説明

金属有機構造体型結晶性ポーラスアルミニウムカルボキシラートの水熱製造方法

本発明は、水溶性媒体中でポーラス結晶アルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)を形成する固体の水熱製造方法に関する。本発明はまた、ポーラス結晶アルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)を形成する固体に関し、かつそれらの液体又はガス分子の貯蔵のための使用、選択的ガス分離のための使用及び触媒のための使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性媒体中でポーラス結晶アルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)を形成する固体の水熱製造方法に関する。
【0002】
本発明はまた、ポーラス結晶アルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)を形成する固体に関し、かつそれらの液体又はガス分子の貯蔵のための使用、選択的ガス分離のための使用及び触媒のための使用に関する。
【0003】
以下の説明において、括弧[]の中の参照は、本明細書の最後の参考文献リストの番号を意味する。
【背景技術】
【0004】
金属有機構造体(MOF)は、ミクロポーラス(又はメソポーラ)固体の新規なクラスを構成するものである。これらは、強固な有機リガンド(例えばベンゼン環を含む)と金属中心の3次元的集合体という概念に基づく。これらは、孤立したクラスタ、無限鎖又は無機層であってカルボキシラート又はアミン型の結合を介して前記有機リガンドによりお互いが結合されるように配置されることができる。Yaghi[1]、Kitagawa[2]及びFerey[3]などのいくつかの研究グループが、非常に大きな多孔性(BET表面積>3000m−1)を持つ3次元構造体を与える結晶性固体を形成する方法を開示している。
【0005】
通常、この種類の物質は比表面積により特徴付けられる(取り込まれる分子が接近可能の薄膜内部スペース多孔性についての正確な値を与える)。これらの比表面積(物質1グラムあたりのmで与えられる)は、例えばBrunauer−Emmett−Teller(又はBET)方法で測定でき、この方法では77Kでの窒素の化学吸着により孔の表面を測定することを可能とする(多層モデル)。又はこれらの比表面積は、Langmuirの方法であって、同じ方法で単一膜モデルを用いて測定される。これらの新規物質は、例えば水素[4−6]、メタン[7,8]又は二酸化炭素[8]などの非常に優れた吸収剤であることが知られている。さらに、この種類の固体は、医薬的分子を埋包するために使用され(いくつかは生物学的適合性がある)、医薬的分子から制御塩析のために使用されることができる。
【0006】
産業経済的見地から、いくつかの研究グループが、この新たなポーラス物質につき研究の焦点を当ててきた。実際、ドイツBASF(Ludwigshafen, Germany)及びYaghi Group(UCLA,the USA)は、本質的に有機リガンド(主に芳香族カルボキリラート)を含む2価(アルカリ土類第一遷移金属)又は3価(希土類)を基礎とする新規固体形成の合成方法及び形成方法を開発している[10,11]。例えばアルミニウム及び亜鉛などの金属と、例えばテレフタル酸、トリメシン酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸とを組み込む固体の製造方法がまた記載されている[12,13]。
【0007】
10年以上、Gerard Ferey(Versailles)の研究チームは、金属有機構造体(MOD)形のポーラス固体の合成及び特性研究を、いくつかの研究分野、特にアルミニウムを導入したMOF固体の合成について行っている[3]。特に、例えばアルミニウムテレフタル酸MIL−53[14]、アルミニウムナフタラートMIL−69[15]及びアルミニウムトリメサートMIL−96[16]及びMIL−110[17]などの結晶性ポーラスアルミニウムカルボキシラートの合成について記載されている。ここでMIL−nの意味は、Materials of the Lavoisier Institute (Materiaux de l’Institut Lavoisier,MIL, in French)を意味する。これらの固体のいくつかは、非常に興味あるガス(H、CO、CH)の吸収容量を有する[5,8]。
【0008】
このシリーズの他の2つであって、亜鉛カルボキシラートMOF−5[18]及び銅トリメサートHKUST−1[19]についてもまた記載されていることは留意すべきである。他の物質もまた、テレフタル酸との他の物質、他の合成条件又は他のリガンド(例えば、トリメシン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ベンゼン1,2,4,5−テトラカルボン酸など)を用いて得られている[20]。DMF(N,N’−ジメチルホルムアミド)溶媒の存在下[21]でトリメシン酸又はフマル酸[22]とアルミニウムカルボキシラートの合成、又はアルミニウム及び他の金属(例えばTi,Mg,La,Mo)[23]のカルボキラートの合成が記載されている。最後に、オスロ大学のノルウェー特許はまた、MIL−53型の固体を、アミノ基(−NH)で官能化させたテレフタル酸から製造することを開示している[24]。
【0009】
特に研究された種々の化合物のうち、アルミニウム導入物が、この種類の物質の低製造コストの点から産業上研究されてきている。さらに、軽元素して、アルミニウム系物質、特にアルミニウムカルボキシラート系物質は例えばH、CH、COなどの分子に対し高い貯蔵容量を有するものである。
【0010】
MOF特にアルミニウムを含むMOFの知られた合成プロセスは、通常、相対的に大量の有機溶媒の存在下で起こる。しかし係るプロセスが大規模で行われる際、即ち工業規模で行われる際には、溶媒の大量使用は問題が生じる可能性がある。例えば高製造コスト、環境に優しくないなどである。
【0011】
さらに、ほとんどの知られたプロセスで得られるアルミニウム系MOFは、望ましい応用には適さないものがあり得る。例えば、これらはいくつかの物質の混合物であったり、非結晶性であったり、又はMOF製造時に除去されなかった望ましくない副生成物不純物を含んでいたりするからである。
【0012】
従って、結晶性のMOF固体に誘導したり、単相にしたり、高純度(すべての副生成物を除去する)でかつ十分な多孔性を示すようにするには、例えば精製又は再結晶ステップなどのさらなるステップが必要となる場合があり得る。
【0013】
