説明

重合物、それを作製する方法、およびダイ

ダイ(300、600、1000)が提供され、ダイ(300、600、1000)はダイ(300、600、1000)を通って押圧される材料を配向するための第1の部分および配向された材料を所望の形態に成形するための第2の部分を有する。1つの実施形態では、配向された材料を所望の形態に成形するための表面積が限定される。また、重合物およびそれを作製するための方法が提供される。1つの実施形態では、方法は、ダイ(300、600、1000)を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年12月4日に出願された米国仮出願第61/193514号の優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書組み込まれる。
【0002】
本出願は、とりわけ重合物を開示する。また、本出願は、重合物を作製する方法を開示する。さらに、本出願はダイを開示する。
【背景技術】
【0003】
高性能高分子繊維を製造する試みがなされている。一例としては、サーモトロピック液晶性重合体およびリオトロピック液晶性重合体の種類に関しての刊行物が入手でき、サーモトロピック溶融物またはリオトロピック溶解物を直接高速回転し、重合体粒子を流れ方向に配向させる延伸的な流れの場を引き起こす比較的高い巻き取り/押し出し速度(ドローダウン)比率を適用することによって相応な成功が報告されている。例えば、MuramatsuらのMacromolecules 19,2850(1986)およびWissbrunらのJ.Polym.Sci.Pt.B−Polym.Phys.20,1835(1982)を参照されたい。しかしながら、高性能フィルムおよびホイルおよびこれらの材料の他の物体を製造することは、1つまたは複数の態様においてそれほど成功していない。例えば、CalundannらのProceedings of the Robert A.Welch Conference on Chemical Research,XXVI.Synthetic Polymers,280(1982)、米国特許第4,332,759号明細書、米国特許第4,384,016号明細書、IdeらのJ.Macromol.Sci.−Phys.B23,497(1985)、およびLusigneaのPolym.Eng.Sci.,39,2326(1999)を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,332,759号明細書
【特許文献2】米国特許第4,384,016号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】MuramatsuらのMacromolecules 19,2850(1986)
【非特許文献2】WissbrunらのJ.Polym.Sci.Pt.B−Polym.Phys.20,1835(1982)
【非特許文献3】CalundannらのProceedings of the Robert A.Welch Conference on Chemical Research,XXVI.Synthetic Polymers,280(1982)
【非特許文献4】IdeらのJ.Macromol.Sci.−Phys.B23,497(1985)
【非特許文献5】LusigneaのPolym.Eng.Sci.,39,2326(1999)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態では、ダイが提供され、ダイは、ダイを通って押圧される材料を配向するための第1の部分および配向された材料を所望の形態で成形するための第2の部分を有する。1つの実施形態では、配向された材料を所望の形態で成形するための表面積は限定される。
【0007】
1つの実施形態では、ダイが提供され、ダイは:
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口はオリフィス出口から見て外方に向く出口を有する第2の部分とを含み、
開口の出口の表面積は次の式:
SA<N×D
(ここで、SAは開口の出口の表面積を表し、Nはスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレット部のオリフィス出口の直径を表す)に従う。
【0008】
1つの実施形態では、ダイが提供され、ダイは、
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口はオリフィス出口から見て外方に向く出口を有する第2の部分とを含み、
ダイは次の式:
EL×WO<N×D
(ここで、Nはスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレット部のオリフィス出口の直径を表し、WOは開口の幅を表し、ELはスピナレット部から材料を受けるように設計された開口の長さを表す)に従う。
【0009】
1つの実施形態では、ダイが提供され、ダイは:
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口は、オリフィス出口の方を向く開口入口と、オリフィス出口から見て外方に向く開口出口とを有する第2の部分とを含み、
オリフィスは、各オリフィス入口の中心から、対応するオリフィス出口の中心を通って開口入口への直線が、互いに交差しないように配置されている。
【0010】
1つの実施形態では、方法が提供され、方法は:
重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルムを形成することであり、開口の出口の表面積は次の式:
SA<N×D
(ここで、SAは開口の出口の表面積を表し、Nはスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む。
【0011】
1つの実施形態では、方法が提供され、方法は:
重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルムを形成することであり、前記開口の出口でのフィルムの幅Wおよび厚さTは、次の式:
W×T<N×D
(ここで、Nはスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む。
【0012】
1つの実施形態では、方法が提供され、方法は:
1つより多い重合体グレードを各々溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルムを形成することを含み、
第1の重合体グレードはスピナレットの大多数のオリフィスを通って押圧され、第2の重合体グレードは残りのオリフィスの1つまたは複数を通って押圧される。
【0013】
1つの実施形態では、幅が少なくとも2cmであり、損失弾性率が0.75GPaより大きく、貯蔵弾性率が20GPaより大きい、重合体フィルムが提供される。
【0014】
1つの実施形態では、幅が少なくとも2cmであり、固有損失弾性率が75kmより大きく、固有貯蔵弾性率が1000kmより大きい、重合体フィルムが提供される。
【0015】
1つの実施形態では、液晶性重合体のフィルムが提供され、フィルムは、幅が少なくとも5cm、引張係数が少なくとも50GPaである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ダイのスピナレット部の1つの実施形態を表す。
【図2】ダイの第2の部分の1つの実施形態を表す。
【図3】ダイの1つの実施形態を表す。
【図4】ダイのスピナレット部の1つの実施形態を表す。
【図5】ダイの第2の部分の1つの実施形態を表す。
【図6】ダイの1つの実施形態を表す。
【図7】ダイの1つの実施形態を表す。
【図8】ダイの1つの実施形態を表す。
【図9】フィルムの1つの実施形態を表す。
【図10A】ダイの1つの実施形態を表す。
【図10B】ダイの1つの実施形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ダイ
1つの実施形態では、ダイが提供され、ダイは、ダイを通って押圧される材料を配向するための第1の部分、例えば、スピナレット部、および配向された材料を所望の形態に成形するための第2の部分を有する。そのようなダイの利点は、材料の適度な程度の配向が、第2の部分を出る成形部において既に得られることが可能であるということである。これは、言い換えると、材料の所望の配向を達成するために、第2の部分を出る材料の形状を大幅に変更しなければならないことを限定する、または回避することが可能である。
【0018】
1つの実施形態では、配向された材料を所望の形態に成形するための表面積は限定される。これは、例えば、第1の部分から到着する材料で第2の部分を良好に充填することに役立ち、例えば、第2の部分を出る成形された材料の空孔率を減少または回避することに役立つことが可能である。
【0019】
1つの実施形態では、ダイが提供され、ダイは、複数のオリフィスを有するスピナレット部を含み、オリフィスは入口および出口を有する。1つの実施形態では、スピナレット部は、ダイを通る材料(例えば、高分子材料)を配向することに役立つ。ダイは、オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分をさらに含み、開口は、オリフィス出口から見て外方に向く出口を有する。1つの実施形態では、第2の部分は、複数の繊維を所望の形状、例えば、フィルム、管または棒に結合することに役立つ。1つの実施形態では、第2の部分の開口はスリット形状である。1つの実施形態では、第2の部分の開口は円形、例えば、リング形状である。第2の成形部の前にスピナレット部を使用する利点は、スピナレット部が材料(例えば、高分子材料)を配向することに役立つことができるということであり、それによって、第2の部分を出る物品に向上された特性をもたらす。1つの実施形態では、開口の出口の表面積は次の式:
SA<N×D
(ここで、SAは開口の出口の表面積を表し、Nはスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレット部のオリフィス出口の直径を表す)に従う。
【0020】
SAがN×Dより小さい利点は、開口の出口が、開口を通って押圧される材料でより良好に満たされるということである。これは、言い換えると、例えば、開口の出口を通って押し出される材料における空孔の形成を防ぐことに役立つことが可能である。これは、例えば、スピナレット部からの実質的なダイスウェルがほとんどない、または脱配向をもたらすので、望ましくない(つまり、ダイスウェルは、開口を良好に満たすことに実質的に役立たない)状況で特に有益である。1つの実施形態では、SAはN×D未満、例えば、0.9×N×D未満、または0.8×N×D未満である。1つの実施形態では、SAは約N×(π/4)×Dである。1つの実施形態では、SAは0.6N×Dより大きく、例えば、0.7×N×Dより大きい、または0.75×N×Dより大きい。
【0021】
第2の部分の出口がスリット形状である1つの実施形態では、表面積SAは、スリットの長さL×スリット出口の幅WOである。1つの実施形態では、Lは、スリットの有効長(EL)、つまり、スピナレット部から材料を受けるように設計されたスリットの長さにおよそ等しい。1つの実施形態では、スリットの有効長は、最も遠くに間隔を介して置かれる2つのオリフィス出口間の距離(スリットに平行、および幅WOに垂直な方向に測定される)に等しい。
【0022】
重合体フィルムを作製するための1つの実施形態では、ダイが提供され、ダイは、
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口はオリフィス出口から見て外方に向く出口を有する第2の部分とを含み、
ダイは次の式:
EL×WO<N×D
(ここで、Nはスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレット部のオリフィス出口の直径を表し、WOは開口の幅を表し、ELはスピナレット部から材料を受けるように設計された開口の長さを表す)に従う。
【0023】
EL×WOがN×Dより小さい利点は、スピナレット部から繊維を受ける開口の出口の部分が、開口を通って押圧される材料でより良好に満たされるということである。これは、言い換えると、例えば、開口の出口を通って押し出される材料における空孔の形成を防ぐことに役立つことが可能である。これは、例えば、スピナレット部からの実質的なダイスウェルがほとんどない、または脱配向をもたらすので、望ましくない(つまり、ダイスウェルは、開口を良好に満たすことに実質的に役立たない)状況で有益とすることが可能である。
【0024】
1つの実施形態では、EL×WOは、N×D未満、例えば、0.9×N×D未満または0.8×N×D未満である。1つの実施形態では、EL×WOは、約N×(π/4)×Dである。1つの実施形態では、EL×WOは、0.6N×Dより大きく、例えば0.7×N×Dより大きい、または0.75×N×Dより大きい。
【0025】
1つの実施形態では、スピナレット部におけるオリフィス出口は、各オリフィス入口の中心から対応するオリフィス出口の中心を通って第2の部分の入口に直線が引かれるように配置されており、そのとき、そのような直線は互いに交差しない。そのような方法でダイを配置することは、所望の形状に組み立てられる前に繊維がからまることを防ぐことに役立つことが可能である。
