説明

金属管の製造方法及びその製造装置、並びに金属管、金属管コイル

【課題】コイル状に整列巻きした管同士の接触部分の焼鈍によるくっつきあうことを防止し、使用時に巻取りをスムーズに解くことのできる金属管の製造方法及びその製造装置、並びに金属管、金属管コイルの提供を目的とする。
【解決手段】金属素材を抽伸して管状に成形する成形工程S1と、成形後の金属管をコイル状に整列巻きする整列巻き工程S5と、整列巻き後の金属管11を焼鈍する焼鈍工程S6とを行う金属管11の製造方法であって、前記整列巻き工程S5を行う前に、前記金属管11の外面に凹凸を形成する凹凸形成工程S4を行うことを特徴とする金属管11の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、整列巻きした後に焼鈍等の熱処理がなされ、エアコン等の空調冷凍機の伝熱管、並びに、給水配管などに使用される金属管の製造方法及びその製造装置、並びに金属管、金属管コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
通常の銅製或いは銅合金製の金属管は、抽伸加工においてダイスを用いて抽伸され、巻取りドラムにて整列巻取りを行うことにより整列巻きされる。その後、性質を調整するため、無酸化雰囲気あるいは還元性雰囲気の炉内で焼鈍を行い、梱包されてユーザのもとへ搬送される。
【0003】
使用時には、整列巻きされた金属管をコイル外側もしくは内側の管端から解いていく。
【0004】
ところが、金属管は、引張り力が付与されながら整列巻きされるため、隣り合った管同士は強く押し付けられている。その状態で、無酸化あるいは還元性雰囲気で焼鈍されると、接触部分で原子の拡散が生じ、図12(a)に示したように金属管11を巻取りドラム46にて整列巻きした状態において、図12(b)に示したように管同士の接触部分100aは、互いに密着した状態となり、くっつき合うことになる。
なお、図12(a),(b)は、それぞれ整列巻きした状態の従来の金属管100の外観図、従来の金属管100における管同士の接触部分の一部を拡大して示した断面図である。
【0005】
このため、整列巻きされた金属管は、使用時にスムーズに解けず、折れたり傷付いたりしてしまい、結果的に、装置が停止して製造効率が低下したり、歩留まりが低くなったりするといった課題を有していた。
【0006】
このような課題に対して、整列巻きされた状態の銅管が焼鈍により、くっつくことを防止するために例えば、下記特許文献1において「銅又は銅合金管の製造方法」が開示されている。
【0007】
特許文献1によれば、「銅又は銅合金管の製造方法」は、銅又は銅合金管の表面にナフテン油を含有する鉱油を膜厚が0.01μmから2μmになるよう塗布し、コイル状に巻き取った後で焼鈍する製造方法であることが開示されている。
【0008】
しかし、銅又は銅合金管の表面に前記鉱油を塗布する特許文献1における「銅又は銅合金管の製造方法」では、均一な油膜厚を確保することが困難であった。
【0009】
殊に、ダイスによる抽伸加工においては、一般に加工率(縮径率)が大きくなると、金属管の外周面は、平滑になる傾向にあるため、このような抽伸加工を行った後に整列巻きした金属管は、益々管同士の接触面積が増加することになる。
【0010】
よって、焼鈍によって管同士が互いにくっつきあう現象が顕著になり、より一層、使用時に繰り出し不良が発生してしまうという課題を有していた。
【特許文献1】特開2000−282138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明は、前記問題を解決するために、コイル状に整列巻きした管同士の接触部分の焼鈍によるくっつきあうことを防止し、使用時に巻取りをスムーズに解くことのできる金属管の製造方法及びその製造装置、並びに金属管、金属管コイルの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、金属素材を抽伸して管状に成形する成形工程と、成形後の金属管をコイル状に整列巻きする整列巻き工程と、整列巻き後の金属管を焼鈍する焼鈍工程とを行う金属管の製造方法であって、前記整列巻き工程を行う前に、前記金属管の外面に凹凸を形成する凹凸形成工程を行うことを特徴とする金属管の製造方法であることを特徴とする。
【0013】
前記金属管の製造方法により、本発明の金属管を整列巻きしたとき、管外面に形成した凹凸のうち凹部分は、管同士が接触しないため、金属管同士の接触面積が低減した金属管を製造することができる。
【0014】
よって、前記金属管の製造方法により、整列巻きした状態で焼鈍したとき、管同士のくっつきを和らげることができ、整列巻きした状態の金属管を使用時にスムーズに解くことができる金属管を製造することができる。
【0015】
