説明

電動アクチュエータシステム

【課題】イニシャライズに要する時間を短縮可能とする電動アクチュエータシステムを提供することにある。
【解決手段】回転基準位置が予め定められた回転範囲の間の原点位置に位置合わせされた条件で、回転基準位置を回転範囲の間の所望の位置に制御する位置制御と、回転基準位置が原点位置からズレた時に、電動モータ110を最初に所定方向に回転させて、回転基準位置を原点位置に合わせるイニシャライズ制御とが制御手段120によって実行される電動アクチュエータシステムにおいて、原点位置から、所定方向とは逆方向に予め定められた所定量だけ離れたイニシャライズ準備位置を設け、制御手段120は、イニシャライズ制御を実行する前に、回転基準位置をイニシャライズ準備位置に移動させるイニシャライズ前処理制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用空調装置のエアミックスドアやモード切替えドア等の可動部材を駆動するシステムに適用して好適な電動アクチュエータシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電動アクチュエータシステムとして、例えば特許文献1に示されるものが知られている。即ち、この電動アクチュエータシステムは、例えば車両用空調装置のエアミックスドアをアクチュエータ(直流モータ)によって回転制御するものとなっている。
【0003】
アクチュエータからはシャフトの回転方向、回転位置、および原点位置を示すパルス信号が出力されるようになっており、特許文献1では、アクチュエータからのパルス出力の変化が停止した時、およびパルス飛びが発生した時に、アクチュエータの回転を電気的に規制すると共に、パルス信号から得られる原点位置を記憶し、この原点位置をもとに作動基準位置を設定する(初期位置設定を行う)ようになっている。
【0004】
上記の作動基準位置の設定に当たっては、予め定められたイニシャライズ方向にアクチュエータを回転させていくことで原点位置を検出するようにしている。
【特許文献1】特開20004−215488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アクチュエータをイニシャライズ方向に回転させても、原点位置を示すパルス信号が検出されない場合は、エアミックスドアが回動する範囲の一方の終点に当たった後に、イニシャライズ方向とは逆方向にアクチュエータを再度回転させて、原点位置を示すパルス信号を検出するようにしていため、イニシャライズに時間を要し、目標とする空調状態への制御がその分遅れ、乗員に対する不快感を伴うことがあった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、イニシャライズに要する時間を短縮可能とする電動アクチュエータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
請求項1に記載の発明では、可動部材(14)を駆動させる電動モータ(110)と、
電動モータ(110)の回転軸(111)の回転方向および回転基準位置を検出して、電動モータ(110)の作動を制御する制御手段(120)とを備え、
回転基準位置が予め定められた回転範囲の間の原点位置に位置合わせされた条件で、回転基準位置を回転範囲の間の所望の位置に制御する位置制御と、回転基準位置が原点位置からズレた時に、電動モータ(110)を最初に所定方向に回転させて、回転基準位置を原点位置に合わせるイニシャライズ制御とが制御手段(120)によって実行される電動アクチュエータシステムにおいて、
原点位置から、所定方向とは逆方向に予め定められた所定量だけ離れたイニシャライズ準備位置を設け、
制御手段(120)は、イニシャライズ制御を実行する前に、回転基準位置をイニシャライズ準備位置に移動させるイニシャライズ前処理制御を実行することを特徴としている。
【0009】
イニシャライズ前処理制御を実行することにより、電動モータ(110)の回転基準位置を原点位置に対して所定方向の上流側で、且つ所定量離れた位置に設定することができる。そして、その後にイニシャライズ制御を行うようにしているので、すぐに回転基準位置を原点位置に合わせることができ、短時間でイニシャライズを完了することが可能となる。つまり、イニシャライズ制御開始時の回転基準位置によっては、従来技術のように所定方向に沿って電動モータ(110)を回転させても原点位置がすぐに検出できずに回転範囲の端部まで電動モータ(110)を回転させ、更に反転させるというような操作がなくなり、短時間でイニシャライズを完了することができる。また、端部に当たる回数を減らすことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、所定量は、位置制御を実行している所定条件の間に発生し得る回転基準位置と原点位置との最大位置ズレ量であることを特徴としている。
