説明

長尺物支持具

【課題】支持する長尺物の重量が大きい場合でも、長尺物支持部が開かないで、外れが発生しないようにする。
【解決手段】基部21の一面側には、吊りボルトに対してその長さ方向の3つの異なる位置で互い違いの方向から係合して、回動規制された状態で吊りボルトに係止させる第1〜3の係合部22、23、30が設けられており、基部21の反対面側には、環状の長尺物支持部40が形成されている。長尺物支持部40の先端側に形成された可撓部44には円筒状のロック体51が形成され、基部21の反対面側には、ロック体51を側方から受け入れる円筒溝状のロック受け52が形成されており、支持する長尺物の重量が大きい場合には、このロック体51とロック受け52とを係合させて長尺物支持部40の開きを規制し、内側に支持している長尺物の外れを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビル、工場、その他の建造物等において、吊りボルト等の棒状体に取り付けられて、ケーブル、金属管、可撓管等の長尺物を支持するための長尺物支持具において、棒状体に対する取り付け作業が容易で、且つ、外力による外れが起こりにくくするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、工場、その他の建造物等において、ケーブル、金属管、可撓管等の長尺物を配線、配管する際に、その建造物の梁に多数取り付けられている吊りボルトに対して支持具を取り付け、その支持具によって長尺物を支持させている。
【0003】
この種の支持具としては、作業を効率的に行えるように、吊りボルトに対する取り付けが容易に行える必要がある。
【0004】
吊りボルトに対して工具を用いることなく簡単な手作業で取り付けできる構造は従来から種々あるが、その主な一つの構造として、次の特許文献1のような構造のものが知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−348739号公報
【0006】
図17は、この特許文献1の支持具の構造を示す図である。
この図17に示しているように、支持具3の固定部4は、縦長矩形平板状の基部4aと、基部4aの一面側の上下に突設された2つのフック部4b、4cを有している。
【0007】
上側のフック部4bは、基部4aの長手方向(上下方向)に沿った軸線Lに対して、その一方の側方(図では左側方)から取り付け対象の吊りボルトの中間部を受け入れることができるように、左側部が開口された半円筒状に形成されている。
【0008】
また、下部のフック部4cは、上部のフック部4bに対して吊りボルトの外径以上離れた位置に設けられ、軸線Lに対してその他方の側方(図では右側方)から取り付け対象の吊りボルトの中間部を受け入れることができるように、右側部が開口された半円筒状に形成されている。
【0009】
2つのフック部4b、4cの内周は軸線Lと同心で、内径は取り付け対象の吊りボルトの外径より僅かに小さく設定されている。
【0010】
一方、基部4aの反対面側には、ケーブル等を支持するための支持部5が設けられている。この支持部5は、基部4aの反対面側に一面側を接する帯板状の基板5aと、基板5aの中央部に突設され、固定部4の基部4aの中央に設けられている軸孔4dに逆止的に挿着された軸5bと、基板5aの反対面側に平行に立設された複数の支持片5cとを有しており、固定部4に対して軸5bを中心に回動できるようになっている。
【0011】
このような構造の支持具3は、図18の(a)のように、吊りボルト1が上下2つのフック部4b、4cの間を通過し、その外周部が基部4aの一面側に当接するように押し当てて、所定方向(図18では反時計回り)に回転させると、フック部4b、4cの開口された側部に吊りボルト1がそれぞれ進入して、両フック部4b、4cを押し広げながらその内側に入り込んで、図18の(b)のように、吊りボルト1が両フック部4b、4cに内接する状態となる。
【0012】
これにより、支持具3は吊りボルト1に対して回転自在に取り付けられ、図19のように、支持部5を適当な向きとなるように設定してから、その複数の支持片5cの間にケーブル等の長尺物2を挿入して支持させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記したように、上下に離間し互いに逆向きの2つのフック部4b、4cと吊りボルト1との係合のみで吊りボルトに取り付けられる構造の支持具3では、支持されている長尺物2が、例えば図19の矢印A方向に引っ張られると、固定部4に対し取り付け時と逆方向の回転力が生じて、図20のように、吊りボルト1に対するフック部4b、4cの係合が解除されて、支持具3が脱落してしまうという問題があった。
【0014】
これを防ぐ方法として、両フック部4b、4cの弾性を小さくしたり、側部の開口幅を小さくすることが考えられるが、これでは、取り付け時に強い回転力が必要となり、取り付け作業が困難となる。
