説明

難燃性光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板

【課題】ノンハロゲン組成で環境負荷が少ないと共に難燃性及び保存安定性が共に優れ、可撓性に富む硬化皮膜を形成できる難燃性光硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物、並びにこれらによりソルダーレジスト等の難燃性硬化皮膜が形成されてなるプリント配線板を提供する。
【解決手段】難燃性光硬化性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)上記カルボキシル基含有樹脂(A)又はそのワニスに5wt%以上可溶である可溶性ホスファゼン化合物、及び(C)光重合開始剤を含有する。好ましくは、上記カルボキシル基含有樹脂(B)はカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂である。好適にはさらに(D)光重合性モノマーを含有し、あるいはさらに(E)熱硬化性樹脂を含有する。このような難燃性光硬化性樹脂組成物、特に熱硬化性樹脂(E)を含有する光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジストとして好適に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、希アルカリ水溶液により現像可能な難燃性の光硬化性樹脂組成物、特に紫外線露光又はレーザー露光により光硬化するソルダーレジスト用組成物、そのドライフィルム及び硬化物、並びにそれらを用いて形成された難燃性の硬化皮膜を有するプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント配線板及びフレキシブル配線板(以下、FPCと略称する)は、電子機器に搭載されるため難燃性が要望されており、これらの一部であるソルダーレジストにも難燃性が要求されている。この中でも、FPCは、通常、ポリイミド基板からなるため、ガラスエポキシ基板のプリント配線板とは異なり薄膜である。しかしながら、塗布されるべきソルダーレジストは、プリント配線板もFPCも同じ膜厚であるため、薄膜のFPCの場合、相対的にソルダーレジストへの難燃化の負担が大きくなる。
【0003】
そのため、従来からソルダーレジストの難燃化について種々の提案がなされている。例えば、特開2007−10794号公報(特許文献1)には、(a)バインダポリマー、(b)ブロモフェニル基等のハロゲン化芳香環と、(メタ)アクリロイル基等の重合可能なエチレン性不飽和結合とを分子内に有する光重合性化合物、(c)光重合開始剤、(d)ブロックイソシアネート化合物、及び(e)分子内にリン原子を有するリン含有化合物を含有するFPC用の難燃性の感光性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ハロゲン化芳香環と重合可能な不飽和二重結合を有する化合物のような、ハロゲン化合物の使用は環境負荷の観点から好ましくない。
【0004】
これに対して、特開2001−75270号公報(特許文献2)には、(a)エポキシアクリレート樹脂、(b)エポキシ樹脂、(c)希釈剤、(d)硬化剤、(e)硬化促進剤、(f)増感剤、(g)ホスファゼンオリゴマー及び(h)無機充填剤を必須成分とし、全体の樹脂組成物に対して前記(g)のホスファゼンオリゴマーを2〜50重量%の割合で含有してなることを特徴とする感光性樹脂組成物、特開2005―283762号公報(特許文献3)には、(a)1分子中に(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基とを有し、希アルカリ溶液に可溶な樹脂成分と、(b)熱硬化成分と、(c)光重合開始剤と、(d)ホスファゼン化合物と、(e)希釈剤とを含有した感光性組成物が提案されている。しかしながら、これらに例示されているホスファゼン化合物は、感光性組成物中に一度溶解したものが保存中に再結晶化してしまう現象又は組成物を塗布乾燥後に時間とともに結晶が析出してしまう現象が確認され、液状の組成物及びドライフィルムとしての安定性に問題があり、さらには硬化皮膜で大きな再結晶粒として存在するとそれを起点に折り曲げ時にクラックが発生したりする不具合が発生する。そのためホスファゼン化合物をごく少量しか使用できず、難燃性の効果は非常に低いものであった。
【特許文献1】特開2007−10794号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2001−75270号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2005―283762号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記したような従来技術に鑑みなされたものであり、ノンハロゲン組成で環境負荷が少ないと共に難燃性及び保存安定性が共に優れ、硬化皮膜の可撓性に富み、各種基材に対する密着性や、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、耐湿性、電気絶縁性等に優れた微細なパターンの硬化皮膜を形成でき、特にFPC用に好適な難燃性光硬化性樹脂組成物を提供することを目的としている。
さらに本発明の目的は、このような光硬化性樹脂組成物を用いることによって得られる上記のような諸特性に優れた難燃性のドライフィルム及び硬化物、並びに該ドライフィルムや硬化物によりソルダーレジスト等の難燃性の硬化皮膜が形成されてなるプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明によれば、(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)上記カルボキシル基含有樹脂(A)又はそのワニスに5wt%以上可溶である可溶性ホスファゼン化合物、及び(C)光重合開始剤を含有することを特徴とする難燃性光硬化性樹脂組成物が提供される。好ましくは、上記カルボキシル基含有樹脂(A)はカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂であり、また、上記ホスファゼン化合物(B)は、窒素原子を含む置換基を有する固形のフェノキシホスファゼン化合物であることが好ましい。
好適な態様においては、さらに(D)光重合性モノマーを含有し、あるいはさらに(E)熱硬化性樹脂を含有する。この場合、上記ホスファゼン化合物(B)は、光重合性モノマー(D)にも5wt%以上可溶であることが好ましい。該熱硬化性樹脂(E)は、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。このような難燃性光硬化性樹脂組成物、特に熱硬化性樹脂(E)を含有する難燃性の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジストとして好適に用いることができる。
【0007】
また、本発明によれば、前記難燃性光硬化性樹脂組成物を、キャリアフィルム上に塗布・乾燥させて得られる難燃性光硬化性のドライフィルムや、前記難燃性光硬化性樹脂組成物又は該ドライフィルムを硬化させて得られる難燃性硬化物も提供される。
