説明

防犯システム

【課題】在宅中に窓を開けている場合において住人による誤警報を抑えつつ不審者の侵入防止を図る。
【解決手段】本実施形態の防犯システムでは、窓が開いている状況で住人が窓に近付いても第2防犯センサ2で検知されないために誤って警報音が鳴動されることがない。一方、窓が開いている状況で不審者が窓に近付いた場合、第2防犯センサ2が警報音を鳴動して不審者を威嚇するとともに防犯受信機3からも警報音を鳴動させて住人に知らせることができる。そのため、本実施形態の防犯システムによれば、在宅中に窓を開けている場合において住人による誤警報を抑えつつ不審者の侵入防止を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓を有する建物に設置され、窓からの不審者の侵入を監視する防犯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓を有する建物(主に住宅)に設置され、窓からの不審者の侵入を監視する防犯システムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載の従来例は、宅内に設置された各種防犯センサがインターホン親機と接続され、防犯センサにおいて防犯異常が検知されたときにインターホン親機から警報出力するものである。そして、窓の開閉や破壊を検知する窓センサと、熱線等を利用して室内の侵入者を検知する室内人感センサとが防犯センサとして用いられる。
【0004】
この従来例では、インターホン親機が警戒モードに設定されている場合、何れかの防犯センサから防犯異常信号を受信して警報音を鳴動させ、インターホン親機が非警戒モードに設定されている場合は、何れかの防犯センサから防犯異常信号を受信しても警報音を鳴動させないようにしている。
【0005】
また、この従来例には警戒レベルの異なる二段階の警戒モード設定が用意されている。警戒レベルの低い第一の警戒モードにおいては、防犯異常を検知した際に防犯センサとインターホン親機による警報音の鳴動のみを行う。一方、警戒レベルの高い第二の警戒モードにおいては、防犯異常を検知した際に上記警報音の鳴動に加えて、外部への通報も行う。第一の警戒モードは、在宅中において使用するモードであって、誤って警戒の解除をせずに窓や玄関扉を開けてしまった際に、外部に不要な通報をしてしまうのを防ぐことができる。一方、第二の警戒モードは、外出時において設定されるものであって、外出先で防犯異常を知ることができるため、外出時の防犯異常にも対処することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−265928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、第一の警戒モード中に、換気等のために在宅している住人により窓が開けられている場合がある。このような場合において、窓の側を通り過ぎる住人を室内人感センサが検知してインターホン親機から警報音が鳴動されてしまうことがある。一方、在宅中の警戒モード(第一の警戒モード)において室内人感センサの検知結果を無効扱いしてしまうと、開いている窓から不審者が侵入してもインターホン親機から警報音が鳴動されないことになる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、在宅中に窓を開けている場合において住人による誤警報を抑えつつ不審者の侵入防止を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の防犯システムは、窓を有する建物に設置され、窓からの不審者の侵入を防止する防犯システムであって、前記窓の開閉若しくは前記窓に設けられた錠の施解錠を検知して当該検知結果を送信する第1防犯センサと、前記建物外の前記窓の周辺における人の存在を検知して当該検知結果を送信する第2防犯センサと、前記第1防犯センサ及び前記第2防犯センサから送信される検知結果を受信し、当該検知結果に応じて警報を行う防犯受信機とを備え、前記第2防犯センサは、検知範囲の人の存在を検知する人検知手段と、前記人検知手段の前記検知結果を送信し且つ前記防犯受信機からの指示を受信する送受信手段と、音や光による警報を行う警報手段と、前記人検知手段が人の存在を検知した場合に前記送受信手段に前記検知結果を送信させる制御手段とを有し、前記防犯受信機は、前記検知結果を受信し且つ前記指示を送信する送受信手段と、音や光あるいは外部への連絡などによる警報を行う警報手段と、前記送受信手段で受信する前記検知結果に基づいて警報の要否を判断し、警報が必要と判断した場合に前記警報手段に警報を行わせる制御手段と、前記制御手段を、前記警報の要否判断を行う警戒モードと前記警報の要否判断を行わない非警戒モードとに択一的に切り換える切換手段とを有し、前記制御手段は、前記警戒モードにおいて前記第2防犯センサから人の存在を検知した検知結果を受け取った場合、前記第1防犯センサから前記窓の閉状態若しくは前記錠の施錠状態を検知した検知結果を受け取っていれば、前記警報手段に警報を行わせずに前記第2防犯センサに対して警報実行の前記指示を前記送受信手段から送信させ、一方、前記第1防犯センサから前記窓の開状態若しくは前記錠の解錠状態を検知した検知結果を受け取っていれば、前記警報手段に警報を行わせ且つ前記第2防犯センサに対して警報実行の前記指示を前記送受信手段から送信させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の防犯システムは、在宅中に窓を開けている場合において住人による誤警報を抑えつつ不審者の侵入防止を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る防犯システムの実施形態を示すシステム構成図及び第1防犯センサ、第2防犯センサ、防犯受信機のブロック図である。
