説明

重合部材の締結構造

【課題】表面側部材と裏面側部材との分離操作を利用して両部材の締結解除時における締結部材の抜き出し作業を少ない労力で効率良く容易に行う。
【解決手段】裏面側部材5には、締結部材9が両部材5,6の係止孔7,8に挿入されたとき、拡径する締結部材9の爪部9aが抜止め係合する被係止部10と、所定締結位置で係止状態にある締結部材9の各係止爪9Aを係止解除状態に縮径させる係止解除手段Bとが設けられ、係止解除手段Bを構成するに、被係止部10は、締結部材9の各係止爪9Aの爪部9aに対応した配置で断続形成された複数の被係止面10aから構成され、裏面側部材5には、各爪部9aが被係止面10aの隣接間に回動した位置を係止解除起点として、両部材5,6の相対離間操作に伴う締結部材9の引抜き移動に連れて、各係止爪9Aを係止解除状態に縮径変形させる複数の係止解除案内面17が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ドレンホースや冷媒管等の配管・ケーブル類を保護する二分割構造の化粧カバーを構成する取付けカバーと蓋カバーとを締結する場合などに用いられる締結構造で、詳しくは、取付けカバーと蓋カバーとの接合端縁の複数箇所に対面状態で設けられる連結フランジなどのように、重ね合わされる両部材を脱着自在に係止固定する重合部材の締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
重合部材の締結構造として、従来では、重ね合わされる表面側部材の第1係止孔と裏面側部材の第2係止孔とに対して、両係止孔の最小内径よりも外方に張り出す係止状態から両係止孔内に挿入可能な係止解除状態に弾性変形可能な複数の係止爪を備えた締結部材が挿入装着可能に構成されているとともに、前記裏面側部材には、前記締結部材が両係止孔に対して表面側から所定締結位置に挿入されたとき、係止状態に拡径する各係止爪の爪部が径方向内方側から係合して締結部材の表面側への抜け出し移動を阻止する被係止部と、前記所定締結位置で係止状態にある締結部材の各係止爪を係止解除状態に縮径させる係止解除手段とが設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
前記被係止部は、前記裏面側部材の第2係止孔の裏面側開口周縁部分をもって構成され、前記締結部材の各係止爪の爪部が裏面側部材の第2係止孔を通過した時点で弾性復元力により拡径して、第2係止孔の裏面側開口周縁部分に係合するように構成されている。
【0004】
また、前記係止解除手段を構成するに、前記裏面側部材の裏面に、所定締結位置で第2係止孔の裏面側開口周縁部分に係止している締結部材の各係止爪の先端外面に当接可能な位置を係止解除起点として、前記締結部材の回動操作に連れて各係止爪の爪部を第2係止孔の内径と同径となる係止解除状態に縮径変形させる係止解除案内面を備えた案内部を設けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2509888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の重合部材の締結構造では、重ね合わされた両部材の係止孔に対して締結部材を表面側から押し込み挿入するだけで、両部材を係止固定することができるから、前記両部材をビスで締付け固定する場合に比して作業能率の向上を図ることができるとともに、前記係止解除手段により、所定締結位置で係止状態にある締結部材の各係止爪を係止解除状態に縮径させて締結解除することができるから、前記両部材を任意の時期に自由に分離することができる。
【0007】
しかし、前記両部材の締結解除時において、所定締結位置で第2係止孔の裏面側開口周縁部分に係止している締結部材を抜き出す際、従来では、各係止爪の爪部が裏面側部材の裏面に当接し、且つ、締結部材の各係止爪の先端外面が案内部の係止解除案内面に当接している状態で締結部材を回動操作して、各係止爪の爪部を弾性復元力に抗して第2係止孔の内径と同径となる係止解除状態に縮径変形させる必要がある。
【0008】
このとき、各係止爪の爪部が裏面側部材の裏面に摺接することに起因する操作抵抗と、各係止爪の爪部を縮径させるための操作抵抗とが同時に加わるため、締結部材の回動操作に大きな労力を要していた。
【0009】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、表面側部材と裏面側部材との分離操作を利用して両部材の締結解除時における締結部材の抜き出し作業を少ない労力で効率良く容易に行うことのできる重合部材の締結構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による第1の特徴構成は、重ね合わされる表面側部材の第1係止孔と裏面側部材の第2係止孔とに対して、両係止孔の最小内径よりも径方向外方に張り出す係止状態から両係止孔内に挿入可能な係止解除状態に弾性変形可能な複数の係止爪を備えた締結部材が挿入装着可能に構成されているとともに、前記裏面側部材には、前記締結部材が両係止孔に対して表面側から所定締結位置に挿入されたとき、係止状態に拡径する各係止爪の爪部が径方向内方側から係合して締結部材の表面側への抜け出し移動を阻止する被係止部と、前記所定締結位置で係止状態にある締結部材の各係止爪を係止解除状態に縮径させる係止解除手段とが設けられている重合部材の締結構造であって、