さらに本発明によれば、前記難燃性光硬化性樹脂組成物又はドライフィルムを硬化させて得られる難燃性硬化皮膜を有することを特徴とするプリント配線板も提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の難燃性光硬化性樹脂組成物は、カルボキシル基含有樹脂(A)と共に、該カルボキシル基含有樹脂(A)又はそのワニスに5wt%以上可溶である可溶性ホスファゼン化合物(B)を用いているため、従来のように光硬化性樹脂組成物中に一度溶解したホスファゼン化合物が保存中に再結晶化したり、塗布乾燥後に時間とともに結晶が析出してしまう現象がなく、そのため、ホスファゼン化合物を比較的多量に配合することができ、難燃性の効果は非常に大きくなると共に、液状の組成物及びドライフィルムとしての安定性に優れている。そのため、ノンハロゲン組成で環境負荷が少ないと共に難燃性に優れ、硬化皮膜の可撓性に富み、各種基材に対する密着性や、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、耐湿性、電気絶縁性等に優れた微細なパターンの硬化皮膜を形成できる。
従って、本発明の難燃性光硬化性樹脂組成物は、プリント配線板、特にFPCのソルダーレジスト等の難燃性硬化皮膜の形成に有利に適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記したように、本発明の難燃性光硬化性樹脂組成物の特徴は、カルボキシル基含有樹脂(A)と共に、該カルボキシル基含有樹脂(A)又はそのワニスに5wt%以上可溶である可溶性のホスファゼン化合物(B)を用いている点にある。その結果、従来のように光硬化性樹脂組成物中に一度溶解したホスファゼン化合物が保存中に再結晶化したり、塗布乾燥後に時間とともに結晶が析出してしまう現象がなく、液状の組成物及びドライフィルムとしての安定性に優れている。
【0010】
本発明の難燃性光硬化性樹脂組成物に含まれるカルボキシル基含有樹脂(A)としては、分子中にカルボキシル基を含有している公知慣用の樹脂化合物が使用できる。さらに、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂(A’)を用いると、光硬化性が付与でき、アルカリ現像性の組成物になるため好ましい。そして、その不飽和二重結合は、(メタ)アクリル酸もしくは(メタ)アクリル酸誘導体由来のものが好ましい。尚、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物を光硬化性とするためには、後述する分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマー(D)を併用する必要がある。
カルボキシル基含有樹脂(A)の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)を好適に使用できる。
【0011】
(1)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物及びポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(2)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応による感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)上記(1)又は(2)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子内に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)上記(1)又は(2)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子内に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した感光性カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(5)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(6)後述するような2官能又はそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(7)2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた感光性カルボキシル基含有樹脂。
(8)後述するような2官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
(9)上記(1)〜(8)の樹脂にさらに1分子内に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリル基を有する化合物を付加してなる感光性カルボキシル基含有樹脂。
【0012】
これらのカルボキシル基含有樹脂の中でも好ましいものは、(X)カルボキル基含有ウレタン樹脂、特にそのウレタン樹脂のイソシアネート基を有する成分(ジイソシアネートも含む)のイソシアネート基が直接ベンゼン環に結合していないものは、感光性、可撓性の観点から好ましく、また、(Y)前記(6)、(7)の樹脂の合成に用いられる多官能エポキシ樹脂がビスフェノールA構造、ビスフェノールF構造、ビフェノール構造、ビスキシレノール構造を有する化合物及びその水添化合物の場合、耐熱性、難燃性の観点から好ましい。また、別の側面では、前記(1)、(2)、(3)、(4)のカルボキル基含有ウレタン樹脂及びそれらの(9)のごとき変性物は、主鎖にウレタン結合を有しており、反りに対して好ましい。さらに、可撓性とはんだ耐熱性等の特性を両立させるために、前記(1)、(2)、(3)、(4)のカルボキシル基含有ウレタン樹脂及びそれらの(9)のごとき変性物と、前記(5)、(6)、(7)、(8)のカルボキシル基含有樹脂及びそれらの(9)のごとき変性物を組み合わせて使用する方がもっとも好ましい。
尚、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
【0013】
前記のようなカルボキシル基含有樹脂(A)は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の酸価は、40〜200mgKOH/gの範囲、より好ましくは45〜120mgKOH/gの範囲にあることが望ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、200mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となるので好ましくない。
【0014】
また、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が2,000未満の場合、塗膜のタックフリー性能が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く、現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがあり、貯蔵安定性が劣ることがある。
【0015】
前記したようなカルボキシル基含有樹脂(A)の配合量は、全組成物中に、10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%の範囲が適当である。上記範囲より少ない場合、塗膜強度が低下したりするので好ましくない。一方、上記範囲より多い場合、組成物の粘性が高くなったり、塗布性等が低下するので好ましくない。
【0016】
本発明の難燃性光硬化性樹脂組成物に含まれる可溶性ホスファゼン化合物(B)としては、有機溶剤、カルボキシル基含有樹脂又はそのワニス、好ましくはその他の組成物成分であるエポキシ樹脂さらには感光性樹脂に可溶であるものが好ましく、特に以下の条件にあげる特徴を有するものが好ましい。
−ハロゲンを含まない(イオン不純物以外)。
−5%重量減少が260℃以上であること。
−下記一般式(I)で示される構造を有する化合物であること。
【化1】