本発明において、用語「結晶性固体」及び「結晶固体」は次の固体を意味するため、区別しては用いられていない。即ち固体中で、原子、イオン又は分子が、3次空間中で長距離秩序配置されており、それぞれの固体が特定の回折ピーク(例えばX線)からなる特徴を有する、固体を意味する。
【0014】
「非結晶性(アモルファス)固体」とは、原子又は分子が、局所的な秩序はあるけれども、長距離では無秩序に積層されている、固体を意味する。これは、1又はそれ以上の非常に広い回折ピーク(例えばX線)を生じ、物質の正確な同定を抑制する(例えば、いくつかの固体が共存して同じ回折特徴を与える可能性がある、など)。
【0015】
多くの固体では、原子、イオン又は分子は、製造条件に従っていくつかの配置に適合することができる。これら異なる配置は、与えられた化学系での種々の存在する「相」を構成する。種々の相の融点、密度などの物理的性質は区別可能であり、固体を区別することができる。
【0016】
これまで、アルミニウム系MOF、特に望ましい純度、多孔性及び結晶特性を示すアルミニウムカルボキシラートMOFを、効率的なコストで、環境にもやさしくかつ高収率で製造する方法はなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、従来技術の欠点のない、MOF型の結晶性ポーラスアルミニウムカルボキシラートの製造方法に対する実際の要求が存在する。
特に、再生可能な、環境にやさしい、産業上利用可能な、かつ金属有機構造体、MOF型の結晶性ポーラスなアルミニウムカルボキシラートの製造を可能とする方法に対して実際の要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の課題は、本発明の以下の方法により解決される。即ち、本発明は、結晶性のポーラスなアルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)からなる固体の水熱製造方法であり、本発明は、次のステップ:
(i)水溶液中で、
金属Al、金属塩Al3+又は金属イオンAl3+を含む配位化合物の形での少なくとも金属無機前駆体と;及び
少なくとも前記配位子Lの有機前駆体とを混合するステップと;
(ii)前記混合物のpHを3よりも低く調節するステップと;
(iii)前記(ii)で得られた前記混合物を130℃よりも高い温度で加熱して前記固体を得る
ステップとを、含む。
(ここでLは、式R(COOの、ジ−、トリ−又はテトラカルボキシラートリガンドであり、Rは、モノ−又はポリ−サイクリック、縮合又は非縮合のアリールラジカルであり、6から50、例えば6から27の炭素数を持ち、又モノ−又はポリ−サイクリック、縮合又は非縮合のヘテロアリールラジカルであり、4から50、例えば4から20の炭素数を持ち、Rは、C1−10アルキル、C2−10アルキレン、C2−10アルキン、C3−10シクロアルキル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ハロアルキル、C6−10アリール、C3−20ヘテロサイクリック、C6−10アリールC1−10アルキル、C3−10ヘテロアリールC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、−NO、−CN、−CF、−CHCF、−OH、−CHOH、−CHCHOH、−NH、−CHNH、−NHCHO、−COOH、−CONH、−SOH、−POを含む群から選択される、独立した少なくともひとつ又はそれ以上により置換されてもよく、q=2から4である)。
【0019】
水熱製造方法は、物質(化合物)を水であり得る水溶性溶液から直接結晶化させ得る方法である。この種の方法はより安価であり環境にやさしい。というのは、有機溶媒不要(場合により活性化合物のために有機溶媒での戦場操作のために使用する)であるからである。
【0020】
用語「水熱」とは、高圧高温条件下での水の存在下での不均一反応手順を意味し、室温及び通常の圧力では相対的に不溶性である物質を溶解せて結晶化させる[25]。
【0021】
Rabenauは、水熱条件での反応は、圧力105Pa及び温度100℃よりも高い条件で水中で生じる不均一化学系から行われることを指摘する[26]。
【0022】
本発明の意味で、「アルキル」は、飽和の、場合により置換されていてもよい、直鎖又は分枝炭化水素ラジカルであり炭素数1から12、例えば1から10、例えば1から8、例えば1から6を含むものを意味する。例えばアルキルラジカルには、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシルラジカルなどを意味する。
【0023】
本発明において、「アルケン」は、直鎖又は分枝、サイクリック又は非サイクリックの、不飽和炭化水素ラジカルを意味し、少なくともひとつの二重結合を含む。アルキレンラジカルは、2から20炭素数、例えば2から10、より具体的には2から8、さらに具体的には2から6炭素数を含むことができる。例えば、アルキレンラジカルには、アリル、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルラジカルなどが含まれる。
【0024】
「アルキン」は、直鎖又は分枝、サイクリック又は非サイクリック不飽和炭化水素であり、少なくともひとつの三重炭素−炭素結合を含む。アルキニルラジカルは、2から20、好ましくは2から10、より好ましくは1から8、さらに好ましくは2から6の炭素数を含む。例えば、アルキニルラジカルには、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルラジカルなどが含まれる。
【0025】
本発明において、「アリル」とは、少なくともHuckelの芳香族規則を満たす環状を含む芳香族系である。前記アリルは場合により6から50、例えば6から27、特に6から14、より具体的に6から12の炭素数を持つ。例えばアリルラジカルは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル基などのラジカルを含む。
【0026】
本発明の「ヘテロアリル」とは、少なくとも4から50、例えば4から20の炭素数を含む芳香族環と、特に硫黄、酸素、窒素を含む群から選択されるヘテロ原子とを含む系である。前記ヘテロアリルは置換されていてもよい。例えば、ヘテロアリルラジカルには、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルラジカルなどが含まれる。
【0027】
本発明の「シクロアルキル」は、サイクリックで、飽和又は不飽和、場合により置換されていてよい炭化水素ラジカルであり、3から10炭素数を含む。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−メチルシクロブチル、2,3−ジメチルシクロブチル、4−メチルシクロブチル、3−シクロペンチルプロピルが挙げられる。
