説明

開口部装置と外壁材の間の目地工法

【課題】開口部装置と外壁材との隙間を埋めるための新規な目地工法を提案する。
【解決手段】開口部装置1と外壁材2Aの間の目地工法であって、前記開口部装置1の枠10の少なくとも二箇所に端部ベース部材としての角部端部ベース部材20A・20Bが配置され、前記両角部端部ベース部材20A・20Bの間に前記枠10に沿って中間部ベース部材30が配置され、前記角部端部ベース部材20A・20B及び前記中間部ベース部材30と外壁材2Aの間の隙間部5には目地材としてのシーリング材50が配置され、前記角部端部ベース部材20A・20B、前記中間部ベース部材30、及び、前記シーリング材50を覆うように化粧部材としての角部化粧部材70と中間部化粧部材60が配置される、こととするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシやドアなどの開口部装置と外壁材の間の隙間を埋めるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部に設けられたサッシ(窓)やドアなどの開口部装置と、それを取り囲むようにして配置される外壁材の間においては、両者の間に形成される隙間からの水の浸入を防ぐために、隙間の内部に半液状の目地材として構成されるシーリング材を充填するいわゆる湿式目地工法が知られている。
【0003】
また、予め成形された目地材として構成されるパッキン材を、開口部装置の枠と外壁材の間の隙間に挿入する乾式目地工法も知られている。特許文献1においては、目地役物などの乾式目地材を使用した乾式目地工法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3958873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
湿式目地工法については、施工後におけるシーリング材の経年変化によって、色褪せ、汚れの付着、ヒビ割れなどが発生することが生じ得るため、外観意匠の美観が損なわれることが懸念される。なお、ヒビ割れといった耐候性については、シーリング材への紫外線照射量が大きく影響するものと考えられている。
【0006】
一方で、乾式目地工法については、乾式目地材は工場などにて生産される既成部材であるため、その耐候性は、施工現場で充填されるシーリング材と比較して高く確保しやすいものといえる。しかしながら、特に開口部回りに設置する外壁材については、切断加工によってその幅寸法などを現場で調整することが一般的に行われるため、切断端部と開口部装置の間に形成される隙間の幅にばらつきが生じやすく、ある箇所では広い隙間が形成され、ある箇所では狭い隙間が形成されることとなって、外観意匠の美観が損なわれることが懸念される。
【0007】
そこで、本発明は、以上の問題に鑑み、開口部装置と外壁材との隙間を埋めるための新規な目地工法を提案するものである。
【0008】
さらに、広い隙間や狭い隙間が形成された状況で、乾式目地材を隙間に挿入した場合には、乾式目地材の箇所によって圧縮のばらつきが発生し、均一な止水性を確保することが困難となる。特に、図14に示すごとく、外壁材92A・92Bの継ぎ目箇所93において、切断加工によって段差が生じている場合においては、ピンホール(孔)ができやすい状況となり、この箇所からの水の浸入が発生することが懸念される。
【0009】
また、図14に示されるように開口部装置90の角部91が直角に構成されるものがほとんどであるが、この角部91における止水性の確保はその他の直線部と比較して困難となる。つまり、長尺の乾式目地材94を使用する場合には、角部91の隙間に折り曲げて挿入することや、若しくは、角部91において端部94a・94bを突き合わせることなどが必要となり、この箇所においてピンホール(孔)が形成されてしまうことが懸念される。なお、特許文献1においては、縦枠や横枠における直線部分への適用について具体的に開示はされているが、角部についての具体的な構成については開示されていない。
【0010】
また、乾式目地工法は、湿式目地工法と比較して使用する部品点数が多くなることが考えられるため、施工現場における施工管理負担が大きくなることが懸念される。仮に、施工マニュアルを作成した場合であっても、手順に則らずに作業をしてしまう場合や、部品の付け忘れなども発生してしまい、施工不良が発生してしまうことも懸念される。また、施工マニュアルの作成の手間や、教育・訓練なども必要となってしまう。
【0011】
そこで、本発明は、以上の問題にも鑑みた新規な目地工法についても提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0013】
即ち、請求項1に記載のごとく、
開口部装置と外壁材の間の目地工法であって、
前記開口部装置の枠の少なくとも二箇所に端部ベース部材が配置され、
前記両端部ベース部材の間に前記枠に沿って中間部ベース部材が配置され、
前記端部ベース部材及び前記中間部ベース部材と外壁材の間の隙間部には目地材が配置され、
前記端部ベース部材、前記中間部ベース部材、及び、前記目地材を覆うように化粧部材が配置される、こととするものである。
【0014】
また、請求項2に記載のごとく、
前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材は、前記開口部装置の枠に別体で設けられ、
躯体側に留めつけられた状態の開口部装置の枠に沿って、前記端部ベース部材を配置し、
前記両端部ベース部材の間のスペースに前記中間部ベース部材を配置し、
前記隙間部に目地材を配置し、
前記端部ベース部材、前記中間部ベース部材、及び、前記目地材を覆うように前記化粧部材が配置する、
