説明

関連領域検索システム及び関連領域検索方法

【課題】蓄積されたプローブ情報に基づいてユーザの行動の関連性を把握する。
【解決手段】プローブ情報記憶部に記憶されている複数のプローブ情報に基づいて、ユーザごとに、所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、少なくとも、測位点を含む分割領域の特性を判定し、該分割領域を識別する領域識別子と、判定された特性を示す特性情報と、ユーザ識別子とを対応づけた領域特性情報を特性情報記憶部に格納し、第1の分割領域と、分割領域の特性のうちの第1及び第2の特性とを指定する検索要求を受け付け、検索要求に応じて、特性情報記憶部に格納されている領域特性情報に基づいて、第1の分割領域に対して第1の特性を有する各ユーザにおける、第2の特性を有する第2の分割領域を検索して検索結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関連領域検索システム及び関連領域検索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)を利用して生成されるプローブ情報を用いた様々なサービスが検討されている。プローブ情報には、ユーザID、測位時刻、緯度・経度等の情報が含まれる。したがって、ユーザ端末から送信されるプローブ情報により、ユーザの現在位置を把握することができる。例えば、特許文献1には、ユーザの情報端末装置から定期的に送信されるプローブ情報を用いて、ユーザの現在位置に応じた情報を提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−7514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ユーザ端末から送信されてくるプローブ情報は、ある時刻において測位された緯度・経度を示すものである。そのため、単にプローブ情報を蓄積しただけでは、あるユーザがいつどこにいたのかというピンポイントの情報が得られるのみであり、ユーザの一連の行動の関連性を把握することはできない。例えば、単にプローブ情報を蓄積しただけでは、ある駅の周辺に10時にいた複数の人が、15時にどこにいたのか等を把握することはできない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、蓄積されたプローブ情報に基づいてユーザの行動の関連性を把握可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る関連領域検索システムは、ユーザ端末における現在位置の測位点を示す測位情報と、測位点の測位時刻と、ユーザ端末のユーザのユーザ識別子とを含む、複数のプローブ情報が記憶されたプローブ情報記憶部と、プローブ情報記憶部に記憶されている複数のプローブ情報に基づいて、ユーザごとに、所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、少なくとも、測位点を含む分割領域の特性を判定し、該分割領域を識別する領域識別子と、判定された特性を示す特性情報と、ユーザ識別子とを対応づけた領域特性情報を特性情報記憶部に格納する特性情報生成部と、第1の分割領域と、分割領域の特性のうちの第1及び第2の特性とを指定する検索要求を受け付ける検索要求受付部と、検索要求に応じて、特性情報記憶部に格納されている領域特性情報に基づいて、第1の分割領域に対して第1の特性を有する各ユーザにおける、第2の特性を有する第2の分割領域を検索して検索結果を出力する検索結果出力部と、を備える。
【0007】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓄積されたプローブ情報に基づいてユーザの行動の関連性を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態である関連領域検索システムの構成を示す図である。
【図2】プローブ情報DBの構造の一例を示す図である。
【図3】プローブ情報を各測位点の位置に示した一例を示す図である。
【図4】プローブ情報をメッシュ領域にマッピングした一例を示す図である。
【図5】プローブ情報をポリゴン領域にマッピングした一例を示す図である。
【図6】領域情報DBの構造の一例を示す図である。
【図7】滞在情報DBの構造の一例を示す図である。
【図8】特性情報DBの構造の一例を示す図である。
【図9】検索要求の一例を説明するための図である。
【図10】検索結果のメッシュ領域を表示した一例を示す図である。