本発明の金属管の製造方法は、前記凹凸形成工程において、前記凹凸を、0.1μmから2.0μmの範囲の算術平均粗さで形成したことを特徴とする。
【0016】
前記金属管の製造方法により、整列巻きした状態で焼鈍したとき、管同士がくっつきあうことを防止することができるとともに、凹凸を形成することによって強度面、耐久性の面などにおいて悪影響を及ぼすことも回避可能な金属管を製造することができる。
【0017】
本発明の製造方法は、前記凹凸形成工程の後に、前記金属管の外面に、管同士の接触部分がくっつきあうことを防止するくっつき防止剤を付着するくっつき防止剤付着工程を行うことを特徴とする。
【0018】
前記金属管の製造方法により、凹凸を形成することにより、くっつき防止剤が管外面に馴染み易くなるとともに、整列巻きで隣り合った管同士が密着しても、油膜が切れることがなくなるため、管外面がくっつきあうことをより良く防止することができる。
【0019】
よって、管外面にくっつき防止剤を付着することにより、さらに管同士がくっつきあうことを緩和することができ、整列巻きした状態から使用時にスムーズに金属管を解くことのできる金属管を製造することができる。
【0020】
前記くっつき防止剤は、例えば、管外面の凹凸表面に、くっつき防止用の油、抽伸(引き抜き)の際に塗布する油、さらには、剥離剤を挙げることができる。前記くっつき防止用の油は、具体的には、ナフテン油を含有する鉱油、銅の金属石鹸を含有する炭素水素系油、或いは、ポリαオレフィン及びオリゴマーを挙げることができる。また、これらの混合物やさらに添加物を添加したものなど、金属表面に付着して皮膜を作り、かつ銅管の表面品質や後工程に悪影響を与えない物質であれば、多くの物質が利用できる。
【0021】
前記くっつき防止剤付着工程には、例えば、前記くっつき防止剤を滴下する、噴き付ける、塗布するなどして管外面に付着させる工程を含む。さらに、くっつき防止剤を備えた槽の中に金属管を通過させることにより、管外面にくっつき防止剤を付着させる工程も含む。
【0022】
本発明は、金属素材を抽伸して管状に成形する成形手段と、成形した金属管をコイル状に整列巻きする整列巻き手段と、整列巻きした金属管を焼鈍する焼鈍手段とを備えた金属管の製造装置であって、前記成形手段により成形した金属管の外面に、凹凸を形成する凹凸形成手段を備えた金属管の製造装置であることを特徴とする。
【0023】
前記金属管の製造装置により、本発明の金属管を整列巻きしたとき、管外面に形成した凹凸のうち凹部分は、管同士が接触しないため、金属管同士の接触面積を低減できる金属管を製造することができる。
【0024】
よって、前記金属管の製造装置により、整列巻きした状態で焼鈍したとき、管同士がくっつきあうことを和らげることができ、使用時に整列巻きした状態からスムーズに解くことができる金属管を製造することができる。
【0025】
前記凹凸形成手段は、例えば、ブラシ、バフ、粒子を高圧エアで吹き付けるサンドブラスト、或いは、金属管の管外面に配置させ、管外面を押し付けながら管軸方向回りに回転するローラーやボールを備えた装置を含む。また、ダイス孔の内周面に溝を形成したダイスを備えた装置を含み、管外面に凹凸を形成することができる手段であればよい。
【0026】
本発明の製造装置は、前記凹凸形成手段は、前記凹凸を、0.1μmから2.0μmの範囲の算術平均粗さで形成することを特徴とする。
【0027】
前記金属管の製造装置により、整列巻きした状態で焼鈍したとき、管同士がくっつきあうことを防止することができるとともに、凹凸を形成することによって強度面、耐久性の面などにおいて悪影響を及ぼすことも回避できる金属管を製造することができる。
【0028】
本発明の製造装置は、前記金属管の外面に、管同士の接触部分がくっつきあうことを防止するくっつき防止剤を付着するくっつき防止剤付着手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
前記金属管の製造装置により、凹凸を形成することにより、くっつき防止剤が管外面に馴染み易くなるとともに、整列巻きで隣り合った管同士が密着しても、例えば、くっつき防止剤を付着することにより形成される油膜が切れることがなくなるため、管外面がくっつきあうことをより良く防止することができる。
【0030】
よって、管外面にくっつき防止剤を付着させることにより、管同士のくっつきをより一層、緩和することができ、整列巻きした状態から使用時にスムーズに金属管を解くことのできる金属管を製造することができる。
【0031】
前記くっつき防止剤付着手段は、例えば、前記くっつき防止剤を滴下する、噴き付ける、塗布するなどして管外面に付着させる装置を含む。さらに、くっつき防止剤を備えた槽の中に金属管を通過させることにより、管外面にくっつき防止剤を付着させる装置も含む。
【0032】
