説明

金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物及びその利用

【課題】 印刷法での回路パターンの高精細化の限界、フォトリソグラフィー法での高コストおよび加熱処理工程の長さ、さらに高温焼成タイプの導電ペーストで用いる基板の制約を解決する金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を提供し、それを用いた電気配線回路の形成方法、およびその方法によって製造されるタッチパネル用基材、表示装置用基材、情報処理端末装置用基材等の電気配線回路形成板法の製造を容易にすることを目的とする。
【解決手段】 本発明によれば、平均粒径が5nm以上100nm未満の導電性を有する金属微粒子(a−1)を含む金属フィラー(A)と、活性エネルギー線照射で硬化する光硬化性樹脂組成物(B)とを含有組成物中の金属フィラー(A):光硬化性樹脂組成物(B)の重量比が80:20以上98:2未満の範囲であることを特徴とする金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平均粒径が5nm以上100nm未満の導電性を有する金属微粒子(a−1)を含む金属フィラー(A)と、活性エネルギー線照射で硬化する光硬化性樹脂組成物(B)とを含有し、金属微粒子含有光硬化性組成物中の金属フィラー(A):光硬化性樹脂組成物(B)の重量比が80:20以上98:2未満の範囲であることを特徴とする金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物、更には、それを用いた電気配線回路パターンの形成方法、およびその方法によって製造されるタッチパネル用基板、表示装置用基板、情報処理端末装置用基板などの電気配線回路形成基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の基材上に所望の電気配線回路パターンを形成する方法としては、印刷法やフォトリソグラフィー法が用いられてきた。しかしながら、前者では高精細の回路パターンへの対応が困難とされ、一般的にライン&スペースが200μmが限界とされている。また、後者においては、高精細の回路パターンへの対応が可能となるが、工程数が多くなり高コストとなるといった問題があった。
【0003】
一方、上記問題点を改善する方法として、近年光硬化性導電ペーストが用いられている。しかしながら、これらは導電性を得るために200℃以上で焼成を行なう必要があり、回路パターン形成に用いられる基材が、ガラスやセラミックスといった耐熱性のあるものに限定される(特許文献1)。また、最近、プラスチック基材向けの低温焼成タイプの導電性ペーストが開発されており、120℃程度と比較的低温の熱処理で導電性が得られるものが開発されているが、熱処理時間に60分以上を要し、工業スケールにおいて大量生産するには生産性が不十分である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−140330号公報
【特許文献2】特許3218767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷法での回路パターンの高精細化の限界、フォトリソグラフィー法での高コストおよび熱処理工程の長さ、さらに焼成タイプの導電ペーストで用いられる基材の制約を解決する金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を提供し、それを用いた電気配線回路パターンの形成方法、およびその方法によって製造されるタッチパネル用基板、表示装置用基板、情報処理端末装置用基板などの電気配線回路基板の製造を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、平均粒径が5nm以上100nm未満の導電性を有する金属微粒子(a−1)を含む金属フィラー(A)と、活性エネルギー線照射で硬化する光硬化性樹脂組成物(B)とを含有し、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物中の金属フィラー(A):光硬化性樹脂組成物(B)の重量比が80:20以上98:2未満の範囲であることを特徴とする金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を提供する。
さらに、上記金属フィラー(A)は、上記金属微粒子(a−1)、および平均粒径0.1μm以上10μm以下の金属粉末(a−2)を含有することが好ましい。また、金属フィラー(A)は、金属微粒子(a−1)、および金属粉末(a−2)を含有し、金属フィラー(A)中の金属微粒子(a−1)の重量が5重量%以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、(1):上記の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布する塗布工程、
(2):上記(1)の工程で形成された塗膜を乾燥させた後、回路パターンが描かれたマスクを介して活性エネルギー線を塗膜へ照射してパターン形成する露光工程、
(3):上記(2)の工程で露光後の塗膜の未露光部分の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を現像液で除去する現像工程、
(4):上記(3)の工程で得られた回路パターンを120度以下で乾燥させる工程を
含むことを特徴とする電気配線回路パターンの形成方法を提供する。
