説明

酸性化ポリエステル−ポリウレタン分散体

本発明は、新規な酸性化ポリエステル−ポリウレタン分散体、その製造方法およびラッカー、被覆剤および接着剤を製造するための硬化剤樹脂との組み合わせにおけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な酸性化されたヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体、その製造方法およびラッカー、被覆剤および接着剤を製造するための硬化剤樹脂との組み合わせにおけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水希釈性ポリエステルは、ヒドロキシ官能性ポリエステルを酸無水物と反応させることによって得られ、その結果、ポリエステル中に、中和後、親水性的に修飾する作用を有する塩基に変換されるカルボキシル末端基が組み込まれる。この種の生成物は、例えばEP−A0330139およびDE−A3739332に記載されている。このように組み込まれたカルボキシル基は、水溶液または分散体中においてpH値の上昇による鹸化が増加する傾向を呈すので、これら生成物は、比較的多い量の有機溶媒中に溶解され、製造または塗料を塗布する直前まで水中に分散されない。このようにすれば、鹸化への感受性に起因する可能性のある問題は最小化される。しかしながら、これは、低排出被覆剤のための現在の要件を満たさない、極めて高い含有量の有機溶媒に費用を費やして得られる。さらに、引き続く分散工程は、比較的困難であり、かつ複雑である。
【0003】
ヒドロキシ官能性ポリエステルは、ヒドロキシカルボン酸およびポリイソシアネートと反応させることによって製造されることが多い。このようにして、ポリマー中への親水性的に修飾するために必要な酸基の組み込みは、加水分解安定性ウレタン基によって達成される。この種の生成物は、EP−A0498156、EP−A0496205、DE−A3936288またはDE−A3345618に記載されている。これらのウレタン基含有ポリエステル分散体は通常、貯蔵安定性および機械的または光学的フィルム特性に関して良好な水準の特性を示す。しかしながら、これらのウレタン基含有ポリエステル分散体を製造するためには、比較的多量の溶媒が概して必要であり、これは後に再び蒸留する必要があるため不利である。さらに、生成物は純粋なポリエステルよりも著しく高い分子量を有するが、これによって、純粋なポリエステルに比べて、顔料湿潤、光学的フィルム特性ならびに臨界基材への接着における欠点が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許公開第0330139号公報
【特許文献2】独国特許公開第3739332号公報
【特許文献3】欧州特許公開第0498156号公報
【特許文献4】欧州特許公開第0496205号公報
【特許文献5】独国特許公開第3936288号公報
【特許文献6】独国特許公開第3345618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製造し易く、特別なポリエステル原料を必要とせず、極めて良好な着色性および極めて良好な流動性、可変的に調節可能な硬度/弾性水準および耐性および良好な石傷保護および抗腐食特性を有する高品質な透明ラッカー、塗料および被覆剤の製造を可能とする水性ポリエステル−ポリウレタン分散体への必要性がなお存在する。かかる分散体はまた、種々の硬化剤樹脂と組み合わせて40℃で貯蔵した場合でも、粘度が大きく変化せず、または沈殿を生じさせずに安定性であるべきである。このことは、分散体および硬化剤が充分な相溶性でない場合、またはゆっくりした架橋反応が生じる場合に起こることが多い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、酸無水物で酸性化された特別なヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体は、規定の要件を極めて良好に充足し、硬化剤樹脂、例えばメラミン樹脂および/またはポリイソシアネートなどと組み合わせた場合には、硬化して、要求された水準の特性を有するラッカーおよび被覆剤を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、
a)少なくとも1つの、少なくとも二官能性のポリオール、
b)ジ−、トリ−またはモノ−ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシスルホン酸、アミノスルホン酸またはアミノカルボン酸の群から選択される、少なくとも1つの酸基および少なくとも1つの、イソシアネート基と反応可能な基を有する少なくとも1つの(潜在性)イオン化合物、
c)少なくとも1つの酸無水物、および
d)少なくとも1つの、少なくとも二官能性のポリイソシアネート成分
の反応生成物を含有するヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体を提供する。
【0008】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の他の実施態様では、ポリエステル−ポリウレタン分散体は、構成物質として、
e)少なくとも1つの少なくともモノヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド成分
をさらに含有する。
【0009】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は必要に応じて、他の成分f)を含有することもできる。
【0010】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は好適には、
70〜93重量%、好適には75〜95重量%の成分a)、
0.1〜3重量%、好適には0.5〜1.5重量%の成分b)、
2〜12重量%、好適には3〜7.5重量%の成分c)、
2〜12重量%、好適には3〜7重量%の成分d)、
0.1〜5重量%、好適には0.25〜3.5重量%の成分e)、および
0〜20重量%、好適には0〜10重量%の成分f)
の反応生成物であり、成分a)〜f)の割合は合計100重量%になる。
【0011】
適当なポリオールa)は、ヒドロキシ官能性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネートポリエーテル、ポリエーテルエステルおよび/またはポリカーボネートポリエステルである。適当なポリオールa)は1.5〜4の官能価を有する。
【0012】
ポリオール成分a)は好適には、少なくとも2つのポリオールの混合物からなるが、該ポリオールは、800〜6000g/mol、好適には650〜2500の平均分子量および2〜3.5、好適には1.8〜2.5の官能価を有する、ヒドロキシ官能性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリカーボネートポリエーテル、ポリエーテルエステルおよび/またはポリカーボネートポリエステルの群から選択され、少なくとも1つのポリオールはポリエステルである。好適なポリエーテルポリオールは344〜2500g/molの分子量および2〜3の平均官能価を有する。
【0013】
特に好適なポリオールa)は、少なくとも75重量%のポリエステルポリオールおよび25重量%以下のポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールおよび/または第1ポリエステルポリオールとは異なる第2ポリエステルポリオールからなる。
【0014】
ポリエステルポリオールの理論官能価は、以下の式:
【数1】

に従って決定する。
【0015】
成分a)として用いるポリエステルポリオールは、500〜5000g/mol、好適には750〜4000g/molの計算によって決定された理論分子量を有する。
【0016】
ポリエステルの理論的分子量は、以下の式:
【数2】

に従って決定する。
【0017】
ポリオールa)として用いる好適なポリエステルは、
