説明

陸上競技シミュレーションゲーム装置

【課題】実際の陸上競技に近いスタート時の臨場感を再現するとともに、遊戯者が走行運動をしながら、陸上競技を擬似的に楽しむことができる陸上競技シミュレーションゲーム装置を提供する。
【解決手段】遊戯者の走行運動に応じて摺動回転する走行ベルトを備え、該走行ベルトの回転状態に連動して動作するキャラクタを含む画像を、ゲーム処理手段の制御処理によって表示手段に表示するようにした。また、ゲーム中の陸上競技の競走種目のスタート時において、キャラクタのスタートが1回目のフライングの場合には再スタートさせ、2回目のフライングの場合にはキャラクタの移動を所定時間だけ停止させ、その後、キャラクタの移動を許可するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1人または複数人で陸上競技を擬似的に楽しむことができる陸上競技シミュレーションゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊園地等のアミューズメント施設には、各種スポーツなどを擬似的に楽しむことができるゲーム機が設置されている。
【0003】
しかしながら、それらのスポーツシミュレーションゲーム装置の大半は、野球やサッカーなどの球技スポーツであったため、近年、球技スポーツ以外のスポーツとして、例えば走行運動をしながら陸上競技を擬似体験して楽しむことができるようなシミュレーションゲーム装置が求められていた。
【0004】
また、従来、遊戯者の操作対象であるキャラクタにレースや競走を行わせるゲーム、特に、所定のスタート合図とともに一斉にスタートさせるゲームでは、その所定のスタート合図の前にスタート位置から動いてしまった場合には、フライングの反則を犯したと見做され、1回ないし複数回のフライングを犯した場合には、そのままゲームから失格させられてしまうのが一般的であった。
【0005】
ところが、このような競走ゲームを行う装置が業務用のゲーム装置の場合、上述のように競走ゲームを開始する前にフライングで失格となり、競走ゲームが終了してしまうのでは、料金を支払っている遊戯者が競走ゲームを満喫して楽しむことができない、という問題があった。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1には、レース開始前に反則してキャラクタをスタートさせることができ、プレーヤがレース開始前に反則してキャラクタをスタートさせたと判断された場合に、キャラクタのスタートに対して所定の罰則、例えば、自動車キャラクタがコースを何周かした後にピットに入って10秒間停止させるようにした罰則を適用したものが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−159750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されるものは、カーレース・ゲームに適用されるものであったため、キャラクタを一旦スタートさせた後にピットに入って10秒間停止させる罰則を適用することができるが、例えば陸上競技種目の『100m走』などのゲームでは、このようにキャラクタを一旦スタートさせた後に所定の罰則を適用することは非現実的である、という問題があった。
【0009】
また、このような所定のスタート合図とともに一斉にスタートさせるゲームにおいて、上述したようなフライング判定を完全に無くしてしまうと、ゲームの臨場感や現実感が損なわれてしまい、遊戯者の満足度を充分に満たすことできない、という問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実際の陸上競技の臨場感を再現するとともに、遊戯者が走行運動をしながら、陸上競技を擬似的に楽しむことができる陸上競技シミュレーションゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、遊戯者が走行運動をしながら陸上競技を擬似的に体験する陸上競技シミュレーションゲーム装置において、前記遊戯者の走行運動に応じて摺動回転する走行ベルトと、前記走行ベルトの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度手段から出力される前記走行ベルトの回転速度情報に基づいて、前記遊戯者の走行運動に連動して動作するキャラクタを含む画像の表示情報を生成するゲーム処理手段と、前記ゲーム処理手段から出力される表示情報に基づいて、前記画像を表示する表示手段と、前記キャラクタの移動を許可するスタート時間を設定するとともに、前記スタート時間までの待機時間を計時するスタート計時手段と、前記回転速度検出手段から出力される前記走行ベルトの回転速度情報と前記スタート計時手段から出力される前記待機時間の計時情報とに基づいて、前記キャラクタが前記待機時間中に移動を開始したか否かを判定し、前記キャラクタが前記待機時間中に移動を開始した場合にフライングと判断するフライング判定手段と、前記フライング手段によって判断された前記フライングが1回目である場合に、前記スタート計時手段を再作動させる再スタート手段と、前記フライング手段によって判断された前記フライングが2回目である場合に、前記キャラクタの移動を、該キャラクタが移動を開始した時点から所定時間だけ停止させ、その後、前記キャラクタの移動を許可するペナルティ手段とを備えたことにより、達成される。
【0012】
また、上記目的は、予め設定されている数種類の遊戯者属性情報および数種類の優遇度パラメータを格納する記憶手段と、前記遊戯者が前記数種類の遊戯者属性情報の中から該当する遊戯者属性情報を選択する遊戯者属性情報入力手段と、前記属性入力手段を介して入力された遊戯者属性情報と前記回転速度検出手段を介して入力された回転速度情報とに基づいて、前記数種類の優遇度パラメータの中から前記遊戯者に適用される優遇度パラメータを選択する能力判定手段とをさらに備え、かつ、前記ゲーム処理手段が、前記能力手段判定手段によって選択された前記優遇度パラメータを反映させて、前記画像の表示情報を生成することにより、効果的に達成される。
