階段式緩傾斜護岸堤及びその施工法
【課題】自然景観を損ねることなく、藻類が付着した危険箇所側への歩行者の進入を阻止して安全性を確保する。
【解決手段】複数個の護岸ブロック1を階段状に構築して成る緩傾斜護岸堤2において、滑って怪我し易い危険箇所R1と歩行用通路R2とに区分し、その境界部分又は危険箇所R1と対応する護岸ブロック1上に、必要に応じて所定高さの造景擬岩4を一体に固設し、所望により造景擬岩4等の上にソーラ発電型の照明装置12を取り付け、歩行者が危険箇所R1内に進入しないように構成する。
【解決手段】複数個の護岸ブロック1を階段状に構築して成る緩傾斜護岸堤2において、滑って怪我し易い危険箇所R1と歩行用通路R2とに区分し、その境界部分又は危険箇所R1と対応する護岸ブロック1上に、必要に応じて所定高さの造景擬岩4を一体に固設し、所望により造景擬岩4等の上にソーラ発電型の照明装置12を取り付け、歩行者が危険箇所R1内に進入しないように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は階段式緩傾斜護岸堤及びその施工法に関するものであり、特に、歩行者が滑って転び易い危険箇所に進入しないようにした階段式緩傾斜護岸堤及びその施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、海岸、河川、湖沼等における緩傾斜護岸堤では、一般に複数のコンクリート製の護岸ブロックを階段状に築造して構成されている。または、現場打設コンクリート階段方式にて築造されている。このような緩傾斜護岸堤においては、水際付近の護岸ブロック表面に藻類などが付着して滑り易くなる。このため、該藻類などが付着しやすい護岸ブロックやコンクリート階段工上を人間が歩行すると、足を滑らせて怪我することがある。
【0003】
前記滑り易い危険な箇所には、階段のステップ上を滑りにくくするか、人間が進入しないように安全対策を講じる必要がある。かかる安全対策の一つとして、前記危険な箇所と安全な歩行用通路を互いに区分し、看板やサインを設置したり、或いは、その境界部分に大掛かりな安全柵又はガイドレール等を設置することがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−310463号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、上記危険箇所と歩行用通路の境界部分に大掛かりな安全柵又はガイドレール等を設置するので、施工費が高くなり工期が長期化するうえに、海岸等の自然景観を損ねるという問題があった。又、前記安全柵やガイドレールは往々にして破壊され、安全性を阻害することがある。
【0005】
そこで、海岸等の自然景観を損ねることなく、水際の危険箇所に人間が進入することを防止し、安全性を確保するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩の存在により人間が前記危険箇所に進入しないように構成して成る階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0007】
この構成によれば、前記滑り易い危険箇所と、安全に歩ける歩行用通路とを区分する境界部分又は前記危険箇所に所定高さ(例えば50cm〜100cm程度)の造景擬岩を設置したので、この造景擬岩の存在により、人間が歩行用通路から危険箇所へ容易に進入することが阻止される。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記造景擬岩には、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置が取り付けられている請求項1記載の階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0009】
この構成によれば、前記照明装置は日没時に自動点灯し、且つ、日照時に自動消灯する。従って、造景擬岩の周囲が暗くなると、照明装置が自動的に発光して造景擬岩を明るく照らす。
【0010】
請求項3記載の発明は、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付けて成る階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0011】
この構成によれば、上記危険箇所と歩行用通路の境界部分又は該危険箇所に、日没時に自動点灯する照明装置を設けたので、日没後に周囲が暗くなっても、前記境界部分又は危険箇所が明るく照らされる。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記照明装置は危険である旨を文字により点滅表示する請求項2又は3記載の階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0013】