手順により施工される、こととするものである。
【0015】
また、請求項3に記載のごとく、
前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材には、前記開口部装置の枠との間に挟装される枠側パッキン材が設けられる、こととするものである。
【0016】
また、請求項4に記載のごとく、
前記開口部装置の枠と、前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材の間にそれぞれ設けられる前記枠側パッキン材の境界部には、前記境界部における隙間の形成を防ぐための境界部パッキン材が設けられ、前記境界部パッキン材は、前記端部ベース部材の箇所に配置されるベースカバー部材に設けられる、こととするものである。
【0017】
また、請求項5に記載のごとく、
前記二つの端部ベース部材の少なくとも一方は、開口部装置の枠の角部に配置される、こととするものである。
【0018】
また、請求項6に記載のごとく、
前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材は、前記開口部装置の枠に一体的に設けられている、こととしてもよい。
【0019】
また、請求項7に記載のごとく、
前記目地材は、半液状のシーリング材である、こととするものである。
【0020】
また、請求項8に記載のごとく、
前記目地材は、予め成形されたパッキン材とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0022】
即ち、請求項1に記載の発明においては、
化粧部材により目地材を覆い隠すことができ、開口部装置と外壁材の間での外観意匠の美観を確保することが可能となる。
【0023】
また、請求項2に記載の発明においては、
各部材を使用することで施工が完了されることとなり、施工マニュアルの作成などの手間も省けることとなる。つまり、仮に手順を間違えた際には、部材が未使用の状態となるため、手順の間違えに気づかせることが可能となり、このことによって施工不良の発生を防ぐことが可能となる。
【0024】
また、請求項3に記載の発明においては、
開口部装置の枠と、前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材の間の止水性を確保することが可能となる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明においては、
境界部における隙間の発生を抑制することができ、開口部装置の枠と、各部材の間の止水性をより確実なものとすることができる。
【0026】
また、請求項5に記載の発明においては、
開口部装置の角部における止水性を確保することが可能となる。
【0027】
また、請求項6に記載の発明においては、
施工現場においては、目地材の設置と、化粧部材の取り付けの作業のみで作業を完了することができる。
【0028】
また、請求項7に記載の発明においては、
化粧部材によりシーリング材への紫外線照射を防ぐことが可能となり、シーリング材の劣化が防止できる構成となる。
【0029】
また、請求項8に記載の発明においては、
パッキン材の耐候性を発揮させた上での止水性を確保することができる。また、施工現場において半液状のシーリング材の充填作業が不要となり、短時間での施工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の目地工法の手順の一実施形態について示す図。
【図2】角部端部ベース部材の構成について示す図。
【図3】中間部ベース部材の構成について示す図。
【図4】中間部ベース部材等の納まりについて示す断面図。
【図5】ベースカバー部材の取り付けについて示す図。
【図6】ベースカバー部材の構成について示す図。
【図7】中間部化粧部材、角部化粧部材の取り付けについて示す図。
【図8】中間部化粧部材の構成について示す図。
【図9】角部化粧部材の構成について示す図。
【図10】角部端部ベース部材の留め付けの手順について示す図。
【図11】実施例2の目地工法の構成について示す断面図。
【図12】実施例3の目地工法を適用する例について示す図。
【図13】実施例3の目地工法において使用される部材について示す図。
【図14】従来の乾式目地材を用いた乾式目地工法の例について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
なお、説明中において、図面を参照した際の便宜のため、紙面右側を「右」、紙面左側を「左」、紙面上側を「上」、紙面下側を「下」とするが、これらの位置を特定するための用語は、具体的な構造を限定するためのものではない。
【0032】
図1は、本発明に係る目地工法における施工手順の概要について示すものである。
この施工手順の概要について上列左から順に説明すると、まず、図示せぬ躯体側に開口部装置1の枠10が取り付けられた状態となっている。この枠10は方形状に構成されており、各角部11A・11Bにおいて、それぞれ角部端部ベース部材20A・20Bが押し当てられ、この角部端部ベース部材20A・20Bが躯体側に固定される。次に、各角部端部ベース部材20A・20Bの間の領域を塞ぐように、かつ、枠10に対して押し当てるようにして、中間部ベース部材30・30が躯体側に固定される。次に、各角部端部ベース部材20A・20Bの表面にベースカバー部材40が取り付けられる。
【0033】
