこれらに限定するものではないが、米国特許第5,705,464号、同第5,710,115号、同第5,698,504号、同第5,695,679号、同第5,686,014号、及び同第5,646,101号に記載されているような、漂白システム、酵素及び酵素安定剤、ビルダー、分散剤、汚れ放出剤、キレート剤、抑泡剤、柔軟化剤、移染防止剤、非リン酸塩ビルダー、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア、変色防止及び/又は防食剤、染料、フィラー、殺菌剤、アルカリ性源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、色素、及びpH調整剤が挙げられ、これらの特許を本明細書に参考として組み込む。
【0048】
本発明の別の態様において、本明細書に開示される組成物は洗剤組成物、特に布地ケア及びホームケアに好適な洗剤組成物の形態である。このような洗剤組成物は、本明細書に開示される酵素カクテルを含む洗剤組成物の厳密な性質、洗剤組成物への組み込みが望ましい主題酵素カクテルの厳密な組成、並びに酵素加水分解による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れの性質が挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存する様々な形状及び形態をとることができる。それにもかかわらず、このような洗剤形態の非限定例としては、液体、粉末、粒塊、ペースト、錠剤、棒、ゲル及び/又は顆粒が挙げられる。
【0049】
本発明のさらに他の態様では、本明細書に開示される酵素カクテルを含む製品、消費者及びその他が開示され及び請求される。実際には、本発明に開示される方法に従って配合された酵素カクテルが、1以上の性能及び/又は審美的効果を提供するために多数の製品に組み込まれてもよい。前記製品は、製品の性質及び/又は意図する目的、製品への組み込みが望ましい酵素カクテル、及び本製品の使用による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れが挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存して、多数の形状及び形態をとってもよい。以下の開示は本発明の範囲を限定することを意図するものでなく、単に当業者に本発明の利用可能な使用法について多少の手引きを提供することを意図する。実際には、本明細書に開示されている製品は、パーソナルケア、布地ケア、ホームケア及びスキンケアが挙げられるがこれらに限定されない、種々の目的に適応することができる。
【0050】
(パーソナルケア製品)
故に、本発明の第1の態様によれば、本発明に従って配合された酵素カクテル類を含むパーソナルケア製品が開示される。本発明に従って配合された酵素カクテル類を含む好適なパーソナルケア製品には、これらに限定するものではないが、ハンドソープ、手の除菌剤、身体洗浄剤、口腔洗浄剤、練り歯磨き、シャワージェル、シャンプー、ボディローション、防臭剤、鼻腔用スプレー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のさらに他の態様では、本明細書に開示のパーソナルケア製品は、拭き取り製品、特に顔若しくは手を拭き取る又は乾燥させるのに好適な拭き取り製品の形態をとる。このような場合、本発明に従って配合された酵素カクテル類を含む製品を、前記拭き取り製品中に組み込むか、又は含浸させるのが好ましい。本発明のさらに他の態様では、本明細書に開示のパーソナルケア製品は、同様に顔若しくは手を拭き取る又は乾燥させるのに好適な、ティッシュ又はタオルの形態をとる。本発明の他の態様では、パーソナルケア製品は、婦人用ナプキン及び/又はおむつの形態をとる。本発明の別の態様では、パーソナルケア製品は、炎症を起こした皮膚、負傷した皮膚、若しくはニキビに冒された皮膚のため、及び/又は術前若しくは術後使用のための、応急消毒剤の形態をとる。
【0051】
(家庭用品ケア製品)