この構成によれば、照明装置は複数の発光部を有し、該発光部の点滅発光により、例えば「キケン」という文字を照明表示する。
【0014】
請求項5記載の発明は、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付ける階段式緩傾斜護岸堤の施工法を提供する。
【0015】
この施工法によれば、上記照明装置は日没時に自動点灯して、造景擬岩又は危険箇所が明るく照らされる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明は、景観性に優れた造景擬岩により、危険箇所と歩行用通路を互いに区分したので、自然景観を損ねることなく、人間が危険箇所に進入して怪我することを未然に防止することができる。
【0017】
又、造景擬岩はアンカー金具等を介して、護岸ブロックの所望位置に簡単に固定でき、設計の自由度が向上するうえに、大掛かりな安全柵などを設置する従来方式に比べて、工期の短縮化及び工費の低減化を図ることができる。斯くして、請求項1記載の発明は、特に、海浜施設を新しく築造するのではなく、問題が生じた場所に対する対策工法として最も効果的である。
【0018】
請求項2記載の発明は、日没後に周囲が暗くなっても、照明装置により造景擬岩がライトアップされるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、夜間、危険箇所に人間が進入する恐れがなくなる。
【0019】
請求項3記載の発明は、日没後に周囲が暗くなっても、危険箇所と歩行用通路の境界部分又は危険箇所が、照明装置によりライトアップされるので、夜間、危険箇所に人間が進入しないように、効果的に注意を喚起するこができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、夜間、照明装置によって「キケン」等の文字が電飾式に点滅表示されるので、請求項2又は3記載の発明の効果に加えて、電飾サインに対する夜間視認性が一層向上し、歩行者は危険箇所の存在を確実に認知することができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、日没後でも造景擬岩又は危険箇所が明るく照らされるので、人間は造景擬岩又は危険箇所の存在を容易に視認でき、特に、夜間において危険箇所に進入するようなことを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、海岸等の自然景観を損ねることなく、危険箇所への人間の進入を防止し、安全性を確保するという目的を、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩によって人間が前記危険箇所に進入しないように構成することにより実現した。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図20に従って説明する。本実施例は、複数の護岸ブロック1を相互連結して階段式の緩傾斜護岸堤2を構築した後、足が滑り易い水際の危険箇所R1と、歩行者を水際に誘導する歩行用通路R2とに区分すると共に、その境界部分と対応する護岸ブロック1上に、アンカー金具3付きの造景擬岩4を一体に設置することにより、歩行用通路R2の外側に危険箇所R1が存在することを歩行者に報知して、歩行用通路R2から危険箇所R1側に歩行者が進入しないように構成したものであり、人工磯の海岸景観を良好に保全することができる。
【0024】
尚、本実施例は、海岸親水保全施設である緩傾斜護岸堤2に適用したものであるが、階段式緩傾斜護岸堤であれば、河川、湖沼等の護岸堤にも広く適用可能である。
【0025】
図1及び図2は、造景擬岩4の設置態様例を示すものであって、海5に臨む下側階段S2,S3の上面には、造景擬岩4が一体に設置されている。この造景擬岩4は海5側に歩行者を誘導させるための歩行用通路R2と、該歩行用通路R2の外側に存在する危険箇所R1とに区分する境界部分R2上に配置されている。歩行者が歩行用通路R2から危険箇所R1側へ容易に進入できないように、造景擬岩4の高さは、例えば50cm〜100cm程度に設定するのが好ましい。
【0026】
ここに、前記危険箇所R1とは、主に海5に臨む水際の護岸ブロック1に相当する場所であって、該危険箇所R1の表面には藻類6が付着しているために、人間が歩行すると足を滑らせて転び易く、万一、転倒した際は大怪我をすることがある。
【0027】
前記造景擬岩4は、予め自然の岩石から型取りしたゴム製又は合成樹脂製の成形型を用いて、該成形型の所定位置にアンカー金具3を数本セットした状態で、流動コンクリートを注入打設後に養生固化して製造したものである。この造景擬岩4は予め工場にて製造される天然岩類似の塊状ブロック体であって、造景擬岩4の下底面にアンカー金具3が一体に固設される。
