説明

離型フィルムおよび電子部品の製造方法

【課題】本発明は、キャビティ内における溶融樹脂の流動分布の均一化を図ることができる離型フィルムおよび電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】キャビティに対向する面に、第1の性状の第1の領域と、前記第1の性状とは異なる第2の性状の第2の領域と、が設けられたことを特徴とする離型フィルムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を樹脂封止する際に用いられる離型フィルムおよび電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップなどの電子素子を樹脂封止する際に、金型の内面を覆うように離型フィルムを配設して、金型と封止成形品との分離を容易にする技術が知られている。
ここで、樹脂封止をする際に、離型フィルムに「たるみ」や「しわ」が生ずると、封止成形品の当該部分の表面に「くぼみ」が発生する原因となる。
そのため、樹脂封止をする際の「たるみ」や「しわ」を抑制することができる離型フィルムが提案されている(特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示をされた技術においては、キャビティ内における溶融樹脂の流動分布についての考慮がされていなかった。そのため、溶融樹脂の流動性が低い部分においては、キャビティ内に空気が残留してボイドと呼ばれる充填不良が発生するおそれがあった。
【特許文献1】特開2006−49850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、キャビティ内における溶融樹脂の流動分布の均一化を図ることができる離型フィルムおよび電子部品の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、キャビティに対向する面に、第1の性状の第1の領域と、前記第1の性状とは異なる第2の性状の第2の領域と、が設けられたことを特徴とする離型フィルムが提供される。
【0006】
また、本発明の他の一態様によれば、上記の離型フィルムを用いて樹脂封止を行うこと、を特徴とする電子部品の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、キャビティ内における溶融樹脂の流動分布の均一化を図ることができる離型フィルムおよび電子部品の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。
図1は、本発明の実施の形態に係る離型フィルムの使用形態を例示するための模式図である。
図2は、図1におけるA−A矢視模式断面図である。
尚、説明の便宜上、本実施の形態のかかる離型フィルムを複数のプランジャを備えたマルチプランジャ式の樹脂成形装置に用いる場合を例にとり説明する。
【0009】
図1、図2に示すように、樹脂成形装置18には、相対向して設けられた一対の上側金型2、下側金型3が備えられている。下側金型3のパーティング面(金型の分割面)7には、電子素子4(例えば、半導体チップ、コンデンサーチップなど)が装着された基板5を載置するための凹部6が設けられている。また、パーティング面7にはポット13が開口するようにして設けられ、ポット13の内部を昇降自在に摺動するプランジャ14が備えられている。
【0010】
また、上側金型2のパーティング面には、カル8が設けられている。カル8は、ポット13に対向するようにして設けられた空間であって、上側金型2と下側金型3とが型締めされた状態でポット13と連通するようになっている。
【0011】
また、カル8を挟んでその両側には、溶融樹脂が充填される空間であるキャビティ10が設けられている。そして、カル8とキャビティ10とは、ランナ9、ゲート11を介して連通されている。
また、上側金型2には吸着管路12が設けられている。吸着管路12の一端はパーティング面に開口し、他端は図示しない排気手段と接続されている。この吸着管路12を介して排気を行うことで、離型フィルム1が上側金型2の表面に吸着されるようになっている。
【0012】
離型フィルム1は、上側金型2と下側金型3との間に張設される帯状の樹脂フィルムである。
離型フィルム1の材質としては、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などの熱可塑性のテトラフルオロエチレン系共重合体や、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロンなどを例示することができる。その構造も、いわゆる「単層フィルム」とすることができるが、基材フィルムの表面に他の材質のフィルムが積層されている「積層フィルム」とすることもできる。