【0013】
さらに、上記目的は、複数人の遊戯者がぞれぞれ走行運動をしながら陸上競技を擬似的に体験する複数台の陸上競技シミュレーションゲーム装置において、前記各陸上競技シミュレーションゲーム装置が、前記遊戯者が走行しながら操作可能な操作手段と、前記遊戯者の走行運動に応じて摺動回転する走行ベルトと、前記走行ベルトの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度手段から出力される前記走行ベルトの回転速度情報に基づいて、前記遊戯者の走行運動に連動して動作するキャラクタを含む画像の表示情報を生成するゲーム処理手段と、前記ゲーム処理手段から出力される表示情報に基づいて、前記画像を表示する表示手段とをそれぞれ有し、前記各遊戯者がそれぞれの前記陸上競技シミュレーション装置の前記走行ベルトにて順次走行運動を行い、前記各回転速度検出手段からの回転速度情報に基づいて、前記各表示手段に前記キャラクタを走行表示させ、バトンの受け渡しゾーンに入ると、次の待機走者が走り出し、前記バトンを受け渡し、次の遊戯者の前記陸上シミュレーション装置の走行に移行するゲーム処理を実行する複数台から構成されたことにより、効果的に達成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置によれば、遊戯者の走行運動に応じて摺動回転する走行ベルトを備え、該走行ベルトの回転状態に連動して動作するキャラクタを含む画像を、ゲーム処理手段の制御処理によって表示手段に表示するようにした。これにより、遊戯者は、走行運動をしながら陸上競技を擬似的に体験することができ、ゲームを楽しむことができる。
【0015】
また、本発明に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置によれば、ゲーム中の陸上競技の競走種目のスタート時に、キャラクタのスタートが1回目のフライングの場合には再スタートさせ、2回目のフライングの場合にはキャラクタの移動を所定時間だけ停止させ、その後、キャラクタの移動を許可するようにした。これにより、実際の陸上競技に近いスタート時の臨場感を再現することができ、遊戯者は、1回目のフライングをとられることにより、このゲームがフライング判定をしっかり行っていることを認識できる。仮に、2回目のフライングをしてしまった場合、実際の競技ではその時点で失格となってしまうが、本発明に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置では、キャラクタを所定時間だけ停止させられるペナルティ(罰則)を受けた後に、競走ゲームを再開することができるので、遊戯者は競走ゲームを最後まで満喫して楽しむことができる。
【0016】
また、本発明に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置によれば、ゲーム開始前に実行される運動能力測定モード中に、走行ベルトを介して入力される遊戯者の走力情報と、属性入力手段を介して入力される遊戯者の属性情報(性別、年齢等)とに基づいて、予め設定されている優遇度パラメータの中から遊戯者が操作するキャラクタに付与される優遇度パラメータを選択するようになっている。これにより、身体能力や運動能力に差がある複数の遊戯者(例えば、成人男性と子供)が、この陸上競技シミュレーションゲームを同時に楽しむような場合、身体能力や運動能力の差を充足するように各遊戯者が操作するキャラクタの優遇度パラメータが調整されるので、遊戯者の年齢や性別の差に関係なく、真剣勝負を楽しむことができる。
【0017】
さらに、本発明に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置によれば、複数台の陸上競技シミュレーションゲーム装置を用いて、走行運動をしながら操作手段を操作することにより、バトンなどの受け渡し動作を画像中に反映させることができるので、実際の『400mリレー』などのリレー種目に近い臨場感を再現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照にしながら本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の外観を概略的に示す側面図であり、図2は、その正面図である。本実施形態における陸上シミュレーションゲームとは、遊戯者であるプレイヤーが限られた範囲に設けられた無限軌道上を走ったり、ジャンプボタンを押したりすることより入力される走行状態情報やジャンプ操作情報に基づいて、現実世界での陸上競技を2次元画像表示装置を用いて表示される仮想3次元空間内で擬似的に生成された陸上競技コースにおいて、アスリートのキャラクタ画像の動作に反映させることをいう。。
【0020】
これらの図において、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1は、遊戯者Pが走行運動することにより摺動回転する走行ベルト2を有する走行部3と、該走行部3の前方に配され、画像などを表示する表示手段としてのプロジェクタ4と、ゲーム中の音響などを出力する音響出力手段としてのスピーカ5などを備えている。なお、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1では、プロジェクタ4が配されている側を前方とし、かつ、走行部3が配されている側を後方とする。
【0021】
走行部3は、走行ベルト2の回転速度(回転数)を検出するスピードユニット(回転速度検出手段)6を備え、該スピードユニット6によって、遊戯者Pの走行速度を検出するようになっている。このスピードユニット6は、例えばエンコーダなどによって構成され、前方の支持ローラの回転速度を検出するものである。
