説明

鉄鋼副生物の焙焼還元方法

【課題】ブリケットから発生する粉体を低減させ、なおかつ水分等の揮発性物質を充分に除去することにより、吹上げを防止しつつ、高い有価金属回収率を確保し得る鉄鋼副生物の焙焼還元方法を提供する。
【解決手段】 鉄鋼副生物を焙焼ボックスで焙焼する工程に移行する際、ベルトコンベアーからブリケット移送用ボックス内にブリケットを装入する工程において、製団機で製団された鉄鋼副生物のブリケットがベルトコンベアーに落下した際に発生した粉体をベルトコンベアーの途中に設置された篩目が5〜30mmである篩で篩って低減し、且つ、ブリケットをベルト速度が30〜60m/分で輸送し、ブリケット移送用ボックス直上1000〜2000mmの設置高さでベルトコンベアーを運搬方向に可動範囲が300〜1000mm、速度が1〜10m/分の一定速度で前後に周期運動させながら装入することで、ブリケットの繰り返し落下の衝撃による粉体発生を緩和する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼副生物から有価金属を回収する焙焼還元方法に係り、特に、鉄、ニッケル、クロム、マンガンなどの有価金属を含む製鋼ダスト、酸洗スラッジ、焼鈍時のスケールなどの鉄鋼副生物を効率良く還元して、有価金属を回収する焙焼還元方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鉄所で発生する製鋼ダスト、酸洗スラッジ、焼鈍時のスケールなどの鉄鋼副生物は、鉄、ニッケル、クロム、マンガンなどの有価金属を含有しており、従来から多くの回収方法が提案されてきた。具体的には、これらの副生物を石炭やコークスなどの炭素源と混合してブリケット状に成型し、図1(a)に示すように、電気精練炉1内にブリケット2を装入し、このブリケット2を電極3により加熱溶融し、スラグ分4と還元メタル分5とに分離して有価金属を回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかしながら、上記の方法においては、電気精練炉1内へのブリケット2の装入の際に、一部のブリケットが衝撃によって崩壊し、粉体が発生することがある。このような粉体が多くなると、図1(b)に示すように、この粉体のためにブリケット2の層に空孔6が発生し、棚つり7が形成されてしまう。そして、図1(c)に示すように、この棚つり7が崩落すると、ブリケット内の水分等の揮発性物質が一気に加熱されて爆発が生じ、いわゆる、吹上げが発生するという問題がある。
【0003】
この問題に対しては、副生物を石炭やコークスなどの炭素源と混合してブリケット状に成型し、一旦焙焼して水分などの揮発成分を除去した後に、アーク式電気炉にて加熱して還元処理する方法が提案されている(例えば、特許文献3〜6参照。)。これらの方法では、図2(a)に示すように、未焙焼のブリケット11を焙焼ボックス12内に装入する。この焙焼ボックス12の底部には、バーナー13が備えられている。そして、矢印14の方向に排気を吸引することにより、矢印15のように、焙焼ボックス12底部から上部に向けて未焙焼ブリケット11間に排気の流路が形成される。この状態において、バーナー13により未焙焼ブリケット11が着火されると、矢印15の示す方向に未焙焼ブリケット11が焙焼ブリケット16へと焙焼される。
【0004】
ところが、図3(a)に示すように、未焙焼ブリケット21の強度が十分でない上に、製団機22からベルトコンベアー23に落下する際、一部の未焙焼ブリケット21が衝撃によって崩壊し、粉体が発生してしまう。また、図4(a)に示すように、ベルトコンベアー32からブリケット移送用ボックス33への装入時にも、未焙焼ブリケット31の落下位置の集中による繰り返し衝突が起こり、粉体が発生してしまう。この粉体が焙焼ボックス12底部に多く堆積すると、図2(b)に示すように、この堆積した粉体が焙焼時に異常過熱されてクリンカー17を形成する。そして、焙焼ボックス12底部にクリンカー17が形成されると、矢印15が示すように、上部に向けての排気の流路が塞がれ、焙焼の進行が妨げられてしまう。そのため、クリンカー17上部の焙焼ボックス12中心部において、未焙焼ブリケット11が焙焼されず、ブリケットの生焼け部分が生じてしまう。その結果、ブリケット内の揮発性物質が除去できず、上記の吹上げの問題が改善されないことがあった。
【0005】
また、有価金属を効果的に回収するために、上記の焙焼した後、サブマージドアーク電気炉で加熱して還元する方法において、アルミニウム残灰を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。しかしながら、この方法では、電気炉での反応が激しすぎるため、炉のコントロールが困難であり、爆発等の危険が伴う場合もあった。
【0006】