本発明の金属管は、整列巻きした状態で焼鈍される金属管であって、管外面に凹凸を形成したことを特徴とする。
【0033】
前記構成により、本発明の金属管を整列巻きしたとき、管外面に形成した凹凸のうち凹部分は、管同士が接触しないため、金属管同士の接触面積を低減させることができる。
【0034】
よって、整列巻きした状態で焼鈍したとき、管同士がくっつきあうことを和らげることができ、整列巻きした状態の金属管を使用時にスムーズに解くことができる。
【0035】
本発明の金属管は、例えば、銅、アルミニウム、又は、それらの合金等など熱伝導性に優れた金属で形成することができる。
【0036】
前記凹凸は、例えば、管外面に形成したランダムな凹凸形状、螺旋条溝、銅管の軸方向、或いは、周方向に形成した溝、または、これらを組み合わせた凹凸形状で形成することができる。
さらに、前記凹凸は、管表面の管軸方向全体、或いは、周方向全体に亘って形成するに限らず、管表面の管軸方向、或いは、周方向に部分的に形成してもよい。
【0037】
さらにまた、本発明の凹凸は、管外面に凹部と凸部との双方を形成することにより凹凸状に形成した管外面に限らず、凹部と凸部のうち、いずれか一方のみ形成することにより凹凸状に形成した管外面であってもよい。
【0038】
前記整列巻きとは、金属管を例えば、レベルワウンドコイル(LWC)に加工することを含む。
【0039】
本発明の金属管は、前記凹凸を0.1μmから2.0μmの範囲の算術平均粗さで形成したことを特徴とする。
【0040】
前記構成により、本発明の金属管は、整列巻きした状態で焼鈍したとき、管同士がくっつくことを防止することができるとともに、凹凸を形成することによって強度面、耐久性の面などにおいて悪影響を及ぼすことも回避することができる。
【0041】
また、本発明の金属管は、0.2μmから1.5μmの範囲の算術平均粗さで製造することが好ましい。
【0042】
本発明の金属管は、前記管外面に、管同士の接触部分がくっつきあうことを防止するくっつき防止剤が付着されていることを特徴とする。
【0043】
前記構成により、凹凸によって管外面に対するくっつき防止剤の付着性を向上させることができ、管同士がくっつきあうことを、より一層、緩和することができる。よって、使用時にスムーズに整列巻きした金属管を解くことができる。
【0044】
本発明の金属管コイルは、管外面に凹凸が形成され、整列巻きされた状態のまま焼鈍される整列巻きされた状態の金属管であることを特徴とする。
【0045】
前記構成により、本発明の金属管コイルは、管外面に形成した凹凸のうち凹部分において管同士が接触しないため、金属管同士の接触面積を低減させることができる。
【0046】
よって、本発明の金属管コイルは、管同士がくっつきあうことを和らげることができ、使用時にスムーズに解くことができる。
【0047】
本発明の金属管コイルは、前記凹凸を0.1μmから2.0μmの範囲の算術平均粗さで形成し、整列巻きされた状態のまま焼鈍される整列巻きされた状態の金属管であることを特徴とする。
【0048】
前記構成により、本発明の金属管コイルは、焼鈍しても管同士がくっつきあうことを防止することができるとともに、凹凸を形成することによって強度面、耐久性の面などにおいて悪影響を及ぼすことも回避することができる。
【0049】
本発明の金属管コイルは、前記管外面に、管同士の接触部分のくっつきあうことを防止するくっつき防止剤を付着され、整列巻きされた状態のまま焼鈍される整列巻きされた状態の金属管であることを特徴とする。
【0050】
前記構成により、凹凸によって管外面に対してのくっつき防止剤の付着性を向上させることができ、管同士がくっつきあうことを、より一層、緩和することができる。よって、使用時にスムーズに解くことができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明は、金属管の表面に適切な凹凸を形成することで、整列巻きを行ったときに、管同士の接触面積を低減することができ、その後工程で行う焼鈍により発生する管同士がくっつきあうことを防止して、使用時に金属管の巻取りをスムーズに解くことのできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態における銅管11には、図1(a),(b)に示すように、その外周面全体に多数の微細な凹凸12が形成されている。
なお、図1(a)は、第一実施形態における銅管11の軸方向の一部分の側面図を示し、図1(b)は、図1(a)のA−A線拡大断面図を示しており、(b)において理解を容易にするため、凹凸は大きくあらわしている。
【0053】
第1実施形態における銅管11は、図2に示すような製造工程を経て製造しているとともに、図3に示すような製造装置により製造している。
なお、図2は、第1実施形態における銅管11の製造工程の説明図を示し、図3は、銅管の製造装置の説明図を示している。