a1)ジカルボン酸30〜70重量%、
a2)ジオール20〜60重量%、
a3)トリオールおよび/またはテトラオール0〜50重量%、および
a4)モノカルボン酸0〜50重量%
の反応生成物である。
【0018】
適当なポリエステル原料a1)は、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸、無水マレイン酸、フマル酸、二量体脂肪酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸または無水トリメリット酸およびこれらの混合物である。好適な成分a1)はアジピン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸またはイソフタル酸である。
【0019】
適当なポリエステル原料a2)は、例えば、1,2−エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ブテンジオール、ブチンジオール、水素化ビスフェノール、トリメチルペンタンジオール、1,8−オクタンジオールまたはトリシクロデカンジメタノールおよびこれらの混合物である。好適な成分a2)は、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたは1,6−ヘキサンジオールである。
【0020】
適当なポリエステル原料a3)は、例えば、トリメチロールプロパン、エトキシル化トリメチロールプロパン、プロポキシル化トリメチロールプロパン、プロポキシル化グリセロール、エトキシル化グリセロール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ひまし油またはこれらの混合物である。好適な成分a3)は、トリメチロールプロパン、グリセロール、ヒマシ油またはペンタエリトリトールである。
【0021】
適当なポリエステル原料a4)は、例えば、C〜C22脂肪酸、例えば2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、オレイン酸、大豆油脂肪酸、ピーナッツ油脂肪酸、他の不飽和脂肪酸、水素化脂肪酸、安息香酸またはこれらの混合物である。
【0022】
好適なポリエステルポリオールa)は、900〜2500g/molの平均分子量および2〜3.5の平均官能価および120〜170、好適には130〜160mgKOH/gのOH価を有する。
【0023】
適当な成分b)は、少なくとも1つの酸基およびイソシアネート基と反応可能な少なくとも1つの基を有する、少なくとも1つの(潜在性)イオン化合物である。適当な酸基は、例えばカルボキシ基およびスルホン酸基である。適当なイソシアネート基と反応可能な基は、例えばヒドロキシル基およびアミノ基である。
【0024】
適当な化合物b)は、例えば、ジ−またはトリ−またはモノ−ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシスルホン酸、アミノスルホン酸またはアミノカルボン酸、例えば2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルカンカルボン酸、例えばジメチロール酢酸、2,2−ジメチル酪酸または2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、アミン(例えばイソホロンジアミンまたはヘキサメチレンジアミンなど)へのアクリル酸のマイケル付加物、またはこれら酸の混合物、および/またはジメチロールプロピオン酸および/またはヒドロキシピバリン酸である。同様に、US−A4108814に記載されている種類の、必要に応じてエーテル基を有するスルホン酸ジオールの使用、または2−アミノエチルアミノエタンスルホン酸の使用も可能である。
【0025】
成分b)は、好ましくは、1個または2個のヒドロキシル基および/またはアミノ基を有するカルボン酸である。特に好適には、ジメチロールプロピオン酸および/またはヒドロキシピバリン酸を成分b)として使用することである。
【0026】
成分b)によって組み込まれた本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の酸価は、17.0mgKOH/g物質未満、好適には7.0mgKOH/g物質未満である。
【0027】
成分c)は、少なくとも1つの酸無水物、例えば無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸または無水ピロメリト酸などからなる。無水トリメリット酸は好適である。
【0028】
成分c)によって組み込まれた本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の酸価は、1および69mgKOH/g物質の間、好適には17および45mgKOH/g物質の間、特に好適には28および36mgKOH/g物質の間である。
【0029】
成分b)およびc)の遊離酸基は「潜在性イオン」基を意味するが、中和剤での中和によって得られた、塩様基、カルボキシレート基またはスルホネート基は「イオン」基である。
【0030】
適当な成分d)は、少なくとも1つの、少なくとも二官能性のポリイソアネートを含有する。これらは、例えばジ−、トリ−または必要に応じてポリ−官能性の脂肪族イソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、ブタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1−メチル−2,4(2,6)−ジイソシアナトシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、トリメチルキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ノナントリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンなどであってよい。芳香族イソシアネート、例えば2,4(2,6)−ジイソシアナトトルエンまたは2,4−もしくは4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、ならびに上記のイソシアネートに基づく336〜1500の分子量を有する高分子量またはオリゴマーのポリイソシアネートなどは適当である。これらイソシアネートの混合物を使用することもできる。
【0031】
イソホロンジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレンジイソシアネートおよび/または2,4(2,6)−ジイソシアナトトルエンは好適に用いられる。
【0032】
適当なモノヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド成分e)は、エチレンオキシド、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーまたはブロックコポリマー、例えば、モノヒドロキシ官能性エチレンオキシドポリエーテル、モノヒドロキシ官能性プロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリエーテルまたはモノヒドロキシ官能性プロピレンオキシド/エチレンオキシドブロックポリエーテルのポリマーであり、メタノール、ブタノール、エタノール、メトキシプロパノール、ブチルグリコールまたはジエチレングリコールモノアルキルエーテルは適当な出発分子の例である。成分e)は350〜2500g/mol、好適には500〜2300g/molの分子量を有する。
【0033】
好適な成分e)は、モノヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド成分、例えばポリエーテルLB25(ブトキシポリエチレングリコール、分子量2250g/mol、Bayer MaterialScience AG、独国)または500〜1500g/molの分子量を有するメトキシポリエチレングリコール(例えばMPEG750、DOW Chemical Company、米国)などである。
