開閉制御装置
【課題】開閉扉において、必要以上に開口部を開放することに起因する問題を解消する。
【解決手段】扉体と、開口部の前方空間に面状の検知領域を設定し、当該検知領域内に進入した物体を検知する検知手段Sと、検知手段Sの検知・非検知に基づいて扉体の電動開閉を制御する制御部とを備え、前記検知手段Sは、扉体の開放に伴って開放方向に移動する可動の検知手段Sであり、当該検知手段Sの開放方向への移動と共に前記面状の検知領域が開放方向へ移動するようになっており、前記制御部は、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態における前記検知手段Sによる物体の検知に基づき全閉姿勢あるいは半開姿勢にある扉体の開放移動を開始し、前記検知手段Sが検知状態にある間は前記扉体の開放移動を継続し、前記検知手段Sが検知状態から非検知状態になったことに基づき扉体の開放移動を停止する。
【解決手段】扉体と、開口部の前方空間に面状の検知領域を設定し、当該検知領域内に進入した物体を検知する検知手段Sと、検知手段Sの検知・非検知に基づいて扉体の電動開閉を制御する制御部とを備え、前記検知手段Sは、扉体の開放に伴って開放方向に移動する可動の検知手段Sであり、当該検知手段Sの開放方向への移動と共に前記面状の検知領域が開放方向へ移動するようになっており、前記制御部は、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態における前記検知手段Sによる物体の検知に基づき全閉姿勢あるいは半開姿勢にある扉体の開放移動を開始し、前記検知手段Sが検知状態にある間は前記扉体の開放移動を継続し、前記検知手段Sが検知状態から非検知状態になったことに基づき扉体の開放移動を停止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉扉の開閉制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物開口部を電動開閉する扉装置において、扉体の開放を当該開口部に近づいた人や車両等を検知して自動的に行うものがある。例えば、電動シャッターにおいて、開口部上部に設置した赤外線センサ等の検知センサにより開口部前方領域の物体を検知して、当該検知に基づいて自動的にシャッター装置を起動し、開口部を開放させるものが知られている。この場合の開閉制御は、通常、開口部全閉状態での検知→シャッターカーテン上昇→上限位置で停止(開口部全開状態)→タイマで所定時間後自動下降→下限位置で停止(開口部全閉状態)という流れで行われる。また、左右に移動して建物開口部を開閉する自動扉においても、同様に、検知センサにより開口部前方領域の物体を検知して、当該検知に基づいて自動的に扉体を開放させるものが知られている。
【0003】
しかしながら、一旦起動して開放を開始したシャッターカーテンは、上限位置まで上昇して停止するため、開口部の全高に比べて低背の人や車両が通行する場合であっても、シャッターカーテンは開口部全開状態まで上昇する。例えば、高さが4mの開口部を開閉するパネルシャッターの場合、人を検知した場合であっても、通行に必要な高さを大きく越えて4mの高さまで全開することになる。必要以上に開口部を開放することは、その分だけ、空調効率の悪化、埃や虫の侵入機会の増加、待機時間(通過時間)の長期化、製品の耐久年数の低下、エネルギー損失等を招くことになる。左右方向に移動する自動扉においても、一旦起動して開放を開始した扉体は、全開位置まで移動して停止するため、同様の課題がある。
【0004】
開口部を出入りする物体の大小に応じて扉体の開放量をその物体の通過に必要なだけの開放量に制御するものが特許文献1、特許文献2に記載されている。しかしながら、特許文献1のものでは、対象物を斜め上方から測定するため、実際よりも大きく測定されてしまうことから、対象物の大きさを正確に取得することが難しいという課題がある。特許文献2のものでは、複数の検知センサが必須であり部品点数が多くなり、また、対象物の大きさを正確に取得することが難しいという課題がある。
【特許文献1】実開昭61−176394号
【特許文献2】特開平7−71163号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決することができる開閉制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
開口部を電動開閉する扉体と、
開口部の前方空間に面状の検知領域を設定し、当該検知領域内に進入した物体を検知する検知手段と、
検知手段の検知・非検知に基づいて扉体の電動開閉を制御する制御部と、
を備え、
前記検知手段は、扉体の開放に伴って開放方向に移動する可動の検知手段であり、当該検知手段の開放方向への移動と共に前記面状の検知領域が開放方向へ移動するようになっており、
前記面状検知領域は開口部全閉状態あるいは開口部半開状態において開口部を通過するために当該開口部に近づいた物体を検知するように開口部前方空間に設定された起動エリアであり、
前記制御部は、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態における前記検知手段による物体の検知に基づき全閉姿勢あるいは半開姿勢にある扉体の開放移動を開始し、前記検知手段が検知状態にある間は前記扉体の開放移動を継続し、前記検知手段が検知状態から非検知状態になったことに基づき扉体の開放移動を停止する、開閉制御装置、である。
【0007】
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面の近傍に位置しており、前記面状検知領域は水平面である。典型的には、上下に昇降する扉体はシャッター装置であり、シャッター装置としては、スラットシャッター、パイプシャッター、シートシャッター、パネルシャッター(オーバーヘッドドアを含む)が例示される。また、シャッターカーテンの収納形式(巻取式、折り畳み式、そのまま上方にスライド移動させる方式等)についても限定されない。
【0008】
1つの態様では、前記扉体は左右方向に移動することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では戸先部位の近傍に位置しており、前記面状検知領域は垂直面である。
【0009】
1つの態様では、前記検知手段は、前記扉体に連結されており、当該扉体の移動と共に移動可能となっている。
【0010】
1つの態様では、開口部の枠側には扉体の移動方向に沿ってガイドレールが設けてあり、前記検知手段は、扉体の開放に伴って前記ガイドレールに案内されながら開放方向に移動するように構成されている。
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面に近接しており、
前記扉体の下方部位には当接部、前記検知手段には被当接部が設けてあり、前記扉体の上昇に伴って当接部が被当接部に当接して前記検知手段がガイドレールに沿って扉体と共に上昇し、前記扉体の下降時には前記検知手段は前記ガイドレールに沿って自重で下降する。
1つの態様では、扉体の当接部と検知手段の被当接部が当接係止した状態において、前記検知手段によって形成される水平面状の検知領域は、扉体下端よりも下方に位置している。
【0011】
1つの態様では、前記検知手段は、扉体の閉鎖に伴って閉鎖方向に移動し、扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記検知領域内に進入した物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われる。
【0012】
1つの態様では、前記検知手段は、複数の異なる検知領域を設定可能であり、起動エリアとしての第1領域と、少なくとも1つの第2領域を設定する。
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、開口部に近い側に設定され、前記起動エリアよりも開口部から奥行寸法が小さい小面積の障害物検知エリアであり、
扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記第2領域内で物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われ、前記第1領域内のみで物体が検知された場合には、当該第1領域内での検知を無効とし、前記扉体の閉鎖方向への移動が継続される。
【0013】
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、上限位置検出エリア、あるいは/および、下限位置検出エリアである。
1つの態様では、図2に点線で示すように、上限近傍に位置して被検知部材ULを設け、前記第2領域(上限位置検出エリア)が上昇して当該被検知部材ULを検知した時に、扉体の上昇を停止する。また、下限近傍に位置して被検知部材LLを設け、前記第2領域(下限位置検出エリア)が下降して当該被検知部材LLを検知した時に、扉体の下降を停止する。1つの態様では、被検知部材UL、LLは、開口部の幅方向の端部に設けてあり、前記第2領域は、開口部の幅方向の端部の部材を検知できるような領域に設定される。
また、1つの検知領域が設定される場合に、当該検知領域が起動エリア兼上限位置検出エリアあるいは/および下限位置検出エリアであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る開閉制御装置では、起動センサを構成するセンサが、扉体の開放量をその物体の通過に必要なだけの開放量に制御する機能を備えており、より少ない部品点数で、適切に制御された寸法の開口部の形成を可能とするものであり、必要以上に開口部を開放することに起因する問題を解消することができる。
【0015】
扉体が昇降移動する場合においては、水平面状に形成された検知領域は、物体の高さを良好に検知することができ、開口部の高さを適切に制御することができる。扉体が左右方向に移動する場合においては、垂直面状に形成された検知領域は、物体の幅を良好に検知することができ、開口部の幅を適切に制御することができる。
【0016】
検知手段が、複数の異なる検知領域を設定可能であり、起動エリアとしての第1領域と、少なくとも1つの第2領域を設定するものでは、第2領域を、障害物検知や上限位置/下限位置の検出等に利用することができ、目的用途に合わせて適切な開閉制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態における、建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す側面図である。
【図2】第1の実施形態における、建物開口部が開放された開口部全開状態を示す側面図、及び、最下位パネル部位の部分拡大図である。
【図3】第1の実施形態における、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン下方部位の部分側面図である。