【0015】
この問題を解決するために、本願出願人は、特許文献2において、図21に示す長尺物支持具120を提案している。
【0016】
【特許文献2】特開2006−105194号公報
【0017】
この長尺物支持具120では、帯板状の基部121の一面側に略半円筒状で互いに開口方向が逆向きの第1の係合部122と第2の係合部123とが同軸に設けられ、さらに傾動片131と突起132とからなり吊りボルトに取り付ける際に内方に傾いて戻る第3の係合部130が設けられ、基部121の反対面側には環状に形成された長尺物支持部140が設けられている。
【0018】
この長尺物支持具120の第1〜第3の係合部122、123、130は、図22に示すように、吊りボルト1の外周の長さ方向の異なる3つの位置において互い違いの向きに係合するので、長尺物支持部140の内部に支持される長尺物2の引っ張り等による脱落が発生しない。
【0019】
ところが、この長尺物支持具120において、支持する長尺物2の総重量が大きい場合に環状の長尺物支持部140が長尺物の重量により開いてその先端の可撓部144と基部121との間に隙間が生じ、細い長尺物が振動などでその隙間から外れる場合があるということが判明した。
【0020】
本発明は、上記問題を解決し、支持する長尺物の重量が大きい場合であっても長尺物の外れが発生しない長尺物支持具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するために、本発明の長尺物支持具は、
基部と、
前記基部の一面側に突設され、取付対象の棒状体の長さ方向の異なる3つの位置に互い違いの方向から係合し、前記棒状体に対して回転が規制された状態で係止させる第1〜第3の係合部と、
前記基部の反対面の一端側から、該基部に対して離間する方向に延びて、該基部の反対面の他端側に近接する位置に戻るよう環状に形成され、且つその先端部に内側に弾性変形して前記基部の反対面と隙間から長尺物を受け入れる可撓部が設けられた長尺物支持部とを有する長尺物支持具において、
前記長尺物支持部の可撓部の先端と前記基部の反対面側との間を互いに逆止的に係合して、前記長尺物支持部の開きを防ぐロック機構とを設けたことを特徴としている。
【0022】
また、本発明の請求項2の長尺物支持具は、請求項1記載の長尺物支持具において、
前記ロック機構は、
前記長尺物支持部の可撓部の先端に該可撓部の長さ方向と直交する方向に延びるように形成された筒状のロック体と、
前記基部の反対面側で前記ロック体を逆止的に受け入れる溝状のロック受けとにより構成されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項3の長尺物支持具は、請求項2記載の長尺物支持具において、
前記ロック受けは、前記基部の長さ方向に沿って複数組形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
上記のように構成したため、本発明の長尺物支持具では、棒状体の長さ方向の異なる3つの位置に対して互い違いの方向から係合して、棒状体に対する支持具の係合が解除されないようにしているとともに、支持する長尺物の重量が大きい場合でも長尺物支持部が開かないように規制でき、振動などによる長尺物の外れを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態の長尺物支持具20(以下、単に支持具20と記す)の構造を示している。
【0026】
この支持具20は合成樹脂で一体成形されており、その基部21は縦長の帯状に形成されている。基部21の一面21a側には、取り付け対象の棒状体として前記した吊りボルトに係合するための第1の係合部22と第2の係合部23とが基部21の長手方向(図では縦方向)に離間した状態で突設されている。
【0027】
上部側の第1の係合部22は、取り付け対象の吊りボルトの外周形状(円筒形)に対応する内周形状を有し、基部21の一面21a側でその長手方向に沿った軸線L(仮想線)の一方の側方(図1において右側方)から吊りボルト1の中間部を受け入れてその吊りボルト1に外接係合する略半円筒形に形成されている。
【0028】
また、下部側の第2の係合部23は、第1の係合部22から少なくとも吊りボルト1の太さ以上離間した位置で軸線Lについて第1の係合部22と対称(逆向き)に形成されている。即ち、吊りボルト1の外周形状(円筒形)に対応する内周形状を有し、軸線Lの他方の側方(図1において左側方)から吊りボルト1の中間部を受け入れて外接係合する略半円筒形に形成されている。
【0029】
第1の係合部22と第2の係合部23の内周は軸線Lと同心で、その内周径は、吊りボルト1の外周径より僅かに小さく設定され、軸線Lを中心とする内周の中心角が180°を僅かに超えるように形成されている。
【0030】
