説明

階調変換装置および階調変換方法、並びにプログラム

【課題】階調変換により生じるカラーノイズを低減し、S/Nの低減を抑制する。
【解決手段】ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3は、画像を構成する画素毎のRGB成分信号の画素値に、ランダムノイズを加算する。1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3は、それぞれランダムノイズ加算部33−1乃至33−3より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す。制御部31は、画素値が白色または黒色である場合、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3、および前記1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3を動作させず、それ以外の場合、動作させるように制御する。本技術は、ヘッドマウントディスプレイに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、階調変換装置および階調変換方法、並びにプログラムに関し、特に、階調変換により生じるS/Nの低減を抑制し、適切な発色を実現できるようにした階調変換装置および階調変換方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、Nビットの画素値の画像(以下、Nビットの画像ともいう)を、Nビットよりも小さいMビットの画素値の画像を表示する表示装置で表示するには、Nビットの画像を、Mビットの画像に変換すること、つまり、画像の階調を変換する階調変換を行う必要がある。
【0003】
Nビットの画像を、Mビットの画像に階調変換する方法(階調変換方法)としては、例えば、Nビットの画素値の、下位N−Mビットを切り捨てて、Mビットの画素値とする方法がある。
【0004】
例えば、8ビットの画像の下位4ビットを切り捨てることにより、4ビットに量子化すると、8ビットでは、256(=2)階調を表現することができるが、4ビットでは、16(=2)階調しか表現することができないため、8ビットの画像の下位4ビットを切り捨てる階調変換では、階調の変化が帯のように見えるバンディング(banding)が生じる。
【0005】
このようなバンディングが生じるのを防止し、階調変換後の画像において、階調変換前の画像の階調を擬似的に表現する階調変換方法、すなわち、例えば、上述したように、256階調の画像を階調変換して得られる16階調の画像において、人が画像を見たときに、視覚的に、16階調で、256階調を表現する方法として、ランダムディザ法や、組織的ディザ法、誤差拡散法がある。
【0006】
このうち、誤差拡散法においては、ランダムノイズを加算した後、量子化誤差−Q(x,y)を、2次元フィルタを介して、入力側にフィードバックすることで、2次元のΔΣ変調器を構成し、これを利用して2次元のΔΣ変調を施す方法が知られている。
【0007】
このような2次元のΔΣ変調器によれば、量子化誤差−Q(x,y)が、水平方向(x方向)、及び、垂直方向(y方向)のいずれについても、空間周波数の高域に拡散され(ノイズシェーピングされ)、その結果、階調変換後の画像として、ランダムディザ法や組織的ディザ法に比較して、良好な画質の画像を得ることができる(特許文献1参照)。
【0008】
しかしながら、2次元のΔΣ変調器を構成し、これを用いた方法においては、ラインメモリが必要となるため、装置規模が大きくなり易く、また装置コストも増大する。
【0009】
そこで、2次元のΔΣ変調器に代えて、1次元のΔΣ変調器を設けるようにすることで、ラインメモリを不要な構成とし、装置規模を小規模化すると共に、装置コストを低減する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3959698号
【特許文献2】特開2009−207113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2に記述されているような階調変換においては、画素値が如何なる場合においても同様の処理がなされるため、例えば、画素値のRGB(赤緑青)の信号成分から黒色または白色であることが明らかであるにも拘わらず、誤差拡散がなされる。
【0012】
このため、階調変換により、現実に表現したい完全な黒色または完全な白色を表現できない恐れがあった。
【0013】
また、仮に特定の画素が黒色や白色ではなく何らかのカラー画素である場合、その画素に対応するRGBのそれぞれの成分に対して同一のランダムノイズが加算されて階調変換されることにより、階調変換で生じるS/Nを十分に向上できない恐れがあった。
【0014】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、画素値のRGB成分に応じて、加算するランダムノイズの種別を調整してディザを施すと共に、ΔΣ変調を適切に施すことにより、階調変換により生じるS/Nの低減を抑制し、より適切な発色を実現できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本技術の一側面の階調変換装置は、画像の階調を変換する階調変換装置において、前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算部と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調部と、前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御部とを含む。
【0016】
前記ランダムノイズ加算部には、前記画素値にランダムノイズを加算して出力するオン状態と、前記画素値にランダムノイズを加算することなく出力するオフ状態とを切り替えるランダムノイズ加算スイッチを含ませるようにすることができ、前記ΔΣ変調部には、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施して出力するオン状態と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施さずに出力するオフ状態とを切り替えるΔΣ変調スイッチを含ませるようにすることができ、前記制御部には、前記画素値が白または黒である場合、前記ランダムノイズ加算スイッチ、および前記ΔΣ変調スイッチをいずれもオフに制御させるようにすることができる。
【0017】
前記ランダムノイズ加算部には、前記画素値にランダムノイズを加算して出力するオン状態と、前記画素値にランダムノイズを加算することなく出力するオフ状態とを切り替えるランダムノイズ加算スイッチを含ませるようにすることができ、前記ΔΣ変調部には、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施して出力するオン状態と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施さずに出力するオフ状態とを切り替えるΔΣ変調スイッチを含ませるようにすることができ、前記制御部には、前記画素値が白および黒のいずれでもない場合、前記ランダムノイズ加算スイッチ、および前記ΔΣ変調スイッチをいずれもオンに制御させるようにすることができる。
【0018】
前記画素値には、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含ませるようにすることができ、前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含ませるようにすることができ、前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が第1の所定値よりも小さいことにより、前記画素がモノクロであるとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部には、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ同一のランダムノイズを加算させるようにすることができる。
