説明

金属樹脂積層体

【課題】 樹脂層と金属層との積層体として反りや両者の剥離が生じ難く、素子やパッケージの絶縁性基板や絶縁性放熱板に使用できる金属樹脂積層体を提供する。
【解決手段】 低熱膨張金属層と、ポリイミド樹脂層との積層体である金属樹脂積層体であって、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃である金属樹脂積層体であり、低熱膨張金属層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃である低熱膨張金属の層であり、ポリイミド樹脂層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃であるポリイミド樹脂の層である金属樹脂積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低熱膨張金属層上に同等の線膨張係数を有する特定のポリイミド樹脂層(フィルム)を積層することで、全体として線膨張率が小さい、絶縁性放熱板、電力素子など発熱の大きい素子などの基板などとして使用できる金属樹脂積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置(パッケージ)におけるプリント配線基板などの絶縁基材にポリイミド樹脂やポリイミドフィルムなどが使用されているが、いずれのポリイミド樹脂やポリイミドフィルムにおいても環境耐久性特に耐熱耐久性が充分に満足し得るもの、特に高温における平面方向での変形に対して耐久性を保持したものは知られていない。
また従来の混成集積回路(ハイブリッドIC)においては、樹脂等よりなる配線基板上に素子が装着されるが、その基板の線熱膨張率がフリップチップ実装されるシリコンチップの線熱膨張率よりかなり大きく(例えばその値は、ガラスエポキシ基板で12〜13ppm/℃、シリコン;3から4ppm/℃)、フリップチップを大型化し多バンプ化した際には接合部へのストレス(応力)が大きく接合部の信頼性が乏しくなるという問題があった。
【0003】
これらの問題を解決するために、表面に素子が配置される配線基板の裏面に前記素子の形成材料とその熱膨張率を近似させた第2の基板を接合した混成集積回路、また表面に素子が配置される配線基板の裏面に前記素子の形成材料とその熱膨張率を近似させる第2の基板を接合するとともに、当該第2の基板の裏面に前記配線基板とその熱膨張率が接近した第3の基板を接合した混成集積回路(特許文献1参照)が提案されているが、配線基板と第2の基板との線膨張係数の差異に着目したものではなく、素子の膨張係数に近い第2の基板を使用することで素子と配線基板配線基板との接合部の信頼性を補償せんとするものである。
また、半導体パッケージ内部の接続信頼性に優れ、反り変形の少ない薄型軽量の半導体パッケージを提供するため、半導体素子と、該半導体素子を取り巻く如く配置される基板と、該基板の一方の面側であって半導体素子の内部接続端子側に、該内部接続端子と接続される配線と絶縁層が積層されてなる配線層とを有する半導体パッケージであって、前記基板は、樹脂層と、前記半導体素子を取り巻く30〜200℃の平均熱膨張係数が−5ppm/℃以上10ppm/℃以下の低熱膨張金属層とが複合されている半導体パッケージ(特許文献2参照)が提案されているが、基板を構成する樹脂層としては、エポキシ、フェノール、BT、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等の樹脂フィルムや、これらの樹脂をガラス等の無機質繊維やポリアミド等の有機質繊維等からなる織布、不織布に含浸させたプリプレグが挙げられており、低熱膨張金属層と樹脂層とは、たとえば、真空加熱プレス等により温度と圧力を用いて、両者を積層接着することが開示されており、少なくとも樹脂層の熱膨張係数に着目するものではない。
これらの膨張係数に着目した積層は、一方の膨張係数には着目するものの、積層される(絶縁性)樹脂層と金属層両者の膨張係数をほぼ合致させて積層するものではなく両者間の膨張係数を同等にする思想も無いものであり、樹脂層と金属層との積層体としての反りや剥離に着目するものでもない。
【0004】
【特許文献1】特開平1−298788号公報
【特許文献2】特開2004−071698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、積層される(絶縁性)樹脂層と金属層両者の膨張係数をほぼ合致させて積層
し、両者間の膨張係数を同等にすることで、樹脂層と金属層との積層体としての反りや剥離が生じ難い金属樹脂積層体を提供せんとするものである。
小型化、高精細化、高密度化が可能である半導体装置、特に消費電力の高い発熱の大きい半導体装置において、高い生産収率と環境耐久性に優れ、高密度実装(配線ピッチ狭くなる)、鉛フリー半田(半田温度の上昇)、消費電力による発熱などの熱履歴による基板の反り(カール)などが抑止され、かつ両者間の積層が熱履歴によっても剥離が生じ難い基板を使用した半導体装置や絶縁性放熱板の提供を目的とする。
パッケージ及びそれを含む電子機器の製造工程での熱履歴、半導体駆動時の温度上昇、下降、その他部品による、温度上昇や下降による、そり、変形の発生を、低減でき、このことから、パッケージ内接続信頼性、パッケージの外部との接続信頼性を高めることができる。熱が局所的に加わるときに、温度を伝え、広い領域に分散させるため、局所的な熱の上昇を緩和できる。
さらに、低熱膨張層と銅やアルミなどの良熱伝導体を直接接合させることにより、反りや、変形を抑えかつ、放熱が良好に行える金属樹脂積層体を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
1.低熱膨張金属層と、ポリイミド樹脂層との積層体である金属樹脂積層体であって、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃であることを特徴とする金属樹脂積層体。
2.低熱膨張金属層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃である低熱膨張金属の層であり、ポリイミド樹脂層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃であるポリイミド樹脂の層である前記1の金属樹脂積層体。
3.低熱膨張金属層が、ポリイミド樹脂層に直接積層している前記1〜2いずれかの金属樹脂積層体。
4.ポリイミド樹脂層がベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドフィルムである前記1〜3のいずれかの金属樹脂積層体。
5.Cu、Alから選ばれる一種以上の金属を主成分とする金属層がさらに積層された前記1〜4いずれかに記載の金属樹脂積層体。
6.前記1〜5いずれかの金属樹脂積層体を用いた回路基板。
7.前記1〜5いずれかの金属樹脂積層体を用いた回路放熱板。
【発明の効果】
【0007】
本発明の低熱膨張金属層と、ポリイミド樹脂層との積層体である金属樹脂積層体であ