さらに、従来技術における鉄鋼副生物としては、製鋼ダスト及び酸洗スラッジが用いられている。しかしながら、鉄鋼副生物の1つであるスケール材は、最大粒径20mmという比較的大型の粒子を含む原料であるため、これを従来技術に適用するためには、例えば、粒径3mm以上の大型のものを選別除去したり、粉砕する必要が生じ、非常にコスト高となってしまうといった問題があった。
【特許文献1】特開平8−260014号公報
【特許文献2】特開2003−247026号公報
【特許文献3】特開昭61−15929号公報
【特許文献4】特開昭61−177331号公報
【特許文献5】特開昭61−177332号公報
【特許文献6】特開昭61−177337号公報
【特許文献7】特開平10−330822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、本発明は、上記のような大型原料を積極的に利用してブリケットから発生する粉体を低減させ、なおかつ水分等の揮発性物質を充分に除去することにより、吹上げを防止しつつ、高い有価金属回収率を確保し得る鉄鋼副生物の焙焼還元方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、上記課題を解決するために、ブリケットの強度と粉体発生の低減について鋭意検討を重ねた結果、粒径が比較的大きなスケール材を鉄鋼副生物に特定の比率混合することにより、この比較的大型の粒子が骨材として効果的に作用し、成型されるブリケットの強度を高くすることができ、更に、図3(b)に示すように、ブリケット21が製団機22からベルトコンベアー23に落下する際に発生する粉体を、途中に設置した篩25で篩って低減し、また、図4(b)に示すように、ベルトコンベアー34からブリケット移送用ボックス33にブリケット31を装入する際に、ベルトコンベアー34をブリケット移送用ボックス直上で、矢印35に示すように運搬方向の前後に一定速度で周期運動させながら装入することで、ブリケット移送用ボックス内の粉体発生を低減することができ、これによって焙焼ボックス内への粉体の持ち込みが低減されることを見出した。
【0009】
したがって、本発明の鉄鋼副生物の焙焼還元方法は、鉄鋼副生物を焙焼ボックスで焙焼する工程に移行する際、ベルトコンベアーからブリケット移送用ボックス内にブリケットを装入する工程において、製団機で製団された鉄鋼副生物のブリケットがベルトコンベアーに落下した際に発生した粉体をベルトコンベアーの途中に設置された篩目が5〜30mmである篩で篩って低減し、且つ、ブリケットをベルト速度が30〜60m/分で輸送し、ブリケット移送用ボックス直上1000〜2000mmの設置高さでベルトコンベアーを運搬方向に可動範囲が300〜1000mm、速度が1〜10m/分の一定速度で前後に周期運動させながら装入することで、ブリケットの繰り返し落下の衝撃による粉体発生を緩和することを特徴としている。
【0010】
また、上記鉄鋼副生物の焙焼還元方法にあっては、製鋼ダスト:10〜50重量%、酸洗スラッジ:5〜30重量%、スケール材:30〜60重量%からなる鉄鋼副生物に、水分、油脂分及び炭材を混合する工程と、上記鉄鋼副生物を製団機によりブリケットに製団する工程と、上記ブリケットをベルトコンベアーにて輸送する途中に篩で粉体を篩う工程と、可動式ベルトコンベアーで上記ブリケットを一定速度で運搬方向の前後に周期運動させながらブリケット移送用ボックス内に装入する工程と、上記ブリケットを焙焼ボックス内で焙焼する工程と、炭材並びに石灰石及び/又は珪砂をさらに混合する工程と、上記混合物をサブマージドアーク式電気炉に装入して加熱し、有価金属を還元し、メタル分とスラグ分に分離する工程とを備え、上記鉄鋼副生物は、全体の3〜40重量%が2.8mm以上20mm以下の粒度を有するものであり、上記ブリケットは、形状が各辺40〜60mm×40〜60mm×25〜40mmであることを好ましい態様としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、粒径の比較的大きなスケール材を用いることにより、成型されるブリケットの強度を十分高くすることができ、更に、配合によりブリケットの強度を向上させるだけでなく、ベルトコンベアーでの輸送途中に発生した粉体を低減し、ブリケット移送用ボックスへの装入時の粉体発生を緩和することで、焙焼工程での水分、亜鉛など揮発性物質の除去が改善され、最終的に、電気炉の還元過程での吹上げ現象が軽減され、安定操業が実現されると共に、高い生産性を得ることができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、製鋼ダスト、酸洗スラッジ及びスケール材を特定の比率で配合することにより、良好なスラグの溶融性及び流動性が得られる化学組成に原料を制御することでき、高い有価金属回収率が得られ、従来、産廃として廃棄されていた製鋼ダスト、酸洗スラッジ、スケール材などから、安定してFe、Ni、Cr、Mnなどの有価金属を確保できるため、これらの原料の一部を補填できることとなり、製造原価低減、さらには、地球環境保全にも貢献することができる。