式中、nは3〜15の整数であり、R、Rは、それぞれ独立して、それぞれ少なくとも1つ以上が有機基で置換されている、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェノキシ基及びアリールオキシ基から選ばれる基である。ここで、置換している有機基は、フッ素を除くハロゲン基以外であり、好ましくは極性基、さらに好ましくは窒素原子を含む置換基を有しているものが良い。特に、RとRは共に窒素原子を含む置換基を有するフォノキシ基であることが好ましい。
また、一般式(I)で表されるホスファゼン化合物は、線状又は環状であってもよく、複数の混合物で分子量分布を持っていてもよい。
前記のような可溶性ホスファゼン化合物(B)の具体例としては、シアノフェノキシ構造を有するフェノキシホスファゼン化合物(伏見製薬所社製FP−300)やフェノール性水酸基含有フェノキシホスファゼンなどがある。
【0017】
本発明で用いる可溶性ホスファゼン化合物(B)は、特に前記カルボキシル基含有樹脂(A)又はそのワニスに可溶性のものが好ましい。一般にホスファゼン化合物、特に耐熱性があるフェノキシホスファゼン化合物は、カルボキシル基含有樹脂(A)や光重合性モノマー(D)に対して特に溶解性が悪い。本発明者らの予備実験によれば、無置換フェノキシホスファゼンオリゴマーは、カルボキシル基含有樹脂(A)又はそのワニスに対して加熱溶解冷却後、5wt%程度の濃度であっても結晶が析出する現象が見られた。また、光重合性モノマー(D)に対しても、同様に無置換フェノキシホスファゼンオリゴマーは5wt%の濃度で析出してしまった。
カルボキシル基含有樹脂(ZFR1601:日本化薬社製の酸変性エポキシアクリレートの固形分70%カルビトールアセテートカットワニス)に対するフェノキシホスファゼンオリゴマーの溶解性を表1に示す。
【表1】

【0018】
また、光重合性モノマーに対するフェノキシホスファゼンオリゴマーの溶解性を表2に示す。
【表2】

【0019】
一方、エポキシ樹脂に対しては比較的良好な溶解性を示したが、同様にシアノ基置換ホスファゼンオリゴマーの方が溶解性が高い結果が得られた。エポキシ樹脂に対するフェノキシホスファゼンオリゴマーの溶解性を表3に示す。
【表3】

【0020】
さらに、組成物の希釈に使用する溶剤についても同様に評価を行った。その結果を表4に示す。フェノキシホスファゼンは、前述した樹脂に比べて溶解性が良く、かなり溶解したが、水酸基を含む極性のジプロピレングリコールメチルエーテルに対しては5wt%以下の溶解性であり、また、極性の低いトルエンに対しては前記した結果とは逆に極性基(シアノ基)で置換されているフェノキシホスファゼンの方が25wt%で結晶析出する結果となった。一方、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶媒には、いずれのホスファゼンオリゴマーも25wt%以上溶解する結果が得られた。
【表4】

【0021】
前記表1〜4に示される結果より、非プロトン性極性溶媒等で希釈されている間は、いずれのホスファゼン化合物も析出することなく安定しているが、ドライフィルムなど乾燥塗膜にした際には、無置換ホスファゼン化合物は析出する可能性が高いと考えられる。一方、シアノ基等極性の置換基を有するホスファゼン化合物の場合には、カルボキシル基含有樹脂ワニスや光重合性モノマーに5wt%以上溶解可能であり、難燃性に有効な濃度までホスファゼン化合物の量を増やすことができ、充分な難燃性を達成することができる。
なお、本発明は、光硬化性樹脂組成物や、ドライフィルム及び硬化皮膜の状態で結晶が析出していないことを目的としており、組成物やドライフィルム加工前の溶液の段階、ドライフィルムや光硬化前の乾燥塗膜の段階、及び硬化後の皮膜の段階でホスファゼンの再結晶による粒が認められなければ、目的を達成できるので、すべての組成物構成成分に対して可溶である必要はない。
【0022】
前記可溶性ホスファゼン化合物(B)の好適な配合量は、カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して5〜50質量部、さらに好ましくは10〜40質量部の範囲が適当である。可溶性ホスファゼン化合物(B)の配合量が上記範囲より少ない場合、得られる硬化皮膜の充分な難燃性が得られず、一方、上記範囲より多い場合には、はんだ耐熱性、可撓性においても良好な結果が得られないので好ましくない。
【0023】
本発明に用いる光重合開始剤(C)としては、公知慣用の化合物が使用できる。
特に好ましい光重合開始剤としてはリン元素含有光重合開始剤があり、光重合開始剤でありながら難燃性を向上させる効果も有している。このようなリン元素含有光重合開始剤としては、下記一般式(II−1)で表される基を有するアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を好適に用いることができる。
【化2】