【0034】
適当な成分f)は、モノアミン、ジアミン、ポリアミン、アミノアルコール、ジオール、トリオール、テトラオール、モノアルコール、ジ−またはトリ官能性ポリエーテル、二官能性ポリカーボネートポリオール、例えばヒドラジン(水和物)、アジピン酸ジヒドラジド、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ブチルグリコール、ブチルジグリコールまたはメトキシプロパノール、2−エチルヘキサノール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ポリプロピレンオキシドジオールまたはトリオールまたはポリTHFジオールまたは600〜3000g/molの分子量を有する脂肪族ポリカーボネートジオールまたは上記の混合物またはこれらと他の成分f)との混合物であってよい。
【0035】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体を製造するために、種々の方法を原則として用いることができる。
【0036】
本発明は、第1工程において、ポリオール成分a)および酸成分b)を、NCO価が0%に達するまでポリイソシアネート成分d)と反応させ、第2工程において、該反応生成物を、IR分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで無水物成分c)と80℃〜180℃で反応させ、次いで、中和剤および必要に応じて有機溶媒および/または補助物質を添加し、分散を、ポリマーに水を添加することによって、または水にポリマーを添加することによって行うことを特徴とする、本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の製造のための方法(I)を提供する。
【0037】
ヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド成分e)または必要に応じて成分f)を用いる場合には、これらは、本発明による方法(I)の第1工程において成分a)、b)およびd)と反応させる。
【0038】
本発明による方法(I)では、有機溶媒を必要に応じて既に存在させてよく、または適当な触媒を第1工程において添加してよい。次いで、過剰量の溶媒を完全にまたは部分的に蒸留によって分離することができる。
【0039】
本発明による方法(I)の他の実施態様では、ポリオール成分a)の全量の部分量を第1工程において酸成分b)とポリイソシアネート成分d)と反応させ、第2工程においてポリオール成分a)の残存する量を添加し、成分a)の全量の15〜75重量%、好適には25〜60重量%を第1反応工程に用いる。この手順は好適である。
【0040】
本発明はまた、第1工程において、ポリオール成分a)を、IR分光法によって無水物のバンドがもはや検出されなくなるまで無水物成分c)と80℃〜180℃で反応させ、第2工程において、該反応生成物を、NCO価が0%に達するまで酸成分b)およびポリイソシアネート成分d)と反応させ、次いで、中和剤および必要に応じて有機溶媒および/または補助物質を添加し、分散を、水をポリマーに添加することによって、またはポリマーを水に添加することによって実施することを特徴とする、本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の製造のための方法(II)を提供する。
【0041】
ヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド成分e)または成分f)を用いる場合には、これらを本発明による方法(II)の第2工程において反応させる。
【0042】
本発明により方法(II)では、有機溶媒または中和剤を必要に応じて既に存在させてよく、または適当な触媒を第2工程において添加してよい。次いで、過剰量の溶媒を完全にまたは部分的に蒸留によって分離することができる。
【0043】
本発明による方法(II)の他の実施態様では、ポリオール成分a)の全量の部分量を第1工程において無水物成分c)と反応させ、第2工程においてポリオール成分a)の残存する量を添加し、成分a)の全量の15〜75重量%、好適には25〜60重量%を第1反応工程に用いる。この手順はまた、方法(II)に好適である。
【0044】
適当な触媒は、例えば、ジブチルスズジラウレート、オクタン酸スズ(II)、ジブチルスズオキシド、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、亜鉛またはビスマス塩、第3級アミン、例えばトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミンまたはエチルジイソプロピルアミンなどである。
【0045】
適当な中和剤は、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルイソプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、アンモニア、ジメチルシクロヘキシルアミン、モルホリン、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムまたはこれらの混合物である。
【0046】
中和剤の合計量は、中和度が、組み込まれた酸基に基づいて、少なくとも40〜150%、好適には60〜100%であるように添加する。中和度は、本発明による分散体のpHが6.7〜7.3であるように特に好適に選択する。
【0047】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の製造のための適当な溶媒は、原則として、イソシアネート非反応性である全ての溶媒であり、例えば、N−エチルピロリドン、N−メチルピロリドン、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、メトキシプロピルアセテート、Solvent Naphta(登録商標)、アセトンまたはメチルエチルケトンなどである。酸無水物との反応後、他の溶媒、例えばブチルグリコール、メトキシプロパノール、ジエチレングリコールまたはブチルジグリコールなどを添加してもよい。過剰量の溶媒は蒸留によって除去することができるが、蒸留は、減圧下、例えば20〜80℃の温度で、蒸留水中または蒸留水による分散の間または後に行うことができる。しかしながら、好適には、溶媒は、本発明によって得られる分散体が5重量%以下の有機溶媒を含有するような量で添加する。
【0048】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の固形分量は30〜55重量%、好適には35〜45重量%である。
【0049】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は、LCS計測によって決定された、10〜300nm、好適には15〜60nm、好適には15〜40nmの粒径を有する。
【0050】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は、他のイオン性または非イオン性の分散体と共に混合してもよく、また併用してもよく、例えば以下のものは原則として適当である:ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、他のポリエステル、ポリアクリレートおよび/またはコポリマー分散体。
【0051】
本発明はまた、本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体を含有する被覆組成物を提供する。
【0052】