って、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃である金属樹脂積層体は、小型化、高精細化、高密度化された半導体装置、特に消費電力の高い発熱の大きい半導体装置において、高密度実装(配線ピッチ狭くなる)や鉛フリー半田(半田温度の上昇)に伴い、消費電力による発熱などの熱履歴による基板の反り(カール)や(絶縁性)樹脂層と(補強や放熱のための)金属層との両者間の積層の熱履歴による剥離が生じ難い回路形成基板や絶縁性放熱板として極めて有用である。
また、シリコンウェハーと近いCTEを持つことから、シリコンウェハー近傍で使用される、バーンインテスターボードの接触子、基板材料としてもきわめて有効である。
半導体装置などにおける回路形成基板や絶縁性放熱板として本発明の金属樹脂積層体を使用した場合、これらの製造工程での熱履歴、半導体駆動時の温度上昇、下降、その他部品による温度上昇や下降による熱履歴によって、発生するこれらの反り、変形の発生また層間剥離を低減でき、パッケージ内接続信頼性、パッケージの外部との接続信頼性を高めることができる。熱が局所的に加わるときに、温度を伝え、広い領域に分散させるため、局所的な熱の上昇を緩和でき、さらに低熱膨張層と銅やアルミなどの良熱伝導体を直接接合させることにより、反りや、変形を抑えかつ、放熱が良好に行えるものとなり、工業的な意義は極めて大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の低熱膨張金属層と、ポリイミド樹脂層との積層体である金属樹脂積層体であって、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃である金属樹脂積層体において、好ましい態様である低熱膨張金属層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃である低熱膨張金属の層であり、ポリイミド樹脂層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃であるポリイミド樹脂の層である金属樹脂積層体において、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜10ppm/℃である低熱膨張金属とは、この平均線膨張係数を有するものであれば特に限定されるものではないが、モリブデンやタングステン、ニッケルを27〜52質量%残部が鉄からなる鉄−ニッケル系合金、または前記ニッケルを20質量%以下のコバルトで置換した鉄−ニッケル−コバルト系合金、インバー合金や42アロイに代表される鉄−36質量%ニッケル合金、鉄−42質量%ニッケル合金、鉄−50質量%ニッケル合金、コバールと称される鉄−29質量%ニッケル−17質量%コバルト合金が挙げられる。
これらの低熱膨張金属層とポリイミド樹脂層との積層の方法は特に限定されるものではないが、低熱膨張金属層とポリイミド樹脂層との圧着や、低熱膨張金属層にポリイミド樹脂を流延しイミド化する方法、ポリイミドフィルムに低熱膨張金属層をスパッタリング法や蒸着法などの乾式薄膜形成法で形成する方法が挙げられる、この積層において両者の積層が両者間で他を介在せずに直接積層する方法や、接着剤層などを介して積層する方法などが挙げられるが、好ましいのは、両者の積層が両者間で他を介在せずに直接積層する方法である。
【0009】
本発明において、30℃から200℃の平均線膨張係数の測定は以下のようにして測定したものである。
『測定対象のポリイミド樹脂層(フィルム)および金属樹脂積層体について、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、30℃〜40℃、40℃〜50℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を250℃まで行い、30℃から200℃までの全測定値の平均値を平均線膨張係数(CTE)として算出した。
MD方向(縦方向)、TD方向(幅方向)の大きい方の値を、測定値として採用する。必ずしも、MD,TDの区別が付かなくても、直交方向に測定を行い、大きいほうをとることとする。
(なお低熱膨張金属層については、薄膜の場合は、そのスパッタターゲットあるいは、薄膜組成を蛍光X線分析して、0.1%以内で同一組成の厚さ0.1mm厚の薄板で測定を行った。30℃〜40℃、40℃〜50℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を250℃まで行い、30℃から200℃までの全測定値の平均値を平均線膨張係数(CTE)として算出した。この場合、MD、TDの区別は行っていない。)
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン 』
【0010】
本発明の金属樹脂積層体に使用されるポリイミド樹脂層(フィルム)は、金属樹脂積層体として30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜10ppm/℃となるポリイミド樹脂層であれば特に限定されるものではないが、好ましくは芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミド樹脂の層やフィルムであり、より好ましくは30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜10ppm/℃となるポリイミド樹脂の層である。
上述の「反応」は、特に限定はされないが、好ましくは溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸無水物類とを開環重付加反応に供してポリアミド酸溶液を得るものであり、フィルムの場合は、次いでこのポリアミド酸溶液からグリーンフィルムを成形した後に脱水縮合(イミド化)することにより製造することができ、樹脂層としては前記フィルムが好ましい形態であるがこれに限定されるものではなく、低熱膨張金属層に流延後に同様にしてイミド化したものであってもよい。
以下ポリイミド樹脂層の一であるフィルムについて記述する。
【0011】
本発明において、より好ましく使用されるポリイミドフィルムは、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類が、全ジアミンの10〜100mol%の範囲であるジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリイミドフィルムであり、例えばその製造方法としては、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(A)と、ベンゾオキサゾール構造を有さない芳香族ジアミン類と芳香族テトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸溶液(B)とを、A:Bが10〜100:90〜0のmol比で、好ましくはA:Bが50〜100:50〜0のmol比で混合し、混合溶液を支持体上に塗布・流延し、乾燥して自己支持性フィルム(グリーンフィルム)を得て、このグリーンフィルムを150℃〜500℃の範囲で熱処理して閉環イミド化してポリイミドフィルムとなす方法が挙げられ、この方法が好ましく採用される。
【0012】
本発明において、より好ましく使用されるベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、具体的には以下のものが挙げられる。
【0013】
【化1】