式中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アリール基、又はハロゲン原子、アルキル基もしくはアルコキシ基で置換されたアリール基を表し、但し、R及びRの一方は、R−C(=O)−基(ここでRは、炭素数1〜20の炭化水素基)を表してもよい。
【0024】
上記一般式(II−1)で表される基を有するアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASF社製のルシリンTPO、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー(登録商標)819などが挙げられる。
【0025】
他の好ましいリン元素含有光重合開始剤としては、下記一般式(II−2)で表される開始剤であり、市販品としてはBASF社製のルシリンTPO−Lがある。
【化3】

式中、Rは前記と同様の意味を有し、Rは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のシクロヘキシル基、シクロペンチル基、アリール基、又はハロゲン原子、アルキル基で置換されたアリール基を表し、R−C(=O)−基(ここでRは、炭素数1〜20の炭化水素基)を表してもよい。
【0026】
このようなリン元素含有光重合開始剤の配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、5〜80質量部、好ましくは10〜50質量部の範囲が適当である。
【0027】
リン元素含有光重合開始剤以外に加えることができる光重合開始剤としては、下記一般式(III)で表される基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、下記一般式(IV)で表される基を有するα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤がある。
【化4】

式中、Rは、水素原子、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい)を表し、
は、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい)を表し、
及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基又はアリールアルキル基を表し、
10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は2つが結合した環状アルキルエーテル基を表す。
【0028】
前記一般式(III)で表される基を有するオキシムエステル系光重合開始剤としては、好ましくは、下記式(V)で表される2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、下記一般式(VI)で表される化合物及び下記一般式(VII)で表される化合物が挙げられる。
【化5】

【0029】
【化6】

式中、R12は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基(アルコキシル基を構成するアルキル基の炭素数が2以上の場合、アルキル基は1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、又はフェノキシカルボニル基を表し、
13、R15は、それぞれ独立に、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい)を表し、
14は、水素原子、フェニル基(炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよい)、炭素数1〜20のアルキル基(1個以上の水酸基で置換されていてもよく、アルキル鎖の中間に1個以上の酸素原子を有していてもよい)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数2〜20のアルカノイル基又はベンゾイル基(炭素数が1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい)を表す。
【0030】
【化7】

式中、R16、R17及びR22は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基を表し、
18、R19、R20及びR21は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Mは、O、S又はNHを表し、
m及びpは、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
【0031】
前記したオキシムエステル系光重合開始剤の中でも、前記式(V)で表される2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、及び式(VI)で表される化合物がより好ましい。市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のCGI−325、イルガキュアーOXE01、イルガキュアーOXE02、株式会社ADEKA社製のN−1919等が挙げられる。これらのオキシムエステル系光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
前記一般式(IV)で表される基を有するα−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379などが挙げられる。
【0033】
前記したような光重合開始剤(C)の配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜50質量部、好ましくは0.5〜30質量部の範囲が適当である。光重合開始剤(C)の配合量が0.01質量部未満であると、銅上での光硬化性が不足し、塗膜が剥離したり、耐薬品性等の塗膜特性が低下するので好ましくない。一方、50質量部を超えると、光重合開始剤(C)のソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向があるために好ましくない。
尚、前記式(III)で表される基を有するオキシムエステル系光重合開始剤の場合、その配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲が望ましい。
【0034】
他に本発明の光硬化性樹脂組成物に好適に用いることができる光重合開始剤、光開始助剤及び増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、キサントン化合物、及び3級アミン化合物等を挙げることができる。
【0035】
ベンゾイン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルである。
アセトフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンである。
【0036】
アントラキノン化合物の具体例を挙げると、例えば、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンである。
チオキサントン化合物の具体例を挙げると、例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンである。
【0037】
ケタール化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールである。
ベンゾフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドである。
【0038】
3級アミン化合物の具体例を挙げると、例えば、エタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達社製ニッソキュアーMABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)等のジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製カヤキュアーEPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬社製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)である。
【0039】
前記した化合物の中でも、チオキサントン化合物及び3級アミン化合物が好ましい。本発明の組成物には、チオキサントン化合物が含まれることが深部硬化性の面から好ましく、中でも、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン化合物が好ましい。
このようなチオキサントン化合物の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下の割合が適当である。チオキサントン化合物の配合量が多すぎると、厚膜硬化性が低下して、製品のコストアップに繋がるので、好ましくない。
【0040】
3級アミン化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、最大吸収波長が350〜410nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物が特に好ましい。ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンが、毒性も低く好ましい。最大吸収波長が350〜410nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物は、最大吸収波長が紫外線領域にあるため、着色が少なく、無色透明な感光性組成物はもとより、着色顔料を用い、着色顔料自体の色を反映した着色ソルダーレジスト膜を提供することが可能となる。特に、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オンが波長400〜410nmのレーザー光に対して優れた増感効果を示すことから好ましい。
【0041】
このような3級アミン化合物の配合量としては、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部の割合が適当である。3級アミン化合物の配合量が0.1質量部以下であると、充分な増感効果を得ることができない傾向にある。20質量部を超えると、3級アミン化合物による乾燥ソルダーレジスト塗膜の表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。
【0042】
これらの光重合開始剤、光開始助剤及び増感剤は、単独で又は2種類以上の混合物として使用することができる。
このような光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤の総量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して35質量部以下となる範囲であることが好ましい。35質量部を超えると、これらの光吸収により深部硬化性が低下する傾向にある。
【0043】
前記したように、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物を光硬化性とするためには、分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有する光重合性モノマー(D)を併用する必要がある。光重合性モノマー(D)の配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、1〜100質量部、より好ましくは、10〜80質量部の割合が望ましい。前記配合量が、1質量部未満の場合、光硬化性が低下し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が困難となるので、好ましくない。一方、100質量部を超えた場合、指触乾燥性が悪かったり、はんだ耐熱性が劣るので好ましくない。
【0044】
本発明の組成物に、光で画像を形成するために配合される光重合性モノマー(D)としては、慣用公知の(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。慣用公知の(メタ)アクリレートモノマーとしては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物もしくはカプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;及び上記ポリアルコール類のウレタンアクリレート類、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;及びメラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などが挙げられる。
【0045】
上記(メタ)アクリレートモノマーの中でも、リン元素含有アクリレートが難燃性の観点から好ましい。例えば、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェートに代表されるフォスフェート系多官能アクリレート類、もしくは具体的には下記一般式(VIII)で表されるリン含有化合物変性アクリレートが挙げられる。
【化8】

