説明

開閉装置の制御信号送受信装置

【課題】送信装置と受信装置との間の距離を大きくしても使用可能になって制御信号の有効到達距離が大きくなり、使用態様を拡大できる開閉装置の制御信号送受信装置を提供すること。
【解決手段】開閉装置を動作させるための制御信号を送信する送信装置と、この制御信号を受信し、かつこの制御信号による出力信号を前記開閉装置へ出力する受信装置とを有する開閉装置の制御信号送受信装置において、
送信装置11からの制御信号を受信する受信装置12には、制御信号を受信用アンテナ13がケーブルを介して接続され、受信装置12は、車庫用シャッター2の箱状体となっているシャッターボックス4の内部に配置され、アンテナ13はシャッターボックス4の外部に配置されているとともに、受信装置12とアンテナ13とケーブル46は、シャッターボックス4と共に、周囲が遮蔽された遮蔽空間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置を遠隔操作するための制御信号送受信装置及び受信装置に係り、例えば、車庫用シャッターを含む建物用シャッターや引戸装置、開き戸装置等の開閉装置に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
開閉装置である車庫用シャッターには、送信装置と受信装置とからなるリモコン式送受信装置を備え、操作者が送信装置を操作することにより、送信装置から受信装置へ車庫用シャッターを開き動作させる開信号や閉じ動作させる閉信号、停止動作させる停信号の制御信号が送信され、この制御信号を受信した受信装置がこの制御信号による出力信号を電動式シャッターである車庫用シャッターの制御装置に出力することにより、この車庫用シャッターに制御信号の種類に応じた動作を行わせる遠隔操作式のものがある。
【0003】
従来の車庫用シャッターを遠隔操作するための送受信装置の制御信号は、電波法施行規則第2章第1節第6条第1号で規定する微弱電波の制御信号であって、周波数が322メガヘルツ以下では、送信装置から3メートルの距離において、毎メートル500マイクロボルト以下の電界強度のものであった。このため、送信装置から送信された制御信号を有効に受信できる送信装置と受信装置との間の距離は短く、例えば、1個の送信装置で1台の車庫用シャッターが制御されるようになっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、送受信装置で遠隔操作しなければならないシャッターのなかには、車庫用シャッターだけではなく、例えば、建物敷地と道路との境界部に設置される門用シャッターもある。制御信号を従来の微弱電波によるものとしている場合には、このような車庫用シャッターと門用シャッターの両方が設置されている建物において、車庫内にある自動車に乗車した者が送信装置で車庫用シャッターを開き動作させた後に、その場所で門用シャッターを開き動作させることは、制御信号の有効到達距離が短いため困難であった。また、1台の車庫用シャッターに対する送信装置の個数を、例えば、居住者の人数分と同じとし、車庫用シャッターから遠く離れた場所より各居住者によって個別に車庫用シャッターを開き動作等させることはできなかった。
【0005】
したがって、従来の送受信装置はその使用可能範囲が限定され、使用態様は限られていた。
【0006】
また、送信装置からの制御信号を受信する受信装置のアンテナは、制御信号が微弱電波によるものとなっているため特にその微弱電波を確実に受信できるように、車庫の外面等に取り付けるなどして外部に露出させて配置しなければならなかった。これによると、アンテナと、車庫の内部や車庫用シャッターのシャッターボックスの内部などに配置されている受信装置とをケーブルで接続しなければならないため、アンテナから延びるこのケーブルを通すための貫通孔を車庫の外壁等に形成する作業や、ケーブルを通した後の貫通孔を防水処理する作業が必要であった。また、外部に露出配置されたアンテナのために良好な外観性を得られず、外壁の外面等に雨垂れ痕が生じるおそれもあった。
【0007】
本発明の目的は、例えば、送信装置と受信装置との間の距離を大きくしても使用可能になって制御信号の有効到達距離を大きくでき、使用態様を拡大できるようになる開閉装置の制御信号送受信装置を提供するところにある。
【0008】
また、本発明の目的は、車庫の外壁等にアンテナから延びるケーブルを通すための貫通孔を形成する必要がなく、したがってこの貫通孔に関する作業が不要になる開閉装置の受信装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る開閉装置の制御信号送受信装置は、開閉装置を動作させるための制御信号を送信する送信装置と、この制御信号を受信し、かつこの制御信号による出力信号を開閉装置へ出力する受信装置とを有する開閉装置の制御信号送受信装置において、制御信号を特定小電力無線局に基づく制御信号としたことを特徴とするものである。