【0013】
このような効果は、以下の原理によるものと推測される。スラグ、メタルともに適正な流動性を保有していないと、原料がコークベッドを通過する際に、うまく通過せず、その結果、有価金属回収率が低下することとなる。特に、スラグの融点と流動性が、適正範囲にないとスラグの落下が遅れたり、あるいは、速すぎてしてしまう。その結果、炉内での反応が制御できなくなるために、有価金属回収率が低下してしまう。また、場合によっては、吹上げ現象も引き起こされる。同時に、原料中のZnOが2質量%を超えて高いと、吹上げが顕著に発生する。これはZnOがCで還元されると、亜鉛のガスが発生し、これが原料内の気圧を上昇させて突沸現象を起こすためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の焙焼還元方法は、鉄鋼副生物から有価金属Fe、Ni、Cr及びMnを回収する方法であり、後述するような特定の配合の鉄鋼副生物に水分、油脂分及び炭材を混合し、これを製団機によりブリケットに製団し、このブリケットを焙焼ボックス内で焙焼し、次いで、炭材並びに石灰石及び/又は珪砂をさらに混合した後に、この混合物をサブマージドアーク式電気炉に装入して加熱し、有価金属を還元し、メタル分とスラグ分に分離する方法であるが、本発明においては、鉄鋼副生物として、製鋼ダスト及び酸洗スラッジに、比較的大きな粒径を有するスケール材を特定の比率で配合し、この鉄鋼副生物を特定の形状のブリケットに成型して団鉱強度を上げ、更に、ベルトコンベアーでの輸送途中で発生した粉体を篩で低減し、ブリケット移送用ボックスへの装入時の繰り返し衝突による粉体発生を緩和することが最大の特徴である。したがって、以下、本発明において特徴的な材料組成及び工程について説明する。なお、その他の工程においては、一般公知の従来技術を用いることができる。
【0015】
本発明に用いる鉄鋼副生物は、製鋼ダスト及び酸洗スラッジに、スケール材を特定の比率で配合したものであり、全体の3〜40重量%が2.8mm以上20mm以下の粒度を有するものである。本発明においては、このような比較的大型の粒子が骨材として作用することによって、成型されるブリケットの強度を向上することができ、具体的には、ブリケット成型後で焙焼前の初期のブリケット強度を20kgf/個以上とすることができる。このように焙焼前のブリケット強度が向上されたことにより、焙焼ボックス内へのブリケット装入時等の粉体発生を防ぐことができ、焙焼時の生焼けの問題を解消することができる。この比率は、好ましくは5〜30重量%であり、より好ましくは5〜24重量%である。
【0016】
また、本発明においては、鉄鋼副生物全体の他の3〜40重量%が1.2mm以上〜2.8mm未満の粒度を有するものであると、より骨材としての効果を高くするために好都合で、この比率は、好ましくは5〜30重量%であり、より好ましくは5〜24重量%である。なお、スケール材は比較的大きな粒径を有するため、上記範囲の粒度(2.8mm以上20mm以下及び1.2mm以上2.8mm未満の粒度)を有するものはほとんどがスケール材であると考えられるが、他の材料がこの粒度を有していてもよい。
【0017】
これに対して、従来技術における鉄鋼副生物は製鋼ダストと酸洗スラッジとからなり、これらは、主に150μm以下程度の比較的細かい粉体状のものであるため、いくら水分と油脂分を加えても十分なブリケット強度が得られず、発生する粉体量が30重量%を超えてしまっていた。
【0018】
また、本発明においては、上記のような比較的大型の粒子が鉄鋼副生物に含まれるため、成型されるブリケットはこれを許容せねばならない。そのため、ブリケットの形状を各辺40〜60mm×40〜60mm×25〜40mmと規定した。製団ロールが、大型の粒子で停止しないためには、最低で40×40×25mmのサイズが必要であり、一方、大きすぎると、ブリケット中心部に製団時の圧力がかかりにくくなり、強度が確保できなくなるために、60×60×40mmを上限サイズとした。また、ブリケットの製団には、例えば双ロール式の製団機を用いることができる。
【0019】
製団機で製団された鉄鋼副生物のブリケットがベルトコンベアーに落下した際に発生した粉体をベルトコンベアーの途中に設置された篩で篩い落とすことで、ブリケット移送用ボックスへの粉体の持込みを低減することができる。篩目のサイズは、30mmより大きくなると粉体と共にブリケットも落下してしまうために、生産性が低下し、また5mm未満になると粉体を20重量%以下に低減できないため、篩目のサイズは5〜30mmと規定した。好ましくは、10〜25mmである。
【0020】