次に、図1の下列左から順に示されるように、まず、開口部装置1の枠10の右下側を囲むように外壁材2Cが図示せぬ躯体側に留めつけられ、順次、上方に向けて外壁材2B・2Aが留めつけられる。次に、開口部装置1を外壁材2A・2B・2Cで囲むようにした状態で、ベースカバー部材40及び中間部ベース部材30と、各外壁材2A・2B・2Cの間に形成される溝状の隙間部について半液状のシーリング材50が充填される。次に、枠10の直線部と外壁材2A・2B・2Cの境界部分を上から覆うようにして、中間部化粧部材60が中間部ベース部材30に取り付けられる。最後に、枠10の角部11Aとなる位置において、角部化粧部材70がベースカバー部材40に取り付けられて施工作業が完了する。
【0034】
以下、各部材の構成について実施例を用いて詳細に説明する。なお、各実施例において、共通の機能を発揮するものは、同一の名称により説明をするものとする。
【実施例1】
【0035】
まず、図2に示す角部端部ベース部材20Aの構成について説明する。
角部端部ベース部材20Aは、樹脂成形などによって平面視略L字状に構成される。L字を構成する互いに直行する辺部分21a・21bには、それぞれ、上下方向に長孔22a・22bが形設されており、各長孔22a・22bは、辺部分21a・21bの長手方向に長い形状となっている。また、各辺部分21a・21bの端部には、高さを一段低くするようにして端部表面23a・23bが形設されている。また、辺部分21a・21bの内側(辺部分21a・21bに挟まれる側)の部位には、角部端部ベース部材20Aの上側面から上方に突出する平面視略L字状の壁部25が形成され、この壁部25の内側に壁面25aが形設される。
【0036】
また、図2に示すごとく、連続する壁部25の両端部は、高さを一段低くするようにして端部表面26a・26bが形設されている。また、略L字状の壁部25の両端部の位置において、板状の舌片部28a・28bが内側に突設されている。
【0037】
また、図2に示すごとく、角部端部ベース部材20Aの壁部25の外側であって、端部表面23a・23bを除く部位には、辺部分21a・21bの表面を覆うように外壁裏パッキン材P1が貼設されている。また、壁部25の内側であって、その両端部が二つの舌片部28a・28bに載りかかるようにして、枠側パッキン材P2が壁面25aに対して隙間なく貼設されている。各パッキン材P1・P2は、いずれも平面視略L字に構成されている。また、舌片部28a・28bは、壁面25aから内側へ突出幅H1だけ突出されおり、枠側パッキン材P2は舌片部28a・28bから突出幅H3だけ突出されるようになっている。
【0038】
また、図2に示すごとく、角部端部ベース部材20Aの辺部分21aの端部に形成される端部表面23aと、壁部25の端部に形成される端部表面26aと、舌片部28aの上表面28cには、これらの各表面の形状に沿うようにして接続部パッキン材P3が貼設されている。辺部分21bの端部においても同様にして接続部パッキン材P3が貼設されている。
【0039】
以上のようにしてパッキン材P1・P2・P3が貼設された角部端部ベース部材20Aが構成され、各パッキン材P1・P2・P3が貼設された状態で、施工現場に提供されることとしている。
【0040】
次に、図3に示す中間部ベース部材30の構成について説明する。
中間部ベース部材30は、アルミなどを押し出し成型、又は、金属板材を板金加工した長尺の部材であって、施工現場において、開口部装置の枠の長さ寸法に対応するように、切断加工などによる調整が適宜行われる。
【0041】
また、図3及び図4に示すごとく、中間部ベース部材30は、開口部装置の枠10の壁面に近い側に配置されることになる枠側設置面部31と、外壁材2Aの裏側に配置されることになる外壁材側設置面部32を有しており、両設置面部31・32は、略同一の高さに設定され、スペーサー材3の表面に当接するようになっている。また、中間部ベース部材30は、外壁材側設置面部32の部位においてスペーサー材3を介してビス4にて躯体側に留め付けられる。
【0042】
また、図3及び図4に示すごとく、中間部ベース部材30において、枠側設置面部31の右端部から上方に向けて枠側縦壁部33が形成される。また、この枠側縦壁部33の外壁材2A側には、枠側縦壁部33と対向するように外壁材側縦壁部34が形設される。また、枠側縦壁部33と外壁材側縦壁部34の間を結ぶように第一の水平部35が形成される。また、外壁材側縦壁部34の下端から右側に向かって第二の水平部36が形成される。また、この第二の水平部36の右端部と外壁材側設置面部32の左端部を連続させるように、下側縦壁部37が形成されている。
【0043】
また、図3に示すごとく、枠側縦壁部33と外壁材側縦壁部34の上端部には、中間部化粧部材60の係合片部61a・61bの突条部62a・62b(図8参照)に係合するための突条部33a・34aが設けられている。これにより、図4に示すごとく、中間部化粧部材60の係合片62a・62bが枠側縦壁部33と外壁材側縦壁部34の間に嵌入された後において、突条部62a・62b(図8)と突条部33a・34a(図3)が係合することによって、中間部化粧部材60の脱落を防止できるようになっている。
【0044】
また、図3及び図4に示すごとく、枠側設置面部31と枠側縦壁部33に接するように、断面方形の棒状の枠側パッキン材P4が貼設されている。また、枠側設置面部31は、枠側縦壁部33から左側へ突出幅H2だけ突出されおり、枠側パッキン材P4は枠側設置面部31から突出幅H4だけ突出されるようになっている。
【0045】
また、図5に示すごとく、枠側パッキン材P4は、その端面が角部端部ベース部材20Aの枠側パッキン材P2の端面に当接し得る構成となっており、両枠側パッキン材P2・P4によって連続した一連のパッキン材が構成されるようになっている。
【0046】
また、図3及び図4に示すごとく、外壁材側設置面部32の右端部の上面には、断面方形の棒状の外壁裏パッキン材P5が貼設されている。この外壁裏パッキン材P5は、上側から外壁材2Aが押し付けられることで圧縮し、スペーサー材3と外壁材2Aの間の止水性が確保されるようになっている。
