説明

金属−窒化ケイ素、酸化ケイ素、又は酸窒化ケイ素のALD/CVD用のTi、Ta、Hf、Zr及び関連する金属のケイ素アミド

【課題】金属窒化ケイ素ベース膜、金属酸化ケイ素又は金属酸窒化ケイ素ベース膜を形成させるために好適な前駆体の提供。
【解決手段】次の構造により表される有機金属錯体。


(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属)。上記錯体を用いるCVD及びALD堆積法がまた、含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願のクロスリファレンス]
本出願は、2005年10月7日に出願された、米国仮出願第60/724,757号の利益を主張する。この仮出願の公表を、参照により本明細書に組み入れる。
【0002】
[技術分野]
本発明の分野は、絶縁層及び他の層中に金属線として堆積された銅又は他の金属の移行を避けるための、集積回路の製作における銅拡散障壁層と、上記堆積及び次の上記金属線の製作の処理の際の半導体材料の形体(feature)とである。本発明はまた、半導体産業における電極又は誘電体層としての薄膜に関連する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、次の構造によって表される有機金属錯体である。
【化1】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR1〜4は、同一又は異なって、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド(difluoralkylamide)、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、フルオロアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができるが、但しR1及びR2が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルキル若しくはアルコキシ又はフルオロアルコキシである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)
【0004】
好ましい実施形態では、本発明は、下記式によって表されるビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンである。
【化2】

【0005】
有機金属錯体は、次の構造により表される。
【化3】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR5〜10は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、フルオロアルコキシ(fuoroalkoxy)、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができるが、但しR5、R6、R9及びR10が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルキルアルコキシ又はフルオロアルコキシである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)
【0006】
有機金属錯体は、次の構造により表される。
【化4】

(式中、Mは、元素周期表の5族から選択される金属であり、そしてR11〜16は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、フルオロアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができる;n=1,2、m=5−2n、ここで、R11,R12、R15及びR16が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル又はアルコキシの場合には、それらは連結して環を形成することができる。)
【0007】
有機金属錯体は、次の構造により表される。
【化5】