【0022】
また、走行部3は、走行ベルト2の両側に立設されたサイドフェンス7,7と、走行ベルト2の前方に立設されたフロントタワー部材8と、該フロントタワー部材8の上部の左右両側に取り付けられたハンドグリップ9と、走行ベルト2の後部の両側に配された側板から走行ベルト2の上で走行運動中の遊戯者Pの腹部を抱擁するように延びているサポートバー10とを備えている。サイドフェンス7は、遊戯者Pの走行運動中に遊戯者P以外の第三者が横から侵入するのを防止するためのものである。サポートバー10は、遊戯者Pがハンドグリップ9を把持しながら走行運動する際に前傾になる姿勢を支持するためのものであり、図1中の矢印X−X´方向に回動可能になっている。そして、このサポートバー10は、遊戯者Pの走行運動時の前傾姿勢における腹部に当接する位置で基端部に連結された油圧ロック機構などによって固定され、固定解除後にガスダンパーなどによって上方への付勢力を徐々に増すように支持される。
【0023】
また、フロントタワー部材8の上部背面には、ゲーム中の選択事項を操作する選択ボタン11、およびゲーム中の決定事項を操作する決定ボタン12が配設され、かつ、フロントタワー部材8の上面には、ゲーム中に遊戯者Pの操作対象であるアスリートのキャラクタの動作(踏み切りの際のジャンプ動作やゴール手前での胸出し動作など)を操作するアクションボタン13が配設されている。本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1の操作ボタン14は、これらの選択ボタン11、決定ボタン12、およびアクションボタン13によって構成されている。
【0024】
なお、プロジェクタ4の上方に配された部材は、走行ベルト2の回転速度に応じた走行速度をゲージで表示するスピードメータ15であり、該スピードメータ15の両側には、遊戯者Pなどを照射するスポットライト16が配設されている。
【0025】
以上のような構成からなる本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1では、遊戯者Pの走行運動、すなわち走行ベルト2の回転速度に連動して動作するキャラクタを含む画像がプロジェクタ4に表示され、キャラクタや画像に応じたBGM等がスピーカ5から出力されるようになっている。
【0026】
次に、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の機能構成について説明する。図3は、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【0027】
同図に示すように、陸上競技シミュレーションゲーム装置1は、スピードユニット6および操作ボタン14を有する走行部3と、該走行部3から入力される情報に基づいて画像の表示情報や音響情報を生成する制御部17と、該制御部17が表示情報や音響情報を生成する際に参照するデータなどを格納した記憶部18と、制御部17によって生成された表示情報に基づいて画像を表示するプロジェクタ4と、制御部17によって生成された音響情報に基づいてBGM等を出力するスピーカ5とから構成されている。
【0028】
走行部3は、遊戯者が走行ベルト2を介して走行速度パラメータを入力するとともに、操作ボタン14を介してゲームに関する各種操作を入力する装置である。スピードユニット6によって検出された走行ベルト2の回転速度情報や操作ボタンを介して入力された操作情報は、制御部17に出力される。
【0029】
制御部17は、記憶部18に格納されているゲームプログラム19やゲームデータ20に基づいて、陸上競技シミュレーションゲーム装置1全体の制御処理、画像生成処理、音響信号生成処理などを行うモジュールであり、メインCPU、ビデオディスプレイプロセッサ、サウンドプロセッサ、ワークメモリ等の各種ハードウエア資源を備えている。
【0030】
また、記憶部18は、メモリやハードディスクなどの記憶媒体からなるROM,RAMであり、ゲームプログラム19やゲームデータ20の他に、遊戯者の属性(性別、年齢など)情報21や遊戯者の操作対象であるキャラクタに適用される優遇度パラメータ22などが格納されている。
【0031】
制御部17内のゲーム処理手段23は、スピードユニット6から入力される回転速度情報、操作ボタン14から入力される操作情報、あるいは記憶部18から読み出したゲームプログラム19やゲームデータ20に基づいて、陸上競技シミュレーションゲームを実現するためのゲーム処理を実行し、遊戯者の走行運動に連動して動作するキャラクタを含む画像の表示情報や音響情報を生成する。このゲーム処理手段23によって生成された表示情報、音響情報は、それぞれプロジェクタ4、スピーカ5に出力される。
【0032】
また、制御部17は、陸上競技シミュレーションゲームの『100m走』や『110mハードル』などの競走種目のスタート時の制御処理を実行するスタート制御手段24として、スタート計時手段25と、フライング判定手段26と、再スタート手段27と、ペナルティ手段28とを備えている。
【0033】
スタート計時手段25は、遊戯者の走行運動によるキャラクタの移動を許可するスタート時間を設定するとともに、該スタート時間までの待機時間を計時して、スタートの直前に、図4および図5に示すような、陸上競技場のスタートラインでクラウチング・スタートの姿勢を取っているキャラクタを後方から俯瞰した画面で始まり、『On your marks(位置について), set(用意), GO(ドン)』などのスタート開始の表示や音声を、プロジェクタ4およびスピーカ5を介して出力する。
【0034】
フライング判定手段26は、スピードユニット6によって検出された走行ベルト2の回転速度情報と、スタート計時手段25から出力される待機時間の計時情報とに基づいて、キャラクタが待機時間中に移動を開始したか否かを判定し、キャラクタが待機時間中に移動を開始した場合にフライングと判断する。すなわち、このフライング判定手段26は、遊戯者がスタート時間より前に動いたか否かを判定し、フライングの有無を判断するものである。