また、第1の係合部22と第2の係合部23の内周壁22a、23aの奥側には、吊りボルトの外周に形成されているネジ溝に螺合するネジ山25、26がそれぞれ形成されている。
【0031】
基部21の第1の係合部22を挟んで第2の係合部23の反対側の端部、即ち、図1、2における基部21の上端部には、第3の係合部30が設けられている。
【0032】
第3の係合部30は、弾性変形しやすいように基部21より薄く形成され、基部21の上端部からほぼ同一幅で上方に延び、基部21の一面21a側からの力を受けて基部21の反対面21b側へ傾く傾動片31と、その傾動片31の一面31a側で軸線Lの一方の側方(図1では右側方)に突設された突起32とを有している。
【0033】
突起32の外壁面32aは、傾動片31からの高さが上方に向かう程(第1の係合部22から離れる程)高く、且つ内側に湾曲して凸曲面状に形成され、内壁面32bは傾動片31と直交するように形成されている。突起32の内壁面32bには、吊りボルトのネジ溝に螺合するネジ山33が形成されている。
【0034】
なお、傾動片31のうち、突起32によって厚さが増している部分の剛性は高く弾性変形しないため、突起32を介して受けた力による傾動の中心は基部21側の縁部近傍となり、この部分をヒンジ部として基部21の反対面21b側へ傾くことになる。
【0035】
一方、基部21の反対面21b側には、ケーブルや管などの長尺物を受け入れて支持するための長尺物支持部40が設けられている。
【0036】
長尺物支持部40は、基部21の反対面21bの一端側(下端側)から、基部21に対して離間する方向に延びて、基部21の反対面21bの他端側(上端側)に近接する位置に戻るように環状に形成され、且つ少なくともその先端部が内方へ弾性変形できるように形成されている。
【0037】
さらに詳述すれば、この実施形態の長尺物支持部40は、基部21とほぼ同一幅、同一厚さで基部21の反対面21bの下端よりやや上部の位置から斜め下方へ直線的に延びた傾斜片41と、傾斜片41の先端から折り返されて基部21の反対面21bの下端に連続して横向き3角筒状の高い剛性を有する補強部を形成する底片42と、傾斜片41の先端から基部21の反対面21bの上部に近い位置まで半円状に延びた半円筒片43と、半円筒片43より狭い幅で且つ薄く形成され、半円筒片43の先端中央から基部21の反対面21bの上部に漸近するように屈曲され、外側から力を受けて内方へ弾性変形する可撓部44とを有している。
【0038】
この可撓部44は、内方へ押されて弾性変形して基部21との隙間をひろげ、支持対象の長尺物の受け入れを容易にするとともに、外方へ押されて弾性変形して基部21との隙間を狭め、受け入れた長尺物の抜けを防ぐ。
【0039】
また、半円筒片43の外周中央には、受け入れた長尺物の重さによる半円筒片43の開きを防ぐための補強リブ45が底片42に連続するように形成されている。
【0040】
ただし、それぞれ軽量でも多数の長尺物を受け入れる場合や、少ない本数でも個々の重量が多い場合のように、支持する長尺物の総重量が大きくなると、この補強リブ45だけでは強度不足となり、半円筒片43が開き、その先端側の可撓部44と基部21との間の隙間が大きくなって、支持している長尺物が振動などでその隙間を抜けて、外れてしまう場合が生じる。
【0041】
これを防ぐために、実施形態の支持具20では、可撓部44の先端と基部21の反対面との間を互いに逆止的に係合して、長尺物支持部40の開きを防ぐロック機構を設けている。
【0042】
このロック機構の構造は任意であるが、実施形態では、可撓部44の先端に、可撓部44の厚さより大きい径を有し基部21の幅とほぼ等しい長さの円筒状のロック体51を設け、基部21の反対面側には、この円筒状のロック体51の径とほぼ等しい径を有する円筒溝状のロック受け52を設けている。このロック受け52の開口幅は、可撓部44の厚さより大で溝の直径より小となっている。
【0043】
したがって、このロック体51は、ロック受け52に対してその側方から挿入することができ、挿入された状態では、円筒の径方向へ移動できない状態、即ち、長尺物支持部40の開きが規制されたロック状態となる。
【0044】
次に、上記構成の支持具20の使用方法について説明する。
始めに、図4のように、支持具20を、取り付け対象の吊りボルト1の中間部が第1の係合部22と第2の係合部23の隙間を通過する状態まで基部21の一面21aに押し当てて、第1の係合部22と第2の係合部23の開口された側部が吊りボルト1の外周部に近づく方向(図4において反時計回り)に回動させる。
【0045】
この回動により、吊りボルト1が第1の係合部22と第2の係合部23を僅かに押し開くようにしてその内側へ入り込み、図5のように、吊りボルト1の外周が第3の係合部30の突起32の外周下端に当接する。
【0046】
支持具20をさらに回動すると、吊りボルト1の外周に接している突起32を介して傾動片31に基部21の反対面21b側への押圧力が生じ、この押圧力を受けた傾動片31が、基部21の反対面21b側へ傾く。