【0010】
ここでいう特定小電力無線局に基づく制御信号とは、例えば、RCR標準規格(RCR STD−16A)で規定するテレコントロール用の特定小電力無線局の制御信号で、電波の周波数が、429.175メガヘルツ以上で429.7375メガヘルツ以下、並びに449.8375メガヘルツ、449.85メガヘルツ、449.8625メガヘルツ、449.875メガヘルツ、449.8875メガヘルツ、及びこれらの周波数に19.6メガヘルツを加えたものにあっては、空中線電力が10ミリワット以下のもの、電波の周波数が426.025メガヘルツ以上で426.1375メガヘルツ以下のものにあっては、空中線電力が1ミリワット以下のものである。また、本発明における特定小電力無線局に基づく制御信号は、RCR STD−16A以外の規格等で定められた特定小無線局によるものでもよい。
【0011】
本発明に係る制御信号送受信装置によると、制御信号は、例えば、特定の者に電波を占用させないために送信時間後に一定の送信休止時間を設けなければならないように、出力が大きいものとなるため、従来の微弱電波の場合よりも送信装置と受信装置の間の距離を大きくしても、送信装置から送信された制御信号を有効に受信装置で受信できる。このため、1個の送信装置でそれぞれ異なる場所に設置されている複数の開閉装置を動作させることや、1台の開閉装置をこの開閉装置から遠く離れた場所より複数台の送信装置のそれぞれで動作させること、さらには、複数台の開閉装置のそれぞれをこれらの開閉装置から遠く離れた場所より複数台の送信装置のそれぞれで動作させることができ、各種の使用態様が可能になる。
【0012】
なお、複数の開閉装置を1個の送信装置で個別に動作させることができるようにするためには、送信装置から送信する制御信号に開閉装置指定用のチャンネルコードを設け、このチャンネルコードで指定された開閉装置のみが動作するように構成すればよい。また、1台の開閉装置を複数の送信装置で動作させることができるようにするためには、送信装置から送信する制御信号にそれぞれの送信装置を識別するための識別コードを設け、これらの識別コードのうちの一つを含む制御信号が複数の送信装置のうちの一つから送信されて受信装置で受信されたときに開閉装置が動作するように構成すればよい。さらに複数の開閉装置のそれぞれを複数の送信装置で個別に動作させることができるようにするために、それぞれの送信装置から送信する制御信号に上記チャンネルコードと上記識別コードとを設ければよい。
【0013】
また、本発明に係る開閉装置の受信装置は、送信装置から送信された開閉装置動作用の制御信号をアンテナで受信し、この制御信号による出力信号を開閉装置へ出力する開閉装置の受信装置において、周囲が遮蔽された遮蔽空間に前記アンテナを含めて少なくとも一部が配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
この開閉装置の受信装置によると、周囲が遮蔽された遮蔽空間にアンテナを含めて少なくとも一部が配置されているため、少なくともアンテナと、このアンテナから延びるケーブルが接続される受信装置の接続部分とを遮蔽空間に配置することにより、そのケーブルを通すための貫通孔を外壁等に形成しなくてもよくなり、このため、その分作業を容易化できる。また、アンテナは外部に露出配置されないため、良好な外観性を得られ、雨垂れ痕の発生もなくすことができる。さらに、アンテナから延びるケーブルを外壁等に形成した貫通孔に通した場合には、この外壁等について行われる後工事でケーブルの切断等の事故が生じるおそれがあるが、本発明に係る開閉装置の受信装置によると、このようなおそれをなくすことができる。さらに外部に露出するアンテナ及びケーブルをなくすことができるため、これらの経年劣化による信頼性低下を抑制できる。
【0015】
アンテナを含めた受信装置の少なくとも一部を配置する遮蔽空間は、車庫等の建物の内部空間でもよく、あるいは、たとえ建物の外部に配置されるものであっても、車庫用シャッターや門用シャッターのシャッターボックスのように、その内部が遮蔽された空間になっているものについては、その内部空間でもよい。また、遮蔽空間とは、完全に周囲が遮蔽されたものだけではなく、出入口や窓等の開口部、隙間等を有するものでもよい。さらに、アンテナと受信装置は同じ遮蔽空間に配置してもよく、あるいは、異なる遮蔽空間に配置してその間をケーブルで接続してもよい。また、アンテナを受信装置の内部に収納し、これによりアンテナと受信装置とを同じ遮蔽空間に配置してもよい。
【0016】