【0028】
本発明の「ハロアルキル」は、例えば上で定義されたアルキルラジカルであり、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素を含む群から選択される少なくともひとつのハロゲンを含む。
【0029】
本発明の「ヘテロアルキル」は、前記定義されたアルキルラジカルであり、前記アルキル系は少なくともひとつのへテロ原子を含み、ヘテロ原子が、硫黄、酸素、窒素、リンを含む群から選択される。
【0030】
本発明の「ヘテロサイクル」は、サイクリック炭化水素ラジカルであり、少なくともひとつのヘテロ原子を含み、飽和又は不飽和の、場合により置換されていてもよく、3から20、好ましくは5から20、より好ましくは5から10の炭素数を含んでよい。ヘテロ原子は、硫黄、酸素、窒素、リンを含む群から選択される。例えばヘテロサイクリックラジカルは、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル又はテトラヒドロフラニル基が含まれる。
【0031】
本発明において、「アルコキシ」、「アリルオキシ」、「ヘテロアルコキシ」、「ヘテロアリルオキシ」とはそれぞれ、酸素と結合するアルキル、アリル、ヘテロアルキル及びヘテロアリルラジカルを意味する。例えばアルコシキラジカルには、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシラジカルなどを含む。
【0032】
用語「置換」とは、例えば、与えられた構造の水素原子を例えば前記定義された基で交換することを意味する。ひとつ以上の位置が置換される場合、置換基は同じであってもよく異なっていてもよい。
【0033】
本発明において、水溶性溶媒は、水だけを意味することができる。または、全溶媒中の少なくとも75%、好ましくは85%、さらに好ましくは少なくとも95%の水を含む混合溶媒であってよい。
【0034】
水と混合して使用される溶媒には、第一、第二又は第三アルコールを含む群から選択される。特にメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール又はtert−ブタノールが含まれる。
【0035】
ステップ(i)での金属無機前駆体は、金属Al、Al3+金属塩又はAl3+を含む配位化合物であり得る。好ましくは前記金属無機前駆体は金属Al又はAL3+金属塩である。金属塩の場合、対イオンは、スルファート、ナイトラート、ナイトライト、スルファイト、ビスルファイト、ホスファート、ホスファイト、クロリド、パークロラート、ブロマイド、ヨーダイド、カルボナート、ビカルボナートを含む群から選択される無機イオンが挙げられる。対イオンはまた、アセタート、ホルマート、オキザラート、イソプロポキサイド、エトキサイドを含む群から選択される有機イオンが挙げられる。
【0036】
本発明の固体の結晶立体構造は、この物質の特徴であり構成の基礎を形成する。特に、これは、孔サイズを制御し、物質の比表面積に影響を与え吸収特性に影響を与える。また、相対的に小さい物質の密度を制御し、これらの物質の金属の比、物質の安定性及び構造の柔軟性などを制御する。
【0037】
さらに孔サイズは、配位子Lを適切に選択することにより調節することができる。本発明の方法では、適切な配位子Lには、C(CO(フマレート),C(CO(スクシネート),C(CO(グルタレート),C(CO(ムコネート),C(CO(アジペート),CS(CO(チオフェン−2,5−ジカルボキシラート),C(CO(テレフタレート),C(CO(ピラジン−2,5−ジカルボキシラート),C10(CO(2,6−ナフタレンジカルボキシレート),C12(CO(4,4’−ビフェニルジカルボキシレート),C(CO(ベンゼン−1,2,4−トリカルボキシレート),C(CO(ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート),C2415(CO(ベンゼン−1,3,5−トリベンゾエート),C4227(CO(1,3,5−トリ[4’カルボキシ(1,1’−ビフェニル−4−イル)]ベンゼン),C(CO(ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボキシレート),C10(CO(ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボキシレート),C10(CO(ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシレート),C12(CO(ビフェニル−3,5,3’,5’−テトラカルボキシレート)を含む群から選択される、ジ−,トリ−又はテトラカルボキシラート配位子、及び2−アミノテレフタレート,2−ニトロテレフタレート,2−メチルテレフタレート,2−クロロテレフタレート,2−ブロモテレフタレート,2,5−ジヒドロキシテレフタレート,テトラフルオロテレフタレート,2,5−ジカルボキシテレフタレート, ジメチルビフェニル−4,4’−ジカルボキシラートテトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボキレート, ジカルボキシビフェニル−4,4’−ジカルボキシレートを含む群から選択される、変性された類似の配位子が挙げられる。好ましくは配位子Lは、C(CO(ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート)又は(ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボキシレートC10(COである。
【0038】
配位子Lの有機前駆体は、例えば酸又はエステルであってよい。エステルは例えば、アルキルエステルであり、アルキルラジカルには、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルラジカルが挙げられる。
【0039】
ステップ(i)では、前記金属無機前駆体及び配位子Lの有機前駆体がモル比1及び5の間の範囲で混合され得る。
【0040】
上で説明したように、本発明によりMOF固体は結晶構造を有し、これらの物質に特別の性質を付与している。結晶性に影響する重要なパラメータはpHである。本発明の方法では、結晶化は非常に狭いpH領域で行われる。従って、ステップ(ii)では、混合物のpHは3よりも低く調節される。混合物のpHは、さらに、pH領域0.4から2.9の範囲で調節され得る。本発明の他の方法では、pHは0.4から2.9の間の領域に調節されてもよい。
【0041】
本発明のひとつの実施態様において、混合物のpHは、0.4から0.7の範囲を含む。
【0042】