被覆組成物は通常の補助物質および添加剤を含有することができる。補助物質および添加剤として、例えば、硬化剤、例えばカルボジイミド、ポリイソシアネート、ブロックトポリイソシアネート、ならびにアミノ硬化剤樹脂、例えば部分的または完全にエーテル化されたメラミン樹脂またはウレアホルムアルデヒド縮合生成物または硬化性アミノ樹脂、有機または無機の顔料またはアルミニウムフレークをベースとする金属顔料;フィラー、例えばカーボンブラック、シリカ、タルク、カオリン、パウダーとして、またはファイバーの形態のガラス、セルロースおよびこれらの混合物または、ラッカー、被覆剤および接着剤の製造における従来の他の添加剤、例えば界面活性剤、乳化剤、安定剤、沈降防止剤、UV安定剤、消泡剤、酸化防止剤、皮張り防止剤、流動促進剤、増粘剤または殺菌剤などの混合物が挙げられる。
【0053】
本発明はまた、ラッカー、被覆剤、接着剤またはシーラントの製造のための本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体の使用を提供する。
【0054】
本発明はまた、
A)本発明によるヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体、
B)ブロックトポリイソシアネートまたは遊離イソシアネート基を含有するポリイソシアネートまたはアミノ硬化剤樹脂(前記ポリイソシアネートは必要に応じて親水性的に修飾されていてもよい)
を含有する被覆組成物を提供する。
【0055】
適当なブロックトポリイソシアネートは、例えば、二官能性イソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−または2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートまたはこれらの高分子量三量体、ビウレット、ウレタンまたはアロファネートなどと、ブロック剤、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、アセトキシム、ブタノンオキシム、カプロラクタム、フェノール、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、ジメチルピラゾール、トリアゾール、ジメチルトリアゾール、アセト酢酸、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、t−ブチルベンジルアミン、シクロペンタノンカルボキシエチルエステル、ジシクロヘキシルアミンまたはt−ブチルイソプロピルアミンなどとの反応生成物である。
【0056】
上記のブロックトポリイソシアネートは、親水性基、例えばカルボキシレート、スルホネートおよび/またはポリエチレンオキシド構造などを導入することにより水分散性形態に変換してもよく、そうすれば、本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体と組み合わせて使用することができる。上記のブロックトポリイソシアネートは、ヒドロキシ官能性またはアミノ官能性の成分、また、より高い分子量の成分、例えばジオール、トリオール、アミノアルコール、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート並びにこれらの混合物または他の原料の混合物を併用して、調製することもできる。
【0057】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は、80℃〜230℃の温度で硬化させる焼付けラッカーおよび被覆剤の製造のために使用することができる。適用の好適な分野は、焼付けフィラー塗り、1コート塗り、石傷保護プライマーおよび着色上塗りである。
【0058】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は、反応性二液型(2K)水性ポリウレタンラッカーおよび被覆剤の製造のために用いることもできる。
【0059】
好適には、
A)60〜98重量%の本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体、
B)必要に応じて親水性的に修飾されていてよい、遊離イソシアネート基を含有するポリイソシアネート2〜40重量%
を含有する、反応性二液型水性被覆組成物である。
【0060】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は、原則として、幅広い種類の基材、特に金属、木材、セラミック、石、コンクリート、ビチューメン、ハードボード、ガラス、磁器、プラスチック、皮革または多くの異なった種類の繊維製品を、被覆、塗装、結合、処理および封止するのに適している。
【0061】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体を含有する被覆組成物は、極めて良好な加工性によって区別され、優れたフィルム外観および流動性、非常に小さいクレーター形成性、良好な耐性、バランスのよい水準の硬さ/弾性を示す被覆剤を提供する。
【0062】
本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体は単独で基材に適用され、非常に良好な流動性を有し、欠陥またはクレーターを有さない透明コートが得られ、非常に大きいフィルム厚みが可能である。
【実施例】
【0063】
ポリエステルポリオール PES1)
撹拌機、還流冷却器、蒸留ヘッドおよびガス分散管を有する5L反応器中において、無水フタル酸2486g、トリメチロールプロパン563g、ネオペンチルグリコール874gおよびジエチレングリコール890gを、2gの触媒Fascat(登録商標)4100(錫触媒、Arkema Inc.、米国)の存在下、190℃で、酸価が2.4に達するまでエステル化する。ポリエステルPES1)は、148mgKOH/g物質のOH価を有する。
【0064】
ポリエステルポリオール PES2)
撹拌機、還流冷却器、蒸留ヘッドおよびガス分散管を有する5L反応器中において、イソフタル酸1743g、トリメチロールプロパン563g、ネオペンチルグリコール1747gおよびアジピン酸920gを、2gの触媒Fascat(登録商標)4100(錫触媒、Arkema Inc.、米国)の存在下、190℃で、酸価が2.4に達するまでエステル化する。ポリエステルPES2)は、146mgKOH/g物質のOH価を有する。
【0065】
ポリエステルポリオール PES3)
撹拌機、還流冷却器、蒸留ヘッドおよびガス分散管を有する5L反応器中において、無水フタル酸932g、トリメチロールプロパン549g、ジエチレングリコール1765gおよびイソフタル酸1743gを、2gの触媒Fascat(登録商標)4100(錫触媒、Arkema Inc.、米国)の存在下、190℃で、酸価が2.1に達するまでエステル化する。ポリエステルPES3)は、136mgKOH/g物質のOH価を有する。
【0066】
ポリエステルポリオール PES4)
撹拌機、還流冷却器、蒸留ヘッドおよびガス分散管を有する15L反応器中において、無水フタル酸7104g、トリメチロールプロパン1568g、ジエチレングリコール5043gおよびひまし油856gを、2gの触媒Fascat(登録商標)4100(錫触媒、Arkema Inc.、米国)の存在下、190℃で、酸価が2.2に達するまでエステル化する。ポリエステルPES4)は、150mgKOH/g物質のOH価を有する。
【0067】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体1)
ポリエステルポリオールPES4)444g、ジメチロールプロピオン酸10gおよびポリエーテルLB25(モノヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド、分子量2250g/mol;Bayer MaterialScience AG、独国)15.5gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、イソホロンジイソシアネート12.8gおよびヘキサメチレンジイソシアネート38.6gの混合物を、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加する。次に、無水トリメリット酸57.3gおよびさらなるポリエステルポリオールPES4)444gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール113gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン52gで中和し、蒸留水1246gを添加することによって分散する。