【0026】
1つの実施形態では、オリフィスはスピナレット部の曲線部に設けられる。1つの実施形態では、曲線部は、半シリンダ形状を有する。1つの実施形態では、曲線部は、球体の半分の形状を有する。1つの実施形態では、オリフィスは千鳥配列に配置される。千鳥配列の曲線スピナレット部は、繊維が、最終的な所望の形状(例えば、フィルム)に形成される場合に、すべて実質的に同様の変形履歴を有するようにオリフィスを配置することに役立つことが可能である。また、千鳥配列の曲線スピナレット部は、第2の部分において比較的大きな繊維密度をもたらすことに役立つことが可能である。
【0027】
1つの実施形態では、スピナレット部は少なくとも100のオリフィス、例えば、少なくとも500のオリフィス、少なくとも1000のオリフィス、少なくとも2500のオリフィス、少なくとも5000のオリフィス、または少なくとも10000のオリフィスを有する。1つの実施形態では、オリフィスの数は100000未満、例えば、50000未満、25000未満、10000未満、5000未満、2500未満、または1250未満である。
【0028】
1つの実施形態では、オリフィス入口は、対応するオリフィス出口より大きな表面積を有する。そのような構成は、材料、例えば、オリフィスを通って押圧される高分子材料を配向することに役立つことが可能である。1つの実施形態では、オリフィス入口の直径は、対応するオリフィス出口の直径の少なくとも5倍、例えば、少なくとも8倍、少なくとも12倍、または少なくとも16倍である。1つの実施形態では、オリフィス入口の直径は、オリフィス出口の直径の50倍未満である。1つの実施形態では、オリフィス入口とオリフィス出口との間のチャンネルは円錐形状である。
【0029】
1つの実施形態では、オリフィス入口は、対応するオリフィス出口の表面積とほぼ同じである表面積を有する。1つの実施形態では、オリフィス入口と対応するオリフィス出口との間のチャンネルは直線である。
【0030】
1つの実施形態では、オリフィス出口の直径は、5mm未満、例えば、500マイクロメートル未満、250マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満、50マイクロメートル未満、25マイクロメートル未満、または15マイクロメートル未満である。1つの実施形態では、オリフィス出口の直径は、少なくとも1マイクロメートル、例えば、少なくとも3マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、または少なくとも20マイクロメートルである。
【0031】
1つの実施形態では、第2の部分はスリット形状の開口出口を有する。1つの実施形態では、スリットの長さLは、少なくとも1cm、例えば、少なくとも2cm、少なくとも10cm、少なくとも50cm、少なくとも100cm、少なくとも250cm、少なくとも500cm、または少なくとも1000cmである。1つの実施形態では、スリットの長さは、10000cm未満、例えば、5000cm未満、1000cm未満、200cm未満、100cm未満、50cm未満、20cm未満、15cm未満、10cm未満、または6cm未満である。1つの実施形態では、スリットの有効長ELは、少なくとも1cm、例えば、少なくとも2cm、少なくとも10cm、少なくとも50cm、少なくとも100cm、少なくとも250cm、少なくとも500cm、または少なくとも1000cmである。1つの実施形態では、スリットの有効長は、10000cm未満、例えば、5000cm未満、1000cm未満、200cm未満、100cm未満、50cm未満、20cm未満、15cm未満、10cm未満、または6cm未満である。1つの実施形態では、第2の部分は、円形形状を有する開口出口を有する。1つの実施形態では、第2の部分は、リング形状を有する開口出口を有する。
【0032】
スピナレット部および第2の部分を有するダイの例が、図1から図3に提供されている。図1のAは、円形基部110および半シリンダ形態の曲線部120を有するスピナレット部100の斜視図である。曲線部120は複数のオリフィス130を含む。オリフィス130は千鳥配列に曲線部120の一面に配置されている。オリフィスは、使用の間に材料(例えば、溶融重合体または溶解重合体)を受けるための入口140(図1のDも参照)および反対側のオリフィス出口150(図1のDを参照)を有する。入口のみが図1のAにおいて表れている。図1のBは同じスピナレット部100の平面図である。図1のCは、図1のBに表された直線A−Aにわたるスピナレット部100の断面図である。図1のDは、図1のBの破線B−Bにわたるスピナレット部100の断面図である。オリフィス130は、オリフィス入口140、対応するオリフィス出口150、およびオリフィス入口とオリフィス出口との間のチャンネル160を有する。この例において、図1のDから明らかなように、チャンネルは円錐形状である。図1のスピナレット部と結合されることが可能な第2の部分の例が、図2のAから図2のCに示されている。図2のAは、円形中実部210、およびスリット220の形態の開口を有する第2の部分200の斜視図である。スリットは入口230および出口240を有する。この図の例では、入口は出口より広い。図2のBおよび図2のCを参照して、出口は幅WO、長さLを有し、入口は幅WIを有する。
【0033】
図1、図2における寸法はミリメートルである。図1のCにおける両矢印によって示される長さは、10mmである。図1、図2は単に例示であり、ダイは、例えば、より大きな寸法(例えば、より多くのオリフィス、より大きなスピナレット長、より大きなスリット長など)までに拡大されることができることが留意されたい。図1、図2の例では、130のオリフィスが示されており、オリフィスは0.1mmの出口直径を有し、したがって、N×D=1.3mmである。さらに、スリット出口は、長さが17mm、幅が0.06mmであり、したがって、表面積は1.02cm(約(π/4)×1.3mm)である。
【0034】
図3は、図1のスピナレット部100および図2の第2の部分200を組み合わせた場合に得られたダイ300を表す。図は単に概略であり、例えば、図3において現れるオリフィス列の数は、図1の中の列の数に一致しないことが留意されたい。
【0035】
図1のスピナレット部100のオリフィス130は、各オリフィス入口140の中心から対応するオリフィス出口150の中心を通る直線が、図2の第2の部分200のスリット入口230の前で互いに交差しないように配置されている。
【0036】
ダイの他の例が、図4から図6に提供されている。図4のAは、円形基部410および半シリンダ形態の曲線部420を有するスピナレット部400の斜視図である。曲線部420は複数のオリフィス430を含む(図4のB)。オリフィス430は千鳥配列に曲線部420の一面に配置されている。オリフィスは、使用の間に材料(例えば、溶融重合体または溶解重合体)を受けるための入口440(図4のC参照)および反対側のオリフィス出口450(図4のC参照)を有する。図4のBは、図4のAの同じスピナレット部400の平面図である。図4のCは、図4のBに表された破線A−Aにわたるスピナレット部400の断面図である。図4のDは、図4のBの破線B−Bにわたるスピナレット部400の断面図である。図4のCを参照すると、オリフィス430はオリフィス入口440、対応するオリフィス出口450、およびオリフィス入口とオリフィス出口との間のチャンネル460を有する。この例において、図4のCから明らかなように、チャンネルは直線である。
【0037】
図4から明らかなように、図1のスピナレット部との違いは、チャンネル460が円錐形状よりも直線であることである。また、スピナレット部400の曲線部は空洞であるが、オリフィス自体を除いて、スピナレット部100の曲線部は中実である。その結果、オリフィス出口と、第2の部分の開口の出口との距離は、スピナレットタイプ100よりもスピナレットタイプ400に関して一般的により大きい。スピナレット部400の利点は、例えば、スピナレット部100より作製することが一般的に容易である。スピナレット部100の利点は、例えば、オリフィス出口から第2の部分の開口出口に移動する場合の繊維の配向損失の危険性は若干低い。これは、比較的低い粘性の材料、つまり比較的速い緩和時間の材料が、ダイを通って押圧される場合に明らかとなる可能性がある。
【0038】
図4のスピナレット部と結合されることが可能な第2の部分の例が、図5に示されている。図5は、円形中実部510、および出口540を有する開口520を有する第2の部分500の斜視図である。図5のB、図5のCを参照すると、出口は幅がWOおよび長さがLである。
【0039】
図4、図5の寸法はミリメートルである。図4、図5は単に例示であり、ダイは、例えば、より大きな寸法まで拡大されることができることが留意されたい(例えば、より多くのオリフィス、より大きなスピナレット長、より大きなスリット長など)。図4、図5の例では、130のオリフィスが示されており、オリフィスの出口直径は0.1mmであり、したがって、N×D=1.3mmである。さらに、スリット出口は、長さが17mm、幅が0.06mmであり、したがって、表面積は1.02mmである(約(π/4)×1.3mm)。
【0040】
図6は、図4のスピナレット部400および図5の第2の部分500を組み合わせる場合に得られたダイ600を表す。図は単に概略であり、例えば、図6におけるオリフィス列の数は図4における列の数に一致しないことが留意されたい。
【0041】
図4のスピナレット部400のオリフィス430は、各オリフィス入口440の中心から、対応するオリフィス出口450の中心を通る直線が、図5の第2の部分500の開口520の前で互いに交差しないように配置されている。
【0042】
ダイ1000の他の例が図10A、図10Bに提供されている。ダイはスピナレット部1010および第2の部分1020を有する。スピナレット部のオリフィスはこの図には示されていない。1つの実施形態では、オリフィスは図4と同様の配置である。第2の部分はスリット形状の出口1030を有する。加えて、ダイはスリット形状の入口1050を有する半円形円筒状スペース1040を有する。この構成の利点は、それが、スピナレット部1010のスピナレット穴に入る材料に関してかなり同一の流入およびかなり一定の変形履歴を可能にするということである。1つの実施形態では、スリット1030は長さが120mm、幅が0.07mmであり、スピナレット部1010は入口および出口を備えた990のオリフィスを有し、入口および出口の両方は直径が0.1mmである(図4のスピナレット部のオリフィスと実質的に同様の方法であるが、長さが17mmの代わりに120mmにわたって配置されている)。
【0043】
方法
また、物品、例えば、重合物、例えば、重合体フィルム、積層品、管、または棒を作製する方法が提供される。1つの実施形態では、方法は上記のようなダイを採用する。
【0044】
1つの実施形態では、方法が提供され、方法は:
重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルム(または、例えば、管、棒、積層品)を形成し、開口の出口の表面積は次の式:
SA<N×D
(ここで、SAは開口の出口の表面積を表し、Nはスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む。
【0045】
1つの実施形態では、方法が提供され、方法は:
重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルム(または、例えば、管、棒、積層品)を形成し、前記開口の出口でのフィルムの幅Wおよび厚さTは、次の式:
W×T<N×D
(ここで、Nはスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む。
【0046】
1つの実施形態では、材料は高分子材料である。1つの実施形態では、重合体は熱可塑性物質である。1つの実施形態では、重合体はポリオレフィン、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンである。1つの実施形態では、重合体は、フッ素重合体、例えば、テトラフロオルエチレン重合体、例えば、テトラフロオルエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテル(例えば、ペルフルオロプロピルビニルエーテル)またはヘキサフルオロエチレンの共重合体である。1つの実施形態では、重合体は液晶性重合体である。1つの実施形態では、重合体はリオトロピック液晶性重合体である。1つの実施形態では、重合体はサーモトロピック液晶性重合体である。1つの実施形態では、重合体はポリアラミド、例えば、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)である。1つの実施形態では、重合体は、ポリエステル、例えば、共重合ポリエステル、例えば、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸−コ−2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸)共重合体である。1つの実施形態では、重合体はポリ{ジイミダゾピリジニレン(ジヒドロキシ)フェニレン}、例えば、ポリ({2,6−ジイミダゾール[4,5−b:4’,5’−e]ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン})である。1つの実施形態では、重合体はポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)である。1つの実施形態では、重合体は生分解性重合体である。1つの実施形態では、重合体はセルロースまたはセルロース誘導体である。上記の重合体のうちのいくつかの市販例は、例えば、商標名がKevlar(TM)、Twaron(TM)、Vectra(TM)、M5(TM)およびZylon(TM)で入手可能なものである。1つの実施形態では、材料は重合体ブレンドである。1つの実施形態では、材料は、1つまたは複数の重合体グレードに加えて、1つまたは複数の添加物、接着剤、染料、酸化防止剤、モノマー、可塑剤等を含む。