本発明の別の態様では、本発明に従って配合された酵素カクテル類を含む製品が1以上の家庭用品ケア製品に組み込まれる。実に、本発明の目的に好適な家庭用品ケア製品には、これだけに限定するものではないが、硬質表面クリーナー、消臭剤、布地ケア組成物、布地洗浄組成物、食器手洗い用洗剤、自動食器洗い器用洗剤、フロアケア組成物、台所クリーナー若しくは消毒剤、浴室クリーナー若しくは消毒剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明の他の態様では、家庭用品ケア製品は、家庭用品クリーニング及び/又はケアに好適な拭き取り用品又はタオルの形態をとる。本発明のさらに別の態様では、本明細書に開示の家庭用品ケア製品は、特定の補助成分を含む。前記補助剤には、洗浄性酵素、ビルダー、漂白剤、漂白活性化剤、遷移金属漂白触媒、酸素運搬剤及び前駆体、汚れ放出剤、粘土汚れ除去及び/又は再付着防止剤、ポリマー分散剤、増白剤、ポリマー染料移行阻害剤、キレート剤、消泡剤、アルコキシル化ポリカルボキシレート、布地用柔軟剤、香料、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、染料又は顔料、液体調製用溶媒、固体充填剤、洗浄性界面活性剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、もちろんこれらに限定されない。
【0052】
(スキンケア製品)
本発明の好ましい態様では、本発明に従って配合された酵素カクテル類を含む製品がスキンケア製品に組み込まれる。本発明の1つの態様では、スキンケア製品は、本発明に従って配合された酵素カクテルを含む製品が皮膚の所望の領域への安全な移動を促進するために皮膚科学的に許容可能なキャリアを組み込む。本発明の別の態様では、本発明のスキンケア製品は、特定の補助成分を含む。前記補助剤には、特にこれだけに限定するものではないが、抗菌及び抗カビ活性物質、界面活性剤、剥離活性物質、抗ニキビ活性物質、抗しわ活性物質、抗皮膚萎縮活性物質、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、キレート化剤、フラボノイド、抗炎症剤、抗セルライト剤、局所麻酔剤、日焼け活性物質、日焼け止め活性物質、コンディショニング剤、増粘剤、粘着性除去剤、賦香剤、皮膚感覚剤、制汗剤、及びこれらの混合物が挙げられる。実に、前述した各補助成分の詳細な説明及び例が、オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー(Procter & Gamble Company)に譲渡された米国特許第6,294,186号に記載されており、その特許を本明細書に参考として組み込む。
【0053】
(製造物品及びキット)
さらに、本発明に従って配合された酵素カクテル類を含む製品を含む製造物品は、パーソナルケア、スキンケア、及び家庭用品ケア用途を意図する。本発明の製造物品には、消費者のための1組の指示とともに容器又はディスペンサー内に包装できる、前述の1以上の製品が包含される。本発明の製造物品は、通常は、(a)容器又はディスペンサーと、(b)製品と、(c)前記製品を適切な基材に適用して1以上の性能及び/又は審美的効果を送達するための1組の指示とを含む。本発明の製造物品に好適な容器及び/又はディスペンサーには、これだけに限定するものではないが、PETボトル及びタブ(tub)、フローラップ・パウチ、フォーミングディスペンサー、スプレーディスペンサー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。繰り返して述べると、本発明の製造物品は、容器に関連付けられた1組の指示をさらに含む。「関連付けられた」とは、製造物品の消費者に1組の指示を伝えるために、当該指示が、容器若しくはディスペンサー自体の上に直接印刷されること、又は、これだけに限定するものではないが、パンフレット、印刷広告、電子広告、及び/若しくは口頭伝達を含めた様々な方式で提示されることを意味する。
【0054】
前記1組の指示は、典型的には、本発明に従って配合された酵素カクテル類を含む製品を、酵素加水分解による処理が求められる好適な基材上に適用するための製品の使用に関する指示を含む。前記1組の指示は、本発明に従って配合された酵素カクテル類が処理された基材上に残ることを可能にするための指示をさらに含んでもよい。しかしながら、本発明の製造物品と共に含まれる正確な指示は、主題酵素カクテルの正確な成分、当該指示を含めることが望まれる製品、及び当該製品の適用が意図される基材によって異なる。本発明の他の態様では、本製造物品に含まれる指示は、本開示の「使用方法」の項で記載される方法と一致する。