【0035】
再スタート手段27は、フライング判定手段26によって判断されたフライングが1回目である場合に、図6に示すように、『False Start(フライング・スタート)』などの表示や音声を、プロジェクタ4およびスピーカ5を介して出力し、スタート計時手段25を再作動させ、再度、遊戯者にスタート動作を行わせる。
【0036】
ペナルティ手段28は、フライング部26によって判断されたフライングが2回目である場合に、キャラクタの移動を、該キャラクタが移動を開始した時点から所定時間(0.5秒間)だけ停止させ、その後、キャラクタの移動を許可する。すなわち、スタート時に2回目のフライングをしてしまった遊戯者は、操作対象であるキャラクタを、所定時間だけ遅れてスタートさせることになる。
【0037】
図7は、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置のスタート時におけるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
同図に示すように、まず、ゲーム処理手段23のゲーム処理によって、陸上競技ゲームの『100m走』や『110mハードル』が開始すると、フライング判定手段26は、フライングの回数を計数するカウンタnを0に初期設定する(ステップS11)。そして、スタート計時手段が作動し、キャラクタのスタート開始時間stを設定するとともに、該スタート開始時間stまでの待機時間wtの計時を開始し(ステップS12)、スタート開始の表示・音声をプロジェクタ4およびスピーカ5を介して出力する。
【0039】
続いて、遊戯者がスタート合図に合わせて走行ベルト2上で走行運動を開始することにより入力された走行ベルト2の回転速度情報が、スピードユニット6を介して制御部17に入力され(ステップS14)、フライング判定手段26が、その回転速度入力時、すなわち走行ベルト2の回転速度が0でなくなった時点の待機時間wtが残っているか否かを判定する(ステップS15)。フライング判定手段26は、回転速度入力時の待機時間wtが残っていない場合(wt≦0)には、遊戯者のスタートがスタート時間st後であったと判断し、通常のスタート処理が実行される(ステップS16)。
【0040】
一方、回転速度入力時の待機時間wtが残っていた場合(wt>0)には、フライング判定手段26は、遊戯者のスタートがスタート時間st前のフライング・スタートであると判断し、フライング回数のカウンタnに1を加算する(ステップS17)。そして、再スタート手段27が、そのフライング回数のカウンタnが1であるか否かを判定する(ステップS18)。再スタート手段27は、遊戯者のフライングが1回目であると判断した場合には、フライングであることを示す表示・音声をプロジェクタ4およびスピーカ5を介して出力し(ステップS19)、再度ステップS12に移行してスタート計時手段25を再作動させる。
【0041】
一方、再スタート手段27によって遊戯者のフライングが1回目ではない、すなわち2回目のフライングであると判断された場合には、ペナルティ手段28が、フライングをした遊戯者のキャラクタのスタートを所定時間(0.5秒間)だけ遅らせるペナルティ・スタート処理を実行する(ステップS20)。
【0042】
また、図3に示すように、制御部17は、遊戯者が操作ボタン14を介して入力された遊戯者属性情報および操作情報と、スピードユニット6を介して入力された走行ベルト2の回転速度情報とに基づいて、記憶部18に格納されている数種類の優遇度パラメータ22の中から遊戯者に適用される優遇度パラメータを選択する能力判定手段29を備えている。そして、ゲーム処理手段23は、能力手段判定手段29によって選択された優遇度パラメータを反映させて、キャラクタを含む画像の表示情報や音響情報を生成するようになっている。
【0043】
本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1において、この能力判定手段29による能力判定が実行されるのは、基本的に複数の遊戯者が同時にゲームを楽しむ場合であり、メインゲームである『100m走』、『110mハードル』、および『走り幅跳び』の陸上競技ゲームが行われる前である。
【0044】
図8は、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置を複数台併設した場合の概略構成を説明するためのブロック図である。
【0045】
複数(ここでは4人まで)の遊戯者が本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲームを遊戯する場合、各遊戯者は、同図に示すように並設された複数台の陸上競技シミュレーション装置1A〜1Dの中の1台を使用する。各陸上競技シミュレーション装置1A〜1Dの制御部2は、装置内部で用いられる情報を外部とやりとするための通信手段を備え、通信回線を介して接続されたメインサーバ30に対して、プログラムに応じた所定の情報を送受信するようになっている。
【0046】
メインサーバ30は、主に、各装置1A〜1Dの制御部2から送信される情報に基づいて、ゲームの順位決定などの処理を行い、その結果情報を、各装置1A〜1Dの制御部に送信する。この結果情報は、各装置1A〜1Dの制御部2を介して、それぞれのプロジェクタ4(および図示されていないがスピーカ5)に出力される。
【0047】
なお、メインサーバ30に接続されている補助操作部31は、イベントなどの際に、アテンダント(係員)がゲームの開始・終了などを操作するためのものである。
【0048】