(式中、Mは、元素周期表の6族から選択される金属であり、そしてR17〜22は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、脂環式、並びにアリールから選択されることができる;p=1,2,3、q=6−2p、ここで、R17、R18、R21及びR22が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ(floroalkoxy)、フルオロアルキル又はアルコキシの場合には、それらは連結して環を形成することができる。
これらの複合体を用いた化学気相堆積法(CVD)及び原子層成長法(ALD)がまた、企図される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、チタン窒化ケイ素含有膜をCVD又はALDにおいて使用するための、ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンの単結晶構造である。
【図2】図2は、ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンの熱重量分析(TGA)のグラフである。ほぼ完全に質量損失することにより、ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンが揮発性であること、そして典型的なCVD又はALD工程において、反応チャンバー内に容易に供給できることが示される。従って、ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンが、アンモニア又は他の好適な窒素含有試薬を用いて、又は用いずに、チタン窒化ケイ素含有膜を調製するための好適な前駆体である。
【図3】図3は、アンモニアを用いて、又はアンモニアを用いずに、46sccmのHeキャリアガス流速と共に、1.5トルの堆積圧力において、基板温度の関数として、Ti−Si−N膜の堆積速度(Å/分)を示すものである。
【図4】図4は、種々の温度における、チタン窒化ケイ素膜の組成を示すものである。上記チタン窒化ケイ素膜を、有機金属前駆体として、Ti(H2Si(NBut22を用いた化学気相堆積法から生成させた。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現在、銅は、電気伝導率に優れ、そしてエレクトロマイグレーション耐性が高いため、半導体論理回路用の相互接続金属として、アルミニウムを効果的に置換している。しかし、銅は、最終製品中で電気的誤動作を引き起こす中間誘電体又はシリコン等の素子中の他の材料を通って、直ちにかつ大きく(destructively)拡散しうる。これらの理由により、銅を拡散障壁で密封する必要がある。金属窒化物及び金属窒化ケイ素薄膜が、これらの拡散障壁用の候補物質である。それらはまた、ゲート電極物質として、トランジスタのシリコン表面(上記シリコンに対し、いかなる汚染の脅威をもたらさない)の近くで用いられることができ、そして比較的高温で処理されうる。金属窒化物層(窒化チタン(TiN)層等)が、半導体素子構造体(コンタクト、バイアス(vias)及びトレンチ等)の中で、銅拡散を含む拡散に対する障壁層として用いられている。しかし、これらの障壁層は、今日の素子のより高いアスペクト比に適応させるため、極めて薄くしなければならない。というのは、上記障壁にとって、可能な限り、銅の相互接続に対する最小の付加抵抗を提供することが望ましいからである。これらの障壁は、化学的に不活性でなければならず、そしてそれによって、近接物質の相互拡散(inter−diffusion)に抵抗しなければならず、低い電気抵抗(高い電気伝導率を示す)、低いコンタクト又はビア抵抗性、及び低い接合点漏れを有しなければならない。
【0010】
金属窒化物は、結晶構造を有しうる場合には(than)、金属化合物である傾向がある。一方、金属窒化物/窒化ケイ素膜は、非晶質の傾向がある。前者の場合には、上記膜の結晶化度は、その障壁特性の破壊を供給しうる。というのは、銅の拡散は、その結晶粒界に沿って生じうるからである。後者の場合には、上記物質が非晶質であるため、粒界が存在せず、従って、障壁特性が向上する。別の観点では、窒化ケイ素成分が、金属窒化物中で、粒界をブロックするようにはたらく。
【0011】
しかし、この非晶質の性質を得るために、金属窒化物中にさらなる窒化ケイ素が添加されるにつれ、上記物質の電気抵抗が増加する。従って、窒化ケイ素の濃度を注意深く制御する必要がある。概して、これらの障壁膜は、正確に制御された膜厚を有するシリコンウェーハ上で、深くエッチングされた形体を均一にコーティングすることができる、高度にコンフォーマル(conformal)な薄膜として成長させる必要がある。これらの形体を、最終的に銅で満たし、シリコンウェーハ表面におけるトランジスタ素子相互間の相互接続電気経路を付与する。これらの膜を、コンフォーマルな薄膜に成長させるために、化学気相堆積法(CVD)が用いられることが多い。しかし、素子の寸法が小さくなり続けているので、約10Åの障壁膜厚が必要とされている。この点では、CVDには課題があり、そして原子層成長法(ALD)が、より魅力的になりつつある。いずれにせよ、揮発性金属化合物が、前駆体として要求される。金属窒化物の膜において、例えば、窒化チタン、窒化タンタル又は窒化タングステン、金属アミド又はアミド/イミド化合物が用いられている。これらの化合物が、ALD又はCVD法において、好適な試薬(regent)(アンモニア等)と反応し、金属窒化物が堆積する。その例がCVD法であり、そこでは、前駆体として、アンモニアと反応するテトラキス(ジエチルアミド)チタンを用い、TiNを与える。あるいは、CVD法において、ウェーハ表面上で前駆体を熱溶解させ(thermolyse)、チタン炭窒化物材料の連続的な薄膜を得て、続いて、水素/窒素プラズマを用いてアニールして上記膜を緻密化し、そして炭素濃度を減らして主に窒化チタン膜を得ることができる。
【0012】
後者の方法向けに好適な前駆体の例は、テトラキス(ジメチルアミド)チタンである。あるいは、アンモニアと反応する前駆体のペンタキス(ジメチルアミド)タンタルを用いたALD法において、窒化タンタル膜を成長させることができる。あるいは、交互サイクルにおいて、アンモニアと反応する前駆体(ButN=)2W(NMe22を用いたALD法によって、窒化タングステン膜を成長させることができる。窒化ケイ素が、これらの膜中に導入されるべき場合には、それは、金属窒化物前駆体を、窒化ケイ素前駆体(例えば、シラン又はケイ素アミド化合物、例えば、テトラキス(ジメチルアミド)ケイ素)と共反応させることによってなされるのが通常である。従って、金属(M)含有前駆体、ケイ素及び窒素源(アンモニア等)含有前駆体は、共に反応し、MSiN膜を与える。従って、ケイ素導入度は、ある程度、上記方法の際のケイ素前駆体の調量を、正確に制御する能力によって決まるであろう。
【0013】
一般的に、三成分の膜の形成において、金属アミド、シラン、及びアンモニアを、周期的な堆積により、基板上に連続的に堆積させるが、上記方法には、課題がもたらされることになる。シランは、自然発火性の気体であり、そして安全上の問題の可能性が生ずる。さらに、上記周期的な方法において、3つの前駆体が用いられ、それぞれのパージ段階に加えて、3つの堆積段階が要求される。一方、アミノシラン又はヒドラジノシラン及びアンモニアにより、窒化ケイ素が生成することが報告されている。しかしながら、これらの膜において、化学気相堆積法又は原子層成長法のいずれかによって生成した金属窒化ケイ素内に、直接の金属−ケイ素結合は存在しないことが見出されたことが重要であり、金属窒化物及び窒化ケイ素は、得られた膜内で別の相中に存在する、すなわち、金属窒化物が、窒化ケイ素で押し込まれていることが暗示される。本発明は、潜在的に、MSiN膜を成長させるためのさらにすばらしいアプローチであり、そこでは、その構造体中に上記金属及びケイ素の両方を既に有している前駆体が用いられる。従って、上記前駆体の処理から得られる膜中の、ケイ素に対する金属の正確な比率は、いまだに、圧力、温度、エネルギー導入量及び流れの正確な工程条件の関数として制御されうるけれども、両元素が、正確な固定比において、同一分子内で供給されることになる。本発明を、下記のいくつかの非限定的な例において、具体的に説明する。
【実施例】
【0014】
[例1]
[ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタン、Ti(H2Si(NBut22の合成]
乾燥窒素雰囲気下で、7.0g(40ミリモル)のビス(tert−ブチルアミノ)シランを、100mLの脱水テトラヒドロフラン溶媒中に溶解させ、そして−78℃まで冷却した。この溶液に、ヘキサン中の2.5Mのn−ブチルリチウム32.0mL(840ミリモル)を、10分間に渡り、液滴として添加し、そして得られた混合物を、−78℃でさらに30分間撹拌し、白い沈殿が生成した。次いで、この混合物をさらに20分間、室温まで温め、その後、−78℃まで再冷却した。四塩化チタン2.14mL(10ミリモル)を、窒素雰囲気の下、10mLの脱水テトラヒドロフランを含む別の容器にゆっくりと添加して、黄色の沈殿が生成した。次いで、この後者の沈殿物を、−78℃において最初の沈殿に添加し、次いで、室温まで温め、そして一晩中撹拌した。次いで、上記テトラヒドロフラン及びヘキサン溶媒を、減圧下で揮散させ、そして得られた黄緑色の固体を、窒素下で、100mLの未使用の脱水ヘキサンと混合し、得られた混合物をろ過し、そして得られた緑色のオイルを、強減圧(dynamicvaccum)下で110℃まで加熱し、そして液体窒素で冷却させた収集容器内に、オレンジ色の固体として蒸留した。収率=3.6g(45%)次いで、この粗生成物を、65〜70℃の昇華によりさらに精製した。上記構造体を、単結晶X線回折によって解析した(図1中の図を参照のこと)。
