説明

集積回路装置、電気光学装置及び電子機器

【課題】表示ムラを防止できる集積回路装置、電気光学装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】集積回路装置は、データ線駆動回路200−iと、マルチプレクスされたデータ信号がデマルチプレクスされた複数のデータ信号が1水平走査期間において第1〜第pの画素に供給されるときに、第1〜第pの画素の駆動順番に依存して生じる順番オフセットに対応する順番オフセット用設定値OJ1〜OJpを記憶する順番オフセット用レジスター270と、第1〜第pの画素の駆動順番を設定する順番設定回路250と、順番オフセット用加算回路260−iと、を含み、データ線駆動回路200−iが、第qの画素を第r番目に駆動するときに、順番オフセット用加算回路260−iが、画像データGDqiに対して、順番オフセット用設定値OJrに基づく順番オフセット用補正値を加算する処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路装置、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ではハイビジョン映像等の高精細な映像技術が普及しており、液晶プロジェクター等の表示機器において高精細化・多階調化が進んでいる。高精細化・多階調化が進むと、多階調であるほど1階調当たりの階調電圧が小さくなるため、データ電圧にわずかな誤差が生じるだけで表示ムラが生じるという課題がある。
【0003】
ここで、本出願人は、各データ線駆動回路が1水平走査期間において複数の画素に対してデータ電圧を書き込むマルチプレクス駆動方式のドライバーを開発している。しかしながら、この方式のドライバーでは、マルチプレクス駆動される複数のデータ電圧にオフセットが生じるという課題がある。そして、このオフセットによる誤差により、表示画像に表示ムラ(スジ)が生じるという課題がある。
【0004】
なお特許文献1には、マルチプレクス駆動される複数のデータ線の駆動順番を水平走査期間毎に切り替えることで、データ電圧の誤差を平均化する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−45967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の幾つかの態様によれば、表示ムラを防止できる集積回路装置、電気光学装置及び電子機器等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、複数のデータ信号供給線の各データ信号供給線に対応して設けられ、前記複数のデータ信号供給線のうちの対応するデータ信号供給線にマルチプレクス(時分割多重化)されたデータ信号を供給するデータ線駆動回路と、前記マルチプレクスされたデータ信号がデマルチプレクサーによりデマルチプレクスされることで得られたデマルチプレクス後の複数のデータ信号が、1水平走査期間において複数の画素に供給されるときに、前記複数のデータ信号において前記複数の画素の第1の画素〜第pの画素の駆動順番に依存して生じるオフセットである順番オフセットに対応する第1の順番オフセット用設定値〜第pの順番オフセット用設定値を記憶する順番オフセット用レジスターと、前記第1の画素〜前記第pの画素の駆動順番を設定する順番設定回路と、前記データ線駆動回路に対応する順番オフセット用加算回路と、を含み、前記データ線駆動回路が、前記第1の画素〜前記第pの画素のうちの第q(qはp以下の自然数)の画素を第r(rはp以下の自然数)番目に駆動するときに、前記順番オフセット用加算回路が、前記第1の画素〜前記第pの画素に対応する第1の画像データ〜第pの画像データのうちの第qの画像データに対して、前記第1の順番オフセット用設定値〜前記第pの順番オフセット用設定値のうちの第rの順番オフセット用設定値に基づく順番オフセット補正値を加算する処理を行う集積回路装置に関係する。
【0008】
ここで、デマルチプレクス後の複数のデータ信号が1水平走査期間において複数の画素に供給されるときに、その複数のデータ信号(データ電圧、またはデータ電流)に、画素の駆動順番に応じて異なるオフセットである位置オフセットが生じてしまう。
【0009】
この点、本発明の一態様によれば、順番オフセット用レジスターが、第1番目〜第p番目の駆動順番に対応付けられた第1〜第pの順番オフセット用設定値を記憶し、順番設定回路が、第1〜第pの画素の駆動順番を設定し、データ線駆動回路が、その駆動順番に従って第qの画素を第r番目の駆動順番に駆動するときに、順番オフセット用加算回路が、第rの順番オフセット用設定値に基づいて、第r番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値を求め、その順番オフセット補正値を第qの画像データに対して加算処理し、加算処理後の画像データをデータ線駆動回路に出力する。
【0010】
このように、本発明の一態様によれば、順番オフセット用レジスターが、第1番目〜第p番目の駆動順番に対応付けられた第1〜第pの順番オフセット用設定値を記憶し、順番設定回路が、第1〜第pの画素の駆動順番を設定する。これにより、第1〜第pの画素の駆動順番を設定し、第rの順番オフセット用設定値OJrに基づいて第r番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値を求めることができる。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、データ線駆動回路が、設定された駆動順番に従って、第qの画素を第r番目の駆動順番に駆動するときに、順番オフセット用加算回路が、第r番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値を第qの画像データに対して加算処理する。これにより、第1〜第pの画素の駆動順番によって異なる順番オフセットを補正できる。このようにして、データ信号の順番オフセットによる表示ムラを防止できる。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記デマルチプレクサーに含まれる複数のデマルチプレクス用スイッチング素子をオン・オフ制御するためのデマルチプレクス用スイッチ信号を生成するスイッチ信号生成回路を有してもよい。
【0013】
このようにすれば、デマルチプレクサーに含まれる複数のデマルチプレクス用スイッチング素子をオン・オフ制御できる。これにより、マルチプレクスされたデータ信号をデマルチプレクサーによりデマルチプレクスすることができる。
【0014】
例えば、デマルチプレクサーは電気光学パネルに含まれてもよく、デマルチプレクス用スイッチ信号が電気光学パネル内のデマルチプレクサーに供給されることで、データ信号のデマルチプレクスが実現されてもよい。あるいは、デマルチプレクサーは本発明の集積回路装置に含まれてもよく、デマルチプレクス用スイッチ信号が集積回路装置内のマルチプレクサーに供給されることで、データ信号のデマルチプレクスが実現されてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記順番オフセット用レジスターが、前記第1の順番オフセット用設定値〜前記第pの順番オフセット用設定値として第1の順番オフセット用定数値〜第pの順番オフセット用定数値を記憶し、前記順番オフセット用加算回路が、前記第qの画像データに対して、前記第1の順番オフセット用定数値〜前記第pの順番オフセット用定数値のうちの第rの順番オフセット用定数値を前記順番オフセット補正値として加算する処理を行ってもよい。
【0016】
このように、本発明の一態様によれば、第r番目に駆動される第qの画素に対応する第qの画像データに対して、第rの順番オフセット用定数値を順番オフセット補正値として加算する処理を行う。このようにすれば、第1〜第pの順番オフセット用設定値に基づいて、第1番目〜第p番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値を求めることができる。
【0017】
また、本発明の一態様では、前記順番オフセット用レジスターが、前記第1の順番オフセット用設定値〜前記第pの順番オフセット用設定値として第1の順番オフセット用係数値〜第pの順番オフセット用係数値を記憶し、前記順番オフセット用加算回路が、前記第qの画像データに対して、前記第1の順番オフセット用係数値〜前記第pの順番オフセット用係数値のうちの第rの順番オフセット用係数値を前記第qの画像データに乗算処理した値を前記順番オフセット補正値として加算する処理を行ってもよい。
【0018】
このように、本発明の一態様によれば、第r番目に駆動される第qの画素に対応する第qの画像データに対して、第rの順番オフセット用係数値と第qの画像データとを乗算処理した値を順番オフセット補正値として加算処理する。このようにすれば、第1〜第pの順番オフセット用設定値に基づいて、第1番目〜第p番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値を求めることができる。また、画像データの階調に対して順番オフセットの特性に傾きがある場合でも、その傾きを補正することができる。
【0019】
また、本発明の一態様では、前記各データ線駆動回路に対応して設けられ、前記順番設定回路からの画素選択信号に基づいて、前記第1の画像データ〜前記第pの画像データのうちのいずれかの画像データを選択して出力する出力選択回路を含み、前記各データ線駆動回路が、前記第qの画素を前記第r番目に駆動するときに、前記出力選択回路が、前記第qの画素の選択を指示する前記画素選択信号を受けて、前記第qの画像データを出力し、前記順番オフセット用加算回路が、前記第qの画像データに対して、前記第rの順番オフセット用設定値に基づく順番オフセット補正値を加算する処理を行ってもよい。
【0020】
このようにすれば、第qの画素を第r番目に駆動するときに、第qの画素に対応する第qの画像データに対して、第r番目の駆動順番に対応する第rの順番オフセット用設定値に基づく順番オフセット補正値を加算処理できる。これにより、各画素に書き込まれるデータ信号の順番オフセットを、画素の駆動順番に対応付けられた順番オフセット用設定値に基づいて補正できる。
【0021】
また、本発明の一態様では、前記マルチプレクス駆動デマルチプレクスのためのデマルチプレクス用クロックのクロック数をカウントするマルチプレクスカウンターと、水平同期信号の個数をカウントする水平同期カウンターと、前記マルチプレクスカウンターのカウント値と、前記水平走査期間カウンターのカウント値とを加算処理し、加算カウント値を出力する加算回路と、前記加算カウント値の下位側ビット列が反転されて上位側ビット列に設定され、前記加算カウント値の上位側ビット列が反転されて下位側ビット列に設定されたローテーションデータを受けて、前記ローテーションデータをデコードして前記画素選択信号を出力するデコーダーと、を含んでもよい。
【0022】
このようにすれば、順番設定回路が画素の駆動順番を設定し、第1〜第pの画像データのうちのいずれかの画像データを選択するかを指示する画素選択信号を出力できる。また、マルチプレクス駆動において、各水平走査期間で画素の駆動順番を異なる駆動順番に設定するローテーションを行うことができる。
【0023】
また、本発明の一態様では、前記複数のデータ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正するための補正データを演算する補正データ演算部と、前記補正データに基づいて画像データを補正し、補正処理後の画像データを前記複数のデータ線駆動回路のうちの対応するデータ線駆動回路に出力する複数の補正回路と、コンパレーターと、を含み、前記コンパレーターが、前記複数のデータ線駆動回路のうちの補正対象のデータ線駆動回路の出力電圧をコンパレーター基準電圧と比較し、前記補正データ演算部が、前記コンパレーターからの比較結果に基づいて、前記補正対象のデータ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正するための前記補正データを演算してもよい。
【0024】
ここで、データ線駆動回路の出力電圧にバラツキがあると、各データ線駆動回路が駆動する画像領域毎に輝度がバラつき、表示画像に輝度ムラや色ムラが発生してしまう。
【0025】
この点、本発明の一態様によれば、補正回路が、補正データに基づいて画像データを補正することで、データ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正できる。これにより、データ線駆動回路の出力電圧のバラツキによる表示ムラを防止できる。
【0026】