【0047】
また、図4に示すごとく、外壁材2Aと外壁材側縦壁部34と第二の水平部36で囲まれて、溝状に形成される隙間部5には、シーリング材50が充填される。なお、隙間部5の幅は、シーリング材50のはみ出しが抑えやすく、外壁材2A表面の養生テープなどによるマスキングの作業を省いて仕上げを容易に可能とする観点から、5mm程度の幅に設定することが好ましい。
【0048】
また、図4に示す隙間部5の目地幅の5mmの設定について、シーリング材50を用いた通常の湿式目地の場合では、一般的に目地幅を10mm以上とすることが要求されることになるが、本実施例では、このシーリング材50は中間部ベース部材30による乾式目地を形成した上での補強的なものであるため、一般的な湿式目地において要求される目地幅を確保する必要がない。
【0049】
また、図5に示すごとく、中間部ベース部材30の長手方向の端部30Aは、角部端部ベース部材20Aの接続部パッキン材P3の部位に覆い被せられるようになっており、これにより、角部端部ベース部材20Aの表側の面(表面23a・26a、舌片部28aの表面)と、中間部ベース部材30の裏側の面との間の隙間が、接続部パッキン材P3によって塞がれるようになっている。中間部ベース部材30の端部30Aが、角部端部ベース部材20Aの接続部パッキン材P3の部位に隙間無く覆い被せられるようにするために、角部端部ベース部材20Aの接続部パッキン材P3の表側に形成される凹凸形状が、図3に示す中間部ベース部材30の断面裏側に形成される凹凸形状に沿うような形状とすることが好ましい。
【0050】
次に、図5及び図6に示すベースカバー部材40の構成について説明する。
ベースカバー部材40は、角部端部ベース部材20Aに中間部ベース部材30を取り付けた後に、角部端部ベース部材20Aの部位に上側から取り付けられるものである。ベースカバー部材40は、角部端部ベース部材20Aと同様に、樹脂成形などによって平面視略L字状に構成される。L字を構成する互いに直行する辺部分41a・41bの裏側には、裏面用パッキン材P41が貼設されている。また、辺部分41a・41bの端部46a・46bには、辺部分21a・21bの長手方向に切り込まれるようにして、上下方向に貫通する係合溝部42a・42bが形成されている。この係合溝部42a・42bには、中間部ベース部材30の枠側縦壁部33の端部が挿入され得る配置となっており、この枠側縦壁部33を係合溝部42a・42bに挿入することで、ベースカバー部材40の位置決めが行えるようになっている。
【0051】
また、図6に示すごとく、辺部分41a・41bの端部46a・46bの幅は、中間部ベース部材30の枠側縦壁部33と外壁材側縦壁部34の間に形設される溝部38に対し嵌着される幅となっており、枠側縦壁部33が係合溝部42a・42bに挿入された状態で、ベースカバー部材40をさらに押し込むことにより、ベースカバー部材40の端部46a・46bが中間部ベース部材30・30に対して嵌着されるようになっている。
【0052】
また、図5及び図6に示すごとく、ベースカバー部材40の辺部分41a・41bの端部の裏側において、係合溝部42a・42bよりも開口部装置の枠10に近い側となる位置には、棒状の凸部43a・43bが突設されている。また、この凸部43a・43bを取り囲むように、それぞれ境界部パッキン材P6・P6が取り付けられている。また、この凸部43a・43bと境界部パッキン材P6・P6は、枠側パッキン材P2・P4の境界部Kの位置に配置され得るようになっており、ベースカバー部材40を角部端部ベース部材20Aに取り付けた状態においては、境界部パッキン材P6が枠側パッキン材P2・P4の間に挟装され得るようになっている。
【0053】
これにより、図5に示すごとく、枠側パッキン材P2・P4の境界部Kに隙間が形成されるような場合においても、この隙間を境界部パッキン材P6によって埋めることが可能となり、これらのパッキン材P2・P4・P6によって隙間のない連続した一連のパッキン材を確実に形成することが可能となる。特に、中間部ベース部材30は施工現場で切断加工によって長さ調整が行われることが想定され、これによって枠側パッキン材P4の切断部の形状にばらつきが生じることが想定されることから、境界部パッキン材P6を境界部Kに挟装させることは、連続した一連のパッキン材を形成する上で有効なものとなる。
【0054】
また、図5及び図7に示すごとく、ベースカバー部材40の辺部分41a・41bにおいて、係合溝部42a・42bよりも外壁材2A側に近い側には、平面視略L字状の縦壁部44a・44bが立設されている。この縦壁部44a・44bと外壁材2Aの間に形成される隙間部5について、シーリング材50が充填される。なお、この縦壁部44a・44bは、ベースカバー部材40に設ける代わりに、角部端部ベース部材20Aに設けられる構成としてもよい。
【0055】
また、図5及び図6に示すごとく、L字状のベースカバー部材40の角部には、辺部分41a・41bに対して平面視略45度となる斜め方向に、化粧部材取付部45が立設される。この化粧部材取付部45の上部には、間に溝45cが形設される係合辺部45a・45bが設けられており、この係合辺部45a・45bを挟み込むようにスライド移動させることで、角部化粧部材70が嵌着され得るようになっている。
【0056】
次に、図8に示す中間部化粧部材60の構成ついて説明する。
中間部化粧部材60は、長尺の板状部材であって、板面部62の裏面側において、二列の係合片部61a・61bが長手方向に突設される構成としている。また、図3、図4、図8に示すごとく、この係合片部61a・61bは、中間部ベース部材30の枠側縦壁部33と外壁材側縦壁部34の間に挿入されるとともに、係合片部61a・61bの側面に形設された突条部62a・62bが突条部33a・34aの下方まで移動される。このようにして、中間部化粧部材60が中間部ベース部材30に嵌着される。