ただし、これらに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0013】
上側金型2、下側金型3を挟んだ位置には、フィルム供給部15とフィルム巻き取り部16とがそれぞれ設けられている。フィルム供給部15に備えられる図示しないリールには、未使用の離型フィルム1のロールが取り付けられるようになっている。また、フィルム巻き取り部16に備えられる図示しないリールには、使用済みの離型フィルム1がロール状に巻き取られるようになっている。そのため、フィルム供給部15とフィルム巻き取り部16との間に離型フィルム1を掛け渡し、巻き出しと巻き取りを調整することで離型フィルム1に張力を与えられるようになっている。
また、下側金型3には、エジェクターピン17が設けられ、封止がされた基板5を凹部6から突き出すようにして取り出すことができるようになっている。
【0014】
また、上側金型2、下側金型3には図示しない循環路が設けられ、加熱された熱媒体を循環路に供給することで上側金型2、下側金型3を所定の温度まで加熱できるようになっている。尚、熱媒体としては、例えば、加熱温度が室温〜100℃以下の場合は水を、100℃程度〜200℃程度の場合は水蒸気を、室温〜300℃程度の場合はシリコーン油などの熱媒体油を例示することができる。また、これらは、成形される樹脂材料のガラス転移温度などにより適宜選択することができる。また、加熱の手段は、熱媒体を循環させるものに限定されるわけではなく、例えば、電熱線を用いたものなどであってもよい。 尚、樹脂成形装置18に備えられるその他の要素は、既知の技術を適用させることができるのでその説明は省略する。
また、樹脂成形装置として、溶融樹脂の充填にプランジャ14を用いるものを例示したが、これに限定されるわけではなく、例えば、ランナ9に連通するスプルを備え、スプルの開口部から加圧された溶融樹脂を導入する射出成形に係るようなものであってもよい。
【0015】
次に、キャビティ10内における溶融樹脂の流動分布について説明をする。
溶融樹脂をキャビティ10内に充填させる際に、流動分布、すなわち、流動性の高い部分と低い部分とがあると、流動性の低い部分においてキャビティ10内に空気が残留してボイドと呼ばれる充填不良が発生することがある。
この場合、例えば、キャビティ10内における溶融樹脂の流路に断面寸法の小さい部分があると、その部分の流動性が低くなり、これが流動分布、ひいては充填不良の原因となる。
【0016】
例えば、図2に示すように、基板5上に電子素子4が装着された部分の流路高さH1は、電子素子4が装着さていない部分の流路高さH2よりも低くなる。そのため、電子素子4が装着された部分の流路の断面寸法がその分小さくなり、この部分における溶融樹脂の流動性が低くなる。この場合、溶融樹脂の圧力を高めるようにすれば空気の残留を少なくすることができるが、空気の残留を無くすことは困難である。
ここで、近年の電子部品に対する多機能化などの要請から、1パッケージの中に複数の電子素子を多段に積層して接着剤などで固定し必要な層間の配線を行うことで、少ない占有面積で高機能な電子部品を実現する技術が一般的になりつつある。
【0017】
例えば、図3に示すように、基板5a上に第1の電子素子4aを設け、その上面に第1の電子素子4aよりも大きさの小さい第2の電子素子4bを設け、さらにその上面に第2の電子素子4bよりも大きさの小さい第3の電子素子4cを設けた電子部品を例示することができる。このような、電子部品においては、第1〜第3の電子素子4a〜4cの電極と基板5a上の電極とを配線19a〜19cで接続し、これら全体を樹脂で封止するようにしている。
【0018】
この場合、1つの電子素子4を基板5上に設ける場合に比べて、前述の流路高さH1がさらに低くなる。そのため、この部分における流動性がさらに低くなり、充填不良の増加を招くおそれがある。
本発明者は検討の結果、キャビティ10内の流動分布に基づいて離型フィルム1表面の物理的性状または化学的性状を変えるようにすれば、流動分布の均一化を図ることができるので、充填不良を抑制することができるとの知見を得た。
【0019】
離型フィルム1表面の物理的性状を変える場合としては、例えば、表面粗さを変えることを例示することができる。