固形分41.2%、pH値6.8および平均粒度27nmを有するPES−PUR分散体1)を得る。
【0068】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体2)
ポリエステルポリオールPES2)443g、ジメチロールプロピオン酸10gおよびポリエーテルLB25(モノヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド、分子量2250g/mol;Bayer MaterialScience AG、独国)7.7gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、イソホロンジイソシアネート12.8gおよびヘキサメチレンジイソシアネート38.6gの混合物を、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加し、次いでN−エチルピロリドン56gを添加する。次に、無水トリメリット酸57.3g、さらなるポリエステルポリオールPES4)442gおよびN−エチルピロリドン28gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール28gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン55gで中和し、蒸留水1230gを添加することによって分散する。
固形分43.2%、pH値7.3および平均粒度19nmを有するPES−PUR分散体2)を得る。
【0069】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体3)
ポリエステルポリオールPES1)437g、ジメチロールプロピオン酸10gおよびポリエーテルLB25(モノヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド、分子量2250g/mol;Bayer MaterialScience AG、独国)7.8gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、イソホロンジイソシアネート12.8gおよびヘキサメチレンジイソシアネート38.6gの混合物を、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加し、次いでN−エチルピロリドン55gを添加する。次に、無水トリメリット酸57.3g、さらなるポリエステルポリオールPES1)436gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール55gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン55gで中和し、蒸留水1217gを添加することによって分散する。
固形分41.1%、pH値7.3および平均粒度24nmを有するPES−PUR分散体3)を得る。
【0070】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体4)
ポリエステルポリオールPES3)476g、ジメチロールプロピオン酸10gおよびポリエーテルLB25(モノヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド、分子量2250g/mol;Bayer MaterialScience AG、独国)7.8gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、イソホロンジイソシアネート31.9gおよびヘキサメチレンジイソシアネート24.2gの混合物を、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加し、次いでN−エチルピロリドン57gを添加する。次に、無水トリメリット酸57.3g、さらなるポリエステルポリオールPES3)475gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール63gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン54gで中和し、蒸留水1320gを添加することによって分散する。
固形分40.2%、pH値6.8および平均粒度21nmを有するPES−PUR分散体4)を得る。
【0071】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体5)
ポリエステルポリオールPES4)402g、66g/モルのOH価を有するアジピン酸/ヘキサンジオール/ネオペンチルグリコールポリエステル69gおよびジメチロールプロピオン酸11.3gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、イソホロンジイソシアネート37.3gおよびヘキサメチレンジイソシアネート18.8gの混合物を、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加する。次に、無水トリメリット酸57.4g、さらなるポリエステルポリオールPES4)433gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール114gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン53gで中和し、蒸留水1253gを添加することによって分散する。
固形分43.0%、pH値6.7および平均粒度23nmを有するPES−PUR分散体5)を得る。
【0072】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体6)
ポリエステルポリオールPES4)261gおよびジメチロールプロピオン酸6.8gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、イソホロンジイソシアネート37.5gを、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加する。次に、無水トリメリット酸34.1gおよびさらなるポリエステルポリオールPES4)261gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール66gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン31gで中和し、蒸留水635gを添加することによって分散する。
固形分44.3%、pH値6.7および平均粒度25nmを有するPES−PUR分散体6)を得る。
【0073】
適用試験結果:
流出試験:
PER−PUR分散体1)、2)、3)、4)、5)および6)を、20%水を添加することによってそれぞれ希釈し、これらの希釈溶液を、該溶液が流動できるように清浄ガラス板上にそれぞれ注ぐ。次いで、流動性(評価:適切=OK、不適切=OKでない)およびクレーター形成性(評価:m=クレーターの量 (m1=クレーター無しまたは極めて少ないクレーター)〜(m5=極めて多いクレーター)/およびg=クレーターの寸法(g1=クレーター無しまたは極めて小さいクレーター)〜(g5=極めて大きいクレーター))の目視評価を行う。
【0074】
流出試験 PES−PUR分散体1) クレーター:m1/g1、流動性:OK
流出試験 PES−PUR分散体2) クレーター:m1/g1、流動性:OK
流出試験 PES−PUR分散体3) クレーター:m1/g1、流動性:OK
流出試験 PES−PUR分散体4) クレーター:m1/g1、流動性:OK
流出試験 PES−PUR分散体5) クレーター:m1/g1、流動性:OK