本発明のひとつの実施態様においては、初期の混合物pHは0.6に調節し、最終pHを1.5と1.8の間の領域に含む。
【0043】
pHは、混合物の正確な成分及び実施例で与えられる推定値に基づく反応動力学に依存して調節され得る。
【0044】
本発明の方法によれば、ステップ(ii)で、混合物のpHは酸又は塩基を添加して調節してもよい。
ステップ(ii)で適切な酸は、MOFの構造にも製造方法にも影響を与えないものが有利である。例示により、HCl、HNO、HSOを含む群から選択される鉱酸が挙げられる。特に酸としてはHNOが挙げられる。
【0045】
ステップ(ii)で、pHを塩基を添加して調節する際に、塩基として、LiOH、NaOH、KOHを含む群から選択されるアルカリ水酸化物が有利である。
【0046】
ポーラスであり結晶性であるアルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)からなる本発明の固体を製造する方法は、温度130℃よりも高い温度で製造される。好ましくはステップ(iii)では、(ii)で得られる混合物を140℃から220℃の温度に加熱する。混合物は1から48時間、例えば1から24時間、例えば1から5時間加熱されてよい。
【0047】
ステップ(iii)は、10Paよりも高い自原的圧力で実施されることが有利である。ここで「自原的圧力」とは、閉鎖反応容器内で与えられる温度で試薬により生じる圧力を意味する。
【0048】
ステップ(iii)で得られる固体は、さらに、活性化ステップ(iv)に供してもよい。ここで、固体は50℃から450℃の範囲、好ましくは80℃から350℃の温度に加熱される。
【0049】
このステップで、固体は1から36時間加熱されてよい。
【0050】
活性化ステップ(iv)は、場合により、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む群から選択される溶媒中で実施されてよい。
【0051】
この活性化ステップ(iv)で、本発明のMOF固体のポア(孔)を空にすることが可能となり、前記固体の意図される使用のために使用可能となる。孔を空にすることは、例えば反応媒体中に存在する水、酸、溶媒分子及び/又は必要な場合リガンドL分子を除去することにより可能である。得られるMOD個体は、より強い吸収及び貯蔵容量を示す。
【0052】
本発明の対象はまた、結晶性でポーラスアルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)からなる固体であり、本発明の製造方法で得られるものであり、式(I)で表される3次元に連続するパターンを含む。
【0053】
Al (I)
ここで、
Alは、Al3+
mは、1から15、例えば1から8;
kは、0から15、例えば1から8;
lは、0から10、例えば1から8;
pは、1から10、例えば1から5;
m、k、l及びpは、前記パターンの荷電が中和されるように選択される;
Xは、OH、Cl、F、Br、SO2−、NO、ClO、PF、BF、R−(COO、R−(SO、R−(POを含む群から選択されるアニオンであり、Rは水素、直鎖又は分枝、場合により置換されていてもよいC1−12アルキルであり、n=1から4を表す。
Lは、上で定義されたものである。
【0054】
本発明の方法により製造されるアルミニウムカルボキシラートMOF固体はいくつかの利点を持ち、特に:
結晶性固体である(結晶化は与えられたpHで実施される)、
高純度である(例えば水酸化アルミニウムなどの副生成物は見出されない)、及び
十分な多孔性を示し(3500m.g−1までのLangmuir比表面積)、特に、特定の分子の吸収特性を制御することを可能にする。
【0055】
好ましくは、Xは、OH、Cl、F、ClOから選択される。
【0056】
本発明によるMOF固体は好ましくは、Alの乾燥相(又は脱水相)質量が5から50%を含む。
【0057】
本発明の方法で得られるMOF個体は、ポア(孔)を持ち、より具体的にはミクロポア及び/又はメソポアを持つ。ミクロポアは、2nm以下の直径(直径≦2nm)を持つポアとして、又メソポアは2nmより大きく50nmまでの直径(2nm<直径<50nm)を持つポアとして定義される。好ましくは、本発明のMOF固体のポア直径は0.2nmから6nmの範囲である。ミクロ及びメソポアの存在は、DIN6631による77Kでの窒素のMOF固体への吸収容量を決定する吸収測定により確認され得る。
【0058】
ポーラスな結晶性アルミニウムカルボキシラートMOFからなる固体の比表面積はBET法による測定から及び/又はLangmuirモデルによる計算から得られる。本発明の固体はBET比表面積として50から4200m/g、より具体的には100から2500m/gの範囲である。Langmuir表面積としては、50から6000m/g、より具体的には150から3500m/gの範囲である。
【0059】
本発明のMOF固体は、ポア容量が0.1から4cm/gを有利に持つ。本発明において、ポア容量は、1グラムの生成物についてガス又は液体が吸収され得る容積を意味する。
【0060】
本発明において、MOF固体は、ガス負荷容量として乾燥固体1グラムにつき0.5から50mmolを持つ。負荷容量とは、固体の1グラムにつき、ガス貯蔵容量を意味する。これらの値及び定義は液体の負荷容量についても適用される。
【0061】
本発明のMOF固体は、特に、温度500℃までの熱安定性を示す。より具体的には、これら固体は250℃から430℃の範囲で熱安定性を示す。
【0062】
本発明の固体は、結晶性であり、長さが0.1から0.5μmの形状である。これらは、特定のモルホロジ(針状、板状、オクタヘドロンなど)を持つ小結晶の形状であり、これらの正確な確認は、走査電子顕微鏡(SEM)により検査することができる。
【0063】
上記のとおり、本発明のMOF固体は、結晶構造を有して高純度であり、これにより特定の性質を有する。
【0064】
既知の固体とは異なり、本発明の方法で得られるアルミニウムカルボキシラートは、単一の、結晶性の、すべての不純物のない十分に定義される相からなる。このことは、考慮される化学系で存在し得る他の相(<2質量%)は本発明のMOF固体中には存在しないことを意味する。
【0065】
上記のとおり水熱製造方法により得られるアルミニウムカルボキシラートMOF固体は、さらに、純度として少なくとも95%、特に少なくとも98%を持つ。本発明の固体のMOF固体の純度は、元素化学分析、X線回折、走査電子顕微鏡及び固体状態アルミニウム27(27Al)NMR及び炭素13(13C)NMRにより決定され得る。従って、得られるMOF個体は、例えば水酸化アルミニウム系Al(OH)又はAlO(OH)などの副産物又は他の合成条件(例えば本発明において示されるpHとは異なるpHの範囲で実施される際に見られる考えられる化学系の相などを、全く含まないか非常に僅かに含むのみである。水熱製造方法が、適切な熱力学的条件(温度、圧力など)を適切に制御して、水であり得る水溶液からアルミニウムカルボキシラート固体を直接製造することを可能にすることによると考えられる。