この場合、例えば、機械的粗面化処理として、離型フィルム1の表面を微粒子のコンパウンドなどを用いて研磨すること、離型フィルム1の表面に所望の大きさの凹凸が刻設された金属製のロールを押しつけることで離型フィルム1の表面に凹凸を転写させること、離型フィルム1の表面に研削材を圧縮空気で吹きつけることなどを例示することができる。
【0020】
また、化学的粗面化処理として、離型フィルム1の表面を薬品により腐食させることで表面の粗面化を図ることなどを例示することができる。尚、離型フィルム1の表面を薬品により腐食させるようにすれば、後述する表面改質ともなる場合がある。
【0021】
離型フィルム1の表面粗さを粗くすれば、その部分における溶融樹脂の流動性を低下させることができる。これとは逆に、表面が滑らかなまま、または、表面をより滑らかにすれば、その部分における流動性を高めることができる。
ただし、これらの処理方法に限定されるわけではなく、離型フィルム1表面の物理的性状を変え得る処理方法を適宜選択することができる。
【0022】
離型フィルム1表面の化学的性状を変える場合としては、例えば、表面改質を例示することができる。表面改質法としては、火炎処理、金属ナトリウム処理に代表される化学的改質処理、エキシマレーザー処理、紫外線照射処理、プラズマ処理などを例示することができる。
【0023】
火炎処理としては、例えば、プロパンガスなどの可燃性ガスと酸素とを離型フィルム1の表面上で燃焼させて、酸化反応を生じさせることで極性を持つ塩基を精製させるものを例示することができる。
化学的改質処理の一種である金属ナトリウム処理としては、例えば、四フッ化エチレン(PTFE)がアルカリ金属に侵されることを利用して、金属ナトリウムと特殊な溶剤からなる処理液で離型フィルム1の表面を処理するものを例示することができる。
【0024】
エキシマレーザー処理としては、例えば、光波長が248.4nmのクリプトンフッ素のエキシマレーザー光源を用いて、離型フィルム1の表面にエキシマレーザー光を照射することで表面改質を図るものを例示することができる。
【0025】
紫外線照射処理としては、例えば、低圧水銀灯、中高圧水銀灯などを用いて、離型フィルム1の表面に光波長が250nm前後の光を照射することで表面改質を図るものを例示することができる。
【0026】
プラズマ処理としては、例えば、溶融樹脂の官能基と同様、または、溶融樹脂の官能基と親和性のある官能基を有する有機化合物が含まれた不活性ガスの雰囲気中で、離型フィルム1をプラズマ処理する方法を例示することができる。
この場合、例えば、離型フィルム1の表面改質を行うことで溶融樹脂との親和性を高めるようにすれば、その部分における溶融樹脂の流動性を低下させることができる。これとは逆に、表面改質を行わない、または、表面改質を行うことで溶融樹脂との親和性を低めるようにすれば、その部分における溶融樹脂の流動性を高めることができる。
【0027】
ただし、これらの処理方法に限定されるわけではなく、離型フィルム1表面の化学的性状を変え得る処理方法を適宜選択することができる。
また、物理的性状を変え得る処理と化学的性状を変え得る処理を組み合わせることができる。例えば、表面を荒らす処理を行った後に、さらに改質を行い特定の官能基が離型フィルム1の表面に存在するようにすることもできる。
また、溶融樹脂の流動性は、例えば、溶融樹脂の成分、温度、圧力、電子素子4の高さ、キャビティ10の高さなどの影響を受ける。そのため、それぞれの場合に合わせて、各処理の選択や処理の程度を適宜決定するようにすることが好ましい。
【0028】
処理の程度としては、例えば、凹凸の大きさ、官能基の数、処理面積、処理部分の形状などを例示することができる。
例えば、図1に示すように、電子素子4が無い部分に面する領域をストライプ状に処理をして溶融樹脂の流動性を低下させる処理を行った部分1aと、処理を行わなかった部分1bとを設けるようにすることもできる。尚、処理は、離型フィルム1表面のうち少なくともキャビティ10の内部に面する側(電子素子4や基板5に面する側)に行うようにすればよい。
【0029】
図4、図5は、処理部分の他の形態を例示するための模式図である。
尚、離型フィルムを金型にセットした際に、電子素子4と対向する部分(図中の正方形部分)の位置を一点鎖線で表している。すなわち、離型フィルムを金型にセットした際に電子素子4と対向する部分の位置を仮想的に表している。
【0030】
図4に示すように、離型フィルム20、21の長手方向と略直交する方向にストライプ状に処理部分を設けるようにすることもできる。