また、本発明の一態様によれば、コンパレーターが、データ線駆動回路の出力電圧をコンパレーター基準電圧と比較し、補正データ演算部が、その比較結果に基づいて、データ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正するための補正データを演算する。このようにすれば、リアルタイムにバラツキを測定して、補正データを求めることができる。
【0027】
また、本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の集積回路装置を含む電気光学装置に関係する。
【0028】
また、本発明の他の態様では、電気光学パネルを含み、前記電気光学パネルには、前記デマルチプレクス後の複数のデータ信号が供給される前記複数の画素と、前記複数の画素に対応する前記複数のデータ線と、前記マルチプレクスされたデータ信号をデマルチプレクスするための複数のデマルチプレクス用スイッチング素子と、第1の方向に沿って配置され、前記複数のデマルチプレクス用スイッチング素子のオン・オフを制御するための複数の信号線と、が配置されてもよい。
【0029】
本発明の他の態様によれば、このような電気光学パネルを含む場合においても、データ信号の順番オフセットを補正できる。具体的には、複数のスイッチ素子のリーク電流等によって生じるデータ信号の順番オフセットを補正できる。
【0030】
また、本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の電気光学装置を含む電子機器に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】液晶表示装置の構成例。
【図2】データドライバーの構成例。
【図3】マルチプレクス駆動の動作説明図。
【図4】マルチプレクス駆動の動作説明図。
【図5】順番オフセットの説明図。
【図6】順番オフセットの説明図。
【図7】本実施形態の第1の構成例。
【図8】本実施形態の第1の構成例の動作説明図。
【図9】図9(A)〜図9(C)は、順番オフセット補正の説明図。
【図10】位置オフセットの説明図。
【図11】位置オフセットの説明図。
【図12】本実施形態の第2の構成例。
【図13】本実施形態の第2の構成例の動作説明図。
【図14】本実施形態の第3の構成例。
【図15】順番設定回路の構成例。
【図16】図16(A)、図16(B)は、順番設定回路の動作説明図。
【図17】図17(A)、図17(B)は、順番設定回路の動作説明図。
【図18】出力選択回路の構成例。
【図19】位置オフセット用加算回路、順番オフセット用加算回路の構成例。
【図20】本実施形態の第4の構成例。
【図21】図21(A)、図21(B)は、補正データ演算の動作説明図。
【図22】本実施形態の詳細な構成例。
【図23】データドライバーの変形例。
【図24】プロジェクターの構成例。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0033】
1.マルチプレクス駆動
1.1.液晶表示装置の構成例
図1〜図4を用いて、本実施形態が行うマルチプレクス駆動(線順次駆動)について説明する。
【0034】
なお以下では、液晶プロジェクター等に用いられる単色表示の液晶パネルがドライバー(集積回路装置)により駆動される場合を例に説明する。但し本発明では、RGB表示等の複数色表示の液晶パネルがドライバーにより駆動されてもよい。また本発明では、液晶パネル以外の電気光学パネルがドライバーにより駆動されてもよく、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネル・無機ELパネル等のELパネルがドライバーにより駆動されてもよい。
【0035】
また以下では、後述するデータ信号供給線に、データ信号としてデータ電圧が供給される場合を例に説明する。但し本発明では、データ信号供給線にデータ信号としてデータ電流が供給されてもよい。
【0036】
図1に液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display、広義には電気光学装置)の構成例を示す。図1に示す構成例は、液晶パネル12(広義には、電気光学パネル)、ドライバー60(集積回路装置)、表示コントローラー40、電源回路50を含む。なお、本発明の液晶表示装置は、図1の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば表示コントローラー等)を省略したり他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。例えば、図1には、後述するデマルチプレクサーが液晶パネルに含まれるものとして図示するが、本発明では、デマルチプレクサーが後述するデータドライバー20に含まれてもよい。
【0037】
液晶パネル12は、例えばアクティブマトリクス型の液晶パネルで構成できる。このとき、液晶パネル12の液晶基板(例えば、ガラス基板)には、図1のY方向に複数配列され、それぞれX方向に伸びる走査線G1〜Gm(mは2以上の自然数)が配置される。また、液晶基板には、X方向に複数配列され、それぞれY方向に伸びるデータ線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1n〜S8n(nは2以上の自然数)が配置される。さらに、液晶基板には、データ信号供給線S1〜Sn(データ電圧供給線、またはデータ電流供給線)が設けられ、各データ信号供給線に対応してデマルチプレクサーDMUX1〜DMUXnが設けられる。
【0038】
また液晶基板には、走査線G1〜Gm(ゲート線)とデータ線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1n〜S8n(ソース線)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスターが設けられる。例えば、走査線Gj(jはm以下の自然数)とデータ線S1i(iはn以下の自然数)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスターTji−1が設けられる。
【0039】
そして、例えば薄膜トランジスターTji−1のゲート電極は走査線Gjに接続され、ソース電極はデータ線S1iに接続され、ドレイン電極は画素電極PEji−1に接続される。この画素電極PEji−1と対向電極CE(共通電極、コモン電極)との間には、液晶容量CLji−1(液晶素子、広義には電気光学素子)が形成される。
【0040】
デマルチプレクサーDMUX1〜DMUXnは、データ信号供給線(ソース電圧供給線)に供給された時分割のデータ電圧(またはデータ電流、広義にはデータ信号)をデータ線に分割(分離、デマルチプレクス)して供給する。具体的には、デマルチプレクサーDMUXiは、各データ線に対応するスイッチ素子(複数のデマルチプレクス用スイッチング素子)を含む。そして、データドライバー20からのデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8(マルチプレクス制御信号)によってスイッチ素子がオン・オフ制御され、データ信号供給線Siに供給されたデータ電圧(ソース電圧)がデータ線S1i〜S8iに分割して供給される。
【0041】
なお、図1においては、説明を簡単にするために、データ信号供給線Siに対応するデマルチプレクサーDMUXi及びデータ線S1i〜S8iのみを図示した。また、データ線S1i〜S8iと走査線Gjとの交差点に対応する位置に設けられた薄膜トランジスターのみを図示した。但し、他のデータ信号供給線に対応するデマルチプレクサー及びデータ線、他のデータ線と走査線との交点に対応する位置に設けられた薄膜トランジスターについても同様である。
【0042】
データドライバー20は、画像データ(階調データ)に基づいて時分割のデータ電圧をデータ信号供給線S1〜Snに出力し、データ信号供給線S1〜Snを駆動する。一方、走査ドライバー38は、液晶パネル12の走査線G1〜Gmを走査(順次駆動)する。
【0043】
表示コントローラー40は、データドライバー20、走査ドライバー38及び電源回路50を制御する。例えば、表示コントローラー40は、データドライバー20及び走査ドライバー38に対して、動作モードの設定や内部で生成した垂直同期信号・水平同期信号の供給を行う。表示コントローラー40は、例えば図示しないホストコントローラー(例えば、CPU:Central Processing Unit)により設定された内容に従って、これらの制御を行う。
【0044】
電源回路50は、外部から供給される基準電圧(電源電圧)に基づいて、液晶パネル12の駆動に必要な各種の電圧レベル(例えば、階調電圧生成用の基準電圧)や、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルを生成する。
【0045】
なお図1では、単色表示の液晶パネルにおいて、1本のデータ信号供給線から8本のデータ線にデータ電圧が供給される場合を例に説明した。但し本発明では、1本のデータ信号供給線から他の本数のデータ線にデータ電圧が供給されてもよい。例えば、本発明では、RGB表示の液晶パネルにおいて、1本のデータ信号供給線からR1・G1・B1・R2・G2・B2に対応する6本のデータ線にデータ電圧が供給されてもよい。
【0046】
1.2.データドライバー
図2に、図1のデータドライバー20の構成例を示す。データドライバー20は、シフトレジスター22、ラインラッチ24、26、多重化回路28、基準電圧発生回路30(階調電圧発生回路)、DAC32(Digital-to-Analog Converter、広義にはデータ電圧生成回路)、データ線駆動回路34、マルチプレクス駆動制御部36を含む。
【0047】
シフトレジスター22は、各データ線に対応して設けられ、順次接続された複数のフリップフロップを含む。このシフトレジスター22は、クロック信号CLKに同期して動作し、先頭のフリップフロップがイネーブル入出力信号EIOを保持すると、順次隣接するフリップフロップにイネーブル入出力信号EIOをシフトする。
【0048】
ラインラッチ24には、画像データDIO(階調データ)が入力される。ラインラッチ24は、この画像データDIOを、シフトレジスター22からの順次シフトされたイネーブル入出力信号EIOに同期してラッチする。
【0049】
ラインラッチ26は、水平同期信号LPに同期して、ラインラッチ24でラッチされた1水平走査単位の画像データをラッチする。
【0050】
なお、クロック信号CLK、イネーブル入出力信号EIO、画像データDIO、水平同期信号LPは、例えば表示コントローラー40から入力される。
【0051】
多重化回路28は、ラインラッチ26からの各データ線に対応する画像データを受けて、8本分のデータ線に対応する画像データを時分割多重し、各データ信号供給線に対応する時分割多重された画像データを出力する。多重化回路28は、マルチプレクス駆動制御部36からのマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8に基づいて、画像データを多重化する。
【0052】
マルチプレクス駆動制御部36は、データ電圧の時分割タイミングを規定するマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8を生成する。具体的には、マルチプレクス駆動制御部36はスイッチ信号生成回路37を含み、スイッチ信号生成回路37がマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8を生成する。そして、マルチプレクス駆動制御部36は、デマルチプレクス用スイッチ信号としてマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8をデマルチプレクサーDMUX1〜DMUXnに供給する。
【0053】
基準電圧発生回路30は、複数の基準電圧(階調電圧)を生成し、DAC32に供給する。基準電圧発生回路30は、例えば電源回路50から供給される電圧レベルに基づいて、複数の基準電圧を生成する。
【0054】
DAC32は、デジタルの画像データに基づいて、各データ線に供給すべきアナログの階調電圧を生成する。具体的には、DAC32は、多重化回路28からの時分割多重された画像データと、基準電圧発生回路30からの複数の基準電圧を受けて、時分割多重された画像データに対応する時分割多重された階調電圧を生成する。
【0055】
データ線駆動回路34は、DAC32からの階調電圧をバッファリング(広義にはインピーダンス変換)してデータ信号供給線S1〜Snにデータ電圧を出力し、データ線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1n〜S8nを駆動する。例えば、データ線駆動回路34は、各データ信号供給線に設けられたボルテージフォロワー接続の演算増幅器により、階調電圧をバッファリングする。