【0015】
1HNMR:(500MHz,C66):δ=1.35(s,36H)、δ=5.41(s,4H).
13CNMR:(500MHz,C66):δ=35.25(s,12C)、δ=58.97(s,4C)。
マススペクトルは、387m/zにおいて強いピークを示した(すなわち、母体の393m/z−CH3の15m/z)。
【0016】
別の合成法もまた用いることができ、そこでは、2当量のビス(tert−ブチルアミノ)シランのジアニオンを、−78℃において、ヘキサン又は脱水テトラヒドロフラン中の四塩化チタンに添加し、次いで、得られた混合物を、上記のように処理した。
【0017】
ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンの熱重量分析(TGA)のグラフを、図2に示す。ほぼ完全に質量損失することにより、ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンが揮発性であること、そして典型的なCVD又はALD工程において、反応チャンバー内に容易に供給できることが示される。従って、ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)ジアミノシリル)チタンは、アンモニア又は他の好適な窒素含有試薬を用いて、又は用いずに、チタン窒化ケイ素含有膜を調製するための好適な前駆体である。
【0018】
[例2]
[HSi(NMe2)(ButN)2Ti(NMe22の合成]
乾燥窒素雰囲気下で、3.48g(20ミリモル)のビス(tert−ブチルアミノ)シランを、100mLの脱水テトラヒドロフラン溶媒中に溶解させ、そして−78℃まで冷却した。この溶液に、ヘキサン中の1.6Mのn−ブチルリチウム24.4mL(40ミリモル)を、10分間に渡り、液滴として添加し、そして得られた混合物を、−78℃でさらに30分間撹拌し、白い沈殿が生成した。次いで、この混合物をさらに20分間、室温まで温め、その後、−78℃まで再冷却した。四塩化チタン0.55mL(5ミリモル)を、窒素雰囲気の下、10mLの脱水テトラヒドロフランを含む別の容器にゆっくりと添加して、黄色の沈殿が生成した。次いで、このチタン沈殿物を、−78℃においてリチオ化(lithiated)混合物に添加した。この混合物に、20g(20ミリモル)の5wt%リチウムジメチルアミドを添加し、−78℃を維持した。次いで、得られた混合物を、室温まで温め、そして一晩中撹拌した。次いで、上記溶媒を、揮散させ、そして得られた粗生成物を、窒素下で、100mLの脱水ヘキサンと混合し、ろ過し、次いで減圧下でヘキサンを除去した。次いで、得られたオイルを、強減圧(dynamic vaccum)下で110℃まで加熱し、そして液体窒素で冷却させた収集容器内に、オレンジ色の固体として蒸留した。次いで、このオレンジ色の生成物を、60℃の減圧昇華により精製した。
【0019】
[例3]
[有機金属前駆体としてTi(H2Si(NBut22を用いたCVDによるTi−Si−N膜の形成]
Ti(H2Si(NBut22を、公知のCVD技法を用いた一般的なCVD装置内で、金属窒化ケイ素膜形成に関する有機金属前駆体として用いた。
【0020】
Ti(H2Si(NBut22を、90℃のバブラー内で揮発させ、そして窒素含有源としてNH3と組み合わせて、又は組み合わせずに、CVDチャンバー内に入れた。上記CVDチャンバーは、加熱された基板ホルダーを有する、冷水壁(cold−wall)システムであった。上記基板を、400℃〜500℃の温度範囲に保持した。上記チャンバー圧力を、1〜2トルに保持させた。
【0021】
46sccmのHeキャリアガス流速と共に、1.5トルの堆積圧力における、基板温度の関数としての、Ti−Si−N膜の堆積速度を、図3に示す。NH3の流速は、0sccm(NH3なし)〜75sccmの範囲にわたる。上記堆積速度は、基板温度が高くなるにつれ、速くなった。NH3を用いない堆積では、堆積速度が最も遅く、NH3の存在により、窒化ケイ素膜の形成が促進されることが示される。
【0022】
窒素含有源としてNH3を用い、種々の温度において堆積させたチタン窒化ケイ素膜のEDX分析により、上記膜が、チタン、ケイ素、及び窒素原子を含むことが示された(図4に示す)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造により表される有機金属錯体:
【化1】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR1〜4は、同一又は異なって、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、脂環式、並びにアリールからなる群から選択されることができるが、但しR1及びR2が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ、又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)。
【請求項2】
Mが、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから成る群から選択される、請求項1に記載の有機金属錯体。
【請求項3】
ビス(N,N’−ジ(tert−ブチル)−ジアミノシリル)チタンを含む、請求項1に記載の有機金属錯体。
【請求項4】
請求項1に記載の有機金属錯体を、堆積チャンバーに導入し、
揮発させ、そして
基板上に堆積させる、
前記基板上にコンフォーマルな金属窒化ケイ素薄膜を生成させるための堆積法。
【請求項5】
随意選択的にアンモニアを用い、原子層成長法(ALD)及び化学気相堆積法(CVD)から成る群から選択される、請求項4に記載の堆積法。
【請求項6】
金属窒化ケイ素系膜を形成するために、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件において、アンモニア、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン及び窒素から成る群から選択される窒素含有試薬と反応させる、請求項1に記載の前駆体を用いるALD又はCVD法。
【請求項7】
金属酸化ケイ素又は金属酸窒化ケイ素系膜を形成するために、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件において、酸化試薬、並びに酸化試薬及び窒素含有試薬の混合物から成る群から選択される試薬と反応させる、請求項1に記載の前駆体を用いるALD又はCVD法。
【請求項8】
熱、オゾン、プラズマ、UV及びマイクロ波から成る群から選択される、最終膜の緻密化又は膜アニールのためのさらなる処理ステップを用いる、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
次の構造により表される有機金属錯体:
【化2】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR5〜10は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキルアルコキシ、フルオロアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができるが、但しR5,R6、R9及びR10が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)。
【請求項10】
Mが、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから成る群から選択される、請求項9に記載の有機金属錯体。
【請求項11】
請求項9に記載の有機金属錯体を、堆積チャンバーに導入し、
揮発させ、そして
基板上に堆積させる、
前記基板上にコンフォーマルな金属窒化ケイ素薄膜を生成させるための堆積法。
【請求項12】
随意選択的にアンモニアを用い、原子層成長法(ALD)及び化学気相堆積法(CVD)から成る群から選択される、請求項11に記載の堆積法。
【請求項13】
金属窒化ケイ素系膜を形成するために、請求項9に記載の前駆体を、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件において、アンモニア、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン及び窒素から成る群から選択される窒素含有試薬と反応させる、ALD又はCVD法。
【請求項14】
金属酸化ケイ素又は金属酸窒化ケイ素系膜を形成するために、請求項9に記載の前駆体を、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件において、酸化試薬、並びに酸化試薬及び窒素含有試薬の混合物から成る群から選択される試薬と反応させる、ALD又はCVD法。
【請求項15】
熱、オゾン、プラズマ、UV及びマイクロ波から成る群から選択される、最終膜の緻密化又は膜アニールのためのさらなる処理工程を用いる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
次の構造により表される有機金属錯体:
【化3】