【図4】第1の実施形態における、垂直姿勢にある最下位パネルの幅方向一端側の部分平面図である。
【図5】第1の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室外側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図6】第1の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室内側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図7】第1の実施形態における、垂直姿勢にあるシャッターカーテンの平面図であり、検知領域を示している。
【図8】第2の実施形態における、建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す側面図である。
【図9】第2の実施形態における、建物開口部が開放された開口部全開状態を示す側面図、及び、最下位パネル部位の部分拡大図である。
【図10】第2の実施形態における、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン下方部位の部分側面図である。
【図11】第2の実施形態における、垂直姿勢にある最下位パネルの幅方向一端側の部分平面図である。
【図12】第2の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室外側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図13】第2の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室内側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図14】第2の実施形態における、垂直姿勢にあるシャッターカーテンの平面図であり、検知領域を示している。
【図15】他の実施形態に係る、シャッターカーテンの下端部と可動センサ組立体との当接係止構成を説明する図である。
【図16】開口部全閉状態において、荷物を積んだ作業車両が検知エリア1に進入した状態を示す図である。
【図17】センサを用いた開口部の開口高の制御を示す図である。
【図18】センサを用いた障害物検知を示す図である。
【図19】1つのセンサにより2つの異なる検知領域が設定されている態様を示す図である。
【図20】第3の実施形態における、建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す正面図である。
【図21】第3の実施形態における、建物開口部が開放された開口部全開状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[A]第1実施形態
本発明の第1実施形態について、オーバーヘッドドアの開閉制御装置に基づいて、図1〜図7を参照しつつ説明する。オーバーヘッドドアは、開口部全幅に亘って延びるパネル1を上下に連設して形成されたシャッターカーテンと、パネル1の幅方向両端部を案内する左右のガイドレール2と、シャッターカーテンを電動で昇降駆動させる駆動機構と、を備えている。図1はシャッターカーテンにより建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す側面図であり、複数枚のパネル1が垂直姿勢となって、開口部を閉鎖している。図2は建物開口部が開放された開口部全開状態を示し、複数枚のパネル1が垂直姿勢から上昇して、室内側空間の上方に沿って横方向に延びた姿勢となって、開口部を開放した状態となる。
【0019】
パネル1は、正面視横長方形状であり、図3、図4に示すように、垂直姿勢において室外側に面する室外側面部10と、垂直姿勢において室内側に面する室内側面部11と、幅方向両端の端面12と、上面13と、下面14と、を備えている。図示の態様では、上面13、下面14はそれぞれ段部状に形成されている。シャッターカーテンを構成する各パネル1において、上下に隣位のパネル1は、下側のパネル1の室内側面部11の上端部と、上側のパネル1の室内側面部11の下端部とが丁番15によって連結されており、パネル1同士は互いに回動可能に連結されている。上下に隣位のパネル1は、垂直姿勢にある時には、下側のパネル1の上面13に上側のパネル1の下面14が当接した状態にあり、下側のパネル1の上面13の室外側部位と上側のパネル1の下面14の室外側部位が拡開することで、下側のパネル1に対して上側のパネル1が回動するようになっている。
【0020】
パネル1の幅方向両端にはガイドレール2内を転動するガイドローラ3が回転自在に設けてある。ガイドローラ3は、パネル1の室内側面部11の幅方向両端部に設けたローラブラケット30(図1、図2では省略されている)を介してパネル1の室内側面部11から持ち出し状に支持されている。ローラブラケット30はローラ軸31を備えており、図4に示すように、ローラ軸31が、パネル1の室内側面部11の幅方向の端部においてパネル1の端面12よりも突出するように延出しており、ローラ軸31の先端にガイドローラ3が回転自在に装着されている。
【0021】
ガイドレール2は、開口部幅方向の左右両端に沿って高さ方向に延びる第1部位20と、第1部位20の上端から後方(室内側)に向かって湾曲する第2部位21と、第2部位21からさらに後方(室内側)に向かって延びる第3部位22と、からなる。図示の態様では、第1部位20は、垂直方向に対して後方側に僅かに傾斜状に配置されており、第3部位22は、水平方向に対して後方側に向かって僅かに上向き傾斜状に延びているが、垂直状の第1部位、水平状の第3部位を備えたガイドレールを用いてもよい。シャッターカーテンが全閉姿勢にある時(開口部全閉状態)には、各パネル1の幅方向両端部はガイドレール2の第1部位20内に位置しており(図1参照)、シャッターカーテンが全開姿勢にある時(開口部全開状態)には、最下位のパネル1は第2部位21に位置しており、残りのパネル2は第3部位22に位置している(図2参照)。なお、図2に示すように、最下位のパネル1の下方部位は開口部の天井面CLよりも下方に位置しており、開口部全高(床面FLから天井面CLまでの高さ)に比べて有効高は小さくなっている。
【0022】
シャッターカーテンは開閉機4により電動で昇降駆動される。より具体的には、シャッターカーテンを電動で昇降駆動させる駆動機構は、開閉機4と、最下位のパネル1の左右の下方部位に連結されたチェーン(図示せず)と、シャッターカーテンの幅方向両端部の昇降経路の上方に位置して設けられ、チェーンが巻き掛けされたスプロケット40と、長さ方向両端部にスプロケット410を備えた伝動シャフト41と、を備え、スプロケット40とスプロケット410がチェーン(図示せず)を介して伝動連結されており、開閉機4の動力が伝動シャフト41を介してスプロケット40に伝達されるようになっている。開閉機4の出力軸が第1の方向に回転することに連動してチェーンが巻き上げられてシャッターカーテンが上昇して開口部が開放され、開閉機4の出力軸が第2の方向に回転することに連動してチェーンが繰り出されてシャッターカーテンが下降して開口部が閉鎖される。開口部の幅方向両端部の室外側、室内側に位置して、障害物検知用の光電スイッチ5が配置されている。光電スイッチ5によりシャッターカーテンの降下経路に近づく物体を検出して、シャッターカーテンの下降を停止ないし反転上昇させることで、降下するシャッターカーテン下方における挟まれや接触を防止する。上述のオーバーヘッドドアの基本構成と類似の構成が実用新案登録第2564466号に記載されており、必要に応じて参照することができる。また、上述のオーバーヘッドドアの構成は例示に過ぎないことに留意されたい。
【0023】
最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11の幅方向の一端側の下方部位には、センサS1、S2がそれぞれ設けてある。図示の態様では、図3に示すように、室外側のセンサS1が、室内側のセンサS2よりも、下方に位置しているが、室内外のセンサの高さ位置の関係は、これに限定されるものではなく、同じ高さ位置でもよく、あるいは、室内側のセンサが、室外側のセンサよりも、下方に位置していてもよい。センサS1、S2は開口部幅方向の同じ側の端部に設けてある。図6に示すように、センサS1、S2は、開閉機4が設けられた側の端部に位置しており、配線等の便宜を図っている。図示の態様では、センサS1、S2は、ブラケット6を介して最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11に取り付けられている。各ブラケット6は、センサS1、S2を載設する底壁60と、平面視L形状の側壁を備えており、側壁の一辺61が最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11の幅方向端部の下方部位に取り付けられている。
【0024】
1つの態様では、センサS1、S2は、レーザスキャナセンサである。レーザスキャナセンサは、例えば、赤外線レーザ光を2次元的にスキャンさせて検知領域を設定し、反射光を監視することで検知領域内の物体を検知する。レーザスキャナセンサ自体は公知であり、検知領域の寸法や形状は任意に設定可能である。
【0025】
図5、図7に示すように、センサS1は、開口部の前方の室外側空間に水平面状の検知領域A1を設定し、検知領域A1内に位置する物体を検知する。検知領域A1は、開口部の前方の室外側空間において、センサS1を角部とした平面視方形領域であり、平面視において、開口部の全幅に対応する幅寸法、及び、パネル1の室外側面部10から所定の奥行寸法、を備えている。図6、図7に示すように、センサS2は、開口部の前方の室内側空間に水平面状の検知領域A2を設定し、検知領域A2内に位置する物体を検知する。検知領域A2は、開口部の前方の室内側空間において、センサS2を角部とした平面視方形領域であり、平面視において、開口部の全幅に対応する幅寸法、及び、パネル1の室内側面部11から所定の奥行寸法、を備えている。検知領域A1、A2の寸法や形状は可変であり、例えば、オーバーヘッドドアの設置場所や用途等に合わせて、奥行寸法を適宜設定することができる。
【0026】
検知領域A1、A2は、開口部を通過するために当該開口部に近づいた物体を検知するような領域として設定される。すなわち、検知領域A1、A2は、停止しているシャッターカーテンを上昇して開口部を開放させるための起動エリアとして機能する。開口部全閉状態におけるセンサS1、S2による検知領域A1、A2内に進入した物体の検知に基づき全閉姿勢にあるシャッターカーテン(パネル1)が上昇を開始し、開口部を開放する。あるいは、開口部半開状態におけるセンサS1、S2による検知領域A1、A2内に進入した物体の検知に基づき半開姿勢にあるシャッターカーテン(パネル1)が上昇を再開し、開口部をさらに開放する。