【0011】
これにより、イニシャライズ前処理制御時に、回転基準位置を原点位置に対して確実に所定方向の上流側に移動させることができる。
【0012】
最大位置ズレ量は、請求項3に記載の発明のように、一回に発生し得る回転基準位置と原点位置との位置ズレ量と、位置ズレ量の発生し得る回数とに応じて決定することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、制御手段(120)は、回転基準位置が原点位置からズレた時、且つ、電動モータ(110)が駆動している時に、イニシャライズ前処理制御、およびイニシャライズ制御を実行することを特徴としている。
【0014】
これにより、イニシャライズ前処理制御、イニシャライズ制御の回数を過度に増やすことを防止できる。
【0015】
可動部材(1)は、請求項5に記載の発明のように、空調装置(10)の空調風流れを制御する空調用ドア(14)に用いて好適である。
【0016】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の電動アクチュエータシステム100について図1〜図4を用いて説明する。電動アクチュエータシステム100は、車両用空調装置10のエアミックスドア14の回動制御を行うものであり、アクチュエータ110と制御装置120とを備えている。
【0018】
以下、説明に使用する図面において、図1は車両用空調装置10の全体構成を示す構成図、図2はエアミックスドア14の回動位置を示す説明図、図3はエアミックスドア14の回動位置をアクチュエータ110のパルス位置で示した表、図4は制御装置120が実行するイニシャライズ制御に係るフローチャートである。
【0019】
車両用空調装置10は、図1に示すように、空調ケーシング11内に送風機12、蒸発器13、エアミックスドア14、加熱器15、バイパス流路16、混合部17等が設けられて形成されている。
【0020】
送風機12は、モータ、およびファンを備えるスクロール式の送風機であり、選択されて開状態となった内気吸入口11aあるいは外気吸入口11bから空気(内気あるいは外気)を吸入して、この吸入した空気を空調ケーシング11の下流側(蒸発器13、加熱器16側に)に送る。各吸入口11a、11bの開閉状態は、内外気ドア18によって切換えられるようになっている。蒸発器13は、図示しない冷凍サイクルを構成する冷却用熱交換器であり、送風機12から送風される空気を冷却する。
【0021】
エアミックスドア14は、板状を成す可動部材、更に具体的には空調用の板ドアであり、アクチュエータ110によって回動駆動されて、蒸発器13で冷却された冷風の加熱器15側、あるいはバイパス流路16側への流量割合を調節する。
【0022】
加熱器15は、内部に車両エンジン5の冷却水(温水)が流通する加熱用熱交換器であり、冷却水を加熱源として蒸発器13からの冷風を加熱して温風とする。バイパス流路16は、蒸発器13で冷却された冷風を、加熱器15をバイパスするように流通させる流路である。混合部17は、加熱器15からの温風と、バイパス流路16からの冷風とを混合して温調する温調空間部である。
【0023】
温調された空調風は、各吹出口11c〜11e(フェイス吹出口11c、フット吹出口11d、デフ吹出口11e)のうち、選択されて開状態となった吹出口から吹出されるようになっている。各吹出口11c〜11eの開閉状態は、各ドア(フェイスドア19a、フットドア19b、デフドア19c)によって切換えられるようになっている。
【0024】
アクチュエータ110は、上記エアミックスドア14を回動駆動する駆動手段である。アクチュエータ110は、図示しない車両のバッテリからの電力が制御装置120によって供給されて回転駆動する直流式のモータ部と、モータ部の回転を減速する減速部と、減速部によって低速で回転駆動されるシャフト(回転軸)111とを備えている。
【0025】
シャフト111の円周上の一点には、回転基準位置が予め設定されており、この回転基準位置にエアミックスドア14の一端側が固定されている。回転基準位置は、予め定められた回転範囲の間を移動するようになっている。ここで回転範囲は、エアミックスドア14の反固定側となる他端側が、バイパス流路16を全閉として蒸発器13からの冷風のすべてを加熱器15に流すHOT側端部1の位置と、加熱器15の全面を覆い蒸発器13からの冷風のすべてをバイパス流路16側に流すCOOL側端部2の位置との間(エアミックスドア14の回動範囲)に対応するものとなっている。
【0026】