図9は、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の能力判定時のゲーム処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、能力判定の一例として、3人の遊戯者が能力判定を行う場合について説明する。
【0049】
同図に示すように、まず、能力判定手段29が作動して、『能力判定ゲーム』が開始すると、記憶部18に格納された属性情報(『男性』、『女性』、『子供』)がプロジェクタ4を介して表示され(ステップS21)、それに応じて、遊戯者が操作ボタン14(選択ボタン11および決定ボタン12)を介して遊戯者属性情報を入力する(ステップS22)。そして、能力判定手段29は、記憶部18に格納されている優遇度パラメータ22を参照して、入力された遊戯者属性情報に応じた優遇度パラメータを選択する(ステップS23)。
【0050】
本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1では、操作対象であるキャラクタのパラメータ能力は、「最高速」、「加速力」、および「ジャンプ力」の3項目からなる。
【0051】
「最高速」は、ゲーム中のキャラクタの走行速度であり、実際の速度(すなわち、走行ベルト2の上で走行運動をする遊戯者の実際の走行速度)に、優遇度パラメータに応じた数値(2.0〜2.5)を乗算したものである。
【0052】
「加速度」は、スタート後の数秒間(2秒間)だけ適用されるゲーム中のキャラクタの走行速度であり、上述した「最高速」に、優遇度パラメータに応じた数値(1.0〜1.5)を乗算したものである。
【0053】
「ジャンプ力」は、ゲーム中のキャラクタの飛距離であり、『走り幅跳び』の種目を実行する際に適用される。『走り幅跳び』の飛距離は、踏み切り直前の速度および飛び出し角度(25度が最も良い)に基づく計算結果に、優遇度パラメータに応じた数値(1.0〜1.5)を乗算したものである。なお、遊戯者は、アクションボタン13を押すことにより、『走り幅跳び』の踏み切り動作や『110mハードル』のハードルの飛び越え動作を操作する。
【0054】
ステップS23において、ステップS22で入力された遊戯者属性情報が男性の場合には、「最高速」、「加速力」、および「ジャンプ力」のパラメータ能力は通常能力のままである(ステップS24A)。一方、ステップS22で入力された遊戯者属性情報が女性の場合には、上記各パラメータ能力として、通常能力より1つ上位ランクのものが選択される(ステップS24B)。例えば、通常能力では、実際の速度を2.0倍したものが「最高速度」であり、1つ上位ランクのパラメータ能力では、実際の速度を2.1倍したものが「最高速度」となる。さらに、ステップS22で入力された遊戯者属性情報が子供の場合には、上記各パラメータ能力として、通常能力より2つ上位ランクのものが選択される(ステップS24C)。
【0055】
続いて、能力判定手段29のゲーム処理により『スタート練習』が開始され、遊戯者は、プロジェクタ4およびスピーカ5を介して出力される指示に従って、走行ベルト2の上でスタート動作を行い、これにより、走行ベルト2の回転速度情報が入力される(ステップS25)。この『スタート練習』は、上述したスタート制御手段24によるスタート動作を合計3回実行し、合計秒数の少ない方から順位を付けるものである。なお、フライング・スタートを行った場合には、0.5秒が加算される。そして、能力判定手段29は、記憶部18に格納されている優遇度パラメータ22を参照して、『スタート練習』の順位に応じた優遇度パラメータを選択する(ステップS26)。
【0056】
ステップS26において、『スタート練習』の順位が1位の場合には、「最高速」および「加速力」のパラメータ能力は、ステップS24A〜S24Cで選択された能力のままである(ステップS27A)。一方、『スタート練習』の順位が2位の場合には、「最高速」および「加速力」のパラメータ能力として、ステップS24A〜S24Cで選択された能力より1つ上位ランクのものが選択される(ステップS27B)。さらに、『スタート練習』の順位が3位の場合には、「最高速」および「加速力」のパラメータ能力として、ステップS24A〜S24Cで選択された能力より2つ上位ランクのものが選択される(ステップS27C)。
【0057】
続いて、能力判定手段29のゲーム処理により『ジャンプ練習』が開始され、遊戯者は、プロジェクタ4およびスピーカ5を介して出力される指示に従って、走行ベルト2の上で助走(5m走行)動作およびアクションボタン13による踏み切り動作を行い、これにより、走行ベルト2の回転速度情報および操作情報が入力される(ステップS27)。この『ジャンプ練習』は、上述した動作を合計2回実行し、合計飛距離の大きい方から順位を付けるものである。そして、能力判定手段29は、記憶部18に格納されている優遇度パラメータ22を参照して、『ジャンプ練習』の順位に応じた優遇度パラメータを選択する(ステップS29)。
【0058】
ステップS29において、『ジャンプ練習』の順位が1位の場合には、「ジャンプ力」のパラメータ能力は、ステップS24A〜S24Cで選択された能力のままであり、かつ、「最高速」のパラメータ能力は、ステップS27A〜S27Cで選択された能力のままである(ステップS30A)。一方、『ジャンプ練習』の順位が2位の場合には、「ジャンプ力」のパラメータ能力として、ステップS24A〜S24Cで選択された能力より1つ上位ランクのものが選択され、かつ、「最高速」のパラメータ能力として、ステップS27A〜S27Cで選択された能力より1つ上位ランクのものが選択される(ステップS30B)。さらに、『スタート練習』の順位が3位の場合には、「ジャンプ力」のパラメータ能力力として、ステップS24A〜S24Cで選択された能力より2つ上位ランクのものが選択され、かつ、「最高速」のパラメータ能力として、ステップS27A〜S27Cで選択された能力より2つ上位ランクのものが選択される(ステップS30C)。
【0059】