【0055】
(本明細書に開示されている酵素カクテル類、組成物類及び製品類の使用方法)
本発明の別の態様では、本明細書で説明される酵素カクテル類、組成物類及び製品類の使用方法が開示され及び請求される。本発明の1つの態様では、本明細書で論じられる配合方法に従って配合された酵素カクテルの使用方法が開示される。この方法は一般に、酵素カクテルを酵素加水分解による除去が望まれる標的染み及び/又は汚れに送達する工程を含む。本発明の別の態様では、本開示に従って配合された酵素カクテルを使用して卵系の染み及び/又は汚れを除去する方法が開示され及び請求される。この方法も、一般に、卵系の染み及び/又は汚れを除去するように適応された酵素カクテルを酵素加水分解による除去が望まれる標的とする卵系の染み及び/又は汚れに送達する工程を含む。本発明のさらに別の態様では、本発明に従って配合された酵素カクテルを使用して草系の染み及び/又は汚れを除去する方法が開示され及び請求される。この方法も、草系の染み及び/又は汚れを加水分解するように適応された酵素カクテルを、酵素加水分解による除去が望まれる標的とする草系の染み及び/又は汚れに送達する一般的工程を含む。
【0056】
本発明のさらに別の態様では、酵素加水分解可能な染み及び/又は汚れを除去するために、本発明の酵素カクテルを含む組成物を使用する方法が開示され及び請求される。前記方法も、酵素カクテル含有洗剤組成物を除去が望まれる酵素加水分解可能な染み及び/又は汚れに送達する工程を含む。本発明の別の態様では、本明細書に記載される卵系酵素カクテルを含む洗剤組成物類を使用して卵系の染み及び/又は汚れを除去する方法が開示され及び請求される。前記方法も、一般に、卵系酵素を含む洗剤組成物を除去が望まれる卵系の染み及び/又は汚れに送達する工程を含む。本発明のさらに別の態様では、本明細書で論じられる草系酵素カクテルを含む洗剤組成物類を使用して草系の染み及び/又は汚れを除去する方法が開示され及び請求される。前記方法は、一般に、草系酵素カクテルを含む洗剤組成物を除去が要求される草系の染み及び/又は汚れに送達する工程も含む。
【0057】
本発明のさらに別の態様では、本明細書に開示される酵素カクテル類を含む製品類、消費者及びその他の使用方法が開示され及び請求される。前記方法も、一般に、本発明に従って配合された酵素カクテルを組み込む製品を、酵素加水分解による除去が望まれる標的染み及び/又は汚れに適用する工程を含む。当然ながら、本発明の実務者は、本方法に関与する正確な工程が、本発明に従って配合された酵素カクテルを含む製品の性質、前記製品に配合された酵素カクテルの組成、並びに本明細書に開示された製品を使用した酵素加水分解による除去が望ましい標的染み及び/又は汚れが挙げられるがこれらに限定されない数個の要因に依存することを容易に認識するであろう。
【0058】
(調製例)
実施例1:卵系の染み及び/又は汚れのためのタンパク質組成物及びプロテアーゼ特異性
異なるプロテアーゼ類が卵系の染み及び/又は汚れに見出される種々のタンパク質類に対して異なる特異性を伴うことを確立するために、複数の分析ツールを使用した。このデータは、請求された卵系の染み及び/又は汚れ除去のためのプロテアーゼカクテル配合のモデルを明白に支持する。この試験の結果は次のように包含される:
日立(Hitachi)911自動分光光度計を使用した活性測定:タンパク質分解酵素類がジメチルカゼインと反応してアミノ酸を生成し、それがトリニトロベンゼンスルホン酸と反応して着色した錯体を生成する。420nmで読み取った色の強度は、サビナーゼ(Savinase)(登録商標)標準で較正されたプロテアーゼ活性のmg/mL(試料1ml中の活性物質のmg)の項で表される試料中のプロテアーゼの活性に比例する。別の活性測定法として、タンパク質基材の加水分解されたペプチドフラグメントが、LC−MSによってフライトディテクタ(Flight Detector)の時間とともに測定された。ペプチドフラグメントの強度は、酵素試料中のプロテアーゼの活性に比例する。リポビテリンタンパク質類の場合、基材をトリス(TRIS)(登録商標)緩衝剤中で5ppmのプロテアーゼと共にインキュベートし、無傷のタンパク質及びその加水分解されたフラグメントをSDS−pageアッセイによって監視した。ペプチドフラグメントの強度は、酵素試料中のプロテアーゼの活性に比例する。