【0019】
前記画素値には、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含ませるようにすることができ、前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含ませるようにすることができ、前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が、これより小さいと前記画素がモノクロであるとみなされる第1の所定値よりも大きく、かつ、前記第1の所定値よりも大きい第2の所定値よりも小さいことにより、前記画素がモノクロに類似するとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部には、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ類似したランダムノイズを加算させるようにすることができる。
【0020】
前記画素値には、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含ませるようにすることができ、前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含ませるようにすることができ、前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が、これより小さいと前記画素がモノクロであるとみなされる第1の所定値よりも大きい値であって、これよりも小さいと前記画素がモノクロに類似するとみなされる第2の所定値よりも大きいことにより、前記画素がカラーであるとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部には、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ異なるランダムノイズを加算させるようにすることができる。
【0021】
本技術の一側面の階調変換方法は、画像の階調を変換する階調変換装置の階調変換方法であって、前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算処理をし、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調処理をし、前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御処理をするステップを含む。
【0022】
本技術の一側面のプログラムは、画像の階調を変換する階調変換装置を制御するコンピュータを、前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算部と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調部と、前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御部として機能させる。
【0023】
本技術の一側面においては、前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズが加算され、前記ランダムノイズが加算された画素値に、1次元のΔΣ変調が施され、前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズが加算される動作、および前記1次元ΔΣ変調が施される動作が制御される。
【0024】
本技術の階調変換装置は、独立した装置であっても良いし、階調変換を行うブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0025】
本技術の一側面によれば、階調変換により生じるS/Nの低減を抑制し、適切な発色を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本技術を適用したテレビジョン受像機の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の階調変換部の処理を説明する図である。
【図3】図1の階調変換部の構成例を説明するブロック図である。
【図4】図1のランダムノイズ出力部および制御部の構成例を説明するブロック図である。
【図5】図4の重み制御部の動作を説明する図である。
【図6】図1のランダムノイズ加算部および1次元ΔΣ変調部の構成例を説明するブロック図である。
【図7】図6の1次元フィルタの構成例を説明するブロック図である。
【図8】図1の階調変換部による階調変換処理を説明するフローチャートである。
【図9】ラスタスキャンを説明する図である。
【図10】図1の階調変換部による階調変換処理前の画像を説明する図である。
【図11】図1の階調変換部による階調変換処理後の画像を説明する図である。
【図12】汎用のパーソナルコンピュータの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[テレビジョン受像機の構成例]
図1は、本技術を適用したテレビジョン受像機の一実施の形態の構成例を示している。尚、図1においては、テレビジョン受像機の構成例が示されているが、同一の構成により実現されるものであれば、本技術は、テレビジョン受像機以外にも適用でき、例えば、HMD(Head Mount Display)などにも適用することができる。
【0028】
図1において、テレビジョン受像機1は、チューナ11、デマルチプレクサ12、デコーダ13、ノイズリダクション部14、階調変換部15、表示制御部16、及び、表示部17から構成される。
【0029】
チューナ11は、例えば、ディジタル放送の放送信号を受信し、その放送信号から、トランスポートストリームを復調して、デマルチプレクサ12に供給する。
【0030】
デマルチプレクサ12は、チューナ11からのトランスポートストリームから、必要なTS(Transport Stream)パケットを分離し、デコーダ13に供給する。
【0031】
デコーダ13は、デマルチプレクサ12からのTSパケットに含まれる、MPEG(Moving Picture Expert Group)エンコードされたデータをデコードすることにより、例えば、8ビットの画像(データ)を得て、ノイズリダクション部14に供給する。
【0032】
ノイズリダクション部14は、デコーダ13からの8ビットの画像に対して、ノイズリダクション処理を施し、その結果得られる、例えば、14ビットの画像を、階調変換部15に供給する。
【0033】
すなわち、ノイズリダクション部14によるノイズリダクション処理によれば、8ビットの画像が、14ビットの画像に拡張される。
【0034】
階調変換部15は、ノイズリダクション部14から供給される14ビットの画像を、表示部17が表示することができるビット数の画像に変換する階調変換を行う。
【0035】
すなわち、階調変換部15は、表示制御部16から、表示部17が表示することができる画像のビット数その他の必要な情報を取得する。
【0036】
そして、表示部17で表示可能な画像のビット数が、例えば、RGB信号成分のそれぞれについて8ビットの場合、階調変換部15は、図2で示されるように、ノイズリダクション部14からのRGB信号成分のそれぞれ14ビット(合計42ビット)の画像をそれぞれ8ビットに変換する。
【0037】
そして、階調変換部15は、ノイズリダクション部14からのRGB信号成分のそれぞれの14ビットの画像をそれぞれ8ビットに階調変換した画像を、表示制御部16に供給する。
【0038】
表示制御部16は、表示部17を制御し、階調変換部15からの画像を、表示部17に表示させる。
【0039】
表示部17は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、有機EL(organic Electro Luminescence)等で構成され、表示制御部16の制御の下、画像を表示する。
【0040】
[階調変換部の構成例]