【0066】
本発明の固体の特定の構造的特徴は、高い負荷容量、高い選択性及び高い純度の吸収剤を可能とするということである。従って、これらは、選択的吸収及び従って例えばNO、N、HS、H、CH、O、CO、CO分子などのガス分子の選択的分離を可能とする。
【0067】
本発明の課題はまた、結晶性のポーラスなアルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)からなる固体の、液体又はガスの貯蔵、ガス分離[27]又は触媒[28]のための使用に関する。
【0068】
当業者にとって、例示目的で挙げられる添付の図表により説明される以下の実施例を参照することで、他の利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、相MIL−100(Al)のX線回折ダイヤグラム(CuK)を示す。X軸は入射角2D(°)で示される。縦軸は相対回折ピーク強度を示す。
【図2】図2は、MIL−100相の77KでのN等温度吸収を示す。比p/pはX軸で与えられる相対的圧力に対応する。生成物1g当たりの吸収ガス容量(cm/g)が縦軸に表される。
【図3】図3は、MIL−100(Al)の熱重量分析曲線を表す(O気流、3℃/分)。質量減%は縦軸に示される。加熱はX軸に示される。
【図4】図4は、MIL−100(Al)サンプルの(走査電子顕微鏡)写真を示し、1ミクロンのオクタヘドロン形状を示す。
【図5】図5は、相MIL−120(Al)のX線回折ダイヤグラム(CuK)を示す。X軸は入射角2D(°)で示される。縦軸は相対回折ピーク強度を示す。
【図6】図6は、MIL−120相の77KでのN等温度吸収を示す。比p/pはX軸で与えられる相対的圧力に対応する。生成物1g当たりの吸収ガス容量(cm/g)が縦軸に表される。
【図7】図7は、MIL−100(Al)の熱重量分析曲線を表す(O気流、3℃/分)。質量減%は縦軸に示される。加熱はX軸に示される。
【図8】図8は、MIL−120(Al)サンプルの(走査電子顕微鏡)写真を示し、5から30ミクロンの針状形状を示す。
【図9】図9は、相MIL−121(Al)のX線回折ダイヤグラム(CuK)を示す。X軸は入射角2D(°)で示される。縦軸は相対回折ピーク強度を示す。
【図10】図10は、MIL−121相の77KでのN等温度吸収を示す。比p/pはX軸で与えられる相対的圧力に対応する。生成物1g当たりの吸収ガス容量(cm/g)が縦軸に表される。
【図11】図11は、MIL−121(Al)の熱重量分析曲線を表す(O気流、3℃/分)。質量減%は縦軸に示される。加熱はX軸に示される。
【図12】図12は、MIL−121(Al)サンプルの(走査電子顕微鏡)写真を示し、2から5ミクロンの平行筒状形状を示す。
【図13】図13は、Bruker AVANCE−500スペクトルメータ(ローター直径:2.5mm)で測定した、MIL−100(Al)の27AlMASNMR(30KHz)スペクトルを示す。
【図14】図14は、Bruker AVANCE−500スペクトルメータ(ローター直径:2.5mm)で測定した、MIL−100(Al)の13C[H]CPMASNMR(12.5kHz)スペクトルを示す。
【図15】図15は、Bruker AVANCE−500スペクトルメータ(ローター直径:2.5mm)で測定した、MIL−120(Al)の27AlMASNMR(30KHz)スペクトルを示す。
【図16】図16は、TecMagAppolo−200スペクトルメータ(ローター直径:2.5mm)で測定した、MIL−120(Al)の13C[H]CPMASNMR(10kHz)スペクトルを示す
【図17】図17は、Bruker AVANCE−500スペクトルメータ(ローター直径:2.5 mm)で測定した、MIL−121(Al)の27AlMASNMR(30KHz)スペクトルを示す。
【図18】図18は、Bruker AVANCE−500スペクトルメータ(ローター直径:2.5mm)で測定した、MIL−121(Al)の13C[H]CPMASNMR(12.5kHz)スペクトルを示す。
【図19】図19は、MIL−100(Al)のHMASNMR(a)及びH[27Al]TRAPDOR(b)スペクトルを示し、水のシグナルがd5ppm、btc構造がd8ppm及びbtc構造がd9ppmに示される。全てのスペクトルは、回転速度39KHzで500MHzで記録された。
【図20】図20は、MIL−100の27AlMASNMR(a)及び続く130℃での熱処理(b)、及び一晩再水和させ(c)、その後閉鎖分離装置内のNaCl溶液中で水和させ(d)、脱水/再水和サイクルに亘り、配位不飽和サイトの可逆形成を示す。熱処理時間は4から6時間である。(a)及び(b)のスペクトルはシンプルパルスを用いた実験で得られ、(b)及び(c)ではフルエコー実験で得られる。
【図21】図21は、150℃で脱水されたMIL−100の27Al MQMAS (Multi−Quanta Magic angle Spinning)NMRを示す。0から−10ppmに、6配位サイトが存在し、ケミカルシフトにより間接的に分かれて観察される(図では垂直次元)。また30から40ppmに、5配位サイトが存在し、間接的次元が、それらが2つのサイトのタイプに別れて観察される。
【図22】図22は、MIL−100(Al)−as(合成)、MIL−100(Al)−ac(活性化)のX線回折パターン(Cu放射)を示す。また比較のために、他の2つの相、MIL−96_as及びMIL−110_as(合成)を示す。さらに、Al/btc/HO(btc=ベンゼン−1,3,5−トリカルボキラート)の相ダイヤグラムを示す。
【実施例】
【0070】
以下の実施例には、芳香族カルボキシラートタイプのリガンド、より具体的にはベンゼン−1、3、5−トリカルボキシラート及びベンゼン−1、2、4、5−テトラカルボキシラートを用いて得られるミクロポーラスアルミニウムカルボキシラート(MIL−nとする)の金属有機構造体(MOF)からなる、3つの種々の異なる個体の水熱製造方法を記載する。
【0071】
合成された化合物(MIL−nとする)は、X線粉末回折、熱重量分析、走査電子顕微鏡(SEM)が測定され、及び比表面積がBET法により測定された。
【0072】
回折パターンは、Bragg−Brentano geometry diffractometer(Siemens D5000)を用いて2θ角2から40°の範囲で、ピッチ及びカウント時間0,02°及び1秒でそれぞれ測定した(CuKD1,2放射)。