前記係止解除手段を構成するに、前記被係止部は、前記締結部材の各係止爪の爪部に対応した配置で円周方向に断続形成された複数の被係止面から構成されているとともに、前記裏面側部材には、前記被係止面に係合していた各係止爪の爪部が被係止面の隣接間に回動した位置を係止解除起点として、前記表面側部材と裏面側部材との相対離間操作に伴う締結部材の引抜き移動に連れて、前記各係止爪を係止状態から係止解除状態に縮径変形させる複数の係止解除案内面が形成されている点にある。
【0011】
上記構成によれば、重ね合わされた両部材の締結を解除するために、所定締結位置で裏面側部材に設けられた被係止部の被係止面に係止している締結部材を抜き出す場合、先ず、被係止面に係止している各係止爪の爪部が被係止面の隣接間の係止解除起点位置に位置するまで締結部材を回動操作する。このとき、各係止爪の爪部が被係止面に摺接することに起因する操作抵抗が回動操作に加わるが、各係止爪の爪部を縮径させるための操作抵抗は加わらない。
【0012】
そして、前記各係止爪の爪部が係止解除起点位置に回動操作された状態で、前記表面側部材と裏面側部材とを離間操作すると、この離間操作に伴う締結部材の引抜き移動に連れて、各係止爪の爪部が係止解除案内面に沿って摺接移動しながら弾性復元力に抗して係止解除状態に縮径変形され、表面側部材に保持された締結部材が裏面側部材の第2係止孔からそのまま抜き出される。
【0013】
従って、前記締結部材の回動操作と各係止爪の縮径操作との操作時期が異なり、且つ、締結部材の縮径操作を両部材の相対離間操作を利用して行うことができるから、両部材の締結解除時における締結部材の抜き出し作業を少ない労力で効率良く容易に行うことができる。
【0014】
本発明による第2の特徴構成は、前記被係止面及び係止解除案内面が、前記裏面側部材の第2係止孔の内周面に形成されているとともに、前記締結部材の各係止爪が、前記両係止孔に対して表面側から所定締結位置に挿入されたとき、当該各係止爪の先端が裏面側部材の裏面から突出しない長さに構成されている点にある。
【0015】
上記構成によれば、所定締結位置で裏面側部材に設けられた被係止部の被係止面に締結部材の各係止爪が係止している締結状態においては、各係止爪の先端が裏面側部材の裏面から外部に突出しないから、他物との衝突に起因する締結部材の変形、破損を回避することができるとともに、前記裏面側部材を壁面等の被取付け面に当接状態で先付け固定することもできるから、本発明の締結構造の適用範囲を拡大することができる。
【0016】
本発明による第3の特徴構成は、前記表面側部材の第1係止孔の内周面には、前記締結部材の頭部が入り込み可能な第1凹部と、前記締結部材が裏面側に押し込み操作されたとき、当該締結部材の押し込み移動に連れて前記各係止爪を第1係止孔の最小内径と同径にまで縮径変形させる第1縮径案内面とが形成されている点にある。
【0017】
上記構成によれば、所定締結位置で裏面側部材に設けられた被係止部の被係止面に締結部材の各係止爪が係止している締結状態においては、締結部材の頭部が表面側部材の第1凹部内に入り込む分だけ当該締結部材の頭部の突出量が少なくなり、他物との衝突に起因する締結部材の変形、破損を回避することができる。
【0018】
また、前記裏面側部材の第1係止孔に対して表面側から締結部材を挿入するとき、表面側部材の第1係止孔の内周面に形成された第1縮径案内面に各係止爪の爪部が当接し、その状態での締結部材の押し込み移動に連れて前記各係止爪の爪部を第1係止孔の最小内径と同径にまでスムーズに縮径変形させることができ、締結部材の挿入装着を容易に行うことができる。
【0019】
本発明による第4の特徴構成は、前記締結部材の各係止爪の爪部が、前記表面側部材の第1係止孔の裏面側開口周縁部に対して径方向内方側から係合して締結部材の表面側への抜け出し移動を阻止可能に構成されているとともに、前記裏面側部材の第2係止孔の内周面における表面側には、表面側部材の裏面と裏面側部材の表面とが当接している状態において、前記表面側部材の第1係止孔の裏面側開口周縁部に係合した各係止爪の爪部が入り込み可能な第2凹部が形成されている点にある。
【0020】
上記構成によれば、前記締結部材の各係止爪の爪部が、表面側部材の第1係止孔を通過した直後に拡径して当該第1係止孔の裏面側開口周縁部に係合した状態では、締結部材の表面側への抜け出し移動を阻止することができるから、締結部材を表面側部材に仮保持させることができ、締結部材の紛失を回避することができる。