【0047】
1つの実施形態では、重合体はダイを通って押圧される場合に溶融している。1つの実施形態では、重合体は、ダイを通って押圧される場合に溶解している。1つの実施形態では、溶解物はゲルである。
【0048】
1つの実施形態では、1つの重合体グレードはスピナレットを通って押圧される。1つの実施形態では、1つより多い重合体グレード、例えば、2つの重合体グレード、3つの重合体グレード、または4つの重合体グレードが、スピナレットを通って押圧される。1つの実施形態では、スピナレットにおけるオリフィスの1つの部分は1つの重合体グレードを受け、スピナレットにおけるオリフィスの他の部分は他の重合体グレードを受ける。1つの実施形態では、1つより多い重合体グレードは、スピナレットを通って押圧され、1つまたは複数の添加物、接着剤、染料、酸化防止剤、モノマー、可塑剤等は、スピナレットの異なる部分を別に通って押圧される。1つの例について、図7、図8を参照されたい。これらの図は、ダイがオリフィス入口を分離する部分700を含む以外は、図3、図6にそれぞれ大部分は一致する。このように、重合体グレード(例えば、グレード1、図7、図8)は、他の重合体グレード(例えば、グレード2、図7、図8)中に、例えばひずみとして制御可能に散在されることができる。例えば、図9に表されるように、大多数の重合体グレード2および少数のひずみの重合体グレード1を有する重合体フィルム900が作製されることができる。1つの実施形態では、重合体グレードが同様の種類である。同様の種類の重合体グレードの利点は、フィルムのグレード間のより良好な付着および実質的に同種の機械的特性とすることが可能である。1つの実施形態では、グレードのうちの1つ(例えば、小さな部分に存在するグレード)の溶融温度は、他のグレード(例えば、大部分に存在するグレード)の溶融温度より低い。この実施形態の利点は、フィルムを積層することとすることが可能である。例えば、積層することは、小さな重合体部の溶融温度より高いが、主な重合体部の温度より低い温度にフィルムの温度を加熱することによって達成されることが可能である。そのとき、溶解する小さい重合体部は、フィルムをともに接着することに役立つことが可能である。
【0049】
1つの実施形態では、物品は材料と共押し出しされて、重合物上にコーティングを形成する。1つの実施形態では、コーティングは重合体フィルムを積層する場合に接着剤として役立つことができる材料である。
【0050】
1つの実施形態では、重合物はダイを出た直後に急冷される(例えば、冷却、溶媒の除去、または両方)。例えば、フィルムの製造においてダイを出た直後に急冷する利点は、ダイを出るフィルムの幅が実質的に維持されるということである。1つの実施形態では、重合物は、液体、例えば、水性液体、例えば、水中に物品を導くことによって急冷される。1つの実施形態では、重合物は、冷却ガス、例えば、冷却窒素ガスに晒すことによって急冷される。1つの実施形態では、重合物はダイを出た後に10cm以内、例えば、5cm以内、3cm以内、1cm以内、または0.5cm以内で急冷される。1つの実施形態では、ダイは急冷ゾーン(例えば、液体)と接触する。1つの実施形態では、重合物は、ダイを出た後0.1mmを超えて、例えば、ダイを出た後0.5mmを超えて、または1mmを超えて急冷される。
【0051】
重合物は、後処理、例えば、アニール、さらに延伸、架橋などをされることが可能である。1つの実施形態では、物品は、引張応力下、例えば、1から50MPaの範囲、例えば、1から10MPa、3MPa、5から40MPa、10から30MPaまたは15から25MPaの応力で熱処理される(例えば、200から280℃の範囲で、例えば、260℃)。
【0052】
応用
1つの実施形態では、重合体フィルム、例えば、本明細書に記載されたダイおよび/または本明細書に記載された方法で得られた重合体フィルムが提供される。1つの実施形態では、フィルムの幅は、少なくとも1cm、例えば、少なくとも2cm、少なくとも10cm、少なくとも50cm、少なくとも100cm、少なくとも250cm、少なくとも500cm、または少なくとも1000cmである。1つの実施形態では、幅は、10000cm未満、例えば、5000cm未満、1000cm未満、200cm未満、100cm未満、50cm未満、20cm未満、15cm未満、10cm未満、8cm未満、または6cm未満である。1つの実施形態では、フィルムの引張係数は少なくとも50GPaである。1つの実施形態では、引張係数は、理論最大係数の少なくとも25%、例えば、少なくとも35%、少なくとも45%、少なくとも55%、または少なくとも70%である。1つの実施形態では、引張係数は200GPa未満、例えば、150GPa未満、100GPa未満、または75GPa未満である。1つの実施形態では、引張係数は、理論最大係数の95%未満、例えば、90%未満、85%未満、80%未満、65%未満、または50%未満である。
【0053】
1つの実施形態では、重合体フィルムの損失弾性率 (「E”」)は、温度25℃、および周波数1Hzでの動的機械的熱分析で決まるように、少なくとも0.75GPa、例えば、少なくとも1GPa、少なくとも1.5GPa、少なくとも2GPa、少なくとも2.5GPa、または少なくとも2.7GPaである。1つの実施形態では、損失弾性率は、8GPa未満、例えば、5GPa未満、4GPa未満、または3GPa未満である。1つの実施形態では、重合体フィルムの貯蔵弾性率(E’)は、温度25℃、周波数1Hzでの動的機械的熱分析で決まるように、少なくとも20GPa、例えば、少なくとも30GPa、少なくとも40GPa、少なくとも50GPa、または少なくとも60GPaである。1つの実施形態では、貯蔵弾性率は、100GPa未満、例えば、85GPa未満、または70GPa未満である。
【0054】
1つの実施形態では、重合体フィルムは、固有損失弾性率、つまり、フィルム材料(25℃)の密度で割られた損失弾性率(25℃、1Hz)を有し、固有損失弾性率は、少なくとも75km、例えば、少なくとも100km、少なくとも125km、少なくとも150km、少なくとも175km、または少なくとも200kmである。1つの実施形態では、固有損失弾性率 は、600km未満、例えば、450km未満、または300km未満である。1つの実施形態では、重合体フィルムは、固有貯蔵弾性率、つまりフィルム材料(25℃)の密度で割られた貯蔵弾性率(25℃、1Hz)を有し、固有貯蔵弾性率は、少なくとも1000km、例えば、少なくとも2000km、少なくとも3000km、少なくとも4000km、または少なくとも4250kmである。1つの実施形態では、重合体フィルムの固有貯蔵弾性率は、10000km未満、例えば、7500km未満または5000km未満である。
【0055】
良好な減衰(十分に高い損失弾性率)と良好な剛性(十分に高い貯蔵弾性率)の組み合わせは、特に、重量ベースで、例えば、高性能の減衰用途(特に、軽量が重要な場合)において関心が高い。例えば、データ保存システム、航空宇宙用途、テニスラケット、ホッケースティックなどのスポーツ用品、または望ましくない方法で内部もしくは外部振動によって達成されることが可能な任意の他の電気的、聴覚的、光学的、機械的、または任意の他の物体、装置または物質である。これらのテープの有利な減衰特性は、また、例えば、積層品を構築する単方向性炭素繊維強化複合積層間の層として複合材料における高減衰層として関心が高い。
【0056】
1つの実施形態では、フィルムの厚さは、150マイクロメートル未満、例えば、100マイクロメートル未満、50マイクロメートル未満、25マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、または5マイクロメートル未満である。1つの実施形態では、フィルムの厚さは、少なくとも1マイクロメートル、例えば、少なくとも2マイクロメートル、少なくとも3マイクロメートル、または少なくとも4マイクロメートルである。
【0057】
1つの実施形態では、フィルムが積層される。1つの実施形態では、積層品は、3つの層(例えば、0/60/120構成において)、4つの層(例えば、0/45/90/135構成において)、または4より多い層からなる。1つの実施形態では、積層品は、20未満の層、例えば、15未満の層、10未満の層、または7未満の層を含む。
【0058】
1つの実施形態では、積層品は、積層品の平面における少なくとも2つの垂直方向に、少なくとも5GPa、例えば、少なくとも8GPa、少なくとも10GPa、または少なくとも12GPaの引張係数を有する。1つの実施形態では、積層品は、積層品の平面におけるすべての方向に、少なくとも5GPa、例えば、少なくとも8GPa、少なくとも10GPa、少なくとも12GPa、または少なくとも15GPaの引張係数を有する。1つの実施形態では、積層品は積層品の平面における実質的に等方性の引張係数を有する。
【0059】
1つの実施形態では、フィルムはフィルムの表面上で接着剤を使用して積層される。1つの実施形態では、積層品は、積層品の全重量に対して25重量%未満の接着剤(例えば、エポキシ樹脂または比較的低い溶融成分)、例えば、15重量%未満の接着剤、10重量%未満の接着剤、7重量%未満の接着剤、4重量%未満の接着剤、または1重量%未満の接着剤を含む。1つの実施形態では、接着剤は使用されない。1つの実施形態では、積層品は単一重合体グレードから実質的になる。制限された量の接着剤を使用する(または使わない)利点は、1つまたは複数の機械的特性(例えば、引張係数)にそのような接着剤が悪影響をもたらす可能性があるということである。1つの実施形態では、積層は、テープを積み重ね、積み重ねを高い温度および/または高い圧力に晒すことによって達成される。1つの実施形態では、フィルムは、フィルム中に存在する比較的低い溶融成分を使用して積層される(例えば、フィルムを、低い溶融成分の温度より上であるが高い溶融成分の溶融温度より下に加熱することによって)。
【0060】
1つの実施形態では、重合物(例えば、重合体フィルム、または重合体積層品)は、帆の製造で使用される。他の用途は、例えば、管、パイプ、パネル、保護シート、航空宇宙および自動車用途、スポーツ物品(例えば、テニスラケット、ホッケースティック、ランニングシューズ)、ヘルメット、安全装備、家具、コンテナー、索、フライホイール、複合材料中の高減衰層である(複合積層、例えば、積層品を構築する単方向性炭素繊維強化複合積層間の層として)。
【0061】
1つの実施形態では、重合物は安全対策で使用される。例えば、フィルムは方向性のあるかすみを特徴とすることが可能である。例えば、フィルムとその後ろの文字列との距離を増大させる際に、文字列は、ホイルの配向方向に沿って十分に明らかにされることが可能であり、一方、ホイルに垂直な場合には画像が不鮮明となる可能性がある。
【0062】
さらなる実施形態
1.重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルム(または他の物体、例えば、管または棒)を形成することであり、開口の出口の表面積は次の式:
SA<N×D
(ここで、SAは開口の出口の表面積を表し、Nはスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む、方法。
【0063】
2.SA<0.9×N×Dである、実施形態1に記載の方法。
【0064】
3.SA>0.6×N×D である、実施形態1、2のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
4.SAは約(π/4)×N×Dである、実施形態1に記載の方法。
【0066】
5.前記開口を出た後に前記フィルムを急冷することをさらに含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
6.前記急冷は、液体を通ってフィルムを導くことによって達成される、実施形態5に記載の方法。
【0068】
7.前記急冷は、前記開口の前記出口の5cm以内で行われる、実施形態5、6のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
8.前記急冷は、前記開口の前記出口の2cm以内で行われる、実施形態5、6のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
9.前記急冷は、前記開口の前記出口の1cm以内で行われる、実施形態5、6のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
