電力制御方法および装置
【課題】負荷からのフィードバック情報を何ら必要ないにもかかわらずフィードバックしていたため、フィードバックループを不要とすることによって回路速度が向上する。
【解決手段】負荷からのフィードバック情報を必要としないLEDベース光源用の「フィードフォワード」電力ドライバは、DC‐DC変換器と光源コントローラの機能を組み合わせるとともに、所与の時間間隔において負荷に配給される平均電力を変調することに基づいて、光源によって生成される光の強度を、光源に供給される電圧または電流を監視および/または調整することなく、制御するように構成される。1つまたは2つ以上の電力ドライバを組み込んだ、ライティング装置を実現することができるとともに、複数のそのようなライティング装置を互いに結合して、動作電力がネットワーク全体に効率的に供給されるライティングネットワークを形成することができる。
【解決手段】負荷からのフィードバック情報を必要としないLEDベース光源用の「フィードフォワード」電力ドライバは、DC‐DC変換器と光源コントローラの機能を組み合わせるとともに、所与の時間間隔において負荷に配給される平均電力を変調することに基づいて、光源によって生成される光の強度を、光源に供給される電圧または電流を監視および/または調整することなく、制御するように構成される。1つまたは2つ以上の電力ドライバを組み込んだ、ライティング装置を実現することができるとともに、複数のそのようなライティング装置を互いに結合して、動作電力がネットワーク全体に効率的に供給されるライティングネットワークを形成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
本開示は、一般的には、負荷に対して供給される電力を制御することに関する。 いくつかの実施例においては、負荷に対して、その負荷からのフィードバック(例えば、負荷電圧および負荷電流の監視)、および/または負荷電圧または負荷電流の調整を必要とすることなく、制御された所定の電力が供給される。
【背景技術】
【0002】
背景
DC‐DC変換器は、DC入力電圧を受け入れて、DC出力電圧を供給する周知の電気デバイスである。DC‐DC変換器は、一般に、調整されていないDC入力に基づいて、調整されたDC出力電圧を負荷に対して供給するように構成されており、この入力電圧は、場合によっては、調整された出力電圧と異なる。例えば、バッテリが約12ボルトの無調整電圧を有するDC電源となる、多くの自動車用途においては、DC‐DC変換器を使用して、無調整12ボルトDCを入力として受け入れ、調整DC電圧を供給して、車両内の種々の電子回路(計器類、アクセサリ、エンジン制御、照明、ラジオ/ステレオ、その他)を駆動することもできる。調整DC出力電圧は、バッテリからの入力電圧よりも低くするか、または高くするか、あるいは同じにすることができる。
【0003】
より一般的には、DC‐DC変換器を使用して、バッテリなどの多種多様なDC電源の任意のものによって供給される無調整電圧を、与えられた負荷を駆動するのに、より適した調整電圧に変圧してもよい。場合によっては、無調整DC入力電圧は、120Vrms/60HzAC線間電圧などのAC電源から引き出し、これをブリッジ整流器/フィルタ回路配設によって整流、フィルタリングしてもよい。この場合には、以下にさらに考察するように、潜在的に危険な電圧を使用する場合には、一般に、DC‐DC変換器内に保護絶縁構成要素を使用して、安全な動作を確保する。
【0004】
図1は、高圧の無調整DC入力電圧30(Vin)に基づいて、調整DC出力電圧32(Vout)を負荷40に供給するように構成されている、従来型ステップダウンDC‐DC変換器50の回路図を示している。図1のステップダウン変換器は、一般に「バック(buck)」変換器とも呼ばれる。機能的な観点からは、図1のバック変換器は、一般的に、他の種類のDC‐DC変換器を代表しており、そのいくつかの例について以下に考察する。
【0005】
図1のバック変換器のようなDC‐DC変換器は、飽和スイッチとして動作するように構成されたトランジスタまたは同等のデバイスを使用し、この飽和スイッチは、エネルギー蓄積デバイスに選択的にエネルギーを蓄積することを可能にする(例えば、図1におけるトランジスタスイッチ20およびインダクタ22を参照のこと)。図1には、そのようなトランジスタスイッチを、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)として図示してあるが、電界効果トランジスタ(FET)も、様々なDC‐DC変換器実装におけるスイッチとして使用することができる。そのようなトランジスタスイッチを使用することによって、DC‐DC変換器は、その一般的な機能から、一般に「スイッチングレギュレータ」とも呼ばれる。
【0006】
特に、図1の回路におけるトランジスタスイッチ20は、比較的短い時間間隔、インダクタ22(L)の両端に、無調整DC入力電圧30(Vin)を周期的に印加するように動作する(図1および後続の図において、特に断らない限り、所望のインダクタンスを得るために種々の直列/並列構成のいずれかに配設される、1つまたは2つ以上の実際インダクタを模式的に表わすために、単一のインダクタを示してある)。トランジスタスイッチが「オン」または閉止である(すなわち、インダクタに入力電圧Vinを流す)時間間隔中、電流は、印加電圧に基づいてインダクタを通過して流れ、インダクタはその磁界にエネルギーを蓄積する。スイッチが「オフ」または開放であるとき(すなわち、インダクタからDC入力電圧が除去されると)、インダクタに蓄積されたエネルギーが、フィルタキャパシタ34に伝達されて、このフィルタキャパシタ34は、比較的に平滑なDC出力電圧Voutを、負荷40に供給する働きをする(すなわち、キャパシタは、インダクタエネルギー蓄積サイクル間に、本質的に連続するエネルギーを負荷に供給する)。
【0007】
より具体的には、図1において、トランジスタスイッチ20がオンのとき、電圧VL=Vout−Vinがインダクタ22の両端に印加される。この印加電圧によって、VL=L・dIL/dtの関係に基づいて、直線的に増加する電流ILが、インダクタを通過して(負荷およびキャパシタへと)流れる。トランジスタスイッチ20がオフにされている場合には、インダクタを通過する電流ILは、同じ方向に流れ続け、このときにはダイオード24(D1)が導通して回路を完成する。電流がダイオードを通過して流れている限り、インダクタの両端の電圧VLは、Vout−Vdiodeに固定され、それによってインダクタ電流ILは、エネルギーがインダクタの磁界からキャパシタおよび負荷に供給されるにつれて、直線的に減少する。図2は、以上に説明したスイッチング動作の間の、図1の回路に対する様々な信号波形を示す図である。
【0008】
従来型DC‐DC変換器は、一般に「連続」モードおよび「不連続」モードと呼ばれる、異なるモードで動作するように構成することができる。連続モード動作においては、インダクタ電流ILは、逐次スイッチングサイクル中にゼロより上にとどまるのに対して、不連続モードにおいては、所与のスイッチングサイクルの開始においてゼロで始まり、スイッチングサイクルの終了の前にゼロに戻る。図1の回路について、いくぶん簡略化しているが、有益な分析を行うために、以下の考察では、連続モード動作を考慮し、さしあたり、スイッチがオンである(すなわち導通している)ときにはトランジスタスイッチの両端での電圧低下はないこと、およびダイオードが電流を導通している間は、ダイオードD1の両端での電圧低下は無視できることを仮定する。前述のことを考慮して、逐次スイッチングサイクルにわたってのインダクタ電流の変化は、図3を用いて検証することができる。
【0009】
図3は、トランジスタスイッチ20に動作に基づく、図1に示す接点での電圧Vx(ここでも、ダイオードD1の両端での電圧低下は無視している)と、2回の逐次スイッチングサイクルの間に、インダクタを通過する電流ILとを重ねたグラフである。図3において、水平軸は時間tを表わし、完全スイッチングサイクルは、時間周期Tによって表わされ、ここでトランジンスタスイッチ「オン」時間はtonで示し、スイッチ「オフ」時間はtoffで示してある(すなわち、T=ton+toff)。
【0010】
定常動作に対して、ここで認識すべきことは、スイッチングサイクルの開始および終了における、インダクタ電流ILは、図3における表示IOによって分かるように、本質的に同じである。したがって、VL=L・dIL/dtの関係から、1回のスイッチングサイクルにわたる電流の変化dILはゼロであり、次式によって与えられ:
【数1】
これは、次のように簡略化され、
【数2】
ここで、Dは、トランジスタスイッチの「デューティサイクル」、またはスイッチがオンであり、エネルギーをインダクタに蓄積することができる、スイッチングサイクル当りの時間の割合として定義される。前述のことから、出力電圧と入力電圧の比はDに比例すること、すなわち、図1の回路におけるスイッチのデューティサイクルDを変えることによって、出力電圧Voutを、入力電圧Vinに対して変化させることができるが、最大デューティサイクルDは1であるので、入力電圧を超えることはできないことが分かる。
【0011】
したがって、先述のように、図1の従来型バック変換器は、負荷40aに対して入力電圧Vinよりも低い調整出力電圧Voutを供給するように、特に構成されている。図1に示すように、出力電圧Voutの安定性を確保するために、バック変換器は、フィードバック制御ループ46を使用してトランジスタスイッチ20の動作を制御する。一般的に、図1に接続47によって示すように、フィードバック制御ループ46の様々な構成要素に対する電力は、DC入力電圧Vinまたは、代替的に別の独立した電力源から引き出すことができる。
【0012】
図1のフィードバック制御ループ46において、DC出力電圧Voutの縮尺サンプル電圧Vsampleが、フィードバック制御ループ46への入力として(例えば、抵抗器R2、R3を経由して)供給されて、誤差増幅器27によって参照電圧Vrefと比較される。参照電圧Vrefは、所望の調整出力電圧Voutの安定縮尺表現(stable scaled representation)である。誤差増幅器28は、VsampleとVrefの比較に基づいて誤差信号38(この例において、ある所定の範囲にわたっての正電圧信号)を生成し、この誤差信号の絶対値が、最終的に、トランジスタスイッチ20の動作を制御し、これにより、スイッチデューティサイクルに対する調節を介して出力電圧Voutが調節される。このようにして、フィードバック制御ループは、安定な調整出力電圧Voutを維持する。
【0013】
より詳細には、誤差信号38は、パルス幅変調器36のための制御電圧としての役割を果たし、このパルス幅変調器36も、発振器26によって供給される周波数f=1/Tを有するパルスストリーム42を受け取る。従来型DC‐DC変換器において、パルスストリーム42に対する例証的な周波数fには、それに限定はされないが、約50kHz〜100kHzの範囲が含まれる。パルス幅変調器36は、パルスストリーム42と誤差信号38の両方を使用して、トランジスタスイッチ20のデューティサイクルを制御する、オン/オフ制御信号44を供給するように構成されている。要するに、パルスストリーム42のパルスは、パルス幅変調器にトランジスタスイッチ20をオンにさせる、「トリガー」として作用し、誤差信号38は、トランジスタスイッチがオンに留まる時間(すなわち、時間周期tonの長さ、したがってデューティサイクルD)を判定する。
【0014】
例えば、サンプリングされた出力電圧VsampleがVrefよりも高い(すなわち、誤差信号38は比較的低い値を有する)ことを、誤差信号38が示す場合には、パルス幅変調器36は、比較的短い持続時間の「オン」パルスまたは低いデューティサイクルを有する制御信号を供給し、それによって、トランジスタ20がオンの間に、比較的少ないエネルギーをインダクタに供給するように構成されている。対照的に、VsampleがVrefよりも低い(すなわち、誤差信号が比較的高い値を有する)ことを誤差信号38が示す場合には、パルス幅変調器は、比較的長い持続時間の「オン」パルス、または高いデューティサイクルを有する制御信号を供給し、それによってトランジスタスイッチ20がオンの間に、比較的多くのエネルギーをインダクタに供給するように、構成されている。したがって、誤差信号38を介して、制御信号44の「オン」パルスの期間を変調することによって、出力電圧Voutは、フィードバック制御ループ46によって調整され、Vrefによって表わされる所望出力電圧を近似する。
【0015】
図1に関係して上記で考察したバック変換器に加えて、その他の種類の従来型DC‐DC変換器としては、例えば、入力電圧よりも高い調整DC出力電圧を供給する、ステップアップまたは「ブースト」変換器、入力電圧よりも低いか、または高く、入力電圧の極性と逆の極性を有する、調整DC出力電圧を供給するように構成することができる、反転「バック・ブースト」変換器、および容量性エネルギー伝達原理に基づく、「CUK」変換器を挙げることができる。バック変換器と同様に、これらの他の種類の変換器のそれぞれにおいて、トラジスタスイッチのデューティサイクルDは、出力電圧Voutと入力電圧Vinとの比を決定する。
【0016】
図4は、従来型ブースト変換器52を示し、図5は、従来型バック・ブースト変換器または反転調整器(inverting regulator)54を示す。これらの変換器は両方とも、図1のバック変換器と同様に分析することによって、デューティサイクルDが比Vout/Vinに与える影響を、特定することができる。図6は、「CUK」変換器56の一例を示しており、この変換器は、キャパシタ内の電流バランスに基づき、主として誘導性の負荷へのエネルギー伝達ではなく容量性のエネルギー伝達を使用する。図6の回路は、図5のバック・ブースト変換器に基づき、双対性原理(duality principle)から導出される(すなわち、CUK変換器内のデューティサイクルDと比Vout/Vinとの関係は、バック・ブースト変換器のそれと同一である)。CUK変換器の、注記する価値のある一つの特徴は、図6に示す入力インダクタおよび出力インダクタL1、L2は、変換器の入力と出力の両方において実質的に平滑な電流を生成するのに対して、バック、ブースト、およびバック・ブースト型の変換器は、パルス状入力電流を有することである(例えば、図2の上から2番目の図を参照)。
【0017】
図4〜6に示すすべての変換器に対して、電圧調整フィードバック制御ループの詳細は、簡単化のために省略してあるが、ここで認識すべきことは、図に示すバック変換器のように、図4〜6に示すそれぞれの変換器は、図1に関係して上記で考察したように、出力電圧調整を行うためのフィードバック制御ループを含むことになることである。
【0018】
いくつかの従来型DC‐DC変換器構成において、入力電流検知および制限手法も使用して、特に連続モードにおける変換器の動作改善を促進してもよい。そのような変換器は、一般に、「電流モード」調整器と呼ばれる。電流モード調整器による問題の一つは、逐次スイッチングサイクル中のインダクタ内で潜在的に予測不能にエネルギーが蓄積する問題である。
【0019】
例えば、図3を再び参照すると、インダクタ電流ILは、連続モードにおいては、ゼロより上に留まるので、任意の時間において、インダクタの磁界に蓄積されるエネルギーは、最新のスイッチングサイクル中に蓄積されたエネルギーだけでなく、1回または2回以上前のスイッチングサイクル中に蓄積された残留エネルギーにも依存する。この状況から、一般的に、所与のスイッチングサイクルにおいて、いくぶん予測困難な量のエネルギーがインダクタ(またはその他のエネルギー伝達要素)を介して伝達される結果となる。しかしながら、時間軸で平均をとると、上述の回路における出力キャパシタ34の平滑化機能は、フィードバック制御ループによって供給される電圧調整機能とともに、調整出力電圧Voutに基づく本質的に制御された負荷への電力の配給を容易にする。
【0020】
しかしながら、上記で考察した回路におけるフィードバック制御ループは、一般に、制限された応答時間を有するとともに、DC‐DC変換器の入力条件(例えば、Vin)および/または出力電力要件に変化を生じる可能性があり、それは、フィードバック制御ループの安定性を低下させる可能性がある。前述のことを考慮して、電流モード調整器は、一般に、トランジスタスイッチがオンのときに、インダクタを通過する最高電流IPを制限するように構成される(例えば、図3を参照)。この入力電流制限機能はまた、フィードバックループの安定性に悪影響を与えるとともに/かまたは、回路に損傷を与える可能性がある、インダクタ電流を生じるデューティサイクルを、(電圧調整フィードバック制御ループを介して)要求する、入力条件における重大な変化および/または負荷要求における重大な変化が発生した場合の、過剰なインダクタ電流を防止するのに役立つ。
【0021】
図7は、図5のバック・ブースト変換器構成に基づく電流モード調整器58の一例を示す回路図である。図7の図には、入力電流制限の考察を容易にするために、電圧調整フィードバック制御ループ46のさらなる詳細を示してある。ここで認識すべきことは、図7の回路の入力電流検知と限定機能に関係して以下に考察する概念は、本明細書において考察する、その他の種類の従来型DC‐DC変換器にも同様に適用できることである。
【0022】
図7の電流モード回路において、トランジスタスイッチ20の動作を制御するフィードバック制御ループ46は、図7の回路が入力電流検知デバイス60(すなわち、抵抗器Rsense)およびコンパレータ62をさらに含むことにおいて、図1に示すものとは異なっている。また、図7の実施例におけるフィードバック制御ループにおいて使用されるパルス幅変調器36は、セットおよびリセット制御を有するD型フリップフロップである。図7に示すように、フリップフロップパルス幅変調器は、その「D」および「Clk」入力が、接地されるように配設され、発振器26はパルスストリーム42を、フリップフロップの「セット」入力に供給し(ロー起動(low activated)、
【数3】
)、コンパレータ62は、フリップフロップの「リセット」入力に信号64を供給し(ロー起動、)、フリップフロップの「Q」出力は、パルス幅変調制御信号44を供給する。
【0023】
この配設において、トランジスタスイッチ20がオフまたは開放の場合に、抵抗器Rsenseを通過する電流は存在せず、したがって、コンパレータ62の反転入力における電圧はゼロである。ここで、図1から思い起こされるのは、この実施例における誤差信号38は、サンプリング出力電圧VsampleとVrefの差を示す、ある所定の範囲にわたる正の電圧である。したがって、トランジスタスイッチ20が開放の場合には、コンパレータによって出力される信号64は、論理ハイ信号である(すなわち、フリップフロップのリセット入力
【数4】
は起動されていない)。
フリップフロップがこの状態にあると、パルスストリーム42の次のロー行き(low going)パルスは、フリップフロップのセット入力
【数5】
を起動し、それによってフリップフロップのQ出力を、論理ハイ状態に駆動して、トランジスタスイッチ20をオンにする。上記で考察したように、これによって、インダクタ電流ILは増加し、スイッチを閉止すると、このインダクタ電流(IL(on))は、抵抗器Rsenseも通過し、これによってこの抵抗器の両端で電圧Vsenseを生成する。電圧Vsenseが誤差信号38を超えると、コンパレータ62によって出力される信号64は、論理ロー状態に切り替わり、それによってフリップフロップのリセット入力
【数6】
を起動して、Q出力をローに移動させる(とともにトランジスタスイッチ20をオフにする)。トランジスタがオフになると、電圧Vsenseはゼロとなり、信号64は論理ハイ状態に戻り、それによってフリップフロップリセット入力を停止させる。この点において、パルスストリーム42のロー行きパルスが次に発生すると、フリップフロップセット入力
【数7】
が起動され、サイクルが再び開始される。
【0024】
したがって、図7の回路においては、Vsenseと誤差信号38の関係によって、トランジスタスイッチ20のデューティサイクルDが決まり、具体的には、電圧Vsenseが誤差信号38を超える場合には、スイッチが開く。前述のことに基づいて、インダクタを通過するピーク電流IP(図3を参照)は、誤差信号38の期待範囲が与えられると、抵抗器Rsenseに対して適当な値を選択することによって、予め設定することができる。コンパレータ62の動作は、負荷要求の変化によってVsampleが実質的にVrefより低くなる(その結果として、比較的高い絶対値の誤差信号と潜在的に大きいデューティサイクルを生じる)状況においても、インダクタを通過する電流IL(on)が、最終的にデューティサイクルを制限し、その結果としてインダクタ電流が所定のピーク電流を超えないようにすることを確実にする。ここでも、この種の「電流モード」動作は、一般にフィードバック制御ループの安定性を向上させて、DC‐DC変換器回路における潜在的に有害な状態を低減する。
【0025】
多くの電子用途に対して、電源は、入力AC線間電圧(例えば、120Vrms、60Hz)から、調整DC出力電圧を提供するように構成することができる。例えば、従来型「線形」電源は、通常、実質的に(比較的大きく重い)60Hz電力変圧器を利用して、約120Vrmsの入力AC線間電圧を、いく分低い(そしてより安全な)2次AC電圧に低下させる。次いで、この低い2次AC電圧は(例えば、ダイオードブリッジ整流器によって)整流されるともに、フィルタリングされて、無調整のDC電圧を供給する。多くの場合には、次いで、線形整流器を使用して、無調整のDC電圧に基づいて、所定の整流DC電圧を供給する。
【0026】
しかしながら、DC‐DC変換器の固有のスイッチング動作を使用することによって、線形電源に特有である入力段階において、実質的に60Hz電力変圧器を必要としない電源を設計し、それによって多くの場合に、電源の寸法および重量を大幅に低減するとともに、効率を増大させることが可能である。例えば、線形調整器に基づく電源は、一般に、約50%以下程度の電力変換効率を有するのに対して、スイッチング調整器に基づく電源は、約80%以上程度の効率を有する。
【0027】
スイッチング調整器に基づく、電源のいくつかにおいては、整流され、フィルタリングされたAC線間電圧から直接的に、DC‐DC変換器への入力として、無調整DC電圧を供給してもよい。そのような配設は、AC線間電圧とDC−DC変換器へのDC入力電圧との間に保護絶縁がないことを意味する。また、変換器への無調整DC入力電圧は、(整流120Vrms線間電圧に基づいて)約160ボルトDCまたはそれよりも高く(図9A、9Bと関係して以下に考察するように、力率補正が使用される場合には、約400ボルトまでに)してもよいが、それは極めて危険性が高い。前述のことを考慮すると、そのような電源配設用のDC‐DC変換器は、通常、これらの問題に対処するために絶縁機能を備えて、全般的に適当な安全基準に適合するように構成される。
【0028】
図8は、DC‐DC変換器またはスイッチング調整器を組み入れた、そのような電源66の一例を示す回路図である。上記で考察したように、電源66は、入力としてAC線間電圧67を受け入れ、このAC線間電圧は、ブリッジ整流器68によって整流され、キャパシタ35(Cfilter)によってフィルタリングされて、無調整DC電圧をDC‐DC変換器部分69への入力Vinとして、供給する。このDC‐DC変換器部分69は、図5に示す反転調整器(バック・ブースト)配設に基づいているが、図8においては、エネルギー蓄積インダクタが高周波変圧器72によって置換されて、無調整高DC入力電圧VinとDC出力電圧Voutとの間の絶縁を提供する。インダクタではなく変圧器を組み入れた、そのようなDC‐DC変換器配設は、一般に、「フライバック」変換器と呼ばれる。
【0029】
図8の回路において、変換器部分69の「2次側」(すなわち、ダイオードD1およびキャパシタC)は、DC入力電圧と同じ極性を有するDC出力電圧を変換器が供給するように、配設される(ここで、1次変圧器巻線は、2次変圧器巻線と反対方向に巻かれていることを示す、変圧器72の巻線に対する対向「ドット(dot)」表記法に留意されたい)。DC‐DC変換器部分69は、また、電圧調整フィードバック制御ループ内に、絶縁要素70(例えば、第2の高周波変圧器または光アイソレータ)を含み、誤差増幅器28からの誤差信号を変調器36へ連結する(絶縁要素70に入力、およびそこから出力される誤差信号は、参照番号38A、38Bで示してある)。
【0030】
図8の回路における様々な絶縁構造を考慮して、図には明示的に示していないが、ここで認識すべきことは、発振器/変調回路用の電力は、一般に、1次側無調整高DC入力電圧Vinから引き出されるのに対して、フィードバック制御ループのその他の要素(例えば、参照電圧Vref、誤差増幅器28)用の電力は、2次側調整DC出力電圧Voutから引き出してもよいことである。代替的に、上述のように、フィードバックループの構成要素用の電力は、場合によっては、独立の電源によって供給してもよい。
【0031】
図9は、入力‐出力絶縁をもたらす、異なる種類のDC‐DC変換器を組み込んだ、電源74のさらに別の実施例を示す回路図である。図9に示す電源74のDC‐DC変換器部分75は、一般に、「フォワード(forward)」変換器と呼ばれ、図1と関係して上記で考察した、ステップダウン変換器または「バック」変換器に基づくものである。特に、変換器部分75は、やはり図8の回路のような変圧器72を含むが、図8に示すフライバック変換器にはない、2次側インダクタ76および追加のダイオード77(D2)も含む(ここで、ダイオードD2、インダクタ76およびキャパシタ34は、図1に示すバック変換器構成に類似していることに留意されたい)。フォワード変換器において、ダイオードD1は、正の変圧器2次電圧だけが、出力回路に印加されることを、保証するのに対して、ダイオードD2は、変圧器電圧がゼロまたは負のときに、インダクタ76における電流の循環経路をもたらす。
【0032】
図9に示すフォワード変換器に対してその他周知の修正を加えて、2次回路における「全波(full-wave)」伝導を促進してもよい。また、図中に明示的に示していないが、図8および図9に示す例示的電源の両方を、図7に関係して上記で考察したように、電流モード機能を組み込む(すなわち、変圧器72の1次巻線における電流を制限する)ように修正してもよい。
【0033】
図8,9の回路は、線形電源における単一の60Hz電力変圧器とは対照的に、2つの絶縁要素(isolation element:アイソレーション要素)(例えば、変圧器72および絶縁要素70)を含むが、スイッチング電源と線形電源との寸法および重量の差は大きく、変圧器の寸法は、一般に、芯寸法によって決まり、この芯寸法は、線路周波数(60Hz)とは対照的に、スイッチング電源の(50kHzから100kHzの程度の)高いスイッチング周波数においては、劇的に低下する。また、スイッチング電源は、線形電源と比較しての高い効率と、低い熱損失との結果として、大幅に低い温度で動作する。結果的に、スイッチング電源は、通常、多くの消費者電子用途(例えば、コンピュータおよびその他の電子機器およびデバイス)に使用される。
【0034】
市販のスイッチング電源パッケージの例としては、小型モジュールユニット、壁差込(wall plug-ins)、オープンフレームユニット、または封入型ユニット(enclosed unit)が挙げられる。小型モジュールユニットは、一般的に、約10から25ワットの中程度の低電力用途に使用される。壁差込電源は、通常、さらに小さい電力を提供するのに対して、オープンフレームユニットまたは封入型ユニットは、実質的により大きい電力(例えば、500〜1000ワット以上)を供給するように構成することができる。市販スイッチング電源からの一般的な調整DC出力電圧の例としては、+5V、12V、15Vおよび24Vが挙げられる。
【0035】
DC‐DC変換器のスイッチング特性のために、これらの装置は、一般に、短いパルスで電源から電流を引き出す(例えば、図2にIinを参照)。この条件は、DC−DC変換器が(例えば、図8、9の配設における)AC電源から電力を引き出す場合に、一般に望ましくない効果をもたらす可能性がある。
【0036】
特に、AC電源からの最大電力効率のためには、AC線間電圧から最終的に引き出される入力電流は、理想的には、サイン波形状を有するとともに、AC線間電源と同相でなくてはならない。この状態は、一般に、「力率1(unity power factor)」と呼ばれ、通常、純粋に抵抗性の負荷によって生ずる。DC‐DC変換器のスイッチング特性および結果としてのパルス電流消費(すなわち、著しく非サイン波形電流消費)によって、これらの装置の力率は1より小さく、したがって電力効率は(従来型線形電源に対して効率が向上したにもかかわらず)最適値よりも低い。
【0037】
より詳細には、純粋に抵抗性の負荷ではない負荷(すなわち、AC線間電圧から電力を消費しているスイッチング電源)によって、AC電源から引き出される「皮相電力(apparent power)」は、負荷に印加されたRMS電圧と負荷によって引き出されるRMS電流を乗算することによって与えられる。この皮相電力は、デバイスが電源から引き出していると思われる、電力の量を反映している。しかしながら、負荷が引き出す実際の電力は、皮相電力よりも少なく、実電力と皮相電力との比は、負荷の「力率」と呼ばれる(力率は、従来から、印加電圧と引き出される電流の間の位相角のコサインによって与えられる)。例えば、100ボルトアンペアの皮相電力を引き出し、力率0.5を有するデバイスは、実際には100ワットではなく、50ワットの電力を消費する。言い換えると、この例では、力率0.5のデバイスは、それが実際に消費するよりも2倍の、電源からの電力を必要とするように見える。
【0038】
上述のように、従来型DC‐DC変換器は、その特徴として、そのスイッチング特性とパルス形電流消費のために、1よりも大幅に小さい力率を有する。さらに、DC‐DC変換器が、整流およびフィルタリングの介在だけでAC線間電圧から電流を引き出すと仮定すると、そのDC‐DC変換器が引き出すパルス状の非サイン波電流は、AC線間電圧に、異常なストレスを与えるとともに、概して望ましくないノイズと高調波を導入する(これは、AC線間電圧から電力を引き出す、その他のデバイスの動作に悪影響を与える可能性がある)。
【0039】
前述のことを考慮すると、いくつかの従来型スイッチング電源は、力率補正装置を装備するか、またはそれと一緒に使用され、この力率補正装置は、上記の問題に対処し、AC電源からのより効率的な電力供給を行う。特に、そのような力率補正装置は、一般に、DC‐DC変換器が引き出すパルス状電流を、「平滑化」し、それによってそのRMS値を下げ、望ましくない高調波を低減し、力率を改善して、AC幹線回路遮断器がピーク電流によってトリップする確率を低減する。
【0040】
いくつかの従来式配設においては、力率補正装置はそれ自体で、上記で考察した様々なDC‐DC変換器に構造において類似する、ある種のスイッチ電力変換器(switched power converter)デバイスであり、例えば、ACブリッジ整流器と、最終的に負荷に電力を供給するDC‐DC変換器の間に配置される。この種の力率補正装置は、その入力電圧(すなわち、整流AC線間電圧)の波形および位相に実質的にマッチングさせるように、瞬時に入力電流を精密に制御する作用する。特に、力率補正装置は、整流AC線間電圧を監視して、スイッチングサイクルを使用して、入力電流波形の振幅を変化させて、それを整流線間電圧と位相を近づけるように構成してもよい。
【0041】
図9Aは、そのような従来型力率補正装置520を全体的に示す回路図である。上述のように、力率補正装置は、ブリッジ整流器68から、入力69として整流AC線間電圧VACを受け入れ、出力として電圧Vinを供給するように構成され、この電圧が、次いで、電源のDC‐DC変換器部分に印加される(例えば、図8、9を参照すると、力率補正装置520は、ブリッジ整流器68とDC‐DC変換器部分69、75との間に、それぞれ配置される)。図9Aにおいて分かるように、力率補正装置520の共通例は、ブースト変換器トポロジに基づいており(DC‐DC変換器ブースト構成については図4を参照のこと)、これには、その両端に電圧Vinが生成される、インダクタLPFC、スイッチSWPFC、ダイオードDPFC、およびフィルタキャパシタ35が含まれる。
【0042】
図9Aの力率補正装置520は、また、力率補正(PFC)コントローラ522を含み、このコントローラは、整流電圧VAC、DC−DC変換器への出力として供給される生成電圧Vin、および装置520が引き出す電流IACを表わす信号71(Isamp)を監視する。図9Aに示すように、信号Isampは、装置が引き出す電流IACの経路内の、電流検知要素526(例えば、抵抗器両端での電圧)から引き出すことができる。これらの監視信号に基づいて、PFCコントローラ552は、スイッチ75(SWPFC)を制御する制御信号73を出力し、それによって、電流IACの波形を整流電圧VACに実質的に一致させ、かつそれと同相にするように、構成される。
【0043】
図9Bは、PFCコントローラ522の機能を概念的に示す図である。一般的に、力率補正装置520全体としての機能は、本質的にAC電源に対する抵抗であるかのように、それ自体を見せかけることであることを思い起こされたい。このようにして、電源によって供給される電圧および、力率補正装置の「疑似抵抗(simulated resistance)」によって電源から引き出される電流は、本質的に同一の波形を有するとともに、同位相であり、結果として実質的に力率1となる。したがって、量RPFCは、力率補正装置の概念的な疑似抵抗を表わすと考えることができ、その結果、オームの法則から、
VAC=IACRPFC
または
GPFCVAC=IAC
となり、ここで、GPFC=1/RPFCであり、力率補正装置520の有効コンダクタンスを表わす。
【0044】
前述のことを念頭において、図9Bに示す、PFCコントローラ522は、2つのフィードバックループ、すなわち電圧フィードバックループおよび電流フィードバックループに基づく制御戦略を実施する。これらのフィードバックループは、一緒に機能して、力率補正装置に対して導出された有効コンダクタンスGPFCに基づいて、力率補正装置が引き出す瞬間的な電流IACを処理する。この目的で、電圧フィードバックループ524は、電圧Vin(フィルタキャパシタ35の両端の出力として供給される)と、電圧Vinに対する所望の調整値を表わす参照電圧VrefPFCと比較することによって実装される。これらの値の比較によって、誤差電圧信号Veが生成され、これが約10〜20Hzのカットオフ周波数を有する、積分器/ローパスフィルタに適用される。この積分器/ローパスフィルタは、全体力率制御ループに対して比較的遅い応答時間を課し、このことはより高い力率を促進する。すなわち、誤差電圧信号Veは、(50または60Hzである)線路周波数と比較して低速で変化するので、電圧Vinの変化による(例えば、突然および/または重大な負荷要求によって生じる)IACへの調整は、所与のサイクル中に急激に行われるのではなく、線間電圧の複数サイクルにわたって行われる。
【0045】
図9Bに示すコントローラにおいて、積分器/ローパスフィルタの緩やかに変わる出力のDC成分は、本質的に力率補正装置の有効コンダクタンスGPFCを表わし、したがって、電圧フィードバックループ524の出力は、有効コンダクタンスGPFCを表わす信号を供給する。したがって、上記の関係に基づいて、PFCコントローラ522は、装置520の疑似抵抗負荷に基づいて、この有効コンダクタンスに監視された整流線間電圧VACを乗じて、線間電圧から引き出すべき所望の電流を表わす、参照電流信号I*ACを生成するように構成されている。したがって、この信号I*ACは、電流制御ループ528への、参照入力または「設定点」入力となる。
【0046】
特に、図9Bに示すように、電流制御ループ528において、信号I*ACは、装置520が引き出している実際の電流IACを表わす信号Isampと比較される。これらの値の比較によって、電流誤差信号Ieが生成され、この電流誤差信号は、(例えば、図7と関係して上記で考察した)パルス幅変調(PWM)スイッチコントローラ用の制御信号としての役割を果たす。PWMスイッチコントローラは、スイッチSWPFCを制御する信号73を出力し、それによって、引き出している実際の電流IAC(再び図9Aを参照のこと)を処理する。PWMスイッチコントローラによって出力される、制御信号73用(したがって、スイッチSWPFC用)に一般的に使用される例示的周波数は、約100kHz程度である。前述のことを念頭において、ここで認識すべきことは、サイン波形に類似するのは、スイッチング動作から生ずる約100kHzリップルを伴う、急速に変化するIACの結果として得られる平均値であることである。一般に、電流フィードバックループおよびスイッチ制御要素は、全波整流波形に追従するために、十分な帯域幅を有する必要があり、したがって少なくとも数kHzの帯域幅で十分である。
【0047】
ここで認識すべきことは、図9A、9Bと関係する前述の考察は、力率補正機能についての全般的な理解をもたらすために、主として本質的に概念的なものであることである。現在において、図9A、9Bに示すPFCコントローラ522として使用することのできる集積回路力率補正コントローラは、様々な製造業者から入手可能である(例えば、フェアチャイルドセミコンダクタ(the Fairchild Semiconductor)ML4821PFCコントローラ、リニアテクノロジ(Linear Technology)LT1248またはLT1249PFCコントローラ、STマイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics)L6561PFCコントローラなど)。そのようなコントローラは、一般に、連続的または不連続的なスイッチングモードのいずれか(または連続モードと不連続モードとの境界付近)において力率補正装置520を動作させるように構成することができる。そのような従来型集積回路力率補正コントローラの回路詳細および動作理論の詳細については、例えば、フェアチャイルドセミコンダクタアプリケーションノート42030、「Theory and Application of the ML4821 Average Current Mode PFC Controller," August 1997, revised October 25, 2000 (http://www.fairchildsemi.comで入手可能)」、リニアテクノロジLT1248/LT1249コントローラデータシート、(http://www.linear-tech.comで入手可能)、STマイクロエレクトロニクスアプリケーションノートAN966、「L6561 Enhanced Transition Mode Power Factor Corrector," by Claudio Adragna, March 2003(http://www.st.comで入手可能)」において考察されている。
【0048】
したがって、図9A、9Bと関係して概説した従来型力率補正方式においては、力率補正装置520は、出力としてキャパシタ35の両端の調整電圧Vinを供給し、このキャパシタから、Vinに結合された負荷(例えば、後続の電源のDC‐DC変換器部分)の必要に応じて、電流を引き出すことができる。負荷電力要求における突然および/または過大な変化に対して、電圧Vinの瞬時値は劇的に変化する可能性があり、例えば、突然の高負荷電力要求の場合には、キャパシタ内のエネルギー保留が引き出されて、Vinは、参照値VrefPFCより下に急激に低下することがある。結果的に、電圧フィードバックループ524は、比較的遅い応答時間で、力率補正装置に線間電圧からさらに多くの電流を引き出させることによって、Vinを調節しようとする。しかしながら、比較的遅い反応時間のために、この作用は、特に、Vinに対して調節を行う時間までに、負荷からの突然/過大な要求がすでに存在しなくなる場合には、Vinに対して過電圧状態を引き起こす可能性がある。
【0049】
次いで、装置は、過大電圧状態を補償しようとして、再び、電圧フィードバックループ54の遅い応答時間の影響を受けて、ある程度の電位不安定を生じる。Vinに対する同様の突然の変化(不足電圧または過電圧のいずれかの状態)は、線間電圧67に対する突然/過大な外乱により生じる可能性があり、これに対して、装置520は、上述のような方法で応答しようとする。上述のことから、ここで認識すべきことは、一方で力率補正を容易にする遅い応答時間は、同時に、最適には至らない入力/出力遷移応答能力を生じることがあることである。したがって、従来型力率補正装置における電圧フィードバックループ応答時間/帯域幅は、一般に、妥当な(しかし最適には至らない)力率補正と、妥当な(しかし最適には至らない)遷移応答との間の、実際的な均衡を得るように選択される。
【0050】
ここで認識すべきことは、スイッチング電源用途によっては、力率補正装置を必要としない場合や、著しく効果的でさえある場合があることである。例えば、比較的低い電力を電源から引き出す小さな負荷に対して、スイッチング電源の力率は、従来から、高電力用途におけるほど重要ではないと考えられているが、これは、おそらく、小さな負荷が引き出す電力は、特定のAC電源回路において利用可能な全体電力の比較的わずかな部分を構成することによる。対照的に、比較的大きい電力を消費する、より大きな負荷においては、スイッチング電源への入力電流がAC電源から利用可能な最大値に達する可能性があり、そのような負荷に対しては、力率補正は重要となることがある。
【0051】
要約
本開示の様々な態様は、全般的には少なくともある種の負荷に対して電力を供給して制御するための方法および装置を目的としており、従来型配設と比較して、一般に全体電力効率が改善され、また構成要素の機能的冗長性が大幅に低減される。異なる観点においては、本開示の様々な態様による方法および装置の実現には、一般的に、少数の構成要素、高い全体的電力効率、および小さいスペース要求を有する、大幅に簡略化した回路を伴う。
【0052】
いくつかの態様においては、負荷に対して、その負荷からのフィードバック情報を何ら必要とすることなく(すなわち、負荷電圧/電流を監視することなく)、制御された所定の電力が供給される。さらに、これらの態様の一観点において、負荷電圧および/または負荷電流の調整は必要ではない。そのようなフィードバックを必要としない態様の別の観点においては、通常は、DC‐DC変換器の出力電圧(例えば、負荷供給電圧)と、AC線間電圧から引きだされる電力源(例えば、DC‐DC変換器への高いDC電圧入力)との間に使用される絶縁構成要素が、場合によっては除外されて、それによって必要な回路構成要素の数が減少する。別の観点においては、フィードバックループが不要とすることによって、一般に、回路速度が向上し、フィードバック回路安定性に関する潜在的に困難な課題が回避される。
【0053】
前述の概念に基づいて、本開示の一態様は、LEDベース光源用の「フィードフォワード」ドライバを目的とする。そのようなフィードフォワードドライバ(本明細書においては「電力制御装置」とも呼ぶ)は、光源に供給しようとする所望電力に関する、事前に分かっている情報を利用し、DC‐DC変換器と光源コントローラの機能を組み合わせて、所与の時間に光源に配給される平均電力を変調することに基づいて、光源に供給される電圧または電流を監視または調整することなく、光源が生成する放射の強度を制御する。この態様の一観点においては、フィードフォワードドライバは、「不連続」スイッチング動作を用いて、1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素にエネルギーを蓄積させるとともに、そこからエネルギーを放出させるように構成される。この種のスイッチング動作によって、スイッチングサイクル毎に予測可能なエネルギー量を伝達すること、したがって、予測可能な制御された電力を光源に配給することが容易になる。この態様において使用される不連続モードスイッチング動作は、LEDベース光源以外の負荷(例えば、モータ類、アクチュエータ類、リレー類、加熱エレメント類、など)に電力を供給するための、様々なフィードフォワード実装において同様に使用することができる。
【0054】
別の態様においては、所望の負荷条件についての既知情報を「フィードフォワード」する概念が、力率補正を容易化するのに使用される。例えば、一態様においては、本開示による修正型力率補正装置は、DC‐DC変換器スイッチング機構(例えば、ブースト変換器)に基づいており、装置のスイッチング動作の制御は、事前設定された所望負荷電力に基づき、より詳細には、AC電源からの合計予想電力引出し量に基づいている。所望の負荷電力を事前に知って、合計予想電力消費を特定することによって、特に、負荷電力が短時間中に広範囲で移動する状況において(例えば、負荷全停止から負荷全開へ、またはその逆)、力率補正装置の全体制御ループ応答が大幅に改善される。したがって、信号値に対するより予測精度の高い期待値に基づいて、より小型の回路構成要素を使用し、それによって実装回路のコストおよび/または寸法を低減することができる、より安定な力率補正を実現することができる。
【0055】
別の態様においては、上に述べた力率補正装置は、1つまたは2つ以上のフィードフォワードドライバと組み合わせて使用して、AC電源から、LEDベース光源を含む、1つまたは2つ以上の多様な負荷に、効果的に電力を供給することができる。
【0056】
さらに別の態様においては、それぞれが、1つまたは2つ以上の負荷、1つまたは2つ以上の電力制御装置(すなわち、フィードフォワードドライバ)、および任意選択で従来型または修正型力率補正装置を含む、複数の装置を、ネットワーク構成における分散電源(例えば、分散DC電圧またはAC線間電圧)に結合することができる。この態様の一観点においては、分散電圧に結合された複数装置を、アドレス指定可能デバイスとして構成して、ネットワーク全体での負荷制御情報の適切な伝達を容易にすることができる。この態様の別の観点においては、負荷制御情報は、ネットワーク全体に伝達するために、それに限定はされないが、DMXプロトコルを含む多種多様な従来型通信プロトコルの任意のものにフォーマットすることができる。
【0057】
要するに、本開示による例示的態様は、それに限定はされないが、次のものを含む。
一態様は、少なくとも1つの第1のLED、および該少なくとも1つの第1のLEDに関連するフィードバック情報を必要とすることなく、該少なくとも1つの第1のLEDに第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する、少なくとも1つの第1の電力コントローラを含む、装置を目的とする。
別の態様は、少なくとも1つの第1のLEDに、該少なくとも1つの第1のLEDに関連するフィードバック情報を必要とすることなく、第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する行為を含む、方法を目的とする。
【0058】
別の態様は、少なくとも1つの第1のLED、および該少なくとも1つの第1のLEDに第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給するように構成された、少なくとも1つの第1の電力コントローラを含む、装置を目的とする。この態様の様々な観点において、少なくとも1つの第1の電力コントローラは、第1の単一スイッチを含み、DC供給電圧は装置に対する電源を提供し、少なくとも1つの第1の電力コントローラは、第1の変換DC電圧を前記少なくとも1つの第1のLEDの両端に印加するように構成されており、前記少なくとも1つの第1の電力コントローラは、さらに、第1の単一スイッチを制御して、DC供給電圧の第1の変換DC電圧への第1の変換を促進し、同時に、前記少なくとも1つの第1のLEDに第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給するように構成される。
【0059】
別の態様は、第1の制御可能に変更可能な所定の電力を少なくとも1つの第1のLEDに供給する行為を含み、DC供給電圧が電源を提供し、第1の変換DC電圧が、前記少なくとも1つの第1のLEDの両端に印加される、方法を目的とする。第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する行為は、第1の単一スイッチを制御して、DC供給電圧の第1の変換DC電圧への第1の変換を容易化して、同時に、前記少なくとも1つの第1のLEDに、前記第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する行為を含む。
【0060】
別の態様は、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第1のLED、および該少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、該少なくとも1つの第1のLEDに供給される電圧または電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を制御可能に変更するように構成された第1のフィードフォワードドライバを含む、装置を目的とする。
別の態様は、少なくとも1つの第1のLEDから第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為、および前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を、制御可能に変更する行為を含む、方法を目的とする。
【0061】
別の態様は、ネットワークに対する電源を提供する、分散DC電圧、および該分散DC電圧に結合された少なくとも第1および第2の装置を含む、ネットワークを目的とする。前記第1および第2の装置のそれぞれは、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第1のLED、および前記少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の強度を制御するように構成された、第1のフィードフォワードコントローラを含む。このネットワークは、第1および第2の装置のそれぞれに結合されて、前記第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を生成する、少なくとも1つのネットワークコントローラをさらに含む。
【0062】