【0047】
前記したように突起32の高さは上方に向かう程高くなっているので、支持具20の回動につれて傾動片31の傾きも大きくなり、図6のように、突起32の上部先端が吊りボルト1の外周に当接したとき、その傾きが最大となる。
【0048】
そして、図6の状態から支持具20をさらに回動させると、図7、図8のように、吊りボルト1が第1の係合部22と第2の係合部23の内側に完全に入り込んだ状態となり、吊りボルト1は第3の係合部30の突起32の右側方位置まで達し、吊りボルト1の外周と突起32の先端との当接が解除される。
【0049】
このため、第3の係合部30に対する押圧力がなくなり、傾動片31は弾性復帰力により基部21の一面21a側へ回動して、基部21と面一の状態に復帰し、突起32の内壁面32bと吊りボルト1の外周面とがほぼ接した状態となる。
【0050】
この状態で支持具20は、吊りボルト1に対してその上下方向に沿った3カ所を互い違いの方向から挟んだ状態で係合し、吊りボルト1に対し基部21と平行な面内での回動が規制された状態で取り付けられたことになる。
【0051】
また、この取り付け状態において、第1の係合部22、第2の係合部23および第3の係合部30の各ネジ山25、26、33が、吊りボルト1のネジ溝(図示せず)に螺合する。
【0052】
したがって、この支持具20を、吊りボルト1を中心に回転させることで、取り付け高さ位置を調整することができる。
【0053】
このようにして支持具20を吊りボルト1に取り付けて高さ位置を調整した後、図9に示すように、ケーブルや配管等の支持対象の長尺物2を、長尺部支持部40の可撓部44の上から押し込むと、可撓部44が内方へ弾性変形し、基部21の反対面21bとの隙間が広がって長尺物2が長尺部支持部40の内側に案内され、その長尺物2が吊りボルト1と交差した状態に支持されることになる。
【0054】
ここで、支持される長尺物2が図10のように比較的少ない場合には、長尺部支持部40の開きがほとんど発生しないが、より多くの長尺物2を支持する場合には、図11のように、ロック体51をロック受け52に側方から挿着する。
【0055】
これにより、図12のように、多数の長尺物2を支持した状態であっても長尺部支持部40は開かない状態にロックされ、振動などがあっても長尺物2が外れる恐れはない。
【0056】
また、図13のように、長尺部支持部40に支持された長尺物2がその長手方向Aに引っ張られると、支持具20に対し、吊りボルト1に取り付ける際の回動方向と逆方向に回動させる力が加わるが、支持具20は、前記したように、吊りボルト1に対してその上下方向に沿った3カ所を互い違いの方向から係合して取り付けられているので、支持具20の吊りボルト1に対する係合が解除される恐れもない。
【0057】
なお、この支持具20を吊りボルト1から取り外す際には、第3の係合部30を基部21の反対面21b側に押して(あるいは引いて)、突起32の先端が基部21の一面21aから突出しない状態にして、吊りボルト1に対する第3の係合部30の係合状態を解除する。
【0058】
そして、この状態から支持具20を取り付け時と逆方向に回動させることにより、図6に示した状態とし、さらに回動して吊りボルト1と第1の係合部22および第2の係合部23との係合を解除して図5に示した状態にすれば、支持具20を吊りボルト1から離脱することができる。
【0059】
なお、上記実施形態の支持具20では、取り付け状態において基部21の上端側に第3の係合部30を設けていたが、3つの係合部の上下関係を逆にして、取り付け状態において基部21の下端側に第3の係合部30を設けてもよい。
【0060】
また、前記実施形態では、長尺物支持部40の開きを防止するためのロック機構として、可撓部44側に円筒状のロック体51を設け、基部21側にその円筒状のロック体51に逆止的に係合する円筒溝状のロック受け52を設けていたが、その形状は任意であり、例えば、ロック体51を3角、4角等の角筒状とし、ロック受け52もこれに合わせて角筒溝状に形成してもよい。また、図14に示すように、ロック体51を溝状にし、ロック受け52をその溝に逆止的に係合する筒状に形成してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、ロック体51に対してロック受け52を一つだけ用いていたが、図15に示すように、複数のロック体52を上下方向に設けて、長尺物支持部40による支持面の形状を変えられるようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態のロック機構は、ロック体51をロック受け52に対して側方から係合させる構造であったが、図16のように、筒状のロック体51を、弾性変形可能な状態で基部21の反対面側に円弧状に突設された左右1対のロック受け52A、52Bの内側に押し込んでロックし、長尺物支持部40の開きを防止する構造であってもよい。