本発明に係る開閉装置の受信装置において、遮蔽空間は周囲が遮蔽された空間であれば任意なものでよく、人、物、環境等による悪影響を必要とされる範囲で回避できれば、遮蔽空間の構造、大きさ等は特定のものに限定されない。
【0017】
本発明に係る開閉装置の受信装置は、送信装置から受信装置へ送信される制御信号が前述したRCR標準規格等に基づく特定小電力無線局による制御信号である場合に特に有効である。しかし、本発明に係る開閉装置の受信装置は、これ以外の制御信号、例えば、電波法施行規則第2章第1節第6条第1号で規定する微弱電波の制御信号であって、322メガヘルツ以下では、送信装置から3メートルの距離において、毎メートル500マイクロボルト以下の電界強度になっている制御信号を使用する場合にも適用できる。
【0018】
また、以上の本発明に係る開閉装置の制御信号送受信装置及び受信装置において、送信装置は、人為的操作が行われたときに制御信号を受信装置へ送信するものでもよく、また、閉じ動作中のシャッターカーテンの真下に障害物が存在した場合にシャッターカーテンの閉じ動作を自動的に停止させる機能を備えた障害物感知装置付きの建物用シャッターのように、制御信号を自動的に受信装置へ送信するものでもよい。
【0019】
さらに、本発明に係る開閉装置の制御信号送受信装置及び受信装置において、受信装置から開閉装置へ制御信号を出力する方式は有線式でもよく、赤外線やレーザ光線、超音波等を使用した無線式でもよい。
【0020】
また、本発明に係る開閉装置の制御信号送受信装置及び受信装置において、受信装置にアンテナを設ける場合、このアンテナは、送信装置と受信装置との間で双方向通信するとき(例えば、受信装置から送信装置へは開閉装置が開き動作等を始めたことを知らせる信号を送る)に、受信装置から送信装置へ信号を送信するための送信用アンテナとして使用してもよい。
【0021】
また、以上の本発明において、開閉装置は車庫用シャッター、門用シャッター、窓用シャッター等を含む建物用シャッターでもよく、引戸装置でもよく、開き戸装置でもよく、本発明は任意な開閉装置に適用できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、例えば、送信装置と受信装置との間の距離を大きくしても使用可能になって制御信号の有効到達距離が大きくなり、使用態様を拡大できるようになる。
【0023】
また、本発明によると、車庫の外壁等にアンテナから延びるケーブルを通すための貫通孔を外壁等に形成する必要がなく、したがってこの貫通孔に関する作業を不要にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明が集合住宅の1階部分に形成されている車庫1の出入口に設置された車庫用シャッター2に適用された場合を示す。車庫用シャッター2は、多数のスラットの連設等で形成されたシャッターカーテン3と、車庫1の出入口内側上部に配置されたシャッターボックス4の内部に収納され、正逆回転でシャッターカーテン3を巻き取り、繰り出す巻取部5と、この巻取部5を正逆回転させるモータ及びブレーキからなる開閉機6とを含んで構成されている。巻取部5に巻き取られ、繰り出されて上下動するシャッターカーテン3は、左右のガイドレール7で案内されながら車庫1の出入口を開ける開き動作、閉じる閉じ動作を行う。
【0025】
車庫用シャッター2は送受信装置10で制御され、この送受信装置10は、自動車内等の操作者が操作する送信装置11と、送信装置11からの電波による制御信号を受信する受信装置12とからなる。
【0026】
図1の実施形態では、受信装置12は車庫1の内部に配置された車庫用シャッター2のシャッターボックス4内に配置され、また、受信装置12の外部アンテナ13は、シャッターボックス4の外面に取り付けられている。送信装置11からの制御信号を外部アンテナ13や後述する受信装置12と一体化された内蔵アンテを介して受信装置12が受信すると、受信装置12はこの制御信号による出力信号を車庫用シャッター2の制御装置14に出力し、この制御装置14は開閉機6を制御してその制御信号に基づく開き動作、閉じ動作、停止動作を車庫用シャッター2に行わせる。
【0027】
以上のように外部アンテナ13は車庫1の内部に配置されているため、車庫内空間である遮蔽空間に配置されている。また、内蔵アンテナは受信装置12と一体化され、受信装置12は車庫内のシャッターボックス4の内部に配置されているため、内蔵アンテナは、車庫内空間であってシャッターボックス内空間である遮蔽空間に配置されている。
【0028】