【0028】
そして、工場にて製造した造景擬岩4は施工現場まで運搬して、前記境界部分と対応する護岸ブロック1に設置される。該造景擬岩4を設置する際は、前記護岸ブロック1上面の所定位置に、上記アンカー金具3と対応する取付孔7を穿孔した後、該取付孔7に固定剤8を注入する。この固定剤8としては、接着剤、セメントモルタル、コンクリート、樹脂モルタル等を使用することができる。この後、護岸ブロック1に穿孔した取付孔7に造景擬岩4側のアンカー金具3を差し込むことにより、該造景擬岩4を護岸ブロック1に一体に据付けて固定する。
【0029】
この場合、既設の護岸ブロック1上面と造景擬岩4の合わせ面には、海水に対する造景擬岩4の耐腐食性を高めるために、防水目地材9を介装するのが好ましい。この防水目地材9としては、セメントモルタル、樹脂モルタル、シーリング材等のいずれかを任意に採択して使用できる。
【0030】
本実施例による具体的な全体構成を図3及び図4に示す。図示例の緩傾斜護岸堤2は、複数個の護岸ブロック1を横一列に相互連結して各階段S1〜S10を構築したものである。この緩傾斜護岸堤2の水際部は、海5に対して斜め方向に形成された歩行用通路R2と、該歩行用通路R2の左右両側の危険箇所R1とに区分し、該危険箇所R1と対応する階段S2〜S5の護岸ブロック1上に、多数の造景擬岩4を一体に設置する。
【0031】
斯くして、危険箇所R1に高さ50cm〜100cmの造景擬岩4を一体に設置したので、従来のように、歩行者が危険箇所R1に進入して怪我することを防止し、且つ、自然な海岸景観を何ら損なうこともない。
【0032】
又、造景擬岩4のアンカー金具3を護岸ブロック1側の取付孔7に差し込むだけで、護岸ブロック1の所望位置に造景擬岩4を簡単に固定することができる。更に、大掛かりな安全柵やガイドレール等を設置しないので、従来に比べて工期が短縮すると共に工費も低減する。
【0033】
上記実施形態では、1個の護岸ブロック1当たり1個の造景擬岩4を固定配置したが、これに限らず、図5及び図6に示すように、1個の護岸ブロック1当たり大中小の造景擬岩4を複数個固設したものを使用することができる。
【0034】
図7及び図8は、大中小の造景擬岩4が上面全域に固設された護岸ブロック10を使用した形態例である。図示例では、水際の歩行用通路R2は逆台形状に形成され、該歩行用通路R2と危険箇所R1との境界ゾーンに、造景擬岩4を固定して成る護岸ブロック10が敷設されている。従って、前記造景擬岩4の存在により、歩行者は危険箇所R1側に容易に進入することができない。
【0035】
又、図9は、水際の歩行用通路R2を、耐塩水性等に優れたゴムマット又は樹脂層で上面被覆した護岸ブロック11により形成した例である。図10及び図11に示すように、ゴムマット又は樹脂層13は、上面に滑止め凹凸模様を有しているため、該上面に藻類が多少付着しても滑りにくい構造になっている。尚、歩行用通路R2の上面には、藻類の付着を防止するために、防藻効果を有するエポキシ樹脂、シラン系化合物若しくは光触媒(酸化チタン)コーティングを施すこともできる。
【0036】
更に、図12及び図13に示すように、大中小の造景擬岩4の少なくとも1個に、長寿命かつ高輝度の全天候型ソーラ自発光システムの照明装置12を取り付けることもできる。この照明装置12は、長期間メンテナンスフリーであって、太陽光により電気エネルギーを発生する発電部と、該発生した電気を蓄電する電気二重層コンデンサと、所定の暗さになるとオン作動する光センサと、該光センサのオン作動により発光するLED(発光ダイオード)とから成り、昼間には太陽光により発電して電気二重層コンデンサに充電し、暗くなると光センサの作動により、LEDが自動的に点滅発光する。
【0037】
斯くして、造景擬岩4の周囲が暗くなると、照明装置12が自動的に電飾点滅して造景擬岩4等を照らしてラインアップするので、夜間、歩行者は造景擬岩4の存在を容易に視認して、危険であることについて点滅表示にて注意が喚起される。
【0038】
次に、照明装置12の発光により、危険箇所R1の存在を夜間警告する別の実施態様について説明する。図14及び図15は、階段S1〜S10の下段側領域において、水際の危険箇所R1と歩行用通路R2とに区分し、該危険箇所R1と対応する各護岸ブロック1に、前述した太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置12を取り付けたものである。該照明装置12は、図16及び図17に示すように、設計条件に応じて各護岸ブロック1上面の所定位置に1個又は複数個取り付けることができる。
【0039】