(式中、Mは、元素周期表の5族から選択される金属であり、そしてR11〜16は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル及び脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができる;n=1,2、m=5−2n、ここで、R11,R12、R15及びR16がジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)。
【請求項17】
Mが、バナジウム、ニオブ、及びタンタルから成る群から選択される、請求項16に記載の有機金属錯体。
【請求項18】
請求項16に記載の有機金属錯体を、堆積チャンバーに導入し、
揮発させ、そして
基板上に堆積させる、
前記基板上にコンフォーマルな金属窒化ケイ素薄膜を生成させるための堆積法。
【請求項19】
随意選択的にアンモニアを用い、原子層成長法(ALD)及び化学気相堆積法(CVD)から成る群から選択される、請求項18に記載の堆積法。
【請求項20】
金属窒化ケイ素系膜を形成するために、請求項16に記載の前駆体を、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件において、アンモニア、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン及び窒素から成る群から選択される窒素含有試薬と反応させる、ALD又はCVD法。
【請求項21】
金属酸化ケイ素又は金属酸窒化ケイ素系膜を形成するために、請求項16に記載の前駆体を、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件において、酸化試薬、並びに酸化試薬及び窒素含有試薬の混合物から成る群から選択される試薬と反応させる、ALD又はCVD法。
【請求項22】
熱、オゾン、プラズマ、UV及びマイクロ波から成る群から選択される、最終膜の緻密化又は膜アニールのためのさらなる処理ステップを用いる、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
次の構造により表される有機金属錯体:
【化4】