【0014】
【化2】

【0015】
【化3】

【0016】
【化4】

【0017】
【化5】

【0018】
【化6】

【0019】
【化7】

【0020】
【化8】

【0021】
【化9】

【0022】
【化10】

【0023】
【化11】

【0024】
【化12】

【0025】
【化13】

【0026】
これらの中でも、合成のし易さの観点から、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールの各異性体が好ましい。ここで、「各異性体」とは、アミノ(アミノフェニル)ベンゾオキサゾールが有する2つアミノ基が配位位置に応じて定められる各異性体である(例;上記「化1」〜「化4」に記載の各化合物)。これらのジアミンは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明は、前記ジアミンとは別に下記の芳香族ジアミンを使用してもよい。
そのようなジアミン類としては、例えば、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、
【0027】
3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、
【0028】
1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
【0029】
1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4'−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ビフェニル、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、
【0030】
2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4'−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
【0031】
3,3'−ジアミノ−4,4'−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5,5'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5'−フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4,5'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4'−ジアミノ−5'−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリルおよび上記芳香族ジアミンにおける芳香環上の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
【0032】
本発明で用いられるテトラカルボン酸類は好ましくは芳香族テトラカルボン酸無水物類である。芳香族テトラカルボン酸無水物類としては、具体的には、以下のものが挙げられる。中でも化4のピロメリット酸無水物が好ましく使用でき、このピロメリット酸無水物は全テトラカルボン酸のうち70モル%以上より好ましくは90モル%以上である。
【0033】
【化14】