ベルトコンベアーのベルト速度は、30m/分未満では、ブリケットの輸送効率が低下し、その結果、生産性が低下する。また60m/分を上回ると、上記の篩で粉体を篩うことができず、また、ブリケットの輸送量が多過ぎることで、ブリケット移送用ボックスへの装入の際に、繰り返し衝突による粉体が発生し、20重量%以下に粉体を低減できないため、30〜60m/分とした。好ましくは、40〜50m/分である。
【0021】
ブリケット移送用ボックスのサイズは、長さ×幅×高さが1300mm×1300mm×900mmを上回るとフォークリフトによる運搬が困難となる。また長さ×幅×高さが1100mm×1100mm×700mmを下回ると、運搬効率が低下し、その結果、生産性が低下する。そのため、ブリケット移送用ボックスのサイズは、長さ×幅×高さが1100〜1300mm×1100〜1300mm×700〜900mmと規定した。好ましくは、長さ×幅×高さが1150〜1250mm×1150〜1250mm×750〜850mmである。
【0022】
粉体を篩ったブリケットをブリケット移送用ボックス直上でベルトコンベアーを運搬方向に一定速度で前後に周期運動させながら装入することで、ブリケットの落下位置の集中による繰り返し衝突が起こることによる粉体発生を20重量%以下に低減することができた。
【0023】
ベルトコンベアーの設置高さは、1000mm未満では、ブリケット移送用ボックスをフォークリフトで持ち上げて運搬する際、ベルトコンベアーと接触する危険があり、また2000mm以上では落下距離が大きくなり、20重量%以下に粉体を低減できないため、1000〜2000mmと規定した。好ましくは、1200〜1800mmであり、より好ましくは1400〜1600mmである。
【0024】
ベルトコンベアーの可動範囲は、300mm未満では、ブリケット落下位置が集中してしまい、20重量%以下に粉体を低減できず、また1000mmより大きな可動範囲では、ブリケット移送用ボックスの内壁にブリケットが衝突し、崩壊するため、20重量%以下に粉体を低減できない。そのため、可動範囲は300〜1000mmと規定した。好ましくは500〜800mmであり、より好ましくは600〜700mmである。
【0025】
ベルトコンベアーの往復運動の速度は、1m/分未満であると、ブリケット落下位置が集中してしまうために、20重量%以下に粉体を低減できず、また10m/分を上回ると、慣性によりブリケットが飛び出してブリケット移送用ボックス内壁に衝突し、崩壊するため、20重量%以下に粉体を低減できない。そのため、速度は1〜10m/分と規定した。好ましくは、3〜7m/分であり、より好ましくは4〜6m/分である。
【0026】
このようにしてブリケットを装入したブリケット移送用ボックスをフォークリフトで運搬し、以下に記述する焙焼工程に移行する。具体的なブリケットの焙焼工程としては、上記のようにして成型されたブリケットをブリケット移送用ボックスから焙焼ボックスに装入し、焙焼ボックス上部をダクトで密閉し、排風機を用いて吸引しながら、下部をバーナーで着火し、いわゆる焙焼処理を行い、水分を揮発させることができる。その結果、焙焼ボックス内のブリケットの平均含水率が6重量%以下、好ましくは焙焼ボックス内の70重量%以上のブリケットの平均含水率が5重量%以下とすることができる。焙焼後のブリケット強度は、具体的には、50kgf/個以上とすることができ、また、1回の電気炉の操業にかかる時間を4.5時間以内に短縮することができた。このように焙焼後のブリケットは、粉体発生を抑制するとともに、含水率も低減できているため、サブマージドアーク電気炉による還元工程においても、吹上げを良好に防ぐことができる。
【0027】
具体的な有価金属の回収工程としては、焙焼されたブリケットをサブマージドアーク電気炉に装入して加熱することで、メタル分とスラグ分に分離させ、Fe、Ni、Cr、Mnなどの有価金属を回収する。また、電気炉への装入時、スラグ量と塩基度(CaO/SiO)調整の目的で、石灰石及び/又は珪砂を、また、原料の組成によっては、炭材を適宜追加することもできる。特に、スラグ側については、上記の化学成分を持つ還元リサイクル原料を用いることで、十分なスラグ量を確保できて、なおかつ、溶融性および流動性が好ましい領域に制御できる。最も望ましいスラグ組成は、特に限定はしないが、CaO、SiO、Al、MgOを80質量%以上含み、CaO/SiOの比率が0.8〜1.4、好ましくは1.0〜1.2、Alの含有率が0.6〜7.0質量%の範囲である。
【0028】
以下、本発明の焙焼還元方法に好適に用いられる材料組成について説明する。
1.製鋼ダスト
製鋼ダストはステンレス鋼の精錬工程で発生するものであり、有価金属Fe、Ni、Cr及びMnの含有量を確保するため、また、鉄鋼副生物におけるSiO、Al、MgO濃度を好適な範囲に制御するために、配合率を10〜50重量%に規定した。また、製鋼ダストには、揮発性のZnOが多く含まれるため、吹上げの発生を抑えるために、製鋼ダストの配合率を50重量%以下に制限する必要がある。