別の態様は、DC供給電圧を、少なくとも第1および第2の装置に分配して電源を提供する行為、第1および第2の装置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの第1のLEDから、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為、前記第1および第2の装置の両方に、前記第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を伝送する行為、および第1および第2の装置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの放射制御信号に応答して、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、第1の放射の第1の強度を制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0063】
別の態様は、分散AC線間電圧および該分散AC線間電圧に結合された、少なくとも第1および第2の装置を含む、ネットワークを目的とする。第1および第2の装置のそれぞれは、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第1のLED、および前記少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の強度を制御するように構成された、第1のフィードフォワードドライバを含む。該ネットワークは、第1および第2の装置のそれぞれに結合されて、第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を生成する、少なくとも1つのネットワークコントローラをさらに含む。
【0064】
別の態様は、AC線間電圧を少なくとも第1および第2の装置に分配する行為、前記第1および第2の装置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの第1のLEDから、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為、第1および第2の装置の両方に、前記第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を伝送する行為、および前記第1および第2の装置それぞれにおいて、前記少なくとも1つの放射制御信号に応答して、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、第1の放射の第1の強度を制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0065】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを蓄積し、負荷に出力エネルギーを提供する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および所望の負荷電力を表わす少なくとも1つの制御信号を受け取り、前記少なくとも1つの制御信号に応答して、前記少なくとも1つのスイッチを制御する、少なくとも1つのスイッチコントローラを含み、前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、前記少なくとも1つのスイッチを制御するための負荷に関係するいかなるフィードバック情報をも受け取らない、装置を目的とする。
【0066】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素から負荷に、出力エネルギーを供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された、少なくとも前記入力エネルギーを、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、制御する行為、所望の負荷電力を表わす、少なくとも1つの制御信号を受け取る行為、および前記少なくとも1つの制御信号に応答して、前記負荷に関係するフィードバック情報を受け取ることなく、前記少なくとも1つのスイッチを制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0067】
別の態様は、電源から引き出された入力エネルギーを蓄積し、出力エネルギーを負荷に供給する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および前記少なくとも1つのスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのスイッチコントローラを含み、前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、前記少なくとも1つのスイッチの複数スイッチング動作の、周波数またはデューティサイクルの少なくとも一方を制御して、制御可能に変更可能な所定の電力を負荷に供給するように構成されている、装置を目的とする。
【0068】
別の態様は、電源から引き出された入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを負荷に供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する行為、および前記負荷に制御可能に事前設定した可変電力を供給するために、前記少なくとも1つのスイッチの複数のスイッチング動作の周波数およびデューティサイクルの少なくとも一方を制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0069】
別の態様は、電源から引き出された入力エネルギーを蓄積して出力エネルギーを負荷に供給する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および該少なくとも1つのスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのスイッチコントローラを含む装置であって、前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、前記電源が出力する電圧および前記電源から引き出される電流の少なくとも一方、および所望の負荷電力を表す少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記少なくとも1つのスイッチを制御して、制御可能に変更可能な所定の電力を前記負荷に供給する、前記装置を目的とする。
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを負荷に供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する行為、および制御可能に変更可能な所定の電力を負荷に供給するように、電源により出力される電圧および電源から引き出される電流の少なくとも一方、および所望の負荷電力を表す少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記少なくとも1つのスイッチを制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0070】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを蓄積して負荷に供給する少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および前記少なくとも1つのスイッチを制御して、少なくとも1つの時間間隔において複数のスイッチング動作を実行し、各スイッチング動作は、所定の量の入力エネルギーを前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に伝達するように構成された少なくとも1つのスイッチコントローラ、を含む装置を目的とする。前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、制御可能に変更可能な電力を前記負荷に供給するように、少なくとも1つの時間間隔における少なくとも2回のスイッチング動作のための所定の入力エネルギー量、および前記少なくとも1つの時間間隔における複数スイッチング動作の回数のうちの少なくとも一方を変化させるように、複数のスイッチング動作を制御するように構成されている。
【0071】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを負荷に供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する行為、および前記少なくとも1つのスイッチを制御して、少なくとも1つの時間間隔において複数のスイッチング動作を実行する行為であって、各スイッチング動作が制御可能に変更可能な所定の入力エネルギー量を前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に伝達する、前記行為を含む、方法を目的とする。前記少なくとも1つのスイッチを制御する行為は、制御可能に変更可能な電力を前記負荷に供給するように、少なくとも1つの時間間隔における少なくとも2回のスイッチング動作のための所定の入力エネルギー量、および前記少なくとも1つの時間間隔における複数スイッチング動作の回数のうちの少なくとも一方を変化させるように、複数のスイッチング動作を制御する行為をさらに含む。
【0072】
別の態様は、少なくとも1つの第1のスイッチ、および、少なくとも、前記力率補正装置に稀有号された負荷に供給すべき所定の所望電力に基づいて、前記少なくとも1つの第1のスイッチを制御する、少なくとも1つのスイッチコントローラを含む、力率補正装置を目的とする。
【0073】
別の態様は、負荷に対する実際電力の供給に関連する力率を改善するように、AC電源から負荷に供給しようとする所定の所望電力に基づいて、前記AC電源から引き出される電流を制御する行為を含む、力率補正方法を目的とする。
【0074】
別の態様は、少なくとも1つの力率補正スイッチ、少なくとも1つの電力制御スイッチ、および前記少なくとも1つの力率補正スイッチと前記少なくとも1つの制御スイッチの両方を、少なくとも、装置に結合された負荷に供給しようとする所定の所望電力に基づいて制御する、少なくとも1つのスイッチコントローラを含む、装置を目的とする。
【0075】
本開示の目的で使用する場合には、用語「LED」は、任意のエレクトロルミネセンスダイオードまたは電気信号に応答して放射を生成することのできるその他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステムを含むものと理解すべきである。したがって、用語LEDは、それに限定はされないが、電流に応答して放射を放出する様々な半導体類、発光ポリマー類、エレクトロルミネセンスストリップ、その他を含む。
【0076】
特に、用語LEDは、赤外スペクトル、紫外スペクトル、および(一般に、約400ナノメートルから約700ナノメートルを含む)可視スペクトルの様々な部分の1種または2種以上における放射を生成するように構成することのできる、(半導体および有機発光ダイオードを含む)すべてのタイプの発光ダイオードを意味する。LEDの例としては、それに限定はされないが、(以下でさらに考察する)赤外LED、紫外LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、橙色LED、および白色LEDが挙げられる。ここで同様に認識すべきことは、LEDは、所与のスペクトル(例えば、狭帯域、広帯域)に対して様々な帯域を有する、放射を生成するように構成できることである。
【0077】
例えば、本質的に白色光を生成するように構成されたLEDの一実装(例えば、白色LED)には、組み合わせて混合されると本質的に白色光を形成する、異なるスペクトルのエレクトロルミネセンスをそれぞれ放出する、ある数のチップ(die)を含めてもよい。別の実装においては、白色光LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する、蛍光体材料に関連づけることができる。この実装の一例において、比較的短波長および狭帯域スペクトルを有するエレクトロルミネセンスが、蛍光体材料に「ポンプ作用(pump)」し、この蛍光体材料は、いくぶん広いスペクトルを有する長波長の放射を放出する。
【0078】
ここでやはり理解すべきことは、用語LEDは、LEDの物理的および/または電気的パッケージタイプを限定しないことである。例えば、上述のように、LEDは、(例えば、個別に制御可能であるか、またはそうではない)それぞれ異なるスペクトルの放射を放出するように構成された、複数チップを有する、単一発光デバイスを指してもよい。また、LEDは、LEDの一体部分として考えられる、蛍光体(例えば、ある種の白色LED)と関連づけることができる。一般に、用語LEDは、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、電力パッケージLED、何らかのタイプの収容部(encasement)および/または光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLEDなどを指すことがある。
【0079】
LEDを含む、所与の光源は、可視スペクトル内、可視スペクトル外、またはその両者の組み合わせの、電磁放射を生成するように構成してもよい。したがって、用語「光」および「放射」は、本明細書においては同義で使用する。用語「スペクトル」は、1つまたは2つ以上の光源によって生成される放射の、任意の1種または2種以上の周波数(または波長)を指すものと理解すべきである。したがって、用語「スペクトル」は、可視範囲内の周波数(または波長)だけでなく、赤外、紫外、および全電磁スペクトルのその他の領域における、周波数(または波長)も指している。また、所与のスペクトルは、比較的狭い帯域幅(本質的に少ない周波数または波長構成要素)または比較的広い帯域幅(様々な相対強度を有するいくつかの周波数または波長構成要素)を有してもよい。ここでやはり認識すべきことは、所与のスペクトルは、2つまたはそれ以上の他のスペクトル(例えば、多数光源からそれぞれ放出される混合放射)の混合の結果である場合あることである。
【0080】
本開示の目的では、用語「色」は、「スペクトル」と同義で使用する。しかしながら、用語「色」は、全般的に、一義的には観察者が認知することのできる放射の特性を指して使用する(但し、この使用は、この用語の範囲を限定することを意図するものではない)。したがって、「異なる色」という用語は、異なる波長成分および/または帯域幅を有する多重スペクトルを、暗黙的に意味する。ここで認識すべきことは、用語「色」は、白色光および非白色光の両方と関係して使用できることである。
【0081】
本明細書において考察した様々な実装において、LEDベース光源を含む、1つまたは2つ以上の光源を、それらの源によって生成される放射が、観察者が直接的に見えるように構成するか(例えば、ディスプレイ)、または間接的に見えるよう構成するか(例えば、照明)、あるいは放射が観察者によって観察されることが必ずしも必要ではないその他の用途(例えば、マシンビジョン)に使用することができる。
【0082】
用語「コントローラ」は、本明細書においては、1つまたは2つ以上の他のデバイスの動作に関係する、様々な装置を説明するのに使用する。コントローラは、多数の方法で実現することが可能であり、それは例えば、様々なアナログ/ディジタル回路を含む専用ハードウエアを用いるか、1つまたは2つ以上のマイクロプロセッサあるいは(例えば、ソフトウエアまたはマイクロコードを使用してプログラムされている)所定のアルゴリズムその他のプログラム可能デバイスを使用するか、または本明細書において考察した様々な機能を実行するか、またはいくつかの機能を実行するための専用のハードウエアと、その他の機能を実行するためのプログラムされたマイクロプロセッサおよび関連する回路の組み合わせとして、などである。用語「プロセッサ」は、全般的に、1つまたは2つ以上のマイクロプロセッサまたはその他のプログラム可能デバイスを意味する。
【0083】
様々な実装形態において、コントローラまたはプロセッサは、1つまたは2つ以上の記憶媒体に関連する(本明細書においては総称的に「メモリ」と呼び、例えば、RAM、PROM、EPROM、およびEEPROMなどの揮発性および不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、その他である)。いくつかの実装形態において、記憶媒体は、1つまたは2つ以上のプロセッサ/コントローラ上で実行されると、本明細書で考察した機能の少なくとも一部を実行する、1つまたは2つ以上のプログラムでコード化してもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ/コントローラ内に固定するか、または輸送可能として、それによって、それに記憶された1つまたは2つ以上のプログラムをプロセッサ/コントローラにロードして、本明細書で考察した本開示の様々な観点を実施するようにしてもよい。用語「プログラム」または「コンピュータプログラム」は、本明細書においては、総称的に、1つまたは2つ以上のプロセッサ/コントローラをプログラムするのに使用することのできる、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウエアまたはマイクロコード)を指すのに使用する。
【0084】
用語「アドレス指定可能」は、本明細書においては、それ自体を含む、複数デバイス用に意図された情報(例えばデータ)を受け取り、それ自体のための特定の情報に選択的に応答するように構成されるデバイス(例えば、ライティング装置などの1または2つ以上の負荷に関連づけることができる、コントローラまたはプロセッサ)を指して使用する。用語「アドレス指定可能」は、多くの場合に、複数のデバイスが何らかの通信媒体(単数または複数)を介して互いに結合された、ネットワーク化環境(または、以下にさらに詳細に考察する、「ネットワーク」)と関係して使用される。
【0085】
1つのネットワーク実装においては、ネットワークに結合された1つまたは2つ以上のデバイスは、そのネットワークに結合された1つまたは2つ以上の他のデバイスのためのコントローラとしての役割を(例えば、マスター/スレーブ関係で)果たすことができる。別の実装においては、ネットワーク化環境には、ネットワークに結合された1つまたは2つ以上のデバイスを制御するように構成された、1つまたは2つ以上の専用コントローラを含めてもよい。一般的に、ネットワークに結合された複数デバイスは、それぞれが、通信媒体(単数または複数)上にあるデータにアクセスすることができるが、所与のデバイスは、例えば、それに割り当てられた、1つまたは2つ以上の特定の識別子(例えば、「アドレス」)に基づいて、ネットワークと選択的にデータを交換するように構成されることにおいて、「アドレス指定可能」とすることができる。
【0086】
本明細書において使用する場合には、用語「ネットワーク」は、ネットワークに結合された、任意の2つ以上のデバイス間および/または複数デバイス間の(例えば、デバイス制御、データ記憶、データ効果、その他の)情報の伝送を促進する、(コントローラまたはプロセッサを含む)2つ以上のデバイスの任意の相互接続を意味する。容易に認識されるように、複数のデバイスを相互接続するために適当な、ネットワークの様々な実装形態には、多種多様なネットワークトポロジの任意のものを含めてもよく、また多種多様な通信プロトコルの任意のものを使用してもよい。さらに、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間の任意の接続は、2つのシステムの間の専用接続を表すか、または代替的に非専用接続を表してもよい。2つのデバイスのための情報を搬送することに加えて、そのような非専用接続は、必ずしも2つのデバイスのいずれかのためではない情報を搬送することができる(例えば、オープンネットワーク接続)。さらに、ここで容易に認識できることは、本明細書において考察する、デバイスの様々なネットワークは、1種または2種以上の無線、有線/ケーブル、および/または光ファイバ接続を利用して、ネットワーク中での情報伝送を促進できることである。
【0087】
ここで認識すべきことは、前述の概念、および以下でより詳細に考察する追加の概念のすべての組み合わせは、本明細書において開示する本発明の主題の一部であると意図していることである。特に、本開示に添付するクレームの主題事項のすべての組み合わせは、本明細書において開示する本発明の主題事項の一部であることを意図するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0088】
詳細な説明
出願者らは、電源用途および負荷の種類によっては、DC−DC変換器に基づく市販の従来形スイッチング電源は、負荷に対する柔軟かつ/または効率的な電力の供給を促進するのに最適に構成することはできないことを認識し理解していた。例えば、多くの従来型スイッチング電源の電力変換効率は、(AC線間電圧から調整DC電圧出力へ)約80%程度であるが、異なる負荷の特定の構成および/または制御要件は、DC‐DC変換器と、それ自体が様々な制御回路を含むことのある負荷とを含むシステムの、全体電力変換効率を大幅に低減させる可能性がある。
【0089】
さらに、出願者らは、応用および負荷の種類によっては、負荷に適当な電力を供給する機能および負荷に関連するいくつかの機能性を制御する機能を、大幅に簡略化して、結果として、より少ない構成要素、高い全体電力効率、および小さいスペース要件を有する回路実装形態を得ることができることを、認識し理解していた。
【0090】
前述のことを考慮して、本開示は、全般的には、少なくともある種の負荷に対して電力を供給し制御する、様々な改良型方法および装置を目的とする。以下にさらに詳細に考察するいくつかの態様においては、制御された所定の電力が、負荷に対して、その負荷からのいかなるフィードバック情報も必要とすることなく(例えば、負荷電圧および電流の監視および/または調整なしに)供給され、それによって回路複雑性、構成要素数、寸法および効率を大幅に低減する。
【0091】
本明細書において開示する異なる態様において、特に関心のあることは、負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素が、その機能構成要素への電力を変調することによって制御される、負荷である。そのような機能構成要素の例としては、それに限定はされないが、モータまたはその他のアクチュエータ類および/またはモータ駆動/可動構成要素(例えば、リレー、ソレノイド)、温度制御構成要素(例えば、加熱/冷却エレメント)、ならびに少なくともある種の光源が挙げられる。負荷において使用して機能構成要素を制御することのできる電力変調制御方式の例としては、それに限定はされないが、パルス周波数変調、パルス幅変調、およびパルス数変調(例えば、1ビットD/A変換)が挙げられる。
【0092】
より詳細には、本開示の様々な態様による、簡略化された電源/制御構成に対して関心のある1つのタイプの負荷は、その認知輝度(perceived brightness)を変調パルス電力配給に基づいて変えることのできる、1つまたは2つ以上の発光ダイオード(LED)光源を含む、ライティング装置である。例示的負荷としてLEDベースライティング装置を使用する、本開示の様々な態様による改良型電力制御方法および装置の考察を容易にするために、調整DC出力電圧を介してDC‐DC変換器を含むスイッチング電源がLEDベースライティング装置に電力を供給する、1つの従来型配設について最初に考察するのが有益である。
【0093】
図10は、そのようなDC‐DC変換器69の例示的従来型配設と、負荷40としての役割を果たすLEDベースライティング装置とを示す図である。図10に示すように、ライティング装置は、1つまたは2つ以上のLED100、およびLED(複数を含む)が生成する放射の強度を制御するように構成された様々な他の構成要素を含む。そのような装置の一例は、2000年1月18日発行の「Multicolored LED Lighting Method and Apparatus.」という名称の米国特許第6,016,038号に記載されている。
【0094】
本考察の目的で、図10のDC‐DC変換器69は、(最初に、図8と関係して上記で考察した)フライバック調整器として示してあり、AC電源(すなわち、120Vrms/60HzなどのAC線間電圧)から電力を引き出す電源の一部としての役割を果たす。したがって、DC‐DC変換器69は、変圧器72、およびAC線間電圧から引き出される無調整DC入力電圧30(Vin)と、調整DC出力電圧32(Vout)との間の適当な絶縁をもたらす、その他の構成要素を含む。ここで認識すべきことは、図9の前方変換器、ならびに入力‐出力絶縁機能および/または力率補正構成要素を含む、その他のDC‐DC変換器構成は、図10に示す配設と類似する従来型配設に同様に、使用することもできることである。
【0095】
図10において、DC‐DC変換器69のスイッチ20は、スイッチ20の機能を実現するのに様々な構成要素(例えば、BJT、FET、ならびにその他の必要となる信号増幅器/スイッチドライバ回路)を使用することができることを示すために、汎用的に、制御可能な「メークブレーク(make-brake)」回路接続として示してある。さらに、変換器の電圧調整フィードバックループ(図1および図7を参照)の構成要素は、図10において電源コントローラ80として集合的に示してあり、このコントローラは、入力としてDC出力電圧Voutのサンプルを受け取り、出力としてスイッチ20を動作させる制御信号44を供給する。図1および図と関係して上記に考察したように、電源コントローラ80の構成要素は、制御信号44のデューティサイクル(したがってスイッチ20のオン・オフ動作)を変化させて、所与の時間間隔において変圧器を横断して伝達されるエネルギー量を調節するように構成されており、それによってVoutに対する調節を行い、その結果、Voutは本質的に一定の所定の出力電圧レベルで調整される。
【0096】
図10の例示的配設において、負荷40としての役割を果たすライティング装置は、LEDコントローラ82によって制御される1つまたは2つ以上のLED100を含む。簡単にするために図10には1つのLEd100だけを示してあるが、ここで認識すべきことは、前記装置には、直列、並列、または直列/並列配設のいずれかにおいて相互接続することのできる、複数LEDを含めてもよく、それによって、変換器の調整供給電圧Voutが、LEDを駆動するのに適当な電圧を供給するようにすることができる(LEDは通常、2から4ボルトの程度の低いフォワード電圧を有し、複数LEDは、直列/並列配列に接続して、12ボルトまたは24ボルトなどの、より一般に利用可能な供給出力電圧Voutを、LEDに損傷を与えることなくLED配設に印加することができる)。図10の配設において、DC‐DC変換器69に供給される、無調整DC入力電圧Vinは、約160ボルトの程度、またはそれよりも大幅に高くしてもよく、変換器は、例えば、12ボルトまたは24ボルトの調整DC出力または供給電圧Voutを供給するように構成してもよい。図10に示すように、1つまたは2つ以上のLED100の共通アノードは、調整供給電圧Voutの正端子に接続してもよい。負荷400にも、1つまたは2つ以上のフィルタキャパシタ88を含めて、供給電圧Vout上の残留リップルがある場合にはそれをフィルタリングしてもよい。
【0097】
図10に示す、ライティング装置/負荷40において、1つまたは2つ以上のLED100によって生成される放射の強度は、所与の時間間隔においてLED(複数を含む)に配給される平均電力に比例する。したがって、1つまたは2つ以上のLEDによって生成される放射の強度を変える一手法は、LED(複数を含む)に配給される電力を変調することを伴う。この目的で、ライティング装置も、Voutと接地との間のLEDの電流経路に電流調整器84およびスイッチ90、ならびに(やはり調整供給電圧Voutを介して給電することのできる)LEDコントローラ82を含む。
【0098】
図10に示すライティング装置/負荷40の調整器84は、全般的に、スイッチ90が閉止されて電流経路を完成する場合に、1つまたは2つ以上のLED100を通過する最大電流ILEDを定義するように構成される。したがって、固定供給電圧Vout(したがって通電されたときに、LED(複数を含む)の両端での固定電圧VLED)が与えられると、調整電流ILEDは、LED(複数を含む)が通電されるときにそれに配給される、瞬時電力PLEDの量も決定する(PLED=VLED・ILED)。
【0099】
図10の例示的配設において、LEDコントローラ82は、パルス幅変調手法を用いてスイッチ90を制御し、それによってLED(複数を含む)に配給される平均電力を変調するように構成することができる。特に、LEDコントローラは、反復的にスイッチ90を開閉し、それによって、好ましくは人の目によって検出することのできるよりも高い周波数(例えば、約100Hzよりも高い)において、パルス状に1つまたは2つ以上のLEDに通電するように構成される。このようにして、LED(複数を含む)によって生成される光の観察者は、不連続なオンとオフのサイクル(一般に、「フリッカー効果」と呼ばれる)を認知せず、その代わりに、目の積分機能によって、本質的に連続な照明が認知される。任意の時間間隔においてLED(複数を含む)が通電される平均時間量を調節することによって(すなわち、LED(複数を含む)に配給される平均電力を調節することによって)、生成された光の認知輝度を変化させることができる。LEDコントローラ82は、このことを、スイッチ90のデューティサイクルを調節する(すなわち、連続するスイッチングサイクル中に、スイッチがオンまたは閉止される時間を増大または低減する)ことによって達成することができる。図10に示すように、LEDコントローラ82は、任意所与の時間におけるスイッチのデューティサイクル、したがって観察光の認知輝度を指定する、制御信号または制御データ86を受け取ることができる。
【0100】
図11に示す、さらに別の例示的配設においては、1つまたは2つ以上のLED100に加えて、ライティング装置/負荷40には、LED100の色と異なる色を有する、1つまたは2つ以上の追加のLED100Aを含めてもよい。図11に示すように、LED(複数を含む)100Aの回路配設は、LED(複数を含む)100のそれと類似している。すなわち、LED(複数を含む)100Aの共通アノードは、Voutの正端子に接続され、調整器84Aは、スイッチ90Aが閉止されて電流経路を完成するときに、LED(複数を含む)100Aを通過する最大電流ILED(A)を定義するように構成される。図11において、LEDコントローラ82は、図10と関係して上記で考察したように、パルス幅変調手法を用いて、やはりスイッチ90Aを制御して、LED(複数を含む)100Aに時間とともに配給される平均電力(したがって、LED100Aによって生成される光の認知輝度)を制御する。
【0101】
図11に示すLEDコントローラ82は、(例えば、1つまたは2つ以上の制御信号または制御データ86に基づいて)スイッチ90およびスイッチ90Aを独立に制御して、それによってLED(複数を含む)100およびLED(複数を含む)100Aによってそれぞれ生成される、異なる着色の光の認知輝度を独立に調節するように構成してもよい。このようにして、よく確立された混色原理に基づいて、ライティング装置によって、様々な異なる認知可能な色を生成することができる。ここで認識すべきことは、その他の配設において、図10、11に示すものと類似するライティング装置には、3つまたはそれ以上の異なる色を有するLEDを含めてもよく、異なる色のLEDによって生成される、それぞれの放射の強度は、上記で考察したのと類似の方法で、独立に制御され、多種多様な可変色光を生成するようにすることができる。
【0102】
本出願者らは、非効率性および機能冗長性に関係するいくつかの問題が、図10、11に示す例示的な従来型DC‐DC変換器/負荷配設によって、生じることを認識し理解していた。
【0103】
第1に、市販のスイッチング電源の実際的な制約により生ずる、注目に値する非効率問題がある。例えば、容易に認識されることは、従来型スイッチング電源は、一般に、わずかな所定電圧出力レベル(例えば、通常5V、±12V、±15V、24C、その他)および選択された範囲の電力出力能力で、市販されている。市販のスイッチング電源の出力電圧および出力電力定格の選択が制限されていることから、供給電圧/電力定格と、所与の負荷の特定の電圧/電力要求との間の一致は、最適レベルに満たないことがある。
【0104】
電圧については、(図10、11の変換器69によって例示されるような)市販電源において通常利用可能な調整DC出力電圧は、問題となる特定の負荷に対して理想的に適合していないことがあり、そのために、負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素を適切に駆動するために、何らかの電圧または電流調節/調整回路を必要とすることがある。図10、11の例示的配設に関係して上記で考察したように、一般に利用可能な、LEDベースライティング装置を駆動する12ボルトまたは24ボルトの調整DC供給電圧Voutを仮定すると、大幅に低い電圧LEDを、電流調整器とともに、ライティング装置において特別に相互接続、配設して、LED(複数を含む)の損傷のない適切な動作を保証する必要がある。最適には至らない供給電圧Voutに基づく、調整器または類似の調節回路を必要とすることによって、電力およびスペースを無駄にするのは避けられない。
【0105】
同様に、ライティング装置/負荷40の電力要求と、所与のスイッチング電源の電力供給能力との間の不一致によって、不効率および無駄を発生することがある。例えば、所与のライティング装置40の特有の電力要求PLOADを、(例えば、任意の時刻に通電することのできるLED、ならびにライティング装置/負荷に存在するその他の支援回路の数およびタイプに基づいて)考える。市販の電源に対する、出力電力定格の所定の選択を仮定すると、所与の負荷の電力要求よりも十分に大きいが適当に近い出力電力定格を有する、入手可能な電源がないことがあり得る。したがって、この状況においては、大幅に過剰な仕様の(すなわち、PLOADよりも大幅に大きな電力出力を供給することのできる)電源が、唯一の妥当な選択であることがある。ここでも、そのような電力不一致は、少なくとも電源における過大寸法の構成要素について、非効率と無駄を伴う。
【0106】
さらに、多数のLEDおよび/または高電力LEDを備えて強力な照明を提供する、ライティング装置/負荷40においては、DC‐DC変換器と負荷との間で要求電力を相当の距離にわたって伝送することによって、別の非効率問題を生じる可能性がある。例えば、(例えば、12ボルトまたは24ボルトにおける)変換器の固定調整DC出力電圧を仮定すると、ライティング装置における、より多数のLEDおよび/または高電力のLEDは、通電されると大量の電流を引き出し、その結果として、(特に、ライティング装置/負荷がDC‐DC変換器から任意相当の距離だけ離隔されている場合には)DC‐DC変換器に負荷を接続するケーブル/導体において潜在的に重大な抵抗損失を生じる可能性がある。
【0107】
要約すると、前述の非効率問題は、変換器と負荷との間の潜在的電圧および/または電力不一致、ならびに変換器と負荷との間の潜在的電力伝送損失についての、DC‐DC変換器のある程度の柔軟性の低さに、少なくとも部分的には関係している。第2に、図10、11に示す例示的な従来型配設において、特に注記に値するのは、一般的に、調整電圧出力を供給するDC‐DC変換器の動作、および制御可能な光出力を供給するライティング装置の動作は、少なくとも両者において存在するスイッチング動作について、相当に類似している。具体的には、類似の変調スイッチング動作が、DC‐DC変換器とライティング装置の両方に対する所望の出力を決定する。
【0108】
前述のことを考慮すると、本開示の様々な態様は、全般的には、従来型配設と比較して、全体電力効率が改善され、かつ構成要素の機能的冗長性が大幅に低減される少なくともある種の負荷に、電力を供給して制御する方法および装置を目的とする。異なる観点においては、本明細書において開示する様々な態様による方法および装置の実装形態は、全般的に、少ない構成要素、高い全体電力効率、および小さなスペース要求を有する大幅に簡略化された回路を伴う。
【0109】
以下にさらに考察する、いくつかの態様においては、負荷に対して、その負荷電圧および/または負荷電流の監視をまったく必要とすることなく(すなわち、負荷からのフィードバックなしに)、制御された所定の電力が供給される。フィードバックを必要としないそのような態様の一観点において、通常、低いDC負荷供給電圧とAC線間電圧から引き出される電力源(例えば、DC‐DC変換器への高いDC電圧入力)との間に使用される絶縁構成要素は、場合によっては必要ではなく、それによって必要な回路構成要素の数が減少する。別の観点では、フィードバックループを不要にすることによって、一般に、回路速度が向上し、フィードバック回路安定性に関する潜在的に困難な問題が回避される。
【0110】
本明細書において開示する一態様は、特に、LEDベース光源用の「フィードフォワード」ドライバを目的とする。この態様によるフィードフォワードドライバは、DC‐DC変換器と光源コントローラとの機能を組み合わせて、光源に供給される電圧または電流の監視または調整を行うことなく、所与の時間間隔において光源に配給される平均電力を変調することに基づいて、光源が生成する光の強度を制御するように構成される。この態様の一観点において、フィードフォワードドライバは、「不連続モード」スイッチング動作を使用して、1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素にエネルギーを蓄積し、そこからエネルギーを放出するように構成される。この種のスイッチング動作は、以下にさらに考察するように、スイッチングサイクル当りに予測可能な量のエネルギーを伝達すること、したがって光源に予測可能に制御された電力を配給することを容易にする。
【0111】
以下には、本開示による電力制御方法および装置に関する様々な概念、およびその態様をより詳細に説明する。ここで認識すべきことは、上記において紹介し、以下においてより詳細に考察する様々な概念は、開示する概念はいずれの具体的な実現方法にも限定されないので、多数の方法の内の任意のもので実現することができることである。具体的な実装形態および応用の例は、説明のためだけに提供するものである。
【0112】
図12は、本開示の一態様による、スイッチング電源構成に少なくとも部分的に基づく、「フィードフォワード」電力制御装置200を示すブロック図である。以下で考察するその他の態様と同様に、図12の態様と関係して使用する、用語「フィードフォワード」は、負荷に関連する情報(例えば、負荷が引き出そうとする所望の電力、負荷の両端に印加しようとする所望の電圧など)が事前に既知であって、回路動作を促進するのに使用される、回路構成を意味する。例えば、本明細書において開示される、フィードフォワード電力制御装置の様々な実施例においては、負荷に対して、その負荷からのフィードバック情報を必要とすることなく、制御された所定の電力がスイッチエネルギー伝達(switched energy transfer)方法によって供給される。すなわち、負荷電圧および/または負荷電流を監視する必要はない。そうではなく、電力制御装置に供給される電力源に関係する1つまたは2つ以上のパラメータ(例えば、電圧入力または電源から引き出される電流)、ならびに負荷パラメータに関する、事前に知られている所望のその他の制御情報またはデータを監視することに基づいて、制御された所定の電力が負荷に供給される。
【0113】
図12に示すように、電力制御装置200は、DC入力電圧212(Vin)を受け入れ、電力源から入力電流210(Iin)を引き出す。DC入力電圧212は、調整または無調整のDC電圧としてもよく、また、先の図において示したDC入力電圧30に関係して上述したように、例えば、整流およびフィルタリング処理されたAC線間電圧または別のDC電力源から引き出してもよい。図12は、また、電力制御装置200は、スイッチ214の動作によって入力電流Iinがエネルギー伝達配設202を通過するように、構成されていることを示している。スイッチ214は、スイッチコントローラ204によって制御され、このスイッチコントローラは、1つまたは2つ以上の監視された電源パラメータ206(例えば、Vinおよび/またはIin)に加えて、装置200に供給されるその他の制御情報またはデータ208に応答して生成される制御信号216を介して、スイッチ214を制御するように構成されている。図12には明示的に示していないが、以下により詳細に考察する様々な実装形態によれば、スイッチコントローラ204のための動作電力は、DC入力電圧Vinまたはその他の電力源から引き出すことができる。
【0114】
図12において、スイッチ214は、先の図に示すトランジスタスイッチ20と実質的に同様の役割を果たす。したがって、スイッチ214の1つの例示的実装形態には、それに限定はされないが、トランジスタを適切に動作させるのに必要となることがある、信号増幅器/スイッチドライバ回路とともに、飽和スイッチとして動作するように構成された1つまたは2つ以上のトランジスタ(例えば、BJT、FET)が含まれる。図12に示すエネルギー伝達配設202は、負荷に電力を供給するDC‐DC変換器の汎用機能を実装するように構成された、いくつかの可能な回路配設の1つを全体的に表している。より詳細には、この態様の異なる観点によれば、エネルギー伝達配設202には、バック変換器、ブースト変換器、バック・ブースト変換器、CUK変換器、フライバック変換器、およびフォワード変換器(これらのすべては図1および図4〜9に関係して上記で考察した)、ならびに本明細書において詳細に考察しない、その他のDC‐DC変換器配設の内の1つの汎用機能を実装するように構成された様々な構成要素を含めることができる。
【0115】
図12に示すように、エネルギー伝達配設202は、負荷218にDC出力電圧216(Vout)を供給するように構成されている。しかしながら、上記するとともに以下で詳細に考察するように、先の図に示す従来型配設とは異なり、図12の態様におけるエネルギー伝達配設202は、負荷に関係する何らかの情報(例えば、負荷電圧および/または負荷電流)をスイッチ214の制御に影響を与えるフィードバックとして、提供するようには構成されていない。
【0116】
電力制御装置の動作の入門的な考察を容易にするために、電力制御装置200のその他の構成要素へのエネルギー伝達配設202の相互接続を、図12に全体的に示してある。しかしながら、ここで認識すべきことは、電力制御装置200の所与の実装形態における構成要素の特定の相互接続は、エネルギー伝達配設202に使用されるDC‐DC変換器の種類によって指定できることである。特定の配設のいくつかの実施例を、図13および図15〜19に関係して、以下により詳細に考察する。
【0117】
図12の態様の別の観点においては、フィードフォワード電力制御装置200は、スイッチコントローラ204とスイッチ214によって実現される「不連続モード」スイッチング動作を使用して、エネルギー伝達配設202の1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素にエネルギーを蓄積するとともに、そこからエネルギーを放出するように構成することができる。この種のスイッチング動作は、負荷218に対する、スイッチングサイクル当りに予測可能な量のエネルギーの伝達、したがって、予測可能で制御された電力配給、を容易にする。次に、この不連続モードスイッチング動作について、最初に図13、14を参照して、より詳細に考察する。
【0118】
図13は、本開示の一態様による、電力制御装置200の例示的エネルギー伝達配設202の追加の詳細を模式的に示す、図12と同様の図である。図13の例において、エネルギー伝達配設は、インダクタンスLを有するエネルギー伝達要素としてのインダクタ220に加えて、負荷218にDC出力電圧216を供給するように構成された、その他のDC‐DC変換器回路を含む、バック・ブースト変換器または反転変換器として、示されている。図12と関係して上述したように、ここで認識すべきことは、図13に示す例示的バック・ブースト構成は、不連続モード動作に関する様々な概念を示すことを主目的として、設けてあることである。しかしながら、本開示による電力制御装置は、この特定の構成に限定はされず、その他の態様に従ってその他の構成を不連続モードで動作させることもできる。図13において、電流210(Iin)は、スイッチ214の動作によって、インダクタに印加される電圧212(Vin)に基づいて、インダクタ220を通過して流れる。電力制御装置200の動作の根底にある、より顕著な一般概念のいくつかに光を当てる目的で、以下の考察においては、理想的な構成要素と実質的に無損失のエネルギー伝達を仮定している。
【0119】
図14は、本開示の一態様による、図12、13に示したスイッチ214の、2つの連続するスイッチングサイクル213を示す、例示的なタイミング図である。図14は、スイッチ214の連続するオン/オフスイッチングサイクル中の、入力電圧Vinに基づきインダクタ220の両端に印加されるパルス電圧225(VL)を示す。図3におけるように、スイッチ214がオンまたは閉止である時間は、図14においてtonで表わし、スイッチがオフまたは開放である時間はtoffで示してある。したがって、上記の考察のように、所与のスイッチングサイクル213の周期Tはton+toffで与えられ、複数スイッチングサイクルの周波数fは1/Tで与えられる。
【0120】
図14において、インダクタの両端に印加されるパルス電圧225上に、インダクタ220を通過する電流224(IL)を重ね合わせてある。図3に関係して上記で考察したように、スイッチ214がtonの時間間隔だけ閉止されると、インダクタに印加される電圧によって、直線的に増大する電流Iin=ILが、関係式VL=L・dIL/dtに基づいて、インダクタを通過して流れ、この間にエネルギーはインダクタの磁界に蓄積される。時間間隔tonの終わりに、インダクタ電流ILが最大ピーク値IPに到達することを、図14は示している。蓄積エネルギーは、その他のDC‐DC変換器回路を介して負荷に供給されるので、この同じ関係式VL=L・dIL/dtによって、スイッチ214がオフまたは開放であるときに、インダクタ電流ILは、時間間隔toffの間に直線的に減少する。
【0121】
図14のタイミング図は、先に図3に示したものと類似しているが、図14に示すインダクタ電流ILは、連続モードスイッチング動作ではなく、「不連続モード」スイッチング動作を反映する点において、図3とは異なる。特に、各スイッチングサイクルの始点および終点において、インダクタ電流ILはゼロとなるように電力制御装置は構成され、詳細には、インダクタのインダクタンスLおよびスイッチ214のデューティサイクル、ならびに装置のその他の構成要素は、本質的に、時間ton中にインダクタ内に蓄積されるエネルギーのすべてが、時間t2内に負荷に伝達され、この時間はtoffよりも短く、それによって、スイッチングサイクルの始点および終点においてインダクタを通過して流れる電流がないこと(また、インダクタの磁界中に残留蓄積エネルギーがないこと)を確実にする。図14に示すように、t2の終点とtoffの終点の間の時間間隔は、インダクタ電流ILにおける不連続、したがって用語「不連続」モードを表す。
【0122】
不連続モードスイッチング動作を使用して、各スイッチングサイクルの始点および終点において本質的にゼロのインダクタ電流を確実にすることによって、スイッチングサイクル毎の予測可能な量のエネルギーの伝達が促進され、したがって、負荷に対する予測可能で制御された電力配給が容易になる。例えば、図14を参照すると、時間間隔tonの終点までに、インダクタの磁界に蓄積されたエネルギー量Win(ジュール単位)は、初期インダクタ電流をゼロと仮定して、
【数8】
によって与えられる。エネルギーの無損失伝達を仮定して、スイッチ214が時間toffの間、開放されている間に、Winに等しいエネルギー量Woutが、時間間隔t2<toffの間に、インダクタ磁界から負荷に伝達される。それぞれの逐次スイッチングサイクルによって、予測可能なエネルギー量がこのように伝達される。
【0123】
電力は、所与の時間間隔内に伝達されるエネルギーの量(すなわち、P=dW/dt)として定義されるので、負荷に伝達される電力Pは、次式で表され、
【数9】
ここで、f=1/Tは、スイッチ214のスイッチング周波数である。前述のことから、インダクタのインダクタンスLを仮定すると、スイッチング周波数fおよびピークインダクタ電流IPの一方または両方を変化させることによって、負荷への電力を変調することができることが認識される。上記で考察したように、ピークインダクタ電流IPは、スイッチ214のデューティサイクル(特に、時間間隔ton)によって決定される。したがって、図12〜14の態様において、スイッチ214の周波数およびディーティサイクルの一方または両方を制御して、負荷に対して、その負荷に関するフィードバック情報なしで、予測可能な可変電力を供給することができる。
【0124】
図12〜14の態様において、負荷への電力の制御を見る別の方法は、複数スイッチング動作を含む時間間隔にわたって、複数の量のエネルギーの伝達を考えることである。
【0125】
P=(伝達当りのエネルギー量)×(時間間隔当りの伝達回数) (2)
【0126】
この視点から、認識できることは、負荷への電力は、1)伝達当りのエネルギー量を調節すること、および2)それぞれが同量のエネルギーを有する伝達数を時間に対して変化させることの一方または両方によって、調節できることである。
【0127】
図12〜14の態様における負荷への電力の制御についてさらに考察するために、時間に対してエネルギー伝達の回数(例えば、スイッチング周波数)を一定に保持し、時間間隔を変化させることによってスイッチング動作のデューティサイクルを変えることを含む、例示的実装形態を、図15と関係して次に考察する。特に、図15は、本開示の一態様による、図13に示すフィードフォワード電力制御装置200の一部を示し、この態様においては、スイッチ214のデューティサイクルは、スイッチがオンまたは閉止の場合に、インダクタ電流ILを監視すること(すなわち、電力制御装置によって引き出される電流Iinを監視すること)に一部基づいて、制御される。
【0128】
図15の態様は、従来型「電流モード」スイッチング調整器に関して、図7に関係して上記で考察したいくつかの特徴を含む。例えば、図15において、抵抗器Rsenseとして示されている入力電流検知デバイス60を使用して、スイッチ214がオンまたは閉止のときにインダクタ電流ILをサンプリングする(これは、本質的に、入力電流Iinを検知することになる)。さらに、スイッチコントローラ204は、コンパレータ62、パルス幅変調器36、および周波数fを有するパルスストリーム42をパルス幅変調器に供給する、発振器26を含む。図7における場合のように、パルス幅変調器36の1つの例示的実装形態は、セットおよびリセット制御を含むD型フリップフロップであり、この場合に、発振器26はフリップフロップの「セット」入力にパルスストリーム42を供給し(ロー起動、