【0027】
センサS1、S2は、それぞれ、最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11の幅方向端部の下方部位に設けてあり、開口部全閉状態ではセンサS1、S2は、床面に近接しており、開口部全閉状態において、検知領域A1、A2は、水平状の床面FLに対して離間して平行する水平面を形成している(図5、図6参照)。検知領域A1、A2は、床面FLから離間していることで、床面FLや床面FL上の埃やゴミ等を誤検知することがない。
【0028】
センサS1、S2は、それぞれ最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11に取り付けてあるので、センサS1、S2は、シャッターカーテン(パネル1)の上昇に伴って上昇し、シャッターカーテン(パネル1)の下降に伴って下降する可動センサである。したがって、水平面状の検知領域A1、A2は、センサS1、S2の昇降移動に伴って昇降する。最下位のパネル1が垂直姿勢を維持して昇降している時には、検知領域A1、A2は、水平面を維持して昇降する。
【0029】
シャッターカーテンの昇降は、起動スイッチからの信号が制御部に入力されることで開始される。センサS1、S2は起動スイッチを構成しており、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態におけるセンサS1ないしS2が検知領域A1、A2に進入した物体を検知すると(センサON)、検知情報(センサON)を受信した制御部が開閉機4の出力軸を第1の方向に回転させることで、全閉姿勢あるいは半開姿勢にあるシャッターカーテン(パネル1)が上昇を開始する。シャッターカーテン(パネル1)の上昇に伴い水平面状の検知領域A1、A2も上昇するが、上昇する水平面状の検知領域A1、A2の高さが上記物体の高さを越えるまでは物体は継続して検知され(センサON)、上昇する水平面状の検知領域A1、A2の高さが物体の高さを越えるとセンサS1、S2は非検知状態(センサOFF)となる。すなわち、センサS1、S2は、検知領域A1、A2に進入した物体の高さを検知する機能をも備えている。
【0030】
制御部がセンサS1、S2が非検知状態であると判定すると(センサがON状態からOFF状態となったことで判定する)、開閉機4の出力軸の第1の方向の回転が停止され、シャッターカーテンの上昇が停止される。シャッターカーテンの上昇の停止は、1つの態様では、タイマを用いて、非検知状態となってから所定時間後(例えば1秒後)に停止させる。シャッターカーテンの下端の高さと検知領域A1ないしA2の高さとの位置関係から、シャッターカーテンが停止した状態で、床面FLからシャッターカーテン下端までの高さが、上記物体の通行を許容できる程度の高さ(物体の高さ+クリアランス)となるように、シャッターカーテンの上昇速度を考慮しつつ、上記所定時間が設定される。
【0031】
シャッターカーテンは、その下端が物体の高さ+クリアランスとなる高さまで上昇して開口部を開放し、制御部により、開口部の開放状態をタイマで所定時間(開口部の通過に十分な時間)維持した後、光電スイッチ5が非検知状態にあることを条件として、開閉機4の出力軸を第2の方向に回転させることで、開放姿勢にあるシャッターカーテンが自動的に下降を開始し、リミットスイッチによって下限位置で停止して開口部全閉状態となる。
【0032】
本実施形態では、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態でのセンサON→シャッターカーテン上昇(センサON)→センサOFFによりシャッターカーテン停止(検知された物体の高さに応じた開口高まで開放)→タイマで所定時間後自動下降→下限位置で停止(開口部全閉状態)という開閉制御が行われるので、シャッターカーテンを不必要に上限位置まで上昇させて開口部全開状態とすることなく、検知された物体の高さに応じた開口部を形成することができる。本実施形態では、1つのセンサS1ないしS2による検知・非検知に基づいて、シャッター装置の起動(シャッターカーテンの上昇)、及び、シャッターカーテンを上昇させることで得られる開口高の制御(上昇するシャッターカーテンの停止)が行われる。
【0033】
本実施形態に係るオーバーヘッドドアは、手動操作型の起動スイッチによって起動させることもできる。例えば、押しボタンスイッチから上昇指令を制御部に入力することで、制御部により開閉機4の出力軸が第1の方向に回転されて、全閉姿勢にあるシャッターカーテンが上昇を開始する。例えば、検知領域A1、A2外から押しボタン操作を行った場合には、シャッターカーテンはリミットスイッチによって上限位置で停止して、図2に示すような開口部全開状態となる。1つの態様では、シャッターカーテンが上限に近い所定位置(最下位のパネル1が垂直姿勢から傾斜姿勢になる前)まで上昇したことを検知してセンサS1、S2を無効とすることで、最下位のパネル1の傾斜に伴い傾斜面となる検知領域A1、A2による誤検知(壁や床面を検知)を防止している。
【0034】
[B]第2実施形態
本発明の第2実施形態について、オーバーヘッドドアの開閉制御装置に基づいて、図8〜図14を参照しつつ説明する。オーバーヘッドドアの基本的な構成は、第1実施形態と同じであって、第1実施形態における記載を援用することができる。第1実施形態と第2実施形態との間において、図1と図8、図2と図9、図3と図10、図4と図11、図5と図12、図6と図13、図7と図14と、がそれぞれ対応しており、図1〜図14を通して、同一の要素については同一の参照番号を付してあり、同一の参照番号を付した要素の説明については、上述の第1実施形態に係る記載を第2実施形態の説明に援用することができる。第1実施形態と第2実施形態で大きく異なる点は、前者ではセンサS1、S2が最下位のパネル1に固定されているのに対して、後者ではセンサS1、S2が最下位のパネル1から独立している点である。以下、具体的に説明する。
【0035】
第2実施形態において、センサS1、S2は、可動ブラケット7に取り付けられている。可動ブラケット7は、センサS1、S2を載設する底壁70と、平面視L形状の側壁を備えており、側壁の一辺71の外面に沿って2本のローラ軸73が上下に間隔を存して支持されており、各ローラ軸73の先端は側壁の他辺72の外面よりも突出しており、その先端にはガイドローラ74が回転自在に装着されている。各可動ブラケット7の底壁70上にセンサS1、S2を取り付けることで、可動センサ組立体が形成される。
【0036】
建物開口部の室外側部位には、センサS1が配置される側の端部に近接して、ガイドレール8が垂直状に立設されている。センサS1を備えた室外側可動センサ組立体は、ガイドローラ74がガイドレール8に案内されることで、垂直方向に昇降可能となっている。センサS2を備えた室内側可動センサ組立体は、ガイドローラ74がガイドレール2の第1部位20に案内されることで、垂直方向に昇降可能となっている。ガイドレール2の第1部位20は僅かに傾斜しているが、第1部分20の傾斜面に案内された時にセンサS2が水平姿勢を維持しながら昇降するように、センサS2を備えた室内側可動センサ組立体の可動ブラケット7が構成されている。
【0037】
最下位のパネル1の室外側面部10の下方部位には、室外側に延出する当接片9Aが設けてある。当接片9Aは、室外側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接して、室外側可動センサ組立体を支承するようになっている。最下位のパネル1の室内側面部11の下方部位には、室内側に延出する当接片9Bが設けてある。当接片9Bは、室内側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接して、室内側可動センサ組立体を支承するようになっている。室内側の当接片9Bは、最下位のパネル1に予め設けられて要素(例えば、ブラケット)の部分であってもよい。
【0038】
開口部全閉状態からシャッターカーテンが上昇を開始すると、最下位のパネル1の室外側面部10に設けた当接片9Aが室外側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接することで、シャッターカーテンの上昇に伴って室外側可動センサ組立体(センサS1)がガイドレール8に沿って上昇し、最下位のパネル1の室内側面部11に設けた当接片9Bが室内側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接することで、シャッターカーテンの上昇に伴って室内側可動センサ組立体(センサS2)がガイドレール2の第1部分20に沿って上昇する。したがって、水平面状の検知領域A1、A2は、センサS1、S2の昇降移動に伴って昇降する。上昇したシャッターカーテンが降下する時には、最下位のパネル1の室外側面部10に設けた当接片9A、室内側面部11に設けた当接片9Bが下方に移動することで、室外側可動センサ組立体、室内側可動センサ組立体は、それぞれガイドレール8、ガイドレール2に沿って自重で下降する。
【0039】
シャッターカーテンの下端部と可動センサ組立体との当接係止構成に係る他の実施形態を図15に示す。図15に示す態様は、第2実施形態に採用することができるが、パネル以外のシャッターカーテンに適用することも可能である。図15に示す態様の特徴は、シャッターカーテンの昇降時に当該シャッターカーテンの下端よりも下方の位置に検知領域を形成する点にある。
【0040】
可動センサ組立体S´には、当該可動センサ組立体の上面よりも上方に位置して被当接片70´が形成されており、シャッターカーテン1´の下方部位には、下端に近接して当接面9´が形成されている。図15の左図は開口部全閉状態(下限位置)を示しており、当接面9´と被当接片70´は所定の高さを存して離間対向している。図15の中央図は、シャッターカーテン開放初期を示し、シャッターカーテン1´が上記所定の高さ分上昇した時に、当接面9´が下方から被当接片70´に当接係止するようになっている。そして、シャッターカーテン1´がさらに上昇すると、図15右図に示すように、可動センサ組立体S´がシャッターカーテン下端から吊持された状態でガイドレール8´に沿って上昇する。この状態において、水平面状の検知領域A´は、シャッターカーテン下端Bのレベルよりも下方に位置している。このように構成することで、シャッターカーテン上昇時に物体を検知していた可動センサ組立体が非検知状態となってシャッターカーテン1´の上昇が停止した時には、シャッターカーテン下端Bは検知領域A´よりも幾分上方まで上昇しているため、開放された開口部を通過する物体がシャッターカーテン下端Bに衝突する可能性が低くなる。
【0041】
[C]シャッター装置における開閉制御の態様
