説明

電力システム

【課題】電気自動車と電力系統との間で電力の授受を行う電力システムにおいて、スイッチングロスやスイッチングノイズを低減した電圧変換により直流変換や交流変換の制御回路に必要な電圧を提供できる電力システムを提供する。
【解決手段】電力変換装置10は、第1電源回路11、第2電源回路12、選択回路14、制御回路15、双方向インバータ回路16、充放電回路17を主たる構成として備える。電力変換装置10は、マイクロコンピュータやDSP等のマイクロプロセッサで構成される制御回路15により動作が制御され、当該制御回路15の動作電圧は、第1電源回路11あるいは第2電源回路12によって供給される。ここで、第1電源回路11は、電力系統22から供給される交流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成し、第2電源回路12は、電気自動車EV内の直流電源2から供給される直流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気自動車との間で電力を授受可能な電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリに充電された電力を駆動源としてモータを駆動して動力を得る電気自動車は、昨今では、家庭用の電源からもケーブルを介してバッテリの充電を行うことが可能となっている。ここで、最近では、太陽光発電や風力発電を行って自家発電を行う家庭が増えているが、そのような家庭では、余剰電力があるは電力会社に販売し、発電量が足りない場合には、電力会社の電力系統から供給される商用電力(系統電力)を使用するという方法を採っている。このようなシステムを発展させたものがスマートグリッドと呼称される次世代の電力網である。
【0003】
このように、家庭においても自家発電による電力供給が取り入れられつつある現在では、太陽光発電や風力発電によって得た電力で電気自動車のバッテリを充電することも可能である。
【0004】
太陽光発電によって得た電力で電気自動車のバッテリを充電する構成は、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1においては、太陽電池モジュールからの直流発電電力を交流変換して家庭内負荷に供給する家庭用パワーコンディショナと、パワーコンディショナからの交流電力を直流電力に再変換してガソリン自動車または電気自動車のバッテリに貯蔵し、または、貯蔵された電力を交流変換して家庭内負荷に電力供給するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−19193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1にはパワーコンディショナの内部構成は開示されておらず、パワーコンディショナ内での直流変換や交流変換に必要な制御回路がどのような電源に基づいて制御されているかなどは不明である。一方で、特許文献1には、系統電力が長期間停電した場合には、パワーコンディショナの制御モードを電圧制御モードに切り替えて自立運転させることが開示されているが、自立運転に際して、自動車のバッテリから制御回路の電源を得るにしても、太陽電池モジュールから制御回路の電源を得るにしても、100ボルト以上の高電圧から、数ボルト程度の制御回路の電源を得るには、何らかの降圧手段が必要であることが予想される。しかし、入出力差が大きい降圧を行うと、スイッチングロスやスイッチングノイズが大きくなるという問題がある。
【0008】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、電気自動車と電力系統との間で電力の授受を行う電力システムにおいて、スイッチングロスやスイッチングノイズを低減した電圧変換により直流変換や交流変換の制御回路に必要な電圧を提供できる電力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電力システムの態様は、負荷に交流電力を供給する電力系統と、バッテリに充電された電力を駆動源としてモータを駆動して走行する自動車との間で、電力を授受する電力システムであって、前記電力系統と前記自動車のバッテリとの間に接続された電力変換装置を備え、前記電力変換装置は、前記バッテリの充放電を行う充放電回路と、前記充放電回路と前記電力系統との間に接続され、直流電力と交流電力との双方向の変換を行う双方向インバータ回路と、前記充放電回路および前記双方向インバータ回路を制御する制御回路と、を有し、前記制御回路は、前記電力系統から供給される交流電圧に基づく第1の電圧および、前記自動車の直流電源から供給される直流電圧に基づく第2の電圧の一方を動作電圧として選択する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電力システムの態様によれば、自動車内の直流電源から供給される直流電圧に基づいた第2の電圧を制御回路の動作電圧として選択可能とすることで、入出力差の小さい降圧処理で済み、スイッチングロスやスイッチングノイズが小さな電圧変換が可能となり、電力消費を抑制し、安定した電圧を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る電力システムの実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】双方向インバータ回路の構成および動作を説明する図である。