よって、シャフト111の回転基準位置が上記回転範囲を回転移動することによって、エアミックスドア14の他端側は、同様にHOT側端部1とCOOL側端部2との間(回動範囲)を回動するようになっている。
【0027】
また、シャフト111には、このシャフト111と共に回転するパルスパターンプレート(図示せず)と、パルスパターンプレートに接触する複数(例えば3つ)の接点ブラシ(図示せず)とが設けられている。そして、パルスパターンプレートの円周方向には、例えば2つの接点ブラシが位相差を持って接触状態となる導電部と、位相差をもって非接触状態となる非導電部とが交互に形成され、また、パルスパターンプレートの円周方向の一箇所には、例えば他の1つの接点ブラシが接触状態から非接触状態となる初期化領域が形成されている。初期化領域の位置は、上記シャフト111の回転基準位置に一致している。
【0028】
よって、アクチュエータ110は、このパルスパターンプレートと複数の接点ブラシとによって、回転範囲内におけるシャフト111の回転方向、および回転基準位置(初期化領域位置)を示す複数のパルス信号を発生するようになっており、この複数のパルス信号を制御装置120に所定時間毎に(例えば250ms毎に)出力するようになっている。
【0029】
また、シャフト111が回転する回転範囲の間には、イニシャライズ点(原点位置)が予め設けられている。イニシャライズ点は、回転範囲においてシャフト111を予め定めたイニシャライズ方向(所定方向であり、ここでは図2中の右方向)に回転させることで、回転基準位置の基準を合わせるための(後述するイニシャライズ制御のための)ポイントとして設定されたものである。
【0030】
ここでは、図2、図3に示すように、HOT側端部1とCOOL側端部2とを回転範囲の両端部として、その間にイニシャライズ点が設定されている。具体的な位置としては、アクチュエータ110のパルス信号に応じた単位回転移動量をパルス数で示した時に、例えば、HOT側端部1が93パルスの位置、COOL側端部2が4パルスの位置、そして、イニシャライズ点が47パルスの位置としている。
【0031】
更に、本実施形態では、イニシャライズ点に対するイニシャライズ準備位置を設けるようにしている。イニシャライズ準備位置は、イニシャライズ点に対してイニシャライズ方向とは逆方向、つまりイニシャライズ点に対してイニシャライズ方向の上流側に所定量だけ離れた位置として設定されたものである。
【0032】
上記イニシャライズ点の設定における所定量は、例えば、通常のエアミックスドア14の回動制御(後述する位置制御)を行っている所定条件の間に、イニシャライズ点と回転基準位置とがズレ得る最大位置ズレ量として決定することができる。更に具体的には、最大位置ズレ量は、一回に発生し得る位置ズレ量と、位置ズレの発生し得る回数と、余裕度とから決定できる。
【0033】
一回に発生し得る位置ずれ量は、例えば4パルス程度であると経験的に把握できている。また、位置ズレについては、以下のような場合に発生する。例えば車両のバッテリの電圧低下などで、アクチュエータ110と制御手段120およびバッテリとの接続状態が切断されると、アクチュエータ110におけるパルス信号の記憶が消去され、位置ズレが発生する(1回)。また、通常のアクチュエータ110の作動中においてもイニシャライズ実施前にパルス信号飛び等が発生すると、同様に位置ズレが発生し得る(1〜2回)。よって、通常のエアミックスドア14の回動制御においては、位置ズレの発生し得る回数は、例えば3回程度であると考えられる。また、余裕度としては3パルス程度を見込むと、
最大位置ズレ量=4パルス×3回+3パルス=15パルス
と設定でき、イニシャライズ準備位置としては、イニシャライズ点(47パルスの位置)からイニシャライズ方向とは逆方向に15パルス移動した62パルスの位置として設定することができる。
【0034】
制御装置120は、アクチュエータ110によってエアミックスドア14の作動を制御すると共に、車両用空調装置10全体(冷凍サイクル、送風機12、内外気切換えドア18、および各ドア19a〜19c等)の作動を制御する制御手段である。以下、制御装置120が実行する制御内容について説明する。
【0035】
1.通常空調制御(エアミックスドア14の位置制御)
制御装置120は、空調環境条件(例えば外気温、内気温、日射量、乗員が設定する設定温度等)に基づいて、必要吹出温度を設定し、車両用空調装置10から吹出される空調風の温度が必要吹出温度に近づくように、つまり、車室内の温度が設定温度に近づくように、冷凍サイクル(圧縮機)の作動、送風機12の作動、エアミックスドア14の回動位置、内外気切換えドア18の回動位置、および各ドア19a〜19cの回動位置の制御を行う。
【0036】