【0057】
また、図4に示すごとく、中間部化粧部材60の板面部62は、中間部ベース部材30に嵌着された状態において、左側端部が中間部ベース部材30の枠側縦壁部33よりも枠側に突出し、右側端部が外壁材2Aの外装面端部に覆い被さるように突出することとしている。これにより、枠側パッキン材P4と、シーリング材50が中間部化粧部材60によって覆い隠されることとなっている。特に、シーリング材50については、中間部化粧部材60によって完全に隠されることとすることで、シーリング材50が外壁材2Aの外装面にはみ出している場合には、このはみ出したシーリング材50を覆い隠すことができ、仕上げ作業の簡略化を図れることができる。
【0058】
また、図4に示すごとく、中間部化粧部材60によってシーリング材50への紫外線照射を防ぐことが可能となり、紫外線が照射されることに伴って発生するヒビ割れなどの劣化を防止することができる。
【0059】
また、図7に示すごとく、中間部化粧部材60において、ベースカバー部材40に被される側の端部63は、ベースカバー部材40の化粧部材取付部45の側面に沿うように、長手方向に対して略45度に切断され、中間部化粧部材60が中間部ベース部材30に嵌着された状態で、中間部化粧部材60・60の間から化粧部材取付部45が上方に突出するようになっている。
【0060】
次に、図9に示す角部化粧部材70について説明する。
この角部化粧部材70は、施工の最後の工程において、図7に示すごとく、ベースカバー部材40の化粧部材取付部45に嵌着され、中間部化粧部材60・60と化粧部材取付部45の境界部分を上側から覆い隠すものである。
【0061】
また、図9に示すごとく、角部化粧部材70は長手方向の一端70aがL字状に切り欠かれ、他端70bが矢印の先端状に構成される部材であり、裏面には化粧部材取付部45の係合辺部45a・45bを挟み込むための溝部71が形設されている。この溝部71は一端側が開放され、他端側が閉鎖されており、溝部71の開放側から係合辺部45a・45bを挿入してスライドさせた後、閉鎖側に係合辺部45a・45bが突き当たることで、角部化粧部材70の化粧部材取付部45に対する嵌着を完了されるようになっている。そして、角部化粧部材70が嵌着された状態では、この角部化粧部材70の表面72と、中間部化粧部材60の板面部62の表面62aによって、図1に示すごとく、外壁材2A・2B・2Cと開口部装置1の枠10の間の隙間が覆い隠されるようになっている。
【0062】
次に、以上の構成の各部材を使用した施工手順について詳細に説明する。
図1の上列左から順に説明すると、まず、図示せぬ躯体側に開口部装置1の枠10が取り付けられた状態となっている。この枠10は方形状に構成されており、各角部11A・11Bにおいて、それぞれ角部端部ベース部材20A・20Bが押し当てられ、この角部端部ベース部材20A・20Bが躯体側に固定される。
【0063】
ここで、図10(a)に示すごとく、角部11Aにおける角部端部ベース部材20Aの固定について、まずは、矢印F1の方向に角部端部ベース部材20Aを開口部装置の枠10に対して押し付けた状態とし、外壁裏パッキン材P1の端を一時的に剥がし、長孔22bを通して固定具29bを躯体側に仮に固定する。これにより、図において矢印Y方向における角部端部ベース部材20Aの位置決めが行われる。
【0064】
また、図10(b)に示すごとく、矢印F2の方向に角部端部ベース部材20Aを枠10に対して押し付けた状態とし、外壁裏パッキン材P1の端を一時的に剥がし、長孔22aを通して固定具29aを躯体側に仮に固定する。ここでの矢印F2方向の角部端部ベース部材20Aの押し付けは、仮に留め付けられた固定具29bが長孔22bを移動することで可能となる。
【0065】
そして、固定具29aを完全に固定することで、図において矢印X方向における角部端部ベース部材20Aの位置決め固定が行われ、最後に固定具29bを完全に固定することで、角部端部ベース部材20Aの留め付けが完了する。なお、一時的に剥がされた外壁裏パッキン材P1の部位は、その裏面の接着面によって元の貼設された状態に戻される。
【0066】
また、角部端部ベース部材20Aが止め付けられた状態では、枠側パッキン材P2が圧縮されることで、枠10と角部端部ベース部材20Aの間の止水性が確保される。この際、舌片部28a・28bが枠10に当接してストップすることで、枠側パッキン材P2はその突出幅H3(図2参照)の分だけ圧縮することになる。これにより、枠側パッキン材P2の圧縮量は一定の値となって、施工によるばらつきの発生が抑えられることとなる。
【0067】
次に、図1に示すごとく、角部端部ベース部材20A・20Bの間のスペースに対し、中間部ベース部材30が取り付けられる。中間部ベース部材30の長さは、スペースの寸法に合うように切断加工によって適宜調整される。
【0068】
また、この中間部ベース部材30は、図4に示すごとく、枠10の側面に対して押し付けることで、枠側設置面部31が枠10の側面10aに当接した状態とし、スペーサー材3の上面に対しビス4にて固定される。
【0069】
また、図4に示すごとく、中間部ベース部材30が止め付けられた状態では、枠側パッキン材P4が圧縮されることで、枠10と中間部ベース部材30間の止水性が確保される。この際、枠側設置面部31が枠10に当接してストップすることで、枠側パッキン材P4はその突出幅H4(図3参照)の分だけ圧縮することになる。これにより、枠側パッキン材P4の圧縮量は一定の値となって、施工によるばらつきの発生が抑えられることとなる。
