説明

開閉眼状態判定装置及びプログラム

【課題】簡易な構成で、ドライバの開閉眼状態を精度よく判定することができるようにする。
【解決手段】各種センサによって、ヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、車速、及び操舵角を検出する。撮像装置11によって、ドライバの目画像を撮像する。開閉眼判定部24によって、目画像に基づいて、ドライバの開閉眼状態を判定する。操舵角推定部30によって、各種センサ値に基づいて、ドライバの開閉眼状態の判定結果に対する操舵角を推定する。誤差算出部32によって、推定された操舵角と、センサによって検出された操舵角との誤差を算出し、開閉眼補正部34によって、算出された誤差に基づいて、判定されたドライバの開閉眼状態を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉眼状態判定装置及びプログラムに係り、特に、車両の走行状態やドライバの操作状態に基づいて、ドライバの開閉眼状態を判定する開閉眼状態判定装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ドライバの顔画像から開閉眼状態を検出することにより居眠り運転を検出する居眠り運転防止装置が知られている(特許文献1)。また、ドライバの顔画像から検出された開閉眼状態を補正する手法が知られている(特許文献2)。この手法では、顔画像から検出した目の位置や開眼度合の時間変化に基づいて、顔画像から検出した開閉眼状態を補正している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−77189号公報
【特許文献2】特開2000−301962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、顔画像のみから開閉眼状態を検知しているため、誤検知がしばしば発生してしまう、という問題がある。
【0005】
また、上記の特許文献2に記載の技術では、生物学的におかしな状態(目の位置が極端におかしい状態や瞬きを全くしない状態等)に対しては、検出した開閉眼状態を正しく補正することが出来るが、それ以外の状態については、検出した開閉眼状態の誤りを補正することができない、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ドライバの開閉眼状態を精度よく判定することができる開閉眼状態判定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明に係る開閉眼状態判定装置は、自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出する状態検出手段と、前記ドライバの眼を含む領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記ドライバの開閉眼状態を判定する開閉眼状態判定手段と、前記状態検出手段によって検出された前記走行状態、又は前記走行状態及び前記操作状態に基づいて、前記開閉眼状態判定手段によって判定された前記ドライバの開閉眼状態に対する前記操作状態を推定する操作状態推定手段と、前記操作状態推定手段によって推定された前記操作状態と、前記状態検出手段によって検出された前記操作状態とを比較し、比較結果に基づいて、前記判定された前記ドライバの開閉眼状態を補正する開閉眼状態補正手段とを含んで構成されている。
【0008】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、ドライバの眼を含む領域を撮像する撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記ドライバの開閉眼状態を判定する開閉眼状態判定手段、自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出する状態検出手段によって検出された前記走行状態、又は前記走行状態及び前記操作状態に基づいて、前記開閉眼状態判定手段によって判定された前記ドライバの開閉眼状態に対する前記操作状態を推定する操作状態推定手段、及び前記操作状態推定手段によって推定された前記操作状態と、前記状態検出手段によって検出された前記操作状態とを比較し、比較結果に基づいて、前記判定された前記ドライバの開閉眼状態を補正する開閉眼状態補正手段として機能させるためのプログラムである。
【0009】
本発明によれば、状態検出手段によって、自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出し、また、撮像手段によって、ドライバの眼を含む領域を撮像する。開閉眼状態判定手段によって、撮像手段により撮像された画像に基づいて、ドライバの開閉眼状態を判定する。
【0010】
そして、操作状態推定手段によって、状態検出手段によって検出された走行状態、又は走行状態及び操作状態に基づいて、開閉眼状態判定手段によって判定されたドライバの開閉眼状態に対する操作状態を推定する。開閉眼状態補正手段によって、操作状態推定手段によって推定された操作状態と、状態検出手段によって検出された操作状態とを比較し、比較結果に基づいて、判定されたドライバの開閉眼状態を補正する。
【0011】
このように、判定されたドライバの開閉眼状態に対する操作状態を推定し、検出された操作状態と比較した比較結果に基づいて、判定されたドライバの開閉眼状態を補正することにより、ドライバの開閉眼状態を精度よく判定することができる。
【0012】