式中、R23はアクリレート残基であり、R24とR25は水素もしくはハロゲン以外の有機基であるアクリレート誘導体である。このようなリン含有化合物変性アクリレートは、一般に、9,10−ジヒドロー9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキサイドと慣用公知の多官能アクリレートとのマイケル付加反応により合成することができる。
【0046】
本発明の光硬化性樹脂組成物には、耐熱性を付与するために、熱硬化性成分として熱硬化性樹脂(E)を加えることができる。特に好ましいのは分子中に2個以上の環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)を有する熱硬化性成分(E)である。これらの中でも2官能性のエポキシ樹脂が好ましく、他にはジイソシアネートやその多官能性ブロックイソシアネートも使用することができる。
【0047】
このような分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(E)は、分子中に3、4又は5員環の環状エーテル基、又は環状チオエーテル基のいずれか一方又は2種類の基を2個以上有する化合物であり、例えば、分子内に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物(E−1)、分子内に少なくとも2つ以上のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物(E−2)、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂(E−3)などが挙げられる。
【0048】
前記多官能エポキシ化合物(E−1)としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のJER828、JER834、JER1001、JER1004、大日本インキ化学工業社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、東都化成社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のアラルダイド6071、アラルダイド6084、アラルダイドGY250、アラルダイドGY260、住友化学工業社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成工業社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等(何れも商品名)のビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJERYL903、大日本インキ化学工業社製のエピクロン152、エピクロン165、東都化成社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル社製のD.E.R.542、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド8011、住友化学工業社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成工業社製のA.E.R.711、A.E.R.714等(何れも商品名)のブロム化エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJER152、JER154、ダウケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、大日本インキ化学工業社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、東都化成社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドECN1235、アラルダイドECN1273、アラルダイドECN1299、アラルダイドXPY307、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成工業社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299等(何れも商品名)のノボラック型エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製のエピクロン830、ジャパンエポキシレジン社製JER807、東都化成社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドXPY306等(何れも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJER604、東都化成社製のエポトートYH−434、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドMY720、住友化学工業社製のスミ−エポキシELM−120等(何れも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY−350(商品名)等のヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドCY175、CY179等(何れも商品名)の脂環式エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−933、ダウケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(何れも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(何れも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、旭電化工業社製EPX−30、大日本インキ化学工業社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のJER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン社製のYL−931、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイド163等(何れも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のアラルダイドPT810、日産化学工業社製のTEPIC等(何れも商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本化薬社製のNC−3000,NC−3100等のビフェニルノボラック樹脂、日本油脂社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;東都化成社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄化学社製ESN−190、ESN−360、大日本インキ化学工業社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;大日本インキ化学工業社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体(例えばダイセル化学工業製PB−3600等)、CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂などのビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。
【0049】
前記多官能オキセタン化合物(E−2)としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
【0050】
前記分子中に2個以上の環状チオエーテル基を有する化合物(E−3)としては、例えば、ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂YL7000などが挙げられる。また、同様の合成方法を用いて、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置き換えたエピスルフィド樹脂なども用いることができる。
【0051】
前記分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(E)の配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)のカルボキシル基1当量に対して、好ましくは0.6〜2.5当量、より好ましくは、0.8〜2.0当量となる範囲にある。分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(E)の配合量が0.6当量未満である場合、ソルダーレジスト膜にカルボキシル基が残り、耐熱性、耐アルカリ性、電気絶縁性などが低下するので、好ましくない。一方、2.5当量を超える場合、低分子量の環状(チオ)エーテル基が乾燥塗膜に残存することにより、塗膜の強度などが低下するので、好ましくない。
【0052】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、難燃性の助剤としてさらにリン含有化合物を含むこともできる。リン含有化合物としては有機リン系難燃剤として慣用公知のものが良く、リン酸エステル及び縮合リン酸エステル、環状フォスファゼン化合物、フォスファゼンオリゴマーもしくは下記一般式(IX)で表される化合物がある。
【化9】