【0029】
2.酸洗スラッジ
酸洗スラッジは焼鈍酸洗ラインで生じるものであり、有価金属Fe、Ni、Cr及びMnの含有量を確保するため、また、鉄鋼副生物におけるCaO、F、S濃度を好適な範囲に制御するために、配合率を5〜30重量%に規定した。また、酸洗スラッジには、Sが多く含まれるため、Sの含有率が多すぎると、脱硫が困難になるため、酸洗スラッジの配合率を30重量%以下に制限する必要がある。
【0030】
3.スケール材
スケール材は熱延、連続鋳造などで生成するものであり、有価金属Fe、Ni、Cr及びMnを含む原料である。また、スケール材は、最大粒径20mmという比較的大型の粒子を含む原料であるため、本発明において規定される2.8mm以上20mm以下の粒度を有するものとは、ほとんどがこのスケール材であり、スケール材に含まれるこの粒度の割合は限定されるものではないが、10〜40重量%であることが望ましい。この粒度は、ブリケットに形成したときの全体の3〜40重量%を占めるように配合する必要がある。そのため、有価金属Fe、Ni、Cr及びMnの含有量を確保するため、また、骨材としての効果を発揮するために、スケール材の配合率を30重量%以上に規定した。一方、スケール材の配合率が60重量%を超えると、粒度が粗すぎて逆に強度が確保できない。したがって、スケール材の配合率を30〜60重量%と定めた。
【0031】
4.SiC、フェロニッケルスラグ及び仕上げスラグ
本発明における鉄鋼副生物は、電気炉におけるスラグ組成を制御するために、上記材料組成に加えて、SiC、フェロニッケルスラグ、及び、仕上げスラグのうち少なくとも1種類を合計で10重量%以下混合したものであってもよい。具体的には、SiCはスラグ中のSiO源として、また、燃焼時の熱源として混合できる。フェロニッケルスラグは、有価金属であるFeが含まれているため有効な材料であり、さらに、主としてMgO、SiOから構成されるものであり、MgOあるいはSiO源として混合できる。また、仕上げスラグは、ステンレス鋼、特殊鋼のAODやVODの精錬で発生するスラグであり、CaO、SiO、MgOを主体とするものであるため、電気炉におけるスラグの塩基度調整のために有効な材料である。
【0032】
5.水分
水分は、成型後で焙焼前の初期のブリケット強度を20kgf/個以上確保するために必要である。水分の含有率は、低すぎても、高すぎてもブリケット強度が得られないために、15〜26重量%とした。なお、この含有率は上記の固形原料の総重量に対する割合である。例えば、原料1tに対しては、150〜260kgである。
【0033】
6.油脂分
油脂分は、成型後で焙焼前の初期のブリケット強度を20kgf/個以上確保するために、必要である。油脂分の含有量は、低すぎても、高すぎてもブリケット強度が得られないために、0.2〜3重量%とした。なお、この含有率は上記の固形原料の総重量に対する割合である。例えば、原料1tに対しては、2〜30kgである。
【0034】
7.炭材
本発明における炭材は、還元反応に必要な分と、焙焼工程での熱源として、10〜20重量%、すなわち、配合した原料1tに対して100〜200kgの重量で配合することが好ましい。
【0035】
8.化学成分
本発明においては、上記材料組成を上記比率で配合することにより、原料中の化学成分を、FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類:合計で27質量%以上、Al:0.3〜3.5質量%、MgO:2〜7質量%、CaO及びSiO:合計で35質量%以下、F:1〜6質量%、S:0.1〜2質量%、ZnO:2質量%以下とすることができ、これにより、電気炉にて得られるスラグを、操業に適した特性とすることができる。以下に、各成分の限定理由を説明する。
【0036】
なお、上記の各構成成分はS、F以外は酸化物として表記されているが、実際は水酸化物、フッ化物、硫化物、硫酸化物など複雑であるため、簡便のために酸化物表記としている。また、本発明おける有価金属とは、特に限定されるものではないが、少なくとも鉄、ニッケル、クロム、マンガンが含まれる。
【0037】
(1)FeO、MnO、NiO及びCr
本発明において、これらは還元されて有価金属となるため、必要不可欠な成分である。FeO、 MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類の含有率が合計で27質量%未満では、製錬にかかるコストに見合わないため、FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類の含有率を合計27質量%以上と定めた。コストを考慮して、好ましくは29質量%以上である。