【図2】同上における第1防犯センサの設置状況を説明するための説明図である。
【図3】同上における第2防犯センサの設置状況を説明するための説明図である。
【図4】同上における防犯受信機の制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、戸建住宅に設置される防犯システムに本発明の技術思想を適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明の技術思想が適用可能な防犯システムは戸建住宅に設置されるものに限定されず、集合住宅の住戸や事務所などに設置されるものであっても構わない。
【0013】
本実施形態の防犯システムは、図1に示すように第1防犯センサ1と、第2防犯センサ2と、防犯受信機3とを備えている。ただし、図示例では第1防犯センサ1及び第2防犯センサ2を1組しか備えていないが、窓の数に応じて複数組の第1防犯センサ1及び第2防犯センサ2を備えていても構わない。
【0014】
第1防犯センサ1は、制御部10、窓検知部11、アンテナ12、無線通信部13、警報部14などを具備し、図2に示すように窓を開閉する建具(引き違い戸)100に取り付けられる。窓検知部11は、建具100に設けられたクレセント錠110の施錠と解錠の各状態を検知したり、あるいは建具100の開状態と閉状態を検知し、検知状態(以下、窓の検知状態と呼ぶ。)が変化したとき(例えば、閉状態から開状態に変化したとき)に検知信号を出力する。ただし、このような窓検知部11は従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
【0015】
制御部10は、マイクロコンピュータやメモリ、タイマなどのハードウェアとマイクロコンピュータで実行されるプログラムなどのソフトウェアとで構成される。制御部10では、窓検知部11から受け取る検知信号(検知結果)を無線通信部13に出力する。無線通信部13は、制御部10から受け取った検知結果を含む無線信号をアンテナ12を介して防犯受信機3へ送信する。警報部14はスピーカ及びスピーカの駆動回路を具備し、制御部10の指示に基づいてスピーカから警報音(ブザー音や警報メッセージなど)を鳴動する。ただし、警報音に代えて、あるいは警報音とともに警報部14が光による警報を出力しても構わない。
【0016】
第2防犯センサ2は、制御部20、人体検知部21、アンテナ22、無線通信部23、警報部24などを具備し、図3に示すように第1防犯センサ1が設置されている窓(建具100)の外(屋外)の外壁面に設置される。人体検知部21は、例えば、焦電素子を用いて人体から放射される熱線(赤外線)を検出することにより、屋外における窓(建具100)の周囲に存在する人を検知し、人を検知しているときに検知信号を出力する。ただし、このような人体検知部21は従来周知であるから、詳細な構成についての図示並びに説明は省略する。
【0017】
制御部20は、マイクロコンピュータやメモリ、タイマなどのハードウェアとマイクロコンピュータで実行されるプログラムなどのソフトウェアとで構成される。制御部20では、人体検知部21から受け取る検知信号(検知結果)を無線通信部23に出力する。無線通信部23は、制御部20から受け取った検知結果を含む無線信号をアンテナ22を介して防犯受信機3へ送信する。警報部24はスピーカ及びスピーカの駆動回路を具備し、制御部20の指示に基づいてスピーカから警報音(ブザー音や警報メッセージなど)を鳴動する。ただし、警報音に代えて、あるいは警報音とともに警報部24が光による警報を出力しても構わない。
【0018】
防犯受信機3は、制御部30、アンテナ31、無線通信部32、記憶部33、警報部34、データ通信部35、操作入力部36などを具備し、例えば、宅内の居間の壁などに設置される。無線通信部32は、第1防犯センサ1及び第2防犯センサ2から送信される無線信号をアンテナ31を介して受信し、当該無線信号に含まれる検知結果を制御部30に出力する。制御部30は、無線通信部32から受け取った検知結果を、各防犯センサ1,2毎に時系列で記憶部33に記憶させる。なお、記憶部33は電気的に書換可能な不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリなど)で構成される。警報部34はスピーカ及びスピーカの駆動回路を具備し、制御部30の指示に基づいてスピーカから警報音(ブザー音や警報メッセージなど)を鳴動する。ただし、警報音に代えて、あるいは警報音とともに警報部34が光による警報を出力しても構わない。データ通信部35は、例えば、100BASE-TXなどのLAN規格に準拠し、ツイストペアケーブル(LANケーブル)を介したデータ通信を行うものである。なお、図示は省略しているが、データ通信部35にはLANケーブルを介してインターネット通信装置(光回線終端装置<ONU>やCATVモデムなど)が接続されている。
【0019】