この構成によれば、日没後に周囲が暗くなると、照明装置12が自動的に点滅発光して危険箇所R1を照明する。そのため、夜間、危険箇所R1を歩行者に電飾サインして注意を喚起することができる。
【0040】
ここで、危険箇所R1に「危険」である旨の文字(記号)表示がされている場合は、該文字表示の近傍に照明装置12を配置することにより、該文字表示を夜間ライトアップすることができる。又、複数個の照明装置12を、例えば、図18に示すように、「キケン」という文字Mの形に配列すれば、照明装置12の点滅発光により、「キケン」という文字Mを電飾看板式にLEDサインして、危険である旨を警告提示することができる。
【0041】
尚、本実施例に係る緩傾斜護岸堤2の水際部では、場所により藻類の付着が少ない箇所、即ち、危険でない箇所も多く存在する。このような場所においては、図19及び図20に示すように、光触媒コーティング等を施した滑止め凹凸模様付き護岸ブロック11(図10、図11参照)を敷設するのが望ましい。この護岸ブロック11は、藻類が多少付着しても、歩行者が足を滑らせて怪我する恐れはない。この場合でも、周囲の条件等に応じて、照明装置12を取り付けることにより、当該場所を夜間に照明することができる。
【0042】
以上説明したように、本発明は、複数個の護岸ブロック1,11を階段状に構築した後、滑って転び易い危険箇所R1と歩行用通路R2とに区分し、その境界部分又は危険箇所R1と対応する護岸ブロック1,11上に、必要に応じて所定高さの造景擬岩4を固設し、造景擬岩4又は危険箇所R1にソーラ発電型照明装置12を取り付けたものである。従って、歩行者は、造景擬岩4又は危険箇所R1を夜間でも認識して、危険箇所R1への進入を回避することができる。
【0043】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例の造景擬岩の設置態様を示し、造景擬岩に固設したアンカー金具を取り付ける護岸ブロックの箇所を断面した状態の側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】実施例による緩傾斜護岸堤の全体構成を示す側面図。
【図4】図3の平面図。
【図5】本発明に係る複数種類の造景擬岩を固定したタイプの護岸ブロックを示す平面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】図5の護岸ブロックを使用した緩傾斜護岸堤の形態例を示す側面図。
【図8】図7の平面図。
【図9】実施例に係る上面被覆構造型の護岸ブロックで歩行用通路を形成した緩傾斜護岸堤の形態例を示す平面図。
【図10】図9の上面被覆構造型の護岸ブロックを示す平面図。
【図11】図10の側面図。
【図12】実施例に係る照明装置を取り付けた護岸ブロックを示す平面図。
【図13】図12の側面図。
【図14】実施例に係る照明装置を取り付けた護岸ブロックを使用した緩傾斜護岸堤の形態例を示す側面図。
【図15】図14の平面図。
【図16】実施例に係る照明装置を取り付けた他の護岸ブロックを示す平面図。
【図17】図16の側面図。
【図18】実施例に係る滑止め凹凸模様付き護岸ブロックを一部使用した緩傾斜護岸堤の別の形態例を示す側面図。
【図19】図18の平面図。
【図20】実施例に係る照明装置による文字表示の形態例を示す説明図。
【符号の説明】
【0045】
1 護岸ブロック
2 緩傾斜護岸堤
3 アンカー金具
4 造景擬岩
5 海
6 藻類
7 取付孔
8 固定剤
9 防水目地材
10 護岸ブロック
11 護岸ブロック
12 照明装置(ソーラ発電型LED照明装置)
R1 危険箇所
R2 歩行用通路
【技術分野】
【0001】
本発明は階段式緩傾斜護岸堤及びその施工法に関するものであり、特に、歩行者が滑って転び易い危険箇所に進入しないようにした階段式緩傾斜護岸堤及びその施工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、海岸、河川、湖沼等における緩傾斜護岸堤では、一般に複数のコンクリート製の護岸ブロックを階段状に築造して構成されている。または、現場打設コンクリート階段方式にて築造されている。このような緩傾斜護岸堤においては、水際付近の護岸ブロック表面に藻類などが付着して滑り易くなる。このため、該藻類などが付着しやすい護岸ブロックやコンクリート階段工上を人間が歩行すると、足を滑らせて怪我することがある。
【0003】