流出試験 PES−PUR分散体6) クレーター:m1/g2、流動性:OK
【0075】
透明ラッカーをポリエステル−ポリウレタン分散体から製造する:
PES−PUR分散体1)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体1)207g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904(メラミン樹脂、Ineos Melamins GmbH、フランクフルト、独国);1.7gのAdditol(登録商標)XW 395(湿潤添加剤、Cytec Surface Specialities、米国)、1.7gのSurfynol(登録商標)104E(界面活性剤、Air Products Chemicals Europe B.V.、オランダ)、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液4.5gおよび蒸留水58gである。
【0076】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分35%および38秒のISO 5に従う流動時間を有する。流動時間は10日間40℃での貯蔵後でさえ安定である。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、113秒のDIN 53157に従うペンジュラム硬度および0123の部分溶解性で得る。
部分溶解性試験:4つの異なった溶媒への各1分間の硬化ラッカーフィルムの暴露
評価:0=異常は検出されない、1=軽微な軟化(可逆)、2=中程度な軟化(可逆)、3=著しい軟化、4=ラッカーへ軽微な損傷、5=ラッカーが浮き上がる。
【0077】
PES−PUR分散体2)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体2)197g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液3.9gおよび蒸留水20gである。
【0078】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分42%および40秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、168秒のペンジュラム硬度および2222の部分溶解性で得る。
【0079】
PES−PUR分散体3)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体3)207g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液4.5gおよび蒸留水35gである。
【0080】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分38%および32秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、224秒のペンジュラム硬度および0124の部分溶解性で得る。
【0081】
144時間硬化後の鋼板へのラッカーのDIN53167に従う塩噴霧試験により、わずか13mmのラッカーフィルムにおけるカット上のクリープ腐食が生じる。
【0082】
PES−PUR分散体4)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体4)211.4g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液5.2gおよび蒸留水34gである。
【0083】
PES−PUR分散体5)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体5)198g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液5.2gおよび蒸留水52gである。
【0084】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分37%および41秒のISO 5に従う流動時間を有する。40日間40℃での貯蔵後でさえ、流動時間はほとんど変化しない(37秒)。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、104秒のペンジュラム硬度および0134の部分溶解性で得る。
【0085】
硬化剤としてメラミンを有するPES−PUR分散体6)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体6)170.5g、29.4gのCymel(登録商標)328(メラミン硬化剤樹脂、Cytec Industries、米国)、1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液4.1gおよび蒸留水53gである。
【0086】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分39%および41秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、198秒のペンジュラム硬度および0000の部分溶解性で得る。
【0087】
硬化剤としてブロックトイソシアネートを有するPES−PUR分散体6)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体6)100g、97.1gのBayhydur(登録商標)BL 5140(ブロックトポリイソシアネート基を有する分散体、Bayer MaterialScience、レーフェルクーゼン、独国);1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液4.1gおよび蒸留水53gである。
【0088】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分36%および40秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、高弾性ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、171秒のペンジュラム硬度および0333の部分溶解性で得る。
【0089】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分37%および31秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、207秒のペンジュラム硬度および0022の部分溶解性で得る。
【0090】
144時間の塩噴霧試験により、18mmのラッカーフィルムにおけるカット上のクリープ腐食が生じる。
【0091】
PES−PUR分散体1)からの着色ラッカー(着色度100%)
成分は、99.5gの顔料ペースト、PES−PUR分散体1)119g、9.5gのMaprenal(登録商標)MF 904、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液1.8gおよび蒸留水32gであり、ビードミル中において粉砕する。
【0092】
次いで、ラッカーフィルムを適用し、8分間室温で、10分間80℃、次いで22分間165℃で硬化させる。該ラッカーは、固形分49%および40秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを、極めて良好なフローおよびフィルム外観、140秒のペンジュラム硬度および1122の部分溶解性で得る。ガードナー光沢度は78%(60°)である。エリクセン押込は9.5mmであり、衝撃試験の値は>80/>80(イン/アウト)であり、DIN53151によるクロスカット試験(0=最も好ましい値、5=最も好ましくない値)は0である。
【0093】
144時間の鋼板への塩噴霧試験により、13mmのラッカーフィルムにおける傷上のクリープ腐食が生じる。
【0094】