【0038】
また、上限は特に限定はしないが、85質量%以下程度に抑えることが望ましい。その理由は、次のとおりである。すなわち、85質量%を超えると、スラグ量が著しく少なくなってしまう。スラグをある程度確保せねば、電気炉操業時に温度コントロールが困難になったり、スラグと溶鋼間で起こる脱硫反応が不充分になってしまい、溶鋼中のS濃度が0.05質量%を超えて高くなるためである。得られた鋼塊は、ステンレス鋼の製鋼工程で原料としてリサイクルされるものであるから、S濃度が高すぎると脱硫負荷が高くなり、コスト高を引き起こしてしまう。このような理由から、電気炉における脱硫反応に必要なスラグ量を確保するために、上限は85質量%以下程度に抑えることが望ましい。
【0039】
(2)Al
Alはスラグの融点を適正値に制御するのに必要な元素である。Alの含有率が0.3質量%未満又は3.5質量%超では、融点が高くなり、流動性が悪化し、その結果有価金属回収率を低下させる。そのため、Alの含有率を0.3〜3.5質量%とした。Alは製鋼ダストに含まれる成分であり、製鋼ダストの配合率を10〜50重量%とすることで、この範囲に制御できる。
【0040】
(3)MgO
MgOはスラグの融点を適正値に制御するのに必要な元素である。MgOの含有率が2質量%未満又は7質量%超では、融点が高くなり、流動性が悪化し、その結果有価金属回収率を低下させる。そのため、MgOの含有率を2〜7質量%とした。MgOは製鋼ダストに含まれる成分であり、製鋼ダストの配合率を10〜50重量%とすることで、この範囲に制御できる。また、必要に応じて仕上げスラグ、フェロニッケルスラグで添加してもよい。
【0041】
(4)CaO及びSiO
CaO及びSiOはスラグの主成分であり、流動性や融点を調整するために必要である。これらの成分は、電気炉に投入する前に、石灰石および/または珪砂で調節することが可能である。しかしながら、もとの原料における含有率が35質量%を超えて高いと、石灰石および/または珪砂を添加せずとも、スラグ量が増加し、逆にメタル量が少なくなり、コスト高となってしまう。そのため、CaO及びSiOの含有率を35質量%以下とした。好ましくは、CaOとSiOの含有率が合計で7.5〜35質量%である。7.5質量%は含有した方が望ましいのは、石灰石、珪砂の副原料費を抑えるためである。より好ましくは、CaOの含有率が3〜15質量%であり、SiOの含有率が4.5〜20質量%の範囲である。CaOは主に酸洗スラッジに含まれる成分であり、酸洗スラッジの配合比率を5〜30重量%にすると上記の成分範囲を得ることができる。SiOは主に製鋼ダストに含有されており、製鋼ダストの配合比率を10〜50重量%とすることで、この範囲に制御できる。また、必要に応じて、フェロニッケルスラグを添加して調整してもよい。
【0042】
(5)F
Fはスラグの流動性を適正範囲に制御するために必要な成分である。Fの含有率が1質量%未満では、流動性が悪く、その結果、有価金属回収率を低下させる。逆に6質量%を超えて高いと、流動性が良すぎる他にも、HF、SiFなどの腐食性ガスを発生させ、設備を腐食、損傷させる。そのため、Fの含有率を1〜6質量%と規定した。Fは酸洗スラッジに含まれる成分であり、酸洗スラッジの配合比率を5〜30重量%にすると、上記の成分範囲を得ることができる。
【0043】
(6)S
Sは電気炉において、溶鋼の表面張力を低下させて、流動性を確保するために必要な成分である。流動性が十分でないと、コークベッドをうまく通過しない。電気炉において、Sの一部は脱硫されてスラグ中に分配される。そのような脱硫反応を経て、最終的に、溶鋼中に0.01〜0.05質量%の範囲に制御することが好ましい。S濃度が高すぎると脱硫負荷が高くなり、コスト高を引き起こしてしまう。そのため、脱硫反応も考慮して、電気炉の溶鋼中でこの範囲を確保するために、還元リサイクル原料中では、Sの含有率を0.1〜2質量%に制御する必要があり、そのように定めた。Sは酸洗スラッジに含まれる成分であり、酸洗スラッジの配合比率を5〜30重量%にすると、上記の成分範囲を得ることができる。
【0044】
(7)ZnO
ZnOがCで還元されると、亜鉛のガスが発生し、これが原料内の気圧を上昇せしめ突沸現象を起こすため、抑制せねばならない成分である。ZnOの含有率が2質量%を超えて高いと、その傾向が強く現れるようになり、電気炉内で吹上げ現象を引き起こす。そのため、ZnOの含有率を2質量%以下と規定した。ZnOは製鋼ダストに含有する成分であり、製鋼ダストの配合率を50重量%以下に制限することで、この範囲に抑制できる。
【実施例】
【0045】
次に、本発明の実施例を用いて、本発明の効果を説明する。