この場合、図4(a)に示すように、離型フィルム20、21の長手方向と略直交する方向の端面間に亘って処理部分を設けるようにすることもできるし、図4(b)に示すように、断続的に処理部分を設けるようにすることもできる。尚、図中の部分20a、21aは、溶融樹脂の流動性を低下させる処理を行った部分であり、部分20b、21bは、処理を行わなかった部分を表している。
【0031】
また、流動抵抗などを考慮して、処理部分の面積を変化させるようにすることもできる。 例えば、図5に示すように、離型フィルム22の長手方向と略直交する方向にストライプ状に処理部分を設け、ゲート11の位置から遠ざかるに従いその幅寸法が漸減するようにすることもできる。
【0032】
尚、処理部分の形態は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、処理部分の形状は矩形に限定されるわけではなく、任意の曲線、任意の曲線と直線を組み合わせたものなど適宜変更することができる。また、配設する位置についても、例えば、「間引く」ようにして部分的に設けるようにすることもできる。また、配設方向についても、離型フィルムの長手方向やそれと略直交する方向に限定されるわけではなく、充填方向などを考慮の上、適宜変更することができる。
【0033】
また、前述したものは、溶融樹脂の流動性を低下させる処理を行った部分を設ける場合であるが、例えば、電子素子4の直上近傍に位置する部分に溶融樹脂の流動性を高める処理を行った部分を設けるようにすることもできる。
【0034】
次に、電子部品の製造方法を例示する。
尚、説明の便宜上、図1、図2で例示をした樹脂成形装置18を用いた電子部品の製造方法を例にとり説明をする。
【0035】
まず、複数個の電子素子4が装着された基板5を、下側金型3のパーティング面7に設けられた凹部6内に載置する。そして、パーティング面7に設けられたポット13に、タブレット状に打錠された樹脂を投入する。
次に、図示しない昇降手段により下側金型3を上昇させて、上側金型2と下側金型30とを型締めする。そして、上側金型2と下側金型3とを加熱し、ポット13内の樹脂を溶融させる。その後、図示しない駆動手段によりプランジャ14を上昇させて、溶融させた樹脂をランナ9、ゲート11を介してキャビティ10内に充填する。この際、溶融樹脂は、キャビティ10内において電子素子4の外周囲、基板5の表面を流れるようにして充填されていく。
【0036】
本実施の形態においては、キャビティ10内の流動分布に基づいて離型フィルム1表面の物理的性状または化学的性状を変えるようにしているので、流動分布の均一化を図ることができ、充填不良を抑制することができる。
【0037】
例えば、電子素子4が装着さていない部分の直上近傍に、溶融樹脂の流動性を低下させる処理をした部分が位置するようにすることで流動分布の均一化を図るようにすることができる。尚、電子素子4の直上近傍に、溶融樹脂の流動性を高める処理をした部分が位置するようにすることもできる。
次に、キャビティ10内の樹脂が硬化した後に、図示しない昇降手段により下側金型3を下方に移動させて金型を開く。
本実施の形態においては、樹脂と金型表面との間に離型フィルム1が存在するので容易に離型をさせることができる。また、金型表面が汚れるのを抑制することもできる。
【0038】
次に、図示しない駆動手段によりプランジャ14をさらに上昇させることでゲート11部分の樹脂の切断を行う。すなわち、キャビティ10内の樹脂を残し、ランナ9、ポット13内の樹脂を折りとる様にして除去する。
次に、図示しない駆動手段によりエジェクターピン17を上昇させて、凹部6内の基板5(基板5上に電子素子4が封止された電子部品)を突き出すようにして離型させる。
【0039】
次に、必要に応じて、離型フィルム1の交換を行う。
この場合、まず、フィルム供給部15から未使用の離型フィルム1を供給し、フィルム巻き取り部16に使用済みの離型フィルム1を巻き取るようにする。この際、離型フィルム1に「しわ」や「たるみ」が出ないように適切な張力を与えるようにする。また、離型フィルム1の処理部分が適正な位置に来るように、停止位置が制御される。そして、吸着管路12を介して排気を行うことで、離型フィルム1を上側金型2の表面に吸着させる。次に、上側金型2を所定の温度にプレヒートする。
以後必要があれば前述の手順を繰り返すことで、樹脂封止を行うことができる。
そして、必要があれば、樹脂封止がされた電子部品の所要個所を切断することで個別の部品に分離させることもできる。
【0040】