【0034】
【化15】

【0035】
【化16】

【0036】
【化17】

【0037】
【化18】

【0038】
【化19】

【0039】
これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、全テトラカルボン酸二無水物の30モル%未満であれば下記に例示される非芳香族のテトラカルボン酸二無水物類を一種または二種以上、併用しても構わない。そのようなテトラカルボン酸無水物としては、例えば、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物。
【0040】
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3',4'−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0041】
ジアミン類と、テトラカルボン酸無水物類とを重合してポリアミド酸を得るときに用いる溶媒は、原料となるモノマーおよび生成するポリアミド酸のいずれをも溶解するものであれば特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、ハロゲン化フェノール類等があげられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。溶媒の使用量は、原料となるモノマーを溶解するのに十分な量であればよく、具体的な使用量としては、モノマーを溶解した溶液に占めるモノマーの質量が、通常5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるような量が挙げられる。
【0042】
ポリアミド酸を得るための重合反応(以下、単に「重合反応」ともいう)の条件は従来公知の条件を適用すればよく、具体例として、有機溶媒中、0〜80℃の温度範囲で、10分〜70時間連続して撹拌および/または混合することが挙げられる。必要により重合反応を分割することや、温度を上下させてもかまわない。この場合に、両モノマーの添加順序には特に制限はないが、例えば芳香族ジアミン類の溶液中に芳香族テトラカルボン酸無水物類を添加するのが好ましい。重合反応によって得られるポリアミド酸溶液に占めるポリアミド酸の質量は、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%であり、前記溶液の粘度はブルックフィールド粘度計による測定(25℃)で、送液の安定性の点から、好ましくは10〜2000Pa・sであり、より好ましくは100〜1000Pa・sである。
本発明におけるポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)は、特に限定するものではないが2.0dl/g以上が好ましく、3.0dl/g以上がさらに好ましく、なおさらに4.0dl/g以上が好ましい。
【0043】
重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸の有機溶媒溶液を製造するのに有効である。また、重合反応の前に芳香族ジアミン類に少量の末端封止剤を添加して重合を制御することを行ってもよい。末端封止剤としては、無水マレイン酸等といった炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。無水マレイン酸を使用する場合の使用量は、芳香族ジアミン類1モル当たり好ましくは0.001〜1.0モルである。
重合反応により得られるポリアミド酸溶液から、ポリイミドフィルムを形成するためには、ポリアミド酸溶液を支持体上に塗布して乾燥するなどによりグリーンフィルムを得て、次いで、グリーンフィルムを熱処理に供することでイミド化反応させる方法が挙げられる。
【0044】
ポリアミド酸溶液を塗布する支持体は、ポリアミド酸溶液をフィルム状に成形するに足る程度の平滑性、剛性を有していればよく、表面が金属、プラスチック、ガラス、磁器などであるドラムまたはベルト状回転体などが挙げられる。中でも、支持体の表面は好ましくは金属であり、より好ましくは錆びなくて耐腐食に優れるステンレスである。支持体の表面にはCr、Ni、Snなどの金属メッキを施してもよい。支持体表面は必要に応じて鏡面にすることや、あるいは梨地状に加工することができる。支持体へのポリアミド酸溶液の塗布は、スリット付き口金からの流延、押出機による押出し、スキージコーティング、リバースコーティング、ダイコーティング、アプリケータコーティング、ワイヤーバーコーティング等を含むが、これらに限られず、従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
【0045】
グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、乾燥後の全質量に対する残留溶媒量を制御することにより表裏面のイミド化率とその差が所定の範囲のグリーンフィルムを得ることができる。具体的には、乾燥後の全質量に対する残留溶媒量は、好ましくは25〜50質量%であり、より好ましくは35〜50質量%とするグリーンフィルムの製法である。当該残留溶媒量が25質量%より低い場合は、グリーンフィルム一方の側のイミド化率が相対的に高くなりすぎ、表裏面のイミド化率の差が小さいグリーンフィルムを得ることが困難になるばかりか、分子量低下により、グリーンフィルムが脆くなりやすい。また、50質量%を超える場合は、自己支持性が不十分となり、フィルムの搬送が困難になる場合が多い。
【0046】
乾燥後の全質量に対する残留溶媒量が所定の範囲であるグリーンフィルムを得るための乾燥条件としては、例えば、N−メチルピロリドンを溶媒として用いる場合は、乾燥温度は、好ましくは70〜130℃、より好ましくは75〜125℃であり、さらに好ましくは80〜120℃である。乾燥温度が130℃より高い場合は、分子量低下がおこり、グリーンフィルムが脆くなりやすい。また、グリーンフィルム製造時にイミド化が一部進行し、イミド化工程時に所望の物性が得られにくくなる。また70℃より低い場合は、乾燥時間が長くなり、分子量低下がおこりやすく、また乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥時間としては乾燥温度にもよるが、好ましくは10〜90分間であり、より好ましくは15〜80分間である。乾燥時間が90分間より長い場合は、分子量低下がおこり、フィルムが脆くなりやすく、また10分間より短い場合は、乾燥不十分でハンドリング性が悪くなる傾向がある。また、乾燥効率の向上または乾燥時気泡発生の抑制のために、70〜130℃の範囲で温度を段階的に昇温して、乾燥してもよい。
【0047】
このような条件を達成する乾燥装置も従来公知のものを適用でき、熱風、熱窒素、遠赤外線、高周波誘導加熱などを挙げることができる。