また操作入力部36は、手動でオンされる1乃至複数個の押釦スイッチを有し、押釦スイッチがオンされることでそれぞれの押釦スイッチに対応した操作入力を受け付けて制御部30に出力する。例えば、モード切換に対応した押釦スイッチがオンされると、警戒モードから非警戒モード又は非警戒モードから警戒モードへの切換を指示する操作入力が操作入力部36から制御部30に出力される。そして、制御部30は前記操作入力を受け取ると、現在のモードが警戒モードであれば非警戒モードに切り換わり、現在のモードが非警戒モードであれば警戒モードに切り換わる。
【0020】
次に、図4のフローチャートを参照して本実施形態の防犯システムの動作を説明する。制御部30は、第2防犯センサ2から人体検知の検知結果を受け取った場合(S1)、非警戒モードであれば何もせずにステップS1に戻る。一方、警戒モードに設定されている場合(S2)、制御部30は、第1防犯センサ1による窓の検知結果が開状態と閉状態の何れであるかを判断する(S3)。そして、開状態であれば、制御部30は第2防犯センサ2に警報音の鳴動を指示する制御命令を含む無線信号を無線通信部32に送信させ(S5)、さらに警報部34に警報音を鳴動させる(S6)。その結果、前記制御命令を受け取った第2防犯センサ2の制御部20が警報部24に警報音を鳴動させ、窓から侵入しようとしている不審者を威嚇することができる。
【0021】
一方、第1防犯センサ1の検知結果が閉状態である場合、制御部30は、第2防犯センサ2に警報音の鳴動を指示する制御命令を含む無線信号を無線通信部32に送信させるが(S4)、警報部34には警報音を鳴動させない。
【0022】
また、制御部30は警報音の鳴動中に操作入力部36が警報音停止の操作入力を受け付けると(S7)、警報部34が警報音を鳴動中であれば鳴動を停止させるとともに第2防犯センサ2に警報音の鳴動停止を指示する制御命令を含む無線信号を無線通信部32に送信させる(S8)。その結果、前記制御命令を受け取った第2防犯センサ2の制御部20が警報部24に警報音の鳴動を停止させる。
【0023】
上述のように本実施形態の防犯システムでは、窓が開いている状況で住人が窓に近付いても第2防犯センサ2で検知されないため、第2防犯センサ2及び防犯受信機3において誤って警報音が鳴動されることがない。一方、窓が開いている状況で不審者が窓に近付いた場合、第2防犯センサ2が警報音を鳴動して不審者を威嚇するとともに防犯受信機3からも警報音を鳴動させて住人に知らせることができる。そのため、本実施形態の防犯システムによれば、在宅中に窓を開けている場合において住人による誤警報を抑えつつ不審者の侵入防止を図ることができる。
【符号の説明】
【0024】
1 第1防犯センサ
2 第2防犯センサ
3 防犯受信機
20 制御部(制御手段)
21 人体検知部(人検知手段)
22 アンテナ(送受信手段)
23 無線通信部(送受信手段)
24 警報部(警報手段)
30 制御部(制御手段)
31 アンテナ(送受信手段)
32 無線通信部(送受信手段)
34 警報部(警報手段)
36 操作入力部(切換手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓を有する建物に設置され、窓からの不審者の侵入を防止する防犯システムであって、前記窓の開閉若しくは前記窓に設けられた錠の施解錠を検知して当該検知結果を送信する第1防犯センサと、前記建物外の前記窓の周辺における人の存在を検知して当該検知結果を送信する第2防犯センサと、前記第1防犯センサ及び前記第2防犯センサから送信される検知結果を受信し、当該検知結果に応じて警報を行う防犯受信機とを備え、
前記第2防犯センサは、検知範囲の人の存在を検知する人検知手段と、前記人検知手段の前記検知結果を送信し且つ前記防犯受信機からの指示を受信する送受信手段と、音や光による警報を行う警報手段と、前記人検知手段が人の存在を検知した場合に前記送受信手段に前記検知結果を送信させる制御手段とを有し、
前記防犯受信機は、前記検知結果を受信し且つ前記指示を送信する送受信手段と、音や光あるいは外部への連絡などによる警報を行う警報手段と、前記送受信手段で受信する前記検知結果に基づいて警報の要否を判断し、警報が必要と判断した場合に前記警報手段に警報を行わせる制御手段と、前記制御手段を、前記警報の要否判断を行う警戒モードと前記警報の要否判断を行わない非警戒モードとに択一的に切り換える切換手段とを有し、
前記制御手段は、前記警戒モードにおいて前記第2防犯センサから人の存在を検知した検知結果を受け取った場合、前記第1防犯センサから前記窓の閉状態若しくは前記錠の施錠状態を検知した検知結果を受け取っていれば、前記警報手段に警報を行わせずに前記第2防犯センサに対して警報実行の前記指示を前記送受信手段から送信させ、一方、前記第1防犯センサから前記窓の開状態若しくは前記錠の解錠状態を検知した検知結果を受け取っていれば、前記警報手段に警報を行わせ且つ前記第2防犯センサに対して警報実行の前記指示を前記送受信手段から送信させることを特徴とする防犯システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−25480(P2013−25480A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158168(P2011−158168)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】