【0063】
なお、ここでは、このロック受け52A、52Bの対を上下に2段に且つ上下方向に対称に設けて、長尺物支持部40の支持面の形状を変えられるようにしているが、同一向きで上下方向に並ぶように設けてもよい。また、上部側の上向きのロック受け52A、52Bだけの一段構造であってもよく、逆に下部側の下向きのロック受け52A、52Bだけの一段構造であってもよい。
【0064】
また、長尺物支持部40の全体構造についても上記実施例の構造に限定されるものではない。例えば、長尺物支持部40の全体の外形を上記のような円筒状から角筒状にしてもよく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態の斜視図
【図2】本発明の実施形態の左側面図
【図3】本発明の実施形態の右側面図
【図4】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図5】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図6】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図7】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図8】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図9】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図10】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図11】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図12】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図13】実施形態の支持具の使用方法を説明するための図
【図14】要部の変形例を示す図
【図15】要部の変形例を示す図
【図16】要部の変形例を示す図
【図17】従来の支持具の構造を示す図
【図18】従来の支持具の使用方法を説明するための図
【図19】従来の支持具の使用方法を説明するための図
【図20】従来の支持具に取り付け時と逆方向の力が加わったときの状態を示す図
【図21】棒状体に対する外れを防止した支持具の構造を示す図
【図22】図21の支持具の使用状態を示す図
【符号の説明】
【0066】
1……吊りボルト、2……長尺物、20……長尺物支持具、21……基部、22……第1の係合部、23……第2の係合部、25、26、33……ネジ山、30……第3の係合部、31……傾動片、32……突起、40……長尺物支持部、41……傾斜片、42……底片、43……半円筒片、44……可撓部、45……補強リブ、51……ロック体、52……ロック受け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部の一面側に突設され、取付対象の棒状体の長さ方向の異なる3つの位置に互い違いの方向から係合し、前記棒状体に対して回転が規制された状態で係止させる第1〜第3の係合部と、
前記基部の反対面の一端側から、該基部に対して離間する方向に延びて、該基部の反対面の他端側に近接する位置に戻るよう環状に形成され、且つその先端部に内側に弾性変形して前記基部の反対面と隙間から長尺物を受け入れる可撓部が設けられた長尺物支持部とを有する長尺物支持具において、
前記長尺物支持部の可撓部の先端と前記基部の反対面側との間を互いに逆止的に係合して、前記長尺物支持部の開きを防ぐロック機構とを設けたことを特徴とする長尺物支持具。
【請求項2】
前記ロック機構は、
前記長尺物支持部の可撓部の先端に該可撓部の長さ方向と直交する方向に延びるように形成された筒状のロック体と、
前記基部の反対面側で前記ロック体を逆止的に受け入れる溝状のロック受けとにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の長尺物支持具。
【請求項3】
前記ロック受けは、前記基部の長さ方向に沿って複数組形成されていることを特徴とする請求項2記載の長尺物支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−32096(P2008−32096A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205392(P2006−205392)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000136686)株式会社ブレスト工業研究所 (74)
【Fターム(参考)】