熱風乾燥を行う場合は、グリーンフィルムを自己支持性が出る程度に乾燥する際に、グリーンフィルム表裏面のイミド化率の範囲およびその差を所定範囲にするために、支持体の上面/下面の温度差を10℃以下、好ましくは5℃以下に制御するのが好ましく、上面/下面の熱風温度を個別にコントロールすることにより、当該温度差を制御すること必要である。
【0048】
グリーンフィルムのイミド化方法としては、従来公知のイミド化反応を適宜用いることが可能である。例えば、閉環触媒や脱水剤を含まないポリアミド酸溶液を用いて、加熱処理に供することでイミド化反応を進行させる方法(所謂、熱閉環法)やポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を行わせる、化学閉環法を挙げることができるが、ポリイミドフィルム表裏面の表面面配向度の差が小さいポリイミドフィルムを得るためには、熱閉環法が好ましい。
熱閉環法の加熱最高温度は、100〜500℃程度であるが、好ましくは200〜480℃である。加熱最高温度がこの範囲より低いと充分に閉環されづらくなり、またこの範囲より高いと劣化が進行し、フィルムが脆くなりやすくなる。より好ましい態様としては、150〜250℃で3〜20分間処理した後に350〜500℃で3〜20分間処理する2段階熱処理が挙げられる。
【0049】
化学閉環法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。この場合、イミド化反応を一部進行させる条件としては、好ましくは100〜200℃による3〜20分間の熱処理であり、イミド化反応を完全に行わせるための条件は、好ましくは200〜400℃による3〜20分間の熱処理である。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
【0050】
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
【0051】
熱閉環反応であっても、化学閉環法であっても、支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンフィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
ポリイミドフィルムの厚さは特に限定されないが、後述するプリント配線基板用ベース基板に用いることを考慮すると、通常1〜100μm、好ましくは1〜40μmである。 また、シリコンウェハーとCTEが近いことを利用するため、インターポーザーなどの用途を鑑みると、1〜12μm、好ましくは、好ましくは1〜8μmである。
この厚さはポリアミド酸溶液を支持体に塗布する際の塗布量や、ポリアミド酸溶液の濃度によって容易に制御し得る。また、厚いものでは貼りあわせフィルムなどとしても良い。
熱閉環法とは、ポリアミド酸を加熱することでイミド化する方法である。ポリアミド酸溶液に閉環触媒および脱水剤を含有させておいて、上記閉環触媒および脱水剤の作用によってイミド化反応を促進しても構わない。この方法では、ポリアミド酸溶液を支持体に塗布した後、イミド化反応を一部進行させて自己支持性を有するフィルムを形成した後に、加熱によってイミド化を完全に行わせることができる。
閉環触媒をポリアミド酸溶液に加えるタイミングは特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。閉環触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどといった脂肪族第3級アミンや、イソキノリン、ピリジン、ベータピコリンなどといった複素環式第3級アミンなどが挙げられ、中でも、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種のアミンが好ましい。ポリアミド酸1モルに対する閉環触媒の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.5〜8モルである。
【0052】
脱水剤をポリアミド酸溶液に加えるタイミングも特に限定はなく、ポリアミド酸を得るための重合反応を行う前に予め加えておいてもよい。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などといった脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸などといった芳香族カルボン酸無水物などが挙げられ、中でも、無水酢酸、無水安息香酸あるいはそれらの混合物が好ましい。また、ポリアミド酸1モルに対する脱水剤の使用量は特に限定はないが、好ましくは0.1〜4モルである。脱水剤を用いる場合には、アセチルアセトンなどといったゲル化遅延剤を併用してもよい。
支持体に形成されたポリイミドフィルムの前駆体(グリーンフィルム)を完全にイミド化する前に支持体から剥離してもよいし、イミド化後に剥離してもよい。
【0053】
本発明で使用するポリイミドフィルムまたは樹脂層には、滑剤をポリイミド中に添加含有せしめるなどしてフィルムや樹脂層の表面に微細な凹凸を付与しフィルムや樹脂層の滑り性を改善することが好ましい。
滑剤としては、無機や有機の0.03μm〜3μm程度の平均粒子径を有する微粒子が使用でき、具体例として、酸化チタン、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、燐酸水素カルシウム、ピロ燐酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、粘土鉱物などが挙げられる。
本発明で使用されるポリイミドフィルムは、通常は無延伸フィルムであるが、1軸または2軸に延伸しても構わない。ここで、無延伸フィルムとは、テンター延伸、ロール延伸、インフレーション延伸などによってフィルムの面拡張方向に機械的な外力を意図的に加えずに得られるフィルムをいう。
【0054】
本発明の金属樹脂積層体を使用しての回路基板を作製する場合には、本発明の金属樹脂積層体のいずれかの面(ポリイミド樹脂層面または低熱膨張金属層面)に、銅やアルミニウムなどの金属層を形成しこれを回路化することで得られる。この銅やアルミニウムなどの金属層を形成するには、乾式製膜方法や湿式製膜方法を適宜組み合わせて形成することができ、乾式製膜方法としては、薬剤液を使用しない乾式製膜方法であれば特に限定されず、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、溶射法などの方法が挙げられる。
【0055】