次に、図3を参照して、図1の階調変換部15の構成例について説明する。
【0041】
図3の階調変換部15は、制御部31、ランダムノイズ出力部32、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3、および1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3から構成されている。
【0042】
制御部31は、入力画像の各画素におけるRGB信号成分のそれぞれに応じて、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3、および1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3の動作を制御する。
【0043】
また、制御部31は、ランダムノイズ出力部32により出力されるRGB信号成分それぞれの画像に対応するランダムノイズNR,NG,NBに所定の処理を施し、ランダムノイズNRW,NGW,NBWとしてランダムノイズ加算部33−1乃至33−3に供給する。
【0044】
ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3は、制御部31により制御され、必要に応じて、それぞれランダムノイズNRW,NGW,NBWを入力画像であるRGB信号成分の画素値に加算することでディザを施し、1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3に出力する。
【0045】
1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3は、制御部31により制御され、供給されてくるRGB信号成分の、例えば、14ビットの画素値F(x,y)に、必要に応じてΔΣ変調を施し、例えば、8ビットの画素値Out(x,y)に変換する。
【0046】
そして、1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3は、それぞれ8ビットに変調した画素値Out(x,y)を出力する。
【0047】
尚、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3、および1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3をそれぞれ特に区別する必要がない場合、単に、ランダムノイズ加算部33、および1次元ΔΣ変調部34と称するものとし、その他の構成についても同様とする。
【0048】
[制御部およびランダムノイズ出力部の構成例]
次に、図4を参照して、制御部31、およびランダムノイズ出力部32の構成例について説明する。
【0049】
ランダムノイズ出力部32は、ランダムノイズ発生部51−1乃至51−3、およびHPF(High Pass Filter)52−1乃至52−3を備えている。
【0050】
ランダムノイズ発生部51−1乃至51−3は、いずれもランダムノイズを発生し、それぞれHPF52−1乃至52−3に出力する。
【0051】
ここで、ランダムノイズ発生部51−1乃至51−3は、いずれも同一の構成となっているが、例えば、ランダムノイズを発生させる関数などを用いる場合、それぞれが異なる初期値を利用してランダムノイズを発生させる。
【0052】
したがって、ランダムノイズ発生部51−1乃至51−3により発生されるランダムノイズはいずれも、相互に異なるランダムノイズである。
【0053】
尚、ランダムノイズ発生部51−1乃至51−3は、発生に際して異なるランダムノイズが発生される構成であればよいので、発生されるランダムノイズの発生方法は、それぞれ異なるランダムノイズが発生できる限り、関数を用いた方法以外の方法であってもよい。
【0054】
HPF52−1乃至52−3は、いずれも同一の構成であり、それぞれランダムノイズ発生部51−1乃至51−3により発生されるランダムノイズのうちの高周波成分からなる高周波ランダムノイズNR,NG,NBのみを抽出して制御部31に供給する。
【0055】
図4の制御部31は、白黒検出部71、YCbCr変換部72、重み制御部73、およびランダムノイズ制御部74から構成されている。
【0056】
白黒検出部71は、RGBの信号成分のそれぞれの入力画像の処理対象となる画素値IN(x,y)が白色または黒色のいずれであるかを判定して、判定結果WBをランダムノイズ加算部33−1乃至33−3、および1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3に供給する。
【0057】
YCbCr変換部72は、RGBの信号成分のそれぞれの画素値を用いて、Y(輝度)、Cb(青色差)、Cr(赤色差)(以降、色差を総称して色差Cb,Crとも称する)のそれぞれに変換し、このうち、色差Cb,Crを重み制御部73に供給する。
【0058】
重み制御部73は、YCbCr変換部72より供給されてくる色差Cb,Crの和(Cb+Cr)に基づいて、重みwを設定して、ランダムノイズ制御部74に供給する。
【0059】
より詳細には、重み制御部73は、色差Cb,Crの和の値に対応して、例えば、図5のように設定される関数に基づいて、重みwを設定する。
【0060】
図5においては、例えば、色差Cb,Crの和が0乃至Aである場合、重み制御部73は、重みwを0に設定し、色差Cb,Crの和がBより大きい場合、重みwを1に設定する。
【0061】
そして、重み制御部73は、色差Cb,Crの和がA乃至Bである場合、重みwを((Cb+Cr)−A)/(B−A)に設定する。
【0062】
尚、値A,Bは、略A≒Bとなるように設定され、さらに、Aは0に近い値である。
【0063】
すなわち、これは、例えば、入力画像がモノクロや、モノクロに近い画像などであり、色差Cb,Crの和が小さいときの条件を示しており、このような場合、重みwが0または0乃至1の値に設定される。
【0064】
逆に、入力画像がカラー画像であり、色差Cb,Crの和が大きいとき、重みwは1に設定される。
【0065】
ランダムノイズ制御部74は、乗算器91−1乃至91−3、および加算器92−1,92−2を備えている。
【0066】
乗算器91−1は、R(赤)成分の高周波ランダムノイズNRに重み(1−w)を乗算して、加算器92−1,92−2にそれぞれ供給する。
【0067】
乗算器91−2,91−3は、それぞれG(緑),B(青)成分の高周波ランダムノイズNG,NBに重みwを乗算して、加算器92−2,92−3にそれぞれ供給する。
【0068】
加算器92−1は、乗算器91−1からの、重み(1−w)が乗じられたR成分の高周波ランダムノイズNRと、乗算器91−2からの、重みwが乗じられたG成分の高周波ランダムノイズNGとを加算し、加算結果をG成分ランダムノイズNGWとして出力する。
【0069】
加算器92−2は、乗算器91−1からの、重み(1−w)が乗じられたR成分の高周波ランダムノイズNRと、乗算器91−3からの、重みwが乗じられたB成分の高周波ランダムノイズNBとを加算し、加算結果をB成分ランダムノイズNBWとして出力する。
【0070】
すなわち、R成分ランダムノイズNRWは、ランダムノイズ出力部32より供給されてきたR成分高周波ランダムノイズNRがそのまま出力されたものである。
【0071】
また、G成分ランダムノイズNGWは、ランダムノイズ出力部32より供給されてきたR成分高周波ランダムノイズNRと、G成分高周波ランダムノイズNGとが重みwにより混合されて生成されたものである。
【0072】
さらに、B成分ランダムノイズNBWは、ランダムノイズ出力部32より供給されてきたR成分高周波ランダムノイズNRと、B成分高周波ランダムノイズNBとが重みwにより混合されて生成されたものである。
【0073】
すなわち、入力画像の画素値がモノクロである場合、重みwは、0に設定される。
【0074】
このため、RGB信号成分それぞれのランダムノイズNRW,NGW,NBWは、いずれもR成分高周波ランダムノイズNRとされることとなり、同一のランダムノイズとされる。
【0075】
また、入力画像の画素値がモノクロ画像に近い場合、重みwは、0乃至1のいずれかの値に設定される。