10.前記急冷は、前記開口の前記出口の0.5cm以内で行われる、実施形態5、6のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
11.前記重合体は前記押圧中に溶融している、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0073】
12.前記重合体は前記押圧中に溶解している、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
13.重合体溶解物はゲルである、実施形態12に記載の方法。
【0075】
14.前記重合体はポリオレフィンである、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
15.前記重合体は液晶性重合体である、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
16.前記重合体はサーモトロピック液晶性重合体である、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
17.前記重合体はリオトロピック液晶性重合体である、実施形態1から10および12のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
18.前記複数の重合体繊維は、前記オリフィス出口から前記開口の前記出口に移動する場合に互いに交差しない、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
19.前記各複数の重合体繊維について、そのオリフィス出口から前記開口内のその移動先への距離はほぼ同じである、実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
20.オリフィス出口の直径は200マイクロメートル未満である、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
【0082】
21.オリフィス出口のいずれかと開口出口の最も近い点との距離は、5cm未満である、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
22.前記開口の出口はスリットである、実施形態1から21のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
23.前記スリットの出口の長さは少なくとも2cmである、実施形態22に記載の方法。
【0085】
24.前記スリットの出口の長さは少なくとも5cmである、実施形態22に記載の方法。
【0086】
25.前記スリットの出口の長さは少なくとも8cmである、実施形態22に記載の方法。
【0087】
26.前記スリットの出口の長さは100cm未満である、実施形態22から25のいずれか1つに記載の方法。
【0088】
27.前記スリットの出口の長さは20cm未満である、実施形態22から25のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
28.前記スリットの出口の長さは12cm未満である、実施形態22から25のいずれか1つに記載の方法。
【0090】
29.重合体フィルムをコーティング材料と共押し出しすることをさらに含む、実施形態1から28のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
30.前記コーティング材料は、フィルムを積層する場合に接着剤として機能することができる、実施形態29に記載の方法。
【0092】
31.単一重合体グレードがスピナレットに供給される、実施形態1から30のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
32.1つより多い単一重合体グレードがスピナレットに供給される、実施形態1から30のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
33.スピナレットにおける大多数のオリフィスは第1の重合体グレードを受け、スピナレットにおける少数のオリフィスは第2の重合体グレードを受ける、実施形態32に記載の方法。
【0095】
34.90%より多いオリフィスは第1の重合体グレードを受ける、実施形態33に記載の方法。
【0096】
35.95%より多いオリフィスは第1の重合体グレードを受ける、実施形態33に記載の方法。
【0097】
36.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは少なくとも10C異なる溶融温度を有する、実施形態33から35のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
37.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは最大限でも50C異なる溶融温度を有する、実施形態33から36のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
38.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは同じ重合体族である、実施形態33から37のいずれか1つに記載の方法。
【0100】
39.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは、両方がポリオレフィン重合体または両方が液晶性重合体である、実施形態33から38のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
40.実施形態1から39のいずれか1つに記載の方法で得られたフィルム。
【0102】
41.前記開口の出口はスリットであり、フィルムは前記スリットの長さの少なくとも70%である幅を有する、実施形態1から40のいずれか1つに記載の方法で得られたフィルム。
【0103】
42.前記幅は前記スリットの長さの少なくとも90%である、実施形態41のフィルム。
【0104】
43.重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルムを形成することであり、前記開口の出口でのフィルムの幅Wおよび厚さTは、次の式:
W×T<N×D
(ここで、Nはスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む、方法。
【0105】
44.W×T<0.9×N×Dである、実施形態43に記載の方法。
【0106】
45.W×T>0.6×N×Dである、実施形態43、44のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
46.W×Tは約(π/4)×N×Dである、実施形態43に記載の方法。
【0108】
47.前記開口を出た後に前記フィルムを急冷することをさらに含む、実施形態43から46のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
48.前記急冷は、液体を通ってフィルムを導くことによって達成される、実施形態47に記載の方法。
【0110】
49.前記急冷は、前記開口の前記出口の5cm以内で行われる、実施形態47、48のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
50.前記急冷は、前記開口の前記出口の2cm以内で行われる、実施形態47、48のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
51.前記急冷は、前記開口の前記出口の1cm以内で行われる、実施形態47、48のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
52.前記急冷は、前記開口の前記出口の0.5cm以内で行われる、実施形態47、48のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
53.前記重合体は前記押圧中に溶融している、実施形態43から52のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
54.前記重合体は前記押圧中に溶解している、実施形態43から52のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
55.重合体溶解物はゲルである、実施形態54に記載の方法。
【0117】
56.前記重合体はポリオレフィンである、実施形態43から55のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
57.前記重合体は液晶性重合体である、実施形態43から55のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
58.前記重合体はサーモトロピック液晶性重合体である、実施形態43から53のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
59.前記重合体はリオトロピック液晶性重合体である、実施形態43から52および54のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
60.前記複数の重合体繊維は、前記オリフィス出口から前記開口の前記出口に移動する場合に互いに交差しない、実施形態43から59のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
61.前記各複数の重合体繊維について、そのオリフィス出口から前記開口内のその移動先への距離はほぼ同じである、実施形態43から60のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
62.オリフィス出口の直径は200マイクロメートル未満である、実施形態43から61のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
63.オリフィス出口のいずれかと開口出口の最も近い点との距離は、5cm未満である、実施形態43から61のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
64.前記開口の出口はスリットである、実施形態43から63のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
65.前記スリットの出口の長さは少なくとも2cmである、実施形態64に記載の方法。
【0127】
66.前記スリットの出口の長さは少なくとも5cmである、実施形態64に記載の方法。
【0128】
67.前記スリットの出口の長さは少なくとも8cmである、実施形態64に記載の方法。
【0129】
68.前記スリットの出口の長さは100cm未満である、実施形態64から67のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
69.前記スリットの出口の長さは20cm未満である、実施形態64から67のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
70.前記スリットの出口の長さは12cm未満である、実施形態64から67のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
71.重合体フィルムをコーティング材料と共押し出しすることをさらに含む、実施形態43から70のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
72.前記コーティング材料は、フィルムを積層する場合に接着剤として機能することができる、実施形態71に記載の方法。
【0134】
73.単一重合体グレードがスピナレットに供給される、実施形態43から72のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
74.1つより多い単一重合体グレードがスピナレットに供給される、実施形態43から72のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
75.スピナレットにおける大多数のオリフィスは第1の重合体グレードを受け、スピナレットにおける少数のオリフィスは第2の重合体グレードを受ける、実施形態74に記載の方法。
【0137】
76.90%より多いオリフィスは第1の重合体グレードを受ける、実施形態75に記載の方法。
【0138】
77.95%より多いオリフィスは第1の重合体グレードを受ける、実施形態75に記載の方法。
【0139】
78.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは少なくとも10C異なる溶融温度を有する、実施形態75から77のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
79.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは最大限でも50C異なる溶融温度を有する、実施形態75から78のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
