説明

金属基炭素繊維複合材料の製造方法

【課題】一般に用いられている安価な材料を用い、溶湯法で用いられるよりも少ないエネルギーによって作製することができ、広範囲の寸法および形状(特に大面積)を有する優れた熱伝導性かつ軽量な金属基炭素繊維複合材料を提供する。
【解決手段】炭素繊維を有機バインダーおよび溶剤と混合して塗布混合物を準備する工程と、シート状もしくはフォイル状の金属支持体上に塗布混合物を付着させて、金属支持体上に炭素繊維含有被膜が形成されたプリフォームを形成する工程と、プリフォームを積み重ねて、プリフォーム積層体を形成する工程と、プリフォーム積層体を真空中または非酸化雰囲気中で加熱圧接して、前記プリフォーム同士を一体化させる工程とを備えた、金属基炭素繊維複合材料の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属基炭素繊維複合材料およびその製造方法に関する。詳細には、常温から数百℃で作動する装置の放熱に適した高熱伝導率を有する金属基炭素繊維複合材料の製造方法に関し、より詳細には金属層と炭素繊維を含有する金属層が交互に積み重なった構造を有する金属基炭素繊維複合材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体を用いた電子装置もしくはパワーモジュールの放熱部材(基板、ヒートシンク、ヒートスプレッダなど)あるいは機械装置の発熱部周辺部材として、アルミニウム、銅またはそれらの合金が、その優れた加工性および比較的高い熱伝導率のために、主に用いられている。また、さらに優れた熱伝導性および/または絶縁性が求められる場合には、グラファイト、あるいはベリリア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素などの高熱伝導材料が用いられているが、これらの材料は高コストであるため多用されるに至っていない。しかしながら、前述の装置の高性能化に伴い、それら装置の発熱量が増大する傾向が顕著である。さらに、それら装置の小型軽量化に伴い、放熱部材の小型軽量化が求められ、さらにまた、高性能で安価な放熱部材が求められてきている。
【0003】
この問題に関して、アルミニウム、銅などの金属もしくは合金よりも高い熱伝導率を有するグラファイトが使用されてはいるものの、グラファイトから発生および飛散する炭素粉が周辺の電子回路に支障を及ぼすという問題を抱えている。また、窒化珪素などの高熱伝導性セラミックスも、ハイブリッドカー制御部のLSI用ヒートシンクなどに用いられてきてはいるが、さらに優れた熱伝導性と大幅な価格ダウンをユーザーから求められており、セラミックス系材料ではそのような要請には応えられない状況にある。
【0004】
このような現状に鑑み、優れた熱伝導性を有し、かつ軽量である炭素繊維を用いた金属基炭素繊維複合材料が注目されてきている。そのような金属基炭素繊維複合材料は、炭素繊維を配列、整列、編み込むなどして固めた予備成型体(プリフォーム)に対して、アルミニウムなどの金属の溶湯を加圧または非加圧で含浸させる溶湯含浸法によって形成されるのが一般的である(特許文献1参照)。
【0005】
溶湯含浸法によって金属基炭素繊維複合材料を形成する際の問題は、金属溶湯が高い温度を有することによっておこる炭素繊維と溶湯中の金属との化学反応による金属炭化物の生成である。たとえば、アルミニウムを用いる場合、アルミニウム溶湯は約700℃という高い温度を有し、溶湯中のアルミニウムと炭素繊維との反応によるAlの生成がある。生成したAlなどの炭化物は、常温における水または水蒸気との接触により、メタンなどの炭化水素ガスおよび金属水酸化物へと変質し、炭素繊維と母材(マトリクス)の金属との間に空隙が生じ、複合材料の強度および熱伝導率が大きく低下することが知られている。
【0006】
溶湯含浸法における炭化物の形成を抑制するための方法として、炭素繊維に対して、セラミックコーティング(特許文献2参照)またはフッ素のコーティング(特許文献3参照)のような表面処理を施す方法が検討されてきている。あるいはまた、炭素を主成分とするバインダー(ピッチ系樹脂など)を用いて、炭素繊維のプリフォームを形成する方法(特許文献4参照)、または溶湯として用いる金属を合金化して、溶湯の温度を低下させて溶湯含浸時の反応を抑制すること(特許文献5参照)が検討されてきている。
【0007】
しかしながら、前述のように炭素繊維にコーティングを施す方法、および炭素を主成分とするバインダーによってプリフォームを形成する方法は、追加の工程および材料などを必要とし、複合材料のコストの増大を招く可能性がある。また、溶湯として合金を用いる方法においては、該合金を準備する工程が必要となる。さらに、いずれの方法においても、マトリクスとして用いる金属ないし合金を溶湯とするために高温が必要であり、多くのエネルギーを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−194515号公報