【数10】
)、コンパレータ62は、フリップフロップの「リセット」入力に信号64を供給し(ハイ起動、
【数11】
)、フリップフロップの「Q」出力は、スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給する。
図15の態様において、パルス幅変調器36およびスイッチコントローラ204の関連する回路の機能は、図7に関係して上述した内容と同様である。しかしながら、図7とは異なり、図15には、スイッチ214の制御に影響を与えるのに使用される、負荷に関するフィードバック情報はない。そうではなく、図15の態様におけるスイッチコントローラ204は、負荷に伝達しようとする所望の電力量を表わす入力情報208と、電力制御装置200に供給される電力に関係する監視パラメータ205(すなわち、インダクタ電流IL/入力電流Iin)とだけに基づいて、スイッチ214を制御するように構成されている。
【0129】
特に、この態様の一観点によれば、負荷に伝達しようとする所望の電力量を表わす入力情報208は、電圧設定点Vspの形態とすることができる。別の観点によれば、監視されるパラメータ206は、抵抗器Rsenseによりサンプリングされる、インダクタ電流ILに関係する、検知電圧Vsenseとすることができる(この実施例におけるサンプルインダクタ電流ILは入力電流Iinと同一であることに留意されたい)。図15において、パルス幅変調器36は、電圧VspとVsenseの比較に基づいて、制御信号216のデューティサイクル、したがってスイッチ214が閉止されている時間間隔tonを調節する。すなわち、電圧Vspは、所与のスイッチング動作の間に、スイッチ214が開くピークインダクタ電流Ipを本質的に決定し、それによって、スイッチング動作中に伝達されるエネルギー量も決定する。したがって、電圧Vspを変化させることによって、所与のスイッチング動作における伝達エネルギー量、したがって負荷への電力を、同様に変化させることができる。
【0130】
図16は、さらに別の態様による、図13の構成に基づくフィードフォワード電力制御装置200の一部を示し、この場合にも負荷への電力は、スイッチング動作のデューティサイクルを変化させるとともに、スイッチング周波数fを一定に保持することによって調節することができる。図16の態様において、時間間隔tonしたがってスイッチ214のデューティサイクルは、図15に示すように(インダクタ電流ILを介して)入力電圧Iinをサンプリングすることによるのではなく、電力制御装置200への入力電圧Vinの監視に基づいて制御される。
【0131】
図14のタイミング図を再び参照すると、関係式VL=L・dIL/dtに基づいて、ピークインダクタ電流IPは、入力電圧Vinによって表わすことができ、この入力電圧は、図16の態様においては、スイッチ214がオンまたは閉止のときに、インダクタの両端に以下のように発生する。
【数12】
【0132】
前記の関係式および上記の式(1)で与えられる、負荷に伝達される電力Pに対する関係式を使用して、負荷に伝達される電力Pは、Ipを置換することによって、入力電圧Vinで表わすこともできる。
【数13】
【0133】
前記の関係式は、負荷に伝達される電力は、ピークインダクタ電流Ipまたは装置200に入力される電圧Vinのいずれかで表わすことができることを実証している。したがって、図16の態様において、スイッチコントローラ204は、監視パラメータ206として(インダクタ電流をサンプリングするのではなく)電圧Vinを監視するとともに、所望の負荷電力の何らかの代表を入力情報208として受け取り、それによって以下の関係式に基づいてスイッチ214のデューティサイクルを決定するように構成されている。
【数14】
【0134】
この目的で、図16は、一態様によれば、スイッチコントローラ204にアナログ‐ディジタル変換器226を含めて、電圧Vinを監視して、プロセッサ250に電圧の適当なディジタル表現を供給することができるとこと示している。プロセッサ250は、また、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取る。図15においてと同様に、スイッチコントローラ204は、また、周波数fにおけるパルス列42を供給する発振器26を含む。プロセッサ250は、Lおよびfの既知の回路値を使用し、Vinを計測し、かつ所望の負荷電力Pに関する入力情報208を使用して、上記の式(3)から、所望のtonに基づくデューティサイクルを有する制御信号216を生成するように構成されている。
【0135】
図15、16の態様において、時間に対してエネルギー伝達回数を一定に保持しながら、スイッチング動作のデューティサイクルを変化させることに基づいて、負荷電力を制御することについて考察してきたが、次に、スイッチング動作のデューティサイクルを一定に保持しながら、時間に対してエネルギー伝達回数を変化させることに基づき、負荷電力に作用することに注目する。上記の式(1)および式(2)から、負荷への電力は、1)図15、16の態様におけるように、1伝達当りのエネルギー量を調節すること、および2)それぞれ同一のエネルギー量を有する伝達の回数を時間に対して変化させること、の一方または両方によって調節できることを思い起こされたい。
【0136】
この後者の視点での考察を始めるにあたり、図15、16に示す回路は、事前設定される一定の伝達当りのエネルギー量を設定するように、修正できることが、容易に認識されるはずである。例えば、このことは、図15における電圧設定点Vsp、または図16における所望電力入力Pを、可変入力情報208として受け取らせるのではなく、これらのパラメータを固定することによって達成することができる(パラメータVspおよびPが本質的に固定されるいくつかの実装形態においてでも、これらのパラメータに対するある程度の名目上の調節は、例えば、トリムポテンショメータおよび関連する回路によって、助長することができる)。したがって、スイッチング動作の周波数を変調することに基づく負荷電力の調節に関して、以下に考察するいくつかの態様においては、入力情報208は、スイッチ214の所望のオン時間またはデューティサイクルではなく、その代わりに、スイッチ214に対する所望のスイッチング周波数を表わしてもよい。
【0137】
上記の式(1)で与えられる電力関係式は、負荷への電力は、スイッチング周波数fと直線的に調節できることを示唆しているが、一般に、スイッチング周波数の範囲に対する実際的な制限があり、これが負荷への電力供給に対して対応する制約を課す。例えば、スイッチ214を実装するのに使用される構成要素(複数を含む)およびその他の回路構成要素による、スイッチング周波数の範囲に対する実際的な制限が存在する。十分に高い周波数において、(周波数が高くなると一般に増大する)スイッチング損失が、所与の応用において使用可能な最大周波数fに対する、実際的な制限を課すことがある。また、高周波数スイッチング動作から生じる放射ノイズによって、使用可能な最大周波数に対しての調整上の制約による実際的な制限が課されることもがある(現在、多くのタイプのDC‐DC変換器において従来から使用されている、スイッチング周波数fの一般的な範囲には、それに限定はされないが、約50kHz〜100kHzの周波数が含まれる)。
【0138】
また、制御しようとする負荷の種類も、負荷への電力を制御するために実際に使用できるスイッチング周波数fの範囲に、影響を与えることがある。例えば、上記で考察したように、本開示のいくつかの態様による、対象とする1つの負荷は、1つまたは2つ以上のLEDを含み、LED(複数を含む)によって生成される光の認知輝度(perceived brightness)は、パルス電力配給に基づいて制御される。この種の負荷に対して、(いくつかの負荷と一緒に、出力電圧Voutを平滑化するのに使用することのできる)図13に示すキャパシタ34は、適当な大きさのキャパシタンスを持たせるか、またはLED(複数を含む)は電圧Voutにおける瞬時の変化に応答することができるので、任意選択でエネルギー伝達配設202から除外してもよい。上記で考察したように、そのような負荷のLED(複数を含む)は、人の目で検出できるよりも高い周波数(例えば、約100Hzより上)においてパルス方式で通電され、それによって「フリッカー」効果を回避している。したがって、この応用においては、人の目の「フリッカー周波数」が、スイッチング周波数に対する下限を表わすことができる。
【0139】
スイッチング周波数fを直接、変調することによって、式(1)に従って負荷への電力を変化させることができるが、電力を変化させる別の可能性は、おそらく式(2)から最も明確に観察することができるように、周波数fを有する参照パルスストリームを生成する発振器の複数の周期Tを含む時間間隔にわたっての、一定量エネルギー伝達の回数を変化させることに関する。この方法は、本質的に、1ビットD/A変換の概念に基づく「パルスドロッピング(pulse dropping)」または「パルス数変調」手法を表わし、ある最小値と最大値の間でスイッチング動作の有効周波数feffを(参照パルスストリーム周波数fに基づいて)変化させることに対応する。
【0140】
図17は、パルス生成コントローラ230を模式的に示すブロック図であり、このコントローラは、本開示の一態様による、電力制御装置200のスイッチコントローラ204の一部として含めることができる。図17の態様に基づく、スイッチコントローラの例示的な一実装形態において、パルス生成コントローラ230を使用して、図15または16のいずれかに示すスイッチコントローラ204の発振器26を置換してもよく、入力電圧Vinまたは入力電流Iinの一方を表わす値と比較するのではなく、入力情報208を使用してパルス生成コントローラ230を制御してもよい。
【0141】
特に、図17のパルス生成コントローラ230は、(図15、16に示す態様におけるように)スイッチ214のデューティサイクルによって伝達当りのエネルギー量を制御するのではなく、パルスドロッピングまたはパルス幅変調手法によって負荷への電力の制御を容易にするように構成されている。この目的で、パルス生成コントローラ230は、参照発振器周波数fに対して変化させることのできる、有効周波数feffを有する修正パルスストリーム42'を出力する。この修正パルスストリーム42'は、スイッチコントローラによって使用されて、スイッチ214を制御する制御信号の、デューティサイクルではなく、有効周波数を制御する(例えば、修正パルスストリーム42'を、パルスストリーム42の代わりに、図15における変調器36に類似する、パルス巾変調器、または図16に示すプロセッサ228に類似するプロセッサへの入力として供給してもよい)。
【0142】
上記で考察したように、図17のパルス生成コントローラ230に基づくスイッチコントローラのいくつかの態様において、スイッチコントローラは、スイッチングサイクル当りの伝達エネルギーの事前設定される一定量を設定するように構成してもよい。図15、16を再び参照すると、このことは、例えば、図15における電圧設定点Vsp、または図16における所望電力入力Pを、これらの値を可変入力情報208として受け取らせるのではなく、ある一定値に固定することによって達成することができる。そのようなスイッチコントローラの一観点において、入力情報208は、代わりにスイッチ214に対する所望の有効スイッチング周波数feffを表わしてもよく、VspまたはPに対する事前設定される一定値は、入力情報208が最大有効周波数feffを要求するときに、負荷に対する最大電力Pmaxを表わす。
【0143】
図17に示すように、一態様によれば、パルス生成コントローラ230は、入力情報208に基づき、ゼロから(2N−1)の間のディジタル値を格納するための、Nビットレジスタ238を含む(入力情報208は、最初に、以下でさらに考察する、任意選択シフトレジスタ239を通過させてもよい)。この態様の一観点によれば、Nビットレジスタ238に格納されるディジタル値は、所望の有効スイッチング周波数feffを、参照周波数fの百分率の形態で表わし、したがって図17において%fとして示してある。パルス生成コントローラ230は、また、参照周波数fにおいてパルスストリーム42を供給する発振器26を含む。
【0144】
図17において、Nビットアキュムレータ232は、「クロック」入力としてパルスストリーム42を受け入れ、パルスストリーム42の各パルスとともに、Nビットディジタル入力値240をアキュムレータ232にロードするように構成されている。アキュムレータにロードされたNビット入力値240は、加算器236によって示されるように、アキュムレータに格納された先の値に、(入力情報208に基づき)Nビットレジスタ238に格納されたディジタル値%fを加えた合計である。レジスタ238と同様に、Nビットアキュムレータは、(2N−1)の最大ディジタル値を有し、したがって、入力値240が(2N−1)を超えると、アキュムレータは、入力値240と(2N−1)の間の差を記憶して、オーバーフロー状態を表わす桁上げ信号(carry signal)242を出力するように構成されている。桁上げ信号は、パルスストリーム42の次のパルスが、オーバーフロー状態を解消すれば(すなわち、アキュムレータにロードされる次の入力値240が(2N−1)より小さい場合)、ゼロに戻る。
【0145】
したがって、Nビットアキュムレータ232の桁上げ信号242は修正パルスストリーム42'を表わし、その場合に、所与の時間間隔内にアキュムレータによって出力される、修正パルスストリームにおけるパルス数(#pulses out)は、同じ時間間隔におけるパルスストリーム42のパルス数(#pulses in)と次の関係があり、
【数15】
ここでも、%fはNビットレジスタ238内に格納された(ゼロから2N−1の範囲の)ディジタル値を表わす。上記で考察したように、一態様によれば、この修正パルスストリーム42'は、電力制御装置のスイッチ214の有効スイッチング周波数feffを求めるのに、スイッチングコントローラによって使用される。
【0146】
上記の関係から、分子および分母を時間の単位で除算して周波数を得ると(すなわち、周波数=#pulse/単位時間)、有効スイッチング周波数feffは、次式に従って、参照周波数fと関係する。
【数16】
【0147】
したがって、パラメータ%fをゼロから(2N−1)の間で変えることによって、負荷への電力も、(feffをfに代入した)上記の式(1)に従って、同様に変化させることができる。
【0148】
上記の考察のように、負荷のタイプに応じて、有効周波数feffには、実際的な下限が存在する可能性がある。例えば、1つまたは2つ以上のLEDを含む、例示的な負荷を考えると、約100Hzより相当に低いスイッチング周波数によって、望ましくない「フリッカー」効果を生じることがあり、この場合には、LED(複数を含む)によって生成される照明の認知輝度が本質的に連続ではなくなる。
【0149】
図17に関係して上述したパルス変調手法に基づく、1つまたは2つ以上のLEDの制御の実際的例を提供する目的で、パルスストリーム42に対して、例示的な100kHzの参照周波数を考える。ここで認識すべきことは、本開示による様々な実装形態は、この観点に限定されるものではなく、100kHz程度の発振器周波数は、様々なDC‐DC変換器構成において一般的に使用されており、したがって、この参照周波数は、説明目的での適当な例を提供するが、その他の参照周波数も様々な態様において使用できることである。
【0150】
LEDベース負荷に対する望ましくないフリッカー効果を回避するために、100kHzの参照周波数および約100Hzの最小周波数を仮定すると、有効スイッチング周波数feffに対する最小周波数と最大周波数の比は、1:1000の程度となることが容易に認識されるであろう。言い換えると、本実施例において顕著なフリッカーなしで、LEDベース負荷に最小電力を提供するために、100kHzの周波数においてパルスストリーム42の1000パルス毎に、図17のパルス生成コントローラ230は、修正パルスストリーム42'において少なくとも1つのパルスを供給する必要がある(上記、式(4)および式(5)を参照のこと)。
【0151】
したがって、100kHzの参照周波数に基づいて、この有効スイッチング周波数の範囲に対応するために、一態様において、N=10ビットレジスタ238およびN=10ビットアキュムレータ232を、図17のパルス生成コントローラ230に使用してもよく、ここで210=1024である。すなわち、上記の式(5)によれば、(1/1024)fまたは約98Hzの最小有効周波数feffは、%fのディジタル値=1のときに達成され、(1023/1024)fまたは約99.9kHzの最大有効周波数feffは、%fのディジタル値=1023のときに達成される。ここでまた認識すべきことは、本実施例において、%fの値を変えることに基づく、負荷への電力の変動は、最大電力Pmaxの1/1024の増分に限定されることである(すなわち、10ビットレジスタおよびアキュムレータを使用して達成することのできる最小電力分解能は1/1024である)。
【0152】
1つまたは2つ以上のLEDを含む負荷への電力を制御することに関して生じる可能性のある1つの問題は、LED(複数を含む)への印加平均電力と、LED(複数を含む)によって生成される光の対応する認知輝度との間の、いくぶん非線形な関係に関する。例えば、1つまたは2つ以上のLEDによって生成される光の認知輝度は、一般に、比較的低い電力レベルにおいて、電力の変化と共により急激に変化するのに対して、比較的高い電力レベルにおける電力の変化の結果としては、一般に、認知輝度においていくぶん目立ち難い変化を生じる。
【0153】
前記のことを考慮すると、図17に示すパルス生成コントローラ230の別の態様は、コントローラの電力分解能力を向上させる(すなわち、コントローラによって達成可能な電力変化の最小増分を低減する)一方で、同時に、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数の所定の比を本質的に維持することを目的とする。電力分解能を向上させることによって、より大量の電力変動の制御を促進し、これは、場合によっては(例えば、LEDなどの負荷に対する低い負荷電力において)、特に望ましい。
【0154】
より詳細には、この態様の一観点によれば、Nビットレジスタ238およびNビットアキュムレータのビット数Nは、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数比(すなわち、1:2N)が、所定の要求最小比よりも小さくなるように、選択される。例えば、LED(複数を含む)に関して上記で考察した実施例において、望ましくないフリッカー効果を回避するために、最大周波数100kHzおよび最小周波数約100Hzを仮定すると、N=10の値が、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数の要求比1:1024をもたらす。N>10を選択し、それによって比1:2Nを低減することによって、電力分解能を向上させることができる(すなわち、最小電力増分を低減することができる)。しかしながら、必要な最小と最大の周波数比1:1024を維持するためには、%fの最小値をオフセットして(すなわち増大させて)、最小有効周波数が100Hzより大幅に下回らないようにする必要がある。
【0155】
説明の目的で、図17のNビットレジスタ238およびNビットアキュムレータに対して、N=16の場合を考える。この場合には、最小電力増分は、1:216、または1:65536(すなわち、N=10に対して、分解能における大幅な向上)が得られる。しかしながら、%fに対する最小値を、%f=1とすることができる場合には、最小有効周波数feffは、約1.5Hz(すなわち、1/65536×100kHz)となり、望ましくないフリッカー効果を回避するための最小周波数よりもずっと下になる。したがって、一態様においては、%fに対する最小値をオフセットして、それによって、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数の適当な比を維持する。したがって、N=16である本実施例において、オフセットを含む%fの最小値は64となり、その結果、最小有効スイッチング周波数は、(64/65536×100kHz)または約98Hzとなる。この最小値から、有効スイッチング周波数は、(%fが64から65、66、などに増大させるときに)(1/65536×100kHz)=1.5Hzの増分で増大させることができ、N=10である実施例と比較して電力制御能力において大幅な向上をもたらす。
【0156】
改善された電力分解能を有する、パルス生成コントローラの実装を容易にするために、一態様によれば、図17のコントローラ230にはシフトレジスタ239を含めて、入力情報208にオフセットを与えてもよい。例えば、入力情報208が、%fを表わす10ビットディジタル値として与えられ、N‐ビットレジスタ238およびN‐ビットアキュムレータ232に対して、N=16である状況を考える。この実施例において、要求オフセットは、シフトレスタ239を使用して、入力情報208として供給される10ビットディジタル値を、左に6ビット(すなわち、26=64)だけシフトすることによって達成することができる。すなわち、10ビットディジタル値「1」を入力情報として受け取ると、シフトレジスタ239は、10ビット値を左に6ビットシフトし、値「64」をN=16ビットレジスタ238に格納する。
【0157】
ここで認識すべきことは、図17のパルス生成コントローラ230における改善された電力分解能に関する、上記の考察において、Nおよび入力情報208におけるビット数に対する例示的値は、主として説明のために与えられること、および本開示の様々な態様はこの点において限定されないことである。そうではなく、容易に認識されることは、この態様の一観点によれば、パルス生成コントローラ230の任意選択のシフトレジスタ239は、一般に、そうでなければ、所望の程度の電力分解能をもたらすことのできない、入力情報208に基づいて電力分解能の向上を促進するコントローラに対して、ある程度の柔軟性をもたらすことである。さらに、ここで認識すべきことは、コントローラ230に入力情報208を供給するシステムまたはデバイスは、入力情報にオフセットを含めて、次いで、このオフセットをレジスタ238に直接的に適用できるように構成することができることである。
【0158】
以上、エネルギー伝達の回数を時間に対して一定に保持しながらスイッチング動作のデューティサイクルを変化させること(図15、16)、およびスイッチング動作のデューティサイクルを一定に保持しながら、エネルギー伝達の回数を時間に対して変化させること(図17)、に基づく負荷電力の制御について考察したが、ここで認識すべきことは、他の態様によれば、スイッチング動作のデューティサイクルおよびスイッチング周波数(または有効スイッチング周波数)の両方を、上記で考察した概念に基づいて変化させて広範囲の電力制御能力を達成することができることである。
【0159】
例えば、図18は、本開示のさらに別の態様による電力制御装置200を示す図であり、この装置では、スイッチ214のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して、負荷218への電力を制御することができる。図18に示す態様においては、負荷は、1つまたは2つ以上のLED100を含む光源として示してある。図10、11と関係して複数LEDを含む負荷について上記で考察したように、LEDは、種々の直列、並列、または直列/並列配設の任意の方法で相互接続してもよい。さらに、この態様の異なる観点によれば、光源には複数の同色LEDおよび/または異色LEDを含めることができる。
【0160】
一観点においては、図18の電力制御装置200は、(そのパラメータが電源制御装置に供給される電力に関係する)スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が、(スイッチ214がオンまたは閉止の場合に、抵抗器Rsenseによってサンプリングされるインダクタ電流ILを介しての)入力電流Iinを表わす検知電圧Vsenseである点において、図15に示す構成に基づいている。
【0161】
図18の態様において、エネルギー伝達要素202は、ダイオード24、キャパシタ34、およびインダクタ220を含む、バック変換器構成として示してある(例えば、バック変換器構成の例については図1を参照)。バック変換器構成は、図13のエネルギー電圧配設202におけるバック・ブースト変換器構成とは異なり、図18においては、様々な変換器構成を、電力制御装置200の異なる態様によるエネルギー伝達配設202に使用できることを、再び強調するために示してある。
【0162】
エネルギー伝達配設202について、図18に示すバック変換器構成と図13のバック・ブースト変換器構成との顕著な違いの1つは、図18のバック変換器においては、スイッチ214がオンまたは閉止の場合に、装置200が引き出す電流Iinが、負荷218(例えば、前記の1つまたは2つ以上のLED100)とともに、インダクタ220を通過することである。この意味で、ここで認識すべきことは、所与のスイッチングサイクルの時間間隔tonおよびtoffの両方の間に、一部の電力が負荷218に供給されることである。この状況は負荷に配給しようとする所望の電力を計算するときに考慮しなくてはならないが、スイッチング動作のデューティサイクルと有効周波数の一方または両方に基づいて負荷電力を制御することに関して上記で考察した一般概念は、バック変換器およびバック・ブースト変換器構成の両方に加えて、電力制御装置200の様々な態様におけるエネルギー伝達配設202に使用することのできる、その他多種多様なDC‐DC変換器構成に対して、同様に応用することができる。
【0163】
図18の態様においては、上述のように、スイッチコントローラ204は、様々な機能を使用して、スイッチ214のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方の制御を容易にする。この目的で、この態様の一観点においては、スイッチコントローラ204には、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取る、プロセッサ250を含めてある。入力情報208に応答して、プロセッサ250は、出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点Vsp、ならびに(スイッチ214の有効スイッチング周波数を決定する)周波数feffを有する修正パルスストリーム42'を供給するように構成されている。図18に示すように、別の態様によれば、プロセッサ250は、図17と関係して上記で考察したパルス生成コントローラ230の機能を実装して、それによって修正パルスストリーム42'を供給するように構成されている。スイッチコントローラ204のその他の図示した構成要素、すなわちコンパレータ62およびパルス幅変調器36は、図15と関係して上記で考察したように、プロセッサ250によって供給される出力Vspおよび修正パルスストリーム42'に基づいて機能する。
【0164】
図18の態様において、プロセッサ250は、様々な方法のいずれによっても入力情報208を処理するように構成してもよい。すなわち、一般的に、プロセッサは、入力情報208によって表わされる所望の負荷電力に基づいて、パラメータVspおよびfeffの一方または両方を変化させるように構成することができる。この能力は、異なる種類の負荷に対して負荷電力を制御する際に、広範な柔軟性をもたらす。
【0165】
例えば、この態様の一観点において、比較的高い範囲の所望負荷電力に対して、プロセッサは、電圧Vspを所定の値に固定して、それによってスイッチのデューティサイクル、したがって所与のスイッチングサイクルにおいて負荷に伝達されるエネルギー量を固定するように構成してもよい。Vspを固定した状態で、次いで、有効スイッチング周波数feffに対する調節(修正パルスストリーム42'への変更)によって負荷電力を制御するように、プロセッサを構成してもよい。それとは異なり、比較的低い範囲の所望負荷電力に対して、feffをある適当な所定値に一定に保持しながら、電圧Vspを変化させるように、プロセッサを構成してもよい。さらに別の観点においては、所望負荷電力のある中間範囲に対して、Vspおよびfeffの両方を変化させるようにプロセッサを構成してもよい。
【0166】
異なる制御パラメータを使用して、所望負荷電力の異なる範囲にわたって、負荷への電力を変化させる、前述の例示的手法は、低い負荷電力において高い電力分解能が一般的に望ましい、1つまたは2つ以上のLEDを含む負荷を制御するのに、特に有用となることがある。特に、約100Hzに近づく比較的低い有効スイッチング周波数において、(約100Hzより相当に低いスイッチング周波数における「フリッカー効果」を回避するための)Vspに対する調節によって、負荷電力のさらなる低減を達成することができる。また、図17と関係して上記で考察した改善された電力分解機能も、有効スイッチング周波数feffを介しての、より正確な、低い範囲での負荷電力制御を促進するのに使用することができる。重ねて、前述したことは、デューティサイクルおよびスイッチング周波数の一方または両方を介して、負荷に対する電力を柔軟な制御の、いくつかの例を提供することだけを意図するものであり、本開示による様々な態様は、これらの例に限定はされないことを認識すべきである。
【0167】
図18に示す電力制御装置200の態様の別の観点において、プロセッサ250をアドレス指定可能なデバイスとして、ネットワークを介して電力制御装置200の制御を容易にすることができる。例えば、ネットワーク環境においては、それぞれの負荷を備える複数の電力制御装置を含む、ある数の異なるデバイスに入力情報208を供給してもよく、この入力情報208には、複数電力制御装置に対する負荷電力制御情報を含めることができる。一態様によれば、入力情報208は、ネットワークを介して異なる電力制御装置に伝達されるので、所与の装置のプロセッサ250は、それに関係する(例えば、場合によっては、そのプロセッサに関連する特定の識別子またはアドレスによって指定される、)特定の情報/データ(例えば、電力制御命令)に応答するように構成することができる。プロセッサ250が、それを対象とする特定の情報/データを識別すると、プロセッサは、その情報/データを処理して、それに応じて負荷電力状態を制御することができる(例えば、図18におけるVspおよびfeffの一方または両方によって)。
【0168】
図18に示す態様の、さらに別の観点においては、所与の電力制御装置200のプロセッサ250は、ネットワークに結合されていると、いないにかかわらず、(例えば、米国特許第6016028号において考察されているように)DMXプロトコルで受け取られる入力情報208を解釈するように構成してもよく、このプロトコルは、従来からライティング業界において一部のプログラム可能なライティング応用に使用されている、ライティングコマンドプロトコルである。しかしながら、ここで認識すべきことは、本開示の様々な態様による電力制御装置は、この点で限定されることはなく、その他の種類の通信プロトコルに応答するように構成することができる。
【0169】
図19は、本開示のさらに別の態様による電力制御装置200を示す図であり、この装置においては、スイッチ214のデューティサイクルと有効スイッチング周波数の両方を制御して、負荷218への電力を制御することができる。図19に示す態様において、負荷は、ここでも光源として示してあり、この光源には、バック変換器構成に基づくエネルギー伝達配設202に結合された、1つまたは2つ以上のLED100が含まれる。しかしながら、ここで認識すべきことは、図19に示す装置のこれらの観点は、例としてだけ提供するものであり、図19の態様は、これらの点に制限はされないことである。
【0170】
一観点において、図19の電力制御装置200は、スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が入力電圧212(Vin)である点において、図16に示す構成に基づいている。特に、図19に示すスイッチコントローラのプロセッサ250には、A/D変換器226を含めて、電圧Vinを監視して、この入力電圧の適当なディジタル化表現を供給することができる。図18の態様と同様に、図19のプロセッサ250の構成も、パルス生成コントローラ230の機能を実現して、やはり、入力情報208として所望負荷電力の何らかの表現を受け取り、これに応答して、プロセッサ250は、制御信号216を介して、デューティサイクル(例えば、上記の式(3)を参照)および/またはスイッチ214の有効スイッチング周波数を制御するようにしてもよい。
【0171】
図19に示す態様のその他の観点においては、電力制御装置200は、図18に関係して上記に考察したように、種々の方法のうちのいずかで入力情報208を処理して、所望負荷電力の様々な範囲にわたって、スイッチ214のデューティサイクルおよび/または有効スイッチング周波数を柔軟に制御するように構成することができる。さらに、図19のプロセッサ250は、アドレス指定可能なデバイスとして、ネットワークを介して電力制御装置200の制御を促進してもよい。この態様のさらに別の観点においては、プロセッサ250は、DMXプロトコルで受け取られる入力情報208を解釈するように構成してもよい。
【0172】
本開示の様々な態様による電力制御装置のいくつかの実装形態において、エネルギー伝達配設202の1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素(例えば、インダクタ、変換器)には、タップ付インダクタまたは異なる巻数を有する複数の巻線を備える変換器を含めて、これらに対して、入力電圧を印加するとともに、それから出力電圧を引き出してもよい。そのような構成要素は、電力制御装置のDC入力電圧VinおよびDC出力電圧Voutが相当に異なる(すなわち、入力電圧が出力電圧よりも顕著に大きいか、または小さい)状態において、負荷に対する電力を効果的に制御する、電力制御装置の実装を容易にすることができる。
【0173】
再び図1を参照して、以下の式で与えられる、従来型バック変換器に対する、基本的な入力‐出力電圧関係を考える。
【数17】
(ここで、Dはスイッチのデューティサイクルである。)先に考察したように、その他のDC‐DC変換器構成は、いくぶん類似する、電圧比とデューティサイクルの関係を有する。いかなる場合にも、上記の関係は、一般に、所望の出力電圧が、利用可能な入力電圧と大幅に異なるようになると、場合によっては、スイッチの要求ディーティサイクルは、スイッチングサイクルの全体周期と比較して、非常に短いか、非常に長くなる可能性がある。一般に、非常に低いデューティサイクル(非常に短いパルス時間ton)または非常に長いデューティサイクル(非常の短いオフ時間toff)は、各スイッチングサイクルにおいて、負荷に伝達されるエネルギー量を正確に制御することをより困難にする。
【0174】
前述のことを考慮して、本開示の様々な態様による電力制御装置のいくつかの実装形態においては、エネルギー伝達配設202においてタップ付インダクタまたは異なる巻数の巻線を有する変換器を使用し、それによって、インダクタまたは変換器の巻数比Nが、より正確なエネルギー伝達の制御を促進するようにすることができる(巻数比Nは、一般に、入力電圧がそれに印加される変換器またはインダクタの巻線の数を、出力電圧がそこから取り出される巻線の数によって除したものとして、定義される)。様々な態様において、インダクタまたは変換器の巻数比は、所望の入力‐出力電圧関係を本質的に維持しながら、パルス時間tonが時間toffに対して増大するように選択することができる。特に、Nの値が大きくなると、負荷へのエネルギーの伝達中の電流が増大し、したがって、蓄積エネルギーをより迅速に負荷に伝達することができる。
【0175】
図20は、本開示の一態様による、タップ付インダクタ220Tを組み込んだエネルギー伝達配設202を有する電力制御装置の一部分を示す回路図である。特に、図20に示すエネルギー伝達配設は、図18、19に示すバック変換器構成と類似しているが、インダクタ220ではなく、タップ付インダクタ220Tを含む。ここで認識すべきことは、本明細書において考察した、他のエネルギー伝達配設のいずれにも、何らかの不均一(non-unity)巻数比Nを有する、タップ付インダクタまたは変圧器を備えてもよいこと、および図20に示す例示的バック変換器構成配設は、主として説明の目的で設けたものであることである。
【0176】
図20の態様において、入力電圧Vinは、周期的に負荷218の両端、およびタップ付インダクタ220Tの巻数のすべてに印加されるのに対して、出力電圧Voutは、タップ付インダクタ220Tの全巻数の一部だけから引き出される。したがって、タップ付インダクタ220Tの巻数比Nは、1よりも大きい。タップ付インダクタ220Tを使用する、図20のエネルギー伝達配設202の入力‐出力電圧関係は、一般に次式で与えられる。
【数18】
ここで、T=1/fは、各スイッチングサイクルの周期である。
【0177】
図20に示すエネルギー伝達配設202およびそのような実装形態に対する例示的な回路値を使用する、電力制御装置の例証的実装形態を提供するために、期待される入力電圧Vinは400ボルト程度、所望の出力電圧Voutは20ボルト程度、スイッチング動作の周波数fは100kHzであり、タップ付インダクタ220Tの巻数比がN=3である、応用を考える。さらに、この例示的実装において、負荷に供給される所望の電力は、定格で約10から15ワット程度である。
【0178】
この例において不連続モード動作を保証するために、再び図14を参照すると、数量ton+t2を、周期Tよりもわずかに小さく、例えば0.9Tとなるように選択することができる。これを念頭において、上記の式(6)を適用すると、時間tonは近似的に次式で与えられる。
【数19】
【0179】
ここで、t2への代入は、上記の第2の式において、T=20ton/3に設定することによって、得られる。式(3)から、時間間隔tonは、以下の式に従ってインダクタのインダクタンスL、周波数f、所望の電力P、および入力電圧Vinで表わすこともできることを思い起こされたい。
【数20】
【0180】
上記の関係から、tonに対して1.35の近似値、周波数f=100kHz、入力電圧Vin=400ボルト、およびタップ付インダクタ220Tに対する例示的インダクタンス値L=1.0ミリヘンリーを使用すると、結果として得られる負荷への電力Pは、約14.5ワットである。勿論のこと、いくつかの態様に関係して上記で考察したように、上記で与えた負荷電力に対する例示的定格値は、周波数fおよび時間間隔tonの一方または両方を変化させることによって変えることができる。
【0181】
ここでも認識すべきことは、前述の例は、可能な一実装形態に対して例示的な回路値を改定して、入力および出力電圧パラメータおよび所望負荷電力の例示的な範囲を、全体的に説明することを主目的として示したものであることである。一般に、タップ付インダクタのインダクタンス値Lおよび巻数比N(ならびに、変圧器が使用される態様における変圧器に対する対応する値)は、期待入力電圧、所望出力電圧、およびスイッチング周波数の全体範囲を与えられると、所望の範囲の負荷電力の予測可能な伝達を促進するために選択することができる。
【0182】
本開示の様々な態様による電力制御装置のいくつかの実装形態において、使用される実際の構成要素に応じて、1つまたは2つ以上のエネルギー蓄積要素(例えば、インダクタ)は、各スイッチングサイクルのtoff時間間隔中に、その蓄積エネルギーを、負荷に対して完全に放出できないことがある。エネルギー蓄積要素としての役割を果たすインダクタまたは変圧器の場合には、この残留エンルギーは、第1に巻線キャパシタンスによるものである可能性がある。巻線キャパシタンス中に蓄積される残留エネルギーの量は、(エネルギー・キャパシタンス関係W=(1/2)CV2は、主項目として電圧の2乗項を含むので)電圧依存である。そのような残留エネルギーは、スイッチングサイクルの完了時に「リンギング(ringing)」として観察することができ、これは、巻線キャパシタンスからインダクタンスへ、そして再び元に戻るエネルギーの連続的伝達を表わす。場合によっては、この残留エネルギーは、電力を負荷に伝達する精度に影響を与える可能性がある。
【0183】
一態様によれば、残留エネルギーによる、このリンギング効果は、第1に、低い巻線キャパシタンスを有する、インダクタまたは変圧器を選択することによって低減することができる。残りの残留エネルギーは、エネルギーの負荷への伝達が完了するやいなや、残留エネルギーに対する放出経路を設けることによって、低減またはさらに実質的に解消することができる。例えば、図20に示す例示的回路を再び参照すると、ダイオード20が、周期中に導通を停止すると(すなわち、実質的に、インダクタ220Tに蓄積されたエネルギーのすべてが負荷100に伝達された時点で)、低いインピーダンスを、インダクタ220Tの両端に短時間、適切に配置して、それによって残留エネルギーがあればそれを効果的に放出させてもよい。1つの例示的実装形態において、このことは、インダクタ巻線の両端に補助トランジスタ(例えば、FET)を配置し、これを、適当な時間に(例えば、ダイオード24が導通を停止した後に)暫時オンにすることによって達成することができる。別の例示的な実装形態において、図20Aに示す回路構成を使用してもよい。図20Aにおいて、タップ付インダクタ220Tは、3つの巻線の直列接続として示してあり、それらの1つの両端で、電圧216を得ることができる。
【0184】
図21は、上記で考察した様々な電力制御装置に基づく、本開示の別の態様を示すブロック図である。図21の態様において、例えば図18または19において示したものと類似する、複数の電力制御装置200A、200B、200Cは、互いに結合して、ライティングネットワーク420を形成することができる。そのようなネットワークの一実装形態においては、各電力制御装置は、DC入力電圧212(Vin)から動作電力を受け取る。図21には明示的に示していないが、例えば、整流およびフィルタリング構成要素を介して、AC電力源(例えば、AC線間電圧)から、DC入力電圧を引き出すこともできる。また、各電力制御装置は入力情報208を受け取り、複数のLEDベース負荷を制御して、一般照明および/または多様なライティング効果をもたらすように構成される。
【0185】
より詳細には、図21に示すライティングネットワーク420において、電力制御装置200A、200B、200Cは、それぞれのLEDベース負荷100A、100B、100Cに配給される電力を、入力情報208に基づいて制御するように構成されている。一観点では、LEDベース負荷のそれぞれに、1つまたは2つ以上の同一色のLEDを含め、異なる負荷には異なる色のLEDを含めてもよい(例えば、負荷100Aには1つまたは2つ以上の赤色LEDだけ、負荷100Bには1つまたは2つ以上の緑色LEDだけ、そして負荷100Cには1つまたは2つ以上の青色LEDだけを含めてもよい)。その他の観点では、LEDベース負荷100A、100B、100Cの1つまたは2つ以上に、白色LEDだけを含め、2つ以上の異なるLEDベース負荷には、異なるそれぞれのスペクトルまたは色温度を有する放射を生成する白色LEDを含めてもよい(例えば、負荷100Aには、第1のスペクトルを有する放射を生成する1つまたは2つ以上の白色LEDを含め、負荷100Bには、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを有する放射を生成する1つまたは2つ以上の白色LEDを含めてもよい)。別の観点では、それぞれの負荷には、同一または異なる数のLEDを含め、負荷の1つまたは2つ以上には、様々な直列、並列、または直列/並列の任意の構成で相互接続された、複数のLEDを含めてもよい。さらに別の観点では、負荷100A、100B、100Cの1つまたは2つ以上には、混色の複数のLEDを含めてもよい。
【0186】
図21においては、ライティングネットワーク420は、3つの電力制御装置200A、200B、200Cを含む状態で示してあるが、ライティングネットワークはこの点に限定されず、異なる数の電力制御装置および関連する負荷を、様々な態様による、そのようなライティングネットワークに含めることができることを認識すべきである。さらに、その他の態様において、LEDベース負荷以外の1つまたは2つ以上の負荷を、ネットワーク420内の構成要素の全体配設に基づいて、類似の複数負荷構成において使用することもできる。
【0187】
図21に示すように、ネットワーク420を形成する電力制御装置のすべてを、例えば、1つまたは2つ以上のネットワークコントローラ425から供給することのできる、共通に配布される入力情報208を受け取るよう構成してもよい。この目的で、この態様の一観点においては、ネットワーク420を形成する複数電力制御装置を、図18、19に関係して上記で考察したように、それぞれの固有の識別子(アドレス)を有するアドレス指定可能プロセッサで構成して、所与の電力制御装置が、それに関係する入力情報208の特定の部分(例えば、電力制御命令)に応答するように構成してもよい。この態様のさらに別の観点においては、ネットワークコントローラ425およびネットワーク420を形成するそれぞれの電力制御装置のプロセッサは、DMXプロトコルを用いて、入力情報208を伝達するように構成してもよい。
【0188】
図21の態様のその他の観点において、ライティングネットワーク420の所与の電力制御装置は、全体的に図12に示す態様によって表わすことができるとともに、多種多様なエネルギー伝達配設ならびに図15〜20に関係して上記で考察した様々な他の機能の任意のものを組み込むことができる。特に、図21の電力制御装置のエネルギー伝達配設は、絶縁機能を備えるか、または備えないものを含み、多数のDC‐DC変換器構成のいずれか1つに基づくことができる。
【0189】
図21に示すライティングネットワーク420の一観点においは、それぞれの電力制御装置200A、200B、200Cによって実現されるDC‐DC変換器機能は、比較的高いDC入力電圧Vin(例えば、約150〜400ボルトDC程度)がネットワーク420を形成する電力制御装置に分配することのできる、ネットワークを促進し、この電力制御装置それぞれは、それに関連するLEDベース負荷に相当に小さな出力電圧Vout(例えば、20ボルト程度)を供給する。ここで認識すべきことは、比較的高いDC電圧を介してネットワーク全体にDC電力源を分布させることによって、相当なケーブル長を含むネットワーク実装に対しては重大な問題となることのある、抵抗電力損失を低減し、それによって電力効率を向上させることができることである。
【0190】
図22は、本開示の別の態様による、複数の電力制御装置200A、200B、200Cを組み込んだライティング装置500の図である。図22の態様の一観点において、ライティング装置500は、AC線間電圧67(例えば、AC電力源)からの電力および入力情報208を受け取り、複数のLEDベース負荷を制御し、一般照明および/または多様なライティング効果を提供するように構成される。
【0191】
より詳細には、図22に示すライティング装置500においては、電力制御装置200A、200B、200Cは、図21に関係して上記で考察したのと同様な方法で、入力情報208に基づいて、それぞれのLEDベース負荷100A、100B、100Cに配給される電力を制御するように構成されている。図21の態様と関係して上記で考察したように、それぞれのLEDベース負荷100A、100B、100Cには、様々な数、配設、および色のLEDを含めることができる。同様に、図22においてライティング装置500は、3つの電力制御装置200A、200B、200Cを含む状態で示してあるが、ここで認識すべきことは、このライティング装置はその点において限定されるものではなく、任意の数(すなわち、1つまたは2つ以上)の電力制御装置および関連する負荷を、様々な態様によるライティング装置に含めることができることである。さらに、その他の態様において、装置500内の構成要素の全体配設に基づいて、LEDベース負荷以外の1つまたは2つ以上の負荷を、同様な複数負荷構成において使用することができる。
【0192】
図22の態様の一観点において、それぞれの制御装置200A、200B、200Cは、共通のDC入力電圧212(Vin)を受け入れ、この入力電圧は任意選択の力率補正装置520によって供給することができる。任意選択の力率補正装置が使用されない場合には、DC入力電圧212は、上記の図8に示したのと類似の方法で、AC線間電圧67(すなわち、AC電源)に結合されたブリッジ整流器68の出力を横断する、フィルタキャパシタ35(Cfilter)の両端で得ることができる。代替的に、力率補正装置520が使用される態様においては、力率補正装置520は、ブリッジ整流器68の出力からの電力を受け入れ、フィルタキャパシタ35は、力率補正装置の出力段階において使用される(例えば、図9Aを参照)。
【0193】
図9A、9Bに関係して上記で考察したように、電力制御装置200A、200B、200CなどのDC‐DC変換器スイッチングデバイスは、一般に、短いパルスで電源から電流を引き出す。しかしながら、AC電源からの最大電力効率のためには、AC線間電圧から最終的に引き出される入力電流は、理想的には、サイン波形状を有するとともにAC線間電圧と同相でなくてはならない。この状況は、一般に、「力率1」と呼ばれる。電力制御装置のスイッチング特性と、結果として生じるパルス状電流引出しとによって、これらの装置は、1未満の力率を有し、したがって最適電力効率よりも低い。また、電力制御装置が、介入整流およびフィルタリングだけを用いて(すなわち、力率補正なしで)、AC線間電圧から電流を引き出す場合には、この装置によって引き出されるパルス状電流は、異常なストレスを発生させ、AC線間電圧上に一般的に望ましくないノイズおよび高調波を導入する。
【0194】
前述のことを考慮して、図22に示す力率補正装置520は、これらの問題に対処して、AC線間電圧67から電力制御装置200A〜Cへ、より効率的な電力の供給を行うように構成されている。しかしながら、ここで認識すべきことは、応用によっては、力率補正装置520は必要ではないこと、およびその他の態様においては、ライティング装置500は力率補正なしで実現できることである。図9Bに関係して上記で考察したように、ある数の従来型集積回路力率補正コントローラ(図22には詳細に示さず)を、図22のライティング装置の例示的な一実装形態における、力率補正装置に使用してもよく、その例としては、それに限定はされないが、フェアチャイルドセミコンダクタ(Fairchild Semiconductor)ML4821 PFCコントローラ、リニアテクノロジ(Linear Technology)LT1248またはLT1249コントローラ、およびSTマイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics) L6561コントローラが挙げられる。