【図3】充放電回路の構成および動作を説明する図である。
【図4】本発明に係る電力システムの実施の形態1の変形例の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る電力システムの実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図6】DC−DCコンバータの構成を説明する図である。
【図7】複数のケーブルを1本にまとめた専用ケーブルの断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態1>
図1は、本発明に係る電力システムの実施の形態1として、家庭に供給される系統電力のバックアップシステム100の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すバックアップシステム100は、電気自動車(ガソリンエンジンとモータとを併用したプラグインハイブリッド車も含む)EV内の走行用のモータ(図示せず)の駆動源となるバッテリ1を、系統電力のバックアップ電源として使用するものであり、バッテリ1から電力変換装置10を介して家庭内負荷21に電力を供給可能な構成となっている。
【0014】
電力変換装置10は、電力系統22からスイッチSWを介して供給される100ボルト〜200ボルトの交流電力を直流電力に変換してバッテリ1に蓄積するとともに、バッテリ1に蓄積された直流電力を、100ボルト〜200ボルトの交流電力に変換してスイッチSWを介して家庭内負荷21に供給する双方向の電力変換装置である。
【0015】
電力変換装置10は、第1電源回路11、第2電源回路12、選択回路14、制御回路15、双方向インバータ回路16、充放電回路17を主たる構成として備えている。
【0016】
電力変換装置10は、マイクロコンピュータやDSP(Digital signal Processor)等のマイクロプロセッサで構成される制御回路15により動作が制御され、当該制御回路15の動作電圧は、第1電源回路11あるいは第2電源回路12によって供給される。ここで、第1電源回路11は、電力系統22から供給される交流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成し、第2電源回路12は、電気自動車EV内の直流電源2から供給される直流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成する。
【0017】
ここで、直流電源2は、電気自動車EVの制御系などに使用される12ボルト程度の電圧を発生させるバッテリであり、バッテリ1の300ボルト程度の出力電圧を降圧回路3によって12ボルト程度に下げることで電力が蓄積される。なお、降圧回路3は、後に説明するDC−DCコンバータなどを使用することができ、降圧回路3そのものを直流電源2として使用し、12ボルトのバッテリを使用しない構成としても良い。
【0018】
このように、電気自動車EVの制御系などに使用されるバッテリや降圧回路3を直流電源2として使用することで、第2電源回路12に与える電圧を低くすることができ、第2電源回路12を入出力差の小さい降圧回路で構成することができる。
【0019】
第1電源回路11および第2電源回路12で生成された5ボルト程度の制御回路15の動作電圧は選択回路14に与えられ、何れか一方が選択されて制御回路15に供給される。選択回路14による選択は、電力系統22から電力が供給されている場合は第1電源回路11からの動作電圧を選択し、電力系統22からの電力供給が途絶えた場合には、第2電源回路12からの動作電圧を選択するように行う。
【0020】
選択回路14は、スイッチ手段により選択を行うようにすれば良く、スイッチ手段としては、メカニカルリレーやMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect-Transistor)を利用することができ、そのオンオフ指令は制御回路15から与える構成とすれば良い。
【0021】
制御回路15は、双方向インバータ回路16、充放電回路17等のオン、オフを制御するが、これらの基本的なスイッチング動作は、図示しない子制御回路により制御される。
【0022】