前記滑り易い危険な箇所には、階段のステップ上を滑りにくくするか、人間が進入しないように安全対策を講じる必要がある。かかる安全対策の一つとして、前記危険な箇所と安全な歩行用通路を互いに区分し、看板やサインを設置したり、或いは、その境界部分に大掛かりな安全柵又はガイドレール等を設置することがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−310463号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、上記危険箇所と歩行用通路の境界部分に大掛かりな安全柵又はガイドレール等を設置するので、施工費が高くなり工期が長期化するうえに、海岸等の自然景観を損ねるという問題があった。又、前記安全柵やガイドレールは往々にして破壊され、安全性を阻害することがある。
【0005】
そこで、海岸等の自然景観を損ねることなく、水際の危険箇所に人間が進入することを防止し、安全性を確保するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩の存在により人間が前記危険箇所に進入しないように構成して成る階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0007】
この構成によれば、前記滑り易い危険箇所と、安全に歩ける歩行用通路とを区分する境界部分又は前記危険箇所に所定高さ(例えば50cm〜100cm程度)の造景擬岩を設置したので、この造景擬岩の存在により、人間が歩行用通路から危険箇所へ容易に進入することが阻止される。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記造景擬岩には、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置が取り付けられている請求項1記載の階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0009】
この構成によれば、前記照明装置は日没時に自動点灯し、且つ、日照時に自動消灯する。従って、造景擬岩の周囲が暗くなると、照明装置が自動的に発光して造景擬岩を明るく照らす。
【0010】
請求項3記載の発明は、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付けて成る階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0011】
この構成によれば、上記危険箇所と歩行用通路の境界部分又は該危険箇所に、日没時に自動点灯する照明装置を設けたので、日没後に周囲が暗くなっても、前記境界部分又は危険箇所が明るく照らされる。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記照明装置は危険である旨を文字により点滅表示する請求項2又は3記載の階段式緩傾斜護岸堤を提供する。
【0013】
この構成によれば、照明装置は複数の発光部を有し、該発光部の点滅発光により、例えば「キケン」という文字を照明表示する。
【0014】
請求項5記載の発明は、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付ける階段式緩傾斜護岸堤の施工法を提供する。
【0015】
この施工法によれば、上記照明装置は日没時に自動点灯して、造景擬岩又は危険箇所が明るく照らされる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明は、景観性に優れた造景擬岩により、危険箇所と歩行用通路を互いに区分したので、自然景観を損ねることなく、人間が危険箇所に進入して怪我することを未然に防止することができる。
【0017】
又、造景擬岩はアンカー金具等を介して、護岸ブロックの所望位置に簡単に固定でき、設計の自由度が向上するうえに、大掛かりな安全柵などを設置する従来方式に比べて、工期の短縮化及び工費の低減化を図ることができる。斯くして、請求項1記載の発明は、特に、海浜施設を新しく築造するのではなく、問題が生じた場所に対する対策工法として最も効果的である。
【0018】
請求項2記載の発明は、日没後に周囲が暗くなっても、照明装置により造景擬岩がライトアップされるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、夜間、危険箇所に人間が進入する恐れがなくなる。
【0019】
請求項3記載の発明は、日没後に周囲が暗くなっても、危険箇所と歩行用通路の境界部分又は危険箇所が、照明装置によりライトアップされるので、夜間、危険箇所に人間が進入しないように、効果的に注意を喚起するこができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、夜間、照明装置によって「キケン」等の文字が電飾式に点滅表示されるので、請求項2又は3記載の発明の効果に加えて、電飾サインに対する夜間視認性が一層向上し、歩行者は危険箇所の存在を確実に認知することができる。
【0021】