更には、本発明によれば、上記電気配線回路パターンの形成方法を用いて、製造されるタッチパネル用基板、表示装置用基板、情報処理端末装置用基板などの電気配線回路基板を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物は、金属フィラー(A)として平均粒径が5nm以上100nm未満の導電性を有する金属微粒子(a−1)を用いることで、照射する活性エネルギー線の遮光性が抑制され、光硬化性樹脂が固まり易くなり、回路と基材との密着性が向上する。さらに金属フィラー(A)として、上記金属微粒子(a−1)、および平均粒径0.1μm以上10μ以下の金属粉末(a−2)を組合せて用いることで、より高い導電性が得られる。
また、本発明の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物は(1)塗布、(2)露光、(3)現像、および(4)乾燥の各工程を経ることで、印刷法に比べ高繊細な回路パターンを形成できる。さらに、フォトリソグラフィー法に比べ製造工程が短く、かつエッチング工程を行う必要がないため低コストで回路パターンが形成可能であり、高繊細な電気配線回路基板を安価に製造することができる。
また、本発明の回路形成方法は、回路パターンを形成させる各工程において、120℃を超える温度で長時間の処理を必要としないので、耐熱性が高くない基板材料にも応用可能であり、目的に応じた基板材料の選択枝を広げることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物
以下、本発明の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明で用いる金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物は、基材上に塗膜を形成することができ、かつ活性エネルギー線が照射された部分は重合して現像液に不溶となり、光が照射されなかった部分(非露光部分)は、現像液に溶解するものであればよい。
【0009】
本発明の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物は、硬化前の組成物であり、少なくとも平均粒径5nm以上100nm未満の導電性を有する金属微粒子(a−1)を含む金属フィラー(A)と、活性エネルギー線照射で硬化する光硬化性樹脂組成物(B)を含有することを特徴とする。なお、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物中の金属フィラー(A):光硬化性樹脂組成物(B)の重量比は、80:20以上98:2未満の範囲であればよい。
さらに、金属フィラー(A)は、上記金属微粒子(a−1)と金属粉末(a−2)を組合せることで、金属微粒子(a−1)を単独で用いた場合より、高い導電性が得られる。
【0010】
本発明の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の金属フィラー(A)と光硬化性樹脂組成物(B)との混練方法については、均一に分散することが出来れば特に限定されないが、取扱いの容易さでは遊星ミルが好ましく、均一に分散できる点では三本ロールが好ましい。また、金属フィラー(A)を添加する際は、溶媒に均一に分散させた状態のものを添加してもよく、光硬化性樹脂組成物(B)中に溶媒を含む場合は、そのまま添加して用いてもよい。
【0011】
金属フィラー(A)
本発明に用いる金属フィラー(A)は、平均粒径5nm以上100nm未満の導電性を有する金属微粒子(a−1)を単独で含むものを用いてもよく、上記金属微粒子(a−1)、および平均粒径0.1μm以上10μm以下の金属粉末(a−2)の両方を含有するものを用いてもよい。
【0012】
本発明で用いる金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物において、金属フィラー(A)中に金属微粒子(a−1)、および金属粉末(a−2)を含有するものを用いる場合、金属フィラー(A)中の金属微粒子(a−1)の重量が5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましい。
【0013】
導電性を有する金属微粒子(a−1)
本発明に用いる導電性を有する金属微粒子(a−1)は、平均粒径が5nm以上100nm未満の導電性材料であれば、特に制限なく用いることができる。例えば、金、銀、銅、白金族金属などの貴金属、もしくはニッケル、アルミニウムなど導電性の高い単体の金属微粒子、もしくはこれらの合金の金属微粒子などを例示することができる。また、単体の金属微粒子、もしくはこれらの合金の金属微粒子を2種類以上を組合せて用いてもよい。中でも導電性の点で、金、銀、銅、もしくはその合金の金属微粒子が好ましく、銀、もしくはその合金の金属微粒子がより好ましい。
【0014】
金属微粒子の形状は、目的とする導電性が得られるものであれば、特に限定されないが、例えば、球状、棒状、フレーク状などを例示することができる。また、金属微粒子の平均粒径は5nm以上100nm未満の範囲であればよく、中でも120℃以下の乾燥で良好な導電性が得られる点で、平均粒径10nm以上50nm未満の金属微粒子が好ましい。上記範囲の平均粒径の金属微粒子を用いると、本発明の効果を十分に得ることができる。
【0015】
本発明に用いる導電性を有する金属微粒子(a−1)は、市販されているものを用いてもよく、金属化合物を還元して製造されるものを用いてもよい。金属微粒子(a−1)の製造方法として、具体的には、特開2011−12290に記載されている金属酸化物、または金属水酸化物にマイクロ波を照射して加熱、還元する方法、特開2010−265543に記載されている金属錯体化合物を熱分解し還元体を得る方法、または、特開2010-77472に記載されている金属イオンを多価アルコールで還元する方法などを例示することができる。
【0016】
金属粉末(a−2)