【特許文献2】特開2001−300717号公報
【特許文献3】特開平5−125562号公報
【特許文献4】特開2000−303155号公報
【特許文献5】特開平11−256254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上の先行技術に鑑みて、本発明の課題は、一般に用いられている安価な材料を用い、溶湯法で用いられるよりも少ないエネルギーによって作製することができ、広範囲の寸法および形状(特に大面積)を有する優れた熱伝導性かつ軽量な金属基炭素繊維複合材料を提供することである。このような金属基炭素繊維複合材料は、放熱対策に苦慮しているパーソナルコンピュータ、液晶パネル、プラズマデスプレイパネルなどに応用することが可能である。
【0010】
また、本発明の別の課題は、一般に用いられている安価な材料を用い、溶湯法で問題となっている金属炭化物の生成を抑制または排除し、より少ないエネルギーによって実施することが可能であり、かつ広範囲の寸法および形状(特に大面積)を得ることができる金属基炭素繊維複合材料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法は、炭素繊維を有機バインダーおよび溶剤と混合して塗布混合物を準備する工程と;シート状もしくはフォイル状の金属支持体上に前記塗布混合物を付着させて、金属支持体上に炭素繊維含有被膜が形成されたプリフォームを形成する工程と;前記プリフォームを積み重ねて、プリフォーム積層体を形成する工程と;前記プリフォーム積層体を真空中または非酸化雰囲気中で加熱圧接して、前記プリフォーム同士を一体化させる工程とを備えたことを特徴とする。ここで、前記金属支持体上に塗布された炭素繊維含有被膜が、前記金属支持体全体を覆ってもよいし、あるいは、1方向には連続し、それと直交する方向には不連続であってもよい。また、前記塗布混合物の付着は、たとえばノズルプリント法などの方法によって、前記塗布混合物中の炭素繊維を整列させながら実施され、製造される金属基炭素繊維複合材料中で炭素繊維が整列された構造を維持されてもよい。あるいはまた、前記塗布混合物の付着を、スプレードライ法により実施してもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上のような構成をとることによって、半導体を用いた電子装置、あるいは発熱部を有する機器、装置の放熱部材として有用な、軽量で高い熱伝導率を有する金属基炭素繊維複合材料を得ることができる。本発明の製造方法は、とくに板状の高熱伝導材料を安価に提供することに優れており、ノート型パーソナルコンピュータ、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機EL表示装置などの放熱基板の提供に有用であり、本発明の価値はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1Aは、連続繊維である炭素繊維を整列させる場合の、本発明の金属基炭素繊維複合材料およびその製造工程を示す概略図である。
【図1B】図1Bは、短繊維である炭素繊維をランダムに配列させる場合の、本発明の金属基炭素繊維複合材料およびその製造工程を示す概略図である。
【図1C】図1Cは、短繊維である炭素繊維を整列させる場合の、本発明の金属基炭素繊維複合材料およびその製造工程を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程Iの一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程Iの一例(ノズルプリント法)を示す図である。
【図4A】図4Aは、ノズルプリント法に用いられる、整流板を有するノズル先端部を示す図である。
【図4B】図4Bは、ノズルプリント法に用いられる、電解印加手段を有するノズル先端部を示す図である。
【図4C】図4Cは、ノズルプリント法に用いられる、磁界印加手段を有するノズル先端部を示す図である。
【図5】図5は、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程Iの一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程IIの一例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程IIIの一例を示す図である。
【図8A】図8Aは、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程IVにおいて、ホットプレス法を用いる一例を示す図である。