【0073】
熱重量分析(TA Instrument 2050)は、5又は20mgサンプルを、20から600℃へ、酸素気流中、加熱速度3°C/分で実施した。
【0074】
走査電素顕微鏡(LEO1530)実験については、サンプルは炭素でメタライズされ真空チャンバに入れて電子ビームに暴露した。
【0075】
比表面積は、Micromeritics ASAP2010装置を用いた。100 mgのサンプルは前もって200℃で真空下で12時間加熱しておいた。
【0076】
実施例1: MIL−100(Al)の製造
化合物MIL−100(Al)は、我々の実験室で既に記載されたクロミウム(III)及び鉄(III)の類似物である。この相は、1.314gのアルミニウムナイトラート(Al(NO.9HO)、0.596gのトリメチルベンゼン−1,3,5−トリカルボキシラート、4.4mlの硝酸(HNO1M)及び16mlの水の混合物を125mlのテフロン(登録商標)セルに入れ、それをParr(商品名)スチールオートクレーブに挿入した。反応は、210°Cで3時間、オーブン(温度上昇:1時間)中で行い、0.55gのMIL−100(Al)を得る。反応pHは1.8である。
【0077】
2番目の製造は、7.485gのアルミニウムナイトラート(Al(NO.9HO)、3.39gのトリメチルベンゼン−1,3,5−トリカルボキシラート、25mlの硝酸(HNO1M)及び91.29mlの水の混合物を500mlのテフロン(登録商標)セルに入れ、それをParr(商品名)スチールオートクレーブに挿入した。反応は、210°Cで3時間30分、オーブン(温度上昇:1時間)中で行い、3.45gのMIL−100(Al)を得る。反応pHは1.8である。得られる生成物は均一な黄色粉末であり、ろ過して脱イオン水で洗浄した。
【0078】
電素顕微鏡にてこの固体を観察した結果、平均サイズ1ミクロンの小さなオクタヘドロン形状であることが分かった(図4)。
【0079】
XRD回折パターンが図1に示される。当該固体は、a=b=c=71.687Å、V=368401(3)Å
を持つ立方単位の結晶である。
【0080】
この生成物の活性化は次の通りである。1gのMIL−100(Al)及び40mlのDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を125mlの水熱容器内に入れ、150℃で4時間加熱した。ろ過後、白色化合物を100℃で12時間還流しながら蒸留水で洗浄し、室温で再びろ過した。
【0081】
BET比表面積は、2150m/gであり、Langmuir比表面積は2900m/gである。
【0082】
熱重量分析では、物質MIL−100(Al)は350℃まで安定である(図3)。
【0083】
これらの種々の性質分析を組み合わせると、これらが非常に高い結晶純度を持つ非常に構造のよく分かった物質であることが示される。
【0084】
MIL−100(Al)の性質
MIL−100(Al)の固体HNMR(図19a)により、3つの主なエコーシグナル、4.8、8.0及び9.1ppmは水、H3btc、及びbtc構造にそれぞれ帰属されることが分かる。水は存在して、Alトリマー単位構造に結合する末端リガンドだけでなく、化合物のポアにも吸収されている。結合された水分子とAl構造との近接性を確立するために、H/27AlTRAPDOR実験を行った[29]。TRAPDOR実験の目的は、マジックアングルスピニング(MAS)条件で2つの異なるスピン間のダイポール相互作用を測定することである。
【0085】
Hの27AIでのデカップリング(H{27AI})のために、第一の測定がコントロール実験として行い、ここで、ロータに同期されたHスピン−エコーシーケンス(90°−τ−180°−τ)がτビーインロータ期間に提供される。
【0086】
第二の実験は、第一の測定と同じスピンーエコーを用いるが、観察されるHスピンでのエコー(τ)の初めの半分の時間、27Alスピンが連続的に照射される。
【0087】
マジックスピニング条件で27Alスピンを高出力で連続的なラジオ波で照射することは、アルミニウムが近接している場合にHスピンの、例えば結合ダイポールなどのエコー強度に影響する。TRAPDOSの差スペクトル(図19b)はTRAPDORスペクトルからコントロールスペクトルを引いて得られるスペクトルであり、これはダイポールカップリングを示す。差スペクトルに残るシグナルは、水のシグナルのみが顕著に影響されていることが示され、これはそのプロトンが27Al核に近接しているからである。アルミニウムと水の結合は、これらのサイトがブレンステッド酸であることを示す。
【0088】
図20は、MIL−100(Al)の連続する加熱時間ごとの27AlMASNMRスペクトルを示す。種々の脱水状態として、完全脱水状態(図20a)から部分的脱水状態(図2bからc)及び引き続き再水和(図2d)が示される。130℃で4時間後、追加のシグナルが27Alスペクトルに、Al5配位体に一致する異方性化学シフト37ppmに現れる。温度処理が進行するにつれて、前記シグナルは増加する。これらの結果は、AlトリマーによるAl5配位化合物が脱水の後に形成されることを示し、これらの物質には配位不飽和サイト(CUS)が存在することを示す。図21で示されるMQMAS実験 [30]により示されるように少なくとも2つのサイトが存在する。この化合物の潜在的なルイス酸的性質の明確な証拠となる。興味引かれることは、この方法が、再水和後も完全に可逆的であることである。
【0089】
これらの結果は、酸−塩基性に関してMIL−100(Al)の特性を示す。事実、MIL−100(Al)では、同じAlトリマーにおいて、ひとつのサイトがブレンステッド酸及びルイス型の酸性の両方を示すことができる。脱水は、MIL−100(Al)中の5配位アルミニウムを出現させるが、これは、対応するクロミウム及び鉄とは異なる。MIL−100(Al)に関する限り、3つのうちのひとつのアルミニウムは配位を変化させるが、これは、対応するクロミウム又は鉄で記載されているような3つのうちの2つが変化させることと異なる。さらに、例えばMIL−96(Al)及びMIL−110(Al)などの他の相は、MIL−100(Al)の性質を持たない。これらは、MIL−100(Al)の製造の際に不純物として生成され得、かつ水を失い5配位アルミニウムを形成することはできる。MIL−96(Al)については、多孔性及びポア吸収性がMIL−1−−(al)のそれとは大きく異なる。さらにMIL−96(Al)では反応サイト脱水はそのポア内に存在する水により抑制される。MIL−110(Al)についえは、その熱安定性がMIL=100(Al)に比べて非常に低い。
【0090】