尚、説明の便宜上、マルチプランジャ式の樹脂成形装置(樹脂成形装置18)を用いる場合を例示したが、これに限定されるわけではなく、樹脂成型法は適宜変更することができる。例えば、キャビティ内に溶融樹脂を加圧して導入する射出成形法に係るようなものであってもよい。
また、上側金型2を固定側、下側金型3を可動側(昇降側)としたが、上側金型2を可動側(昇降側)、下側金型3を固定側とすることもできる。
【0041】
また、樹脂封入の対象についても、基板上に電子素子が装着されたものに限定されるわけではない。例えば、電子素子(コンデンサ、LEDなど)のみを樹脂封入するようなものであってもよいし、基板についても樹脂基板や金属製のリードフレームのようなものであってもよい。
また、封止樹脂の材質も熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など適宜変更することができる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態について説明をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、樹脂成形装置18、離型フィルム1、20、21、22などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係る離型フィルムの使用形態を例示するための模式図である。
【図2】図1におけるA−A矢視模式断面図である。
【図3】電子部品を例示するための模式図である。
【図4】処理部分の他の形態を例示するための模式図である。
【図5】処理部分の他の形態を例示するための模式図である。
【符号の説明】
【0044】
1 離型フィルム、1a 処理を行った部分、1b 処理を行わなかった部分、4 電子素子、5 基板、20 離型フィルム、20a 処理を行った部分、20b 処理を行わなかった部分、21 離型フィルム、21a 処理を行った部分、21b 処理を行わなかった部分、22 離型フィルム、22a 処理を行った部分、22b 処理を行わなかった部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティに対向する面に、第1の性状の第1の領域と、前記第1の性状とは異なる第2の性状の第2の領域と、が設けられたことを特徴とする離型フィルム。
【請求項2】
前記第1の領域は、前記キャビティ内において溶融樹脂の流動性が相対的に高くなる部分に面し、
前記第2の領域は、前記キャビティ内において前記溶融樹脂の前記流動性が相対的に低くなる部分に面することを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
【請求項3】
前記第1の領域のほうが、前記第2の領域に比べて表面粗さが粗いこと、を特徴とする請求項1または2に記載の離型フィルム。
【請求項4】
前記第1の領域のほうが、前記第2の領域に比べて前記溶融樹脂に対する親和性が高いこと、を特徴とする請求項1または2に記載の離型フィルム。
【請求項5】
前記フィルム表面の前記性状は、機械的粗面化処理、化学的粗面化処理、火炎処理、化学的改質処理、エキシマレーザー処理、紫外線照射処理、プラズマ処理の群から選ばれた1種以上の処理により互いに異なるものとされてなること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の離型フィルム。
【請求項6】
前記フィルム表面の前記性状は、前記キャビティ内における溶融樹脂の流動分布が均一化するように調整されていること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の離型フィルム。
【請求項7】
前記フィルム表面の前記性状は、前記キャビティ内における溶融樹脂の流路断面積の相違に基づいて調整されていること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の離型フィルム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の離型フィルムを用いて樹脂封止を行うこと、を特徴とする電子部品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−119697(P2009−119697A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295501(P2007−295501)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】