本発明においては、金属樹脂積層体の表面に銅やアルミニウムなどの金属層を形成する前にポリイミドフィルムの表面を表面処理してもよい、例えば表面処理を施したポリイミドフィルムの片面または両面に金属層を積層する際、下地金属層を予め形成して主金属層を形成してもよく、これらの下地金属層として使用される金属としては、ポリイミドフィルムとの密着性を強固にするもの、拡散がないこと、耐薬品性や耐熱性が良いこと等の特性を有するものであれば限定されるものではないが、クロム、ニッケル、TiN、Mo含有Cuが好適な例として挙げることができる。
前記した下地金属層は、例えば表面処理を施したプラスチックフィルムの片面または両面に、クロム、ニッケル、TiN、Mo含有Cuなどの金属からなる群から選択した1種以上を、好適にはスパッタリング法、イオンプレーティング法で蒸着させて、下地金属層を形成する。この場合、加工の安定性、プロセスの簡素化、蒸着層の均一性を良好にし、カールの発生を少なくするスパッタリング法がより好適である。
下地金属層の膜厚は、1〜50nm(10〜500Å)の範囲が好ましく、2〜10nm(20〜100Å)の範囲がより好ましい。
【0056】
前記下地金属層上または直接金属樹脂積層体の表面に、銅などの主金属層を設けることができるが、この主金属層の金属としては、導電性の大きい金属であれば特に限定されず、金、銀、アルミニウム、銅、インジウム、錫などが挙げられるが、経済性、導電性などから銅または銅を主成分とする銅合金、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金が好ましく使用できる。
これらの主金属層の形成方法は、乾式製膜方法または湿式製膜方法であればよく、この主金属層の膜厚(層厚)は、2μm〜50μmの範囲が好適である。
本発明の金属樹脂積層体は、上記の如くして、例えばFPC(フレキシブルプリント配線用基板)などとして極めて効果的に使用することができるが、本発明の金属樹脂積層体からのFPCなどは、高密度実装(配線ピッチ狭くなる)、鉛フリー半田(半田温度の上昇)、消費電力による発熱などの熱履歴による基板の反り(カール)などが抑止され、かつ両者間の積層が熱履歴によっても剥離が生じ難いフレキシブルプリント配線板などとすることができる。
【実施例】
【0057】
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
【0058】
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により25℃で測定した。
(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN、N−ジメチルアセトアミドの場合はN、N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し測定した。)
【0059】
2.ポリイミドフィルムの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1254D)を用いて測定した。
【0060】
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(商品名)、機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度を測定した。
【0061】
4.ポリイミド樹脂層(フィルム)の30℃から200℃の平均線膨張係数、低熱膨張金属の30℃から200℃の平均線膨張係数および金属樹脂積層体の30℃から200℃の平均線膨張係数線膨張係数
測定対象のポリイミド樹脂層(フィルム)、金属樹脂積層体について、下記条件にてMD方向およびTD方向の伸縮率を測定し、30℃〜40℃、40℃〜50℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を250℃まで行い、30℃から200℃までの全測定値の平均値を平均線膨張係数(CTE)として算出した。
MD方向(縦方向)、TD方向(幅方向)の大きい方の値を、測定値として採用する。測定対象のMD,TDの区別が付かない場合は、直交する2方向に測定を行い、大きい方向の値を採用する。(なお、低熱膨張金属層については、薄膜の場合は、そのスパッタターゲットと同一組成の厚さ0.1mm厚の薄板で測定を行った。30℃〜40℃、40℃〜50℃、…と10℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を250℃まで行い、30℃から200℃までの全測定値の平均値を平均線膨張係数(CTE)として算出した。この場合、MD、TDの区別は行っていない。
装置名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 10mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
【0062】
5.カール度
金属樹脂積層体のカール度(以下、200℃におけるフィルムのカール度ともいう)とは、所定の熱処理を行った後のフィルムの面方向に対する厚さ方向への変形度合を意味し、具体的には、図1に示すように、50mm×50mmの試験片を、200℃で10分間熱風処理した後に、平面上に試験片を凹状となるように静置し、四隅の平面からの距離(h1、h2、h3、h4:単位mm)の平均値をカール量(mm)とし、試験片の各頂点から中心までの距離(35.36mm)に対するカール量の百分率(%)で表される値である。
試料片は、金属樹脂積層体の全長に対して5分の1の長さピッチで幅方向に2点(幅長の1/3と2/3の点)を試験片の中心点として計10点をサンプリングし、測定値は10点の平均値とする。
但し、10点のサンプリングをするに十分な金属樹脂積層体がない場合は、可能な限り等間隔でサンプリングする。 具体的には、次式によって算出される。
カール量(mm)=(h1+h2+h3+h4)/4
カール度(%)=100×(カール量)/35.36
本発明の金属樹脂積層体のカール度は10%以下が望ましく、更に望ましくは5%以下である。
【0063】
6.金属樹脂積層体の金属層の剥がれと皺
得られた金属樹脂積層体の少なくとも長さ0.3mを採取し、水平面に静置して、金属薄膜層の剥がれと皺とを目視観察し、ほとんど剥がれと皺が観察されないものを◎、剥がれと皺が僅かに観察できるものを△、剥がれと皺が多く観察できるものを×として判定した。
【0064】
〔参考例1〕
(ポリアミド酸の重合−1)
<ベンゾオキサゾール構造を有するジアミンからなるポリアミド酸の重合>
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール500質量部を仕込んだ。次いで、N、N−ジメチルアセトアミド8000質量部を加えて完全に溶解させた後,ピロメリット酸二無水物485質量部を加え,25℃の反応温度で48時間攪拌すると,淡黄色で粘調なポリアミド酸溶液(A)が得られた。得られた溶液のηsp/Cは4.0dl/gであった。