表1に示した材料組成の比率で、製鋼ダスト、酸洗スラッジ、スケール材、及び、SiCを配合し、炭材、水分及び油脂分を混合した。Aは最も好ましい配合パターンであり、Bはダストが少なくスケールが多い、Cはダストが多く、スラッジが少ない。なお、水分と油分は外配合であり配合した原料の重量を100とした時の配合割合としている。続けて双ロール式の製団機を用いブリケットに成型した。なお、炭材は、還元反応に必要な分と、焙焼工程での熱源として、配合した原料1tに対して100〜200kgの重量で配合した。
【0046】
次に、上記のようにして成型し、ベルトコンベアー途中に設置した篩で粉体を篩ったブリケットを、ベルトコンベアーを運搬方向に一定速度で前後に周期運動させながらブリケット移送用ボックスに装入し、その後、ブリケット移送用ボックスから焙焼ボックスに装入した。そして、焙焼ボックス上部をダクトで密閉し、排風機を用いて吸引しながら、下部をバーナーで20〜30分間加熱して着火し、焙焼処理を120〜180分間行った。これにより、水分を揮発させるとともに、各ブリケット内部の原料粒子を焼結させた。ブリケット移送用ボックスのサイズは、設備上の制約から、全て1200mm×1200mm×800mmとした。
【0047】
その後、スラグ量と塩基度(CaO/SiO)調整のために、石灰石50kg/原料t、還元剤としてコークス60kg/原料tを上記のブリケット原料に混合し、これらをサブマージドアーク電気炉に装入した。そして、これを加熱して、還元したメタル分とスラグ分に分離し、Fe、Ni、Cr、Mnの有価金属を回収した。回収されたメタルはおよそ5〜6tであり、残部がスラグであった。なお、電気炉のサイズは13tであり、電力原単位はおよそ1800kWH/メタルtであった。
【0048】
【表1】

【0049】
上記のようにして鉄鋼副生物の焙焼還元方法を行った際の原料の粒度分布、成型されたブリケットの強度は以下のようにして測定し、これらの結果を表2に示した。すなわち、原料の粒度分布は、配合後の原料約20kgをサンプリングし、篩で篩うことで各粒度に分別し重量を測った。成型されたブリケットの強度は、2日間養生後、圧壊強度を測定した。焙焼ボックス内の粉体量は、焙焼ボックスを無作為に抽出し、ブリケットと1mm以下の粉体部に分離して粉体の重量を測った。
【0050】
【表2】

【0051】
表2から明らかなように、最も好ましい配合パターンAでは、材料組成、ブリケット形状及び鉄鋼副生物の粒度のいずれもが本発明の配合範囲にあるため、ブリケット強度が20kgf/個以上あり、十分な強度を有していた。一方、BとCは20kgf/個を下回った。
【0052】
配合パターンA、B、Cの原料配合にて作製したブリケットを種々の篩サイズ、ベルト速度、ベルコン設置状況のもと処理して焙焼した。最終的に電気炉により電気製錬を行い、メタルを得た。実施結果を表3に示した。
【0053】
ここで、各条件の評価は、焙焼ボックス内の粉体量、焙焼ボックス内部の温度分布及び焙焼されたブリケットの水分含有量、吹上げ状況、生産性により行い、総合評価を◎、○、△、×とした。なお、◎と○は問題のなく良好な操業であった。
【0054】
各項目は次のように測定した。
(1)温度分布:ボックス上部中心位置と下部中心位置において、熱電対により測定した。
(2)焙焼されたブリケットの水分含有量:焙焼後にボックスからブリケットを無作為に10個採取し、各試料について900℃で3時間以上加熱して、重量が一定値となったことを確認した後、重量減少量から求めた。
(3)吹上げ:○は工場内外にて吹上げ発生なし、△は工場の外に煙が出ない程度の吹上げがあったことを示す。
(4)生産性:電気炉による電気製錬に要した時間で評価した。○は4.5時間/チャージ以下、△は4.5時間を超えて5時間/チャージ以下、×は5時間/チャージ超である。
(5)総合評価:吹上げと生産性で総合的に評価した。◎は両方○、○は○と△、△は両方△、×は片方に×があるものとした。
【0055】
【表3】

【0056】
表3から明らかなように、発明例1〜3では、十分なブリケット強度に加え、更に、ベルトコンベアー途中に設置した篩の篩目サイズ、ブリケット移送用ボックスのサイズ、及び、ブリケット移送用ボックスに装入する際のベルトコンベアーの設置高さ、可動範囲、速度が全て好ましい範囲に収まっていたため、粉体発生量も少なく、均一に焙焼できた。また、電気炉の操業で吹上げもなく、操業時間が4.5時間以内となり生産性が向上した。 なお、発明例3は、篩目サイズ、及び、ブリケット移送用ボックス装入の際のベルトコンベアーの可動範囲が、本発明の好ましい範囲から外れていたために、発明例1、及び、2よりも粉体発生量が僅かに多かったが、吹上げには至らず、また生産性は変わらなかった。粉体量を低減することで、吹上げの防止に加え、生産性が向上した理由としては、ブリケット間のCOガスの通気が良くなり、メタルの還元性が向上したためである。
【0057】