【0070】
また、図5に示すごとく、中間部ベース部材30の端部30Aは、角部端部ベース部材20Aの接続部パッキン材P3の部位に覆い被せられ、角部端部ベース部材20Aの表側の面(表面23a・26a、舌片部28aの表面)と、中間部ベース部材30の裏側の面との間の隙間が、接続部パッキン材P3によって塞がれる。
【0071】
次に、図1に示すごとく、角部端部ベース部材20Aの部位にベースカバー部材40が取り付けられる。図5に示すごとく、ベースカバー部材40の境界部パッキン材P6は、枠側パッキン材P2・P4の間の境界部Kに挿入されることで、この境界部Kの隙間の形成が抑制される。また、枠側縦壁部33を係合溝部42a・42bに挿入させるようにしてベースカバー部材40の位置決めが行われるとともに、辺部分41a・41bの端部46a・46bが、溝部38・38が嵌入されることで、ベースカバー部材40が中間部ベース部材30・30にて嵌着される。
【0072】
次に、図1の下列左端に示されるように、開口部装置1を取り囲むように、躯体側に対し外壁材2A・2B・2Cが留め付け金具7により留め付けられる。そして、図7に示す中間部ベース部材30の外壁材側縦壁部34と外壁材2Aの端面2mの間、及び、ベースカバー部材40の縦壁部44a・44bと外壁材2Aの端面2mの間、に形成される一連の隙間部5に対し、シーリング材50が充填される。
【0073】
次に、図1に示すごとく、中間部化粧部材60が取り付けられる。また、図7に示すごとく、この中間部化粧部材60の端部63・63は、化粧部材取付部45の側面に沿うように、長手方向に対して略45度に切断され、中間部化粧部材60が中間部ベース部材30に嵌着された状態で、中間部化粧部材60・60の間から化粧部材取付部45が上方に突出される。
【0074】
次に、図1及び図7に示すごとく、角部化粧部材70がベースカバー部材40の化粧部材取付部45に嵌着され、中間部化粧部材60・60と化粧部材取付部45の境界部分が上側から覆い隠されることで施工が完了する。
【0075】
以上の実施例のようにして、本発明を実施することが可能となる。
即ち、図1及び図4に示すごとく、開口部装置1と外壁材2Aの間の目地工法であって、前記開口部装置1の枠10の少なくとも二箇所に端部ベース部材としての角部端部ベース部材20A・20Bが配置され、前記両角部端部ベース部材20A・20Bの間に前記枠10に沿って中間部ベース部材30が配置され、前記角部端部ベース部材20A・20B及び前記中間部ベース部材30と外壁材2Aの間の隙間部5には目地材としてのシーリング材50が配置され、前記角部端部ベース部材20A・20B、前記中間部ベース部材30、及び、前記シーリング材50を覆うように化粧部材としての角部化粧部材70と中間部化粧部材60が配置される、こととするものである。
【0076】
この構成により、化粧部材により目地材を覆い隠すことができ、開口部装置1と外壁材2Aの間での外観意匠の美観を確保することが可能となる。
【0077】
また、図4に示すごとく、前記目地材は半液状のシーリング材50である、こととするものである。
【0078】
この構成により、化粧部材によりシーリング材50への紫外線照射を防ぐことが可能となり、シーリング材50の劣化が防止できる構成となる。
【0079】
また、前記角部端部ベース部材20A・20B、及び、中間部ベース部材30は、前記開口部装置1の枠10に別体で設けられ、
躯体側に留めつけられた状態の開口部装置1の枠10に沿って、前記角部端部ベース部材20A・20Bを配置し、
前記両角部端部ベース部材20A・20Bの間のスペースに前記中間部ベース部材30を配置し、
前記隙間部5に目地材を配置し、
前記角部端部ベース部材20A・20B、前記中間部ベース部材30、及び、前記シーリング材50を覆うように前記化粧部材を配置する、
手順により施工される、こととするものである。
【0080】
このような手順を踏んで施工がなされる構成によれば、各部材を使用することで施工が完了されることとなり、施工マニュアルの作成などの手間も省けることとなる。つまり、仮に手順を間違えた際には、部材が未使用の状態となるため、手順の間違えに気づかせることが可能となり、このことによって施工不良の発生を防ぐことが可能となる。
【0081】
また、図7に示すごとく、前記角部端部ベース部材20A・20B、及び、中間部ベース部材30には、前記開口部装置1の枠10との間に挟装される枠側パッキン材P2・P4が設けられる、こととするものである。
【0082】
これにより、開口部装置1の枠10と、前記角部端部ベース部材20A・20B、及び、中間部ベース部材30の間の止水性を確保することが可能となる。
【0083】
また、前記開口部装置1の枠10と、前記角部端部ベース部材20A・20B、及び、中間部ベース部材30の間にそれぞれ設けられる枠側パッキン材P2・P4の境界部Kには、前記境界部Kにおける隙間の形成を防ぐための境界部パッキン材P6が設けられ、前記境界部パッキン材P6は、前記角部端部ベース部材20A・20Bの箇所に配置されるベースカバー部材40に設けられる、こととするものである。
【0084】
これにより、境界部Kにおける隙間の発生を抑制することができ、開口部装置1の枠10と、各部材の間の止水性をより確実なものとすることができる。
【0085】
また、前記角部端部ベース部材20A・20B、及び、中間部ベース部材30は、前記開口部装置1の枠10に一体的に設けられている、こととしてもよい。
【0086】
この構成により、施工現場においては、目地材の設置と、化粧部材の取り付けの作業のみで作業を完了することができる。
【0087】