【0056】
1.3.マルチプレクス駆動の動作説明
図3、図4に、マルチプレクス駆動回路36の動作説明図を示す。なお図3、図4では、デマルチプレクサーDMUXiの動作例について説明するが、他のデマルチプレクサーの動作についても同様である。
【0057】
図3に、多重化回路28の動作説明図を示す。ここで図3に示すように、データ線S1i〜S8i用の画像データとして、画像データGD1〜GD8がラインラッチ26にラッチされるとする。
【0058】
そうすると、多重化回路28は、図3のA1に示すようにマルチプレクス制御信号SEL1がアクティブとなったときに、A2に示す画像データGD1を、A3に示すように選択して出力する。そして、マルチプレクス制御信号SEL2がアクティブとなったときに、画像データGD2を選択して出力し、マルチプレクス制御信号SEL8がアクティブとなったときに、画像データGD8を選択して出力する。
【0059】
このようにして、多重化回路28は、1水平走査期間内に1度ずつアクティブとなるマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8に基づいて、画像データGD1〜GD8が時分割多重化された多重化データを生成する。
【0060】
DAC32は、時分割多重化された画像データGD1〜GD8を受けて、各画像データに対応する階調電圧を、基準電圧(階調電圧)の中から選択して出力する。そして、DAC32は、時分割多重化された画像データを出力する。
【0061】
図4に、デマルチプレクサーDMUXiの動作説明図を示す。図4に示すように、データ線駆動回路34は、DACからの多重化された階調電圧を受けて、多重化されたデータ電圧V1〜V8を1水平走査期間内に出力する。
【0062】
そして、デマルチプレクサーDMUXiは、図4のB1に示すようにマルチプレクス制御信号SEL1がアクティブのときは、B2に示すデータ電圧V1を、B3に示すようにデータ線S1iに出力する。同様に、デマルチプレクサーDMUXiは、マルチプレクス制御信号SEL2がアクティブのときは、データ電圧V2をデータ線S2iに出力し、マルチプレクス制御信号SEL8がアクティブのときは、データ電圧V8をデータ線S8iに出力する。
【0063】
このようにして、デマルチプレクサーDMUXiは、データ信号供給線Siに供給される多重化されたデータ電圧V1〜V8を分離して、データ線S1i〜S8iに出力する。
【0064】
2.順番オフセット補正
2.1.順番オフセット
図5、図6を用いて、マルチプレクス駆動における順番オフセットについて説明する。図5に液晶パネル(電気光学パネル)の配置構成例を模式的に示す。図5には、3つの画素毎にマルチプレクス駆動される場合を例に図示し、データ線S1i〜S3i及びデータ信号供給線Siを例として配置構成例を図示する。
【0065】
図5に示すように、液晶パネルには、データ線S1i〜S3iが配置される。このデータ線S1i〜S3iには、マルチプレクス駆動される複数の画素が設けられる。例えば、データ線S1iには画素P1i−1、P1i−2が設けられ、データ線S2iには画素P2i−1、P2i−2が設けられ、データ線S3iには画素P3i−1、P3i−2が設けられる。マルチプレクス駆動では、1水平走査期間において例えば画素P1i−1、P2i−1、P3i−1が時分割に駆動される。
【0066】
また、液晶パネルには、データ信号供給線Siが配置される。そして、データ信号供給線Siとデータ線S1i〜S3iとの間には、デマルチプレクサーDMUXiのスイッチ素子(デマルチプレクス用スイッチング素子)として、それぞれトランジスターT1i〜T3i(例えば、N型トランジスター)が設けられる。トランジスターT1i〜T3iのゲート電極には、信号線NS1〜NS3を介してそれぞれマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL3が入力される。
【0067】
ここで、トランジスターT1i〜T3iがオンしてデータ線S1i〜S3iが駆動された後、トランジスターT1i〜T3iがオフすると、トランジスターT1i〜T3iを介してデータ線S1i〜S3iとデータ信号供給線Siとの間にリーク電流Ileak1〜Ileak3が流れる。例えば、このリーク電流Ileak1〜Ileak3は、トランジスターT1i〜T3iがバックライトの光に照らされることによって生じる。
【0068】
そうすると、図6のE1に示すように、マルチプレクス制御信号SEL1が非アクティブとなってトランジスターT1iがオフすると、E2に示すように、データ線S1iの電圧がリーク電流Ileak1により変化する。そして、E3に示すように、データ線S1iのデータ電圧は、最終的に電圧変化量ΔVJA1を含むV1+ΔVJA1となる。同様に、データ線S2i、S3iのデータ電圧は、最終的にV2+ΔVJA2、V3+ΔVJA3となる。
【0069】
このとき、電圧変化量ΔVJA1〜ΔVJA3は、リーク電流Ileak1〜Ileak3が流れる時間の長短に影響され、流れる時間が長いほど大きな電圧変化量となる。そのため、電圧変化量ΔVJA1〜ΔVJA3は、画素の駆動順番(駆動タイミング)によって異なる電圧変化量となる。
【0070】
このように、マルチプレクス駆動において、データ線S1i〜S3iの画素に書き込まれるデータ電圧に、画素の駆動順番によって異なる順番オフセットΔVJA1〜ΔVJA3(誤差、偏差、バラツキ)が生じるという課題がある。
【0071】
また、リーク電流Ileak1〜Ileak3は、画素に書き込まれるデータ電圧やデータ信号供給線Siの電圧に影響され、その大きさが変化する。そのため、順番オフセットΔVJA1〜ΔVJA3が、画像データの階調に対して傾きのある特性のオフセットとなるという課題もある。
【0072】
ここで本実施形態では、各水平走査期間において、画素にプリチャージ電圧Vpreを印加した後に、マルチプレクス駆動を行って画素にデータ電圧を書き込むこともできる。このプリチャージ電圧Vpreは、画素の電圧を初期化したり、データ電圧の書き込み時間を短縮したりするために印加する電圧である。
【0073】
このプリチャージ電圧Vpreの印加後、画素が駆動されるまでの期間において、データ線S1i〜S3iはハイインピーダンス状態に設定される。そのため、プリチャージ電圧Vpreは、画素の液晶容量とデータ線S1i〜S3iの寄生容量とによって保持されることとなる。
【0074】
このとき、画素の液晶容量は、その液晶の配向がプリチャージ電圧Vpreに反応して変化するとともに、容量値が変化する。そうすると、データ線S1i〜S3iがハイインピーダンス状態であることから、画素の液晶容量の変化にともなってデータ線S1i〜S3iの電圧が変化する。例えば、図6のE4に示すように、データ線S1iのデータ電圧は、画素が駆動されるまでの期間に電圧変化量ΔVJB1だけ変化し、Vpre+ΔVJB1となる。同様に、データ線S2i、S3iのデータ電圧は、Vpre+ΔVJB2、Vpre+ΔVJB3となる。
【0075】
このように、電圧変化量ΔVJB1〜ΔVJB3によって画素の駆動開始時の電圧が異なると、画素に書き込まれるデータ電圧の到達点も変化する。例えば、E5に示すように、データ線S1iの画素に書き込まれるデータ電圧は、電圧変化量ΔVJB1によって電圧変化量ΔVJC1だけ変化し、V1+ΔVJC1となる。同様に、データ線S2i、S3iの画素に書き込まれるデータ電圧は、V2+ΔVJC2、V3+ΔVJC3となる。
【0076】
電圧変化量ΔVJB1〜ΔVJB3は、プリチャージ電圧Vpreの印加後、画素が駆動されるまでの期間の長短によって異なる電圧変化量となるため、画素の駆動順番によって異なる電圧変化量となる。そのため、電圧変化量ΔVJC1〜ΔVJC3も、画素の駆動順番によって異なる電圧変化量となる。
【0077】
このように、マルチプレクス駆動において、データ線S1i〜S3iの画素に書き込まれるデータ電圧に、画素の駆動順番によって異なる順番オフセットΔVJC1〜ΔVJC3が生じるという課題もある。
【0078】
そして、これらの順番オフセットΔVJA1〜ΔVJA3、ΔVJC1〜ΔVJC3によって、画素の駆動順番によって画素の輝度値の誤差が生じ、表示画像にスジ(輝度ムラ、色ムラ)が発生するという課題がある。
【0079】
2.2.構成例
上記課題を解決するために、本実施形態の第1の構成例の集積回路装置は、第1〜第n(nは2以上の自然数)のデータ線駆動回路200−1〜200−n(複数のデータ線駆動回路)、第1〜第nの順番オフセット用加算回路260−1〜260−n(複数の順番オフセット用加算回路)、第1〜第nの出力選択回路220−1〜220−n(複数の出力選択回路)、順番オフセット用レジスター270、選択回路280、順番設定回路250を含む。
【0080】
図7には、この第1の構成例のデータ線駆動回路200−1〜200−n、順番オフセット用加算回路260−1〜260−n、出力選択回路220−1〜220−nのうちの、第iのデータ線駆動回路200−i(iはn以下の自然数)、第iの順番オフセット用加算回路260−i、第iの出力選択回路220−iを図示している。そして、以下ではこれらの図示した構成要素を例に説明するものとする。但し、他のデータ線駆動回路、順番オフセット用加算回路、出力選択回路についても同様である。
【0081】
第1の構成例は、データ線駆動回路が1水平走査期間において複数の画素にデータ電圧(またはデータ電流、広義にはデータ信号)を書き込むマルチプレクス駆動を行い、画像データに対して順番オフセット補正値を加算処理して、データ電圧の順番オフセットを補正する回路である。
【0082】
ここで、データ線駆動回路200−iが、1水平走査期間において複数の画素として第1〜第pの画素P1i〜Ppi(pは2以上の自然数)にデータ電圧を書き込むものとする。
【0083】
そうすると、データ線駆動回路200−iは、画素P1i〜Ppiに対応する第1〜第pのデータ線S1i〜Spiを1水平走査期間において時分割に駆動して、画素P1i〜Ppiにデータ電圧を書き込む。データ線駆動回路200−iは、順番オフセット用加算回路260−iからのオフセット加算後データADJiを受けて、データ信号供給線Si(データ電圧供給線、またはデータ電流供給線)を駆動し、画素P1i〜Ppiにデータ電圧を書き込む。
【0084】
順番設定回路250は、画素P1i〜Ppiの駆動順番を設定する。具体的には、第1番目〜第p番目の駆動順番のうちの第何番目の駆動順番であるかを指示する順番指示信号MCOUNTと、その駆動順番において画素P1i〜Ppiのうちのいずれかの画素を選択するかを指示する画素選択信号JSとを出力する。例えば、順番設定回路250は、各水平走査期間において同じ駆動順番を設定してもよく、各水平走査期間において異なる駆動順番を設定するローテーションを行ってもよい。
【0085】
出力選択回路220−iは、画素選択信号JSと画像データGD1i〜GDpiとを受けて、選択画像データQGDiを出力する。具体的には、出力選択回路220−iは、第r番目(rはp以下の自然数)の駆動順番において第qの画素Pqi(qはp以下の自然数)の選択を指示する画素選択信号JSを受けたとき、画像データGDqiを選択し、その画像データGDqiを選択画像データQGDiとして出力する。
【0086】
順番オフセット用レジスター270は、順番オフセット用設定値OJ1〜OJpを記憶する。例えば、順番オフセット用レジスター270は、順番オフセット用設定値OJ1〜OJpとして、後述する第1〜第pの順番オフセット用定数値OJL1〜OJLpと第1〜第pの順番オフセット用係数値OJM1〜OJMpとを記憶する。順番オフセット用レジスター270には、例えば図示しないホストコントローラー(CPU)から順番オフセット用設定値OJ1〜OJpが設定される。
【0087】
選択回路280は、順番指示信号MCOUNTと順番オフセット用設定値OJ1〜OJpとを受けて、選択オフセット設定値QOJを出力する。具体的には、選択回路280は、第r番目の駆動順番を指示する順番指示信号MCOUNTを受けたとき、順番オフセット用設定値Ojrを選択し、その順番オフセット用設定値OJrを選択オフセット設定値QOJとして出力する。
【0088】
順番オフセット用加算回路260−iは、選択オフセット設定値QOJと選択画像データQGDiとを受けて、順番オフセット補正値ΔOJiを求める。そして、選択画像データQGDiと順番オフセット補正値ΔOJiとを加算処理し、加算処理後の画像データを加算画像データADJiとして出力する。例えば、データ線駆動回路200−iが、1水平走査期間において第r番目に画素Pqiを駆動するときを考える。このとき、順番オフセット用加算回路260−iには、選択オフセット設定値QOJとして、例えば順番オフセット用定数値OJLrと順番オフセット用係数値OJMrが入力される。そして、順番オフセット用加算回路260−iは、順番オフセット補正値ΔOJi=OJLr+OJMr×GDqiを求め、加算画像データADGi=GDqi+ΔOJiを出力する。