本発明の金属フィラー(A)に用いる金属粉末(a−2)は、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の金属粉末であれば、特に制限なく用いることができる。例えば、金、銀、銅、白金族金属などの貴金属、もしくは、ニッケル、アルミニウムなど導電性の高い単体の金属粉末、もしくはこれらの合金の金属粉末などを例示することができる。また、単体の金属粉末、もしくはこれらの合金の金属粉末を2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、導電性の点で、金、銀、銅、もしくはその合金の金属粉末が好ましく、銀、もしくはその合金の金属粉末がより好ましい。
【0017】
金属粉末の形状は、目的とする導電性が得られるものであれば、特に限定されないが、例えば、球状、フレーク状、不規則状などを例示することができ、解像度の点で球状が好ましい。また、金属粉末の平均粒径は0.1μm以上10μm以下の範囲であればよく、中でも120℃以下の乾燥で良好な導電性が得られる点で、平均粒径1μm以上5μm未満の金属粉末が好ましい。上記範囲の平均粒径の金属粉末を用いると、本発明の効果を十分に得ることができる。
【0018】
本発明で用いる金属粉末(a−2)は市販されているものを用いてもよく、通常用いられる製造方法(アトマイズ法、還元法など)で製造されたものを用いてもよい。
【0019】
光硬化性樹脂組成物(B)
本発明に用いる光硬化性樹脂組成物(B)は、電子線、紫外線、可視光線などの活性エネルギー線を照射することにより光硬化性を示すものであれば、特に制限無く使用することができる。例えば、代表的なものとしては光反応性基を有するポリマーやオリゴマーであり、それらと光反応性モノマーとの混合物であってもよい。また、光反応性基を有さないポリマーやオリゴマーであっても、光反応性モノマーと混合することで光硬化性樹脂組成物としての要求特性を充足するものであれば、当該混合物も使用可能である。また、光反応性モノマー、オリゴマー、及びポリマーは2種以上を混合して使用することもでき、又は単独で使用することも可能である。
【0020】
通常、光硬化性樹脂組成物(B)としては、バインダーポリマー(b−1)、光重合性の多官能モノマー(b−2)、光反応開始剤(b−3)、および必要に応じて溶媒(b−4)、その他の添加剤を配合したものを用いることができる。これらは通常のネガタイプのフォトリソグラフィーに使用することができるものであってもよい。
【0021】
バインダーポリマー(b−1)
光硬化性樹脂組成物(B)に使用するバインダーポリマー(b−1)としては、現像工程において現像液に可溶な高分子化合物であればよく、特に限定されないが、一般に現像液としてアルカリ水溶液を用いるため、分子中にカルボキシル基やスルホン基などを有する高分子化合物を用いることが好ましい。
【0022】
アルカリ可溶性のバインダーポリマーとして、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(i)と、(i)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(ii)との共重合体を用いることができる。
【0023】
1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(i)としては、(メタ)アクリル酸、ケイ皮酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、およびマレイン酸などが挙げられ、これらは単独、または2種類以上を混合で用いることができる。
【0024】
1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(i)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(ii)としては、(メタ)アクリル酸エステル系不飽和単量体、エチレングリコールエステル系(メタ)アクリレート、プロピレングリコール系(メタ)アクリレート、ブチレングリコール系モノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド系不飽和単量体、N−置換マレイミドなどが挙げられ、これらは単独、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどを例示できる。
また、共重合可能なエチレン性不飽和単量体成分(ii)は、上記以外にも例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリルなどを用いてもよい。
【0025】
また、バインダーポリマー(b−1)として、光重合性不飽和基を持つポリマーを使用することも可能である。例えば、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、カルボキシル変性セルロース及びウレタン系樹脂などに光重合性不飽和基として(メタ)クリロイル基などが導入されたポリマーが挙げられる。
具体的には、不飽和多塩基酸無水物(例えば、無水マレイン酸など)と、ビニル基を有する芳香族炭化水素(例えば、スチレンなど)、又はビニルアルキルエーテルなどとの共重合体に、分子中に光反応性のエチレン性不飽和基と1個のヒドロキシル基とを有する化合物とを反応させて得られるカルボキシル基を有するポリマー、カルボキシル基を有さないエチレン性不飽和単量体とカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とからなる共重合体中のカルボキシル基の一部を、エポキシ基を1個のみ有するエチレン性不飽和化合物と反応して得られるカルボキシル基を有するポリマー、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を重合単位として含む重合体、又は共重合体にエチレン性不飽和モノカルボン酸、および飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有するポリマーなどを例示することができる。
【0026】