電気泳動ラッカー層、PES−PUR分散体1)に基づく上記の着色ラッカーによるフィラー、ブリリアントブラック色のベースコートおよび透明ラッカーからなる完全ラッカー系について、石傷試験を非常に良好な結果で実施する:
【0095】
DIN 55996−1/BによるVDA衝撃(2×500g、2バール、45°):
衝撃度(評価0〜5、0=最も好ましい値)=1.5、分離の主な水準=電気泳動ラッカー
【0096】
DIN 55996−2によるBMWウェッジ(3バール、−20℃):
傷寸法(mm)=2.1、分離の主な水準=電気泳動ラッカー
【0097】
DIN 55996−3によるDC衝撃(250km/h、−20℃):
傷寸法(mm):2、分離の主な水準=金属板
【0098】
ポリエステルポリオール PES5)
撹拌機、還流冷却器、蒸留ヘッドおよびガス分散管を有する5L反応器中において、イソフタル酸1570g、トリメチロールプロパン576g、ネオペンチルグリコール1789gおよびアジピン酸1146gを、2gの触媒Fascat(登録商標)4100(錫触媒、Arkema Inc.、米国)の存在下、190℃で、酸価が2.2に達するまでエステル化する。ポリエステルPES5)は、155mgKOH/g物質のOH価を有する。
【0099】
ポリエステルポリオール PES6)
撹拌機、還流冷却器、蒸留ヘッドおよびガス分散管を有する5L反応器中において、無水フタル酸2279g、トリメチロールプロパン590g、ネオペンチルグリコール698g、ジエチレングリコール1166gおよびアジピン酸321gを、2gの触媒Fascat(登録商標)4100(錫触媒、Arkema Inc.、米国)の存在下、190℃で、酸価が2.4に達するまでエステル化する。ポリエステルPES6)は、149mgKOH/g物質のOH価を有する。
【0100】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体7)
ポリエステルポリオールPES5)448g、10gのポリエーテルLB25およびN−エチルピロリドン55.8を、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、イソホロンジイソシアネート48.3gを、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加する。次に、無水トリメリット酸57.3g、さらなるポリエステルポリオールPES5)448gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール55gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン50.8gで中和し、蒸留水1190gを添加することによって分散する。
固形分42.7%、pH値7.2および平均粒度23nmを有するPES−PUR分散体7)を得る。
【0101】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体8)
ポリエステルポリオールPES6)448g、ジメチロールプロピオン酸6.8gおよびN−エチルピロリドン55.8gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート48.3gの混合物を、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加する。次に、無水トリメリット酸57.3g、さらなるポリエステルポリオールPES6)448gを添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール55gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン54gで中和し、蒸留水1290gを添加することによって分散する。
固形分41.7%、pH値7.1および平均粒度25nmを有するPES−PUR分散体8)を得る。
【0102】
PES−PUR分散体7)からの透明ラッカー:
成分は、分散体7)199g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液5.1gおよび蒸留水26gである。
【0103】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分40%および41秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、88秒のペンジュラム硬度および2224の部分溶解性で得る。
【0104】
144時間の塩噴霧試験により、20mmのラッカーフィルムにおける傷上のクリープ腐食が生じる。
【0105】
PES−PUR分散体8)からの透明ラッカー:
成分は、分散体8)204g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液4.5gおよび蒸留水46gである。
【0106】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分37%および40秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、162秒のペンジュラム硬度および1124の部分溶解性で得る。
【0107】
144時間の塩噴霧試験により、10mmのラッカーフィルムにおける傷上のクリープ腐食が生じる。
【0108】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体9)
ポリエステルポリオールPES5)581g、7.8gのポリエーテルLB25、10gのジメチロールプロピオン酸および24Proglide(登録商標)DMM(グリコールエーテル溶媒、DOW、UK)を、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、100℃で均質化する。次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート48.3gを、120℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加する。次に、無水トリメリット酸57.3g、さらなる315gのポリエステルポリオールPES5)を添加し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、ブチルグリコール95gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン51gで中和し、蒸留水1190gを添加することによって分散する。
固形分42%、pH値7.1および平均粒度25nmを有する分散体9)を得る。
【0109】
酸性化されたヒドロキシ官能性PES−PUR分散体10)
ポリエステルポリオールPES5)448g、無水トリメリット酸57.3gを、撹拌機、還流冷却器および窒素供給を有する4L反応容器に計量投入し、160℃に加熱し、赤外線(IR)分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで撹拌する。次に、該混合物を110℃に冷却し、Solvesso(登録商標)100(炭化水素混合物、Exxon Mobile、米国)24.5g、ポリエステルポリオールPES5)448g、7.8gのポリエーテルLB25および10gのジメチロールプロピオン酸を計量し、均質化する。次に、イソホロンジイソシアネート63.8gを、135℃で、NCO含有量が0%になるまで撹拌しながら添加する。次に、ブチルグリコール96.4gを撹拌しながら添加し、該混合物を、80℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン52gで中和し、蒸留水1200gを添加することによって分散する。
固形分42%、pH値7.3および平均粒度25nmを有する分散体10)を得る。
【0110】
PES−PUR分散体9)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体9)202g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液6.3gおよび蒸留水29gである。