シャッター装置における開閉制御の態様について図16〜図19を参照しつつ説明する。ここで述べる開閉制御は、上記第1実施形態、第2実施形態に適用できるが、必ずしもオーバーヘッドドアに限定されるものではなく、扉体が上下に昇降することで開口部を開閉するシャッター装置に広く適用し得るものである。このようなシャッター装置としては、板状のスラットを上下に連設して形成されたシャッターカーテンを備えたスラットシャッター、パイプシャッター、シートシャッター、パネルシャッター(オーバーヘッドドアを含む)等を例示することができる。
【0042】
図16は、開口部全閉状態を示し、全閉姿勢にあるシャッターカーテンの下方部位には、センサSが当該シャッターカーテンの上昇に伴って上昇可能に設けられている。センサSは水平面状の検知エリア1を形成している。センサSは起動センサとして作動し(検知エリア1は起動エリアである)、センサSが検知エリア1に進入した物体を検知すると、かかる検知情報を受信した制御部によりシャッターカーテンの上昇が開始される。図16では、荷物を積んだ作業車両が検知エリア1に進入した状態を示しており、作業車両の検知(センサON)に基づいてシャッターカーテンが上昇を開始する。センサSが作業車両を検知している間(センサON継続)は、シャッターカーテンの上昇が継続される。
【0043】
図17は、センサSを用いた開口部の開口高の制御を示す。図17左図は、検知エリア1に進入した荷物を積んだ作業車両が非検知(センサOFF)となるまでシャッターカーテンが上昇して開口部を開放した状態(開口高H1)を示している。図17右図は、検知エリア1に進入した低背の乗用車が非検知(センサOFF)となるまでシャッターカーテンが上昇して開口部を開放した状態(開口高H2)を示している。図17の左図と右図を比較すると明らかなように、検知エリア1に進入した物体の高さに応じて、適切な開口高までシャッターカーテンを上昇させて開口部を開放するようになっている。
【0044】
図18は、センサSを用いた障害物検知を示す。この態様では、センサSは安全センサとして作動し(検知エリア1は障害物検知エリアである)、シャッターカーテンの下降中に、センサSが検知エリア1に進入した人を検知した場合には、かかる検知情報を受信した制御部によりシャッターカーテンの下降が停止され、反転上昇される。
【0045】
図19は、1つのセンサSにより2つの異なる検知エリア1、検知エリア2が設定されている態様を示す。検知エリア1は起動エリアであり、検知エリア2は障害物検知エリアである。検知エリア1で物体が検知された時にはセンサSは起動センサとして機能し、検知エリア2物体が検知された時にはセンサSは安全センサとして機能する。
【0046】
検知エリア2は、開口部に近い側に設定され、検知エリア1よりも開口部から奥行寸法が小さい小面積の領域である。シャッターカーテンの下降中に、検知エリア2内で物体(例えば人)が検知された場合には、シャッターカーテンの下降が停止され、あるいは、反転上昇が行われる。一方、シャッターカーテンの下降中に、検知エリア1内のみに物体(車両や人)が進入した場合には、検知エリア1における検知が無効とされ、シャッターカーテンの下降が継続される。したがって、検知エリア1内のみを通過するような物体によってシャッターカーテンの下降が中断されることがない。さらに、センサSが検知領域内における物体の動きを検出できる場合には、物体の動きの検出結果を開閉制御に用いることができる。例えば、検知エリア1上の位置をセンサSを原点としたxy座標で表し、検知エリア1上の物体の動きの時系列データ(x,y,t)から、物体の移動方向、物体の移動速度、ある一定時間内の物体の移動範囲、検知領域内の物体の位置、検知領域内の物体の移動の有無等を取得することができ、これらの情報を開閉制御に用いてもよい。
【0047】
[D]第3実施形態
本発明の第3実施形態について、引き分けタイプの電動ハンガードアの開閉制御装置に基づいて、図20、図21を参照しつつ説明する。電動ハンガードアは、正面視縦長方形状の2枚の扉体100、100を備え、各扉体100の上端面にはハンガーローラ101が設けてあり、各扉体100は、ハンガーローラ101が開口部の上方に位置して水平方向に延びるハンガーレール200上を転動することで、左右方向に移動して開口部を開閉するようになっている。電動ハンガードアは、ハンガーローラ101をハンガーレール200に沿って移動させるための駆動機構を備えている。駆動機構による扉体100の移動は制御部によって制御されている。2枚の扉体100は、戸先側面部102同士が対向当接することで開口部全閉状態となり(図20参照)、戸先側面部102同士が離間する方向に扉体100が移動することで、離間した戸先側面部102間に開口部(開口幅W1)が形成される(図21参照)。
【0048】
各扉体100の戸先側部位の上方にはセンサS100が設けてある。センサS100によって、開口部前方空間に垂直面状の検知領域A100が形成されている。検知領域A100は開口部の全高に対応する高さ、及び、所定の開口部からの奥行寸法を備えている。開口部全閉状態では、2つの垂直面状の検知領域A100が対向状に形成されており、開口部を通行するべく開口部前方空間に進入した物体(人や車両)は、2つの検知領域A100によって検知される。センサS100が、検知領域A100に進入した物体を検知すると、検知情報を受信した制御部が駆動機構を用いて扉体100を互いに離間する開放方向へ移動させる。すなわち、検知領域A100が起動エリアであり、センサS100が起動センサとして機能する。
【0049】
検知領域A100に進入した物体が検知されている間(センサON)は、扉体100は開放方向への移動を継続する。より具体的には、互いに離間しながら移動する垂直面状の検知領域A100間の間隔が上記物体の幅を越えるまでは物体は継続して検知され(センサON)、離間しながら移動する2つの垂直面状の検知領域A100間の間隔が物体の幅寸法を越えるとセンサS100は非検知状態(センサOFF)となる。すなわち、センサS100は、検知領域A100に進入した物体の幅寸法を検知する機能を備えている。
【0050】
制御部が、センサS100が非検知状態であると判定すると(センサがON状態からOFF状態となったことで判定する)、扉体100の開放が停止される。例えば、扉体100の戸先側面部102間の間隔がW2となった時点で、センサS100は非検知状態(センサOFF)となった場合には、扉体100は全開状態まで開放移動せずに、半開状態で停止する。幅W2は当該物体の通行に十分な幅寸法であり、当該物体が開口部を通過した後に扉体100は自動閉鎖する。例えば、半開状態で停止後、タイマにより通行に十分な所定時間が計測され、所定時間経過後に、別途設けた安全センサが非検知状態であることを条件として、扉体100が互いに接近する方向に移動して、開口部全閉状態となる。
【符号の説明】
【0051】
1 パネル
2 ガイドレール
4 開閉機
8 ガイドレール
100 扉体
S、S1、S2、S100 センサ
A、A1、A2、A100 検知領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉扉の開閉制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物開口部を電動開閉する扉装置において、扉体の開放を当該開口部に近づいた人や車両等を検知して自動的に行うものがある。例えば、電動シャッターにおいて、開口部上部に設置した赤外線センサ等の検知センサにより開口部前方領域の物体を検知して、当該検知に基づいて自動的にシャッター装置を起動し、開口部を開放させるものが知られている。この場合の開閉制御は、通常、開口部全閉状態での検知→シャッターカーテン上昇→上限位置で停止(開口部全開状態)→タイマで所定時間後自動下降→下限位置で停止(開口部全閉状態)という流れで行われる。また、左右に移動して建物開口部を開閉する自動扉においても、同様に、検知センサにより開口部前方領域の物体を検知して、当該検知に基づいて自動的に扉体を開放させるものが知られている。
【0003】
しかしながら、一旦起動して開放を開始したシャッターカーテンは、上限位置まで上昇して停止するため、開口部の全高に比べて低背の人や車両が通行する場合であっても、シャッターカーテンは開口部全開状態まで上昇する。例えば、高さが4mの開口部を開閉するパネルシャッターの場合、人を検知した場合であっても、通行に必要な高さを大きく越えて4mの高さまで全開することになる。必要以上に開口部を開放することは、その分だけ、空調効率の悪化、埃や虫の侵入機会の増加、待機時間(通過時間)の長期化、製品の耐久年数の低下、エネルギー損失等を招くことになる。左右方向に移動する自動扉においても、一旦起動して開放を開始した扉体は、全開位置まで移動して停止するため、同様の課題がある。
【0004】
開口部を出入りする物体の大小に応じて扉体の開放量をその物体の通過に必要なだけの開放量に制御するものが特許文献1、特許文献2に記載されている。しかしながら、特許文献1のものでは、対象物を斜め上方から測定するため、実際よりも大きく測定されてしまうことから、対象物の大きさを正確に取得することが難しいという課題がある。特許文献2のものでは、複数の検知センサが必須であり部品点数が多くなり、また、対象物の大きさを正確に取得することが難しいという課題がある。
【特許文献1】実開昭61−176394号
【特許文献2】特開平7−71163号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決することができる開閉制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
開口部を電動開閉する扉体と、
開口部の前方空間に面状の検知領域を設定し、当該検知領域内に進入した物体を検知する検知手段と、
検知手段の検知・非検知に基づいて扉体の電動開閉を制御する制御部と、
を備え、
前記検知手段は、扉体の開放に伴って開放方向に移動する可動の検知手段であり、当該検知手段の開放方向への移動と共に前記面状の検知領域が開放方向へ移動するようになっており、
前記面状検知領域は開口部全閉状態あるいは開口部半開状態において開口部を通過するために当該開口部に近づいた物体を検知するように開口部前方空間に設定された起動エリアであり、
前記制御部は、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態における前記検知手段による物体の検知に基づき全閉姿勢あるいは半開姿勢にある扉体の開放移動を開始し、前記検知手段が検知状態にある間は前記扉体の開放移動を継続し、前記検知手段が検知状態から非検知状態になったことに基づき扉体の開放移動を停止する、開閉制御装置、である。
【0007】
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面の近傍に位置しており、前記面状検知領域は水平面である。典型的には、上下に昇降する扉体はシャッター装置であり、シャッター装置としては、スラットシャッター、パイプシャッター、シートシャッター、パネルシャッター(オーバーヘッドドアを含む)が例示される。また、シャッターカーテンの収納形式(巻取式、折り畳み式、そのまま上方にスライド移動させる方式等)についても限定されない。