80.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは同じ重合体族である、実施形態75から79のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
81.第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは、両方がポリオレフィン重合体または両方が液晶性重合体である、実施形態75から80のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
82.実施形態43から81のいずれか1つに記載の方法で得られたフィルム。
【0144】
83.前記開口の出口はスリットであり、フィルムは前記スリットの長さの少なくとも70%である幅を有する、実施形態43から82のいずれか1つに記載の方法で得られたフィルム。
【0145】
84.前記幅は前記スリットの長さの少なくとも90%である、実施形態83のフィルム。
【0146】
85.1つより多い重合体グレードを各々溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットは複数のオリフィスを有し、オリフィスは重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルム(または他の物体、例えば、管または棒)を形成することであり、第1の重合体グレードはスピナレットの大多数のオリフィスを通って押圧され、第2の重合体グレードは残りのオリフィスの1つまたは複数を通って押圧されることとを含む、方法。
【0147】
86.前記第2の重合体グレードは残りのオリフィスのすべてを通って押圧される、実施形態85の方法。
【0148】
87.第3の重合体グレードは残りのオリフィスの1つまたは複数を通って押圧される、実施形態85の方法。
【0149】
88.前記重合体グレードのすべては同じ種類の重合体に属する、実施形態85から87の方法。
【0150】
89.前記重合体グレードはすべてポリオレフィンである、実施形態85から87の方法。
【0151】
90.前記重合体グレードはすべてサーモトロピック液晶性重合体である、実施形態85から87の方法。
【0152】
91.重合体グレードはすべてリオトロピック液晶性重合体である、実施形態85から87の方法。
【0153】
92.重合体グレードのうちの2つは少なくとも10℃の溶融温度差を有する、実施形態85から91の方法。
【0154】
93.重合体グレードのうちの2つは最大限でも10℃の溶融温度差を有する、実施形態85から92の方法。
【0155】
94.重合体グレードのうちの1つは、オリフィスの少なくとも90%に供給される、実施形態85から93の方法。
【0156】
95.重合体グレードのうちの1つは、オリフィスの少なくとも95%に供給される、実施形態85から93の方法。
【0157】
96.重合体グレードのうちの1つは、オリフィスの少なくとも98%に供給される、実施形態85から93の方法。
【0158】
97.実施形態93の方法で得られたフィルム。
【0159】
98.幅が少なくとも5cm、
引張係数が最大理論係数の25%以上である、液晶性重合体のフィルム。
【0160】
99.幅が少なくとも8cmである、実施形態98のフィルム。
【0161】
100.幅が50cm未満である、実施形態98または99のフィルム。
【0162】
101.幅が少なくとも5cmであり、
引張係数が少なくとも50GPaである、液晶性重合体のフィルム。
【0163】
102.幅が少なくとも8cmである、実施形態101のフィルム。
【0164】
103.幅が50cm未満である、実施形態101または102のフィルム。
【0165】
104.液晶性重合体のフィルムの積層品の平面における少なくとも2つの垂直方向に少なくとも10GPaの係数を有する、液晶性重合体のフィルムの積層品。
【0166】
105.液晶性重合体のフィルムの積層品の平面におけるすべての方向に少なくとも10GPaの係数を有する、液晶性重合体のフィルムの積層品。
【0167】
106.前記積層品は少なくとも3つの層のフィルムを含む、実施形態104、105のいずれか1つに記載の積層品。
【0168】
107.前記積層品は少なくとも4つの層のフィルムを含む、実施形態104、105のいずれか1つに記載の積層品。
【0169】
108.重合体はサーモトロピック液晶性重合体である、実施形態98から103のいずれか1つに記載のフィルムまたは実施形態104から107のいずれか1つに記載の積層品。
【0170】
109.重合体は共ポリエステルである、実施形態108に記載のフィルムまたは積層品。
【0171】
110.重合体はリオトロピック液晶性重合体である、実施形態98から103のいずれか1つに記載のフィルムまたは実施形態104から107のいずれか1つに記載の積層品。
【0172】
111.実施形態98から110のいずれか1つに記載のフィルムまたは積層品を含む帆。
【0173】
112.実施形態98から103または108から110のいずれか1つに記載のフィルムを含む安全対策。
【0174】
113.複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口はオリフィス出口から見て外方に向く出口を有する第2の部分とを含み、
開口の出口の表面積は次の式:
SA<N×D
(ここで、SAは開口の出口の表面積を表し、Nはスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレット部のオリフィス出口の直径を表す)に従う、ダイ。
【0175】
114.SA<0.9×N×Dである、実施形態113に記載のダイ。
【0176】
115.SA>0.6×N×Dである、実施形態113、114のいずれか1つに記載のダイ。
【0177】
116.SAは約(π/4)×N×Dである、実施形態113に記載のダイ。
【0178】
117.スピナレット部は曲がっている、実施形態113から116のいずれか1つに記載のダイ。
【0179】
118.オリフィスは、それらの対応するオリフィス出口より大きな表面積を有する入口を有する、実施形態113から117のいずれか1つに記載のダイ。
【0180】
119.オリフィス入口とそれらの対応するオリフィス出口との間のチャンネルは円錐形状である、実施形態118に記載のダイ。
【0181】
120.オリフィスは出口とほぼ同じ表面積を有する入口を有する、実施形態113から117のいずれか1つに記載のダイ。
【0182】
121.前記オリフィスの出口は50から250マイクロメートルの範囲の直径を有する、実施形態113から120のいずれか1つに記載のダイ。
【0183】
122.前記開口の前記出口はスリットである、実施形態113から121のいずれか1つに記載のダイ。
【0184】
123.前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分は分離可能に接続されている、実施形態113から122のいずれか1つに記載のダイ。
【0185】
124.前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分は、分離不能に接続されている、実施形態113から122のいずれか1つに記載のダイ。
【0186】
125.複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口はオリフィス出口から見て外方に向く出口を有する第2の部分とを含み、
次の式:
EL×WO<N×D
(ここで、Nはスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dはスピナレット部のオリフィス出口の直径を表し、WOは開口の幅を表し、ELはスピナレット部から材料を受けるように設計された開口の長さを表す)に従う、ダイ。
【0187】
126.EL×WO<0.9×N×Dである、実施形態125に記載のダイ。
【0188】
127.EL×WO>0.6×N×Dである、実施形態125から127のいずれか1つに記載のダイ。
【0189】
128.EL×WOは約(π/4)×N×Dである、実施形態125に記載のダイ。
【0190】
129.スピナレット部は曲がっている、実施形態125から128のいずれか1つに記載のダイ。
【0191】
130.オリフィスはそれらの対応するオリフィス出口より大きな表面積を有する入口を有する、実施形態125から129のいずれか1つに記載のダイ。
【0192】
131.オリフィス入口とそれらの対応するオリフィス出口との間のチャンネルは円錐形状である、実施形態130に記載のダイ。
【0193】
132.オリフィスは出口とほぼ同じ表面積を有する入口を有する、実施形態125から129のいずれか1つに記載のダイ。
【0194】
133.前記オリフィスの出口は、50から250マイクロメートルの範囲の直径を有する、実施形態125から132のいずれか1つに記載のダイ。
【0195】
134.前記開口の前記出口はスリットである、実施形態125から133のいずれか1つに記載のダイ。
【0196】
135.前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分は、分離可能に接続されている、実施形態125から134のいずれか1つに記載のダイ。
【0197】
136.前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分は、分離不能に接続されている、実施形態125から134のいずれか1つに記載のダイ。
【0198】
137.複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口は、オリフィス出口の方を向く開口入口と、オリフィス出口から見て外方に向く開口出口とを有する第2の部分とを含み、
オリフィスは、各オリフィス入口の中心から、対応するオリフィス出口の中心を通って開口入口への直線が、互いに交差しないように配置されている、ダイ。
【0199】
138.複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスは入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口は、オリフィス出口の方を向く開口入口と、オリフィス出口から見て外方に向く開口出口と、を有する第2の部分とを含み、
スピナレット部および第2の部分は、スピナレット部に由来する繊維が、第2の部分に達する前に接しないように構成および配置されている、ダイ。
【0200】
139.繊維は実質的直線に沿って接している、実施形態138のダイ。
【0201】
140.オリフィスは千鳥配列に配置されている、実施形態113から139のいずれか1つに記載のダイ。
【0202】
141.幅が少なくとも2cmであり、損失弾性率が0.75GPaより大きく、貯蔵弾性率が20GPaより大きい、重合体フィルム。
【0203】
142.損失弾性率は2GPaより大きい、実施形態141のフィルム。
【0204】
143.幅が少なくとも2cmであり、固有損失弾性率が75kmより大きく、固有貯蔵弾性率が1000kmより大きい、重合体フィルム。
【0205】
144.固有損失弾性率 は150kmより大きい、実施形態143のフィルム。
【0206】
145.固有貯蔵弾性率は3000kmより大きい、実施形態143、144のいずれか1つに記載のフィルム。
【0207】
146.フィルムは単一重合体グレードから実質的になる、実施形態141から145のいずれか1つに記載の重合体フィルム。
【0208】
147.フィルムは2つ以上の重合体グレードの混合物から実質的になる、実施形態141から145のいずれか1つに記載の重合体フィルム。
【0209】
実施例
次の実施例が、本発明の特有の実施形態として、その実行および利点を明らかにするために与えられる。実施例が例示として与えられ、いかなる方法によっても以下の明細書または請求項を限定することが意図されないことが理解される。
【0210】
機械的特性:引張係数(以下、E係数とも称する)、破断点強度(または応力)、および破断点伸びが、次の試験条件下で測定された:ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸−コ−2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸)共重合体を含む以下のサンプルについてのゲージ長は、50mmから100mmの範囲であり、クロスヘッド速度は、室温でゲージ長/分の10%であった(例えば、50mmのサンプルについては、クロスヘッド速度は5mm/分であった)。ポリエチレンを含む以下のサンプルについては、ゲージ長は50mmであり、クロスヘッド速度は5mm/分、室温であった。
【0211】
以下の実施例において引用される重合体「Vectra(TM)A950」は、Ticona,Germanyのポリ(p−ヒドロキシ安息香酸−コ−2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸)共重合体である。それは、6−オキシ−2−ナフトイル部の約25から27モルパーセントおよびp−オキシベンゾイル部の73から75モルパーセントからなると考えられる。それは、溶融温度が約280℃および密度「ρ」(25℃)が約1.4g/cmのサーモトロピック液晶性重合体である。それは、使用前に、真空下で80℃で一晩乾燥された。
【0212】