【0089】
ここで、選択画像データQGDiと順番オフセット用補正値ΔOJiとの加算処理は、選択画像データQGDiと順番オフセット補正値ΔOJiとの単純な加算処理に限定されず、さらに他のデータとの加算処理が行われてもよく、他のデータとの乗算処理が行われてもよい。
【0090】
なお本発明の集積回路装置は、図7の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば、選択回路280等)を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
【0091】
2.3.順番オフセット補正の動作
図8を用いて、第1の構成例の動作例を具体的に説明する。図8では、データ線駆動回路200−iにより、1水平走査期間において画素P1i〜P8i(p=8)にデータ電圧が書き込まれる場合を例に説明する。
【0092】
この場合、画素P1i〜P8iの駆動順番として、1水平走査期間における第1番目〜第8番目の駆動順番が設定される。例えば、図8のF1に示す画素P5i(画素Pqi、q=5)の駆動順番として、F2に示す第2番目(第r番目)の駆動順番が設定される。
【0093】
このとき、F3に示すように、画素P5iの選択を指示する画素選択信号JSが出力される。そして、F4に示すように、この画素選択信号JSに基づいて画像データGD5i(GDqi)が選択され、選択画像データQGDi=GD5iが出力される。
【0094】
一方、F5に示すように、第2番目(第r番目)の駆動順番を指示する順番指示信号MCOUNTが出力される。そして、F6に示すように、この順番指示信号MCOUNTに基づいて順番オフセット用設定値OJ2(OJr)が選択され、選択オフセット設定値QOJ=OJ2が出力される。
【0095】
そして、選択オフセット設定値OJ2と選択画像データGD5iとに基づいて、加算画像データADGiが出力される。この加算画像データADGiに基づいて、F7に示すように、データ線S5i(Sqi)が駆動される。
【0096】
ところで上述したように、マルチプレクス駆動では、画素P1i〜Ppiに書き込まれるデータ電圧に、画素P1i〜Ppiの駆動順番によって異なる順番オフセットΔVJ1〜ΔVJqが生じるという課題がある(例えば図6のΔVJA1〜ΔVJA3、ΔVJC1〜ΔVJC3)。そして、この順番オフセットΔVJ1〜ΔVJqによって表示画像にスジが発生するという課題がある。
【0097】
この点、本実施形態によれば、順番オフセット用レジスター270が、第1番目〜第p番目の駆動順番に対応付けられた順番オフセット用設定値OJ1〜OJpを記憶し、順番設定回路250が、画素P1i〜Ppiの駆動順番を設定する。そして、データ線駆動回路200−iが、その駆動順番に従って、画素Pqiを第r番目の駆動順番に駆動するときに、順番オフセット用加算回路260−iが、順番オフセット用設定値OJrに基づいて第r番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値ΔOJiを求め、その順番オフセット補正値ΔOJiを画像データGDqiに対して加算処理し、加算処理後の画像データADGiをデータ線駆動回路200−iに出力する。
【0098】
本実施形態によれば、順番オフセット用レジスター270が、第1番目〜第p番目の駆動順番に対応付けられた順番オフセット用設定値OJ1〜OJpを記憶し、順番設定回路250が、画素P1i〜Ppiの駆動順番を設定する。これにより、画素P1i〜Ppiの駆動順番を設定し、順番オフセット用設定値OJrに基づいて第r番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値ΔOJiを求めることができる。
【0099】
また、本実施形態によれば、データ線駆動回路200−iが、画素Pqiを第r番目の駆動順番に駆動するときに、順番オフセット用加算回路260−iが、第r番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値ΔOJiを画像データGDqiに対して加算処理する。これにより、画素P1i〜Ppiに書き込まれるデータ電圧の順番オフセットΔVJ1〜ΔVJqを補正できる。そのため、順番オフセットΔVJ1〜ΔVJqによる表示画像のスジの発生を防止できる。
【0100】
本発明に関係する技術として、上述の特許文献1には、マルチプレクス駆動におけるローテーションの手法が開示されている。具体的には、画素の駆動順番を各水平走査期間で異なる順番に設定するローテーションを行うことで、データ電圧のオフセットによる表示ムラを平均化する手法が開示されている。
【0101】
しかしながら、この手法では、マルチプレクス駆動される画素数が増加するほどローテーションの周期(同じ駆動順番に戻る水平走査期間数)が長くなり、平均化の周期も長くなる。そのため、ローテーションのパターンが斜めスジ等の表示ムラとして見えるという課題がある。
【0102】
この点、本実施形態によれば、順番オフセット補正値ΔOJiを画像データに対して加算処理することで、データ電圧の順番オフセットを補正できる。これにより、ローテーションの有無に関わらず、順番オフセットによる表示ムラ自体を防止できる。このようにして、マルチプレクス駆動される画素数が増加したときでも、順番オフセットによる表示ムラを防止できる。
【0103】
ここで、図6等で説明したように、マルチプレクス駆動では、順番オフセットΔVJ1〜ΔVJqが画像データの階調に対して傾きのある特性のオフセットとなるという課題もある。
【0104】
図9(A)〜図9(C)を用いて具体的に説明する。図9(A)〜図9(C)では、データ線駆動回路200−iが1水平走査期間において画素P1i〜P6i(p=6)を駆動する場合を例に説明する。
【0105】
図9(A)に示すように、G1に示す理想的なデータ電圧特性に対して、G2に示す画素P1i〜P6iに書き込まれるデータ電圧の電圧特性は、順番オフセットを含む電圧特性となる。
【0106】
この点、本実施形態によれば、順番オフセット用レジスター270が、順番オフセット用設定値OJ1〜OJpとして順番オフセット用定数値OJL1〜OJLpを記憶し、順番オフセット用加算回路260−iが、画像データGDqiに対して、順番オフセット用定数値OJLrを順番オフセット補正値ΔOJiとして加算処理してもよい。
【0107】
このようにすれば、画像データGDqiに対して順番オフセット用定数値OJLrを加算処理することで、画像データの階調に対して定数値である特性の順番オフセットを補正できる。例えば図9(B)のG3に示すように、0階調における順番オフセットを補正することで、画素P1i〜P6iのデータ電圧特性を理想的なデータ電圧特性に近づけることができる。
【0108】
しかしながら、G4に示すように、順番オフセットが画像データの階調に対して傾きのある特性となる場合がある。このとき、画素P1i〜P6iのデータ電圧特性は、その傾きの分だけ順番オフセットを含む電圧特性となる。
【0109】
この点、本実施形態によれば、順番オフセット用レジスター270が、順番オフセット用設定値OJ1〜OJpとして順番オフセット用係数値OJM1〜OJMpを記憶し、順番オフセット用加算回路260−iが、画像データGDqiに対して、順番オフセット用係数値OGMrを画像データGDqiに乗算処理した値を順番オフセット補正値ΔOJiとして加算処理してもよい。
【0110】
このようにすれば、画像データGDqiに対して、順番オフセット用係数値OGMrを画像データGDqiに乗算処理した値を加算処理することで、画像データの階調に対して傾きのある特性の順番オフセットを補正できる。このようにして、図9(C)のG5に示すように、画素P1i〜P6iのデータ電圧特性を理想的なデータ電圧特性に近づけることができる。
【0111】
ここで、本実施形態では、出力選択回路220−iを含んでもよい。そして、データ線駆動回路200−iが、第qの画素Pqiを第r番目に駆動するときに、出力選択回路220−iが、画素Pqiの選択を指示する画素選択信号JSを受けて、画像データGDqiを出力し、順番オフセット用加算回路260−iが、画像データGDqiに対して、順番オフセット用設定値OJrに基づく順番オフセット用補正値ΔOJiを加算処理してもよい。
【0112】
このようにすれば、画素Pqiが第r番目に駆動されるときに、第r番目の駆動順番に対応する順番オフセット補正値ΔOJiを求めることができる。そして、画像データGDqiに対して、その順番オフセット補正値ΔOJiを加算処理することで、第r番目の駆動順番に対応する順番オフセットΔVJrを補正できる。
【0113】
図5等で説明したように、本実施形態では、電気光学パネルを含んでもよい。そして、その電気光学パネルには、マルチプレクス駆動される複数の画素と、その複数の画素に対応する複数のデータ線と、その複数のデータ線に対して、データ信号供給線に供給されるデータ電圧をデマルチプレクスするための複数のスイッチ素子とが配置されてもよい。
【0114】
本実施形態によれば、このような液晶パネルを含む場合においても、データ電圧の順番オフセットを補正できる。具体的には、スイッチ素子のリーク電流等によって生じるデータ電圧の順番オフセットを補正できる。
【0115】
3.位置オフセット補正
3.1.位置オフセット
図10、図11を用いて、マルチプレクス駆動における位置オフセットについて説明する。図10に液晶パネルの配置構成例を模式的に示す。図10には、3つの画素毎にマルチプレクス駆動される場合を例に図示し、データ線S1i〜S3i及びデータ信号供給線Siを例として配置構成例を図示する。なお、図10に示す容量Cs1〜Cs3、Cd1〜Cd3、Cp12、Cp23は、寄生容量を模式的に示したものであり、液晶パネル上に実在する構成要素ではない。
【0116】
ここで、図10に示すように、第1の方向D1に直交する方向を第2の方向D2とし、方向D1の反対方向を第3の方向D3とし、方向D2の反対方向を第4の方向D4とする。
【0117】
そうすると、データ線S1i〜S3iは、方向D2(またはD4)に沿って配線され、方向D1(D3)に沿った方向に順次配置される。このデータ線S1i〜S3iには、画素P1i−1〜P3i−1、P1i−2〜P3i−2が設けられる。
【0118】
データ線S1i〜S3iとデータ信号供給線Siとの間には、トランジスターT1i〜T3iが設けられる。トランジスターT1i〜T3iのゲート電極には、信号線NS1〜NS3を介してそれぞれマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL3が入力される。この信号線NS1〜NS3は、方向D1(またはD3)に沿って配線され、方向D2(D4)に沿った方向に順次配置される。
【0119】
このとき、トランジスターT1i〜T3iの各電極に接続される配線間には、寄生容量としてゲート−ソース間容量とゲート−ドレイン間容量が生じる。例えば、図10に示すように、信号線NS1〜NS3とデータ信号供給線Siとの間には、ゲート−ソース間容量Cs1〜Cs3が生じ、信号線NS1〜NS3とデータ線S1i〜S3iとの間には、ゲート−ドレイン間容量Cd1〜Cd3が生じる。
【0120】
また、信号線NS1〜NS3は液晶基板上を並走しているため、信号線NS1〜NS3の間には配線間寄生容量が生じる。例えば、図10に示すように、信号線NS1と信号線NS2との間には寄生容量Cp12が生じ、信号線NS2と信号線NS3との間には寄生容量Cp23が生じる。
【0121】
そして、寄生容量Cp12、Cp23が生じることで、中間に位置する信号線NS2には負荷として容量Cp12、Cp23が見え、端に位置する信号線NS1には、信号線NS2の負荷より小さい容量Cp12が見える。もう一方の端に位置する信号線NS3にも、信号線NS2の負荷より小さい容量Cp23が見える。
【0122】
そうすると、図11のC1に示すように、マルチプレクス制御信号SEL2の立ち下がりエッジ(アクティブから非アクティブへの変化エッジ)は、C2、C3に示す負荷の小さいマルチプレクス制御信号SEL1、SEL3の立ち下がりエッジよりも、緩やかに変化する。
【0123】
マルチプレクス制御信号SEL1〜SEL3が立ち下がる(非アクティブになる)とき、トランジスターT1i〜T3iの寄生容量Cs1〜Cs3、Cd1〜Cd3を介して、データ線S1i〜S3iの電圧はプッシュダウン(電圧カップリング)により変化する。このとき、立ち下がりエッジの緩急によって、プッシュダウンによる電圧の変化量が異なる。そのため、図11のC4に示すデータ線S2iの電圧変化量ΔVG2と、C5、C6に示すデータ線S1i、S3iの電圧変化量ΔVG1、ΔVG3とは、大きさの異なる電圧変化量となる。