本発明に係る開閉眼状態判定装置は、判定されたドライバの開閉眼状態の時系列データに基づいて、ドライバが居眠り状態であるか否かを判定する居眠り判定手段を更に含むことができる。これによって、ドライバの居眠り状態を精度よく判定することができる。
【0013】
本発明に係る開閉眼状態判定装置は、判定されたドライバの開閉眼状態の時系列データに基づいて、瞬目特徴量を算出する特徴量算出手段を更に含むことができる。これによって、瞬目特徴量を精度よく算出することができる。
【0014】
本発明に係る状態検出手段は、自車両の走行状態として、ヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速を検出し、操作状態として、操舵角を検出し、操作状態推定手段は、開閉眼状態判定手段によって開眼状態であると判定された場合に、検出されたヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速に基づいて、前方注視点における目標コースからのずれを推定すると共に、前方注視モデルに従って、推定された前方注視点における目標コースからのずれに基づいて開眼状態に対する操舵角を推定し、開閉眼状態判定手段によって閉眼状態であると判定された場合に、前方注視点における目標コースからのずれを所定値として、閉眼状態に対する操舵角を推定することができる。
【0015】
本発明に係る状態検出手段は、自車両の走行状態として、ヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速を検出し、操作状態として、操舵角を検出し、操作状態推定手段は、開閉眼状態判定手段によって開眼状態であると判定された場合に、検出されたヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速に基づいて、目標コースに対する自車両の横位置を推定すると共に、推定された目標コースに対する自車両の横位置に基づいて開眼状態に対する操舵角を推定し、開閉眼状態判定手段によって閉眼状態であると判定された場合に、目標コースに対する自車両の横位置を所定値として、閉眼状態に対する操舵角を推定することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の開閉眼状態判定装置及びプログラムによれば、判定されたドライバの開閉眼状態に対する操作状態を推定し、検出された操作状態と比較した比較結果に基づいて、判定されたドライバの開閉眼状態を補正することにより、ドライバの開閉眼状態を精度よく判定することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る居眠り判定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】前方注視点における目標コースからのずれを説明するための図である。
【図3】前方注視点における目標コースからのずれの算出方法を説明するための図である。
【図4】操舵角推定部及び誤差算出部の処理の流れを説明するための図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る居眠り判定装置における居眠り判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る居眠り判定装置における開閉眼判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、車両に搭載された居眠り判定装置に本発明を適用した場合を例に説明する。
【0019】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る居眠り判定装置10は、ドライバの斜め前方に設置され、そのドライバの目を含む領域を斜め下から撮像する撮像装置11と、自車両の走行状態としてのヨー角速度を検出するヨー角速度センサ12と、自車両の走行状態としての横加速度を検出する横加速度センサ14と、自車両の走行状態としての車速を検出する車速センサ16と、ドライバが自車両を操作したときの操作状態としてのハンドルの操舵角を検出する操舵角センサ18と、撮像装置11、ヨー角速度センサ12、横加速度センサ14、車速センサ16、及び操舵角センサ18からの出力に基づいて、ドライバが居眠り状態であるか否かを判定し、判定結果に応じて、表示装置40に警告メッセージを表示させるコンピュータ20とを備えている。
【0020】
撮像装置11は、目画像を連続して撮像して、撮像した目画像をコンピュータ20に入力する。
【0021】
ヨー角速度センサ12は、検出したヨー角速度を示すヨー角速度信号を出力し、横加速度センサ14は、検出した横加速度を示す横加速度信号を出力する。車速センサ16は、検出した自車両の車速を示す車速信号を出力し、操舵角センサ18は、検出したハンドルの操舵角を示す操舵角信号を出力する。ヨー角速度センサ12、横加速度センサ14、車速センサ16、及び操舵角センサ18は、ある一定間隔で(例えば、100ms毎)で、各信号をコンピュータ20に入力する。
【0022】