【表1】

【0059】
疎水性の卵黄タンパク質類は、タンパク質分解攻撃に最も耐える基材であることが確認された。リポビテリンを種々のプロテアーゼと共に6時間インキュベートした後、SDS−pageの像で初期のタンパク質バンドのおよそ半分が無傷のままであることが観察された。同じ処理の間、陰イオン性、乳及び卵白からの他のタンパク質は、試験したプロテアーゼ類によって5〜30分で完全に消化された。
【0060】
実施例2:自動食器洗い及び食器手洗い洗浄性手法における基準に対して改善された卵系の染み及び/又は汚れ除去のための酵素カクテル(プロテアーゼ及び/又はプロテアーゼ+ホスホリパーゼ)の特定
24ウェルプレートを用いたマイクロウォッシング(micro-washing)試験を実施した。ハンマー及びパンチを使用してステンレス鋼のディスクに穴を開ける。清浄なディスクを秤量し、初期重量を決定する。卵の染みを調製する(下記の調製プロトコル参照)。注射器ディスペンサーを使用して、調製した卵50μLを各ディスク上に分与する。室温で30分間放置して乾燥させ、その後オーブン内で80℃で2時間焼く。室温で冷却する。ディスクに汚した後、秤量して、汚れつき重量を得る。汚れたディスクをナンクロン(NUNCLON)(登録商標)24ウェル・ポリスチレンプレートに挿入する。自動食器洗浄(ADW)用製品溶液は、適切な量の酵素製品なしのADW(例えばゲル−8000ppm:粉末4500ppm)、又は酵素なしの食器手洗い洗剤(例えば1200ppm)を、1Lの11gpgの水に40℃で完全に混合することによって調製される。硬度溶液は、188.57gのCaCl・2HO及び86.92gのMgCl・6HOを1LのDI水に混合することによって調製される。予め温めたADW溶液2mLを55℃で各セルに添加する。適切な量の酵素を各セルに添加する。処理は、4点の複製で6回、又は6点の複製で4回実施できる。プレートをフィルムで封止する。プレートを予め温めたインキュベータ/振とう器に置き、フラスコクランプで固定する。適切な温度(欧州の場合55℃)、19rad/s(180RPM)で30分間洗浄する。洗浄後、温水浴に3回慎重に浸漬することによってすすぐ。ディスクをプレートから取り出し、オーブン内で80℃で1時間乾燥する。乾燥後、ディスクを秤量して洗浄後の重量を得る。およその除去率が得られる重量測定評価は、以下のように計算される:
除去%=(汚れつき重量−洗浄後重量)/(汚れつき重量−清浄時重量)×100
除去指数=除去%/基準プロテアーゼ(サビナーゼ(Savinase)(登録商標)の除去%)
【0061】
(炒り卵の調製)
本酵素カクテル類及び/又は同カクテル類を含む洗剤組成物類の試験に使用するための卵は、以下のように調製される:(1)脂肪分10%の乳100mLを全卵3個と混合する;(2)上記混合物を、連続的に攪拌しながら、わずかにとろとろになるまで加熱調理する;(3)別の40mLの乳を添加し、該混合物をハンドミキサー(mixture)又はブレンダーで、塊になる徴候がなく、滑らかになるまで、強く混合する;及び(4)汚す前に、卵混合物を室温に冷却するまで放置する。
【0062】
性能特性は、卵系の染み及び/又は汚れの除去に対して、サビナーゼ(Savinase)及びプロテアーゼ(Protease)Bは、自動食器洗い用途のための高性能のプロテア−セ(ADW基準)であり、プロテアーゼ(Protease)Aは食器手洗い用洗剤用途のための高性能の単一プロテアーゼ(LDL基準)であることを示した。それにもかかわらず、プロテアーゼカクテル(例えば、プロテアーゼ(Protease)B+エスペラーゼ(Esperase)及び/又はプロテアーゼ(Protease)B+オボザイム(Ovozyme))の使用は卵系の染み及び/又は汚れに対していかなる単一プロテアーゼよりも有意に優れた性能効果を示す。プロテアーゼカクテル類は、自動食器洗い用途(ADW)においてプロテアーゼ(Protease)B基準及び液体洗剤用途(LDL)においてプロテアーゼ(Protease)A基準に対して5倍を超える性能を示した。これらのプロテアーゼカクテル効果はADWフルスケール洗浄機試験で確認された。
【0063】