【図11】領域特性情報を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】関連領域の検索を行う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態である関連領域検索システムの構成を示す図である。関連領域検索システム10は、蓄積されたプローブ情報に基づいて領域間の関連性を検索するシステムであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成される。図1に示すように、関連領域検索システム10は、プローブ情報受信部20、領域情報生成部22、滞在情報生成部24、特性情報生成部26、検索要求受付部28、検索結果出力部30、プローブ情報データベース(DB)40、領域情報データベース(DB)42、滞在情報データベース(DB)44、及び特性情報データベース(DB)46を含んで構成される。
【0012】
なお、プローブ情報受信部20、領域情報生成部22、滞在情報生成部24、特性情報生成部26、検索要求受付部28、及び検索結果出力部30は、例えば、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。また、プローブ情報データベース(DB)40、領域情報データベース(DB)42、滞在情報データベース(DB)44、及び特性情報データベース(DB)46は、例えば、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いて実現することができる。
【0013】
プローブ情報受信部20は、携帯電話や携帯情報端末、カーナビゲーション装置等のユーザ端末から無線ネットワークを介して送信されてくるプローブ情報を受信し、プローブ情報DB40に格納する。プローブ情報は、ユーザ端末におけるGPSを利用した測位によって生成されるものであり、ユーザ端末を識別するためのユーザID、ユーザ端末の現在位置の測位点の緯度・経度を含む測位情報、及び測位点の測位時刻を含んでいる。このようなプローブ情報は、各ユーザ端末から、例えば、5分間隔等で定期的に送信されてくる。なお、ユーザ端末の移動が検出されている間のみ、プローブ情報が送信されてくる場合もある。図2には、プローブ情報DB40の構造の一例が示されている。図2に示すように、プローブ情報DB40には、複数のユーザから送信されてくるプローブ情報が格納されている。また、図3には、プローブ情報を各測位点に応じた位置に示した一例が示されている。
【0014】
図1に戻り、領域情報生成部22は、プローブ情報DB40に格納されているプローブ情報をユーザごとに抽出し、測位点を含むメッシュ領域にマッピングした領域情報を生成する。
【0015】
ここで、メッシュ領域とは、緯度及び経度に基づいて地図を網の目状に分割して得られる複数の分割領域であり、仕様や設計に応じて適宜分割領域のサイズを設定することができる。例えば、ユーザが頻繁に滞在するエリアを特定したい場合はサイズを大きく設定し、一方、ユーザが頻繁に訪れる店などを特定したい場合はサイズを小さく設定することができる。図4には、プローブ情報を縦10列×横10列のメッシュ領域にマッピングした一例が示されている。なお、図4に示されるメッシュ領域は地図全体の一部であり、全てのメッシュ領域が示されているわけではない。図4では、例えば、縦M列目、横N列目のメッシュ領域を「M−N」と表している。なお、分割領域はメッシュ領域に限られない。例えば、図5に示すように、行政区画によって区分されたポリゴン等、任意の分割領域を用いることが可能である。
【0016】
領域情報生成部22は、プローブ情報に含まれるユーザID及び測位時刻を、マッピングにより特定したメッシュ領域の領域IDと対応づけて領域情報を生成し、領域情報DB42に格納する。図6には、領域情報DB42の構造の一例が示されている。なお、領域IDは、各メッシュ領域を識別可能なものであればよく、領域ごとに割り当てられたコード情報でもよいし、緯度及び経度による範囲指定情報であってもよい。また、領域情報には、測位情報が含まれることとしてもよい。
【0017】
図1に戻り、滞在情報生成部24は、領域情報DB42に格納されている領域情報をユーザごとに抽出し、メッシュ領域ごとの滞在時刻を算出する。例えば、滞在情報生成部24は、測位時刻が隣接する2つの測位点の測位時刻に基づいて、2つの測位点に対応するメッシュ領域における滞在時刻を算出する。例えば、滞在情報生成部24は、測位点間の距離や時間に基づいて、測位点間の移動に要した移動時間を算出し、測位点間の時間から移動時間を除いた時間を移動元や移動先の測位点に対応するメッシュ領域での滞在時間として配分することができる。そして、滞在情報生成部24は、配分された滞在時間を用いて、これらのメッシュ領域における滞在時刻を算出することができる。