【図8B】図8Bは、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程IVにおいて、パルス通電焼結法を用いる一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の金属基炭素繊維複合材料の製造方法の工程IVの一例であり、熱間加圧ロールを使用する例を示す図である。
【図10】図10は、実施例3によって得られた金属基炭素繊維複合材料の光学顕微鏡写真である。
【図11】図11は、実施例3によって得られた金属基炭素繊維複合材料の走査電子顕微鏡写真である。
【図12】図12は、実施例4によって得られた金属基炭素繊維複合材料の走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態は、図1A〜図1Cに示すような金属と炭素繊維から構成され、金属層と炭素繊維含有金属層が交互に積み重なった構造を有する金属基炭素繊維複合材料6である。図1Aにおいては、連続繊維である炭素繊維2を用いて形成される金属基炭素繊維複合材料6aの模式図を示す。また、図1Bおよび図1Cにおいては、短繊維である炭素繊維2を用いて形成される金属基炭素繊維複合材料6bおよび6cの模式図を示す(ここで、金属基炭素繊維複合材料6bは炭素繊維2がランダムに配列された材料であり、金属基炭素繊維複合材料6cは炭素繊維2が一方向に整列された材料である)。本発明の金属基炭素繊維複合材料6中に用いられる金属は、熱伝導率と加工性の観点より、銅、アルミニウム、マグネシウムおよびこれらを基とする合金からなる群から選択することができる。金属層は、自立性のシート(厚さ50μm〜500μm)、または自立性のフォイル(厚さ100nm〜50μm)から形成することができる。以下の本明細書において、金属シートおよび金属フォイルを、金属支持体と総称する場合がある。
【0015】
本発明の金属基炭素繊維複合材料6中に用いられる炭素繊維2は、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、ピッチ系あるいはPAN系炭素繊維を加熱再処理した炭素繊維(これらの炭素繊維は直径1μm〜10μm、長さ50mm以上の連続繊維として扱えるもの、あるいは直径同等、長さ1mmから50mmのチョップドファイバー)、気相成長炭素繊維(直径10nm〜40μm、長さ1μm〜50mm)、カーボンナノファイバー(直径10nm〜40nm、長さ1μm〜50mm)、シングルウォールカーボンナノチューブ(直径1.4nm〜10nm、長さ1μm〜50mm)、マルチウォールカーボンナノチューブ(直径2nm〜40μm、長さ1μm〜50mm)、あるいはこれらの集合体、さらにはカーボンナノファイバーやカーボンナノチューブを撚合、紡糸したワイヤーからなる群より選択されたものでもよい。あるいはまた、本発明の金属基炭素繊維複合材料6においては、1種の炭素繊維を単体として用いてもよいし、または複数種の炭素繊維を混合した複合体を、炭素繊維2として用いてもよい。
【0016】
さらに、これらの炭素繊維類は、2000℃〜3000℃の不活性雰囲気中での熱処理(再加熱処理)により、剛性や熱伝導率が向上する。このため、複合材料に求められる特性に応じた熱処理を施したこれら炭素繊維類を用いることも可能である。
【0017】
本発明における炭素繊維含有金属層は、前述の炭素繊維2と金属支持体1とを接触させた状態で加熱圧接して、金属支持体1の一部を塑性変形させて炭素繊維2の周囲を取り巻くようにして形成することができる。あるいはまた、炭素繊維2と、接合補助材としての金属粉末3の粒子との混合物を金属支持体1上に配設して熱および圧力を印加して、金属粉末3の粒子の融着および金属支持体1の一部の塑性変形によって炭素繊維含有金属層を形成してもよい。いずれの場合においても、金属支持体1の残部が金属層を形成する。
【0018】
前述の金属層と、炭素繊維含有金属層とを交互に積層する際に、炭素繊維含有金属層に含有される炭素繊維2を1方向に整列させることによって、該金属基炭素繊維複合材料6の炭素繊維整列方向における熱伝導率をさらに向上させることができる。炭素繊維2の整列は、後述のような種々の方法により達成することができる。
【0019】
本発明の金属基炭素繊維複合材料6は、その積層方向において、0.1〜10mm、好ましくは0.1〜3mmの厚さを有するシート状材料として得ることができる。このように薄いシート状材料とした場合、製造後に曲げ変形を加えた場合に、破断などの微細組織的破壊が発生せず、熱的性質(熱伝導率、熱膨張率など)の劣化を防止することができる。前述の範囲内の厚さを有する本発明の金属基炭素繊維複合材料6は、曲率半径30mm以下の曲げ変形、より詳細には曲率半径1〜30mmの曲げ変形を加えても、炭素繊維および金属ともに破断などの微細組織的破壊が発生せず、その熱的性質を維持することができる。