【0021】
しかも、前記締結部材を表面側部材に仮保持させたとき、前記各係止爪の爪部が表面側部材の裏面から外方に突出するが、表面側部材の裏面と裏面側部材の表面とが当接された状態では、前記裏面側部材の第2係止孔の内周面における表面側に形成された第2凹部内に各係止爪の爪部が入り込むから、前記両部材を重ね合わせた状態での梱包を安定良くコンパクトに行うことができる。
【0022】
しかも、前記表面側部材に仮保持されている締結部材を裏面側に押し込み操作する際、表面側部材の裏面と裏面側部材の表面とを当接させることができるため、締結部材を安定良く押し込み操作することができる。
【0023】
本発明による第5の特徴構成は、前記裏面側部材の第2係止孔の内周面には、前記第2凹部に各係止爪の爪部が入り込んだ状態で前記締結部材が裏面側に押し込み操作されたとき、当該締結部材の押し込み移動に連れて前記各係止爪を第2係止孔の最小内径と同径にまで縮径変形させる第2縮径案内面が形成されている点にある。
【0024】
上記構成によれば、前記第2凹部に各係止爪の爪部が入り込んだ状態にある締結部材を裏面側に押し込み操作するとき、裏面側部材の第2係止孔の内周面に形成された第2縮径案内面に各係止爪の爪部が当接し、その状態での締結部材の押し込み移動に連れて前記各係止爪を第2係止孔の最小内径と同径にまでスムーズに縮径変形させることができ、締結部材の挿入装着を容易に行うことができる。
【0025】
本発明による第6の特徴構成は、前記表面側部材の第1係止孔の内周面には、各係止爪の爪部が表面側部材の第1係止孔の裏面側開口周縁部に係合した状態において、前記係止爪の少なくとも一つに形成されたリブに前記締結部材の回動操作を許容する状態で係合する位置決め用の第1係合溝が形成されている点にある。
【0026】
上記構成によれば、前記締結部材の各係止爪の爪部が、前記表面側部材の第1係止孔の裏面側開口周縁部に係合させた仮保持状態において、係止爪の少なくとも一つに形成されたリブを第1係止孔の内周面に形成された第1係合溝に係合させることにより、仮保持された締結部材の意図しない回動を抑制して、表面側部材の第1係合孔に仮保持された締結部材を、裏面側部材の第2係合孔への挿入に適した接続姿勢に維持することができる。
【0027】
しかも、前記係止爪を補強するためのリブを、前記位置決め用の第1係合溝に対する係止突起に兼用構成するから、締結部材の回り止め構造の簡素化を図ることができる。
【0028】
本発明による第7の特徴構成は、前記裏面側部材の第2係止孔の内周面には、各係止爪の爪部が裏面側部材の被係止面に係合した状態において、前記係止爪の少なくとも一つに形成されたリブに前記締結部材の回動操作を許容する状態で係合する位置決め用の第2係合溝が形成されている点にある。
【0029】
上記構成によれば、所定締結位置で裏面側部材に設けられた被係止部の被係止面に締結部材の各係止爪が係止している締結状態においては、係止爪の少なくとも一つに形成されたリブを第2係止孔の内周面に形成された第2係合溝に係合させることにより、締結状態にある締結部材の係止解除起点位置側への回動を抑制して、当該締結部材が係止解除起点位置に回動することに起因する意図しない締結解除を抑制することができる。
【0030】
しかも、前記係止爪を補強するためのリブを、前記位置決め用の第2係合溝に対する係止突起に兼用構成するから、締結部材の回り止め構造の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態を示すコーナーカバーの分解平面図
【図2】接合されたコーナーカバーの一部切欠き正面図
【図3】他方の半割りコーナーカバー体の表面側連結フランジ(表面側部材)に形成された第1係止孔の形状を示す図1のIII(b)−III(b)線での断面図(b)とそれの平面図(a)と底面図(c)
【図4】第1係止孔の形状を示す図1のIV(b)−IV(b)線での断面図(b)とそれの平面図(a)と底面図(c)
【図5】一方の半割りコーナーカバー体の裏面側連結フランジ(裏面側部材)に形成された第2係止孔の形状を示す図1のV(b)−V(b)線での断面図(b)とそれの平面図(a)と底面図(c)
【図6】第2係止孔の形状を示す図1のVI(b)−VI(b)線での断面図とそれの平面図(a)と底面図(c)
【図7】締結部材の形状を示す平面図(a)、正面図(b)、底面図(c)、側面図(d)
【図8】表面側連結フランジに締結部材を仮保持させたときの要部の断面図
【図9】表面側連結フランジと裏面側連結フランジとを重合させたときの要部の断面図
【図10】表面側連結フランジに仮保持させた締結部材を裏面側連結フランジの第2係止孔に押し込み操作したときの要部の断面図
【図11】表面側連結フランジと裏面側連結フランジとを締結部材で締結したときの要部の平面図(a)、断面図(b)、底面図(c)