【0076】
このため、RGB成分ランダムノイズNRW,NGW,NBWは、それぞれ異なるランダムノイズとなるが、R成分高周波ランダムノイズNRに近いものとなるため、相互に類似したランダムノイズとされる。
【0077】
さらに、入力画像がカラー画像である場合、重みwは、1に設定される。
【0078】
このため、RGB成分ランダムノイズNRW,NGW,NBWは、それぞれRGB信号成分のそれぞれ独立した高周波ランダムノイズNR,NG,NBとされることとなり、それぞれが異なるランダムノイズとされる。
【0079】
[ランダムノイズ加算部および1次元ΔΣ変調部の構成例]
次に、図6を参照して、ランダムノイズ加算部33および1次元ΔΣ変調部34の構成例について説明する。
【0080】
尚、図6においては、R成分のランダムノイズ加算部33−1および1次元ΔΣ変調部34−1における信号の入力出力が示されているが、G,B成分についても同様であるので、図示を省略するものとし、RGB成分のそれぞれについて、特に区別しないものとする。
【0081】
ランダムノイズ加算部33は、加算器111、およびスイッチ112を備えている。加算器111は、RGBそれぞれの信号成分の入力画像の画素値IN(x,y)と、制御部31よりそれぞれ供給されてくるRGB成分のそれぞれのランダムノイズNRW,NGW,NBWを加算する。
【0082】
そして、加算器111は、RGB信号成分のそれぞれの加算結果をスイッチ112に供給する。
【0083】
スイッチ112は、制御部31の白黒検出部71からの判定結果WBに基づいて、加算器111より供給されてくるRGB成分のそれぞれのランダムノイズNRW,NGW,NBWが加算された画像と、加算器111をバイパスして供給されてくる入力画像とを切り替え、画素値F(x,y)として1次元ΔΣ変調部34に供給する。
【0084】
したがって、スイッチ112により加算器111をバイパスして供給されてくる入力画像の画素値IN(x,y)が出力される場合、ランダムノイズNRW,NGW,NBWが加算されていない状態で出力される。
【0085】
すなわち、入力画像の画素値IN(x,y)がそのまま画素値F(x,y)として出力されることになる。
【0086】
尚、以降において、スイッチ112は、ランダムノイズNRW,NGW,NBWが加算された画素値F(x,y)を出力する状態をオン状態と称するものとする。
【0087】
また、スイッチ112は、加算器111をバイパスして、ランダムノイズNRW,NGW,NBWが加算されない画素値IN(x,y)をそのまま画素値F(x,y)として出力する状態をオフ状態と称するものとする。
【0088】
1次元ΔΣ変調部34は、加算器131、スイッチ132、量子化部133、減算器134、および1次元フィルタ135より構成されている。
【0089】
加算器131は、ランダムノイズ加算部33より供給されてきた画像の画素値F(x,y)と、1次元フィルタ135により直前の数画素分の量子化誤差を用いて求められた値とを加算してスイッチ132に供給する。
【0090】
スイッチ132は、制御部31の白黒検出部71からの判定結果WBに基づいて、加算器131より供給されてくる1次元フィルタ135により直前の数画素分の量子化誤差を用いてフィルタリングされた結果が加算された画像と、加算器131をバイパスして供給されてくる入力画像とを切り替えて量子化部133、および減算器134に供給する。
【0091】
尚、以降において、スイッチ132は、加算器131より供給されてくる1次元フィルタ135により直前の数画素分の量子化誤差を用いてフィルタリングされた結果が加算された画像が量子化されて画素値Out(x,y)として出力される状態をオン状態と称する。
【0092】
また、スイッチ132は、供給されてくる入力画像の画素値F(x,y)が、加算器131をバイパスしてそのまま量子化されて画素値Out(x,y)として出力される状態をオフ状態と称するものとする。
【0093】
量子化部133は、スイッチ132より供給されてくる画像を、後段の表示制御部16に供給すべきビット数に量子化して出力すると共に、量子化結果を減算器134に供給する。
【0094】
減算器134は、スイッチ132より供給されてくる画像から、量子化結果を減算することにより求められる量子化誤差−Q(x,y)を1次元フィルタ135に供給する。
【0095】
1次元フィルタ135は、減算器134より供給されてくる量子化誤差−Q(x,y)を1次元にフィルタリング処理し、加算器131に供給する。
【0096】
すなわち、スイッチ132がオン状態とされるとき、減算器134、1次元フィルタ135、および加算器131によりΔΣ変調がなされることになる。
【0097】
したがって、スイッチ132がオフ状態とされることにより加算器131がバイパスされた画像が量子化部133に出力される場合、ΔΣ変調がなされていない状態で量子化されることになる。
【0098】
[1次元フィルタの構成例]
次に、図7を参照して、図6の1次元フィルタ135の構成例について説明する。
【0099】
図7において、1次元フィルタ135は、遅延部151−1乃至151−5、乗算部152−1乃至152−5、および、加算部153を有し、5タップのFIR(Finite Impulse Response)フィルタを構成している。
【0100】
すなわち、遅延部151−iには(i=1,2,3,4,5)、前段の遅延部151−(i−1)の記憶値が入力される。
【0101】
遅延部151−iは、そこへの入力を一時記憶することにより、その入力を、1画素分の時間だけ遅延し、後段の遅延部151−(i+1)、及び、乗算部152−iに出力する。
【0102】
なお、最も前段の遅延部151−1には、減算器134(図6)からの量子化誤差−Q(x,y)が供給され、遅延部151−1は、その量子化誤差−Q(x,y)を記憶することにより遅延する。
【0103】
また、最も後段の遅延部151−5は、遅延後の入力を、乗算部152−5にのみ出力する。
【0104】
乗算部152−iは、遅延部151−iの出力と、フィルタ係数a(i)とを乗算し、その結果得られる乗算値を、加算部153に供給する。
【0105】
加算部153は、乗算部152−1乃至152−5それぞれからの乗算値を加算し、その結果得られる加算値を、量子化誤差−Q(x,y)のフィルタリングの結果として、加算器131(図6)に出力する。
【0106】
以上のように、1次元フィルタ135には、1つの水平ライン上の数画素(図7では、5画素)の量子化誤差を記憶する遅延部151−iは必要となるが、2次元フィルタに必要となるラインメモリは、設ける必要がない。
【0107】
したがって、そのような1次元フィルタ135から構成される1次元ΔΣ変調部34によれば、2次元のΔΣ変調器に比較して、装置の小規模化、及び、低コスト化を図ることができる。
【0108】
[階調変換処理]
次に、図8のフローチャートを参照して、階調変換処理について説明する。
【0109】
ステップS1において、制御部31は、入力画像の画素値IN(x,y)を取得する。
【0110】
すなわち、制御部31は、ノイズリダクション部44(図1)から、対象画像の画素値IN(x,y)が供給されると、これを取得する。
【0111】
ノイズリダクション部44は、階調変換部45に対して、例えば、図9で示されるように、ラスタスキャン順に、対象画像の画素(x,y)の画素値IN(x,y)を供給する。
【0112】
したがって、階調変換部45では、対象画像の画素(x,y)の画素値IN(x,y)が、ラスタスキャン順に、階調変換処理の対象とされる。
【0113】
尚、ここでいう画素値IN(x,y)には、RGBの各成分が含まれている。
【0114】
ステップS2において、白黒検出部71は、RGBの各成分について画素値が最小値、または最大値であるか否かに基づいて、処理対象となる画素が白色であるか、または黒色であるか否かを判定する。
【0115】
そして、白黒検出部71は、判定結果WBをランダムノイズ加算部33のスイッチ112(図6)、および1次元ΔΣ変調部34のスイッチ132(図6)に供給する。
【0116】