【0020】
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態の金属基炭素繊維複合材料6を製造する方法であって、金属と該金属中に炭素繊維が分散して存在する金属基炭素繊維層とが交互に積み重なった構成を有する層状構造体を工業的に製造可能とする具体的な方法を提供するものである。
【0021】
本実施形態の製造方法は:金属支持体1上に炭素繊維2を付着させたプリフォーム4を構成する工程Iと;前記プリフォーム4を積層して、プリフォーム積層体5とする工程IIと;積層体5を真空もしくは非酸化雰囲気中で加熱加圧し、前記プリフォーム4同士を圧接して一体化して、金属基炭素繊維複合材料6を得る工程IVとを含むことを特徴とする。工程Iにおいてプリフォーム4を構成する際に、金属支持体1の表面上に炭素繊維2を固定する目的で有機バインダーや有機溶剤を用いる場合には、工程IIと工程IVとの間において、前記積層体を炭素繊維表面が酸化されない程度の温度に加熱して、該有機バインダーや有機溶剤を除去する「脱バインダー」工程IIIをさらに実施してもよい。
【0022】
本発明による金属基炭素繊維複合材料の製造方法は、炭素繊維2のサイズと整列方法、接合補助材としての金属粉末3の使用の有無などの差異により、前述の各工程にバリエーションが存在する。これらの工程の組み合わせによりいくつかの製造方法が構築できる。
【0023】
工程Iは、金属層を形成する金属支持体1と、炭素繊維2とを組み合わせて、プリフォーム4を形成する工程である。この工程において、炭素繊維2は、必ずしも整列させる必要はないが、好ましくは一方向に整列される。炭素繊維2が連続繊維として取り扱える場合と、短繊維として取り扱う場合とで異なる方法が適用できる。
【0024】
炭素繊維2が連続繊維として取り扱える場合、すなわち、ピッチ系あるいはPAN系カーボンファイバーや炭素繊維類の撚合ワイヤーのように、長さが50mm以上の繊維の場合には、金属支持体1上に、両端から張力をかけながら炭素繊維2を配置するなどの方法を用いて、図1Aに示すように容易に炭素繊維2を整列させて、プリフォーム4aを得ることが可能である。加えて、整列前の炭素繊維2にバインダーを塗布するか、金属支持体1上への整列後にバインダーをスプレーなど慣用の方法で塗布して、金属支持体1上に炭素繊維2を固定できる。あるいはまた、金属支持体1同士またはそれらと炭素繊維2との加熱圧接後の接合性を改善する目的で、バインダーと同時または別個に接合補助材としての金属粉末3を付着、固定させることもできる。
【0025】
工程Iにおいて用いることができるバインダーは、後述の工程IIIにおいて、炭素繊維2が酸化されない程度の温度で容易に揮発または焼尽できるものであることが望ましい。好ましくは400℃以下の温度で揮発または焼尽できるバインダーを用いることができる。具体的には、プルロニック系分散粘結剤、PEGなどの有機樹脂を用いることができる。また、任意選択的に、バインダーの塗布性および粘性を改善するために、低沸点の有機溶媒をバインダーと混合して用いてもよい。用いることができる有機溶媒は、炭素繊維が酸化されない程度の温度で揮発または焼尽できるものであり、たとえば、酢酸エチル、アセトン、トルエン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルを含む。
【0026】
工程Iにおいて添加してもよい接合補助材としての金属粉末3は、組み合わせられる金属支持体1と同種の材料で形成されて、加熱圧接後に金属支持体1を形成する材料と一体化することが好ましい。また、金属粉末3の粒径は、用いられる炭素繊維2にも依存するが、金属粉末3の粒径は一般的には10nm〜50μmの範囲内であることが望ましい。
【0027】
炭素繊維2を長繊維として取り扱える場合に、特に大量生産に適した例示的形態を図2に示す。金属支持体1を巻出ロール21から巻取ロール22へと送る間に、ボビン23から巻き解いた連続している炭素繊維2を整列させながら金属支持体1上に固定する。また、ボビン23の数を増やすことによって、同時に1000本以上の炭素繊維2を金属支持体1上に固定することができる。図2の方法において、巻取ロール22、ボビン23、および任意選択の1つまたは複数のテンションロール24(図2においては2個)を通すことによって、炭素繊維2に対して、張力および金属支持体1への押圧力が付与される。図2の実施形態において、バインダーは、テンションロール24通過後に炭素繊維2に塗布してもよいし、あるいは金属支持体1上への炭素繊維2の整列後に塗布してもよい。
【0028】