【0065】
〔参考例2〕
(ポリアミド酸の重合−2)
テトラカルボン酸二無水物として3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物398質量部、パラフェニレンジアミン147質量部を4600質量部のN、N−ジメチルアセトアミドに溶解し、温度を20℃以下に保ちながら同様に反応させてポリアミド酸溶液(B)を得た。得られた溶液のηsp/Cは3.0dl/gであった。
【0066】
〔実施例1〜10、比較例1〜2〕
各参考例で得られたポリアミド酸溶液を表1に示すようにそれぞれ使い、このポリアミド酸溶液をコンマコーターを用いて幅600mm、エンドレスステンレスベルトの片面に塗膜乾燥厚さが14μmとなるようにコーティングして、110℃で10分間乾燥・剥離して各ポリイミド前駆体フィルムであるグリーンフィルムを得て、このグリーンフィルムを窒素置換された連続式の熱処理炉に通し、第1段、第2段の2段階の高温加熱を施して、イミド化反応を進行させた。
その後、5分間で室温にまで冷却することで、褐色を呈する各例のポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルム(ポリイミド樹脂層)の測定結果を表1に記載する。
これらの各例のポリイミドフィルムを使用して、下記する金属樹脂積層体作製例に基づいて金属樹脂積層体を作製した。得られた金属樹脂積層体の評価を表1、2に記載する。
【0067】
<金属樹脂積層体作製例1>
各実施例、比較例でのポリイミドフィルム(ポリイミド樹脂層)を使用して、このフィルム上に、インバー組成の合金ターゲット(30℃から200℃の平均線膨張係数+4.0ppm/℃)を用い、DCマグネトロンスパッタリングによってインバー合金薄膜層、膜厚0.3μmを形成し金属樹脂積層体を作製した。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。アルゴンガス導入前の真空度は、4×10-6Torrであった。真空度は電離真空計によって測定した。
【0068】
<金属樹脂積層体作製例2>
厚さ1mmのインバー合金板をエポキシ系接着剤にて接着して金属樹脂積層体を作製した。
【0069】
<金属樹脂積層体作製例3>
金属樹脂積層体作製例1と同様の薄膜を作製した後に、真空を破らずに同一真空チャンバーにあるCuターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリングによってCu薄膜を作製した。インバー合金層の厚さを0.4μmにした後Cu層の厚さは0.2μmとした。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。アルゴンガス導入前の真空度は、4×10-6Torrであった。真空度は電離真空計によって測定した。
【0070】
<金属樹脂積層体作製例4>
Cuターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリングによってCu薄膜を作製した。Cu0.1μm後にインバー合金層の厚さは0.3μmとした。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。アルゴンガス導入前の真空度は、4×10-6Torrであった。この後に真空を破らずに同一真空チャンバーにあるインバー組成の合金ターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリングによって作製した。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。真空度は電離真空計によって測定した。インバー合金ターゲットと同一組成の薄板のCTEを測定すると、4ppm/℃であった。Cuターゲットと同一組成の薄板のCTEを測定すると、16ppm/℃であった。
【0071】
<金属樹脂積層体作製例5>
金属樹脂積層体作製例1同様の薄膜を作製したもの2枚使用して、それらの薄膜面を内側にして、向かい合わせ、エポキシ系の接着シートを挟み、熱圧着して、内側に薄膜層の入った金属樹脂積層体を作製した。
【0072】
<金属樹脂積層体作製例6>
Cu層をスパッタリング法により堆積させた。Cuターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリングによって作製した。Cu層の厚さは0.5μmとした。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。アルゴンガス導入前の真空度は、4×10-6Torrであった。真空度は電離真空計によって測定した。Cuターゲットと同一組成の薄板のCTEを測定すると、16ppm/℃であった。
【0073】
<金属樹脂積層体作製例7>
インバー合金層はスパッタリング法により堆積させた。インバー組成の合金ターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリングによって作製した。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。アルゴンガス導入前の真空度は、4×10-6Torrであった。真空度は電離真空計によって測定した。
一旦真空装置から取り出して、インバー合金層の付いている面とは逆の面が、蒸着されるようにフィルムをセットしなおし、Cu層はスパッタリング法により堆積させた。Cuターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリングによって作製した。インバー合金層を厚さ0.4μm堆積させ、フィルムの反対側にCu層を0.2μm作製した。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。アルゴンガス導入前の真空度は、4×10-6Torrであった。真空度は電離真空計によって測定した。インバー合金ターゲットと同一組成の薄板のCTEを測定すると、4ppm/℃であった。Cuターゲットと同一組成の薄板のCTEを測定すると、16ppm/℃であった。
【0074】
<金属樹脂積層体作製例8>
Al層をスパッタリング法により堆積させた。Alターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタリングによって作製した。Al層の厚さは0.5μmとした。薄膜堆積時にはアルゴンガスをチャンバー内に導入して、真空度は3×10-3Torrに調整した。アルゴンガス導入前の真空度は、4×10-6Torrであった。真空度は電離真空計によって測定した。Alターゲットと同一組成の薄板のCTEを測定すると、21ppm/℃であった。
【0075】
【表1】