請求項5記載の発明は、日没後でも造景擬岩又は危険箇所が明るく照らされるので、人間は造景擬岩又は危険箇所の存在を容易に視認でき、特に、夜間において危険箇所に進入するようなことを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、海岸等の自然景観を損ねることなく、危険箇所への人間の進入を防止し、安全性を確保するという目的を、複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩によって人間が前記危険箇所に進入しないように構成することにより実現した。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図20に従って説明する。本実施例は、複数の護岸ブロック1を相互連結して階段式の緩傾斜護岸堤2を構築した後、足が滑り易い水際の危険箇所R1と、歩行者を水際に誘導する歩行用通路R2とに区分すると共に、その境界部分と対応する護岸ブロック1上に、アンカー金具3付きの造景擬岩4を一体に設置することにより、歩行用通路R2の外側に危険箇所R1が存在することを歩行者に報知して、歩行用通路R2から危険箇所R1側に歩行者が進入しないように構成したものであり、人工磯の海岸景観を良好に保全することができる。
【0024】
尚、本実施例は、海岸親水保全施設である緩傾斜護岸堤2に適用したものであるが、階段式緩傾斜護岸堤であれば、河川、湖沼等の護岸堤にも広く適用可能である。
【0025】
図1及び図2は、造景擬岩4の設置態様例を示すものであって、海5に臨む下側階段S2,S3の上面には、造景擬岩4が一体に設置されている。この造景擬岩4は海5側に歩行者を誘導させるための歩行用通路R2と、該歩行用通路R2の外側に存在する危険箇所R1とに区分する境界部分R2上に配置されている。歩行者が歩行用通路R2から危険箇所R1側へ容易に進入できないように、造景擬岩4の高さは、例えば50cm〜100cm程度に設定するのが好ましい。
【0026】
ここに、前記危険箇所R1とは、主に海5に臨む水際の護岸ブロック1に相当する場所であって、該危険箇所R1の表面には藻類6が付着しているために、人間が歩行すると足を滑らせて転び易く、万一、転倒した際は大怪我をすることがある。
【0027】
前記造景擬岩4は、予め自然の岩石から型取りしたゴム製又は合成樹脂製の成形型を用いて、該成形型の所定位置にアンカー金具3を数本セットした状態で、流動コンクリートを注入打設後に養生固化して製造したものである。この造景擬岩4は予め工場にて製造される天然岩類似の塊状ブロック体であって、造景擬岩4の下底面にアンカー金具3が一体に固設される。
【0028】
そして、工場にて製造した造景擬岩4は施工現場まで運搬して、前記境界部分と対応する護岸ブロック1に設置される。該造景擬岩4を設置する際は、前記護岸ブロック1上面の所定位置に、上記アンカー金具3と対応する取付孔7を穿孔した後、該取付孔7に固定剤8を注入する。この固定剤8としては、接着剤、セメントモルタル、コンクリート、樹脂モルタル等を使用することができる。この後、護岸ブロック1に穿孔した取付孔7に造景擬岩4側のアンカー金具3を差し込むことにより、該造景擬岩4を護岸ブロック1に一体に据付けて固定する。
【0029】
この場合、既設の護岸ブロック1上面と造景擬岩4の合わせ面には、海水に対する造景擬岩4の耐腐食性を高めるために、防水目地材9を介装するのが好ましい。この防水目地材9としては、セメントモルタル、樹脂モルタル、シーリング材等のいずれかを任意に採択して使用できる。
【0030】
本実施例による具体的な全体構成を図3及び図4に示す。図示例の緩傾斜護岸堤2は、複数個の護岸ブロック1を横一列に相互連結して各階段S1〜S10を構築したものである。この緩傾斜護岸堤2の水際部は、海5に対して斜め方向に形成された歩行用通路R2と、該歩行用通路R2の左右両側の危険箇所R1とに区分し、該危険箇所R1と対応する階段S2〜S5の護岸ブロック1上に、多数の造景擬岩4を一体に設置する。
【0031】
斯くして、危険箇所R1に高さ50cm〜100cmの造景擬岩4を一体に設置したので、従来のように、歩行者が危険箇所R1に進入して怪我することを防止し、且つ、自然な海岸景観を何ら損なうこともない。
【0032】
又、造景擬岩4のアンカー金具3を護岸ブロック1側の取付孔7に差し込むだけで、護岸ブロック1の所望位置に造景擬岩4を簡単に固定することができる。更に、大掛かりな安全柵やガイドレール等を設置しないので、従来に比べて工期が短縮すると共に工費も低減する。
【0033】
上記実施形態では、1個の護岸ブロック1当たり1個の造景擬岩4を固定配置したが、これに限らず、図5及び図6に示すように、1個の護岸ブロック1当たり大中小の造景擬岩4を複数個固設したものを使用することができる。
【0034】