2.54×7.62cm(1×3インチ)ステンレス鋼スライドを使用した卵の染みの調製(1)140mLの全脂肪乳を計り取る。(2)中サイズの卵3個(卵白及び卵黄)を上記の全脂肪乳100mLと混合し、こびりつかない鍋(脂肪なし)で加熱調理する。卵を、火が通っているがなおややとろとろするまで連続的に攪拌する。(3)残りの40mLの全脂肪乳を添加する。(4)卵をボウルに入れ、滑らかで、塊になる徴候がなくなるまで、最強に設定したハンドブレンダーを使用して混合する。(5)各金属スライドを炒り卵に漬け、一度軽く叩き、各スライド上にほぼ同じ量の卵があることを確実とする。スライドの裏をティッシュで拭いて清浄にし、オーブンラックの上に置く。(6)汚れたスライドを、数字順に2つのオーブンラック上に置く。(7)スライドを室温で30分間放置して乾燥させる。(8)スライドを80℃(+/−1℃)で2時間加熱調理し、その際1時間後に上下の棚を交換及び180°(+/−1°)回転する。(9)加熱調理され、汚されたスライドを、1〜96の順で秤量する。
【0064】
洗浄:汚れつきスライド8枚を洗浄機の上下両方のラックに置く。前洗浄には40mL及び主洗浄には60mLのワールプール(Whirlpool)840カップ容量に基づいて、前洗浄及び主洗浄を行う。一般的に、1つの試験で、4製品を、4台のGE500機を使用して試験する。試験サイクルのため、汚れつきスライドを装填し、試験製品を前洗浄及び主洗浄カップに入れる。水温を49℃(120°F)に設定し、機械を通常洗浄サイクルで運転する。最終のすすぎサイクルの終了時に、スライドを秤量のために取り出す。乾燥サイクルへは進まない。4回の繰り返しの終了までに、各製品は各機械で1回洗浄される。4回の繰り返しはすべて1日で実施しなければならない。翌日、この同じ手順を、新しい汚れつき基材を使用して繰り返す。その結果、1製品につき合計8回の繰り返しが行われ、続いてこれを平均して最終結果を得る。およその除去率が得られる重量測定評価は、以下のように計算される:
除去%=(汚れつき重量−洗浄後重量)/(汚れつき重量−清浄時重量)×100
除去指数=除去%/基準プロテアーゼ(サビナーゼ(Savinase)(登録商標)の除去%)
【0065】
前記性能試験の結果は、以下のように包含される:
【表2】

**目視格付け評価における+2PSUの効果に相当
【表3】

【0066】
カクテル適用中の全タンパク質濃度が低い場合でも、プロテアーゼ(Protease)Aに対する除去の大幅な増大が、明らかになった。
【0067】
実施例3:HDL洗剤中でのプロテアーゼ(Protease)A基準に対する草洗浄性改善のための酵素カクテル(プロテアーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ − カルボヒドラーゼの1つ)の特定
プロテアーゼ(Protease)Aとリパーゼ(Lipase)との組み合わせは、プロテアーゼ(Protease)Aに対して約0.5パネルスコア単位(Panel Score Units、PSU)効果を示すことが観察された。PSU格付けシステムは、2つの製品(処方)、すなわちAとBとを比較するために使用される。該2処方は、性能、例えば洗浄後の染みの残留について試験される。このような実験において、A及びBの両方で洗浄された数点の布地類を比較する。2人以上の審査員が、いわゆるシェル(Schelle)スケールを使用した場合に格付けを行う:
0:好ましくない
1:この製品はわずかに優れると思う(不確か)
2:この製品はわずかに優れると識別できる
3:この製品はより優れる
4:この製品はかなり優れる
【0068】
液体潮流低温洗浄(Liquid Tide Low Temperature Wash)での草洗浄におけるプロテアーゼ(プロテアーゼ(Protease)A)用量反応−高濃度プロテアーゼ(Protease)による4PSU効果
【表4】

【0069】
小型洗浄機試験:12分洗浄、洗浄温度15℃(60°F)製品濃度 洗浄中1532ppm、硬度8gpg(市水)CW草汚れつき布地は、エンピリカル・マニュファクチャリング・カンパニー(Empirical Manufacturing Company)(米国オハイオ州)より入手した。
【0070】
さらに、プロテアーゼとカルボヒドラーゼの組み合わせは、以下に示すように、草洗浄において大幅に増大した効果を示す:
【表5】

【0071】
フルスケール洗浄機試験は、米国洗浄条件、硬度6gpgで実施した。
【0072】