一方、炭素繊維2を短繊維として取り扱う場合、すなわち、チョップドファイバー、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバー、シングルウォールカーボンナノチューブ、マルチウォールカーボンナノチューブ、あるいはこれらの混合物のように長さが50mm以下であり、炭素繊維2を粉末に準じて扱える場合には、炭素繊維2、または炭素繊維2と金属粉末3との粉末状混合物を、金属支持体1上に散布して、図1Bに示すような炭素繊維がランダムに配列されたプリフォーム4bを形成することができる。粉末混合物の散布後にバインダーまたはバインダーを有機溶媒中に溶解させた溶液をスプレーなどの慣用の方法によって別個に塗布して、粉末混合物を金属支持体1上に固定してもよい。また、自然付着によりバインダーを用いないで固定する方法も適用可能である。
【0029】
あるいはまた、炭素繊維2と、金属粉末3と、有機溶媒とを混合した塗布混合物7を形成し、金属支持体1上に塗布および固定させてもよい。塗布混合物7は、任意選択的にバインダーを含んでもよい。本工程において用いられる塗布混合物7は、炭素繊維2、金属粉末3、バインダー(存在する場合)を溶媒とともに、ボールミルなどの慣用の攪拌装置中で混合することによって形成される。塗布混合物がバインダーを含まない場合、塗布混合物を金属支持体1上に坦持させた後に、バインダーまたはバインダーを有機溶媒中に溶解させた溶液をスプレーなどの慣用の方法によって別個に塗布してもよい。この場合にも同様に、自然付着によりバインダーを用いないで固定する方法も適用可能である。塗布混合物7の塗布は、図3に示すような塗布混合物7をノズル31から吐出させて金属支持体1上に炭素繊維2を配置するノズルプリント法、図5に示すような塗布混合物7を金属支持体1上に吹付および乾燥させて炭素繊維2を配置するスプレードライ法、またはスクリーン印刷法などの方法によって行うことができる。塗布混合物を用いる方法を採る場合には、図1Bに示すような炭素繊維2がランダムに配列されたプリフォーム4bを形成することもできるし、図1Cに示すような炭素繊維2が一方向に整列されたプリフォーム4cを形成することもできる。
【0030】
図1Cに示すような炭素繊維2が整列されたプリフォーム4cを形成する場合には、前述のノズルプリント法が有利に用いられる。たとえば、ノズル31の出口近傍に吐出方向に平行な整流板を設ける方法(図4A)、ノズル31の出口近傍の電界印加手段によって吐出方向に平行な電界を印加する方法(図4B)、あるいはノズル31の出口近傍の磁界印加手段によって吐出方向に平行な磁界を印加する方法(図4C)を用いて、ノズル31を出る炭素繊維を吐出方向に平行に整列させることができる。これらの方法を用いることによって、ノズル31の走路方向に平行に炭素繊維を整列させることが可能となる。なお、これらの方法を用いる場合には、炭素繊維2のアスペクト比(炭素繊維長さ/炭素繊維直径)が10以上、好ましくは100以上であることが望ましい。また、金属支持体1上に炭素繊維2を含有する塗布混合物7を塗布する場合、金属支持体1表面の全面に均一に塗布してもよく、あるいは図3に示すように塗布混合物7を1つの方向(図3においてはノズルの走路方向)において連続させ、それと直交する方向において不連続とさせる縞状構造を有するプリフォーム4dを形成してもよい。
【0031】
一方、図1Bに示すような炭素繊維2が整列されていないプリフォーム4bを形成する場合には、前述のスプレードライ法を用いることが適当である。図5に示すように吹付装置51を用いて、金属支持体1上に均一に塗布混合物7を付着させることが望ましい。
【0032】
工程IIは、図1A〜図1Cおよび図3に示されるように、工程Iにより調製された炭素繊維類が固定されたプリフォーム4(4a〜4dのいずれのものを用いてもよい)を所定の枚数積み重ねて、プリフォーム積層体5を形成する工程である。工程IVの加熱圧接の結果得られる金属基炭素繊維複合材料の寸法は、用いられる金属支持体1、炭素繊維2、および存在する場合には接合補助材の金属粉末3の真密度から予測できるため、本工程においてプリフォーム4を積層する枚数は容易に決定することができる。あるいはまた、図2に示した方法で形成される巻取ロール22に巻き取られたプリフォーム4を用いる場合には、図6に示されるようにプリフォームを巻き解いて裁断して所望の形状を有するプリフォーム4aを得た後に、所定の枚数のプリフォーム4aを積み重ねてプリフォーム積層体5を形成することができる。
【0033】