図7及び図8は、大中小の造景擬岩4が上面全域に固設された護岸ブロック10を使用した形態例である。図示例では、水際の歩行用通路R2は逆台形状に形成され、該歩行用通路R2と危険箇所R1との境界ゾーンに、造景擬岩4を固定して成る護岸ブロック10が敷設されている。従って、前記造景擬岩4の存在により、歩行者は危険箇所R1側に容易に進入することができない。
【0035】
又、図9は、水際の歩行用通路R2を、耐塩水性等に優れたゴムマット又は樹脂層で上面被覆した護岸ブロック11により形成した例である。図10及び図11に示すように、ゴムマット又は樹脂層13は、上面に滑止め凹凸模様を有しているため、該上面に藻類が多少付着しても滑りにくい構造になっている。尚、歩行用通路R2の上面には、藻類の付着を防止するために、防藻効果を有するエポキシ樹脂、シラン系化合物若しくは光触媒(酸化チタン)コーティングを施すこともできる。
【0036】
更に、図12及び図13に示すように、大中小の造景擬岩4の少なくとも1個に、長寿命かつ高輝度の全天候型ソーラ自発光システムの照明装置12を取り付けることもできる。この照明装置12は、長期間メンテナンスフリーであって、太陽光により電気エネルギーを発生する発電部と、該発生した電気を蓄電する電気二重層コンデンサと、所定の暗さになるとオン作動する光センサと、該光センサのオン作動により発光するLED(発光ダイオード)とから成り、昼間には太陽光により発電して電気二重層コンデンサに充電し、暗くなると光センサの作動により、LEDが自動的に点滅発光する。
【0037】
斯くして、造景擬岩4の周囲が暗くなると、照明装置12が自動的に電飾点滅して造景擬岩4等を照らしてラインアップするので、夜間、歩行者は造景擬岩4の存在を容易に視認して、危険であることについて点滅表示にて注意が喚起される。
【0038】
次に、照明装置12の発光により、危険箇所R1の存在を夜間警告する別の実施態様について説明する。図14及び図15は、階段S1〜S10の下段側領域において、水際の危険箇所R1と歩行用通路R2とに区分し、該危険箇所R1と対応する各護岸ブロック1に、前述した太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置12を取り付けたものである。該照明装置12は、図16及び図17に示すように、設計条件に応じて各護岸ブロック1上面の所定位置に1個又は複数個取り付けることができる。
【0039】
この構成によれば、日没後に周囲が暗くなると、照明装置12が自動的に点滅発光して危険箇所R1を照明する。そのため、夜間、危険箇所R1を歩行者に電飾サインして注意を喚起することができる。
【0040】
ここで、危険箇所R1に「危険」である旨の文字(記号)表示がされている場合は、該文字表示の近傍に照明装置12を配置することにより、該文字表示を夜間ライトアップすることができる。又、複数個の照明装置12を、例えば、図18に示すように、「キケン」という文字Mの形に配列すれば、照明装置12の点滅発光により、「キケン」という文字Mを電飾看板式にLEDサインして、危険である旨を警告提示することができる。
【0041】
尚、本実施例に係る緩傾斜護岸堤2の水際部では、場所により藻類の付着が少ない箇所、即ち、危険でない箇所も多く存在する。このような場所においては、図19及び図20に示すように、光触媒コーティング等を施した滑止め凹凸模様付き護岸ブロック11(図10、図11参照)を敷設するのが望ましい。この護岸ブロック11は、藻類が多少付着しても、歩行者が足を滑らせて怪我する恐れはない。この場合でも、周囲の条件等に応じて、照明装置12を取り付けることにより、当該場所を夜間に照明することができる。
【0042】
以上説明したように、本発明は、複数個の護岸ブロック1,11を階段状に構築した後、滑って転び易い危険箇所R1と歩行用通路R2とに区分し、その境界部分又は危険箇所R1と対応する護岸ブロック1,11上に、必要に応じて所定高さの造景擬岩4を固設し、造景擬岩4又は危険箇所R1にソーラ発電型照明装置12を取り付けたものである。従って、歩行者は、造景擬岩4又は危険箇所R1を夜間でも認識して、危険箇所R1への進入を回避することができる。
【0043】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変をなすことができ、そして、本発明が該改変されたものにも及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例の造景擬岩の設置態様を示し、造景擬岩に固設したアンカー金具を取り付ける護岸ブロックの箇所を断面した状態の側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】実施例による緩傾斜護岸堤の全体構成を示す側面図。
【図4】図3の平面図。