式中、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、ハロゲン原子以外の置換基を示す。
上記一般式(IX)で表される化合物の市販品としてはHCA、SANKO−220、M−ESTER、HCA−HQ等がある。
【0053】
前記分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(E)を使用する場合、熱硬化触媒を含有することが好ましい。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド;ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。また、市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT(登録商標)3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)などが挙げられる。特に、これらに限られるものではなく、エポキシ樹脂やオキセタン化合物の熱硬化触媒、もしくはエポキシ基及び/又はオキセタニル基とカルボキシル基の反応を促進するものであればよく、単独で又は2種以上を混合して使用してもかまわない。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を前記熱硬化触媒と併用する。
【0054】
これら熱硬化触媒の配合量は、通常の量的割合で充分であり、例えばカルボキシル基含有樹脂(A)又は分子中に2つ以上の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分(E)100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
【0055】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、着色剤を配合することができる。着色剤としては、赤、青、緑、黄などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
【0056】
青色着色剤:
青色着色剤としてはフタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる:Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60。
染料系としては、Solvent Blue 35、Solvent Blue 63、Solvent Blue 68、Solvent Blue 70、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Blue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
【0057】
緑色着色剤:
緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系があり、具体的にはPigment Green 7、Pigment Green 36、Solvent Green 3、Solvent Green 5、Solvent Green 20、Solvent Green 28等を使用することができる。上記以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
【0058】
黄色着色剤:
黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下のものが挙げられる。
アントラキノン系:Solvent Yellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、Pigment Yellow 202。
イソインドリノン系:Pigment Yellow 110、Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 139、Pigment Yellow 179、Pigment Yellow 185。
縮合アゾ系:Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 94、Pigment Yellow 95、Pigment Yellow 128、Pigment Yellow 155、Pigment Yellow 166、Pigment Yellow 180。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Yellow 120、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 156、Pigment Yellow 175、Pigment Yellow 181。
モノアゾ系:Pigment Yellow 1, 2, 3, 4, 5, 6, 9, 10, 12, 61, 62, 62:1, 65, 73, 74, 75, 97, 100, 104, 105, 111, 116, 167, 168, 169, 182, 183。
ジスアゾ系:Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 55, 63, 81, 83, 87, 126, 127, 152, 170, 172, 174, 176, 188, 198。
【0059】
赤色着色剤:
赤色着色剤としてはモノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には以下のものが挙げられる。
モノアゾ系:Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 12, 14, 15, 16, 17, 21, 22, 23, 31, 32, 112, 114, 146, 147, 151, 170, 184, 187, 188, 193, 210, 245, 253, 258, 266, 267, 268, 269。
ジスアゾ系:Pigment Red 37, 38, 41。
モノアゾレーキ系:Pigment Red 48:1, 48:2, 48:3, 48:4, 49:1, 49:2, 50:1, 52:1, 52:2, 53:1, 53:2, 57:1, 58:4, 63:1, 63:2, 64:1,68。
ベンズイミダゾロン系:Pigment Red 171、Pigment Red 175、Pigment Red 176、Pigment Red 185、Pigment Red 208。
ぺリレン系:Solvent Red 135、Solvent Red 179、Pigment Red 123、Pigment Red 149、Pigment Red 166、Pigment Red 178、Pigment Red 179、Pigment Red 190、Pigment Red 194、Pigment Red 224。
ジケトピロロピロール系:Pigment Red 254、Pigment Red 255、Pigment Red 264、Pigment Red 270、Pigment Red 272。
縮合アゾ系:Pigment Red 220、Pigment Red 144、Pigment Red 166、Pigment Red 214、Pigment Red 220、Pigment Red 221、Pigment Red 242。
アンスラキノン系:Pigment Red 168、Pigment Red 177、Pigment Red 216、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 52、Solvent Red 207。
キナクリドン系:Pigment Red 122、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209。
【0060】
その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色、黒などの着色剤を加えてもよい。
具体的に例示すれば、Pigment Violet 19、23、29、32、36、38、42、Solvent Violet 13、36、C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等がある。
【0061】
前記したような着色剤の配合割合は、特に制限はないが、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、特に好ましくは0.1〜5質量部の割合で充分である。