【0008】
1つの態様では、前記扉体は左右方向に移動することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では戸先部位の近傍に位置しており、前記面状検知領域は垂直面である。
【0009】
1つの態様では、前記検知手段は、前記扉体に連結されており、当該扉体の移動と共に移動可能となっている。
【0010】
1つの態様では、開口部の枠側には扉体の移動方向に沿ってガイドレールが設けてあり、前記検知手段は、扉体の開放に伴って前記ガイドレールに案内されながら開放方向に移動するように構成されている。
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面に近接しており、
前記扉体の下方部位には当接部、前記検知手段には被当接部が設けてあり、前記扉体の上昇に伴って当接部が被当接部に当接して前記検知手段がガイドレールに沿って扉体と共に上昇し、前記扉体の下降時には前記検知手段は前記ガイドレールに沿って自重で下降する。
1つの態様では、扉体の当接部と検知手段の被当接部が当接係止した状態において、前記検知手段によって形成される水平面状の検知領域は、扉体下端よりも下方に位置している。
【0011】
1つの態様では、前記検知手段は、扉体の閉鎖に伴って閉鎖方向に移動し、扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記検知領域内に進入した物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われる。
【0012】
1つの態様では、前記検知手段は、複数の異なる検知領域を設定可能であり、起動エリアとしての第1領域と、少なくとも1つの第2領域を設定する。
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、開口部に近い側に設定され、前記起動エリアよりも開口部から奥行寸法が小さい小面積の障害物検知エリアであり、
扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記第2領域内で物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われ、前記第1領域内のみで物体が検知された場合には、当該第1領域内での検知を無効とし、前記扉体の閉鎖方向への移動が継続される。
【0013】
1つの態様では、前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、上限位置検出エリア、あるいは/および、下限位置検出エリアである。
1つの態様では、図2に点線で示すように、上限近傍に位置して被検知部材ULを設け、前記第2領域(上限位置検出エリア)が上昇して当該被検知部材ULを検知した時に、扉体の上昇を停止する。また、下限近傍に位置して被検知部材LLを設け、前記第2領域(下限位置検出エリア)が下降して当該被検知部材LLを検知した時に、扉体の下降を停止する。1つの態様では、被検知部材UL、LLは、開口部の幅方向の端部に設けてあり、前記第2領域は、開口部の幅方向の端部の部材を検知できるような領域に設定される。
また、1つの検知領域が設定される場合に、当該検知領域が起動エリア兼上限位置検出エリアあるいは/および下限位置検出エリアであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る開閉制御装置では、起動センサを構成するセンサが、扉体の開放量をその物体の通過に必要なだけの開放量に制御する機能を備えており、より少ない部品点数で、適切に制御された寸法の開口部の形成を可能とするものであり、必要以上に開口部を開放することに起因する問題を解消することができる。
【0015】
扉体が昇降移動する場合においては、水平面状に形成された検知領域は、物体の高さを良好に検知することができ、開口部の高さを適切に制御することができる。扉体が左右方向に移動する場合においては、垂直面状に形成された検知領域は、物体の幅を良好に検知することができ、開口部の幅を適切に制御することができる。
【0016】
検知手段が、複数の異なる検知領域を設定可能であり、起動エリアとしての第1領域と、少なくとも1つの第2領域を設定するものでは、第2領域を、障害物検知や上限位置/下限位置の検出等に利用することができ、目的用途に合わせて適切な開閉制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態における、建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す側面図である。
【図2】第1の実施形態における、建物開口部が開放された開口部全開状態を示す側面図、及び、最下位パネル部位の部分拡大図である。
【図3】第1の実施形態における、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン下方部位の部分側面図である。
【図4】第1の実施形態における、垂直姿勢にある最下位パネルの幅方向一端側の部分平面図である。
【図5】第1の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室外側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図6】第1の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室内側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図7】第1の実施形態における、垂直姿勢にあるシャッターカーテンの平面図であり、検知領域を示している。
【図8】第2の実施形態における、建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す側面図である。
【図9】第2の実施形態における、建物開口部が開放された開口部全開状態を示す側面図、及び、最下位パネル部位の部分拡大図である。
【図10】第2の実施形態における、開口部全閉状態におけるシャッターカーテン下方部位の部分側面図である。
【図11】第2の実施形態における、垂直姿勢にある最下位パネルの幅方向一端側の部分平面図である。
【図12】第2の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室外側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図13】第2の実施形態における、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを室内側から見た正面図、及び、最下位パネルの幅方向一端側の部分拡大図である。
【図14】第2の実施形態における、垂直姿勢にあるシャッターカーテンの平面図であり、検知領域を示している。
【図15】他の実施形態に係る、シャッターカーテンの下端部と可動センサ組立体との当接係止構成を説明する図である。
【図16】開口部全閉状態において、荷物を積んだ作業車両が検知エリア1に進入した状態を示す図である。
【図17】センサを用いた開口部の開口高の制御を示す図である。
【図18】センサを用いた障害物検知を示す図である。
【図19】1つのセンサにより2つの異なる検知領域が設定されている態様を示す図である。
【図20】第3の実施形態における、建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す正面図である。
【図21】第3の実施形態における、建物開口部が開放された開口部全開状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[A]第1実施形態
本発明の第1実施形態について、オーバーヘッドドアの開閉制御装置に基づいて、図1〜図7を参照しつつ説明する。オーバーヘッドドアは、開口部全幅に亘って延びるパネル1を上下に連設して形成されたシャッターカーテンと、パネル1の幅方向両端部を案内する左右のガイドレール2と、シャッターカーテンを電動で昇降駆動させる駆動機構と、を備えている。図1はシャッターカーテンにより建物開口部が閉鎖された開口部全閉状態を示す側面図であり、複数枚のパネル1が垂直姿勢となって、開口部を閉鎖している。図2は建物開口部が開放された開口部全開状態を示し、複数枚のパネル1が垂直姿勢から上昇して、室内側空間の上方に沿って横方向に延びた姿勢となって、開口部を開放した状態となる。
【0019】
パネル1は、正面視横長方形状であり、図3、図4に示すように、垂直姿勢において室外側に面する室外側面部10と、垂直姿勢において室内側に面する室内側面部11と、幅方向両端の端面12と、上面13と、下面14と、を備えている。図示の態様では、上面13、下面14はそれぞれ段部状に形成されている。シャッターカーテンを構成する各パネル1において、上下に隣位のパネル1は、下側のパネル1の室内側面部11の上端部と、上側のパネル1の室内側面部11の下端部とが丁番15によって連結されており、パネル1同士は互いに回動可能に連結されている。上下に隣位のパネル1は、垂直姿勢にある時には、下側のパネル1の上面13に上側のパネル1の下面14が当接した状態にあり、下側のパネル1の上面13の室外側部位と上側のパネル1の下面14の室外側部位が拡開することで、下側のパネル1に対して上側のパネル1が回動するようになっている。
【0020】
パネル1の幅方向両端にはガイドレール2内を転動するガイドローラ3が回転自在に設けてある。ガイドローラ3は、パネル1の室内側面部11の幅方向両端部に設けたローラブラケット30(図1、図2では省略されている)を介してパネル1の室内側面部11から持ち出し状に支持されている。ローラブラケット30はローラ軸31を備えており、図4に示すように、ローラ軸31が、パネル1の室内側面部11の幅方向の端部においてパネル1の端面12よりも突出するように延出しており、ローラ軸31の先端にガイドローラ3が回転自在に装着されている。
【0021】
ガイドレール2は、開口部幅方向の左右両端に沿って高さ方向に延びる第1部位20と、第1部位20の上端から後方(室内側)に向かって湾曲する第2部位21と、第2部位21からさらに後方(室内側)に向かって延びる第3部位22と、からなる。図示の態様では、第1部位20は、垂直方向に対して後方側に僅かに傾斜状に配置されており、第3部位22は、水平方向に対して後方側に向かって僅かに上向き傾斜状に延びているが、垂直状の第1部位、水平状の第3部位を備えたガイドレールを用いてもよい。シャッターカーテンが全閉姿勢にある時(開口部全閉状態)には、各パネル1の幅方向両端部はガイドレール2の第1部位20内に位置しており(図1参照)、シャッターカーテンが全開姿勢にある時(開口部全開状態)には、最下位のパネル1は第2部位21に位置しており、残りのパネル2は第3部位22に位置している(図2参照)。なお、図2に示すように、最下位のパネル1の下方部位は開口部の天井面CLよりも下方に位置しており、開口部全高(床面FLから天井面CLまでの高さ)に比べて有効高は小さくなっている。