【0018】
また、滞在情報生成部24は、測位点間の経路を推定し、推定された経路上にあるメッシュ領域での滞在時間として測位点間の移動時間を配分することも可能である。なお、経路の推定手法は任意であり、例えば、測位点間を直線で結ぶことにより行ってもよいし、道路や路線を考慮した経路探索により行ってもよい。また、ここに示した滞在時刻の算出手法は一例であり、任意の手法を採用することができる。さらに、滞在情報生成部24は、滞在時刻にかぎらず、一定期間におけるメッシュ領域ごとの滞在時間を算出することとしてもよい。
【0019】
滞在情報生成部24は、このように算出された各メッシュ領域の滞在時刻を、ユーザID及び領域IDと対応づけて滞在情報を生成し、滞在情報DB44に格納する。図7には、滞在情報DB44の構造の一例が示されている。なお、滞在時刻は、ある時刻から別の時刻までの期間である必要はなく、ある時刻のみであってもよい。
【0020】
図1に戻り、特性情報生成部26は、滞在情報DB44に格納されている滞在情報をユーザごとに抽出し、メッシュ領域の特性を判定する。例えば、特性情報生成部26は、滞在情報DB44に格納されている滞在時刻に基づいて、一定期間における各メッシュ領域の滞在時間を算出し、滞在時間が所定時間以上のメッシュ領域を自宅や勤務地と判定することができる。また、例えば、特性情報生成部26は、滞在情報DB44に格納されている滞在時刻に基づいて、一定期間における各メッシュ領域の滞在日数(回数)を算出し、滞在時間は短いが滞在日数が多いメッシュ領域を通勤路と判定することができる。また、特性情報生成部26は、領域情報に含まれる測位時刻そのものや、滞在情報に含まれる滞在時刻そのものを、対応するメッシュ領域の特性として判定することもできる。なお、ここに示した特性の判定手法は一例であり、任意の手法を採用することができる。
【0021】
特性情報生成部26は、このように判定された各メッシュ領域の特性を示す特性情報を、ユーザID及び領域IDと対応づけて領域特性情報を生成し、特性情報DB46に格納する。図8には、特性情報DB46の構造の一例が示されている。
【0022】
図1に戻り、検索要求受付部28は、メッシュ領域間の関連性を検索するための検索要求を受け付ける。そして、検索結果出力部30は、検索要求に応じて、特性情報DB46に格納されている領域特性情報を参照し、検索結果を出力する。
【0023】
検索要求の一例としては、あるメッシュ領域(第1の分割領域)に対してある特性(第1の特性)を有するユーザにおいて、別の特性(第2の特性)を有するメッシュ領域(第2の分割領域)を検索するためのものがある。
【0024】
図9は、検索要求の一例を説明するための図である。図9に示すように、まず、ユーザは、対象のメッシュ領域(エリア)を指定する(1−1)。メッシュ領域の指定は、例えば、地図上において1つのメッシュ領域を選択することにより行われてもよいし、複数のメッシュ領域を含む範囲を選択することにより行われてもよい。また、住所やキーワードを用いた検索により、メッシュ領域を選択することも可能である。次に、ユーザは、指定したメッシュ領域に対する特性を指定する(1−2)。指定される特性の一例として、図9には、「指定エリアに10:00にいた人」や「指定エリアに勤務地がある人」、「指定エリアに滞在した人」が示されている。さらに、ユーザは、検索対象となるメッシュ領域における特性を指定する(2)。図9には、「15:00にいたエリア」や「自宅エリア」、「次に滞在したエリア」が示されている。例えば、「指定エリアに10:00にいた人」及び「15:00にいたエリア」が指定された場合、指定されたメッシュ領域に10:00にいた人が5時間後にいたメッシュ領域が検索されることとなる。つまりは、指定エリアから5時間で到達するエリアである到達圏が検索されることとなる。また、例えば、「指定エリアに勤務地がある人」及び「自宅エリア」が指定された場合、指定エリアで勤務している人の自宅があるエリアである通勤圏が検索されることとなる。また、例えば、「指定エリアに滞在した人」及び「次に滞在したエリア」が指定された場合、指定エリアからの移動パターンが検索されることとなる。
【0025】