ステップS3において、ランダムノイズ出力部22のランダムノイズ発生部51−1乃至51−3は、RGBの信号成分に対応するランダムノイズを発生し、HPF52−1乃至52−3に供給する。
【0117】
ステップS4において、HPF52−1乃至52−3は、ランダムノイズ発生部51−1乃至51−3のそれぞれより供給されてくるランダムノイズのうち、高周波成分のみを抽出して高周波ランダムノイズNR,NG,NBとして制御部31に供給する。
【0118】
ステップS5において、制御部31のYCbCr変換部72は、供給されてくるRGBの信号成分の情報を、輝度Yおよび色差Cb,Crに変換して、このうち色差Cb,Crを重み制御部73に供給する。
【0119】
ステップS6において、重み制御部73は、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)に基づいて、処理対象となる画素値がモノクロであるか否かを判定する。
【0120】
より詳細には、重み制御部73は、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)が、図5における0乃至Aであるか否かを判定する。
【0121】
ステップS6において、例えば、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)が、図5における0乃至Aであって、十分に小さく、画素値がモノクロであるとみなされた場合、処理は、ステップS7に進む。
【0122】
ステップS7において、重み制御部73は、モノクロであるとみなされた画素値の重みwを0に設定し、ランダムノイズ制御部74に供給する。
【0123】
また、ステップS6において、例えば、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)が、図5における0乃至Aではない場合、処理は、ステップS8に進む。
【0124】
ステップS8において、重み制御部73は、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)に基づいて、処理対象となる画素がカラーであるか否かを判定する。
【0125】
より詳細には、重み制御部73は、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)が、図5におけるBよりも大きいか否かを判定する。
【0126】
ステップS8において、例えば、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)が、図5におけるBよりも十分に大きく画素値がカラーであるとみなされた場合、処理は、ステップS9に進む。
【0127】
ステップS9において、重み制御部73は、カラーであるとみなされた画素値の重みwを1に設定し、ランダムノイズ制御部74に供給する。
【0128】
さらに、ステップS8において、例えば、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)が、図5におけるBより大きくない場合、すなわち、色差Cb,Crの和(Cb+Cr)が、図5におけるA乃至Bである場合、処理は、ステップS10に進む。
【0129】
ステップS10において、重み制御部73は、色差Cb,Crに基づいて、重みwを((Cb+Cr)−A)/(B−A)に設定する。
【0130】
すなわち、重み制御部73は、色差Cb,Crに基づいて、色差を含まず、画素値がモノクロである場合、重みwを0に設定し、色差を含み、画素値がカラーである場合、重みwを1に設定し、それ以外の中間である場合、重みwを((Cb+Cr)−A)/(B−A)に設定する。
【0131】
ステップS11において、ランダムノイズ制御部74は、重みwに基づいて、高周波ランダムノイズNR,NG,NBに処理を加えて、ランダムノイズNRW,NGW,NBWとして出力する。
【0132】
すなわち、高周波ランダムノイズNRは、R信号成分のランダムノイズNRWとしてそのまま出力される。
【0133】
また、乗算器91−1により重み(1−w)が乗じられたR信号成分の高周波ランダムノイズNR(1−w)と、乗算器91−2により重みwが乗じられたG信号成分の高周波ランダムノイズNGwとが、加算器92−1により加算される。
【0134】
これにより、加算結果がG信号成分のランダムノイズNGW(=高周波ランダムノイズNR(1−w)+高周波ランダムノイズNGw)として出力される。
【0135】
さらに、乗算器91−1により重み(1−w)が乗じられたR信号成分の高周波ランダムノイズNR(1−w)と、乗算器91−3により重みwが乗じられたB信号成分の高周波ランダムノイズNBwとが、加算器92−2により加算される。
【0136】
これにより、加算結果が、B信号成分のランダムノイズNBW(=高周波ランダムノイズNR(1−w)+高周波ランダムノイズNBw)として出力される。
【0137】
この結果、処理対象の画素が、モノクロであり重みw=0として設定されている場合、制御部31より出力されるRGB信号成分のランダムノイズNRW,NGW,NBWはいずれもR成分の高周波ランダムノイズNRと同一のものとして出力される。
【0138】
また、処理対象の画素が、モノクロに近いものであり重みw≒0として設定されている場合、制御部31より出力されるRGB信号成分のランダムノイズNRW,NGW,NBWはいずれもR成分の高周波ランダムノイズNRと類似したものとして出力される。
【0139】
さらに、処理対象の画素が、カラーであり重みw=1として設定されている場合、制御部31より出力されるRGB信号成分のランダムノイズNRW,NGW,NBWは、それぞれRGB成分の高周波ランダムノイズNR,NG,NBからなる、相互に異なるランダムノイズとして出力される。
【0140】
したがって、処理対象の画素値がモノクロに近いものである場合、上述したように、重みwを0に近いものとすればよいので、((Cb+Cr)−A)/(B−A))に限らず、0に近い固定値を設定するようにしてもよい。
【0141】
ステップS12において、スイッチ112、およびスイッチ132は、それぞれ白黒検出部71からの判定結果WBが白色画像、または黒色画像のいずれかであるか否かを判定する。
【0142】
ステップS12において、白黒検出部71より供給されてきた判定結果WBが、白色画素でも、黒色画素でもない場合、処理は、ステップS13に進む。
【0143】
ステップS13において、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3のいずれにおいても、スイッチ112が、加算器111から出力される信号をランダムノイズ加算部33−1乃至33−3からの出力とするように状態をオン状態に切り替える。
【0144】
ステップS14において、1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3のいずれにおいても、スイッチ132が、加算器131から出力される信号を量子化部133に出力するように状態をオン状態に切り替える。
【0145】
ステップS15において、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3は、入力画像であるIN(x,y)のRGBの信号成分に、制御部31より供給されてくるランダムノイズNRW,NGW,NBWを加算することによりディザを施して画素値F(x,y)として出力する。
【0146】
より詳細には、加算器111が、入力画像であるIN(x,y)のRGBの信号成分のそれぞれに対して、ランダムノイズNRW,NGW,NBWを加算してスイッチ112に供給する。
【0147】
そして、スイッチ112が、ステップS13の処理により設定された状態に基づいて、加算器111より供給されてくるランダムノイズNRW,NGW,NBWが加算されたRGBの信号成分の画素値F(x,y)として1次元ΔΣ変調部34にそれぞれ出力する。
【0148】
ステップS16において、1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3は、それぞれランダムノイズ加算部33−1乃至33−3より供給されてくるRGB信号成分の画素値F(x,y)に1次元ΔΣ変調処理を施し、それぞれRGB信号成分の画素値Out(x,y)として出力する。