光硬化性樹脂組成物(B)に使用するバインダーポリマー(b−1)は、現像性、形成されるレジストの密着性などの性能のバランスから重量平均分子量が4,000〜500,000の範囲のものが好ましく、特に10,000〜250,000の範囲のものが好ましい。
【0027】
光重合性の多官能モノマー(b−2)
光重合性の多官能モノマー(b−2)として、多価アルコールとα、β―不飽和カルボン酸との反応生成物も用いることができる。例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレングリコール付加物トリアクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを例示することができ、これらは単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0028】
光反応開始剤(b−3)
光反応開始剤(b−3)は、活性エネルギー線の波長に吸収帯を有し、硬化(重合)反応の開始種を生成する化合物であればよい。一般には、活性エネルギー線としてはランニングコストの面から紫外線が用いられることが多い。また、光反応開始剤としては、開始剤の種類が豊富、かつモノマーの反応性が高いことからラジカル反応開始剤が用いられる。
ラジカル反応開始剤の具体例としては、ベンゾイン、アセトフェノン、2−メチルアントラキノン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、2,4−ジイソプロピルキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などを例示することができる。
【0029】
溶媒(b−4)
さらに、光硬化性樹脂組成物(B)には必要に応じて、溶媒(b−4)を含んでいてもよい。使用することができる溶媒としては、上記バインダーポリマー、光重合性の多官能モノマー、光反応開始剤などを溶解させる液媒体であれば、特に制限なく使用することができる。なお、光硬化性樹脂組成物を溶媒に完全に溶解させる必要はなく、本発明の光硬化性樹脂組成物を全体として、ペースト状体を維持できるものであれば、該全成分を溶解させる能力は必ずしも要求されない。
溶媒(b−4)として、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコールなどの直鎖、分岐、2級あるいは多価のアルコール類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、スワゾールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)などの石油系芳香族系混合溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトールなどのカルビトール類、プロピレングリコールメチルエーテルなどのプロピレングリコールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールメチルエーテルなどのポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類、N−メチルピロリドン、およびジアルキルグリコールエーテル類などを例示することができる。なお、これらはそれぞれを単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0030】
その他の添加剤
その他の添加剤として、反応性希釈剤、重合禁止剤、光重合促進剤、および増感剤などを用いることができる。
【0031】
金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の流動性を調整するために反応性希釈剤を用いることができる。反応性希釈剤の例として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ〔5.2.1.0〕デカニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸エステルや、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
【0032】
金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の調製時、保存時、塗工時などの熱による重合を防ぐために重合禁止剤を含有させることができる。具体的には、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、フェノチアジン、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p−トルキノン、クロラニル、アリールフォスファイト、t−ブチルカテコール、塩化第1銅、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、モノ第三ブチルハイドロキノン、ベンゾキノン、2,5−ジフエニル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、ジ−p−フルオロフエニルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩などを例示することができ、これらの中でもフェノール類、ヒドロキノン類、カテコール類、レゾルシン類などのフェノール類が好ましい。なお、これらはそれぞれを単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0033】
光重合促進剤、および増感剤として、p−ジメチル安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエートなどの第三級アミン系類を用いることができる。
【0034】