工程IIIの「脱バインダー」工程は、プリフォーム4形成時にバインダーを用いた場合に実施することが好ましい任意選択の工程である。プリフォーム積層体5を、押圧力を印加することなしに、不活性雰囲気または酸化性雰囲気下において、炭素繊維2の表面が酸化しない程度の温度に加熱することによって、バインダーおよび塗布混合物7中に存在する有機溶媒を焼尽または揮発させて、バインダー不含有プリフォーム積層体8を形成する。なお、金属支持体としてアルミニウム、マグネシウムおよびこれらを基とする合金を用いる場合には、本工程を不活性雰囲気において実施することが好ましい。ここで、加熱温度は、200〜400℃の範囲内であることが好ましい。用いることができる不活性雰囲気は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスなどを含み、または減圧条件を用いてもよい。用いることができる酸化性雰囲気は、空気、酸素富化空気、または純酸素などを含む。本工程は、図7に示すようなたとえば積層セラミックコンデンサーの製造工程で使用されている脱バインダー炉71などを用いることで、容易に工業化できる。なお、図7においては、コンベア型の炉を示したが、ボックス型炉など当該技術において知られている任意の手段を用いることが可能である。
【0034】
工程IVの加熱加圧工程は、工程IIで得られるプリフォーム積層体5(バインダー不使用の場合)または工程IIIで得られるバインダー不含有プリフォーム積層体8を真空中または非酸化性雰囲気において、押圧力および熱を印加することにより、金属支持体1および金属粉末3の塑性変形および相互拡散を生じさせ、炭素繊維2の周囲を金属で取り囲むことにより炭素繊維含有金属層を形成し、炭素繊維含有金属層と金属層とが交互に積層された金属基炭素繊維複合材料6を得る工程である。
【0035】
本工程においては、プリフォーム積層体を、金属支持体としてアルミニウムおよびアルミニウムを基とする合金を用いる場合には、500〜650℃の範囲の温度、金属支持体としてマグネシウムおよびマグネシウムを基とする合金を用いる場合には、500〜630℃の範囲の温度、金属支持体として銅および銅を基とする合金を用いる場合には、800〜1050℃の範囲の温度に加熱する。これらの温度は、慣用の金属溶湯法における金属溶湯の温度よりも低く、したがって本発明の方法においてエネルギー消費量を低減することが可能となる。また、同時に、プリフォーム積層体に対して押圧力を印加する。具体的な押圧力は、金属支持体および金属粉末を構成する材料、所望の圧下率などに依存するが、一般的には20〜100MPa、好ましくは50〜100MPaの押圧力を印加する。さらに、本工程における熱および押圧力の印加は、真空(圧力30Pa以下)中、または窒素、アルゴンなどの不活性ガスのような非酸化性雰囲気下で行って、金属支持体および金属粉末の酸化を抑制することが望ましい。
【0036】
本工程においては、プリフォーム積層体5またはバインダー不含有プリフォーム積層体8に対して押圧力と熱とを同時に印加することができる種々のタイプの加熱炉を用いることができる。たとえば、小規模の生産においては、図8Aに示すホットプレス炉、または図8Bに示すパルス通電焼結炉を用いることができる。たとえば、図8Bに示したパルス通電焼結炉は、20mm角穴〜40mm角穴の矩形貫通穴を有するダイスと、その上下方向からダイス内の材料を圧縮するための上部および下部ポンチとを有し、それらポンチ間にパルス状の大電流を印加することにより、被圧縮材料の加圧および加熱を行うことができる装置である。大規模生産においては、図9に示すようなシ−ト状金属製造工程で用いられている熱間加圧ロール(ヒータ91と複数の組の加圧ロール92とを含む)を適用すれば、高い生産性で大面積の板状の金属基炭素繊維複合材料6を得ることができる。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
本実施例は、連続繊維として取り扱うことができる炭素繊維を用い、該炭素繊維が一方向に整列されている金属基炭素繊維複合材料を提供する。炭素繊維として直径10μm、長さ方向に連続している熱伝導率1000W/mKのピッチ系炭素繊維を用い、および金属支持体として厚さ10μmのアルミニウムフォイルを用いた。アルミニウムフォイル上への炭素繊維の固定には、図2に示した装置を用い、ボビンに巻かれた炭素繊維を引き出し、張力をかけながら接着剤として低分子量のポリエチレングリコールを塗布した。張力により整列した炭素繊維を巻き解かれたアルミニウムフォイルに貼り付け、接着剤固化後にフォイルを巻き取る工程を連続して行なった。炭素繊維が貼り付けられたアルミニウムフォイル(プリフォーム)をロールから巻き解いて、200×300mmの寸法に切り出し、切り出された500枚を積層し、最上面には炭素繊維の貼り付けが無いアルミニウムフォイルをカバーとして積層して、プリフォーム積層体を得た。このプリフォーム積層体を大気中、350℃に加熱することによって、接着剤として用いた低分子量のポリエチレングリコールを除去した。次に、図9に示すような熱間加圧ロール(5組の加圧ロールを備える)を用いて、真空(10Pa)下、500℃において、それぞれの加圧ロールにおいて20MPaの圧力を印加して、圧下率10%〜30%においてプリフォーム積層体5を加熱圧接して金属基炭素繊維複合材料6を得た。