【0149】
より詳細には、加算器131が、RGB信号成分の画素値F(x,y)に1次元フィルタ135によるフィルタリング処理結果を加算する。
【0150】
スイッチ132が、ステップS14の処理により設定された状態に基づいて、加算器131の処理結果を量子化部133、および減算器134に供給する。
【0151】
量子化部133が、スイッチ132より供給されてきた画素値のビット数を表示部17で表示可能なビット数に量子化して画素値Out(x,y)として出力すると共に、減算器134に供給する。
【0152】
減算器134が、量子化部133への入力から、量子化部133からの出力を減算することにより量子化誤差−Q(x,y)を求めて1次元フィルタ135に供給する。
【0153】
ここで、1次元フィルタ135が、量子化誤差−Q(x,y)にフィルタリング処理を施し、フィルタリング処理結果を加算器131に供給する。
【0154】
1次元ΔΣ変調部34では、量子化誤差−Q(x,y)が、1次元フィルタ135を介して、入力側(加算器131)にフィードバックされており、これにより、1次元のΔΣ変調が行われる。
【0155】
したがって、1次元ΔΣ変調部34では、ランダムノイズ加算部33からの画素値F(x,y)に対して、1次元のΔΣ変調が施され、その1次元のΔΣ変調の結果として、画素値Out(x,y)が出力される。
【0156】
なお、1次元ΔΣ変調部34において、量子化誤差−Q(x,y)は、画素値F(x,y)に対する量子化誤差であるが、画素値F(x,y)をΔΣ変調して得られる画素値Out(x,y)を求めるにあたっては、画素値F(x,y)に対する量子化誤差−Q(x,y)は使用されず、ラスタスキャン順で、画素値F(x,y)よりも前の画素値(先に処理された画素値)に対する量子化誤差が使用される。
【0157】
すなわち、加算器131では、画素値F(x,y)の直前に処理された、例えば、図7で示されるように、5画素の画素値F(x−1,y),F(x−2,y),F(x−3,y),F(x−4,y),F(x−5,y)それぞれに対する量子化誤差を用いた、1次元フィルタ135のフィルタリングの結果が、画素値F(x,y)に加算される。
【0158】
ステップS17において、制御部31は、次の画素が存在するか否かを判定し、存在する場合、処理は、ステップS1に戻る。
【0159】
一方、ステップS17において、次の画素が存在しないと判定された場合、処理は、終了する。
【0160】
また、ステップS12において、判定結果WBに基づいて、画素値が白色画素、または黒色画素であると判定された場合、処理は、ステップS18に進む。
【0161】
ステップS18において、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3のいずれにおいても、スイッチ112が、加算器111をバイパスして出力される信号をランダムノイズ加算部33−1乃至33−3からの出力とするように状態をオフ状態に切り替える。
【0162】
ステップS19において、1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3のいずれにおいても、スイッチ132が、加算器131をバイパスして出力される信号を量子化部133に出力するように状態をオフ状態に切り替える。
【0163】
ステップS20において、ランダムノイズ加算部33−1乃至33−3は、入力画像であるIN(x,y)のRGBの信号成分をそのまま、ディザを施すことなく、画素値F(x,y)として出力する。
【0164】
より詳細には、スイッチ112が、ステップS18の処理により設定された状態に基づいて、加算器111をバイパスして供給されてくるRGBの信号成分をそのまま画素値F(x,y)として1次元ΔΣ変調部34にそれぞれ出力する。
【0165】
ステップS21において、1次元ΔΣ変調部34−1乃至34−3は、それぞれランダムノイズ加算部33−1乃至33−3より供給されてくるRGB信号成分の画素値F(x,y)に1次元ΔΣ変調処理を施さずに、表示部17に適切なビット数に量子化して画素値Out(x,y)として出力する。
【0166】
より詳細には、スイッチ132が、ステップS19の処理により設定された状態に基づいて、加算器131をバイパスして入力される画素値F(x,y)をそのまま量子化部133、および減算器134に供給する。
【0167】
量子化部133が、スイッチ132より供給されてきた画素値のビット数を表示部17で表示可能なビット数に量子化して画素値Out(x,y)として出力する。
【0168】
尚、量子化部133は、量子化した結果を減算器134にも出力するが、ここでは、1次元フィルタ135の処理結果が使用されないので、実質的に無視することができる。そして、処理は、ステップS17に進む。
【0169】
すなわち、例えば、図10の上段で示される8ビットの画像を4ビットの画像となるように、上述した階調変換処理を行った場合、ステップS1乃至S17の一連の処理により、例えば、図11の上段で示されるような(階調変換処理後の画像)が得られる。
【0170】
尚、図11の下段では、図10の下段で示される8ビットの画像のある水平ライン上の画素値に対応する、階調変換後の4ビットの画像のある水平ライン上の画素値を示している。
【0171】
図10で示されるように、8ビットによれば、256階調を表現することができるのに対して、図11で示されるように、4ビットでは、16階調しか表現することができない。
【0172】
しかしながら、階調変換部15による階調変換処理後の4ビットの画像では、画素値が、ある量子化値qとなる画素と、その量子化値qより1だけ大の量子化値q+1(又は、1だけ小の量子化値q−1)となる画素との粗密がある粗密領域、つまり、画素値が量子化値qの画素の割合が多い領域や、画素値が量子化値q+1の画素が多い領域(画素値が量子化値q+1の画素の割合が少ない領域や、画素値が量子化値qの画素が少ない領域)が生じており、その粗密領域の画素値が、人の視覚の積分効果によって、滑らかに変化しているように見える。
【0173】
その結果、4ビットでは、16階調しか表現できないのにもかかわらず、階調変換部15による階調変換後の4ビットの画像では、階調変換前の8ビットの対象画像であるかのように、擬似的に、256階調を表現することができる。
【0174】
さらに、ステップS1乃至S17の処理においては、入力画像の画素値の色差Cb,Crの和(Cb+Cr)に応じて、重みwが設定されることにより、RGB信号成分のそれぞれのランダムノイズが切り替えて生成される。
【0175】
このため、入力画像の画素値がモノクロの場合、RGB信号成分のそれぞれの画素値に同一のランダムノイズが加算された上で(同一のランダムノイズでディザが施された上で)、ΔΣ変調が施されるので、カラーノイズを防止することが可能となる。
【0176】
また、入力画像の画素値がモノクロに近い場合、RGB信号成分のそれぞれの画素値に類似したランダムノイズが加算された上で(類似したランダムノイズでディザが施された上で)、ΔΣ変調が施されるので、カラーノイズの発生を抑制することが可能となる。
【0177】
さらに、入力画像の画素値がカラーであれば、RGB信号成分のそれぞれの画素値に異なるランダムノイズが加算された上で(異なるランダムノイズでディザが施された上で)、ΔΣ変調が施されることにより、階調性能を向上させ、階調変換により生じるS/Nの低減を抑制することが可能となる。
【0178】
尚、以上の階調変換部15の変換例として、図2で示されるように、14ビットの入力画像を8ビットに変換する例について説明してきたが、入力画像のビット数および変換後のビット数はその他のビット数であっても同様である。
【0179】
したがって、図10,図11を参照して説明する例については、8ビットの入力画像を4ビットに変換する場合について説明しているが、処理については、図9のフローチャートを参照して説明した階調変換処理と同様の処理により実現されるものである。
【0180】
一方、ステップS1乃至S12,S18乃至S21,S17の処理によれば、入力画像の画素値が、白色画素、および黒色画素の場合、RGB信号成分のいずれにもランダムノイズが加算されず(ディザが施されず)、かつ、1次元ΔΣ変調が施されないことになる。