本実施形態における送信装置11から受信装置12に送信される制御信号は、RCR標準規格(RCR STD−16A)で規定するテレコントロール用の特定小電力無線局の制御信号であって、電波の周波数が、429.175メガヘルツ以上で429.7375メガヘルツ以下、または449.8375メガヘルツ、または449.85メガヘルツ、または449.8625メガヘルツ、または449.875メガヘルツ、または449.8875メガヘルツ、またはこれらの周波数に19.6メガヘルツを加えたもので、空中線電力が10ミリワット以下のもの、あるいは、電波の周波数が426.025メガヘルツ以上で426.1375メガヘルツ以下であって、空中線電力が1ミリワット以下のものである。そして、制御信号の送信時間は3秒以内で、送信時間の次ぎに2秒以上の送信休止時間が設けられている。
【0029】
送信装置11と受信装置12はコンピュータによる構成となっており、図2は、送信装置11のハードウェアをブロック図で示し、図3は、受信装置12のハードウェアをブロック図で示している。
【0030】
図2において、送信装置11は、送信装置11の使用者が車庫用シャッター2を開き動作させる開信号、閉じ動作させる閉信号、停止動作させる停信号を受信装置12に送るために操作する複数の釦等からなる操作部20と、コンピュータプログラムが記録された記録部21と、操作部20からの信号に基づきこのプログラムにしたがった処理を行う演算処理部(CPU)22と、演算処理部22等に電気を供給する電池からなる電源23と、LEDを使用したランプ等による視覚式の報知部24と、音声式の報知部25と、D/A変換するモデム26と、高周波回路部27と、アンテナ28とを有する。演算処理部22が操作部20からの信号に基づき記録部21に記録されたプログラムにしたがった信号処理を行うと、操作部20で行われた開き動作等のための操作が報知部24,25で報知されるとともに、演算処理部22からの信号がモデム26でD/A変換され、このアナログ信号化された開信号等の制御信号は高周波回路部27を経てアンテナ28から送信される。
【0031】
図3において、受信装置12は、外部アンテナ13と、内蔵アンテナ30と、これらのアンテナ13,30ごとに設けられた高周波復調回路部31,32と、A/D変換するモデム33と、コンピュータプログラムが記録された記録部34と、モデム33からの信号に基づきこのプログラムにしたがった処理を行う演算処理部(CPU)35と、停電時等の非常時に演算処理部35等に電気を供給するバッテリからなる電源36と、視覚式の報知部37と、演算処理部35からの信号を図1で示した車庫用シャッター2の制御装置14に出力する出力制御回路部38とを有する。内蔵アンテナ30は受信装置12のケース内の基板上に、または受信装置12のケースの内面あるいは外面に一体化されて取り付けられ、外部アンテナ13が図1で示すように車庫用シャッター2のシャッターボックス4の外部に取り付けられたものになっているのに対し、内蔵アンテナ30は、受信装置12がシャッターボックス4の内部に配置されているため、シャッターボックス4に内蔵されたものとなっている。また外部アンテナ13と内蔵アンテナ30は、送信装置11から送信された制御信号の受信をスイッチ等で切り替え可能としてもよいが、本実施形態では外部アンテナ13と内蔵アンテナ30は同時に送信装置11からの制御信号を受信する共用型となっている。
【0032】
送信装置11から送信された制御信号は外部アンテナ13及び内蔵アンテナ30で受信された後、高周波復調回路部31,32を経てモデム33でA/D変換され、この変換されたデジタル信号に基づき演算処理部35は記録部34に記録されたプログラムにしたがった信号処理を行う。報知部37ではこの信号処理による開き動作等の報知を行い、また出力制御回路部38からは演算処理部35からの信号が車庫用シャッター2の制御装置14へ出力信号として出力され、この出力信号により車庫用シャッター2は開き動作等を行う。
【0033】
なお、本実施形態に係る送受信装置10は複数の送信装置11で同じ車庫用シャッター2の動作を制御するものとなっているため、それぞれの送信装置11に識別コードが付与され、この識別コードは制御信号の一部として送信装置11から送信されるようになっている。このため、受信装置12にはこれらの送信装置11の識別コードを入力しておくための操作部39も設けられ、この操作部39で入力されて記録部34に記録された識別コードを有する制御信号が受信装置12で受信されたときに、受信装置12からの出力信号により車庫用シャッター2は送信装置11からの制御信号にしたがった動作を行うようになっている。
【0034】