エアミックスドア14の回動位置の制御(位置制御)に当たっては、制御装置120は、アクチュエータ110のシャフト111の回転基準位置を予めイニシャライズ点に位置合わせしておき、必要吹出温度信号、およびアクチュエータ110からのパルス信号に応じて、アクチュエータ110を回転させて、回転基準位置を所望の位置(4パルス〜93パルスの間の位置)に移動させることで、エアミックスドア14が必要とされる回動位置となるように制御する。
【0037】
2.イニシャライズ制御
上記エアミックスドア14の位置制御において、バッテリの電圧低下、あるいはパルス信号飛び等によってシャフト111の回転基準位置がイニシャライズ点からズレた場合に、制御装置120は、イニシャライズ制御を実行する。
【0038】
即ち、図4に示すように、制御装置120は、エアミックスドア14の位置制御を行う中で、イニシャライズ点に対して回転基準位置のズレがあるか否かの判定を行っている(ステップS100)。この位置ズレの判定は、アクチュエータ110から出力されるパルス信号が時間経過に対して(250msの所定時間毎)、例えば不連続的なパルス信号値を得ることで異常と認識できる。つまり、連続的なエアミックスドア14の回動制御において、パルス値は4パルスから93パルスの間を連続的に変化すべきところを、パルス値が不連続に変化すると位置ズレ発生と判定する。
【0039】
そして、制御装置120は、ステップS110でイニシャライズ前処理制御を実施する。イニシャライズ前処理制御とは、図2に示すように、位置ズレが発生した時点でのシャフト111の回転基準位置(図2中の黒丸の位置)を、アクチュエータ110を回転させることで予め定めたイニシャライズ準備位置(図2中の白丸の位置)まで移動させるものである。この時のアクチュエータ110の回転方向は、位置ズレ発生時の回転基準位置に応じて、本来のイニシャライズ方向のみに限らず、逆方向も取り得るものとなる。
【0040】
そして、このイニシャライズ前処理制御の後に、ステップS120でイニシャライズ処理制御を実施する。イニシャライズ処理制御は、イニシャライズ前処理制御によって移動されたシャフト111の回転基準位置(イニシャライズ準備位置)を、イニシャライズ点に合わせるものである。この場合は、アクチュエータ110をイニシャライズ方向に回転させて行う。
【0041】
以上のように、本実施形態では、イニシャライズ前処理制御を実行することにより、アクチュエータ110の回転基準位置をイニシャライズ点に対してイニシャライズ方向の上流側で、且つ所定量離れた位置に設定することができる。そして、その後にイニシャライズ制御を行うようにしているので、すぐに回転基準位置をイニシャライズ点に合わせることができ、短時間でイニシャライズを完了することが可能となる。つまり、イニシャライズ制御開始時の回転基準位置によっては、従来技術のようにイニシャライズ方向に沿ってアクチュエータ110を回転させてもイニシャライズ点がすぐに検出できずに回転範囲の端部までアクチュエータ110を回転させ、更に反転させるというような操作がなくなり、短時間でイニシャライズを完了することができる。また、端部に当たる回数を減らすことができる。
【0042】
発明者の実機テストでは、従来技術においてイニシャライズに最大10秒要していたものに対して、本実施形態では、1.2秒に短縮できることを確認した。
【0043】
また、イニシャライズ準備位置の設定におけるイニシャライズ点からの所定量として、最大位置ズレ量を用いて設定するようにしているので、イニシャライズ前処理制御時に、回転基準位置をイニシャライズ点に対して確実にイニシャライズ方向の上流側に移動させることができる。
【0044】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図5に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、シャフト111の回転基準位置の位置ズレ検出時にアクチュエータ110の作動があるか否かを加味してイニシャライズ前処理制御、およびイニシャライズ制御を行うようにしたものである。図5は、第2実施形態における制御装置120が実施するイニシャライズ制御に係るフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、制御装置120は、ステップS100における位置ズレ検出をした後に、ステップS105で、現時点でアクチュエータ110が駆動しているか否かを判定して、アクチュエータ110が駆動している場合のみ、ステップS110でイニシャライズ前処理制御を実施し、更にステップS120でイニシャライズ制御を実施する。
【0046】
これにより、イニシャライズ前処理制御、イニシャライズ制御の回数を過度に増やすことを防止できる。
【0047】
(第3実施形態)