また、図1に示すごとく、前記二つの端部ベース部材は(後述する実施例3では一方の端部ベース部材のみ)、開口部装置1の枠10の角部11A・11Bに配置されることとするものである。
【0088】
この構成により、開口部装置1の角部における止水性を確保することが可能となる。
【実施例2】
【0089】
次に、図11に示す実施例2について説明する。
本実施例2では、実施例1において図4に示されるシーリング材50を充填して隙間部5の止水性を確保するところを、中間部ベース部材30の外壁材側縦壁部34と第二の水平部36の箇所に予め外壁材側パッキン材P20が貼設されることで、外壁材側パッキン材P20によって隙間部5の止水性を確保することとするものである。
【0090】
この形態によれば、施工現場でのシーリング材50の充填作業を省略する形態が可能となる。なお、この場合、図5に示されるベースカバー部材40の縦壁部44a・44bについても、同様に、外壁材にパッキン材が予め貼設される構成となる。
【0091】
また、図11の実施例2では、実施例1の外壁材2A(図4)と比較して厚さが薄い外壁材2Uを用いる形態としており、この場合において、中間部化粧部材60Aの外壁材2U側の端部が外壁材2U側に折り曲げられる傾斜面部62bを形設することで、外壁材2Uと中間部化粧部材60Aの板面部62Aの間に形設される隙間の開口を小さくすることが好ましい。
【0092】
以上のように、実施例2では、目地材は予め成形された外壁材側パッキン材P20とするものである。
【0093】
これにより、外壁材側パッキン材P20の耐候性を発揮させた上での止水性を確保することができる。また、施工現場において半液状のシーリング材50の充填作業が不要となり、短時間での施工が可能となる。なお、本明細書中のパッキン材については、例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)などからなる市販の素材を使用することができる。また、シーリング材については、外壁の目地を埋めるものとして広く知られている市販のものを使用することができる。
【実施例3】
【0094】
次に、図12に示すごとく、開口部装置100の縦方向の中間部中途部101Aにおいて、枠110と外壁材102Aの目地形成を終端させる実施例3について説明する。図12の例では、開口部装置100の枠110の下部が、防水用の立上げ壁部200内に納められており、中間部中途部101Aにおいて、枠110と外壁材102Aの間の目地形成が終端する構成となるものであって、実施例1で説明した角部端部ベース部材20A(図2参照)と似た機能を有する端部ベース部材120を使用することで、目地の終端部の納まりを実現するものである。
【0095】
この形態は、開口部装置が、例えば、玄関ドア、勝手口ドア、バルコニー掃き出し窓、シャッター、テラスサッシのような場合において適用されるものである。また、図12の形態では開口部装置の下部が立上げ壁部200内に納められる形態としているが、この逆の形態、つまりは、開口部装置の上部が外壁材にて囲まれずに、開口部装置の上部において外壁材との目地形成が終端される場合についても、本実施例は適用できる。
【0096】
まず、図13に示すごとく、中間部ベース部材30は、上述した構成と同じものが使用される(図3参照)。また、端部ベース部材120は、樹脂成形などによってブロック状に構成され、上下方向に設置される本体部121の表面側に、開口部装置の枠側に圧着される枠側パッキン材P7と、外壁材の裏面に圧着される外壁裏パッキン材P8が貼設される構成としている。
【0097】
また、図13に示すごとく、端部ベース部材120の本体部121には、上下方向に長い長孔122が形設されており、この長孔122に固定具123を挿入することで、端部ベース部材120が躯体側に固定されるようになっている。なお、この固定は、開口部装置の枠に対し端部ベース部材120を押し付けた状態でなされるものであり、本体部121に突設される舌片部128がストッパーとして機能することで、枠側パッキン材P7の突出量の分だけ圧縮されるようになっている。
【0098】
また、図13に示すごとく、端部ベース部材120の本体部121は、その下面121aが立上げ壁部200の上面201に付け合わせた状態で躯体側に固定されるようになっている。
【0099】
また、図13に示すごとく、端部ベース部材120の枠側パッキン材P7は、中間部ベース部材30の枠側パッキン材P4と連続するように構成されている。また、端部ベース部材120は、先に躯体側に固定された端部ベース部材120の上端部に張設される接続部パッキン材P9の上に覆い被せられるようにして、端部ベース部材120に対して連続的に固定される。なお、端部ベース部材120の接続部パッキン材P9の箇所における中間部ベース部材30との接続の形態は、図5に示される角部端部ベース部材20Aの接続部パッキン材P3の箇所における中間部ベース部材30との接続の形態と同様である。
【0100】
また、図13に示すごとく、端部ベース部材120を固定した状態で、図12に示すごとく、角部端部ベース部材20Bと端部ベース部材120の間のスペースに中間部ベース部材30が固定される。この中間部ベース部材30の設置の形態は実施例1(図4参照)と同様である。
【0101】
また、図13に示すごとく、接続された端部ベース部材120と中間部ベース部材30に対し、端部ベース部材120の上から終端ベースカバー部材140が取り付けられる。また、終端ベースカバー部材140の裏側には、裏面用パッキン材P146が貼設されている。また、終端ベースカバー部材140の上端部に設けた係合溝部142には、中間部ベース部材30の枠側設置面部31が挿入されることで、終端ベースカバー部材140の位置決めがなされるようになっている。また、終端ベースカバー部材140の端部146は、中間部ベース部材30の溝部38に嵌入されることで、終端ベースカバー部材140が中間部ベース部材30に対して嵌着されるようになっている。