【図12】締結状態にあった締結部材を矢印方向に90度回転操作したときの要部の平面図(a)、断面図(b)、底面図(c)
【図13】図12におけるXIII(b)−XIII(b)線での断面図(b)とそれの平面図(a)と底面図(c)
【図14】各係止爪を係止解除起点位置に位置させた状態で一方の半割りコーナーカバー体に対して他方の半割りコーナーカバー体を分離側に引き離し操作したときの要部の断面図
【図15】本発明の第2実施形態を示す表面側連結フランジと裏面側連結フランジとを締結部材で締結したときの要部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔第1実施形態〕
本発明による重合部材の締結構造を、例えば、空調装置の室内機と室外機との間の配管経路に沿って配設される冷媒管やドレンホース、電線などの配管・ケーブル類を保護する化粧カバーAのうち、図1、図2に示すように、合成樹脂製の二本の直線筒状カバーの接続端部同士を直交状態で接続する合成樹脂製のコーナーカバーに適用した実施形態について説明する。
【0033】
前記コーナーカバーAは、図1、図2に示すように、横断面形状が正六角筒形の直線筒状カバーの接続端部に外嵌可能な半六角筒形に形成され、且つ、側面視においてL字状に屈曲形成された一対の合成樹脂製の半割りコーナーカバー体A1、A2から構成され、一方の半割りコーナーカバー体A1が壁面等に固定される取付けカバー(ベースカバー)として使用され、他方の半割りコーナーカバー体A2が蓋カバーとして使用される。
【0034】
前記半割りコーナーカバー体A1、A2の各々の内方側壁部1の接合端縁部1a及び外方側壁部2の接合端縁部2aには、両半割りコーナーカバー体A1、A2を向え合わせ姿勢で筒状に接合するときに互いに脱着可能な状態で嵌合する嵌合突条3と嵌合溝4とが、湾曲方向中央位置を境にして振り分け形成されている。
【0035】
前記一方の半割りコーナーカバー体A1の接合端縁部1a,2aのうち、内方側壁部1の外面における接合端縁部に連なる湾曲方向中央位置の一箇所と外方側壁部2の外面における接合端縁部2aに連なる略湾曲終了位置の二箇所には、締結構造の裏面側部材となる連結フランジ(以下、裏面側連結フランジと記載する)5が一体形成されている。
【0036】
前記他方の半割りコーナーカバー体A2の接合端縁部1a,2aのうち、内方側壁部1の外面における接合端縁部1aに連なる湾曲方向中央位置の一箇所と外方側壁部2の外面における接合端縁部2aに連なる略湾曲終了位置の二箇所には、締結構造の表面側部材となる連結フランジ(以下、表面側連結フランジと記載する)6が一体形成されている。
【0037】
前記一方の半割りコーナーカバー体A1と他方の半割りコーナーカバー体A2とは、両連結フランジ5、6の締結構造を除く外観形状は同一であり、両半割りコーナーカバー体A1、A2を向え合わせ姿勢で接合したとき、その接合方向で相対向する同一輪郭形状の連結フランジ5,6同士が当接状態で重合するように構成されているが、使用形態に基づいて、取付けカバー(ベースカバー)として用いられる一方の半割りコーナーカバー体A1の連結フランジ5を裏面側連結フランジ(裏面側部材)と称し、蓋カバーとして用いられる他方の半割りコーナーカバー体A2の連結フランジ6を表面側連結フランジ(表面側部材)と称する。
【0038】
次に、取付けカバーとして用いられる一方の半割りコーナーカバー体A1の裏面側連結フランジ5と蓋カバーとして用いられる他方の半割りコーナーカバー体A2の表面側連結フランジ6とを重ね合わせ状態で着脱可能に締結する締結構造を、図2〜図14に基づいて説明する。
【0039】
前記表面側連結フランジ6に貫通形成された第1係止孔7及び裏面側連結フランジ5に貫通形成された第2係止孔8に対して表面側から挿入装着可能な合成樹脂製の締結部材9は、図7に示すように、前記両係止孔7,8の最小内径よりも径方向外方に張り出す係止状態から両係止孔7,8内に挿入可能な係止解除状態に弾性変形可能な一対の係止爪9Aと、表面側に回転操作用凹部9eを形成してある円板状の頭部9Bとを一体成形して構成されている。
【0040】
前記各係止爪9Aの先端部には、前記表面側連結フランジ6の第1係止孔7の裏面側開口周縁部6a及び裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面に形成された被係止部10に対して径方向内方側から選択的に係合して締結部材8の表面側への抜け出し移動を阻止する係止面9bを備えた爪部9aが径方向外方に突出する状態で一体形成されている。
【0041】
前記両係止爪9Aの爪部9aの先端外面が、両係止爪9Aをそれの弾性復元力に抗してスムーズに縮径変形させるべく、先端側ほど小径となる先細り状の傾斜当接面9cに構成されているとともに、前記両係止爪9Aの径方向外方側の側面と爪部9aの係止面9bとの幅方向中央位置には、頭部9B側ほど径方向外方側への突出量が少なくなる三角形状の補強用のリブ9dが一体形成されている。