(式中、Mは、元素周期表の6族から選択される金属であり、そしてR17〜22は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができる;p=1,2,3、q=6−2p、ここで、R17、R18、R21及びR22が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ、又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)。
【請求項24】
Mが、クロム、モリブデン及びタングステンから成る群から選択される、請求項23に記載の有機金属錯体。
【請求項25】
請求項23に記載の有機金属錯体を、堆積チャンバーに導入し、
揮発させ、そして
基板上に堆積させる、
前記基板上にコンフォーマルな金属窒化ケイ素薄膜を生成させるための堆積法。
【請求項26】
随意選択的にアンモニアを用い、原子層成長法(ALD)及び化学気相堆積法(CVD)から成る群から選択される、請求項25に記載の堆積法。
【請求項27】
金属窒化ケイ素系膜を形成するために、請求項23に記載の前駆体を、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件において、アンモニア、ヒドラジン、ジメチルヒドラジン及び窒素から成る群から選択される窒素含有試薬と反応させる、ALD又はCVD法。
【請求項28】
金属酸化ケイ素又は金属酸窒化ケイ素系膜を形成するために、請求項23に記載の前駆体を、熱、プラズマ、遠隔プラズマ、及び他のエネルギー付与環境から成る群から選択される反応条件の下、酸化試薬、並びに酸化試薬及び窒素含有試薬の混合物から成る群から選択される試薬と反応させる、ALD又はCVD法。
【請求項29】
次の各ステップ;
有機金属前駆体を、堆積チャンバーに導入し、そして加熱された基板上に膜を堆積させるステップ;
前記堆積チャンバーをパージして、未反応の有機金属前駆体及び任意の副生成物を除去するステップ;
金属アミドを導入して、加熱された基板上に膜を堆積させるステップ;
前記堆積チャンバーをパージして、任意の未反応の金属アミド及び副生成物を除去するステップ;そして
所望の厚さの膜が定着するまで前記周期的な堆積工程を繰り返すステップ:
を含む、基板上に金属窒化ケイ素膜を生成させるための周期的な堆積法。
【請求項30】
前記有機金属錯体が、次の(a)〜(d)から成る群から選択される、請求項29に記載の方法;
(a)
【化5】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR1〜4は、同一又は異なって、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができるが、但しR1及びR2が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ、又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。);
(b)
【化6】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR5〜10は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキルアルコキシ、フルオロアルコキシ、脂環式、及びアリールから成る群から選択されることができるが、但しR5,R6、R9及びR10が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。);
(c)
【化7】