【0124】
そして、データ線S2iの画素には、オフセットΔVG2(誤差、偏差、バラツキ)を含むデータ電圧V2−ΔVG2が書き込まれる。また、データ線S1i、S3iの画素には、ΔVG2とは大きさの異なるオフセットΔVG1、ΔVG3を含むデータ電圧V1−ΔVG1、V3−ΔVG3が書き込まれる。上述のように、これらのオフセットΔVG1〜ΔVG3は、信号線NS1〜NS3の位置によって大きさが異なっている。そのため結果的に、データ線S1i〜S3iの画素に書き込まれるデータ電圧には、画素の位置によって大きさの異なる位置オフセットΔVG1〜ΔVG3(誤差、偏差、バラツキ)が含まれることとなる。
【0125】
このように、マルチプレクス駆動では、1水平走査期間において複数の画素に書き込まれるデータ電圧に、画素の位置によって異なる位置オフセットが生じるという課題がある。そして、この位置オフセットによって、データ線毎に画素の輝度値の誤差が生じ、表示画像にスジ(表示ムラ、輝度ムラ、色ムラ)が発生するという課題がある。
【0126】
3.2.構成例
上記の課題を解決するために、本実施形態の第2の構成例の集積回路装置は、第1〜第nのデータ線駆動回路200−1〜200−n(複数のデータ線駆動回路)、第1〜第nの位置オフセット用加算回路210−1〜210−n(複数の位置オフセット用加算回路)、第1〜第nの出力選択回路220−1〜220−n(複数の出力選択回路)、位置オフセット用レジスター230、選択回路240、順番設定回路250を含む。
【0127】
図12には、図7と同様に、この第2の構成例の第iのデータ線駆動回路200−i、第iの位置オフセット用加算回路210−i、第iの出力選択回路220−iを図示している。そして、以下では、これらの図示した構成要素を例に説明するものとする。また以下では、図7等で説明したデータ線駆動回路等の各構成要素には、同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
【0128】
第2の構成例は、データ線駆動回路が1水平走査期間において画素P1i〜Ppi(複数の画素)にデータ電圧(またはデータ電流、広義にはデータ信号)を書き込むマルチプレクス駆動を行い、少なくとも画素P1i、Ppiに対応する画像データに対して位置オフセット補正値を加算処理して、データ電圧の位置オフセットを補正する回路である。
【0129】
なお以下では、少なくとも画素P1i、Ppiに対応する画像データとして、画像データGD1i〜GDpiに対して、位置オフセット補正値を加算処理する場合を例に説明する。但し本発明では、少なくとも画素P1i、Ppiに対応する画像データとして、画像データGD1i、GDpiに対して位置オフセット補正値を加算処理してもよい。
【0130】
順番設定回路250は、画素P1i〜Ppiのうちのいずれかの画素を選択するかを指示する画素選択信号JSを出力する。
【0131】
出力選択回路220−iは、画素Pqiの選択を指示する画素選択信号JSを受けたとき、画像データGDqiを選択し、その画像データGDqiを選択画像データQGDiとして出力する。
【0132】
位置オフセット用レジスター230は、位置オフセット用設定値OG1〜OGpを記憶する。例えば、位置オフセット用レジスター230は、位置オフセット用設定値OG1〜OGpとして、後述する第1〜第pの位置オフセット用定数値OGL1〜OGLpと第1〜第pの位置オフセット用係数値OGM1〜OGMpとを記憶する。位置オフセット用レジスター230には、例えば図示しないホストコントローラー(CPU)から位置オフセット用設定値OG1〜OGpが設定される。
【0133】
選択回路240は、画素選択信号JSと位置オフセット用設定値OG1〜OGpとを受けて、選択オフセット設定値QOGを出力する。具体的には、選択回路240は、画素Pqiの選択を指示する画素選択信号JSを受けたとき、位置オフセット用設定値OGqを選択し、その位置オフセット用設定値OGqを選択オフセット設定値QOGとして出力する。
【0134】
位置オフセット用加算回路210−iは、選択オフセット設定値QOGと選択画像データQGDiとを受けて、位置オフセット補正値ΔOGiを求める。そして、選択画像データQGDiと位置オフセット補正値ΔOGiとを加算処理し、加算処理後の画像データを加算画像データADGiとして出力する。例えば、データ線駆動回路200−iが画素Pqiを駆動するときを考える。このとき、位置オフセット用加算回路210−iは、例えば位置オフセット用定数値OGLqと位置オフセット用係数値OGMqとを受けて、位置オフセット補正値ΔOGi=OGLq+OGMq×GDqiを求める。そして、加算画像データADGi=GDqi+ΔOGiを出力する。
【0135】
ここで、選択画像データQGDiと位置オフセット補正値ΔOGiとの加算処理は、選択画像データQGDiと位置オフセット補正値ΔOGiとの単純な加算処理に限定されず、さらに他のデータとの加算処理が行われてもよく、他のデータとの乗算処理が行われてもよい。
【0136】
なお本発明の集積回路装置は、図12の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば、選択回路240等)を省略したり、他の構成要素を追加したりする等の種々の変形実施が可能である。
【0137】
3.3.位置オフセット補正の動作
図13を用いて、第2の構成例の動作例を具体的に説明する。図13では、データ線駆動回路200−iにより、1水平走査期間において画素P1i〜P8i(p=8)にデータ電圧が書き込まれる場合を例に説明する。
【0138】
この場合、画素P1i〜P8iの駆動順番として、1水平走査期間における第1番目〜第8番目の駆動順番(第1〜第8の駆動期間)が設定される。例えば、図13のD1に示す画素P5i(画素Pqi、q=5)の駆動順番として、D2に示す第2番目の駆動順番が設定される。
【0139】
このとき、D3に示すように、画素P5iの選択を指示する画素選択信号JSが出力される。この画素選択信号JSに基づいて、D4に示すように、画像データGD5i(GDqi)が選択され、選択画像データQGDi=GD5iが出力される。D5に示すように、位置オフセット用設定値OG5(OGq)が選択され、選択オフセット設定値QOG=OG5が出力される。
【0140】
そして、選択オフセット設定値OG5と選択画像データGD5iとに基づいて、加算画像データADGiが出力される。この加算画像データADGiに基づいて、D6に示すように、データ線S5i(Sqi)が駆動される。
【0141】
ところで上述したように、マルチプレクス駆動では、画素P1i〜Ppiに書き込まれるデータ電圧に、画素P1i〜Ppiの位置によって異なる位置オフセットΔVG1〜ΔVGqが生じるという課題がある(例えば図11のΔVG1〜ΔVG3、q=3)。そして、この位置オフセットΔVG1〜ΔVGqによって表示画像にスジが発生するという課題がある。
【0142】
この点、本実施形態によれば、位置オフセット用レジスター230が、画素P1i、Ppiに対応する位置オフセット用設定値OG1、OGpを少なくとも記憶し、位置オフセット用加算回路210−iが、その位置オフセット用設定値に基づいて画素P1i、Ppiに対応する位置オフセット補正値ΔOGiを少なくとも求め、その位置オフセット補正値ΔOGiを画像データGD1i、GDpiに対して少なくとも加算処理し、データ線駆動回路200−iが、その加算処理後の画像データADGiを受けて、画素P1i〜Ppiにデータ電圧を書き込む。
【0143】
本実施形態によれば、画素P1i、Ppiに対応する位置オフセット用設定値OG1、OGpを少なくとも記憶することで、その位置オフセット用設定値に基づいて画素P1i、Ppiに対応する位置オフセット補正値ΔOGiを少なくとも求めることができる。そして、その位置オフセット補正値ΔOGiを画像データGD1i、GDpiに対して少なくとも加算処理することで、画素P1i〜Ppiに書き込まれるデータ電圧の位置オフセットΔVG1〜ΔVGqを補正できる。これにより、表示画像にスジが発生することを防止して、画質を向上できる。
【0144】
ここで、図11等で説明したように、画素P1i〜Ppiの両端の画素P1i、Ppiと中間の画素P2i〜Pp-1iとでは、異なる大きさの位置オフセットが生じる(例えば、図11のΔVG1及びΔVG3と、ΔVG2)。
【0145】
この点、本実施形態によれば、位置オフセット用レジスター230が、少なくとも記憶する位置オフセット用設定値として、位置オフセット用設定値OG1、OGpだけを記憶してもよい。そして、位置オフセット用加算回路210−iが、その位置オフセット用設定値OG1、OGpに基づいてΔOGiを求め、その位置オフセット補正値ΔOGiを画像データGD1i、GDpiに対して加算処理してもよい。
【0146】
このようにすれば、両端の画素P1i、Ppiに対応する位置オフセット補正値ΔOGiを求めることができる。そして、その位置オフセット補正値ΔOGiを、両端の画素P1i、Ppiに対応する画像データGD1i、GDpiに対して加算処理することができる。これにより、両端の画素P1i、Ppiと中間の画素P2i〜Pp-1iとのオフセット差を解消し、位置オフセットΔVG1〜ΔVGqを補正できる。
【0147】
また、本実施形態では、位置オフセット用レジスター230が、少なくとも記憶する位置オフセット用設定値として、さらに位置オフセット用設定値OG2〜OGp-1を記憶してもよい。そして、位置オフセット用加算回路210−iが、その位置オフセット用設定値OG2〜OGp-1に基づいて位置オフセット用補正値ΔOGiを求め、その位置オフセット補正値ΔOGiを画像データGD2i〜GDp-1iに対して加算処理してもよい。
【0148】
このようにすれば、画素P1i〜Ppiに対応する位置オフセット用補正値ΔOGiを求めることができる。そして、その位置オフセット補正値ΔOGiを画像データGD1i〜GDpiに対して加算処理することで、位置オフセットΔVG1〜ΔVGqを補正できる。これにより、様々な状態の位置オフセットΔVG1〜ΔVGqに対して、適切に補正を行うことができる。
【0149】
ここで、本実施形態では、位置オフセット用レジスター230が、少なくとも記憶する位置オフセット用設定値として、位置オフセット用定数値OGL1、OGLpを少なくとも記憶してもよい。そして、位置オフセット用加算回路210−iが、画像データGD1、GDpに対して、それぞれ位置オフセット用定数値OGM1、OGMpを位置オフセット補正値ΔOGiとして少なくとも加算処理してもよい。
【0150】
また、本実施形態では、位置オフセット用レジスター230が、少なくとも記憶する位置オフセット用設定値として、位置オフセット用係数値OGM1、OGMpを少なくとも記憶してもよい。そして、位置オフセット用加算回路210−iが、画像データGD1、GDpに対して、それぞれ位置オフセット用係数値OGM1、OGMpと画像データGD1、GDpとを乗算処理した値を位置オフセット補正値ΔOGiとして少なくとも加算処理してもよい。
【0151】
このようにすれば、位置オフセット用設定値に基づいて位置オフセット用補正値ΔOGiを求め、その位置オフセット補正値ΔOGiによって位置オフセットを補正できる。
【0152】
また本実施形態によれば、位置オフセット用係数値OGM1、OGMpと画像データGD1、GDpとを乗算処理した値を位置オフセット補正値ΔOGiとして少なくとも求めることができる。これにより、画像データの階調に対する位置オフセットの特性に傾きがある場合でも、その位置オフセットの特性の傾きを補正できる。
【0153】
ここで、本実施形態では、画素P1i〜Ppiの駆動順番を設定する順番設定回路250と、出力選択回路220−iとを含んでもよい。そして、データ線駆動回路200−iが画素Pqiを駆動するときに、出力選択回路220−iが、画素Pqiの選択を指示する画素選択信号JSを受けて、画像データGDqiを出力し、位置オフセット用加算回路210−iが、画像データGDqiに対して、位置オフセット用設定値OGqに基づく位置オフセット用補正値ΔOGiを加算処理してもよい。
【0154】
このようにすれば、画素Pqiが駆動されるときに、画素Pqiに対応する位置オフセット補正値ΔOGiを求めることができる。そして、画素Pqiに対応する画像データGDqiに対して、その位置オフセット補正値ΔOGiを加算処理することで、画素Pqiのデータ電圧の位置オフセットΔVGqを補正できる。
【0155】