【0054】
ここで図3中における14、15は、それぞれ抽伸工程S1、及び、内面溝加工工程S2を行う抽伸部、内面溝加工部であり、16は、仕上げ工程S3を行う仕上げ加工部、17は、凹凸形成工程S4を行う凹凸形成部である。
【0055】
なお、銅管11は、凹凸形成工程S4の次の工程である後述する整列巻き工程S5で巻き取られる際に、引っ張られるため、抽伸部14から凹凸形成部17の間、上流側から下流側(図3中、X方向)へ直進する。
【0056】
前記抽伸部14では、銅管11の外面側に備えた円筒状のダイス22を構成している。前記ダイス22の内周面22aは、上流側へ向けて末広がり状に形成し、銅管11は、ダイス孔22Aを通過することにより縮径される。また、前記抽伸部14は、銅管11内側にフローティングプラグ23を備えている。該フローティングプラグ23は、銅管11を介して前記ダイス22と係合可能に軸方向の一部の外周面を円錐状に形成している。これにより、フローティングプラグ23は、前記ダイス22部分において回動自在に係合される。
【0057】
また、前記内面溝加工部15には、銅管11の外側において管軸回りに回転自在に配設した複数のボール24を備えている。また、銅管11の内側において、外周に複数の螺旋状溝25aが形成された溝付きプラグ25を備えている。溝付きプラグ25と前記フローティングプラグ23とは、それぞれ独立して回転自在に連結棒26を介して連結されている。
【0058】
前記ボール24は、銅管11の外側で高速に回転しながら銅管11の内周面を溝付きプラグ25に押し付ける。これによって銅管11の内面が螺旋状溝25aに押し込まれ、銅管11が順次下流側(引き抜き方向)へ移動することにより、銅管11は内面溝加工工程S2において、内周面に螺旋状溝18が形成される。
【0059】
また、前記仕上げ加工部16では、仕上げ用ダイス22を備え、該仕上げ用ダイス22により、例えば、前記内面溝加工部15におけるボール24の押圧により生じた管表面の歪み等を滑らかに整形する。銅管11は、前記抽伸部14から前記仕上げ加工部16を通過した後、例えば、直径3mmから10mmの管径に成形される。
【0060】
続いて凹凸形成部17について図3、及び、図4を用いて説明する。
なお、図4(a)は、管外面に凹凸12を形成する様子を示す第1実施形態の凹凸形成部17の構成説明図であり、図4(b−1),(b−2),(b−3)は、それぞれ図4(a)の管軸方向のA地点、B地点、C地点において銅管11を軸方向に対して直角方向に切断した各断面図である。
【0061】
前記凹凸形成部17は、第1凹凸形成部32と第2凹凸形成部33とを備えている。第1凹凸形成部32と第2凹凸形成部33とは、それぞれ銅管11を挟んで対向配置させた一対のローラー(32a,32b),(33a,33b)を備えて構成している。
【0062】
前記第2凹凸形成部33における一対のローラー33a,33bは、第1凹凸形成部32における一対のローラー32a,32bに対して管軸回りに90度、回転させた相対姿勢で備えている。
【0063】
凹凸形成部17は、図示しないが各ローラー32a,32b,33a,33bを回転駆動させるモータを備え、各ローラー32a,32b,33a,33bは、銅管11を押圧しながら回転可能に軸支されている。さらに、各ローラー32a,32b,33a,33bは、円柱状の軸方向の中間部分における周方向全体を径内側へ切り欠いた切欠き部34を構成し、該切欠き部34は、銅管11を周方向に4等分配した各弧部分が当接可能に切り欠いた断面形状をした略鼓形状で構成している。
さらに、切欠き部34の表面には、多数の微細な凹凸を形成している。
【0064】
前記構成により、仕上げ用ダイス22通過後の銅管11は、管外面には、凹凸12が形成されていないが(図4(b−1)参照)、凹凸形成部17を通過する際に、まず、第1凹凸形成部32の一対のローラー32a,32bによる押圧により、銅管11の周方向における一対のローラー32a,32bとの接触部分には、多数の微細な凹凸12が形成されることになる(図4(b−2)参照)。
【0065】
続いて、銅管11が第2凹凸形成部33を通過する際に、銅管11における一対のローラー33a,33bとの接触部分、すなわち、銅管11の周方向における前記第1凹凸形成部32を通過することにより凹凸12が未形成部分である管外面に、多数の微細な凹凸12が形成されることになる(図4(b−3)参照)。
【0066】
このように、銅管11が凹凸形成部17を通過することにより、銅管11の外周面全体には、大よそ1.0μmの算術平均粗さ(Ra)の凹凸12を形成することができる。
なお、銅管11の外周面の粗さは、JIS規格のB0601で定義される算術平均粗さ(Ra)によって測定した。
【0067】