【0181】
結果として、入力画像の画素値が、白色画素、および黒色画素の場合、誤差拡散がなされないので、黒色画素、および白色画素がそのまま最小画素値、および最大画素値として適切に階調変換されるので、適切な黒色画素および白色画素とすることが可能となる。
【0182】
尚、図4におけるランダムノイズ制御部74においては、R成分の高周波ランダムノイズNRが基準となって、重みwが利用されて、GおよびB成分の高周波ランダムノイズNG,NBと混合されることにより、それぞれを同一、類似、または相互に異なる状態に切り替える例について説明している。
【0183】
しかしながら、ランダムノイズ制御部74の構成については、それぞれを同一、類似、または相互に異なる状態に切り替えることができる限り、その他の構成とするようにしても良く、例えば、GまたはB成分の高周波ランダムノイズを基準とした構成とするようにしてもよい。
【0184】
以上の如く、本技術によれば、画素値のRGB成分に応じて、加算するランダムノイズの種別を調整してディザを施すと共に、ΔΣ変調を適切に施すことにより、階調変換により生じるS/Nの低減を抑制し、より適切な発色を実現することが可能となる。
【0185】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0186】
図12は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0187】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)1001,ROM(Read Only Memory)1002,RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。
【0188】
バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記憶部1008、通信部1009、及びドライブ1010が接続されている。
【0189】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011を駆動する。
【0190】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0191】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0192】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0193】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0194】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0195】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0196】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0197】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0198】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0199】
尚、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1) 画像の階調を変換する階調変換装置において、
前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算部と、
前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調部と、
前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御部と
を含む階調変換装置。
(2) 前記ランダムノイズ加算部は、前記画素値にランダムノイズを加算して出力するオン状態と、前記画素値にランダムノイズを加算することなく出力するオフ状態とを切り替えるランダムノイズ加算スイッチを含み、
前記ΔΣ変調部は、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施して出力するオン状態と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施さずに出力するオフ状態とを切り替えるΔΣ変調スイッチを含み、
前記制御部は、前記画素値が白または黒である場合、前記ランダムノイズ加算スイッチ、および前記ΔΣ変調スイッチをいずれもオフに制御する
(1)に記載の階調変換装置。
(3) 前記ランダムノイズ加算部は、前記画素値にランダムノイズを加算して出力するオン状態と、前記画素値にランダムノイズを加算することなく出力するオフ状態とを切り替えるランダムノイズ加算スイッチを含み、
前記ΔΣ変調部は、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施して出力するオン状態と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施さずに出力するオフ状態とを切り替えるΔΣ変調スイッチを含み、
前記制御部は、前記画素値が白および黒のいずれでもない場合、前記ランダムノイズ加算スイッチ、および前記ΔΣ変調スイッチをいずれもオンに制御する
(1)または(2)に記載の階調変換装置。
(4) 前記画素値は、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含み、
前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含み、
前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が第1の所定値よりも小さいことにより、前記画素がモノクロであるとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部は、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ同一のランダムノイズを加算する
(1)乃至(3)に記載の階調変換装置。
(5) 前記画素値は、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含み、
前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含み、
前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が、これより小さいと前記画素がモノクロであるとみなされる第1の所定値よりも大きく、かつ、前記第1の所定値よりも大きい第2の所定値よりも小さいことにより、前記画素がモノクロに類似するとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部は、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ類似したランダムノイズを加算する
(1)乃至(3)に記載の階調変換装置。
(6) 前記画素値は、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含み、
前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含み、
前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が、これより小さいと前記画素がモノクロであるとみなされる第1の所定値よりも大きい値であって、これよりも小さいと前記画素がモノクロに類似するとみなされる第2の所定値よりも大きいことにより、前記画素がカラーであるとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部は、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ異なるランダムノイズを加算する