以下の実施例で引用される一軸押出機は、Dr.Collin GmbH、Ebersberg、GermanyのTeach−Line E20T SCD15の一軸押出機である。
【0213】
以下の実施例で引用される二軸押出機は、Dr.Collin GmbH、Ebersberg、GermanyのTeach−Line二軸押出機2K25Tである。
【0214】
実施例1
使用される材料は、Vectra(TM)A950であった。テープは、図10のダイに類似する自家製ダイ(長さが120mm、幅が0.07mmのスリットおよび入口および出口を備え両方とも直径が0.1mmの990のオリフィスを有する(図4のスピナレット部のオリフィスと実質的に同様の方法で配置されているが長さ17mmの代わりに120mmにわたって)スピナレット部を備えた)を具備する一軸押出機を使用して、300℃で連続押し出しによって製造された。様々な押し出し速度が、10から60rpmの範囲で使用された。テープは、巻き取り機(DACA Instruments,Santa Barbara,USA)に集められた。様々な巻き取り機の力が、250m/分の巻き取り機の速度まで使用された。不均一ではあるが、例えば、空洞を含んだ、および/またはそれらの幅にわたって厚さが実質的に変化したテープが製造された。
【0215】
実施例2
実施例1の実験が、0.07mmの低減されたスリット幅出口で繰り返された(巻き取り機の速度が変化された範囲はより小さく、つまり、最大巻き取り機速度は125m/分未満であった)。59GPaの延伸方向に引張係数を有するテープを含めて良好な品質の透明テープが製造された。
【0216】
実施例3
実施例2によって製造されたテープは、一旦、テープの延伸方向がページ上の文に垂直な状態で、および一旦、テープの延伸方向がページ上の文と平行な状態で、タイプされたテキストのページのやや上に設置された。延伸方向が文と平行であった場合には、文は容易に読まれることができた。垂直の場合には、テキストはゆがんだ。
【0217】
実施例4
実施例2のテープは、鋼棒に張力により巻回された。棒に巻回された最終的な層の厚さは、約1mmであった。テープを備えた棒は、窒素雰囲気下で250℃に3時間晒された。鋼棒は、次いで、巻回されたテープから分離された。巻回されたテープは中空管を形成した。
【0218】
実施例5
実施例2のテープは、準等方性テープのレイアップ(0/45/−45/90)で積み重ねられた。積み重ねは、次いで、真空型内で0.5MPaの圧力で250℃で3時間晒されて、1.7mmの厚さのプレートをもたらした。プレートは、半透明な外観を有していた。
【0219】
実施例6
実施例2のテープ(厚さ0.007mm、E係数=50GPa)は、準等方性複合体に積み重ねられた。これは、次の角度:0/45/−45/90で互いに4つのテープを積み重ねることによって行われた。テープの積み重ねは、次いで、真空型に移動され、0.5MPaの圧力で250℃で1時間晒された。結果として生じるシートは、シート平面において実質的に等方性の機械的特性を有しており、それは次の表1に記載されている。
【0220】
【表1】

【0221】
実施例7
Vectra(TM)A950が一軸押出機に供給され、一軸押出機は20mmの直径を備え、320℃の温度で80rpmで操作された。押出機は、実施例1と同じダイに接続された。ダイの温度は290℃に設定された。
【0222】
押し出されたテープは、内部水冷式の金属の箱によってダイから2mmの距離で急冷された。押し出されたVectra(TM)フィルムの付着を防ぐために、ポリプロピレンからなる支持フィルムが、その箱の上を導かれた。支持フィルム上のVectra(TM)テープは、次いで、一対の速度制御ローラー上を導かれ、ロールに巻き取られれた。巻き取り速度は1m/秒に設定された。
【0223】
システムがその定常状態に達した場合には、押出機バレルの端での圧力は約60バールであった。Vectra(TM)テープは、幅が120mm、厚さが0.005mmであった。テープの機械的特性は表2に記載されている。
【0224】
【表2】

【0225】
実施例8
Vectra(TM)A950の90重量%が、2軸押出機を使用して、ポリブチレンテレフタレート樹脂(「PBT」)(Ultradur B 4520,BASF,Germany)の10重量%と混合され、2軸押出機には、押出機の充填をより良好に制御するために溶融ポンプが取り付けられていた。設備は300℃の温度で操作された。溶融ポンプの端にはノズルが設けられており、ノズルからの重合体鎖が水槽内で冷却され、次いで回転ナイフで粒状にされた。
【0226】
続いて、粒状の材料が乾燥され、次いで、20mmの直径を備えた一軸押出機に供給され、320℃の温度で操作され、70rpmで操作された。押出機は、実施例1と同じダイに接続された。ダイの温度は285℃に設定された。巻き取りロールの速度は0.3m/秒であった。
【0227】
システムがその定常状態に達した場合には、押出機バレルの端での圧力は約50バールであった。Vectra(TM)/PBTテープは、幅が120mm、厚さが0.014mmであった。テープの機械的特性は表3に記載されている。
【0228】
【表3】

【0229】
1.5MPaの圧力で250℃で15分間テープのいくつかの層を押圧することによって、テープのいくつかの層の複合体が得られた。250℃の温度は、PBT(220℃)の融点より高いがVectra(TM)(280℃)の融点より低かった。
【0230】
実施例9
実施例7において得られたVectra(TM)フィルムは、20MPaの張力で15時間、窒素雰囲気で200℃に晒された。このように処理されたフィルムの機械的特性が以下の表4に記載されている。例えば、E係数は処理前のフィルムに比較して21%増大した。
【0231】
【表4】

【0232】
実施例10
実施例7において得られたVectra(TM)フィルムは、10MPaの張力で窒素雰囲気で230℃に15時間晒された。このように処理されたフィルムの機械的特性が以下の表5に記載されている。例えば、破断点応力は処理前のフィルムに比較して25%増大し、破断点伸びは33%増大した。
【0233】
【表5】

【0234】
実施例11
8.7×10g/molの重量平均分子量を有するUHMW PE(DSM,TheNetherlands,Stamylan(R)UH610)の15重量%および1860g/molの平均分子量を有するパラフィンろう(Sasol GmbH,Germany,Sasolwax6403)の85重量%からなる混合物が、室温でタンブラー内で1時間、適切な量で成分を混合することによって準備された。続いて、混合物は2軸押出機に移動された。溶融ポンプ(Dr.Collin GMBH,Germany,1.2cm/U)が押出機に直接接続されていた。溶融ポンプヘッドは、図6のようなダイ(図4のスピナレット部および図5のスリット部を有する(図4、図5と同じ寸法を含む))に接続されていた。設備は200℃の温度で操作され、2軸押出機は160rpmで走行し、溶融ポンプは20rpmで作動した。押し出されたフィルムは、0.6m/秒の速度で巻き取られ、幅は14mm、厚さは0.012mmであった。テープの機械的特性は表6に記載されている。テープは、応力−ひずみ曲線で2つの降伏点を表した(したがって、2つのE係数値が表に示されている)。
【0235】
【表6】

【0236】
実施例12
実施例11のテープが80℃で10分間、デカリン(デカヒドロナフタレン)に浸漬されて、テープのパラフィン成分を溶解した。テープは処理中に押し出し方向に拘束された。テープの厚さは0.004mmに低減した。その機械的特性は表7に記載されている。テープは、応力−ひずみ曲線で2つの降伏点を表した(したがって、2つのE係数値が表に示される)。
【0237】
【表7】

【0238】
実施例13
ダイ部が図3に表されたようなダイ(図1のスピナレット部および図2のスリット部(図1、図2と同じ寸法を含む)を有する)に変更されたこと以外、実施例11が繰り返された。押し出されたフィルムは、0.6m/秒の速度で巻き取られ、幅は15mm、厚さは0.018mmであった。テープの機械的特性は表8に記載されている。テープは、応力−ひずみ曲線で2つの降伏点を表した(したがって、2つのE係数値が表に示される)。
【0239】
【表8】

【0240】
比較例A
ダイが図2に示されるスリット部のみからなる以外は、実施例11が繰り返された。押し出されたフィルムは、0.6m/秒の速度で巻き取られ、幅は15mm、厚さは0.023mmであった。テープの機械的特性は表9に記載されている。テープは、応力−ひずみ曲線で2つの降伏点を表した(したがって、2つのE係数値が表に示される)。
【0241】
【表9】

【0242】
比較例B
比較例Aのテープが80℃で10分間、デカリン(デカヒドロナフタレン)に浸漬されて、テープのパラフィン成分を溶解した。テープは処理中に押し出し方向に拘束された。テープの厚さは0.0068mmに低減した。その機械的特性は表10に記載されている。テープは、応力−ひずみ曲線で2つの降伏点を表した(したがって、2つのE係数値が表に示される)。
【0243】
【表10】

【0244】
実施例14
リオトロピック重合体ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)の5gの量が、98%硫酸15mlに80℃で溶解された。溶解は、ガラス張りのステンレス鋼の二重らせんミキサーを使用して、アルゴン雰囲気で6時間にわたって実行された。ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)は、E.I.du Pont de Nemoursから得られ、固有粘度は7.8dl/gであった。
【0245】
溶解物は、図6のようなダイ(図4のスピナレット部および図5のスリット部を有する(図4、図5と同じ寸法を含む))を具備したDACA Instruments、Santa Barbara,USA(実験室規模のピストン駆動押し出し装置)のSPINLINEツールで90℃で押し出された。押し出し速度は、11g/分の処理能力に対応する25mm/分であった。押し出し物は、水凝固浴槽にピンセットで手動で延伸された(推定延伸速度:約20m/分)。ダイの出口と水との間の空隙は、約1mmであった。幅が12mmの淡黄色テープが得られた。テープは、偏光下で明らかに複屈折性であった。
【0246】
実施例15
実施例7のVectra(TM)テープが、動的機械的熱分析(DMTA,Mettler DMA861e,Greifensee,Switzerland)Instrumrntでテストされた。押し出し方向のテープの等温走査が、−80から140℃の温度範囲で1℃ごとに1、10および100Hzで測定された。
【0247】
テストされたサンプルは、幅が3mm、長さが8mmであった。サンプルは、負荷1Nであらかじめ張力をかけられ、励振用極大値として、負荷0.25N、振幅4μmが選択された。貯蔵弾性率E’、損失弾性率E”および損失係数tan(δ)=(E”/E’)が1、10および100Hzの3つの周波数で温度の関数として記録された。表11を参照されたい。
【0248】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットが複数のオリフィスを有し、オリフィスが重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルムを形成することであり、開口の出口の表面積が次の式:
SA<N×D
(ここで、SAが開口の出口の表面積を表し、Nがスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dがスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む、方法。
【請求項2】
SA<0.9×N×Dである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
SA>0.6×N×D である、請求項1、2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
SAが約(π/4)×N×Dである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記開口を出た後に前記フィルムを急冷することをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記急冷が、液体を通ってフィルムを導くことによって達成される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記急冷が、前記開口の前記出口の5cm以内で行われる、請求項5、6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記急冷が、前記開口の前記出口の2cm以内で行われる、請求項5、6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記急冷が、前記開口の前記出口の1cm以内で行われる、請求項5、6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記急冷が、前記開口の前記出口の0.5cm以内で行われる、請求項5、6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記重合体が前記押圧中に溶融している、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記重合体が前記押圧中に溶解している、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