図4、図5は受信装置12の具体的な構造を示し、図4は側面図で、図5は内部を透視した平面図である。受信装置12のケース40は深底のケース部材40Aと浅底のケース部材40Bとからなり、ケース部材40Bは透明であり、このケース部材40Bはケース部材40Aに図5で示したビス41に取り付け、取り外し自在になっている。ケース40の内部に収納された基板42上には、図3の高周波復調回路部31,32等を構成する電気部品43が基板カバー44で覆われて配置されているとともに、図3の操作部39を構成する電気部品45も配置されている。また、基板42には、外部アンテナ13から延びるケーブル46と、受信装置12からの出力信号を車庫用シャッター2の制御装置14へ送る出力線47と、商用電源48から延びる電源線49とが接続されている。
【0035】
さらに、基板42上には内蔵アンテナ30が配置され、この内蔵アンテナ30の配置位置は、出力線47、電源線49の接続箇所とは反対側の位置、具体的には図5に示されているように基板42上の大きなスペースを占めている電気部品43を間に挟んで出力線47、電源線49の接続箇所とは反対側の位置である。そして、内蔵アンテナ30はケース40内の基板42上に配置されているため、ケース40が図1のシャッターボックス4の内部において金属製のこのボックス4に取り付けられていても、内蔵アンテナ30はこの取り付け面から離れた箇所に配置されていることになる。
【0036】
また、ケース40の全部または一部はプラスチック等の非金属材料で形成されている。
【0037】
なお、図3で示した電源36を前述の非常時用電源とせず、この電源36を図5の商用電源48からの電力を所定電圧の直流に変換して電力を供給する部分としてもよい。
【0038】
以上説明した本実施形態によると、送信装置11から受信装置12へ送信される車庫用シャッター2の制御信号は、送信出力が大きいRCR標準規格で規定するテレコントロール用の特定小電力無線局に基づく制御信号であるため、受信装置12が配置された車庫用シャッター2から大きく離れた場所からでも送信装置11により車庫用シャッター2の動作を制御すること、互いに別々の場所から複数の送信装置11により1台の車庫用シャッター2の動作を制御すること、互いに離れていてそれぞれに受信装置12が配置されている複数の車庫用シャッター2等の開閉装置の動作を1個の送信装置11により制御すること、複数の送信装置11のそれぞれにより複数台の車庫用シャッター2等の開閉装置のそれぞれの動作を制御すること、を実現できるようになる、このため、各種の使用が可能になり、使用態様を拡大できる。
【0039】
また、受信装置12の外部アンテナ13は車庫1内のシャッターボックス4の外面に取り付けられ、内蔵アンテナ30はシャッターボックス4の内部の受信装置12と一体化されてシャッターボックス4内に配置され、これらのアンテナ13,30は受信装置12と共に車庫1の外部に露出しない遮蔽空間に配置されているため、車庫1の外壁にアンテナから延びるケーブルを通す貫通孔を形成する作業及びこの貫通孔を防水処理する作業等を行う必要がなく、また、アンテナを外部に露出配置した場合に生ずる雨垂れ痕の発生もなくすことができる。
【0040】
また、送信装置11から送信されて受信装置12で受信される制御信号は前述のように送信出力の大きなRCR標準規格のテレコントロール用の特定小電力無線局に基づく制御信号であるため、アンテナ13,30が車庫外部に露出しない遮蔽空間に配置されていても、また、アンテナ30が車庫2内のさらにその中のシャッターボックス4内に配置されていても、その受信を確実に行うことができる。
【0041】
さらに、アンテナには、ケーブル46で受信装置12と接続され、受信装置12から離れて配置できるアンテナ13と、受信装置12と一体化されたアンテナ30とがあるため、図1で示した場合と異なり、アンテナ30を備えた受信装置12を車庫1の奥に配置し、これにより車庫1の奥に停車している自動車内から送信装置11で車庫用シャッター2の動作を制御できるようにしても、アンテナ13をシャッターカーテン3で開閉される車庫1の出入口に近い車庫内空間に配置することにより、車庫1から遠く離れた場所からでも上記自動車内の送信装置11とは別の送信装置11により車庫用シャッター2の動作を制御できるようなる。
【0042】
また、受信装置12と一体化されたアンテナ30は、基板42上において出力線47、電源線49の接続箇所とは反対側の位置に配置されているため、これらの出力線47、電源線49を通って受信装置12に侵入するノイズからアンテナ13を大きく離すことができる。これにより、アンテナ30にノイズが混信して受信感度が低下することをなくすことができる。
【0043】
これと同じ作用効果は、アンテナ30の配置位置を、出力線47、電源線49の接続箇所とは反対側の位置である限り、基板42上ではなく、ケース40の内面または外面としても得られる。
【0044】