実施例4:卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテル類を含む洗剤組成物
以下の完全に処方された固体形態の自動食器洗い機用洗剤が、本発明に従って卵系の染み及び/又は汚れを除去するために調製された。
【表6】

【0073】
実施例5:草系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテル類を含む洗剤組成物
以下の液体洗剤組成物は、草系の染み及び/又は汚れを除去するために本発明に従って調製される。
【表7】

【0074】
引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれており、本明細書でのいずれの文献の引用も、それが本発明に関連する先行技術であるとの容認として解釈すべきでない。
【0075】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を冒頭の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵素カクテルの配合方法であって、前記方法が以下の、
(a)酵素加水分解による除去が求められる染み及び/又は汚れを特定する工程と、
(b)染みの調査及び/又は、前記染み及び/又は汚れにおける各酵素加水分解可能な成分の存在濃度を決定する工程と、
(c)前記染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対してどの酵素が最も高い活性を示すかを決定するために複数の酵素をスクリーニングする工程と、
(d)前記染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対して最も高い活性を示す1以上の酵素を前記カクテルに組み込む工程と、及び
(e)所望により、前記染み及び/又は汚れ中の各酵素加水分解可能な成分に対して最も高い活性を示す1以上の酵素を、前記染み及び/又は汚れ中の前記酵素加水分解可能な成分の存在濃度に応じた量で組み込む工程と、
を含む、酵素カクテルの配合方法。
【請求項2】
タンパク質を含む染み及び/又は汚れを除去するためのプロテアーゼカクテルであって、前記カクテルが前記染みに存在する1以上のタンパク質を除去するように適応された1以上の酵素を含み、及び/又は、前記酵素が前記染み及び/又は汚れ中の標的タンパク質の含有量に応じた量で前記カクテルに組み込まれる、プロテアーゼカクテル。
【請求項3】
炭水化物を含む染み及び/又は汚れを除去するためのカルボヒドラーゼカクテルであって、前記カクテルが前記染み及び/又は汚れ中に存在する1以上の炭水化物を除去するように適応された1以上の酵素を含み、前記酵素が前記染み及び/又は中の標的炭水化物の含有量に応じた量で前記カクテルに組み込まれる、カルボヒドラーゼカクテル。
【請求項4】
脂質を含む染み及び/又は汚れを除去するためのリパーゼカクテルであって、前記カクテルが前記染み及び/又は汚れ中に存在する1以上の脂質を除去するように適応された1以上の酵素を含み、前記酵素が前記染み及び/又は汚れ中の標的脂質の含有量に応じた量で前記カクテルに組み込まれる、リパーゼカクテル。
【請求項5】
リン脂質を含む染み及び/又は汚れを除去するためのホスホリパーゼカクテルであって、前記カクテルが前記染み及び/又は汚れ中に存在する1以上のリン脂質を除去するように適応された1以上の酵素を含み、前記酵素が前記染み及び/又は汚れ中の標的リン脂質の含有量に応じた量で前記カクテルに組み込まれる、ホスホリパーゼカクテル。
【請求項6】
卵系の染み及び/又は汚れを除去するためのプロテアーゼカクテルであって、前記カクテルが、
(a)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性の割合でカゼインを加水分解するように適応されたプロテアーゼと、
(b)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性の割合でホスビチン及び/又はリポビテリンを加水分解するように適応されたプロテアーゼと、
(c)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性の割合でオボアルブミンを加水分解するように適応されたプロテアーゼ、及び
(d)これらの組み合わせ、