例えば、検索要求に設定される条件として、図9に示した「指定エリアに10:00にいた人」及び「15:00にいたエリア」が指定された場合、検索結果出力部30は、まず、特性情報DB46を参照し、指定エリアに10:00にいた人を特定する。ここで、指定エリアに10:00にいた人の特定は、例えば、指定されたメッシュ領域の領域IDが設定され、このメッシュ領域に対する特性として「10:00にいた」ことを示す特性情報が設定されている領域特性情報を検索することにより行うことができる。なお、検索結果出力部30は、例えば、特性情報として滞在時刻が設定されている場合、滞在時刻に10:00が含まれていれば、「10:00」にいたと判定することができる。また、検索結果出力部30は、例えば、特性情報として測位時刻が設定されている場合、測位時刻が10:00の前後数分以内であれば、「10:00」にいたと判定することとしてもよい。このように領域特性情報が検索されることにより、その領域特性情報に設定されているユーザIDによって示されるユーザが検索の対象として特定されることとなる。
【0026】
続いて、検索結果出力部30は、特性情報DB46を参照し、特定されたユーザのユーザIDが設定された領域特性情報の中から、「15:00にいた」ことを示す特性情報が設定されているものを検索する。例えば、特定されたユーザがユーザA及びユーザBであるとする。この場合、検索結果出力部30は、ユーザAまたはユーザBのユーザIDが設定され、かつ、「15:00にいた」ことを示す特性情報が設定されている領域特性情報を検索する。なお、「15:00」にいたことの判定は、上述した「10:00」にいたことの判定と同様に行うことができる。この検索により特定された領域特性情報に設定されている領域IDによって示されるメッシュ領域が、指定されたメッシュ領域から5時間で到達する到達圏の検索結果となる。同様にして、検索結果出力部30は、通勤圏やその他の検索を実行することができる。
【0027】
そして、検索結果出力部30は、検索結果のメッシュ領域を表示する。図10は、検索結果のメッシュ領域を表示した一例を示す図である。図10では、黒で塗りつぶされたメッシュ領域が、指定されたメッシュ領域であり、網の目状に塗りつぶされたメッシュ領域が検索結果のメッシュ領域である。このように、指定されたメッシュ領域と、検索結果のメッシュ領域とが表示されることにより、メッシュ領域間の関連性を容易に確認することができる。なお、検索結果のメッシュ領域を表示する際には、ユーザ数が多いメッシュ領域は色を濃くし、ユーザ数が少ないメッシュ領域は色を薄くするなど、メッシュ領域ごとの特性に応じて表示態様を変更することも可能である。
【0028】
また、検索要求の他の一例としては、あるユーザ(第1のユーザ)のある特性(第1の特性)を有するメッシュ領域に対して、同じ特性(第1の特性)を有する別のユーザ(第2のユーザ)を検索するためのものがある。
【0029】
具体例としては、例えば、ユーザAと同じメッシュ領域に勤務地があるユーザを検索する場合があげられる。この場合、検索要求受付部28は、ユーザAのユーザIDと、メッシュ領域の特性「勤務地」とを指定するための検索要求を受け付ける。この検索要求が受け付けられると、検索結果出力部30は、特性情報DB46を参照し、ユーザAのユーザIDが設定され、かつ、領域の特性が「勤務地」であることを示す特性情報が設定されている領域特性情報を検索する。この条件に合致する領域特性情報が存在する場合、検索結果出力部30は、この領域特性情報に設定されている領域IDを取得する。そして、検索結果出力部30は、この領域IDが設定され、かつ、領域の特性が「勤務地」であることを示す特性情報が設定されている領域検索情報を検索する。最後に、検索結果出力部30は、この検索により取得された領域検索情報に設定されているユーザIDのユーザが、ユーザAと同じメッシュ領域に勤務地があるユーザとして出力する。
【0030】
また、検索要求の他の一例としては、1つのメッシュ領域(第1の分割領域)がある特性(第1の特性)を有し、もう1つのメッシュ領域(第2の分割領域)がある特性(第2の特性)を有するユーザを検索するためのものがある。なお、指定される2つの特性は同じものであってもよい。
【0031】
具体例としては、たとえば、メッシュ領域Xに自宅があり、メッシュ領域Yに勤務地があるユーザを検索する場合があげられる。この場合、検索要求受付部28は、メッシュ領域Xと、メッシュ領域Xに対する特性「自宅」とを指定するための情報と、さらに、メッシュ領域Yと、メッシュ領域Yに対する特性「勤務地」とを指定するための情報とを含む検索要求を受け付ける。この検索要求が受け付けられると、検索結果出力部30は、特性情報DB46を参照し、メッシュ領域Xが自宅であることを示す領域特性情報を検索する。また、特性情報DB46は、メッシュ領域Yが勤務地であることを示す領域特性情報を検索する。そして、検索結果出力部30は、これら2つの検索により得られる領域特性情報の双方にユーザIDが含まれるユーザを示す情報を検索結果として出力する。
【0032】