(1)乃至(3)に記載の階調変換装置。
(7) 画像の階調を変換する階調変換装置の階調変換方法であって、
前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算処理をし、
前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調処理をし、
前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御処理をする
ステップを含む階調変換方法。
(8) 画像の階調を変換する階調変換装置を制御するコンピュータを、
前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算部と、
前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調部と、
前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御部と
して機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0200】
1 テレビジョン受像機, 11 チューナ, 12 デマルチプレクサ, 13 デコーダ, 14 ノイズリダクション部, 15 階調変換部, 16 表示制御部, 17 表示部, 31 制御部, 32 ランダムノイズ出力部, 33,33−1乃至33−3 ランダムノイズ加算部, 34,34−1乃至34−3 1次元ΔΣ変調部, 51,51−1乃至51−3 ランダムノイズ発生部, 52,52−1乃至52−3 HPF, 71 白黒検出部, 72 YCbCr変換部, 73 重み制御部, 74 ランダムノイズ制御部, 91−1乃至91−3 乗算器, 92−1,92−2 加算器, 111 加算器, 112 スイッチ, 131 加算器, 132 スイッチ, 133 量子化部, 134 減算器, 135 1次元フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の階調を変換する階調変換装置において、
前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算部と、
前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調部と、
前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御部と
を含む階調変換装置。
【請求項2】
前記ランダムノイズ加算部は、前記画素値にランダムノイズを加算して出力するオン状態と、前記画素値にランダムノイズを加算することなく出力するオフ状態とを切り替えるランダムノイズ加算スイッチを含み、
前記ΔΣ変調部は、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施して出力するオン状態と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施さずに出力するオフ状態とを切り替えるΔΣ変調スイッチを含み、
前記制御部は、前記画素値が白または黒である場合、前記ランダムノイズ加算スイッチ、および前記ΔΣ変調スイッチをいずれもオフに制御する
請求項1に記載の階調変換装置。
【請求項3】
前記ランダムノイズ加算部は、前記画素値にランダムノイズを加算して出力するオン状態と、前記画素値にランダムノイズを加算することなく出力するオフ状態とを切り替えるランダムノイズ加算スイッチを含み、
前記ΔΣ変調部は、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施して出力するオン状態と、前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値にΔΣ変調を施さずに出力するオフ状態とを切り替えるΔΣ変調スイッチを含み、
前記制御部は、前記画素値が白および黒のいずれでもない場合、前記ランダムノイズ加算スイッチ、および前記ΔΣ変調スイッチをいずれもオンに制御する
請求項1に記載の階調変換装置。
【請求項4】
前記画素値は、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含み、
前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含み、
前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が第1の所定値よりも小さいことにより、前記画素がモノクロであるとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部は、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ同一のランダムノイズを加算する
請求項3に記載の階調変換装置。
【請求項5】
前記画素値は、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含み、
前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含み、
前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が、これより小さいと前記画素がモノクロであるとみなされる第1の所定値よりも大きく、かつ、前記第1の所定値よりも大きい第2の所定値よりも小さいことにより、前記画素がモノクロに類似するとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部は、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ類似したランダムノイズを加算する
請求項3に記載の階調変換装置。
【請求項6】
前記画素値は、各画素におけるRGB(赤緑青)信号成分を含み、
前記RGB信号成分をYCbCr(輝度色差)信号に変換する信号変換部をさらに含み、
前記YCbCr(輝度色差)信号のうち、CbCr(色差)信号の和が、これより小さいと前記画素がモノクロであるとみなされる第1の所定値よりも大きい値であって、これよりも小さいと前記画素がモノクロに類似するとみなされる第2の所定値よりも大きいことにより、前記画素がカラーであるとみなされる場合、前記各画素における前記RGB各信号成分に対応するランダムノイズ加算部は、前記各画素における前記RGB各信号成分に対して、それぞれ異なるランダムノイズを加算する
請求項3に記載の階調変換装置。
【請求項7】
画像の階調を変換する階調変換装置の階調変換方法であって、
前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算処理をし、
前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調処理をし、
前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御処理をする
ステップを含む階調変換方法。
【請求項8】
画像の階調を変換する階調変換装置を制御するコンピュータを、
前記画像を構成する画素毎の画素値に、ランダムノイズを加算するランダムノイズ加算部と、
前記ランダムノイズ加算部より出力される画素値に、1次元のΔΣ変調を施す1次元ΔΣ変調部と、
前記画素値に基づいて、前記ランダムノイズ加算部、および前記1次元ΔΣ変調部の動作を制御する制御部と
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−98611(P2013−98611A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236980(P2011−236980)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】