【0195】
やはり図22に示すように、ライティング装置500には、プロセッサ550を含めて、電力制御装置200A、200B、200Cの1つまたは2つ以上のための電力制御情報を含む入力情報208を受け取ってもよい。プロセッサ550は、入力情報208に基づいて、制御信号208A、208B、208Cを供給して、それぞれの電力制御装置200A、200B、200C(したがって、それぞれの負荷100A、100B、100Cによって生成される光の強度)を独立に制御するように、構成される。様々な観点において、図18、19に関係して上記に考察したように、プロセッサ550を、アドレス指定可能なデバイスとして構成して、ネットワークを介してのライティング装置500の制御を容易にしてもよい。この態様のさらに別の観点において、プロセッサ550は、DMXプロトコルで受け取られる入力情報208を解釈するように構成してもよい。
【0196】
図22の態様のその他の観点において、ライティング装置500の所与の電力制御装置は、全体的に図12に示す態様によって表わすことができるとともに、種々のエネルギー伝達配設ならびに図15〜20に関係して上記に考察した他の様々な機能の任意のものを組み込むことができる。特に、図22の所与の電力制御装置エネルギー伝達配設は、絶縁機能を備えるもの、または備えないものを含み、多数のDC‐DC変換器構成のいずれか1つに基づくことができる。上記で考察したように、図12において全体的に表わされる電力制御装置は、負荷に関係するいかなるフィードバック機能も含まないので、用途によっては、電力は最終的にAC電源から引き出されるが、絶縁機能を含まないDC‐DC変換器構成をライティング装置500に使用することができる。ここでも、この機能は、場合によっては本明細書において考察した様々な態様によるライティング装置500を、大幅に簡略化して実現すること(例えば、少数の構成要素、高い電力効率、小さいスペース要求、その他)を容易にする。
【0197】
さらに、図22に示すライティング装置500のさらに別の観点では、図15〜20に示したスイッチコントローラ204の様々なプロセッサまたはその他の構成要素によって実行される1つまたは2つ以上の機能は、プロセッサ550によって実行することもできる。言い換えると、プロセッサ550の資源を、電力コントローラ200A、200B、200Cの間で共有して、それぞれのスイッチコントローラに関連する機能の一部を、プロセッサ550に移すことができる。
【0198】
例えば、図22のライティング装置500の一態様においては、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれは、図18に示したものと同様にすることができる。しかしながら、この態様においては、各電力制御装置のスイッチコントローラ204には、図18に示したプロセッサ250を必ずしも含めず、その代わりに、プロセッサ250のそれぞれによって実行される機能を、プロセッサ550によって集合的に実行することができる。この態様の一観点においては、プロセッサ550によって出力される制御信号208A、208B、208Cのそれぞれは、2つの信号、すなわち(デューティサイクルを制御するための)設定点電圧Vspを表す第1の信号、および(有効スイッチング周波数feffを制御するための)修正パルスストリーム42'を表わす第2の信号である。ここでも、プロセッサ550は、電力制御装置200A、200B、200Cの1つまたは2つ以上のための電力制御情報を含めることのできる、入力情報208を処理して、この入力情報208に指定されるように、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれに独立に、設定点電圧Vspおよび修正パルスストリーム42'を適切に供給するように構成される。
【0199】
図22のライティング装置500の、さらに別の態様においては、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれを、図19に示すものと同様にすることができる。しかしながら、この態様の一観点において、各電力制御装置のスイッチコントローラ204の機能は、本質的に、プロセッサ550に完全に移管することができる。特に、プロセッサ550は、共通入力電圧Vin(例えば、図22における破線接続206を参照)を(例えば、内部A/D変換器によって)サンプリングするように構成してもよく、プロセッサ550によって出力される制御信号208A、208B、208Cは、それぞれ、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれにおけるスイッチ214を制御する制御信号216としての役割を果たす。プロセッサ550は、独立に制御信号208A、208B、208Cを生成して、それによってスイッチ214のそれぞれの、デューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の一方または両方を調節して、入力情報208に基づいて、それぞれの負荷100A、100B、100Cへの電力を制御するようにさらに構成してもよい。
【0200】
ライティング装置500のさらに別の態様においては、図22Aに示すように、プロセッサ550‐Aを、上述のように電力制御装置200A、200B、200Cを制御するだけでなく、負荷100A、100B、100Cと関連する1つまたは2つ以上のパラメータに関する予め分かっている情報に基づいて、力率補正装置520‐Aの制御を容易にするように構成することができる。この態様のさまざまな観点によれば、負荷の1つまたは2つ以上に関係する何らかの特定の情報、例えば所与の負荷に対する所望電力(入力情報208によって供給される)および/または所与の負荷に印加すべき電圧Voutを予め知ることによって、プロセッサ550‐Aは、力率補正装置520‐Aを「フィードフォワード」方式で制御して、力率補正装置の動作を大幅に改善することができる。
【0201】
ここで、図9A、9Bに関係して上記で考察したように、従来型力率補正装置の全体制御ループ応答は(主として図9Bに示すフィードバックループ524のせいで)、線路周波数(例えば、50または60Hz)と比較して、比較的遅い(例えば、約10から20Hzのバンド幅)。従来型力率制御ループの応答が比較的遅いことから、生成される電圧Vinにおける変化(これは、線間電圧から引き出す電流IACに対する調節に影響を与える)があればそれは、任意のサイクル中に急激に発生するのではなく、線間電圧の複数サイクルにわたって発生することを保証することによって、高い力率をもたらす必要がある。しかしながら、この比較的遅い制御ループ応答の結果として、従来型力率補正装置は、線間電圧または電力消費の過渡事象と関係して、潜在的な不安定性および最適値を下回る性能で知られている。
【0202】
前述のことを考慮して、図22Aの態様におけるプロセッサ550‐Aは、予想される負荷状態についての既知の情報を「フィードフォワード」することに基づいて、力率補正装置520‐Aを制御するように構成される。このようにして、力率補正装置520‐Aの全体制御ループ応答を大幅に改善して、それによって、特に1つまたは2つ以上の所望負荷電力が短い時間間隔に広い範囲を移動する(例えば、負荷の全オフから負荷の全オンまで、またはその逆)状況において、電源制御装置200A、200B、200Cに供給される電圧212(Vin)における変動を低減することができる。重大/急激な付加電力需要要求によるVinの変動を軽減することによって、より安定な力率補正制御を実現することができる。さらに、信号値に対してより予測が容易な期待値に基づいて、より小さい回路構成要素(例えば、小型フィルタキャパシタ35)を使用し、それによって実装される回路のコストおよび/または寸法を低減することができる。
【0203】
図22Aに示すように、この態様のプロセッサ550‐Aは、入力としてブリッジ整流器68によって出力される整流線間電圧69(VAC)ならびに力率補正装置520‐Aが引き出す電流IACを表わす信号71(Isamp)を受け取る(信号Isampの導出については、図22B、22Cと関係して以下にさらに考察する)。プロセッサ550‐Aは、また、入力として、電力制御装置200A、200B、200Cに供給される電圧212(Vin)、およびそれぞれの所望電力を表わす入力情報208を受け取る。これらの入力に基づいて、プロセッサ550‐Aは、図22と関係して上記で考察したように、制御信号208A、208B、208Cならびに力率補正装置520‐Aを制御するための力率制御信号73を生成するように構成される。
【0204】
図22Bは、本開示の一態様による、力率補正装置520‐Aの回路概略を、力率補正装置520‐Aの制御専用のプロセッサ550‐Aの一部分の概念的機能ブロック図とともに示すものである。一般に、図22Bに示すプロセッサ550‐Aの部分は、電圧Vinに最終的に結合される集合負荷の、計算による合計予想電力引出し量PTOTALを制御ループ中に「フィードフォワード」することに部分的に基づいて、力率補正装置520‐Aに対する有効コンダクタンスGPFCを特定するように構成される。ここで図9Bから、PFCコントローラの一般アーキテクチャは、電圧フィードバックループおよび電流フィードバックループを含み、導出された力率補正装置に対する有効コンダクタンスGPFCに基づいて、力率補正装置によって引き出される瞬時の電流IACを処理する制御戦略を実装することを思い起こされたい。図22Bの実装形態において、電圧フィードバックループ524‐Aは、AC電源から引き出される合計予想電力を表わす項目PTOTALを含めるように、図9Bに示すものから修正されている。このようにして、図9Bにおけるように、電圧Vinにおける変化に単に応答性を有する(したがって、ローパルフィルタLPFの低い帯域幅の影響を受ける)のではなく、図22Bの電圧フィードバックループ524‐Aは、より「予見的(proactively)」に機能して、フィードフォワードされた項PTOTALに基づいて有効コンダクタンスGPFCを生成する。
【0205】
より詳細には、図22Bのプロセッサ550‐Aは、入力情報208に部分的に基づいて合計電力計算552を実行するように構成され、この入力情報は、任意の時間における負荷100A、100B、100Cのそれぞれに対する所望の負荷電力に関係する情報を含む。この態様の一観点によれば、合計電力計算の一部として、プロセッサ550‐Aは、入力情報208に表わされる、それぞれの所望負荷電力を合計する。別の観点では、プロセッサは、さらに、それぞれの電力制御装置自体における電力消費および/または損失556を考慮し(図22Bにおいて「雑電力(Miscellaneous Power)」と示してある)、例えば、電力制御装置のそれぞれには、1つまたは2つ以上のIC電源を含めて、各装置における回路に対して様々なバイアス電圧を供給することができる。さらに、各電力制御装置は、一般に、関連する効率損失を有する。この電力消費および/または損失556は、電力制御装置に使用される特定の回路に基づいて、予め計算および/または推定することができ、項目PTOTALを供給するために合計電力計算においてプロセッサが使用するために、メモリ中に記憶される。
【0206】
図22Bに示すように、次いでプロセッサ550‐Aは、電圧フィードバックループ524‐A内で誤差信号Veを調整する、ローパスフィルタの出力に対応する別の項を、項目PTOTALに加える。このようにして、調整誤差信号は、フィードフォワード合計電力項PTOTALに対する調節または補正としての役割を果たし、コンダクタンス計算554において使用するための調節項P*TOTALをもたらす。P*TOTAL項は、AC電源から引き出される予想される実際電力を実質的に表わすこと、および力率補正装置は、引き出される皮相電力を、引き出される実際電力に等しくすることを仮定して、以下の関係に従って、コンダクタンス計算554を実行するように、プロセッサを構成してもよい。
【数21】
【0207】
したがって、有効コンダクタンスGPFCを求めるために、プロセッサ550‐Aは、整流電圧VACをサンプリングして、それによってそのピークを求め、次いで、P*TOTAL項に基づいて上記の計算を実施する。
【0208】
このようにして有効コンダクタンスGPFCを導出すると、図22Bに示すプロセッサ550‐Aは、次いで、図9Bと関係して上記で考察したのと同様の方法で、電流フィードバックループ528Aを実装するように構成される。特に、プロセッサ550‐Aは、有効コンダクタンスGPFCに監視整流線間電圧VACを乗じて、線間電圧から引き出そうとする所望電流を表わす、参照電流信号I*ACを生成するように構成される。この信号I*ACは、したがって、電流制御ループ528−Aに参照値または「設定点」を供給し、そこでI*ACは、信号71(Isamp)(例えば、比例積分微分(PID)コントローラ)と比較される。そのような比較の結果として、電流誤差信号Ieが得られて、この信号は、(例えば、図7と関係して上記で考察したものと類似の)パルス幅変調(PWM)スイッチコントローラを制御する。PWMスイッチコントローラは、スイッチSWPFCを制御する制御信号73を出力し、それによって引き出されている実際の電流IACを処理する。
【0209】
図22Cは、本開示の一態様による、力率補正装置520‐Aのさらなる回路詳細を示す図である。図22Cの回路において、信号69'(VACSENSE)は、整流された線間電圧69からR49、R50、R51によって形成された抵抗分割器(resistor divider)ネットワークを介して導出され、監視された整流線間電圧VACを表わす信号としてプロセッサ550‐Aに送られる。装置520‐Aによって引き出される実際電流信号71(Isamp)は、回路構成要素R48、R29、R30、C21、U5を含む、電流検知要素526を介して導出される。スイッチSWPFCを制御するためにプロセッサ550‐Aによって出力される制御信号73は、最初に、バッファー増幅器U11B、次いでスイッチSWPFCに信号73'として送られる。フィルタキャパシタンス35は、並列に接続された3つのキャパシタC36、C37、C40によって、図22Cの回路内に設けられる。信号212'(VDCSENSE)は、DC電圧212(Vin)からR47、R46、R52によって形成された抵抗分割器ネットワークを介して導出され、電圧212(Vin)を表わす信号としてプロセッサ50‐Aに送られる。
【0210】
上記で考察したように、合計予想電力消費を表わすフィードフォワード項PTOTALによって、力率補正装置520‐Aおよびプロセッサ550‐Aの全体制御ループ応答は、大幅に向上して、特に、1つまたは2つ以上の所望負荷電力が短時間に広範囲を移動する状況(例えば、負荷全閉から負荷全開へ、またはその逆)において、電力制御装置200A、200B、200Cに供給される電圧212(Vin)における変動が低減される。重大/急激な負荷電力需要要件による、Vinの変動を軽減することによって、より安定性の高い力率補正制御を実現することができる。さらに、信号値に対するより予測可能な期待値に基づいて、より小型の回路構成要素(小型フィルタキャパシタ35などの)を使用し、それによって実装回路のコスト/寸法を低減することができる。
【0211】
図22A、22B、22Cと関係して上記で考察した「フィードフォワード」力率補正手法について、複数の負荷100A、100B、100Cを含むライティング装置500に関係して説明したが、ここで認識すべきことは、この力率補正手法はこの点において限定されないことである。逆に、図22A、22B、22Cと関係して上記で考察した概念は、負荷(複数を含む)による予期電力消費に関する何らかの情報を使用して力率補正機能を促進する、任意の数/種類の負荷の力率補正に対してより一般に適用することができる。
【0212】
図23は、図22または22Aのライティング装置500に基づく、本発明の開示のさらに別の態様を示すブロック図である。図23の態様において、図22または22Aに示したものと類似する、複数のライティング装置500A、500B、500Cを、互いに結合してライティングネットワーク620を形成することができる。図23に示すように、そのようなネットワークの一実装形態において、各ライティング装置は、AC線間電圧67から動作電力を受け入れ、したがって、ブリッジ整流器を含むとともに、図22または22A、22B、22Cに関係して上記で考察したように、任意選択で力率補正装置を含むようにしてもよい。さらに、ネットワーク620を形成する複数ライティング装置は、例えば、1つまたは2つ以上のネットワークコントローラ625から供給することのできる、共通に配布される入力情報208を受け取るように構成してもよい。
【0213】
この態様の一観点では、図23に示すネットワーク620を形成する複数のライティング装置には、それぞれ固有の識別子(例えば、アドレス)を含めて、それによって所与のライティング装置を、入力情報208の特定の部分(例えば、電力制御命令)に応答するように構成してもよい。この態様の別の観点においては、AC線間電圧の形態で動作電力をそれぞれ受け取る、この複数ライティング装置の構成は、大きな距離にわたり分散された相当な数のライティング装置を含みながら、それでもライティングネットワーク620全体にわたる相当に効率的な電力の使用を確保することのできるライティングネットワーク実現を容易にする。ここでも、認識すべきことは、図23は3つのライティング装置500A、500B、500Cを示しているが、ネットワーク620は、この点には限定されることはなく、異なる数のライティング装置を互いに結合してネットワーク620を形成することができる。
【0214】
図23に関係して上記で考察した全体ネットワークアーキテクチャに基づく、さらに別のネットワーク実装においては、結合されてネットワークを形成する複数のライティング装置は、ブリッジ整流器も力率補正装置も含まなくてもよく、代わりに、共通のブリッジ整流器および力率補正装置を、ネットワークの複数のライティング装置間で「共有」してもよい。図23Aは、そのようなネットワーク実装を示し、この実装では、共有ブリッジ整流器68または力率補正装置520によって供給される共通DC入力電圧212が、電力分配媒体としての役割を果たし、したがって、ネットワークの複数ライティング装置500A‐1、500B‐1、500C‐1の間で共有される。ここでも、ライティング装置500A‐1、500B‐1、500C‐1のそれぞれは、各ライティング装置(これの一例は、図23Aにおいて、ライティング装置500A‐1によって明示的に示されている)においては、ブリッジ整流器および任意選択の力率補正装置が必要ではないという点で、図22に示すライティング装置500とは異なる。図21に関係して上記で考察したように、比較的高いDC電圧を介してネットワーク全体にDC電力源を分散させることによって、相当のケーブル長を必要とするネットワーク実現に対して重要となる、抵抗性電力損失を低減し、それによって電力効率を向上させることができる。
【0215】
図23Aに示す全体構成に基づく、別のネットワーク実装においては、図22A、22B、22Cと関係して上記で考察したものと類似する、本開示による修正型力率補正装置を使用することができる。そのような実装においては、ネットワークコントローラ65の構成は、入力情報208から得ることのできる、任意の時間におけるネットワーク上のすべての負荷によって引き出される予想電力に関する事前に分かっている情報に基づいて、力率補正装置に制御信号73を供給するようにすることができる。図23Aには明示的に示してないが、この構成におけるネットワークコントローラは、整流線間電圧69(VAC)、分散電圧212、および線間電圧から引き出される電流IACに関する何らかのパラメータを監視して、図22A、22B、22Cに関係して上記で考察したものに類似の方法で、力率補正装置に制御信号73を供給するように構成してもよい。
【0216】
図24A、24Bは、本開示の一態様による、図22または22Aのライティング装置500用のハウジング構成の様々な図形を示す図である。特に、図24A、24Bは、ライティング装置500用の本質的に直線状のハウジング1402を示し、これには、ブリッジ整流器68、任意選択の力率補正装置520、プロセッサ550、1つまたは2つ以上の電力制御装置200および関連するLEDベース負荷(複数を含む)100を配置することができる。一観点において、ハウジング1402の上部には、負荷(複数を含む)100のLEDをその中に配置する、スロット1408を含めてもよい。別の観点では、ハウジング1402には、LED100を保護および/またはLEDにより生成される光を成形(例えば、拡散)するためのレンズ1412を含めてもよい。
【0217】
図24A、24Bにも示すように、ハウジング1402には、1つまたは2つ以上のコネクタ1404A、1404Bを含めて、それを介してAC線間電圧67および入力情報208を装置500に供給するようにしてもよい。一観点においては、コネクタ1404A、1404Bを、相補的(例えば、オス/メス)配設に構成して、第1のライティング装置のコネクタ1404Aが、第2のライティング装置の相補コネクタ1404Bに電気的かつ機械的に結合されるようにして、(例えば、図23に関係して上記で考察したように)複数ライティング装置の電気的および機械的な結合を容易にしてもよい。さらに別の観点では、ハウジング1402には、コネクタを使用していない場合には、1つまたは2つ以上のコネクタ1404A、1404Bを覆うためのカバー1414(図24Bを参照)を含めてもよい。
【0218】
図24Aに示すように、例示的一実装において、ハウジング1402の1つまたは2つ以上のコネクタは、ハウジング1402から外向きに延びるように構成してもよい。代替的に、図24Bに示す別の可能な実装においては、ハウジング1402の構成は、1つまたは2つ以上のコネクタ1404A、1404Bが、ハウジングの実質的に外周縁を超えて延びないようにして、それによって複数のライティング装置500を隣接して互いに突き合わせることを容易にすることができる。図24Bは、また、一態様による、ライティング装置500の直線型ハウジング1402に対する例示的な寸法形状を示している。
【0219】
上記で考察したいくつかの態様は、一般に、「フィードフォワード」電力制御装置に関するが、その他の態様によれば、負荷に関係するある種のフィードバックを組み込むが、それにもかかわらず、簡略化されて、かつ電力効率の良い回路対策法をもたらす、様々な電力制御装置を実現することができる。
【0220】
例えば、図25は、スイッチコントローラが、電流調整器を介してLEDベース負荷からの電圧フィードバックを受け取る、回路を示している。図26の態様において、2つの異なるLEDベース負荷が、単一のインダクタを介して駆動され、負荷の一方が、他方の負荷よりも高い電流で駆動される。この態様においては、電圧フィードバックは、各LEDベース負荷から電流調整器を介して供給される。図26において、インダクタL1は、トランジスタQ1Aのオン時間中にキャパシタC2を充電し、L1に蓄積されたエネルギーは、オフ時間の間にC2とC3とに分割される。トランジスタQ2Aは、負荷LED2における電流をさらに低減することができる。
【0221】
図27の態様においては、ここでも2つの異なるLEDベース負荷が、単一のインダクタを介して駆動され、負荷の一方は、他方の負荷よりも高い電圧で駆動される。図25、26と同様に、電圧フィードバックが、各負荷から電流調整器を介して行われる。図27において、コントローラ#2によって、スイッチQ2Aが、LEDストリング1およびLEDストリング2からの電力流を分流させることが可能になる。これらのコントローラが交番することによって、ストリング1およびストリング2は、ストリング間で任意所望の比率で安定した電力流を達成することが可能になる。
【0222】
図28の態様においては、3つのLEDベース負荷が、電流調整器電圧フィードバックに基づいて、単一のインダクタによって駆動され、負荷LED1は、ほぼ同等の電圧で動作する、負荷LED2、LED3よりも高い電圧で駆動される。図29の態様においては、ここでも3つのLEDベース負荷が、図28に示すものと類似の配設における電流調整器電圧フィードバックに基づいて、単一のインダクタによって駆動されるが、図29においては、負荷LED2またはLED3の最小電圧を、いずれが小さいかを事前に知ることなく調整する回路が含まれている。
【0223】
図30の態様においては、3つ以上のLEDストリングが、電流調整器電圧フィードバックに基づいて単一のインダクタに駆動され、ストリングLED1は、その他の負荷よりも高い電圧で動作する。同様に、図31の態様において、3つのLEDストリングは、電流調整器電圧フィードバックに基づいて単一のインダクタで駆動され、ストリングLED1およびLED2は、ストリングLED3よりも高い電圧で動作する。
【0224】
図32の態様においては、1つのLEDストリングは、電流調整器電圧フィードバックに基づいて単一インダクタで駆動し、最小調整、PWM整合電流調整器に対する修正が組み込まれている。この態様において、R1はわずかな過剰電流を供給し、この過剰電流は、ゼロデューティサイクルで動作されるときに、C2の両端の電圧の低下を防止する。R1の低圧側端子は、任意選択で、PSUコントローラのための供給電圧を引き出すことを可能にするように、接続してもよい。
【0225】
図33の態様においては、2つまたは3つのLEDストリングが、電流調整器電圧フィードバックに基づいて、単一の変圧器で駆動され、LEDストリング1は、他の2つのLEDストリングよりも高い電圧で動作する。図34において、各ストリングにおける負荷、ダイオードおよびトランジスタの順序は、図33の態様の代替実装を示すために配置し直してある。
【0226】
いくつかの説明用の態様について説明したが、ここで認識すべきことは、当業者であれば様々な代替形態、修正形態、および改良形態を容易に思いつくであろうことである。そのような代替形態、修正形態、および改良形態は、本開示の一部であり、本開示の趣旨と範囲に含めることを意図するものである。本明細書において提示したいくつかの実施例は、機能または構造要素の特有の組み合わせを必要とするが、ここで理解すべきことは、それらの機能および要素は、本開示の一般教示に基づいて、その他の方法で組み合わせて、同一または異なる目的を達成することができることである。特に、一態様に関係して考察した動作、要素、および機能は、その他の態様における、類似またはその他の役割から除外することを意図するものではない。したがって、前述の説明および添付の図面は、例示としてだけのものであり、限定を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1】従来型ステップダウン「バック」型DC‐DC変換器の回路図である。
【図2】図1のDC‐DC変換器に関連する種々の動作信号を示す図である。
【図3】図1の変換器における2回の連続スイッチング動作中のインダクタ電流対印加電圧を具体的に示す図である。
【図4】従来型ステップアップ「ブースト」型DC‐DC変換器の回路図である。
【図5】従来式の反転型または「バック・ブースト」型のDC‐DC変換器の回路図である。
【図6】従来型「CUK」型DC‐DC変換器の回路図である。
【図7】電流モード用に構成された、図5に示すものと同様のバック・ブースト変換器の回路図である。
【図8】従来型「フライバック」型DC‐DC変換器の回路である。
【図9】従来型「フィードフォワード」型DC‐DC変換器の回路である。
【図9A】ブースト変換器トポロジに基づく、従来型力率補正装置の回路図である。
【図9B】図9Aに示す、力率補正装置の力率補正コントローラの機能を概念的に示す図である。
【図10】負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素に配給される電力を変調するように構成された、負荷に結合されたDC‐DC変換器の例示的な従来型配設を模式的に示す図である。
【図11】負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素に配給される電力を変調するように構成された、負荷に結合されたDC‐DC変換器の、別の例示的な従来型配設を模式的に示す図である。
【図12】本開示の一態様による、スイッチング電源構成に少なくとも部分的に基づく、「フィードフォワード」電力制御装置を示すブロック図である。
【図13】本開示の一態様による、図12の電力制御装置のいくつかの追加の詳細を示す図である。
【図14】本開示の一態様による、図12および13の装置に対する、例示的タイミング図である。
【図15】電力源から引き出されるインダクタ電流を監視し、スイッチング動作のデューティサイクルを調節することに部分的に基づいて装置が制御される、本開示の一態様による図12および13の電力制御装置の一部分を示す回路図である。
【図16】装置への入力電圧を監視し、スイッチング動作のデューティサイクルを調節することに部分的に基づいて装置が制御される、本開示の別の態様による図12および13の電力制御装置の一部分を示す回路図である。
【図17】スイッチング動作の有効周波数を調節することに基づいて装置が制御される、本開示の別の態様による、図12および13の電力制御装置のスイッチコントローラの一部分を示す回路図である。
【図18】スイッチング動作のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して負荷への電力を制御することのできる、本開示の別の態様による、電力制御装置を示す図である。
【図19】スイッチング動作のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して負荷への電力を制御することのできる、本開示のさらに別の態様による、電力制御装置を示す図である。
【図20】本開示の一態様による、タップ付インダクタを組み入れた電力制御装置の一部分を示す回路図である。
【図20A】本開示の一態様による、残留蓄積エネルギーを低減する追加の構成要素を備える、図20に示す電力制御装置の部分を示す回路図である。
【図21】本開示の一態様による、複数電力制御装置に基づく、ライティングネットワークを示すブロック図である。
【図22】本開示の一態様による、複数電力制御装置を組み入れた、ライティング装置を示す図である。
【図22A】本開示の一態様による、修正力率補正制御を備える、図22に示すものと類似のライティング装置を示す図である。
【図22B】本開示の一態様による、図22Aの力率補正装置の回路概要、および力率補正装置の制御に専用のプロセッサの一部分の概念的な機能ブロック図である
【図22C】本開示の一態様による、図22A、22Bに示す力率補正装置のさらなる回路詳細を示す図である。
【図23】本開示の一態様による、図22に示すものと類似する、複数ライティング装置に基づく、ライティングネットワークを示すブロック図である。
【図23A】本開示の一態様による、図22に示すものと類似する、複数ライティング装置に基づく、代替ライティングネットワークを示すブロック図である。
【図24A】本開示の一態様による、図22のライティング装置用のハウジング構成の、様々な視野を示す図である。
【図24B】本開示の一態様による、図22のライティング装置用のハウジング構成の、様々な視野を示す図である。
【図25】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図26】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図27】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図28】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図29】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図30】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図31】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図32】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図33】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図34】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【技術分野】
【0001】
開示の分野
本開示は、一般的には、負荷に対して供給される電力を制御することに関する。 いくつかの実施例においては、負荷に対して、その負荷からのフィードバック(例えば、負荷電圧および負荷電流の監視)、および/または負荷電圧または負荷電流の調整を必要とすることなく、制御された所定の電力が供給される。
【背景技術】
【0002】
背景
DC‐DC変換器は、DC入力電圧を受け入れて、DC出力電圧を供給する周知の電気デバイスである。DC‐DC変換器は、一般に、調整されていないDC入力に基づいて、調整されたDC出力電圧を負荷に対して供給するように構成されており、この入力電圧は、場合によっては、調整された出力電圧と異なる。例えば、バッテリが約12ボルトの無調整電圧を有するDC電源となる、多くの自動車用途においては、DC‐DC変換器を使用して、無調整12ボルトDCを入力として受け入れ、調整DC電圧を供給して、車両内の種々の電子回路(計器類、アクセサリ、エンジン制御、照明、ラジオ/ステレオ、その他)を駆動することもできる。調整DC出力電圧は、バッテリからの入力電圧よりも低くするか、または高くするか、あるいは同じにすることができる。
【0003】
より一般的には、DC‐DC変換器を使用して、バッテリなどの多種多様なDC電源の任意のものによって供給される無調整電圧を、与えられた負荷を駆動するのに、より適した調整電圧に変圧してもよい。場合によっては、無調整DC入力電圧は、120Vrms/60HzAC線間電圧などのAC電源から引き出し、これをブリッジ整流器/フィルタ回路配設によって整流、フィルタリングしてもよい。この場合には、以下にさらに考察するように、潜在的に危険な電圧を使用する場合には、一般に、DC‐DC変換器内に保護絶縁構成要素を使用して、安全な動作を確保する。
【0004】
図1は、高圧の無調整DC入力電圧30(Vin)に基づいて、調整DC出力電圧32(Vout)を負荷40に供給するように構成されている、従来型ステップダウンDC‐DC変換器50の回路図を示している。図1のステップダウン変換器は、一般に「バック(buck)」変換器とも呼ばれる。機能的な観点からは、図1のバック変換器は、一般的に、他の種類のDC‐DC変換器を代表しており、そのいくつかの例について以下に考察する。
【0005】
図1のバック変換器のようなDC‐DC変換器は、飽和スイッチとして動作するように構成されたトランジスタまたは同等のデバイスを使用し、この飽和スイッチは、エネルギー蓄積デバイスに選択的にエネルギーを蓄積することを可能にする(例えば、図1におけるトランジスタスイッチ20およびインダクタ22を参照のこと)。図1には、そのようなトランジスタスイッチを、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)として図示してあるが、電界効果トランジスタ(FET)も、様々なDC‐DC変換器実装におけるスイッチとして使用することができる。そのようなトランジスタスイッチを使用することによって、DC‐DC変換器は、その一般的な機能から、一般に「スイッチングレギュレータ」とも呼ばれる。
【0006】
特に、図1の回路におけるトランジスタスイッチ20は、比較的短い時間間隔、インダクタ22(L)の両端に、無調整DC入力電圧30(Vin)を周期的に印加するように動作する(図1および後続の図において、特に断らない限り、所望のインダクタンスを得るために種々の直列/並列構成のいずれかに配設される、1つまたは2つ以上の実際インダクタを模式的に表わすために、単一のインダクタを示してある)。トランジスタスイッチが「オン」または閉止である(すなわち、インダクタに入力電圧Vinを流す)時間間隔中、電流は、印加電圧に基づいてインダクタを通過して流れ、インダクタはその磁界にエネルギーを蓄積する。スイッチが「オフ」または開放であるとき(すなわち、インダクタからDC入力電圧が除去されると)、インダクタに蓄積されたエネルギーが、フィルタキャパシタ34に伝達されて、このフィルタキャパシタ34は、比較的に平滑なDC出力電圧Voutを、負荷40に供給する働きをする(すなわち、キャパシタは、インダクタエネルギー蓄積サイクル間に、本質的に連続するエネルギーを負荷に供給する)。
【0007】
より具体的には、図1において、トランジスタスイッチ20がオンのとき、電圧VL=Vout−Vinがインダクタ22の両端に印加される。この印加電圧によって、VL=L・dIL/dtの関係に基づいて、直線的に増加する電流ILが、インダクタを通過して(負荷およびキャパシタへと)流れる。トランジスタスイッチ20がオフにされている場合には、インダクタを通過する電流ILは、同じ方向に流れ続け、このときにはダイオード24(D1)が導通して回路を完成する。電流がダイオードを通過して流れている限り、インダクタの両端の電圧VLは、Vout−Vdiodeに固定され、それによってインダクタ電流ILは、エネルギーがインダクタの磁界からキャパシタおよび負荷に供給されるにつれて、直線的に減少する。図2は、以上に説明したスイッチング動作の間の、図1の回路に対する様々な信号波形を示す図である。
【0008】
従来型DC‐DC変換器は、一般に「連続」モードおよび「不連続」モードと呼ばれる、異なるモードで動作するように構成することができる。連続モード動作においては、インダクタ電流ILは、逐次スイッチングサイクル中にゼロより上にとどまるのに対して、不連続モードにおいては、所与のスイッチングサイクルの開始においてゼロで始まり、スイッチングサイクルの終了の前にゼロに戻る。図1の回路について、いくぶん簡略化しているが、有益な分析を行うために、以下の考察では、連続モード動作を考慮し、さしあたり、スイッチがオンである(すなわち導通している)ときにはトランジスタスイッチの両端での電圧低下はないこと、およびダイオードが電流を導通している間は、ダイオードD1の両端での電圧低下は無視できることを仮定する。前述のことを考慮して、逐次スイッチングサイクルにわたってのインダクタ電流の変化は、図3を用いて検証することができる。
【0009】
図3は、トランジスタスイッチ20に動作に基づく、図1に示す接点での電圧Vx(ここでも、ダイオードD1の両端での電圧低下は無視している)と、2回の逐次スイッチングサイクルの間に、インダクタを通過する電流ILとを重ねたグラフである。図3において、水平軸は時間tを表わし、完全スイッチングサイクルは、時間周期Tによって表わされ、ここでトランジンスタスイッチ「オン」時間はtonで示し、スイッチ「オフ」時間はtoffで示してある(すなわち、T=ton+toff)。
【0010】
定常動作に対して、ここで認識すべきことは、スイッチングサイクルの開始および終了における、インダクタ電流ILは、図3における表示IOによって分かるように、本質的に同じである。したがって、VL=L・dIL/dtの関係から、1回のスイッチングサイクルにわたる電流の変化dILはゼロであり、次式によって与えられ:
【数1】
これは、次のように簡略化され、
【数2】
ここで、Dは、トランジスタスイッチの「デューティサイクル」、またはスイッチがオンであり、エネルギーをインダクタに蓄積することができる、スイッチングサイクル当りの時間の割合として定義される。前述のことから、出力電圧と入力電圧の比はDに比例すること、すなわち、図1の回路におけるスイッチのデューティサイクルDを変えることによって、出力電圧Voutを、入力電圧Vinに対して変化させることができるが、最大デューティサイクルDは1であるので、入力電圧を超えることはできないことが分かる。
【0011】
したがって、先述のように、図1の従来型バック変換器は、負荷40aに対して入力電圧Vinよりも低い調整出力電圧Voutを供給するように、特に構成されている。図1に示すように、出力電圧Voutの安定性を確保するために、バック変換器は、フィードバック制御ループ46を使用してトランジスタスイッチ20の動作を制御する。一般的に、図1に接続47によって示すように、フィードバック制御ループ46の様々な構成要素に対する電力は、DC入力電圧Vinまたは、代替的に別の独立した電力源から引き出すことができる。
【0012】
図1のフィードバック制御ループ46において、DC出力電圧Voutの縮尺サンプル電圧Vsampleが、フィードバック制御ループ46への入力として(例えば、抵抗器R2、R3を経由して)供給されて、誤差増幅器27によって参照電圧Vrefと比較される。参照電圧Vrefは、所望の調整出力電圧Voutの安定縮尺表現(stable scaled representation)である。誤差増幅器28は、VsampleとVrefの比較に基づいて誤差信号38(この例において、ある所定の範囲にわたっての正電圧信号)を生成し、この誤差信号の絶対値が、最終的に、トランジスタスイッチ20の動作を制御し、これにより、スイッチデューティサイクルに対する調節を介して出力電圧Voutが調節される。このようにして、フィードバック制御ループは、安定な調整出力電圧Voutを維持する。
【0013】
より詳細には、誤差信号38は、パルス幅変調器36のための制御電圧としての役割を果たし、このパルス幅変調器36も、発振器26によって供給される周波数f=1/Tを有するパルスストリーム42を受け取る。従来型DC‐DC変換器において、パルスストリーム42に対する例証的な周波数fには、それに限定はされないが、約50kHz〜100kHzの範囲が含まれる。パルス幅変調器36は、パルスストリーム42と誤差信号38の両方を使用して、トランジスタスイッチ20のデューティサイクルを制御する、オン/オフ制御信号44を供給するように構成されている。要するに、パルスストリーム42のパルスは、パルス幅変調器にトランジスタスイッチ20をオンにさせる、「トリガー」として作用し、誤差信号38は、トランジスタスイッチがオンに留まる時間(すなわち、時間周期tonの長さ、したがってデューティサイクルD)を判定する。
【0014】
例えば、サンプリングされた出力電圧VsampleがVrefよりも高い(すなわち、誤差信号38は比較的低い値を有する)ことを、誤差信号38が示す場合には、パルス幅変調器36は、比較的短い持続時間の「オン」パルスまたは低いデューティサイクルを有する制御信号を供給し、それによって、トランジスタ20がオンの間に、比較的少ないエネルギーをインダクタに供給するように構成されている。対照的に、VsampleがVrefよりも低い(すなわち、誤差信号が比較的高い値を有する)ことを誤差信号38が示す場合には、パルス幅変調器は、比較的長い持続時間の「オン」パルス、または高いデューティサイクルを有する制御信号を供給し、それによってトランジスタスイッチ20がオンの間に、比較的多くのエネルギーをインダクタに供給するように、構成されている。したがって、誤差信号38を介して、制御信号44の「オン」パルスの期間を変調することによって、出力電圧Voutは、フィードバック制御ループ46によって調整され、Vrefによって表わされる所望出力電圧を近似する。
【0015】
図1に関係して上記で考察したバック変換器に加えて、その他の種類の従来型DC‐DC変換器としては、例えば、入力電圧よりも高い調整DC出力電圧を供給する、ステップアップまたは「ブースト」変換器、入力電圧よりも低いか、または高く、入力電圧の極性と逆の極性を有する、調整DC出力電圧を供給するように構成することができる、反転「バック・ブースト」変換器、および容量性エネルギー伝達原理に基づく、「CUK」変換器を挙げることができる。バック変換器と同様に、これらの他の種類の変換器のそれぞれにおいて、トラジスタスイッチのデューティサイクルDは、出力電圧Voutと入力電圧Vinとの比を決定する。
【0016】
図4は、従来型ブースト変換器52を示し、図5は、従来型バック・ブースト変換器または反転調整器(inverting regulator)54を示す。これらの変換器は両方とも、図1のバック変換器と同様に分析することによって、デューティサイクルDが比Vout/Vinに与える影響を、特定することができる。図6は、「CUK」変換器56の一例を示しており、この変換器は、キャパシタ内の電流バランスに基づき、主として誘導性の負荷へのエネルギー伝達ではなく容量性のエネルギー伝達を使用する。図6の回路は、図5のバック・ブースト変換器に基づき、双対性原理(duality principle)から導出される(すなわち、CUK変換器内のデューティサイクルDと比Vout/Vinとの関係は、バック・ブースト変換器のそれと同一である)。CUK変換器の、注記する価値のある一つの特徴は、図6に示す入力インダクタおよび出力インダクタL1、L2は、変換器の入力と出力の両方において実質的に平滑な電流を生成するのに対して、バック、ブースト、およびバック・ブースト型の変換器は、パルス状入力電流を有することである(例えば、図2の上から2番目の図を参照)。
【0017】
図4〜6に示すすべての変換器に対して、電圧調整フィードバック制御ループの詳細は、簡単化のために省略してあるが、ここで認識すべきことは、図に示すバック変換器のように、図4〜6に示すそれぞれの変換器は、図1に関係して上記で考察したように、出力電圧調整を行うためのフィードバック制御ループを含むことになることである。
【0018】
いくつかの従来型DC‐DC変換器構成において、入力電流検知および制限手法も使用して、特に連続モードにおける変換器の動作改善を促進してもよい。そのような変換器は、一般に、「電流モード」調整器と呼ばれる。電流モード調整器による問題の一つは、逐次スイッチングサイクル中のインダクタ内で潜在的に予測不能にエネルギーが蓄積する問題である。
【0019】
例えば、図3を再び参照すると、インダクタ電流ILは、連続モードにおいては、ゼロより上に留まるので、任意の時間において、インダクタの磁界に蓄積されるエネルギーは、最新のスイッチングサイクル中に蓄積されたエネルギーだけでなく、1回または2回以上前のスイッチングサイクル中に蓄積された残留エネルギーにも依存する。この状況から、一般的に、所与のスイッチングサイクルにおいて、いくぶん予測困難な量のエネルギーがインダクタ(またはその他のエネルギー伝達要素)を介して伝達される結果となる。しかしながら、時間軸で平均をとると、上述の回路における出力キャパシタ34の平滑化機能は、フィードバック制御ループによって供給される電圧調整機能とともに、調整出力電圧Voutに基づく本質的に制御された負荷への電力の配給を容易にする。
【0020】
しかしながら、上記で考察した回路におけるフィードバック制御ループは、一般に、制限された応答時間を有するとともに、DC‐DC変換器の入力条件(例えば、Vin)および/または出力電力要件に変化を生じる可能性があり、それは、フィードバック制御ループの安定性を低下させる可能性がある。前述のことを考慮して、電流モード調整器は、一般に、トランジスタスイッチがオンのときに、インダクタを通過する最高電流IPを制限するように構成される(例えば、図3を参照)。この入力電流制限機能はまた、フィードバックループの安定性に悪影響を与えるとともに/かまたは、回路に損傷を与える可能性がある、インダクタ電流を生じるデューティサイクルを、(電圧調整フィードバック制御ループを介して)要求する、入力条件における重大な変化および/または負荷要求における重大な変化が発生した場合の、過剰なインダクタ電流を防止するのに役立つ。
【0021】
図7は、図5のバック・ブースト変換器構成に基づく電流モード調整器58の一例を示す回路図である。図7の図には、入力電流制限の考察を容易にするために、電圧調整フィードバック制御ループ46のさらなる詳細を示してある。ここで認識すべきことは、図7の回路の入力電流検知と限定機能に関係して以下に考察する概念は、本明細書において考察する、その他の種類の従来型DC‐DC変換器にも同様に適用できることである。
【0022】
図7の電流モード回路において、トランジスタスイッチ20の動作を制御するフィードバック制御ループ46は、図7の回路が入力電流検知デバイス60(すなわち、抵抗器Rsense)およびコンパレータ62をさらに含むことにおいて、図1に示すものとは異なっている。また、図7の実施例におけるフィードバック制御ループにおいて使用されるパルス幅変調器36は、セットおよびリセット制御を有するD型フリップフロップである。図7に示すように、フリップフロップパルス幅変調器は、その「D」および「Clk」入力が、接地されるように配設され、発振器26はパルスストリーム42を、フリップフロップの「セット」入力に供給し(ロー起動(low activated)、
【数3】
)、コンパレータ62は、フリップフロップの「リセット」入力に信号64を供給し(ロー起動、)、フリップフロップの「Q」出力は、パルス幅変調制御信号44を供給する。
【0023】
この配設において、トランジスタスイッチ20がオフまたは開放の場合に、抵抗器Rsenseを通過する電流は存在せず、したがって、コンパレータ62の反転入力における電圧はゼロである。ここで、図1から思い起こされるのは、この実施例における誤差信号38は、サンプリング出力電圧VsampleとVrefの差を示す、ある所定の範囲にわたる正の電圧である。したがって、トランジスタスイッチ20が開放の場合には、コンパレータによって出力される信号64は、論理ハイ信号である(すなわち、フリップフロップのリセット入力
【数4】
は起動されていない)。
フリップフロップがこの状態にあると、パルスストリーム42の次のロー行き(low going)パルスは、フリップフロップのセット入力
【数5】
を起動し、それによってフリップフロップのQ出力を、論理ハイ状態に駆動して、トランジスタスイッチ20をオンにする。上記で考察したように、これによって、インダクタ電流ILは増加し、スイッチを閉止すると、このインダクタ電流(IL(on))は、抵抗器Rsenseも通過し、これによってこの抵抗器の両端で電圧Vsenseを生成する。電圧Vsenseが誤差信号38を超えると、コンパレータ62によって出力される信号64は、論理ロー状態に切り替わり、それによってフリップフロップのリセット入力
【数6】