【0062】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、その塗膜の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラーを配合することができる。このようなフィラーとしては、公知慣用の無機フィラー及び有機フィラーよりなる群から選ばれた少なくとも1種が使用できるが、無機フィラー、特に硫酸バリウム、球状シリカ及びタルクが好ましく用いられる。さらに、白色フィラーとして酸化チタンを加えることにより白色レジストとしてもよい。また、難燃性をさらに付与するために金属酸化物の微粒子を加えてもよく、具体的には水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、もしくはベーマイトなどが挙げられる。これらのフィラーは、単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0063】
これらフィラーの配合量は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは300質量部以下、より好ましくは0.1〜300質量部、特に好ましくは、0.1〜150質量部である。フィラーの配合量が300質量部を超えた場合、光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり印刷性が低下したり、硬化物が脆くなるので好ましくない。
【0064】
さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物は、前記カルボキシル基含有樹脂(A)の合成や組成物の調製のため、又は基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
このような有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。より具体的には、組成物に好適に用いられるトルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン等の炭化水素系、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキシルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、乳酸メチル、乳酸ブチル、乳酸エチル、等のエステル系、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジグライム、トリグライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ポロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系、その他、3−エトキシプロピオン酸エチル、2塩基酸エステル、ジメチルカーボネート、N,N-ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等である。このような有機溶剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いられる。
【0065】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、酸化防止剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0066】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、キャリアフィルム(支持体)と、該キャリアフィルム上に形成された上記光硬化性樹脂組成物からなる層とを備えたドライフィルムの形態とすることもできる。
ドライフィルム化に際しては、本発明の光硬化性樹脂組成物を前記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、10〜150μm、好ましくは20〜60μmの範囲で適宜選択される。
【0067】
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
【0068】
キャリアフィルム上に成膜した後、さらに、膜の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが望ましい。
剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜とキャリアフィルムとの接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0069】
また、本発明に係る光硬化性樹脂組成物又はこのドライフィルムは、銅上にて光硬化されることにより硬化物となる。光硬化は紫外線露光装置によっても可能であるが、波長が350〜410nmのレーザー光により硬化させることもできる。
【0070】
具体的には、以下のようにしてドライフィルム、硬化物、及びプリント配線板が形成される。すなわち、本発明の光硬化性樹脂組成物は、例えば前記有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったものを、光硬化性樹脂組成物層が基材と接触するように基材上に張り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂絶縁層を形成できる。その後、接触式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば0.3〜3%炭酸ソーダ水溶液)により現像して、レジストパターンが形成される。さらに熱硬化成分(E)を含有している組成物の場合、例えば約140〜180℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、前記カルボキシル基含有樹脂(A)のカルボキシル基と、分子中に2つ以上の環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する熱硬化性成分(E)が反応し、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性などの諸特性に優れた硬化塗膜を形成することができる。尚、熱硬化性成分(E)を含有していない場合でも、熱処理することにより、露光時に未反応の状態で残ったエチレン性不飽和結合が熱ラジカル重合し、塗膜特性が向上するため、目的・用途により、熱処理(熱硬化)してもよい。
【0071】
上記基材としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・PPO・シアネートエステル等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を用いることができる。
【0072】
本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法や、ノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
【0073】
以上のように本発明の光硬化性樹脂組成物を塗布し、揮発乾燥した後、得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線の照射)を行う。塗膜は、露光部(活性エネルギー線により照射された部分)が硬化する。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、レーザー直接描画装置(レーザーダイレクトイメージング装置)、メタルハライドランプを搭載した露光機、(超)高圧水銀ランプを搭載した露光機、水銀ショートアークランプを搭載した露光機、もしくは(超)高圧水銀ランプなどの紫外線ランプを使用した直接描画装置を使用することができる。尚、活性エネルギー線として最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光を用いていれば、ガスレーザー、固体レーザーどちらでもよい。また、その露光量は膜厚等によって異なるが、一般には5〜200mJ/cm、好ましくは5〜100mJ/cm、さらに好ましくは5〜50mJ/cmの範囲内とすることができる。上記直接描画装置としては、例えば日本オルボテック社製、ペンタックス社製等のものを使用することができ、最大波長が350〜410nmのレーザー光を発振する装置であればいずれの装置を用いてもよい。
【0074】
前記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
【実施例】
【0075】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではないことはもとよりである。
【0076】
<主剤ワニスの調製>
主剤配合例1〜5
表5に示す各成分を表5に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、ソルダーレジスト用主剤組成物のワニスを調製した。ここで、得られたワニスの分散度をエリクセン社製グラインドメータによる粒度測定にて評価したところ15μm以下であった。
【0077】
【表5】