重合体溶解物がゲルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記重合体がポリオレフィンである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記重合体が液晶性重合体である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記重合体がサーモトロピック液晶性重合体である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記重合体がリオトロピック液晶性重合体である、請求項1から10および12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の重合体繊維が、前記オリフィス出口から前記開口の前記出口に移動する場合に互いに交差しない、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記各複数の重合体繊維について、そのオリフィス出口から前記開口内のその移動先への距離がほぼ同じである、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
オリフィス出口の直径が200マイクロメートル未満である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
オリフィス出口のいずれかと開口出口の最も近い点との距離が、5cm未満である、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記開口の出口がスリットである、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記スリットの出口の長さが少なくとも2cmである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記スリットの出口の長さが少なくとも5cmである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記スリットの出口の長さが少なくとも8cmである、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記スリットの出口の長さが100cm未満である、請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記スリットの出口の長さが20cm未満である、請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記スリットの出口の長さが12cm未満である、請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
重合体フィルムをコーティング材料と共押し出しすることをさらに含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記コーティング材料が、フィルムを積層する場合に接着剤として機能することができる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
単一重合体グレードがスピナレットに供給される、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
1つより多い単一重合体グレードがスピナレットに供給される、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
スピナレットにおける大多数のオリフィスが第1の重合体グレードを受け、スピナレットにおける少数のオリフィスが第2の重合体グレードを受ける、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
90%より多いオリフィスが第1の重合体グレードを受ける、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
95%より多いオリフィスが第1の重合体グレードを受ける、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードが少なくとも10C異なる溶融温度を有する、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードが最大限でも50C異なる溶融温度を有する、請求項33から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードが同じ重合体族である、請求項33から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードが、両方がポリオレフィン重合体または両方が液晶性重合体である、請求項33から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
請求項1から39のいずれか一項に記載の方法で得られたフィルム。
【請求項41】
前記開口の出口がスリットであり、フィルムが前記スリットの長さの少なくとも70%である幅を有する、請求項1から40のいずれか一項に記載の方法で得られたフィルム。
【請求項42】
前記幅が前記スリットの長さの少なくとも90%である、請求項41のフィルム。
【請求項43】
重合体を溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットが複数のオリフィスを有し、オリフィスが重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルムを形成することであり、前記開口の出口でのフィルムの幅Wおよび厚さTが、次の式:
W×T<N×D
(ここで、Nがスピナレットのオリフィス出口の数を表し、Dがスピナレットのオリフィス出口の直径を表す)に従うこととを含む、方法。
【請求項44】
W×T<0.9×N×Dである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
W×T>0.6×N×Dである、請求項43、44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
W×Tが約(π/4)×N×Dである、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記開口を出た後に前記フィルムを急冷することをさらに含む、請求項43から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記急冷が、液体を通ってフィルムを導くことによって達成される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記急冷が、前記開口の前記出口の5cm以内で行われる、請求項47、48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記急冷が、前記開口の前記出口の2cm以内で行われる、請求項47、48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記急冷が、前記開口の前記出口の1cm以内で行われる、請求項47、48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記急冷が、前記開口の前記出口の0.5cm以内で行われる、請求項47、48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記重合体が前記押圧中に溶融している、請求項43から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記重合体が前記押圧中に溶解している、請求項43から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
重合体溶解物がゲルである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記重合体がポリオレフィンである、請求項43から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記重合体が液晶性重合体である、請求項43から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記重合体がサーモトロピック液晶性重合体である、請求項43から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記重合体がリオトロピック液晶性重合体である、請求項43から52および54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記複数の重合体繊維が、前記オリフィス出口から前記開口の前記出口に移動する場合に互いに交差しない、請求項43から59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記各複数の重合体繊維について、そのオリフィス出口から前記開口内のその移動先への距離がほぼ同じである、請求項43から60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
オリフィス出口の直径が200マイクロメートル未満である、請求項43から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
オリフィス出口のいずれかと開口出口の最も近い点との距離が、5cm未満である、請求項43から61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記開口の出口がスリットである、請求項43から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記スリットの出口の長さが少なくとも2cmである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記スリットの出口の長さが少なくとも5cmである、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記スリットの出口の長さが少なくとも8cmである、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記スリットの出口の長さが100cm未満である、請求項64から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記スリットの出口の長さが20cm未満である、請求項64から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記スリットの出口の長さが12cm未満である、請求項64から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
重合体フィルムをコーティング材料と共押し出しすることをさらに含む、請求項43から70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記コーティング材料が、フィルムを積層する場合に接着剤として機能することができる、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
単一重合体グレードがスピナレットに供給される、請求項43から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
1つより多い単一重合体グレードがスピナレットに供給される、請求項43から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
スピナレットにおける大多数のオリフィスが第1の重合体グレードを受け、スピナレットにおける少数のオリフィスが第2の重合体グレードを受ける、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
90%より多いオリフィスが第1の重合体グレードを受ける、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
95%より多いオリフィスが第1の重合体グレードを受ける、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードが少なくとも10℃異なる溶融温度を有する、請求項75から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードが最大限でも50℃異なる溶融温度を有する、請求項75から78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードが同じ重合体族である、請求項75から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