(式中、Mは、元素周期表の5族から選択される金属であり、そしてR11〜16は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル及び脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができる;n=1,2、m=5−2n、ここで、R11,R12、R15及びR16が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。);及び
(d)
【化8】

(式中、Mは、元素周期表の6族から選択される金属であり、そしてR17〜22は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができる;p=1,2,3、q=6−2p、ここで、R17、R18、R21及びR22が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ、又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)。
【請求項31】
前記金属アミドが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)、テトラキス(エチルメチルアミノ)チタン(TEMAT)、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム(TDMAZ)、テトラキス(ジエチルアミノ)ジルコニウム(TDEAZ)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ジルコニウム(TEMAZ)、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(TDMAH)、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(TDEAH)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(TEMAH)、tert−ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert−ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(TBTDMT)、tert−ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、エチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(EITDET)、エチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(EITDMT)、エチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル(EITEMT)、tert−アミルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(TAIMAT)、tert−アミルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、tert−アミルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
随意選択的にアンモニアを用い、原子層成長法(ALD)及び化学気相堆積法(CVD)から成る群から選択される、請求項29に記載の堆積法。
【請求項33】
熱、オゾン、プラズマ、UV及びマイクロ波から成る群から選択される、最終膜の緻密化又は膜アニールのためのさらなる処理ステップを用いる、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
随意選択的なアンモニアと共に、次の(A)及び(B)を含む混合物を用いるCVD法;
(A)次の(a)〜(d)から成る群から選択される前駆体;
(a)
【化9】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR1〜4は、同一又は異なって、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができるが、但しR1及びR2が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ、又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。);
(b)
【化10】

(式中、Mは、元素周期表の4族から選択される金属であり、そしてR5〜10は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキルアルコキシ、フルオロアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができるが、但しR5,R6、R9及びR10が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。);
(c)
【化11】

(式中、Mは、元素周期表の5族から選択される金属であり、そしてR11〜16は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル及び脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができる;n=1,2、m=5−2n、ここで、R11,R12、R15及びR16が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。):及び
(d)
【化12】

(式中、Mは、元素周期表の6族から選択される金属であり、そしてR17〜22は、同一又は異なって、水素、アルキル、アルコキシ、フルオロアルキル及びアルコキシ、脂環式、並びにアリールから成る群から選択されることができる;p=1,2,3、q=6−2p、ここで、R17、R18、R21及びR22が、ジアルキルアミド、ジフルオロアルキルアミド、アルコキシ、フルオロアルコキシ、又はフルオロアルキルである場合には、それらは連結して環を形成することができる。)、並びに
(B)テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン(TDEAT)、テトラキス(エチルメチルアミノ)チタン(TEMAT)、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム(TDMAZ)、テトラキス(ジエチルアミノ)ジルコニウム(TDEAZ)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ジルコニウム(TEMAZ)、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(TDMAH)、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(TDEAH)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(TEMAH)、tert−ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、tert−ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(TBTDMT)、tert−ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル(TBTEMT)、エチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(EITDET)、エチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(EITDMT)、エチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル(EITEMT)、tert−アミルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(TAIMAT)、tert−アミルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、tert−アミルイミノトリ(エチルメチルアミノ)タンタル、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン(BTBMW)、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(ジエチルアミノ)タングステン、ビス(tert−ブチルイミノ)ビス(エチルメチルアミノ)タングステン、及びそれらの混合物から成る群から選択される金属アミド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−222362(P2010−222362A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−118497(P2010−118497)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【分割の表示】特願2006−275057(P2006−275057)の分割
【原出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】