【0038】
この金属基炭素繊維複合材料6は、積層方向において1mmの厚さを有し、総重量を基準として40%程度の炭素繊維を含有し、繊維整列方向において、アルミニウム単体(熱伝導率約200W/mK)の2倍以上である500W/mKの熱伝導率を示した。また、この複合材料の熱膨張率は、繊維整列方向において5ppm/℃、繊維に直交する方向において10ppm/℃であり、それぞれ、アルミニウム単体の23ppm/℃の1/4(繊維整列方向)および1/2(繊維直交方向)程度まで抑制することができた。さらに、得られた金属基炭素繊維複合材料6に対して曲率半径5mm、曲げ角度60゜の曲げ変形を加えたが、炭素繊維および金属ともに破断などの微細組織的破壊は認められず、熱伝導率あるいは熱膨張率の変化はほとんど生じていないものと考えられる。
【0039】
(実施例2)
本実施例は、短繊維として取り扱うことができる炭素繊維を用い、該炭素繊維が一方向に整列されている金属基炭素繊維複合材料を提供する。直径200nm、長さ5〜20μm、熱伝導率2000W/mKの気相成長炭素繊維を、粒子サイズ100nm程度の銅粉末30%とともにボールミルで混合した。得られた混合物に対して、アセトンおよびプルロニック(登録商標)F68分散粘結剤を添加して混合し、インク状の塗布混合物を得た。得られた塗布混合物を、厚さ6μmの銅フォイルの全面にわたって、図3に示すようなノズルプリント法により膜厚6μmになるように印刷してプリフォームを形成し、プルロニック(登録商標)F68分散粘結剤の固化後に、ロールに巻き取った。このプリフォームをロールから巻き解いて、200×300mmの寸法に切り出し、切り出したプリフォームを500枚積層し、最上面にはプリントされていない銅フォイルを積層して、プリフォーム積層体を得た。このプリフォーム積層体を、大気中350℃に加熱して、プルロニック(登録商標)F68を揮発ないし焼尽させ、次いで、不活性雰囲気中、700℃において、それぞれの加圧ロールにおいて20MPaの圧力を印加して、圧下率10%〜30%の5段熱間ロールによって、プリフォーム積層体を加熱圧接して金属基炭素繊維複合材料を得た。
【0040】
得られた金属基炭素繊維複合材料は、積層方向において1mmの厚さを有し、総重量を基準として30質量%程度の炭素繊維を含有した。また、本実施例の金属基炭素繊維複合材料は、炭素繊維の整列した方向に関して、銅単体(熱伝導率約400W/mK)の1.5倍である、600W/mKの熱伝導率を有した。また、この複合材料の熱膨張率は、繊維整列方向において7ppm/℃、繊維直交方向で8ppm/℃であり、銅単体の17ppm/℃の半分以下まで抑えられる。さらに、得られた金属基炭素繊維複合材料6に対して曲率半径5mm、曲げ角度60゜の曲げ変形を加えたが、炭素繊維および金属ともに破断などの微細組織的破壊は認められず、熱伝導率あるいは熱膨張率の変化はほとんど生じていないものと考えられる。
【0041】
(実施例3)
本実施例は、連続繊維として取り扱うことができる炭素繊維を用い、該炭素繊維が一方向に整列され、小規模向けの方法であるパルス通電焼結法により形成される金属基炭素繊維複合材料を提供する。炭素繊維として直径10μm、長さ方向に連続している熱伝導率1000W/mKのピッチ系炭素繊維を用い、接合補助材として平均粒子サイズ30μmのアルミニウム粉末を用い、および金属支持体として厚さ100μmのアルミニウムシートを用いた。最初に、アルミニウム粉末をエタノール溶媒中に懸濁させた。6000本程度の炭素繊維を束状にして保持し、該懸濁液中に浸漬させ、次いでエタノールのみを揮発除去して、溶媒乾燥後も静電力によりアルミニウム粉末が炭素繊維表面に付着している状態の炭素繊維を得た。図8Bに示すようなパルス通電焼結炉として、20mm角穴の矩形貫通穴のあるダイスを有する炉を用いた。40mm程度までの長さにおいては、ピッチ系炭素繊維は、張力を印加せずとも自己の弾性によって方向性を保つことができる。アルミニウム粉末を付着させた炭素繊維を20mm長さに裁断し、裁断後に下部ポンチをセットしたダイス中に一方向に整列させて配置し、その上にアルミニウムシートを配置した。そして、炭素繊維とアルミニウムシートとをそれぞれ30層、ダイス中に交互に積層した。積層終了後に、ダイス中の積層体をポンチにて上下から挟み込んだ。パルス通電焼結炉全体を圧力10Paの真空に減圧し、上下のポンチに25MPaの押圧力を印加し、同時に600℃に加熱して、積層方向において5mmの厚さを有する金属基炭素繊維複合材料を得た。
【0042】