双方向インバータ回路16は、図2の(a)部に示すように4つのスイッチ素子T21、T22、T23およびT24で構成されるフルブリッジ回路を用いることができる。なお、スイッチ素子T21〜T24のそれぞれには、逆並列にダイオードD21、D22、D23およびD24が接続されている。
【0023】
各スイッチ素子にはMOSFETやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられ、PWM駆動される。フルブリッジ回路の出力波形はリアクトルL21およびL22により平滑化され、ほぼ正弦波となって出力される。
【0024】
双方向インバータ回路16の交流側に電力系統が接続される場合は、双方向インバータ回路16の出力電圧は電力系統22の電圧によって決まり、直流側の電圧が一定になるように出力電流が制御された、電流型インバータとなる。
【0025】
一方、交流側に電力系統が接続されず、家庭内負荷21など交流負荷のみが接続される場合は、インバータ回路の出力電圧が一定で、かつ直流側の電圧が一定になるように制御された電圧型インバータとなる。
【0026】
双方向インバータ回路16のスイッチ素子としてはMOSFETやIGBTを用いるため、全スイッチ素子を常時オフ状態とすることにより、図2の(b)部に示すようにフルブリッジ回路はダイオードブリッジとなるので、電力系統22側から入力側へのAC−DC変換動作が実現できる。
【0027】
充放電回路17は、300ボルト程度のバッテリ1の直流出力電圧を約350ボルトまで昇圧する双方向DC−DCコンバータである。双方向DC−DCコンバータとして、例えば、図3に示す双方向チョッパを適用することができる。
【0028】
図3の(a)部には回路図を示し、図3の(b)部には放電運転時の回路、図3の(c)部には充電運転時の回路を示す。
【0029】
図3の(a)部に示すように、双方向チョッパは直列に接続されたスイッチ素子T31およびT32と、スイッチ素子T31およびT32にそれぞれ逆並列に接続されたダイオードD31およびD32を有し、バッテリ1はインピーダンス素子L31を介してスイッチ素子T31とT32との接続点に接続される。また、スイッチ素子T31とT32の両端間にはコンデンサC31が介挿され、双方向インバータ回路16が接続される。
【0030】
図3の(b)に示す放電運転時の動作では、スイッチ素子T31は常時オフとしスイッチ素子T32がPWM(パルス幅変調)駆動されることにより、昇圧チョッパとして動作する。この動作により、出力側(インバータ回路側)において入力側(バッテリ側)よりも高い直流電圧を得ることができる。
【0031】
図3の(c)部に示す充電運転時の動作では、スイッチ素子T32は常時オフとし、スイッチ素子T31がPWM駆動されることにより、インバータ回路側からバッテリ1側に向かって降圧動作を行う降圧チョッパとして動作する。
【0032】
なお、スイッチ素子T31およびT32は、MOSFETまたはIGBTを使用するため、スイッチ素子を常時オフ状態にしたときはダイオードD31およびD32が機能し、常時オフ状態になる。
【0033】
電力変換装置10においては、双方向インバータ回路16や充放電回路17を制御する制御回路15の5ボルト程度の動作電圧を、第1電源回路11および第2電源回路12を用いて生成し、このうち第2電源回路12は、電気自動車EV内の直流電源2から供給される直流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成するので、入出力差の小さい降圧回路で構成することができる。このため、スイッチングロスやスイッチングノイズが小さな電圧変換が可能となり、電力消費を抑制し、安定した電圧を生成することができる。
【0034】
<変形例>
図4は、実施の形態1の変形例である系統電力のバックアップシステム100Aの構成を示すブロック図である。なお、図1に示したバックアップシステム100と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0035】
図4に示すバックアップシステム100Aは、電気自動車EV全体の制御を行う電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)内の直流電源2Aの5ボルト程度の出力電圧を制御回路15の動作電圧として使用する構成を採り、直流電源2Aから出力される出力電圧は、電力変換装置10Aの選択回路14に直接に与えられる構成となっている。従って、図1に示した電力変換装置10のような第2電源回路12は不要となり、装置構成を簡略化できる。
【0036】
電気自動車EVにおけるECU内部には、マイクロコンピュータやDSPなどのマイクロプロセッサの動作電圧となる5ボルト程度の出力電圧を有する直流電源を有しており、直流電源2Aにはこれを使用する。
【0037】
