説明

防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ

【課題】
デジタルスチルカメラ等に用いられるズームレンズに関するもので、特に望遠端の画角が13度以下で、変倍比が3倍弱程度であり、ズーム全域における開放F値が2.8程度の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供する。
【解決手段】
物体側より順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、正屈折力を有する第4レンズ群G4とで構成され、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3とを光軸に沿って移動させて変倍を行い、前記第4レンズ群G4は、物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏心させて結像位置を移動させ、所定の条件を満足することを特徴とする防振機能を有する高変倍比ズームレンズを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ等に用いられるズームレンズに関するもので、特に望遠端の画角が13度以下で、変倍比が3倍弱程度、ズーム全域における開放F値が2.8程度の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
35ミリ判の撮像素子サイズに対応した、望遠側の画角が13度以下で、変倍比が3倍弱程度、ズーム全域における開放F値が2.8程度の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズとして特許文献1、2が開示されている。
【0003】
35ミリ版の撮像素子サイズに対応した、望遠側の画角が13度以下で、変倍比が3倍弱程度、ズーム全域における開放F値が2.8程度の大口径望遠ズームレンズとして特許文献3、4が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−090958号公報
【0005】
【特許文献2】特開2002−162564号公報
【0006】
【特許文献3】特開平7−140386号公報
【0007】
【特許文献4】特開2008−216480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された光学系は、特に望遠端において像高15mm以上でのアンダーな像面湾曲を補正しきれていない。また、周辺光量も十分とは言えず、全長も長いことから周辺光量の改善と全長の縮小が課題となっていた。
【0009】
特許文献2に開示された光学系は、全長はコンパクトであるが、各群のパワーが強くなることによる球面収差の補正が不十分で、ズーム全域で高い光学性能を有しているとはいえない。
【0010】
特許文献3に開示された光学系は、防振機能を有しておらず、防振機能を搭載することが課題となっていた。
【0011】
特許文献4に開示された光学系は、防振機能を有しておらず、防振機能を搭載することが課題となっていた。また、合焦時に移動するレンズ枚数が多く、重量が重いことにより遅くなっている合焦速度の改善が課題となっていた。
【0012】
本発明は、上記課題を解決し、望遠端の画角が13度以下で、変倍比が3倍弱程度であり、ズーム全域における開放F値が2.8程度のコンパクトで光学性能が良好な防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の発明は、物体側より順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、正屈折力を有する第4レンズ群G4とで構成され、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3とを光軸に沿って移動させて変倍を行う4群ズームレンズにおいて、前記第4レンズ群G4は、物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏心させて結像位置を変位する構成とし、前記前群G4fは、正屈折力のレンズ2個のみからなり、前記中群G4mは、正屈折力のレンズと負屈折力のレンズとの接合レンズと負屈折力のレンズ1個を含み、前記後群G4rは、正屈折力のレンズ3個と負屈折力のレンズ1個を含み、以下の条件を満足することを特徴とする、防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供する。
(1)0.80<βG4mr<1.25
(2)−0.28<F4m/Ft<−0.18
F4m:前記中群G4mの焦点距離
Ft:望遠端におけるレンズ全系の焦点距離
βG4mr:前記中群G4mおよび後群G4rの合成倍率
【0014】
また、本発明に係る第2の発明は、以下の条件を満足することを特徴とする、第1の発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供する。
(3)0.10<D4f/F4f<0.16
F4f:前記前群G4fの焦点距離
D4f:前記前群G4fの最も物体側の面と最も像側の面との光軸に沿った距離
【0015】
また、本発明に係る第3の発明は、以下の条件を満足することを特徴とする、第1の発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供する。
(4)1<(0.8−0.0043×ν4mn)/(N4mn−1)
N4mn:前記中群G4m中、接合レンズを構成する負屈折力レンズの屈折率
ν4mn:前記中群G4m中、接合レンズを構成する負屈折力レンズのアッベ数
【0016】
また、本発明に係る第4の発明は、前記第1レンズ群G1は、物体面側から順に合焦時に移動しない固定されたG1aレンズ群と、光軸上を移動させて焦点合わせを行うG1bレンズ群とで構成され、前記G1aレンズ群は、1個の負屈折力レンズと1個の正屈折力レンズを含み、前記G1bレンズ群は、2個の正屈折力レンズのみから構成されることを特徴とする、第1の発明または第2の発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供する。