図10等で説明したように、本実施形態では、液晶パネル(電気光学パネル)を含んでもよい。そして、その液晶パネルには、マルチプレクス駆動される画素P1i−1〜P3i−1、P1i−2〜P3i−2と、その画素P1i−1〜P3i−1、P1i−2〜P3i−2に対応するデータ線S1i〜S3iと、データ信号供給線Siに供給されるデータ電圧を、そのデータ線S1i〜S3iに対してデマルチプレクスするためのスイッチ素子T1i〜T3iと、そのスイッチ素子T1i〜T3iのオン・オフを制御するための、方向D1に沿って配置される信号線NS1〜NS3とが配置されてもよい。
【0156】
本実施形態によれば、このような液晶パネルを含む場合においても、データ電圧の位置オフセットを補正できる。具体的には、スイッチ素子T1i〜T3iの寄生容量、信号線NS1〜NS3の寄生容量によって生じるデータ電圧の位置オフセットを補正できる。
【0157】
3.4.順番オフセット補正との組み合わせ
本実施形態の第3の構成例の集積回路装置は、第1〜第nのデータ線駆動回路200−1〜200−n、第1〜第nの位置オフセット用加算回路210−1〜210−n、位置オフセット用レジスター230、選択回路240、第1〜第nの順番オフセット用加算回路260−1〜260−n、順番オフセット用レジスター270、選択回路280、第1〜第nの出力選択回路220−1〜220−n、順番設定回路250を含む。
【0158】
図14には、この第3の構成例の第iのデータ線駆動回路200−i、第iの位置オフセット用加算回路210−i、第iの順番オフセット用加算回路260−i、第iの出力選択回路220−iを図示している。そして以下では、これらの図示した構成要素を例に説明する。なお以下では、図7、図12等で説明したデータ線駆動回路等の各構成要素には、同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
【0159】
この第3の構成例は、順番オフセット補正値ΔOJiと位置オフセット用補正値ΔOGiとを画像データGD1i〜GDpiに加算処理することで、データ電圧の順番オフセットと位置オフセットとを補正する。
【0160】
具体的には、出力選択回路220−iは、順番設定回路250からの画素Pqiの選択を指示する画素選択信号JSを受けて、選択画像データQGDi=GDqiを出力する。
【0161】
選択回路280は、順番オフセット用レジスター270からの順番オフセット用設定値OJ1〜OJpと、順番設定回路250からの第r番目の駆動順番を指示する順番指示信号MCOUNTとを受けて、選択オフセット設定値QOJ=OJrを出力する。そして、順番オフセット用加算回路260−iは、選択オフセット設定値QOJ=OJrと選択画像データQGDi=GDqiとを受けて、加算画像データADJi=GDqi+ΔOJiを出力する。
【0162】
選択回路240は、位置オフセット用レジスター230からの位置オフセット用設定値OG1〜OGpと、順番設定回路250からの画素Pqiの選択を指示する画素選択信号JSとを受けて、選択オフセット設定値QOG=OGqを出力する。そして、位置オフセット用加算回路210−iは、選択オフセット設定値QOG=OGqと加算画像データADJi=GDqi+ΔOJiとを受けて、加算画像データADGi=GDqi+ΔOJi+ΔOGiを出力する。
【0163】
データ線駆動回路200−iは、加算画像データADGi=GDqi+ΔOJi+ΔOGiを受けて、対応するデータ電圧をデータ信号供給線Siに出力し、画素P1i〜Ppiを駆動する。
【0164】
このようにして、画素P1i〜Ppiに書き込まれるデータ電圧に生じる順番オフセットと位置オフセットとを補正することができる。
【0165】
4.順番設定回路、出力選択回路、オフセット加算回路
4.1.順番設定回路
図15に、順番設定回路250の構成例を示す。この構成例は、マルチプレクスカウンター300、水平同期カウンター310、加算回路320、デコーダー330、340を含む。なお以下では、説明を簡単にするために、8個の画素の駆動順番を設定する場合を例に説明する。
【0166】
マルチプレクスカウンター300は、例えばマルチプレクス駆動制御部36からのマルチプレクス用クロックMXCLKを受けて、クロックMXCLKのクロック数をカウントし、カウント値MC[2:0]を出力する。
【0167】
デコーダー330は、カウント値MC[2:0]を受けて、カウント値MC[2:0]をデコードし、順番指示信号RS1〜RS8(MCOUNT)を出力する。
【0168】
水平同期カウンター310は、水平同期信号HSYNCを受けて、水平同期信号HSYNCの個数をカウントし、カウント値HC[2:0]を出力する。
【0169】
加算回路320は、カウント値MC[2:0]とカウント値HC[2:0]とを受けて、カウント値MC[2:0]とカウント値HC[2:0]とを加算処理し、加算カウント値Q[2:0]を出力する。
【0170】
デコーダー340は、ローテーションデータROT[2:0]を受けて、ローテーションデータROT[2:0]をデコードし、画素選択信号OE1〜OE8(JS)を出力する。デコーダー340には、ローテーションデータROT[2:0]として、加算カウント値Q[2:0]の上位ビットと下位ビットが入れ替えられたROT[2:0]=Q[0:2]が入力される。
【0171】
なお、加算カウント値が他のビット数である場合も含めれば、加算カウント値の下位側ビット列が反転されて上位側ビット列に設定され、加算カウント値の上位側ビット列が反転されて下位側ビット列に設定されたローテーションデータが入力される。例えば、4ビットの加算カウント値Q[3:0]であれば、上位側ビット列がROT[3:2]=Q[0:1]に設定され、下位側ビット列がROT[1:0]=Q[2:3]に設定されたローテーションデータROT[3:0]が入力される。
【0172】
図16(A)、図16(B)、図17(A)、図17(B)を用いて、順番設定回路250の動作例について具体的に説明する。図16(A)に、HC[2:0]=0のときの動作例を示す。
【0173】
図16(A)のH1に示すように、MC[2:0]=1のとき、H2に示すように、Q[2:0]=1が出力される。2進数ではQ[2:0]=(0,0,1)であるから、ROT[2:0]=Q[0:2]=(1,0,0)となる。そして、H3に示すように、ROT[2:0]=4が出力される。
【0174】
同様にして、図16(B)のH4に示すように、HC[2:0]=0において、MC[2:0]=1,2,3,・・・に対応してROT[2:0]=4,2,6,・・・が出力される。また、H5に示すように、HC[2:0]=1において、MC[2:0]=0,1,2,・・・に対応してROT[2:0]=4,2,6,・・・が出力される。このように、HC[2:0]のカウントアップ(またはカウントダウン)に従って、MC[2:0]に対してROT[2:0]が巡回する。
【0175】
このようにして、画素の駆動順番を設定することができる。そして、ローテーションデータROT[2:0]を生成することで、画素の駆動順番をローテーションすることができる。
【0176】
図17(A)に、デコーダー330の動作例を示す。例えば、カウント値MC[2:0]=1のとき、カウント値MC[2:0]=1に対応する順番指示信号RS1がアクティブにされ、それ以外の順番指示信号RS2〜RS8が非アクティブにされる。このようにして、第1番目〜第8番目の駆動順番を指示する順番指示信号RS1〜RS8が出力される。
【0177】
図17(B)に、デコーダー340の動作例を示す。例えば、カウント値HC[2:0]=1のとき、カウント値HC[2:0]=1に対応する画素選択信号OE1がアクティブにされ、それ以外の画素選択信号OE2〜OE8が非アクティブにされる。このようにして、第1〜第8の画素の選択を指示する画素選択信号OE1〜OE8が出力される。
【0178】
4.2.出力選択回路
図18に、出力選択回路220−iの構成例を示す。この構成例は、第1〜第pのラッチLT1〜LTp、第1〜第pのスイッチ素子SWO1〜SWOpを含む。
【0179】
ラッチLT1〜LTpは、例えば図1の表示コントローラー40からのラッチパルスLPOを受けて、画像データGD1i〜GDpiをラッチする。
【0180】
スイッチ素子SWO1〜SWOpは、画素選択信号OE1〜OEpを受けて、画素選択信号OE1〜OEpによりオン・オフ制御される。例えば、画素選択信号OE1がアクティブにされると、スイッチ素子SWO1がオンする。そして、ラッチLT1にラッチされた画像データGD1iが、選択画像データQGDiとして出力される。
【0181】
このようにして、順番設定回路250からの画素選択信号OE1〜OEp(JS)に基づいて、画像データGD1i〜GDpiのいずれかを選択して出力できる。
【0182】
4.3.順番オフセット用加算回路、位置オフセット用加算回路
図19に、順番オフセット用加算回路260−iの構成例を示す。この構成例は、第1、第2の加算回路ADD1、ADD2、乗算回路MLを含む。なお、位置オフセット用加算回路210−iも同様に構成できるため、以下では順番オフセット用加算回路260−iを例に説明する。
【0183】
乗算回路MLは、画像データGDINと順番オフセット用係数値OJM(または位置オフセット用加算回路のとき、位置オフセット用係数値OGM)とを乗算処理し、その乗算処理後の画像データQMLを出力する。
【0184】
加算回路ADD1は、画像データGDINと画像データQMLとを加算処理し、加算処理後の画像データQAD1を出力する。
【0185】
加算回路ADD2は、画像データQAD1と順番オフセット用定数値OJL(位置オフセット用定数値OGL)とを加算処理し、加算処理後の画像データQAD2を出力する。
【0186】
このようにして、画像データGDINに対して順番オフセット用定数値OJL(位置オフセット用定数値OGL)を加算処理できる。また、画像データGDINに対して、画像データGDINと順番オフセット用係数値OJM(位置オフセット用係数値OGM)とを乗算処理した値を加算処理できる。
【0187】
5.データ線駆動回路の出力電圧のバラツキ補正
5.1.構成例
図20に本実施形態の第4の構成例を示す。第4の構成例は、第1〜第nのデータ線駆動回路140−1〜140−n(複数のデータ線駆動回路)、第1〜第nの補正回路160−1〜160−n(複数の補正回路)、コンパレーター180、制御部100、選択回路120を含む。制御部100は、補正データ演算部102を含む。なお、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
【0188】
第4の構成例は、データ線駆動回路の出力電圧(データ電圧)のバラツキ(偏差、誤差)をリアルタイムに検出して補正データを求め、その補正データに基づいて画像データを補正し、データ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正する回路である。例えば、第4の構成例は、オペアンプのオフセットバラツキやDACの特性バラツキによって生じるデータ線駆動回路の出力電圧のバラツキをリアルタイムに補正できる。
【0189】
具体的には、第4の構成例は、補正データ演算モードにおいて、バラツキ補正用の第1〜第nの補正データCD1〜CDnを求め、通常動作モードにおいて、補正データCD1〜CDnで第1〜第nの画像データPD1〜PDnを補正処理する。
【0190】
最初に、補正データ演算モードについて説明する。補正データ演算モードは、例えば、垂直走査期間の最初(または最後)において画像表示されない期間(非表示期間)や、電子機器の電源投入時等において画像表示が行われない期間(表示準備期間)等に実行される。
【0191】
補正データ演算モードにおいて、補正データ演算部102は、測定用データMDを所定の範囲で順次変化させて補正回路160−1〜160−nに出力する。例えば、補正データ演算部102は、測定用データMDとして測定用階調データMGD1〜MGDk(kは自然数)を1データずつ順次出力する。
【0192】
補正回路160−1〜160−nは、補正データ演算部102からの測定用データMDを受けて、測定用データMDをデータ線駆動回路140−1〜140−nに出力する。
【0193】
データ線駆動回路140−1〜140−nは、測定用データMDを受けて、測定用データMDに対応するデータ電圧を第1〜第nのデータ電圧SV1〜SVnとして出力する。
【0194】
選択回路120は、制御部100からの選択信号SLを受けて、データ電圧SV1〜SVnから補正対象のデータ電圧(補正対象のデータ線駆動回路が出力するデータ電圧)を選択し、そのデータ電圧を出力する。
【0195】
コンパレーター180には、選択回路120からの補正対象のデータ電圧がコンパレーター入力電圧CPIとして入力される。コンパレーター180は、コンパレーター入力電圧CPIとコンパレーター基準電圧VPを比較して比較結果CPQを出力する。