コンピュータ20は、CPUと、RAMと、後述する居眠り判定処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。コンピュータ20は、撮像装置11から目画像を取得する画像取得部22と、目画像から瞼開度を検出して開閉眼状態を判定する開閉眼判定部24と、ヨー角速度センサ12からのヨー角速度信号、横加速度センサ14からの横加速度信号、車速センサ16からの車速信号、及び操舵角センサ18からの操舵角信号の各々を所定時間分取得してメモリ(図示省略)に記憶するセンサ値取得部26と、ヨー角速度センサ12からのヨー角速度信号、横加速度センサ14からの横加速度信号、及び車速センサ16からの車速信号に基づいて、目標コースを推定する目標コース推定部28と、ヨー角速度センサ12からのヨー角速度信号、横加速度センサ14からの横加速度信号、車速センサ16からの車速信号、操舵角センサ18からの操舵角信号、及び推定された目標コースに基づいて、開閉眼判定部24の判定結果に対応する操舵角を所定時間分推定してメモリに記憶する操舵角推定部30と、センサ値取得部26によって取得された操舵角信号が示す操舵角と、推定された操舵角とを比較して、誤差を算出する誤差算出部32と、算出された誤差に基づいて、開閉眼判定部24による判定結果を補正する開閉眼補正部34と、判定された開閉眼状態の時系列データに基づいて、ドライバが居眠り状態であるか否かを判定し、判定結果に応じて、表示装置40に警告メッセージを表示させる居眠り状態判定部36とを備えている。なお、居眠り状態判定部36は、居眠り判定手段及び特徴量算出手段の一例である。
【0023】
開閉眼判定部24は、目画像から、ドライバの目を表す目領域を抽出し、各目領域から、瞼が開いている度合いを示す瞼開度を検出する。開閉眼判定部24は、検出された瞼開度が、閉眼閾値以下となる場合には、閉眼状態であると判定し、一方、検出された瞼開度が、閉眼閾値より大きい場合には、開眼状態であると判定する。
【0024】
センサ値取得部26は、ヨー角速度センサ12からのヨー角速度信号、横加速度センサ14からの横加速度信号、車速センサ16からの車速信号、及び操舵角センサ18からの操舵角信号の各々を所定時間ΔT分取得して、メモリ(図示省略)に記憶する。
【0025】
目標コース推定部28は、ヨー角速度センサ12からのヨー角速度信号及び横加速度センサ14からの横加速度信号に、例えば0.5Hz以下をカットオフ周波数とするフィルタを掛けて得られた、ヨー角速度及び横加速度に基づいて、横滑り角を算出する。目標コース推定部28は、時刻tまでに算出された横滑り角、時刻tまでに得られたヨー角速度、及び時刻tまでに車速センサ16から得られた車速信号が示す車速に基づいて、以下の(1)式〜(3)式から、時刻tにおける目標コースの位置を推定する。
【0026】
【数1】

【0027】
ただし、X(t)、Y(t)は、時刻tにおける前後位置及び横位置であり、θ(t)は時刻tにおけるヨー角である。Vは車速であり、βは、横滑り角であり、rは、ヨー角速度である。また、Xは、前後位置の初期値であり、Yは、横位置の初期値であり、θはヨー角の初期値であり、これらの初期値として、予め定められた値を用いればよい。
【0028】
目標コース推定部28は、上記のように、各センサからの出力に基づいて、逐次、目標コースの位置を推定し、推定された目標コースの位置をメモリに記憶しておく。
【0029】
また、コンピュータ20では、ヨー角速度センサ12からのヨー角速度信号及び横加速度センサ14からの横加速度信号に基づいて、横滑り角を逐次算出し、時刻tまでに算出された横滑り角、時刻tまでに得られたヨー角速度、及び時刻tまでに車速センサ16から得られた車速信号が示す車速に基づいて、上記(1)式〜(3)式に従って、時刻tにおける自車両の位置を逐次算出し、メモリに記憶する。
【0030】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって開眼状態であると判定された場合、以下に説明するように、時刻tから時刻t+ΔTまでの開眼状態における操舵角を各々推定する。
【0031】
まず、時刻tにおいて、ヨー角速度センサ12からのヨー角速度信号、横加速度センサ14からの横加速度信号、車速センサ16からの車速信号、及び操舵角センサ18からの操舵角信号を取得し、ヨー角速度及び横加速度に基づいて、時刻tにおける横滑り角を算出する。
【0032】
時刻tにおける車両位置と時刻tにおけるヨー角速度、横滑り角、及び車速とに基づいて、上記(1)式〜(3)式に従い時刻t+Δtの車両位置を算出する。なお、車速については、時刻tにおいて車速センサ16から得られた車速信号が示す車速を用いる。
【0033】
また、各種センサから得られた、ヨー角速度、車速、及び操舵角と、算出された横滑り角とに基づいて、以下の(4)式に示す車両モデルに従って、時刻tにおけるヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値を算出する。
【0034】
【数2】

【0035】
ただし、Iは、慣性モーメントであり、l、lは、前後車軸間距離であり、k、kは、前後コーナリングパワーであり、δは、操舵角である。なお、上記(4)式で表される車両モデルは、非特許文献(安倍正人著、「自動車の運動と制御」)に記載された二輪操舵モデルである。
【0036】
算出された時刻tにおけるヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値から、次の時刻t+Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角を算出し、上記(1)式〜(3)式に従って算出された時刻t+Δtの車両位置と、次の時刻t+Δtにおけるヨー角速度、横滑り角、及び車速とに基づいて、次の時刻t+2・Δtにおける車両の位置を算出する。
【0037】