【0042】
前記締結部材9の両係止爪9Aの背面間には、両爪部9aの最大外面間隔Lが前記両係止孔7,8の最小内径と同一又はそれよりも小となる状態にまで弾性復元力に抗しての縮径変形を許容するスリット状の空間Sが形成されているとともに、前記両爪部9aの無負荷時(自然状態)の最大外面間隔Lが前記頭部9Bの外径と同一に構成されている。
【0043】
前記表面側連結フランジ6の第1係止孔7の内周面には、図3、図4に示すように、前記締結部材9の頭部9Bが入り込み可能、具体的には、頭部9Bの厚みと同じ深さと頭部9Bの外径よりも少し大なる内径に設定された第1凹部12と、前記締結部材9の両爪部9aが第1凹部12内に位置する状態で該締結部材9が裏面側に押し込み操作されたとき、当該締結部材9の押し込み移動に連れて前記各係止爪9Aの爪部9aを第1係止孔7の最小内径と同径となる係止解除状態に縮径変形させる一対の第1縮径案内面13とが形成されている。
【0044】
前記第1縮径案内面13は、前記第1係止孔7における第1凹部12と裏面側最小内径孔部7aとの境界段差箇所の最大径位置を縮径案内開始点とし、前記裏面側最小内径孔部7aの孔軸芯方向中間位置を縮径案内終了点として、前記裏面側最小内径孔部7aの表面側部位の相対向する二箇所に裏面側ほど小径となる傾斜姿勢で形成されている。
【0045】
さらに、前記表面側連結フランジ6の第1係止孔7における裏面側最小内径孔部7aの内周面には、各係止爪9Aの爪部9aが表面側連結フランジ6の第1係止孔7の裏面側開口周縁部6aに係合した状態(図9参照)において、前記各係止爪9Aに形成された補強用リブ9dに径方向内方又は孔軸芯方向から係合する一対の位置決め用の第1係合溝14が形成されているとともに、この第1係合溝14と補強用リブ9dとの係合力は、前記締結部材9の回動操作を許容する程度の小さな係合力、つまり、締結部材9に加えられる設定回動操作力の初期段階で補強用リブ9dが第1係合溝14を乗り越えて係合解除される係合力に設定されている。
【0046】
前記裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面における表面側には、図5、図6に示すように、表面側連結フランジ6の裏面と裏面側連結フランジ5の表面とが当接している状態において、前記表面側連結フランジ6の第1係止孔7の裏面側開口周縁部6aに係合した各係止爪9Aの爪部9aが入り込み可能な一対の第2凹部15が形成されている。
【0047】
前記両第2凹部15の対向面間の内径は、表面側連結フランジ6の両第1凹部12の対向面間の内径と同一に構成されているとともに、前記両第2凹部15の深さは、両係止爪9Aの爪部9aの輪郭形状よりも少し大なる寸法の深さに構成されている。
【0048】
前記裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面には、図5、図6に示すように、前記第2凹部15に各係止爪9Aの爪部9aが入り込んだ状態で前記締結部材9が裏面側に押し込み操作されたとき、当該締結部材9の押し込み移動に連れて前記各係止爪9Aを第2係止孔8の最小内径と同径にまで縮径変形させる一対の第2縮径案内面16が形成されている。
【0049】
前記第2縮径案内面16は、前記第2凹部15の奥側最大径位置を縮径案内開始点とし、第2係止孔8における表面側最小内径孔部8aの孔軸芯方向中間位置を縮径案内終了点として、前記表面側最小内径孔部8aの表面側部位の相対向する二箇所に裏面側ほど小径となる傾斜姿勢で形成されている。
【0050】
前記裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面には、図5、図6に示すように、前記締結部材9が両係止孔7,8に対して表面側から所定締結位置にまで挿入されたとき、前記表面側最小内径孔部8aの通過直後に弾性復元力で係止状態に拡径する各爪部9aの係止面9bが径方向内方側から係合して締結部材9の表面側への抜け出し移動を阻止する被係止部10と、前記所定締結位置で係止状態にある締結部材9の各係止爪9aを係止解除状態に縮径させる係止解除手段Bとが設けられている。
【0051】
前記係止解除手段Bを構成するに、前記被係止部10は、前記第2係止孔8における表面側最小内径孔部8aと裏面側大径孔部8bとの境界に形成される環状段差面のうち、
前記締結部材9の各係止爪9Aの爪部9aに対応した配置で円周方向に断続形成された二つの円弧状の被係止面10aから構成されているとともに、前記裏面側連結フランジ5には、前記被係止面10aに係合していた各係止爪9Aの爪部9aが被係止面10aの隣接間に回動した位置を係止解除起点(係止解除開始点)とし、前記第2縮径案内面16の縮径案内開始点でもある第2凹部15の奥側最大径位置を係止解除終了点として、前記表面側連結フランジ6と裏面側連結フランジ5との相対離間操作に伴う締結部材9の引抜き移動に連れて、前記各係止爪9Aを係止状態から係止解除状態に縮径変形、換言すれば、前記各係止爪9Aを第2係止孔8の最小内径と同径にまで縮径変形させる一対の係止解除案内面17が形成されている。