続いて、図3に示した整列巻き装置45を用いて整列巻き工程S5を行う。整列巻き工程S5において、銅管11は、整列巻き装置45に備えた巻取りモータにより(図示せず)、巻取り張力が100Nから300N、巻取り速度が100m/minから400m/minで、ボビン径が1000mmから1200mmになるよう、図5(a)に示すように巻取りドラム46にコイル状に整列巻取りされている。
【0068】
続いて、焼鈍工程S6を行う。焼鈍工程S6では、整列巻き工程S5で整列巻きした状態の銅管11を、図3に示した焼鈍炉55内に導入し、還元性雰囲気の中で所定温度、所定時間、焼鈍する。これにより、上述した抽伸工程S1を経て硬質化された銅管11は、軟質化される。
【0069】
以上の工程を経て製造した銅管11は、整列巻きした状態から巻き解して例えば、空気調和装置のクロスフィンコイルを製造するための伝熱管などとして用いることができる。
【0070】
このように本発明は、第1実施形態における銅管11は、前記抽伸装置により銅素材を抽伸して管状に成形する抽伸工程S1と、整列巻き装置45により抽伸後の銅管11をコイル状に整列巻きする整列巻き工程S5と、整列巻き後の銅管11を焼鈍して軟質化する焼鈍工程S6とを行う銅管11の製造方法において、前記整列巻き工程S5を行う前に、前記銅管11の外面に凹凸12を形成する凹凸形成工程S4を行うことにより、管外面に凹凸12を形成した銅管11を製造している。
【0071】
すなわち、第1実施形態の銅管11は、整列巻き工程S5において引張り力が付与された状態で巻き取られ、焼鈍工程S6において加熱と還元雰囲気により、銅原子が拡散し、くっつき易い状態となっているが、前記構成により、図5(b)に示すように、管外面に形成した凹凸12における凹部分12aは、管同士が接触しないため、管同士の接触部分11aの接触面積を低減させることができる。
【0072】
従って、管同士がくっつくことを和らげることができ、使用時にスムーズに整列巻きした状態の銅管11を解くことができる。
なお、図5(a),(b)は、それぞれ整列巻きした状態の銅管11の外観図、管同士の接触部分の一部を拡大して示した断面図である。
【0073】
さらに、第1実施形態における銅管11は、凹凸形成工程S4において、前記凹凸12を、1.0μmの算術平均粗さ(Ra)で形成しているため、銅管11は、互いにくっついてしまうことを防止することができるとともに、凹凸12を形成することによる強度面、耐久性の面で新たな課題を招来することなく品質を保つことができる。
【0074】
また、第1実施形態における銅管11は、上述した製造装置、製造方法により製造するに限定しない。
例えば、銅管11の製造方法では、図2中の仮想線で示したブロックのように、くっつき防止油膜形成工程S’を付加することができる。
くっつき防止油膜形成工程S’は、凹凸形成工程S4と整列巻き工程S5との間において、図3の仮想線で示したブロックのようにくっつき防止油膜形成装置35を用いて管外面にくっつき防止油36を噴霧する工程である。
【0075】
くっつき防止油膜形成装置35は、図示しないが、例えば、前記凹凸形成部17の下流側においてくっつき防止油36を噴霧させる噴霧装置を備えて構成することができ、管外面に凹凸12を形成した銅管11が通過する際に、該噴霧装置により凹凸12にくっつき防止油36を噴霧する。
【0076】
これにより、管外面の凹凸12の表面には、くっつき防止油36の油膜を形成することができる。
【0077】
従って、銅管11は、整列巻きした状態で焼鈍したとき、管同士の接触部分11aには、図6に示すように、くっつき防止油36の油膜が介在することになるため、管同士がくっつきあうことを防止することができる。
【0078】
殊に、くっつき防止油36は、凹凸12の表面に噴霧されているため、凹凸12は、滑らかな管外面と比較してくっつき防止油36の付着性を格段に向上させ、くっつき防止油36の油膜を形成することにより上述した管同士がくっつきあうことを防止できるという効果を、より一層、発揮させることができる。
【0079】
また、第1実施形態における銅管11は、その他にも様々な製造装置、製造方法により製造することができる。
例えば、管外面に形成された凹凸12の表面粗さなどを調整するためのダイスを、前記凹凸形成部17の下流側に設けてもよい(図示せず)。また、凹凸にくっつき防止油36の油膜の膜厚を調整するためのダイスをくっつき防止油膜形成装置35の下流側に設けてもよい。
【0080】
さらにまた、仕上げ工程S3と凹凸形成工程S4とを1つの工程、1つの装置で同時に行ってもよく、或いは、上述とは逆の順に先に凹凸形成工程S4を行った後で仕上げ工程S3を行ってもよい。
【0081】
また、凹凸形成部17には、各ローラー32a,32b,33a,33bを回転させるモータを備えず、ローラー32a,32b,33a,33bは、下流側へ直進する銅管11を押圧する際の銅管11との接触抵抗により回転可能な構成であってもよい。