【0102】
また、図13に示すごとく、終端ベースカバー部材140の裏面側には、棒状の凸部143が突設されており、この凸部143を取り囲むように境界部パッキン材P10が取り付けられている。そして、端部ベース部材120が中間部ベース部材30に嵌着された際には、境界部パッキン材P10が枠側パッキン材P4と枠側パッキン材P7の間に挟装され得るようになっている。
【0103】
そして、図13に示すごとく、終端ベースカバー部材140を嵌着した状態とし、その後は、上述の実施例1の図5の形態と同様に、外壁材2Aの固定、シーリング材50の充填、中間部化粧部材60の設置が行われる。
【0104】
以上のように、端部ベース部材120と終端ベースカバー部材140を用いることにより、実施例1で述べた角部での目地と同様の機能を有する目地を、縦方向の途中部においても実現することが可能となる。
【0105】
なお、本実施例3では、中間部中途部101A(図12)において、端部ベース部材120と終端ベースカバー部材140を用いることとしたが、この端部ベース部材120と終端ベースカバー部材140を用いずに、終端させる形態も考えられる。つまり、中間部ベース部材30の下端部にて終端させる形態である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の構成は、サッシ(窓)、玄関ドア、勝手口ドア、バルコニー掃き出し窓、シャッター、テラスサッシなどの開口部装置と外壁材の間に形成される目地について、幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 開口部装置
2A 外壁材
10 枠
20A 角部端部ベース部材
21a 辺部分
30 中間部ベース部材
40 ベースカバー部材
50 シーリング材
60 中間部化粧部材
70 角部化粧部材
P1 外壁裏パッキン材
P2 枠側パッキン材
P3 接続部パッキン材
P4 枠側パッキン材
P5 外壁裏パッキン材
P6 境界部パッキン材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部装置と外壁材の間の目地工法であって、
前記開口部装置の枠の少なくとも二箇所に端部ベース部材が配置され、
前記両端部ベース部材の間に前記枠に沿って中間部ベース部材が配置され、
前記端部ベース部材及び前記中間部ベース部材と外壁材の間の隙間部には目地材が配置され、
前記端部ベース部材、前記中間部ベース部材、及び、前記目地材を覆うように化粧部材が配置される、
開口部装置と外壁材の間の目地工法。
【請求項2】
前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材は、前記開口部装置の枠に別体で設けられ、
躯体側に留めつけられた状態の開口部装置の枠に沿って、前記端部ベース部材を配置し、
前記両端部ベース部材の間のスペースに前記中間部ベース部材を配置し、
前記隙間部に目地材を配置し、
前記端部ベース部材、前記中間部ベース部材、及び、前記目地材を覆うように前記化粧部材が配置する、
手順により施工される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の開口部装置と外壁材の間の目地工法。
【請求項3】
前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材には、前記開口部装置の枠との間に挟装される枠側パッキン材が設けられる、
ことを特徴とする、請求項2に記載の開口部装置と外壁材の間の目地工法。
【請求項4】
前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材の間にそれぞれ設けられる前記枠側パッキン材の境界部には、前記境界部における隙間の形成を防ぐための境界部パッキン材が設けられ、前記境界部パッキン材は、前記端部ベース部材の箇所に配置されるベースカバー部材に設けられる、
ことを特徴とする、請求項3に記載の開口部装置と外壁材の間の目地工法。
【請求項5】
前記二つの端部ベース部材の少なくとも一方は、開口部装置の枠の角部に配置される、こととするものである。
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の開口部装置と外壁材の間の目地工法。
【請求項6】
前記端部ベース部材、及び、中間部ベース部材は、前記開口部装置の枠に一体的に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の開口部装置と外壁材の間の目地工法。
【請求項7】
前記目地材は、半液状のシーリング材である、こととするものである。
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の開口部装置と外壁材の間の目地工法。
【請求項8】
前記目地材は、予め成形されたパッキン材とするものである。
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の開口部装置と外壁材の間の目地工法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−1967(P2012−1967A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137543(P2010−137543)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(305003542)旭トステム外装株式会社 (38)
【Fターム(参考)】