光硬化性樹脂組成物(B)の組成比は、使用する化合物に応じて任意の割合で配合することができるが、一般に、バインダーポリマー(b−1)、光重合性の多官能モノマー(b−2)、光反応開始剤(b−3)、および溶媒(b−4)を用いる場合であれば、バインダーポリマー(b−1):光重合性の多官能モノマー(b−2):光反応開始剤(b−3):溶媒(b−4)=8〜95:1〜50:0.01〜20:0〜90重量%が好ましく、ポリマー:光重合性モノマー:光反応開始剤:溶媒=20〜90:5〜40:1〜20:0〜70重量%がより好ましい。
【0035】
電気配線回路パターンの形成方法
本発明における電気配線回路形成パターン形成方法は、
(1):上記金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布する塗布工程、
(2):上記(1)の工程で形成された塗膜を乾燥させた後、回路パターンが描かれたマスクを介して活性エネルギー線を塗膜へ照射してパターン形成する露光工程、
(3):上記(2)の工程で露光後の塗膜の未露光部分の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を現像液で除去する現像工程、
(4):上記(3)の工程で得られた回路パターンを120度以下で乾燥させる工程を
含むことを含むことを特徴とする。
【0036】
初めに、(1)塗布の工程では、上記金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を所望の基材上に塗布させる。金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物中に溶媒を含む場合は、塗布後に基材を通常用いられる乾燥方法において、乾燥させてもよい。
本発明の塗布工程に用いることのできる基材は、耐熱性のあるガラス、セラミックス以外の基材も使用することができる。例えば、樹脂基材、フィルム状樹脂基材などを例示することができ、この場合耐熱温度が200℃以下のものを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)などの耐熱性が低い基板を用いることができる。また、密着性の点で、基材表面が、易接着処理されたものを用いることが好ましい。また、基材表面にITO(酸化インジウムスズ)、もしくはZnO(酸化亜鉛)などでスパッタリングされたもの用いてもよい。
【0037】
基材への塗布方法については、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を基材へ均一に塗布できれる方法であれば特に制限されない。塗膜の厚みは1μm以上30μm以下の範囲であればよく、導電性、および現像処理の容易さの点で、5μm以上15μm以下の範囲がより好ましい。
塗布後に乾燥を行う場合は、50〜120℃で、5〜30分間の範囲内で行うことができる。なお、乾燥温度と乾燥時間は、使用する基材の耐熱性、あるいは金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物中の感光性成分の露光感度に応じて適宜決定すればよい。また、乾燥方法は、溶媒が容易に蒸散できれば特に限定されず、乾燥装置としては、ホットプレート、オーブンのほかに減圧乾燥装置なども使用可能である。
【0038】
次に、(2)露光の工程では、所望とする電気配線回路パターンが形成されたマスクを塗膜上に挟んで光照射を行い、光硬化を行う。露光に使用する活性エネルギー線は、現像液に可溶な金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を硬化させるものであればよい。例えば、紫外線、可視光線、その他X線、γ線などを例示することができるが、光硬化性の点で、電離放射線(紫外線、X線、γ線)が好ましく、400nm以下の波長領域の紫外線がより好ましい。露光量は、50〜800mJ/cm2の範囲が好ましい。
【0039】
露光方法は特に制限はなく、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の硬化に用いる波長によりさまざまな光源を使用することができる。例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプなどを例示することができる。また、露光方式はマスクとの密着露光、プロキシミティ露光、あるいは投影露光などを用いることができる。
【0040】
次いで、(3)現像工程では、現像液により塗膜の非露光部分を溶解、除去することで、目的とする回路パターンが得られる。現像液としては、本発明である金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の未露光部分を、可溶化させることができるものであれば、特に制限なく用いることができる。また、使用する現像液は、水性、油性いずれでもよく、液のpHは問わない。また、「現像」の本来の目的が、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の未露光部分を基材から取り除くことであることから、ここで言う可溶化とは金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を全て溶解させることまでは意味せず、未露光部分を取り除くことができる程度に金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を構成する少なくとも1成分を可溶化できればよい。
【0041】
また、現像工程での現像方式としては、通常用いられる現像方式であれば、特に制限無く用いることができる。具体的には、現像液に浸すディップ方式、液を基材全面に噴霧するスプレー方式、容器内に現像液を入れて処理するバレル方式などを例示することができる。これらの方式は、使用する金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の性質に応じて適宜決定すればよい。また、回路を形成する基材の形状などにより現像方式は異なるが、基材上の不用な塗膜(未露光部分)を除去する場合、スプレー方式により塗膜付着面を均一な圧力で洗い流す方法が、解像度を向上できる点で好ましい。