発明例4〜7は原料の配合パターンが表1のBとCであり、最も好ましい配合ではなかったため、焙焼ボックスにおける粉体量が若干多く、焙焼後の水分量も6〜8%と若干高い値を示した。その結果、発明例4では若干の吹上げが発生したのと、5〜7では生産性が若干低下した。
【0058】
比較例1〜7は、配合パターン、篩目サイズ、ベルト速度、ベルコン条件のいずれかが外れているために、粉体発生量が多く、焙焼ボックス内の焼けムラも大きかった。その結果、電気炉での電気製錬の際に、吹上げが発生したか、生産性が低下してしまった。
【産業上の利用可能性】
【0059】
鉄鋼副生物から効率良くメタル分を回収し、ステンレス鋼や特殊鋼等の高品質な原料としてリサイクル使用が可能になるとともに、産業廃棄物の量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】吹上げを模式的に説明した図である。
【図2】焙焼ボックス内におけるブリケットの焙焼状態を示した図である。
【図3】製団機からブリケット移送用ボックスまでを模式的に説明した図である。
【図4】ベルトコンベアーによるブリケット移送用ボックスへの装入を模式的に説明した図である。
【符号の説明】
【0061】
1…サブマージドアーク電気炉、2…還元リサイクル用原料ブリケット、3…電極、
4…スラグ分、5…還元メタル分、6…空孔、7…棚つり、11…未焙焼ブリケット、
12…焙焼ボックス、13…バーナー、14…排風、15…ボックス内の通気、
16…焙焼ブリケット、17…クリンカー、21…ブリケット、22…製団機、23…ベルトコンベアー、 24…ブリケット移送用ボックス、25…篩、26…可動式ベルトコンベアー、31…ブリケット、32…ベルトコンベアー、33…ブリケット移送用ボックス、34…可動式ベルトコンベアー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼副生物を焙焼ボックスで焙焼する工程に移行する際、ベルトコンベアーからブリケット移送用ボックス内にブリケットを装入する工程において、製団機で製団された上記鉄鋼副生物のブリケットが上記ベルトコンベアーに落下した際に発生した粉体を上記ベルトコンベアーの途中に設置された篩目が5〜30mmである篩で篩って低減し、且つ、上記ブリケットをベルト速度が30〜60m/分で輸送し、上記ブリケット移送用ボックス直上1000〜2000mmの設置高さで上記ベルトコンベアーを運搬方向に可動範囲が300〜1000mm、速度が1〜10m/分の一定速度で前後に周期運動させながら装入することで、上記ブリケットの繰り返し落下の衝撃による粉体発生を緩和することを特徴とする鉄鋼副生物の焙焼還元方法。
【請求項2】
前記ブリケット移送用ボックスの長さが1100〜1300mm、幅が1100〜1300mm、高さ700〜900mmのサイズの鉄鋼製であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼副生物の焙焼還元方法。
【請求項3】
製鋼ダスト:10〜50重量%、酸洗スラッジ:5〜30重量%、スケール材:30〜60重量%からなる鉄鋼副生物に、水分、油脂分及び炭材を混合する工程と、上記鉄鋼副生物を製団機によりブリケットに製団する工程と、上記ブリケットをベルトコンベアーにて輸送する途中に、篩で粉体を篩う工程と、可動式ベルトコンベアーで上記ブリケットを一定速度で運搬方向の前後に周期運動させながらブリケット移送用ボックス内に装入する工程と、上記ブリケットを焙焼ボックス内で焙焼する工程と、炭材並びに石灰石及び/又は珪砂をさらに混合する工程と、上記混合物をサブマージドアーク式電気炉に装入して加熱し、有価金属を還元し、メタル分とスラグ分に分離する工程とを備え、上記鉄鋼副生物は、全体の3〜40重量%が2.8mm以上20mm以下の粒度を有し、ブリケットは、形状が各辺40〜60mm×40〜60mm×25〜40mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄鋼副生物の焙焼還元方法。
【請求項4】
前記焙焼ボックス内の1mm以下の粉体の形成量が20重量%以下であり、焙焼後のブリケットの含水率が平均6重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉄鋼副生物の焙焼還元方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−308755(P2008−308755A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160601(P2007−160601)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(000232793)日本冶金工業株式会社 (84)
【出願人】(592116110)ナスエンジニアリング株式会社 (7)
【Fターム(参考)】