また、検索結果の他の一例としては、あるユーザ(第1のユーザ)に対してある特性(第1の特性)を有し、かつ、別のユーザ(第2のユーザ)に対して別の特性(第2の特性)を有するメッシュ領域を検索するためのものでもよい。
【0033】
なお、メッシュ領域の特性は測位時刻に基づいて判定されるものであるため、メッシュ領域の特性を指定する条件は、測位時刻に関連する条件と言うことができる。つまり、検索結果出力部30は、指定された分割領域との間で指定された該条件を満たす、他の分割領域を検索することができる。
【0034】
図11は、関連領域検索システム10において領域特性情報を生成する処理の一例を示すフローチャートである。まず、プローブ情報受信部20は、ユーザ端末から送信されてくるプローブ情報を受信し、プローブ情報DB40に格納する(S1101)。領域情報生成部22は、プローブ情報DB40に格納されているプローブ情報をユーザごとに抽出し、プローブ情報の測位点をメッシュ領域にマッピングして領域情報を生成して領域情報DB42に格納する(S1102)。このとき、領域情報生成部22は、例えば、一定期間分ごとにプローブ情報を抽出して領域情報を生成することができる。また、領域情報生成部22は、プローブ情報DB40に格納されるプローブ情報からリアルタイムに領域情報を生成することも可能である。
【0035】
滞在情報生成部24は、領域情報DB42に格納されている領域情報をユーザごとに抽出し、各メッシュ領域での滞在を示す滞在情報を生成して滞在情報DB44に格納する(S1103)。このとき、滞在情報生成部24は、例えば、一定期間分ごとに領域情報を抽出して滞在情報を生成することができる。また、滞在情報生成部24は、一部の滞在情報については、領域情報DB42に格納される領域情報からリアルタイムに生成することも可能である。
【0036】
そして、特性情報生成部26は、滞在情報DB44に格納されている滞在情報をユーザごとに抽出し、各メッシュ領域の特性を判定する(S1104)。このとき、特性情報生成部26は、例えば、一定期間分ごとに滞在情報を抽出し、メッシュ領域ごとの滞在時間や滞在日数、測位回数等を累計することにより、メッシュ領域の特性を判定することができる。なお、関連領域検索システム10は、特性情報生成部26によって判定される領域特性ごとに、領域特性を判定する際の滞在時間や滞在日数等の閾値を記憶しておくことが可能である。特性が判定されると、特性情報生成部26は、ユーザID、領域ID、及び特性情報を対応づけた領域特性情報を生成して特性情報DB46に格納する(S1105)。
【0037】
図12は、関連領域検索システム10において関連領域の検索を行う処理の一例を示すフローチャートである。まず、検索要求受付部28は、あるメッシュ領域に関連するメッシュ領域を検索するための検索要求を受け付ける。具体的には、検索要求受付部28は、ユーザを特定するための条件の1つとして、図9の(1−1)で示したように、対象とするメッシュ領域を指定する条件を受け付ける(S1201)。続いて、検索要求受付部28は、ユーザを特定するための条件の1つとして、図9の(1−2)で示したように、対象とする領域特性を指定する条件を受け付ける(S1202)。さらに、検索要求受付部28は、図9の(2)で示したように、検索対象のメッシュ領域の特性を指定する条件を受け付ける(S1203)。なお、検索要求受付部28は、このような検索要求を、ユーザ端末から受け付けることも可能であるし、ユーザ端末とは別の情報処理装置から受け付けることも可能である。
【0038】
検索要求が受け付けられると、検索結果出力部28は、特性情報DB46を参照し、検索要求の条件に合致する領域特性情報を取得する(S1204)。そして、検索結果出力部28は、図10に示したように、取得された領域特性情報に設定されている領域IDに対応するメッシュ領域を地図上に表示する(S1205)。
【0039】
なお、図12では、あるメッシュ領域(第1の分割領域)に対してある特性(第1の特性)を有するユーザにおいて、別の特性(第2の特性)を有するメッシュ領域(第2の分割領域)を検索する検索要求に対する処理の一例を示したが、その他の検索要求に対する処理についても同様に特性情報DB46を参照することにより実現することができる。
【0040】
以上、本実施形態の関連領域検索システム10について説明した。本実施形態では、単にプローブ情報が蓄積されるだけではなく、プローブ情報の測位点をメッシュ領域にマッピングすることによって各メッシュ領域の特性が判定され、メッシュ領域と特性とを対応づけた領域特性情報が生成される。
【0041】