MIL−100(Al)のみが、最大の多孔性と、より大きなサイズの分子の出入りを可能にする拡散パス(ポアがお互いに行き来する可能性)及び選択的な及び低温度(例えば130−150℃)でサイト活性化を示す。MIL−100(Al)のこの特別の性質のより、そのような性質を有する唯一の相として得ることの本質である。例えばMIL−96(Al)及び/又はMIL−110(Al)などの相の混合物が、純粋なMIL−100(Al)と比較できる性質を示すということはあり得ないことである。
【0091】
図22では、MIL−100の回折パターンは、他の相であるMIL−96及びMIL−110とは明確に異なり、MIL−100のユニークな特徴付けを可能とする。従って、X線技術により、化学系Al/btc/HOでの3つの異なる相の区別を可能にする。
【0092】
さらに、MIL−100−ac(活性化)の回折パターンは、MIL−100−as(合成)のそれと類似するが、このことは、MIL−100の活性型(空のポア有り)が安定であり、その3D構造が活性化合物工程でも維持されていることを示す。
【0093】
図22の最後の図には、MIL−100単結晶の原子データからの計算結果である。MIL−100X線回折パターンは計算結果とよく一致しており、このことは、得られるMIL−100生成物は高純度であるという事実を反映する。
【0094】
実施例2: MIL−120(Al)の製造
化合物MIL−120(Al)は、3.2gのアルミニウムナイトラート(Al(NO.9HO)、0.5gのベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボキシラート、3.2mlの水酸化ナトリウム(NaOH4M)及び20mlの水の混合物を125mlのテフロン(登録商標)セルに入れ、それをParr(商品名)スチールオートクレーブ に挿入した。反応は、210°Cで24時間、オーブン中で行い、0.68gのMIL−120(Al)を得る。反応pHは1.85である。生成物を一夜還流しながら蒸留水で洗浄した。200℃で一夜加熱して活性化した。
【0095】
得られた個体を電素顕微鏡で測定した結果、平均5から30ミクロンの針状の小さな結晶であることを示した(図8)。
【0096】
この固体は、次の結晶パラメータ、a=9.748(1)Å、b=20.048(1)Å、c=7.489(1)Å、V=1045.3(2)Åのモノクリニックユニットセルであった。XRDは図5に示される。
【0097】
測定されたBET比表面積は300m/gであり、Langmuir比表面積は430m/gであった(図6)。
【0098】
熱重量分析は、物質MIL−120(Al)が290℃まで安定であることを示す(図7)。
【0099】
これらの性質分析を組み合わせると、この固体が非常に高純度であり構造の明確に分かるものであることが明らかである。
【0100】
実施例3: MIL−121(Al)の製造
化合物MIL−121(Al)は、9.6gのアルミニウムナイトラート(Al(NO.9HO)、3.2gのベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボキシラート及び40mlの水の混合物を125mlのテフロン(登録商標)セルに入れ、それをParr(商品名)スチールオートクレーブ に挿入した。反応は、210°Cで24時間、オーブン中で行った。反応pHは0.2である。3.45gのMIL−121(Al)を得る。380℃で4時間加熱して活性化した。
【0101】
電子顕微鏡での観察により、2から5ミクロンの平均サイズを持つ平行筒状結晶の存在が明かとなった(図12)。
【0102】
この固体は、次の結晶パラメータ、a=17.58(1)Å、b=13.55(1)Å、c=6.66(1)Å、V=1045.3(2)Åのモノクリニックユニットセルであった。XRDは図9に示される。
【0103】
測定されたBET比表面積は173m/gであり、Langmuir比表面積は258m/gであった(図10)。
【0104】
熱重量分析は、物質MIL−121(Al)が430℃まで安定であることを示す(図11)。
【0105】
これらの性質分析を組み合わせると、この固体が非常に高純度であり構造の明確に分かるものであることが明らかである。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶性のポーラスなアルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)からなる固体の水熱製造方法であり、本発明は次のステップ:
(i)水溶液中で、
金属Al、金属塩Al3+又は金属イオンAl3+を含む配位化合物の形での少なくとも金属無機前駆体と;及び
少なくとも前記配位子L(ここでLは、式R(COOの、ジ−、トリ−又はテトラカルボキシラートリガンドであり、Rは、モノ−又はポリ−サイクリック、縮合又は非縮合のアリールラジカルであり、6から50、例えば6から27の炭素数を持ち、又モノ−又はポリ−サイクリック、縮合又は非縮合のヘテロアリールラジカルであり、4から50、例えば4から20の炭素数を持ち、Rは、C1−10アルキル、C2−10アルキレン、C2−10アルキン、C3−10シクロアルキル、C1−10ヘテロアルキル、C1−10ハロアルキル、C6−10アリール、C3−20ヘテロサイクリック、C6−10アリールC1−10アルキル、C3−10ヘテロアリールC1−10アルキル、F、Cl、Br、I、−NO、−CN、−CF、−CHCF、−OH、−CHOH、−CHCHOH、−NH、−CHNH、−NHCHO、−COOH、−CONH、−SOH、−POを含む群から選択される、独立した少なくともひとつ又はそれ以上により置換されていてもよく、q=2から4である)の有機前駆体とを混合するステップと;
(ii)前記混合物のpHを3よりも低く調節するステップと;
(iii)前記(ii)で得られた前記混合物を130℃よりも高い温度で加熱して前記固体を得るステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記水溶性溶媒が水である、方法。
【請求項3】