【0052】
前記係止解除案内面17は、前記第2係止孔8の表面側最小内径孔部8aにおける第2凹部15の奥側最大径位置から裏面側端縁までの部位の相対向する二箇所に表面側ほど小径となる傾斜姿勢で形成されている。
【0053】
前記裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面には、各係止爪9Aの爪部9aが裏面側連結フランジ5の両被係止面10aに係合した状態において、前記各係止爪9Aに形成された補強用リブ9dに径方向内方又は孔軸芯方向から係合する一対の位置決め用の第2係合溝18が形成されているとともに、この第2係合溝18と補強用リブ9dとの係合力は、前記締結部材9の回動操作を許容する程度の小さな係合力、つまり、締結部材9に加えられる設定回動操作力の初期段階で補強用リブ9dが第2係合溝18を乗り越えて係合解除される係合力に設定されている。
【0054】
次に、取付けカバーとして用いられる一方の半割りコーナーカバー体A1の裏面側連結フランジ5と蓋カバーとして用いられる他方の半割りコーナーカバー体A2の表面側連結フランジ6とを重ね合わせ状態で締結する工程及び締結解除する工程について簡単に説明する。
【0055】
〔1〕両半割りコーナーカバー体A1、A2を向え合わせ姿勢で梱包する場合には、図8に示すように、他方の半割りコーナーカバー体A2の表面側連結フランジ6の第1係止孔7のうち、一対の第1縮径案内面13に対して締結部材9の各係止爪9Aの爪部9aに形成された傾斜当接面9cを当て付け、締結部材9の装着向き姿勢を設定装着向き姿勢に確定した状態で当該締結部材9を裏面側に押し込み操作する。
【0056】
この状態では、前記表面側連結フランジ6の第1係止孔7の内周面に形成されている一対の第1係合溝14に各係止爪9Aの補強用リブ9dが孔軸芯方向から係合し、締結部材9が所定の装着姿勢で表面側連結フランジ6に仮保持される。
【0057】
そして、図2、図9に示すように、両半割りコーナーカバー体A1、A2を向え合わせ姿勢で接合すると、前記締結部材9の傾斜当接面9cが裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面に形成された第2縮径案内面16と当接して押し上げられ、前記表面側連結フランジ6の第1係止孔7の裏面側開口周縁部6aに係合した各係止爪9Aの爪部9aが、裏面側連結フランジ5の第2凹部15内に入り込む。
この状態では、表面側連結フランジ6の裏面と裏面側連結フランジ5の表面とが接触しているため、両半割りコーナーカバー体A1、A2を安定した姿勢で梱包することができる。
【0058】
〔2〕壁等に固定された一方の半割りコーナーカバー体A1に対する配管・ケーブル類の配設作業が完了して、この一方の半割りコーナーカバー体A1の裏面側連結フランジ5と他方の半割りコーナーカバー体A2の表面側連結フランジ6とを締結する場合には、図9〜図11に示すように、表面側連結フランジ6の裏面と裏面側連結フランジ5の表面とが当接した状態にあるため、前記締結部材9を安定良く容易に押し込み操作することができる。
【0059】
このとき、前記締結部材9の傾斜当接面9cが裏面側連結フランジ5の第2係止孔8内の第2縮径案内面16と当接しているため、締結部材9の押し込み移動に連れて前記各係止爪9Aの爪部9aが第2係止孔8の最小内径と同径にまで小さな操作力でスムーズに縮径変形され、第2係止孔8の表面側最小内径孔部8aを通過した時点で、前記各係止爪9Aの爪部9aが弾性復元力で拡径し、各爪部9aの係止面9bが被係止部10の各被係止面10aに対して径方向内方側から係合し、締結部材8の表面側への抜け出し移動が阻止される。
【0060】
この状態では、前記裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面に形成されている一対の第2係合溝18に各係止爪9Aの補強用リブ9dが径方向内方又は孔軸芯方向から係合し、締結部材9が所定の締結姿勢に仮保持されている。
そのため、締結姿勢にある締結部材9の爪部9aが係止解除案内面17の係止解除起点位置側へ不測に回動することを抑制することができるので、当該締結部材9の爪部9aが係止解除起点位置に回動することに起因する意図しない両連結フランジ5,6の締結解除を回避することができる。
【0061】
〔3〕一方の半割りコーナーカバー体A1の裏面側連結フランジ5と他方の半割りコーナーカバー体A2の表面側連結フランジ6との締結を解除する場合には、図12、図13に示すように、前記締結部材9を90度回転操作し、各係止爪9Aの爪部9aを係止解除案内面17の係止解除起点位置に位置させる。