また、本実施形態によると、アンテナ30はケース40内の基板42上に配置され、金属製のシャッターボックス4から離れた箇所に配置されているため、金属による電界の悪影響を受けにくく、アンテナ感度を良好とすることができる。
【0045】
このような作用効果も、アンテナ30の配置位置を、シャッターボックス4から離れた箇所とする限り、基板42上ではなく、ケース40の内面または外面としても得られる。
【0046】
さらに本実施形態によると、ケース40の全部または一部はプラスチック等の非金属材料で形成され、したがってその少なくとも一部は非金属製となっているため、アンテナ30で受信する制御信号の電波をシールドしないことになり、電波の受信状態を安定させることができる。
【0047】
このような作用効果も、アンテナ30の配置位置を、ケース40の内部とする限り、基板42上ではなく、ケース40の内面としても得られる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、例えば、車庫用シャッターを含む建物用シャッターや引戸装置、開き戸装置等の開閉装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、開閉装置が車庫用シャッターである実施形態を示す車庫を断面とした側面図である。
【図2】図2は、送信装置のハードウェアを示すブロック図である。
【図3】図3は、受信装置のハードウェアを示すブロック図である。
【図4】図4は、受信装置の具体的な構造を示す側面図である。
【図5】図5は、受信装置の具体的な構造を示す内部を透視した平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 車庫
2 開閉装置である車庫用シャッター
4 シャッターボックス
10 送受信装置
11 送信装置
12 受信装置
13,30 アンテナ
42 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉装置を動作させるための制御信号を送信する送信装置と、この制御信号を受信し、かつこの制御信号による出力信号を前記開閉装置へ出力する受信装置とを有する開閉装置の制御信号送受信装置において、
前記受信装置には、前記制御信号を受信するアンテナがケーブルを介して接続され、前記受信装置は箱状体の内部に配置され、前記アンテナは前記箱状体の外部に配置されているとともに、前記受信装置と前記アンテナと前記ケーブルは、前記箱状体と共に、周囲が遮蔽された遮蔽空間に配置されていることを特徴とする開閉装置の制御信号送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置の制御信号送受信装置において、前記開閉装置は車庫用シャッターであり、前記箱状体はこの車庫用シャッターのシャッターボックスであることを特徴とする開閉装置の制御信号送受信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の開閉装置の制御信号送受信装置において、前記受信装置のケースは前記箱状体に取り付けられているとともに、前記アンテナは外部アンテナとなっており、この外部アンテナとは別になっていて、前記受信装置と一体化された内蔵アンテナを有しており、この内蔵アンテナは、前記受信装置の前記ケースが取り付けられている金属製の前記箱状体の取り付け面から離れた箇所に配置されていることを特徴とする開閉装置の制御信号送受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の開閉装置の制御信号送受信装置において、前記制御信号は、開閉装置指定用チャンネルコード及び/又は前記送信装置に付与された識別コードを含めて前記送信装置から前記受信装置に送信されることを特徴する開閉装置の制御信号送受信装置。
【請求項5】
請求項1〜4に記載の開閉装置の制御信号送受信装置において、前記制御信号の送信時間は制限されており、送信時間の次に送信休止時間が設けられていることを特徴とする開閉装置の制御信号送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−332768(P2007−332768A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207779(P2007−207779)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【分割の表示】特願2000−755(P2000−755)の分割
【原出願日】平成12年1月6日(2000.1.6)
【出願人】(398057396)文化シヤッターサービス株式会社 (7)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】