【0017】
また、本発明に係る第5の発明は、以下の条件を満足することを特徴とする、第1の発明乃至第3の発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供する。
(5)0.80<L23w/Fw<0.93
L23w:広角端における前記第2レンズ群G2の先頭面から前記第3レンズ群G3の最終面の距離
Fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、デジタルスチルカメラ等に用いられるズームレンズに関するもので、特に望遠端の画角が13度以下で、変倍比が3倍弱程度であり、ズーム全域における開放F値が2.8程度の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1のズームレンズの広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図2】実施例1のズームレンズの広角端の無限遠における縦収差図
【図3】実施例1のズームレンズの望遠端の無限遠における縦収差図
【図4】実施例1のズームレンズの広角端の無限遠における標準状態での横収差図
【図5】実施例1のズームレンズの望遠端の無限遠における標準状態での横収差図
【図6】実施例1のズームレンズの広角端の無限遠における防振時の横収差図
【図7】実施例1のズームレンズの望遠端の無限遠における防振時の横収差図
【図8】実施例2のズームレンズの広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図9】実施例2のズームレンズの広角端の無限遠における縦収差図
【図10】実施例2のズームレンズの望遠端の無限遠における縦収差図
【図11】実施例2のズームレンズの広角端の無限遠における標準状態での横収差図
【図12】実施例2のズームレンズの望遠端の無限遠における標準状態での横収差図
【図13】実施例2のズームレンズの広角端の無限遠における防振時の横収差図
【図14】実施例2のズームレンズの望遠端の無限遠における防振時の横収差図
【図15】実施例3のズームレンズの広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図16】実施例3のズームレンズの広角端の無限遠における縦収差図
【図17】実施例3のズームレンズの望遠端の無限遠における縦収差図
【図18】実施例3のズームレンズの広角端の無限遠における標準状態での横収差図
【図19】実施例3のズームレンズの望遠端の無限遠における標準状態での横収差図
【図20】実施例3のズームレンズの広角端の無限遠における防振時の横収差図
【図21】実施例3のズームレンズの望遠端の無限遠における防振時の横収差図
【図22】実施例4のズームレンズの広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図23】実施例4のズームレンズの広角端の無限遠における縦収差図
【図24】実施例4のズームレンズの望遠端の無限遠における縦収差図
【図25】実施例4のズームレンズの広角端の無限遠における標準状態での横収差図
【図26】実施例4のズームレンズの望遠端の無限遠における標準状態での横収差図
【図27】実施例4のズームレンズの広角端の無限遠における防振時の横収差図
【図28】実施例4のズームレンズの望遠端の無限遠における防振時の横収差図
【図29】実施例5のズームレンズの広角端の無限遠におけるレンズ断面図
【図30】実施例5のズームレンズの広角端の無限遠における縦収差図
【図31】実施例5のズームレンズの望遠端の無限遠における縦収差図
【図32】実施例5のズームレンズの広角端の無限遠における標準状態での横収差図
【図33】実施例5のズームレンズの望遠端の無限遠における標準状態での横収差図
【図34】実施例5のズームレンズの広角端の無限遠における防振時の横収差図
【図35】実施例5のズームレンズの望遠端の無限遠における防振時の横収差図
【発明を実施するための形態】
【0020】
物体側より順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、正屈折力を有する第4レンズ群G4とで構成され、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3とを光軸に沿って移動させて変倍を行う。また前記第4レンズ群G4は、物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏心させて結像位置を移動させる。
【0021】
本発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズの第4レンズ群G4において、正屈折力を有する前群G4fは正屈折力のレンズ2個のみで構成し、球面収差とコマ収差の発生を極力抑える構成としている。また、中群G4mおよび後群G4rの合成倍率を小さくすることにより、前記中群G4mへのFナンバー光線の入射角が小さくなり、諸収差、特に高次の球面収差の発生を抑えることができる。
【0022】
しかし、第4レンズ群G4において、中群G4mおよび後群G4rの合成倍率を小さくしすぎると、前記中群G4mの径が大きくなり、防振機構の配置が困難になる。そこで、次の条件式(1)及び(2)を満足することが望ましい。
(1)0.80<βG4mr<1.25
(2)−0.28<F4m/Ft<−0.18
F4m:前記中群G4mの焦点距離
Ft:望遠端におけるレンズ全系の焦点距離
βG4mr:前記中群G4mおよび後群G4rの合成倍率
【0023】