上段、下段のある測定値は、上段がMD方向、下段がTD方向の測定値を示す。
【0076】
【表2】

上段、下段のある測定値は、上段がMD方向、下段がTD方向の測定値を示す。
【0077】
【表3】

上段、下段のある測定値は、上段がMD方向、下段がTD方向の測定値を示す。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の、低熱膨張金属層と、ポリイミド樹脂層との積層体である金属樹脂積層体であって、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃であることを特徴とする金属樹脂積層体は、低熱膨張金属層上に同等の線膨張係数を有する特定のポリイミド樹脂層(フィルム)を積層することで、全体として線膨張率が小さく、樹脂層と金属層との積層体としての反りや剥離が生じ難く、素子やパッケージ及びそれを含む電子機器の製造工程での熱履歴、半導体駆動時の温度上昇、下降、その他部品による、温度上昇や下降による、そり、変形の発生を低減でき、このことから、パッケージ内接続信頼性、パッケージの外部との接続信頼性を高めることができるため、熱が局所的に加わるときに、温度を伝え、広い領域に分散させるため、局所的な熱の上昇を緩和できる絶縁性放熱板、フレキシブルプリント配線板、TAB、COF、COGなどの発熱の大きい素子の基板、バーンインテスターボードの接触子、基板材料として、低CTEのばね材、低CTEの配線材料などとして使用でき工業的な意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】金属樹脂積層体のカール度の測定方法を示す模式図
【符号の説明】
【0080】
1、2、3、4は金属樹脂積層体の平面における各平面の角を示す

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低熱膨張金属層と、ポリイミド樹脂層との積層体である金属樹脂積層体であって、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃であることを特徴とする金属樹脂積層体。
【請求項2】
低熱膨張金属層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃である低熱膨張金属の層であり、ポリイミド樹脂層が、30℃から200℃の平均線膨張係数が−5ppm/℃〜+10ppm/℃であるポリイミド樹脂の層である請求項1記載の金属樹脂積層体。
【請求項3】
低熱膨張金属層が、ポリイミド樹脂層に直接積層している請求項1〜2いずれかに記載の金属樹脂積層体。
【請求項4】
ポリイミド樹脂層がベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類と、芳香族テトラカルボン酸無水物類とを反応させて得られるポリイミドベンゾオキサゾールを主成分とするポリイミドフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の金属樹脂積層体。
【請求項5】
Cu、Alから選ばれる一種以上の金属を主成分とする金属層がさらに積層された請求項1〜4いずれかに記載の金属樹脂積層体。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の金属樹脂積層体を用いた回路基板。
【請求項7】
請求項1〜5いずれかに記載の金属樹脂積層体を用いた回路放熱板。

【図1】
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【公開番号】特開2007−245393(P2007−245393A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69036(P2006−69036)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】