遊戯者属性情報の入力、『スタート練習』、および『ジャンプ練習』が終了すると、ゲーム処理手段23は、ステップS24A〜S24C、ステップS27A〜S27C、およびステップS30A〜S30Cで能力判定手段29によって選択された各能力の優遇度パラメータを、遊戯者の操作対象であるキャラクタに反映して、後に行われる『100m走』、『110mハードル』、および『走り幅跳び』のゲーム処理を実行する(ステップS31)。
【0060】
なお、ここでは、3人の遊戯者による能力判定について説明したが、4人の遊戯者による能力判定を行う際には、ステップS27およびステップS30において、『スタート練習』および『ジャンプ練習』の順位が4位の場合に選択される各能力の優遇度パラメータとして、通常能力または事前に選択された能力より3つ上位ランクのものが選択される。
【0061】
また、図8のステップS27およびステップS30では、『スタート練習』および『ジャンプ練習』の順位が下位になるに従って、各能力の優遇度パラメータに1つずつ上位ランクのものが選択されるように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、4人の遊戯者による能力判定の場合には、2位と3位の遊戯者に選択される優遇度のランクが同じになるように設定されていてもよい。
【0062】
また、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1は、1ないし複数の遊戯者が、『100m走』、『110mハードル』および『走り幅跳び』で勝負して、それぞれの成績に応じて得られるポイントの合計を競う通常ゲームモードの他に、4人で行う『400mリレー』モードも搭載されている。この『400mリレー』は、図8に示すような4台併設された陸上競技シミュレーション装置1A〜1Dに、それぞれ第1走者から第4走者が着いて、順次第1走者から各装置1A〜1Dの走行部3で走り、アクションボタン13を押して次の走者にバトンを渡していくゲームである。
【0063】
上述した通常ゲームモードの走行画面は、キャラクタの後方からの俯瞰画面であるが、この『400mリレー』モードでは、バトン受け渡し可能領域にバトン走者(第1走者)のキャラクタが差し掛かると、第1走者および第2走者のプロジェクタ4に表示される画面は共に、図10に示すように斜め後方から俯瞰したバトン・トス画面に切り替わる。そして、第2走者が走り出した画像になり、第2走者の走行運動に応じて走行速度が増していく。バトンを渡す第1走者側の遊戯者は、走行しながら操作手段であるアクションボタン13を押すことにより、キャラクタが把持しているバトンを次の走者である第2走者のキャラクタに渡したことになり、その画像がそれぞれのプロジェクタ4に表示される。ここで、第1走者が第2走者にバトンを渡すタイミングは、第2走者の速度がトップスピードに近い速度まで上がっているバトン受け渡し可能領域内の最後の方であることが望ましい。
【0064】
操作対象であるキャラクタにバトンを渡された第2走者の表示画面は、キャラクタがバトン受け渡し可能領域を過ぎると、第2走者を後方から俯瞰した画面に切り替わり、第2走者の遊戯者の走行運動状態が走行画面に反映される。このように次々とバトンを受け渡しが行われ、最後の走者がゴールすると、そのゴールした時間が各プロジェクタ4に表示され、図8のメインサーバ30による処理よって、ランキングがなされる。これにより、以前にリレーを行ったチームのタイムと比較して、今回リレーを行ったチームのランキングが決定される。
【0065】
この『400mリレー』モードでは、バトンを受け渡される側(第1走者がバトン走者の場合には第2走者)のフライング判定は行われず、第1走者がバトン受け渡し可能領域に入る前に第2走者の遊戯者が走り出したとしても、第2走者のプロジェクタ4に表示される映像に変化は生じない。あくまでも、第1走者がバトン受け渡し可能領域に入った時点から第2走者の遊戯者の走行動作を検出し、その走行速度に応じて第2走者キャラクタの走行速度を上げる、あるいは自動的に第2走者キャラクタが走り出す映像に切り替えるように制御されている。
【0066】
なお、待機走者への移行は、これに限定されず、例えば、第2走者キャラクタがバトンを受け取り、バトン受け渡し領域内から外れた段階で、第2走者側の遊戯者の走行動作に完全に移行するようにしてもよい。
【0067】
以下、図11を参照にしながら、本実施形態に係る陸上競技シミュレーション装置における『400mリレー』ゲーム中のバトン処理について説明する。なお、ここで説明するゲーム処理や判定は、各陸上競技シミュレーション装置1の制御部3がメインサーバ30を介して情報のやり取りをし、それらの情報および所定のプログラムに基づいて処理することによって、実行される。
【0068】
まず、第1走者がスタートすると(ステップS41)、バトン走者である第1走者の遊戯者のプロジェクタ4には、第1走者キャラクタを後方から俯瞰した走行画面が表示される(ステップS42)。なお、このとき、バトン走者以外の遊戯者のプロジェクタ4には、走行しているバトン走者キャラクタを多方向から俯瞰した中継画面が表示されている。
【0069】
そして、次走者が待機しているバトン受け渡し領域(バトンゾーン)に、バトン走者が入ったか否かが監視される(ステップS43)。バトン走者がバトンゾーンに入ると、バトン走者および次走者のプロジェクタ4にバトン受け渡し画面が表示され(ステップS44)、この時点から次走者キャラクタの走行が可能となる(ステップS45)。なお、この時点で次走者の遊戯者が走行部3で走行運動を行っていなくても、プロジェクタ4には次走者キャラクタがスタートした映像が表示される。また、このバトン受け渡し画面は、バトン走者および次走者だけではなく、他の走者のプロジェクタ4にも表示される。
【0070】