上記第1、第2実施形態では、電動アクチュエータシステム100が制御する可動部材としては、エアミックスドア14としたが、その他、各吹出用のドア19a〜19cや、内外気切換えドア18を対象とするようにしても良い。この場合のドア回動範囲の端部1、端部2、イニシャライズ点、イニシャライズ方向、イニシャライズ準備位置は、例えば図6のように設定することができる。
【0048】
(その他の実施形態)
上記第1〜第3実施形態では、電動アクチュエータシステム100が制御する可動部材としては、車両用空調装置10の各種ドアとしたが、他の可動部材を対象としても良い。
【0049】
また、イニシャライズ準備位置の設定のための所定量としては、最大位置ズレ量の考え方を採用したが、これに限らず他の条件をもとに適宜設定するようにしても良い。
【0050】
また、アクチュエータ110のシャフト111の回転方向、および回転基準位置の検出のために、摺動接点方式のものを採用したが、これに限らず、光学式のエンコーダ等のその他の位置検出方式を用いるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1実施形態における車両用空調装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】第1実施形態におけるエアミックスドアの回動位置を示す説明図である。
【図3】第1実施形態におけるエアミックスドアの回動位置をアクチュエータのパルス位置で示した表である。
【図4】第1実施形態における制御装置が実行するイニシャライズ制御に係るフローチャートである。
【図5】第2実施形態における制御装置が実行するイニシャライズ制御に係るフローチャートである。
【図6】第3実施形態における各種ドアの回動位置をアクチュエータのパルス位置で示した表である。
【符号の説明】
【0052】
14 エアミックスドア(可動部材、空調用ドア)
100 電動アクチュエータシステム
110 アクチュエータ(電動モータ)
111 シャフト(回転軸)
120 制御装置(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部材(14)を駆動させる電動モータ(110)と、
前記電動モータ(110)の回転軸(111)の回転方向および回転基準位置を検出して、前記電動モータ(110)の作動を制御する制御手段(120)とを備え、
前記回転基準位置が予め定められた回転範囲の間の原点位置に位置合わせされた条件で、前記回転基準位置を前記回転範囲の間の所望の位置に制御する位置制御と、前記回転基準位置が前記原点位置からズレた時に、前記電動モータ(110)を最初に所定方向に回転させて、前記回転基準位置を前記原点位置に合わせるイニシャライズ制御とが前記制御手段(120)によって実行される電動アクチュエータシステムにおいて、
前記原点位置から、前記所定方向とは逆方向に予め定められた所定量だけ離れたイニシャライズ準備位置を設け、
前記制御手段(120)は、前記イニシャライズ制御を実行する前に、前記回転基準位置を前記イニシャライズ準備位置に移動させるイニシャライズ前処理制御を実行することを特徴とする電動アクチュエータシステム。
【請求項2】
前記所定量は、前記位置制御を実行している所定条件の間に発生し得る前記回転基準位置と前記原点位置との最大位置ズレ量であることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータシステム。
【請求項3】
前記最大位置ズレ量は、一回に発生し得る前記回転基準位置と前記原点位置との位置ズレ量と、
前記位置ズレ量の発生し得る回数とに応じて決定されることを特徴とする請求項2に記載の電動アクチュエータシステム。
【請求項4】
前記制御手段(120)は、前記回転基準位置が前記原点位置からズレた時、且つ、前記電動モータ(110)が駆動している時に、前記イニシャライズ前処理制御、およびイニシャライズ制御を実行することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステム。
【請求項5】
前記可動部材(14)は、空調装置(10)の空調風流れを制御する空調用ドア(14)であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の電動アクチュエータシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−36662(P2010−36662A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200058(P2008−200058)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】