これにより、例えば、あるメッシュ領域に対してある特性を有するユーザにおいて、別の特性を有するメッシュ領域を検索することができる。また、例えば、あるユーザのある特性を有するメッシュ領域に対して、同じ特性を有する別のユーザを検索することができる。また、例えば、1つのメッシュ領域がある特性を有し、もう1つのメッシュ領域がある特性を有するユーザを検索することができる。すなわち、蓄積されたプローブ情報に基づいてユーザの行動の関連性を把握することが可能となる。
【0042】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0043】
例えば、本実施形態では、領域特性情報を生成する前に、領域情報及び滞在情報を生成して領域情報DB42及び滞在情報DB44に格納することとしたが、領域情報DB42及び滞在情報DB44を設けないことも可能である。例えば、特性情報生成部26が、プローブ情報DB40を参照し、ユーザごとに一定期間のプローブ情報を抽出して、領域特性情報を生成することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 関連領域検索システム
20 プローブ情報受信部
22 領域情報生成部
24 滞在情報生成部
26 特性情報生成部
28 検索要求受付部
30 検索結果出力部
40 プローブ情報データベース
42 領域情報データベース
44 滞在情報データベース
46 特性情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末における現在位置の測位点を示す測位情報と、前記測位点の測位時刻と、前記ユーザ端末のユーザのユーザ識別子とを含む、複数のプローブ情報が記憶されたプローブ情報記憶部と、
前記プローブ情報記憶部に記憶されている複数のプローブ情報に基づいて、ユーザごとに、所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、少なくとも、前記測位点を含む分割領域の特性を判定し、該分割領域を識別する領域識別子と、前記判定された特性を示す特性情報と、前記ユーザ識別子とを対応づけた領域特性情報を特性情報記憶部に格納する特性情報生成部と、
第1の分割領域と、分割領域の特性のうちの第1及び第2の特性とを指定する検索要求を受け付ける検索要求受付部と、
前記検索要求に応じて、前記特性情報記憶部に格納されている前記領域特性情報に基づいて、前記第1の分割領域に対して前記第1の特性を有する各ユーザにおける、前記第2の特性を有する第2の分割領域を検索して検索結果を出力する検索結果出力部と、
を備える関連領域検索システム。
【請求項2】
ユーザ端末における現在位置の測位点を示す測位情報と、前記測位点の測位時刻と、前記ユーザ端末のユーザのユーザ識別子とを含む、複数のプローブ情報が記憶されたプローブ情報記憶部と、
前記プローブ情報記憶部に記憶されている複数のプローブ情報に基づいて、ユーザごとに、所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、少なくとも、前記測位点を含む分割領域の特性を判定し、該分割領域を識別する領域識別子と、前記判定された特性を示す特性情報と、前記ユーザ識別子とを対応づけた領域特性情報を特性情報記憶部に格納する特性情報生成部と、
第1のユーザと、分割領域の特性のうちの第1の特性とを指定する検索要求を受け付ける検索要求受付部と、
前記検索要求に応じて、前記特性情報記憶部に格納されている前記領域特性情報に基づいて、前記第1のユーザの前記第1の特性を有する分割領域に対して、前記第1の特性を有する第2のユーザを検索して検索結果を出力する検索結果出力部と、
を備える関連領域検索システム。
【請求項3】
ユーザ端末における現在位置の測位点を示す測位情報と、前記測位点の測位時刻と、前記ユーザ端末のユーザのユーザ識別子とを含む、複数のプローブ情報が記憶されたプローブ情報記憶部と、
前記プローブ情報記憶部に記憶されている複数のプローブ情報に基づいて、ユーザごとに、所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、少なくとも、前記測位点を含む分割領域の特性を判定し、該分割領域を識別する領域識別子と、前記判定された特性を示す特性情報と、前記ユーザ識別子とを対応づけた領域特性情報を特性情報記憶部に格納する特性情報生成部と、
第1及び第2の分割領域と、分割領域の特性のうちの第1及び第2の特性とを指定する検索要求を受け付ける検索要求受付部と、
前記検索要求に応じて、前記特性情報記憶部に格納されている前記領域特性情報に基づいて、前記第1の分割領域が前記第1の特性を有し、前記第2の分割領域が前記第2の特性を有するユーザを検索して検索結果を出力する検索結果出力部と、
を備える関連領域検索システム。