【0196】
補正データ演算部102は、コンパレーター180からの比較結果CPQを受けて、補正データCD1〜CDnのうちの演算対象の補正データ(補正対象のデータ線駆動回路に対応する補正データ)を演算する。この補正データ演算の動作タイミングは、制御部100により制御される。
【0197】
補正データ演算部102は、例えば、1回の水平走査期間において1つの補正データ(補正データCD1〜CDnのうちの一部の補正データ)を演算対象の補正データとして求めてもよい。例えば、補正データ演算部102は、各垂直走査期間の非表示期間において、その非表示期間の水平走査期間に補正データを求めてもよい。そして、垂直走査期間毎に1つずつ補正データを求め、n回の垂直走査期間で補正データCD1〜CDnを求めてもよい。あるいは、補正データ演算部102は、表示準備期間において、1回の垂直走査期間の中のn回の水平走査期間で補正データCD1〜CDnを求めてもよい。
【0198】
次に、通常動作モードについて説明する。通常動作モードは、垂直走査期間において画像データが入力され、画像表示が行われる期間に実行される。
【0199】
通常動作モードにおいて、補正回路160−1〜160−nは、補正データ演算部102からの補正データCD1〜CDnに基づいて画像データPD1〜PDnを補正処理し、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを出力する。補正回路160−1〜160−nには、例えば図2の多重化回路28から画像データPD1〜PDnが入力される。そして、補正回路160−1〜160−nには、時分割多重された画像データが画像データPD1〜PDnの各画像データとして入力される。
【0200】
データ線駆動回路140−1〜140−nは、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを受けて、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnに対応するデータ電圧SV1〜SVnをデータ信号供給線S1〜Snに出力する。
【0201】
5.2.補正データ演算
図21(A)、図21(B)を用いて、補正データ演算モードの動作について詳しく説明する。なお、図21(A)、図21(B)では、補正データ演算部102が、演算対象の補正データとして補正データCDi(iはn以下の自然数)を求めるものとし、測定用データMDとして測定用階調データMGD1〜MGD8(k=8)を順次出力するものとする。
【0202】
図21(A)のLI1に、データ電圧SViの電圧波形例を模式的に示す。LI1に示すように、測定用階調データMGD1〜MGD8が順次出力されるのに従って、I1に示すMGD1に対応するデータ電圧からI2に示すMGD8に対応するデータ電圧が順次出力される。
【0203】
例えば、I3に示すように、測定用階調データMGD2に対応するデータ電圧として、コンパレーター基準電圧VPより小さい電圧が出力されるとする。また、I4に示すように、測定用階調データMGD3に対応するデータ電圧SViとして、コンパレーター基準電圧VPより大きい電圧が出力されるとする。
【0204】
図21(B)のLI2に、このときのコンパレーター180の比較結果CPQの波形例を模式的に示す。測定用階調データMGD2において、データ電圧SViがコンパレーター基準電圧VPより小さいことから、図21(B)のI5に示すように、比較結果CPQとしてLレベル(第1の電圧レベル)が出力される。また、測定用階調データMGD3において、データ電圧SViがコンパレーター基準電圧VPより大きいことから、I6に示すように、比較結果CPQとしてHレベル(第2の電圧レベル)が出力される。
【0205】
補正データ演算部102は、このLレベルからHレベルに変化するエッジを検出処理し、エッジが検出処理されたときの測定用階調データであるMGD3に基づいて補正データCDiを演算する。
【0206】
ここで、仮にデータ電圧SViにオフセット等によるバラツキが無いとする。このとき、図21(A)のLI3に示すように、理想的なデータ電圧SViとして、I7に示すデータ電圧からI8に示すデータ電圧が順次出力される。そうすると、図21(B)のLI4に示すように、測定用階調データMGD5のときにエッジをもつ比較結果CPQが出力され、測定用階調データMGD5に基づいて補正データCDiが演算される。
【0207】
このとき、例えば、測定用階調データMGD5に基づいて補正データCDi=0が演算される。一方、図21(A)のLI1に示す、バラツキVOFi(オフセット)を含むデータ電圧に対しては、測定用階調データMGD3に基づいて補正データCDi=MGD3−MGD5が演算される。
【0208】
この補正データCDi=MGD3−MGD5がバラツキVOFiに対応することから、画像データが補正データCDi=MGD3−MGD5で補正処理されることにより、バラツキVOFi(オフセット)が補正される。
【0209】
このようにして、補正データ演算モードにおいて、データ電圧を測定して補正データCD1〜CDnを求めることができる。
【0210】
ここで、上記では、測定用階調データMGD5に基づく補正データCDiとして、CDi=0が求められるものとして説明した。但し本発明では、測定用階調データMGD5に基づく補正データCDiとして、CDi=0以外の補正データが求められてもよい。例えば、補正データCDiとしてCDi=MGD5が求められてもよく、補正データCDiとしてMGD5に所定値のデータが加減算されたデータが求められてもよい。
【0211】
なお、コンパレーター基準電圧VPには、所定の範囲で出力される測定用データMD(例えば、測定用階調データMGD1〜MGD8)に対して、測定用データMDに対応するデータ電圧の範囲内の電圧が設定される。例えば、図21(A)に示すように、測定用階調データMGD5に対応する理想的なデータ電圧が、コンパレーター基準電圧VPとして設定される。コンパレーター基準電圧VPは、例えば図1に示す電源回路50から供給されてもよく、電源回路50から供給された電圧が抵抗で分圧されたものでもよい。
【0212】
ところで、データ線駆動回路140−1〜140−nの出力電圧にバラツキがあると、各データ線駆動回路が駆動する画像領域毎に輝度がバラつき、表示画像に輝度ムラや色ムラが発生するという課題がある。
【0213】
この点、本実施形態によれば、コンパレーター180が、データ線駆動回路140−1〜140−nの出力電圧SV1〜SVnをコンパレーター基準電圧VPと比較し、補正データ演算部102が、その比較結果CPQに基づいて、出力電圧SV1〜SVnのバラツキを補正するための補正データCD1〜CDnを演算し、補正回路160−1〜160−nが、補正データCD1〜CDnに基づいて画像データPD1〜PDnを補正し、データ線駆動回路140−1〜140−nが、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを受けて、データ信号供給線S1〜Snを駆動する。
【0214】
本実施形態によれば、補正回路160−1〜160−nが、補正データCD1〜CDnに基づいて画像データPD1〜PDnを補正することで、データ線駆動回路140−1〜140−nの出力電圧SV1〜SVnのバラツキを補正できる。これにより、データ線駆動回路140−1〜140−nの出力電圧SV1〜SVnのバラツキによる表示ムラを防止できる。
【0215】
また、本実施形態によれば、コンパレーター180が、データ線駆動回路140−1〜140−nの出力電圧SV1〜SVnをコンパレーター基準電圧VPと比較し、補正データ演算部102が、その比較結果CPQに基づいて、出力電圧SV1〜SVnのバラツキを補正するための補正データCD1〜CDnを演算する。このようにすれば、リアルタイムにバラツキを測定して、補正データを求めることができる。これにより、ドライバーや液晶表示装置の出荷後において経年的に特性が劣化した場合でも、リアルタイムに出力電圧SV1〜SVnのバラツキを補正できる。
【0216】
5.3.詳細な構成例
図22に本実施形態の詳細な構成例を示す。なお以下では、図20等で説明したコンパレーター等の各構成要素には、同じ符号を付して、適宜説明を省略する。また本実施形態は図22の構成に限定されず、その構成の一部(例えば、シフトレジスター、セレクター等)を省略したり他の構成要素を追加する等の種々の変形実施が可能である。
【0217】
図22の構成例は、スイッチSW1〜SWn、シフトレジスターSR1〜SRn、オペアンプOP1〜OPn、D/A変換回路DAC1〜DACn(広義には、データ電圧生成回路)、セレクターDS1〜DSn(データ切り替え回路)、加算回路AD1〜ADn(広義には、補正処理回路)、補正データレジスターCDR1〜CDRn、画像データレジスターPDR1〜PDRn、コンパレーター180、制御部100、補正データ演算部102を含む。
【0218】
なお以下では、補正データ演算モードにおいて、補正対象のデータ線駆動回路に対応する補正データとして、補正データCDiが演算されるものとする。
【0219】
画像データレジスターPDR1〜PDRnは、画像データPD1〜PDn(階調データ)を保持する。例えば、画像データPD1〜PDnは、RAM(Random Access Memory)等の記憶部に記憶された画像データから一括で画像データレジスターPDR1〜PDRnに書き込まれてもよく、I/F回路でストリームデータを受信して順次画像データレジスターPDR1〜PDRnに書き込まれてもよい。
【0220】
補正データレジスターCDR1〜CDRnは、補正データ演算部102からの測定用データMDや補正データCD1〜CDnを保持する。補正データ演算モードにおいて補正データCDiが求められた後、補正データレジスターCDRiには、補正データ演算部102からの補正データCDiが設定される。補正データレジスターCDRiには、シフトレジスターSRiの出力がアクティブであるときに、補正データCDiが設定される。なお、補正データレジスターCDR1〜CDRnには、図示しないホストコントローラーから補正データCD1〜CDnの初期値が設定されてもよい。
【0221】
加算回路AD1〜ADnは、画像データPD1〜PDnに補正データCD1〜CDnを加算処理して補正処理し、補正処理後の画像データPCD1〜PCDnを出力する。なお、加算回路AD1〜ADnは、加算処理として、他の係数の加算や乗算を行って加算処理してもよい。
【0222】
セレクターDS1〜DSnは、測定用データMDと画像データPCD1〜PCDnとを受けて、そのいずれかを選択し、選択されたデータを出力データとして出力する。具体的には、セレクターDS1〜DSnは、補正データ演算モードにおいて測定用データMDを選択し、通常動作モードにおいて画像データPCD1〜PCDnを選択する。例えば、セレクターDS1〜DSnは、制御部100からの補正イネーブル信号C_Enableに基づいてデータを選択する。
【0223】
D/A変換回路DAC1〜DACnは、セレクターDS1〜DSnからの出力データを受けて、その出力データに対応する階調電圧を出力する。
【0224】
オペアンプOP1〜OPnは、D/A変換回路DAC1〜DACnからの階調電圧をバッファリングし、バッファリングした階調電圧をデータ電圧SV1〜SVnとして出力する。例えば、図22に示すように、オペアンプOP1〜OPnはボルテージフォロア型に接続されてもよい。
【0225】
シフトレジスターSR1〜SRnは、スイッチSR1〜SRnのオン・オフを制御するスイッチ制御信号SRQ1〜SRQnを出力する。具体的には、制御部100からのHレベル(第1の論理レベル)のSR_Dataを取り込んで、制御部100からのSR_Clockに基づいて順次HレベルのSR_Dataをシフトして、順次アクティブとなるスイッチ制御信号SRQ1〜SRQnを出力する。補正データCDiを演算する場合には、シフトレジスターSRiが、アクティブのスイッチ制御信号SRQiを出力する。
【0226】
スイッチSW1〜SWnは、シフトレジスターSR1〜SRnからのスイッチ制御信号SRQ1〜SRQnに基づいてオン・オフする。具体的には、スイッチSW1〜SWnは、シフトレジスターSR1〜SRnからの信号がアクティブのときオンし、非アクティブのときオフする。補正データCDiを求める場合には、スイッチSWiがオンし、コンパレーター180には、データ電圧SViがコンパレーター入力電圧CPIとして入力される。
【0227】
制御部100は、シフトデータSR_Data、シフトレジスターSR1〜SRn用のリセット信号SR_Reset、シフトレジスターSR1〜SRnがシフトデータを取り込むためのクロックSR_Clock、シフトレジスターSR1〜SRnがアクティブを出力する期間を決めるイネーブル信号SR_Enable、セレクターDS1〜DSnが補正データ演算モードにおいて測定用データMDを出力するための補正イネーブル信号C_Enableを出力する。