【0022】
シャッターカーテンは開閉機4により電動で昇降駆動される。より具体的には、シャッターカーテンを電動で昇降駆動させる駆動機構は、開閉機4と、最下位のパネル1の左右の下方部位に連結されたチェーン(図示せず)と、シャッターカーテンの幅方向両端部の昇降経路の上方に位置して設けられ、チェーンが巻き掛けされたスプロケット40と、長さ方向両端部にスプロケット410を備えた伝動シャフト41と、を備え、スプロケット40とスプロケット410がチェーン(図示せず)を介して伝動連結されており、開閉機4の動力が伝動シャフト41を介してスプロケット40に伝達されるようになっている。開閉機4の出力軸が第1の方向に回転することに連動してチェーンが巻き上げられてシャッターカーテンが上昇して開口部が開放され、開閉機4の出力軸が第2の方向に回転することに連動してチェーンが繰り出されてシャッターカーテンが下降して開口部が閉鎖される。開口部の幅方向両端部の室外側、室内側に位置して、障害物検知用の光電スイッチ5が配置されている。光電スイッチ5によりシャッターカーテンの降下経路に近づく物体を検出して、シャッターカーテンの下降を停止ないし反転上昇させることで、降下するシャッターカーテン下方における挟まれや接触を防止する。上述のオーバーヘッドドアの基本構成と類似の構成が実用新案登録第2564466号に記載されており、必要に応じて参照することができる。また、上述のオーバーヘッドドアの構成は例示に過ぎないことに留意されたい。
【0023】
最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11の幅方向の一端側の下方部位には、センサS1、S2がそれぞれ設けてある。図示の態様では、図3に示すように、室外側のセンサS1が、室内側のセンサS2よりも、下方に位置しているが、室内外のセンサの高さ位置の関係は、これに限定されるものではなく、同じ高さ位置でもよく、あるいは、室内側のセンサが、室外側のセンサよりも、下方に位置していてもよい。センサS1、S2は開口部幅方向の同じ側の端部に設けてある。図6に示すように、センサS1、S2は、開閉機4が設けられた側の端部に位置しており、配線等の便宜を図っている。図示の態様では、センサS1、S2は、ブラケット6を介して最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11に取り付けられている。各ブラケット6は、センサS1、S2を載設する底壁60と、平面視L形状の側壁を備えており、側壁の一辺61が最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11の幅方向端部の下方部位に取り付けられている。
【0024】
1つの態様では、センサS1、S2は、レーザスキャナセンサである。レーザスキャナセンサは、例えば、赤外線レーザ光を2次元的にスキャンさせて検知領域を設定し、反射光を監視することで検知領域内の物体を検知する。レーザスキャナセンサ自体は公知であり、検知領域の寸法や形状は任意に設定可能である。
【0025】
図5、図7に示すように、センサS1は、開口部の前方の室外側空間に水平面状の検知領域A1を設定し、検知領域A1内に位置する物体を検知する。検知領域A1は、開口部の前方の室外側空間において、センサS1を角部とした平面視方形領域であり、平面視において、開口部の全幅に対応する幅寸法、及び、パネル1の室外側面部10から所定の奥行寸法、を備えている。図6、図7に示すように、センサS2は、開口部の前方の室内側空間に水平面状の検知領域A2を設定し、検知領域A2内に位置する物体を検知する。検知領域A2は、開口部の前方の室内側空間において、センサS2を角部とした平面視方形領域であり、平面視において、開口部の全幅に対応する幅寸法、及び、パネル1の室内側面部11から所定の奥行寸法、を備えている。検知領域A1、A2の寸法や形状は可変であり、例えば、オーバーヘッドドアの設置場所や用途等に合わせて、奥行寸法を適宜設定することができる。
【0026】
検知領域A1、A2は、開口部を通過するために当該開口部に近づいた物体を検知するような領域として設定される。すなわち、検知領域A1、A2は、停止しているシャッターカーテンを上昇して開口部を開放させるための起動エリアとして機能する。開口部全閉状態におけるセンサS1、S2による検知領域A1、A2内に進入した物体の検知に基づき全閉姿勢にあるシャッターカーテン(パネル1)が上昇を開始し、開口部を開放する。あるいは、開口部半開状態におけるセンサS1、S2による検知領域A1、A2内に進入した物体の検知に基づき半開姿勢にあるシャッターカーテン(パネル1)が上昇を再開し、開口部をさらに開放する。
【0027】
センサS1、S2は、それぞれ、最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11の幅方向端部の下方部位に設けてあり、開口部全閉状態ではセンサS1、S2は、床面に近接しており、開口部全閉状態において、検知領域A1、A2は、水平状の床面FLに対して離間して平行する水平面を形成している(図5、図6参照)。検知領域A1、A2は、床面FLから離間していることで、床面FLや床面FL上の埃やゴミ等を誤検知することがない。
【0028】
センサS1、S2は、それぞれ最下位のパネル1の室外側面部10、室内側面部11に取り付けてあるので、センサS1、S2は、シャッターカーテン(パネル1)の上昇に伴って上昇し、シャッターカーテン(パネル1)の下降に伴って下降する可動センサである。したがって、水平面状の検知領域A1、A2は、センサS1、S2の昇降移動に伴って昇降する。最下位のパネル1が垂直姿勢を維持して昇降している時には、検知領域A1、A2は、水平面を維持して昇降する。
【0029】
シャッターカーテンの昇降は、起動スイッチからの信号が制御部に入力されることで開始される。センサS1、S2は起動スイッチを構成しており、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態におけるセンサS1ないしS2が検知領域A1、A2に進入した物体を検知すると(センサON)、検知情報(センサON)を受信した制御部が開閉機4の出力軸を第1の方向に回転させることで、全閉姿勢あるいは半開姿勢にあるシャッターカーテン(パネル1)が上昇を開始する。シャッターカーテン(パネル1)の上昇に伴い水平面状の検知領域A1、A2も上昇するが、上昇する水平面状の検知領域A1、A2の高さが上記物体の高さを越えるまでは物体は継続して検知され(センサON)、上昇する水平面状の検知領域A1、A2の高さが物体の高さを越えるとセンサS1、S2は非検知状態(センサOFF)となる。すなわち、センサS1、S2は、検知領域A1、A2に進入した物体の高さを検知する機能をも備えている。
【0030】
制御部がセンサS1、S2が非検知状態であると判定すると(センサがON状態からOFF状態となったことで判定する)、開閉機4の出力軸の第1の方向の回転が停止され、シャッターカーテンの上昇が停止される。シャッターカーテンの上昇の停止は、1つの態様では、タイマを用いて、非検知状態となってから所定時間後(例えば1秒後)に停止させる。シャッターカーテンの下端の高さと検知領域A1ないしA2の高さとの位置関係から、シャッターカーテンが停止した状態で、床面FLからシャッターカーテン下端までの高さが、上記物体の通行を許容できる程度の高さ(物体の高さ+クリアランス)となるように、シャッターカーテンの上昇速度を考慮しつつ、上記所定時間が設定される。
【0031】
シャッターカーテンは、その下端が物体の高さ+クリアランスとなる高さまで上昇して開口部を開放し、制御部により、開口部の開放状態をタイマで所定時間(開口部の通過に十分な時間)維持した後、光電スイッチ5が非検知状態にあることを条件として、開閉機4の出力軸を第2の方向に回転させることで、開放姿勢にあるシャッターカーテンが自動的に下降を開始し、リミットスイッチによって下限位置で停止して開口部全閉状態となる。
【0032】
本実施形態では、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態でのセンサON→シャッターカーテン上昇(センサON)→センサOFFによりシャッターカーテン停止(検知された物体の高さに応じた開口高まで開放)→タイマで所定時間後自動下降→下限位置で停止(開口部全閉状態)という開閉制御が行われるので、シャッターカーテンを不必要に上限位置まで上昇させて開口部全開状態とすることなく、検知された物体の高さに応じた開口部を形成することができる。本実施形態では、1つのセンサS1ないしS2による検知・非検知に基づいて、シャッター装置の起動(シャッターカーテンの上昇)、及び、シャッターカーテンを上昇させることで得られる開口高の制御(上昇するシャッターカーテンの停止)が行われる。
【0033】
本実施形態に係るオーバーヘッドドアは、手動操作型の起動スイッチによって起動させることもできる。例えば、押しボタンスイッチから上昇指令を制御部に入力することで、制御部により開閉機4の出力軸が第1の方向に回転されて、全閉姿勢にあるシャッターカーテンが上昇を開始する。例えば、検知領域A1、A2外から押しボタン操作を行った場合には、シャッターカーテンはリミットスイッチによって上限位置で停止して、図2に示すような開口部全開状態となる。1つの態様では、シャッターカーテンが上限に近い所定位置(最下位のパネル1が垂直姿勢から傾斜姿勢になる前)まで上昇したことを検知してセンサS1、S2を無効とすることで、最下位のパネル1の傾斜に伴い傾斜面となる検知領域A1、A2による誤検知(壁や床面を検知)を防止している。
【0034】
[B]第2実施形態
本発明の第2実施形態について、オーバーヘッドドアの開閉制御装置に基づいて、図8〜図14を参照しつつ説明する。オーバーヘッドドアの基本的な構成は、第1実施形態と同じであって、第1実施形態における記載を援用することができる。第1実施形態と第2実施形態との間において、図1と図8、図2と図9、図3と図10、図4と図11、図5と図12、図6と図13、図7と図14と、がそれぞれ対応しており、図1〜図14を通して、同一の要素については同一の参照番号を付してあり、同一の参照番号を付した要素の説明については、上述の第1実施形態に係る記載を第2実施形態の説明に援用することができる。第1実施形態と第2実施形態で大きく異なる点は、前者ではセンサS1、S2が最下位のパネル1に固定されているのに対して、後者ではセンサS1、S2が最下位のパネル1から独立している点である。以下、具体的に説明する。