得られた金属基炭素繊維複合材料の断面の光学顕微鏡写真を図10に示し、および走査型電子顕微鏡写真を図11に示した。図10および図11から分かるように、本発明の金属基炭素繊維複合材料は、金属層(主としてアルミニウムシートに由来する)および炭素繊維含有金属層(主として、ピッチ系炭素繊維およびアルミニウム粉末に由来する)が交互に積層した構造を有することが分かる。また、アルミニウムシートと炭素繊維との間、およびアルミニウムシートとアルミニウム粉末との間の接合状態は良好であった。
【0043】
(実施例4)
本実施例は、短繊維として取り扱うことができる炭素繊維を用い、該炭素繊維がランダムに配列され、小規模向けの方法であるパルス通電焼結法により形成される金属基炭素繊維複合材料を提供する。炭素繊維として、直径200nm、長さ5〜20μm、熱伝導率2000W/mKの気相成長炭素繊維を用い、接合補助材として平均粒子サイズ30μmのアルミニウム粉末を用い、および金属支持体として厚さ100μmのアルミニウムシートを用いた。気相成長炭素繊維20部とアルミニウム粉末80部とをエタノール溶媒中、ボールミルにて混合して、常温乾燥して炭素繊維/アルミニウム混合物を得た。
【0044】
20mm角穴の矩形貫通穴のあるダイスを有するパルス通電焼結炉を用い、下部ポンチをセットしたダイス中に、アルミニウムシートおよび前述の炭素繊維/アルミニウム混合物をそれぞれ30層、交互に積層し、最後にアルミニウムシートを積層した。次いで、ダイスに上部ポンチをセットした。パルス通電焼結炉全体を圧力10Paの真空に減圧し、上下のポンチに25MPaの押圧力を印加し、同時に600℃に加熱して、積層方向において5mmの厚さを有する金属基炭素繊維複合材料を得た。
【0045】
得られた金属基炭素繊維複合材料の断面の走査型電子顕微鏡写真を図12に示した。図12から分かるように、本発明の金属基炭素繊維複合材料は、金属層(主としてアルミニウムシートに由来する)および炭素繊維含有金属層(主として、気相成長炭素繊維およびアルミニウム粉末に由来する)が交互に積層した構造を有することが分かる。また、アルミニウムシートと炭素繊維との間、およびアルミニウムシートとアルミニウム粉末との間の接合状態は良好であった。
【0046】
上記の実施例において用いた金属支持体の材料はアルミニウムおよび銅のみであるが、本発明による金属基炭素繊維複合材料に求められる特性と、工業的な生産性から、これらの金属以外にマグネシウムまたはそれらを基とする合金を用いることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維を有機バインダーおよび溶剤と混合して塗布混合物を準備する工程と。
シート状もしくはフォイル状の金属支持体上に前記塗布混合物を付着させて、金属支持体上に炭素繊維含有被膜が形成されたプリフォームを形成する工程と、
前記プリフォームを積み重ねて、プリフォーム積層体を形成する工程と、
前記プリフォーム積層体を真空中または非酸化雰囲気中で加熱圧接して、前記プリフォーム同士を一体化させる工程と
を備えたことを特徴とする金属基炭素繊維複合材料の製造方法。
【請求項2】
前記金属支持体上に塗布された炭素繊維含有被膜が、前記金属支持体全体を覆うことを特徴とする請求項1に記載の金属基炭素繊維複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記金属支持体上に塗布された炭素繊維含有被膜が、1方向には連続し、それと直交する方向には不連続であることを特徴とする請求項1に記載の金属基炭素繊維複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記塗布混合物の付着が、前記塗布混合物中の炭素繊維を整列させながら実施され、製造される金属基炭素繊維複合材料中で炭素繊維が整列された構造を維持されることを特徴とする請求項1に記載の金属基炭素繊維複合材料の製造方法。
【請求項5】
前記塗布混合物の付着が、ノズルプリント法で実施されることを特徴とする請求項4に記載の金属基炭素繊維複合材料の製造方法。
【請求項6】
前記塗布混合物の付着が、スプレードライ法により実施されることを特徴とする請求項1に記載の金属基炭素繊維複合材料の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−149350(P2012−149350A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−52179(P2012−52179)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2006−544894(P2006−544894)の分割
【原出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(591282205)島根県 (122)
【Fターム(参考)】