【0042】
次に、前工程で得られた回路パターンより不要な溶媒の除去を目的として、乾燥工程(4)に付す。なお、乾燥工程における乾燥温度は組成物に用いる溶媒にもよるが、40〜120℃であればよく、60〜90℃がより好ましい。また、乾燥時間は5〜30分間で行う。上記範囲で乾燥を行うことで、回路パターンより十分に溶媒を除去することができる。
【0043】
以上、上記工程を経ることで、本発明の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を用いて、種々の基材上に電気配線回路パターンを形成することができる。これらの電気配線回路は比抵抗が1Ω・cm以下の導電性を示す。
【0044】
本願の発明である金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物、およびそれを用いた電気配線回路の形成方法を使用して、タッチパネル用基板、表示装置用基板、情報処理端末装置用基板などの電気配線回路基板が提供される。
【実施例】
【0045】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
以下に実施例および比較例に用いた化合物を示す。
金属微粒子M1:銀微粒子(平均粒径33nm、徳力化学研究所製)
金属粉末M2:銀粉末(擬球形状、平均粒径2.5μm、福田金属箔粉工業株式会社製)
光硬化性樹脂R1:エポキシ系光硬化型樹脂(モノマー、ポリマー混合、互応化学株式会社製、Z561)
光硬化性樹脂R2:アクリル系光硬化型樹脂(モノマー、ポリマー混合、互応化学株式会社製、SK1672)
光反応開始剤I1:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(東京化成工業株式会社製)
光反応開始剤I2:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)
【0047】
(実施例1)
金属フィラーとして金属微粒子M1のみを用い、以下(1)〜(3)に示す方法で回路パターンを形成した。
【0048】
(1)金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の調整
組成物の重量の合計が20gとなるように、金属微粒子M1を95重量%、光硬化性樹脂R2を4重量%、光反応開始剤I2を1重量%それぞれ秤量した。これを遊星ミル(シンキー製あわとり練太郎AR−100)にて10分間混練を行った。この際、樹脂組成物が熱を持ち過ぎないよう、1分おきに取り出して室温まで冷却した後、再び混練を行うことで、ペースト状の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を作製した。
【0049】
(2)塗布工程および露光工程
厚さ100μmの片面易接着処理済みPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製O3)を基材とし、この処理面側の表面に上記の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を塗膜の厚さが10μmとなるように、アプリケーターにて塗布を行った。次いで塗膜の乾燥を行うために、80℃で10分間の乾燥を行った後、ライン/スペースを50/50(μm)のパターンをフォトマスクに描いたものを介して、メタルハライドランプを用いて積算値で700mJ/cmとなるように紫外線を照射し、樹脂組成物を硬化させた。
【0050】
(3)現像工程及び乾燥工程とその評価
次いで、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液に用いて、未露光部分を除去し、水洗により不要な現像液を除去した。この後水分除去の為、80℃で20分間の乾燥を行った。
得られた回路パターンについて、比抵抗、現像による解像度、基材との密着性の評価を下記に記載の方法で実施した。
【0051】
実施例2〜5は表1に示した重量%で各成分を用い、実施例1と同様の操作で金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を調整し、回路パターンを形成した。得られた回路パターンについて、比抵抗、現像による解像度、基材との密着性の評価を下記に記載の方法で実施した。
【0052】
比較例1は、金属粉末M2のみを用い、表1に示した重量%で各成分を用いて、実施例1と同様の操作で金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を調整し、回路パターンを形成した。得られた回路パターンについて、比抵抗、現像による解像度、基材との密着性の評価を下記に記載の方法で実施した。
【0053】
比較例2〜4は表1に示した重量%で各成分を用い、実施例1と同様の操作で金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を調整し、回路パターンを形成した。得られた回路パターンについて、比抵抗、現像による解像度、基材との密着性の評価を下記に記載の方法で実施した。
【0054】
(比抵抗の測定)
比抵抗の測定は四探針法抵抗率計ロレスタ−AX(株式会社三菱化学アナリテック製)を用い、JIS K7149に準じて測定した。導電性が得られなかったものは×と示す。
【0055】
(解像度の評価)
解像度の評価は、現像処理後の回路パターンを落射照明型の光学顕微鏡を用いて倍率100倍にて観察し、スペース部分の樹脂組成物残渣の有無で評価した。樹脂組成物残渣が確認されなかったものを○、確認されたものを×と示す。
【0056】
(密着性の評価)