【0035】
第2実施形態において、センサS1、S2は、可動ブラケット7に取り付けられている。可動ブラケット7は、センサS1、S2を載設する底壁70と、平面視L形状の側壁を備えており、側壁の一辺71の外面に沿って2本のローラ軸73が上下に間隔を存して支持されており、各ローラ軸73の先端は側壁の他辺72の外面よりも突出しており、その先端にはガイドローラ74が回転自在に装着されている。各可動ブラケット7の底壁70上にセンサS1、S2を取り付けることで、可動センサ組立体が形成される。
【0036】
建物開口部の室外側部位には、センサS1が配置される側の端部に近接して、ガイドレール8が垂直状に立設されている。センサS1を備えた室外側可動センサ組立体は、ガイドローラ74がガイドレール8に案内されることで、垂直方向に昇降可能となっている。センサS2を備えた室内側可動センサ組立体は、ガイドローラ74がガイドレール2の第1部位20に案内されることで、垂直方向に昇降可能となっている。ガイドレール2の第1部位20は僅かに傾斜しているが、第1部分20の傾斜面に案内された時にセンサS2が水平姿勢を維持しながら昇降するように、センサS2を備えた室内側可動センサ組立体の可動ブラケット7が構成されている。
【0037】
最下位のパネル1の室外側面部10の下方部位には、室外側に延出する当接片9Aが設けてある。当接片9Aは、室外側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接して、室外側可動センサ組立体を支承するようになっている。最下位のパネル1の室内側面部11の下方部位には、室内側に延出する当接片9Bが設けてある。当接片9Bは、室内側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接して、室内側可動センサ組立体を支承するようになっている。室内側の当接片9Bは、最下位のパネル1に予め設けられて要素(例えば、ブラケット)の部分であってもよい。
【0038】
開口部全閉状態からシャッターカーテンが上昇を開始すると、最下位のパネル1の室外側面部10に設けた当接片9Aが室外側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接することで、シャッターカーテンの上昇に伴って室外側可動センサ組立体(センサS1)がガイドレール8に沿って上昇し、最下位のパネル1の室内側面部11に設けた当接片9Bが室内側可動センサ組立体の可動ブラケット7の底壁70の下面に下方から当接することで、シャッターカーテンの上昇に伴って室内側可動センサ組立体(センサS2)がガイドレール2の第1部分20に沿って上昇する。したがって、水平面状の検知領域A1、A2は、センサS1、S2の昇降移動に伴って昇降する。上昇したシャッターカーテンが降下する時には、最下位のパネル1の室外側面部10に設けた当接片9A、室内側面部11に設けた当接片9Bが下方に移動することで、室外側可動センサ組立体、室内側可動センサ組立体は、それぞれガイドレール8、ガイドレール2に沿って自重で下降する。
【0039】
シャッターカーテンの下端部と可動センサ組立体との当接係止構成に係る他の実施形態を図15に示す。図15に示す態様は、第2実施形態に採用することができるが、パネル以外のシャッターカーテンに適用することも可能である。図15に示す態様の特徴は、シャッターカーテンの昇降時に当該シャッターカーテンの下端よりも下方の位置に検知領域を形成する点にある。
【0040】
可動センサ組立体S´には、当該可動センサ組立体の上面よりも上方に位置して被当接片70´が形成されており、シャッターカーテン1´の下方部位には、下端に近接して当接面9´が形成されている。図15の左図は開口部全閉状態(下限位置)を示しており、当接面9´と被当接片70´は所定の高さを存して離間対向している。図15の中央図は、シャッターカーテン開放初期を示し、シャッターカーテン1´が上記所定の高さ分上昇した時に、当接面9´が下方から被当接片70´に当接係止するようになっている。そして、シャッターカーテン1´がさらに上昇すると、図15右図に示すように、可動センサ組立体S´がシャッターカーテン下端から吊持された状態でガイドレール8´に沿って上昇する。この状態において、水平面状の検知領域A´は、シャッターカーテン下端Bのレベルよりも下方に位置している。このように構成することで、シャッターカーテン上昇時に物体を検知していた可動センサ組立体が非検知状態となってシャッターカーテン1´の上昇が停止した時には、シャッターカーテン下端Bは検知領域A´よりも幾分上方まで上昇しているため、開放された開口部を通過する物体がシャッターカーテン下端Bに衝突する可能性が低くなる。
【0041】
[C]シャッター装置における開閉制御の態様
シャッター装置における開閉制御の態様について図16〜図19を参照しつつ説明する。ここで述べる開閉制御は、上記第1実施形態、第2実施形態に適用できるが、必ずしもオーバーヘッドドアに限定されるものではなく、扉体が上下に昇降することで開口部を開閉するシャッター装置に広く適用し得るものである。このようなシャッター装置としては、板状のスラットを上下に連設して形成されたシャッターカーテンを備えたスラットシャッター、パイプシャッター、シートシャッター、パネルシャッター(オーバーヘッドドアを含む)等を例示することができる。
【0042】
図16は、開口部全閉状態を示し、全閉姿勢にあるシャッターカーテンの下方部位には、センサSが当該シャッターカーテンの上昇に伴って上昇可能に設けられている。センサSは水平面状の検知エリア1を形成している。センサSは起動センサとして作動し(検知エリア1は起動エリアである)、センサSが検知エリア1に進入した物体を検知すると、かかる検知情報を受信した制御部によりシャッターカーテンの上昇が開始される。図16では、荷物を積んだ作業車両が検知エリア1に進入した状態を示しており、作業車両の検知(センサON)に基づいてシャッターカーテンが上昇を開始する。センサSが作業車両を検知している間(センサON継続)は、シャッターカーテンの上昇が継続される。
【0043】
図17は、センサSを用いた開口部の開口高の制御を示す。図17左図は、検知エリア1に進入した荷物を積んだ作業車両が非検知(センサOFF)となるまでシャッターカーテンが上昇して開口部を開放した状態(開口高H1)を示している。図17右図は、検知エリア1に進入した低背の乗用車が非検知(センサOFF)となるまでシャッターカーテンが上昇して開口部を開放した状態(開口高H2)を示している。図17の左図と右図を比較すると明らかなように、検知エリア1に進入した物体の高さに応じて、適切な開口高までシャッターカーテンを上昇させて開口部を開放するようになっている。
【0044】
図18は、センサSを用いた障害物検知を示す。この態様では、センサSは安全センサとして作動し(検知エリア1は障害物検知エリアである)、シャッターカーテンの下降中に、センサSが検知エリア1に進入した人を検知した場合には、かかる検知情報を受信した制御部によりシャッターカーテンの下降が停止され、反転上昇される。
【0045】
図19は、1つのセンサSにより2つの異なる検知エリア1、検知エリア2が設定されている態様を示す。検知エリア1は起動エリアであり、検知エリア2は障害物検知エリアである。検知エリア1で物体が検知された時にはセンサSは起動センサとして機能し、検知エリア2物体が検知された時にはセンサSは安全センサとして機能する。
【0046】
検知エリア2は、開口部に近い側に設定され、検知エリア1よりも開口部から奥行寸法が小さい小面積の領域である。シャッターカーテンの下降中に、検知エリア2内で物体(例えば人)が検知された場合には、シャッターカーテンの下降が停止され、あるいは、反転上昇が行われる。一方、シャッターカーテンの下降中に、検知エリア1内のみに物体(車両や人)が進入した場合には、検知エリア1における検知が無効とされ、シャッターカーテンの下降が継続される。したがって、検知エリア1内のみを通過するような物体によってシャッターカーテンの下降が中断されることがない。さらに、センサSが検知領域内における物体の動きを検出できる場合には、物体の動きの検出結果を開閉制御に用いることができる。例えば、検知エリア1上の位置をセンサSを原点としたxy座標で表し、検知エリア1上の物体の動きの時系列データ(x,y,t)から、物体の移動方向、物体の移動速度、ある一定時間内の物体の移動範囲、検知領域内の物体の位置、検知領域内の物体の移動の有無等を取得することができ、これらの情報を開閉制御に用いてもよい。
【0047】
[D]第3実施形態
本発明の第3実施形態について、引き分けタイプの電動ハンガードアの開閉制御装置に基づいて、図20、図21を参照しつつ説明する。電動ハンガードアは、正面視縦長方形状の2枚の扉体100、100を備え、各扉体100の上端面にはハンガーローラ101が設けてあり、各扉体100は、ハンガーローラ101が開口部の上方に位置して水平方向に延びるハンガーレール200上を転動することで、左右方向に移動して開口部を開閉するようになっている。電動ハンガードアは、ハンガーローラ101をハンガーレール200に沿って移動させるための駆動機構を備えている。駆動機構による扉体100の移動は制御部によって制御されている。2枚の扉体100は、戸先側面部102同士が対向当接することで開口部全閉状態となり(図20参照)、戸先側面部102同士が離間する方向に扉体100が移動することで、離間した戸先側面部102間に開口部(開口幅W1)が形成される(図21参照)。
【0048】
各扉体100の戸先側部位の上方にはセンサS100が設けてある。センサS100によって、開口部前方空間に垂直面状の検知領域A100が形成されている。検知領域A100は開口部の全高に対応する高さ、及び、所定の開口部からの奥行寸法を備えている。開口部全閉状態では、2つの垂直面状の検知領域A100が対向状に形成されており、開口部を通行するべく開口部前方空間に進入した物体(人や車両)は、2つの検知領域A100によって検知される。センサS100が、検知領域A100に進入した物体を検知すると、検知情報を受信した制御部が駆動機構を用いて扉体100を互いに離間する開放方向へ移動させる。すなわち、検知領域A100が起動エリアであり、センサS100が起動センサとして機能する。
【0049】
検知領域A100に進入した物体が検知されている間(センサON)は、扉体100は開放方向への移動を継続する。より具体的には、互いに離間しながら移動する垂直面状の検知領域A100間の間隔が上記物体の幅を越えるまでは物体は継続して検知され(センサON)、離間しながら移動する2つの垂直面状の検知領域A100間の間隔が物体の幅寸法を越えるとセンサS100は非検知状態(センサOFF)となる。すなわち、センサS100は、検知領域A100に進入した物体の幅寸法を検知する機能を備えている。
【0050】