そして、次の時刻t+Δtにおける、前方注視点での目標コースからのずれεを算出する。前方注視点での目標コースからのずれεは、図2に示すように、前方注視点(前方注視距離Lだけ前方に離れた位置)での目標コースと、前方注視点での車両位置との横位置のずれεを示している。
【0038】
具体的には、図3に示すように、目標コース推定部24により推定された時刻t+Δtにおける目標コースの横位置と、上記のように算出された時刻t+Δtにおける自車両の横位置との差yと、自車両の横位置の微分から得られる自車両の横位置速度vと、予め求められた前方注視時間Tとに基づいて、以下の(5)式に従って、前方注視点での目標コースからのずれεを算出する。
【0039】
【数3】

【0040】
次に、非特許文献(安倍正人著、「自動車の運動と制御」)に記載されている前方注視モデルを用いて、前方注視点での目標コースからのずれεと操舵角δの伝達関数H(s)を用いて、時刻t+Δtにおける前方注視点での目標コースからのずれεから、時刻t+Δt操舵角δを推定する。伝達関数H(s)は、以下の(6)式で表される。
【0041】
【数4】

【0042】
ただし、h、τ、τ、τは、伝達関数の定数である。
【0043】
ここで、前方注視点での目標コースからのずれεを、開眼状態における前方注視点での目標コースからのずれとして、推定された操舵角を、開眼状態における操舵角の推定値とする。
【0044】
また、推定された時刻t+Δtにおける操舵角と、上記で算出された時刻t+Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角とを用いて、上記(4)式に従って、ヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値を算出し、算出されたヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値から、次の時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角を算出する。算出された時刻t+2・Δtにおける自車両の位置と、時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度、横滑り角、及び車速とに基づいて、次の時刻t+3・Δtにおける車両の位置を算出する。
【0045】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって開眼状態であると判定された場合、図4に示すように、上記の処理を繰り返すことにより、時刻tから所定時間ΔT先までの開眼状態における操舵角を推定し、メモリに記憶する。
【0046】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって閉眼状態であると判定された場合、以下に説明するように、時刻t〜t+ΔTについて、閉眼状態における操舵角を推定する。
【0047】
まず、開眼状態における操舵角を推定する場合と同様に、次の時刻t+Δtにおける車両位置、ヨー角速度、及び横滑り角を算出し、次の時刻t+2・Δtにおける車両の位置を算出する。
【0048】
そして、閉眼状態における目標コースからのずれとして、前方注視点での目標コースからのずれεを0とし、上記(6)式の伝達関数H(s)を用いて、時刻t+Δtにおける閉眼状態に対する操舵角δを推定する。
【0049】
また、推定された操舵角と、上記で算出されたヨー角速度及び横滑り角とを用いて、上記(4)式に従って、ヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値を算出し、算出されたヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値から、次の時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角を算出する。算出された時刻t+2・Δtにおける自車両の位置と、時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度、横滑り角、及び車速とに基づいて、次の時刻t+3・Δtにおける車両の位置を算出する。
【0050】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって閉眼状態であると判定された場合、上記図4に示すように、上記の処理を繰り返すことにより、時刻tから所定時間ΔT先までの閉眼状態における操舵角を推定し、メモリに記憶する。
【0051】
誤差算出部32は、操舵角推定部30により時刻t〜時刻t+ΔTについて推定された操舵角と、センサ値取得部26によって取得された時刻t〜時刻t+ΔTの操舵角とを、時刻毎に比較して差分を各々算出し、差分の移動平均を算出する。なお、操舵角の差分として、2乗誤差を算出するようにしてもよい。
【0052】
開閉眼補正部34は、算出された差分の移動平均と予め定められた閾値とを比較して、差分の移動平均が閾値以上である場合には、開閉眼判定部24で判定された開閉眼状態を補正する。一方、差分の移動平均が閾値未満である場合には、開閉眼判定部24で判定された開閉眼状態は補正されない。
【0053】
居眠り状態判定部36は、開閉眼補正部34によって補正された、又は補正されなかった開閉眼状態の判定結果の時系列データから、瞬目特徴量として、所定時間内の閉眼時間を算出し、算出された閉眼時間について閾値判断を行って、ドライバが居眠り状態であるか否かを判定する。また、居眠り状態判定部36は、ドライバが居眠り状態であると判定すると、居眠り状態であることを示す警告メッセージを表示装置40に表示させる。
【0054】