第1の重合体グレードおよび第2の重合体グレードは、両方がポリオレフィン重合体または両方が液晶性重合体である、請求項75から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
請求項43から81のいずれか一項に記載の方法で得られたフィルム。
【請求項83】
前記開口の出口がスリットであり、フィルムが前記スリットの長さの少なくとも70%である幅を有する、請求項43から82のいずれか一項に記載の方法で得られたフィルム。
【請求項84】
前記幅が前記スリットの長さの少なくとも90%である、請求項83のフィルム。
【請求項85】
1つより多い重合体グレードを各々溶融または溶解状態でスピナレットを通って押圧して、スピナレットを出る複数の重合体繊維を形成することであり、スピナレットが複数のオリフィスを有し、オリフィスが重合体溶融物または重合体溶解物を受けるための入口および重合体溶融物または重合体溶解物を繊維として送り出すための出口を有することと、
重合体繊維を溶融または溶解したままで開口を通って導いて、前記開口の出口を出る重合体フィルムを形成することであり、第1の重合体グレードがスピナレットの大多数のオリフィスを通って押圧され、第2の重合体グレードが残りのオリフィスの1つまたは複数を通って押圧されることとを含む、方法。
【請求項86】
前記第2の重合体グレードが残りのオリフィスのすべてを通って押圧される、請求項85の方法。
【請求項87】
第3の重合体グレードが残りのオリフィスの1つまたは複数を通って押圧される、請求項85の方法。
【請求項88】
前記重合体グレードのすべてが同じ種類の重合体に属する、請求項85から87の方法。
【請求項89】
前記重合体グレードがすべてポリオレフィンである、請求項85から87の方法。
【請求項90】
前記重合体グレードがすべてサーモトロピック液晶性重合体である、請求項85から87の方法。
【請求項91】
重合体グレードがすべてリオトロピック液晶性重合体である、請求項85から87の方法。
【請求項92】
重合体グレードのうちの2つが少なくとも10℃の溶融温度差を有する、請求項85から91の方法。
【請求項93】
重合体グレードのうちの2つが最大限でも10℃の溶融温度差を有する、請求項85から92の方法。
【請求項94】
重合体グレードのうちの1つが、オリフィスの少なくとも90%に供給される、請求項85から93の方法。
【請求項95】
重合体グレードのうちの1つが、オリフィスの少なくとも95%に供給される、請求項85から93の方法。
【請求項96】
重合体グレードのうちの1つが、オリフィスの少なくとも98%に供給される、請求項85から93の方法。
【請求項97】
請求項93の方法で得られたフィルム。
【請求項98】
幅が少なくとも5cm、
引張係数が最大理論係数の25%以上である、液晶性重合体のフィルム。
【請求項99】
幅が少なくとも8cmである、請求項98のフィルム。
【請求項100】
幅が50cm未満である、請求項98または99のフィルム。
【請求項101】
幅が少なくとも5cmであり、
引張係数が少なくとも50GPaである、液晶性重合体のフィルム。
【請求項102】
幅が少なくとも8cmである、請求項101のフィルム。
【請求項103】
幅が50cm未満である、請求項101または102のフィルム。
【請求項104】
液晶性重合体のフィルムの積層品の平面における少なくとも2つの垂直方向に少なくとも10GPaの係数を有する、液晶性重合体のフィルムの積層品。
【請求項105】
液晶性重合体のフィルムの積層品の平面におけるすべての方向に少なくとも10GPaの係数を有する、液晶性重合体のフィルムの積層品。
【請求項106】
前記積層品が少なくとも3つの層のフィルムを含む、請求項104、105のいずれか一項に記載の積層品。
【請求項107】
前記積層品が少なくとも4つの層のフィルムを含む、請求項104、105のいずれか一項に記載の積層品。
【請求項108】
重合体がサーモトロピック液晶性重合体である、請求項98から103のいずれか一項に記載のフィルムまたは請求項104から107のいずれか一項に記載の積層品。
【請求項109】
重合体が共ポリエステルである、請求項108に記載のフィルムまたは積層品。
【請求項110】
重合体がリオトロピック液晶性重合体である、請求項98から103のいずれか一項に記載のフィルムまたは請求項104から107のいずれか一項に記載の積層品。
【請求項111】
請求項98から110のいずれか一項に記載のフィルムまたは積層品を含む帆。
【請求項112】
請求項98から103または108から110のいずれか一項に記載のフィルムを含む安全対策。
【請求項113】
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスが入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口がオリフィス出口から見て外方に向く出口を有する第2の部分とを含み、
開口の出口の表面積が次の式:
SA<N×D
(ここで、SAが開口の出口の表面積を表し、Nがスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dがスピナレット部のオリフィス出口の直径を表す)に従う、ダイ。
【請求項114】
SA<0.9×N×Dである、請求項113に記載のダイ。
【請求項115】
SA>0.6×N×Dである、請求項113、114のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項116】
SAが約(π/4)×N×Dである、請求項113に記載のダイ。
【請求項117】
スピナレット部が曲がっている、請求項113から116のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項118】
オリフィスが、それらの対応するオリフィス出口より大きな表面積を有する入口を有する、請求項113から117のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項119】
オリフィス入口とそれらの対応するオリフィス出口との間のチャンネルが円錐形状である、請求項118に記載のダイ。
【請求項120】
オリフィスが出口とほぼ同じ表面積を有する入口を有する、請求項113から117のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項121】
前記オリフィスの出口が50から250マイクロメートルの範囲の直径を有する、請求項113から120のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項122】
前記開口の前記出口がスリットである、請求項113から121のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項123】
前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分が分離可能に接続されている、請求項113から122のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項124】
前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分が、分離不能に接続されている、請求項113から122のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項125】
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスが入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口がオリフィス出口から見て外方に向く出口を有する第2の部分とを含み、
次の式:
EL×WO<N×D
(ここで、Nがスピナレット部のオリフィス出口の数を表し、Dがスピナレット部のオリフィス出口の直径を表し、WOが開口の幅を表し、ELがスピナレット部から材料を受けるように設計された開口の長さを表す)に従う、ダイ。
【請求項126】
EL×WO<0.9×N×Dである、請求項125に記載のダイ。
【請求項127】
EL×WO>0.6×N×Dである、請求項125から127のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項128】
EL×WOが約(π/4)×N×Dである、請求項125に記載のダイ。
【請求項129】
スピナレット部が曲がっている、請求項125から128のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項130】
オリフィスがそれらの対応するオリフィス出口より大きな表面積を有する入口を有する、請求項125から129のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項131】
オリフィス入口とそれらの対応するオリフィス出口との間のチャンネルが円錐形状である、請求項130に記載のダイ。
【請求項132】
オリフィスが出口とほぼ同じ表面積を有する入口を有する、請求項125から129のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項133】
前記オリフィスの出口が、50から250マイクロメートルの範囲の直径を有する、請求項125から132のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項134】
前記開口の前記出口がスリットである、請求項125から133のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項135】
前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分が、分離可能に接続されている、請求項125から134のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項136】
前記オリフィスを含む部分および前記開口を含む部分が、分離不能に接続されている、請求項125から134のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項137】
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスが入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口が、オリフィス出口の方を向く開口入口と、オリフィス出口から見て外方に向く開口出口とを有する第2の部分とを含み、
オリフィスは、各オリフィス入口の中心から、対応するオリフィス出口の中心を通って開口入口への直線が、互いに交差しないように配置されている、ダイ。
【請求項138】
複数のオリフィスを有するスピナレット部であり、オリフィスが入口および出口を有するスピナレット部と、
オリフィス出口から繊維を受けるための開口を有する第2の部分であり、開口が、オリフィス出口の方を向く開口入口と、オリフィス出口から見て外方に向く開口出口とを有する第2の部分とを含み、
スピナレット部および第2の部分は、スピナレット部に由来する繊維が、第2の部分に達する前に接しないように構成および配置されている、ダイ。
【請求項139】
繊維が実質的直線に沿って接している、請求項138のダイ。
【請求項140】
オリフィスが千鳥配列に配置されている、請求項113から139のいずれか一項に記載のダイ。
【請求項141】
幅が少なくとも2cmであり、損失弾性率が0.75GPaより大きく、貯蔵弾性率が20GPaより大きい、重合体フィルム。
【請求項142】
損失弾性率が2GPaより大きい、請求項141のフィルム。
【請求項143】
幅が少なくとも2cmであり、固有損失弾性率が75kmより大きく、固有貯蔵弾性率が1000kmより大きい、重合体フィルム。
【請求項144】
固有損失弾性率が150kmより大きい、請求項143のフィルム。
【請求項145】
固有貯蔵弾性率が3000kmより大きい、請求項143、144のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項146】
フィルムが単一重合体グレードから実質的になる、請求項141から145のいずれか一項に記載の重合体フィルム。
【請求項147】
フィルムが2つ以上の重合体グレードの混合物から実質的になる、請求項141から145のいずれか一項に記載の重合体フィルム。
【請求項148】
フィルムの厚さが25マイクロメータ未満である、請求項141から145のいずれか一項に記載の重合体フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2012−511109(P2012−511109A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539042(P2011−539042)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066464
【国際公開番号】WO2010/063846
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(506160846)
【氏名又は名称原語表記】Eidgenossische Technische Hochschule Zurich
【Fターム(参考)】