バックアップシステム100Aにおいては、ECUの動作電圧と、電力変換装置内の制御回路15の動作電圧が同じ場合に特に有効であるが、両者の動作電圧に多少の差がある場合には、電力変換装置10に示した第2電源回路12を用いて降圧、あるいは昇圧を行うことで対応可能である。その場合、入出力差は、より小さいものとなるので、スイッチングロスやスイッチングノイズがより小さな電圧変換が可能となり、電力消費を抑制し、安定した電圧を生成することができる。
【0038】
<実施の形態2>
図5は、本発明に係る電力システムの実施の形態2として、太陽電池、燃料電池、風力発電等により発生する交流または直流の電力を商用周波数の交流電力に変換し、この交流電力を電力系統や家庭内負荷に供給するパワーコンディショナ20を含む系統電力のバックアップシステム200の構成を示すブロック図である。なお、図1に示したバックアップシステム100と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0039】
図5に示すバックアップシステム200は、電気自動車EV内の走行用のモータ(図示せず)の駆動源となるバッテリ1を、系統電力のバックアップ電源として使用するとともに、発電システム30で発生する直流電力をDC−DCコンバータ18および双方向インバータ回路16を介して100〜200ボルトの交流電力に変換し、スイッチSWを介して家庭内負荷21に供給可能な構成となっている。
【0040】
また、DC−DCコンバータ18の出力は、充放電回路17を介してバッテリ1に充電可能に構成されている。
【0041】
なお、スイッチSWを介して出力された交流電力のうち、家庭内負荷21で消費されない余剰電力分が、電力系統22側に逆潮流されるが、逆潮流のシステムについては本願との関連が薄いので説明は省略する。
【0042】
ここで、発電システム30には、太陽光発電や風力発電あるいは燃料電池等を含むが、本実施の形態では太陽光発電を使用するものとする。
【0043】
パワーコンディショナ20においては、制御回路15の動作電圧が、第1電源回路11、第2電源回路12および第3電源回路13によって供給される。ここで、第1電源回路11は、電力系統22から供給される交流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成し、第2電源回路12は、電気自動車EV内の直流電源2から供給される直流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成し、第3電源回路13は、発電システム30の100〜300ボルトの出力電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成する。
【0044】
第1電源回路11、第2電源回路12および第3電源回路13で生成された5ボルト程度の制御回路15の動作電圧は選択回路14に与えられ、何れか1つが選択されて制御回路15に供給される。
【0045】
選択回路14による選択は、電力系統22から電力が供給されている場合は第1電源回路11からの動作電圧を選択し、電力系統22からの電力供給が途絶えた場合には、第2電源回路12からの動作電圧を選択するように設定する。また、発電システム30から電力が供給されている場合は常に第3電源回路からの動作電圧を選択するように設定する。
【0046】
制御回路15は、双方向インバータ回路16、充放電回路17およびDC−DCコンバータ18等のオン、オフを制御するが、これらの基本的なスイッチング動作は、図示しない子制御回路により制御される。
【0047】
DC−DCコンバータ18は、発電システム30の100〜300ボルトの直流出力電圧を約350ボルトまで昇圧する電圧変換回路であり、その構成としては、例えば、図6に示す昇圧チョッパなどの既知の回路が適用できる。
【0048】
図6に示す昇圧チョッパは、2つの電力ライン間に接続されたスイッチ素子T11と、スイッチ素子T11より出力側において2つの電力ライン間にスイッチ素子T11と並列するように2つの電力ライン間に接続されたコンデンサC1と、コンデンサC1の正電位側電極の接続点にカソードが接続され、スイッチ素子T11の接続点にアノードが接続されるように電力ラインに介挿されたダイオードD12と、スイッチ素子T11の接続点と、入力端との間の電力ラインに介挿されたインピーダンス素子L11と、スイッチ素子T11に逆並列に接続されたダイオードD11とを有している。
【0049】
このような構成において、スイッチ素子T11がPWM駆動されると、入力側よりも高い直流電圧を得ることができる。
【0050】