次に、第1の実施の形態に係る居眠り判定装置10の作用について説明する。居眠り判定装置10を搭載した車両の走行中に、コンピュータ20において、図5に示す居眠り判定処理ルーチンが実行される。
【0055】
まず、ステップ100で、開閉眼状態を判定する処理を行う。上記ステップ100は、図6に示す開閉眼判定処理ルーチンによって実現される。以下、開閉眼判定処理ルーチンについて説明する。
【0056】
ステップ118において、時刻を表わす変数tに、現在時刻tを初期値として設定する。そして、ステップ120において、撮像装置11によって撮像された目画像を取得する。次のステップ122では、ヨー角速度センサ12、横加速度センサ14、車速センサ16、及び操舵角センサ18の各々から出力された信号を取得して、メモリに記憶する。そして、ステップ124で、所定時間ΔT経過したと判定されるまで、上記ステップ122を繰り返し、所定時間ΔT経過すると、ステップ126へ進む。これによって、所定時間ΔT分のヨー角速度信号、横加速度信号、車速信号、及び操舵角信号が、メモリに記憶される。
【0057】
ステップ126では、上記ステップ120で取得した目画像から瞼開度を検出し、ステップ128において、上記ステップ126で検出された瞼開度と閉眼閾値とを比較して、ドライバの開閉眼状態を判定する。
【0058】
そして、ステップ130で、時刻tを次の時刻(t+Δt)に設定し、ステップ132において、コンピュータ20で逐次算出されている自車両の位置から、時刻t(=t+Δt)における自車両の位置を取得する。
【0059】
次のステップ134では、上記ステップ128において開眼状態であると判定された否かを判定する。開眼状態であると判定されていた場合に、ステップ136において、上記ステップ122で取得された時刻t〜時刻t+ΔTのヨー角速度センサ12、横加速度センサ14、及び車速センサ16の出力の各々にフィルタを掛けて得られた値に基づいて、上記ステップ時刻t〜時刻t+ΔTまでの自車両の目標コースの位置を推定する。
【0060】
そして、ステップ138では、次の時刻t+Δtにおける開眼状態に対する自車両の位置を算出する。t=t+Δtである場合には、上記ステップ122で取得した時刻tのセンサ値と、上記ステップ132で取得した時刻tの車両位置とに基づいて、次の時刻t+Δtにおける開眼状態に対する自車両の位置を算出する。それ以外の場合には、後述するステップ142で推定された時刻tの開眼状態における操舵角と、前回のステップ138で算出した時刻tの車両位置とに基づいて、車両モデルに従って、次の時刻t+Δtにおける開眼状態に対する自車両の位置を算出する。
【0061】
そして、ステップ140において、上記ステップ136で推定された時刻tにおける目標コースの位置と、上記ステップ132で取得した時刻tにおける自車両の位置、又は上記ステップ138で算出された自車両の位置とに基づいて、前方注視点における目標コースからのずれを算出する。
【0062】
次のステップ142では、上記ステップ140で算出された前方注視点における目標コースからのずれに基づいて、時刻tの開眼状態における操舵角を推定して、メモリに記憶する。
【0063】
そして、ステップ144において、時刻tが、t+ΔTに到達したか否かを判定し、t+ΔTに達していない場合には、ステップ146において、時刻tを、次の時刻t+Δtに設定し、ステップ138へ戻る。一方、時刻tが、t+ΔTに到達した場合には、ステップ156へ進む。
【0064】
一方、上記ステップ134において、判定結果が閉眼状態であったと判定された場合、ステップ148へ進み、次の時刻t+Δtにおける閉眼状態に対する自車両の位置を算出する。t=t+Δtの場合には、上記ステップ122で取得した時刻tのセンサ値と、上記ステップ132で取得した時刻tの車両位置とに基づいて、次の時刻t+Δtにおける閉眼状態に対する自車両の位置を算出する。それ以外の場合には、後述するステップ150で推定された時刻tの閉眼状態における操舵角と、前回のステップ148で算出した時刻tの車両位置とに基づいて、車両モデルに従って、次の時刻t+Δtにおける閉眼状態に対する自車両の位置を算出する。
【0065】
そして、ステップ150では、目標コースからのずれを0として、時刻tの閉眼状態における操舵角を推定して、メモリに記憶する。
【0066】
そして、ステップ152において、時刻tが、t+ΔTに到達したか否かを判定し、t+ΔTに達していない場合には、ステップ154において、時刻tを、次の時刻t+Δtに設定し、ステップ148へ戻る。一方、時刻tが、t+ΔTに到達した場合には、ステップ156へ進む。
【0067】
ステップ156では、上記ステップ122で取得した時刻t+Δt〜t+ΔTまでの操舵角信号が示す操舵角と、上記ステップ142又はステップ150で推定された時刻t+Δt〜t+ΔTまでの開閉眼状態の判定結果に対する操舵角とを、時刻毎に比較して差分を算出し、差分の移動平均を算出する。
【0068】
そして、ステップ158において、上記ステップ156で算出された差分の移動平均と、予め設定された閾値とを比較して、差分の移動平均が閾値未満である場合には、ドライバの開閉眼状態の判定結果を補正せずに、ステップ162へ移行する。一方、差分の移動平均が閾値以上である場合には、ステップ160において、ドライバの開閉眼状態の判定結果を補正する。例えば、上記ステップ128でドライバが開眼状態であると判定されていた場合には、閉眼状態であるとの判定結果に補正し、一方、上記ステップ128でドライバが閉眼状態であると判定されていた場合には、開眼状態であるとの判定結果に補正する。