【0228】
6.データドライバー
図23に、データドライバーの変形例を示す。図23のデータドライバーは、例えば上述の図1のデータドライバー20に適用できる。
【0229】
図23に示す変形例は、シフトレジスター22、ラインラッチ24、26、多重化回路80、オフセット調整部84、補正回路70、基準電圧発生回路30、DAC32、データ線駆動回路34、マルチプレクス駆動制御部82を含む。なお以下では、図2等で説明したデータ線駆動回路等の各構成要素には、同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
【0230】
マルチプレクス駆動制御部82は、図7、図12等で説明した順番設定回路を含むことができる。そして、マルチプレクス駆動制御部82は、順番設定回路によって設定された駆動順番に基づいて、マルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8(SEL1〜SELp)を生成する。
【0231】
多重化回路80は、図7、図12等で説明した出力選択回路を、各データ信号供給線に対応して含むことができる。そして、出力選択回路は、マルチプレクス駆動制御部82からのマルチプレクス制御信号SEL1〜SEL8に基づいて、画像データを選択して出力する。
【0232】
オフセット調整部84は、位置オフセット、順番オフセットの補正処理を行う。オフセット調整部84は、図7、図12等で説明した位置オフセット用レジスター、位置オフセット用加算回路、順番オフセット用レジスター、順番オフセット用加算回路を含むことができる。
【0233】
補正回路70は、データ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正処理する。補正回路70は、図20等で説明した補正データ演算部、コンパレーターを含むことができる。そして、補正回路70は、データ線駆動回路34からのデータ電圧を受けて、補正データを演算し、その補正データに基づいて画像データを補正処理する。
【0234】
このようにして、位置オフセット、順番オフセット、データ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正したデータ電圧を出力し、データ線を駆動できる。
【0235】
7.電子機器
図24に本実施形態の集積回路装置が適用されたプロジェクター(電子機器)の構成例を示す。
【0236】
プロジェクター700(投写型表示装置)は、表示情報出力源710、表示情報処理回路720、ドライバー60(表示ドライバー)、液晶パネル12(広義には電気光学パネル)、クロック発生回路750及び電源回路760を含む。
【0237】
表示情報出力源710は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、光ディスク装置等のメモリー、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路750からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の表示情報を表示情報処理回路720に出力する。
【0238】
表示情報処理回路720は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、或いはクランプ回路等を含むことができる。
【0239】
ドライバー60は、走査ドライバー(ゲートドライバー)及びデータドライバー(ソースドライバー)を含み、液晶パネル12(電気光学パネル)を駆動する。電源回路760は、上述の各回路に電力を供給する。
【0240】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語(電気光学装置、電気光学パネル、集積回路装置、データ電圧、データ線、走査線等)と共に記載された用語(液晶表示装置、液晶パネル、ドライバー、ソース電圧、ソース線、ゲート線等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また集積回路装置、電気光学装置、電子機器等の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定に限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0241】
12 電気光学パネル、20 データドライバー、22 シフトレジスター、
24 ラインラッチ、28 多重化回路、30 基準電圧発生回路、32 DAC、
34 データ線駆動回路、36 マルチプレクス駆動制御部、38 走査ドライバー、
40 表示コントローラー、50 電源回路、60 集積回路装置、
84 オフセット調整部、100 制御部、102 補正データ演算部、
160−1 補正回路、180 コンパレーター、200−i データ線駆動回路、
210−i 位置オフセット用加算回路、220−i 出力選択回路、
230 位置オフセット用レジスター、240 選択回路、250 順番設定回路、
260−i 順番オフセット用加算回路、270 順番オフセット用レジスター、
280 選択回路、300 マルチプレクスカウンター、
310 水平同期カウンター、320 加算回路、330,340 デコーダー、
700 電子機器、710 表示情報出力源、720 表示情報処理回路、
750 クロック発生回路、760 電源回路、
S1i データ線、S1 データ信号供給線、SEL1 マルチプレクス制御信号、
NS1 信号線、T1i デマルチプレクス用スイッチング素子、P1i−1 画素、
GD1i 画像データ、JS 画素選択信号、MCOUNT 順番指示信号、
OG1 位置オフセット用設定値、OJ1 順番オフセット用設定値、
VP コンパレーター基準電圧、CPQ 比較結果、MD 測定用データ、
CD1 補正データ、MGD1 測定用階調データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ信号供給線の各データ信号供給線に対応して設けられ、前記複数のデータ信号供給線のうちの対応するデータ信号供給線にマルチプレクスされたデータ信号を供給するデータ線駆動回路と、
前記マルチプレクスされたデータ信号がデマルチプレクサーによりデマルチプレクスされることで得られたデマルチプレクス後の複数のデータ信号が、1水平走査期間において複数の画素に供給されるときに、前記複数のデータ信号において前記複数の画素の第1の画素〜第pの画素の駆動順番に依存して生じるオフセットである順番オフセットに対応する第1の順番オフセット用設定値〜第pの順番オフセット用設定値を記憶する順番オフセット用レジスターと、
前記第1の画素〜前記第pの画素の駆動順番を設定する順番設定回路と、
前記データ線駆動回路に対応する順番オフセット用加算回路と、
を含み、
前記データ線駆動回路が、前記第1の画素〜前記第pの画素のうちの第q(qはp以下の自然数)の画素を第r(rはp以下の自然数)番目に駆動するときに、
前記順番オフセット用加算回路が、
前記第1の画素〜前記第pの画素に対応する第1の画像データ〜第pの画像データのうちの第qの画像データに対して、前記第1の順番オフセット用設定値〜前記第pの順番オフセット用設定値のうちの第rの順番オフセット用設定値に基づく順番オフセット補正値を加算する処理を行うことを特徴とする集積回路装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記デマルチプレクサーに含まれる複数のデマルチプレクス用スイッチング素子をオン・オフ制御するためのデマルチプレクス用スイッチ信号を生成するスイッチ信号生成回路を有することを特徴とする集積回路装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記順番オフセット用レジスターが、
前記第1の順番オフセット用設定値〜前記第pの順番オフセット用設定値として第1の順番オフセット用定数値〜第pの順番オフセット用定数値を記憶し、
前記順番オフセット用加算回路が、
前記第qの画像データに対して、前記第1の順番オフセット用定数値〜前記第pの順番オフセット用定数値のうちの第rの順番オフセット用定数値を前記順番オフセット補正値として加算する処理を行うことを特徴とする集積回路装置。
【請求項4】
請求項1乃至3において、
前記順番オフセット用レジスターが、
前記第1の順番オフセット用設定値〜前記第pの順番オフセット用設定値として第1の順番オフセット用係数値〜第pの順番オフセット用係数値を記憶し、
前記順番オフセット用加算回路が、
前記第qの画像データに対して、前記第1の順番オフセット用係数値〜前記第pの順番オフセット用係数値のうちの第rの順番オフセット用係数値を前記第qの画像データに乗算処理した値を前記順番オフセット補正値として加算する処理を行うことを特徴とする集積回路装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記データ線駆動回路に対応して設けられ、前記順番設定回路からの画素選択信号に基づいて、前記第1の画像データ〜前記第pの画像データのうちのいずれかの画像データを選択して出力する出力選択回路を含み、
前記データ線駆動回路が、前記第qの画素を前記第r番目に駆動するときに、
前記出力選択回路が、
前記第qの画素の選択を指示する前記画素選択信号を受けて、前記第qの画像データを出力し、
前記順番オフセット用加算回路が、
前記第qの画像データに対して、前記第rの順番オフセット用設定値に基づく順番オフセット補正値を加算する処理を行うことを特徴とする集積回路装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記デマルチプレクスのためのデマルチプレクス用クロックのクロック数をカウントするマルチプレクスカウンターと、
水平同期信号の個数をカウントする水平同期カウンターと、
前記マルチプレクスカウンターのカウント値と、前記水平走査期間カウンターのカウント値とを加算処理し、加算カウント値を出力する加算回路と、
前記加算カウント値の下位側ビット列が反転されて上位側ビット列に設定され、前記加算カウント値の上位側ビット列が反転されて下位側ビット列に設定されたローテーションデータを受けて、前記ローテーションデータをデコードして前記画素選択信号を出力するデコーダーと、
を含むことを特徴とする集積回路装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記複数のデータ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正するための補正データを演算する補正データ演算部と、
前記補正データに基づいて画像データを補正し、補正処理後の画像データを前記複数のデータ線駆動回路のうちの対応するデータ線駆動回路に出力する複数の補正回路と、
コンパレーターと、
を含み、
前記コンパレーターが、
前記複数のデータ線駆動回路のうちの補正対象のデータ線駆動回路の出力電圧をコンパレーター基準電圧と比較し、
前記補正データ演算部が、
前記コンパレーターからの比較結果に基づいて、前記補正対象のデータ線駆動回路の出力電圧のバラツキを補正するための前記補正データを演算することを特徴とする集積回路装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の集積回路装置を含むことを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項8において、
電気光学パネルを含み、
前記電気光学パネルには、
前記デマルチプレクス後の複数のデータ信号が供給される前記複数の画素と、
前記複数の画素に対応する前記複数のデータ線と、
前記マルチプレクスされたデータ信号をデマルチプレクスするための複数のデマルチプレクス用スイッチング素子と、
第1の方向に沿って配置され、前記複数のデマルチプレクス用スイッチング素子のオン・オフを制御するための複数の信号線と、
が配置されることを 特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の電気光学装置を含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−181506(P2010−181506A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23197(P2009−23197)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】