を起動して、Q出力をローに移動させる(とともにトランジスタスイッチ20をオフにする)。トランジスタがオフになると、電圧Vsenseはゼロとなり、信号64は論理ハイ状態に戻り、それによってフリップフロップリセット入力を停止させる。この点において、パルスストリーム42のロー行きパルスが次に発生すると、フリップフロップセット入力
【数7】
が起動され、サイクルが再び開始される。
【0024】
したがって、図7の回路においては、Vsenseと誤差信号38の関係によって、トランジスタスイッチ20のデューティサイクルDが決まり、具体的には、電圧Vsenseが誤差信号38を超える場合には、スイッチが開く。前述のことに基づいて、インダクタを通過するピーク電流IP(図3を参照)は、誤差信号38の期待範囲が与えられると、抵抗器Rsenseに対して適当な値を選択することによって、予め設定することができる。コンパレータ62の動作は、負荷要求の変化によってVsampleが実質的にVrefより低くなる(その結果として、比較的高い絶対値の誤差信号と潜在的に大きいデューティサイクルを生じる)状況においても、インダクタを通過する電流IL(on)が、最終的にデューティサイクルを制限し、その結果としてインダクタ電流が所定のピーク電流を超えないようにすることを確実にする。ここでも、この種の「電流モード」動作は、一般にフィードバック制御ループの安定性を向上させて、DC‐DC変換器回路における潜在的に有害な状態を低減する。
【0025】
多くの電子用途に対して、電源は、入力AC線間電圧(例えば、120Vrms、60Hz)から、調整DC出力電圧を提供するように構成することができる。例えば、従来型「線形」電源は、通常、実質的に(比較的大きく重い)60Hz電力変圧器を利用して、約120Vrmsの入力AC線間電圧を、いく分低い(そしてより安全な)2次AC電圧に低下させる。次いで、この低い2次AC電圧は(例えば、ダイオードブリッジ整流器によって)整流されるともに、フィルタリングされて、無調整のDC電圧を供給する。多くの場合には、次いで、線形整流器を使用して、無調整のDC電圧に基づいて、所定の整流DC電圧を供給する。
【0026】
しかしながら、DC‐DC変換器の固有のスイッチング動作を使用することによって、線形電源に特有である入力段階において、実質的に60Hz電力変圧器を必要としない電源を設計し、それによって多くの場合に、電源の寸法および重量を大幅に低減するとともに、効率を増大させることが可能である。例えば、線形調整器に基づく電源は、一般に、約50%以下程度の電力変換効率を有するのに対して、スイッチング調整器に基づく電源は、約80%以上程度の効率を有する。
【0027】
スイッチング調整器に基づく、電源のいくつかにおいては、整流され、フィルタリングされたAC線間電圧から直接的に、DC‐DC変換器への入力として、無調整DC電圧を供給してもよい。そのような配設は、AC線間電圧とDC−DC変換器へのDC入力電圧との間に保護絶縁がないことを意味する。また、変換器への無調整DC入力電圧は、(整流120Vrms線間電圧に基づいて)約160ボルトDCまたはそれよりも高く(図9A、9Bと関係して以下に考察するように、力率補正が使用される場合には、約400ボルトまでに)してもよいが、それは極めて危険性が高い。前述のことを考慮すると、そのような電源配設用のDC‐DC変換器は、通常、これらの問題に対処するために絶縁機能を備えて、全般的に適当な安全基準に適合するように構成される。
【0028】
図8は、DC‐DC変換器またはスイッチング調整器を組み入れた、そのような電源66の一例を示す回路図である。上記で考察したように、電源66は、入力としてAC線間電圧67を受け入れ、このAC線間電圧は、ブリッジ整流器68によって整流され、キャパシタ35(Cfilter)によってフィルタリングされて、無調整DC電圧をDC‐DC変換器部分69への入力Vinとして、供給する。このDC‐DC変換器部分69は、図5に示す反転調整器(バック・ブースト)配設に基づいているが、図8においては、エネルギー蓄積インダクタが高周波変圧器72によって置換されて、無調整高DC入力電圧VinとDC出力電圧Voutとの間の絶縁を提供する。インダクタではなく変圧器を組み入れた、そのようなDC‐DC変換器配設は、一般に、「フライバック」変換器と呼ばれる。
【0029】
図8の回路において、変換器部分69の「2次側」(すなわち、ダイオードD1およびキャパシタC)は、DC入力電圧と同じ極性を有するDC出力電圧を変換器が供給するように、配設される(ここで、1次変圧器巻線は、2次変圧器巻線と反対方向に巻かれていることを示す、変圧器72の巻線に対する対向「ドット(dot)」表記法に留意されたい)。DC‐DC変換器部分69は、また、電圧調整フィードバック制御ループ内に、絶縁要素70(例えば、第2の高周波変圧器または光アイソレータ)を含み、誤差増幅器28からの誤差信号を変調器36へ連結する(絶縁要素70に入力、およびそこから出力される誤差信号は、参照番号38A、38Bで示してある)。
【0030】
図8の回路における様々な絶縁構造を考慮して、図には明示的に示していないが、ここで認識すべきことは、発振器/変調回路用の電力は、一般に、1次側無調整高DC入力電圧Vinから引き出されるのに対して、フィードバック制御ループのその他の要素(例えば、参照電圧Vref、誤差増幅器28)用の電力は、2次側調整DC出力電圧Voutから引き出してもよいことである。代替的に、上述のように、フィードバックループの構成要素用の電力は、場合によっては、独立の電源によって供給してもよい。
【0031】
図9は、入力‐出力絶縁をもたらす、異なる種類のDC‐DC変換器を組み込んだ、電源74のさらに別の実施例を示す回路図である。図9に示す電源74のDC‐DC変換器部分75は、一般に、「フォワード(forward)」変換器と呼ばれ、図1と関係して上記で考察した、ステップダウン変換器または「バック」変換器に基づくものである。特に、変換器部分75は、やはり図8の回路のような変圧器72を含むが、図8に示すフライバック変換器にはない、2次側インダクタ76および追加のダイオード77(D2)も含む(ここで、ダイオードD2、インダクタ76およびキャパシタ34は、図1に示すバック変換器構成に類似していることに留意されたい)。フォワード変換器において、ダイオードD1は、正の変圧器2次電圧だけが、出力回路に印加されることを、保証するのに対して、ダイオードD2は、変圧器電圧がゼロまたは負のときに、インダクタ76における電流の循環経路をもたらす。
【0032】
図9に示すフォワード変換器に対してその他周知の修正を加えて、2次回路における「全波(full-wave)」伝導を促進してもよい。また、図中に明示的に示していないが、図8および図9に示す例示的電源の両方を、図7に関係して上記で考察したように、電流モード機能を組み込む(すなわち、変圧器72の1次巻線における電流を制限する)ように修正してもよい。
【0033】
図8,9の回路は、線形電源における単一の60Hz電力変圧器とは対照的に、2つの絶縁要素(isolation element:アイソレーション要素)(例えば、変圧器72および絶縁要素70)を含むが、スイッチング電源と線形電源との寸法および重量の差は大きく、変圧器の寸法は、一般に、芯寸法によって決まり、この芯寸法は、線路周波数(60Hz)とは対照的に、スイッチング電源の(50kHzから100kHzの程度の)高いスイッチング周波数においては、劇的に低下する。また、スイッチング電源は、線形電源と比較しての高い効率と、低い熱損失との結果として、大幅に低い温度で動作する。結果的に、スイッチング電源は、通常、多くの消費者電子用途(例えば、コンピュータおよびその他の電子機器およびデバイス)に使用される。
【0034】
市販のスイッチング電源パッケージの例としては、小型モジュールユニット、壁差込(wall plug-ins)、オープンフレームユニット、または封入型ユニット(enclosed unit)が挙げられる。小型モジュールユニットは、一般的に、約10から25ワットの中程度の低電力用途に使用される。壁差込電源は、通常、さらに小さい電力を提供するのに対して、オープンフレームユニットまたは封入型ユニットは、実質的により大きい電力(例えば、500〜1000ワット以上)を供給するように構成することができる。市販スイッチング電源からの一般的な調整DC出力電圧の例としては、+5V、12V、15Vおよび24Vが挙げられる。
【0035】
DC‐DC変換器のスイッチング特性のために、これらの装置は、一般に、短いパルスで電源から電流を引き出す(例えば、図2にIinを参照)。この条件は、DC−DC変換器が(例えば、図8、9の配設における)AC電源から電力を引き出す場合に、一般に望ましくない効果をもたらす可能性がある。
【0036】
特に、AC電源からの最大電力効率のためには、AC線間電圧から最終的に引き出される入力電流は、理想的には、サイン波形状を有するとともに、AC線間電源と同相でなくてはならない。この状態は、一般に、「力率1(unity power factor)」と呼ばれ、通常、純粋に抵抗性の負荷によって生ずる。DC‐DC変換器のスイッチング特性および結果としてのパルス電流消費(すなわち、著しく非サイン波形電流消費)によって、これらの装置の力率は1より小さく、したがって電力効率は(従来型線形電源に対して効率が向上したにもかかわらず)最適値よりも低い。
【0037】
より詳細には、純粋に抵抗性の負荷ではない負荷(すなわち、AC線間電圧から電力を消費しているスイッチング電源)によって、AC電源から引き出される「皮相電力(apparent power)」は、負荷に印加されたRMS電圧と負荷によって引き出されるRMS電流を乗算することによって与えられる。この皮相電力は、デバイスが電源から引き出していると思われる、電力の量を反映している。しかしながら、負荷が引き出す実際の電力は、皮相電力よりも少なく、実電力と皮相電力との比は、負荷の「力率」と呼ばれる(力率は、従来から、印加電圧と引き出される電流の間の位相角のコサインによって与えられる)。例えば、100ボルトアンペアの皮相電力を引き出し、力率0.5を有するデバイスは、実際には100ワットではなく、50ワットの電力を消費する。言い換えると、この例では、力率0.5のデバイスは、それが実際に消費するよりも2倍の、電源からの電力を必要とするように見える。
【0038】
上述のように、従来型DC‐DC変換器は、その特徴として、そのスイッチング特性とパルス形電流消費のために、1よりも大幅に小さい力率を有する。さらに、DC‐DC変換器が、整流およびフィルタリングの介在だけでAC線間電圧から電流を引き出すと仮定すると、そのDC‐DC変換器が引き出すパルス状の非サイン波電流は、AC線間電圧に、異常なストレスを与えるとともに、概して望ましくないノイズと高調波を導入する(これは、AC線間電圧から電力を引き出す、その他のデバイスの動作に悪影響を与える可能性がある)。
【0039】
前述のことを考慮すると、いくつかの従来型スイッチング電源は、力率補正装置を装備するか、またはそれと一緒に使用され、この力率補正装置は、上記の問題に対処し、AC電源からのより効率的な電力供給を行う。特に、そのような力率補正装置は、一般に、DC‐DC変換器が引き出すパルス状電流を、「平滑化」し、それによってそのRMS値を下げ、望ましくない高調波を低減し、力率を改善して、AC幹線回路遮断器がピーク電流によってトリップする確率を低減する。
【0040】
いくつかの従来式配設においては、力率補正装置はそれ自体で、上記で考察した様々なDC‐DC変換器に構造において類似する、ある種のスイッチ電力変換器(switched power converter)デバイスであり、例えば、ACブリッジ整流器と、最終的に負荷に電力を供給するDC‐DC変換器の間に配置される。この種の力率補正装置は、その入力電圧(すなわち、整流AC線間電圧)の波形および位相に実質的にマッチングさせるように、瞬時に入力電流を精密に制御する作用する。特に、力率補正装置は、整流AC線間電圧を監視して、スイッチングサイクルを使用して、入力電流波形の振幅を変化させて、それを整流線間電圧と位相を近づけるように構成してもよい。
【0041】
図9Aは、そのような従来型力率補正装置520を全体的に示す回路図である。上述のように、力率補正装置は、ブリッジ整流器68から、入力69として整流AC線間電圧VACを受け入れ、出力として電圧Vinを供給するように構成され、この電圧が、次いで、電源のDC‐DC変換器部分に印加される(例えば、図8、9を参照すると、力率補正装置520は、ブリッジ整流器68とDC‐DC変換器部分69、75との間に、それぞれ配置される)。図9Aにおいて分かるように、力率補正装置520の共通例は、ブースト変換器トポロジに基づいており(DC‐DC変換器ブースト構成については図4を参照のこと)、これには、その両端に電圧Vinが生成される、インダクタLPFC、スイッチSWPFC、ダイオードDPFC、およびフィルタキャパシタ35が含まれる。
【0042】
図9Aの力率補正装置520は、また、力率補正(PFC)コントローラ522を含み、このコントローラは、整流電圧VAC、DC−DC変換器への出力として供給される生成電圧Vin、および装置520が引き出す電流IACを表わす信号71(Isamp)を監視する。図9Aに示すように、信号Isampは、装置が引き出す電流IACの経路内の、電流検知要素526(例えば、抵抗器両端での電圧)から引き出すことができる。これらの監視信号に基づいて、PFCコントローラ552は、スイッチ75(SWPFC)を制御する制御信号73を出力し、それによって、電流IACの波形を整流電圧VACに実質的に一致させ、かつそれと同相にするように、構成される。
【0043】
図9Bは、PFCコントローラ522の機能を概念的に示す図である。一般的に、力率補正装置520全体としての機能は、本質的にAC電源に対する抵抗であるかのように、それ自体を見せかけることであることを思い起こされたい。このようにして、電源によって供給される電圧および、力率補正装置の「疑似抵抗(simulated resistance)」によって電源から引き出される電流は、本質的に同一の波形を有するとともに、同位相であり、結果として実質的に力率1となる。したがって、量RPFCは、力率補正装置の概念的な疑似抵抗を表わすと考えることができ、その結果、オームの法則から、
VAC=IACRPFC
または
GPFCVAC=IAC
となり、ここで、GPFC=1/RPFCであり、力率補正装置520の有効コンダクタンスを表わす。
【0044】
前述のことを念頭において、図9Bに示す、PFCコントローラ522は、2つのフィードバックループ、すなわち電圧フィードバックループおよび電流フィードバックループに基づく制御戦略を実施する。これらのフィードバックループは、一緒に機能して、力率補正装置に対して導出された有効コンダクタンスGPFCに基づいて、力率補正装置が引き出す瞬間的な電流IACを処理する。この目的で、電圧フィードバックループ524は、電圧Vin(フィルタキャパシタ35の両端の出力として供給される)と、電圧Vinに対する所望の調整値を表わす参照電圧VrefPFCと比較することによって実装される。これらの値の比較によって、誤差電圧信号Veが生成され、これが約10〜20Hzのカットオフ周波数を有する、積分器/ローパスフィルタに適用される。この積分器/ローパスフィルタは、全体力率制御ループに対して比較的遅い応答時間を課し、このことはより高い力率を促進する。すなわち、誤差電圧信号Veは、(50または60Hzである)線路周波数と比較して低速で変化するので、電圧Vinの変化による(例えば、突然および/または重大な負荷要求によって生じる)IACへの調整は、所与のサイクル中に急激に行われるのではなく、線間電圧の複数サイクルにわたって行われる。
【0045】
図9Bに示すコントローラにおいて、積分器/ローパスフィルタの緩やかに変わる出力のDC成分は、本質的に力率補正装置の有効コンダクタンスGPFCを表わし、したがって、電圧フィードバックループ524の出力は、有効コンダクタンスGPFCを表わす信号を供給する。したがって、上記の関係に基づいて、PFCコントローラ522は、装置520の疑似抵抗負荷に基づいて、この有効コンダクタンスに監視された整流線間電圧VACを乗じて、線間電圧から引き出すべき所望の電流を表わす、参照電流信号I*ACを生成するように構成されている。したがって、この信号I*ACは、電流制御ループ528への、参照入力または「設定点」入力となる。
【0046】
特に、図9Bに示すように、電流制御ループ528において、信号I*ACは、装置520が引き出している実際の電流IACを表わす信号Isampと比較される。これらの値の比較によって、電流誤差信号Ieが生成され、この電流誤差信号は、(例えば、図7と関係して上記で考察した)パルス幅変調(PWM)スイッチコントローラ用の制御信号としての役割を果たす。PWMスイッチコントローラは、スイッチSWPFCを制御する信号73を出力し、それによって、引き出している実際の電流IAC(再び図9Aを参照のこと)を処理する。PWMスイッチコントローラによって出力される、制御信号73用(したがって、スイッチSWPFC用)に一般的に使用される例示的周波数は、約100kHz程度である。前述のことを念頭において、ここで認識すべきことは、サイン波形に類似するのは、スイッチング動作から生ずる約100kHzリップルを伴う、急速に変化するIACの結果として得られる平均値であることである。一般に、電流フィードバックループおよびスイッチ制御要素は、全波整流波形に追従するために、十分な帯域幅を有する必要があり、したがって少なくとも数kHzの帯域幅で十分である。
【0047】
ここで認識すべきことは、図9A、9Bと関係する前述の考察は、力率補正機能についての全般的な理解をもたらすために、主として本質的に概念的なものであることである。現在において、図9A、9Bに示すPFCコントローラ522として使用することのできる集積回路力率補正コントローラは、様々な製造業者から入手可能である(例えば、フェアチャイルドセミコンダクタ(the Fairchild Semiconductor)ML4821PFCコントローラ、リニアテクノロジ(Linear Technology)LT1248またはLT1249PFCコントローラ、STマイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics)L6561PFCコントローラなど)。そのようなコントローラは、一般に、連続的または不連続的なスイッチングモードのいずれか(または連続モードと不連続モードとの境界付近)において力率補正装置520を動作させるように構成することができる。そのような従来型集積回路力率補正コントローラの回路詳細および動作理論の詳細については、例えば、フェアチャイルドセミコンダクタアプリケーションノート42030、「Theory and Application of the ML4821 Average Current Mode PFC Controller," August 1997, revised October 25, 2000 (http://www.fairchildsemi.comで入手可能)」、リニアテクノロジLT1248/LT1249コントローラデータシート、(http://www.linear-tech.comで入手可能)、STマイクロエレクトロニクスアプリケーションノートAN966、「L6561 Enhanced Transition Mode Power Factor Corrector," by Claudio Adragna, March 2003(http://www.st.comで入手可能)」において考察されている。
【0048】
したがって、図9A、9Bと関係して概説した従来型力率補正方式においては、力率補正装置520は、出力としてキャパシタ35の両端の調整電圧Vinを供給し、このキャパシタから、Vinに結合された負荷(例えば、後続の電源のDC‐DC変換器部分)の必要に応じて、電流を引き出すことができる。負荷電力要求における突然および/または過大な変化に対して、電圧Vinの瞬時値は劇的に変化する可能性があり、例えば、突然の高負荷電力要求の場合には、キャパシタ内のエネルギー保留が引き出されて、Vinは、参照値VrefPFCより下に急激に低下することがある。結果的に、電圧フィードバックループ524は、比較的遅い応答時間で、力率補正装置に線間電圧からさらに多くの電流を引き出させることによって、Vinを調節しようとする。しかしながら、比較的遅い反応時間のために、この作用は、特に、Vinに対して調節を行う時間までに、負荷からの突然/過大な要求がすでに存在しなくなる場合には、Vinに対して過電圧状態を引き起こす可能性がある。
【0049】
次いで、装置は、過大電圧状態を補償しようとして、再び、電圧フィードバックループ54の遅い応答時間の影響を受けて、ある程度の電位不安定を生じる。Vinに対する同様の突然の変化(不足電圧または過電圧のいずれかの状態)は、線間電圧67に対する突然/過大な外乱により生じる可能性があり、これに対して、装置520は、上述のような方法で応答しようとする。上述のことから、ここで認識すべきことは、一方で力率補正を容易にする遅い応答時間は、同時に、最適には至らない入力/出力遷移応答能力を生じることがあることである。したがって、従来型力率補正装置における電圧フィードバックループ応答時間/帯域幅は、一般に、妥当な(しかし最適には至らない)力率補正と、妥当な(しかし最適には至らない)遷移応答との間の、実際的な均衡を得るように選択される。
【0050】
ここで認識すべきことは、スイッチング電源用途によっては、力率補正装置を必要としない場合や、著しく効果的でさえある場合があることである。例えば、比較的低い電力を電源から引き出す小さな負荷に対して、スイッチング電源の力率は、従来から、高電力用途におけるほど重要ではないと考えられているが、これは、おそらく、小さな負荷が引き出す電力は、特定のAC電源回路において利用可能な全体電力の比較的わずかな部分を構成することによる。対照的に、比較的大きい電力を消費する、より大きな負荷においては、スイッチング電源への入力電流がAC電源から利用可能な最大値に達する可能性があり、そのような負荷に対しては、力率補正は重要となることがある。
【0051】
要約
本開示の様々な態様は、全般的には少なくともある種の負荷に対して電力を供給して制御するための方法および装置を目的としており、従来型配設と比較して、一般に全体電力効率が改善され、また構成要素の機能的冗長性が大幅に低減される。異なる観点においては、本開示の様々な態様による方法および装置の実現には、一般的に、少数の構成要素、高い全体的電力効率、および小さいスペース要求を有する、大幅に簡略化した回路を伴う。
【0052】
いくつかの態様においては、負荷に対して、その負荷からのフィードバック情報を何ら必要とすることなく(すなわち、負荷電圧/電流を監視することなく)、制御された所定の電力が供給される。さらに、これらの態様の一観点において、負荷電圧および/または負荷電流の調整は必要ではない。そのようなフィードバックを必要としない態様の別の観点においては、通常は、DC‐DC変換器の出力電圧(例えば、負荷供給電圧)と、AC線間電圧から引きだされる電力源(例えば、DC‐DC変換器への高いDC電圧入力)との間に使用される絶縁構成要素が、場合によっては除外されて、それによって必要な回路構成要素の数が減少する。別の観点においては、フィードバックループが不要とすることによって、一般に、回路速度が向上し、フィードバック回路安定性に関する潜在的に困難な課題が回避される。
【0053】
前述の概念に基づいて、本開示の一態様は、LEDベース光源用の「フィードフォワード」ドライバを目的とする。そのようなフィードフォワードドライバ(本明細書においては「電力制御装置」とも呼ぶ)は、光源に供給しようとする所望電力に関する、事前に分かっている情報を利用し、DC‐DC変換器と光源コントローラの機能を組み合わせて、所与の時間に光源に配給される平均電力を変調することに基づいて、光源に供給される電圧または電流を監視または調整することなく、光源が生成する放射の強度を制御する。この態様の一観点においては、フィードフォワードドライバは、「不連続」スイッチング動作を用いて、1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素にエネルギーを蓄積させるとともに、そこからエネルギーを放出させるように構成される。この種のスイッチング動作によって、スイッチングサイクル毎に予測可能なエネルギー量を伝達すること、したがって、予測可能な制御された電力を光源に配給することが容易になる。この態様において使用される不連続モードスイッチング動作は、LEDベース光源以外の負荷(例えば、モータ類、アクチュエータ類、リレー類、加熱エレメント類、など)に電力を供給するための、様々なフィードフォワード実装において同様に使用することができる。
【0054】
別の態様においては、所望の負荷条件についての既知情報を「フィードフォワード」する概念が、力率補正を容易化するのに使用される。例えば、一態様においては、本開示による修正型力率補正装置は、DC‐DC変換器スイッチング機構(例えば、ブースト変換器)に基づいており、装置のスイッチング動作の制御は、事前設定された所望負荷電力に基づき、より詳細には、AC電源からの合計予想電力引出し量に基づいている。所望の負荷電力を事前に知って、合計予想電力消費を特定することによって、特に、負荷電力が短時間中に広範囲で移動する状況において(例えば、負荷全停止から負荷全開へ、またはその逆)、力率補正装置の全体制御ループ応答が大幅に改善される。したがって、信号値に対するより予測精度の高い期待値に基づいて、より小型の回路構成要素を使用し、それによって実装回路のコストおよび/または寸法を低減することができる、より安定な力率補正を実現することができる。
【0055】
別の態様においては、上に述べた力率補正装置は、1つまたは2つ以上のフィードフォワードドライバと組み合わせて使用して、AC電源から、LEDベース光源を含む、1つまたは2つ以上の多様な負荷に、効果的に電力を供給することができる。
【0056】
さらに別の態様においては、それぞれが、1つまたは2つ以上の負荷、1つまたは2つ以上の電力制御装置(すなわち、フィードフォワードドライバ)、および任意選択で従来型または修正型力率補正装置を含む、複数の装置を、ネットワーク構成における分散電源(例えば、分散DC電圧またはAC線間電圧)に結合することができる。この態様の一観点においては、分散電圧に結合された複数装置を、アドレス指定可能デバイスとして構成して、ネットワーク全体での負荷制御情報の適切な伝達を容易にすることができる。この態様の別の観点においては、負荷制御情報は、ネットワーク全体に伝達するために、それに限定はされないが、DMXプロトコルを含む多種多様な従来型通信プロトコルの任意のものにフォーマットすることができる。
【0057】
要するに、本開示による例示的態様は、それに限定はされないが、次のものを含む。
一態様は、少なくとも1つの第1のLED、および該少なくとも1つの第1のLEDに関連するフィードバック情報を必要とすることなく、該少なくとも1つの第1のLEDに第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する、少なくとも1つの第1の電力コントローラを含む、装置を目的とする。
別の態様は、少なくとも1つの第1のLEDに、該少なくとも1つの第1のLEDに関連するフィードバック情報を必要とすることなく、第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する行為を含む、方法を目的とする。
【0058】
別の態様は、少なくとも1つの第1のLED、および該少なくとも1つの第1のLEDに第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給するように構成された、少なくとも1つの第1の電力コントローラを含む、装置を目的とする。この態様の様々な観点において、少なくとも1つの第1の電力コントローラは、第1の単一スイッチを含み、DC供給電圧は装置に対する電源を提供し、少なくとも1つの第1の電力コントローラは、第1の変換DC電圧を前記少なくとも1つの第1のLEDの両端に印加するように構成されており、前記少なくとも1つの第1の電力コントローラは、さらに、第1の単一スイッチを制御して、DC供給電圧の第1の変換DC電圧への第1の変換を促進し、同時に、前記少なくとも1つの第1のLEDに第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給するように構成される。
【0059】
別の態様は、第1の制御可能に変更可能な所定の電力を少なくとも1つの第1のLEDに供給する行為を含み、DC供給電圧が電源を提供し、第1の変換DC電圧が、前記少なくとも1つの第1のLEDの両端に印加される、方法を目的とする。第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する行為は、第1の単一スイッチを制御して、DC供給電圧の第1の変換DC電圧への第1の変換を容易化して、同時に、前記少なくとも1つの第1のLEDに、前記第1の制御可能に変更可能な所定の電力を供給する行為を含む。
【0060】
別の態様は、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第1のLED、および該少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、該少なくとも1つの第1のLEDに供給される電圧または電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を制御可能に変更するように構成された第1のフィードフォワードドライバを含む、装置を目的とする。
別の態様は、少なくとも1つの第1のLEDから第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為、および前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を、制御可能に変更する行為を含む、方法を目的とする。
【0061】
別の態様は、ネットワークに対する電源を提供する、分散DC電圧、および該分散DC電圧に結合された少なくとも第1および第2の装置を含む、ネットワークを目的とする。前記第1および第2の装置のそれぞれは、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第1のLED、および前記少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の強度を制御するように構成された、第1のフィードフォワードコントローラを含む。このネットワークは、第1および第2の装置のそれぞれに結合されて、前記第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を生成する、少なくとも1つのネットワークコントローラをさらに含む。
【0062】
別の態様は、DC供給電圧を、少なくとも第1および第2の装置に分配して電源を提供する行為、第1および第2の装置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの第1のLEDから、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為、前記第1および第2の装置の両方に、前記第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を伝送する行為、および第1および第2の装置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの放射制御信号に応答して、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、第1の放射の第1の強度を制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0063】
別の態様は、分散AC線間電圧および該分散AC線間電圧に結合された、少なくとも第1および第2の装置を含む、ネットワークを目的とする。第1および第2の装置のそれぞれは、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第1のLED、および前記少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の強度を制御するように構成された、第1のフィードフォワードドライバを含む。該ネットワークは、第1および第2の装置のそれぞれに結合されて、第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を生成する、少なくとも1つのネットワークコントローラをさらに含む。
【0064】
別の態様は、AC線間電圧を少なくとも第1および第2の装置に分配する行為、前記第1および第2の装置のそれぞれにおいて、少なくとも1つの第1のLEDから、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為、第1および第2の装置の両方に、前記第1および第2の装置のそれぞれによって生成される第1の放射の第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの放射制御信号を伝送する行為、および前記第1および第2の装置それぞれにおいて、前記少なくとも1つの放射制御信号に応答して、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、第1の放射の第1の強度を制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0065】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを蓄積し、負荷に出力エネルギーを提供する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および所望の負荷電力を表わす少なくとも1つの制御信号を受け取り、前記少なくとも1つの制御信号に応答して、前記少なくとも1つのスイッチを制御する、少なくとも1つのスイッチコントローラを含み、前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、前記少なくとも1つのスイッチを制御するための負荷に関係するいかなるフィードバック情報をも受け取らない、装置を目的とする。
【0066】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素から負荷に、出力エネルギーを供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された、少なくとも前記入力エネルギーを、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、制御する行為、所望の負荷電力を表わす、少なくとも1つの制御信号を受け取る行為、および前記少なくとも1つの制御信号に応答して、前記負荷に関係するフィードバック情報を受け取ることなく、前記少なくとも1つのスイッチを制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0067】
別の態様は、電源から引き出された入力エネルギーを蓄積し、出力エネルギーを負荷に供給する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および前記少なくとも1つのスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのスイッチコントローラを含み、前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、前記少なくとも1つのスイッチの複数スイッチング動作の、周波数またはデューティサイクルの少なくとも一方を制御して、制御可能に変更可能な所定の電力を負荷に供給するように構成されている、装置を目的とする。
【0068】
別の態様は、電源から引き出された入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを負荷に供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する行為、および前記負荷に制御可能に事前設定した可変電力を供給するために、前記少なくとも1つのスイッチの複数のスイッチング動作の周波数およびデューティサイクルの少なくとも一方を制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0069】
別の態様は、電源から引き出された入力エネルギーを蓄積して出力エネルギーを負荷に供給する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および該少なくとも1つのスイッチを制御するように構成された少なくとも1つのスイッチコントローラを含む装置であって、前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、前記電源が出力する電圧および前記電源から引き出される電流の少なくとも一方、および所望の負荷電力を表す少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記少なくとも1つのスイッチを制御して、制御可能に変更可能な所定の電力を前記負荷に供給する、前記装置を目的とする。
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを負荷に供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する行為、および制御可能に変更可能な所定の電力を負荷に供給するように、電源により出力される電圧および電源から引き出される電流の少なくとも一方、および所望の負荷電力を表す少なくとも1つの制御信号に基づいて、前記少なくとも1つのスイッチを制御する行為を含む、方法を目的とする。
【0070】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを蓄積して負荷に供給する少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、および前記少なくとも1つのスイッチを制御して、少なくとも1つの時間間隔において複数のスイッチング動作を実行し、各スイッチング動作は、所定の量の入力エネルギーを前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に伝達するように構成された少なくとも1つのスイッチコントローラ、を含む装置を目的とする。前記少なくとも1つのスイッチコントローラは、制御可能に変更可能な電力を前記負荷に供給するように、少なくとも1つの時間間隔における少なくとも2回のスイッチング動作のための所定の入力エネルギー量、および前記少なくとも1つの時間間隔における複数スイッチング動作の回数のうちの少なくとも一方を変化させるように、複数のスイッチング動作を制御するように構成されている。
【0071】
別の態様は、電源から引き出される入力エネルギーを少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを負荷に供給する行為、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された前記入力エネルギーを制御する行為、および前記少なくとも1つのスイッチを制御して、少なくとも1つの時間間隔において複数のスイッチング動作を実行する行為であって、各スイッチング動作が制御可能に変更可能な所定の入力エネルギー量を前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に伝達する、前記行為を含む、方法を目的とする。前記少なくとも1つのスイッチを制御する行為は、制御可能に変更可能な電力を前記負荷に供給するように、少なくとも1つの時間間隔における少なくとも2回のスイッチング動作のための所定の入力エネルギー量、および前記少なくとも1つの時間間隔における複数スイッチング動作の回数のうちの少なくとも一方を変化させるように、複数のスイッチング動作を制御する行為をさらに含む。
【0072】
別の態様は、少なくとも1つの第1のスイッチ、および、少なくとも、前記力率補正装置に稀有号された負荷に供給すべき所定の所望電力に基づいて、前記少なくとも1つの第1のスイッチを制御する、少なくとも1つのスイッチコントローラを含む、力率補正装置を目的とする。
【0073】
別の態様は、負荷に対する実際電力の供給に関連する力率を改善するように、AC電源から負荷に供給しようとする所定の所望電力に基づいて、前記AC電源から引き出される電流を制御する行為を含む、力率補正方法を目的とする。
【0074】
別の態様は、少なくとも1つの力率補正スイッチ、少なくとも1つの電力制御スイッチ、および前記少なくとも1つの力率補正スイッチと前記少なくとも1つの制御スイッチの両方を、少なくとも、装置に結合された負荷に供給しようとする所定の所望電力に基づいて制御する、少なくとも1つのスイッチコントローラを含む、装置を目的とする。
【0075】
本開示の目的で使用する場合には、用語「LED」は、任意のエレクトロルミネセンスダイオードまたは電気信号に応答して放射を生成することのできるその他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステムを含むものと理解すべきである。したがって、用語LEDは、それに限定はされないが、電流に応答して放射を放出する様々な半導体類、発光ポリマー類、エレクトロルミネセンスストリップ、その他を含む。
【0076】
特に、用語LEDは、赤外スペクトル、紫外スペクトル、および(一般に、約400ナノメートルから約700ナノメートルを含む)可視スペクトルの様々な部分の1種または2種以上における放射を生成するように構成することのできる、(半導体および有機発光ダイオードを含む)すべてのタイプの発光ダイオードを意味する。LEDの例としては、それに限定はされないが、(以下でさらに考察する)赤外LED、紫外LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、橙色LED、および白色LEDが挙げられる。ここで同様に認識すべきことは、LEDは、所与のスペクトル(例えば、狭帯域、広帯域)に対して様々な帯域を有する、放射を生成するように構成できることである。
【0077】
例えば、本質的に白色光を生成するように構成されたLEDの一実装(例えば、白色LED)には、組み合わせて混合されると本質的に白色光を形成する、異なるスペクトルのエレクトロルミネセンスをそれぞれ放出する、ある数のチップ(die)を含めてもよい。別の実装においては、白色光LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する、蛍光体材料に関連づけることができる。この実装の一例において、比較的短波長および狭帯域スペクトルを有するエレクトロルミネセンスが、蛍光体材料に「ポンプ作用(pump)」し、この蛍光体材料は、いくぶん広いスペクトルを有する長波長の放射を放出する。
【0078】
ここでやはり理解すべきことは、用語LEDは、LEDの物理的および/または電気的パッケージタイプを限定しないことである。例えば、上述のように、LEDは、(例えば、個別に制御可能であるか、またはそうではない)それぞれ異なるスペクトルの放射を放出するように構成された、複数チップを有する、単一発光デバイスを指してもよい。また、LEDは、LEDの一体部分として考えられる、蛍光体(例えば、ある種の白色LED)と関連づけることができる。一般に、用語LEDは、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、電力パッケージLED、何らかのタイプの収容部(encasement)および/または光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLEDなどを指すことがある。
【0079】
LEDを含む、所与の光源は、可視スペクトル内、可視スペクトル外、またはその両者の組み合わせの、電磁放射を生成するように構成してもよい。したがって、用語「光」および「放射」は、本明細書においては同義で使用する。用語「スペクトル」は、1つまたは2つ以上の光源によって生成される放射の、任意の1種または2種以上の周波数(または波長)を指すものと理解すべきである。したがって、用語「スペクトル」は、可視範囲内の周波数(または波長)だけでなく、赤外、紫外、および全電磁スペクトルのその他の領域における、周波数(または波長)も指している。また、所与のスペクトルは、比較的狭い帯域幅(本質的に少ない周波数または波長構成要素)または比較的広い帯域幅(様々な相対強度を有するいくつかの周波数または波長構成要素)を有してもよい。ここでやはり認識すべきことは、所与のスペクトルは、2つまたはそれ以上の他のスペクトル(例えば、多数光源からそれぞれ放出される混合放射)の混合の結果である場合あることである。
【0080】
本開示の目的では、用語「色」は、「スペクトル」と同義で使用する。しかしながら、用語「色」は、全般的に、一義的には観察者が認知することのできる放射の特性を指して使用する(但し、この使用は、この用語の範囲を限定することを意図するものではない)。したがって、「異なる色」という用語は、異なる波長成分および/または帯域幅を有する多重スペクトルを、暗黙的に意味する。ここで認識すべきことは、用語「色」は、白色光および非白色光の両方と関係して使用できることである。
【0081】
本明細書において考察した様々な実装において、LEDベース光源を含む、1つまたは2つ以上の光源を、それらの源によって生成される放射が、観察者が直接的に見えるように構成するか(例えば、ディスプレイ)、または間接的に見えるよう構成するか(例えば、照明)、あるいは放射が観察者によって観察されることが必ずしも必要ではないその他の用途(例えば、マシンビジョン)に使用することができる。
【0082】
用語「コントローラ」は、本明細書においては、1つまたは2つ以上の他のデバイスの動作に関係する、様々な装置を説明するのに使用する。コントローラは、多数の方法で実現することが可能であり、それは例えば、様々なアナログ/ディジタル回路を含む専用ハードウエアを用いるか、1つまたは2つ以上のマイクロプロセッサあるいは(例えば、ソフトウエアまたはマイクロコードを使用してプログラムされている)所定のアルゴリズムその他のプログラム可能デバイスを使用するか、または本明細書において考察した様々な機能を実行するか、またはいくつかの機能を実行するための専用のハードウエアと、その他の機能を実行するためのプログラムされたマイクロプロセッサおよび関連する回路の組み合わせとして、などである。用語「プロセッサ」は、全般的に、1つまたは2つ以上のマイクロプロセッサまたはその他のプログラム可能デバイスを意味する。
【0083】
様々な実装形態において、コントローラまたはプロセッサは、1つまたは2つ以上の記憶媒体に関連する(本明細書においては総称的に「メモリ」と呼び、例えば、RAM、PROM、EPROM、およびEEPROMなどの揮発性および不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、その他である)。いくつかの実装形態において、記憶媒体は、1つまたは2つ以上のプロセッサ/コントローラ上で実行されると、本明細書で考察した機能の少なくとも一部を実行する、1つまたは2つ以上のプログラムでコード化してもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ/コントローラ内に固定するか、または輸送可能として、それによって、それに記憶された1つまたは2つ以上のプログラムをプロセッサ/コントローラにロードして、本明細書で考察した本開示の様々な観点を実施するようにしてもよい。用語「プログラム」または「コンピュータプログラム」は、本明細書においては、総称的に、1つまたは2つ以上のプロセッサ/コントローラをプログラムするのに使用することのできる、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウエアまたはマイクロコード)を指すのに使用する。
【0084】
用語「アドレス指定可能」は、本明細書においては、それ自体を含む、複数デバイス用に意図された情報(例えばデータ)を受け取り、それ自体のための特定の情報に選択的に応答するように構成されるデバイス(例えば、ライティング装置などの1または2つ以上の負荷に関連づけることができる、コントローラまたはプロセッサ)を指して使用する。用語「アドレス指定可能」は、多くの場合に、複数のデバイスが何らかの通信媒体(単数または複数)を介して互いに結合された、ネットワーク化環境(または、以下にさらに詳細に考察する、「ネットワーク」)と関係して使用される。
【0085】
1つのネットワーク実装においては、ネットワークに結合された1つまたは2つ以上のデバイスは、そのネットワークに結合された1つまたは2つ以上の他のデバイスのためのコントローラとしての役割を(例えば、マスター/スレーブ関係で)果たすことができる。別の実装においては、ネットワーク化環境には、ネットワークに結合された1つまたは2つ以上のデバイスを制御するように構成された、1つまたは2つ以上の専用コントローラを含めてもよい。一般的に、ネットワークに結合された複数デバイスは、それぞれが、通信媒体(単数または複数)上にあるデータにアクセスすることができるが、所与のデバイスは、例えば、それに割り当てられた、1つまたは2つ以上の特定の識別子(例えば、「アドレス」)に基づいて、ネットワークと選択的にデータを交換するように構成されることにおいて、「アドレス指定可能」とすることができる。
【0086】
本明細書において使用する場合には、用語「ネットワーク」は、ネットワークに結合された、任意の2つ以上のデバイス間および/または複数デバイス間の(例えば、デバイス制御、データ記憶、データ効果、その他の)情報の伝送を促進する、(コントローラまたはプロセッサを含む)2つ以上のデバイスの任意の相互接続を意味する。容易に認識されるように、複数のデバイスを相互接続するために適当な、ネットワークの様々な実装形態には、多種多様なネットワークトポロジの任意のものを含めてもよく、また多種多様な通信プロトコルの任意のものを使用してもよい。さらに、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間の任意の接続は、2つのシステムの間の専用接続を表すか、または代替的に非専用接続を表してもよい。2つのデバイスのための情報を搬送することに加えて、そのような非専用接続は、必ずしも2つのデバイスのいずれかのためではない情報を搬送することができる(例えば、オープンネットワーク接続)。さらに、ここで容易に認識できることは、本明細書において考察する、デバイスの様々なネットワークは、1種または2種以上の無線、有線/ケーブル、および/または光ファイバ接続を利用して、ネットワーク中での情報伝送を促進できることである。