【0082】
また、凹凸形成部は、上述した第1実施形態における凹凸形成部17とは異なる実施形態の凹凸形成部を構成することができ、以下では、凹凸形成部の他の実施形態について説明する。
【0083】
(第2実施形態)
第2実施形態における凹凸形成部21について図7(a),(b)を用いて説明する。
なお、図7(a)は、第2実施形態における銅管11の製造工程の説明図を示し、凹凸形成部21の略全体を断面で示した構成説明図であり、図7(b)は、図7(a)におけるB−B拡大断面図を示している。
【0084】
第2実施形態における凹凸形成部21は、銅管11の外側において4つのボール43を備え、該4つのボール43は、リテーナ44によって周方向の相対位置が保持された状態で管軸回りに回転自在に配設している。
【0085】
なお、ボール43とリテーナ44との間には、摩擦熱による焼付けを防止するため、潤滑油47が注入されている。
【0086】
前記構成により、各ボール43は、銅管11が凹凸形成部21を通過する際に所望の押圧力で銅管11を押圧しながら銅管11の軸回りを回転し、この押圧力により管表面に螺旋状の凹凸42を形成することができる。
【0087】
このように、各ボール43の表面全体が円滑表面であっても、ボール43の大きさ、回転速度、銅管11の直進速度、銅管11の押圧力などに応じて銅管11外面における螺旋状の凹凸42の間隔や深さを変えることができる。
【0088】
また、上述したように前記ボール43は、滑らかな表面で形成するに限らず、例えば、梨地状の表面など、多数の微細な凹凸を形成した表面であってもよい。
このような多数の微細な凹凸を形成した表面を有するボールを適用した場合、
銅管11の外周面に形成する凹凸は、ボール表面に形成した凹凸の粗さに応じて、適宜、その粗さを変更することができるが、例えば、銅管11の外周面全体には、大よそ0.5μmの算術平均粗さ(Ra)の凹凸を形成することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における凹凸形成部31について図8を用いて説明する。
なお、図8は、管外面に凹凸を形成している様子を示す第3実施形態における凹凸形成部31の説明図である。
【0089】
第3実施形態における凹凸形成部31は、銅管11の外側において4本の円柱状のローラー53を備えて構成している。各ローラー53は、その軸方向を銅管11の軸方向に対して僅かに傾けて配置されている。
【0090】
各ローラー53は、図示しないが、リテーナにより保持された状態でモータにより、銅管11を押圧しながら管軸回りを回転可能に構成している。
以上により、銅管11は、凹凸形成部31を進行する従って徐々に各ローラー53から強い押圧力を受け易いよう構成している。
【0091】
さらに、ローラー53の外周面全体には、多数の微細な凹凸54を形成している。
前記構成により、銅管11が凹凸形成部31を通過する際に各ローラー53が管軸回りに回転しながら、所望の押圧力で銅管11を押圧し、多数の微細な凹凸52を形成することができる。
【0092】
なお、銅管11の外周面に形成する凹凸52は、ローラー53の外周面全体に形成した凹凸54の粗さに応じて、適宜、その粗さを変更することができるが、例えば、銅管11の外周面全体には、大よそ0.1μmの算術平均粗さ(Ra)の凹凸52を形成することができる。
【0093】
第3実施形態における凹凸形成部31は、各ローラー53がその軸方向全体に亘る広範囲で銅管11の管外面に接触するため、管外面全体に斑なく凹凸52を形成することができる。
【0094】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態における凹凸形成部41について図9(a)を用いて説明する。
なお、図9(a)は、管外面に凹凸を形成している様子を示す第4実施形態における凹凸形成部41の説明図である。
【0095】
第4実施形態における凹凸形成部41は、円筒状の凹凸形成用ダイス63を備えて構成している。該凹凸形成用ダイス63の内周面には、軸方向に直線状に伸びた複数の溝64を形成している。
【0096】
前記構成により、銅管11が凹凸形成用ダイス63のダイス孔を通過することにより、銅管11の外周面全体に軸方向に伸びる複数の凹凸(溝)62を形成することができる。なお、銅管11の外周面全体には、大よそ2.0μmの算術平均粗さ(Ra)の凹凸62を形成することができる。
【0097】
また、凹凸形成用ダイスは、前記形態の凹凸形成用ダイス63に限らず、例えば、図9(b)に示すように、内周面の軸方向の一部に凸部67を周方向に複数形成した形態の凹凸形成用ダイス66であってもよい。
なお、図9(b)は、凹凸形成用ダイス63とは異なる第4実施形態における凹凸形成用ダイス66の正面図である。
【0098】