【0111】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分39%および37秒のISO 5に従う流動時間を有する。40日間40℃での貯蔵後でさえ、流動時間はほとんど変化しない(37秒)。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、132秒のペンジュラム硬度および2244の部分溶解性で得る。
【0112】
144時間の塩噴霧試験により、12mmのラッカーフィルムにおける傷上のクリープ腐食が生じる。ブロックトポリイソシアネート硬化剤(Bayhydur(登録商標)BL 5140)との組み合わせにより、40℃での貯蔵の際に安定性であるラッカーを、極めて良好なフロー、極めて良好なフィルム外観および135秒のペンジュラム硬度および>9mmのエリクセン押込を有するフィルムと同様に得る。
【0113】
PES−PUR分散体10)からの透明ラッカー:
成分は、PES−PUR分散体9)202g、15.5gのMaprenal(登録商標)MF904;1.7gのAdditol(登録商標)XW 395、1.7gのSurfynol(登録商標)104E、ジメチルエタノールアミンの10%水溶液3.2gおよび蒸留水24gである。
【0114】
成分を均質化し、ラッカーフィルムを適用し、室温で10分間蒸発させた後、30分間140℃で焼付けする。該ラッカーは、固形分40%および42秒のISO 5に従う流動時間を有する。焼付け後、ラッカーフィルムを極めて良好なフローおよびフィルム外観、173秒のペンジュラム硬度および2244の部分溶解性で得る。
【0115】
144時間の塩噴霧試験により、17mmのラッカーフィルムにおける傷上のクリープ腐食が生じる。ブロックトポリイソシアネート硬化剤(Bayhydur(登録商標)BL 5140)との組み合わせにより、40℃での貯蔵の際に安定性であるラッカーを、極めて良好なフロー、極めて良好なフィルム外観および195秒の極めて高いペンジュラム硬度を有するフィルムと同様に得る。
【0116】
全体的に考察すると、本発明によるPES−PUR分散体は安価であり、種々の硬化剤を組み合わせた際、40℃での貯蔵の場合でさえ安定性であり、塗布および焼付け後、極めて良好なフロー、極めて良好なフィルム外観および可変的に調節可能な硬度/弾性比を有するラッカーおよび被覆剤を生じさせる分散体を簡単に製造する。溶媒耐性も広い範囲内で可変であり、該分散体は、例えば高品質焼付けフィラーまたは石傷保護被覆剤の製造に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つの、少なくとも二官能性のポリオール、
b)ジ−、トリ−またはモノ−ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシスルホン酸、アミノスルホン酸またはアミノカルボン酸の群から選択される、少なくとも1つの酸基およびイソシアネート基と反応可能な少なくとも1つの基を有する、少なくとも1つの(潜在性)イオン化合物、
c)少なくとも1つの酸無水物、および
d)少なくとも1つの、少なくとも二官能性のポリイソシアネート成分
の反応生成物を含有するヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体。
【請求項2】
構成物質として、
e)少なくとも1つの、少なくともモノヒドロキシ官能性のポリエチレンオキシド成分
をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載のヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体。
【請求項3】
ポリオールa)は、少なくとも75重量%のポリエステルポリオール、および25重量%以下のポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールおよび/または第1ポリエステルポリオールとは異なる第2ポリエステルポリオールからなることを特徴とする、請求項1に記載のヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体。
【請求項4】
成分b)は、ジメチロールプロピオン酸および/またはヒドロキシピバリン酸であることを特徴とする、請求項1に記載のヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体。
【請求項5】
成分c)は無水トリメリット酸であることを特徴とする、請求項1に記載のヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体。
【請求項6】
第1工程において、ポリオール成分a)および酸成分b)を、NCO価が0%に達するまでポリイソシアネート成分d)と反応させ、第2工程において、その反応生成物を、IR分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで無水物成分c)と80〜180℃で反応させ、次いで、中和剤および必要に応じて有機溶媒および/または補助物質を添加し、およびポリマーに水を添加することによって、または水にポリマーを添加することによって分散を行うことを特徴とする、請求項1に記載のポリエステル−ポリウレタン分散体の製造方法。
【請求項7】
第1工程において、ポリオール成分a)、酸成分b)およびヒドロキシ官能性ポリエチレンオキシド成分e)を、NCO価が0%に達するまでポリイソシアネート成分d)と反応させ、第2工程において、その反応生成物を、IR分光法によって無水物のバンドがもはや検出することができなくなるまで無水物成分c)と80〜180℃で反応させ、次いで、中和剤および必要に応じて有機溶媒および/または補助物質を添加し、およびポリマーに水を添加することによって、または水にポリマーを添加することによって分散を行うことを特徴とする、請求項2に記載のポリエステル−ポリウレタン分散体の製造方法。
【請求項8】
第1工程において、ポリオール成分a)の全量の部分量を、酸成分b)とポリイソシアネート成分d)と反応させ、第2工程において、ポリオール成分a)の残存する量を添加し、成分a)の全量の15〜75重量%を第1反応工程に用いることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載のポリエステル−ポリウレタン分散体を含有する被覆組成物。
【請求項10】
A)本発明によるヒドロキシ官能性ポリエステル−ポリウレタン分散体、
B)ブロックトポリイソシアネートおよび/または遊離イソシアネート基を含有するポリイソシアネートおよび/またはアミノ硬化剤樹脂(前記ポリイソシアネートは必要に応じて親水性的に修飾されていてもよい)
を含有する被覆組成物。
【請求項11】
A)60〜98重量%の本発明によるポリエステル−ポリウレタン分散体、
B)2〜40重量%の、必要に応じて親水性的に修飾されていてよい、遊離イソシアネート基を含有するポリイソシアネート
を含有する、反応性二液型水性被覆組成物。
【請求項12】
ラッカー、被覆剤、接着剤またはシーラントの製造のための、請求項1に記載のポリエステル−ポリウレタン分散体の使用。
【請求項13】
焼付けフィラー塗り、1コート塗り、石傷保護プライマーおよび着色上塗りの製造のための、請求項1に記載のポリエステル−ポリウレタン分散体の使用。

【公表番号】特表2010−526921(P2010−526921A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507826(P2010−507826)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003634
【国際公開番号】WO2008/138518
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】