【0087】
ここで認識すべきことは、前述の概念、および以下でより詳細に考察する追加の概念のすべての組み合わせは、本明細書において開示する本発明の主題の一部であると意図していることである。特に、本開示に添付するクレームの主題事項のすべての組み合わせは、本明細書において開示する本発明の主題事項の一部であることを意図するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0088】
詳細な説明
出願者らは、電源用途および負荷の種類によっては、DC−DC変換器に基づく市販の従来形スイッチング電源は、負荷に対する柔軟かつ/または効率的な電力の供給を促進するのに最適に構成することはできないことを認識し理解していた。例えば、多くの従来型スイッチング電源の電力変換効率は、(AC線間電圧から調整DC電圧出力へ)約80%程度であるが、異なる負荷の特定の構成および/または制御要件は、DC‐DC変換器と、それ自体が様々な制御回路を含むことのある負荷とを含むシステムの、全体電力変換効率を大幅に低減させる可能性がある。
【0089】
さらに、出願者らは、応用および負荷の種類によっては、負荷に適当な電力を供給する機能および負荷に関連するいくつかの機能性を制御する機能を、大幅に簡略化して、結果として、より少ない構成要素、高い全体電力効率、および小さいスペース要件を有する回路実装形態を得ることができることを、認識し理解していた。
【0090】
前述のことを考慮して、本開示は、全般的には、少なくともある種の負荷に対して電力を供給し制御する、様々な改良型方法および装置を目的とする。以下にさらに詳細に考察するいくつかの態様においては、制御された所定の電力が、負荷に対して、その負荷からのいかなるフィードバック情報も必要とすることなく(例えば、負荷電圧および電流の監視および/または調整なしに)供給され、それによって回路複雑性、構成要素数、寸法および効率を大幅に低減する。
【0091】
本明細書において開示する異なる態様において、特に関心のあることは、負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素が、その機能構成要素への電力を変調することによって制御される、負荷である。そのような機能構成要素の例としては、それに限定はされないが、モータまたはその他のアクチュエータ類および/またはモータ駆動/可動構成要素(例えば、リレー、ソレノイド)、温度制御構成要素(例えば、加熱/冷却エレメント)、ならびに少なくともある種の光源が挙げられる。負荷において使用して機能構成要素を制御することのできる電力変調制御方式の例としては、それに限定はされないが、パルス周波数変調、パルス幅変調、およびパルス数変調(例えば、1ビットD/A変換)が挙げられる。
【0092】
より詳細には、本開示の様々な態様による、簡略化された電源/制御構成に対して関心のある1つのタイプの負荷は、その認知輝度(perceived brightness)を変調パルス電力配給に基づいて変えることのできる、1つまたは2つ以上の発光ダイオード(LED)光源を含む、ライティング装置である。例示的負荷としてLEDベースライティング装置を使用する、本開示の様々な態様による改良型電力制御方法および装置の考察を容易にするために、調整DC出力電圧を介してDC‐DC変換器を含むスイッチング電源がLEDベースライティング装置に電力を供給する、1つの従来型配設について最初に考察するのが有益である。
【0093】
図10は、そのようなDC‐DC変換器69の例示的従来型配設と、負荷40としての役割を果たすLEDベースライティング装置とを示す図である。図10に示すように、ライティング装置は、1つまたは2つ以上のLED100、およびLED(複数を含む)が生成する放射の強度を制御するように構成された様々な他の構成要素を含む。そのような装置の一例は、2000年1月18日発行の「Multicolored LED Lighting Method and Apparatus.」という名称の米国特許第6,016,038号に記載されている。
【0094】
本考察の目的で、図10のDC‐DC変換器69は、(最初に、図8と関係して上記で考察した)フライバック調整器として示してあり、AC電源(すなわち、120Vrms/60HzなどのAC線間電圧)から電力を引き出す電源の一部としての役割を果たす。したがって、DC‐DC変換器69は、変圧器72、およびAC線間電圧から引き出される無調整DC入力電圧30(Vin)と、調整DC出力電圧32(Vout)との間の適当な絶縁をもたらす、その他の構成要素を含む。ここで認識すべきことは、図9の前方変換器、ならびに入力‐出力絶縁機能および/または力率補正構成要素を含む、その他のDC‐DC変換器構成は、図10に示す配設と類似する従来型配設に同様に、使用することもできることである。
【0095】
図10において、DC‐DC変換器69のスイッチ20は、スイッチ20の機能を実現するのに様々な構成要素(例えば、BJT、FET、ならびにその他の必要となる信号増幅器/スイッチドライバ回路)を使用することができることを示すために、汎用的に、制御可能な「メークブレーク(make-brake)」回路接続として示してある。さらに、変換器の電圧調整フィードバックループ(図1および図7を参照)の構成要素は、図10において電源コントローラ80として集合的に示してあり、このコントローラは、入力としてDC出力電圧Voutのサンプルを受け取り、出力としてスイッチ20を動作させる制御信号44を供給する。図1および図と関係して上記に考察したように、電源コントローラ80の構成要素は、制御信号44のデューティサイクル(したがってスイッチ20のオン・オフ動作)を変化させて、所与の時間間隔において変圧器を横断して伝達されるエネルギー量を調節するように構成されており、それによってVoutに対する調節を行い、その結果、Voutは本質的に一定の所定の出力電圧レベルで調整される。
【0096】
図10の例示的配設において、負荷40としての役割を果たすライティング装置は、LEDコントローラ82によって制御される1つまたは2つ以上のLED100を含む。簡単にするために図10には1つのLEd100だけを示してあるが、ここで認識すべきことは、前記装置には、直列、並列、または直列/並列配設のいずれかにおいて相互接続することのできる、複数LEDを含めてもよく、それによって、変換器の調整供給電圧Voutが、LEDを駆動するのに適当な電圧を供給するようにすることができる(LEDは通常、2から4ボルトの程度の低いフォワード電圧を有し、複数LEDは、直列/並列配列に接続して、12ボルトまたは24ボルトなどの、より一般に利用可能な供給出力電圧Voutを、LEDに損傷を与えることなくLED配設に印加することができる)。図10の配設において、DC‐DC変換器69に供給される、無調整DC入力電圧Vinは、約160ボルトの程度、またはそれよりも大幅に高くしてもよく、変換器は、例えば、12ボルトまたは24ボルトの調整DC出力または供給電圧Voutを供給するように構成してもよい。図10に示すように、1つまたは2つ以上のLED100の共通アノードは、調整供給電圧Voutの正端子に接続してもよい。負荷400にも、1つまたは2つ以上のフィルタキャパシタ88を含めて、供給電圧Vout上の残留リップルがある場合にはそれをフィルタリングしてもよい。
【0097】
図10に示す、ライティング装置/負荷40において、1つまたは2つ以上のLED100によって生成される放射の強度は、所与の時間間隔においてLED(複数を含む)に配給される平均電力に比例する。したがって、1つまたは2つ以上のLEDによって生成される放射の強度を変える一手法は、LED(複数を含む)に配給される電力を変調することを伴う。この目的で、ライティング装置も、Voutと接地との間のLEDの電流経路に電流調整器84およびスイッチ90、ならびに(やはり調整供給電圧Voutを介して給電することのできる)LEDコントローラ82を含む。
【0098】
図10に示すライティング装置/負荷40の調整器84は、全般的に、スイッチ90が閉止されて電流経路を完成する場合に、1つまたは2つ以上のLED100を通過する最大電流ILEDを定義するように構成される。したがって、固定供給電圧Vout(したがって通電されたときに、LED(複数を含む)の両端での固定電圧VLED)が与えられると、調整電流ILEDは、LED(複数を含む)が通電されるときにそれに配給される、瞬時電力PLEDの量も決定する(PLED=VLED・ILED)。
【0099】
図10の例示的配設において、LEDコントローラ82は、パルス幅変調手法を用いてスイッチ90を制御し、それによってLED(複数を含む)に配給される平均電力を変調するように構成することができる。特に、LEDコントローラは、反復的にスイッチ90を開閉し、それによって、好ましくは人の目によって検出することのできるよりも高い周波数(例えば、約100Hzよりも高い)において、パルス状に1つまたは2つ以上のLEDに通電するように構成される。このようにして、LED(複数を含む)によって生成される光の観察者は、不連続なオンとオフのサイクル(一般に、「フリッカー効果」と呼ばれる)を認知せず、その代わりに、目の積分機能によって、本質的に連続な照明が認知される。任意の時間間隔においてLED(複数を含む)が通電される平均時間量を調節することによって(すなわち、LED(複数を含む)に配給される平均電力を調節することによって)、生成された光の認知輝度を変化させることができる。LEDコントローラ82は、このことを、スイッチ90のデューティサイクルを調節する(すなわち、連続するスイッチングサイクル中に、スイッチがオンまたは閉止される時間を増大または低減する)ことによって達成することができる。図10に示すように、LEDコントローラ82は、任意所与の時間におけるスイッチのデューティサイクル、したがって観察光の認知輝度を指定する、制御信号または制御データ86を受け取ることができる。
【0100】
図11に示す、さらに別の例示的配設においては、1つまたは2つ以上のLED100に加えて、ライティング装置/負荷40には、LED100の色と異なる色を有する、1つまたは2つ以上の追加のLED100Aを含めてもよい。図11に示すように、LED(複数を含む)100Aの回路配設は、LED(複数を含む)100のそれと類似している。すなわち、LED(複数を含む)100Aの共通アノードは、Voutの正端子に接続され、調整器84Aは、スイッチ90Aが閉止されて電流経路を完成するときに、LED(複数を含む)100Aを通過する最大電流ILED(A)を定義するように構成される。図11において、LEDコントローラ82は、図10と関係して上記で考察したように、パルス幅変調手法を用いて、やはりスイッチ90Aを制御して、LED(複数を含む)100Aに時間とともに配給される平均電力(したがって、LED100Aによって生成される光の認知輝度)を制御する。
【0101】
図11に示すLEDコントローラ82は、(例えば、1つまたは2つ以上の制御信号または制御データ86に基づいて)スイッチ90およびスイッチ90Aを独立に制御して、それによってLED(複数を含む)100およびLED(複数を含む)100Aによってそれぞれ生成される、異なる着色の光の認知輝度を独立に調節するように構成してもよい。このようにして、よく確立された混色原理に基づいて、ライティング装置によって、様々な異なる認知可能な色を生成することができる。ここで認識すべきことは、その他の配設において、図10、11に示すものと類似するライティング装置には、3つまたはそれ以上の異なる色を有するLEDを含めてもよく、異なる色のLEDによって生成される、それぞれの放射の強度は、上記で考察したのと類似の方法で、独立に制御され、多種多様な可変色光を生成するようにすることができる。
【0102】
本出願者らは、非効率性および機能冗長性に関係するいくつかの問題が、図10、11に示す例示的な従来型DC‐DC変換器/負荷配設によって、生じることを認識し理解していた。
【0103】
第1に、市販のスイッチング電源の実際的な制約により生ずる、注目に値する非効率問題がある。例えば、容易に認識されることは、従来型スイッチング電源は、一般に、わずかな所定電圧出力レベル(例えば、通常5V、±12V、±15V、24C、その他)および選択された範囲の電力出力能力で、市販されている。市販のスイッチング電源の出力電圧および出力電力定格の選択が制限されていることから、供給電圧/電力定格と、所与の負荷の特定の電圧/電力要求との間の一致は、最適レベルに満たないことがある。
【0104】
電圧については、(図10、11の変換器69によって例示されるような)市販電源において通常利用可能な調整DC出力電圧は、問題となる特定の負荷に対して理想的に適合していないことがあり、そのために、負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素を適切に駆動するために、何らかの電圧または電流調節/調整回路を必要とすることがある。図10、11の例示的配設に関係して上記で考察したように、一般に利用可能な、LEDベースライティング装置を駆動する12ボルトまたは24ボルトの調整DC供給電圧Voutを仮定すると、大幅に低い電圧LEDを、電流調整器とともに、ライティング装置において特別に相互接続、配設して、LED(複数を含む)の損傷のない適切な動作を保証する必要がある。最適には至らない供給電圧Voutに基づく、調整器または類似の調節回路を必要とすることによって、電力およびスペースを無駄にするのは避けられない。
【0105】
同様に、ライティング装置/負荷40の電力要求と、所与のスイッチング電源の電力供給能力との間の不一致によって、不効率および無駄を発生することがある。例えば、所与のライティング装置40の特有の電力要求PLOADを、(例えば、任意の時刻に通電することのできるLED、ならびにライティング装置/負荷に存在するその他の支援回路の数およびタイプに基づいて)考える。市販の電源に対する、出力電力定格の所定の選択を仮定すると、所与の負荷の電力要求よりも十分に大きいが適当に近い出力電力定格を有する、入手可能な電源がないことがあり得る。したがって、この状況においては、大幅に過剰な仕様の(すなわち、PLOADよりも大幅に大きな電力出力を供給することのできる)電源が、唯一の妥当な選択であることがある。ここでも、そのような電力不一致は、少なくとも電源における過大寸法の構成要素について、非効率と無駄を伴う。
【0106】
さらに、多数のLEDおよび/または高電力LEDを備えて強力な照明を提供する、ライティング装置/負荷40においては、DC‐DC変換器と負荷との間で要求電力を相当の距離にわたって伝送することによって、別の非効率問題を生じる可能性がある。例えば、(例えば、12ボルトまたは24ボルトにおける)変換器の固定調整DC出力電圧を仮定すると、ライティング装置における、より多数のLEDおよび/または高電力のLEDは、通電されると大量の電流を引き出し、その結果として、(特に、ライティング装置/負荷がDC‐DC変換器から任意相当の距離だけ離隔されている場合には)DC‐DC変換器に負荷を接続するケーブル/導体において潜在的に重大な抵抗損失を生じる可能性がある。
【0107】
要約すると、前述の非効率問題は、変換器と負荷との間の潜在的電圧および/または電力不一致、ならびに変換器と負荷との間の潜在的電力伝送損失についての、DC‐DC変換器のある程度の柔軟性の低さに、少なくとも部分的には関係している。第2に、図10、11に示す例示的な従来型配設において、特に注記に値するのは、一般的に、調整電圧出力を供給するDC‐DC変換器の動作、および制御可能な光出力を供給するライティング装置の動作は、少なくとも両者において存在するスイッチング動作について、相当に類似している。具体的には、類似の変調スイッチング動作が、DC‐DC変換器とライティング装置の両方に対する所望の出力を決定する。
【0108】
前述のことを考慮すると、本開示の様々な態様は、全般的には、従来型配設と比較して、全体電力効率が改善され、かつ構成要素の機能的冗長性が大幅に低減される少なくともある種の負荷に、電力を供給して制御する方法および装置を目的とする。異なる観点においては、本明細書において開示する様々な態様による方法および装置の実装形態は、全般的に、少ない構成要素、高い全体電力効率、および小さなスペース要求を有する大幅に簡略化された回路を伴う。
【0109】
以下にさらに考察する、いくつかの態様においては、負荷に対して、その負荷電圧および/または負荷電流の監視をまったく必要とすることなく(すなわち、負荷からのフィードバックなしに)、制御された所定の電力が供給される。フィードバックを必要としないそのような態様の一観点において、通常、低いDC負荷供給電圧とAC線間電圧から引き出される電力源(例えば、DC‐DC変換器への高いDC電圧入力)との間に使用される絶縁構成要素は、場合によっては必要ではなく、それによって必要な回路構成要素の数が減少する。別の観点では、フィードバックループを不要にすることによって、一般に、回路速度が向上し、フィードバック回路安定性に関する潜在的に困難な問題が回避される。
【0110】
本明細書において開示する一態様は、特に、LEDベース光源用の「フィードフォワード」ドライバを目的とする。この態様によるフィードフォワードドライバは、DC‐DC変換器と光源コントローラとの機能を組み合わせて、光源に供給される電圧または電流の監視または調整を行うことなく、所与の時間間隔において光源に配給される平均電力を変調することに基づいて、光源が生成する光の強度を制御するように構成される。この態様の一観点において、フィードフォワードドライバは、「不連続モード」スイッチング動作を使用して、1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素にエネルギーを蓄積し、そこからエネルギーを放出するように構成される。この種のスイッチング動作は、以下にさらに考察するように、スイッチングサイクル当りに予測可能な量のエネルギーを伝達すること、したがって光源に予測可能に制御された電力を配給することを容易にする。
【0111】
以下には、本開示による電力制御方法および装置に関する様々な概念、およびその態様をより詳細に説明する。ここで認識すべきことは、上記において紹介し、以下においてより詳細に考察する様々な概念は、開示する概念はいずれの具体的な実現方法にも限定されないので、多数の方法の内の任意のもので実現することができることである。具体的な実装形態および応用の例は、説明のためだけに提供するものである。
【0112】
図12は、本開示の一態様による、スイッチング電源構成に少なくとも部分的に基づく、「フィードフォワード」電力制御装置200を示すブロック図である。以下で考察するその他の態様と同様に、図12の態様と関係して使用する、用語「フィードフォワード」は、負荷に関連する情報(例えば、負荷が引き出そうとする所望の電力、負荷の両端に印加しようとする所望の電圧など)が事前に既知であって、回路動作を促進するのに使用される、回路構成を意味する。例えば、本明細書において開示される、フィードフォワード電力制御装置の様々な実施例においては、負荷に対して、その負荷からのフィードバック情報を必要とすることなく、制御された所定の電力がスイッチエネルギー伝達(switched energy transfer)方法によって供給される。すなわち、負荷電圧および/または負荷電流を監視する必要はない。そうではなく、電力制御装置に供給される電力源に関係する1つまたは2つ以上のパラメータ(例えば、電圧入力または電源から引き出される電流)、ならびに負荷パラメータに関する、事前に知られている所望のその他の制御情報またはデータを監視することに基づいて、制御された所定の電力が負荷に供給される。
【0113】
図12に示すように、電力制御装置200は、DC入力電圧212(Vin)を受け入れ、電力源から入力電流210(Iin)を引き出す。DC入力電圧212は、調整または無調整のDC電圧としてもよく、また、先の図において示したDC入力電圧30に関係して上述したように、例えば、整流およびフィルタリング処理されたAC線間電圧または別のDC電力源から引き出してもよい。図12は、また、電力制御装置200は、スイッチ214の動作によって入力電流Iinがエネルギー伝達配設202を通過するように、構成されていることを示している。スイッチ214は、スイッチコントローラ204によって制御され、このスイッチコントローラは、1つまたは2つ以上の監視された電源パラメータ206(例えば、Vinおよび/またはIin)に加えて、装置200に供給されるその他の制御情報またはデータ208に応答して生成される制御信号216を介して、スイッチ214を制御するように構成されている。図12には明示的に示していないが、以下により詳細に考察する様々な実装形態によれば、スイッチコントローラ204のための動作電力は、DC入力電圧Vinまたはその他の電力源から引き出すことができる。
【0114】
図12において、スイッチ214は、先の図に示すトランジスタスイッチ20と実質的に同様の役割を果たす。したがって、スイッチ214の1つの例示的実装形態には、それに限定はされないが、トランジスタを適切に動作させるのに必要となることがある、信号増幅器/スイッチドライバ回路とともに、飽和スイッチとして動作するように構成された1つまたは2つ以上のトランジスタ(例えば、BJT、FET)が含まれる。図12に示すエネルギー伝達配設202は、負荷に電力を供給するDC‐DC変換器の汎用機能を実装するように構成された、いくつかの可能な回路配設の1つを全体的に表している。より詳細には、この態様の異なる観点によれば、エネルギー伝達配設202には、バック変換器、ブースト変換器、バック・ブースト変換器、CUK変換器、フライバック変換器、およびフォワード変換器(これらのすべては図1および図4〜9に関係して上記で考察した)、ならびに本明細書において詳細に考察しない、その他のDC‐DC変換器配設の内の1つの汎用機能を実装するように構成された様々な構成要素を含めることができる。
【0115】
図12に示すように、エネルギー伝達配設202は、負荷218にDC出力電圧216(Vout)を供給するように構成されている。しかしながら、上記するとともに以下で詳細に考察するように、先の図に示す従来型配設とは異なり、図12の態様におけるエネルギー伝達配設202は、負荷に関係する何らかの情報(例えば、負荷電圧および/または負荷電流)をスイッチ214の制御に影響を与えるフィードバックとして、提供するようには構成されていない。
【0116】
電力制御装置の動作の入門的な考察を容易にするために、電力制御装置200のその他の構成要素へのエネルギー伝達配設202の相互接続を、図12に全体的に示してある。しかしながら、ここで認識すべきことは、電力制御装置200の所与の実装形態における構成要素の特定の相互接続は、エネルギー伝達配設202に使用されるDC‐DC変換器の種類によって指定できることである。特定の配設のいくつかの実施例を、図13および図15〜19に関係して、以下により詳細に考察する。
【0117】
図12の態様の別の観点においては、フィードフォワード電力制御装置200は、スイッチコントローラ204とスイッチ214によって実現される「不連続モード」スイッチング動作を使用して、エネルギー伝達配設202の1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素にエネルギーを蓄積するとともに、そこからエネルギーを放出するように構成することができる。この種のスイッチング動作は、負荷218に対する、スイッチングサイクル当りに予測可能な量のエネルギーの伝達、したがって、予測可能で制御された電力配給、を容易にする。次に、この不連続モードスイッチング動作について、最初に図13、14を参照して、より詳細に考察する。
【0118】
図13は、本開示の一態様による、電力制御装置200の例示的エネルギー伝達配設202の追加の詳細を模式的に示す、図12と同様の図である。図13の例において、エネルギー伝達配設は、インダクタンスLを有するエネルギー伝達要素としてのインダクタ220に加えて、負荷218にDC出力電圧216を供給するように構成された、その他のDC‐DC変換器回路を含む、バック・ブースト変換器または反転変換器として、示されている。図12と関係して上述したように、ここで認識すべきことは、図13に示す例示的バック・ブースト構成は、不連続モード動作に関する様々な概念を示すことを主目的として、設けてあることである。しかしながら、本開示による電力制御装置は、この特定の構成に限定はされず、その他の態様に従ってその他の構成を不連続モードで動作させることもできる。図13において、電流210(Iin)は、スイッチ214の動作によって、インダクタに印加される電圧212(Vin)に基づいて、インダクタ220を通過して流れる。電力制御装置200の動作の根底にある、より顕著な一般概念のいくつかに光を当てる目的で、以下の考察においては、理想的な構成要素と実質的に無損失のエネルギー伝達を仮定している。
【0119】
図14は、本開示の一態様による、図12、13に示したスイッチ214の、2つの連続するスイッチングサイクル213を示す、例示的なタイミング図である。図14は、スイッチ214の連続するオン/オフスイッチングサイクル中の、入力電圧Vinに基づきインダクタ220の両端に印加されるパルス電圧225(VL)を示す。図3におけるように、スイッチ214がオンまたは閉止である時間は、図14においてtonで表わし、スイッチがオフまたは開放である時間はtoffで示してある。したがって、上記の考察のように、所与のスイッチングサイクル213の周期Tはton+toffで与えられ、複数スイッチングサイクルの周波数fは1/Tで与えられる。
【0120】
図14において、インダクタの両端に印加されるパルス電圧225上に、インダクタ220を通過する電流224(IL)を重ね合わせてある。図3に関係して上記で考察したように、スイッチ214がtonの時間間隔だけ閉止されると、インダクタに印加される電圧によって、直線的に増大する電流Iin=ILが、関係式VL=L・dIL/dtに基づいて、インダクタを通過して流れ、この間にエネルギーはインダクタの磁界に蓄積される。時間間隔tonの終わりに、インダクタ電流ILが最大ピーク値IPに到達することを、図14は示している。蓄積エネルギーは、その他のDC‐DC変換器回路を介して負荷に供給されるので、この同じ関係式VL=L・dIL/dtによって、スイッチ214がオフまたは開放であるときに、インダクタ電流ILは、時間間隔toffの間に直線的に減少する。
【0121】
図14のタイミング図は、先に図3に示したものと類似しているが、図14に示すインダクタ電流ILは、連続モードスイッチング動作ではなく、「不連続モード」スイッチング動作を反映する点において、図3とは異なる。特に、各スイッチングサイクルの始点および終点において、インダクタ電流ILはゼロとなるように電力制御装置は構成され、詳細には、インダクタのインダクタンスLおよびスイッチ214のデューティサイクル、ならびに装置のその他の構成要素は、本質的に、時間ton中にインダクタ内に蓄積されるエネルギーのすべてが、時間t2内に負荷に伝達され、この時間はtoffよりも短く、それによって、スイッチングサイクルの始点および終点においてインダクタを通過して流れる電流がないこと(また、インダクタの磁界中に残留蓄積エネルギーがないこと)を確実にする。図14に示すように、t2の終点とtoffの終点の間の時間間隔は、インダクタ電流ILにおける不連続、したがって用語「不連続」モードを表す。
【0122】
不連続モードスイッチング動作を使用して、各スイッチングサイクルの始点および終点において本質的にゼロのインダクタ電流を確実にすることによって、スイッチングサイクル毎の予測可能な量のエネルギーの伝達が促進され、したがって、負荷に対する予測可能で制御された電力配給が容易になる。例えば、図14を参照すると、時間間隔tonの終点までに、インダクタの磁界に蓄積されたエネルギー量Win(ジュール単位)は、初期インダクタ電流をゼロと仮定して、
【数8】
によって与えられる。エネルギーの無損失伝達を仮定して、スイッチ214が時間toffの間、開放されている間に、Winに等しいエネルギー量Woutが、時間間隔t2<toffの間に、インダクタ磁界から負荷に伝達される。それぞれの逐次スイッチングサイクルによって、予測可能なエネルギー量がこのように伝達される。
【0123】
電力は、所与の時間間隔内に伝達されるエネルギーの量(すなわち、P=dW/dt)として定義されるので、負荷に伝達される電力Pは、次式で表され、
【数9】
ここで、f=1/Tは、スイッチ214のスイッチング周波数である。前述のことから、インダクタのインダクタンスLを仮定すると、スイッチング周波数fおよびピークインダクタ電流IPの一方または両方を変化させることによって、負荷への電力を変調することができることが認識される。上記で考察したように、ピークインダクタ電流IPは、スイッチ214のデューティサイクル(特に、時間間隔ton)によって決定される。したがって、図12〜14の態様において、スイッチ214の周波数およびディーティサイクルの一方または両方を制御して、負荷に対して、その負荷に関するフィードバック情報なしで、予測可能な可変電力を供給することができる。
【0124】
図12〜14の態様において、負荷への電力の制御を見る別の方法は、複数スイッチング動作を含む時間間隔にわたって、複数の量のエネルギーの伝達を考えることである。
【0125】
P=(伝達当りのエネルギー量)×(時間間隔当りの伝達回数) (2)
【0126】
この視点から、認識できることは、負荷への電力は、1)伝達当りのエネルギー量を調節すること、および2)それぞれが同量のエネルギーを有する伝達数を時間に対して変化させることの一方または両方によって、調節できることである。
【0127】
図12〜14の態様における負荷への電力の制御についてさらに考察するために、時間に対してエネルギー伝達の回数(例えば、スイッチング周波数)を一定に保持し、時間間隔を変化させることによってスイッチング動作のデューティサイクルを変えることを含む、例示的実装形態を、図15と関係して次に考察する。特に、図15は、本開示の一態様による、図13に示すフィードフォワード電力制御装置200の一部を示し、この態様においては、スイッチ214のデューティサイクルは、スイッチがオンまたは閉止の場合に、インダクタ電流ILを監視すること(すなわち、電力制御装置によって引き出される電流Iinを監視すること)に一部基づいて、制御される。
【0128】
図15の態様は、従来型「電流モード」スイッチング調整器に関して、図7に関係して上記で考察したいくつかの特徴を含む。例えば、図15において、抵抗器Rsenseとして示されている入力電流検知デバイス60を使用して、スイッチ214がオンまたは閉止のときにインダクタ電流ILをサンプリングする(これは、本質的に、入力電流Iinを検知することになる)。さらに、スイッチコントローラ204は、コンパレータ62、パルス幅変調器36、および周波数fを有するパルスストリーム42をパルス幅変調器に供給する、発振器26を含む。図7における場合のように、パルス幅変調器36の1つの例示的実装形態は、セットおよびリセット制御を含むD型フリップフロップであり、この場合に、発振器26はフリップフロップの「セット」入力にパルスストリーム42を供給し(ロー起動、
【数10】
)、コンパレータ62は、フリップフロップの「リセット」入力に信号64を供給し(ハイ起動、
【数11】
)、フリップフロップの「Q」出力は、スイッチ214にパルス幅変調制御信号216を供給する。
図15の態様において、パルス幅変調器36およびスイッチコントローラ204の関連する回路の機能は、図7に関係して上述した内容と同様である。しかしながら、図7とは異なり、図15には、スイッチ214の制御に影響を与えるのに使用される、負荷に関するフィードバック情報はない。そうではなく、図15の態様におけるスイッチコントローラ204は、負荷に伝達しようとする所望の電力量を表わす入力情報208と、電力制御装置200に供給される電力に関係する監視パラメータ205(すなわち、インダクタ電流IL/入力電流Iin)とだけに基づいて、スイッチ214を制御するように構成されている。
【0129】
特に、この態様の一観点によれば、負荷に伝達しようとする所望の電力量を表わす入力情報208は、電圧設定点Vspの形態とすることができる。別の観点によれば、監視されるパラメータ206は、抵抗器Rsenseによりサンプリングされる、インダクタ電流ILに関係する、検知電圧Vsenseとすることができる(この実施例におけるサンプルインダクタ電流ILは入力電流Iinと同一であることに留意されたい)。図15において、パルス幅変調器36は、電圧VspとVsenseの比較に基づいて、制御信号216のデューティサイクル、したがってスイッチ214が閉止されている時間間隔tonを調節する。すなわち、電圧Vspは、所与のスイッチング動作の間に、スイッチ214が開くピークインダクタ電流Ipを本質的に決定し、それによって、スイッチング動作中に伝達されるエネルギー量も決定する。したがって、電圧Vspを変化させることによって、所与のスイッチング動作における伝達エネルギー量、したがって負荷への電力を、同様に変化させることができる。
【0130】
図16は、さらに別の態様による、図13の構成に基づくフィードフォワード電力制御装置200の一部を示し、この場合にも負荷への電力は、スイッチング動作のデューティサイクルを変化させるとともに、スイッチング周波数fを一定に保持することによって調節することができる。図16の態様において、時間間隔tonしたがってスイッチ214のデューティサイクルは、図15に示すように(インダクタ電流ILを介して)入力電圧Iinをサンプリングすることによるのではなく、電力制御装置200への入力電圧Vinの監視に基づいて制御される。
【0131】
図14のタイミング図を再び参照すると、関係式VL=L・dIL/dtに基づいて、ピークインダクタ電流IPは、入力電圧Vinによって表わすことができ、この入力電圧は、図16の態様においては、スイッチ214がオンまたは閉止のときに、インダクタの両端に以下のように発生する。
【数12】
【0132】
前記の関係式および上記の式(1)で与えられる、負荷に伝達される電力Pに対する関係式を使用して、負荷に伝達される電力Pは、Ipを置換することによって、入力電圧Vinで表わすこともできる。
【数13】
【0133】
前記の関係式は、負荷に伝達される電力は、ピークインダクタ電流Ipまたは装置200に入力される電圧Vinのいずれかで表わすことができることを実証している。したがって、図16の態様において、スイッチコントローラ204は、監視パラメータ206として(インダクタ電流をサンプリングするのではなく)電圧Vinを監視するとともに、所望の負荷電力の何らかの代表を入力情報208として受け取り、それによって以下の関係式に基づいてスイッチ214のデューティサイクルを決定するように構成されている。
【数14】
【0134】
この目的で、図16は、一態様によれば、スイッチコントローラ204にアナログ‐ディジタル変換器226を含めて、電圧Vinを監視して、プロセッサ250に電圧の適当なディジタル表現を供給することができるとこと示している。プロセッサ250は、また、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取る。図15においてと同様に、スイッチコントローラ204は、また、周波数fにおけるパルス列42を供給する発振器26を含む。プロセッサ250は、Lおよびfの既知の回路値を使用し、Vinを計測し、かつ所望の負荷電力Pに関する入力情報208を使用して、上記の式(3)から、所望のtonに基づくデューティサイクルを有する制御信号216を生成するように構成されている。
【0135】
図15、16の態様において、時間に対してエネルギー伝達回数を一定に保持しながら、スイッチング動作のデューティサイクルを変化させることに基づいて、負荷電力を制御することについて考察してきたが、次に、スイッチング動作のデューティサイクルを一定に保持しながら、時間に対してエネルギー伝達回数を変化させることに基づき、負荷電力に作用することに注目する。上記の式(1)および式(2)から、負荷への電力は、1)図15、16の態様におけるように、1伝達当りのエネルギー量を調節すること、および2)それぞれ同一のエネルギー量を有する伝達の回数を時間に対して変化させること、の一方または両方によって調節できることを思い起こされたい。
【0136】
この後者の視点での考察を始めるにあたり、図15、16に示す回路は、事前設定される一定の伝達当りのエネルギー量を設定するように、修正できることが、容易に認識されるはずである。例えば、このことは、図15における電圧設定点Vsp、または図16における所望電力入力Pを、可変入力情報208として受け取らせるのではなく、これらのパラメータを固定することによって達成することができる(パラメータVspおよびPが本質的に固定されるいくつかの実装形態においてでも、これらのパラメータに対するある程度の名目上の調節は、例えば、トリムポテンショメータおよび関連する回路によって、助長することができる)。したがって、スイッチング動作の周波数を変調することに基づく負荷電力の調節に関して、以下に考察するいくつかの態様においては、入力情報208は、スイッチ214の所望のオン時間またはデューティサイクルではなく、その代わりに、スイッチ214に対する所望のスイッチング周波数を表わしてもよい。
【0137】
上記の式(1)で与えられる電力関係式は、負荷への電力は、スイッチング周波数fと直線的に調節できることを示唆しているが、一般に、スイッチング周波数の範囲に対する実際的な制限があり、これが負荷への電力供給に対して対応する制約を課す。例えば、スイッチ214を実装するのに使用される構成要素(複数を含む)およびその他の回路構成要素による、スイッチング周波数の範囲に対する実際的な制限が存在する。十分に高い周波数において、(周波数が高くなると一般に増大する)スイッチング損失が、所与の応用において使用可能な最大周波数fに対する、実際的な制限を課すことがある。また、高周波数スイッチング動作から生じる放射ノイズによって、使用可能な最大周波数に対しての調整上の制約による実際的な制限が課されることもがある(現在、多くのタイプのDC‐DC変換器において従来から使用されている、スイッチング周波数fの一般的な範囲には、それに限定はされないが、約50kHz〜100kHzの周波数が含まれる)。
【0138】
また、制御しようとする負荷の種類も、負荷への電力を制御するために実際に使用できるスイッチング周波数fの範囲に、影響を与えることがある。例えば、上記で考察したように、本開示のいくつかの態様による、対象とする1つの負荷は、1つまたは2つ以上のLEDを含み、LED(複数を含む)によって生成される光の認知輝度(perceived brightness)は、パルス電力配給に基づいて制御される。この種の負荷に対して、(いくつかの負荷と一緒に、出力電圧Voutを平滑化するのに使用することのできる)図13に示すキャパシタ34は、適当な大きさのキャパシタンスを持たせるか、またはLED(複数を含む)は電圧Voutにおける瞬時の変化に応答することができるので、任意選択でエネルギー伝達配設202から除外してもよい。上記で考察したように、そのような負荷のLED(複数を含む)は、人の目で検出できるよりも高い周波数(例えば、約100Hzより上)においてパルス方式で通電され、それによって「フリッカー」効果を回避している。したがって、この応用においては、人の目の「フリッカー周波数」が、スイッチング周波数に対する下限を表わすことができる。
【0139】
スイッチング周波数fを直接、変調することによって、式(1)に従って負荷への電力を変化させることができるが、電力を変化させる別の可能性は、おそらく式(2)から最も明確に観察することができるように、周波数fを有する参照パルスストリームを生成する発振器の複数の周期Tを含む時間間隔にわたっての、一定量エネルギー伝達の回数を変化させることに関する。この方法は、本質的に、1ビットD/A変換の概念に基づく「パルスドロッピング(pulse dropping)」または「パルス数変調」手法を表わし、ある最小値と最大値の間でスイッチング動作の有効周波数feffを(参照パルスストリーム周波数fに基づいて)変化させることに対応する。
【0140】
図17は、パルス生成コントローラ230を模式的に示すブロック図であり、このコントローラは、本開示の一態様による、電力制御装置200のスイッチコントローラ204の一部として含めることができる。図17の態様に基づく、スイッチコントローラの例示的な一実装形態において、パルス生成コントローラ230を使用して、図15または16のいずれかに示すスイッチコントローラ204の発振器26を置換してもよく、入力電圧Vinまたは入力電流Iinの一方を表わす値と比較するのではなく、入力情報208を使用してパルス生成コントローラ230を制御してもよい。
【0141】
特に、図17のパルス生成コントローラ230は、(図15、16に示す態様におけるように)スイッチ214のデューティサイクルによって伝達当りのエネルギー量を制御するのではなく、パルスドロッピングまたはパルス幅変調手法によって負荷への電力の制御を容易にするように構成されている。この目的で、パルス生成コントローラ230は、参照発振器周波数fに対して変化させることのできる、有効周波数feffを有する修正パルスストリーム42'を出力する。この修正パルスストリーム42'は、スイッチコントローラによって使用されて、スイッチ214を制御する制御信号の、デューティサイクルではなく、有効周波数を制御する(例えば、修正パルスストリーム42'を、パルスストリーム42の代わりに、図15における変調器36に類似する、パルス巾変調器、または図16に示すプロセッサ228に類似するプロセッサへの入力として供給してもよい)。
【0142】
上記で考察したように、図17のパルス生成コントローラ230に基づくスイッチコントローラのいくつかの態様において、スイッチコントローラは、スイッチングサイクル当りの伝達エネルギーの事前設定される一定量を設定するように構成してもよい。図15、16を再び参照すると、このことは、例えば、図15における電圧設定点Vsp、または図16における所望電力入力Pを、これらの値を可変入力情報208として受け取らせるのではなく、ある一定値に固定することによって達成することができる。そのようなスイッチコントローラの一観点において、入力情報208は、代わりにスイッチ214に対する所望の有効スイッチング周波数feffを表わしてもよく、VspまたはPに対する事前設定される一定値は、入力情報208が最大有効周波数feffを要求するときに、負荷に対する最大電力Pmaxを表わす。
【0143】
図17に示すように、一態様によれば、パルス生成コントローラ230は、入力情報208に基づき、ゼロから(2N−1)の間のディジタル値を格納するための、Nビットレジスタ238を含む(入力情報208は、最初に、以下でさらに考察する、任意選択シフトレジスタ239を通過させてもよい)。この態様の一観点によれば、Nビットレジスタ238に格納されるディジタル値は、所望の有効スイッチング周波数feffを、参照周波数fの百分率の形態で表わし、したがって図17において%fとして示してある。パルス生成コントローラ230は、また、参照周波数fにおいてパルスストリーム42を供給する発振器26を含む。
【0144】
図17において、Nビットアキュムレータ232は、「クロック」入力としてパルスストリーム42を受け入れ、パルスストリーム42の各パルスとともに、Nビットディジタル入力値240をアキュムレータ232にロードするように構成されている。アキュムレータにロードされたNビット入力値240は、加算器236によって示されるように、アキュムレータに格納された先の値に、(入力情報208に基づき)Nビットレジスタ238に格納されたディジタル値%fを加えた合計である。レジスタ238と同様に、Nビットアキュムレータは、(2N−1)の最大ディジタル値を有し、したがって、入力値240が(2N−1)を超えると、アキュムレータは、入力値240と(2N−1)の間の差を記憶して、オーバーフロー状態を表わす桁上げ信号(carry signal)242を出力するように構成されている。桁上げ信号は、パルスストリーム42の次のパルスが、オーバーフロー状態を解消すれば(すなわち、アキュムレータにロードされる次の入力値240が(2N−1)より小さい場合)、ゼロに戻る。
【0145】
したがって、Nビットアキュムレータ232の桁上げ信号242は修正パルスストリーム42'を表わし、その場合に、所与の時間間隔内にアキュムレータによって出力される、修正パルスストリームにおけるパルス数(#pulses out)は、同じ時間間隔におけるパルスストリーム42のパルス数(#pulses in)と次の関係があり、
【数15】
ここでも、%fはNビットレジスタ238内に格納された(ゼロから2N−1の範囲の)ディジタル値を表わす。上記で考察したように、一態様によれば、この修正パルスストリーム42'は、電力制御装置のスイッチ214の有効スイッチング周波数feffを求めるのに、スイッチングコントローラによって使用される。
【0146】
上記の関係から、分子および分母を時間の単位で除算して周波数を得ると(すなわち、周波数=#pulse/単位時間)、有効スイッチング周波数feffは、次式に従って、参照周波数fと関係する。
【数16】
【0147】
したがって、パラメータ%fをゼロから(2N−1)の間で変えることによって、負荷への電力も、(feffをfに代入した)上記の式(1)に従って、同様に変化させることができる。
【0148】
上記の考察のように、負荷のタイプに応じて、有効周波数feffには、実際的な下限が存在する可能性がある。例えば、1つまたは2つ以上のLEDを含む、例示的な負荷を考えると、約100Hzより相当に低いスイッチング周波数によって、望ましくない「フリッカー」効果を生じることがあり、この場合には、LED(複数を含む)によって生成される照明の認知輝度が本質的に連続ではなくなる。
【0149】
図17に関係して上述したパルス変調手法に基づく、1つまたは2つ以上のLEDの制御の実際的例を提供する目的で、パルスストリーム42に対して、例示的な100kHzの参照周波数を考える。ここで認識すべきことは、本開示による様々な実装形態は、この観点に限定されるものではなく、100kHz程度の発振器周波数は、様々なDC‐DC変換器構成において一般的に使用されており、したがって、この参照周波数は、説明目的での適当な例を提供するが、その他の参照周波数も様々な態様において使用できることである。
【0150】
LEDベース負荷に対する望ましくないフリッカー効果を回避するために、100kHzの参照周波数および約100Hzの最小周波数を仮定すると、有効スイッチング周波数feffに対する最小周波数と最大周波数の比は、1:1000の程度となることが容易に認識されるであろう。言い換えると、本実施例において顕著なフリッカーなしで、LEDベース負荷に最小電力を提供するために、100kHzの周波数においてパルスストリーム42の1000パルス毎に、図17のパルス生成コントローラ230は、修正パルスストリーム42'において少なくとも1つのパルスを供給する必要がある(上記、式(4)および式(5)を参照のこと)。
【0151】
したがって、100kHzの参照周波数に基づいて、この有効スイッチング周波数の範囲に対応するために、一態様において、N=10ビットレジスタ238およびN=10ビットアキュムレータ232を、図17のパルス生成コントローラ230に使用してもよく、ここで210=1024である。すなわち、上記の式(5)によれば、(1/1024)fまたは約98Hzの最小有効周波数feffは、%fのディジタル値=1のときに達成され、(1023/1024)fまたは約99.9kHzの最大有効周波数feffは、%fのディジタル値=1023のときに達成される。ここでまた認識すべきことは、本実施例において、%fの値を変えることに基づく、負荷への電力の変動は、最大電力Pmaxの1/1024の増分に限定されることである(すなわち、10ビットレジスタおよびアキュムレータを使用して達成することのできる最小電力分解能は1/1024である)。
【0152】
1つまたは2つ以上のLEDを含む負荷への電力を制御することに関して生じる可能性のある1つの問題は、LED(複数を含む)への印加平均電力と、LED(複数を含む)によって生成される光の対応する認知輝度との間の、いくぶん非線形な関係に関する。例えば、1つまたは2つ以上のLEDによって生成される光の認知輝度は、一般に、比較的低い電力レベルにおいて、電力の変化と共により急激に変化するのに対して、比較的高い電力レベルにおける電力の変化の結果としては、一般に、認知輝度においていくぶん目立ち難い変化を生じる。
【0153】
前記のことを考慮すると、図17に示すパルス生成コントローラ230の別の態様は、コントローラの電力分解能力を向上させる(すなわち、コントローラによって達成可能な電力変化の最小増分を低減する)一方で、同時に、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数の所定の比を本質的に維持することを目的とする。電力分解能を向上させることによって、より大量の電力変動の制御を促進し、これは、場合によっては(例えば、LEDなどの負荷に対する低い負荷電力において)、特に望ましい。
【0154】
より詳細には、この態様の一観点によれば、Nビットレジスタ238およびNビットアキュムレータのビット数Nは、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数比(すなわち、1:2N)が、所定の要求最小比よりも小さくなるように、選択される。例えば、LED(複数を含む)に関して上記で考察した実施例において、望ましくないフリッカー効果を回避するために、最大周波数100kHzおよび最小周波数約100Hzを仮定すると、N=10の値が、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数の要求比1:1024をもたらす。N>10を選択し、それによって比1:2Nを低減することによって、電力分解能を向上させることができる(すなわち、最小電力増分を低減することができる)。しかしながら、必要な最小と最大の周波数比1:1024を維持するためには、%fの最小値をオフセットして(すなわち増大させて)、最小有効周波数が100Hzより大幅に下回らないようにする必要がある。
【0155】