条件式(1)は第4レンズ群G4における中群G4mと後群G4rの合成倍率を定めるものである。条件式(1)の上限値を越えると前記中群G4mへのFナンバー光線の入射角がきつくなり、望遠端のマージナル近傍で急激にアンダーになる球面収差の良好な補正が難しくなる。条件式(1)の下限値を越えると第4レンズ群G4全長と前記中群G4mの径の小型化を両立することができない。
【0024】
条件式(2)は第4レンズ群G4における中群G4mの焦点距離と望遠端における全系の焦点距離の比率を定めるものである。条件式(2)の上限を超えると特に望遠端において非点収差の良好な補正が困難になる。条件式(2)の下限を超えると望遠端において十分な手振れ補正角の確保が困難になる。
【0025】
本発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズの第4レンズ群G4において、正屈折力のレンズ2個のみで構成されたG4fの軸上厚を厚くすることにより、中群G4mに入射する光線高を小さくしながら、特に望遠端においてアンダーな像面湾曲の補正をおこなうことができる。そこで、次の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)0.10<D4f/F4f<0.16
F4f:第4レンズ群前群G4fの焦点距離
D4f:第4レンズ群前群G4fの最も物体側の面と最も像側の面との光軸に沿った距離
【0026】
条件式(3)は第4レンズ群前群G4fの焦点距離と、G4fの最も物体側の面と最も像側の面との光軸に沿った距離の比率を定めるものである。条件式(3)の上限を超えると、材料コストの増大と加工性の低下を招く。条件式(3)の下限を超えると、特に望遠端においてアンダーな像面湾曲の補正をおこなうことが困難になり、また第4レンズ群中群へ入射する光線の高さを効率的に下げることができない。
【0027】
また、本発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズの第4レンズ群G4において、正屈折力を有する前群G4fを正屈折力レンズ2個のみから構成し、色収差補正を第4レンズ群G4全体でおこなうこととする。その際、中群G4m単独の色収差補正に対する負担が減り、材質選択の自由度が増すことから、本発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズにおいて、特に以下の条件式(4)を満足することとする。
(4)1<(0.8−0.0043×ν4mn)/(N4mn−1)
N4mn:前記中群G4m、接合レンズを構成する負屈折力レンズの屈折率
ν4mn:前記中群G4m、接合レンズを構成する負屈折力レンズのアッベ数
【0028】
条件式(4)は、第4レンズ群G4における中群G4mのうち、接合レンズを構成する負屈折力レンズの屈折率とアッベ数の範囲を定めるものである。条件式(4)の定める範囲内の材料は比重が軽いため、可動部である前記中群G4mの軽量化が可能である。
【0029】
また、本発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に合焦時に移動しない固定されたG1aレンズ群と、光軸上を移動させて焦点合わせを行うG1bレンズ群とで構成され、前記G1aレンズ群は、1個の負屈折力レンズと1個の正屈折力レンズを含み、G1bレンズ群は、2個の正屈折力レンズのみから構成されることを特徴とする。G1bレンズ群は正屈折力レンズのみで構成することにより、各面の曲率をゆるくすることができ、高次の球面収差発生、コマ収差の発生を抑えることができる。また、G1bレンズ群の軽量化が可能になるため合焦速度の向上が可能となる。また、好ましくは第1レンズ群G1全体を負屈折力レンズ1個、正屈折力レンズ3個で構成することで、第1レンズ群G1の全長を短くすることができ、周辺光量の確保、レンズ総重量の軽量化が可能になる。
【0030】
また、本発明の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズにおいて、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3より構成される変倍部の全長を短く設計することで、ズームレンズの全長のコンパクト化が可能になる。
【0031】
しかし、前記変倍部の全長を短くしすぎると、第2レンズ群G2、および第3レンズ群G3それぞれのパワーが強くなり、諸収差の良好な補正が困難になる。そこで以下の条件を満足することが望ましい。
(5)0.80<L23w/Fw<0.93
L23w:広角端における前記第2レンズ群G2の先頭面から前記第3レンズ群G3の最終面の距離
Fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離
【0032】
条件式(4)は、広角端における前記第2レンズ群G2の先頭面から前記第3レンズ群G3の最終面の距離と広角端におけるレンズ全系の焦点距離の比率を定めるものである。条件式(4)の上限を超えると、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3のパワーがゆるくなり変倍時に発生する諸収差の補正には有利となるが、レンズ全長が長くなる。条件式(4)の下限を超えると、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3のパワーが強くなり、特に変倍時に発生する球面収差の補正が困難になる。また製造時の公差に対する製品のバラつきを制御することも難しく、ズーム全域で十分な光学性能を達成することができない。
【0033】
以下に本発明変倍結像光学系にかかる数値実施例1から5を示す。
【0034】
各数値実施例において全体諸元中のfは焦点距離。FnoはFナンバー、2ωは対角線画角を示す。レンズ諸元中の番号は物体側からのレンズの面番号、Rはレンズ面の曲率半径、Dはレンズ面間隔、ndはd線(波長587.56nm)の屈折率、νdはd線基準のアッベ数を示す。また、Bfはバックフォーカスを示す。図中のd線、g線、C線、はそれぞれの波長での収差である。ΔSはd線のサジタル像面、ΔMはd線のメリジオナル像面を示す。
【実施例1】
【0035】