この状態で壁等に固定された一方の半割りコーナーカバー体A1に対して蓋カバーとして用いられる他方の半割りコーナーカバー体A2を分離側に引き離し操作すると、表面側連結フランジ6と裏面側連結フランジ5との相対離間移動に伴う締結部材9の引抜き移動に連れて、前記各係止爪9Aの爪部9aが係止状態から係止解除状態に縮径変形され、換言すれば、前記各係止爪9Aの爪部9aが第2係止孔8の最小内径と同径にまで縮径変形され、表面側連結フランジ6に保持された締結部材9が裏面側連結フランジ5の第2係止孔8からそのまま抜き出される。
【0062】
それ故に、前記締結部材9の回動操作と各係止爪9Aの縮径操作との操作時期が異なり、且つ、この締結部材9の縮径操作を、壁等に固定された一方の半割りコーナーカバー体A1に対する他方の半割りコーナーカバー体A2の分離側への引き離し操作を利用して行うことができるから、両連結フランジ5、6の締結解除時における締結部材9の抜き出し作業を少ない労力で効率良く容易に行うことができる。
【0063】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記締結部材9の各係止爪9Aの爪部9aを、裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面に形成された被係止部10に対して径方向内方側から係合させるように構成したが、図15に示すように、前記被係止部10を、前記裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の裏面側開口周縁部をもって構成してもよい。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0064】
〔その他の実施形態〕
(1)上述の実施形態では、本発明による重合部材の締結構造を、配管・ケーブル類を保護する合成樹脂製の分割構造の化粧カバーAの一例である二分割構造のコーナーカバーに適用した実施形態について説明したが、二本の直線筒状カバーを一直線状に接続する二分割構造のジョイントカバー、三本の直線筒状カバーをT字状に接続する二分割構造のT型ジョイントカバー、直線筒状カバーの端末に取り付けられる二分割構造の端末カバーなどの他の分割構造の化粧カバーAの締結構造に適用してもよい。
さらに、上述のような化粧カバーA以外の分野において、重ね合わされる両部材の締結構造に本発明の技術を適用してもよい。
【0065】
(2)上述の実施形態では、径方向で対をなす二つの係止爪9Aを形成してある締結部材9を用いたが、この締結部材9の係止爪9Aの本数としては三つ又は四つ以上であってもよい。
また、前記締結部材9の係止爪9Aの本数に対応して前記被係止面10aの形成数、第1縮径案内面13の形成数、第2凹部15の形成数、第2縮径案内面16の形成数、係止解除案内面17の形成数を変更するとよい。
更に、前記被係止面10aの形成数、第1縮径案内面13の形成数、第2凹部15の形成数、第2縮径案内面16の形成数、係止解除案内面17の形成数は、締結部材9の係止爪9Aの本数より多く形成してもよい。
【0066】
(3)上述の実施形態では、前記係止解除案内面17を、前記被係止面10aに係合していた各係止爪9Aの爪部9aが被係止面10aの隣接間に回動した位置を係止解除起点とし、前記第2凹部15の奥側最大径位置を係止解除終了点としたが、そのうち、係止解除終了点を第2係止孔8の表面側開口周縁部に設定してもよい。
また、第2実施形態の場合では、前記係止解除案内面17の係止解除起点が、前記裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の裏面側開口周縁部となる。
要するに、前記係止解除案内面17としては、前記被係止面10aに係合していた各係止爪9Aの爪部9aが被係止面10aの隣接間に回動した位置を係止解除起点として、前記表面側部材6と裏面側部材5との相対離間操作に伴う締結部材9の引抜き移動に連れて、前記各係止爪9Aを係止状態から係止解除状態に縮径変形させることのできるものであれば、如何なる構造に構成してもよい。
【0067】
(4)上述の実施形態では、前記締結部材9の頭部9Bを円形に形成したが、この頭部9Bを回転操作具で回転操作可能な六角形状に構成してもよい。
また、前記締結部材9の係止爪9Aにおける爪部9aの形状も使用状条件等に応じて適宜変更可能である。
【0068】
(5)上述の実施形態では、前記表面側連結フランジ6の第1係止孔7の内周面及び裏面側連結フランジ5の第2係止孔8の内周面に、各係止爪9Aに形成された補強用リブ9dに径方向内方又は孔軸芯方向から係合する一対の位置決め用の係合溝14、18を形成したが、前記係止爪9Aに形成された補強用リブ9の総数が一つの場合には、前記第1係止孔7の内周面及び第2係止孔8の内周面に少なくとも一つの係合溝14、18を形成するとよい。
要するに、前記第1係止孔7の内周面及び第2係止孔8の内周面に形成される係合溝14、18の数は、前記係止爪9Aに形成された補強用リブ9の総数に応じて適宜設定するとよい。