【0069】
そして、ステップ162では、上記ステップ160で補正された、又は補正されなかった開閉眼状態の判定結果をメモリに記憶して、開閉眼判定処理ルーチンを終了する。
【0070】
そして、上記図5の居眠り判定処理ルーチンのステップ102では、処理開始から所定時間経過したか否かを判定し、経過していない場合には、再びステップ100で、開閉眼状態を判定する処理を行う。一方、処理開始から所定時間経過した場合には、ステップ104へ進む。このとき、所定時間分の開閉眼状態の判定結果がメモリに記憶されている。
【0071】
ステップ104では、所定時間分の開閉眼状態の判定結果に基づいて、所定時間内における閉眼時間を計測する。そして、ステップ106において、上記ステップ104で計測された閉眼時間が、閾値以上であるか否かを判定する。閉眼時間が閾値以上であると判定された場合には、ドライバが居眠り状態であると判定されるため、ステップ108で、ドライバが居眠り状態であることを示す警告メッセージを表示装置40に表示させて、居眠り判定処理ルーチンを終了する。一方、上記ステップ106において、閉眼時間が閾値未満である場合には、ドライバが居眠り状態ではないと判定されるため、ステップ110において、ドライバの状態が正常状態であることを示すメッセージを表示装置40に表示させて、居眠り判定理ルーチンを終了する。
【0072】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る居眠り判定装置によれば、判定されたドライバの開閉眼状態に対する操舵角を推定し、センサによって検出された操舵角と比較した比較結果に基づいて、判定されたドライバの開閉眼状態を補正することにより、ドライバの開閉眼状態を精度よく判定することができる。また、その判定結果を用いて、ドライバの居眠り状態を精度よく判定することができる。
【0073】
また、ドライバの目画像から判定された開閉眼状態と検出された車両挙動状態とに基づき推定された操舵角と、センサにより検出された操舵角を比較することにより、目画像から判定された開閉眼状態の確からしさを表わす指標として、誤差を算出することができる。算出された誤差に基づき目画像から判定された開閉眼状態を補正するため、目画像のみから開閉眼状態を判定する場合に比べ、高精度にドライバの開閉眼状態を判定できるようになる。
【0074】
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態に係る居眠り判定装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0075】
第2の実施の形態では、一般化予測制御理論を用いて、開眼状態における操舵角を推定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
【0076】
第2の実施の形態における、開眼状態に対する操舵角を推定する原理について説明する。本実施の形態では、非特許文献(堀内伸一郎、砂田圭、「車線追従のための操舵支援システムと多入力ドライバモデルを用いた評価」)に記載された、一般化予測制御理論を用いて、開眼状態における操舵角を推定する。
【0077】
ドライバは、Mサンプル先までの横位置と操舵角の二乗和によって計算される、以下の(7)式で表される評価関数Jを最小にするように操舵すると仮定する。
【0078】
【数5】

【0079】
時刻tにおける目標コースを基準とした、車両モデルから算出された時刻tの自車両位置の横位置yに対して、上記(7)式で表される評価関数Jを最小にする操舵角δを求めて、時刻tの開眼状態における操舵角の推定値とする。
【0080】
なお、上記(7)式の評価関数Jを最小とする操舵角を解く場合には、以下の(8)式に示す横位置yと操舵角δとの関係式と、以下の(9)式に示すセンサ値zと横位置yとの関係式とを用いて、リッカチ方程式を解くことにより、解を求める。
【0081】
【数6】

【0082】
ただし、A、Bは、信号を1時刻遅らせる時間遅れ演算子q−1によって記述される多項式である。また、Cは、センサ値zと横位置yとの関係を表わす定数である。
【0083】
また、上記(8)式は、以下の(10)〜(12)式から得られる関係式である。
【0084】
【数7】

【0085】
上記(10)式は、車両モデルに基づくヨー角速度r、横位置速度v、及び操舵角δの関係を表わす関係式であり、上記(11)式は、前方偏差εに関する関係式である。また、上記(12)式は、前方偏差速度εのドットに関する関係式であり、上記(13)式は、ヨー角速度θに関する関係式である。
【0086】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって開眼状態であると判定された場合、第1の実施の形態と同様に、次の時刻t+Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角を算出し、次の時刻t+2・Δtにおける自車両の位置を算出する。
【0087】
そして、時刻t+Δtにおける目標コースと、算出された自車両の位置とに基づいて、目標誤差として、目標コースに対する自車両の横位置を算出する。
【0088】
次に、時刻t+Δtにおける自車両の横位置に基づいて、上記の評価関数Jを最小にする操舵角を算出し、時刻t+Δtの開眼状態における操舵角として推定する。
【0089】