このような形態の凹凸形成用ダイス66であっても、銅管11が凹凸形成用ダイス66のダイス孔66Aを通過することにより、銅管11の外周面全体に軸方向に伸びる複数の溝を形成することができる。
【0099】
さらに、凹凸形成用ダイス66は、図示しないが管軸回りに回転可能に構成してもよい。
この構成により、銅管11が、回転しているのダイス孔66Aを通過することにより、管外面には、捻りが加わった螺旋状の溝を複数形成すことができる。
なお、第4実施形態における凹凸形成部41には、潤滑油を用いることは必須ではないが、滑らかに回転するよう例えば、内周面に潤滑油を塗布することが好ましい。
【0100】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態における凹凸形成部51について図10を用いて説明する。
なお、図10は、管外面に凹凸を形成している様子を示す第5実施形態における凹凸形成部51の説明図である。
【0101】
第5実施形態における凹凸形成部51は、銅管11の外側において2つのワイヤーブラシ73を備えている。各ワイヤーブラシ73は、自転しながら管軸回りを回転(公転)することにより、銅管11を押圧可能に構成している。
【0102】
前記構成により、銅管11が凹凸形成部51を通過したとき、銅管11の外面には、不規則(ランダム)な多数の凹凸72を形成することができる。
【0103】
具体的には、銅管11の外周面全体には、大よそ1.0μmから2.0μmの範囲の算術平均粗さ(Ra)の凹凸72を形成することができる。
【0104】
また、ワイヤーブラシ73は、上述したように管軸回りを回転しながら押圧する構成に限らず、管軸方向についてスライド移動しながら管外面を押圧する構成であってもよい。さらに、所定位置で自転のみする状態、或いは、自転せずに固定された状態で単に管外面を押圧する構成であってもよい。
【0105】
さらに、凹凸形成部51は、上述したようにワイヤーブラシ73を備えた構成に限らず、例えば、バフ、不織布に研磨砥粒を均一に塗布・接着した研磨材などを用いて管外面に不規則な多数の凹凸を形成してもよい。
【0106】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態における凹凸形成部61について図11を用いて説明する。
なお、図11は、管外面に凹凸を形成している様子を示す第6実施形態における凹凸形成部61の説明図である。
【0107】
第6実施形態における凹凸形成部61は、銅管11の外周面に砥粒84を高圧エアで吹出しノズル83から吹き付け可能なサンドブラストで構成している。
前記構成により、銅管11が凹凸形成部61を通過する際に、銅管11の外周面には、砥粒84を混合したエアが吹き付けられるため、不規則な凹凸82を形成することができる。
【0108】
具体的には、銅管11の外周面全体には、大よそ0.3μmから1.5μmの範囲の算術平均粗さ(Ra)の凹凸82を形成することができる。
【0109】
また、第6実施形態における凹凸形成部61は、図示しないが、適宜、駆動モータや公知の駆動伝達機構を備え、サンドブラストにおける吹出しノズル83は、所定位置から噴き出すに限らず、姿勢や位置を変更可能に駆動させながら吹き付けてもよい。
【0110】
以上、本発明の凹凸形成部の一実施形態について説明したが、凹凸形成工程S4においてこれら凹凸形成部により凹凸を形成した銅管11を、整列巻きした状態から巻き解すことにより、管同士の離れ具合について観察した。
【0111】
具体的には、以下の9つ(No.1からNo.9)のサンプルについて観察した。
【0112】
No.1からNo.6は、いずれも本発明の実施形態に係る銅管11であり、それぞれ、凹凸形成工程S4において第1実施形態から第6実施形態に対応する凹凸形成部17,21,31,41,51,61を用いて形成し、管外面にくっつき防止油36の油膜を形成していない銅管11である。
No.7についても本発明の銅管11であり、凹凸形成工程S4において第1実施形態の凹凸形成部17を用いて形成した後、くっつき防止油膜形成工程S’で表面にくっつき防止油36の油膜を形成した銅管11である。
【0113】
No.8は、凹凸形成工程S4、くっつき防止油膜形成工程S’を経ていない滑らか管外面の銅管11である(比較サンプル1)。
【0114】
No.9は、凹凸形成工程S4を経ていない滑らか管外面に、くっつき防止油膜形成工程S’においてくっつき防止油36の油膜を形成した銅管11である(比較サンプル2)。
【0115】
前記No.1からNo.9における銅管11を、整列巻きした状態から巻き解したときの観察結果は、以下の表1のとおりである。
【0116】
【表1】

前記表1に示すように、まず、滑らかな管表面を備えたNo.8の銅管の場合は、管同士の接触部分がくっついてしまい、引き離したとき、接触部分には、損傷が生じていた。