説明の目的で、図17のNビットレジスタ238およびNビットアキュムレータに対して、N=16の場合を考える。この場合には、最小電力増分は、1:216、または1:65536(すなわち、N=10に対して、分解能における大幅な向上)が得られる。しかしながら、%fに対する最小値を、%f=1とすることができる場合には、最小有効周波数feffは、約1.5Hz(すなわち、1/65536×100kHz)となり、望ましくないフリッカー効果を回避するための最小周波数よりもずっと下になる。したがって、一態様においては、%fに対する最小値をオフセットして、それによって、有効スイッチング周波数feffに対する最小と最大の周波数の適当な比を維持する。したがって、N=16である本実施例において、オフセットを含む%fの最小値は64となり、その結果、最小有効スイッチング周波数は、(64/65536×100kHz)または約98Hzとなる。この最小値から、有効スイッチング周波数は、(%fが64から65、66、などに増大させるときに)(1/65536×100kHz)=1.5Hzの増分で増大させることができ、N=10である実施例と比較して電力制御能力において大幅な向上をもたらす。
【0156】
改善された電力分解能を有する、パルス生成コントローラの実装を容易にするために、一態様によれば、図17のコントローラ230にはシフトレジスタ239を含めて、入力情報208にオフセットを与えてもよい。例えば、入力情報208が、%fを表わす10ビットディジタル値として与えられ、N‐ビットレジスタ238およびN‐ビットアキュムレータ232に対して、N=16である状況を考える。この実施例において、要求オフセットは、シフトレスタ239を使用して、入力情報208として供給される10ビットディジタル値を、左に6ビット(すなわち、26=64)だけシフトすることによって達成することができる。すなわち、10ビットディジタル値「1」を入力情報として受け取ると、シフトレジスタ239は、10ビット値を左に6ビットシフトし、値「64」をN=16ビットレジスタ238に格納する。
【0157】
ここで認識すべきことは、図17のパルス生成コントローラ230における改善された電力分解能に関する、上記の考察において、Nおよび入力情報208におけるビット数に対する例示的値は、主として説明のために与えられること、および本開示の様々な態様はこの点において限定されないことである。そうではなく、容易に認識されることは、この態様の一観点によれば、パルス生成コントローラ230の任意選択のシフトレジスタ239は、一般に、そうでなければ、所望の程度の電力分解能をもたらすことのできない、入力情報208に基づいて電力分解能の向上を促進するコントローラに対して、ある程度の柔軟性をもたらすことである。さらに、ここで認識すべきことは、コントローラ230に入力情報208を供給するシステムまたはデバイスは、入力情報にオフセットを含めて、次いで、このオフセットをレジスタ238に直接的に適用できるように構成することができることである。
【0158】
以上、エネルギー伝達の回数を時間に対して一定に保持しながらスイッチング動作のデューティサイクルを変化させること(図15、16)、およびスイッチング動作のデューティサイクルを一定に保持しながら、エネルギー伝達の回数を時間に対して変化させること(図17)、に基づく負荷電力の制御について考察したが、ここで認識すべきことは、他の態様によれば、スイッチング動作のデューティサイクルおよびスイッチング周波数(または有効スイッチング周波数)の両方を、上記で考察した概念に基づいて変化させて広範囲の電力制御能力を達成することができることである。
【0159】
例えば、図18は、本開示のさらに別の態様による電力制御装置200を示す図であり、この装置では、スイッチ214のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して、負荷218への電力を制御することができる。図18に示す態様においては、負荷は、1つまたは2つ以上のLED100を含む光源として示してある。図10、11と関係して複数LEDを含む負荷について上記で考察したように、LEDは、種々の直列、並列、または直列/並列配設の任意の方法で相互接続してもよい。さらに、この態様の異なる観点によれば、光源には複数の同色LEDおよび/または異色LEDを含めることができる。
【0160】
一観点においては、図18の電力制御装置200は、(そのパラメータが電源制御装置に供給される電力に関係する)スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が、(スイッチ214がオンまたは閉止の場合に、抵抗器Rsenseによってサンプリングされるインダクタ電流ILを介しての)入力電流Iinを表わす検知電圧Vsenseである点において、図15に示す構成に基づいている。
【0161】
図18の態様において、エネルギー伝達要素202は、ダイオード24、キャパシタ34、およびインダクタ220を含む、バック変換器構成として示してある(例えば、バック変換器構成の例については図1を参照)。バック変換器構成は、図13のエネルギー電圧配設202におけるバック・ブースト変換器構成とは異なり、図18においては、様々な変換器構成を、電力制御装置200の異なる態様によるエネルギー伝達配設202に使用できることを、再び強調するために示してある。
【0162】
エネルギー伝達配設202について、図18に示すバック変換器構成と図13のバック・ブースト変換器構成との顕著な違いの1つは、図18のバック変換器においては、スイッチ214がオンまたは閉止の場合に、装置200が引き出す電流Iinが、負荷218(例えば、前記の1つまたは2つ以上のLED100)とともに、インダクタ220を通過することである。この意味で、ここで認識すべきことは、所与のスイッチングサイクルの時間間隔tonおよびtoffの両方の間に、一部の電力が負荷218に供給されることである。この状況は負荷に配給しようとする所望の電力を計算するときに考慮しなくてはならないが、スイッチング動作のデューティサイクルと有効周波数の一方または両方に基づいて負荷電力を制御することに関して上記で考察した一般概念は、バック変換器およびバック・ブースト変換器構成の両方に加えて、電力制御装置200の様々な態様におけるエネルギー伝達配設202に使用することのできる、その他多種多様なDC‐DC変換器構成に対して、同様に応用することができる。
【0163】
図18の態様においては、上述のように、スイッチコントローラ204は、様々な機能を使用して、スイッチ214のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方の制御を容易にする。この目的で、この態様の一観点においては、スイッチコントローラ204には、所望の負荷電力を表わす入力情報208を受け取る、プロセッサ250を含めてある。入力情報208に応答して、プロセッサ250は、出力として(最終的にスイッチ214のデューティサイクルを決定する)電圧設定点Vsp、ならびに(スイッチ214の有効スイッチング周波数を決定する)周波数feffを有する修正パルスストリーム42'を供給するように構成されている。図18に示すように、別の態様によれば、プロセッサ250は、図17と関係して上記で考察したパルス生成コントローラ230の機能を実装して、それによって修正パルスストリーム42'を供給するように構成されている。スイッチコントローラ204のその他の図示した構成要素、すなわちコンパレータ62およびパルス幅変調器36は、図15と関係して上記で考察したように、プロセッサ250によって供給される出力Vspおよび修正パルスストリーム42'に基づいて機能する。
【0164】
図18の態様において、プロセッサ250は、様々な方法のいずれによっても入力情報208を処理するように構成してもよい。すなわち、一般的に、プロセッサは、入力情報208によって表わされる所望の負荷電力に基づいて、パラメータVspおよびfeffの一方または両方を変化させるように構成することができる。この能力は、異なる種類の負荷に対して負荷電力を制御する際に、広範な柔軟性をもたらす。
【0165】
例えば、この態様の一観点において、比較的高い範囲の所望負荷電力に対して、プロセッサは、電圧Vspを所定の値に固定して、それによってスイッチのデューティサイクル、したがって所与のスイッチングサイクルにおいて負荷に伝達されるエネルギー量を固定するように構成してもよい。Vspを固定した状態で、次いで、有効スイッチング周波数feffに対する調節(修正パルスストリーム42'への変更)によって負荷電力を制御するように、プロセッサを構成してもよい。それとは異なり、比較的低い範囲の所望負荷電力に対して、feffをある適当な所定値に一定に保持しながら、電圧Vspを変化させるように、プロセッサを構成してもよい。さらに別の観点においては、所望負荷電力のある中間範囲に対して、Vspおよびfeffの両方を変化させるようにプロセッサを構成してもよい。
【0166】
異なる制御パラメータを使用して、所望負荷電力の異なる範囲にわたって、負荷への電力を変化させる、前述の例示的手法は、低い負荷電力において高い電力分解能が一般的に望ましい、1つまたは2つ以上のLEDを含む負荷を制御するのに、特に有用となることがある。特に、約100Hzに近づく比較的低い有効スイッチング周波数において、(約100Hzより相当に低いスイッチング周波数における「フリッカー効果」を回避するための)Vspに対する調節によって、負荷電力のさらなる低減を達成することができる。また、図17と関係して上記で考察した改善された電力分解機能も、有効スイッチング周波数feffを介しての、より正確な、低い範囲での負荷電力制御を促進するのに使用することができる。重ねて、前述したことは、デューティサイクルおよびスイッチング周波数の一方または両方を介して、負荷に対する電力を柔軟な制御の、いくつかの例を提供することだけを意図するものであり、本開示による様々な態様は、これらの例に限定はされないことを認識すべきである。
【0167】
図18に示す電力制御装置200の態様の別の観点において、プロセッサ250をアドレス指定可能なデバイスとして、ネットワークを介して電力制御装置200の制御を容易にすることができる。例えば、ネットワーク環境においては、それぞれの負荷を備える複数の電力制御装置を含む、ある数の異なるデバイスに入力情報208を供給してもよく、この入力情報208には、複数電力制御装置に対する負荷電力制御情報を含めることができる。一態様によれば、入力情報208は、ネットワークを介して異なる電力制御装置に伝達されるので、所与の装置のプロセッサ250は、それに関係する(例えば、場合によっては、そのプロセッサに関連する特定の識別子またはアドレスによって指定される、)特定の情報/データ(例えば、電力制御命令)に応答するように構成することができる。プロセッサ250が、それを対象とする特定の情報/データを識別すると、プロセッサは、その情報/データを処理して、それに応じて負荷電力状態を制御することができる(例えば、図18におけるVspおよびfeffの一方または両方によって)。
【0168】
図18に示す態様の、さらに別の観点においては、所与の電力制御装置200のプロセッサ250は、ネットワークに結合されていると、いないにかかわらず、(例えば、米国特許第6016028号において考察されているように)DMXプロトコルで受け取られる入力情報208を解釈するように構成してもよく、このプロトコルは、従来からライティング業界において一部のプログラム可能なライティング応用に使用されている、ライティングコマンドプロトコルである。しかしながら、ここで認識すべきことは、本開示の様々な態様による電力制御装置は、この点で限定されることはなく、その他の種類の通信プロトコルに応答するように構成することができる。
【0169】
図19は、本開示のさらに別の態様による電力制御装置200を示す図であり、この装置においては、スイッチ214のデューティサイクルと有効スイッチング周波数の両方を制御して、負荷218への電力を制御することができる。図19に示す態様において、負荷は、ここでも光源として示してあり、この光源には、バック変換器構成に基づくエネルギー伝達配設202に結合された、1つまたは2つ以上のLED100が含まれる。しかしながら、ここで認識すべきことは、図19に示す装置のこれらの観点は、例としてだけ提供するものであり、図19の態様は、これらの点に制限はされないことである。
【0170】
一観点において、図19の電力制御装置200は、スイッチコントローラ204に供給される監視パラメータ206が入力電圧212(Vin)である点において、図16に示す構成に基づいている。特に、図19に示すスイッチコントローラのプロセッサ250には、A/D変換器226を含めて、電圧Vinを監視して、この入力電圧の適当なディジタル化表現を供給することができる。図18の態様と同様に、図19のプロセッサ250の構成も、パルス生成コントローラ230の機能を実現して、やはり、入力情報208として所望負荷電力の何らかの表現を受け取り、これに応答して、プロセッサ250は、制御信号216を介して、デューティサイクル(例えば、上記の式(3)を参照)および/またはスイッチ214の有効スイッチング周波数を制御するようにしてもよい。
【0171】
図19に示す態様のその他の観点においては、電力制御装置200は、図18に関係して上記に考察したように、種々の方法のうちのいずかで入力情報208を処理して、所望負荷電力の様々な範囲にわたって、スイッチ214のデューティサイクルおよび/または有効スイッチング周波数を柔軟に制御するように構成することができる。さらに、図19のプロセッサ250は、アドレス指定可能なデバイスとして、ネットワークを介して電力制御装置200の制御を促進してもよい。この態様のさらに別の観点においては、プロセッサ250は、DMXプロトコルで受け取られる入力情報208を解釈するように構成してもよい。
【0172】
本開示の様々な態様による電力制御装置のいくつかの実装形態において、エネルギー伝達配設202の1つまたは2つ以上のエネルギー伝達要素(例えば、インダクタ、変換器)には、タップ付インダクタまたは異なる巻数を有する複数の巻線を備える変換器を含めて、これらに対して、入力電圧を印加するとともに、それから出力電圧を引き出してもよい。そのような構成要素は、電力制御装置のDC入力電圧VinおよびDC出力電圧Voutが相当に異なる(すなわち、入力電圧が出力電圧よりも顕著に大きいか、または小さい)状態において、負荷に対する電力を効果的に制御する、電力制御装置の実装を容易にすることができる。
【0173】
再び図1を参照して、以下の式で与えられる、従来型バック変換器に対する、基本的な入力‐出力電圧関係を考える。
【数17】
(ここで、Dはスイッチのデューティサイクルである。)先に考察したように、その他のDC‐DC変換器構成は、いくぶん類似する、電圧比とデューティサイクルの関係を有する。いかなる場合にも、上記の関係は、一般に、所望の出力電圧が、利用可能な入力電圧と大幅に異なるようになると、場合によっては、スイッチの要求ディーティサイクルは、スイッチングサイクルの全体周期と比較して、非常に短いか、非常に長くなる可能性がある。一般に、非常に低いデューティサイクル(非常に短いパルス時間ton)または非常に長いデューティサイクル(非常の短いオフ時間toff)は、各スイッチングサイクルにおいて、負荷に伝達されるエネルギー量を正確に制御することをより困難にする。
【0174】
前述のことを考慮して、本開示の様々な態様による電力制御装置のいくつかの実装形態においては、エネルギー伝達配設202においてタップ付インダクタまたは異なる巻数の巻線を有する変換器を使用し、それによって、インダクタまたは変換器の巻数比Nが、より正確なエネルギー伝達の制御を促進するようにすることができる(巻数比Nは、一般に、入力電圧がそれに印加される変換器またはインダクタの巻線の数を、出力電圧がそこから取り出される巻線の数によって除したものとして、定義される)。様々な態様において、インダクタまたは変換器の巻数比は、所望の入力‐出力電圧関係を本質的に維持しながら、パルス時間tonが時間toffに対して増大するように選択することができる。特に、Nの値が大きくなると、負荷へのエネルギーの伝達中の電流が増大し、したがって、蓄積エネルギーをより迅速に負荷に伝達することができる。
【0175】
図20は、本開示の一態様による、タップ付インダクタ220Tを組み込んだエネルギー伝達配設202を有する電力制御装置の一部分を示す回路図である。特に、図20に示すエネルギー伝達配設は、図18、19に示すバック変換器構成と類似しているが、インダクタ220ではなく、タップ付インダクタ220Tを含む。ここで認識すべきことは、本明細書において考察した、他のエネルギー伝達配設のいずれにも、何らかの不均一(non-unity)巻数比Nを有する、タップ付インダクタまたは変圧器を備えてもよいこと、および図20に示す例示的バック変換器構成配設は、主として説明の目的で設けたものであることである。
【0176】
図20の態様において、入力電圧Vinは、周期的に負荷218の両端、およびタップ付インダクタ220Tの巻数のすべてに印加されるのに対して、出力電圧Voutは、タップ付インダクタ220Tの全巻数の一部だけから引き出される。したがって、タップ付インダクタ220Tの巻数比Nは、1よりも大きい。タップ付インダクタ220Tを使用する、図20のエネルギー伝達配設202の入力‐出力電圧関係は、一般に次式で与えられる。
【数18】
ここで、T=1/fは、各スイッチングサイクルの周期である。
【0177】
図20に示すエネルギー伝達配設202およびそのような実装形態に対する例示的な回路値を使用する、電力制御装置の例証的実装形態を提供するために、期待される入力電圧Vinは400ボルト程度、所望の出力電圧Voutは20ボルト程度、スイッチング動作の周波数fは100kHzであり、タップ付インダクタ220Tの巻数比がN=3である、応用を考える。さらに、この例示的実装において、負荷に供給される所望の電力は、定格で約10から15ワット程度である。
【0178】
この例において不連続モード動作を保証するために、再び図14を参照すると、数量ton+t2を、周期Tよりもわずかに小さく、例えば0.9Tとなるように選択することができる。これを念頭において、上記の式(6)を適用すると、時間tonは近似的に次式で与えられる。
【数19】
【0179】
ここで、t2への代入は、上記の第2の式において、T=20ton/3に設定することによって、得られる。式(3)から、時間間隔tonは、以下の式に従ってインダクタのインダクタンスL、周波数f、所望の電力P、および入力電圧Vinで表わすこともできることを思い起こされたい。
【数20】
【0180】
上記の関係から、tonに対して1.35の近似値、周波数f=100kHz、入力電圧Vin=400ボルト、およびタップ付インダクタ220Tに対する例示的インダクタンス値L=1.0ミリヘンリーを使用すると、結果として得られる負荷への電力Pは、約14.5ワットである。勿論のこと、いくつかの態様に関係して上記で考察したように、上記で与えた負荷電力に対する例示的定格値は、周波数fおよび時間間隔tonの一方または両方を変化させることによって変えることができる。
【0181】
ここでも認識すべきことは、前述の例は、可能な一実装形態に対して例示的な回路値を改定して、入力および出力電圧パラメータおよび所望負荷電力の例示的な範囲を、全体的に説明することを主目的として示したものであることである。一般に、タップ付インダクタのインダクタンス値Lおよび巻数比N(ならびに、変圧器が使用される態様における変圧器に対する対応する値)は、期待入力電圧、所望出力電圧、およびスイッチング周波数の全体範囲を与えられると、所望の範囲の負荷電力の予測可能な伝達を促進するために選択することができる。
【0182】
本開示の様々な態様による電力制御装置のいくつかの実装形態において、使用される実際の構成要素に応じて、1つまたは2つ以上のエネルギー蓄積要素(例えば、インダクタ)は、各スイッチングサイクルのtoff時間間隔中に、その蓄積エネルギーを、負荷に対して完全に放出できないことがある。エネルギー蓄積要素としての役割を果たすインダクタまたは変圧器の場合には、この残留エンルギーは、第1に巻線キャパシタンスによるものである可能性がある。巻線キャパシタンス中に蓄積される残留エネルギーの量は、(エネルギー・キャパシタンス関係W=(1/2)CV2は、主項目として電圧の2乗項を含むので)電圧依存である。そのような残留エネルギーは、スイッチングサイクルの完了時に「リンギング(ringing)」として観察することができ、これは、巻線キャパシタンスからインダクタンスへ、そして再び元に戻るエネルギーの連続的伝達を表わす。場合によっては、この残留エネルギーは、電力を負荷に伝達する精度に影響を与える可能性がある。
【0183】
一態様によれば、残留エネルギーによる、このリンギング効果は、第1に、低い巻線キャパシタンスを有する、インダクタまたは変圧器を選択することによって低減することができる。残りの残留エネルギーは、エネルギーの負荷への伝達が完了するやいなや、残留エネルギーに対する放出経路を設けることによって、低減またはさらに実質的に解消することができる。例えば、図20に示す例示的回路を再び参照すると、ダイオード20が、周期中に導通を停止すると(すなわち、実質的に、インダクタ220Tに蓄積されたエネルギーのすべてが負荷100に伝達された時点で)、低いインピーダンスを、インダクタ220Tの両端に短時間、適切に配置して、それによって残留エネルギーがあればそれを効果的に放出させてもよい。1つの例示的実装形態において、このことは、インダクタ巻線の両端に補助トランジスタ(例えば、FET)を配置し、これを、適当な時間に(例えば、ダイオード24が導通を停止した後に)暫時オンにすることによって達成することができる。別の例示的な実装形態において、図20Aに示す回路構成を使用してもよい。図20Aにおいて、タップ付インダクタ220Tは、3つの巻線の直列接続として示してあり、それらの1つの両端で、電圧216を得ることができる。
【0184】
図21は、上記で考察した様々な電力制御装置に基づく、本開示の別の態様を示すブロック図である。図21の態様において、例えば図18または19において示したものと類似する、複数の電力制御装置200A、200B、200Cは、互いに結合して、ライティングネットワーク420を形成することができる。そのようなネットワークの一実装形態においては、各電力制御装置は、DC入力電圧212(Vin)から動作電力を受け取る。図21には明示的に示していないが、例えば、整流およびフィルタリング構成要素を介して、AC電力源(例えば、AC線間電圧)から、DC入力電圧を引き出すこともできる。また、各電力制御装置は入力情報208を受け取り、複数のLEDベース負荷を制御して、一般照明および/または多様なライティング効果をもたらすように構成される。
【0185】
より詳細には、図21に示すライティングネットワーク420において、電力制御装置200A、200B、200Cは、それぞれのLEDベース負荷100A、100B、100Cに配給される電力を、入力情報208に基づいて制御するように構成されている。一観点では、LEDベース負荷のそれぞれに、1つまたは2つ以上の同一色のLEDを含め、異なる負荷には異なる色のLEDを含めてもよい(例えば、負荷100Aには1つまたは2つ以上の赤色LEDだけ、負荷100Bには1つまたは2つ以上の緑色LEDだけ、そして負荷100Cには1つまたは2つ以上の青色LEDだけを含めてもよい)。その他の観点では、LEDベース負荷100A、100B、100Cの1つまたは2つ以上に、白色LEDだけを含め、2つ以上の異なるLEDベース負荷には、異なるそれぞれのスペクトルまたは色温度を有する放射を生成する白色LEDを含めてもよい(例えば、負荷100Aには、第1のスペクトルを有する放射を生成する1つまたは2つ以上の白色LEDを含め、負荷100Bには、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを有する放射を生成する1つまたは2つ以上の白色LEDを含めてもよい)。別の観点では、それぞれの負荷には、同一または異なる数のLEDを含め、負荷の1つまたは2つ以上には、様々な直列、並列、または直列/並列の任意の構成で相互接続された、複数のLEDを含めてもよい。さらに別の観点では、負荷100A、100B、100Cの1つまたは2つ以上には、混色の複数のLEDを含めてもよい。
【0186】
図21においては、ライティングネットワーク420は、3つの電力制御装置200A、200B、200Cを含む状態で示してあるが、ライティングネットワークはこの点に限定されず、異なる数の電力制御装置および関連する負荷を、様々な態様による、そのようなライティングネットワークに含めることができることを認識すべきである。さらに、その他の態様において、LEDベース負荷以外の1つまたは2つ以上の負荷を、ネットワーク420内の構成要素の全体配設に基づいて、類似の複数負荷構成において使用することもできる。
【0187】
図21に示すように、ネットワーク420を形成する電力制御装置のすべてを、例えば、1つまたは2つ以上のネットワークコントローラ425から供給することのできる、共通に配布される入力情報208を受け取るよう構成してもよい。この目的で、この態様の一観点においては、ネットワーク420を形成する複数電力制御装置を、図18、19に関係して上記で考察したように、それぞれの固有の識別子(アドレス)を有するアドレス指定可能プロセッサで構成して、所与の電力制御装置が、それに関係する入力情報208の特定の部分(例えば、電力制御命令)に応答するように構成してもよい。この態様のさらに別の観点においては、ネットワークコントローラ425およびネットワーク420を形成するそれぞれの電力制御装置のプロセッサは、DMXプロトコルを用いて、入力情報208を伝達するように構成してもよい。
【0188】
図21の態様のその他の観点において、ライティングネットワーク420の所与の電力制御装置は、全体的に図12に示す態様によって表わすことができるとともに、多種多様なエネルギー伝達配設ならびに図15〜20に関係して上記で考察した様々な他の機能の任意のものを組み込むことができる。特に、図21の電力制御装置のエネルギー伝達配設は、絶縁機能を備えるか、または備えないものを含み、多数のDC‐DC変換器構成のいずれか1つに基づくことができる。
【0189】
図21に示すライティングネットワーク420の一観点においは、それぞれの電力制御装置200A、200B、200Cによって実現されるDC‐DC変換器機能は、比較的高いDC入力電圧Vin(例えば、約150〜400ボルトDC程度)がネットワーク420を形成する電力制御装置に分配することのできる、ネットワークを促進し、この電力制御装置それぞれは、それに関連するLEDベース負荷に相当に小さな出力電圧Vout(例えば、20ボルト程度)を供給する。ここで認識すべきことは、比較的高いDC電圧を介してネットワーク全体にDC電力源を分布させることによって、相当なケーブル長を含むネットワーク実装に対しては重大な問題となることのある、抵抗電力損失を低減し、それによって電力効率を向上させることができることである。
【0190】
図22は、本開示の別の態様による、複数の電力制御装置200A、200B、200Cを組み込んだライティング装置500の図である。図22の態様の一観点において、ライティング装置500は、AC線間電圧67(例えば、AC電力源)からの電力および入力情報208を受け取り、複数のLEDベース負荷を制御し、一般照明および/または多様なライティング効果を提供するように構成される。
【0191】
より詳細には、図22に示すライティング装置500においては、電力制御装置200A、200B、200Cは、図21に関係して上記で考察したのと同様な方法で、入力情報208に基づいて、それぞれのLEDベース負荷100A、100B、100Cに配給される電力を制御するように構成されている。図21の態様と関係して上記で考察したように、それぞれのLEDベース負荷100A、100B、100Cには、様々な数、配設、および色のLEDを含めることができる。同様に、図22においてライティング装置500は、3つの電力制御装置200A、200B、200Cを含む状態で示してあるが、ここで認識すべきことは、このライティング装置はその点において限定されるものではなく、任意の数(すなわち、1つまたは2つ以上)の電力制御装置および関連する負荷を、様々な態様によるライティング装置に含めることができることである。さらに、その他の態様において、装置500内の構成要素の全体配設に基づいて、LEDベース負荷以外の1つまたは2つ以上の負荷を、同様な複数負荷構成において使用することができる。
【0192】
図22の態様の一観点において、それぞれの制御装置200A、200B、200Cは、共通のDC入力電圧212(Vin)を受け入れ、この入力電圧は任意選択の力率補正装置520によって供給することができる。任意選択の力率補正装置が使用されない場合には、DC入力電圧212は、上記の図8に示したのと類似の方法で、AC線間電圧67(すなわち、AC電源)に結合されたブリッジ整流器68の出力を横断する、フィルタキャパシタ35(Cfilter)の両端で得ることができる。代替的に、力率補正装置520が使用される態様においては、力率補正装置520は、ブリッジ整流器68の出力からの電力を受け入れ、フィルタキャパシタ35は、力率補正装置の出力段階において使用される(例えば、図9Aを参照)。
【0193】
図9A、9Bに関係して上記で考察したように、電力制御装置200A、200B、200CなどのDC‐DC変換器スイッチングデバイスは、一般に、短いパルスで電源から電流を引き出す。しかしながら、AC電源からの最大電力効率のためには、AC線間電圧から最終的に引き出される入力電流は、理想的には、サイン波形状を有するとともにAC線間電圧と同相でなくてはならない。この状況は、一般に、「力率1」と呼ばれる。電力制御装置のスイッチング特性と、結果として生じるパルス状電流引出しとによって、これらの装置は、1未満の力率を有し、したがって最適電力効率よりも低い。また、電力制御装置が、介入整流およびフィルタリングだけを用いて(すなわち、力率補正なしで)、AC線間電圧から電流を引き出す場合には、この装置によって引き出されるパルス状電流は、異常なストレスを発生させ、AC線間電圧上に一般的に望ましくないノイズおよび高調波を導入する。
【0194】
前述のことを考慮して、図22に示す力率補正装置520は、これらの問題に対処して、AC線間電圧67から電力制御装置200A〜Cへ、より効率的な電力の供給を行うように構成されている。しかしながら、ここで認識すべきことは、応用によっては、力率補正装置520は必要ではないこと、およびその他の態様においては、ライティング装置500は力率補正なしで実現できることである。図9Bに関係して上記で考察したように、ある数の従来型集積回路力率補正コントローラ(図22には詳細に示さず)を、図22のライティング装置の例示的な一実装形態における、力率補正装置に使用してもよく、その例としては、それに限定はされないが、フェアチャイルドセミコンダクタ(Fairchild Semiconductor)ML4821 PFCコントローラ、リニアテクノロジ(Linear Technology)LT1248またはLT1249コントローラ、およびSTマイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics) L6561コントローラが挙げられる。
【0195】
やはり図22に示すように、ライティング装置500には、プロセッサ550を含めて、電力制御装置200A、200B、200Cの1つまたは2つ以上のための電力制御情報を含む入力情報208を受け取ってもよい。プロセッサ550は、入力情報208に基づいて、制御信号208A、208B、208Cを供給して、それぞれの電力制御装置200A、200B、200C(したがって、それぞれの負荷100A、100B、100Cによって生成される光の強度)を独立に制御するように、構成される。様々な観点において、図18、19に関係して上記に考察したように、プロセッサ550を、アドレス指定可能なデバイスとして構成して、ネットワークを介してのライティング装置500の制御を容易にしてもよい。この態様のさらに別の観点において、プロセッサ550は、DMXプロトコルで受け取られる入力情報208を解釈するように構成してもよい。
【0196】
図22の態様のその他の観点において、ライティング装置500の所与の電力制御装置は、全体的に図12に示す態様によって表わすことができるとともに、種々のエネルギー伝達配設ならびに図15〜20に関係して上記に考察した他の様々な機能の任意のものを組み込むことができる。特に、図22の所与の電力制御装置エネルギー伝達配設は、絶縁機能を備えるもの、または備えないものを含み、多数のDC‐DC変換器構成のいずれか1つに基づくことができる。上記で考察したように、図12において全体的に表わされる電力制御装置は、負荷に関係するいかなるフィードバック機能も含まないので、用途によっては、電力は最終的にAC電源から引き出されるが、絶縁機能を含まないDC‐DC変換器構成をライティング装置500に使用することができる。ここでも、この機能は、場合によっては本明細書において考察した様々な態様によるライティング装置500を、大幅に簡略化して実現すること(例えば、少数の構成要素、高い電力効率、小さいスペース要求、その他)を容易にする。
【0197】
さらに、図22に示すライティング装置500のさらに別の観点では、図15〜20に示したスイッチコントローラ204の様々なプロセッサまたはその他の構成要素によって実行される1つまたは2つ以上の機能は、プロセッサ550によって実行することもできる。言い換えると、プロセッサ550の資源を、電力コントローラ200A、200B、200Cの間で共有して、それぞれのスイッチコントローラに関連する機能の一部を、プロセッサ550に移すことができる。
【0198】
例えば、図22のライティング装置500の一態様においては、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれは、図18に示したものと同様にすることができる。しかしながら、この態様においては、各電力制御装置のスイッチコントローラ204には、図18に示したプロセッサ250を必ずしも含めず、その代わりに、プロセッサ250のそれぞれによって実行される機能を、プロセッサ550によって集合的に実行することができる。この態様の一観点においては、プロセッサ550によって出力される制御信号208A、208B、208Cのそれぞれは、2つの信号、すなわち(デューティサイクルを制御するための)設定点電圧Vspを表す第1の信号、および(有効スイッチング周波数feffを制御するための)修正パルスストリーム42'を表わす第2の信号である。ここでも、プロセッサ550は、電力制御装置200A、200B、200Cの1つまたは2つ以上のための電力制御情報を含めることのできる、入力情報208を処理して、この入力情報208に指定されるように、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれに独立に、設定点電圧Vspおよび修正パルスストリーム42'を適切に供給するように構成される。
【0199】
図22のライティング装置500の、さらに別の態様においては、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれを、図19に示すものと同様にすることができる。しかしながら、この態様の一観点において、各電力制御装置のスイッチコントローラ204の機能は、本質的に、プロセッサ550に完全に移管することができる。特に、プロセッサ550は、共通入力電圧Vin(例えば、図22における破線接続206を参照)を(例えば、内部A/D変換器によって)サンプリングするように構成してもよく、プロセッサ550によって出力される制御信号208A、208B、208Cは、それぞれ、電力制御装置200A、200B、200Cのそれぞれにおけるスイッチ214を制御する制御信号216としての役割を果たす。プロセッサ550は、独立に制御信号208A、208B、208Cを生成して、それによってスイッチ214のそれぞれの、デューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の一方または両方を調節して、入力情報208に基づいて、それぞれの負荷100A、100B、100Cへの電力を制御するようにさらに構成してもよい。
【0200】
ライティング装置500のさらに別の態様においては、図22Aに示すように、プロセッサ550‐Aを、上述のように電力制御装置200A、200B、200Cを制御するだけでなく、負荷100A、100B、100Cと関連する1つまたは2つ以上のパラメータに関する予め分かっている情報に基づいて、力率補正装置520‐Aの制御を容易にするように構成することができる。この態様のさまざまな観点によれば、負荷の1つまたは2つ以上に関係する何らかの特定の情報、例えば所与の負荷に対する所望電力(入力情報208によって供給される)および/または所与の負荷に印加すべき電圧Voutを予め知ることによって、プロセッサ550‐Aは、力率補正装置520‐Aを「フィードフォワード」方式で制御して、力率補正装置の動作を大幅に改善することができる。
【0201】
ここで、図9A、9Bに関係して上記で考察したように、従来型力率補正装置の全体制御ループ応答は(主として図9Bに示すフィードバックループ524のせいで)、線路周波数(例えば、50または60Hz)と比較して、比較的遅い(例えば、約10から20Hzのバンド幅)。従来型力率制御ループの応答が比較的遅いことから、生成される電圧Vinにおける変化(これは、線間電圧から引き出す電流IACに対する調節に影響を与える)があればそれは、任意のサイクル中に急激に発生するのではなく、線間電圧の複数サイクルにわたって発生することを保証することによって、高い力率をもたらす必要がある。しかしながら、この比較的遅い制御ループ応答の結果として、従来型力率補正装置は、線間電圧または電力消費の過渡事象と関係して、潜在的な不安定性および最適値を下回る性能で知られている。
【0202】
前述のことを考慮して、図22Aの態様におけるプロセッサ550‐Aは、予想される負荷状態についての既知の情報を「フィードフォワード」することに基づいて、力率補正装置520‐Aを制御するように構成される。このようにして、力率補正装置520‐Aの全体制御ループ応答を大幅に改善して、それによって、特に1つまたは2つ以上の所望負荷電力が短い時間間隔に広い範囲を移動する(例えば、負荷の全オフから負荷の全オンまで、またはその逆)状況において、電源制御装置200A、200B、200Cに供給される電圧212(Vin)における変動を低減することができる。重大/急激な付加電力需要要求によるVinの変動を軽減することによって、より安定な力率補正制御を実現することができる。さらに、信号値に対してより予測が容易な期待値に基づいて、より小さい回路構成要素(例えば、小型フィルタキャパシタ35)を使用し、それによって実装される回路のコストおよび/または寸法を低減することができる。
【0203】
図22Aに示すように、この態様のプロセッサ550‐Aは、入力としてブリッジ整流器68によって出力される整流線間電圧69(VAC)ならびに力率補正装置520‐Aが引き出す電流IACを表わす信号71(Isamp)を受け取る(信号Isampの導出については、図22B、22Cと関係して以下にさらに考察する)。プロセッサ550‐Aは、また、入力として、電力制御装置200A、200B、200Cに供給される電圧212(Vin)、およびそれぞれの所望電力を表わす入力情報208を受け取る。これらの入力に基づいて、プロセッサ550‐Aは、図22と関係して上記で考察したように、制御信号208A、208B、208Cならびに力率補正装置520‐Aを制御するための力率制御信号73を生成するように構成される。
【0204】
図22Bは、本開示の一態様による、力率補正装置520‐Aの回路概略を、力率補正装置520‐Aの制御専用のプロセッサ550‐Aの一部分の概念的機能ブロック図とともに示すものである。一般に、図22Bに示すプロセッサ550‐Aの部分は、電圧Vinに最終的に結合される集合負荷の、計算による合計予想電力引出し量PTOTALを制御ループ中に「フィードフォワード」することに部分的に基づいて、力率補正装置520‐Aに対する有効コンダクタンスGPFCを特定するように構成される。ここで図9Bから、PFCコントローラの一般アーキテクチャは、電圧フィードバックループおよび電流フィードバックループを含み、導出された力率補正装置に対する有効コンダクタンスGPFCに基づいて、力率補正装置によって引き出される瞬時の電流IACを処理する制御戦略を実装することを思い起こされたい。図22Bの実装形態において、電圧フィードバックループ524‐Aは、AC電源から引き出される合計予想電力を表わす項目PTOTALを含めるように、図9Bに示すものから修正されている。このようにして、図9Bにおけるように、電圧Vinにおける変化に単に応答性を有する(したがって、ローパルフィルタLPFの低い帯域幅の影響を受ける)のではなく、図22Bの電圧フィードバックループ524‐Aは、より「予見的(proactively)」に機能して、フィードフォワードされた項PTOTALに基づいて有効コンダクタンスGPFCを生成する。
【0205】
より詳細には、図22Bのプロセッサ550‐Aは、入力情報208に部分的に基づいて合計電力計算552を実行するように構成され、この入力情報は、任意の時間における負荷100A、100B、100Cのそれぞれに対する所望の負荷電力に関係する情報を含む。この態様の一観点によれば、合計電力計算の一部として、プロセッサ550‐Aは、入力情報208に表わされる、それぞれの所望負荷電力を合計する。別の観点では、プロセッサは、さらに、それぞれの電力制御装置自体における電力消費および/または損失556を考慮し(図22Bにおいて「雑電力(Miscellaneous Power)」と示してある)、例えば、電力制御装置のそれぞれには、1つまたは2つ以上のIC電源を含めて、各装置における回路に対して様々なバイアス電圧を供給することができる。さらに、各電力制御装置は、一般に、関連する効率損失を有する。この電力消費および/または損失556は、電力制御装置に使用される特定の回路に基づいて、予め計算および/または推定することができ、項目PTOTALを供給するために合計電力計算においてプロセッサが使用するために、メモリ中に記憶される。
【0206】
図22Bに示すように、次いでプロセッサ550‐Aは、電圧フィードバックループ524‐A内で誤差信号Veを調整する、ローパスフィルタの出力に対応する別の項を、項目PTOTALに加える。このようにして、調整誤差信号は、フィードフォワード合計電力項PTOTALに対する調節または補正としての役割を果たし、コンダクタンス計算554において使用するための調節項P*TOTALをもたらす。P*TOTAL項は、AC電源から引き出される予想される実際電力を実質的に表わすこと、および力率補正装置は、引き出される皮相電力を、引き出される実際電力に等しくすることを仮定して、以下の関係に従って、コンダクタンス計算554を実行するように、プロセッサを構成してもよい。
【数21】
【0207】
したがって、有効コンダクタンスGPFCを求めるために、プロセッサ550‐Aは、整流電圧VACをサンプリングして、それによってそのピークを求め、次いで、P*TOTAL項に基づいて上記の計算を実施する。
【0208】
このようにして有効コンダクタンスGPFCを導出すると、図22Bに示すプロセッサ550‐Aは、次いで、図9Bと関係して上記で考察したのと同様の方法で、電流フィードバックループ528Aを実装するように構成される。特に、プロセッサ550‐Aは、有効コンダクタンスGPFCに監視整流線間電圧VACを乗じて、線間電圧から引き出そうとする所望電流を表わす、参照電流信号I*ACを生成するように構成される。この信号I*ACは、したがって、電流制御ループ528−Aに参照値または「設定点」を供給し、そこでI*ACは、信号71(Isamp)(例えば、比例積分微分(PID)コントローラ)と比較される。そのような比較の結果として、電流誤差信号Ieが得られて、この信号は、(例えば、図7と関係して上記で考察したものと類似の)パルス幅変調(PWM)スイッチコントローラを制御する。PWMスイッチコントローラは、スイッチSWPFCを制御する制御信号73を出力し、それによって引き出されている実際の電流IACを処理する。
【0209】
図22Cは、本開示の一態様による、力率補正装置520‐Aのさらなる回路詳細を示す図である。図22Cの回路において、信号69'(VACSENSE)は、整流された線間電圧69からR49、R50、R51によって形成された抵抗分割器(resistor divider)ネットワークを介して導出され、監視された整流線間電圧VACを表わす信号としてプロセッサ550‐Aに送られる。装置520‐Aによって引き出される実際電流信号71(Isamp)は、回路構成要素R48、R29、R30、C21、U5を含む、電流検知要素526を介して導出される。スイッチSWPFCを制御するためにプロセッサ550‐Aによって出力される制御信号73は、最初に、バッファー増幅器U11B、次いでスイッチSWPFCに信号73'として送られる。フィルタキャパシタンス35は、並列に接続された3つのキャパシタC36、C37、C40によって、図22Cの回路内に設けられる。信号212'(VDCSENSE)は、DC電圧212(Vin)からR47、R46、R52によって形成された抵抗分割器ネットワークを介して導出され、電圧212(Vin)を表わす信号としてプロセッサ50‐Aに送られる。
【0210】
上記で考察したように、合計予想電力消費を表わすフィードフォワード項PTOTALによって、力率補正装置520‐Aおよびプロセッサ550‐Aの全体制御ループ応答は、大幅に向上して、特に、1つまたは2つ以上の所望負荷電力が短時間に広範囲を移動する状況(例えば、負荷全閉から負荷全開へ、またはその逆)において、電力制御装置200A、200B、200Cに供給される電圧212(Vin)における変動が低減される。重大/急激な負荷電力需要要件による、Vinの変動を軽減することによって、より安定性の高い力率補正制御を実現することができる。さらに、信号値に対するより予測可能な期待値に基づいて、より小型の回路構成要素(小型フィルタキャパシタ35などの)を使用し、それによって実装回路のコスト/寸法を低減することができる。
【0211】
図22A、22B、22Cと関係して上記で考察した「フィードフォワード」力率補正手法について、複数の負荷100A、100B、100Cを含むライティング装置500に関係して説明したが、ここで認識すべきことは、この力率補正手法はこの点において限定されないことである。逆に、図22A、22B、22Cと関係して上記で考察した概念は、負荷(複数を含む)による予期電力消費に関する何らかの情報を使用して力率補正機能を促進する、任意の数/種類の負荷の力率補正に対してより一般に適用することができる。
【0212】
図23は、図22または22Aのライティング装置500に基づく、本発明の開示のさらに別の態様を示すブロック図である。図23の態様において、図22または22Aに示したものと類似する、複数のライティング装置500A、500B、500Cを、互いに結合してライティングネットワーク620を形成することができる。図23に示すように、そのようなネットワークの一実装形態において、各ライティング装置は、AC線間電圧67から動作電力を受け入れ、したがって、ブリッジ整流器を含むとともに、図22または22A、22B、22Cに関係して上記で考察したように、任意選択で力率補正装置を含むようにしてもよい。さらに、ネットワーク620を形成する複数ライティング装置は、例えば、1つまたは2つ以上のネットワークコントローラ625から供給することのできる、共通に配布される入力情報208を受け取るように構成してもよい。
【0213】
この態様の一観点では、図23に示すネットワーク620を形成する複数のライティング装置には、それぞれ固有の識別子(例えば、アドレス)を含めて、それによって所与のライティング装置を、入力情報208の特定の部分(例えば、電力制御命令)に応答するように構成してもよい。この態様の別の観点においては、AC線間電圧の形態で動作電力をそれぞれ受け取る、この複数ライティング装置の構成は、大きな距離にわたり分散された相当な数のライティング装置を含みながら、それでもライティングネットワーク620全体にわたる相当に効率的な電力の使用を確保することのできるライティングネットワーク実現を容易にする。ここでも、認識すべきことは、図23は3つのライティング装置500A、500B、500Cを示しているが、ネットワーク620は、この点には限定されることはなく、異なる数のライティング装置を互いに結合してネットワーク620を形成することができる。
【0214】
図23に関係して上記で考察した全体ネットワークアーキテクチャに基づく、さらに別のネットワーク実装においては、結合されてネットワークを形成する複数のライティング装置は、ブリッジ整流器も力率補正装置も含まなくてもよく、代わりに、共通のブリッジ整流器および力率補正装置を、ネットワークの複数のライティング装置間で「共有」してもよい。図23Aは、そのようなネットワーク実装を示し、この実装では、共有ブリッジ整流器68または力率補正装置520によって供給される共通DC入力電圧212が、電力分配媒体としての役割を果たし、したがって、ネットワークの複数ライティング装置500A‐1、500B‐1、500C‐1の間で共有される。ここでも、ライティング装置500A‐1、500B‐1、500C‐1のそれぞれは、各ライティング装置(これの一例は、図23Aにおいて、ライティング装置500A‐1によって明示的に示されている)においては、ブリッジ整流器および任意選択の力率補正装置が必要ではないという点で、図22に示すライティング装置500とは異なる。図21に関係して上記で考察したように、比較的高いDC電圧を介してネットワーク全体にDC電力源を分散させることによって、相当のケーブル長を必要とするネットワーク実現に対して重要となる、抵抗性電力損失を低減し、それによって電力効率を向上させることができる。
【0215】
図23Aに示す全体構成に基づく、別のネットワーク実装においては、図22A、22B、22Cと関係して上記で考察したものと類似する、本開示による修正型力率補正装置を使用することができる。そのような実装においては、ネットワークコントローラ65の構成は、入力情報208から得ることのできる、任意の時間におけるネットワーク上のすべての負荷によって引き出される予想電力に関する事前に分かっている情報に基づいて、力率補正装置に制御信号73を供給するようにすることができる。図23Aには明示的に示してないが、この構成におけるネットワークコントローラは、整流線間電圧69(VAC)、分散電圧212、および線間電圧から引き出される電流IACに関する何らかのパラメータを監視して、図22A、22B、22Cに関係して上記で考察したものに類似の方法で、力率補正装置に制御信号73を供給するように構成してもよい。
【0216】