基材との密着性の評価は、JIS H8504テープ試験方法に準じて引きはがし試験を実施した。回路パターンの剥離の有無について確認した。塗膜が剥離しなかったものを○と示す。
【0057】
各実施例及び比較例で用いた各成分の重量比および比抵抗、解像度、密着性の評価結果を表1に示す。なお、表1中の数値で比抵抗以外の単位は重量%とする。また、比較例4については密着性評価は行なわなかった。
【0058】
【表1】

【0059】
実施例1より、金属微粒子M1のみでも導電性が得られた。また、実施例2〜5の結果より、金属微粒子M1と金属粉末M2を混合することでより高い導電性が得られた。平均粒径がナノスケールの金属微粒子は、融点が低いことが知られており、これにより粒子間が接点を持って導電性を示したものと推測される。また、実施例1〜5の配合の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物において、良好な解像度が得られた。
【0060】
比較例1では金属粉末M2のみを用いた場合、導電性は得られなかった。これは、球状の金属粉末のみでは粒子間の接点が少ないため、導電性が得られなかったものと推測される。比較例2および3でも導電性が得られなかった。これは、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物中の金属フィラーの重量が70%以下の場合、光硬化性樹脂等が金属フィラー間に多く存在することで抵抗となり、導電性が得られなくなるものと推測される。比較例4では低い比抵抗を示したが、現像後のライン間に金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の残渣が多く見られた。これは金属フィラーに対して光硬化性樹脂組成物が少なすぎるため、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物の粘度が無くなってしまったため、塗膜が均一に形成できなかったためと推測される。
【0061】
密着性については、解像度が得られた全ての実施例において、剥離は確認されなかった。また、熱によるPET基材の変形・収縮も、全ての実施例において確認されなかった。以上のように、実施例1〜5記載の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物は、比抵抗、解像度、密着性共に良好な結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、各種電気配線回路基板の製造分野において、有効に利用することができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径が5nm以上100nm未満の導電性を有する金属微粒子(a−1)を含む金属フィラー(A)と、
活性エネルギー線照射で硬化する光硬化性樹脂組成物(B)とを含有し、金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物中の金属フィラー(A):光硬化性樹脂組成物(B)の重量比が80:20以上98:2未満の範囲であることを特徴とする金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
金属フィラー(A)に用いる上記金属微粒子(a−1)が、銀又はその合金である請求項1に記載の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、金属フィラー(A)が上記金属微粒子(a−1)に加え、平均粒径0.1μm以上10μm以下の金属粉末(a−2)を含有する請求項1又は2に記載の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
金属フィラー(A)に用いる上記金属微粒子(a−1)、および金属粉末(a−2)が、銀又はその合金である請求項3に記載の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
上記金属フィラー(A)中に金属微粒子(a−1)、及び金属粉末(a−2)を含有し、金属フィラー(A)中の金属微粒子(a−1)の重量が5重量%以上である請求項3又は4に記載の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
上記光硬化性樹脂組成物(B)が、バインダーポリマー(b−1)、光重合性の多官能モノマー(b−2)、および光反応開始剤(b−3)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
(1):請求項1〜6のいずれかに記載の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布する塗工工程、
(2):上記(1)の工程で形成された塗膜を乾燥させた後、回路パターンが描かれたマスクを介して活性エネルギー線を塗膜へ照射してパターン形成する露光工程、
(3):上記(2)の工程で露光後の塗膜の未露光部分の金属微粒子含有光硬化性樹脂組成物を現像液で除去する現像工程、
(4):上記(3)の工程で得られた回路パターンを120度以下で乾燥させる工程を
含むことを特徴とする電気配線回路パターンの形成方法。
【請求項8】
上記基材が、PET上にITO(酸化インジウムスズ)、もしくはZnO(酸化亜鉛)をスパッタリングしたものを用いることを特徴とする請求項7に記載の電気配線回路の形成方法。
【請求項9】
請求項7、又は8に係る電気配線回路の形成方法を用いて製造した電気配線回路基板。



【公開番号】特開2012−225998(P2012−225998A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91144(P2011−91144)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000108993)ダイソー株式会社 (229)
【Fターム(参考)】