【符号の説明】
【0069】
B 係止解除手段
5 裏面側部材(裏面側連結フランジ)
6 表面側部材(表面側連結フランジ)
6a 裏面側開口周縁部
7 第1係止孔
8 第2係止孔
9 締結部材
9A 係止爪
9B 頭部
9a 爪部
9d 補強用リブ
10 被係止部
10a 被係止面
12 第1凹部
13 第1縮径案内面
14 第1係合溝
15 第2凹部
16 第2縮径案内面
17 係止解除案内面
18 第2係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わされる表面側部材の第1係止孔と裏面側部材の第2係止孔とに対して、両係止孔の最小内径よりも径方向外方に張り出す係止状態から両係止孔内に挿入可能な係止解除状態に弾性変形可能な複数の係止爪を備えた締結部材が挿入装着可能に構成されているとともに、前記裏面側部材には、前記締結部材が両係止孔に対して表面側から所定締結位置に挿入されたとき、係止状態に拡径する各係止爪の爪部が径方向内方側から係合して締結部材の表面側への抜け出し移動を阻止する被係止部と、前記所定締結位置で係止状態にある締結部材の各係止爪を係止解除状態に縮径させる係止解除手段とが設けられている重合部材の締結構造であって、
前記係止解除手段を構成するに、前記被係止部は、前記締結部材の各係止爪の爪部に対応した配置で円周方向に断続形成された複数の被係止面から構成されているとともに、前記裏面側部材には、前記被係止面に係合していた各係止爪の爪部が被係止面の隣接間に回動した位置を係止解除起点として、前記表面側部材と裏面側部材との相対離間操作に伴う締結部材の引抜き移動に連れて、前記各係止爪を係止状態から係止解除状態に縮径変形させる複数の係止解除案内面が形成されている重合部材の締結構造。
【請求項2】
前記被係止面及び係止解除案内面が、前記裏面側部材の第2係止孔の内周面に形成されているとともに、前記締結部材の各係止爪が、前記両係止孔に対して表面側から所定締結位置に挿入されたとき、当該各係止爪の先端が裏面側部材の裏面から突出しない長さに構成されている請求項1記載の重合部材の締結構造。
【請求項3】
前記表面側部材の第1係止孔の内周面には、前記締結部材の頭部が入り込み可能な第1凹部と、前記締結部材が裏面側に押し込み操作されたとき、当該締結部材の押し込み移動に連れて前記各係止爪を第1係止孔の最小内径と同径にまで縮径変形させる第1縮径案内面とが形成されている請求項1又は2記載の重合部材の締結構造。
【請求項4】
前記締結部材の各係止爪の爪部が、前記表面側部材の第1係止孔の裏面側開口周縁部に対して径方向内方側から係合して締結部材の表面側への抜け出し移動を阻止可能に構成されているとともに、前記裏面側部材の第2係止孔の内周面における表面側には、表面側部材の裏面と裏面側部材の表面とが当接している状態において、前記表面側部材の第1係止孔の裏面側開口周縁部に係合した各係止爪の爪部が入り込み可能な第2凹部が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合部材の締結構造。
【請求項5】
前記裏面側部材の第2係止孔の内周面には、前記第2凹部に各係止爪の爪部が入り込んだ状態で前記締結部材が裏面側に押し込み操作されたとき、当該締結部材の押し込み移動に連れて前記各係止爪を第2係止孔の最小内径と同径にまで縮径変形させる第2縮径案内面が形成されている請求項4記載の重合部材の締結構造。
【請求項6】
前記表面側部材の第1係止孔の内周面には、各係止爪の爪部が表面側部材の第1係止孔の裏面側開口周縁部に係合した状態において、前記係止爪の少なくとも一つに形成されたリブに前記締結部材の回動操作を許容する状態で係合する位置決め用の第1係合溝が形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合部材の締結構造。
【請求項7】
前記裏面側部材の第2係止孔の内周面には、各係止爪の爪部が裏面側部材の被係止面に係合した状態において、前記係止爪の少なくとも一つに形成されたリブに前記締結部材の回動操作を許容する状態で係合する位置決め用の第2係合溝が形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合部材の締結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−214591(P2011−214591A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80407(P2010−80407)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000119830)因幡電機産業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】