図24A、24Bは、本開示の一態様による、図22または22Aのライティング装置500用のハウジング構成の様々な図形を示す図である。特に、図24A、24Bは、ライティング装置500用の本質的に直線状のハウジング1402を示し、これには、ブリッジ整流器68、任意選択の力率補正装置520、プロセッサ550、1つまたは2つ以上の電力制御装置200および関連するLEDベース負荷(複数を含む)100を配置することができる。一観点において、ハウジング1402の上部には、負荷(複数を含む)100のLEDをその中に配置する、スロット1408を含めてもよい。別の観点では、ハウジング1402には、LED100を保護および/またはLEDにより生成される光を成形(例えば、拡散)するためのレンズ1412を含めてもよい。
【0217】
図24A、24Bにも示すように、ハウジング1402には、1つまたは2つ以上のコネクタ1404A、1404Bを含めて、それを介してAC線間電圧67および入力情報208を装置500に供給するようにしてもよい。一観点においては、コネクタ1404A、1404Bを、相補的(例えば、オス/メス)配設に構成して、第1のライティング装置のコネクタ1404Aが、第2のライティング装置の相補コネクタ1404Bに電気的かつ機械的に結合されるようにして、(例えば、図23に関係して上記で考察したように)複数ライティング装置の電気的および機械的な結合を容易にしてもよい。さらに別の観点では、ハウジング1402には、コネクタを使用していない場合には、1つまたは2つ以上のコネクタ1404A、1404Bを覆うためのカバー1414(図24Bを参照)を含めてもよい。
【0218】
図24Aに示すように、例示的一実装において、ハウジング1402の1つまたは2つ以上のコネクタは、ハウジング1402から外向きに延びるように構成してもよい。代替的に、図24Bに示す別の可能な実装においては、ハウジング1402の構成は、1つまたは2つ以上のコネクタ1404A、1404Bが、ハウジングの実質的に外周縁を超えて延びないようにして、それによって複数のライティング装置500を隣接して互いに突き合わせることを容易にすることができる。図24Bは、また、一態様による、ライティング装置500の直線型ハウジング1402に対する例示的な寸法形状を示している。
【0219】
上記で考察したいくつかの態様は、一般に、「フィードフォワード」電力制御装置に関するが、その他の態様によれば、負荷に関係するある種のフィードバックを組み込むが、それにもかかわらず、簡略化されて、かつ電力効率の良い回路対策法をもたらす、様々な電力制御装置を実現することができる。
【0220】
例えば、図25は、スイッチコントローラが、電流調整器を介してLEDベース負荷からの電圧フィードバックを受け取る、回路を示している。図26の態様において、2つの異なるLEDベース負荷が、単一のインダクタを介して駆動され、負荷の一方が、他方の負荷よりも高い電流で駆動される。この態様においては、電圧フィードバックは、各LEDベース負荷から電流調整器を介して供給される。図26において、インダクタL1は、トランジスタQ1Aのオン時間中にキャパシタC2を充電し、L1に蓄積されたエネルギーは、オフ時間の間にC2とC3とに分割される。トランジスタQ2Aは、負荷LED2における電流をさらに低減することができる。
【0221】
図27の態様においては、ここでも2つの異なるLEDベース負荷が、単一のインダクタを介して駆動され、負荷の一方は、他方の負荷よりも高い電圧で駆動される。図25、26と同様に、電圧フィードバックが、各負荷から電流調整器を介して行われる。図27において、コントローラ#2によって、スイッチQ2Aが、LEDストリング1およびLEDストリング2からの電力流を分流させることが可能になる。これらのコントローラが交番することによって、ストリング1およびストリング2は、ストリング間で任意所望の比率で安定した電力流を達成することが可能になる。
【0222】
図28の態様においては、3つのLEDベース負荷が、電流調整器電圧フィードバックに基づいて、単一のインダクタによって駆動され、負荷LED1は、ほぼ同等の電圧で動作する、負荷LED2、LED3よりも高い電圧で駆動される。図29の態様においては、ここでも3つのLEDベース負荷が、図28に示すものと類似の配設における電流調整器電圧フィードバックに基づいて、単一のインダクタによって駆動されるが、図29においては、負荷LED2またはLED3の最小電圧を、いずれが小さいかを事前に知ることなく調整する回路が含まれている。
【0223】
図30の態様においては、3つ以上のLEDストリングが、電流調整器電圧フィードバックに基づいて単一のインダクタに駆動され、ストリングLED1は、その他の負荷よりも高い電圧で動作する。同様に、図31の態様において、3つのLEDストリングは、電流調整器電圧フィードバックに基づいて単一のインダクタで駆動され、ストリングLED1およびLED2は、ストリングLED3よりも高い電圧で動作する。
【0224】
図32の態様においては、1つのLEDストリングは、電流調整器電圧フィードバックに基づいて単一インダクタで駆動し、最小調整、PWM整合電流調整器に対する修正が組み込まれている。この態様において、R1はわずかな過剰電流を供給し、この過剰電流は、ゼロデューティサイクルで動作されるときに、C2の両端の電圧の低下を防止する。R1の低圧側端子は、任意選択で、PSUコントローラのための供給電圧を引き出すことを可能にするように、接続してもよい。
【0225】
図33の態様においては、2つまたは3つのLEDストリングが、電流調整器電圧フィードバックに基づいて、単一の変圧器で駆動され、LEDストリング1は、他の2つのLEDストリングよりも高い電圧で動作する。図34において、各ストリングにおける負荷、ダイオードおよびトランジスタの順序は、図33の態様の代替実装を示すために配置し直してある。
【0226】
いくつかの説明用の態様について説明したが、ここで認識すべきことは、当業者であれば様々な代替形態、修正形態、および改良形態を容易に思いつくであろうことである。そのような代替形態、修正形態、および改良形態は、本開示の一部であり、本開示の趣旨と範囲に含めることを意図するものである。本明細書において提示したいくつかの実施例は、機能または構造要素の特有の組み合わせを必要とするが、ここで理解すべきことは、それらの機能および要素は、本開示の一般教示に基づいて、その他の方法で組み合わせて、同一または異なる目的を達成することができることである。特に、一態様に関係して考察した動作、要素、および機能は、その他の態様における、類似またはその他の役割から除外することを意図するものではない。したがって、前述の説明および添付の図面は、例示としてだけのものであり、限定を意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0227】
【図1】従来型ステップダウン「バック」型DC‐DC変換器の回路図である。
【図2】図1のDC‐DC変換器に関連する種々の動作信号を示す図である。
【図3】図1の変換器における2回の連続スイッチング動作中のインダクタ電流対印加電圧を具体的に示す図である。
【図4】従来型ステップアップ「ブースト」型DC‐DC変換器の回路図である。
【図5】従来式の反転型または「バック・ブースト」型のDC‐DC変換器の回路図である。
【図6】従来型「CUK」型DC‐DC変換器の回路図である。
【図7】電流モード用に構成された、図5に示すものと同様のバック・ブースト変換器の回路図である。
【図8】従来型「フライバック」型DC‐DC変換器の回路である。
【図9】従来型「フィードフォワード」型DC‐DC変換器の回路である。
【図9A】ブースト変換器トポロジに基づく、従来型力率補正装置の回路図である。
【図9B】図9Aに示す、力率補正装置の力率補正コントローラの機能を概念的に示す図である。
【図10】負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素に配給される電力を変調するように構成された、負荷に結合されたDC‐DC変換器の例示的な従来型配設を模式的に示す図である。
【図11】負荷の1つまたは2つ以上の機能構成要素に配給される電力を変調するように構成された、負荷に結合されたDC‐DC変換器の、別の例示的な従来型配設を模式的に示す図である。
【図12】本開示の一態様による、スイッチング電源構成に少なくとも部分的に基づく、「フィードフォワード」電力制御装置を示すブロック図である。
【図13】本開示の一態様による、図12の電力制御装置のいくつかの追加の詳細を示す図である。
【図14】本開示の一態様による、図12および13の装置に対する、例示的タイミング図である。
【図15】電力源から引き出されるインダクタ電流を監視し、スイッチング動作のデューティサイクルを調節することに部分的に基づいて装置が制御される、本開示の一態様による図12および13の電力制御装置の一部分を示す回路図である。
【図16】装置への入力電圧を監視し、スイッチング動作のデューティサイクルを調節することに部分的に基づいて装置が制御される、本開示の別の態様による図12および13の電力制御装置の一部分を示す回路図である。
【図17】スイッチング動作の有効周波数を調節することに基づいて装置が制御される、本開示の別の態様による、図12および13の電力制御装置のスイッチコントローラの一部分を示す回路図である。
【図18】スイッチング動作のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して負荷への電力を制御することのできる、本開示の別の態様による、電力制御装置を示す図である。
【図19】スイッチング動作のデューティサイクルおよび有効スイッチング周波数の両方を制御して負荷への電力を制御することのできる、本開示のさらに別の態様による、電力制御装置を示す図である。
【図20】本開示の一態様による、タップ付インダクタを組み入れた電力制御装置の一部分を示す回路図である。
【図20A】本開示の一態様による、残留蓄積エネルギーを低減する追加の構成要素を備える、図20に示す電力制御装置の部分を示す回路図である。
【図21】本開示の一態様による、複数電力制御装置に基づく、ライティングネットワークを示すブロック図である。
【図22】本開示の一態様による、複数電力制御装置を組み入れた、ライティング装置を示す図である。
【図22A】本開示の一態様による、修正力率補正制御を備える、図22に示すものと類似のライティング装置を示す図である。
【図22B】本開示の一態様による、図22Aの力率補正装置の回路概要、および力率補正装置の制御に専用のプロセッサの一部分の概念的な機能ブロック図である
【図22C】本開示の一態様による、図22A、22Bに示す力率補正装置のさらなる回路詳細を示す図である。
【図23】本開示の一態様による、図22に示すものと類似する、複数ライティング装置に基づく、ライティングネットワークを示すブロック図である。
【図23A】本開示の一態様による、図22に示すものと類似する、複数ライティング装置に基づく、代替ライティングネットワークを示すブロック図である。
【図24A】本開示の一態様による、図22のライティング装置用のハウジング構成の、様々な視野を示す図である。
【図24B】本開示の一態様による、図22のライティング装置用のハウジング構成の、様々な視野を示す図である。
【図25】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図26】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図27】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図28】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図29】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図30】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図31】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図32】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図33】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【図34】本開示のその他の態様による、電力制御装置を示す回路図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第1のLED;および
前記少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を制御可能に変化させるように構成された第1のフィードフォワードドライバ、
を含む装置。
【請求項2】
第1のフィードフォワードドライバは、
電源から引き出される入力エネルギーを蓄積して、少なくとも1つの第1のLEDに出力エネルギーを供給する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素;および
前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積される入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1のフィードフォワードドライバは、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、少なくとも1つのスイッチ、および少なくとも1つのダイオードを含む、エネルギー伝達配設をさらに含み、該エネルギー伝達配設は、バック変換器、ブースト変換器、バック・ブースト変換器、CUK変換器、フライバック変換器およびフォワード変換器の1つとして構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つのエネルギー伝達要素は、タップ付インダクタと、不均一巻数比を有する変圧器の一方を含む、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号を受け取るように構成された少なくとも1つのコントローラであって、少なくとも第1のドライバ信号を出力して、第1のフィードフォワードドライバの少なくとも1つのスイッチを制御する、前記少なくとも1つのコントローラをさらに含む、請求項2〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの内の少なくとも一方を制御して、少なくとも1つの第1のLEDに関係するフィードバック情報を使用することなく、第1の強度を制御するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのコントローラは、電源の電圧出力と電源から引き出される電流の一方と、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号とに基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのコントローラは、パルス数変調手法を用いて第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させることによって、第1のドライバ信号の周波数を制御するように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号のデューティサイクルを実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させるように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号の周波数を実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルを制御可能に変化させるように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御可能に変化させるように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つのコントローラは、第1の強度に対する所望強度の相対範囲に基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御するように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項13】
所望強度は、少なくとも第1の範囲および第2の範囲を含み、少なくとも1つのコントローラは、前記第1の範囲において、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの一方だけを制御するように構成されており、かつ前記少なくとも1つのコントローラは、前記第2の範囲において、前記第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
所望強度は、少なくとも第1の範囲、第2の範囲および第3の範囲を含み、少なくとも1つのコントローラは、前記第1の範囲においては、第1のドライバ信号の周波数だけを、前記第2の範囲においては、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルだけを、前記第3の範囲においては、前記第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つのコントローラはアドレス指定可能デバイスとして、ネットワークを介しての装置の制御を容易にする、請求項5〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの制御信号は、DMXプロトコルを使用してフォーマットされている、請求項5〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
AC線間電圧を受け入れ整流電圧を出力する全波整流器、および
前記全波整流器と、少なくとも第1のフィードフォワードドライバとに結合されて、前記整流電圧を受け入れ、装置に対する力率補正を行う、力率補正装置、
をさらに含む、請求項5〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
少なくとも1つのコントローラは、少なくとも、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号に基づいて、力率補正装置を制御するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つの第1のLEDは、少なくとも1つの白色LEDを含む、請求項1〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを有する第2の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第2のLED、および
前記少なくとも1つの第2のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第2のLEDに供給される第2の電圧または第2の電流を監視または調整することなく、前記第2の放射の第2の強度を制御するように構成された第2のフィードフォワードドライバ、
をさらに含む、請求項1〜19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
第1および第2のフィードフォワードドライバは、少なくとも1つの制御信号に基づいて、第1および第2の強度を独立に制御するように構成されており、情報は、第1の強度を表わす第1の情報と第2の強度を表わす第2の情報とを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの第2のLEDは、少なくとも1つの非白色LEDを含む、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも1つの第1のLEDおよび少なくとも1つの第2のLEDは、白色LEDだけを含む、請求項20または21に記載の装置。
【請求項24】
第2のスペクトルおよび第1のスペクトルと異なる第3のスペクトルを有する第3の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第3のLED、および
前記少なくとも1つの第3のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第3のLEDに供給される第3の電圧または第3の電流を監視または調整することなく、前記第3の放射の第3の強度を制御するように構成された、第3のフィードフォワードドライバ、
をさらに含む、請求項20〜23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの第1のLEDは少なくとも1つの赤色LEDを含み、少なくとも1つの第2のLEDは、少なくとも1つの緑色LEDを含み、少なくとも1つの第3のLEDは、少なくとも1つの青色LEDを含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
A)少なくとも1つの第1のLEDから、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為;および
B)前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を制御可能に変化させる行為、
を含む方法。
【請求項27】
行為B)は、
電源から引き出した入力エネルギーを、少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、
前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを、少なくとも1つの第1のLEDに供給する行為、および
前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された入力エネルギーを制御する行為、
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1つのエネルギー伝達要素および少なくとも1つのスイッチは、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのスイッチ、および少なくとも1つのダイオードを含む、エネルギー伝達配設の一部を形成し、該エネルギー伝達配設は、バック変換器、ブースト変換器、バック・ブースト変換器、CUK変換器、フライバック変換器、およびフォワード変換器の内の1つとして構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
エネルギー伝達要素は、タップ付インダクタと不均一巻数比を有する変圧器の一方を含む、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
行為B)は、
第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの制御信号を受け取る行為、および
少なくとも1つのスイッチを制御する、少なくとも第1のドライバ信号を生成する行為を含む、請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
C)第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御し、それによって、少なくとも1つの第1のLEDに関するフィードバック情報を使用することなく、第1の強度を制御する行為、
をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
行為C)は、
電源により出力される電圧と電源から引き出される電流の内の少なくとも一方と、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号とに基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの内の少なくとも一方を制御する行為を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
行為C)は、
パルス数変調手法を用い各ドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させることによって、第1のドライバ信号の周波数を制御する行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させる行為は、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルを実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させる行為を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
行為C)は、
第1のドライバ信号の周波数を実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルを制御可能に変化させる行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項36】
行為C)は、
第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御可能に変化させる行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項37】
行為C)は、
C1)第1の強度に対する所望強度の相対的範囲に基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御する行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項38】
所望強度は、少なくとも第1の範囲および第2の範囲を含み、行為C1)は、
前記第1の範囲において、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの一方だけを制御する行為、および
前記第2の範囲において、前記第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御する行為、
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
所望強度は、少なくとも第1の範囲、第2の範囲および第3の範囲を含み、行為C1)は、
前記第1の範囲においては、第1のドライバ信号の周波数だけを制御する行為、
前記第2の範囲においては、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルだけを制御する行為、および
前記第3の範囲においては、前記第1のドライバ信号の前記周波数とデューティサイクルの両方を制御する行為、
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1および第2の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号を、ネットワークを介してアドレス指定信号として受け取る行為をさらに含む、請求項30〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
第1および第2の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号を、DMXプロトコルを使用してフォーマットする行為、
をさらに含む、請求項30〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
AC線間電圧を整流して整流電圧を供給する行為、
前記整流電圧から引き出される電流を制御して力率補正を行う行為、
をさらに含む、請求項30〜41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
整流電圧から引き出される電流を制御する行為は、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号に少なくとも部分的に基づいて、前記整流電圧から引き出される電流を制御する行為を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの第1のLEDは、少なくとも1つの白色LEDを含む、請求項26〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
C)少なくとも1つの第2のLEDから、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを有する第2の放射を生成する行為、および
D)前記少なくとも1つの第2のLEDに供給される第2の電圧または第2の電流を監視または調整することなく、前記第2の放射の第2の強度を制御する行為、
をさらに含む、請求項26〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
E)第1および第2の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの制御信号に基づいて、B)およびD)の行為を独立に実行する行為、
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1つの第2のLEDは、少なくとも1つの非白色LEDを含む、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも1つの第1のLEDおよび少なくとも1つの第2のLEDは白色LEDだけを含む、請求項45または46に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つの第3のLEDから、第2のスペクトルおよび第1のスペクトルと異なる第3のスペクトルを有する第3の放射を生成する行為、および
前記少なくとも1つの第3のLEDに供給される第3の電圧または第3の電流を監視または調整することなく、前記第3の放射の第3の強度を制御する行為
をさらに含む、請求項45〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
少なくとも1つの第1のLEDは少なくとも1つの赤色LEDを含み、少なくとも1つの第2のLEDは少なくとも1つの緑色LEDを含み、少なくとも1つの第3のLEDは少なくとも1つの青色LEDを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項1】
第1のスペクトルを有する第1の放射を生成するように構成された、少なくとも1つの第1のLED;および
前記少なくとも1つの第1のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を制御可能に変化させるように構成された第1のフィードフォワードドライバ、
を含む装置。
【請求項2】
第1のフィードフォワードドライバは、
電源から引き出される入力エネルギーを蓄積して、少なくとも1つの第1のLEDに出力エネルギーを供給する、少なくとも1つのエネルギー伝達要素;および
前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合されて、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積される入力エネルギーを制御する、少なくとも1つのスイッチ、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1のフィードフォワードドライバは、少なくとも1つのエネルギー伝達要素、少なくとも1つのスイッチ、および少なくとも1つのダイオードを含む、エネルギー伝達配設をさらに含み、該エネルギー伝達配設は、バック変換器、ブースト変換器、バック・ブースト変換器、CUK変換器、フライバック変換器およびフォワード変換器の1つとして構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも1つのエネルギー伝達要素は、タップ付インダクタと、不均一巻数比を有する変圧器の一方を含む、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号を受け取るように構成された少なくとも1つのコントローラであって、少なくとも第1のドライバ信号を出力して、第1のフィードフォワードドライバの少なくとも1つのスイッチを制御する、前記少なくとも1つのコントローラをさらに含む、請求項2〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの内の少なくとも一方を制御して、少なくとも1つの第1のLEDに関係するフィードバック情報を使用することなく、第1の強度を制御するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのコントローラは、電源の電圧出力と電源から引き出される電流の一方と、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号とに基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのコントローラは、パルス数変調手法を用いて第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させることによって、第1のドライバ信号の周波数を制御するように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号のデューティサイクルを実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させるように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号の周波数を実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルを制御可能に変化させるように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのコントローラは、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御可能に変化させるように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つのコントローラは、第1の強度に対する所望強度の相対範囲に基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御するように構成されている、請求項6または7に記載の装置。
【請求項13】
所望強度は、少なくとも第1の範囲および第2の範囲を含み、少なくとも1つのコントローラは、前記第1の範囲において、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの一方だけを制御するように構成されており、かつ前記少なくとも1つのコントローラは、前記第2の範囲において、前記第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
所望強度は、少なくとも第1の範囲、第2の範囲および第3の範囲を含み、少なくとも1つのコントローラは、前記第1の範囲においては、第1のドライバ信号の周波数だけを、前記第2の範囲においては、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルだけを、前記第3の範囲においては、前記第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御するように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つのコントローラはアドレス指定可能デバイスとして、ネットワークを介しての装置の制御を容易にする、請求項5〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの制御信号は、DMXプロトコルを使用してフォーマットされている、請求項5〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
AC線間電圧を受け入れ整流電圧を出力する全波整流器、および
前記全波整流器と、少なくとも第1のフィードフォワードドライバとに結合されて、前記整流電圧を受け入れ、装置に対する力率補正を行う、力率補正装置、
をさらに含む、請求項5〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
少なくとも1つのコントローラは、少なくとも、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号に基づいて、力率補正装置を制御するように構成されている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つの第1のLEDは、少なくとも1つの白色LEDを含む、請求項1〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを有する第2の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第2のLED、および
前記少なくとも1つの第2のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第2のLEDに供給される第2の電圧または第2の電流を監視または調整することなく、前記第2の放射の第2の強度を制御するように構成された第2のフィードフォワードドライバ、
をさらに含む、請求項1〜19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
第1および第2のフィードフォワードドライバは、少なくとも1つの制御信号に基づいて、第1および第2の強度を独立に制御するように構成されており、情報は、第1の強度を表わす第1の情報と第2の強度を表わす第2の情報とを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
少なくとも1つの第2のLEDは、少なくとも1つの非白色LEDを含む、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも1つの第1のLEDおよび少なくとも1つの第2のLEDは、白色LEDだけを含む、請求項20または21に記載の装置。
【請求項24】
第2のスペクトルおよび第1のスペクトルと異なる第3のスペクトルを有する第3の放射を生成するように構成された少なくとも1つの第3のLED、および
前記少なくとも1つの第3のLEDに結合されて、前記少なくとも1つの第3のLEDに供給される第3の電圧または第3の電流を監視または調整することなく、前記第3の放射の第3の強度を制御するように構成された、第3のフィードフォワードドライバ、
をさらに含む、請求項20〜23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの第1のLEDは少なくとも1つの赤色LEDを含み、少なくとも1つの第2のLEDは、少なくとも1つの緑色LEDを含み、少なくとも1つの第3のLEDは、少なくとも1つの青色LEDを含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
A)少なくとも1つの第1のLEDから、第1のスペクトルを有する第1の放射を生成する行為;および
B)前記少なくとも1つの第1のLEDに供給される第1の電圧または第1の電流を監視または調整することなく、前記第1の放射の第1の強度を制御可能に変化させる行為、
を含む方法。
【請求項27】
行為B)は、
電源から引き出した入力エネルギーを、少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積する行為、
前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素からの出力エネルギーを、少なくとも1つの第1のLEDに供給する行為、および
前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に結合された少なくとも1つのスイッチを介して、少なくとも、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素に蓄積された入力エネルギーを制御する行為、
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1つのエネルギー伝達要素および少なくとも1つのスイッチは、前記少なくとも1つのエネルギー伝達要素、前記少なくとも1つのスイッチ、および少なくとも1つのダイオードを含む、エネルギー伝達配設の一部を形成し、該エネルギー伝達配設は、バック変換器、ブースト変換器、バック・ブースト変換器、CUK変換器、フライバック変換器、およびフォワード変換器の内の1つとして構成される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
エネルギー伝達要素は、タップ付インダクタと不均一巻数比を有する変圧器の一方を含む、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
行為B)は、
第1の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの制御信号を受け取る行為、および
少なくとも1つのスイッチを制御する、少なくとも第1のドライバ信号を生成する行為を含む、請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
C)第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御し、それによって、少なくとも1つの第1のLEDに関するフィードバック情報を使用することなく、第1の強度を制御する行為、
をさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
行為C)は、
電源により出力される電圧と電源から引き出される電流の内の少なくとも一方と、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号とに基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの内の少なくとも一方を制御する行為を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
行為C)は、
パルス数変調手法を用い各ドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させることによって、第1のドライバ信号の周波数を制御する行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させる行為は、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルを実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号の有効周波数を制御可能に変化させる行為を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
行為C)は、
第1のドライバ信号の周波数を実質的に一定に保ちながら、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルを制御可能に変化させる行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項36】
行為C)は、
第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御可能に変化させる行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項37】
行為C)は、
C1)第1の強度に対する所望強度の相対的範囲に基づいて、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの少なくとも一方を制御する行為を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項38】
所望強度は、少なくとも第1の範囲および第2の範囲を含み、行為C1)は、
前記第1の範囲において、第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの一方だけを制御する行為、および
前記第2の範囲において、前記第1のドライバ信号の周波数とデューティサイクルの両方を制御する行為、
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
所望強度は、少なくとも第1の範囲、第2の範囲および第3の範囲を含み、行為C1)は、
前記第1の範囲においては、第1のドライバ信号の周波数だけを制御する行為、
前記第2の範囲においては、前記第1のドライバ信号のデューティサイクルだけを制御する行為、および
前記第3の範囲においては、前記第1のドライバ信号の前記周波数とデューティサイクルの両方を制御する行為、
を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1および第2の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号を、ネットワークを介してアドレス指定信号として受け取る行為をさらに含む、請求項30〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
第1および第2の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号を、DMXプロトコルを使用してフォーマットする行為、
をさらに含む、請求項30〜39のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
AC線間電圧を整流して整流電圧を供給する行為、
前記整流電圧から引き出される電流を制御して力率補正を行う行為、
をさらに含む、請求項30〜41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
整流電圧から引き出される電流を制御する行為は、第1の強度を表わす情報を含む少なくとも1つの制御信号に少なくとも部分的に基づいて、前記整流電圧から引き出される電流を制御する行為を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
少なくとも1つの第1のLEDは、少なくとも1つの白色LEDを含む、請求項26〜43のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
C)少なくとも1つの第2のLEDから、第1のスペクトルと異なる第2のスペクトルを有する第2の放射を生成する行為、および
D)前記少なくとも1つの第2のLEDに供給される第2の電圧または第2の電流を監視または調整することなく、前記第2の放射の第2の強度を制御する行為、
をさらに含む、請求項26〜44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
E)第1および第2の強度を表わす情報を含む、少なくとも1つの制御信号に基づいて、B)およびD)の行為を独立に実行する行為、
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1つの第2のLEDは、少なくとも1つの非白色LEDを含む、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
少なくとも1つの第1のLEDおよび少なくとも1つの第2のLEDは白色LEDだけを含む、請求項45または46に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つの第3のLEDから、第2のスペクトルおよび第1のスペクトルと異なる第3のスペクトルを有する第3の放射を生成する行為、および
前記少なくとも1つの第3のLEDに供給される第3の電圧または第3の電流を監視または調整することなく、前記第3の放射の第3の強度を制御する行為
をさらに含む、請求項45〜48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
少なくとも1つの第1のLEDは少なくとも1つの赤色LEDを含み、少なくとも1つの第2のLEDは少なくとも1つの緑色LEDを含み、少なくとも1つの第3のLEDは少なくとも1つの青色LEDを含む、請求項49に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図20A】
【図21】
【図22】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図23A】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図20A】
【図21】
【図22】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図23A】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−188738(P2011−188738A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−88313(P2011−88313)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2007−504024(P2007−504024)の分割
【原出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(500074578)フィリップス ソリッド−ステート ライティング ソリューションズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88313(P2011−88313)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2007−504024(P2007−504024)の分割
【原出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(500074578)フィリップス ソリッド−ステート ライティング ソリューションズ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]