【0117】
滑らかな管表面に油を噴霧させたNo.9の銅管の場合は、No.8の銅管よりも管同士の接触部分のくっつきは生じなかったが、部分的にくっつき、当該箇所には損傷が生じていた。
【0118】
これに対して本発明のNo.1からNo.6の銅管11は、いずれもコイルからの銅管11の離れ具合は良好であり、No.7の銅管11については、銅管11の離れ具合は極めて良好であった。従って、No.1からNo.7のいずれの場合も整列巻きした状態から巻き解したとき、管表面に損傷なども生じることがなかった。
【0119】
上述の実施形態と、この発明の構成との対応において、
この実施形態の銅管11は、この発明の金属管に対応し、以下同様に、
整列巻きされた銅管11は、金属管コイルに対応し、
抽伸工程S1は、成形工程に対応し、
くっつき防止油36は、くっつき防止剤に対応し、
くっつき防止油膜形成工程S’は、くっつき防止剤付着工程に対応し、
抽伸部14、及び、内面溝加工部15は、成形手段に対応し、
整列巻き装置45は、整列巻き手段に対応し、
凹凸形成部17,21,31,41,51,61は、凹凸形成手段に対応し、
くっつき防止油膜形成装置35は、くっつき防止剤付着手段に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】第1実施形態における銅管の構成説明図。
【図2】第1実施形態における銅管の製造工程を示すフロー図。
【図3】第1実施形態における銅管の製造装置を、略全体を断面で示した構成説明図。
【図4】第1実施形態における銅管の凹凸形成部の説明図。
【図5】第1実施形態における銅管を整列巻きした状態の説明図。
【図6】管外面にくっつき防止油を噴霧した状態を示す銅管の説明図。
【図7】第2実施形態における銅管の凹凸形成部の構成説明図。
【図8】第3実施形態における銅管の凹凸形成部の構成説明図。
【図9】第4実施形態における銅管の凹凸形成部の構成説明図。
【図10】第5実施形態における銅管の凹凸形成部の構成説明図。
【図11】第6実施形態における銅管の凹凸形成部の構成説明図。
【図12】従来の金属管を整列巻きした状態の説明図。
【符号の説明】
【0121】
11…銅管
12,42,52,62,72,82…凹凸
14…抽伸部
15…内面溝加工部
17,21,31,41,51,61…凹凸形成部
35…くっつき防止油膜形成装置
36…くっつき防止油
45…整列巻き装置
S1…抽伸工程
S4…凹凸形成工程
S’…くっつき防止油膜形成工程
S5…整列巻き工程
S6…焼鈍工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属素材を抽伸して管状に成形する成形工程と、
成形後の金属管をコイル状に整列巻きする整列巻き工程と、
整列巻き後の金属管を焼鈍する焼鈍工程と
を行う金属管の製造方法であって、
前記整列巻き工程を行う前に、前記金属管の外面に凹凸を形成する凹凸形成工程を行うことを特徴とする
金属管の製造方法。
【請求項2】
前記凹凸形成工程において形成された前記凹凸を、
0.1μmから2.0μmの範囲の算術平均粗さで形成した
請求項1に記載の金属管の製造方法。
【請求項3】
前記凹凸形成工程の後に、前記金属管の外面に、管同士の接触部分がくっつきあうことを防止するくっつき防止剤を付着するくっつき防止剤付着工程を行うことを特徴とする
請求項1、又は、請求項2に記載の金属管の製造方法。
【請求項4】
金属素材を抽伸して管状に成形する成形手段と、
成形した金属管をコイル状に整列巻きする整列巻き手段と、
整列巻きした金属管を焼鈍する焼鈍手段と
を備えた金属管の製造装置であって、
前記成形手段により成形した金属管の外面に、凹凸を形成する凹凸形成手段を備えた
金属管の製造装置。
【請求項5】
前記凹凸形成手段は、前記凹凸を、0.1μmから2.0μmの範囲の算術平均粗さで形成することを特徴とする
請求項4に記載の金属管の製造装置。
【請求項6】
前記金属管の外面に、管同士の接触部分がくっつきあうことを防止するくっつき防止剤を付着するくっつき防止剤付着手段を備えた
請求項4、又は、請求項5に記載の金属管の製造装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の製造方法により製造した
金属管。
【請求項8】
請求項7に記載の金属管をコイル状に整列巻した
金属管コイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−22956(P2009−22956A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185246(P2007−185246)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】