また、推定された操舵角と、上記で算出されたヨー角速度及び横滑り角とを用いて、上記(4)式に従って、ヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値を算出する。算出されたヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値から、次の時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角を算出する。算出された時刻t+2・Δtにおける自車両の位置と、時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度、横滑り角、及び車速とに基づいて、次の時刻t+3・Δtにおける車両の位置を算出する。
【0090】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって開眼状態であると判定された場合、上記の処理を繰り返すことにより、時刻tから所定時間ΔT先までの開眼状態における操舵角を推定し、メモリに記憶する。
【0091】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって閉眼状態であると判定された場合、第1の実施の形態と同様に、次の時刻t+Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角を算出し、次の時刻t+2・Δtにおける自車両の位置を算出する。
【0092】
そして、目標誤差が一定であると仮定して、時刻tにおける目標コースと、時刻tに算出された自車両の位置とに基づいて得られる目標コースに対する自車両の横位置(目標誤差)を、次の時刻t+Δt以降における横位置とする。
【0093】
次に、自車両の横位置に基づいて、上記の評価関数Jを最小にする操舵角を算出し、次の時刻t+Δtの閉眼状態における操舵角として推定する。
【0094】
また、推定された操舵角と、上記で算出されたヨー角速度及び横滑り角とを用いて、上記(4)式に従って、ヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値を算出する。算出されたヨー角速度の微分値及び横滑り角の微分値から、次の時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度及び横滑り角を算出する。算出された時刻t+2・Δtにおける自車両の位置と、時刻t+2・Δtにおけるヨー角速度、横滑り角、及び車速とに基づいて、次の時刻t+3・Δtにおける車両の位置を算出する。
【0095】
操舵角推定部30は、開閉眼判定部24によって閉眼状態であると判定された場合、上記の処理を繰り返すことにより、時刻tから所定時間ΔT先までの閉眼状態における操舵角を推定し、メモリに記憶する。
【0096】
なお、第2の実施の形態に係る居眠り判定装置の他の構成及び作用については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0097】
このように、センサによって検出された走行状態及び操作状態から、ドライバモデルとして一般化予測制御理論を用いて、開閉眼状態の判定結果に対する操舵角を推定することができる。
【0098】
なお、上記の第1の実施の形態〜第2の実施の形態では、計測された閉眼時間が閾値以上である場合に、居眠り状態であると判定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数の計測結果から得られる平均閉眼時間が閾値以上である場合に、居眠り状態であると判定するようにしてもよい。
【0099】
また、瞬目特徴量として閉眼時間を求める場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、PERCLOS(単位時間に対する閉眼時間の割合)などを算出し、算出されたPERCLOSを用いて、居眠り状態であるか否かを判定してもよい。
【0100】
また、操舵角の誤差の移動平均が閾値以上である場合に、開閉眼状態の判定結果を補正する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、操舵角の誤差の移動平均が閾値以上である場合に、一方の開閉眼状態の判定結果のみを補正するようにしてもよい。例えば、閉眼状態であるとの判定結果のみを、開眼状態であるとの判定結果に補正し、開眼状態であるとの判定結果については補正しないようにしてもよい。
【0101】
また、センサ値を用いて、目標コースの位置を推定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、自車両の前方を撮像するように設置された撮像装置からの前方画像に基づいて、目標コースの位置を推定するようにしてもよい。この場合には、前方画像から推定された目標コースの位置に基づいて、前方注視点における目標コースとの位置ずれや、目標コースに対する自車両の横位置を推定することができる。
【0102】
また、閉眼状態のドライバモデルとして、前方注視点における目標コースとのずれを0とした場合や、目標コースに対する自車両の横位置を一定とした場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前方注視点における目標コースとのずれが一定となる(更新されない)と仮定して、閉眼状態における操舵角を推定するようにしてもよい。また、操舵角が一定となると仮定して、閉眼状態における操舵角を推定するようにしてもよい。また、操舵トルクが一定となると仮定して、閉眼状態における操舵角を推定するようにしてもよい。
【0103】