【0036】
実施例1において第4レンズ群は物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏芯させて結像位置を変位する構成とし、前記前群G4fは正屈折力のレンズ2個からなり、前記中群G4mは、正屈折力のレンズと負屈折力のレンズとの接合レンズと負屈折力のレンズ1個からなり、前記後群G4rは、正屈折力3個と負屈折力のレンズ1個からなる。
【実施例2】
【0037】




【0038】
実施例2において第4レンズ群は物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏芯させて結像位置を変位する構成とし、前記前群G4fは正屈折力のレンズ2個からなり、前記中群G4mは、正屈折力のレンズと負屈折力のレンズとの接合レンズと負屈折力のレンズ1個からなり、前記後群G4rは、正屈折力3個と負屈折力のレンズ1個からなる。
【実施例3】
【0039】




【0040】
実施例3において第4レンズ群は物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏芯させて結像位置を変位する構成とし、前記前群G4fは正屈折力のレンズ2個からなり、前記中群G4mは、正屈折力のレンズと負屈折力のレンズとの接合レンズと負屈折力のレンズ1個からなり、前記後群G4rは、正屈折力3個と負屈折力のレンズ1個からなる。
【実施例4】
【0041】




【0042】
実施例4において第4レンズ群は物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏芯させて結像位置を変位する構成とし、前記前群G4fは正屈折力のレンズ2個からなり、前記中群G4mは、正屈折力のレンズと負屈折力のレンズとの接合レンズと負屈折力のレンズ1個からなり、前記後群G4rは、正屈折力3個と負屈折力のレンズ1個からなる。
【実施例5】
【0043】




【0044】
実施例5において第4レンズ群は物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏芯させて結像位置を変位する構成とし、前記前群G4fは正屈折力のレンズ2個からなり、前記中群G4mは、正屈折力のレンズと負屈折力のレンズとの接合レンズと負屈折力のレンズ1個からなり、前記後群G4rは、正屈折力3個と負屈折力のレンズ1個からなる。
【0045】

【0046】
各数値実施例の変倍光学系は上記のすべての条件を満足する。
【符号の説明】
【0047】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G1a 第1レンズ群の前群
G1b 第1レンズ群の後群
G4f 第4レンズ群の前群
G4m 第4レンズ群の中群
G4r 第4レンズ群の後群
S 絞り
I 像面
d d線
g g線
C C線
ΔS サジタル像面
ΔM メリジオナル像面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より順に、正屈折力を有する第1レンズ群G1、負屈折力を有する第2レンズ群G2、正屈折力を有する第3レンズ群G3、正屈折力を有する第4レンズ群G4とで構成され、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3とを光軸に沿って移動させて変倍を行う4群ズームレンズにおいて、前記第4レンズ群G4は、物体側より順に、正屈折力を有する前群G4f、負屈折力を有する中群G4m、正屈折力を有する後群G4rより構成し、前記中群G4mを光軸と略垂直方向に偏心させて結像位置を変位する構成とし、前記前群G4fは、正屈折力のレンズ2個のみからなり、前記中群G4mは、正屈折力のレンズと負屈折力のレンズとの接合レンズと負屈折力のレンズ1個を含み、前記後群G4rは、正屈折力のレンズ3個と負屈折力のレンズ1個を含み、以下の条件を満足することを特徴とする防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ。
(1)0.80<βG4mr<1.25
(2)−0.28<F4m/Ft<−0.18
F4m:前記中群G4mの焦点距離
Ft:望遠端におけるレンズ全系の焦点距離
βG4mr:前記中群G4mおよび後群G4rの合成倍率
【請求項2】
以下の条件を満足することを特徴とする、請求項1記載の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ。
(3)0.10<D4f/F4f<0.16
F4f:前記前群G4fの焦点距離
D4f:前記前群G4fの最も物体側の面と最も像側の面との光軸に沿った距離
【請求項3】
以下の条件を満足することを特徴とする、請求項1または請求項2記載の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ。
(4)1<(0.8−0.0043×ν4mn)/(N4mn−1)
N4mn:前記中群G4m中の、接合レンズを構成する負屈折力レンズの屈折率
ν4mn:前記中群G4m中の、接合レンズを構成する負屈折力レンズのアッベ数
【請求項4】
前記第1レンズ群G1は、物体面側から順に合焦時に移動しない固定されたG1aレンズ群と、光軸上を移動させて焦点合わせを行うG1bレンズ群とで構成され、前記G1aレンズ群は、1個の負屈折力レンズと1個の正屈折力レンズを含み、前記G1bレンズ群は、2個の正屈折力レンズのみから構成されることを特徴とする、請求項1乃至請求項3に記載の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ。
【請求項5】
以下の条件を満足することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の防振機能を有する大口径望遠ズームレンズ。。
(5)0.80<L23w/Fw<0.93
L23w:広角端における前記第2レンズ群G2の先頭面から前記第3レンズ群G3の最終面の距離
Fw:広角端におけるレンズ全系の焦点距離

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−99964(P2011−99964A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253930(P2009−253930)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000131326)株式会社シグマ (167)
【Fターム(参考)】