前記1または2もいずれか1項に記載の方法であり、ステップ(i)において前記金属無機前駆体及び前記リガンドLの前記有機前駆体がモル比1から5の間を含む、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法であり、前記金属無機前駆体が、金属Al又はAl3+塩である、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法であり、前記Lが、C(CO(フマレート),C(CO(スクシネート),C(CO(グルタレート),C(CO(ムコネート),C(CO(アジペート),CS(CO(チオフェン−2,5−ジカルボキシラート),C(CO(テレフタレート),C(CO(ピラジン−2,5−ジカルボキシラート),C10(CO(2,6−ナフタレンジカルボキシレート),C12(CO(4,4’−ビフェニルジカルボキシレート),C(CO(ベンゼン−1,2,4−トリカルボキシレート),C(CO(ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート),C2415(CO(ベンゼン−1,3,5−トリベンゾエート),C4227(CO(1,3,5−トリ[4’カルボキシ(1,1’−ビフェニル−4−イル)]ベンゼン),C(CO(ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボキシレート),C10(CO(ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボキシレート),C10(CO(ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボキシレート),C12(CO(ビフェニル−3,5,3’,5’−テトラカルボキシレート)を含む群から選択される配位子及びジ−,トリ−又はテトラカルボキシラート配位子、及び2−アミノテレフタレート,2−ニトロテレフタレート,2−メチルテレフタレート,2−クロロテレフタレート,2−ブロモテレフタレート,2,5−ジヒドロキシテレフタレート,テトラフルオロテレフタレート,2,5−ジカルボキシテレフタレート,ジメチルビフェニル−4,4’−ジカルボキシラート,テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボキレート,ジカルボキシビフェニル−4,4’−ジカルボキシレートを含む群から選択される変性された類似の配位子である、方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法であり、ステップ(ii)において前記混合物のpHが0.4及び2.9の間に含まれるように調節される、方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法であり、ステップ(iii)において前記混合物のpHを、酸又は塩基を添加して調節する、方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法であり、ステップ(iii)において前記混合物を140℃から220℃で加熱する、方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法であり、ステップ(iii)で、前記混合物が1から48時間加熱される、方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法であり、前記ステップ(iii)で、105Paよりも高い自原的圧力で実施される、方法。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法であり、さらに、ステップ(iii)で得られる個体を80℃から350℃で加熱することで活性化するステップ(iv)を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であり、前記活性化ステップ(iv)が、DMF、DEF、メタノール、エタノール、DMSOを含む群から選択される溶媒中で実施される、方法。
【請求項13】
請求項11又は12のいずれか一項に記載の方法であり、ステップ(iii)で得られる個体を1から36時間加熱する活性化ステップ(iv)を含む、方法。
【請求項14】
純度が少なくとも95質量%である単一相の結晶性ポーラスアルミニウムカルボキシラートの金属有機構造体(MOF)からなる固体であり、請求項1乃至13のいずれか一項の本発明の製造方法で得られるものであり、式(I)で表される3次元に連続するパターンを含む固体。
Al (I)
(Alは、Al3+
mは、1から15、例えば1から8;
kは、0から15、例えば1から8;
lは、0から10、例えば1から8;
pは、1から10、例えば1から5;
m、k、l及びpは、前記パターンの荷電が中和されるように選択される;
Xは、OH、Cl、F、Br、SO2−、NO、ClO、PF、BF、R−(COO、R−(SO、R−(POを含む群から選択されるアニオンであり、Rは水素、直鎖又は分枝、場合により置換されていてもよいC1−12アルキルであり、n=1から4を表し、Lは請求項1で定義されたものである)
【請求項15】
請求項14に記載の固体であり、アニオンXが、OH、Cl、F、ClOを含む群から選択される、固体。
【請求項16】
請求項14又は15のいずれか一項に記載の方法であり、Alの質量%が5から50%である、固体。
【請求項17】
請求項14乃至16のいずれか一項に記載の固体であり、BET比表面積が100から2500m/gである、固体。
【請求項18】
請求項14乃至17のいずれか一項に記載の固体であり、 Langmuir表面積が150から3500m/gである、固体。
【請求項19】
請求項14乃至18のいずれか一項に記載の固体であり、前記固体のポア直径が0.2から6mmである、固体。
【請求項20】
請求項14乃至19のいずれか一項に記載の固体であり、前記固体のポア容量が0.1から4cm/gである、固体。
【請求項21】
請求項14乃至20のいずれか一項に記載の固体であり、前記固体が、500℃までの熱安定性を有する、固体。
【請求項22】
請求項14乃至21のいずれか一項に記載の固体であり、前記固体が、0.1μmから150μmの範囲の長さを持つ結晶形である、個体。
【請求項23】
液体又はガスの貯蔵のための、請求項14乃至22のいずれか一項に記載の固体の使用。
【請求項24】
ガス分離のための、請求項14乃至22のいずれか一項に記載の固体の使用。
【請求項25】
触媒のための、請求項14乃至22のいずれか一項に記載の固体の使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2012−509360(P2012−509360A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543803(P2011−543803)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052208
【国際公開番号】WO2010/058123
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(510309020)セントレ ナショナル デ ラ リシェルシェ サイエンティフィック(セ・エン・エル・エス) (9)
【出願人】(511119765)ユニヴァーシテ デ ヴェルサイユ−サン カンタン アン イヴリーヌ (2)
【Fターム(参考)】