また、検出する操作状態又は走行状態として、ヨー角速度、横加速度、車速、及び操舵角を採用した場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、走行状態として、車速、ヨー角速度、横滑り角、横加速度、及びこれらの値に簡易に変換可能な走行状態量の少なくとも1種類以上を検出するようにしてもよい。また、操作状態として、操舵角、実舵角、操舵トルク、アクセルペダル操作量、及びブレーキペダル操作量の少なくとも1種類以上を検出するようにしてもよい。この場合には、検出された走行状態、又は検出された走行状態及び操作状態を用いて、開閉眼状態の判定結果に対する操作状態を推定するようにすればよい。
【0104】
なお、本発明のプログラムは、記憶媒体に格納して提供することができる。
【符号の説明】
【0105】
10 居眠り判定装置
11 撮像装置
12 ヨー角速度センサ
14 横加速度センサ
16 車速センサ
18 操舵角センサ
20 コンピュータ
24 開閉眼判定部
24 目標コース推定部
26 センサ値取得部
28 目標コース推定部
30 操舵角推定部
32 誤差算出部
34 開閉眼補正部
36 居眠り状態判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出する状態検出手段と、
前記ドライバの眼を含む領域を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記ドライバの開閉眼状態を判定する開閉眼状態判定手段と、
前記状態検出手段によって検出された前記走行状態、又は前記走行状態及び前記操作状態に基づいて、前記開閉眼状態判定手段によって判定された前記ドライバの開閉眼状態に対する前記操作状態を推定する操作状態推定手段と、
前記操作状態推定手段によって推定された前記操作状態と、前記状態検出手段によって検出された前記操作状態とを比較し、比較結果に基づいて、前記判定された前記ドライバの開閉眼状態を補正する開閉眼状態補正手段と、
を含む開閉眼状態判定装置。
【請求項2】
前記判定された前記ドライバの開閉眼状態の時系列データに基づいて、ドライバが居眠り状態であるか否かを判定する居眠り判定手段を更に含む請求項1記載の開閉眼状態判定装置。
【請求項3】
前記判定された前記ドライバの開閉眼状態の時系列データに基づいて、瞬目特徴量を算出する特徴量算出手段を更に含む請求項1又は2記載の開閉眼状態判定装置。
【請求項4】
前記状態検出手段は、自車両の走行状態として、ヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速を検出し、前記操作状態として、操舵角を検出し、
前記操作状態推定手段は、前記開閉眼状態判定手段によって開眼状態であると判定された場合に、前記検出されたヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速に基づいて、前方注視点における目標コースからのずれを推定すると共に、前方注視モデルに従って、推定された前方注視点における目標コースからのずれに基づいて開眼状態に対する操舵角を推定し、前記開閉眼状態判定手段によって閉眼状態であると判定された場合に、前方注視点における目標コースからのずれを所定値として、閉眼状態に対する操舵角を推定する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の開閉眼状態判定装置。
【請求項5】
前記状態検出手段は、自車両の走行状態として、ヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速を検出し、前記操作状態として、操舵角を検出し、
前記操作状態推定手段は、前記開閉眼状態判定手段によって開眼状態であると判定された場合に、前記検出されたヨー角速度又は横加速度の少なくとも一方、及び車速に基づいて、目標コースに対する自車両の横位置を推定すると共に、推定された目標コースに対する自車両の横位置に基づいて開眼状態に対する操舵角を推定し、前記開閉眼状態判定手段によって閉眼状態であると判定された場合に、目標コースに対する自車両の横位置を所定値として、閉眼状態に対する操舵角を推定する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の開閉眼状態判定装置。
【請求項6】
コンピュータを、
ドライバの眼を含む領域を撮像する撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記ドライバの開閉眼状態を判定する開閉眼状態判定手段、
自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出する状態検出手段によって検出された前記走行状態、又は前記走行状態及び前記操作状態に基づいて、前記開閉眼状態判定手段によって判定された前記ドライバの開閉眼状態に対する前記操作状態を推定する操作状態推定手段、及び
前記操作状態推定手段によって推定された前記操作状態と、前記状態検出手段によって検出された前記操作状態とを比較し、比較結果に基づいて、前記判定された前記ドライバの開閉眼状態を補正する開閉眼状態補正手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−267206(P2010−267206A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119964(P2009−119964)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】