パワーコンディショナ20においては、双方向インバータ回路16、充放電回路17およびDC−DCコンバータ18を制御する制御回路15の5ボルト程度の動作電圧を、第1電源回路11、第2電源回路12および第3電源回路を用いて生成し、このうち第2電源回路12は、電気自動車EV内の直流電源2から供給される直流電圧に基づいて制御回路15の動作電圧を生成するので、入出力差の小さい降圧回路で構成することができる。このため、スイッチングロスやスイッチングノイズが小さな電圧変換が可能となり、電力消費を抑制し、安定した電圧を生成することができる。
【0051】
なお、図4に示した系統電力のバックアップシステム100Aと同様に、電気自動車EV内の直流電源2の代わりに、ECU内のマイクロコンピュータやDSPなどのマイクロプロセッサの駆動電源となる5ボルト程度の直流電源の出力電圧を、制御回路15の動作電圧として使用する構成を採ることで、第2電源回路12を不要とする構成を採っても良いことは言うまでもない。
【0052】
以上説明した実施の形態1および2の系統電力のバックアップシステム100および200においては、電力変換装置10およびパワーコンディショナ20と電気自動車EVとの間には、充放電回路17とバッテリ1とを接続するケーブルおよび第2電源回路12と直流電源2とを接続するケーブルとが必要であるが、これらを別個に設けると、接続作業が煩雑となるので、これらのケーブルを1本にまとめ、一度に抜き差しできる構成とすることで、ユーザーにとって使いやすい構成となる。
【0053】
図7は、複数のケーブルを1本にまとめた専用ケーブルの断面構成を示す図であり、充放電回路17とバッテリ1とを接続するケーブルは、大電力を充放電するので太い電力線PL1およびPL2を用いて構成され、第2電源回路12と直流電源2とを接続するケーブルは、電力は小さいので信号線SL1およびSL2を用いて構成される。
【0054】
なお、信号線SL1およびSL2は、それぞれ他の信号線の束の中に含まれるように配置されている。なお、複数のケーブルを1本にまとめる構成はこれに限定されるものではない。
【0055】
なお、以上の説明においては、制御回路15の動作電圧は5ボルト程度としたが、省電力化により3.3ボルトの動作電圧の回路を使用する場合もある。
【符号の説明】
【0056】
10,10A 電力変換装置、20 パワーコンディショナ、EV 電気自動車。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷に交流電力を供給する電力系統と、バッテリに充電された電力を駆動源としてモータを駆動して走行する自動車との間で、電力を授受する電力システムであって、
前記電力系統と前記自動車のバッテリとの間に接続された電力変換装置を備え、
前記電力変換装置は、
前記バッテリの充放電を行う充放電回路と、
前記充放電回路と前記電力系統との間に接続され、直流電力と交流電力との双方向の変換を行う双方向インバータ回路と、
前記充放電回路および前記双方向インバータ回路を制御する制御回路と、を有し、
前記制御回路は、
前記電力系統から供給される交流電圧に基づく第1の電圧および、
前記自動車の直流電源から供給される直流電圧に基づく第2の電圧の一方を動作電圧として選択する、電力システム。
【請求項2】
前記電力変換装置は、
前記直流電源から供給される前記直流電圧を降圧して前記第2の電圧を生成する電源回路を有する、請求項1記載の電力システム。
【請求項3】
前記直流電源は、
前記自動車の制御系の電源用のバッテリ、あるいは前記モータを駆動する前記バッテリの出力電圧を降圧する降圧回路で構成される、請求項2記載の電力システム。
【請求項4】
前記電力変換装置は、
前記直流電源から供給される直流電圧を前記第2の電圧として使用する、請求項1記載の電力システム。
【請求項5】
前記直流電源は、
前記自動車の全体の制御を行う電子制御装置の演算処理装置駆動用の電源回路で構成される、請求項4記載の電力システム。
【請求項6】
前記電力システムは、直流電力を発生する発電システムをさらに備え、
前記電力変換装置は、
前記発電システムで発生する直流電力を、前記双方向インバータ回路を介して交流電力に変換して前記負荷に供給するとともに、前記充放電回路を介して前記バッテリを充電可能に構成され、
発電システムから供給される直流電圧に基づく第3の電圧と、前記第1および第2の電圧の中から何れか1つを前記制御回路の動作電圧として選択する、請求項1記載の電力システム。
【請求項7】
前記自動車の前記バッテリおよび前記直流電源と、前記電力変換装置との接続は、
前記バッテリへの接続ケーブルと、
前記直流電源への接続ケーブルとを1本にまとめた専用ケーブルによって行う、請求項1記載の電力システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−70536(P2012−70536A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213283(P2010−213283)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】