制御部が、センサS100が非検知状態であると判定すると(センサがON状態からOFF状態となったことで判定する)、扉体100の開放が停止される。例えば、扉体100の戸先側面部102間の間隔がW2となった時点で、センサS100は非検知状態(センサOFF)となった場合には、扉体100は全開状態まで開放移動せずに、半開状態で停止する。幅W2は当該物体の通行に十分な幅寸法であり、当該物体が開口部を通過した後に扉体100は自動閉鎖する。例えば、半開状態で停止後、タイマにより通行に十分な所定時間が計測され、所定時間経過後に、別途設けた安全センサが非検知状態であることを条件として、扉体100が互いに接近する方向に移動して、開口部全閉状態となる。
【符号の説明】
【0051】
1 パネル
2 ガイドレール
4 開閉機
8 ガイドレール
100 扉体
S、S1、S2、S100 センサ
A、A1、A2、A100 検知領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を電動開閉する扉体と、
開口部の前方空間に面状の検知領域を設定し、当該検知領域内に進入した物体を検知する検知手段と、
検知手段の検知・非検知に基づいて扉体の電動開閉を制御する制御部と、
を備え、
前記検知手段は、扉体の開放に伴って開放方向に移動する可動の検知手段であり、当該検知手段の開放方向への移動と共に前記面状の検知領域が開放方向へ移動するようになっており、
前記面状検知領域は開口部全閉状態あるいは開口部半開状態において開口部を通過するために当該開口部に近づいた物体を検知するように開口部前方空間に設定された起動エリアであり、
前記制御部は、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態における前記検知手段による物体の検知に基づき全閉姿勢あるいは半開姿勢にある扉体の開放移動を開始し、前記検知手段が検知状態にある間は前記扉体の開放移動を継続し、前記検知手段が検知状態から非検知状態になったことに基づき扉体の開放移動を停止する、
開閉制御装置。
【請求項2】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面の近傍に位置しており、前記面状検知領域は水平面である、請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項3】
前記扉体は左右方向に移動することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では戸先部位の近傍に位置しており、前記面状検知領域は垂直面である、請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項4】
前記検知手段は、前記扉体に連結されており、当該扉体の移動と共に移動可能となっている、請求項1〜3いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項5】
開口部の枠側には扉体の移動方向に沿ってガイドレールが設けてあり、前記検知手段は、扉体の開放に伴って前記ガイドレールに案内されながら開放方向に移動するように構成されている、請求項1〜3いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項6】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面の近傍に位置しており、
前記扉体の下方部位には当接部、前記検知手段には被当接部が設けてあり、前記扉体の上昇に伴って当接部が被当接部に当接して前記検知手段がガイドレールに沿って扉体と共に上昇し、前記扉体の下降時には前記検知手段は前記ガイドレールに沿って自重で下降する、請求項5に記載の開閉制御装置。
【請求項7】
前記検知手段は、扉体の閉鎖に伴って閉鎖方向に移動し、
扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記検知領域内に進入した物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われる、請求項1〜6いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項8】
前記検知手段は、複数の異なる検知領域を設定可能であり、起動エリアとしての第1領域と、少なくとも1つの第2領域を設定する、請求項1〜7いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項9】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、開口部に近い側に設定され、前記起動エリアよりも開口部から奥行寸法が小さい小面積の障害物検知エリアであり、
扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記第2領域内で物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われ、前記第1領域内のみで物体が検知された場合には、当該第1領域内での検知を無効とし、前記扉体の閉鎖方向への移動が継続される、請求項8に記載の開閉制御装置。
【請求項10】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、上限位置検出エリア、あるいは/および、下限位置検出エリアである、請求項8に記載の開閉制御装置。
【請求項1】
開口部を電動開閉する扉体と、
開口部の前方空間に面状の検知領域を設定し、当該検知領域内に進入した物体を検知する検知手段と、
検知手段の検知・非検知に基づいて扉体の電動開閉を制御する制御部と、
を備え、
前記検知手段は、扉体の開放に伴って開放方向に移動する可動の検知手段であり、当該検知手段の開放方向への移動と共に前記面状の検知領域が開放方向へ移動するようになっており、
前記面状検知領域は開口部全閉状態あるいは開口部半開状態において開口部を通過するために当該開口部に近づいた物体を検知するように開口部前方空間に設定された起動エリアであり、
前記制御部は、開口部全閉状態あるいは開口部半開状態における前記検知手段による物体の検知に基づき全閉姿勢あるいは半開姿勢にある扉体の開放移動を開始し、前記検知手段が検知状態にある間は前記扉体の開放移動を継続し、前記検知手段が検知状態から非検知状態になったことに基づき扉体の開放移動を停止する、
開閉制御装置。
【請求項2】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面の近傍に位置しており、前記面状検知領域は水平面である、請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項3】
前記扉体は左右方向に移動することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では戸先部位の近傍に位置しており、前記面状検知領域は垂直面である、請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項4】
前記検知手段は、前記扉体に連結されており、当該扉体の移動と共に移動可能となっている、請求項1〜3いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項5】
開口部の枠側には扉体の移動方向に沿ってガイドレールが設けてあり、前記検知手段は、扉体の開放に伴って前記ガイドレールに案内されながら開放方向に移動するように構成されている、請求項1〜3いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項6】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、前記検知手段は、開口部全閉状態では床面の近傍に位置しており、
前記扉体の下方部位には当接部、前記検知手段には被当接部が設けてあり、前記扉体の上昇に伴って当接部が被当接部に当接して前記検知手段がガイドレールに沿って扉体と共に上昇し、前記扉体の下降時には前記検知手段は前記ガイドレールに沿って自重で下降する、請求項5に記載の開閉制御装置。
【請求項7】
前記検知手段は、扉体の閉鎖に伴って閉鎖方向に移動し、
扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記検知領域内に進入した物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われる、請求項1〜6いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項8】
前記検知手段は、複数の異なる検知領域を設定可能であり、起動エリアとしての第1領域と、少なくとも1つの第2領域を設定する、請求項1〜7いずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項9】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、開口部に近い側に設定され、前記起動エリアよりも開口部から奥行寸法が小さい小面積の障害物検知エリアであり、
扉体の閉鎖方向への移動中に、前記検知手段により前記第2領域内で物体が検知された場合には、扉体の閉鎖方向への移動の停止、あるいは、開放方向への移動、が行われ、前記第1領域内のみで物体が検知された場合には、当該第1領域内での検知を無効とし、前記扉体の閉鎖方向への移動が継続される、請求項8に記載の開閉制御装置。
【請求項10】
前記扉体は上下に昇降することで開口部を開閉するものであり、
前記第2領域は、上限位置検出エリア、あるいは/および、下限位置検出エリアである、請求項8に記載の開閉制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図20】
【図21】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図20】
【図21】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−36290(P2013−36290A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175364(P2011−175364)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(307038540)三和シヤッター工業株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(307038540)三和シヤッター工業株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
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