【0078】
<硬化剤ワニスの調製>
硬化剤配合例1〜5
表6に示す各成分を表6に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、ソルダーレジスト用硬化剤組成物のワニスを調製した。ここで、得られたワニスの分散度をエリクセン社製グラインドメータによる粒度測定にて評価したところ15μm以下であった。
【0079】
【表6】

【0080】
<経時粒安定性>
前記表5、表6に示すワニスを5℃に設定されている冷蔵庫に1週間静置させた。室温に戻してからワニスをガラス板に塗布し、粒の確認を行った。その結果を表7に示す。
【0081】
【表7】

【0082】
<性能評価用組成物の調製>
前記表5に示す主剤組成物のワニスと、前記表6に示す硬化剤組成物のワニスを、下記表8に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて混合し、性能評価用組成物のワニスを調製した。
【0083】
【表8】

【0084】
性能評価:
<最適露光量>
前記実施例1〜4及び比較例1〜4の燃性光硬化性樹脂組成物を、銅厚35μmの回路パターン基板をバフロール研磨後、水洗し、乾燥してからスクリーン印刷法により全面に塗布し、80℃の熱風循環式乾燥炉で30分間乾燥させる。乾燥後、メタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いてステップタブレット(コダック No.2)を介して露光し、現像(30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPa)を60秒で行った際残存するステップタブレットのパターンが6段の時を最適露光量とした。
【0085】
特性試験:
前記実施例1〜4及び比較例1〜4の難燃性光硬化性樹脂組成物を、パターン形成されたポリイミドフィルム基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷する。この基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でソルダーレジストパターンを露光し、現像(30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPa)を60秒で行い、レジストパターンを得た。この基板を、150℃で60分加熱して硬化した。得られたプリント基板(評価基板)に対して以下のように特性を評価した。
【0086】
<はんだ耐熱性>
ロジン系フラックスを塗布した評価基板を、予め260℃に設定したはんだ槽に浸漬し、変性アルコールでフラックスを洗浄した後、目視によるレジスト層の膨れ・剥がれについて評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:10秒間浸漬を2回以上繰り返しても剥がれが認められない。
△:10秒間浸漬を2回以上繰り返すと少し剥がれる。
×:10秒間浸漬を1回でレジスト層に膨れ、剥がれがある。
【0087】
<耐無電解金めっき性>
市販品の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を用いて、ニッケル3μm、金0.03μmの条件でめっきを行い、テープピーリングにより、レジスト層の剥がれの有無やめっきのしみ込みの有無を評価した後、テープピーリングによりレジスト層の剥がれの有無を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:染み込み、剥がれが見られない。
△:めっき後に少し染み込みが確認されるが、テープピール後は剥がれない。
×:めっき後にしみ込みが見られ、テープピール後に剥がれも見られる。
【0088】
<電気特性>
銅箔基板に代えてIPC B−25のクシ型電極Bクーポンを用い、上記の条件で評価基板を作製し、このクシ型電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、85℃、85%R.H.の恒温恒湿槽にて1,000時間後の抵抗値及びマイグレーションの有無を確認した。判定基準は以下のとおりである。
◎:加湿後の絶縁抵抗値1012Ω以上、銅のマイグレーションなし
○:加湿後の絶縁抵抗値1012Ω未満、109Ω以上、銅のマイグレーションなし
△:加湿後の絶縁抵抗値10Ω以上、銅のマイグレーションあり
×:加湿後の絶縁抵抗値10Ω以下、銅のマイグレーションあり
【0089】
<難燃性>
前記実施例1〜4及び比較例1〜4の組成物を、25um厚のポリイミドフィルム(カプトン100H)又は12.5um厚のポリイミドフィルム(カプトン50H)にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷する。さらに裏面を同様にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷し両面塗布基板を得た。この基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でソルダーレジストを全面露光し、現像(30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPa)を60秒で行い、150℃で60分間熱硬化を行い評価サンプルとした。この難燃性評価用サンプルついて、UL94規格に準拠した薄材垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0又はVTM−1と表した。
【0090】
<可撓性>
前記実施例1〜4及び比較例1〜4の組成物を、25um厚のポリイミドフィルム(カプトン100H)にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥して室温まで放冷した。この基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でソルダーレジストを全面露光し、現像(30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPa)を60秒で行い、150℃で60分間熱硬化を行い評価サンプルとした。作成したサンプルを、ハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、その際の塗膜におけるクラック発生状況を目視及び倍率200の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生しない回数を評価した。
【0091】
前記各評価試験の結果を表9に示す。
【表9】

【0092】
前記表7及び表9に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4の難燃性光硬化性樹脂組成物は、保存安定性に優れているだけでなく、可撓性に優れていた。これに対して室温で固形の結晶性の強いフェノキシホスファゼンを用いた比較例1〜4の難燃性光硬化性樹脂組成物の場合、保存安定性、可撓性に劣っていた。
【0093】
実施例5〜8
表8に示す実施例1〜4に従って調製した難燃性光硬化性樹脂組成物をメチルエチルケトンで希釈し、キャリアフィルム上に塗布し、加熱乾燥して、厚さ20μmの感光性樹脂組成物層を形成し、その上にカバーフィルムを貼り合わせてドライフィルムを得た。その後、カバーフィルムを剥がし、パターン形成された銅箔基板に、ラミネーターを用いフィルムを貼り合わせた。この基板にメタルハライドランプ搭載の露光装置(HMW−680−GW20)を用いて最適露光量でソルダーレジストパターンを露光し、キャリアフィルムを剥がした後、現像(30℃の1wt%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPa)を60秒で行い、レジストパターンを得た。その後、150℃の熱風乾燥器で60分加熱硬化を行ない、試験基板を作製した。得られた硬化皮膜を有する試験基板について、前述した試験方法及び評価方法と同様にして、各特性の評価試験を行なった。結果は、実施例1〜4とほぼ同等であった。また、このとき作成したドライフィルムは5℃で1週間保管した後も、粒の発生が認められなかった。一方、表8の比較例1〜4に従って調製した光硬化性樹脂組成物を用いて同様にドライフィルムを作成した。作成直後では問題は見られなかったが、5℃で一週間保管したところ部分的に粒の発生が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カルボキシル基含有樹脂、(B)上記カルボキシル基含有樹脂(A)又はそのワニスに5wt%以上可溶である可溶性ホスファゼン化合物、及び(C)光重合開始剤を含有することを特徴とする難燃性光硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記ホスファゼン化合物(B)が、窒素原子を含む置換基を有する固形のフェノキシホスファゼン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
さらに(D)光重合性モノマーを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに(E)熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂(E)が、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項4に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
前記ホスファゼン化合物(B)が、前記光重合性モノマー(D)に5wt%以上可溶であることを特徴とする請求項3に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
さらに着色剤を含有するソルダーレジストであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物を、キャリアフィルム上に塗布・乾燥させて得られる難燃性光硬化性のドライフィルム。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物又は請求項8に記載のドライフィルムを硬化させて得られる難燃性硬化物。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の難燃性光硬化性樹脂組成物又は請求項8に記載のドライフィルムを硬化させて得られる難燃性硬化皮膜を有することを特徴とするプリント配線板。

【公開番号】特開2010−113245(P2010−113245A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287034(P2008−287034)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(591021305)太陽インキ製造株式会社 (327)
【Fターム(参考)】