から成る群から選択される少なくとも2つのプロテアーゼ類を含み、前記プロテアーゼのいずれの2つの間の比も活性タンパク質の重量に基づいて1000:1〜1:1000である、プロテアーゼカクテル。
【請求項7】
卵系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルであって、前記カクテルが、
(a)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性の割合でトリグリセリド及び/又はジグリセリドを加水分解するように適応されたリパーゼと、
(b)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性の割合でホスファチジルコリン又はリゾホスファチジルコリンを加水分解するように適応されたホスホリパーゼと、及び
(c)所望により、請求項8のプロテアーゼカクテルと、
を含み、前記酵素のいずれの2つの間の比も活性タンパク質の重量に基づいて1000:1〜1:1000である、酵素カクテル。
【請求項8】
草系の染み及び/又は汚れを除去するためのプロテアーゼカクテルであって、前記カクテルが、
(a)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性の割合でD−リブロース1,5−二リン酸カルボキシラーゼを加水分解するように適応されたプロテアーゼと、
(b)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性の割合で1以上のクロロフィル結合タンパク質を加水分解するように適応されたプロテアーゼと、及び
(c)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりのタンパク質分解活性の割合でATPシンターゼを加水分解するように適応されたプロテアーゼと、
を含み、前記プロテアーゼのいずれの2つの間の比も活性タンパク質の重量に基づいて1000:1〜1:1000であり、
前記クロロフィル結合タンパク質が、CP47、CP43、CP29、CP27、CP24及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、プロテアーゼカクテル。
【請求項9】
草系の染み及び/又は汚れを除去するための酵素カクテルであって、前記カクテルが、
(a)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性の割合でトリグリセリド及び/又はジグリセリドを加水分解するように適応されたリパーゼと、
(b)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性の割合でポリ−D−ガラクツロン酸メチルエステルを加水分解するように適応されたペクチナーゼと、
(c)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性の割合でヘミセルロース、キシログルカン類、キシラン類及びそれらの組み合わせを加水分解するように適応されたヘミセルラーゼと、
(d)酵素標準の少なくとも0.1%の活性タンパク質1mg当たりの活性の割合でセルロース及び/又はカルボキシメチルセルロースを加水分解するように適応されたセルラーゼと、及び
(e)所望により、請求項10のプロテアーゼカクテルと、
を含み、前記酵素のいずれの2つの間の比も活性物質の重量に基づいて1000:1〜1:1000である、酵素カクテル。
【請求項10】
前記プロテアーゼカクテルの純活性タンパク質が洗剤組成物の総重量に基づいて0.00001重量%〜5重量%の濃度で、前記プロテアーゼカクテル類が存在する、請求項2〜9に記載のプロテアーゼカクテル類の少なくとも1つを含む、洗剤組成物。

【公表番号】特表2007−504834(P2007−504834A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526383(P2006−526383)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/029901
【国際公開番号】WO2005/026306
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】