【図5】本発明に係る複数種類の造景擬岩を固定したタイプの護岸ブロックを示す平面図。
【図6】図5の側面図。
【図7】図5の護岸ブロックを使用した緩傾斜護岸堤の形態例を示す側面図。
【図8】図7の平面図。
【図9】実施例に係る上面被覆構造型の護岸ブロックで歩行用通路を形成した緩傾斜護岸堤の形態例を示す平面図。
【図10】図9の上面被覆構造型の護岸ブロックを示す平面図。
【図11】図10の側面図。
【図12】実施例に係る照明装置を取り付けた護岸ブロックを示す平面図。
【図13】図12の側面図。
【図14】実施例に係る照明装置を取り付けた護岸ブロックを使用した緩傾斜護岸堤の形態例を示す側面図。
【図15】図14の平面図。
【図16】実施例に係る照明装置を取り付けた他の護岸ブロックを示す平面図。
【図17】図16の側面図。
【図18】実施例に係る滑止め凹凸模様付き護岸ブロックを一部使用した緩傾斜護岸堤の別の形態例を示す側面図。
【図19】図18の平面図。
【図20】実施例に係る照明装置による文字表示の形態例を示す説明図。
【符号の説明】
【0045】
1 護岸ブロック
2 緩傾斜護岸堤
3 アンカー金具
4 造景擬岩
5 海
6 藻類
7 取付孔
8 固定剤
9 防水目地材
10 護岸ブロック
11 護岸ブロック
12 照明装置(ソーラ発電型LED照明装置)
R1 危険箇所
R2 歩行用通路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩の存在により人間が前記危険箇所に進入しないように構成したことを特徴とする階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項2】
上記造景擬岩には、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項3】
複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付けたことを特徴とする階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項4】
上記照明装置は危険である旨を文字により点滅表示することを特徴とする請求項2又は3記載の階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項5】
複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付けることを特徴とする階段式緩傾斜護岸堤の施工法。
【請求項1】
複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩の存在により人間が前記危険箇所に進入しないように構成したことを特徴とする階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項2】
上記造景擬岩には、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項3】
複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付けたことを特徴とする階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項4】
上記照明装置は危険である旨を文字により点滅表示することを特徴とする請求項2又は3記載の階段式緩傾斜護岸堤。
【請求項5】
複数の護岸ブロックを階段状に構築して成る階段式緩傾斜護岸堤において、滑り易い危険箇所と歩行用通路とに区分するとともに、その境界部分又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、自然石に酷似する造景擬岩を一体に固設し、該造景擬岩又は前記危険箇所と対応する前記護岸ブロック上に、日没時に自動点灯する太陽電池内蔵型発光ダイオード等の照明装置を取り付けることを特徴とする階段式緩傾斜護岸堤の施工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−38516(P2008−38516A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216275(P2006−216275)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000226356)日建工学株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000226356)日建工学株式会社 (24)
【Fターム(参考)】
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