続いて、バトン走者キャラクタと次走者キャラクタが映像的にいつでもバトンの受け渡しができるように、プログラムの制御によって、バトン走者の速度を次走者の速度に合わせる処理が行われる(ステップS46)。さらに、次走者の遊戯者が走行部3で走り出しても、加速されるまでに時間を要するため、次走者キャラクタの走行映像には、プログラムの制御によって、所定の速度に走行部3からの回転速度情報に応じた速度を付加したものが反映される(ステップS47)。
【0071】
続いて、バトン走者がアクションボタン13を押したか否かが判定され(ステップS48)、バトン走者によってアクションボタン13が押された場合には、通常バトン受け渡し処理によって、バトンを受け取った次走者キャラクタが受け取った際の速度からスタートする(ステップS49)。
【0072】
一方、ステップS48の判定は、バトン走者キャラクタがバトンゾーン内にいる間監視され(ステップS50)、アクションボタン13によるバトン操作が行われることなく、バトン走者キャラクタがバトンゾーンを出てしまった場合には、強制バトン受け渡し処理によって、次走者キャラクタは、予め設定されている最低速度にて強制的にバトンの受け渡しを行い、その最低速度からスタートする(ステップS51)。
【0073】
ステップS42からステップS52までの処理は、バトン走者が第4走者(最終走者)になるまで繰り返され(ステップS52)、バトン走者が第4走者になると、バトン走者である第4走者の遊戯者のプロジェクタ4には、第4走者キャラクタを後方から俯瞰した走行画面が表示される(ステップS53)。なお、このときも、他の走者がバトン走者の場合と同様、第4走者以外の遊戯者のプロジェクタ4には、走行しているバトン走者キャラクタを多方向から俯瞰した中継画面が表示されている。その後、第4走者キャラクタがゴールすると、ゴール処理によって、そのゴールした時間が各プロジェクタ4に表示され、メインサーバ30による処理よって、ランキングがなされる(ステップS54)。
【0074】
なお、ここでは、バトンの受け渡しについて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば駅伝のような襷のリレーであってもよい。
【0075】
以上のように、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1によれば、遊戯者の走行運動に応じて摺動回転する走行ベルト2を備え、該走行ベルト2の回転状態に連動して動作するキャラクタを含む画像を、ゲーム処理手段23の制御処理によってプロジェクタ4に表示するようになっているので、遊戯者は、走行運動をしながら陸上競技を擬似的に体験することができ、ゲームを楽しむことができる。
【0076】
また、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1では、ゲーム中の『100m走』や『110mハードル』などの競走ゲームのスタート時に、スタート処理手段24によって、遊戯者のキャラクタのスタートが1回目のフライングの場合には再スタートさせ、2回目のフライングの場合にはキャラクタの移動を所定時間だけ停止させ、その後、キャラクタの移動を許可するようになっている。遊戯者は、1回目のフライングをとられることにより、このゲームがフライング判定をしっかり行っていることを認識することができるので、実際の陸上競技に近いスタート時の臨場感を体験することができる。仮に遊戯者が2回目のフライングをしてしまった場合でも、失格にはならずに、キャラクタを所定時間だけ停止させられるペナルティ(罰則)を受けた後に、競走ゲームを再開することができるので、遊戯者は競走ゲームを最後まで満喫して楽しむことができる。
【0077】
さらに、本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置1では、ゲーム開始前に能力判定手段29によって実行される能力判定モード中に、選択ボタン11および決定ボタン12を介して入力される遊戯者属性情報(『男性』、『女性』、『子供』)と、走行ベルト2およびアクションボタン13を介して入力される走行ベルト2の回転速度情報および操作情報とに基づいて、記憶部18に格納されている優遇度パラメータ22の中から遊戯者が操作するキャラクタに付与される優遇度パラメータを選択するようになっている。これにより、身体能力や運動能力に差がある複数の遊戯者(例えば、成人男性と子供)が、この陸上競技シミュレーションゲーム装置1を同時に楽しむような場合に、身体能力や運動能力の差を充足するように各遊戯者が操作するキャラクタの優遇度パラメータが調整されるので、遊戯者の年齢や性別の差に関係なく、真剣勝負を楽しむことができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0079】
例えば、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機、携帯電話等に適用する際には、上述した走行部3の代わりに、ゲーム機の操作ボタンの連打や、別途入力装置として設けた足踏みスイッチ等を用いて入力スイッチの入力間隔から走行スピードを検出してアスリートの映像に反映させたり、別のボタンを用いてキャラクタのジャンプ動作を操作するようにしてもよい。
【0080】
また、バトンリレーを行うには、複数台を接続ケーブルで接続して、各ゲーム機に各選手を割り当てて、次から次へと各ゲーム機に受け渡しすることでもよい。この場合は、いずれかのゲーム機がメインサーバ30で行っているレース時間の計測管理等を併用させることで実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の外観を概略的に示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の外観を概略的に示す正面図である。
【図3】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置において、スタート時にプロジェクタに表示される画像例である。