【請求項4】
請求項1に記載の関連領域検索システムであって、
前記検索結果出力部は、検索された複数の前記第2の分割領域の位置を識別可能に表示する、
関連領域検索システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の関連領域検索システムであって、
前記プローブ情報記憶部に記憶されている各プローブ情報について、前記測位点を含む分割領域を判定し、該分割領域の領域識別子と、前記測位時刻と、前記ユーザ識別子とを対応づけた領域情報を領域情報記憶部に格納する領域情報生成部をさらに備え、
前記特性情報生成部は、前記領域情報生成部に記憶されている複数の領域情報に基づいて、前記分割領域の特性を判定する、
関連領域検索システム。
【請求項6】
請求項5に記載の関連領域検索システムであって、
前記領域情報記憶部に記憶されている複数の領域情報に基づいて、ユーザごとに、前記分割領域における滞在時間または滞在時刻を算出し、該分割領域の領域識別子と、該算出された滞在時間または滞在時刻と、前記ユーザ識別子とを対応づけた滞在情報を滞在情報記憶部に格納する滞在情報生成部をさらに備え、
前記特性情報生成部は、前記滞在情報における滞在時間または滞在時刻に基づいて、前記分割領域の特性を判定する、
関連領域検索システム。
【請求項7】
請求項6に記載の関連領域検索システムであって、
前記滞在情報生成部は、さらに、測位点間の経路上にある分割領域を判定するとともに、該測位点の測位時刻に基づいて該分割領域における滞在時間または滞在時刻を算出し、該分割領域の領域識別子と、該算出された滞在時間または滞在時刻と、前記ユーザ識別子とを対応づけた滞在情報を前記滞在情報記憶部に格納する、
関連領域検索システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の関連領域検索システムであって、
前記特性情報生成部は、前記滞在情報における滞在時間または滞在時刻そのものを前記分割領域の特性として判定する、
関連領域検索システム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の関連領域検索システムであって、
前記特性情報生成部は、前記プローブ情報記憶部に記憶されている複数のプローブ情報に基づいて、ユーザごとに、前記分割領域における前記プローブ情報の測位回数を判定し、該測位回数に基づいて、該分割領域の特性を判定する、
関連領域検索システム。
【請求項10】
ユーザ端末における現在位置の測位点を示す測位情報と前記測位点の測位時刻とを含む、複数のプローブ情報が記憶されたプローブ情報記憶部と、
前記プローブ情報記憶部に記憶されている各プローブ情報について、所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、前記測位点を含む分割領域を判定し、該分割領域の識別子と、前記測位時刻とを対応づけた領域情報を生成して領域情報記憶部に格納する領域情報生成部と、
分割領域と、測位時刻に関連する条件とを指定する検索要求を受け付ける検索要求受付部と、
前記検索要求に応じて、前記指定された分割領域との間で前記条件を満たす、他の分割領域を検索し、検索結果を出力する検索結果出力部と、
を備える関連領域検索システム。
【請求項11】
ユーザ端末における現在位置の測位点を示す測位情報と、前記測位点の測位時刻と、前記ユーザ端末のユーザのユーザ識別子とを含む、複数のプローブ情報をプローブ情報記憶部に記憶し、
前記プローブ情報記憶部に記憶されている複数のプローブ情報に基づいて、ユーザごとに、所定範囲の領域を分割して得られる複数の分割領域のうち、少なくとも、前記測位点を含む分割領域の特性を判定し、該分割領域を識別する領域識別子と、前記判定された特性を示す特性情報と、前記ユーザ識別子とを対応づけた領域特性情報を特性情報記憶部に格納し、
第1の分割領域と、分割領域の特性のうちの第1及び第2の特性とを指定する検索要求を受け付け、
前記検索要求に応じて、前記特性情報記憶部に格納されている前記領域特性情報に基づいて、前記第1の分割領域に対して前記第1の特性を有する各ユーザにおける、前記第2の特性を有する第2の分割領域を検索して検索結果を出力する、
関連領域検索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−208871(P2012−208871A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75662(P2011−75662)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】