【図5】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置において、スタート時にプロジェクタに表示される画像例である。
【図6】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置において、フライング時にプロジェクタに表示される画像例である。
【図7】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置のスタート時におけるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置を複数台併設した場合の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図9】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置の能力判定時のゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置において、『400mリレー』のバトン受け渡しの際にプロジェクタに表示される画像例である。
【図11】本実施形態に係る陸上競技シミュレーションゲーム装置における『400mリレー』のバトン受け渡し処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 陸上競技シミュレーションゲーム装置
2 走行ベルト
3 走行部
4 プロジェクタ(表示手段)
6 スピードユニット(回転速度検出手段)
14 操作ボタン
17 制御部
18 記憶部(記憶手段)
21 属性情報
22 優遇度パラメータ
23 ゲーム処理手段
24 スタート処理手段
25 スタート計時手段
26 フライング判定手段
27 再スタート手段
28 ペナルティ手段
29 能力判定手段
P 遊戯者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊戯者が走行運動をしながら陸上競技を擬似的に体験する陸上競技シミュレーションゲーム装置であって、
前記遊戯者の走行運動に応じて摺動回転する走行ベルトと、
前記走行ベルトの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記回転速度手段から出力される前記走行ベルトの回転速度情報に基づいて、前記遊戯者の走行運動に連動して動作するキャラクタを含む画像の表示情報を生成するゲーム処理手段と、
前記ゲーム処理手段から出力される表示情報に基づいて、前記画像を表示する表示手段と、
前記キャラクタの移動を許可するスタート時間を設定するとともに、前記スタート時間までの待機時間を計時するスタート計時手段と、
前記回転速度検出手段から出力される前記走行ベルトの回転速度情報と前記スタート計時手段から出力される前記待機時間の計時情報とに基づいて、前記キャラクタが前記待機時間中に移動を開始したか否かを判定し、前記キャラクタが前記待機時間中に移動を開始した場合にフライングと判断するフライング判定手段と、
前記フライング手段によって判断された前記フライングが1回目である場合に、前記スタート計時手段を再作動させる再スタート手段と、
前記フライング手段によって判断された前記フライングが2回目である場合に、前記キャラクタの移動を、該キャラクタが移動を開始した時点から所定時間だけ停止させ、その後、前記キャラクタの移動を許可するペナルティ手段と
を備えたことをことを特徴とする陸上競技シミュレーションゲーム装置。
【請求項2】
予め設定されている数種類の遊戯者属性情報および数種類の優遇度パラメータを格納する記憶手段と、
前記遊戯者が前記数種類の遊戯者属性情報の中から該当する遊戯者属性情報を選択する遊戯者属性情報入力手段と、
前記属性入力手段を介して入力された遊戯者属性情報と前記回転速度検出手段を介して入力された回転速度情報とに基づいて、前記数種類の優遇度パラメータの中から前記遊戯者に適用される優遇度パラメータを選択する能力判定手段と
をさらに備え、かつ、
前記ゲーム処理手段は、前記能力手段判定手段によって選択された前記優遇度パラメータを反映させて、前記画像の表示情報を生成する請求項1に記載の陸上競技シミュレーションゲーム装置。
【請求項3】
複数人の遊戯者がぞれぞれ走行運動をしながら陸上競技を擬似的に体験する複数台の陸上競技シミュレーションゲーム装置であって、
前記各陸上競技シミュレーションゲーム装置は、
前記遊戯者が走行しながら操作可能な操作手段と、
前記遊戯者の走行運動に応じて摺動回転する走行ベルトと、
前記走行ベルトの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記回転速度手段から出力される前記走行ベルトの回転速度情報に基づいて、前記遊戯者の走行運動に連動して動作するキャラクタを含む画像の表示情報を生成するゲーム処理手段と、
前記ゲーム処理手段から出力される表示情報に基づいて、前記画像を表示する表示手段と
をそれぞれ有し、
前記各遊戯者がそれぞれの前記陸上競技シミュレーション装置の前記走行ベルトにて順次走行運動を行い、前記各回転速度検出手段からの回転速度情報に基づいて、前記各表示手段に前記キャラクタを走行表示させ、バトンの受け渡しゾーンに入ると、次の待機走者が走り出し、前記バトンを受け渡し、次の遊戯者の前記陸上シミュレーション装置の走行に移行するゲーム処理を実行する複数台から構成されたことを特徴とする陸上競技シミュレーションゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−212369(P2008−212369A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53524(P2007−53524)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】